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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031138
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】コンテナ組立装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/26 20060101AFI20250228BHJP
   B29C 65/56 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
B65B43/26 B
B29C65/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137153
(22)【出願日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】591212408
【氏名又は名称】中洲電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇野 強
【テーマコード(参考)】
3E030
4F211
【Fターム(参考)】
3E030AA02
3E030CA04
3E030CB01
3E030EA01
3E030GA05
4F211AH56
4F211AR07
4F211TA06
4F211TC08
4F211TJ11
(57)【要約】
【課題】より簡単かつ迅速にコンテナを組み立てることを可能とするコンテナ組立装置を提供する。
【解決手段】コンテナ組立装置は、装置本体と、吊り上げ装置とを備える。吊り上げ装置は、天枠の対向する辺のそれぞれの被係合部に係合する係合片を有する吊り具と、吊り具を保持する保持部を有し、高さ方向に昇降移動可能に装置本体に支持された昇降体と、昇降体を所定の高さに移動させる昇降手段と、係合片が被係合部に係合した状態を維持しながら、吊り具を高さ方向上方に牽引することで、コンテナの天枠を所定の高さ位置に吊り上げるように構成された牽引手段とを備える。昇降手段は、昇降ドラムによる昇降ベルトの巻き取りまたは送り出しによって吊り具を退避位置に維持しながら昇降体を所定の高さ位置に移動可能であり、且つ、牽引手段は、牽引ドラムによる牽引ベルトの巻き取りによって牽引ベルトの張力を発生させ、吊り具を退避位置から係合可能位置へと変位可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てるためのコンテナ組立装置であって、
前記コンテナは、底壁と、内側に開口を有し、前記折り畳み形態において前記底壁上に載置される天枠と、前記底壁の横辺及び前記天枠の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部を有する一対の第1側壁と、前記天枠の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有し、前記折り畳み形態において内面が前記天枠の開口から上方に臨むように折り込まれる一対の第2側壁と、前記天枠の対向する辺にそれぞれ設けられた被係合部と、を備え、前記折り畳み形態から前記箱形態に変形する際、前記第1側壁が直状に延伸する中間形態を経て、前記第2側壁が外側に押圧されて前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着されるように構成されるものであり、
前記コンテナ組立装置は、
コンテナを配置するための配置空間を内部に画定する装置本体と、
前記装置本体に対して設けられた吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ装置は、
前記配置空間に導入された前記コンテナに対して、前記天枠の対向する辺のそれぞれの前記被係合部に係合する係合片を有する吊り具であって、前記配置空間内の前記コンテナに干渉しない退避位置と、前記退避位置から突出して前記被係合部および前記底壁にそれぞれ係合し得る係合可能位置との間で変位可能である吊り具と、
前記吊り具を保持する保持部を有し、高さ方向に昇降移動可能に前記装置本体に支持された昇降体と、
前記昇降体を所定の高さに移動させる昇降手段であって、前記昇降手段は、前記昇降体に連結され、高さ方向に延びる昇降ベルトと、前記昇降ベルトを巻き取りおよび送り出し可能とする昇降ドラムと、前記昇降ドラムを回転駆動する昇降モータとを備える、昇降手段と、
前記係合片が前記被係合部に係合した状態を維持しながら、前記吊り具を高さ方向上方に牽引することで、前記コンテナの前記天枠を所定の高さ位置に吊り上げるように構成された牽引手段であって、前記牽引手段は、前記吊り具に連結され、高さ方向に延びる牽引ベルトと、前記牽引ベルトを巻き取りおよび送り出し可能とする牽引ドラムと、前記牽引ドラムを回転駆動する牽引モータとを備える、牽引手段と、
を備える、吊り上げ装置と、
前記コンテナ組立装置の動作を制御する制御部と、を備え
前記昇降手段は、前記昇降ドラムによる前記昇降ベルトの巻き取りまたは送り出しによって前記吊り具を前記退避位置に維持しながら前記昇降体を所定の高さ位置に移動可能であり、且つ、
前記牽引手段は、前記牽引ドラムによる前記牽引ベルトの巻き取りによって前記牽引ベルトの張力を発生させ、前記吊り具を前記退避位置から前記係合可能位置へと変位可能であることを特徴とするコンテナ組立装置。
【請求項2】
前記吊り上げ装置は、前記コンテナの前記天枠を吊り上げる際の慣性力によって、前記コンテナの前記第2側壁を前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ組立装置。
【請求項3】
前記吊り上げ装置によって前記天枠が吊り上げられた前記中間形態の前記コンテナに対して、前記第2側壁を前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着するように、前記一対の第2側壁を内から外へと押圧するように作動する押圧装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ組立装置。
【請求項4】
前記牽引ベルトおよび前記昇降ベルトは、1体のベルト体として一体的に形成され、前記ベルト体の一端が前記牽引ドラムに連結され、前記ベルト体の他端が前記昇降ドラムに連結されることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ組立装置。
【請求項5】
前記係合片は、前記昇降体の前記保持部に設けられ、対向する前記被係合部に向けて斜め上方に傾斜する案内路に配置され、前記牽引ベルトによって高さ方向上方に吊り上げられると同時に、前記退避位置から前記係合可能位置へと斜め上方にスライド移動することを特徴とする請求項4に記載のコンテナ組立装置。
【請求項6】
前記牽引ベルトの張力が解除されたときに前記吊り具が自重によって前記係合可能位置から前記退避位置へと復帰することを特徴とする請求項4に記載のコンテナ組立装置。
【請求項7】
前記吊り具は、前記保持部に設けられた弾性体によって前記退避位置に常時的に付勢されており、
前記牽引ベルトの張力が解除されたときに前記吊り具が前記弾性体の弾性力によって前記係合可能位置から前記退避位置へと復帰することを特徴とする請求項4に記載のコンテナ組立装置。
【請求項8】
前記コンテナは、前記天枠の横辺にヒンジ部を介して回動式に連結され、前記天枠の前記開口を上方から観音開き状に閉塞する一対の蓋板をさらに備え、前記一対の蓋板は、前記天枠の上面に載置される閉塞位置と、前記天枠の開口を開放する開放位置とに変位可能であり、
前記吊り上げ装置は、前記一対の蓋板を前記閉塞位置から前記開放位置へと変位させる蓋板開放機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のコンテナ組立装置。
【請求項9】
前記蓋板開放機構は、前記昇降体に回動軸を介して軸支され、前記一対の蓋板をそれぞれ前記閉塞位置から前記開放位置へと変位させる一対の回動腕部を備え、
前記回動腕部には、前記コンテナの縦辺に対向配置され、前記各蓋板の被掛止部に下方から掛止する掛止片が設けられ、
前記掛止片が前記被掛止部に掛止した状態で前記一対の回動腕部が前記回動軸を中心に跳ね上げられることで、前記一対の蓋板が閉塞位置から開放位置へと回動することを特徴とする請求項8に記載のコンテナ組立装置。
【請求項10】
前記回動腕部には、前記牽引ドラムと前記吊り具との間で前記牽引ベルトが巻架される被巻架部が設けられ、
前記牽引ドラムによる前記牽引ベルトの巻き取りによって、前記被巻架部を介して前記回動腕部が初期姿勢から立ち上がり姿勢へと跳ね上げられ、
前記回動腕部が立ち上がり姿勢へと跳ね上げられた後、前記牽引ドラムによる前記牽引ベルトのさらなる巻き取りによって、前記牽引ベルトに張力が発生し、前記吊り具が前記退避位置から前記係合可能位置へと変位することを特徴とする請求項9に記載のコンテナ組立装置。
【請求項11】
前記吊り具は、前記係合片が連結され、前記コンテナの各横辺に沿って長手状に延びる一対の基部を備え、前記基部は、前記牽引ベルトによって上方に牽引されるように構成され、
前記牽引手段は、前記コンテナの一方の縦辺側において、前記一対の基部の一端側をそれぞれ牽引する一対の第1の牽引ベルトと、前記一対の第1の牽引ベルトをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第1の牽引ドラムとを備え、
前記牽引手段は、前記コンテナの他方の縦辺側において、前記一対の基部の他端側をそれぞれ牽引する一対の第2の牽引ベルトと、前記一対の第2の牽引ベルトをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第2の牽引ドラムとを備え、
前記一対の第1の牽引ドラムおよび前記一対の第2の牽引ドラムは、1つの前記牽引モータによって駆動されるように構成され、
前記蓋板開放機構が、前記コンテナの一方の縦辺側のみに設けられ、前記第1の牽引ドラムと前記基部との間で前記第1の牽引ベルトが前記回動腕部の前記被巻架部に巻架され、
前記第1の牽引ベルトと前記第2の牽引ベルトと間で、前記吊り具に作用する張力を同時に発生させるように、前記第2の牽引ベルトには弛みが形成されていることを特徴とする請求項10に記載のコンテナ組立装置。
【請求項12】
折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てるためのコンテナ組立装置であって、
前記コンテナは、底壁と、内側に開口を有し、前記折り畳み形態において前記底壁上に載置される天枠と、前記底壁の横辺及び前記天枠の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部を有する一対の第1側壁と、前記天枠の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有し、前記折り畳み形態において内面が前記天枠の開口から上方に臨むように折り込まれる一対の第2側壁と、前記天枠の対向する辺にそれぞれ設けられた被係合部と、前記天枠の横辺にヒンジ部を介して回動式に連結され、前記天枠の前記開口を上方から観音開き状に閉塞する一対の蓋板と、を備え、前記折り畳み形態から前記箱形態に変形する際、前記第1側壁が直状に延伸する中間形態を経て、前記第2側壁が外側に押圧されて前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着されるように構成されるものであり、且つ、前記一対の蓋板が、前記天枠の上面に載置される閉塞位置と、前記天枠の開口を開放する開放位置とに変位可能であり、
前記コンテナ組立装置は、
コンテナを配置するための配置空間を内部に画定する装置本体と、
前記装置本体に対して設けられた吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ装置は、
前記配置空間に導入された前記コンテナに対して、前記天枠の対向する辺のそれぞれの前記被係合部に係合する係合片を有する吊り具であって、前記配置空間内の前記コンテナに干渉しない退避位置と、前記退避位置から突出して前記被係合部および前記底壁にそれぞれ係合し得る係合可能位置との間で変位可能である吊り具と、
前記係合片が前記被係合部に係合した状態を維持しながら、前記吊り具を高さ方向上方に牽引することで、前記コンテナの前記天枠を所定の高さ位置に吊り上げるように構成された牽引手段と、
前記一対の蓋板を閉塞位置から開放位置へと変位させる蓋板開放機構と、を備える、吊り上げ装置と、
前記コンテナ組立装置の動作を制御する制御部と、を備え
前記蓋板開放機構は、前記昇降体に回動軸を介して軸支され、前記一対の蓋板をそれぞれ前記閉塞位置から前記開放位置へと変位させる一対の回動腕部を備え、
前記回動腕部には、前記コンテナの縦辺に対向配置され、前記各蓋板の被掛止部に下方から掛止する掛止片が設けられ、
前記掛止片が前記被掛止部に掛止した状態で前記一対の回動腕部が前記回動軸を中心に跳ね上げられることで、前記一対の蓋板が閉塞位置から開放位置へと回動することを特徴とするコンテナ組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てるためのコンテナ組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を収納して運搬するために、筐体の壁が板状に折り重なった折り畳み形態から筐体状の箱形態へ変形する折り畳み式コンテナ(図33図34参照)が使用されている。この折り畳み式コンテナは、不使用時に折り畳み積み重ねることでスペースを節約でき、尚且つ、ビス等を用いることなく簡易に組立および折り畳みが可能であることから、工場のラインなど、種々の用途において活用されている。そして、大量の折り畳み式コンテナを迅速かつ簡単に組み立てるために様々な試行錯誤がなされている。
【0003】
特許文献1は、折り畳み式コンテナの自動組立機を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。自動組立機では、折り畳み積み重ねたコンテナ(1)の両側面を、搬入装置(9)で図中左方向に搬入した後、下送り装置(29)によって保持し下方へ送り、下端のコンテナを側板等の自重によって概略伸長させる。そして、プッシュ装置(54)で第1の側板(3)を内側から押し完全に伸長させる。この状態でコンテナ(1)を搬送ベルト(57)で搬送した後、拡開装置(67)を侵入させて第2の側板(4)を押して拡開する。これによりコンテナ(1)が組み立てられる。この拡開装置(67)において、上方向に設けられたシリンダ(69)のロッド(71)の先端には1対の回動アーム(73)が設けられ、各回動アーム(73)の先端にローラ(75)が取り付けられている。1対の回動アーム(73)は互いの角度が所定角度よりも小さくならないようにするためのストッパを備えており、通常はローラ(75)及び回動アーム(73)の自重によりこの所定の角度に閉じられている。また、ローラ(75)がコンテナ(1)の底板(5)に接触すると、回動アーム(73)は前記角度が大きくなる方向に自在に回動するようになっている。このローラ(75)及び回動アーム(73)は、前記シリンダ(69)によりコンテナ内に侵入できる位置に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-2227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来の自動組立機(コンテナ組立装置)では、折り畳み積み重ねたコンテナのうちの1つを下送り装置によって保持し下方へ送り、プッシュ装置で第1の側板を内側から押して伸長させ、さらに、コンテナを搬送ベルトで搬送した後、拡開装置をで第2の側板を押して拡開することにより、コンテナを組み立てる。すなわち、従来の自動組立機は、1つのコンテナを組み立てるために多くの工程を要することから、迅速にコンテナを組み立てることができないことが問題として挙げられる。よって、本発明は、従来より組立工程を効率化し、簡易かつ迅速にコンテナを組み立てることを可能とすることを課題とした。
【0006】
また、従来の自動組立機は、1種類のコンテナに対応するのみであって、天板に蓋板が形成されたタイプの蓋板付きコンテナ(図34参照)を組み立てることはできないことが第2の問題として挙げられる。よって、本発明は、簡易かつ迅速に蓋板付きコンテナを組み立てることを可能とすることをさらなる課題とした。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より簡単かつ迅速にコンテナを組み立てることを可能とするコンテナ組立装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態のコンテナ組立装置は、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てるためのコンテナ組立装置であって、
前記コンテナは、底壁と、内側に開口を有し、前記折り畳み形態において前記底壁上に載置される天枠と、前記底壁の横辺及び前記天枠の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部を有する一対の第1側壁と、前記天枠の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有し、前記折り畳み形態において内面が前記天枠の開口から上方に臨むように折り込まれる一対の第2側壁と、前記天枠の対向する辺にそれぞれ設けられた被係合部と、を備え、前記折り畳み形態から前記箱形態に変形する際、前記第1側壁が直状に延伸する中間形態を経て、前記第2側壁が外側に押圧されて前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着されるように構成されるものであり、
前記コンテナ組立装置は、
コンテナを配置するための配置空間を内部に画定する装置本体と、
前記装置本体に対して設けられた吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ装置は、
前記配置空間に導入された前記コンテナに対して、前記天枠の対向する辺のそれぞれの前記被係合部に係合する係合片を有する吊り具であって、前記配置空間内の前記コンテナに干渉しない退避位置と、前記退避位置から突出して前記被係合部および前記底壁にそれぞれ係合し得る係合可能位置との間で変位可能である吊り具と、
前記吊り具を保持する保持部を有し、高さ方向に昇降移動可能に前記装置本体に支持された昇降体と、
前記昇降体を所定の高さに移動させる昇降手段であって、前記昇降手段は、前記昇降体に連結され、高さ方向に延びる昇降ベルトと、前記昇降ベルトを巻き取りおよび送り出し可能とする昇降ドラムと、前記昇降ドラムを回転駆動する昇降モータとを備える、昇降手段と、
前記係合片が前記被係合部に係合した状態を維持しながら、前記吊り具を高さ方向上方に牽引することで、前記コンテナの前記天枠を所定の高さ位置に吊り上げるように構成された牽引手段であって、前記牽引手段は、前記吊り具に連結され、高さ方向に延びる牽引ベルトと、前記牽引ベルトを巻き取りおよび送り出し可能とする牽引ドラムと、前記牽引ドラムを回転駆動する牽引モータとを備える、牽引手段と、
を備える、吊り上げ装置と、
前記コンテナ組立装置の動作を制御する制御部と、を備え
前記昇降手段は、前記昇降ドラムによる前記昇降ベルトの巻き取りまたは送り出しによって前記吊り具を前記退避位置に維持しながら前記昇降体を所定の高さ位置に移動可能であり、且つ、
前記牽引手段は、前記牽引ドラムによる前記牽引ベルトの巻き取りによって前記牽引ベルトの張力を発生させ、前記吊り具を前記退避位置から前記係合可能位置へと変位可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明の一形態のコンテナ組立装置によれば、吊り上げ装置によって配置空間に導入された折り畳み形態のコンテナの天枠を高さ方向上方に吊り上げることで、その自重によってコンテナを折り畳み形態から中間形態を介して箱形態へと変形させることを可能とする。特には、昇降手段によって、吊り具を退避位置に維持しながら昇降体を、コンテナを吊り上げ可能である所定の高さ位置に移動させ、そして、牽引手段によって、吊り具を退避位置から係合可能位置へと変位させることで、吊り具の係合片をコンテナの天枠の被係合部に係合させ、コンテナの天枠を確実に吊り上げることが可能である。したがって、コンテナ組立装置は、従来より組立工程を効率化し、かつ、より簡単かつ迅速にコンテナを組み立てることを可能とするものである。
【0010】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、前記吊り上げ装置は、前記コンテナの前記天枠を吊り上げる際の慣性力によって、前記コンテナの前記第2側壁を前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着させるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、前記吊り上げ装置によって前記天枠が吊り上げられた前記中間形態の前記コンテナに対して、前記第2側壁を前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着するように、前記一対の第2側壁を内から外へと押圧するように作動する押圧装置をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、前記牽引ベルトおよび前記昇降ベルトは、1体のベルト体として一体的に形成され、前記ベルト体の一端が前記牽引ドラムに連結され、前記ベルト体の他端が前記昇降ドラムに連結されることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、前記係合片は、前記昇降体の前記保持部に設けられ、対向する前記被係合部に向けて斜め上方に傾斜する案内路に配置され、前記牽引ベルトによって高さ方向上方に吊り上げられると同時に、前記退避位置から前記係合可能位置へと斜め上方にスライド移動することを特徴とする。
【0014】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、前記牽引ベルトの張力が解除されたときに前記吊り具が自重によって前記係合可能位置から前記退避位置へと復帰することを特徴とする。
【0015】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、前記吊り具は、前記保持部に設けられた弾性体によって前記退避位置に常時的に付勢されており、
前記牽引ベルトの張力が解除されたときに前記吊り具が前記弾性体の弾性力によって前記係合可能位置から前記退避位置へと復帰することを特徴とする。
【0016】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、
前記コンテナは、前記天枠の横辺にヒンジ部を介して回動式に連結され、前記天枠の前記開口を上方から観音開き状に閉塞する一対の蓋板をさらに備え、前記一対の蓋板は、前記天枠の上面に載置される閉塞位置と、前記天枠の開口を開放する開放位置とに変位可能であり、
前記吊り上げ装置は、前記一対の蓋板を前記閉塞位置から前記開放位置へと変位させる蓋板開放機構をさらに備えることを特徴とする。すなわち、本発明のコンテナ組立装置は、簡易かつ迅速に蓋板付きコンテナを組み立てることを可能とする。
【0017】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、
前記蓋板開放機構は、前記昇降体に回動軸を介して軸支され、前記一対の蓋板をそれぞれ前記閉塞位置から前記開放位置へと変位させる一対の回動腕部を備え、
前記回動腕部には、前記コンテナの縦辺に対向配置され、前記各蓋板の被掛止部に下方から掛止する掛止片が設けられ、
前記掛止片が前記被掛止部に掛止した状態で前記一対の回動腕部が前記回動軸を中心に跳ね上げられることで、前記一対の蓋板が閉塞位置から開放位置へと回動することを特徴とする。
【0018】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、
前記回動腕部には、前記牽引ドラムと前記吊り具との間で前記牽引ベルトが巻架される被巻架部が設けられ、
前記牽引ドラムによる前記牽引ベルトの巻き取りによって、前記被巻架部を介して前記回動腕部が初期姿勢から立ち上がり姿勢へと跳ね上げられ、
前記回動腕部が立ち上がり姿勢へと跳ね上げられた後、前記牽引ドラムによる前記牽引ベルトのさらなる巻き取りによって、前記牽引ベルトに張力が発生し、前記吊り具が前記退避位置から前記係合可能位置へと変位することを特徴とする。
【0019】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、
前記吊り具は、前記係合片が連結され、前記コンテナの各横辺に沿って長手状に延びる一対の基部を備え、前記基部は、前記牽引ベルトによって上方に牽引されるように構成され、
前記牽引手段は、前記コンテナの一方の縦辺側において、前記一対の基部の一端側をそれぞれ牽引する一対の第1の牽引ベルトと、前記一対の第1の牽引ベルトをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第1の牽引ドラムとを備え、
前記牽引手段は、前記コンテナの他方の縦辺側において、前記一対の基部の他端側をそれぞれ牽引する一対の第2の牽引ベルトと、前記一対の第2の牽引ベルトをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第2の牽引ドラムとを備え、
前記一対の第1の牽引ドラムおよび前記一対の第2の牽引ドラムは、1つの前記牽引モータによって駆動されるように構成され、
前記蓋板開放機構が、前記コンテナの一方の縦辺側のみに設けられ、前記第1の牽引ドラムと前記基部との間で前記第1の牽引ベルトが前記回動腕部の前記被巻架部に巻架され、
前記第1の牽引ベルトと前記第2の牽引ベルトと間で、前記吊り具に作用する張力を同時に発生させるように、前記第2の牽引ベルトには弛みが形成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の一形態のコンテナ組立装置は、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てるためのコンテナ組立装置であって、
前記コンテナは、底壁と、内側に開口を有し、前記折り畳み形態において前記底壁上に載置される天枠と、前記底壁の横辺及び前記天枠の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部を有する一対の第1側壁と、前記天枠の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有し、前記折り畳み形態において内面が前記天枠の開口から上方に臨むように折り込まれる一対の第2側壁と、前記天枠の対向する辺にそれぞれ設けられた被係合部と、前記天枠の横辺にヒンジ部を介して回動式に連結され、前記天枠の前記開口を上方から観音開き状に閉塞する一対の蓋板と、を備え、前記折り畳み形態から前記箱形態に変形する際、前記第1側壁が直状に延伸する中間形態を経て、前記第2側壁が外側に押圧されて前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着されるように構成されるものであり、且つ、前記一対の蓋板が、前記天枠の上面に載置される閉塞位置と、前記天枠の開口を開放する開放位置とに変位可能であり、
前記コンテナ組立装置は、
コンテナを配置するための配置空間を内部に画定する装置本体と、
前記装置本体に対して設けられた吊り上げ装置であって、
前記吊り上げ装置は、
前記配置空間に導入された前記コンテナに対して、前記天枠の対向する辺のそれぞれの前記被係合部に係合する係合片を有する吊り具であって、前記配置空間内の前記コンテナに干渉しない退避位置と、前記退避位置から突出して前記被係合部および前記底壁にそれぞれ係合し得る係合可能位置との間で変位可能である吊り具と、
前記係合片が前記被係合部に係合した状態を維持しながら、前記吊り具を高さ方向上方に牽引することで、前記コンテナの前記天枠を所定の高さ位置に吊り上げるように構成された牽引手段と、
前記一対の蓋板を閉塞位置から開放位置へと変位させる蓋板開放機構と、を備える、吊り上げ装置と、
前記コンテナ組立装置の動作を制御する制御部と、を備え
前記蓋板開放機構は、前記昇降体に回動軸を介して軸支され、前記一対の蓋板をそれぞれ前記閉塞位置から前記開放位置へと変位させる一対の回動腕部を備え、
前記回動腕部には、前記コンテナの縦辺に対向配置され、前記各蓋板の被掛止部に下方から掛止する掛止片が設けられ、
前記掛止片が前記被掛止部に掛止した状態で前記一対の回動腕部が前記回動軸を中心に跳ね上げられることで、前記一対の蓋板が閉塞位置から開放位置へと回動することを特徴とする。
【0021】
本発明の一形態のコンテナ組立装置によれば、吊り上げ装置によって配置空間に導入された折り畳み形態のコンテナの天枠を高さ方向上方に吊り上げることで、その自重によってコンテナを折り畳み形態から中間形態を介して箱形態へと変形させることを可能とする。特には、蓋板開放機構によって、蓋板付きコンテナの一対の蓋板をそれぞれ閉塞位置から開放位置へと変位させることによって、蓋板付きコンテナを開放状態の箱形態へと組み立てることが可能である。したがって、コンテナ組立装置は、従来より組立工程を効率化し、かつ、より簡単かつ迅速に、蓋板付きコンテナを組み立てることを可能とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明のコンテナ組立装置は、簡易かつ迅速にコンテナを組み立てることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置の概略斜視図。
図2図1のコンテナ組立装置の正面図。
図3図1のコンテナ組立装置の側面図。
図4図1のコンテナ組立装置の平面図。
図5図1のコンテナ組立装置の昇降体の上方から見た概略斜視図。
図6図5の昇降体の平面図。
図7図5の昇降体の正面図。
図8図5の昇降体の背面図。
図9図7の昇降体のA―A断面図。
図10図7の昇降体のB―B断面図。
図11図7の昇降体のC―C断面図。
図12図9の昇降体において、回動腕部が跳ね上げ位置に回動した形態を示す概略断面図。
図13図11の昇降体において、回動腕部が跳ね上げ位置にあり、且つ、吊り具が保持部から突出した形態を示す概略断面図。
図14図13の昇降体において、吊り具が保持部から突出した形態を示す概略断面図。
図15】(a)図5の昇降体の回動腕部および掛止片(掛止可能位置)を示す部分拡大斜視図、および、(b)屈折位置に変位した回動腕部および掛止片を示す部分拡大斜視図、。
図16図1のコンテナ組立装置の第1の昇降ベルトおよび第1の牽引ベルトからなる第1のバンド体を示す概略図。
図17図1のコンテナ組立装置の第2の昇降ベルトおよび第2の牽引ベルトからなる第2のバンド体を示す概略図。
図18】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、折り畳み形態のコンテナを配置空間に配置した、コンテナ組立装置の概略斜視図。
図19図18のコンテナ組立装置における吊り具とコンテナとの位置関係を示す模式図。
図20】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、配置空間内のコンテナに対して昇降体を下降させた第1工程を示す模式図。
図21】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、一対の回動腕部を跳ね上げて、コンテナの蓋板を閉塞位置から開放位置へと変位させる第2工程を示す模式図。
図22】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、吊り具を退避位置から係合可能位置に変位させた第3工程を示す模式図。
図23】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、コンテナの天枠を吊り上げて箱形態に変形させた第4工程を示す模式図。
図24】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、箱形態のコンテナを搬送ローラ上に載置し、吊り具を係合可能位置から退避位置に変位させて底部へと移動させた第5工程を示す模式図。
図25】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置に押圧装置を導入した形態を示す部分拡大斜視図。
図26図25のコンテナ組立装置の押圧装置の動作を模式的に示す部分拡大斜視図。
図27図25の押圧装置の動作を模式的に示す断面図であって、(a)スライド体が配置空間に向けて前進した形態を示し、(b)回動体が下方に回動した形態を示す。
図28図25の押圧装置の動作を模式的に示す平面図であって、図28(b)の形態に変位した後、さらに、押圧体から押圧部が突出した形態を示す。
図29】本発明の第2実施形態のコンテナ組立装置の蓋板開放機構を示す模式図。
図30図29の蓋板開放機構の動作を示す模式図。
図31】本発明の別実施形態のコンテナ組立装置を示す部分拡大断面図。
図32図31のコンテナ組立装置において、吊り具を退避位置から係合可能位置に変位させた形態を示す模式図。
図33】折り畳み式のコンテナ(蓋板なし)の一例を示す斜視図であって、(a)箱形態を示し、(b)中間形態を示し、(c)折り畳み形態を示す。
図34】折り畳み式のコンテナ(蓋板付き)の一例を示す斜視図であって、(a)蓋板が開放位置にある箱形態を示し、(b)蓋板が閉塞位置にある折り畳み形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、上下左右方向は、相互に入れ替えて解釈されてもよい。
【0025】
本実施形態のコンテナ組立装置100は、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てる用途に用いられる。また、本実施形態のコンテナ組立装置100は電源(図示せず)によって電力を供給されることで自動で駆動され、ユーザーによる制御盤(図示せず)等の操作によって、コンテナを組み立てることを可能とするものである。ここで、折り畳み式コンテナは、搬送などで一般的に使用されるものであるが、限定を目的とせず、図33の蓋板なしのコンテナ10または図34の蓋板付きコンテナ10として例示される。本発明のコンテナ組立装置100は、図33の蓋板なしコンテナ10および図34の蓋板付きコンテナ10の両方に対応するものである。そこで、以下の説明において、「コンテナ10」と記載した場合には、図33および図34の両方の構成を意味し、特に、図34の構成に特定する場合には、「蓋板付きコンテナ10」と記載される。
【0026】
図33(a)に示すとおり、蓋板なしの箱状のコンテナ10は、矩形板状の底壁11と、該底壁11に対向配置され、内側に開口を有する天枠12と、底壁11横辺および天枠12横辺の間で互いに対向する一対の第1側壁13と、底壁11縦辺および天枠12縦辺の間で互いに対向する一対の第2側壁14とを備える。天枠12の対向する横辺(または縦辺でもよい)の各々には、取っ手をなす凹状の2つの被係合部17が形成されている。コンテナ10は、図33(a)に示す上方に開口した筐体状の箱形態から、図33(b)に示す変形途中の形態を経て、図33(c)に示す板状に折り重なった折り畳み形態へと相互に変形可能である。図33(b)に示すように、一対の第1側壁13は、底壁11の横辺及び天枠12の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部13aを有する。また、図33(b)に示すように、一対の第2側壁14は、天枠12の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有する。また、第2側壁14の両側端縁および下端縁には、一対の第1側壁13の側端縁および底壁11の縦辺に嵌着される嵌合部15がそれぞれ設けられている。なお、図33(b)において、第1側壁13が部分的に屈折している場合、第2側壁14が第1側壁13の上端縁に当接することから、第2側壁14は底壁11側に回動しない。
【0027】
図33(a)の箱形態のコンテナ10では、一対の第2側壁14が直状の第1側壁13および底壁11の少なくとも一方に対して固着することによって、コンテナ10が箱状を維持している。また、図33(c)の折り畳み形態のコンテナ10では、底壁11の上に天枠12が載置されている。そして、該天枠12の開口の内側で、一対の第1側壁13がヒンジ部13aを介して内側に「く」字状に屈折して折り畳まれ、且つ、折り畳まれた第1側壁13の上方で、一対の第2側壁14が、その内面が天枠12の開口から上方に臨むように折り込まれている。そして、天枠12を持ち上げると、図33(a)~(c)に示すように、重力によって第1側壁13が屈折した状態から直状に延伸する中間形態に変形し、その後、第2側壁14を外側に押圧して第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌合部15を介して嵌着することによって、折り畳み形態から箱形態にコンテナ10を変形させることができる。なお、複数のコンテナ10は、折り畳み形態および箱形態のいずれであっても、複数段に積み重ねて配置することが可能である。
【0028】
図34(a)~(c)は、図33の蓋板なしのコンテナ10に対して、蓋板を追加した蓋板付きコンテナ10を示している。すなわち、図34の蓋板付きコンテナ10は、図33の蓋板なしのコンテナ10に対して、蓋板18以外は共通の構成を有している。図34(a)に示すように、蓋板付きコンテナ10は、天枠12の横辺に第2のヒンジ部18aを介して回動式に連結され、天枠12の開口を上方から観音開き状に閉塞する一対の蓋板18、18をさらに備える。一対の蓋板18、18は、天枠12の上面に載置される閉塞位置と、天枠12の開口を開放する(第1側壁13の外面に当接する)開放位置とに変位可能である。そして、各蓋板18の下面側には、指などを引っ掛けて蓋板18を回動させるための被掛止部19が設けられている。図34(a)に示すように、箱形態の蓋板付きコンテナ10では、一対の蓋板18、18が一対の第1側壁13、13の外側に配置され、天枠12の開口が開放される。図34(b)に示すように、蓋板付きコンテナ10の第1側壁13および第2側壁14が折り畳まれた形態においても、一対の蓋板18、18が開放位置へと変位可能である。図34(c)では、第1側壁13および第2側壁14が折り畳まれた蓋板付きコンテナ10において、一対の蓋板18、18が天枠12の上面に載置される閉塞位置へと変位することで、蓋板付きコンテナ10が折り畳み形態を成している。
【0029】
図1乃至図4を参照して、本実施形態のコンテナ組立装置100の構成について説明する。図1は、コンテナ組立装置100の概略斜視図である。図2は、コンテナ組立装置100の正面図である。図3は、コンテナ組立装置100の側面図である。図4は、コンテナ組立装置100の平面図である。なお、図1乃至図4は、初期段階のコンテナ組立装置100を示している。
【0030】
図1乃至図4に示すように、本実施形態のコンテナ組立装置100は、コンテナを配置するための配置空間103を内部に画定する装置本体101と、該配置空間103に対して設けられた吊り上げ装置130と、該配置空間103に配置された組立後のコンテナ10を内外へ搬送するための搬送装置107とを備える。また、図示しないが、コンテナ組立装置100は、電源から電力を供給される電力供給部と、コンテナ組立装置100の各構成要素の動作を制御する制御部(プロセッサ)と、ユーザーからの指示を入力するための制御盤とを備え得る。以下、コンテナ組立装置100を構成する各構成要素について説明する。
【0031】
装置本体101は、縦横および高さ方向に延びる矩形状のフレーム102からなる。フレーム102の内側にコンテナ10を配置するための配置空間103が形成されている。配置空間103の4隅には、フレーム102の一部として4本の昇降レール105が高さ方向に亘って延びている。配置空間103は、平面視において1つのコンテナ10を配置可能な面積を有し、かつ、正面視において、少なくとも1つの箱形態のコンテナ10を配置可能な高さを有している。
【0032】
搬送装置107は、配置空間103の底部に設けられ、該配置空間103に配置されたコンテナ10を内外へと搬送するように構成されている。搬送装置107は、その上にコンテナ10を載置する複数の搬送ローラを備える。搬送ローラは、制御部によって回転駆動されることによって、適切なタイミングでコンテナ10を配置空間103の内外へと搬送することが可能である。なお、搬送装置107の上流側に連設して、コンテナを配置空間103へと導入するための導入路(図示せず)が任意に設けられてもよい。また、搬送装置107の下流側に連設して、搬出されたコンテナ10を搬送先に搬送するための搬送路(図示せず)が任意に設けられてもよい。
【0033】
吊り上げ装置130は、配置空間103にある一のコンテナ10の天枠12を保持(掛止)して、コンテナ10を高さ方向上方に吊り上げるように構成されている。吊り上げ装置130は、昇降レール105に保持され、該昇降レール105に沿って高さ方向に昇降移動する昇降体131と、該昇降体131に保持され、配置空間103に導入されたコンテナ10を折り畳み形態を維持しながら吊り上げるように構成された吊り具133と、昇降体131を所定の高さに移動させる昇降手段136と、吊り具133を高さ方向上方に牽引する牽引手段137と、蓋板付きコンテナ10(図34)の一対の蓋板18、18を閉塞位置から開放位置へと変位させる蓋板開放機構と、を備える。吊り具133は、天枠12の対向する辺のそれぞれの被係合部17に係合する係合片134を有する。すなわち、吊り上げ装置130は、吊り具133の係合片134が被係合部17に係合した状態でコンテナ10を高さ方向上方に吊り上げるように構成されている。
【0034】
図5乃至図15を参照して、昇降体131の構成をより詳細に説明する。
【0035】
昇降体131は、図5から図8に示すように、正面から見て前後方向の一対の第1フレーム131aおよび左右方向の一対の第2フレーム131bからなる矩形フレーム状を成している。また、昇降体131は、4本の昇降レール105の内側に配置され、昇降レール105に沿って高さ方向に摺動可能に支持されるように構成されている。特には、昇降体131の前後方向の第1フレーム131aの両端部が前後方向の2本の昇降レール105によって摺動可能に保持される。昇降体131には、被連結部131cを介して、昇降手段136の昇降ベルト136aが連結(巻架)される。
【0036】
昇降体131の各第1フレーム131aには、折り畳み形態のコンテナ10の横辺に対向可能であるように、吊り具133が保持されている。また、吊り具133には、第1フレーム131aに対して可動式に保持された基部133aが設けられている。基部133aは、第1フレーム131aの長手方向に沿って延在する長尺体である。基部133aは、牽引手段137の牽引ベルト137aによって上方に牽引されるように構成されている。この基部133aは、牽引ベルト137aの作用によって、吊り具133を退避位置から係合可能位置へと移動させるように作用する。長尺体である基部133aの両端近傍には、一対の係合片134が固定されている。
【0037】
図9乃至図11に示すように、吊り具133は、天枠12および底壁11の横辺を支持可能であるように、プレート状の(1または複数の)係合片134を備える。係合片134は、その先端において凹状の被係合部17に下方から引っ掛かって掛止可能な爪状のプレートからなる。本実施形態では、2つの係合片134が、コンテナ10の天枠12の横辺の2箇所の被係合部17にそれぞれ対向可能であるように設けられている。
【0038】
各吊り具133(係合片134)は、昇降体131の第1フレーム131aに形成された保持部132によって抜け止めされた状態で可動式に保持されている。そして、吊り具133は、該吊り具133が(配置空間103の)コンテナ10に干渉しない退避位置と、吊り具133が退避位置から配置空間103に突出してコンテナ10に係合し得る係合可能位置との間で変位するように構成されている。つまり、係合片134が保持部132に収まった位置が退避位置をなし、係合片134の一部が配置空間103に進入するように突出した位置が係合可能位置をなす。また、保持部132には、対向する被係合部17に向けて斜め上方に傾斜する案内路132aが形成されている。係合片134は案内路132a上に配置され、係合片134のスライド方向が案内路132aによって案内される。また、図12および図13に示すように、係合片134から突出するピン134bが、係合可能位置において、保持部132のスライド溝132b内に配置されることで、係合片134が保持部132に保持されている。
【0039】
昇降手段136は、昇降体131を所定の高さ方向に移動させるように構成されている。昇降手段136は、昇降体131に連結(巻架)され、高さ方向に延びる可撓性の昇降ベルト136aと、昇降ベルト136aを巻き取りおよび送り出し可能とする昇降ドラム136bと、昇降ドラム136bを回転駆動する昇降モータ136cとを備える。本実施形態では、4本の昇降ベルト136aの先端側が、昇降体131の4箇所の被連結部131cにそれぞれ連結(または巻架)されるとともに、その基端が4つの昇降ドラム136bにそれぞれ連結されている。そして、1つの昇降モータ136cが、各昇降ドラム136bを同じ動作(巻き取りまたは送り出し)および同じ回転速度で回転させるように、ギヤを介して4つの昇降ドラム136bに接続されている。すなわち、制御部が昇降モータ136cを駆動して、昇降ドラム136bを巻き取り方向に回転させることによって、昇降体131を昇降レール105に沿って上昇させ、他方、昇降ドラム136bを送り出し方向に回転させることによって、昇降体131を昇降レール105に沿って下降させる。
【0040】
牽引手段137は、吊り具133の基部133aを高さ方向上方に牽引することで、コンテナ10の天枠12を所定の高さ位置に吊り上げるように構成されている。牽引手段137は、吊り具133に連結(巻架)され、高さ方向に延びる可撓性の牽引ベルト137aと、牽引ベルト137aを巻き取りおよび送り出し可能とする牽引ドラム137bと、牽引ドラム137bを回転駆動する牽引モータ137cとを備える。本実施形態では、4本の牽引ベルト137aの先端側が、吊り具133の基部133aの4箇所にそれぞれ連結(または巻架)されるとともに、その基端が4つの牽引ドラム137bにそれぞれ連結されている。また、1つの牽引モータ137cが、各牽引ドラム137bを同じ動作(巻き取りまたは送り出し)および同じ回転速度で回転させるように、ギヤを介して4つの牽引ドラム137bに接続されている。そして、牽引ドラム137bによる牽引ベルト137aの巻き取りによって生じた牽引ベルト137aの張力によって、吊り具133が退避位置から係合可能位置へと変位し、且つ、吊り具133が係合したコンテナ10を所定の高さに吊り上げることができる。また、牽引ドラム137bによる牽引ベルト137aの送り出しによって牽引ベルト137aの張力が解除されたときに吊り具133が係合可能位置から退避位置へと復帰することができる。なお、本実施形態では、吊り具133が、自重(または重力)によって案内路132aの傾斜に沿って下方に移動することで、係合可能位置から退避位置へと復帰する。
【0041】
さらに、本実施形態の吊り上げ装置130には、昇降体131の正面側(コンテナ10の一方の縦辺側)には、図9に示すように、蓋板付きコンテナ10の一対の蓋板18、18を閉塞位置から開放位置へと変位させる蓋板開放機構が設けられている。一方で、昇降体131の背面側(コンテナ10の他方の縦辺側)には、図11に示すように、蓋板開放機構が設けられていない。明細書において、昇降体131の正面側(コンテナ10の一方の縦辺側)の構成と、昇降体131の背面側(コンテナ10の他方の縦辺側)の構成との間で区別が必要な場合、前者の構成要素を「第1の・・・」と称し、後者の構成要素を「第2の・・・」と称する。ただし、両者の対比を意図するような場合を除いて、「第1の」、「第2の」の記載は省略される。
【0042】
図9に示すように、蓋板開放機構は、昇降体131の第2フレーム131bに回動軸142を介して軸支され、一対の蓋板18、18をそれぞれ閉塞位置から開放位置へと変位させる一対の回動腕部141、141を備える。一対の回動腕部141、141は、第2フレーム131bの両端近傍に軸支されている。図9に示すように、当初形態では、一対の回動腕部141、141は、第2フレーム131bの上面に載置された初期姿勢(略水平姿勢)をとっている。そして、図12に示すように、一対の回動腕部141、141は、回動軸142を中心として、跳ね上げ位置に回動した立ち上がり姿勢(略垂直姿勢)をとるように構成されている。一対の回動腕部141、141は、跳ね上げ位置(立ち上がり姿勢)においても、互いに対向する方向に傾斜していることから、自重(重力)によって、立ち上がり姿勢から元の初期姿勢へと復帰することができる。
【0043】
図9に示すように、各回動腕部141には、牽引ドラム137bと吊り具133との間で牽引ベルト137aが巻架される被巻架部143が設けられている。被巻架部143は、回動腕部141の先端近傍に配置されている。すなわち、牽引ドラム137bによる牽引ベルト137aの巻き取りによって、図12に示すように、被巻架部143を介して回動腕部141が初期姿勢から立ち上がり姿勢へと跳ね上げられる。なお、回動腕部141が初期姿勢から立ち上がり姿勢へと跳ね上げが完了するまでは、吊り具133に対する牽引ベルト137aの張力が発生していない。そして、回動腕部141が立ち上がり姿勢へと跳ね上げられた後、牽引ドラム137bによる牽引ベルト137aのさらなる巻き取りによって、牽引ベルト137aに張力が発生し、図13に示すように、吊り具133が退避位置から係合可能位置へと変位する。
【0044】
また、図15に示すように、各回動腕部141には、コンテナの縦辺に対向配置され、各蓋板18の被掛止部19に下方から掛止する掛止片144が設けられている。掛止片144は、回動腕部141の先端近傍に設けられている。そして、掛止片144は、回動腕部141から配置空間103(コンテナ10の縦辺)に向けて水平方向に突出する掛止可能位置(図15(a)参照)と、上方に屈折して折り畳まれた屈折位置(図15(b)参照)とに変位するように構成されている。掛止片144は、掛止可能位置において、上方を向く水平な掛止面を有し、その掛止面によって蓋板付きコンテナ10の蓋板18を支持して跳ね上げ可能である。また、掛止片144は、図15(a)に示す水平方向に突出する掛止可能位置において、下方への回動が規制されているので、蓋板18を下方から支持することが可能である。他方、掛止片144は、水平方向に突出する掛止可能位置において、上方への回動が許容されているので、コンテナ10が掛止片144の下面に当接することで、図15(b)に示すように、垂直上方に屈折して、折り畳まれた屈折位置に変位することが可能である。すなわち、掛止片144のコンテナ10に対する上方から下方への相対移動が許容され、掛止片144のコンテナ10に対する下方から上方への相対移動が規制される。そして、掛止片144が蓋板18下面の被掛止部19に下方から掛止した状態で一対の回動腕部141、141が回動軸142、142を中心に跳ね上げられることで、一対の蓋板18、18を閉塞位置から開放位置へと回動させることが可能である。
【0045】
本実施形態のコンテナ組立装置100では、昇降体131の正面側(コンテナ10の一方の縦辺側)の第1の係合片134と、昇降体131の背面側(コンテナ10の他方の縦辺側)の第2の係合片134とが、同時に、保持部132から突出するように駆動される(図13および図14参照)。次に、本実施形態のコンテナ組立装置100の駆動機構について以下に説明する。
【0046】
本実施形態では、主に、昇降手段136および牽引手段137の動作によって、各構成要素が駆動される。特には、図16および図17に示すように、昇降ベルト136aおよび牽引ベルト137aが1体のベルト体138として一体的に形成されている。そして、ベルト体138の一端が牽引ドラム137bに連結され、ベルト体138の他端が昇降ドラム136bに連結されている。
【0047】
より具体的には、図16に示すように、昇降手段136は、昇降体131の正面側(コンテナ10の一方の縦辺側)において、昇降体131の一対の第1フレーム131aの一端側にそれぞれ連結された一対の第1の昇降ベルト136aと、一対の第1の昇降ベルト136aをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第1の昇降ドラム136bとを備える。また、牽引手段137は、昇降体131の正面側(コンテナ10の一方の縦辺側)において、一対の基部133aの一端側をそれぞれ牽引する一対の第1の牽引ベルト137aと、一対の第1の牽引ベルト137aをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第1の牽引ドラム137bとを備える。第1の昇降ベルト136aおよび第1の牽引ベルト137aが一体的に形成され、第1のベルト体138を成している。
【0048】
図16に示すように、第1のベルト体138は、第1の牽引ドラム137bから略垂直下方に延びており、その下端側で、略水平に横たわる初期姿勢の回動腕部141先端側の軸状の被巻架部143に下方から巻架されている。次いで、第1のベルト体138は、被巻架部143から回動腕部141の基端側へと延びて、吊り具133の基部133aに下方から巻架される。次に、第1のベルト体138は、基部133aから延びて、昇降体131の軸状の被連結部131cに下方から巻架される。そして、第1のベルト体138は、被連結部131cから略垂直上方に延びて、その上端で昇降ドラム136bに接続される。
【0049】
図17に示すように、昇降手段136は、昇降体131の背面側(コンテナ10の他方の縦辺側)において、昇降体131の一対の第1フレーム131aの他端側にそれぞれ連結された一対の第2の昇降ベルト136aと、一対の第2の昇降ベルト136aをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第2の昇降ドラム136bとを備える。また、牽引手段137は、昇降体131の背面側(コンテナ10の他方の縦辺側)において、一対の基部133aの他端側をそれぞれ牽引する一対の第2の牽引ベルト137aと、一対の第2の牽引ベルト137aをそれぞれ巻き取りおよび送り出し可能とする一対の第2の牽引ドラム137bとを備える。第2の昇降ベルト136aおよび第2の牽引ベルト137aが一体的に形成され、第2のベルト体138を成している。
【0050】
図17に示すように、第2のベルト体138は、第2の牽引ドラム137bから略垂直下方に延びており、その下端側で、吊り具133の基部133aに下方から巻架される。このとき、第2のベルト体138の第2の牽引ベルト137aの部分には、弛みが形成されている。次に、第2のベルト体138は、基部133aから延びて、昇降体131の軸状の被連結部131cに下方から巻架される。そして、第2のベルト体138は、被連結部131cから略垂直上方に延びて、その上端で第2の昇降ドラム136bに接続される。
【0051】
ここで、本実施形態のコンテナ組立装置100では、その動力機構をより簡素化するために、一対の第1の昇降ドラム136bおよび一対の第2の昇降ドラム136bが、1つの昇降モータ136cによって駆動され、且つ、一対の第1の牽引ドラム137bおよび一対の第2の牽引ドラム137bが、1つの牽引モータ137cによって駆動されるように構成されている。
【0052】
そして、制御部によって昇降手段136のみを駆動させ、昇降ベルト136aが昇降ドラム136bに巻き取られる(または送り出される)と、昇降ベルト136aが被連結部131cに作用して、吊り具133を退避位置に維持し、且つ、回動腕部141を初期姿勢に維持しながら、昇降体131を高さ方向上方(または下方)に移動させることができる。また、制御部によって牽引手段137を駆動させ、牽引ベルト137aが牽引ドラム137bに巻き取られると、第1の牽引ベルト137aが回動腕部141を跳ね上げるように作用し、次いで、第1および第2の牽引ベルト137aに発生した張力が基部133aに作用して、吊り具133を退避位置から係合可能位置へと変位させることができる。ここで、第1の牽引ベルト137aと第2の牽引ベルト137aと間で、吊り具133に作用する張力を同時に発生させ、第1の係合片134および第2の係合片134を同時に動作させるために、第2の牽引ベルト137aには弛みが形成されている。第2の牽引ベルト137aの弛みを解消するのに必要な巻き取り量は、回動腕部141を跳ね上げるのに必要な第1の牽引ベルト137aの巻き取り量に対応するように設定された。さらに、制御部は、昇降手段136および/または牽引手段137を制御して、牽引ベルト137aの張力を発生させた状態で吊り具133を係合可能位置に維持しながら、昇降体131を高さ方向上方および下方に移動させることができる。
【0053】
続いて、図18乃至図24を参照して、本実施形態のコンテナ組立装置100を用いて、蓋板付きコンテナ10を折り畳み形態から開放状態の箱形態へと組み立てる方法について説明する。ここでは、図34に示す蓋板付きコンテナ10を対象とするが、図33に示す蓋板なしのコンテナ10も同様の動作で組み立てることが可能である。なお、各図において、説明の便宜上、蓋板付きコンテナ10の描写を簡素化する。
【0054】
図18は、折り畳み形態の蓋板付きコンテナ10を配置空間103に配置したコンテナ組立装置100を模式的に示している。まず、図18に示すように、折り畳み形態の蓋板付きコンテナ10を配置空間103の搬送装置107の搬送ローラ上に導入する。
【0055】
図19に示すとおり、昇降体131が配置空間103において、蓋板付きコンテナ10の上方に配置されている。これにより、コンテナ10を導入する際、コンテナ10と昇降体131とが干渉することが防止される。このとき、各吊り具133が、退避位置に配置され、配置空間103の外側に位置している。また、各回動腕部141が初期姿勢をとっており、各掛止片144が水平方向に突出する掛止可能位置にある。そして、ベルト体138(昇降ベルト136aおよび牽引ベルト137a)には、吊り具133に作用する張力が発生していない。
【0056】
そして、ユーザーによる操作、または、センサによるコンテナ10の検出等によってコンテナ組立装置100が作動を開始する。
【0057】
第1工程において、制御部が昇降手段136の昇降モータ136cを送り出し駆動させ、昇降ドラム136bによる昇降ベルト136aの送り出しを開始する。このとき、牽引手段137の牽引モータ137cが同時に駆動されてもよい。昇降体131が下降すると、掛止片144が、折り畳み形態の蓋板付きコンテナ10の上面に当接する。この当接により、掛止片144が上方に回動および屈折して屈折位置へと変位する。昇降体131の下降に従って、屈折位置にある掛止片144が蓋板付きコンテナ10の側方を相対移動する。そして、図20に示すように、昇降体131が、蓋板付きコンテナ10に対して、突出時の吊り具133が係合可能な高さに移動した後、昇降手段136が停止する。ほぼ同時に、掛止片144が、屈折位置から掛止可能位置へと自然(自重で)に傾動して変位し、蓋板18の被掛止部19の下方に配置される。このとき、吊り具133の係合片134が、蓋板付きコンテナ10の被係合部17に対向している。
【0058】
第2工程において、制御部が牽引手段137の牽引モータ137cを駆動させ、牽引ドラム137bによる牽引ベルト137aの巻き取りを開始する。すると、第1の牽引ベルト137aが回動腕部141に作用し、掛止片144が被掛止部19に掛止した状態で、回動腕部141を跳ね上げる。蓋板付きコンテナ10の一対の蓋板18が回動して、閉鎖位置から開放位置へと変位する。このとき、第2の牽引ベルト137aも同様に巻き取られ、当初の弛みが解消される。図21に示すように、一対の回動腕部141が立ち上がり姿勢をとり、一対の蓋板18が一対の回動腕部141から離れて、天枠12の外側へと垂れ下がるように傾動する。
【0059】
第3工程において、制御部が牽引手段137の牽引モータ137cをさらに駆動させると、牽引ベルト137aに張力が発生し、吊り具133が昇降体131に対して、配置空間103に向けて突出するように斜め上方に相対スライドする。図22に示すように、吊り具133が係合可能位置に変位し、係合片134の上面が被係合部17の下面に係合する。そして、牽引ベルト137aに張力を発生させた状態で、牽引モータ137cをさらに巻き取り駆動させ、吊り具133および蓋板付きコンテナ10とが係合した状態で昇降体131が上方に移動することで、吊り具133がコンテナ10の天枠12を吊り上げる。このとき、好適には、昇降手段136を巻き取り駆動させない。なお、第2工程および第3工程は実質的に同時に行われ得る。
【0060】
第4工程において、この係合状態のまま、さらに牽引ベルト137aによって係合片134が上方に牽引され、コンテナ10の底壁11が浮き上がるまで吊り上げられると、コンテナ10はその自重によって第1側壁13が伸長した中間形態へと変形する。そして、図23に示すように、第2側壁14が自重によって下方に回動し、嵌合部15を介して第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌着することで、コンテナ10を箱形態に組み立てることができる。本実施形態では、吊り上げ装置130は、コンテナ10の天枠12を吊り上げる際の慣性力によって、コンテナ10の第2側壁14を第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌着させるように構成されている。つまり、牽引ドラム137bの巻取り速度を調整することで、吊り上げの際に生じる反動によってコンテナ10を折り畳み形態から箱形態へと変形させることができる。
【0061】
第5工程において、制御部が、牽引手段137を送り出し駆動させ、牽引ベルト137aの張力状態を維持しつつ、牽引ベルト137aを送り出すことによって、箱形態のコンテナ10を吊り具133で吊ったまま昇降体131を下降させる。このとき、好適には、昇降手段136を送り出し駆動させない。そして、箱形態のコンテナ10が搬送装置107の搬送ローラ上に載置される。この状態で、昇降手段136および牽引手段137の両方を送り出し方向に駆動して、牽引ベルト137aの張力を解除または緩めることによって、吊り具133を自重で退避位置へと変位させるとともに、回動腕部141を自重で初期姿勢へと変位させつつ、図24に示すように、昇降体131を配置空間103の底部(搬送ローラの下方)にまで移動させる。次いで、搬送装置107を介して、配置空間103から箱形態のコンテナ10を外部に送り出すことで、一連の組立工程が完了する。箱形態のコンテナ10を送り出した後、昇降体131を配置空間103の当初の高さ位置にまで移動させる。これにより、コンテナ組立装置100が、次の折り畳み形態のコンテナ10を配置空間103に導入して組立可能である初期形態に復帰する。
【0062】
本実施形態は、コンテナ10の吊り上げ速度を調整することによって、コンテナ10を慣性力を利用して組み立てることを可能とするが、より確実にコンテナ10を組み立てるために、コンテナ組立装置100に押圧装置150が導入されてもよい。すなわち、コンテナ組立装置100は、吊り上げ装置130によって天枠12が吊り上げられた中間形態のコンテナ10に対して、第2側壁14を第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌着するように、一対の第2側壁14を内から外へと押圧するように作動する押圧装置150(図25参照)をさらに備えてもよい。図示しないが、押圧装置150は、フレーム102の縦辺に対向する側(図3の左右方向)に設けられる。なお、押圧装置150による押圧工程は、コンテナが蓋板付きコンテナ10の場合、蓋板18が天枠12の開口を開放した状態で行われる。
【0063】
押圧装置150は、吊り上げ装置130によって天枠12が吊り上げられた中間形態のコンテナ10に対して、第2側壁14を第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌着するように、一対の第2側壁14を内から外へと押圧するように作動するものである。本実施形態では、押圧装置150が、装置本体101のフレーム102の側方に隣接して配置されている。押圧装置150の高さは、吊り上げ装置130によって吊り上げられたコンテナ10に対応するように定められている。
【0064】
押圧装置150は、図25および図26に示すとおり、配置空間103に対する近離方向(正面から見た左右方向)に水平スライドするスライド体151と、該スライド体151上に配置され、その回動軸152aを介して鉛直下方に回動する回動体152と、該回動体152の回動軸152aよりも先端側に搭載され、コンテナ10の第2側壁14を押圧するように作動する押圧体153と、を備える。回動体152は、平板状に形成され、配置空間103に対する近離方向の略中央に回動軸152aを有する。そして、該回動軸152aによって、その基端部位および先端部位が互いに略直角に屈折可能に接続されている。さらに、押圧装置150には、スライド体151をスライド移動させるための第1駆動装置156と、回動体152をスライド移動させるための第2駆動装置157とが設けられている。第1駆動装置156および第2駆動装置157は、複数段の押圧装置150を同時に駆動するように構成されている。具体的には、第1駆動装置156は、各スライド体151の上面に噛合または摩擦接触する複数の第1ギヤ156aと、複数の第1ギヤ156aを高さ方向に軸支する第1駆動軸156bと、第1駆動軸156bを双方向に回転駆動する第1駆動モータ156cとを備える。第2駆動装置157は、各回動体152の上面に噛合または摩擦接触する複数の第2ギヤ157aと、複数の第2ギヤ157aを高さ方向に軸支する第2駆動軸157bと、第2駆動軸157bを双方向に回転駆動する第2駆動モータ157cとを備える。第1駆動装置156および第2駆動装置157は、別々に制御部によって制御される。また、押圧体153は、正面から見て前後方向に延びる筒形状を有し、その筒軸方向の先端から前後に突出および後退する押圧部154を備える。押圧部154は、コンテナ10の第2側壁14内面を直接的に押し出す部位である。押圧部154は、ソレノイドやシリンダなどの公知の機構によって駆動または制御され得る。
【0065】
次に、図26から図28を参照して、押圧装置150の動作について説明する。
押圧装置150の以下に示す一連の動作は、吊り上げ装置130によって吊り上げられた中間形態のコンテナ10に対して行われる。
【0066】
図26は、押圧動作中の押圧装置150を模式的に示す概略斜視図である。コンテナ組立装置100の初期形態において、押圧装置150の各構成要素は、配置空間103に干渉しない位置に退避している。押圧装置150が動作を開始すると、まず、第1駆動装置156が作動し、第1駆動軸156bおよび第1ギヤ156aが順方向に回転し、図27(a)に示すように、スライド体151が配置空間103に向けて前進する。このとき、スライド体151および回動体152の先端側が、コンテナ10の天枠12の上方に位置するまで移動するように制御される。
【0067】
次いで、スライド体151の先端側の回動体152全体が配置空間103に進入して停止した後、第2駆動装置157が作動し、第2駆動軸157bおよび第2ギヤ157aが順方向に回転し、スライド体151上で回動体152のみがさらに前進し、回動軸152aがスライド体151先端を越えるまで前進して停止する。すると、図27(b)に示すように、回動体152の先端部位が回動軸152aを介して重力で略直角に折れ曲がるように回動する。つまり、回動体152がスライド体151上を前進して、その先端部位が下方に回動することにより、押圧体153がコンテナ10の内部に移動する。なお、回動体152の回動は、モータ等によって駆動制御されてもよい。
【0068】
そして、図26および図28に示すように、押圧体153の両端部から押圧部154が突出する。すなわち、各コンテナ10の一対の第2側壁14が同時に内側から外側へと押圧され、一対の第2側壁14が、第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌合部15を介して確実に嵌着される。その結果、コンテナ10が箱形態へと組み立てられる。以上で押圧装置150の一連の押圧動作が完了する。押圧装置150の一連の押圧動作は、装置本体101に任意に設置されたセンサに基づいて制御部によって制御されてもよい。また、本実施形態では、制御部によって、複数の押圧装置150が同時に同じ動作をするように制御される。
【0069】
一連の押圧動作の完了後、押圧装置150が、上記動作と反対の動作をすることにより、初期形態に復帰する。特には、押圧動作完了後、突出した押圧部154が後退し、次いで、第2駆動装置157が作動し、第2駆動軸157bおよび第2ギヤ157aが逆方向に回転すると、回動体152が配置空間103から離れる方向に後退しつつ、回動体152の先端部位とスライド体151先端縁との当接によって、回動体152の先端部位が回動軸152aを中心に水平方向に起き上がるように回動する。次に、回動体152がスライド体151上の元の位置に移動して停止した後、第1駆動装置156が作動し、第1駆動軸156bおよび第1ギヤ156aが逆方向に回転すると、スライド体151が元の後退して、押圧装置150が初期位置に復帰する。
【0070】
以下、本発明に係る一実施形態のコンテナ組立装置100の作用効果について説明する。
【0071】
本実施形態のコンテナ組立装置100によれば、吊り上げ装置130によって配置空間103に導入された折り畳み形態のコンテナ10の天枠12を高さ方向上方に吊り上げることで、その自重によってコンテナ10を折り畳み形態から中間形態を介して箱形態へと変形させることを可能とする。特には、昇降手段136によって、吊り具133を退避位置に維持しながら昇降体131を、コンテナ10を吊り上げ可能である所定の高さ位置に移動させ、そして、牽引手段137によって、吊り具133を退避位置から係合可能位置へと変位させることで、吊り具133の係合片134をコンテナ10の天枠12の被係合部17に係合させ、コンテナ10の天枠12を確実に吊り上げることが可能である。したがって、コンテナ組立装置100は、従来より組立工程を効率化し、かつ、より簡単かつ迅速にコンテナ10を組み立てることを可能とするものである。
【0072】
また、従来の自動組立機は、1種類のコンテナに対応するのみであって、天枠12に蓋板18が形成されたタイプの蓋板付きコンテナ10(図34参照)を組み立てることはできないことが第2の問題として挙げられる。これに対し、本実施形態のコンテナ組立装置100は、吊り上げ装置130に蓋板開放機構(回動腕部141等)を設けて、蓋板付きコンテナ10を吊り上げる一連の動作と連動させるように蓋板開放機構を駆動させるものである。すなわち、本実施形態のコンテナ組立装置100は、簡素な構造を有しながらも、蓋板付きコンテナ10を開放状態の箱形態へと組み立てることを可能とするものである。
【0073】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲の下で、種々の実施形態や変形例を取り得る。
【0074】
[第2実施形態]
上記実施形態のコンテナ組立装置100は、一対の蓋板18、18が同時に開放するタイプの蓋板付きコンテナ10を組立可能に構成された。これに対し、第2実施形態のコンテナ組立装置100’は、蓋板18、18の先端側に比較的大きい召し合わせ(重なり)部分を有するコンテナ10(図示せず)を組立可能であるように、コンテナ組立装置100の一部を変更して構成されたものである。観音開き状の蓋板18、18は、その召し合わせ部分が大きいと、同時に開放方向に回動させるときに互いの先端に引っ掛かりが生じて、上手く開くことができない。そこで、第2実施形態のコンテナ組立装置100’は、一対の蓋板18、18の各々に対して、力を付与するタイミングをずらすことによって、一対の蓋板18、18を滑らかに開放可能にしたものである。
【0075】
具体的には、図29に示すように、一方の回動腕部141の下面と昇降体131上面との間にのみ載置台145が設けられた。載置台145は、第2フレーム131bに上面に固定されている。載置台145に一方の回動腕部141が載置されることで、一方の回動腕部141が、他方の回動腕部141よりも上方に回動した初期姿勢をとっている。そして、一方の回動腕部141の被巻架部143と牽引ドラム137bとの間には、他方の回動腕部141側に対して、吊り具133の動作のタイミングを合わせるべく、ベルト体138に弛みが形成されている。牽引モータ137cが駆動すると、(載置台145が設けられてない)他方の回動腕部141が先に回動を開始し、内側の蓋板18を先に持ち上げる。召し合わせ部分によって、外側の蓋板18も同時に持ち上がる。そして、外側の蓋板18の被掛止部19の下方に、一方の回動腕部141の掛止片144が入り込む。図30に示すように、一方の回動腕部141と他方の回動腕部141の傾斜角(立ち上がり角)が同じになると、一方側のベルト体138の弛みが解消され、他方の回動腕部141とともに、一方の回動腕部141の立ち上がり(回動)が開始する。このようにして、一対の蓋板18、18に力が付与されるタイミングをずらすことによって、召し合わせ部分の引っ掛かりを抑え、一対の蓋板18、18をスムーズに開放させることができる。なお、載置台145は、第2フレーム131b上に突没する可動式としてもよい。
【0076】
[変形例]
(1)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態ででは、吊り上げ装置の係合片は、コンテナの天枠の横辺の被係合部と係合するように構成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンテナの天枠の縦辺に形成された被係合部と係合するように構成されてもよい。また、被係合部は、コンテナの天枠の辺の2箇所に形成され、これに対応するように、昇降体の第1フレームごとに2つの係合片が形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、被係合部は、コンテナの天枠の辺の1箇所に設けられてもよく、または、3箇所以上に設けられてもよい。また、天枠の辺全体を被係合部とし、被係合部の任意の箇所に係合するように1または複数の係合片が設けられてもよい。
【0077】
(2)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態では、牽引ベルトの張力が解除されたときに吊り具が、自重によって係合可能位置から退避位置へと復帰するように構成されたが、本発明はこれに限定されない。図31および図32は、本発明の別実施形態のコンテナ組立装置200を示している。図31に示すように、コンテナ組立装置200において、吊り具233は、保持部232に設けられた弾性体(バネ)239によって退避位置に常時的に付勢されている。図32に示すように、牽引手段237の駆動によって牽引ベルト237aが巻き取られて牽引ベルト237aに張力が発生すると、弾性体239の弾性力に抗して、吊り具233が退避位置から係合可能位置に変位する。そして、牽引ベルト237aの張力が解除されると、弾性体239の弾性復帰力によって、(重力を利用することなく)係合可能位置から退避位置へと復帰することができる。すなわち、本発明において、弾性体等を用いることによって、吊り具の変位方向を、重力がかかる鉛直成分を含む変位方向だけでなく、水平方向等に設けることも可能となる。
【0078】
(3)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることなく、コンテナ組立装置から蓋板開放機構が省略された、より簡素な構造をとってもよい。
【0079】
(4)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態では、係合片は、プレート状の掛止爪として、被係合部に掛止するように構成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、被係合部を孔や凹部とし、係合片をピンや凸部としてもよい。また、係合片は、天枠を挟んで掴むように構成されてもよい。また、掛止片は、上方を向く水平な掛止面を有し、その掛止面によってコンテナの蓋板を跳ね上げるように構成されたが、本発明はこれに限定されない。掛止片は、蓋板を跳ね上げ可能であれば任意の形態をとってもよく、例えば、シリンダ等で突没制御されるピンなどであってもよい。
【0080】
(5)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態では、昇降ベルトおよび牽引ベルトが1本のベルト体を成すように一体的に形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、全てのベルトが別体として形成され、各ベルトに割り当てられたモータによって個別に送り出しおよび巻き取りが個別制御されてもよい。また、上記実施形態では、蓋板開放機構および回動腕部が、牽引手段(牽引ベルト)によって駆動されるように構成されたが、これに代えて、蓋板開放機構が、回動腕部を独立して駆動するための駆動手段を備えてもよい。
【0081】
(6)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態では、コンテナ組立装置は、自動で駆動されるように構成されたが、操作レバーおよびハンドルを追加することで、ユーザーによって手動で操作されるように構成されてもよい。
【0082】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0083】
10 コンテナ
11 底壁
12 天枠
13 第1側壁
13a ヒンジ部
14 第2側壁
15 嵌合部
17 被係合部
18 蓋板
18a ヒンジ部
19 被掛止部
100 コンテナ組立装置
101 装置本体
102 フレーム
103 配置空間
105 昇降レール
107 搬送装置(搬送ローラ)
130 吊り上げ装置
131 昇降体
131a 第1フレーム
131b 第2フレーム
131c 被連結部
132 保持部
132a 案内路
132b スライド溝
133 吊り具
133a 基部
134 係合片
134b ピン
136 昇降手段
136a 昇降ベルト
136b 昇降ドラム
136c 昇降モータ
137 牽引手段
137a 牽引ベルト
137b 牽引ドラム
137c 牽引モータ
138 ベルト体
239 弾性体
141 回動腕部(蓋板開放機構の一部)
142 回動軸(蓋板開放機構の一部)
143 被巻架部(蓋板開放機構の一部)
144 掛止片(蓋板開放機構の一部)
150 押圧装置
151 スライド体
152 回動体
152a 回動軸
153 押圧体
154 押圧部
156 第1駆動装置
156a 第1ギヤ
156b 第1駆動軸
156c 第1駆動モータ
157 第2駆動装置
157a 第2ギヤ
157b 第2駆動軸
157c 第2駆動モータ
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