(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031176
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】コイル部品、レーザ装置、及びレーザ加工機
(51)【国際特許分類】
H01F 21/04 20060101AFI20250228BHJP
B23K 26/382 20140101ALI20250228BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20250228BHJP
H01S 3/097 20060101ALN20250228BHJP
【FI】
H01F21/04
B23K26/382
B23K26/00 H
B23K26/00 N
H01S3/097 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137222
(22)【出願日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】山口 友之
(72)【発明者】
【氏名】遠入 尚亮
【テーマコード(参考)】
4E168
5E070
5F071
【Fターム(参考)】
4E168AD11
4E168CB04
4E168CB07
4E168DA23
4E168EA15
4E168JB01
4E168KB01
5E070AA01
5E070AB04
5E070CA13
5E070CA20
5F071AA05
5F071GG01
5F071GG03
5F071GG08
(57)【要約】
【課題】インダクタンスの微調整が可能なコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル支持体に、コイルが巻き付けられている。コイル支持体は、コイルに接触してコイルを内側から支持し、コイルの内径を調整可能な構造を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル支持体と、
前記コイル支持体に巻き付けられたコイルと
を備え、
前記コイル支持体は、前記コイルに接触して前記コイルを内側から支持し、前記コイルの内径を調整可能な構造を有するコイル部品。
【請求項2】
前記コイル支持体は、
前記コイルの軸方向に間隔を隔てて配置された一対の端部部材と、
前記軸方向に長く、前記一対の端部部材を接続する複数の支柱と
を含み。
前記複数の支柱の少なくとも1本は、前記軸方向に平行な方向から見たとき、前記複数の支柱の最小包含円の直径が変化する方向に移動可能で、特定の位置で前記一対の端部部材に対して固定可能である請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記複数の支柱は3本配置されており、前記軸方向に平行な方向から見たとき、前記複数の支柱が正三角形の頂点に位置する位置関係で前記複数の支柱が前記一対の端部部材に対して固定可能である請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記複数の支柱のうち1本は、前記一対の端部部材に対して移動不能に固定されており、他の2本の支柱のそれぞれは、前記軸方向に平行な方向から見たとき、固定された支柱から延びる直線に平行な方向に移動可能であり、特定の位置で前記一対の端部部材に対して固定可能である請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコイル部品と、
一対の放電電極を有するレーザ発振器と、
前記一対の放電電極に高周波電力を供給する高周波電源と
を備え、
前記コイル部品は、前記高周波電源と前記一対の放電電極との間に接続されているレーザ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のレーザ装置と、
加工対象物を支持するステージと、
前記レーザ装置から出力されたレーザビームを、前記ステージに支持された加工対象物に入射させるとともに、加工対象物の表面内でレーザビームの入射位置を移動させるビーム走査器と
を備えたレーザ加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品、レーザ装置、及びレーザ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ発振器の放電電極と高周波電源との間を銅板で接続したレーザ装置が公知である(特許文献1)。所望のインダクタンスに応じて銅板の枚数が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ発振器の個体差により、放電電極と高周波電源との間に挿入するインダクタのインダクタンスを微調整する必要が生じる。本発明の目的は、インダクタンスの微調整が可能なコイル部品を提供することである。本発明の他の目的は、このコイル部品を用いたレーザ装置及びレーザ加工機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によると、
コイル支持体と、
前記コイル支持体に巻き付けられたコイルと
を備え、
前記コイル支持体は、前記コイルに接触して前記コイルを内側から支持し、前記コイルの内径を調整可能な構造を有するコイル部品が提供される。
【0006】
本発明の他の観点によると、
上述のコイル部品と、
一対の放電電極を有するレーザ発振器と、
前記一対の放電電極に高周波電力を供給する高周波電源と
を備え、
前記コイル部品は、前記高周波電源と前記一対の放電電極との間に接続されているレーザ装置が提供される。
【0007】
本発明のさらに他の観点によると、
上述のレーザ装置と、
加工対象物を支持するステージと、
前記レーザ装置から出力されたレーザビームを、前記ステージに支持された加工対象物に入射させるとともに、加工対象物の表面内でレーザビームの入射位置を移動させるビーム走査器と
を備えたレーザ加工機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
コイルの内径を調整可能であるため、コイルのインダクタンスを微調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施例によるコイル部品の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、コイルの軸方向から見たときの端部部材、3本の支柱、及びコイルの位置関係を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施例によるレーザ加工機のブロック図である。
【
図4】
図4は、レーザ電源の設定電圧及びコイル部品のインダクタンスを調整する手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、コイル部品の巻き数、レーザ電源の電圧の設定値、及び高周波電流の測定値の関係を示すグラフである。
【
図6】
図6は、第1実施例の変形例によるコイル部品を、コイルの軸方向から見たときの端部部材、4本の支柱、及びコイルの位置関係を示す図である。
【
図7】
図7Aは、第2実施例によるコイル部品を、コイルの軸方向から見たときの端部部材、3本の支柱、及びコイルの位置関係を示す図であり、
図7Bは、複数の調整部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~
図5を参照して、第1実施例によるコイル部品、レーザ装置、及びレーザ加工機について説明する。
【0011】
図1は、第1実施例によるコイル部品10の概略斜視図である。第1実施例によるコイル部品10は、コイル支持体20と、コイル支持体20に巻き付けられたコイル30とを含む。コイル30は、例えばコイル支持体20に螺旋状(ヘリカル状)に巻き付けられている。コイル支持体20は、コイル30に接触してコイル30を内側から支持する。なお、コイル30を、コイル支持体20に渦巻状(スパイラル状)に巻き付けてもよい。この場合、渦巻状の巻き付けに適した形状の巻線を用いるとよい。
【0012】
コイル支持体20は、一対の端部部材21と3本の支柱22とを含む。一対の端部部材21は、コイル30の軸方向DAに間隔を隔てて配置されている。軸方向DAをz方向とするxyz直交座標系を定義する。3本の支柱22の各々は、軸方向DAに長く、一対の端部部材21同士を接続する。また、一対の端部部材21は、3本の支柱22のxy面内における相対位置を固定する。端部部材21及び支柱22は、例えばベークライト等の熱硬化性樹脂で形成される。なお、その他に、非磁性金属で形成してもよい。
【0013】
コイル30は、3本の支柱22に巻き付けられている。コイル30の巻線には、例えば絶縁被膜付き導線が用いられる。コイル30の巻線の高い剛性のため、3本の支柱22に巻き付けたとき、巻線は、支柱22との接触箇所で屈曲されることなく、軸方向DAから見てコイル30がほぼ円周形状になる。3本の支柱22は、コイル30に内側から接することにより、コイル30の内径を特定の値に固定する。
【0014】
図2は、軸方向DAから見たときの端部部材21、3本の支柱22、及びコイル30の位置関係(xy面内における位置関係)を示す図である。
図2において、コイル30が配置された領域をグレーで表している。3本の支柱22が、それぞれ正三角形の3つの頂点の位置に配置されている。より具体的には、3本の支柱22のそれぞれは、xy断面が円形の円柱形状であり、xy断面の中心が正三角形の頂点の位置に配置されている。
【0015】
コイル30が、3本の支柱22に接触することにより、コイル30の内径の大きさが固定される。3本の支柱22のうち1本は、一対の端部部材21に対して移動不能に固定されている。他の2本の支柱22のそれぞれは、z軸に平行な方向から見たとき、固定された支柱22から延びる2本の直線Lのそれぞれに対して平行な方向に移動可能であり、特定の位置で一対の端部部材21に対して固定可能である。
【0016】
例えば、一対の端部部材21の各々に、2本の直線Lのそれぞれに平行な方向に長い2つの長孔23が設けられている。支柱22の端部が長孔23内に挿入され、長孔23の長手方向に移動可能である。また、長孔23内の任意の位置で、端部部材21に対して固定させることが可能である。2本の支柱22を直線Lに沿って移動させると、xy面内における3本の支柱22の最小包含円ECの直径が変化する。コイル30の内周に沿う円筒のxy断面が、最小包含円ECに相当する。最小包含円ECの直径が、コイル30の内径に相当する。支柱22を移動させてコイル30の内径を変化させると、コイル30のインダクタンスが変化する。
【0017】
2本の直線Lのなす角度は60°である。このため、2本の支柱22をそれぞれ直線Lに沿って移動させても、3本の支柱22がxy面内で正三角形の頂点に位置する状態を維持することができる。
【0018】
図3は、第1実施例によるレーザ加工機のブロック図である。第1実施例によるレーザ加工機は、レーザ電源40、レーザ発振器50、加工部60、及び制御部70を含む。レーザ電源40からレーザ発振器50に、コイル部品10を介して高周波電流がパルス的に供給される。コイル部品10として、
図1及び
図2に示したコイル部品10が用いられる。なお、2つのコイル部品10は、レーザ電源40とレーザ発振器50とを接続する2本の配線のそれぞれに挿入されている。レーザ発振器50として、ガスレーザ発振器、例えば炭酸ガスレーザ発振器が用いられる。レーザ発振器50は、一対の放電電極51を含む。レーザ発振器50に高周波電流が供給されると、一対の放電電極51の間で放電が生じ、パルスレーザビームが出力される。
【0019】
レーザ発振器50から出力されたパルスレーザビームが、加工部60に入射する。加工部60に入射したパルスレーザビームは、ミラー61で反射され、ビーム走査器62、集光レンズ63を経由して加工対象物68に入射する。加工対象物68は、可動ステージ64に保持されている。可動ステージ64は、制御部70からの制御により、加工対象物68を被加工面に平行な二方向及び被加工面に垂直な方向に移動させる。
【0020】
ビーム走査器62は、制御部70からの制御により、パルスレーザビームを走査して加工対象物68の被加工面上でパルスレーザビームの入射位置を移動させる。ビーム走査器62として、例えばガルバノスキャナを用いることができる。集光レンズ63は、パルスレーザビームを加工対象物68の被加工面に集光する。集光レンズ63として、例えばfθレンズを用いることができる。なお、必要に応じて、ビームエキスパンダ、アパーチャ、アッテネータ等をビーム経路に配置してもよい。
【0021】
加工対象物68は、例えばプリント基板であり、ビーム走査器62によってパルスレーザビームのビームスポットを移動させることにより、走査可能範囲内の穴あけ加工が行われる。可動ステージ64を動作させて、加工対象物68の表面の加工すべき領域を、ビーム走査器62の走査可能範囲内に順次配置することにより、加工対象物68の表面の全域の加工が行われる。
【0022】
次に、レーザ電源40の構成について説明する。レーザ電源40は、整流器41、充電電源42、バンクコンデンサ44、及び高周波電源43を含む。整流器41、充電電源42、及び高周波電源43は、それぞれ制御部70からの制御を受けて動作する。
【0023】
外部の交流電源75から整流器41に三相交流電流が供給される。整流器41で整流された直流電流が充電電源42に供給される。充電電源42は、入力された直流電圧を昇圧して、バンクコンデンサ44を充電する。バンクコンデンサ44から高周波電源43に直流電力が供給される。高周波電源43は、バンクコンデンサ44から供給された直流電力を高周波電力に変換し、高周波電力をレーザ発振器50にパルス的に供給する。
【0024】
レーザ発振器50やレーザ電源40に個体差があるため、所望のレーザ出力を得るために、レーザ電源40の設定電圧やコイル部品10のインダクタンスの調整を行う必要がある。次に、
図4を参照して、レーザ電源40の設定電圧及びコイル部品10のインダクタンスを調整する手順について説明する。
【0025】
図4は、レーザ電源40の設定電圧及びコイル部品10のインダクタンスを調整する手順を示すフローチャートである。まず、コイル部品10のコイル30の巻き数及び内径を初期値に設定する(ステップS1)。この条件でレーザ発振器50を動作させ、レーザ発振器50からのレーザ出力が目標値になるように、レーザ電源40の設定電圧を調整する(ステップS2)。例えば、レーザ電源40の設定電圧として、バンクコンデンサ44の端子間電圧を採用するとよい。充電電源42の動作条件を変更することにより、バンクコンデンサ44の端子間電圧を変化させることができる。
【0026】
目標値のレーザ出力が得られているときに、放電電極51に供給されている高周波電流を測定する(ステップS3)。ステップS2で調整した後の電圧の設定値、及びステップS3で測定された高周波電流の測定値が、許容範囲に収まっているか否かを判定する(ステップS4)。電圧の設定値及び高周波電流の測定値が許容範囲に収まっている場合は、調整手順を終了する。
【0027】
電圧の設定値及び高周波電流の測定値が許容範囲に収まっていない場合は、コイル部品10の巻き数及びコイル30の内径を変更する(ステップS5)。その後、ステップS2からステップS4までの手順を繰り返す。
【0028】
次に、
図5を参照して第1実施例の優れた効果について説明する。
図5は、コイル部品10の巻き数、レーザ電源40の電圧の設定値、及び高周波電流の測定値の関係を示すグラフである。横軸は巻き数を表し、左縦軸は電圧の設定値を相対値で表し、右縦軸は高周波電流の測定値を相対値で表す。電圧の設定値及び高周波電流の測定値は、レーザ発振器50のレーザ出力が目標値になるように調整した後の値である。
【0029】
この評価実験においては、レーザ電源40として2種類の電源(電源Aと電源B)を用いた。グラフ中のグレー及び白色の丸記号は、それぞれ電源Aを用いたときの電圧の設定値及び高周波電流の測定値を示し、グレー及び白色の三角記号は、それぞれ電源Bを用いたときの電圧の設定値及び高周波電流の測定値を示す。
【0030】
巻き数を4巻から1巻ずつ増やすにしたがって電圧の設定値が増加する。高周波電流の測定値は、電圧の設定値の変化に応じて変化する。高周波電源43、コイル部品10、及び放電電極51の設計条件として、電圧及び高周波電流の許容範囲が決められている。電圧の許容範囲をARVと標記し、高周波電流の許容範囲をARIと標記する。電源Aを用いた場合、コイル部品10の巻き数を6巻及び7巻にすると、それぞれ電圧の設定値(相対値)がV6及びV7になる。電圧V6は電圧の許容範囲ARVの下限値未満であり、電圧V7は許容範囲ARVの上限値を超えている。このため、コイル30の内径を変化させず、巻き数を整数にするという条件の下では、電圧の設定値が許容範囲ARVに収まらない。なお、高周波電流の測定値は許容範囲に収まっている。電源Bを用いた場合にも、電圧の設定値が許容範囲ARに収まらない。
【0031】
この場合、第1実施例では、コイル部品10の支柱22(
図2)の位置を変えて、コイル30を巻きなおすことにより、コイル30の内径が変化し、インダクタンスを微調整することができる。コイル部品10のインダクタンスを微調整することにより、電圧の設定値を許容範囲ARに収めることが可能になる。
【0032】
コイル30のインダクタンスは、内径の2乗及び巻き数の2乗に比例する。
図5に示した例では、電源Aを使用したときに、巻き数が6巻のとき電圧の設定値が許容範囲ARの下限値未満である。電圧の設定値を許容範囲ARに収めるために、コイル部品10のインダクタンスを大きくする必要があるが、巻き数を7巻にすると、インダクタンスが大きくなりすぎて、電圧の設定値が許容範囲ARの上限値を超えてしまう。
【0033】
このとき、巻き数を6巻のままにして、コイル30の内径をやや大きくすることにより、インダクタンスを好適な大きさにすることができる。これにより、電圧の設定値を許容範囲ARに収めることが可能になる。このように、第1実施例においては、コイル30の内径を調整することが可能であるため、インダクタンスの調整の自由度を高めることができる。
【0034】
次に、
図6を参照して第1実施例の変形例によるコイル部品について説明する。
図6は、第1実施例の変形例によるコイル部品10を、コイル30の軸方向DA(z方向)から見たときの端部部材21、4本の支柱22、及びコイル30の位置関係(xy面内における位置関係)を示す図である。第1実施例(
図1、
図2)では、コイル部品10が3本の支柱22を含んでいるが、
図6に示した変形例では、コイル部品10が4本の支柱22を含んでいる。4本の支柱22のうち1本が、一対の端部部材21に対して移動不能に固定されており、他の3本の支柱22が、一対の端部部材21に対して長孔23に沿って移動可能である。
【0035】
3つの長孔23は、xy面内で、位置が固定された1つの支柱22から延びる直線に沿って配置されている。4本の支柱22は、そのすべてが最小包含円ECに接する位置関係を取り得る。例えば、4本の支柱22は、xy面内で正方形の4つの頂点の位置に配置される。本変形例のように、支柱22を4本にしてもよい。その他の変形例として、支柱22を5本以上にしてもよい。
【0036】
3本以上の複数の支柱22が配置されている場合、複数の支柱22の少なくとも1本が、最小包含円ECの直径が変化する方向に移動可能であってもよい。移動可能な支柱22の移動方向は、移動可能範囲内の特定の位置で支柱22の位置を一対の端部部材21に対して固定することにより、最小包含円ECの大きさを調整することができる方向である。
【0037】
次に、
図7A及び
図7Bを参照して第2実施例によるコイル部品について説明する。以下、第1実施例(
図1~
図5)によるコイル部品と共通の構成については説明を省略する。
【0038】
図7Aは、第2実施例によるコイル部品10を、コイル30の軸方向DA(z方向)から見たときの端部部材21、3本の支柱22、及びコイル30の位置関係(xy面内における位置関係)を示す図である。第2実施例では、支柱22を一対の端部部材21に対して移動させる代わりに、支柱22のそれぞれの側面に調整部材25を取り付けることにより、コイル30の内径を調整する。調整部材25は、平板を、支柱22の側面に沿うように湾曲させた形状を有する。
【0039】
図7Bは、複数の調整部材25の斜視図である。厚さの異なる複数の調整部材25が準備されている。コイル30のインダクタンスを調整する際に、最も適切な厚さの調整部材25を用いてコイル30の内径を調整することができる。
【0040】
次に、第2実施例の優れた効果について説明する。
第2実施例においては、厚さの異なる複数の調整部材25が準備されているため、第1実施例の場合と同様に、コイル30の内径を変化させることができる。これにより、コイル30のインダクタンスの調整の自由度が高まるという優れた効果が得られる。
【0041】
上述の各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0042】
10 コイル部品
20 コイル支持体
21 端部部材
22 支柱
23 長孔
25 調整部材
30 コイル
40 レーザ電源
41 整流器
42 充電電源
43 高周波電源
44 バンクコンデンサ
50 レーザ発振器
51 放電電極
60 加工部
61 ミラー
62 ビーム走査器
63 集光レンズ
64 可動ステージ
68 加工対象物
70 制御部
75 交流電源
DA コイルの軸方向
EC 最小包含円
L 固定された支柱から延びる直線