(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031305
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】観察用遠隔制御装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20250228BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20250228BHJP
C12M 1/38 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
C12M1/34 D
C12M1/00 D
C12M1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137444
(22)【出願日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】506141225
【氏名又は名称】株式会社ユーグレナ
(71)【出願人】
【識別番号】518240369
【氏名又は名称】株式会社IDDK
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健吾
(72)【発明者】
【氏名】中 義弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 宗一郎
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA08
4B029BB01
4B029DF01
4B029FA02
4B029FA10
4B029FA15
4B029GA06
4B029GB01
4B029GB02
4B029GB06
4B029HA09
(57)【要約】
【課題】小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供する。
【解決手段】遠隔地で培養される細胞を観察する観察用遠隔制御装置1は、細胞と細胞を培養する培地133とを収容する培養容器13と、培養容器の上方に配置される光源23と、温度調整部22と、培養容器と管で接続し、培養容器に注入させる試料を収容する試料容器14と、試料容器内の試料を、管を通じて培養容器に注入させ、培養容器内の培地を試料容器に収容させる試料交換部15と、マトリクス状に配置された複数の光電変換素子121を有し、培養容器の下方に配置され、細胞を下方から撮影する顕微撮影部12と、光源、温度調整部、試料交換部及び顕微撮影部を、所定のタイミングで又は外部からの指示を受けて制御する制御部40と、を備え、制御部40は画像情報を電気信号として出力する画像出力部41と、画像情報を記憶する記憶部42、又は、画像情報を外部に送信する通信部43と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地で培養される細胞を観察する観察用遠隔制御装置であって、
前記細胞と該細胞を培養する培地とを収容する培養容器と、
該培養容器の上方に配置され前記細胞に光を照射する光源と、
前記培養容器の温度を調整する温度調整部と、
前記培養容器と管で接続し、前記培養容器に注入される試料を収容する試料容器と、
前記試料容器内の前記試料を、前記管を通じて前記培養容器に注入させ、前記培養容器内の前記培地を、前記試料容器に収容させる試料交換部と、
マトリクス状に配置された複数の光電変換素子を有し、前記培養容器の下方に配置され、前記光電変換素子により前記細胞を下方から撮影する顕微撮影部と、
前記光源、前記温度調整部、前記試料交換部及び前記顕微撮影部を、所定のタイミングで又は外部からの指示を受けて制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記光電変換素子により撮影された画像情報を電気信号として出力する画像出力部と、
前記画像情報を記憶する記憶部、又は、前記画像情報を外部に送信する通信部と、を有することを特徴とする観察用遠隔制御装置。
【請求項2】
前記培養容器、前記顕微撮影部、前記試料容器及び前記試料交換部が配置された顕微撮影用プリント基板と、
前記光源及び前記温度調整部が配置された環境用プリント基板と、
前記制御部が配置された制御用プリント基板と、を備え、
前記顕微撮影用プリント基板、前記環境用プリント基板及び前記制御用プリント基板は、いずれも平面視で同一の形状に形成されており、
実験の用途に応じて組み合わせを変え、所定方向に並べて配置することで実験装置を構成することを特徴とする請求項1に記載の観察用遠隔制御装置。
【請求項3】
前記培養容器及び前記顕微撮影部が配置された顕微撮影用プリント基板と、
前記試料容器及び前記試料交換部が配置された試料用プリント基板と、
前記光源及び前記温度調整部が配置された環境用プリント基板と、
前記制御部が配置された制御用プリント基板と、を備え、
前記顕微撮影用プリント基板、前記試料用プリント基板、前記環境用プリント基板及び前記制御用プリント基板は、いずれも平面視で同一の形状に形成されており、
実験の用途に応じて組み合わせを変え、所定方向に並べて配置することで実験装置を構成することを特徴とする請求項1に記載の観察用遠隔制御装置。
【請求項4】
前記試料は、前記試料容器内で付勢されており、
前記試料交換部は、前記管を塞ぐバルブを有し、
前記試料を注入する際、前記バルブが前記試料により前記管から押し出され、前記試料交換部と前記培養容器とが連通することで前記試料が前記培養容器に注入されることを特徴とする請求項1に記載の観察用遠隔制御装置。
【請求項5】
前記培養容器、前記光源、前記温度調整部、前記試料容器、前記試料交換部、前記顕微撮影部及び前記制御部を収容する筐体を備え、
前記筐体は該筐体内に所定の圧力をかける圧力容器であり、前記筐体には、前記筐体内の圧力を調整する際に使用されるチェックバルブが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の観察用遠隔制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞を観察する観察用遠隔制御装置に係り、特に、宇宙等の遠隔地において微生物等の細胞を培養すると共にその細胞を顕微撮影することが可能な観察用遠隔制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞培養実験では顕微観察手段や画像の撮影手段が必要とされる。従来の顕微撮影機器では、レンズを用いて画像を拡大し、焦点を合わせ集光させてからカメラ等の撮影装置を用いて画像を撮影している。
特許文献1には、顕微撮影機器を用いて自動的に顕微観察し、特定の担当者によらず長期間の観察記録を行うことを目的とした培養観察用遠隔操作システムが開示されている。
【0003】
また、従来、細胞培養実験等を宇宙空間で行う場合、国際宇宙ステーションにおいて宇宙飛行士が実施してきた。今後、人類が宇宙空間に産業や生活の場を開拓して行くには、さらに多くの生物実験の機会を増やすことが期待されるが、国際宇宙ステーションの空間や宇宙飛行士のエフォートにもキャパシティーの制限がある。そのため、小型の人工衛星を利用する等、他の手段の活用を考える必要があり、人工衛星でも細胞培養実験と顕微撮影が可能で、小型で軽量な自動実験装置(以下、観察用遠隔制御装置と呼ぶ)が求められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
観察用遠隔制御装置等で用いられる従来の顕微撮影機器は、上述したようにレンズを使用するため集光する空間を設ける必要があり、この空間が顕微撮影機器及びそれを用いた観察用遠隔制御装置の小型化を阻害していた。また、焦点を合わせるためのピント調節機構が別途必要であり、ピント調節機構も小型人工衛星等に搭載する上で小型化の制限となると共にピント調整するための複雑な制御システムが必要であった。
【0006】
一方、宇宙空間で実験を行うには、国際宇宙ステーションの環境に頼らずとも、より頻繁に打ち上げられる小型ロケットや小型の人工衛星に搭載できるように、搭載容量が極力小さくまた重量も極力軽いものが望まれている。
また、人工衛星では宇宙飛行士による実験を行うことは望めず、予め準備された実験手順に沿って又は遠隔制御により、自動的に実験を行うことが必要とされる。
【0007】
また、従来の顕微撮影機器を用いた観察用遠隔制御装置は、培養する生物の種類及び培地の条件、並びに実験目的に応じた温度及び光源等の管理を必要する。そのため、観察用遠隔制御装置の多くは専用の装置としてその都度設計開発しなくてはならず、設計開発には長期の期間と費用が必要であった。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供することにある。
また、別の目的として、設計開発が容易な観察用遠隔制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明の観察用遠隔制御装置によれば、遠隔地で培養される細胞を観察する観察用遠隔制御装置であって、前記細胞と該細胞を培養する培地とを収容する培養容器と、該培養容器の上方に配置され前記細胞に光を照射する光源と、前記培養容器の温度を調整する温度調整部と、前記培養容器と管で接続し、前記培養容器に注入される試料を収容する試料容器と、前記試料容器内の前記試料を、前記管を通じて前記培養容器に注入させ、前記培養容器内の前記培地を前記試料容器に収容させる試料交換部と、マトリクス状に配置された複数の光電変換素子を有し、前記培養容器の下方に配置され、前記光電変換素子により前記細胞を下方から撮影する顕微撮影部と、前記光源、前記温度調整部、前記試料交換部及び前記顕微撮影部を、所定のタイミングで又は外部からの指示を受けて制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記光電変換素子により撮影された画像情報を電気信号として出力する画像出力部と、前記画像情報を記憶する記憶部、又は、前記画像情報を外部に送信する通信部と、を有することにより解決される。
【0010】
マトリクス状に配置された複数の光電変換素子を有する顕微撮影部を備えることで、従来の顕微撮影で用いられたレンズや空間的な集光領域が不要となり、小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供することができる。
また、光電変換素子を用いた顕微撮影は、ピント合わせの機能や複雑な制御を必要としないため、遠隔地での自動実験を高い信頼性で実現することができる。
また、制御部が、所定のタイミングで、又は、外部からの指示を受けて、前記光源、前記温度調整部、前記試料交換部及び前記顕微撮影部を制御することにより、例えば生物実験に必要な試料(交換用の培地又は添加薬物)の注入を、所定のタイミングで実施することができる。
【0011】
また、上記の構成において、前記培養容器、前記顕微撮影部、前記試料容器及び前記試料交換部が配置された顕微撮影用プリント基板と、前記光源及び前記温度調整部が配置された環境用プリント基板と、前記制御部が配置された制御用プリント基板と、を備え、前記顕微撮影用プリント基板、前記環境用プリント基板及び前記制御用プリント基板は、いずれも平面視で同一の形状に形成されており、実験の用途に応じて組み合わせを変え、所定方向に並べて配置することで実験装置を構成するとよい。
【0012】
また、上記の構成において、前記培養容器及び前記顕微撮影部が配置された顕微撮影用プリント基板と、前記試料容器及び前記試料交換部が配置された試料用プリント基板と、前記光源及び前記温度調整部が配置された環境用プリント基板と、前記制御部が配置された制御用プリント基板と、を備え、前記顕微撮影用プリント基板、前記試料用プリント基板、前記環境用プリント基板及び前記制御用プリント基板は、いずれも平面視で同一の形状に形成されており、実験の用途に応じて組み合わせを変え、所定方向に並べて配置することで実験装置を構成するとよい。
【0013】
実験装置の要素を適切な機能単位で分け、同一形状のプリント基板として形成し、所定方向に並べて配置することで、様々な実験の用途に対して小型でコンパクトにまとまった形状の実験装置を構成することができる。
また、例えば宇宙空間において生物の実験をするためには、実験装置を気密性の高い筐体に収めることとなるが、上下方向に重ねて配置することで実験装置自体を小型でコンパクトにまとめることができ、観察用遠隔制御装置の軽量化にも寄与される。
また、同一形状で形成されたプリント基板として、用途に応じた試料容器や、光源及び温度調整部を配置したものを用意しておくことにより、実験計画に応じて試料容器を選択し、実験系を組み替えることが可能になる。すなわち、実験計画に応じて設計開発が容易な観察用遠隔制御装置を提供することができる。
【0014】
また、上記の構成において、前記試料は、前記試料容器内で付勢されており、前記試料交換部は、前記管を塞ぐバルブを有し、前記試料を注入する際、前記バルブが前記試料により前記管から押し出され、前記試料交換部と前記培養容器とが連通することで前記試料が前記培養容器に注入されるとよい。
【0015】
試料を培養容器に試料を注入する試料交換部を簡易な構造により実現することで、小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供することができる。
【0016】
また、上記の構成において、前記培養容器、前記光源、前記温度調整部、前記試料容器、前記試料交換部、前記顕微撮影部及び前記制御部を収容する筐体を備え、前記筐体は該筐体内に所定の圧力をかける圧力容器であり、前記筐体には、前記筐体内の圧力を調整する際に使用されるチェックバルブが設けられているとよい。
【0017】
筐体にチェックバルブを設けることで、筐体を密閉した後でも筐体内の圧力を調整することができる。例えば、打ち上げ直前にチェックバルブを利用して筐体内の気圧を増やすことができ、その後、筐体内の気体がリークしても、一定期間、筐体内を所定の気圧、例えば1気圧以上に維持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供することができる。
また、本発明によれば、設計開発が容易な観察用遠隔制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る観察用遠隔制御装置の分解斜視図である。
【
図2】顕微撮影用プリント基板の分解斜視図である。
【
図4】バルブ部の作動を模式的に示す説明図であり、上段はバルブにより注入路を塞いだ状態を示す図、下段は培養槽と試料タンクとを連通させた状態を示す図である。
【
図5】LED及びヒータが搭載された環境用プリント基板を示す斜視図である。
【
図7】制御用プリント基板の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第二実施形態に係る地上用実験装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下の説明中、観察用遠隔制御装置1で用いられる筐体2又はプリント配線板等の構成部品の形状、大きさ、材質等に関する内容は、あくまでも具体例の一つに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0021】
なお、以下では、宇宙空間の人工衛星等で利用可能な細胞観察用の観察用遠隔制御装置1を挙げ、その構成例について説明することとする。ただし、本発明は、人工衛星内で利用される観察用遠隔制御装置に限定されるものではなく、地上の実験室において利用可能な観察用遠隔制御装置(地上用実験装置)にも適用され得る。
【0022】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る観察用遠隔制御装置1について、
図1を参照して説明する。
図1は、観察用遠隔制御装置1の分解斜視図である。観察用遠隔制御装置1は、宇宙空間等の遠隔地で培養された微生物(細胞の一例)を観察するために、人工衛星等に搭載される微生物宇宙実験装置である。
【0023】
観察用遠隔制御装置1は、微生物を培養・撮影するための顕微撮影用プリント基板10と、LED(光源)及びヒータ(温度調整部)等が搭載された環境用プリント基板20と、各種装置を制御する制御用プリント基板30とを備える。顕微撮影用プリント基板10、環境用プリント基板20及び制御用プリント基板30は、
図1に示すように制御用プリント配線板31の垂直方向(
図1の矢印A方向、上下方向)に重なるように実験装置100として組み立てられ、その状態で筐体2に収容される。なお、顕微撮影用プリント基板10、環境用プリント基板20及び制御用プリント基板30は、コネクタを介して不図示の配線ケーブルにより接続されている。
【0024】
なお、以下では理解を容易にするため、便宜上、
図1の矢印A方向を上方向、矢印B方向を下方向と呼ぶこととする。しかしながら、観察用遠隔制御装置1は、立てた状態で使用されてもよく、また、上下を逆さまにした状態で使用されてもよい。言い換えれば、観察用遠隔制御装置1は、筐体2の底面にあるシャーシ5を垂直に立てた状態で、又は、シャーシ5を上側に配置した状態で使用されてもよい。
【0025】
<筐体2>
筐体2は、宇宙空間において微生物を培養するために、ケース3とシャーシ5とを、Oリング6及び筐体封止用ネジ9を用いて密閉し、筐体2内の加圧空間に、実験装置100を収容する構造となっている。
なお、本実施形態において筐体2は金属製であり、ケース3及びシャーシ5はアルミ製である。なお、ケース3及びシャーシ5は鉄や銅等の他の金属で形成されてもよく、また、樹脂製であってもよい。筐体2の強度や軽量化を考慮するとアルミ製であるのが望ましい。
【0026】
また、宇宙空間での生物実験では筐体2内を1気圧以上に保つ必要があるため、筐体2は、筐体2内に所定の圧力をかける圧力容器として形成されている。また、筐体2の上面には、筐体2内の気圧を調整する際に利用されるチェックバルブ3aが設けられている。本実施形態では、筐体2の封止にOリング6を用いているものの、わずかながら筐体2内の気体が漏れ出す可能性がある。そのため、例えば、観察用遠隔制御装置1を宇宙に打ち上げる直前に、チェックバルブ3aを介して、筐体2内を1.5気圧に初期加圧しておく。こうすることにより、打ち上げた後、約半年の期間は、気体がわずかに漏れ出しても筐体2内を1気圧に保つことができる。
【0027】
筐体2内に収容される顕微撮影用プリント基板10、環境用プリント基板20及び制御用プリント基板30は、人工衛星本体(不図示)と接続用コネクタ4を介して、電気的に接続されており、人工衛星本体から電力を得ると共に、人工衛星本体と有線通信を行うことができる。有線通信により人工衛星本体に送信された画像情報やセンサデータは、人工衛星の通信機能により地上に転送されるように構成されている。
【0028】
<顕微撮影用プリント基板10>
微生物を培養したり顕微撮影したりする顕微撮影用プリント基板10について、
図1~
図4を用いて説明する。
図2は顕微撮影用プリント基板10の分解斜視図、
図3は顕微撮影装置12(顕微撮影部)の構造を示す断面図、
図4はバルブ部15(試料交換部)の作動を模式的に示す説明図であり、上段はバルブにより注入路を塞いだ状態を示す図、下段は培養槽と試料タンクとを連通させた状態を示す図である。
【0029】
顕微撮影用プリント基板10は、
図2に示すように、顕微撮影用プリント配線板11と、微生物を顕微撮影する顕微撮影装置12と、微生物と微生物を培養する培地とを収容する培養槽13(培養容器)と、交換用の培地又は添加薬剤(以下、試料147と称する)を収容する試料タンク14と、バルブ部15とを主要な構成要素として備えている。顕微撮影装置12、培養槽13、試料タンク14及びバルブ部15は、顕微撮影用プリント配線板11上に実装されている。また、培養槽13及び試料タンク14は、バルブ部15を介して注入路131及び排出路132によって接続されている。
【0030】
<顕微撮影装置12>
顕微撮影装置12は、顕微撮影用プリント配線板11上において、培養槽13の下方(
図2の矢印B方向)に配置され、下方から培養槽13内の微生物を顕微撮影可能に構成されている。
【0031】
顕微撮影装置12は、マイクロイメージングデバイス(MID)とも呼ばれ、従来の顕微撮影に使用されるレンズやミラーを用いることなく、光線を収束させる空間的集光や拡大が不要で、観察対象物を直接顕微撮影することが可能な撮影装置である。
顕微撮影装置12は、例えばフォトダイオードからなる光電変換素子121を4mm×5mmの平面にマトリクス状に数百万個並べたチップを有し、観察対象物の上方から光を照射し光電変換素子121の表面に落ちた影を画像として得るものである。
【0032】
顕微撮影装置12は、
図2及び
図3に示すように、培養槽13の下方(矢印B方向)に配置されている。顕微撮影装置12は、光を集光するマイクロレンズ122と、マイクロレンズ122により集光される光を受光する光電変換素子121とを含む画素123が、所定の間隔で複数個配列されることにより構成される。
【0033】
顕微撮影装置12において、複数の光電変換素子121は、半導体基板124上に配列形成されている。本実施形態においては、光電変換素子121としてフォトダイオードが用いられているが、フォトダイオードは一例であり、入射される光を受光して光電変換することが可能であれば別の受光素子、例えばフォトトランジスタであってもよい。
【0034】
また、複数の光電変換素子121が設けられた半導体基板124の表面上には、中間層125が設けられており、中間層125の表面上には、複数のマイクロレンズ122が、配列された複数の光電変換素子121の位置に対応して、配列形成されている。マイクロレンズ122は、光電変換素子121を基準に所定の視野角に収まるように入射した光の進行角度を制御する。
【0035】
なお、中間層125は、例えばカラーフィルタ層等のような波長選択層、中間層の表面上を平坦にするための平坦化層等である。
【0036】
このような顕微撮影装置12は、光電変換素子121と、この光電変換素子121に光を集光するためのマイクロレンズ122と、を含む画素123を複数個有している。顕微撮影装置12において、複数の画素123を所定の間隔で配列することによりセンサ部が構成される。
このように光電変換素子121を有する顕微撮影装置12を用いれば、従来の顕微撮影で使用されてきたレンズや、光線を収束させるための空間を必要とせず、培養槽13の微生物に近接して直接撮影することが可能である。そのため、きわめて小さな装置で顕微撮影することができる。
【0037】
顕微撮影装置12は、顕微撮影用プリント基板10に実装される画像転送用コネクタ126と接続されている。また、画像転送用コネクタ126は、制御用プリント基板30の画像転送用コネクタであるCSIインターフェースと接続されており、顕微撮影装置12により撮影された画像情報は、制御用プリント基板30に取り込まれ、所定のプロトコルにより人工衛星本体に転送される。
【0038】
<培養槽13及び試料タンク14>
培養槽13は本発明の培養容器に相当し、培養槽13には、予め試験体となる微生物と微生物を培養する培地とが充填されている。培養槽13は透明なケースで、
図3に示すように培養槽13の上方(矢印A方向)にはLED23が配置される。培養槽13の下方には上述したように顕微撮影装置12が設けられており、LED23から照射される光により培養槽13にある微生物を、顕微撮影装置12により下方から顕微撮影可能に構成されている。
【0039】
試料タンク14は本発明の試料容器に相当し、試料タンク14には、交換用の培地又は添加薬剤(以下、試料147と称する)が充填されている。
培養槽13は試料タンク14とバルブ部15を挟んで二本の管で接続されており、一方の管は試料147を培養槽13に注入するための注入路131であり、他方の管は培養槽13の培地133を排出する排出路132である。
【0040】
図4の上段に示すように、注入路131は、実験開始以前ではニードルバルブ151(バルブ)により塞がれており、それにより、培養槽13の培地133と、試料タンク14の試料147とは分離された状態が維持されている。
【0041】
試料タンク14内において、試料147はダイヤフラムゴムシート143と試料タンク14の試料タンク蓋142との間に収められている。ダイヤフラムゴムシート143はゴム膜であり、ダイヤフラム押し板144とそれを付勢するコイルスプリング145とにより常に圧力がかけられた状態となっている。そのため、ダイヤフラムゴムシート143内の試料147は、培養槽13に向けて付勢された状態になっている。
【0042】
ニードルバルブ151は、実験開始以前では、コイルスプリング152で注入路131の試料147からの圧力対し十分な力で押し込まれている。このコイルスプリング152はバルブ固定用レバー153により固定されている。バルブ固定用レバー153は、バルブ固定部154から延び、バルブ固定用レバー153とバルブ固定部154とを繋ぐバルブ固定用ワイヤ155により固定されている。バルブ固定用ワイヤ155により繋がれている状態では、ニードルバルブ151により注入路131は塞がれ、試料147が培養槽13に入り込まない状態となっている。
【0043】
バルブ固定用ワイヤ155は、電源157とスイッチ156とに繋がっており、実験開始以前ではスイッチ156は開けられた状態(OFFの状態)となっている。
実験開始後、試料147を培養槽13に注入する際には、
図4の下段に示すようにスイッチ156を閉じることで、バルブ固定用ワイヤ155と電源157とが接続される。それにより、バルブ固定用ワイヤ155に電流が流れ、バルブ固定用ワイヤ155を加熱して溶断される。バルブ固定用ワイヤ155が溶断されることにより、バルブ固定用ワイヤ155が開き、その結果、ニードルバルブ151が試料147の圧力により押し下げられ、培養槽13と試料タンク14とが連通した状態となり、試料147が、注入路131を通って培養槽13に注入される。
【0044】
なお、スイッチ156は、制御用プリント基板30と接続されており、制御部40から送信される信号により、ONとOFFとの切り替えが可能になっている。そのため、制御部40は、所定のタイミング又は外部からの指示を受けて、培養槽13に試料147を注入することができる。また、試料147は、地上にて観察用遠隔制御装置1を人工衛星に搭載する前に、試料注入用ニップル146を介して試料タンク14に注入される。
【0045】
試料147が培養槽13に注入されることにより、培養槽13内に液体が入る分、溢れ出た元の培地133は排出路132を通って、
図4の下段に示すように、試料タンク14内のダイヤフラムゴムシート143の裏側にあたる排出培地収容部141に収容される。それにより、圧力を一定に保ちつつ培地133の一部を試料147に交換することができる。
【0046】
<環境用プリント基板20>
環境用プリント基板20について、
図5を用いて説明する。
図5は、LED及びヒータが搭載された環境用プリント基板20の斜視図である。環境用プリント基板20は、
図5に示すように、環境用プリント配線板21と、温度調節部として環境用プリント配線板21に配置されるヒータ22と、光源として環境用プリント配線板21に配置されるLED23とを備える。また、環境用プリント配線板21には、制御用プリント基板30と接続するためのヒータ・LED制御用コネクタ24と、外線用コネクタ25とが配置されている。
環境用プリント基板20には、筐体2内の温度及び圧力等を測定するセンサ(不図示)が設けられており、センサにより測定された測定データは制御用プリント基板30(制御部40)に送信するように構成されている。
【0047】
LED23は、微生物培養の光合成に必要な光と、顕微撮影に用いられる光とを照射する光源である。LED23は、環境用プリント基板20の下面に設けられ、観察用遠隔制御装置1を組み立てたとき、顕微撮影用プリント基板10の培養槽13の上方に位置するよう配置されている。LED23は、制御部40により所定のタイミング、例えば顕微撮影時に光るように制御される。ヒータ22は制御部40により制御されており、例えばセンサにより測定された筐体2内の温度が所定値より下がった場合に稼働する。
【0048】
<制御用プリント基板30>
制御用プリント基板30について、
図6及び
図7を用いて説明する。
図6は、制御用プリント基板30の斜視図であり、
図7は制御用プリント基板30の機能構成を示すブロック図である。なお、
図6は
図1に示す制御用プリント基板30を斜め下方から見た図である。
【0049】
制御用プリント基板30には、各種装置を制御するための制御回路が組み込まれている。制御用プリント基板30は、データの演算・制御処理装置としてのCPU32(Central Processing Unit)と、記憶装置としてのRAM33(Random Access Memory)及びストレージ34と、を有する。また、制御用プリント基板30は、各種装置から情報や信号を受信したり、操作するための信号を送信したりするための通信モジュール35を備えている。CPU32、RAM33、ストレージ34、通信モジュール35は配線を介して相互に通信可能に接続されている。
制御用プリント基板30には、ヒータ・LED制御用コネクタ37が搭載されており、環境用プリント基板20のヒータ・LED制御用コネクタ24とケーブル(不図示)で接続されている。また、制御用プリント基板30には、入出力インターフェース38が設けられている。
【0050】
制御用プリント基板30は、機能構成として、各種装置を制御する制御部40と、画像出力部41と、記憶部42と、通信部43とを備えている。記憶部42は、各種装置を制御するための設定ファイルやプログラムを記憶している。制御部40は、記憶部42に記憶された設定ファイルやプログラムを読み込み、顕微撮影装置12、LED23、ヒータ22、バルブ部15を作動させる。
【0051】
制御部40はCPU32によって実現され、記憶部42はRAM33、ストレージ34等の記憶装置により実現されている。通信部43は、通信モジュール35により実現されており、実験装置100内の顕微撮影装置12、LED23、ヒータ22、バルブ部15と有線で接続し、画像情報の読み出し、又は、LED23、ヒータ22、バルブ部15の駆動を行うほか、人工衛星の通信装置と通信を行うことが可能となっている。また、人工衛星から設定ファイルやプログラム等を受信し、更新することが可能となっている。
【0052】
本実施形態において、制御部40は、画像転送用コネクタ36を介して顕微撮影装置12と接続されている。また、画像出力部41が、顕微撮影装置12の光電変換素子121により撮影された画像情報を電気信号として出力する。また、記憶部42は、画像出力部41により出力された画像情報を例えばストレージ34に記録する。画像情報は、通信部43により人工衛星の通信装置に送信するように構成されてもよい。
【0053】
なお、上述したように、環境用プリント基板20には、ヒータ22と温度、圧力等を測定するセンサとが実装されており、制御部40がヒータ22を制御することで微生物の培養に適した温度になるように調整されている。
また、制御用プリント基板30は筐体2のシャーシ5上に配置され、シャーシ5と制御用プリント基板30上で最も発熱するCPU32とが、熱伝導ブロック5aを介して接触するように構成されている。熱伝導ブロック5aを介した熱伝導により、CPU32の熱はシャーシ5から人工衛星本体を介して輻射により宇宙空間に排熱される。それにより、筐体2内の温度は十分に低い温度に保たれた状態となり、筐体2内はヒータ22を使用し、所謂コールドバイアス方式により一定の温度範囲に制御することが可能となっている。
【0054】
本実施形態では、制御用プリント基板30として、世界中に広く普及している民生汎用制御機器であるRaspberry Pi Zero(登録商標)を用いている。従来は各種装置を制御するために個別に開発された専用の制御装置を用いていたが、普及品の制御機器を用いることで、従来と比べ遥かに安価で且つ短い開発期間で、観察用遠隔制御装置1を構築することができる。
【0055】
また、本実施形態では、顕微撮影装置12、培養槽13、試料タンク14、バルブ部15が配置された顕微撮影用プリント基板10は、制御用プリント基板30と平面視(
図1の矢印A方向で見た場合)で同一の形状になるように形成されている。
また、LED23及びヒータ22が配置された環境用プリント基板20と、制御用プリント基板30は、平面視で同一の形状になるように形成されている。
より具体的に述べると、顕微撮影用プリント配線板11と、環境用プリント配線板21と、制御用プリント基板30の制御用プリント配線板31とが、平面視で一定サイズの矩形となるように形成されている。
【0056】
各プリント基板を平面視で同一の形状とすることで、
図1に示すように、プリント基板を所定方向に重ねて配置することができる。すなわち、顕微撮影用プリント基板10及び環境用プリント基板20を、制御用プリント基板30の垂直方向(矢印A方向、上下方向)に重ねて配置することが可能となり、小型でコンパクトにまとまった形状の実験装置100を構築することができる。また、重ねられた各プリント配線板の四隅にスペーサ8を配置し、基板取付用ネジ7で固定するだけで、容易に実験装置100を組み立てることができる。
特に、微生物の実験を宇宙空間で行うには、観察用遠隔制御装置1の筐体2を、気密性の高いものする必要があり、実験装置100自体が小型でコンパクトにまとまることで、観察用遠隔制御装置1の小型化及び軽量化にも寄与する。
【0057】
また、異なる添加薬剤が充填された試料タンク14を有する顕微撮影用プリント基板10を同一の形状で複数個用意しておくことにより、実験計画に応じて試料タンク14を選択して、実験系を組み替えることができ、実験計画に応じて、観察用遠隔制御装置1を設計開発することが容易となる。
【0058】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態である地上用実験装置200について
図8を用いて説明する。
図8は、地上において利用される地上用実験装置200を示す斜視図である。
【0059】
地上用実験装置200は、顕微撮影用プリント基板210と、制御用プリント基板230と、二つの試料用プリント基板(第一試料用プリント基板250、第二試料用プリント基板260)とから構成される。以下、地上用実験装置200に搭載される部材・構成要素で、第一実施形態の観察用遠隔制御装置1のものと同一又は均等の部材・構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
制御用プリント基板230は、第一実施形態で用いられる制御用プリント基板30と同様の構成を有する。
顕微撮影用プリント基板210は、顕微撮影用プリント配線板211と、培養槽13と、培養槽13の下方に配置された顕微撮影装置12とを有し、それらは顕微撮影用プリント配線板211に配置されている。
第二実施形態の顕微撮影用プリント基板210は、第一実施形態の顕微撮影用プリント基板10と比較して、試料147が収容された試料タンク14やバルブ部15を有していない点で異なっている。
そのかわり、本発明の試料交換部としてマイクロポンプが設けられた試料タンク252、262が、第一試料用プリント基板250と第二試料用プリント基板260のそれぞれに設けられている。それにより、地上用実験装置200では、二種類の試料147を培養槽13に注入することが可能になっている。
【0061】
制御用プリント基板230と、顕微撮影用プリント基板210とは画像転送用コネクタ126を介して制御用ケーブル215により接続されている。また、制御用プリント基板230と第一試料用プリント基板250とは制御用ケーブル255及び内線用コネクタ256を介して接続されており、制御用プリント基板230と第二試料用プリント基板260は制御用ケーブル265及び内線用コネクタ266を介して接続されている。
【0062】
各試料タンク252、262には、上述したように、本発明の試料交換部としてマイクロポンプが設けられている。培養槽13は、試料タンク252、262と注入路253、263及び排出路254、264で接続されており、制御部40によりマイクロポンプを作動させることで、必要なタイミングで培養槽13に試料147を自動的に投入することができる。
【0063】
また、顕微撮影用プリント基板210、制御用プリント基板230、第一試料用プリント基板250及び第二試料用プリント基板260は、平面視で同一の形状で形成されている。より詳細に述べると、顕微撮影用プリント基板210の顕微撮影用プリント配線板211と、制御用プリント基板の制御用プリント配線板31と、第一試料用プリント基板250の第一試料用プリント配線板251と、第二試料用プリント基板260の第二試料用プリント配線板261とが一定サイズの矩形となるように形成されている。培養兼顕微撮影用の顕微撮影用プリント基板210と、異なる試料147が収容された試料用プリント基板を機能ブロックとして結合させることで、様々な実験に対応可能な実験装置を構築することができる。
【0064】
第一試料用プリント基板250と第二試料用プリント基板260とは、顕微撮影用プリント基板210と、横方向(
図8の矢印CD方向)に並べて配置され、制御用プリント基板230は、顕微撮影用プリント基板210と、縦方向(
図8の矢印EF方向)に並べて配置される。これは一例であり、顕微撮影用プリント基板210、制御用プリント基板230、第一試料用プリント基板250及び第二試料用プリント基板260は上下方向(
図8の矢印AB方向)に重ねて配置されてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態について図を用いて説明した。本発明の観察用遠隔制御装置は、小型且つ軽量な装置として実現されているため、顕微撮影が必要な微生物培養実験を特に宇宙空間で行う場合に有効である。また、実験に係る機能を、同一の形状を有するプリント基板ごとに分割して製造するため、用途に応じて組み合わせることで、様々な実験の自動化を図ることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 観察用遠隔制御装置
2 筐体
3 ケース
3a チェックバルブ
4 接続用コネクタ
5 シャーシ
5a 熱伝導ブロック
6 Oリング
7 基板取付用ネジ
8 スペーサ
9 筐体封止用ネジ
100 実験装置
10 顕微撮影用プリント基板
11 顕微撮影用プリント配線板
12 顕微撮影装置(顕微撮影部)
121 光電変換素子
122 マイクロレンズ
123 画素
124 半導体基板
125 中間層
126 画像転送用コネクタ
13 培養槽(培養容器)
131 注入路(管)
132 排出路(管)
133 培地
14 試料タンク(試料容器)
141 排出培地収容部
142 試料タンク蓋
143 ダイヤフラムゴムシート
144 ダイヤフラム押し板
145 コイルスプリング
146 試料注入用ニップル
147 試料
15 バルブ部(試料交換部)
151 ニードルバルブ(バルブ)
152 コイルスプリング
153 バルブ固定用レバー
154 バルブ固定部
155 バルブ固定用ワイヤ
156 スイッチ
157 電源
20 環境用プリント基板
21 環境用プリント配線板
22 ヒータ(温度調整部)
23 LED(光源)
24 ヒータ・LED制御用コネクタ
25 外線用コネクタ
30 制御用プリント基板
31 制御用プリント配線板
32 CPU
33 RAM
34 ストレージ
35 通信モジュール
36 画像転送用コネクタ
37 ヒータ・LED制御用コネクタ
38 入出力インターフェース
40 制御部
41 画像出力部
42 記憶部
43 通信部
200 地上用実験装置
210 顕微撮影用プリント基板
211 顕微撮影用プリント配線板
215 制御用ケーブル
230 制御用プリント基板
250 第一試料用プリント基板
251 第一試料用プリント配線板
252 試料タンク
253 注入路(管)
254 排出路(管)
255 制御用ケーブル
256 内線用コネクタ
260 第二試料用プリント基板
261 第二試料用プリント配線板
262 試料タンク
263 注入路(管)
264 排出路(管)
265 制御用ケーブル
266 内線用コネクタ