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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031312
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】溶接システム
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/12 20060101AFI20250228BHJP
   B23K 10/00 20060101ALI20250228BHJP
   B23K 37/02 20060101ALN20250228BHJP
【FI】
B23K9/12 331K
B23K10/00 502B
B23K37/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137454
(22)【出願日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】302040135
【氏名又は名称】日鉄溶接工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】片山 翼
(72)【発明者】
【氏名】三木 聡史
(72)【発明者】
【氏名】脇田 直弥
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 俊志
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 慎司
(57)【要約】
【課題】複数の溶接ロボットを同時に操作することができる溶接システムを提供すること。
【解決手段】溶接システムは、第1鋼材の第1開先を溶接する第1溶接ロボットと、第2鋼材の第2開先を溶接する第2溶接ロボットと、表示制御手段と、を備え、第1溶接ロボットは、第1方向側カメラと、第1反対側カメラとを含み、第2溶接ロボットは、第2方向側カメラと、第2反対側カメラとを含み、表示制御手段は、第1方向側カメラが第1開先を撮像して出力する第1方向側画像データに対応する第1方向側画像と、第1反対側カメラが第1開先を撮像して出力する第1反対側画像データに対応する第1反対側画像と、第2方向側カメラが第2開先を撮像して出力する第2方向側画像データに対応する第2方向側画像と、第2反対側カメラが第2開先を撮像して出力する第2反対側画像データに対応する第2反対側画像と、を、表示部に表示することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1鋼材の第1開先を、第1方向に移動しつつ、溶接することができる第1溶接ロボットと、
前記第1鋼材とは異なる第2鋼材の第2開先を、第2方向に移動しつつ、溶接することができる第2溶接ロボットと、
表示制御手段と、
を備える溶接システムであって、
前記第1溶接ロボットは、
前記第1溶接ロボットの前記第1方向の側に設けられる第1方向側カメラと、
前記第1溶接ロボットの、前記第1方向とは反対の側に、設けられる第1反対側カメラと、
を含み、
前記第2溶接ロボットは、
前記第2溶接ロボットの前記第2方向の側に設けられる第2方向側カメラと、
前記第2溶接ロボットの、前記第2方向とは反対の側に、設けられる第2反対側カメラと、
を含み、
前記表示制御手段は、前記第1方向側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1方向側画像データに対応する第1方向側画像と、前記第1反対側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1反対側画像データに対応する第1反対側画像と、前記第2方向側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2方向側画像データに対応する第2方向側画像と、前記第2反対側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2反対側画像データに対応する第2反対側画像と、を、表示部に表示することができる、
ことを特徴とする溶接システム。
【請求項2】
前記第1溶接ロボットは、前記第1開先を、前記第1方向とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができ、
前記第2溶接ロボットは、前記第2開先を、前記第2方向とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができ、
前記表示制御手段は、前記第1溶接ロボットが移動する方向、及び、前記第2溶接ロボットが移動する方向、の少なくとも一方に応じ、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2反対側画像の表示位置と、を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接システム。
【請求項3】
前記第1鋼材に設けられる第1建方治具、の位置を示す第1建方治具位置情報を取得する第1建方治具位置情報取得手段と、
前記第2鋼材に設けられる第2建方治具、の位置を示す第2建方治具位置情報を取得する第2建方治具位置情報取得手段と、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記第1建方治具位置情報取得手段によって取得される第1建方治具位置情報、及び、前記第2建方治具位置情報取得手段によって取得される第2建方治具位置情報、の少なくとも一方に応じ、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2反対側画像の表示位置と、を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接システム。
【請求項4】
第1指示を受け付ける受付手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、を接近させるよう、前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、を入れ替えることで、前記第1方向側画像の表示位置と、前記第2方向側画像の表示位置と、が接近するよう、前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の溶接システム。
【請求項6】
第1指示を受け付ける受付手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記第1反対側画像及び前記第2反対側画像を前記表示部に表示させない、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システム。
【請求項7】
第1指示を受け付ける受付手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記第1反対側画像及び前記第2反対側画像を縮小させて前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高層ビルなどの大型建築物には、角形の鋼管を溶接により継ぎ足して形成された鋼管柱が用いられている。角形の鋼管の継ぎ足しには、ガイドレールに沿って鋼管の周囲を巡回可能な溶接ロボットが利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7203942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶接ロボットによる溶接品質を確保するために、オペレータが、溶接ロボットを遠隔操作し、溶接トーチの狙い位置を調整することがある。この場合、オペレータは、表示部に表示される溶接箇所を見ながら溶接トーチの狙い位置を調整するため、複数の溶接ロボットを同時に操作することが困難であった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、複数の溶接ロボットを同時に操作することができる溶接システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の一態様に係る溶接システムは、第1鋼材の第1開先を、第1方向に移動しつつ、溶接することができる第1溶接ロボットと、前記第1鋼材とは異なる第2鋼材の第2開先を、第2方向に移動しつつ、溶接することができる第2溶接ロボットと、表示制御手段と、を備える溶接システムであって、前記第1溶接ロボットは、前記第1溶接ロボットの前記第1方向の側に設けられる第1方向側カメラと、前記第1溶接ロボットの、前記第1方向とは反対の側に、設けられる第1反対側カメラと、を含み、前記第2溶接ロボットは、前記第2溶接ロボットの前記第2方向の側に設けられる第2方向側カメラと、前記第2溶接ロボットの、前記第2方向とは反対の側に、設けられる第2反対側カメラと、を含み、前記表示制御手段は、前記第1方向側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1方向側画像データに対応する第1方向側画像と、前記第1反対側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1反対側画像データに対応する第1反対側画像と、前記第2方向側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2方向側画像データに対応する第2方向側画像と、前記第2反対側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2反対側画像データに対応する第2反対側画像と、を、表示部に表示することができる、ことを特徴とする。
【0007】
表示部に、第1方向側画像と、第1反対側画像と、第2方向側画像と、第2反対側画像と、を表示することができるため、オペレータにより複数の溶接ロボットを同時に操作することができる。
しかも、第1溶接ロボットと第2溶接ロボットとが溶接する鋼材が異なっている。例えば、第1溶接ロボットが溶接する第1鋼材と、第2溶接ロボットが溶接する第2鋼材と、が異なる位置にある場合などには、複数の溶接ロボットを同時に操作することは極めて困難である。よって、前述の作用効果が顕著に奏功される。
【0008】
なお、第1方向側画像と、第1反対側画像とを表示部に表示する場合、第1溶接ロボットによる溶接を、第1溶接ロボットの前方及び後方から確認できるため、オペレータによる第1溶接ロボットの操作の精度が向上する。第2方向側画像と、第2反対側画像とを表示部に表示する場合、第2溶接ロボットによる溶接を、第2溶接ロボットの前方及び後方から確認できるため、オペレータによる第2溶接ロボットの操作の精度が向上する。
第1方向側画像と、第2方向側画像とを表示部に表示する場合、オペレータは、第1溶接ロボットによる溶接及び第2溶接ロボットによる溶接のそれぞれについて、第1溶接ロボット及び第2溶接ロボットの前方の溶接部位、すなわちこれから溶接する部位の形状や母材との境界を把握することができるため、オペレータによる第1溶接ロボット及び第2溶接ロボットの操作の精度が向上する。
【0009】
<2>上記<1>に係る溶接システムでは、前記第1溶接ロボットは、前記第1開先を、前記第1方向とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができ、前記第2溶接ロボットは、前記第2開先を、前記第2方向とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができ、前記表示制御手段は、前記第1溶接ロボットが移動する方向、及び、前記第2溶接ロボットが移動する方向、の少なくとも一方に応じ、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2反対側画像の表示位置と、を決定する、構成を採用してもよい。
【0010】
上記構成により、オペレータが、第1溶接ロボット及び第2溶接ロボットが移動する方向側の画像と、第1溶接ロボット及び第2溶接ロボットが移動する方向と反対側の画像とを間違えて認識してしまうことを抑制できる。
【0011】
<3>上記<1>または<2>に係る溶接システムでは、前記第1鋼材に設けられる第1建方治具、の位置を示す第1建方治具位置情報を取得する第1建方治具位置情報取得手段と、前記第2鋼材に設けられる第2建方治具、の位置を示す第2建方治具位置情報を取得する第2建方治具位置情報取得手段と、を更に備え、前記表示制御手段は、前記第1建方治具位置情報取得手段によって取得される第1建方治具位置情報、及び、前記第2建方治具位置情報取得手段によって取得される第2建方治具位置情報、の少なくとも一方に応じ、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2反対側画像の表示位置と、を決定する、構成を採用してもよい。
【0012】
上記構成により、建方治具によって死角になる画像により、オペレータの視認性が低下することが防止できる。
【0013】
<4>上記<1>~<3>のいずれか一つに係る溶接システムでは、第1指示を受け付ける受付手段、を更に備え、前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、を接近させるよう、前記表示部を制御する、構成を採用してもよい。
【0014】
上記構成により、オペレータの第1方向側画像及び第2方向側画像の視認性が向上し、第1溶接ロボット及び第2溶接ロボットの操作の精度が向上する。
【0015】
<5>上記<4>に係る溶接システムでは、前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、を入れ替えることで、前記第1方向側画像の表示位置と、前記第2方向側画像の表示位置と、が接近するよう、前記表示部を制御する、構成を採用してもよい。
【0016】
上記構成により、オペレータに違和感を与えることなく、第1方向側画像の表示位置と、第2方向側画像の表示位置とを接近させることができ、オペレータの第1方向側画像及び第2方向側画像の視認性が向上する。
【0017】
<6>上記<1>~<3>のいずれか一つに係る溶接システムでは、第1指示を受け付ける受付手段、を更に備え、前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記第1反対側画像及び前記第2反対側画像を前記表示部に表示させない、構成を採用してもよい。
【0018】
上記構成により、オペレータが第1方向側画像及び第2方向側画像を把握しやすくなるため、第1溶接ロボット及び第2溶接ロボットの操作の精度が向上する。
【0019】
<7>上記<1>~<3>のいずれか一つに係る溶接システムでは、第1指示を受け付ける受付手段、を更に備え、前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記第1反対側画像及び前記第2反対側画像を縮小させて前記表示部に表示させる、構成を採用してもよい。
【0020】
上記構成により、オペレータが第1方向側画像及び第2方向側画像を把握しやすくなるため、第1溶接ロボット及び第2溶接ロボットの操作の精度が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の溶接ロボットを同時に操作することができる溶接システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る溶接システムの概要を説明するブロック図である。
図2】第1実施形態に係る溶接システムを示す全体図である。
図3】第1実施形態に係る(a)第1制御装置及び(b)第2制御装置のシステムブロック図である。
図4】第1実施形態に係る(a)第1表示装置及び(b)第2表示装置のシステムブロック図である。
図5】第1実施形態に係る表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図8】第2実施形態に係る溶接システムの概要を説明するブロック図である。
図9】第2実施形態に係る表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る溶接システム100を説明する。
【0024】
〔溶接システムの概要〕
まず、溶接システム100の概要を説明する。図1に示されるように、溶接システム100は、第1溶接ロボット1Aと、第2溶接ロボット1Bと、第1制御装置3Aと、第2制御装置3Bと、第1中継装置4Aと、第2中継装置4Bと、第1表示装置5Aと、第2表示装置5Bと、第1入力部6Aと、第2入力部6Bと、を備える。
【0025】
第1溶接ロボット1Aは、第1鋼材の第1開先を溶接するために用いられる。第2溶接ロボット1Bは、第1鋼材とは異なる第2鋼材の第2開先を溶接するために用いられる。すなわち、溶接システム100は、第1溶接ロボット1A、第2溶接ロボット1Bを同時に操作して、第1鋼材の第1開先及び第2鋼材の第2開先を同時に溶接することができる。第1鋼材及び第2鋼材は、例えば鋼管である。第1鋼材及び第2鋼材は、平板やH型鋼等であってもよい。
【0026】
本実施形態では、図2に示されるように、第1鋼材が第1鋼管8Aであり、第2鋼材が第2鋼管8Bである場合を例として説明する。すなわち、以下では、第1溶接ロボット1Aが、第1鋼材の第1開先としての、鉛直方向に並べて配置された第1鋼管8Aの端部同士の間に形成される開先を溶接するために用いられ、第2溶接ロボット1Bが、第2鋼材の第2開先としての、鉛直方向に並べて配置された第2鋼管8Bの端部同士の間に形成される開先を溶接するために用いられる場合を例として説明する。また、本実施形態では、第1溶接ロボット1Aと第2溶接ロボット1Bとは同様の構成を有する。したがって、以下では、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bの具体的な構成を同一の図面(図2)を用いて説明する。
【0027】
鋼管8A、8Bは、4つの円弧状の角部と、角部同士をそれぞれ接続する4つの直線部とを有する角形鋼管である。鋼管8A、8Bは、鉛直方向に延びる。初期状態では、第1鋼管8Aは、第1建方治具9Aにより仮止めされている。例えば、4つの第1建方治具9Aが、4つの直線部にそれぞれ取り付けられている。初期状態では、第2鋼管8Bは、第2建方治具9Bにより仮止めされている。例えば、4つの第2建方治具9Bが、4つの直線部にそれぞれ取り付けられている。
【0028】
溶接システム100は、第1鋼管8Aに沿って配置される第1ガイドレール2Aを有する。第1ガイドレール2Aは、第1鋼管8Aの周方向に環状に、第1鋼管8Aを囲むように配置される。第1溶接ロボット1Aは、第1ガイドレール2Aに沿って移動可能である。第1溶接ロボット1Aは、第1鋼管8Aの端部同士を、第1ガイドレール2Aが延びる方向である第1方向D1に移動しつつ、溶接することができる。また、第1溶接ロボット1Aは、第1鋼管8Aの端部同士を、第1方向D1とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができる。
【0029】
溶接システム100は、第2鋼管8Bに沿って配置される第2ガイドレール2Bを有する。第2ガイドレール2Bは、第2鋼管8Bの周方向に環状に、第2鋼管8Bを囲むように配置される。第2溶接ロボット1Bは、第2ガイドレール2Bに沿って移動可能である。第2溶接ロボット1Bは、第2鋼管8Bの端部同士を、第2ガイドレール2Bが延びる方向である第2方向D2に移動しつつ、溶接することができる。また、第2溶接ロボット1Bは、第2鋼管8Bの端部同士を、第2方向D2とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができる。
【0030】
図1に戻り、第1制御装置3Aは、第1溶接ロボット1Aの動作を制御する。第1制御装置3Aは、第1溶接ロボット1Aを制御するための第1制御信号を作成する。第1中継装置4Aは、第1制御装置3Aが作成する第1制御信号を中継する。具体的には、第1制御装置3Aと第1中継装置4Aとは、ケーブルを介して互いに通信可能に接続される。第1中継装置4Aと第1溶接ロボット1Aとは、ケーブルを介して互いに通信可能に接続される。第1制御装置3Aが出力する第1制御信号は、第1中継装置4Aを介し、第1溶接ロボット1Aに伝送される。
【0031】
第1溶接ロボット1Aは、第1制御部21Aと、複数の第1モータ22Aと、第1溶接トーチ13Aと、第1方向側カメラ15Aと、第1反対側カメラ16Aと、を備える。
【0032】
第1制御部21Aは、第1中継装置4Aを介して第1制御装置3Aと通信可能に接続されており、第1制御装置3Aによる制御を受けて第1溶接ロボット1Aの動作を制御する。すなわち、第1制御部21Aは、第1制御装置3Aが作成する第1制御信号に基づき第1溶接ロボット1Aの動作を制御する。
【0033】
第1モータ22Aは、第1溶接ロボット1Aを駆動させるモータである。第1モータ22Aは、第1溶接ロボット1Aを第1ガイドレール2Aに沿って移動させるサーボモータを含む。第1モータ22Aの各々は、第1制御部21Aによって制御されることで駆動する。
【0034】
第1溶接トーチ13Aは、第1鋼管8Aの端部同士の溶接に用いられる。第1溶接トーチ13Aによる溶接は、例えばアーク溶接によって行われる。第1溶接トーチ13A内には、不図示の溶接ワイヤが配置されている。また、第1溶接ロボット1Aは、第1鋼管8Aと第1溶接トーチ13Aとの間に電圧を印加する不図示の溶接電源、及び第1溶接トーチ13Aへ溶接ワイヤを供給する不図示のワイヤ送給装置を備える。溶接電源及びワイヤ送給装置は、第1中継装置4Aを介して第1制御装置3Aと接続されている。溶接電源及びワイヤ送給装置は、第1中継装置4Aを介さずに第1制御装置3Aと接続されていてもよい。
【0035】
第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aは、第1鋼管8Aの端部同士の間に形成される開先を撮像する。例えば、第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aは、溶接前のセンシング処理において第1鋼管8Aの溶接部位、及び第1建方治具9Aを撮像する。また、第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aは、溶接処理において第1溶接ロボット1Aによる溶接の様子を撮像する。第1方向側カメラ15Aが撮像により取得した画像または動画のデータ(以下、「第1方向側画像データ」という)及び第1反対側カメラ16Aが撮像により取得した画像または動画のデータ(以下、「第1反対側画像データ」という)は、第1中継装置4Aを介して、第1制御装置3Aへ出力される。
【0036】
第1表示装置5Aは、例えば、タブレット端末である。第1表示装置5Aは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって第1中継装置4Aと接続される。第1表示装置5Aは、ケーブルによって第1中継装置4Aと通信可能に接続されていてもよい。第1表示装置5Aは、第1溶接ロボット1Aの溶接に関する各種情報が表示される第1表示部52A(図5を参照)を有する。例えば、第1方向側画像データ及び第1反対側画像データは、第1制御装置3Aから、第1中継装置4Aを介して第1表示装置5Aに伝送され、第1表示部52Aは、第1方向側画像データに対応する第1方向側画像G12及び第1反対側画像データに対応する第1反対側画像G13を表示することができる。第1表示装置5Aの詳細については後述する。
【0037】
第1入力部6Aは、オペレータが第1溶接ロボット1Aを遠隔操作するために用いられる。第1入力部6Aは、オペレータからの第1溶接ロボット1Aの操作に関する各種情報の入力を受け付ける。第1入力部6Aを用いた第1溶接ロボット1Aの操作は、第1溶接トーチ13Aの狙い位置を調整することを含む。第1入力部6Aは、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。第1表示部52Aは、第1入力部6Aに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である第1ロボット操作画像G11を表示することができる。第1入力部6Aは、第1表示装置5Aに内蔵されてもよい。第1入力部6Aは、第1表示装置5Aと別体であってもよい。
【0038】
第2制御装置3Bは、第2溶接ロボット1Bの動作を制御する。第2制御装置3Bは、第2溶接ロボット1Bを制御するための第2制御信号を作成する。第2中継装置4Bは、第2制御装置3Bが作成する第2制御信号を中継する。具体的には、第2制御装置3Bと第2中継装置4Bとは、ケーブルを介して互いに通信可能に接続される。第2中継装置4Bと第2溶接ロボット1Bとは、ケーブルを介して互いに通信可能に接続される。第2制御装置3Bが出力する第2制御信号は、第2中継装置4Bを介し、第2溶接ロボット1Bに伝送される。
【0039】
第2溶接ロボット1Bは、第2制御部21Bと、複数の第2モータ22Bと、第2溶接トーチ13Bと、第2方向側カメラ15Bと、第2反対側カメラ16Bと、を備える。
【0040】
第2制御部21Bは、第2中継装置4Bを介して第2制御装置3Bと通信可能に接続されており、第2制御装置3Bによる制御を受けて第2溶接ロボット1Bの動作を制御する。すなわち、第2制御部21Bは、第2制御装置3Bが作成する第2制御信号に基づき第2溶接ロボット1Bの動作を制御する。
【0041】
第2モータ22Bは、第2溶接ロボット1Bを駆動させるモータである。第2モータ22Bは、第2溶接ロボット1Bを第2ガイドレール2Bに沿って移動させるサーボモータを含む。第2モータ22Bの各々は、第1制御部21Aによって制御されることで駆動する。
【0042】
第2溶接トーチ13Bは、第2鋼管8Bの端部同士の溶接に用いられる。第2溶接トーチ13Bによる溶接は、例えばアーク溶接によって行われる。第2溶接トーチ13B内には、不図示の溶接ワイヤが配置されている。また、第2溶接ロボット1Bは、第2鋼管8Bと第2溶接トーチ13Bとの間に電圧を印加する不図示の溶接電源、及び第2溶接トーチ13Bへ溶接ワイヤを供給する不図示のワイヤ送給装置を備える。溶接電源及びワイヤ送給装置は、第2中継装置4Bを介して第2制御装置3Bと接続されている。溶接電源及びワイヤ送給装置は、第2中継装置4Bを介さずに第2制御装置3Bと接続されていてもよい。
【0043】
第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、第2鋼管8Bの端部同士の間に形成される開先を撮像する。例えば、第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、溶接前のセンシング処理において第2鋼管8Bの溶接部位、及び第2建方治具9Bを撮像する。また、第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、溶接処理において第2溶接ロボット1Bによる溶接の様子を撮像する。第2方向側カメラ15Bが撮像により取得した画像または動画のデータ(以下、「第2方向側画像データ」という)及び第2反対側カメラ16Bが撮像により取得した画像または動画のデータ(以下、「第2反対側画像データ」という)は、第2中継装置4Bを介して、第2制御装置3Bへ出力される。
【0044】
第2表示装置5Bは、例えば、タブレット端末である。第2表示装置5Bは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって第2中継装置4Bと接続される。第2表示装置5Bは、ケーブルによって第2中継装置4Bと通信可能に接続されていてもよい。第2表示装置5Bは、第2溶接ロボット1Bの溶接に関する各種情報が表示される第2表示部52B(図5を参照)を有する。例えば、第2方向側画像データ及び第2反対側画像データは、第2制御装置3Bから、第2中継装置4Bを介して第2表示装置5Bに伝送され、第2表示部52Bは、第2方向側画像データに対応する第2方向側画像G22及び第2反対側画像データに対応する第2反対側画像G23を表示することができる。第2表示装置5Bの詳細については後述する。
【0045】
第2入力部6Bは、オペレータが第2溶接ロボット1Bを遠隔操作するために用いられる。第2入力部6Bは、オペレータからの第2溶接ロボット1Bの操作に関する各種情報の入力を受け付ける。第2入力部6Bを用いた第2溶接ロボット1Bの操作は、第2溶接トーチ13Bの狙い位置を調整することを含む。第2入力部6Bは、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。第2表示部52Bは、第2入力部6Bに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である第2ロボット操作画像G21を表示することができる。第2入力部6Bは、第2表示装置5Bに内蔵されてもよい。第2入力部6Bは、第2表示装置5Bと別体であってもよい。
【0046】
〔溶接ロボットの構成〕
次に、図2を参照して、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bの構成を説明する。
【0047】
第1溶接ロボット1Aは、第1本体部11Aと、第1溶接トーチ13Aと、第1支持部14Aと、第1方向側カメラ15Aと、第1反対側カメラ16Aと、を備える。
【0048】
第1本体部11Aは、第1溶接ロボット1Aの基台である。第1本体部11Aは、第1制御部21A及び複数の第1モータ22Aを備える。第1本体部11Aは、第1ガイドレール2Aに、第1ガイドレール2A上を摺動可能に取り付けられる。第1溶接ロボット1Aは、第1本体部11Aが第1ガイドレール2Aの上を摺動することで、第1方向D1に移動する。
【0049】
第1支持部14Aは、第1本体部11Aと第1溶接トーチ13Aとの間に設けられ、第1溶接トーチ13Aを支持する。第1支持部14Aは、第1本体部11Aに対して、第1近接隔離方向へ移動可能とされている。第1近接隔離方向とは、鉛直方向及び第1方向D1と直交する方向である。第1支持部14Aを第1本体部11Aに対して第1近接隔離方向へ移動させることで、第1溶接トーチ13Aを第1鋼管8Aに対して近接離隔させることができる。また、第1支持部14Aは、第1溶接トーチ13Aを、B軸回り及びT軸回りに回動可能に支持する。B軸は、第1方向D1と平行な軸である。T軸は、鉛直方向と平行な軸である。
【0050】
第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aは、第1支持部14Aに取り付けられる。第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aは、第1溶接トーチ13Aの姿勢に影響されない状態で第1支持部14Aに取り付けられている。第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aは、第1溶接ロボット1Aの走行の際にも第1建方治具9Aと干渉しない位置に設けられる。第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aはそれぞれ、第1溶接ロボット1Aに対して鉛直方向の任意の位置へ移動可能であり、かつ鉛直方向に沿った軸線回りの任意の角度に回動可能である。これにより、第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aの撮影アングルの自由度を高めることができる。
【0051】
第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aは、第1溶接ロボット1Aの幅方向の両側に設置される。なお、第1溶接ロボット1Aの幅方向とは、第1方向D1と平行な方向である。具体的には、第1方向側カメラ15Aは、第1溶接ロボット1Aの第1方向D1の側に設けられ、第1反対側カメラ16Aは、第1溶接ロボット1Aの、第1方向D1とは反対の側に設けられる。これにより、第1溶接ロボット1Aが第1方向D1に向かって走行する場合には、第1方向側カメラ15Aにより第1溶接ロボット1Aの前方の溶接部位、すなわちこれから溶接する部位を撮像し、第1反対側カメラ16Aにより第1溶接ロボット1Aの後方の溶接部位、すなわち溶接された部位を撮像することができる。第1溶接ロボット1Aが第1方向D1の反対側に向かって走行する場合には、第1反対側カメラ16Aにより第1溶接ロボット1Aの前方の溶接部位、すなわちこれから溶接する部位を撮像し、第1方向側カメラ15Aにより第1溶接ロボット1Aの後方の溶接部位、すなわち溶接された部位を撮像することができる。
【0052】
第2溶接ロボット1Bは、第2本体部11Bと、第2溶接トーチ13Bと、第2支持部14Bと、第2方向側カメラ15Bと、第2反対側カメラ16Bと、を備える。
【0053】
第2本体部11Bは、第2溶接ロボット1Bの基台である。第2本体部11Bは、第2制御部21Bと、複数の第2モータ22Bとを備える。第2本体部11Bは、第2ガイドレール2Bに、第2ガイドレール2B上を摺動可能に取り付けられる。第2溶接ロボット1Bは、第2本体部11Bが第2ガイドレール2Bの上を摺動することで、第2方向D2に移動する。
【0054】
第2支持部14Bは、第2本体部11Bと第2溶接トーチ13Bとの間に設けられ、第2溶接トーチ13Bを支持する。第2支持部14Bは、第2本体部11Bに対して、第2近接隔離方向へ移動可能とされている。第2近接隔離方向とは、鉛直方向及び第2方向D2と直交する方向である。第2支持部14Bを第2本体部11Bに対して第2近接隔離方向へ移動させることで、第2溶接トーチ13Bを第2鋼管8Bに対して近接離隔させることができる。また、第2支持部14Bは、第2溶接トーチ13Bを、B軸回り及びT軸回りに回動可能に支持する。
【0055】
第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、第2支持部14Bに取り付けられる。第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、第2溶接トーチ13Bの姿勢に影響されない状態で第2支持部14Bに取り付けられている。なお、第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、Z軸と連動して動いてもよい。第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、第2溶接ロボット1Bの走行の際にも第2建方治具9Bと干渉しない位置に設けられる。第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bはそれぞれ、第2溶接ロボット1Bに対して鉛直方向の任意の位置へ移動可能であり、かつ鉛直方向に沿った軸線回りの任意の角度に回動可能である。これにより、第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bの撮影アングルの自由度を高めることができる。
【0056】
第2方向側カメラ15B及び第2反対側カメラ16Bは、第2溶接ロボット1Bの幅方向の両側に設置される。なお、第2溶接ロボット1Bの幅方向とは、第2方向D2と平行な方向である。具体的には、第2方向側カメラ15Bは、第2溶接ロボット1Bの第2方向D2の側に設けられ、第2反対側カメラ16Bは、第2溶接ロボット1Bの、第2方向D2とは反対の側に設けられる。これにより、第2溶接ロボット1Bが第2方向D2に向かって走行する場合には、第2方向側カメラ15Bにより第2溶接ロボット1Bの前方の溶接部位、すなわちこれから溶接する部位を撮像し、第2反対側カメラ16Bにより第2溶接ロボット1Bの後方の溶接部位、すなわち溶接された部位を撮像することができる。第2溶接ロボット1Bが第2方向D2の反対側に向かって走行する場合には、第2反対側カメラ16Bにより第2溶接ロボット1Bの前方の溶接部位、すなわちこれから溶接する部位を撮像し、第2方向側カメラ15Bにより第2溶接ロボット1Bの後方の溶接部位、すなわち溶接された部位を撮像することができる。
【0057】
〔溶接システムの制御系〕
次に、図3及び図4を参照して、溶接システム100の制御系について説明する。
【0058】
図3(a)は、本実施形態における第1制御装置3Aのハードウェア構成の一例を示す図である。第1制御装置3Aは、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとメモリとを備え、プログラムを実行する。第1制御装置3Aは、プログラムの実行によって通信部31A、制御部32A、及び記憶部33Aを備える装置として機能する。
【0059】
制御部32Aは、第1制御装置3Aが備える各種機能部の動作を制御する。制御部32Aは、例えば第1溶接ロボット1Aの動作を制御する。制御部32Aは、第1溶接ロボット1Aを制御するための第1制御信号を作成する。制御部32Aの他の機能については後述する。
【0060】
通信部31Aは、第1制御装置3Aを外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部31Aは、有線又は無線を介して外部装置と通信する。外部装置は、例えば第1中継装置4Aである。例えば、通信部31Aは、第1中継装置4Aを介した第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aとの通信によって、第1方向側画像データ及び第1反対側画像データを取得する。通信部31Aは、第1中継装置4Aを介して、第1溶接ロボット1Aから第1溶接ロボット1Aの位置に関する情報(以下、第1溶接ロボット位置情報と言う)を取得する。第1溶接ロボット位置情報は、例えば第1溶接ロボット1Aの移動に関するサーボモータ(第1モータ22A)の制御の目標値である。通信部31Aは、第1中継装置4Aを介して、第1入力部6Aに入力される第1溶接ロボット1Aの操作に関する各種情報(以下、第1溶接ロボット操作情報と言う)を取得する。通信部31Aは、第1中継装置4Aを介して、第1溶接ロボット1Aに制御部32Aが作成した第1制御信号を送信する。
【0061】
記憶部33Aは、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部33Aは、第1制御装置3A自体を含む溶接システム100に関する各種情報を記憶する。例えば、記憶部33Aは、通信部31Aを介して入力された情報を記憶する。例えば、記憶部33Aは、第1方向側画像データ及び第1反対側画像データを記憶する。記憶部33Aは、第1溶接ロボット位置情報を記憶する。記憶部33Aは、第1溶接ロボット操作情報を記憶する。記憶部33Aは、制御部32Aによる処理の実行により生じた各種情報を記憶する。
【0062】
制御部32Aは、データ取得部321A、溶接実行制御部322A、第1建方治具位置情報取得部323A、第1溶接ロボット位置情報取得部324A、第1溶接ロボット移動方向判定部325A、及び第1表示データ生成部326Aを備える。
【0063】
データ取得部321Aは、記憶部33Aに記憶された第1方向側画像データ及び第1反対側画像データを取得する。データ取得部321Aは、記憶部33Aに記憶された第1溶接ロボット位置情報を取得する。データ取得部321Aは、記憶部33Aに記憶された第1溶接ロボット操作情報を取得する。
【0064】
溶接実行制御部322Aは、第1溶接ロボット操作情報に基づき、第1溶接ロボット1Aの動作を制御して第1溶接ロボット1Aに溶接を実行させる。溶接実行制御部322Aの制御により、第1溶接ロボット1Aは第1ガイドレール2A上を移動しつつ第1鋼管8Aの溶接を行う。
【0065】
第1建方治具位置情報取得部323Aは、第1建方治具9Aの位置に関する情報である第1建方治具位置情報を取得する。例えば、第1建方治具9Aにマーカを付しておき、溶接前のセンシング処理において、第1溶接ロボット1Aを第1ガイドレール2Aに沿って移動させながら、第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aにより第1建方治具9Aに付されたマーカを撮像することで、第1建方治具位置情報を取得してもよい。第1建方治具9Aにマーカを付さずに、第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aからの距離が第1鋼管8Aと第1建方治具9Aとで異なることを利用して、第1方向側カメラ15A及び第1反対側カメラ16Aが取得した撮像結果から距離情報を取得することにより、第1建方治具位置情報を取得してもよい。オペレータが、第1入力部6Aを介して第1建方治具9Aの位置を手動で登録し、オペレータが入力した登録位置を第1建方治具位置情報として取得してもよい。
【0066】
第1溶接ロボット位置情報取得部324Aは、記憶部33A及びデータ取得部321Aを介して、第1溶接ロボット位置情報を取得する。
【0067】
第1溶接ロボット移動方向判定部325Aは、第1溶接ロボット位置情報取得部324Aが取得した第1溶接ロボット位置情報に基づき、第1溶接ロボット1Aの移動方向に関する情報である第1溶接ロボット移動方向情報を取得する。具体的には、第1溶接ロボット移動方向判定部325Aは、第1溶接ロボット位置情報に基づき、第1溶接ロボット1Aが第1方向D1に移動しているか、あるいは、第1方向D1とは反対の方向に移動しているか、を判定する。
【0068】
第1表示データ生成部326Aは、記憶部33A及びデータ取得部321Aを介して、第1方向側画像データ及び第1反対側画像データを取得する。第1方向側画像データ及び第1反対側画像データは、第1中継装置4Aを介して第1表示装置5Aに伝送される。第1表示データ生成部326Aは、第1方向側画像データ及び第1反対側画像データに対して画像補正を行った後に、第1方向側画像データ及び第1反対側画像データを第1表示装置5Aに伝送してもよい。第1表示データ生成部326Aは、第1表示部52Aに表示される第1ロボット操作画像G11に対応する第1ロボット操作画像データを生成する。第1ロボット操作画像データは、第1中継装置4Aを介して第1表示装置5Aに伝送される。
【0069】
図3(b)は、本実施形態における第2制御装置3Bのハードウェア構成の一例を示す図である。第2制御装置3Bは、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとメモリとを備え、プログラムを実行する。第2制御装置3Bは、プログラムの実行によって通信部31B、制御部32B、及び記憶部33Bを備える装置として機能する。第2制御装置3Bの通信部31B、制御部32B、及び記憶部33Bの機能及び構成は、第1制御装置3Aの通信部31A、制御部32A、及び記憶部33Aの機能及び構成と同様であるため、以下では記載を省略あるいは簡略化する。
【0070】
制御部32Bは、第2制御装置3Bが備える各種機能部の動作を制御する。制御部32Bは、例えば第2溶接ロボット1Bの動作を制御する。制御部32Bは、第2溶接ロボット1Bを制御するための第2制御信号を作成する。制御部32Bの他の機能については後述する。
【0071】
通信部31Bは、第2制御装置3Bを外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。外部装置は、例えば第2中継装置4Bである。例えば、通信部31Bは、第2中継装置4Bを介して、第2方向側画像データ及び第2反対側画像データ、第2溶接ロボット1Bの位置に関する情報(以下、第2溶接ロボット位置情報と言う)、第2入力部6Bに入力される第2溶接ロボット1Bの操作に関する各種情報(以下、第2溶接ロボット操作情報と言う)を取得する。通信部31Bは、第2中継装置4Bを介して、第2溶接ロボット1Bに制御部32Bが作成した第2制御信号を送信する。
【0072】
記憶部33Bは、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部33Bは、第2制御装置3B自体を含む溶接システム100に関する各種情報を記憶する。例えば、記憶部33Bは、通信部31Bを介して入力された情報を記憶する。記憶部33Bは、制御部32Bによる処理の実行により生じた各種情報を記憶する。
【0073】
制御部32Bは、データ取得部321B、溶接実行制御部322B、第2建方治具位置情報取得部323B、第2溶接ロボット位置情報取得部324B、第2溶接ロボット移動方向判定部325B、及び第2表示データ生成部326Bを備える。
【0074】
データ取得部321Bは、記憶部33Bに記憶された第2方向側画像データ及び第2反対側画像データ、第2溶接ロボット位置情報、第2溶接ロボット操作情報を取得する。
【0075】
溶接実行制御部322Bは、第2溶接ロボット操作情報に基づき、第2溶接ロボット1Bの動作を制御して第2溶接ロボット1Bに溶接を実行させる。
【0076】
第2建方治具位置情報取得部323Bは、第2建方治具9Bの位置に関する情報である第2建方治具位置情報を取得する。
【0077】
第2溶接ロボット位置情報取得部324Bは、記憶部33B及びデータ取得部321Bを介して、第2溶接ロボット位置情報を取得する。
【0078】
第2溶接ロボット移動方向判定部325Bは、第2溶接ロボット位置情報取得部324Bが取得した第2溶接ロボット位置情報に基づき、第2溶接ロボット1Bの移動方向に関する情報である第2溶接ロボット移動方向情報を取得する。
【0079】
第2表示データ生成部326Bは、記憶部33B及びデータ取得部321Bを介して、第2方向側画像データ及び第2反対側画像データを取得する。第2表示データ生成部326Bは、第2表示部52Bに表示される第2ロボット操作画像G21に対応する第2ロボット操作画像データを生成する。
【0080】
図4(a)は、本実施形態における第1表示装置5Aのハードウェア構成の一例を示す図である。第1表示装置5Aは、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとメモリとを備え、プログラムを実行する。第1表示装置5Aは、プログラムの実行によって通信部51A、第1表示部52A、第1受付部53A、及び第1表示制御部54Aを備える装置として機能する。
【0081】
通信部51Aは、第1表示装置5Aを外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部51Aは、有線又は無線を介して外部装置と通信する。外部装置は、例えば第1中継装置4Aである。例えば、通信部51Aは、第1中継装置4Aを介して、第1制御装置3Aから第1方向側画像データ及び第1反対側画像データを取得する。通信部51Aは、第1中継装置4Aを介して、第1制御装置3Aから第1ロボット操作画像データを取得する。通信部51Aは、第1中継装置4Aを介して、第1制御装置3Aから第1建方治具位置情報を取得する。通信部51Aは、第1中継装置4Aを介して、第1制御装置3Aから第1溶接ロボット移動方向情報を取得する。
【0082】
第1表示部52Aは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ装置である。第1表示部52Aには、第1表示制御部54Aの制御により、第1溶接ロボット1Aの溶接に関する各種情報が表示される。例えば、第1表示部52Aには、第1方向側画像データに対応する第1方向側画像G12、第1反対側画像データに対応する第1反対側画像G13、及び第1ロボット操作画像データに対応する第1ロボット操作画像G11を表示することができる。
【0083】
第1受付部53Aは、オペレータからの第1表示部52Aの表示に関する指示(第1指示)の入力を受け付ける。第1受付部53Aは、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。第1入力部6Aと第1受付部53Aとで、共通の入力装置が用いられてもよい。第1表示部52Aは、第1受付部53Aに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である第1表示操作画像G14を表示することができる。
【0084】
第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12、第1反対側画像G13、第1ロボット操作画像G11、及び第1表示操作画像G14を、第1表示部52Aに表示させるための処理を行う。例えば、第1表示制御部54Aは、第1表示部52Aに、第1方向側画像G12、第1反対側画像G13、第1ロボット操作画像G11、及び第1表示操作画像G14のいずれを表示するかを決定する。第1表示制御部54Aは、第1表示部52Aにおける第1方向側画像G12の表示位置と、第1表示部52Aにおける第1反対側画像の表示位置と、第1表示部52Aにおける第1ロボット操作画像の表示位置と、第1表示部52Aにおける第1表示操作画像G14の表示位置と、を決定する。なお、第1表示部52Aにおける画像の表示位置とは、第1表示部52Aにおける画像の配置及び画像の表示サイズを含む。
【0085】
例えば、第1表示制御部54Aは、第1受付部53Aが受け付ける指示に基づき、上記処理を行う。第1表示制御部54Aは、第1制御装置3Aから伝送される第1建方治具位置情報に基づき、上記処理を行う。第1表示制御部54Aは、第1制御装置3Aから伝送される第1溶接ロボット移動方向情報に基づき、上記処理を行う。処理の詳細については後述する。
【0086】
図4(b)は、本実施形態における第2表示装置5Bのハードウェア構成の一例を示す図である。第2表示装置5Bは、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとメモリとを備え、プログラムを実行する。第2表示装置5Bは、プログラムの実行によって通信部51B、第2表示部52B、第2受付部53B、及び第2表示制御部54Bを備える装置として機能する。第2表示装置5Bの通信部51B、第2表示部52B、第2受付部53B、及び第2表示制御部54Bの機能及び構成は、第1表示装置5Aの通信部51A、第1表示部52A、第1受付部53A、及び第1表示制御部54Aの機能及び構成と同様であるため、以下では記載を省略あるいは簡略化する。
【0087】
通信部51Bは、第2表示装置5Bを外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。外部装置は、例えば第2中継装置4Bである。例えば、通信部51Bは、第2中継装置4Bを介して、第2制御装置3Bから第2方向側画像データ及び第2反対側画像データ、第2ロボット操作画像データ、第2建方治具位置情報、第2溶接ロボット移動方向情報を取得する。
【0088】
第2表示部52Bは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ装置である。第2表示部52Bには、第2表示制御部54Bの制御により、第2溶接ロボット1Bの溶接に関する各種情報が表示される。
【0089】
第2受付部53Bは、オペレータからの第2表示部52Bの表示に関する指示(第1指示)の入力を受け付ける。第2受付部53Bは、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。第2入力部6Bと第2受付部53Bとで、共通の入力装置が用いられてもよい。第2表示部52Bは、第2受付部53Bに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である第2表示操作画像G24を表示することができる。
【0090】
第2表示制御部54Bは、第2方向側画像G22、第2反対側画像G23、第2ロボット操作画像G21、及び第2表示操作画像G24を、第2表示部52Bに表示させるための処理を行う。例えば、第2表示制御部54Bは、第2表示部52Bに、第2方向側画像G22、第2反対側画像G23、第2ロボット操作画像G21、及び第2表示操作画像G24のいずれを表示するかを決定する。第2表示制御部54Bは、第2表示部52Bにおける第2方向側画像G22の表示位置と、第2表示部52Bにおける第2反対側画像G23の表示位置と、第2表示部52Bにおける第2ロボット操作画像G21の表示位置と、第2表示部52Bにおける第2表示操作画像G24の表示位置と、を決定する。なお、第2表示部52Bにおける画像の表示位置とは、第2表示部52Bにおける画像の配置及び画像の表示サイズを含む。
【0091】
例えば、第2表示制御部54Bは、第2受付部53Bが受け付ける指示に基づき、上記処理を行う。第2表示制御部54Bは、第2制御装置3Bから伝送される第2建方治具位置情報に基づき、上記処理を行う。第2表示制御部54Bは、第2制御装置3Bから伝送される第2溶接ロボット移動方向情報に基づき、上記処理を行う。処理の詳細については後述する。
【0092】
図5は、第1表示部52A及び第2表示部52Bに表示される画面の一例を示す。第1表示部52A及び第2表示部52Bは、本発明の表示部Dに対応する。なお、第1表示装置5Aは、第1表示部52A及び第2表示部52Bを図5に示されるように位置させるため、第2表示装置5Bの横や上に配置されてもよい。図5では、第1表示制御部54Aが第1表示部52Aに表示させる画面の一例として画面H101を示し、第2表示制御部54Bが第2表示部52Bに表示させる画面の一例として画面H102を示す。図5の例において、画面H101には領域Q11~領域Q14が存在し、画面H102には領域Q21~領域Q24が存在する。
【0093】
領域Q11には、第1ロボット操作画像G11が表示されている。上述のように、第1ロボット操作画像G11は、第1溶接ロボット1Aを操作するための画像であって、第1入力部6Aに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である。図示の例では、第1ロボット操作画像G11は、B軸に沿って第1溶接トーチ13Aの位置を変更させる指示を示す画像と、T軸に沿って第1溶接トーチ13Aの位置を変更させる指示を示す画像と、X軸に沿って第1溶接ロボット1Aの位置を変更させる指示を示す画像と、Y軸に沿って第1溶接ロボット1Aの位置を変更させる指示を示す画像と、Z軸に沿って第1溶接ロボット1Aの位置を変更させる指示を示す画像と、を含む。なお、X軸、Y軸、Z軸は予め定められた軸であればどのような軸であってもよく、例えばX軸が第1方向D1に平行な軸、Y軸が鉛直方向に平行な軸、Z軸が近接隔離方向に平行な軸、であってもよい。オペレータが第1ロボット操作画像G11に対して操作を行うことで、第1入力部6Aは、当該操作に対応する指示の入力を受け付ける。
【0094】
領域Q12には、第1方向側画像G12及び第1反対側画像G13の一方が表示される。領域Q13には、第1方向側画像G12及び第1反対側画像G13の他方が表示される。図示の例では、領域Q12に第1方向側画像G12が表示され、領域Q13に第1反対側画像G13が表示されている。
【0095】
領域Q14には、第1表示操作画像G14が表示される。上述のように、第1表示操作画像G14は、第1表示部52Aにおける表示を操作するための画像であって、第1受付部53Aに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である。図示の例では、第1表示操作画像G14は、第1方向側画像G12の表示位置と、第1反対側画像G13の表示位置とを入れ替えさせる配置入替指示(第1指示)を示す配置入替アイコンIC11と、第1反対側画像G13を第1表示部52Aに表示させない削除指示(第1指示)を示す削除アイコンIC12と、第1反対側画像G13を縮小させて第1表示部52Aに表示させる縮小指示(第1指示)を示す縮小アイコンIC13と、を含む。
【0096】
オペレータが配置入替アイコンIC11を操作すると、第1受付部53Aは配置入替指示を受け付け、第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12の表示位置と、第1反対側画像G13の表示位置とを入れ替える。
オペレータが削除アイコンIC12を操作すると、第1受付部53Aは削除指示を受け付け、図6に示されるように、第1表示制御部54Aは、第1反対側画像G13を第1表示部52Aに表示させず、第1方向側画像G12のみを第1表示部52Aに表示させる。このとき、第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12を拡大させて第1表示部52Aに表示させてもよい。
オペレータが縮小アイコンIC13を操作すると、第1受付部53Aは縮小指示を受け付け、図7に示されるように、第1表示制御部54Aは、第1反対側画像G13を縮小させて第1表示部52Aに表示させる。このとき、第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12を拡大させて第1表示部52Aに表示させてもよく、第1方向側画像G12のサイズを変化させずに第1表示部52Aに表示させてもよい。
【0097】
一方で、第1表示制御部54Aは、第1表示部52Aにおける第1ロボット操作画像G11の表示位置については、第1受付部53Aが上記指示を受け付けた場合であっても変化させない。これにより、第1ロボット操作画像G11の表示位置が変化することによる操作ミスを抑制することができる。なお、第1方向側画像G12及び/または第1反対側画像G13の表示位置を変化させることで、第1ロボット操作画像G11や第1ロボット操作画像G11を操作する手が第1方向側画像G12及び/または第1反対側画像G13の確認の邪魔になる場合には、第1表示制御部54Aは、第1表示部52Aにおける第1ロボット操作画像G11の表示位置を変化させてもよい。例えば、第1ロボット操作画像G11の表示位置が右端から左端に変更されてもよい。
【0098】
また、第1表示制御部54Aは、第1溶接ロボット移動方向情報に基づき、第1表示部52Aにおける第1方向側画像G12の表示位置、及び第1表示部52Aにおける第1反対側画像G13の表示位置を決定してもよい。例えば、第1表示制御部54Aは、第1溶接ロボット移動方向判定部325Aにより、第1溶接ロボット1Aが第1方向D1に移動していると判定されたときに、領域Q12に第1方向側画像G12を表示し、領域Q13に第1反対側画像G13を表示する。第1表示制御部54Aは、第1溶接ロボット1Aが移動する方向が反転され、第1溶接ロボット移動方向判定部325Aにより、第1溶接ロボット1Aが第1方向D1とは反対の方向に移動していると判定されたときに、第1方向側画像G12の表示位置と、第1反対側画像G13の表示位置とを入れ替えて、領域Q12に第1反対側画像G13を表示し、領域Q13に第1方向側画像G12を表示する。これにより、第1溶接ロボット1Aが反転して移動したとしても、オペレータは、溶接進行方向側の画像を把握しやすくなる。
【0099】
また、第1表示制御部54Aは、第1建方治具位置情報に基づき、第1表示部52Aにおける第1方向側画像G12の表示位置、及び第1表示部52Aにおける第1反対側画像G13の表示位置を決定してもよい。すなわち、例えば第1溶接ロボット1Aが第1方向D1に移動しているとき、第1方向側カメラ15Aにより第1溶接ロボット1Aの前方の溶接部位、すなわちこれから溶接する部位を撮像しているため、オペレータは第1方向側画像G12を主として確認することが多いが、第1建方治具9Aの位置によっては、第1方向側画像G12が死角の画像(すなわち、第1建方治具9Aにより溶接部位が隠された画像)となる場合がある。この場合に、第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12の表示位置と、第1反対側画像G13の表示位置とを入れ替える。あるいは、第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12を第1表示部52Aに表示させなくてもよく、第1方向側画像G12を縮小させて第1表示部52Aに表示させてもよい。これにより、第1方向側画像G12が死角の画像となるときには第1反対側画像G13を確認することができるため、オペレータの視認性が低下することが防止できる。第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12が死角とならなくなった場合に、元の表示に復帰させてもよい。
【0100】
領域Q21には、第2ロボット操作画像G21が表示されている。上述のように、第2ロボット操作画像G21は、第2溶接ロボット1Bを操作するための画像であって、第2入力部6Bに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である。第2ロボット操作画像G21の詳細は、第1ロボット操作画像G11と同様であるため、ここでは記載を省略する。オペレータが第2ロボット操作画像G21に対して操作を行うことで、第2入力部6Bは、当該操作に対応する指示の入力を受け付ける。
【0101】
領域Q22には、第2方向側画像G22及び第2反対側画像G23の一方が表示される。領域Q23には、第2方向側画像G22及び第2反対側画像G23の他方が表示される。図示の例では、領域Q22に第2方向側画像G22が表示され、領域Q23に第2反対側画像G23が表示されている。
【0102】
領域Q24には、第2表示操作画像G24が表示される。上述のように、第2表示操作画像G24は、第2表示部52Bにおける表示を操作するための画像であって、第2受付部53Bに入力可能な指示をオペレータに対して示す画像である。図示の例では、第2表示操作画像G24は、第2方向側画像G22の表示位置と、第2反対側画像G23の表示位置とを入れ替えさせる配置入替指示(第1指示)を示す配置入替アイコンIC21と、第2反対側画像G23を第2表示部52Bに表示させない削除指示(第1指示)を示す削除アイコンIC22と、第2反対側画像G23を縮小させて第2表示部52Bに表示させる縮小指示(第1指示)を示す縮小アイコンIC23と、を含む。
【0103】
オペレータが配置入替アイコンIC21を操作すると、第2受付部53Bは配置入替指示を受け付け、第2表示制御部54Bは、第2方向側画像G22の表示位置と、第2反対側画像G23の表示位置とを入れ替える。
オペレータが削除アイコンIC22を操作すると、第2受付部53Bは削除指示を受け付け、図6に示されるように、第2表示制御部54Bは、第2反対側画像G23を第2表示部52Bに表示させず、第2方向側画像G22のみを第2表示部52Bに表示させる。このとき、第2表示制御部54Bは、第2方向側画像G22を拡大させて第2表示部52Bに表示させてもよい。
オペレータが縮小アイコンIC23を操作すると、第2受付部53Bは縮小指示を受け付け、図7に示されるように、第2表示制御部54Bは、第2反対側画像G23を縮小させて第2表示部52Bに表示させる。このとき、第2表示制御部54Bは、第2方向側画像G22を拡大させて第2表示部52Bに表示させてもよく、第2方向側画像G22のサイズを変化させずに第2表示部52Bに表示させてもよい。
【0104】
一方で、第2表示制御部54Bは、第2表示部52Bにおける第2ロボット操作画像G21の表示位置については、第2受付部53Bが上記指示を受け付けた場合であっても変化させない。これにより、第2ロボット操作画像G21の表示位置が変化することによる操作ミスを抑制することができる。なお、第2方向側画像G22及び/または第2反対側画像G23の表示位置を変化させることで、第2ロボット操作画像G21や第2ロボット操作画像G21を操作する手が第2方向側画像G22及び/または第2反対側画像G23の確認の邪魔になる場合には、第2表示制御部54Bは、第2表示部52Bにおける第2ロボット操作画像G21の表示位置を変化させてもよい。
【0105】
また、第2表示制御部54Bは、第2溶接ロボット移動方向情報に基づき、第2表示部52Bにおける第2方向側画像G22の表示位置、及び第2表示部52Bにおける第2反対側画像G23の表示位置を決定してもよい。例えば、第1表示制御部54Aと同様に、第2表示制御部54Bは、第2溶接ロボット1Bが移動する方向が反転されたときに、第2方向側画像G22の表示位置と、第2反対側画像G23の表示位置とを入れ替える。これにより、第2溶接ロボット1Bが反転して移動したとしても、オペレータは、溶接進行方向側の画像を把握しやすくなる。
【0106】
また、第2表示制御部54Bは、第2建方治具位置情報に基づき、第2表示部52Bにおける第2方向側画像G22の表示位置、及び第2表示部52Bにおける第2反対側画像G23の表示位置を決定してもよい。例えば、第1表示制御部54Aと同様に、第2表示制御部54Bは、第2建方治具9Bの位置によって第2方向側画像G22が死角の画像(すなわち、第2建方治具9Bにより溶接部位が隠された画像)となる場合に、第2方向側画像G22の表示位置と、第2反対側画像G23の表示位置とを入れ替えてもよく、第2方向側画像G22を第2表示部52Bに表示させなくてもよく、第2方向側画像G22を縮小させて第2表示部52Bに表示させてもよい。これにより、第2方向側画像G22が死角の画像となるときには第2反対側画像G23を確認することができるため、オペレータの視認性が低下することが防止できる。第2表示制御部54Bは、第2方向側画像G22が死角とならなくなった場合に、元の表示に復帰させてもよい。
【0107】
本実施形態に係る溶接システム100は、第1鋼管8A(第1鋼材)の第1開先を、第1方向D1に移動しつつ、溶接することができる第1溶接ロボット1Aと、第1鋼管8Aとは異なる第2鋼管8B(第2鋼材)の第2開先を、第2方向D2に移動しつつ、溶接することができる第2溶接ロボット1Bと、第1表示制御部54A及び第2表示制御部54B(表示制御手段)と、を備える。第1溶接ロボット1Aは、第1溶接ロボット1Aの第1方向D1の側に設けられる第1方向側カメラ15Aと、第1溶接ロボット1Aの、第1方向D1とは反対の側に、設けられる第1反対側カメラ16Aと、を含む。第2溶接ロボット1Bは、第2溶接ロボット1Bの第2方向D2の側に設けられる第2方向側カメラ15Bと、第2溶接ロボット1Bの、第2方向D2とは反対の側に、設けられる第2反対側カメラ16Bと、を含む。第1表示制御部54A及び第2表示制御部54Bは、第1方向側カメラ15Aが第1開先を撮像して出力する第1方向側画像データに対応する第1方向側画像G12と、第1反対側カメラ16Aが第1開先を撮像して出力する第1反対側画像データに対応する第1反対側画像G13と、第2方向側カメラ15Bが第2開先を撮像して出力する第2方向側画像データに対応する第2方向側画像G22と、第2反対側カメラ16Bが第2開先を撮像して出力する第2反対側画像データに対応する第2反対側画像G23と、を、表示部Dに表示することができる。
【0108】
表示部Dに、第1方向側画像G12と、第1反対側画像G13と、第2方向側画像G22と、第2反対側画像G23と、を表示することができるため、オペレータにより複数の溶接ロボット1A、1Bを同時に操作することができる。
しかも、第1溶接ロボットと第2溶接ロボットとが溶接する鋼材が異なっている。例えば、第1溶接ロボットが溶接する第1鋼材と、第2溶接ロボットが溶接する第2鋼材と、が異なる位置にある場合などには、複数の溶接ロボットを同時に操作することは極めて困難である。よって、前述の作用効果が顕著に奏功される。
【0109】
なお、第1方向側画像G12と、第1反対側画像G13とを表示部Dに表示する場合、第1溶接ロボット1Aによる溶接を、第1溶接ロボット1Aの前方及び後方から確認できるため、第1溶接ロボット1Aの操作の精度(第1溶接トーチ13Aの狙い位置の精度)が向上する。第2方向側画像G22と、第2反対側画像G23とを表示部Dに表示する場合、第2溶接ロボット1Bによる溶接を、第2溶接ロボット1Bの前方及び後方から確認できるため、第2溶接ロボット1Bの操作の精度(第2溶接トーチ13Bの狙い位置の精度)が向上する。
第1方向側画像G12と、第2方向側画像G22とを表示部Dに表示する場合、オペレータは、第1溶接ロボット1Aによる溶接及び第2溶接ロボット1Bによる溶接のそれぞれについて、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bの前方の溶接部位、すなわちこれから溶接する部位の形状や母材との境界を把握することができるため、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bの操作の精度(第1溶接トーチ13A及び第2溶接トーチ13Bの狙い位置の精度)が向上する。
【0110】
また、第1溶接ロボット1Aは、第1開先を、第1方向D1とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができ、第2溶接ロボット1Bは、第2開先を、第2方向D2とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができる。第1表示制御部54A及び第2表示制御部54Bは、第1溶接ロボット1Aが移動する方向、及び、第2溶接ロボット1Bが移動する方向、の少なくとも一方に応じ、表示部Dにおける表示位置であって第1方向側画像G12の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第1反対側画像G13の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第2方向側画像G22の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第2反対側画像G23の表示位置と、を決定する。
これにより、オペレータが、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bが移動する方向側の画像と、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bが移動する方向と反対側の画像とを間違えて認識してしまうことを抑制できる。
【0111】
また、溶接システム100は、第1鋼管8Aに設けられる第1建方治具9A、の位置を示す第1建方治具位置情報を取得する第1建方治具位置情報取得部323A(第1建方治具位置情報取得手段)と、第2鋼管8Bに設けられる第2建方治具9B、の位置を示す第2建方治具位置情報を取得する第2建方治具位置情報取得部323B(第2建方治具位置情報取得手段)と、を更に備える。第1表示制御部54A及び第2表示制御部54Bは、第1建方治具位置情報取得部323Aによって取得される第1建方治具位置情報、及び、第2建方治具位置情報取得部323Bによって取得される第2建方治具位置情報、の少なくとも一方に応じ、表示部Dにおける表示位置であって第1方向側画像G12の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第1反対側画像G13の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第2方向側画像G22の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第2反対側画像G23の表示位置と、を決定する。
例えば、表示部Dに、第1方向側画像G12及び第1反対側画像G13のうち、第1建方治具9Aの位置に応じて死角にならない方の画像を表示し、第2方向側画像G22及び第2反対側画像G23のうち、第2建方治具9Bの位置に応じて死角にならない方の画像を表示することができる。あるいは、例えば、表示部Dに、第1方向側画像G12及び第1反対側画像G13のうち、第1建方治具9Aの位置に応じて死角になる方の画像を縮小表示し、第2方向側画像G22及び第2反対側画像G23のうち、第2建方治具9Bの位置に応じて死角になる方の画像を縮小表示することができる。これにより、建方治具9A、9Bによって死角になる画像により、オペレータの視認性が低下することが防止できる。
【0112】
また、溶接システム100は、第1指示を受け付ける第1受付部53A及び第2受付部53B(受付手段)、を更に備える。第1表示制御部54A及び第2表示制御部54Bは、第1受付部53A及び第2受付部53Bが第1指示を受け付ける場合、第1反対側画像G13及び第2反対側画像G23を表示部Dに表示させない。
第1溶接ロボット1Aが第1方向D1に移動しているとき、オペレータは第1方向側画像G12を主として確認することが多く、第2溶接ロボット1Bが第2方向D2に移動しているとき、オペレータは第2方向側画像G22を主として確認することが多い。第1受付部53A及び第2受付部53Bが第1指示を受け付ける場合に、第1反対側画像G13及び第2反対側画像G23を表示部Dに表示させないことで、オペレータが第1方向側画像G12及び第2方向側画像G22を把握しやすくなるため、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bの操作の精度(第1溶接トーチ13A及び第2溶接トーチ13Bの狙い位置の精度)が向上する。
【0113】
また、溶接システム100は、第1指示を受け付ける第1受付部53A及び第2受付部53B(受付手段)、を更に備える。第1表示制御部54A及び第2表示制御部54Bは、第1受付部53A及び第2受付部53Bが第1指示を受け付ける場合、第1反対側画像G13及び第2反対側画像G23を縮小させて表示部Dに表示させる。
第1受付部53A及び第2受付部53Bが第1指示を受け付ける場合に、第1反対側画像G13及び第2反対側画像G23を縮小させて表示部Dに表示させることで、オペレータが第1方向側画像G12及び第2方向側画像G22を把握しやすくなるため、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bの操作の精度(第1溶接トーチ13A及び第2溶接トーチ13Bの狙い位置の精度)が向上する。
【0114】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る溶接システム100について説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0115】
図8に示されるように、本実施形態に係る溶接システム100は、第1表示装置5A及び第2表示装置5Bの代わりに、単一の表示装置5Cを備える。表示装置5Cは、例えば、タブレット端末である。表示装置5Cは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって第1中継装置4A及び第2中継装置4Bと接続される。
【0116】
図9に示されるように、表示装置5Cは、表示部Dを有する。表示部Dは、第1溶接ロボット1Aの溶接に関する各種情報が表示される第1表示部52A及び第2溶接ロボット1Bの溶接に関する各種情報が表示される第2表示部52Bを有する。すなわち、単一の表示装置5Cにおける表示部Dに、第1溶接ロボット1Aの溶接に関する各種情報及び第2溶接ロボット1Bの溶接に関する各種情報の双方が表示される。図示の例では、表示部Dにおける上段に第1表示部52A(すなわち、第1方向側画像G12及び第1反対側画像G13)が配置され、表示部Dにおける下段に第2表示部52B(すなわち、第2方向側画像G22及び第2反対側画像G23)が配置される。オペレータは、単一の表示装置5Cを用いて、第1方向側画像G12、第1反対側画像G13、第2方向側画像G22、及び第2反対側画像G23を確認できるため、視認性が向上する。
【0117】
なお、表示部Dにおいて、第1方向側画像G12、第1反対側画像G13、第2方向側画像G22、及び第2反対側画像G23は一列に並べられてもよい。この場合、オペレータが視線を上下に動かすことなく第1方向側画像G12、第1反対側画像G13、第2方向側画像G22、及び第2反対側画像G23を確認でき、視認性が向上する。
【0118】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
【0119】
例えば、上記実施形態では、溶接システム100が2台の溶接ロボット1A、1Bを有する構成を説明した。しかしながら、溶接システム100は、3台以上の溶接ロボットを有していてもよい。この場合、表示部Dは、3台以上の溶接ロボットの進行方向側の画像のみを表示してもよい。
【0120】
また、第1表示操作画像G14及び第2表示操作画像G24のうち少なくとも一方に、第1方向側画像G12の表示位置と、第2方向側画像G22の表示位置とを接近させる接近指示(第1指示)を示す接近アイコンが含まれていてもよい。例えば、領域Q12に第1方向側画像G12が表示され、領域Q13に第1反対側画像G13が表示され、領域Q22に第2方向側画像G22が表示され、領域Q23に第2反対側画像G23が表示されているとする。この状態で、オペレータが接近アイコンを操作すると、第1受付部53Aは接近指示を受け付け、第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12の表示位置と、第1反対側画像G13の表示位置とを入れ替える。すなわち、第1表示制御部54Aは、第1方向側画像G12を領域Q13に表示させ、第1反対側画像G13を領域Q12に表示させる。これにより、第1方向側画像G12の表示位置と、第2方向側画像G22の表示位置と、を接近させる。
【0121】
すなわち、第1表示制御部54A及び第2表示制御部54Bは、第1受付部53Aまたは第2受付部53Bが第1指示を受け付ける場合、表示部Dにおける表示位置であって第1方向側画像G12の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第2方向側画像G22の表示位置と、を接近させるよう、表示部Dを制御してもよい。
これにより、オペレータの第1方向側画像G12及び第2方向側画像G22の視認性が向上し、第1溶接ロボット1A及び第2溶接ロボット1Bの操作の精度(第1溶接トーチ13A及び第2溶接トーチ13Bの狙い位置の精度)が向上する。
【0122】
また、第1表示制御部54A及び第2表示制御部54Bは、第1受付部53Aまたは第2受付部53Bが第1指示を受け付ける場合、表示部Dにおける表示位置であって第1方向側画像G12の表示位置と、表示部Dにおける表示位置であって第1反対側画像G13の表示位置と、を入れ替えることで、第1方向側画像G12の表示位置と、第2方向側画像G22の表示位置と、が接近するよう、表示部Dを制御してもよい。
これにより、オペレータに違和感を与えることなく、第1方向側画像G12の表示位置と、第2方向側画像G22の表示位置とを接近させることができ、オペレータの第1方向側画像G12及び第2方向側画像G22の視認性が向上する。
【0123】
また、第1表示操作画像G14が配置入替アイコンIC11、削除アイコンIC12、縮小アイコンIC13等を含んでおらず、第1方向側画像G12に対する操作をオペレータが行う場合に、第1受付部53Aは上記の配置入替指示、削除指示、または縮小指示を受け付けてもよい。第1方向側画像G12に対する操作は、例えば第1方向側画像G12をタップする操作やクリックする操作である。配置入替アイコンIC11、削除アイコンIC12、縮小アイコンIC13等に対する操作と、第1方向側画像G12に対する操作との双方が用いられてもよい。
同様に、第2表示操作画像G24が配置入替アイコンIC21、削除アイコンIC22、縮小アイコンIC23等を含んでおらず、第2方向側画像G22に対する操作をオペレータが行う場合に、第2受付部53Bは上記の配置入替指示、削除指示、または縮小指示を受け付けてもよい。第2方向側画像G22に対する操作は、例えば第2方向側画像G22をタップする操作やクリックする操作である。配置入替アイコンIC21、削除アイコンIC22、縮小アイコンIC23等に対する操作と、第2方向側画像G22に対する操作との双方が用いられてもよい。
このように第1方向側画像G12に対する操作及び第2方向側画像G22に対する操作によって第1表示部52A及び第2表示部52Bの表示に関する指示の入力を受け付けることで、オペレータは直感的な操作で、第1方向側画像G12及び第2方向側画像G22を把握しやすくなる。
【0124】
また、第1反対側画像G13に対する操作をオペレータが行ったときに、第1制御装置3Aは、第1溶接ロボット1Aの移動方向を反転させる処理を行ってもよい。第1反対側画像G13に対する操作は、例えば第1反対側画像G13をタップする操作やクリックする操作である。
同様に、第2反対側画像G23に対する操作をオペレータが行ったときに、第2制御装置3Bは、第2溶接ロボット1Bの移動方向を反転させる処理を行ってもよい。第2反対側画像G23に対する操作は、例えば第2反対側画像G23をタップする操作やクリックする操作である。
【0125】
また、第1表示操作画像G14が、復帰指示(第2指示)を示す復帰アイコンを含んでいてもよい。復帰指示とは、第1受付部53Aが配置入替指示、削除指示、または縮小指示を受け付けた後に、第1方向側画像G12の表示位置及び第1反対側画像G13の表示位置を、第1受付部53Aが上記指示を受け付ける前のそれぞれの位置に復帰させる指示である。
同様に、第2表示操作画像G24が、復帰指示(第2指示)を示す復帰アイコンを含んでいてもよい。復帰指示とは、第2受付部53Bが配置入替指示、削除指示、または縮小指示を受け付けた後に、第2方向側画像G22の表示位置及び第2反対側画像G23の表示位置を、第2受付部53Bが上記指示を受け付ける前のそれぞれの位置に復帰させる指示である。
【0126】
すなわち、受付部53A、53Bは、第2指示を受け付け、表示制御部54A、54Bは、受付部53A、53Bが第2指示を受け付ける場合、第1方向側画像G12の表示位置と、第2方向側画像G22の表示位置とが、受付部53A、53Bが第1指示を受け付ける前のそれぞれの位置に復帰するよう、表示部Dを制御してもよい。
これにより、オペレータが確認したい画像が変わった場合に、容易に画像を切り替える(元に戻す)ことができる。
なお、例えば、表示制御部54A、54Bは、受付部53A、53Bが第1指示を受け付けてから所定時間が経過した後に、第1方向側画像G12の表示位置と、第2方向側画像G22の表示位置とを、受付部53A、53Bが第1指示を受け付ける前のそれぞれの位置に復帰させてもよい。
【0127】
また、溶接システム100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0128】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1A 第1溶接ロボット
15B 第2方向側カメラ
16B 第2反対側カメラ
1B 第2溶接ロボット
15A 第1方向側カメラ
16A 第1反対側カメラ
3A 第1制御装置
3B 第2制御装置
323A 第1建方治具位置情報取得部(第1建方治具位置情報取得手段)
323B 第2建方治具位置情報取得部(第2建方治具位置情報取得手段)
4A 第1中継装置
4B 第2中継装置
5A 第1表示装置
52A 第1表示部(表示部)
53A 第1受付部(受付手段)
54A 第1表示制御部(表示制御手段)
5B 第2表示装置
52B 第2表示部(表示部)
53B 第2受付部(受付手段)
54B 第2表示制御部(表示制御手段)
8A 第1鋼管
8B 第2鋼管
9A 第1建方治具
9B 第2建方治具
100 溶接システム
D 表示部
D1 第1方向
D2 第2方向
G11 第1ロボット操作画像
G12 第1方向側画像
G13 第1反対側画像
G14 第1表示操作画像
G21 第2ロボット操作画像
G22 第2方向側画像
G23 第2反対側画像
G24 第2表示操作画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管又はH型鋼である第1鋼材の第1開先を、第1方向に移動しつつ、溶接することができる第1溶接ロボットと、
鋼管又はH型鋼であって前記第1鋼材とは異なる第2鋼材の第2開先を、第2方向に移動しつつ、前記第1溶接ロボットと並列的に溶接することができる第2溶接ロボットと、
表示制御手段と、
を備える溶接システムであって、
前記第1溶接ロボットは、
前記第1溶接ロボットの前記第1方向の側に設けられる第1方向側カメラと、
前記第1溶接ロボットの、前記第1方向とは反対の側に、設けられる第1反対側カメラと、
を含み、
前記第2溶接ロボットは、
前記第2溶接ロボットの前記第2方向の側に設けられる第2方向側カメラと、
前記第2溶接ロボットの、前記第2方向とは反対の側に、設けられる第2反対側カメラと、
を含み、
前記表示制御手段は、前記第1方向側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1方向側画像データに対応し、前記第1開先の溶接中の画像である第1方向側画像と、前記第1反対側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1反対側画像データに対応し、前記第1開先の溶接中の画像である第1反対側画像と、前記第2方向側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2方向側画像データに対応し、前記第2開先の溶接中の画像である第2方向側画像と、前記第2反対側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2反対側画像データに対応し、前記第2開先の溶接中の画像である第2反対側画像と、を、表示部に表示することができる、
ことを特徴とする溶接システム。
【請求項2】
第1鋼材の第1開先を、第1方向に移動しつつ、溶接することができる第1溶接ロボットと、
前記第1鋼材とは異なる第2鋼材の第2開先を、第2方向に移動しつつ、溶接することができる第2溶接ロボットと、
表示制御手段と、
を備える溶接システムであって、
前記第1溶接ロボットは、
前記第1溶接ロボットの前記第1方向の側に設けられる第1方向側カメラと、
前記第1溶接ロボットの、前記第1方向とは反対の側に、設けられる第1反対側カメラと、
を含み、
前記第2溶接ロボットは、
前記第2溶接ロボットの前記第2方向の側に設けられる第2方向側カメラと、
前記第2溶接ロボットの、前記第2方向とは反対の側に、設けられる第2反対側カメラと、
を含み、
前記表示制御手段は、前記第1方向側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1方向側画像データに対応する第1方向側画像と、前記第1反対側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1反対側画像データに対応する第1反対側画像と、前記第2方向側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2方向側画像データに対応する第2方向側画像と、前記第2反対側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2反対側画像データに対応する第2反対側画像と、を、表示部に表示することができ、
前記第1溶接ロボットは、前記第1開先を、前記第1方向とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができ、
前記第2溶接ロボットは、前記第2開先を、前記第2方向とは反対の方向に移動しつつ、溶接することができ、
前記表示制御手段は、前記第1溶接ロボットが移動する方向、及び、前記第2溶接ロボットが移動する方向、の少なくとも一方に応じ、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2反対側画像の表示位置と、を決定する、
ことを特徴とする溶接システム
【請求項3】
第1鋼材の第1開先を、第1方向に移動しつつ、溶接することができる第1溶接ロボットと、
前記第1鋼材とは異なる第2鋼材の第2開先を、第2方向に移動しつつ、溶接することができる第2溶接ロボットと、
表示制御手段と、
を備える溶接システムであって、
前記第1溶接ロボットは、
前記第1溶接ロボットの前記第1方向の側に設けられる第1方向側カメラと、
前記第1溶接ロボットの、前記第1方向とは反対の側に、設けられる第1反対側カメラと、
を含み、
前記第2溶接ロボットは、
前記第2溶接ロボットの前記第2方向の側に設けられる第2方向側カメラと、
前記第2溶接ロボットの、前記第2方向とは反対の側に、設けられる第2反対側カメラと、
を含み、
前記表示制御手段は、前記第1方向側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1方向側画像データに対応する第1方向側画像と、前記第1反対側カメラが前記第1開先を撮像して出力する第1反対側画像データに対応する第1反対側画像と、前記第2方向側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2方向側画像データに対応する第2方向側画像と、前記第2反対側カメラが前記第2開先を撮像して出力する第2反対側画像データに対応する第2反対側画像と、を、表示部に表示することができ、
前記第1鋼材に設けられる第1建方治具、の位置を示す第1建方治具位置情報を取得する第1建方治具位置情報取得手段と、
前記第2鋼材に設けられる第2建方治具、の位置を示す第2建方治具位置情報を取得する第2建方治具位置情報取得手段と、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記第1建方治具位置情報取得手段によって取得される第1建方治具位置情報、及び、前記第2建方治具位置情報取得手段によって取得される第2建方治具位置情報、の少なくとも一方に応じ、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2反対側画像の表示位置と、を決定する、
ことを特徴とする溶接システム
【請求項4】
第1指示を受け付ける受付手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第2方向側画像の表示位置と、を接近させるよう、前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記表示部における表示位置であって前記第1方向側画像の表示位置と、前記表示部における表示位置であって前記第1反対側画像の表示位置と、を入れ替えることで、前記第1方向側画像の表示位置と、前記第2方向側画像の表示位置と、が接近するよう、前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の溶接システム。
【請求項6】
第1指示を受け付ける受付手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記第1反対側画像及び前記第2反対側画像を前記表示部に表示させない、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システム。
【請求項7】
第1指示を受け付ける受付手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記第1指示を受け付ける場合、前記第1反対側画像及び前記第2反対側画像を縮小させて前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システム。