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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031330
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】波形測定器及び波形表示方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/20 20060101AFI20250228BHJP
【FI】
G01R13/20 M
G01R13/20 R
G01R13/20 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137486
(22)【出願日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】新道 竜一
(57)【要約】
【課題】圧縮データを表示する技術を改善する。
【解決手段】本開示に係る波形測定器100は、所定の圧縮区間ごとにデジタルデータを圧縮して圧縮データを生成する制御部120と、圧縮データに基づいて圧縮波形を生成し、圧縮波形を表示する表示部140と、を備える。制御部120は、圧縮区間ごとに、圧縮区間において波形測定器100が通信信号を受信したか否かを示す第1データを生成し、表示部140は、第1データに基づいて、通信信号を受信していない圧縮区間の圧縮データを表示しないように、圧縮波形を生成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波形測定器であって、
所定の圧縮区間ごとにデジタルデータを圧縮して圧縮データを生成する制御部と、
前記圧縮データに基づいて圧縮波形を生成し、前記圧縮波形を表示する表示部と、
を備え、
前記制御部は、前記圧縮区間ごとに、前記圧縮区間において前記波形測定器が通信信号を受信したか否かを示す第1データを生成し、
前記表示部は、前記第1データに基づいて、前記通信信号を受信していない前記圧縮区間の前記圧縮データを表示しないように、前記圧縮波形を生成する、波形測定器。
【請求項2】
請求項1に記載の波形測定器において、
前記圧縮データは、前記圧縮区間の前記デジタルデータの最大値及び最小値を含む、波形測定器。
【請求項3】
請求項1に記載の波形測定器において、
前記制御部は、前記圧縮区間ごとに、前記圧縮区間において受信した前記デジタルデータの個数を示す第2データを生成し、
前記表示部は、前記第2データに基づいて、前記圧縮区間において受信した前記デジタルデータの個数に応じて前記圧縮データの表示態様を変えるように、前記圧縮波形を生成する、波形測定器。
【請求項4】
請求項3に記載の波形測定器において、
前記表示部は、前記圧縮区間において受信した前記デジタルデータの個数に応じて前記圧縮データの色を変えるように、前記圧縮波形を生成する、波形測定器。
【請求項5】
波形測定器における波形表示方法であって、
所定の圧縮区間ごとにデジタルデータを圧縮して圧縮データを生成するステップと、
前記圧縮区間ごとに、前記圧縮区間において前記波形測定器が通信信号を受信したか否かを示す第1データを生成するステップと、
前記圧縮データに基づいて圧縮波形を生成するステップと、
前記圧縮波形を表示するステップと、
を含み、
前記圧縮波形を生成するステップは、前記第1データに基づいて、前記通信信号を受信していない前記圧縮区間の前記圧縮データを表示しないように、前記圧縮波形を生成する、波形表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、波形測定器及び波形表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種データを取得し、取得したデータの波形を表示する波形測定器が知られている。
【0003】
波形測定器には、取得したデータを圧縮し、圧縮データの波形を表示することが可能な波形測定器がある。例えば特許文献1は、データの取得と並行して圧縮データを生成することによって、圧縮データの波形表示を高速化することができる波形表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-180476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
波形測定器において圧縮データを表示する技術には改善の余地がある。
【0006】
そこで、本開示は、圧縮データを表示する技術を改善することが可能な波形測定器及び波形表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る波形測定器は、所定の圧縮区間ごとにデジタルデータを圧縮して圧縮データを生成する制御部と、前記圧縮データに基づいて圧縮波形を生成し、前記圧縮波形を表示する表示部と、を備え、前記制御部は、前記圧縮区間ごとに、前記圧縮区間において前記波形測定器が通信信号を受信したか否かを示す第1データを生成し、前記表示部は、前記第1データに基づいて、前記通信信号を受信していない前記圧縮区間の前記圧縮データを表示しないように、前記圧縮波形を生成する。このような波形測定器によれば、圧縮データを表示する技術を改善することが可能である。
【0008】
一実施形態に係る波形測定器において、前記圧縮データは、前記圧縮区間の前記デジタルデータの最大値及び最小値を含んでいてもよい。これにより、最大値及び最小値を含む圧縮データを生成することができる。
【0009】
一実施形態に係る波形測定器において、前記制御部は、前記圧縮区間ごとに、前記圧縮区間において受信した前記デジタルデータの個数を示す第2データを生成し、前記表示部は、前記第2データに基づいて、前記圧縮区間において受信した前記デジタルデータの個数に応じて前記圧縮データの表示態様を変えるように、前記圧縮波形を生成してもよい。これにより、ユーザは、圧縮区間において受信したデジタルデータの個数を容易に把握することができる。
【0010】
一実施形態に係る波形測定器において、前記表示部は、前記圧縮区間において受信した前記デジタルデータの個数に応じて前記圧縮データの色を変えるように、前記圧縮波形を生成してもよい。これにより、ユーザは、圧縮区間において受信したデジタルデータの個数を色によって容易に把握することができる。
【0011】
幾つかの実施形態に係る波形表示方法は、波形測定器における波形表示方法であって、所定の圧縮区間ごとにデジタルデータを圧縮して圧縮データを生成するステップと、前記圧縮区間ごとに、前記圧縮区間において前記波形測定器が通信信号を受信したか否かを示す第1データを生成するステップと、前記圧縮データに基づいて圧縮波形を生成するステップと、前記圧縮波形を表示するステップと、を含み、前記圧縮波形を生成するステップは、前記第1データに基づいて、前記通信信号を受信していない前記圧縮区間の前記圧縮データを表示しないように、前記圧縮波形を生成する。このような波形表示方法によれば、圧縮データを表示する技術を改善することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、圧縮データを表示する技術を改善することが可能な波形測定器及び波形表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】比較例に係る波形測定器の概略構成を示す図である。
図2】比較例に係る波形測定器においてPPデータを生成する様子を示す図である。
図3】比較例に係る波形測定器においてPP波形を表示する様子を示す図である。
図4】一実施形態に係る波形測定器の概略構成を示す図である。
図5】一実施形態に係る波形測定器においてPPデータを生成する様子を示す図である。
図6】一実施形態に係る波形測定器においてPP波形を表示する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(比較例)
最初に比較例に係る波形測定器について説明し、その問題点について述べる。
【0015】
図1は、比較例に係る波形測定器200の概略構成を示す図である。波形測定器200は、入力部210と、制御部220と、記憶部230と、表示部240とを備える。
【0016】
入力部210は、各チャネルの測定信号に係るデータを波形測定器200に取り込むインタフェースである。入力部210は、入力ポート211と、入力信号解析回路212とを備える。
【0017】
入力ポート211は、チャネル1の測定信号を取り込む。測定信号は、例えば、CAN(Controller Area Network)、CANFD(CAN with Flexible Data rate)などのような通信信号である。
【0018】
入力信号解析回路212は、入力ポート211から供給された通信信号のパケットを解析してデジタルデータに変換する。また、入力信号解析回路212は、通信信号を受信する度に、デジタルデータを制御部220に出力する。
【0019】
制御部220は、入力部210から供給されるデジタルデータを処理するブロックである。制御部220は、タイミング発生回路221と、分周器222と、PP圧縮器223と、メモリコントローラ224とを備える。なお、PP圧縮器223の「PP」は、”Peak to Peak”を意味する。
【0020】
タイミング発生回路221は、入力部210からデータを取得するタイミングであるサンプルタイミングを生成する回路である。
【0021】
分周器222は、タイミング発生回路221から供給されるサンプルタイミングを分周し、圧縮タイミングを生成する回路である。以後、「圧縮タイミング」について、「PPタイミング」と称して説明する場合がある。
【0022】
PP圧縮器223は、タイミング発生回路221から供給されるサンプルタイミング毎に入力部210から供給されるデータを取得する。
【0023】
図2に、PP圧縮器223がデータを取得する様子を示す。図2において「st」と示すタイミングがサンプルタイミングである。また、図2において、「入力データ」として示すデータが、入力部210がPP圧縮器223に供給するデータである。
【0024】
PP圧縮器223は、図2において「st」と示すサンプルタイミングにおいて、入力部210から供給されるデータを取得する。
【0025】
なお、図2に示す「入力データ」において、例えば、符号301で示すような背景に色が付いているデータは、波形測定器200が通信信号を受信しているときに入力部210が出力しているデータである。また、例えば、符号302で示すような背景に色が付いていないデータは、波形測定器200が通信信号を受信していないときに入力部210が出力しているデータである。
【0026】
図2に示すように、波形測定器200が通信信号を受信していないとき、入力部210は、以前に受信したデータを保持し、保持しているデータをPP圧縮器223に出力している。例えば、符号302が示すデータ「8」は、符号301が示すデータ「8」を保持しているデータである。
【0027】
PP圧縮器223は、図2において「pt」と示すPPタイミングごとに、圧縮データを生成する。なお、圧縮データは、対応する圧縮区間においてPP圧縮器223が取得したデータの最大値及び最小値を含むデータである。以後、「圧縮データ」について、「PPデータ」と称して説明する場合がある。また、以後、「圧縮区間」について、「PP区間」と称して説明する場合がある。
【0028】
例えば、図2に示す例においては、PT3とPT4との間のPP区間において、PP圧縮器223は、データとして、「8」及び「2」を取得している。したがって、このPP区間の最大値が「8」、最小値が「2」であるため、PP圧縮器223は、PT4のPPタイミングにおいて、「8」及び「2」を含むPPデータを生成する。
【0029】
PP圧縮器223は、生成したPPデータをメモリコントローラ224に出力する。
【0030】
メモリコントローラ224は、PP圧縮器223から取得したPPデータを記憶部230に出力する。
【0031】
記憶部230は、制御部220から供給されるPPデータを格納するブロックである。記憶部230は、PP圧縮波形メモリ231を備える。
【0032】
PP圧縮波形メモリ231は、制御部220から供給されるPPデータを格納する。
【0033】
表示部240は、PP圧縮波形メモリ231に格納されているPPデータに基づいて圧縮波形を生成し、圧縮波形を表示させるブロックである。以後、「圧縮波形」について、「PP波形」と称して説明する場合がある。表示部240は、表示波形生成回路241と、表示器242とを備える。
【0034】
表示波形生成回路241は、PP圧縮波形メモリ231に格納されているPPデータに基づいて、PP波形を生成する。
【0035】
表示器242は、表示波形生成回路241が生成したPP波形を表示する。
【0036】
図3に、表示器242が表示するPP波形の一例を示す。図3に示すPP波形は、横軸がPPタイミングであり、縦軸がPPデータである。なお、図3の横軸に示したPPタイミングPT1~PT12は、図2に示したPT1~PT12に対応する。
【0037】
図3に示すPP波形は、入力部210がPP圧縮器223に供給するデータが、図2に示すようなデータだった場合に対応する波形である。
【0038】
表示器142が図3に示すようなPP波形を表示した場合、所定のPP区間において波形測定器200が通信信号を受信していたか否かの判別ができない。
【0039】
例えば、図2を参照すると、PT2からPT3の間のPP区間において、波形測定器200は通信信号を受信していない。したがって、PT3で生成されている、最大値が「8」、最小値が「8」というPPデータは、波形測定器200が通信信号を受信していないPP区間に対して生成されたPPデータである。同様に、PT6、PT9、PT10において生成されているPPデータも、波形測定器200が通信信号を受信していないPP区間に対して生成されたPPデータである。
【0040】
しかしながら、図3を参照すると、PT3、PT6、PT9及びPT10において、PPデータが表示されている。したがって、PT3、PT6、PT9及びPT10に対応するPP区間において、波形測定器200が通信信号を受信していたか否かが判別できない。
【0041】
(本開示の波形測定器)
図4は、一実施形態に係る波形測定器100の概略構成を示す図である。波形測定器100は、入力部110と、制御部120と、記憶部130と、表示部140とを備える。
【0042】
波形測定器100は、上述した比較例に係る波形測定器200の課題を解消する波形測定器である。すなわち、波形測定器100によれば、波形測定器100が通信信号を受信していたか否かを判別できるように、PP波形を表示することができる。
【0043】
入力部110は、各チャネルの測定信号に係るデータを波形測定器100に取り込むインタフェースである。入力部110は、入力ポート111と、入力信号解析回路112とを備える。
【0044】
入力ポート111は、チャネル1の測定信号を取り込む。測定信号は、例えば、CAN、CANFDなどのような通信信号である。本実施形態においては、測定信号が通信信号である場合を例に挙げて説明する。
【0045】
入力信号解析回路112は、入力ポート111から供給された通信信号のパケットを解析してデジタルデータに変換する。また、入力信号解析回路112は、通信信号を受信する度に、デジタルデータを制御部120に出力する。
【0046】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部120は、波形測定器100の各部を制御しながら、波形測定器100の動作に関わる処理を実行する。
【0047】
制御部120は、入力部110から供給されるデジタルデータを処理するブロックである。制御部120は、タイミング発生回路121と、分周器122と、PP圧縮器123と、第1メモリコントローラ124と、通信信号検出器125と、第2メモリコントローラ126とを備える。
【0048】
タイミング発生回路121は、入力部110からデータを取得するタイミングであるサンプルタイミングを生成する回路である。タイミング発生回路121は、生成したサンプルタイミングを、分周器122、PP圧縮器123及び通信信号検出器125に出力する。
【0049】
分周器122は、タイミング発生回路221から供給されるサンプルタイミングを分周し、圧縮タイミング(PPタイミング)を生成する回路である。PPタイミングは、所定の圧縮区間ごとに生成されるタイミングである。制御部120は、PPタイミングごとに、すなわち所定の圧縮区間ごとに、入力部110から供給されるデジタルデータを圧縮して圧縮データを生成する。
【0050】
分周器122は、生成したPPタイミングを、PP圧縮器123及び通信信号検出器125に出力する。
【0051】
PP圧縮器123は、タイミング発生回路121から供給されるサンプルタイミング毎に入力部110から供給されるデータを取得する。
【0052】
図5に、PP圧縮器123がデータを取得する様子を示す。図5において「st」と示すタイミングがサンプルタイミングである。また、図5において、「入力データ」として示すデータが、入力部110がPP圧縮器123に供給するデータである。
【0053】
PP圧縮器123は、図5において「st」と示すサンプルタイミングにおいて、入力部110から供給されるデータを取得する。
【0054】
なお、図5に示す「入力データ」において、例えば、符号401で示すような背景に色が付いているデータは、波形測定器100が通信信号を受信しているときに入力部110が出力しているデータである。また、例えば、符号402で示すような背景に色が付いていないデータは、波形測定器100が通信信号を受信していないときに入力部110が出力しているデータである。
【0055】
図5に示すように、波形測定器100が通信信号を受信していないとき、入力部110は、以前に受信したデータを保持し、保持しているデータをPP圧縮器123に出力している。例えば、符号402が示すデータ「8」は、符号401が示すデータ「8」を保持しているデータである。
【0056】
PP圧縮器123は、図5において「pt」と示すPPタイミングごとに、圧縮データ(PPデータ)を生成する。PPデータは、対応する圧縮区間(PP区間)においてPP圧縮器123が取得したデータの最大値及び最小値を含むデータである。
【0057】
例えば、図5に示す例においては、PT3とPT4とのPP区間において、PP圧縮器123は、データとして、「8」及び「2」を取得している。したがって、このPP区間の最大値が「8」、最小値が「2」であるため、PP圧縮器123は、PT4のPPタイミングにおいて、「8」及び「2」を含むPPデータを生成する。
【0058】
PP圧縮器123は、生成したPPデータを第1メモリコントローラ124に出力する。
【0059】
第1メモリコントローラ124は、PP圧縮器123から取得したPPデータを、PPタイミングごとに記憶部130に出力する。
【0060】
通信信号検出器125は、PP区間ごとに、PP区間において波形測定器100が通信信号を受信したか否かを示す受信有無データを生成する。以後、受信有無データのことを「第1データ」と称して説明する場合がある。
【0061】
通信信号検出器125は、PP区間において波形測定器100が通信信号を受信していた場合は、第1データとして「1」を出力する。通信信号検出器125は、PP区間において波形測定器100が通信信号を受信していなかった場合は、第1データとして「0」を出力する。
【0062】
図5に、受信有無データ(第1データ)の例を示している。例えば、PT4とPT5との間のPP区間において、波形測定器100はデータ「2」を受信している。そのため、通信信号検出器125は、受信有無データ(第1データ)として、受信していたことを示す「1」を、PT5のPPタイミングにおいて生成している。また、例えば、例えば、PT5とPT6との間のPP区間において、波形測定器100はデータを受信していない。そのため、通信信号検出器125は、受信有無データ(第1データ)として、受信していないことを示す「0」を、PT6のPPタイミングにおいて生成している。
【0063】
通信信号検出器125は、生成した第1データを第2メモリコントローラ126に出力する。
【0064】
第2メモリコントローラ126は、通信信号検出器125から取得した第1データを、PPタイミングごとに記憶部130に出力する。
【0065】
記憶部130は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。RAMは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。半導体メモリは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)であってもよい。
【0066】
記憶部130は、PP圧縮波形メモリ131と、イベントメモリ132とを備える。
【0067】
PP圧縮波形メモリ131は、制御部120の第1メモリコントローラ124から供給されるPPデータを格納する。
【0068】
イベントメモリ132は、制御部120の第2メモリコントローラ126から供給される第1データを格納する。
【0069】
表示部140は、表示波形生成回路141と、表示器142とを備える。
【0070】
表示波形生成回路141は、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであってよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。
【0071】
表示波形生成回路141は、PP圧縮波形メモリ131に格納されているPPデータと、イベントメモリ132に格納されている第1データとに基づいて、圧縮波形(PP波形)を生成する。PP波形を生成する際、表示波形生成回路141は、第1データに基づいて、通信信号を受信していないPP区間のPPデータを表示しないように、PP波形を生成する。
【0072】
表示波形生成回路141は、生成したPP波形を、表示器142によって表示する。
【0073】
表示器142は、少なくとも1つの表示出力用インタフェースを含む。表示出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。表示器142は、波形測定器100の動作によって得られるデータを表示出力する。表示器142は、ユーザからの入力を受付可能なタッチパネルと一体的に設けられてもよい。表示器142は、表示波形生成回路141の制御に基づき、PP波形を表示する。
【0074】
表示器142は、表示波形生成回路141が生成したPP波形を表示する。
【0075】
図6に、表示器142が表示するPP波形の一例を示す。図6に示すPP波形は、横軸がPPタイミングであり、縦軸がPPデータである。なお、図6の横軸に示したPPタイミングPT1~PT12は、図5に示したPT1~PT12に対応する。
【0076】
図6に示すPP波形は、入力部110がPP圧縮器123に供給するデータが、図5に示すようなデータだった場合に対応する波形である。
【0077】
図6を参照すると、第1データ(受信有無データ)が「0」であるPPタイミング、すなわち、PT3、PT6、PT9、PT10においては、PP波形は、PPデータを表示していない。このようなPP波形が表示されることにより、波形測定器100のユーザは、PT3、PT6、PT9、PT10に対応するPP区間においては、通信信号を受信していないことを容易に把握することができる。
【0078】
<表示態様の変更>
波形測定器100の表示部140は、通信信号を受信していないPP区間のPPデータを表示しないようにPP波形を生成することに加えて、PP区間において受信したデジタルデータの個数に応じて、表示器142に表示するPPデータの表示態様を変えるように、PP波形を生成してもよい。以下、この場合の処理について説明する。
【0079】
制御部120の通信信号検出器125は、PP区間ごとに、PP区間において受信したデジタルデータの個数を示すデータを生成する。以後、PP区間において受信したデジタルデータの個数を示すデータのことを、「第2データ」と称して説明する場合がある。
【0080】
通信信号検出器125は、生成した第2データを第2メモリコントローラ126に出力する。
【0081】
第2メモリコントローラ126は、通信信号検出器125から取得した第2データを、PPタイミングごとに記憶部130に出力する。
【0082】
記憶部130のイベントメモリ132は、制御部120の第2メモリコントローラ126から供給される第2データを格納する。
【0083】
表示部140の表示波形生成回路141は、PP圧縮波形メモリ131に格納されているPPデータと、イベントメモリ132に格納されている第1データ及び第2データとに基づいて、PP波形を生成する。
【0084】
表示波形生成回路141は、この際、第2データに応じてPPデータの表示態様を変えるように、すなわち、PP区間において受信したデジタルデータの個数に応じてPPデータの表示態様を変えるように、PP波形を生成する。
【0085】
表示波形生成回路141は、例えば、PP区間において受信したデジタルデータの個数に応じてPPデータの色を変えるように、PP波形を生成してよい。例えば、表示波形生成回路141は、PP区間において受信したデジタルデータの個数が10個以上の場合は、PPデータを異なる色で表示するように、PP波形を生成してよい。
【0086】
このように、表示部140が、第2データに応じてPPデータの表示態様を変えるようにPP波形を生成することによって、波形測定器100のユーザは、PP区間において通信信号を受信していたか否かを把握するとともに、PP区間において受信したデジタルデータの個数を容易に把握することができる。
【0087】
以上のような一実施形態に係る波形測定器100によれば、圧縮データを表示する技術を改善することが可能となる。より具体的には、波形測定器100の表示部140は、第1データに基づいて、通信信号を受信していない圧縮区間の圧縮データを表示しないように、圧縮波形を生成する。これにより、波形測定器100のユーザは、どの圧縮区間が通信信号を受信していて、どの圧縮区間が通信信号を受信していないかを容易に把握することができる。したがって、波形測定器100は、圧縮データを表示する技術を改善することができる。
【0088】
また、一実施形態に係る波形測定器100は、通信信号の受信と並行して圧縮データを生成し、生成した圧縮波形を表示部140に表示する。これにより、波形測定器100は、圧縮波形の表示を高速化することができる。
【0089】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。従って、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含される。
【0090】
例えば、上述した各構成部の配置及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の配置及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0091】
例えば、上述した実施形態において、波形測定器100が通信信号を受信する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、波形測定器100が受信する信号は、通信信号に限定されず、通信信号以外の信号であってもよい。
【0092】
例えば、上述した実施形態において、波形測定器100がチャネル1の測定信号を取り込む場合を例に挙げて説明した。しかしながら、波形測定器100が取り込む測定信号は、チャネル1の測定信号に限定されない。波形測定器100は、複数のチャネルの測定信号を取り込んでもよい。
【符号の説明】
【0093】
100 波形測定器
110 入力部
111 入力ポート
112 入力信号解析回路
120 制御部
121 タイミング発生回路
122 分周器
123 PP圧縮器
124 第1メモリコントローラ
125 通信信号検出器
126 第2メモリコントローラ
130 記憶部
131 PP圧縮波形メモリ
132 イベントメモリ
140 表示部
141 表示波形生成回路
142 表示器
200 波形測定器
210 入力部
211 入力ポート
212 入力信号解析回路
220 制御部
221 タイミング発生回路
222 分周器
223 PP圧縮器
224 メモリコントローラ
230 記憶部
231 PP圧縮波形メモリ
240 表示部
241 表示波形生成回路
242 表示器
図1
図2
図3
図4
図5
図6