(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031466
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置
(51)【国際特許分類】
B21B 19/06 20060101AFI20250228BHJP
F16C 29/02 20060101ALI20250228BHJP
B21H 1/00 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
B21B19/06 Z
F16C29/02
B21H1/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006469
(22)【出願日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】202311063436.0
(32)【優先日】2023-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520143281
【氏名又は名称】寧波大学
【氏名又は名称原語表記】NINGBO UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】818 Fenghua Road, Jiangbei District, Ningbo City, Zhejiang Province, China
(71)【出願人】
【識別番号】512314075
【氏名又は名称】▲寧▼波工程学院
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】張 松
(72)【発明者】
【氏名】束 学道
(72)【発明者】
【氏名】李 子軒
(72)【発明者】
【氏名】徐 海潔
(72)【発明者】
【氏名】王 吉泰
(72)【発明者】
【氏名】葉 曹棋
【テーマコード(参考)】
3J104
【Fターム(参考)】
3J104AA43
3J104AA65
3J104AA69
3J104AA76
3J104AA77
3J104AA78
3J104AA79
3J104BA73
3J104EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クロスウェッジ圧延成形に比べて、その構造がコンパクトで、体積が小さく、圧延が安定して信頼でき、列車中空段付き軸の一次成形が可能であり、汎用性が高い中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置を提供する。
【解決手段】装置は、台座1と、リフトバー2と、台座上に固定される穿孔圧延コンポーネントと、段付き軸圧延コンポーネントと、支持溝3と、電動油圧プッシュロッド4とを含み、支持溝は、穿孔圧延コンポーネントの入口側に位置し、被圧延材100を置くために用いられ、電動油圧プッシュロッドは、被圧延材を前記穿孔圧延コンポーネント内に押し込めるために用いられ、段付き軸圧延コンポーネントは、穿孔圧延コンポーネントの出口側に位置し、リフトバーは、軸方向に被圧延材に突入して中心孔を形成するために用いられ、リフトバーと電動油圧プッシュロッドとは、対向して設けられ、リフトバーは、リフトバー駆動機構により駆動される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置であって、台座と、リフトバーと、前記台座上に固定される穿孔圧延コンポーネントと、段付き軸圧延コンポーネントと、支持溝と、電動油圧プッシュロッドとを含み、前記支持溝は、前記穿孔圧延コンポーネントの入口側に位置し、被圧延材を置くために用いられ、前記電動油圧プッシュロッドは、被圧延材を前記穿孔圧延コンポーネント内に押し込めるために用いられ、前記段付き軸圧延コンポーネントは、前記穿孔圧延コンポーネントの出口側に位置し、前記リフトバーは、軸方向に被圧延材に突入して中心孔を形成するために用いられ、前記リフトバーと前記電動油圧プッシュロッドとは、対向して設けられ、前記リフトバーは、リフトバー駆動機構により駆動される、ことを特徴とする中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項2】
前記穿孔圧延コンポーネントは、第1のフレームと、水平に並べられる2つの穿孔ロールとを含み、前記台座上にはモーターベースが固定して設けられ、前記モーターベース上には2つの第1のモーターが固定して設けられ、前記第1のモーターの駆動軸は、第1の伸縮可能なユニバーサルジョイントを介して前記穿孔ロールに一対一に対応して接続されて、前記穿孔ロールを回動駆動し、前記第1のフレームは、前記台座上に固定され、前記第1のフレームには穿孔ロール間隔距離調節機構と調節ロック機構が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項3】
前記穿孔ロール間隔距離調節機構は、調節ベースと、対向して設けられ且つ内側と両端がいずれも開口する2つのロール系ホルダとを含み、前記ロール系ホルダ内には軸受ハウジングが固定して設けられ、前記穿孔ロールは、前記軸受ハウジングに一対一に対応して回動接続され、前記ロール系ホルダの下方にはスライダが設けられ、前記スライダと前記ロール系ホルダとの間には穿孔ロール角度偏向調節機構が設けられ、前記調節ベースは、前記第1のフレーム内に固定され、前記調節ベースの上面には蟻型シュートが設けられ、前記スライダの下端は、前記シュートにスライド嵌合し、前記調節ベースには双方向ネジが回動接続され、前記スライダ内にはネジナットが固定して設けられ、前記ネジナットは、前記双方向ネジにねじ接続され、2つのスライダが互いに接近または離間するように、前記双方向ネジを回動させる、ことを特徴とする請求項2に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項4】
前記穿孔ロール角度偏向調節機構は、偏向ブロックと、パッドと、揺動レバーとを含み、前記偏向ブロックは、前記ロール系ホルダの下端面に固定され、前記偏向ブロックの下端面が弧状面であり、前記パッドは、前記スライダの上端面に固定され、前記パッドの上端面には弧状凹溝が設けられ、前記偏向ブロックの弧状面と前記弧状凹溝とは、嵌合し、前記揺動レバーは、垂直に設けられ且つ上端が前記偏向ブロックに固定され、前記パッド内には揺動溝が設けられ、前記揺動レバーの下端は、前記揺動溝を貫通して前記スライダ内に入り、前記スライダ内には、水平に対向して設けられる2本の調節スクリュが螺着され、前記調節スクリュは、前記揺動レバーの両側に位置し、前記調節スクリュの軸方向と被圧延材の軸方向とは、平行し、前記調節スクリュの内端は、径方向に前記揺動レバーに当接し且つ前記揺動レバーに球面を介して嵌合する、ことを特徴とする請求項3に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項5】
前記調節ロック機構は、プレス機構と側面支持機構とを含み、前記プレス機構は、プレスカバーと、プレススクリュと、プレスナットと、プレスブロックとを含み、前記プレスカバーは、前記第1のフレームの上端に固定され、前記プレススクリュは、前記第1のフレームの上端に回動接続され、前記プレススクリュの上端は、前記プレスカバーから突出し、前記プレスナットは、前記プレススクリュに螺着され、前記第1のフレームの上端にはストッパーが固定され、前記プレスナットには垂直な制限溝が設けられ、前記ストッパーは、前記制限溝内に伸び、前記プレスブロックは、前記プレスナットの下端にヒンジ連結され、前記プレスブロックは、前記ロール系ホルダの上端面に当接し、前記側面支持機構は、リフトブロックと支持スクリュとを含み、前記第1のフレーム内にはブッシュが固定して設けられ、前記支持スクリュは、前記ブッシュにねじ接続され、前記リフトブロックは、前記支持スクリュの内端に回動接続され、前記ロール系ホルダの外側壁には裏当板が固定して設けられ、前記リフトブロックは、前記裏当板に当接する、ことを特徴とする請求項3に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項6】
前記第1のフレームは、下フレームと上クロスメンバとを含み、前記下フレームは、前記台座上に固定され、前記下フレームの上端の四角には接続ボルトがヒンジ連結され、前記上クロスメンバは、前記下フレームの上端に設けられ、前記上クロスメンバの四角には開放溝が設けられ、前記接続ボルトは、前記開放溝内にねじ入れられ且つロッキングナットを介してロッキング固定され、前記プレス機構は、前記上クロスメンバに固定される、ことを特徴とする請求項5に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項7】
前記段付き軸圧延コンポーネントは、第2のフレームと、被圧延材の円周方向に沿って均一に分布する3つの圧延ロールと、前記第2のフレームに固定される3つの第2のモーターとを含み、前記第2のモーターの駆動軸は、第2の伸縮可能なユニバーサルジョイントを介して前記圧延ロールに一対一に対応して接続され、各前記圧延ロールには、圧延ロールの偏向角度と径方向の送りを調節するための圧延ロール調節機構が設けられ、前記圧延ロール調節機構は、前記第2のフレームに固定され、前記第2のフレームは、前記台座上に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項8】
前記圧延ロール調節機構は、第1のサーボ電動シリンダと、接続板と、径方向プッシュロッドと、偏向調節板と、支持ベースとを含み、前記接続板は、前記第2のフレームに固定され、前記第1のサーボ電動シリンダは、前記接続板に固定され、前記径方向プッシュロッドは、前記第1のサーボ電動シリンダの主軸に固定され、前記偏向調節板は、前記径方向プッシュロッドに固定され、前記支持ベースは、前記第2のフレームに固定され、前記径方向プッシュロッドの下端は、下へ前記支持ベースを貫通し、前記圧延ロールは、前記径方向プッシュロッドの下端に回動接続され、前記偏向調節板には前記径方向プッシュロッドに沿って対称的な2つの垂直シュートが設けられ、前記垂直シュート内には偏向プッシュブロックが設けられ、前記第2のフレームにはカバー板が固定して設けられ、前記カバー板には偏向プッシュロッドが螺着され、前記偏向プッシュロッドの内端は、前記偏向プッシュブロックに当接し且つ球面を介して嵌合する、ことを特徴とする請求項7に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項9】
前記第2のフレームには圧延材軸方向牽引機構が設けられ、前記圧延材軸方向牽引機構は、第2のサーボ電動シリンダと、Y字状保持枠と、四つ爪チャックとを含み、前記第2のサーボ電動シリンダは、前記第2のフレームに固定され、前記Y字状保持枠における1つの保持アームは、前記第2のサーボ電動シリンダの主軸に固定され、前記Y字状保持枠の他の2つの保持アーム内には相対的にスライド可能な支持棒が穿設され、前記支持棒は、前記第2のフレームに固定され、前記四つ爪チャックは、前記Y字状保持枠の中部に回動接続される、ことを特徴とする請求項7に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【請求項10】
前記リフトバー駆動機構は、油圧シリンダを含み、前記リフトバーの端部にはロック枠が固定して設けられ、前記ロック枠は、前記油圧シリンダのピストンロッドに固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸類部材の圧延装置に関し、特に中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交通運輸業の急速な発展に伴い、鉄道は、中国の交通輸送システムの中で中堅的な役割がますます際立ち、高速重荷は、高速輸送の中長期的な目標であり、この問題を解決する鍵は、コンポーネントの軽量化である。中空車軸は、軽量化の重要な一環であり、中空車軸は、車軸の強度要求を満たすだけでなく、列車のばね下重量を大幅に減少させ、列車群の運行の安定性と安全性を高めることができる。そのため、列車軸は、一般的に中空車軸を採用している。
【0003】
現在、列車の中空軸の製造プロセスについて、中国内外は、一般的に2つの方法を採用している。1つは、中実軸のブランクを圧延した後に内孔を掘削することであり、この方法は、プロセスが簡単であるが、材料を浪費し、後続の冷間加工量が比較的に大きい。もう1つは、中空ブランクをクロスウェッジ圧延により直接中空軸に圧延することであり、この方法は、製品の性能が良く、材料節約及び省エネルギーが顕著であるなどの利点があり、発展の潜在力がある。クロスウェッジ圧延プロセスによる列車中空軸の成形は、可能であるが、その金型の直径は、φ3000mm以上に達する必要があり、金型と装置の寸法を著しく減少させる複数のウェッジによるクロスウェッジ圧延プロセスを採用しても、金型の直径は、φ1600mm以上に達する必要があり、このような大きな装置と金型は、必然的に投資が大きく、コストが高く、生産操作が不便で、実施が難しいため、このプロセスによる列車中空軸の成形は、ずっと普及していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術課題は、クロスウェッジ圧延成形に比べて、その構造がコンパクトで、体積が小さく、圧延が安定して信頼でき、列車中空段付き軸の一次成形が可能であり、汎用性が高い中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が上記技術課題を解決するために採用する技術案は、以下のとおりである。中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置であって、台座と、リフトバーと、前記台座上に固定される穿孔圧延コンポーネントと、段付き軸圧延コンポーネントと、支持溝と、電動油圧プッシュロッドとを含み、前記支持溝は、前記穿孔圧延コンポーネントの入口側に位置し、被圧延材を置くために用いられ、前記電動油圧プッシュロッドは、被圧延材を前記穿孔圧延コンポーネント内に押し込めるために用いられ、前記段付き軸圧延コンポーネントは、前記穿孔圧延コンポーネントの出口側に位置し、前記リフトバーは、軸方向に被圧延材に突入して中心孔を形成するために用いられ、前記リフトバーと前記電動油圧プッシュロッドとは、対向して設けられ、前記リフトバーは、リフトバー駆動機構により駆動される。
【0006】
さらに、前記穿孔圧延コンポーネントは、第1のフレームと、水平に並べられる2つの穿孔ロールとを含み、前記台座上にはモーターベースが固定して設けられ、前記モーターベース上には2つの第1のモーターが固定して設けられ、前記第1のモーターの駆動軸は、第1の伸縮可能なユニバーサルジョイントを介して前記穿孔ロールに一対一に対応して接続されて、前記穿孔ロールを回動駆動し、前記第1のフレームは、前記台座上に固定され、前記第1のフレームには穿孔ロール間隔距離調節機構と調節ロック機構が設けられる。
【0007】
さらに、前記穿孔ロール間隔距離調節機構は、調節ベースと、対向して設けられ且つ内側と両端がいずれも開口する2つのロール系ホルダとを含み、前記ロール系ホルダ内には軸受ハウジングが固定して設けられ、前記穿孔ロールは、前記軸受ハウジングに一対一に対応して回動接続され、前記ロール系ホルダの下方にはスライダが設けられ、前記スライダと前記ロール系ホルダとの間には穿孔ロール角度偏向調節機構が設けられ、前記調節ベースは、前記第1のフレーム内に固定され、前記調節ベースの上面には蟻型シュートが設けられ、前記スライダの下端は、前記シュートにスライド嵌合し、前記調節ベースには双方向ネジが回動接続され、前記スライダ内にはネジナットが固定して設けられ、前記ネジナットは、前記双方向ネジにねじ接続され、2つのスライダが互いに接近または離間するように、前記双方向ネジを回動させる。
【0008】
さらに、前記穿孔ロール角度偏向調節機構は、偏向ブロックと、パッドと、揺動レバーとを含み、前記偏向ブロックは、前記ロール系ホルダの下端面に固定され、前記偏向ブロックの下端面が弧状面であり、前記パッドは、前記スライダの上端面に固定され、前記パッドの上端面には弧状凹溝が設けられ、前記偏向ブロックの弧状面と前記弧状凹溝とは、嵌合し、前記揺動レバーは、垂直に設けられ且つ上端が前記偏向ブロックに固定され、前記パッド内には揺動溝が設けられ、前記揺動レバーの下端は、前記揺動溝を貫通して前記スライダ内に入り、前記スライダ内には、水平に対向して設けられる2本の調節スクリュが螺着され、前記調節スクリュは、前記揺動レバーの両側に位置し、前記調節スクリュの軸方向と被圧延材の軸方向とは、平行し、前記調節スクリュの内端は、径方向に前記揺動レバーに当接し且つ前記揺動レバーに球面を介して嵌合する。
【0009】
さらに、前記調節ロック機構は、プレス機構と側面支持機構とを含み、前記プレス機構は、プレスカバーと、プレススクリュと、プレスナットと、プレスブロックとを含み、前記プレスカバーは、前記第1のフレームの上端に固定され、前記プレススクリュは、前記第1のフレームの上端に回動接続され、前記プレススクリュの上端は、前記プレスカバーから突出し、前記プレスナットは、前記プレススクリュに螺着され、前記第1のフレームの上端にはストッパーが固定され、前記プレスナットには垂直な制限溝が設けられ、前記ストッパーは、前記制限溝内に伸び、前記プレスブロックは、前記プレスナットの下端にヒンジ連結され、前記プレスブロックは、前記ロール系ホルダの上端面に当接し、前記側面支持機構は、リフトブロックと支持スクリュとを含み、前記第1のフレーム内にはブッシュが固定して設けられ、前記支持スクリュは、前記ブッシュにねじ接続され、前記リフトブロックは、前記支持スクリュの内端に回動接続され、前記ロール系ホルダの外側壁には裏当板が固定して設けられ、前記リフトブロックは、前記裏当板に当接する。
【0010】
さらに、前記第1のフレームは、下フレームと上クロスメンバとを含み、前記下フレームは、前記台座上に固定され、前記下フレームの上端の四角には接続ボルトがヒンジ連結され、前記上クロスメンバは、前記下フレームの上端に設けられ、前記上クロスメンバの四角には開放溝が設けられ、前記接続ボルトは、前記開放溝内にねじ入れられ且つロッキングナットを介してロッキング固定され、前記プレス機構は、前記上クロスメンバに固定される。
【0011】
さらに、前記段付き軸圧延コンポーネントは、第2のフレームと、被圧延材の円周方向に沿って均一に分布する3つの圧延ロールと、前記第2のフレームに固定される3つの第2のモーターとを含み、前記第2のモーターの駆動軸は、第2の伸縮可能なユニバーサルジョイントを介して前記圧延ロールに一対一に対応して接続され、各前記圧延ロールには、圧延ロールの偏向角度と径方向の送りを調節するための圧延ロール調節機構が設けられ、前記圧延ロール調節機構は、前記第2のフレームに固定され、前記第2のフレームは、前記台座上に固定される。
【0012】
さらに、前記圧延ロール調節機構は、第1のサーボ電動シリンダと、接続板と、径方向プッシュロッドと、偏向調節板と、支持ベースとを含み、前記接続板は、前記第2のフレームに固定され、前記第1のサーボ電動シリンダは、前記接続板に固定され、前記径方向プッシュロッドは、前記第1のサーボ電動シリンダの主軸に固定され、前記偏向調節板は、前記径方向プッシュロッドに固定され、前記支持ベースは、前記第2のフレームに固定され、前記径方向プッシュロッドの下端は、下へ前記支持ベースを貫通し、前記圧延ロールは、前記径方向プッシュロッドの下端に回動接続され、前記偏向調節板には前記径方向プッシュロッドに沿って対称的な2つの垂直シュートが設けられ、前記垂直シュート内には偏向プッシュブロックが設けられ、前記第2のフレームにはカバー板が固定して設けられ、前記カバー板には偏向プッシュロッドが螺着され、前記偏向プッシュロッドの内端は、前記偏向プッシュブロックに当接し且つ球面を介して嵌合する。
【0013】
さらに、前記第2のフレームには圧延材軸方向牽引機構が設けられ、前記圧延材軸方向牽引機構は、第2のサーボ電動シリンダと、Y字状保持枠と、四つ爪チャックとを含み、前記第2のサーボ電動シリンダは、前記第2のフレームに固定され、前記Y字状保持枠における1つの保持アームは、前記第2のサーボ電動シリンダの主軸に固定され、前記Y字状保持枠の他の2つの保持アーム内には相対的にスライド可能な支持棒が穿設され、前記支持棒は、前記第2のフレームに固定され、前記四つ爪チャックは、前記Y字状保持枠の中部に回動接続される。
【0014】
さらに、前記リフトバー駆動機構は、油圧シリンダを含み、前記リフトバーの端部にはロック枠が固定して設けられ、前記ロック枠は、前記油圧シリンダのピストンロッドに固定される。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べて、本発明の利点は、この穿孔・傾斜圧延・一体成形装置がクロスウェッジ圧延成形に比べて、その構造がコンパクトで、体積が小さく、圧延が安定して信頼でき、中空段付き軸の一次成形を実現し、そして穿孔圧延コンポーネントには穿孔ロール間隔距離調節機構が設けられ、異なる直径の中空段付き軸に対する圧延を実現することができ、その汎用性が高く、また、穿孔圧延コンポーネントにおける各機構がモジュール化設計を採用し、第1のフレームが組み合わせ式構造を採用し、それによって各機構の第1のフレームへの着脱を容易にし、汎用性が高いことである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本発明の第1のフレームの構造概略図である。
【
図5】本発明の穿孔ロール角度偏向調節機構の構造概略図である。
【
図6】本発明の穿孔ロール角度偏向調節機構の局所断面図である。
【
図7】本発明の穿孔ロールと軸受ハウジングが嵌合する概略図である。
【
図8】本発明の調節ベースと双方向ネジの接続概略図である。
【
図9】本発明の圧延材軸方向牽引機構の構造概略図である。
【
図10】本発明の圧延ロール調節機構の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面と実施例を合わせて発明をさらに詳細に記述する。
【0018】
図に示すように、中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体成形装置であって、台座1と、リフトバー2と、台座1上に固定される穿孔圧延コンポーネントと、段付き軸圧延コンポーネントと、支持溝3と、電動油圧プッシュロッド4とを含み、支持溝3は、穿孔圧延コンポーネントの入口側に位置し、被圧延材100を置くために用いられ、電動油圧プッシュロッド4は、被圧延材100を穿孔圧延コンポーネント内に押し込めるために用いられ、穿孔圧延コンポーネントは、第1のフレーム5と、水平に並べられる2つの穿孔ロール6とを含み、台座1上にはモーターベース7が固定して設けられ、モーターベース7上には2つの第1のモーター8が固定して設けられ、第1のモーター8の駆動軸には第1の伸縮可能なユニバーサルジョイント9が固定して接続され、第1の伸縮可能なユニバーサルジョイント9の他端は、穿孔ロール6に一対一に対応して固定して接続されて、穿孔ロール6を回動駆動し、第1のフレーム5は、下フレーム51と上クロスメンバ52とを含み、下フレーム51は、台座1上に固定され、下フレーム51の上端の四角には接続ボルト53がヒンジ連結され、上クロスメンバ52は、下フレーム51の上端に設けられ、上クロスメンバ52の四角には開放溝54が設けられ、接続ボルト53は、開放溝54内にねじ入れられ且つロッキングナット55を介してロッキング固定されて、上クロスメンバ52と下フレーム51を固定し、第1のフレーム5には穿孔ロール間隔距離調節機構と調節ロック機構が設けられ、穿孔ロール間隔距離調節機構は、調節ベース10と、対向して設けられ且つ内側と両端がいずれも開口する2つのロール系ホルダ11とを含み、ロール系ホルダ11内には軸受ハウジング12が固定して設けられ、穿孔ロール6は、軸受ハウジング12に一対一に対応して回動接続され、ロール系ホルダ11の下方にはスライダ13が設けられ、スライダ13とロール系ホルダ11との間には穿孔ロール角度偏向調節機構が設けられ、調節ベース10は、下フレーム51内に固定され、調節ベース10の上面には蟻型シュート101が設けられ、スライダ13の下端は、シュート101にスライド嵌合し、調節ベース10には双方向ネジ14が回動接続され、スライダ13内にはネジナット15が固定して設けられ、ネジナット15は、双方向ネジ14にねじ接続され、2つのスライダ13が互いに接近または離間するように、双方向ネジ14を回動させ、穿孔ロール角度偏向調節機構は、偏向ブロック16と、パッド17と、揺動レバー18とを含み、偏向ブロック16は、ロール系ホルダ11の下端面に固定され、偏向ブロック16の下端面が弧状面であり、パッド17は、スライダ13の上端面に固定され、パッド17の上端面には弧状凹溝171が設けられ、偏向ブロック16の弧状面と弧状凹溝171とは、嵌合し、揺動レバー18は、垂直に設けられ且つ上端が偏向ブロック16に固定され、パッド17内には揺動溝172が設けられ、揺動レバー18の下端は、揺動溝172を貫通してスライダ13内に入り、スライダ13内には、水平に対向して設けられる2本の調節スクリュ131が螺着され、調節スクリュ131は、揺動レバー18の両側に位置し、調節スクリュ131の軸方向と被圧延材100の軸方向とは、平行し、調節スクリュ131の内端は、径方向に揺動レバー18に当接し且つ揺動レバー18に球面を介して嵌合し、調節ロック機構は、プレス機構と側面支持機構とを含み、プレス機構は、プレスカバー19と、プレススクリュ20と、プレスナット21と、プレスブロック22とを含み、プレスカバー19は、上クロスメンバ52に固定され、プレススクリュ20は、上クロスメンバ52に回動接続され、プレススクリュ20の上端は、プレスカバー19から突出し、プレスナット21は、プレススクリュ20に螺着され、上クロスメンバ52の下端面にはストッパー23が固定され、プレスナット21には垂直な制限溝24が設けられ、ストッパー23は、径方向に制限溝24内に伸び、プレスブロック22は、プレスナット21の下端にヒンジ連結され、プレスブロック22は、ロール系ホルダ11の上端面に当接し、側面支持機構は、リフトブロック25と支持スクリュ26とを含み、下フレーム51にはブッシュ27が固定して設けられ、支持スクリュ26は、ブッシュ27にねじ接続され、リフトブロック25は、支持スクリュ26の内端に回動接続され、ロール系ホルダ11の外側壁には裏当板111が固定して設けられ、リフトブロック25は、裏当板111に当接し、裏当板111を設けることによって、側面支持機構とロール系ホルダ11との直接接触による損傷を回避し、ロール系ホルダ11の交換コストを削減することができる。
【0019】
段付き軸圧延コンポーネントは、穿孔圧延コンポーネントの出口側に位置し、段付き軸圧延コンポーネントは、第2のフレーム28と、被圧延材100の円周方向に沿って均一に分布する3つの圧延ロール29と、第2のフレーム28に固定される3つの第2のモーター30とを含み、第2のモーター30の駆動軸は、第2の伸縮可能なユニバーサルジョイント31を介して圧延ロール29に一対一に対応して接続され、各圧延ロール29には、圧延ロールの偏向角度と径方向の送りを調節するための圧延ロール調節機構が設けられ、圧延ロール調節機構は、第2のフレーム28に固定され、第2のフレーム28は、台座1上に固定され、圧延ロール調節機構は、第1のサーボ電動シリンダ32と、接続板33と、径方向プッシュロッド34と、偏向調節板35と、支持ベース36とを含み、接続板33は、第2のフレーム28に固定され、第1のサーボ電動シリンダ32は、接続板33上に固定され、径方向プッシュロッド34は、第1のサーボ電動シリンダ32の主軸に固定され、偏向調節板35は、径方向プッシュロッド34に固定され、支持ベース36は、第2のフレーム28に固定され、径方向プッシュロッド34の下端は、下へ支持ベース36を貫通し、圧延ロール29は、径方向プッシュロッド34の下端に回動接続され、偏向調節板35には径方向プッシュロッド34に沿って対称的な2つの垂直シュート351が設けられ、垂直シュート351内には偏向プッシュブロック37が設けられ、第2のフレーム28にはカバー板38が固定して設けられ、カバー板38には、偏向プッシュロッド39が螺着され、偏向プッシュロッド39の内端は、偏向プッシュブロック37に当接し且つ球面を介して嵌合し、リフトバー2は、軸方向に被圧延材100に突入して中心孔を形成するために用いられ、リフトバー2と電動油圧プッシュロッド4とは、対向して設けられ、リフトバー2は、リフトバー駆動機構により駆動され、リフトバー駆動機構は、油圧シリンダ(図示せず)を含み、リフトバー2の端部にはロック枠44が固定して設けられ、ロック枠44は、油圧シリンダのピストンロッドに固定される。
【0020】
上記実施例では、被圧延材100の圧延時の径方向の動きを低減させ、圧延精度を高めるために、第2のフレーム28に圧延材軸方向牽引機構を設けることができ、圧延材軸方向牽引機構は、第2のサーボ電動シリンダ40と、Y字状保持枠41と、四つ爪チャック42とを含み、第2のサーボ電動シリンダ40は、第2のフレーム28に固定され、Y字状保持枠41における1つの保持アームは、第2のサーボ電動シリンダ40の主軸に固定され、Y字状保持枠41が支持棒43をスムーズにスライドするように、Y字状保持枠41の他の2つの保持アーム内には、相対的にスライド可能な支持棒43が直線軸受を介して穿設され、支持棒43は、第2のフレーム28に固定され、四つ爪チャック42は、Y字状保持枠41の中部に回動接続され、リフトバー2は、四つ爪チャック42の中心孔を貫通し、四つ爪チャック42は、リフトバー2を支持する役割を果たすことができる。四つ爪チャック42は、自動挟持機能を有する空気圧チャックなどを用いることができる。
【0021】
本発明の2つの穿孔ロール6が間隔距離と偏向角度調節を実現する方法は、以下のとおりである。穿孔ロール間隔距離調節機構における双方向ネジ14を回動させ、ネジナット15によって2つのスライダ13を互いに接近又は離間させ、スライダ13は、ロール系ホルダ11を同期に移動させ、それによって、2つの穿孔ロール6間の間隔距離調節を実現し、穿孔ロール6の偏向角度を調節する必要がある時、揺動レバー18の両側の2つの調節スクリュ131を回転させ、調節スクリュ131によって、揺動レバー18を偏向させるようにプッシュし、揺動レバー18は、偏向ブロック16を偏向させ、偏向ブロック16は、ロール系ホルダ11を同期に偏向させ、それによって、穿孔ロール6の偏向角度に対する調整を実現し、その調整が安定して信頼でき、穿孔ロール6の間隔距離及び偏向角度を適切に調整した後、プレス機構におけるプレススクリュ20を回動させることによって、プレスナット21を下へ移動させ、プレスブロック22がプレスナット21の下端にヒンジ連結されるため、ロール系ホルダ11が偏向する時、プレスブロック22は、プレスナット21の駆動により、ロール系ホルダ11の上端面に緊密に密着し、穿孔ロール間隔距離調節機構全体をプレスすることができ、そのプレスが信頼でき、プレス機構の柔軟性を高め、そして側面支持機構における支持スクリュ26を回転させることによって、リフトブロック25をロール系ホルダ11の外側壁における裏当板111に当接させて、ロール系ホルダ11を支持し、穿孔ロール6の左右動きを防止する。
【0022】
本発明の圧延ロール調節機構は、従来の構造を用い、その圧延ロール29の偏向角度と径方向の送りの調節方法は、以下のとおりである。第1のサーボ電動シリンダ32は、圧延ロール29へ径方向に移動するように径方向プッシュロッド34を駆動し、径方向プッシュロッド34は、支持ベース36を貫通して圧延ロール29を動かすことで径方向の送りを実現し、圧延ロール29の偏向角度を調節する必要がある時、径方向プッシュロッド34の両側の偏向プッシュロッド39を回動させ、偏向プッシュロッド39は、偏向プッシュブロック37をプッシュして偏向調節板35を偏向させ、偏向調節板35が径方向プッシュロッド34に固定されるため、径方向プッシュロッド34を同期して偏向させ、それによって、圧延ロール29を偏向させる。
【0023】
本発明における中空軸の圧延過程は、以下のとおりである。
【0024】
(1)、フィード段階:被圧延材100を支持溝3上に置き、電動油圧プッシュロッド4のプッシュにより穿孔段階に入り、
(2)、穿孔段階:2つのロールの穿孔過程は、リフトバー2と2つの穿孔ロール6からなり、穿孔ロール6と圧延軸線は、±3~10°偏向し、リフトバー2は、圧延軸線と重なり、リフトバー2のトップは、2つの穿孔ロール6からなる孔状中間位置に置かれ、リフトバー駆動機構により駆動されて適切な位置まで移動し、そしてロック枠44と台座1又は圧延装置における他の部品を固定することによって、リフトバー2がロックされ、2つの穿孔ロール6からなる孔の直径が被圧延材100の直径よりもやや小さく、穿孔過程において、穿孔ロール6は、それ自体軸線周りしか回転せず、被圧延材100は、穿孔ロール6により入れられた後に穿孔ロール6により押圧され、被圧延材100の中心位置は、マンネスマン効果によりポロシティが生じ、リフトバー2は、被圧延材100の中心を貫通して孔を形成し、この過程によって、被圧延材100が塑性変形し、直径が被圧延材100の初期直径よりもやや小さい厚肉中空圧延材を成形し、
(3)、段付き軸成形段階:穿孔段階の進行に伴い、中空圧延材の端部は、四つ爪チャック42によってクランプされ、第2のサーボ電動シリンダ40は、四つ爪チャック42を軸方向に移動させて、中空圧延材の軸方向の送り速度を制御し、同時に圧延軸線120°の周りに均一に分布する3つの圧延ロール29は、第1のサーボ電動シリンダ32の駆動下で中空圧延材の径方向に沿って送って中空段付き軸を成形し、圧延過程において、圧延ロール29は、圧延軸線に対して±3~10°偏向し、圧延ロール29は、それ自体の軸線の周りに回転し、
(4)、抜き段階:圧延完了後、まずロック枠44を緩め、リフトバー2を取り出し、そして四つ爪チャック42を緩め、中空軸の穿孔・傾斜圧延・一体化成形のすべての過程を完成する。
【0025】
本発明の保護範囲は以上の実施形態を含むが、これらに限定されるものではなく、その保護範囲は特許請求の範囲を基準として、本技術に対して行われた、当業者が容易に思いつく代替、変形、改良はすべて本発明の保護範囲に入る。