(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031498
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20250228BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K3/46 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056756
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0111014
(32)【優先日】2023-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 承恩
(72)【発明者】
【氏名】金 起煥
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA43
5E316EE31
5E316GG15
5E316JJ01
5E338AA03
5E338BB01
5E338BB28
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC08
5E338CD32
5E338EE60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャビティをより深く形成可能で、かつ、深さ調節が容易なプリント回路基板を提供する。
【解決手段】本発明は第1絶縁層111と、上記第1絶縁層111に第1面S1に配置された第1配線層121と、上記第1絶縁層111の第2面S2に配置された第2配線層122と、上記第1絶縁層111上に配置された第2絶縁層112と、上記第2絶縁層112の第4面S4に配置された第3配線層123と、上記第1面S1又は第2面S2から上記第1絶縁層111の少なくとも一部を貫通する第1キャビティC1と、上記第2絶縁層112の少なくとも一部を貫通し、上記第1キャビティC1と連結された第2キャビティC2と、を含み、上記第1及び第2キャビティは壁面の傾きが異なり、上記第1キャビティC1の深さは上記第1絶縁層111の厚さより小さく、上記第1及び第2配線層のそれぞれの厚さより大きいことを特徴とする回路基板。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに対向する第1面及び第2面を有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記第1面側に配置された第1配線層と、
前記第1絶縁層の前記第2面側に配置された第2配線層と、
前記第1方向に互いに対向する第3面及び第4面を有し、前記第3面が前記第2面と連結されるように前記第1絶縁層上に配置された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の前記第4面側に配置された第3配線層と、
前記第1方向に前記第1面又は前記第2面から前記第1絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1キャビティと、
前記第1方向に前記第2絶縁層の少なくとも一部を貫通し、前記第1キャビティと連結された第2キャビティと、を含み、
前記第1キャビティ及び前記第2キャビティは壁面の傾きが異なり、
前記第1方向を基準に、前記第1キャビティの深さは前記第1絶縁層の厚さより小さく、前記第1配線層及び前記第2配線層のそれぞれの厚さより大きい、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第2キャビティは、前記第1キャビティより壁面の傾きが大きい、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1キャビティは実質的に垂直な壁面を有し、
前記第2キャビティは、断面上において前記第1キャビティと連結された側における幅が、その反対側における幅より小さいテーパ形状の壁面を有する、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1方向に互いに対向する第5面及び第6面を有し、前記第5面が前記第4面と連結されるように前記第2絶縁層上に配置され、前記第3配線層の少なくとも一部を露出させる開口を有するレジスト層と、
前記第1方向に前記レジスト層の少なくとも一部を貫通し、前記第2キャビティと連結された第3キャビティと、をさらに含み、
前記第2キャビティ及び前記第3キャビティは壁面の傾きが異なる、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1方向に前記第1絶縁層を貫通し、前記第1配線層及び前記第2配線層のそれぞれの少なくとも一部を互いに連結する第1ビア層と、
前記第1方向に前記第2絶縁層を貫通し、前記第2配線層及び前記第3配線層のそれぞれの少なくとも一部を互いに連結する第2ビア層と、
前記第1絶縁層の前記第1面側に配置された複数のビルドアップ絶縁層と、
前記第1方向に前記複数のビルドアップ絶縁層上又は前記複数のビルドアップ絶縁層内にそれぞれ配置され、前記第1配線層を含む複数のビルドアップ配線層と、
前記第1方向に前記複数のビルドアップ絶縁層のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する複数のビルドアップビア層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1キャビティは、前記第1方向に前記第2面から前記第1絶縁層の一部を貫通する、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1方向に前記第1キャビティから前記第1絶縁層の他の一部を貫通し、前記第1キャビティと連結された第4キャビティをさらに含み、
前記第4キャビティは、前記複数のビルドアップ配線層のうち少なくとも一つの少なくとも一部を露出させ、
前記第4キャビティは前記第1キャビティより壁面の傾きが大きい、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1キャビティは実質的に垂直な壁面を有し、
前記第4キャビティは、断面上において前記第1キャビティと連結された側における幅が、その反対側における幅より大きいテーパ形状の壁面を有する、請求項7に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第1キャビティは、前記第1方向に前記第1面から前記第1絶縁層の一部を貫通し、
前記第2キャビティは、前記第1方向に前記第2面から前記第1キャビティまで前記第1絶縁層の他の一部をさらに貫通する、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1方向に前記複数のビルドアップ絶縁層のうち少なくとも一つの少なくとも一部を貫通し、前記第1キャビティと連結された第4キャビティをさらに含み、
前記第4キャビティは、前記複数のビルドアップ配線層のうち少なくとも一つの少なくとも一部を露出させ、
前記第4キャビティは前記第1キャビティより壁面の傾きが大きい、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1キャビティは実質的に垂直な壁面を有し、
前記第4キャビティは、断面上において前記第1キャビティと連結された側における幅が、その反対側における幅より大きいテーパ形状の壁面を有する、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
第1キャビティを有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上面及び下面上にそれぞれ配置された第1配線層及び第2配線層と、
前記第1絶縁層の下面上に配置され、前記第2配線層の少なくとも一部を覆い、前記第1キャビティと連結された第2キャビティを有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の下面上に配置された第3配線層と、を含み、
前記第1キャビティは、前記第1配線層及び前記第2配線層の間のレベルに配置された、プリント回路基板。
【請求項13】
前記第1配線層及び前記第2配線層の間には配線層が配置されない、請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記第2絶縁層の下面上に配置され、前記第3配線層の少なくとも一部を覆い、前記第3配線層の他の少なくとも一部を露出させる開口を有し、前記第2キャビティと連結された第3キャビティを有するレジスト層をさらに含む、請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記第1絶縁層は、前記第1キャビティと連結された第4キャビティをさらに有し、
前記第4キャビティは前記第1配線層及び前記第2配線層の間のレベルに配置され、
前記第4キャビティは前記第1配線層の少なくとも一部を露出させる、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
断面上において、
前記第1キャビティの平均幅は前記第4キャビティの平均幅よりも大きく、
前記第2キャビティの平均幅は前記第1キャビティの平均幅よりも大きく、
前記第3キャビティの平均幅は前記第2キャビティの平均幅よりも大きい、請求項15に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンの性能向上によりパッケージ基板に実装される部品の厚さは増加しているが、セットの厚さは減少又は維持が必要である。そのため、パッケージ基板にかなりの深さのキャビティを形成することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの目的の一つは、キャビティをより深く形成することができるなど、キャビティの深さ調節が容易なプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段の一つは、レーザ加工と金属エッチング方法を共に使用し、互いに連結された複数のキャビティを形成することである。
【0005】
例えば、一例によるプリント回路基板は、第1方向に互いに対向する第1面及び第2面を有する第1絶縁層と、上記第1絶縁層の上記第1面側に配置された第1配線層と、上記第1絶縁層の上記第2面側に配置された第2配線層と、上記第1方向に互いに対向する第3面及び第4面を有し、上記第3面が上記第2面と連結されるように上記第1絶縁層上に配置された第2絶縁層と、上記第2絶縁層の上記第4面側に配置された第3配線層と、上記第1方向に上記第1面又は上記第2面から上記第1絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1キャビティと、上記第1方向に上記第2絶縁層の少なくとも一部を貫通し、上記第1キャビティと連結された第2キャビティと、を含み、上記第1及び第2キャビティは壁面の傾きが異なり、上記第1方向を基準に、上記第1キャビティの深さは上記第1絶縁層の厚さより小さく、上記第1及び第2配線層のそれぞれの厚さより大きいものであってもよい。
【0006】
例えば、一例によるプリント回路基板は、第1キャビティを有する第1絶縁層と、上記第1絶縁層の上面及び下面上にそれぞれ配置された第1及び第2配線層と、上記第1絶縁層の下面上に配置され、上記第2配線層の少なくとも一部を覆い、上記第1キャビティと連結された第2キャビティを有する第2絶縁層と、上記第2絶縁層の下面上に配置された第3配線層と、を含み、上記第1キャビティは、上記第1及び第2配線層の間のレベルに配置され、上記第1及び第2配線層の間には配線層が配置されないものであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な効果のうち、一効果として、キャビティをより深く形成することができるなど、キャビティの深さ調節が容易なプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【
図4】
図3のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【
図5a】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5b】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5c】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5d】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5e】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5f】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5g】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5h】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5i】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図5j】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図6】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図7】
図6のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【
図8a】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8b】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8c】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8d】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8e】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8f】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8g】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8h】
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図9】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図10】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である
【
図11】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0010】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0017】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【0020】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板100Aは、第1方向に互いに対向する第1面S1及び第2面S2を有する第1絶縁層111、第1絶縁層111の第1面S1上に配置された第1配線層121、第1絶縁層111の第2面S2上に配置された第2配線層122、第1方向に互いに対向する第3面S3及び第4面S4を有し、第3面S3が第2面S2と連結されるように第1絶縁層111上に配置された第2絶縁層112、第2絶縁層112の第4面S4上に配置された第3配線層123、第1方向に第2面S2から第1絶縁層111の一部を貫通する第1キャビティC1、及び第1方向に第2絶縁層112を貫通し、第1キャビティC1と連結された第2キャビティC2を含むことができる。第1及び第2キャビティC1、C2は壁面の傾きが異なってもよい。第1方向を基準に、第1キャビティC1の深さは第1絶縁層111の厚さより小さくてもよく、第1及び第2配線層121、122のそれぞれの厚さより大きくてもよい。第1方向に、第1キャビティC1は第1及び第2配線層121、122の間のレベルに配置されてもよく、第1及び第2配線層121、122の間には配線層が配置されなくてもよい。
【0021】
例えば、第1キャビティC1は、第1絶縁層111に埋め込まれた金属のエッチングにより形成されてもよく、第2キャビティC2は、第2絶縁層112にレーザ加工により形成されてもよい。したがって、第1及び第2キャビティC1、C2は、壁面の傾きが互いに異なることができる。例えば、第2キャビティC2は、第1キャビティC1より壁面の傾きが大きくてもよい。例えば、第1キャビティC1は実質的に垂直な壁面を有してもよく、第2キャビティC2は、断面上において第1キャビティC1と連結された側における幅がその反対側における幅より小さいテーパ形状の壁面を有してもよい。この場合、第1及び第2キャビティC1、C2が連結されてキャビティ全体の深さがより深くなることができ、キャビティの深さ調節を容易にすることができる。また、第2キャビティC2は、第1キャビティC1より断面上における平均幅が大きくなることができる。したがって、キャビティの入口がより広くなることができ、その結果、キャビティ内の部品実装などがより容易になり得る。また、第1キャビティC1は、第1及び第2配線層121、122とは別に形成された金属ブロックのエッチングにより形成されることができ、したがって、第1絶縁層111の厚さより薄いが、第1及び2配線層121、122の厚さよりも厚くなることができる。また、第1及び第2配線層121、122の間のレベルに配置されることができる。その結果、第1キャビティC1を有意義な範囲内で様々な厚さを有するように形成することができる。したがって、キャビティの深さ調節がさらに容易になり得る。
【0022】
一方、一例によるプリント回路基板100Aは、第1方向に互いに対向する第5面S5及び第6面S6を有し、第5面S5が第4面S4と連結されるように第2絶縁層112上に配置され、第3配線層123の少なくとも一部を露出させる第1開口h1を有する第1レジスト層141、及び第1方向に第1レジスト層141を貫通し、第2キャビティC2と連結された第3キャビティC3をさらに含むことができる。第2及び第3キャビティC2、C3は壁面の傾きが異なってもよい。例えば、第3キャビティC3は、第2キャビティC2より壁面の傾きが小さくてもよい。例えば、第3キャビティC3は、実質的に垂直な壁面を有してもよく、又は断面上において第2キャビティC2と連結された側における幅が、その反対側における幅より小さいテーパ形状の壁面を有してもよい。この場合、第1~第3キャビティC1、C2、C3が連結されてキャビティ全体の深さがより深くなることができ、キャビティの深さ調節をより容易にすることができる。また、第3キャビティC3は、第2キャビティC2より断面上における平均幅がより大きくなることができる。したがって、キャビティの入口がより広くなることができ、その結果、キャビティ内の部品実装などがより容易になり得る。また、第3キャビティC3を第1及び第2キャビティC1、C2とは別の工程で形成することができるため、キャビティの深さ調節がより容易になり得る。
【0023】
一方、一例によるプリント回路基板100Aは、第1方向に第1絶縁層111を貫通し、第1及び第2配線層121、122のそれぞれの少なくとも一部を互いに連結する第1ビア層131、第1方向に第2絶縁層112を貫通し、第2及び第3配線層122、123のそれぞれの少なくとも一部を互いに連結する第2ビア層132をさらに含むことができる。また、第1絶縁層111の第1面S1側に配置された複数のビルドアップ絶縁層113、第1方向に複数のビルドアップ絶縁層113上又は内にそれぞれ配置され、上述した第1配線層121を含む複数のビルドアップ配線層121、124、及び第1方向に複数のビルドアップ絶縁層113のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する複数のビルドアップビア層133をさらに含むことができる。また、複数のビルドアップ絶縁層113上に配置され、複数のビルドアップ配線層121、124のうち第1方向を基準に最も外側、例えば、最も下側に配置されたビルドアップ配線層124の少なくとも一部を露出させる開口h2を有する第2レジスト層142をさらに含むことができる。このように、一例によるプリント回路基板100Aは、多層コアレス基板の構造を有することができる。第1キャビティC1の底面は、第1絶縁層111の第1面S1と第2面S2との間のレベルに配置されることができる。
【0024】
以下では、図面を参照して一例によるプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0025】
第1及び第2絶縁層111、112と複数のビルドアップ絶縁層113は、それぞれ絶縁物質を含むことができる。絶縁物質は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー、及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁物質はABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、これに限定されるものではなく、それら以外にも、他の高分子素材が用いられてもよい。第1及び第2絶縁層111、112と複数のビルドアップ絶縁層113とは、互いに同じ絶縁物質を含むことができ、又は互いに異なる絶縁物質を含むことができる。これらは互いに境界を有することができ、又は境界が不明瞭なほどに一体化することもできる。第1方向を基準に、第1絶縁層111は第2絶縁層112より厚くてもよいが、これに限定されるものではない。
【0026】
第1~第3配線層121、122、123と複数のビルドアップ配線層121、124はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第3配線層121、122、123と複数のビルドアップ配線層121、124は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第1~第3配線層121、122、123及び複数のビルドアップ配線層121、124は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて、無電解めっき層(又は化学銅)とスパッタリング層の両方を含んでもよい。
【0027】
第1及び第2ビア層131、132と複数のビルドアップビア層133はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1及び第2ビア層131、132と複数のビルドアップビア層133は、それぞれマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを充填するフィルドビア(filled VIA)であってもよく、又はビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)であってもよい。マイクロビアはスタック型(stacked type)及び/又はスタガード型(staggered type)に配置されることができる。第1及び第2ビア層131、132と複数のビルドアップビア層133のマイクロビアは、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第3及び第4ビア層133、134は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されてもよく、両方を含んでもよい。第1及び第2ビア層131、132のそれぞれのマイクロビアは、互いに同じ方向にテーパ形状を有することができる。複数のビルドアップビア層133のそれぞれのマイクロビアは、互いに同じ方向にテーパ形状を有することができる。第1及び第2ビア層131、132及び複数のビルドアップビア層133のそれぞれのマイクロビアは、互いに反対方向にテーパ形状を有することができる。
【0028】
第1及び第2レジスト層141、142は、それぞれ液状又はフィルム型のソルダーレジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、ABF等の他の種類の絶縁材を含むこともできる。第1及び第2レジスト層141、142はそれぞれ第1及び第2開口h1、h2を有することができ、第1及び第2開口h1、h2を介して露出したパターン上には、必要に応じて表面処理層が形成されることができる。
【0029】
図4は、
図3のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0030】
図面を参照すると、変形例によるプリント回路基板100Bは、上述した一例によるプリント回路基板100Aにおいて、第1方向に第1キャビティC1から第1絶縁層111の他の一部を貫通し、第1キャビティC1と連結された第4キャビティC4をさらに含むことができる。第4キャビティC4は、複数のビルドアップ配線層121、124のうち少なくとも一つ、例えば、第1配線層121の少なくとも一部を露出させることができる。第1及び第4キャビティC1、C4は、壁面の傾きが互いに異なってもよい。例えば、第4キャビティC4は、第1キャビティC1より壁面の傾きが大きくてもよい。例えば、第1キャビティC1は実質的に垂直な壁面を有してもよく、第4キャビティC4は断面上において第1キャビティC1と連結された側における幅がその反対側における幅より大きいテーパ形状の壁面を有してもよい。この場合、第1~第4キャビティC1、C2、C3、C4が連結されてキャビティ全体の深さがより深くなることができ、キャビティの深さ調節をより容易にすることができる。また、第1キャビティC1は第4キャビティC4より断面上における平均幅が大きくなることができる。したがって、キャビティが入口に向かうほど、より広くなることができ、その結果、キャビティ内の部品実装などをより容易にすることができる。また、第4キャビティC4を第1キャビティC1とは別の工程で形成することができ、キャビティの深さ調節がより容易になり得る。
【0031】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、これに関する重複説明は省略する。
【0032】
図5a~
図5jは、
図3及び
図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0033】
図5aを参照すると、第1方向を基準に、デタッチキャリア310の両面に金属ブロック320を形成する。デタッチキャリア310の両面には銅箔が配置されることができ、金属ブロック320は、銅箔をシード層として用いて、例えば、電解めっきで形成されることができる。
【0034】
図5bを参照すると、デタッチキャリア310の両面に金属ブロック320を埋め込む第1絶縁層111を形成する。第1絶縁層111は、金属ブロック320より厚く形成することができる。第1絶縁層111はラミネーション工程で形成することができる。また、第1絶縁層111上にめっき工程で第1配線層121を形成する。例えば、AP(Additive Process)、SAP(Semi AP)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いて形成することができる。
【0035】
図5cを参照すると、第1絶縁層111上に複数のビルドアップ絶縁層113と複数のビルドアップ配線層121、124と複数のビルドアップビア層133とを形成する。ビルドアップ絶縁層113と複数のビルドアップ配線層121、124と複数のビルドアップビア層133は、ビルドアップ工程で形成することができる。ビルドアップ絶縁層113はラミネーション工程で形成することができる。複数のビルドアップ配線層121、124と複数のビルドアップビア層133はめっき工程で形成することができ、このとき、ビアホール加工はレーザドリルや機械的ドリルを用いることができる。
【0036】
図5dを参照すると、デタッチキャリア310から製造された積層体を分離する。このとき、積層体には、必要に応じてデタッチキャリア310の銅箔が残存することができる。
【0037】
図5eを参照すると、ビルドアップ工程をさらに行い、第1絶縁層111に第2配線層122と第1ビア層131を形成する。また、積層体の最も外側にビルドアップ配線層124とビルドアップビア層133をさらに形成する。
【0038】
図5fを参照すると、ビルドアップ工程をさらに行い、第1絶縁層111上に第2絶縁層112を形成する。また、第2絶縁層112に第3配線層123と第2ビア層132を形成する。
【0039】
図5gを参照すると、積層体の両面に第1及び第2レジスト層141、142を形成する。第1及び第2レジスト層141、142は、コーティングやラミネーションで形成することができる。次に、第1及び第2レジスト層141、142に第1及び第2開口h1、h2と第3キャビティC3を形成する。第1及び第2開口h1、h2と第3キャビティC3はそれぞれレーザ加工により形成することができるが、これに限定されるものではなく、エッチング方法など他の方法を用いても構わない。
【0040】
図5hを参照すると、第2絶縁層112に第2キャビティC2を形成する。第2キャビティC2はレーザ加工により形成することができる。例えば、第2キャビティC2は、第3キャビティC3から露出した第2絶縁層112をレーザで加工して形成することができ、第1絶縁層111に埋め込まれた金属ブロック320を露出させることができる。
【0041】
図5iを参照すると、第1絶縁層111に第1キャビティC1を形成する。第1キャビティC1は、金属ブロック320をエッチングにより除去して形成することができる。一連の過程を通じて、上述した一例によるプリント回路基板100Aを製造することができる。
【0042】
図5jを参照すると、第1絶縁層111に第4キャビティC4を形成する。第4キャビティC4はレーザ加工により形成することができる。例えば、第4キャビティC4は、第1~第3キャビティC1、C2、C3から露出した第1絶縁層111をレーザで加工して形成することができ、第1配線層121の一部を露出させることができる。一連の過程を通じて、上述した変形例によるプリント回路基板100Bを製造することができる。
【0043】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100A及びその変形例によるプリント回路基板100Bで説明したものと実質的に同一であるため、これに関する重複説明は省略する。
【0044】
図6は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0045】
図面を参照すると、他の一例によるプリント回路基板100Cは、上述した一例によるプリント回路基板100Aにおいて、第1~第3配線層121、122、123と第1及び第2キャビティC1、C2が異なる形態を有することができる。例えば、第1配線層121は、第1絶縁層111の第1面S1側に埋め込まれてもよく、第2配線層122は、第1絶縁層111の第2面S2上に配置されてもよい。また、第1キャビティC1は、第1方向に、第1面S1から第1絶縁層111の一部を貫通することができ、第2キャビティC2は第1方向に第2絶縁層112を貫通し、第2面S2から第1キャビティC1まで第1絶縁層111の他の一部をさらに貫通し、第1キャビティC1と連結されることができる。ただし、同様に、第1及び第2キャビティC1、C2は壁面の傾きが異なってもよく、第1方向を基準に第1キャビティC1の深さは第1絶縁層111の厚さより小さくてもよく、第1及び第2配線層121、122のそれぞれの厚さよりも大きくてもよい。
【0046】
また、他の一例によるプリント回路基板100Bは、上述した一例によるプリント回路基板100Aにおいて、複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2、113-3と複数のビルドアップ配線層121、124-1、124-2と複数のビルドアップビア層133-1、133-2、133-3が多層コアレス基板の構造ではなく、多層コア基板の構造を有することができる。例えば、複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2、113-3は、中心部にコア絶縁層113-1を含んでもよく、コア絶縁層113-1はCCL(Copper Clad Laminate)や他のコア絶縁材で形成されてもよい。第1方向を基準に、コア絶縁層113-1は、他のビルドアップ絶縁層113-2、113-3のそれぞれより厚くてもよい。また、複数のビルドアップビア層133-1、133-2、133-3は、コア絶縁層113-1を貫通するコアビア層133-1を含むことができ、コアビア層133-1は貫通ビアを含むことができる。貫通ビアは、貫通孔が上述した金属物質で充填されて形成されるか、又は貫通孔の壁面に上述の金属物質がめっきによりコンフォーマルに形成され、その内部に絶縁材が充填された、PTH(めっきスルーホール、Plated Through Hole)を含むことができる。貫通ビアは断面上において、矩形又は砂時計形状を有することができるが、これに限定されるものではない。第1キャビティC1の底面は、複数のビルドアップ絶縁層113の露出した一面を介して提供されることができる。
【0047】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、これに関する重複説明は省略する。
【0048】
図7は、
図6のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0049】
図面を参照すると、変形例によるプリント回路基板100Dは、上述した他の一例によるプリント回路基板100Cにおいて、第1方向に複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2、113-3のうち少なくとも一つのビルドアップ絶縁層113-2を貫通し、第1キャビティC1と連結された第4キャビティC4をさらに含むことができる。第4キャビティC4は、複数のビルドアップ配線層121、124-1、124-2のうち少なくとも一つのビルドアップ配線層124-1の少なくとも一部を露出させることができる。第1及び第4キャビティC1、C4は、壁面の傾きが互いに異なってもよい。例えば、第4キャビティC4は、第1キャビティC1より壁面の傾きが大きくてもよい。例えば、第1キャビティC1は実質的に垂直な壁面を有してもよく、第4キャビティC4は断面上において第1キャビティC1と連結された側における幅がその反対側における幅より大きいテーパ形状の壁面を有してもよい。
【0050】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100A及びその変形例によるプリント回路基板100Bと、上述した他の一例によるプリント回路基板100Cで説明したものと実質的に同一であるため、これに関する重複説明は省略する。
【0051】
図8a~
図8hは、
図6及び
図7のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0052】
図8aを参照すると、コア絶縁層113-1を基準に、両面ビルドアップ工程を行って複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2と複数のビルドアップ配線層121、124-1と複数のビルドアップビア層133-1、133-2とを含む多層コア基板構造の積層体を形成する。また、第1方向を基準に、複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2のうち最も外側、例えば、最も上側に配置されたビルドアップ絶縁層113-2上にめっき工程で第1金属ブロック321を形成する。
【0053】
図8bを参照すると、第1金属ブロック321上にめっき工程で第2金属ブロック322をさらに形成し、第1方向を基準に第1配線層121より厚い金属ブロック320を形成する。
【0054】
図8cを参照すると、ビルドアップ工程で複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2上に金属ブロック320を埋め込む第1絶縁層111を形成する。また、第1絶縁層111に第2配線層122と第1ビア層131を形成する。このとき、反対側にもビルドアップ絶縁層113-3とビルドアップ配線層124-2とビルドアップビア層133-3とをさらに形成する。
【0055】
図8dを参照すると、ビルドアップ工程で第1絶縁層111上に第2絶縁層112を形成する。また、第2絶縁層112に第3配線層123と第2ビア層132を形成する。このとき、反対側にもビルドアップ絶縁層113-3とビルドアップ配線層124-2とビルドアップビア層133-3とをさらに形成する。
【0056】
図8eを参照すると、形成された積層体の両面に第1及び第2レジスト層141、142を形成する。次に、第1及び第2レジスト層141、142に第1及び第2開口h1、h2と第3キャビティC3を形成する。
【0057】
図8fを参照すると、第1及び第2絶縁層111、112に第2キャビティC2を形成する。第2キャビティC2はレーザ加工により形成することができる。例えば、第2キャビティC2は、第3キャビティC3から露出した第2絶縁層112をレーザで加工して形成することができ、第1絶縁層111に埋め込まれた金属ブロック320を露出させることができる。
【0058】
図8gを参照すると、第1絶縁層111に第1キャビティC1を形成する。第1キャビティC1は、金属ブロック320をエッチングにより除去して形成することができる。一連の過程を通じて、上述した他の一例によるプリント回路基板100Cを製造することができる。
【0059】
図8hを参照すると、複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2、113-3のうち少なくとも一つのビルドアップ絶縁層113-2に第4キャビティC4を形成する。第4キャビティC4はレーザ加工により形成することができる。例えば、第4キャビティC4は、複数のビルドアップ絶縁層113-1、113-2、113-3のうち第1~第3キャビティC1、C2、C3から露出した第1方向を基準に最も外側、例えば、最も上側に配置されたビルドアップ絶縁層113-2をレーザで加工して形成することができる。第4キャビティC4は、複数のビルドアップ配線層121、124-1、124-2のうち第1方向を基準に、第1配線層121の次に配置された最も外側、例えば、最も上側のビルドアップ配線層124-1の一部を露出させることができる。一連の過程を通じて、上述した変形例によるプリント回路基板100Dを製造することができる。
【0060】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100A及びその変形例によるプリント回路基板100Bとその製造の一例、並びに、上述した他の一例によるプリント回路基板100C及びその変形例によるプリント回路基板100Dで説明したものと実質的に同一であるため、これに関する重複説明は省略する。
【0061】
図9~
図11は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【0062】
図9を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板100Eは、電子部品210が実装されたパッケージオンパッケージ構造を有することができる。例えば、第1方向を基準に、第1パッケージ基板100-1上に第2パッケージ基板100-2が配置されることができ、第1及び第2パッケージ基板100-1、100-2の間に電子部品210が配置されることができ、第1及び第2パッケージ基板100-1、100-2が第1電気連結金属221を介して連結されることができ、電子部品210が第2電気連結金属222を介して第1パッケージ基板100-1に実装されることができ、電子部品210の少なくとも一部が第2パッケージ基板100-2のキャビティCに配置されることができ、第1パッケージ基板100-1の下側には第3電気連結金属223が取り付けられることができる。第1パッケージ基板100-1は、コア型又はコアレス型の多層プリント回路基板であってもよい。第2パッケージ基板100-2は、上述した一例によるプリント回路基板100Aであってもよいが、ビルドアップ絶縁層113とビルドアップ配線層121、124とビルドアップビア層133の層数がより少なくてもよい。必要に応じて、第2パッケージ基板100-2として、上述したプリント回路基板100B、100C、100Dを適宜変形して適用することができる。電子部品210は、能動部品及び/又は受動部品であってもよく、好ましくは、半導体チップを含んでもよいが、これに限定されるものではない。第1~第3電気連結金属221、222、223は半田ボールなどであってもよい。このように、さらに他の一例によるプリント回路基板100Eは、上述した構造のキャビティ加工によって電子部品を実装することにより、モジュールの全厚さを減少させることができる。
【0063】
図10を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板100Fは、パッケージ基板のキャビティに機構物が配置された構造を有することができる。例えば、第3パッケージ基板100-3のキャビティCに、光ケーブルのような機構物230が配置されてもよい。第3パッケージ基板100-3は、上述した他の一例によるプリント回路基板100Cであってもよい。必要に応じて、第3パッケージ基板100-3として、上述したプリント回路基板100A、100B、100Dを適宜変形して適用することができる。このように、さらに他の一例によるプリント回路基板100Fは、パッケージ基板内に光ケーブルのような機構物を配置する場合において、チップと機構物の高さを一致させるために要求される深さの深いキャビティを提供することができる。
【0064】
図11を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板100Gは、パッケージ基板のキャビティに厚い部品が配置された構造を有することができる。例えば、第4パッケージ基板100-4は、キャビティCにパワーインダクタなどのような厚い部品250が半田などを含む第4電気連結金属224を介して配置されてもよい。第4パッケージ基板100-4は、上述した変形例によるプリント回路基板100Dであってもよい。必要に応じて、第4パッケージ基板100-4として、上述したプリント回路基板100A、100B、100Cを適宜変形して適用することができる。このように、さらに他の一例によるプリント回路基板100Gは、パッケージ基板にパワーインダクタのような厚い部品を配置するために要求される深い深さのキャビティを提供することができる。
【0065】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100A及びその変形例によるプリント回路基板100B、並びに、上述した他の一例によるプリント回路基板100C及びその変形例によるプリント回路基板100Dで説明したものと実質的に同一であるため、これに関する重複説明は省略する。
【0066】
本発明において、壁面の傾きは、第1方向と垂直な第2方向を基準に、各キャビティの内部で測定された壁面の角度を測定することで比較することができる。
【0067】
本発明において、「覆う」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、概ね充填する場合を含むことができ、例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0068】
本発明において、「断面上」の意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、「平面上」の意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0069】
本発明において、「厚さ、幅、長さ、深さ」などは、それぞれプリント回路基板を研磨又は切断した断面を基準に、走査顕微鏡や光学顕微鏡などで測定することができる。切断断面は垂直断面又は水平断面であることができ、必要な切断断面を基準に、それぞれの数値を測定することができる。数値が一定でない場合には、任意の5点で測定した値の平均値で数値を決定することができる。ビアやキャビティの上側及び/又は下側の幅は、基板の厚さ方向にビアやキャビティの中心軸を切った断面上で測定することができる。ビアやキャビティの深さは、基板の厚さ方向に各対象の中心軸を切った断面上において、各対象の上端部から下端部までの距離で測定することができる。ビアやキャビティの平均幅は、上側の幅及び下側の幅を測定した値の平均値で数値を決定することができる。
【0070】
本発明において、「下側、下部」などは便宜上、図面の断面を基準に、第1方向において下方向を意味するものとして使用し、「上側、上部」などは第1方向において上方向を意味するものとして使用している。また、「側部」などは第2方向を意味するものとして使用している。なお、厚さ方向は「下側、下部、上側、上部」などと同様に、図面の断面を基準にして第1方向を意味するものとして使用している。ただし、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲はこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0071】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0072】
本発明で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0073】
本発明で使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0074】
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラ
1060:アンテナ
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:マザーボード
1120:部品
1121:部品パッケージ
1130:カメラモジュール
1140:スピーカ
100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G:プリント回路基板
100-1、100-2、100-3、100-4:パッケージ基板
111、112、113、113-1、113-2、113-3:絶縁層
121、122、123、124、124-1、124-2:配線層
131、132、133、133-1、133-2、133-3:ビア層
141、142:レジスト層
C、C1、C2、C3、C4:キャビティ
210:電子部品
221、222、223:電気連結金属
230:機構物
250:部品
310:デタッチキャリア
320:金属ブロック