(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031504
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20250228BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
H01F27/29 125
H01F27/29 P
H01F17/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066746
(22)【出願日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0109908
(32)【優先日】2023-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ジン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、スーン クワン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン フワン
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ビョン チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウム セオック
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070BB03
5E070CB01
5E070EA02
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】振動又は外部からの衝撃にもかかわらず、コイル部品内においてコイルと外部電極との間の連結信頼性を維持することができ、電極部が折り曲げられて本体を覆う構造により、電極部と本体との間の物理的結合力を強化させることができるコイル部品を提供する。
【解決手段】本発明の一側面によるコイル部品は、第1方向に対向する第1面と第2面、及び上記第1面と第2面とを連結する第3面を含む本体、上記本体内に配置される支持部材、上記支持部材に配置され、少なくとも一つのターンを有するコイルパターン及び上記コイルパターンの外側端部から上記第1面又は第2面に延長する引出部を含むコイル、及び上記引出部から上記本体の外側に延長して上記本体上に配置され、上記引出部の平均厚さよりも薄い平均厚さを有する電極部を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向する第1面と第2面、及び前記第1面と第2面とを連結する第3面を含む本体と、
前記本体内に配置される支持部材と、
前記支持部材に配置され、少なくとも一つのターンを有するコイルパターン及び前記コイルパターンの外側端部から前記第1面又は第2面に延長する引出部を含むコイルと、
前記引出部から前記本体の外側に延長して前記本体上に配置され、前記引出部の平均厚さよりも薄い平均厚さを有する電極部と、を含む、コイル部品。
【請求項2】
前記電極部は前記引出部と一体に形成される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記電極部は、
前記引出部と直接連結されて前記第1面又は第2面に配置される延長部、及び前記第3面に配置されるパッド部を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記延長部は、前記引出部と接する領域で前記第3面に向かって折り曲げられた折り曲げ部を含み、
前記折り曲げ部の外側面は曲面を含む、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記延長部は前記第1方向と垂直な第2方向に沿った幅が一定である、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記延長部の前記第1方向と垂直な第2方向に沿った幅は、前記パッド部と接する領域で最大である、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記延長部の前記第1方向と垂直な第2方向に沿った幅は、前記パッド部と接する領域で最小である、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記延長部の前記第1方向と垂直な第2方向に沿った幅は、前記延長部の中央領域で最大である、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記パッド部の前記第1方向と垂直な第2方向に沿った幅は、前記第3面の中心に最も近い領域で最大である、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記パッド部の前記第2方向に沿った幅は、前記第3面の中心に近いほど広い、請求項9に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記パッド部の前記第2方向に沿った幅は、前記延長部と接する領域で最小である、請求項9に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記パッド部の外側面に少なくとも一つの溝部が形成される、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記溝部は前記パッド部を貫通する、請求項12に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記パッド部と前記第3面との間に接着層が配置される、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記接着層はエポキシを含む、請求項14に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記接着層は複数の層から形成される、請求項14に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記第3面に絶縁層が配置され、前記絶縁層の少なくとも一部は前記第3面と前記接着層との間に延長する、請求項14に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記電極部は、前記パッド部上に配置される第1金属層をさらに含む、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項19】
前記電極部は、前記第1金属層上に配置される第2金属層をさらに含む、請求項18に記載のコイル部品。
【請求項20】
前記電極部の平均厚さは前記支持部材の平均厚さよりも薄い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項21】
前記コイルパターンは、前記支持部材の一面に配置される第1コイルパターン、及び前記支持部材の他面に配置される第2コイルパターンを含み、
前記引出部は、前記第1コイルパターンから前記第1面に延長する第1引出部、及び前記第2コイルパターンから前記第2面に延長する第2引出部を含み、
前記電極部は、前記第1引出部から延長して前記第1面に配置される第1電極部、及び前記第2引出部から延長して前記第2面に配置される第2電極部を含み、
前記第1電極部及び第2電極部はそれぞれ第3面に延長する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項22】
前記第1電極部は、前記第1引出部と直接連結され、前記第1面に配置される第1延長部、及び前記第3面に配置される第1パッド部を含み、
前記第2電極部は、前記第2引出部と直接連結され、前記第2面に配置される第2延長部、及び前記第3面に配置される第2パッド部を含み、
前記第1引出部と前記第1パッド部との間の前記第1延長部の平均長さは、前記第2引出部と前記第2パッド部との間の前記第2延長部の平均長さと異なる、請求項21に記載のコイル部品。
【請求項23】
前記第1引出部と前記第1パッド部との間の前記第1延長部の平均長さは、前記第2引出部と前記第2パッド部との間の前記第2延長部の平均長さよりも長い、請求項22に記載のコイル部品。
【請求項24】
本体と、
前記本体内に配置され、少なくとも一つのターンを有する第1コイル及び第2コイルと、
前記第1コイルの両端部から前記本体の外側にそれぞれ延長して前記本体上に配置される第1電極部及び第2電極部と、
前記第2コイルの両端部から前記本体の外側にそれぞれ延長して前記本体上に配置される第3電極部及び第4電極部と、を含み、
前記第1電極部及び第2電極部のそれぞれの平均厚さは、前記第1コイルの平均厚さよりも薄く、
前記第3電極部及び第4電極部のそれぞれの平均厚さは、前記第2コイルの平均厚さよりも薄い、コイル部品。
【請求項25】
前記第1コイルと前記第2コイルは互いに離隔し、反対方向に巻回される、請求項24に記載のコイル部品。
【請求項26】
前記第1電極部及び第2電極部は前記第1コイルと一体に形成され、
前記第3電極部及び第4電極部は前記第2コイルと一体に形成される、請求項24に記載のコイル部品。
【請求項27】
前記本体は、第1方向に対向する第1面と第2面、及び前記第1面と第2面とを連結する第3面を含み、
前記第1電極部及び前記第3電極部のそれぞれは、前記第1面に配置されて前記第3面に延長し、
前記第2電極部及び前記第4電極部のそれぞれは、前記第2面に配置されて前記第3面に延長する、請求項24に記載のコイル部品。
【請求項28】
前記第1面に配置される前記第1電極部及び第3電極部のそれぞれの平均長さは互いに異なり、
前記第2面に配置される前記第2電極部及び第4電極部のそれぞれの平均長さは互いに異なる、請求項27に記載のコイル部品。
【請求項29】
前記第1コイルが配置される第1支持部材と、
前記第2コイルが配置される第2支持部材と、のうち少なくとも一つをさらに含む、請求項24に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器がますます高性能化、小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品もその数が増加し、小型化している。
【0004】
一方、支持部材上にコイルをめっき形成する薄膜型コイル部品の場合、小型化に有利であるものの、外部電極とコイルとの間の結合力が低下するという問題があるため、振動や衝撃にもコイルと外部電極との間の連結信頼性を維持することができる構造に対する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態による目的の一つは、振動又は外部からの衝撃にもかかわらず、コイル部品内においてコイルと外部電極との間の連結信頼性を維持することができるコイル部品を提供することである。
【0007】
本発明の実施形態による他の目的の一つは、電極部が折り曲げられて本体を覆う構造により、電極部と本体との間の物理的結合力を強化させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、第1方向に対向する第1面と第2面、及び上記第1面と第2面とを連結する第3面を含む本体、上記本体内に配置される支持部材、上記支持部材に配置され、少なくとも一つのターンを有するコイルパターン及び上記コイルパターンの外側端部から上記第1面又は第2面に延長する引出部を含むコイル、及び上記引出部から上記本体の外側に延長して上記本体上に配置され、上記引出部の平均厚さよりも薄い平均厚さを有する電極部を含むコイル部品を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によると、振動又は外部からの衝撃にもかかわらず、コイル部品内においてコイルと外部電極との間の連結信頼性を維持することができる。
【0010】
本発明の他の側面によると、電極部が折り曲げられて本体を覆う構造により、電極部と本体との間の物理的結合力を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のI-I'線に沿った断面及び左右側拡大図である。
【
図3】
図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態によるコイル部品の第1変形例であって、
図2に対応する図である。
【
図6】本発明の第1実施形態によるコイル部品の第2変形例であって、
図5に対応する図である。
【
図7】本発明の第2実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
【
図9】本発明の第3実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
【
図10】
図9のコイル間の連結関係を示す分解斜視図である。
【
図13】本発明の第1実施形態によるコイル部品のコイル形成段階を概略的に示す工程図である。
【
図14】本発明の第1実施形態によるコイル部品の本体形成段階を概略的に示す工程図である。
【
図15】本発明の第1実施形態によるコイル部品の電極部ベンディング段階を概略的に示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0013】
なお、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在し、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用するものとする。
【0014】
図面に示される各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示されているため、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
【0015】
図面において、L方向は第1方向又は長さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、T方向は第3方向又は厚さ方向と定義することができる。
【0016】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品について添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素に対しては同一の図面番号を付し、これについての重複説明は省略する。
【0017】
電子機器には様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間にはノイズ除去等を目的に様々な種類のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0018】
すなわち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0019】
第1実施形態
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000を概略的に示す斜視図であり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った断面及び左右側拡大図であり、
図3は、
図1のII-II'線に沿った断面を示す図であり、
図4aは、
図1の右側面図であり、
図4b~
図4dは、
図4aの変形例である。
【0021】
一方、構成要素間の結合をより明確に示すために、本実施形態に適用できる本体100上の絶縁層は省略して示している。
【0022】
図1~
図4dを参照すると、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000は、本体100、支持部材210、コイル300、及び電極部510、520を含むことができる。
【0023】
本実施形態によるコイル部品1000は、別途の外部電極を含まず、コイル300と一体に形成されてコイル300から本体100の外側に延長し、本体100の側面及び下面に沿ってベンディングされる電極部510、520を含むことができる。
【0024】
これにより、別途の外部電極をコイル300と連結する構造と比べて、コイル300と外部電極との間の結合力を向上することができ、電極部510、520が本体100を覆ってベンディングされる構造によって、電極部510、520と本体100との間の物理的結合力も強化することができる。
【0025】
これにより、本実施形態によるコイル部品1000は、外部からの衝撃や振動にもかかわらず、コイル300と電極部510、520との間の連結信頼性が維持されるという効果を有することができる。
【0026】
以下において、本実施形態によるコイル部品1000を構成する主な構成要素について詳細に説明する。
【0027】
本体100は、本実施形態によるコイル部品1000の外観をなして、内部に支持部材210及びコイル300を埋設する。
【0028】
本体100は、全体として六面体の形状に形成されることができる。
【0029】
本体100は、長さ方向(L、第1方向)に対向する第1面101と第2面102、厚さ方向(T、第3方向)に対向する第3面103と第4面104、幅方向(W、第2方向)に対向する第5面105と第6面106を含む。本体100の第1面101、第2面102、第5面105、及び第6面106のそれぞれは、本体100の第3面103と第4面104とを連結する本体100の壁面に該当する。
【0030】
本体100は、例示的に、電極部510、520を含む本実施形態によるコイル部品1000が、2.5mmの長さ、2.0mmの幅及び0.8mmの厚さを有するか、2.0mmの長さ、1.2mmの幅及び0.6mmの厚さを有するか、1.6mmの長さ、0.8mmの幅、0.6mmの厚さを有するか、1.6mmの長さ、0.8mmの幅、0.4mmの厚さを有するか、1.4mmの長さ、1.2mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、1.0mmの長さ、0.7mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.5mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。一方、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さに関する前述の例示的な数値は、工程誤差を反映していない数値であるため、工程誤差と認められ得る範囲の数値は前述の例示的な数値に該当すると見なされるべきである。
【0031】
上述したコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の長さ方向Lに対向する2つの最外側境界線を長さ方向Lと平行に連結し、厚さ方向Tに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、長さ方向Lと平行な複数の線分は、厚さ方向Tに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0032】
上述したコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の厚さ方向Tに対向する2つの最外側境界線を厚さ方向Tと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、厚さ方向Tと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0033】
上述したコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の厚さ方向Tの中央部における長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の幅方向Wに対向する2つの最外側境界線を幅方向Wと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、幅方向Wと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0034】
あるいは、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さのそれぞれは、マイクロメータ測定法で測定することもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップ(tip)の間に本実施形態によるコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法でコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用することができる。
【0035】
本体100は、磁性物質と樹脂を含むことができる。具体的に、本体100は、磁性物質が樹脂に分散した磁性複合シートを一つ以上積層して形成することができる。ただし、本体100は、磁性物質が樹脂に分散した構造以外に他の構造を有することもできる。例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなっていてもよく、非磁性体からなっていてもよい。
【0036】
磁性物質は、フェライト又は金属磁性粉末であることができる。
【0037】
フェライトは、例として、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうち少なくとも一つ以上であってよい。
【0038】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されるいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも一つ以上であってよい。
【0039】
金属磁性粉末は非晶質又は結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であってもよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0040】
フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0041】
本体100は、樹脂に分散した2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質の種類が異なるとは、樹脂に分散した磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のうちいずれか一つによって互いに区別されることを意味する。
【0042】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独で又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0043】
本体100は、支持部材210及びコイル300を貫通するコア110を有する。コア110は、磁性複合シートが支持部材210の貫通孔を充填することにより形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0044】
支持部材210は本体100内に配置されることができる。支持部材210は、コイル300を支持する構成である。一方、コイル300が巻線型コイルに該当するか、コアレス(coreless)構造を有する場合など、実施形態によっては支持部材210が除外される場合もある。
【0045】
支持部材210は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材で形成されるか、若しくは、このような絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁資材で形成されることができる。例として、支持部材210は、プリプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)、銅箔積層板(Copper Clad Laminate, CCL)などの資材で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0046】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO3)から構成される群から選択される少なくとも一つ以上を使用することができる。
【0047】
支持部材210が補強材を含む絶縁資材で形成される場合、支持部材210は、より優れた剛性を提供することができる。支持部材210がガラス繊維を含まない絶縁資材で形成される場合、支持部材210とコイル300全体の厚さ(
図1の厚さ方向Tに沿ったコイル300と支持部材210のそれぞれの数値(dimension)の合計を意味する)を薄型化して部品の厚さを減少させるのに有利である。支持部材210が感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材で形成される場合、コイル300を形成するための工程数が減って生産コストの節減に有利であり、微細なビア320を形成することができる。支持部材210の厚さは、例として、10μm以上50μm以下であることができるが、これに制限されるものではない。
【0048】
コイル300は支持部材210に配置される。コイル300は本体100に埋設され、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル300は、電場を磁場として貯蔵して出力電圧を維持することにより、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0049】
コイル300は、支持部材210の対向する両面のうち少なくとも一つに形成され、少なくとも一つのターン(turn)を形成する。本実施形態の場合、コイル300は、コイルパターン311、312、ビア320、及び引出部331、332を含むことができる。
【0050】
また、後述する電極部510、520は、引出部331、332から一体に延長し、引出部331、332よりも薄い厚さで本体100の外側に延長することができる。
【0051】
図1~
図3を参照すると、第1コイルパターン311と第2コイルパターン312のそれぞれは、支持部材210の対向する両面に配置され、本体100のコア110を軸として少なくとも一つのターン(turn)を形成した平面螺旋の形態であることができる。例として、
図1の方向を基準に、第1コイルパターン311は、支持部材210の上面に配置され、コア110を軸として少なくとも一つのターン(turn)を形成する。第2コイルパターン312は、支持部材210の下面に配置され、コア110を軸として少なくとも一つのターン(turn)を形成する。第1及び第2コイルパターン311、312のそれぞれは、引出部331、332と連結される最外側ターン(turn)の端部が本体100の第1面101及び第2面102方向にそれぞれ延長した形態に形成される。
【0052】
図1~
図3を参照すると、引出部331、332は、コイルパターン311、312から本体100の第1面101又は第2面102に延長することができる。
【0053】
具体的に、第1引出部331は、第1コイルパターン311の外側端部から本体100の第1面101に延長し、本体100の外側に延長してベンディングされる第1電極部510と連結されることができる。ただし、第1引出部331と第1電極部510は厚さが互いに異なるだけであって、一体に連なって形成される構造であることができる。
【0054】
同様に、第2引出部332は、第2コイルパターン312の外側端部から本体100の第2面102に延長し、本体100の外側に延長してベンディングされる第2電極部520と連結されることができる。ただし、第2引出部332と第2電極部520は厚さが互いに異なるだけであって、一体に連なって形成される構造であることができる。
【0055】
図3を参照すると、コイル300は、第1コイルパターン311と第2コイルパターン312とを連結するビア320をさらに含むことができる。具体的に、ビア320は、支持部材210を貫通して第1及び第2コイルパターン311、312のそれぞれの最内側ターン(turn)の内側端部を互いに連結することができる。従って、第1電極部510に入力される信号は、第1引出部331、第1コイルパターン311、ビア320、第2コイルパターン312、及び第2引出部332を経て第2電極部520に出力されることができる。このような構造により、コイル300の各構成は、全体として、第1及び第2電極部510、520の間で連結された一つのコイルとして機能することができる。
【0056】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引出部331、332のうち少なくとも一つは、少なくとも一つ以上の導電層を含むことができる。
【0057】
例として、第1コイルパターン311、ビア320、及び第1引出部331を支持部材210の上面(
図1の方向基準)にめっきで形成する場合、第1コイルパターン311、ビア320、及び第1引出部331のそれぞれはシード層と電解めっき層を含むことができる。シード層は、無電解めっき法又はスパッタリングなどの気相蒸着法で形成することができる。シード層及び電解めっき層のそれぞれは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一つの電解めっき層をもう一つの電解めっき層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造に形成してもよく、いずれか一つの電解めっき層の一面にのみもう一つの電解めっき層が積層された形状に形成してもよい。第1コイルパターン311のシード層、ビア320のシード層、及び第1引出部331のシード層は一体に形成され、相互に境界が形成されなくてよいが、これに制限されるものではない。第1コイルパターン311の電解めっき層、ビア320の電解めっき層及び第1引出部331の電解めっき層は一体に形成され、相互に境界が形成されなくてよいが、これに制限されるものではない。
【0058】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引出部331、332のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、又はそれらの合金などの導電性物質を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0059】
また、引出部331、332と一体化された電極部510、520も、上述した導電性物質を含むことができる。
【0060】
図1及び
図2を参照すると、電極部510、520は、引出部331、332から本体100の外側に延長して本体100上に配置され、引出部331、332の平均厚さよりも薄い平均厚さで形成されることができる。
【0061】
引出部331、332は、コイルパターン311、312と実質的に同一の厚さを有するが、引出部331、332と電極部510、520との間には厚さが不連続的に変わる段差領域が形成されることができる。
【0062】
また、電極部510、520の平均厚さは、支持部材210の平均厚さよりも薄く形成されることができる。例として、支持部材210の平均厚さは68μm、電極部510、520の平均厚さは30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0063】
ここで、引出部331、332又は支持部材210の平均厚さとは、例として、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された引出部331、332又は支持部材210の厚さ方向Tに対向する2つの最外側境界線を厚さ方向Tと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、複数の線分は互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0064】
また、電極部510、520の平均厚さとは、例として、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された電極部510、520の長さ方向Lに対向する2つの最外側境界線を長さ方向Lと平行に連結し、厚さ方向Tに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、複数の線分は互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0065】
図2を参照すると、電極部510、520は引出部331、332と一体に形成され、互いの境界が現れなくてよい。すなわち、第1電極部510は第1引出部331と一体に界面なしに形成され、第2電極部520は第2引出部332と一体に界面なしに形成されることができる。
【0066】
図2を参照すると、電極部510、520は、引出部331、332と直接連結され、本体100の第1面101又は第2面102に配置される延長部511、521、及び第3面103に配置されるパッド部512、522を含むことができる。
【0067】
延長部511、521及びパッド部512、522は、互いに一体に形成されて界面なしに連結されることができる。
【0068】
図1及び
図2を参照すると、延長部511、521は、引出部331、332と接する領域において、本体100の第3面103に向かって折り曲げられた折り曲げ部BPを含むことができ、折り曲げ部BPの外側面は曲面を含むことができる。
【0069】
本実施形態の折り曲げ部BPは、電極部510、520が引出部331、332から一体に形成され、下方に折り曲げられて本体100の表面に密着する工程に起因する特徴に該当する。従って、折り曲げ部BPの外側面がラウンド形態に形成されることができる。
【0070】
図2を参照すると、第1延長部511は第1引出部331から本体100の外側に延長し、本体100の第1面101に配置されることができる。
【0071】
同様に、第2延長部521は第2引出部332から本体100の外側に延長し、本体100の第2面102に配置されることができる。
【0072】
図2を参照すると、第1延長部511の平均長さH1は、第2延長部521の平均長さH2と異なるように形成されることができ、第1延長部511の 平均長さH1は、第2延長部521の平均長さH2よりも長く形成されることができる。
【0073】
上記特徴は、各引出部331、332から延長した延長部511、521が下方に向かってベンディングされながら、本体100上に配置されることによる、支持部材210の厚さ及び電極部510、520の厚さの和だけの差に該当することができる。
【0074】
ここで、延長部511、512の平均長さとは、例として、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された延長部511、512の厚さ方向Tに対向する2つの最上端と最下端の境界線を厚さ方向Tと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、複数の線分は互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0075】
【0076】
図4aを参照すると、本実施形態の延長部511、521は、第2方向Wに沿った幅を一定に形成することができる。例として、延長部511、521は、W-Tの断面に基準に矩形の形態を有することができる。
【0077】
ただし、本発明の範囲はこれに制限されるものではなく、延長部511、521の形態は次のように様々に変形することができる。
【0078】
図4bを参照すると、延長部511、521の第2方向Wに沿った幅は、パッド部512、522と接する領域で最大であることができる。例として、延長部511、521は、W-Tの断面を基準に台形の形態を有することができる。
【0079】
または、
図4cを参照すると、延長部511、521の第2方向Wに沿った幅は、パッド部512、522と接する領域で最小であることができる。例として、延長部511、521は、W-Tの断面を基準に逆台形の形態を有することができる。
【0080】
または、
図4dを参照すると、延長部511、521の第2方向Wに沿った幅は、延長部511、521の中央領域で最大であることができる。例として、延長部511、521は、W-Tの断面を基準に六角形の形態を有することができる。
【0081】
図1を参照すると、パッド部512、522の第2方向Wに沿った幅は、本体100の第3面103の中心に最も近い領域で最大であることができる。
【0082】
また、パッド部512、522の第2方向Wに沿った幅は、本体100の第3面103の中心に近いほど徐々に広くなる形態を有することができる。
【0083】
また、パッド部512、522の第2方向Wに沿った幅は、延長部511、512と接する領域で最小になるように形成することができる。
【0084】
電極部510、520の各領域が上述した形態を有することにより、本体100と電極部510、520との間の物理的結合力が強くなることができ、延長部511、512側の幅が狭く形成されることから、プリント回路基板PCBに本実施形態によるコイル部品1000を実装する際に、隣接部品との短絡の危険が減少することができる。
【0085】
一方、
図2を参照すると、電極部510、520は、パッド部512、522上に配置される第1金属層11をさらに含むことができる。例として、第1金属層11はニッケル(Ni)めっき層であることができる。
【0086】
また、電極部510、520は、第1金属層11上に配置される第2金属層22をさらに含むことができる。例として、第2金属層22はスズ(Sn)めっき層であることができる。
【0087】
第1金属層11及び第2金属層22は電解めっきで形成することができるが、これに制限されるものではない。
【0088】
図2及び
図3を参照すると、絶縁膜IFは、コイル300をカバーするようにコイル300と本体100との間に配置される。絶縁膜IFは、支持部材210及びコイル300の表面に沿って形成されることができる。絶縁膜IFは、コイル300を本体100から絶縁させるためのものであって、パリレンなどの公知の絶縁物質を含むことができるが、これに制限されるものではない。絶縁膜IFは気相蒸着などの方法で形成することができるが、これに制限されるものではなく、絶縁フィルムを支持部材210の両面に積層することにより形成することもできる。
【0089】
第1実施形態の変形例
【0090】
図5は、本発明の第1実施形態によるコイル部品の第1変形例1000'であって、
図2に対応する図である。
【0091】
図5と
図2とを比較すると、本体100とパッド部512、522との間に配置される接着層ALをさらに含む点で異なる。
【0092】
従って、本変形例を説明するにあたり、本発明の第1実施形態と異なる接着層ALについてのみ説明することとし、残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明をそのまま適用することができる。
【0093】
図5を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000'は、パッド部512、522と本体100の第3面103との間に配置される接着層ALをさらに含むことができる。
【0094】
接着層ALは、パッド部512、522と本体100との間の結合力を強化させることができる構成であって、エポキシを含むことができる。
【0095】
接着層ALは、金属粒子が含まれた伝導性エポキシであることができるが、これに制限されるものではなく、非伝導性エポキシであってもよい。
【0096】
図5を参照すると、本実施形態の接着層ALは単層で形成されているが、これに制限されるものではなく、複数の層で形成されることができる。
【0097】
接着層ALは、エポキシを含むシート状又はペースト状に形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0098】
本実施形態によるコイル部品1000'は、パッド部512、522と本体100の第3面103との間に配置される接着層ALをさらに含むことにより、衝撃や振動に耐え得る機械的物性を向上することができる。
【0099】
図6は、本発明の第1実施形態によるコイル部品の第2変形例1000''であって、
図5に対応する図である。
【0100】
図6と
図5とを比較すると、本体100の第3面103と接着層ALとの間に配置される絶縁層700をさらに含む点で異なる。
【0101】
従って、本変形例1000''を説明するにあたり、本発明の第1変形例1000'と異なる絶縁層700についてのみ説明することとし、残りの構成については本発明の第1実施形態における説明をそのまま適用することができる。
【0102】
図6を参照すると、絶縁層700は、本体100の第3面103に配置され、絶縁層700の少なくとも一部は本体100の第3面103と接着層ALとの間に延長するように配置されることができる。
【0103】
すなわち、
図6には、絶縁層700が本体100の第3面103全体をカバーする形態で示されているが、これに制限されるものではなく、本体100の第3面103と接着層ALとの間に絶縁層700の一部が延長し、接着層ALの一部の領域と絶縁層700とが重なる形態を有することができる。
【0104】
絶縁層700は、例として、絶縁樹脂が含まれた材料を本体100の表面に塗布及び硬化して形成されたものであることができる。この場合、絶縁層700は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系等の熱硬化性樹脂及び感光性絶縁樹脂のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0105】
本実施形態によるコイル部品1000''は、パッド部512、522の間から本体100の表面に沿ってリーク電流(Leakage current)が発生する危険を減少させることができる。
【0106】
また、本体100と接着層ALとの間に絶縁層700が介在することにより、本体100に直接接着層ALが配置される場合に比べて結合力を強化することができる。
【0107】
第2実施形態
【0108】
図7は、本発明の第2実施形態によるコイル部品2000を概略的に示す斜視図である。
【0109】
図7と
図1とを比較すると、本実施形態によるコイル部品2000は、パッド部512、522の形状が第1実施形態と異なる。
【0110】
従って、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とパッド部512、522の形状についてのみ説明することとし、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明をそのまま適用することができる。
【0111】
図7を参照すると、本実施形態によるコイル部品2000のパッド部512、522は、第2方向Wに沿った幅を一定に形成することができ、本体100の幅と同様に形成することができる。
【0112】
その結果、本実施形態によるコイル部品2000のパッド部512、522は、第1実施形態よりも広い面積を有することができ、これにより、電極部510、520が本体100を覆う面積も広くなるため、電極部510、520と本体100との間の物理的結合力をさらに強化することができる。
【0113】
また、本実施形態によるコイル部品2000は、広い面積のパッド部512、522により、プリント回路基板PCBにコイル部品2000を実装する際に、パッド部512、522で発生する直流抵抗Rdcを低減することができる。
【0114】
また、多数のコイル300が連結されたコイルバー(coil bar)の状態で電極部510、520を形成する際に、電極部510、520のデザイン工程をより単純化することができる。
【0115】
【0116】
図8aを参照すると、本実施形態のパッド部512、522は、外側面が全体的に平たい形態であることができる。
【0117】
ただし、本発明の範囲はこれに制限されるものではなく、パッド部512、522は、外側面に少なくとも一つの溝部GPが形成されることができ、溝部GPは、次のように様々な形態に変形することができる。
【0118】
図8bを参照すると、溝部GPは、L-Wの断面を基準に円形の形態を有することができる。
【0119】
また、
図8cを参照すると、溝部GPは、L-Wの断面を基準に四角形の形態を有することができる。
【0120】
また、
図8dを参照すると、溝部GPは、L-Wの断面を基準に菱形の形態を有することができる。
【0121】
また、
図8eを参照すると、溝部GPは、L-Wの断面を基準に第2方向に沿った直線の形態を有することができる。
【0122】
溝部GPは、パンチングによって形成されてパッド部512、522を貫通することができるが、これに制限されるものではなく、パッド部512、522を貫通することなく溝部GP領域が陥没した形態に形成されることができる。
【0123】
本実施形態及び変形例のように、パッド部512、522が少なくとも一つの溝部GPを有する場合、パッド部512、522の外側面の表面積が広くなることができるため、プリント回路基板PCBに実装する際に結合力を強化することができる。
【0124】
また、溝部GPがパッド部512、522を貫通するように形成する場合、プリント回路基板PCBに実装する際にソルダー等の結合部材が満たされることができるため、結合力強化及び部品回転防止等の効果を有することができる。
【0125】
第3実施形態
【0126】
図9は、本発明の第3実施形態によるコイル部品3000を概略的に示す斜視図であり、
図10は、
図9のコイル300、400間の連結関係を示す分解斜視図であり、
図11は、
図9の左側面図であり、
図12は、
図9の右側面図である。
【0127】
図9と
図1とを比較すると、コイル300、400、支持部材210、220、及び電極部510、520、530、540の構成が異なる。すなわち、本実施形態によるコイル部品3000は、第2コイル400、第2支持部材220、第3電極部530及び第4電極部540をさらに含むことができる。
【0128】
従って、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態と異なる第2コイル400、第2支持部材220、第3電極部530及び第4電極部540、並びにこれらの構成間の連結関係についてのみ説明することとし、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明をそのまま適用することができる。
【0129】
図9及び
図10を参照すると、本実施形態によるコイル部品3000は、通電時に磁気的に結合され得る第1コイル300及び第2コイル400を含むことができる。
【0130】
第1コイル300及び第2コイル400の間の間隔によって結合係数kの大きさを調節することができ、第1コイル300及び第2コイル400の巻回方向によって相互インダクタンスの符号を決定することができる。
【0131】
本実施形態によるコイル部品3000の場合、第1コイル300及び第2コイル400が互いに反対方向に巻回されているが、これに制限されるものではなく、互いに同一方向に巻回されてもよい。
【0132】
図9及び
図10を参照すると、第1支持部材210の両面に、それぞれ第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312が配置されることができ、第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312は、第1支持部材210を貫通する第1ビア320によって連結されることができる。
【0133】
同様に、第2支持部材220の両面に、それぞれ第3コイルパターン411及び第4コイルパターン412が配置されることができ、第3コイルパターン411及び第4コイルパターン412は、第2支持部材220を貫通する第2ビア420によって連結されることができる。
【0134】
第1~第4電極部510、520、530、540は、それぞれ、第1~第4引出部331、332、431、432から本体100の外側に延長して本体100の第3面103に向かってベンディングされることができる。
【0135】
図11及び
図12を参照すると、本実施形態によるコイル部品3000の電極部510、520、530、540のそれぞれは、延長部511、521、531、541及びパッド部512、522、532、542を含むことができるが、第1~第4延長部511、521、531、541のそれぞれの平均長さは互いに異なるように形成されることができる。
【0136】
具体的に、
図11に示す第1延長部511の平均長さH31は、第3延長部531の平均長さH33よりも長く形成されることができる。
【0137】
また、
図12に示す第2延長部521の平均長さH32は、第4延長部541の平均長さH34よりも長く形成されることができる。
【0138】
また、
図9~
図12を参照すると、第1~第4延長部511、521、531、541のそれぞれの平均長さH31、H32、H33、H34は、H31>H32>H33>H34を満たすように形成されることができる。
【0139】
コイル部品の製造工程
【0140】
図13~
図15は、本発明の第1実施形態によるコイル部品の段階別の製造工程を概略的に示す工程図であって、
図13は、本発明の第1実施形態によるコイル部品のコイル形成段階を概略的に示す工程図であり、
図14は、本発明の第1実施形態によるコイル部品の本体形成段階を概略的に示す工程図であり、
図15は、本発明の第1実施形態によるコイル部品の電極部ベンディング段階を概略的に示す工程図である。
【0141】
本実施形態による工程は、複数のコイル300が連結されたコイルバー(coil bar)の状態で行われ、電極部510、520のベンディング工程は、ダイシング後に個別部品単位で行われることができる。
【0142】
図13を参照すると、まず、支持部材210の両面に一次めっきを通じて、電極部510、520の厚さに薄いコイル300P及び電極部510、520を形成することができる。
【0143】
次に、電極部510、520領域にのみめっきレジストを配置した後、二次めっきを通じて、コイルパターンのみを所望の厚さに成長させることができる。
【0144】
次に、ダムマスキングの役割を果たしためっきレジストを除去すると、コイル300及び薄い厚さの電極部510、520が一体化した構造を実現することができる。
【0145】
図14を参照すると、
図13で実現されたコイル300及び電極部510、520の上下にダミー部材DMを配置し、磁性体シートMSを上下方向で圧着及び硬化して本体100を形成することができる。その後、ダイシング工程を通じて個別部品単位で、薄い電極部510、520が露出したコイル部品1000を得ることができる。
【0146】
図15を参照すると、
図10で得られたコイル部品1000の電極部510、520にベンディング部材BMを介して下方に圧力をかけて、電極部510、520を曲げて本体100の側面に密着させることができる。
【0147】
次に、ガイド部材GM上に電極部510、520を配置し、下方に圧力をかけて電極部510、520をもう一度ベンディングすることにより、本体100の下面に密着させることができる。
【0148】
上記製造工程を通じて、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000を実現することができる。
【0149】
以上のように、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更又は削除などにより本発明を様々に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれると言える。
【符号の説明】
【0150】
100 本体
110 コア
210、220 支持部材
300p、300、400 コイル
311、312、411、412 コイルパターン
320、420 ビア
331、332、431、432 引出部
510、520、530、540 電極部
511、521、531、541 延長部
BP 折り曲げ部
512、522、532、542 パッド部
11 第1金属層
22 第2金属層
GP 溝部
AL 接着層
700 絶縁層
IF 絶縁膜
Tc コイルの厚さ
Te 電極部の厚さ
H1、H2、H31、H32、H33、H34 延長部の長さ
PR めっきレジスト
MS 磁性シート
DM ダミー部材
BM ベンディング部材
GM ガイド部材
1000、1000'、1000''、2000、3000 コイル部品