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特開2025-31587情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031587
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20250228BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024127743
(22)【出願日】2024-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2023136096
(32)【優先日】2023-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】特定分野に特化した言語モデルを有効に活用すること。
【解決手段】実施形態に係る情報提供装置は、討論部およびジャッジ部を有する。討論部は、法律案件に関するデータベースに格納されたデータを学習して生成された言語モデルであって、入力されたプロンプトに対する回答を生成する言語モデルに設定されたそれぞれ異なる主張を行う複数の弁護士アカウントによって法律案件に関する討論を行う。ジャッジ部は、言語モデルに設定されたジャッジ用アカウントによって、討論部による討論結果に基づいて主張の優劣をジャッジする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
法律案件に関するデータベースに格納されたデータを学習して生成された言語モデルであって、入力されたプロンプトに対する回答を生成する言語モデルに設定されたそれぞれ異なる主張を行う複数の弁護士アカウントによって法律案件に関する討論を行う討論部と、
前記言語モデルに設定されたジャッジ用アカウントによって、前記討論部による討論結果に基づいて前記主張の優劣をジャッジするジャッジ部と
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記討論部は、
前記言語モデルに設定された検察官アカウントを含めて前記討論を行う
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記ジャッジ部は、
前記データベースに格納された関連する法律または、過去の判例を参照してジャッジする
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記討論部は、
クライアント企業による訴訟の要否について討論する
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記討論部は、
クライアント企業と他の企業との間で想定される訴訟の内容および訴訟を回避または勝訴するための契約内容について討論し、
前記ジャッジ部は、
ジャッジ結果に基づいて契約内容の草案を作成する
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、
法律案件に関するデータベースに格納されたデータを学習して生成された言語モデルであって、入力されたプロンプトに対する回答を生成する言語モデルに設定されたそれぞれ異なる主張を行う複数の弁護士アカウントによって法律案件に関する討論を行う討論工程と、
前記言語モデルに設定されたジャッジ用アカウントによって、前記討論工程による討論結果に基づいて前記主張の優劣をジャッジするジャッジ工程と
を含む情報提供方法。
【請求項7】
法律案件に関するデータベースに格納されたデータを学習して生成された言語モデルであって、入力されたプロンプトに対する回答を生成する言語モデルに設定されたそれぞれ異なる主張を行う複数の弁護士アカウントによって法律案件に関する討論を行う討論ステップと、
前記言語モデルに設定されたジャッジ用アカウントによって、前記討論ステップによる討論結果に基づいて前記主張の優劣をジャッジするジャッジステップと
をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによって入力された質問文に対する回答文を、言語モデルを用いて生成するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2022-503838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、ニュース記事を基に回答文を生成する一方で、特定分野に特化した言語モデルの活用について考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特定分野に特化した言語モデルを有効に活用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る情報提供装置は、法律案件に関するデータベースに格納されたデータを学習して生成された言語モデルであって、入力されたプロンプトに対する回答を生成する言語モデルに設定されたそれぞれ異なる主張を行う複数の弁護士アカウントによって法律案件に関する討論を行う討論部と、言語モデルに設定されたジャッジ用アカウントによって、討論部による討論結果に基づいて主張の優劣をジャッジするジャッジ部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、特定分野に特化した言語モデルを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報提供装置の概要を説明する図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、情報提供装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1を用いて、実施形態に係る情報提供装置の処理の流れを説明する。図1は、実施形態に係る情報提供装置の概要を説明する図である。図1では、実施形態に係る情報提供装置10を含む情報提供システム1の構成を示している。
【0011】
図1に示すように、情報提供システム1は、情報提供装置10と、法律案件データベース20とを含む。法律案件データベース20は、各種法律に関するデータを格納するデータベースである。例えば、法律案件データベース20は、民事事件や刑事事件に関する各種法律や、過去の判例に関するデータが格納される。
【0012】
情報提供装置10は、法律案件データベース20を含む各装置がプラグイン接続された装置である。各装置は、各種サーバ、車両、スマートフォン等のあらゆる装置を含む、情報提供システム1において、情報提供装置10は、各装置とプラグイン接続されることにより、最高峰の人口知能を実現する。
【0013】
例えば、情報提供システム1において、情報提供装置10と、法律案件データベース20を含む各装置とは、製造メーカが同じ半導体チップが組み込まれる。この半導体チップは、それぞれ自身が機械学習やディープラーニングを行ってもよい。
【0014】
また、情報提供装置10や法律案件データベース20で使用される半導体チップは、それぞれの筐体にあった大きさのチップが使用される。例えば、情報提供装置10のチップサイズをXLサイズと仮定した場合、サーバや車両にはLサイズを使用し、ユーザ端末にはSもしくはMサイズを使用する。また、ユーザ端末よりもさらに筐体サイズが小さい端末については、SSサイズを使用し、SoC(System on a chip)の中に入れてワンチップ化する。なお、XLサイズは、半導体チップの数が200タイル、Lサイズが50タイル、Mサイズが20タイル、Sサイズが10タイル、SSサイズが2タイルであるが、各サイズのタイル数は一例であり、上記に限定されるものではない。もし、ユーザ端末にカメラやマイクといった付属品を付けたい場合は、SoCの中の半導体チップの近くの空いているスペースに半導体チップとは別の付属品専用のチップを設定してもよい。
【0015】
このように、情報提供システム1では、情報提供装置10と接続される各種装置に製造メーカが同じ半導体チップを使用することで、情報提供システム1をセキュアな状態に保つことができる。つまり、情報提供システム1において、ハッキングや、ウィルス感染、ディープフェイクを高精度に回避できるとともに、情報提供装置10および法律案件データベース20を含むデータソース提供元の間におけるプライバシーを確保することができる。
【0016】
本実施形態において、情報提供装置10は、法律案件データベース20から取得したデータソースを基に、モデルの学習を行う。モデルは、言語モデルである。言語モデルとしては、例えばOpenAI社のChatGPTが知られている(参考文献:https://openai.com/blog/chatgpt)。言語モデルは、ニューラルネットワークを利用したGAN(Generative Adversarial Networks)、VAE(Variational Autoencoder)等の言語モデルであってもよい。
【0017】
本実施形態では、言語モデルは、ユーザによって入力された問い合わせのテキスト(以下、プロンプト)に対する回答のテキストを生成する。また、言語モデルは、データソースを用いて事前に学習される。言語モデルの学習は、既知の機械学習の手法によって行われてもよい。
【0018】
これにより、言語モデルは、データソースに基づいた回答を生成することができるようになる。本実施形態において、情報提供装置10は、法律案件データベース20とプラグインを行い(ステップS1)、法律案件データベース20に格納されたデータを基に言語モデルの学習を行う(ステップS2)。
【0019】
このように、情報提供装置10は、法律案件データベース20に格納された各種データを言語モデルに学習させる。これにより、言語モデルは、入力されたプロンプトに対して、学習した法律案件を基に回答を生成することになる。すなわち、情報提供装置10は、法律分野に特化した言語モデルを生成することができる。
【0020】
本実施形態では、法律分野に特化した言語モデルを用い、仮想の法律事務所を設計する。具体的には、本実施形態では、システムプロンプトによって「弁護士A~C」、「検察官」および「ジャッジシステム」のアカウント(役割)を事前に設定する。「弁護士A~C」は、互いに異なる主張を行うアカウントである。「検察官」は、弁護士A~Cによる討論のテーマを決定するアカウントである。なお、「検察官」は、原告役としての役割を担うとともに、原告側の主張を行う役割を担うようにしてもよい。「ジャッジシステム」は、弁護士A~Cの主張の優劣をジャッジするアカウントである。
【0021】
本実施形態では、弁護士A~Cアカウントそれぞれによる主張をプロンプトとして、言語モデルに入力し、他の弁護士アカウントが入力されたプロンプトに対して討論するようにシステムプロンプトとして設定する。
【0022】
このような設定によって、「弁護士A~C」が言語モデルを用いて自発的に討論を行うことが可能となる。例えば、図1に示すように、「検察官」により討論のテーマが設定される(ステップS3)。ここでのテーマは、企業弁護士に対する相談内容が該当する。なお、テーマは、企業が現在抱えている訴訟案件等に関するものであってもよく、架空のものであってもよい。
【0023】
「弁護士A~C」は、「検察官」によって設定されたテーマに沿って討論を行う(ステップS4)。例えば、「弁護士A~C」は、それぞれ異なる主張を行うとともに、その主張をサポートする論理について討論を行う。例えば、「弁護士A~C」は、関連する法律や過去の判例から自身の主張をサポートする論理を展開することで互いに討論を行う。
【0024】
その後、「ジャッジシステム」は、討論の内容に基づいてジャッジを行う(ステップS5)。例えば、「ジャッジシステム」は、討論が煮詰まるなど、所定の終了条件を満たした場合に、どのジャッジシステムの主張が優れているかをジャッジする。例えば、「ジャッジシステム」は、関連法律および過去の判例を照合し、各弁護士による主張の優劣についてジャッジを行う。
【0025】
そして、「ジャッジシステム」は、過去の判例等から、各弁護士の主張および論理についてジャッジを行い、最も優れた主張を選択することになる。このように、情報提供装置10は、法律案件データベース20から取得したデータを基に言語モデルの学習を行う。
【0026】
そして、情報提供装置10は、言語モデルを用いて事前に設定した各アカウントで討論させるとともに、その討論内容から討論の結論を導き出す。例えば、情報提供装置10は、実際の弁護士による討論に比べて、このような討論を何度も行うことが可能となる。例えば、同じテーマの討論を何度も行い、1回の討論の勝者の主張と2回目の討論の勝者の主張とを互いに討論させることも可能である。
【0027】
つまり、情報提供装置10は、このような討論を重ねることにより、各主張をブラッシュアップすることができる。これにより、情報提供装置10は、実際の弁護士に比べて、有意な主張を行うことが可能となる。
【0028】
したがって、実施形態に係る情報提供装置10によれば、特定分野に特化した言語モデルを有効に活用することができる。
【0029】
図2を用いて、情報提供装置10の構成を説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【0030】
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0031】
通信部11は、ネットワークを介して、法律案件データベース20等との間で情報の送受信を行う。
【0032】
記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12には、各種プログラム及び各種データ等が記憶される。記憶部12は、言語モデル情報121を記憶する。
【0033】
言語モデル情報121は、言語モデルに関する情報である。例えば、言語モデル情報121は、言語モデルを構築するためのパラメータに関する情報である。かかるパラメータは、例えばニューラルネットワークの重み及びバイアス等である。
【0034】
制御部13は、コントローラであり、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部13は、取得部31、生成部32、討論部33およびジャッジ部34を有する。
【0035】
取得部31は、データソース提供元からデータを取得する。例えば、取得部31は、法律案件データベース20(図1参照)から法律案件に関するデータを取得する。取得部31は、例えば、法律案件データベース20の更新毎にデータを取得する。
【0036】
生成部32は、言語モデルを生成する。具体的には、生成部32は、法律案件に関するデータソースを基に言語モデルを学習する。また、生成部32は、学習によりモデルのパラメータを更新する。生成部32は、学習のタイミングごとに、モデルを生成し直してもよいし、前回の学習との差分のデータソースをモデルに反映させるようにしてもよい。
【0037】
討論部33は、法律案件に関するデータベースに格納されたデータを学習して生成された言語モデルであって、入力されたプロンプトに対する回答を生成する言語モデルを用い、主張がそれぞれ異なる複数の弁護士アカウントによる討論を行う。
【0038】
まず、討論部33は、言語モデルのシステムプロンプトにより、複数の弁護士アカウント、検察官アカウントおよびジャッジシステムアカウントを生成する。例えば、各弁護士アカウントについては、それぞれ異なる主張を行うように設定し、さらに、自身の主張をサポートするような討論を行うように設定する。
【0039】
検察官アカウントについては、討論のテーマの設定するように設定する。なお、検察官アカウントについては、原告として、各弁護士アカウントと討論を行うようにしてもよい。また、ジャッジシステムアカウントについては、各弁護士アカウントによる討論結果、または、各弁護士アカウントおよび検察官アカウントによる討論結果をジャッジするように設定する。
【0040】
討論部33は、これらのアカウントを設定したうえで、討論のテーマを設定する。例えば、討論のテーマについては、ユーザが任意に設定したものを用いることにしてもよい。例えば、この場合、ユーザが弁護士に依頼する際のデータをテーマとして言語モデルに入力するようにしてもよい。
【0041】
また、討論部33は、ユーザにより設定された相談内容を討論のテーマとすることにしてもよい。例えば、ここでの相談内容は、クライアントである企業が訴訟を行うべきか否かに関する相談や、クライアント企業が有利になる契約書の契約内容についての相談が挙げられる。
【0042】
ジャッジ部34は、言語モデルを用い、討論部33による討論結果に基づいて主張をジャッジする。ジャッジ部34は、ジャッジシステムアカウントに対応する。ジャッジ部34は、弁護士アカウントによる討論が煮詰まった段階で、各弁護士アカウントの主張をジャッジする。
【0043】
例えば、ジャッジ部34は、各弁護士アカウントによるそれぞれの主張を、言語モデルにプロンプトとして入力し、これらの主張のうち、どの主張が優れているかをジャッジする。
【0044】
より詳しくは、ジャッジ部34は、言語モデルにより、関連する法律、および、過去の判例と照らし合わせて、最も優れた主張をジャッジする。また、ジャッジ部34は、討論のテーマが訴訟を行うべきか否かである場合には、各弁護士アカウントによる討論結果からその結論を決定する。
【0045】
また、ジャッジ部34は、討論のテーマが契約書の契約内容である場合には、各弁護士アカウントによる討論結果に基づいて、契約書の草案を決定する。そして、ジャッジ部34による結果は、図示しないユーザのユーザ端末に出力される。
【0046】
次に、図3および図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置10が実行する処理手順について説明する。図3および図4は、実施形態に係る情報提供装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0047】
まず、図3を用いて、言語モデルの生成手順について説明する。図3に示すように、情報提供装置10は、まず、法律案件データベース20から法律案件に関するデータを取得する(ステップS101)。つづいて、情報提供装置10は、法律案件データベース20から取得したデータを基に言語モデルを生成し(ステップS102)、処理を終了する。
【0048】
次に、図4を用いて、言語モデルを用いた討論処理について説明する。図4に示すように、情報提供装置10は、まず、討論のテーマを決定する(ステップS111)。つづいて、情報提供装置10は、各弁護士アカウントによる討論を開始する(ステップS112)。
【0049】
つづいて、情報提供装置10は、各弁護士アカウントによる議論が終了したか否かを判定し(ステップS113)、議論が終了していないと判定した場合(ステップS113;No)、議論終了までステップS113の処理を繰り返し実行する。
【0050】
また、情報提供装置10は、各弁護士アカウントによる議論が終了したと判定した場合(ステップS113;Yes)、討論結果に基づいて各主張をジャッジして(ステップS114)、処理を終了する。
【0051】
本実施形態によれば、法律案件データベース20に格納されたデータを基に学習された言語モデルを用いて仮想の法律事務所を設定することで、特定分野に特化した言語モデルを有効に活用することができる。
【0052】
図5は、情報提供装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0053】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0054】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0055】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0056】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0057】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0058】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0059】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0060】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それによりあらかじめ定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0061】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0062】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0063】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0064】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0065】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0066】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0067】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0068】
1 情報提供システム
10 情報提供装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 法律案件データベース
31 取得部
32 生成部
33 討論部
34 ジャッジ部
121 言語モデル情報
図1
図2
図3
図4
図5