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特開2025-3179脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003179
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 3/04 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
G09B3/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103706
(22)【出願日】2023-06-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】723005849
【氏名又は名称】森 佳三
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】森 佳三
(57)【要約】
【課題】頭とともに指先を使用し高齢者の創造力を向上させて脳を活性化することが可能な脳トレーニング装置を提供する。
【解決手段】この脳トレーニング装置1は、二次元状にマス目3が設けられるようにグリッド4が表示されている脳トレーニングシート2Aを備え、脳トレーニングシート2Aは、複数個のマス目3が塗りつぶされて、一部に欠損部分がある模様3Aaが表示されている。当該該欠損部分に該当する複数個の前記マス目を塗りつぶすようにして脳トレーニングが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている脳トレーニングシートを備え、
該脳トレーニングシートは、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分がある模様、一部に欠損部分がある四則計算の式、又は物の輪郭、が表示されている脳トレーニング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の脳トレーニング装置において、
前記模様は、波形、多角形、又はトランプのマークである脳トレーニング装置。
【請求項3】
請求項1に記載の脳トレーニング装置において、
前記四則計算の式は、右辺の数字、左辺の数字の一部、又は演算子が欠損している脳トレーニング装置。
【請求項4】
請求項1に記載の脳トレーニング装置において、
前記物の輪郭は、顔、生物、又は建物、の輪郭である脳トレーニング装置。
【請求項5】
二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを用い、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分がある模様又は四則計算の式が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該欠損部分に該当する複数個の前記マス目を塗りつぶす補完追加ステップと、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された他の前記脳トレーニングシートを模写しながら該部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす模写追加ステップと、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、前記物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、前記他の前記脳トレーニングシートを模写せずに前記物の輪郭の少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす創作追加ステップと、
前記グリッドのみが表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、自由に複数個のマス目を塗りつぶす自由創作ステップと、
を有する脳トレーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者に特に好適な脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
年少者にとっての学習及び高齢者等にとっての脳トレーニングは、脳を活性化して長く興味を持てるようにすることが大切である。例えば、特許文献1には、問題と選択肢と解答表示欄を表示し、解答表示欄は多数のマス目を有しマス目に選択肢の番号をそれぞれ複数個表示しており、正解の番号のマス目を色塗りするとマス目がその番号を表示するようにした年少者向けの学習書が開示されている。また、特許文献2には、剥離紙上に特徴(色と形)の異なる複数のラベルを有するラベルシートと複数のラベルの特徴を表記した台紙とを備え、ラベルが台紙の該当箇所に貼着されることで完成されるようにした高齢者向けの脳トレーニング用ラベルセットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭53-15828号公報
【特許文献2】特開2017-173712公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら特許文献1の学習書及び特許文献2の脳トレーニング用ラベルセットは、頭とともに指先を使用することで、脳が活性化して長く興味を持てるようにすることが可能である。
【0005】
しかし、特許文献1の学習書は、高齢者の脳トレーニングに用いるには学習の要素が強く適切でない場合も少なくない。また、特許文献1の学習書も特許文献2の脳トレーニング用ラベルセットも正解を選択する内容であり、高齢者の創造力を向上させて脳を活性化する点では不十分と言える。
【0006】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、頭とともに指先を使用し高齢者の創造力を向上させて脳を活性化することが可能な脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の脳トレーニング装置は、二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている脳トレーニングシートを備え、該脳トレーニングシートは、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分がある模様、一部に欠損部分がある四則計算の式、又は物の輪郭、が表示されている。
【0008】
請求項2に記載の脳トレーニング装置は、請求項1に記載の脳トレーニング装置において、前記模様は、波形、多角形、又はトランプのマークである。
【0009】
請求項3に記載の脳トレーニング装置は、請求項1に記載の脳トレーニング装置において、前記四則計算の式は、右辺の数字、左辺の数字の一部、又は演算子が欠損している。
【0010】
請求項4に記載の脳トレーニング装置は、請求項1に記載の脳トレーニング装置において、前記物の輪郭は、顔、生物、又は建物、の輪郭である。
【0011】
請求項5に記載の脳トレーニング方法は、二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを用い、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分がある模様又は四則計算の式が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該欠損部分に該当する複数個の前記マス目を塗りつぶす補完追加ステップと、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された他の前記脳トレーニングシートを模写しながら該部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす模写追加ステップと、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、前記物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、前記他の前記脳トレーニングシートを模写せずに前記物の輪郭の少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす創作追加ステップと、前記グリッドのみが表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、自由に複数個のマス目を塗りつぶす自由創作ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法によれば、頭とともに指先を使用し高齢者を含めた脳トレーニングの実施者の創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある模様が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図2】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある模様が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図3】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある模様が表示された脳トレーニングシートの更なる他の例を示す平面図である。
図4】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある四則計算の式が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図5】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある四則計算の式が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図6A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図6B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図7A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図7B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図8A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの更なる他の例を示す平面図である。
図8B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの更なる他の例を示す平面図である。
図9A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの更に更なる他の例を示す平面図である。
図9B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの更に更なる他の例を示す平面図である。
図10】同上の脳トレーニング装置においてグリッドのみが表示されている脳トレーニングシートを示す平面図である。
図11】本発明の実施形態に係る脳トレーニング方法のフローを示す概念図である。
図12】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図1に対応する例の平面図である。
図13】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図2に対応する例の平面図である。
図14】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図3に対応する例の平面図である。
図15】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図4に対応する例の平面図である。
図16】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図5に対応する例の平面図である。
図17】同上の脳トレーニング方法の創作追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が創作したときの例の平面図である。
図18】同上の脳トレーニング方法の創作追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が創作したときの他の例の平面図である。
図19】同上の脳トレーニング方法の自由創作ステップにおいて脳トレーニングの実施者が創作したときの例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係る脳トレーニング装置1は、脳トレーニングシート2Aと脳トレーニングシート2Bと脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Dを備えている。
【0015】
脳トレーニングシート2A、2B、2C、2Dはそれぞれ、二次元状にマス目3が設けられるようにグリッド4が表示されている。典型的には、脳トレーニングシート2A、2B、2C、2Dは紙であり、グリッド4は紙に印刷されている。
【0016】
脳トレーニングシート2Aは、複数個のマス目3が塗りつぶされており、一部に欠損部分がある模様3Aa又は一部に欠損部分がある四則計算の式3Abが表示されている。模様3Aaと四則計算の式3Abは、紙に印刷されているのが好ましいが、紙に印刷されているグリッド4のマス目3に脳トレーニングのトレーナー(実施者の補助者など)が前もって塗りつぶしたものであってもよい。
【0017】
模様3Aaは、規則性の有る模様である。その一部の欠損部分は、模様3Aa自体に有る不完全部分であってもよいし、規則性に従って延長されるべき模様3Aaの延長されるべき部分であってもよい。具体的には、模様3Aaは、波形、多角形、又はトランプのマーク、などとすることができる。
【0018】
図1図3は、一部に欠損部分がある模様3Aaが表示された脳トレーニングシート2Aの例が示されている。図1は、模様3Aaが波形であり、模様3Aa自体に不完全部分が有る場合である。図2は、模様3Aaが波形であり、模様3Aaが規則性に従って延長されるべき場合である。図3は、模様3Aaがトランプのマークであり、模様3Aa自体に不完全部分が有る場合である。
【0019】
図4及び図5は、一部に欠損部分がある四則計算の式3Abが表示された脳トレーニングシート2Aの例が示されている。図4は、四則計算の式3Abの右辺の数字が欠損している場合と左辺の数字の一部が欠損している場合である。図5は、四則計算の式3Abの演算子が欠損している場合である。
【0020】
脳トレーニングシート2Bは、複数個のマス目3が塗りつぶされており、物の輪郭3Bが表示されている。脳トレーニングシート2Cは、複数個のマス目3が塗りつぶされており、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示されている。脳トレーニングシート2Cは、物の輪郭3Bとその内方の部位の他に外方の部位などが表示されていてもよい。脳トレーニングシート2Cは、脳トレーニングシート2Bの塗りつぶしが残っているマス目3のうちの複数個のマス目3を塗りつぶすときの模写用である。脳トレーニングシート2Bにおける物の輪郭3B及び脳トレーニングシート2Cにおける物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cは、紙に印刷されているのが好ましいが、紙に印刷されているグリッド4のマス目3に脳トレーニングのトレーナー(実施者の補助者など)が前もって塗りつぶしたものであってもよい。
【0021】
物の輪郭3Bは、典型的には、顔、生物、又は建物、の輪郭である。また、物の輪郭3Bは、特定の物の輪郭と認識され得るものであればよい。
【0022】
図6Aは、物の輪郭3Bとして顔の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図6Bは、図6Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。
【0023】
図7Aは、物の輪郭3Bとして生物(具体的には、魚)の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図7Bは、図7Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。図8Aは、物の輪郭3Bとして生物(具体的には、蝶)の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図8Bは、図8Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。
【0024】
図9Aは、物の輪郭3Bとして建物の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図9Bは、図9Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。
【0025】
脳トレーニングシート2Dは、図10に示すように、マス目3が塗りつぶされておらず、つまり、グリッド4のみが表示されている。
【0026】
以上説明した脳トレーニング装置1は、後述する発明の実施形態に係る脳トレーニング方法BTに用いることができる。また、脳トレーニング装置1は、紙に印刷したものを用いればよいので、模様3Aa、四則計算の式3Ab、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cは様々なバリエーションが可能である。
【0027】
また、脳トレーニング装置1は、脳トレーニングシート2A、2B、2C、2Dを液晶表示装置などの表示装置とし、模様3Aa、四則計算の式3Ab、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3C、グリッド4を電気的に表示するようにすることも可能である。
【0028】
次に、発明の実施形態に係る脳トレーニング方法BTについて説明する。脳トレーニング方法BTは、図11に示すように、補完追加ステップBTAと模写追加ステップBTBと創作追加ステップBTCと自由創作ステップBTDを有する。
【0029】
補完追加ステップBTAは、上記の図1図5に示したような脳トレーニングシート2Aにおける上記欠損部分に該当する複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングシート2Aが一部に欠損部分がある模様3Aaならば、脳トレーニングの実施者は、模様3Aaの規則性を認識しながら規則性に従って複数個のマス目3を塗りつぶして模様3Aaを補完する。例えば、図1の場合は図12に示すようなもの、図2の場合は図13に示すようなもの、図3の場合は図14に示すようなもの、となる。
【0030】
また、脳トレーニングシート2Aが一部に欠損部分がある四則計算の式3Abならば、脳トレーニングの実施者は、四則計算の式3Abが成立する理屈を認識しながら理屈に従って複数個のマス目3を塗りつぶして四則計算の式3Abを補完する。例えば、図4の場合は図15に示すようなもの、図5の場合は図16に示すようなもの、となる。
【0031】
こうして、補完追加ステップBTAでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、模様3Aaの規則性の認識又は式3Abが成立する理屈の認識と複数個のマス目3の塗りつぶしにより模様3Aa又は式3Abを補完して創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0032】
模写追加ステップBTBは、上記の図6B図7B図8B図9Bで示したような脳トレーニングシート2Cを模写しながら、上記の図6A図7A図8A図9Aで示したような脳トレーニングシート2Bで物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位3Cに該当する複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングの実施者は、脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Bを最初に又は時々比較して複数個のマス目3を塗りつぶして模写する。ここで、脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Bの間では、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cの角度及び長さが把握し易いので、模写が困難すぎるものではない。
【0033】
こうして、模写追加ステップBTBでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Bの比較と複数個のマス目3の塗りつぶしにより、物の輪郭3Bにその少なくとも内方の部位が追加された形を創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0034】
創作追加ステップBTCは、脳トレーニングシート2Cを模写せずに、上記の図6A図7A図8A図9Aで示したような脳トレーニングシート2Bで物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングの実施者は、物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位を想像しながら複数個のマス目3を塗りつぶして創作する。ここで、脳トレーニングの実施者は、複数個のマス目3を塗りつぶして、例えば、図6Aの場合は、図6Bに類似したものを創作してもよいし、図17に示すように独創性の高い少なくとも内方の部位を創作してもよい。また、例えば、図7Aの場合は、図7Bに類似したものを創作してもよいし、図18に示すように独創性の高い少なくとも内方の部位を創作してもよい。
【0035】
こうして、創作追加ステップBTCでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位の想像と複数個のマス目3の塗りつぶしにより、物の輪郭3Bにその少なくとも内方の部位が追加された形を創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0036】
自由創作ステップBTDは、脳トレーニングシート2Dにおいて自由に何かを創作して複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングの実施者は、自由に何かを想像しながら複数個のマス目3を塗りつぶして創作する。脳トレーニングシート2Dを用いることにより、脳トレーニングの実施者は、思いついたイメージが曖昧な場合でもマス目3を塗りつぶすことによりイメージを形にし易い。例えば、イメージとしてペンギンを思いついた場合、マス目3を塗りつぶすことにより図19に示すようにイメージを形にすることも可能である。
【0037】
こうして、自由創作ステップBTDでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、自由な想像と複数個のマス目3の塗りつぶしにより自由に形を創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0038】
以上説明した脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDは各々単体でトレーニングすることも可能であるが、それらをその順に進めることによって、必要とする創造力(詳細には、オリジナリティの創造力)を徐々に全体的に高度なものとなるようにして、創造力を向上させて脳を活性化することが可能である。
【0039】
また、脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDにおいて脳トレーニングの実施者が最終的に作成したものは、複数個のマス目3を塗りつぶしたものなので、上手下手が分かりにくく、綺麗に見えるので、脳トレーニングの実施者が満足し易くトレーニングが継続し易い。
【0040】
また、脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDはそれぞれ、高齢者に特に有用であるが、年少者等のその他の脳トレーニングの実施者にも有用である。
【0041】
なお、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDのそれぞれは、通常、トレーナが指示し、それらの指示は誰でもができるように指示シートに記載しておくことが好ましい。
【0042】
また、上記のように脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDは各々単体でトレーニングすることが可能であり、その場合は、脳トレーニングシート2Aのみ、脳トレーニングシート2B及び2C、脳トレーニングシート2Bのみ、又は脳トレーニングシート2Dのみ、を用いることになる。
【0043】
以上、本発明の実施形態に係る脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 脳トレーニング装置
2A、2B、2C、2D 脳トレーニングシート
3 マス目
3Aa 模様
3Ab 四則計算の式
3B 物の輪郭
3C 少なくとも内方の部位
4 グリッド
BT 脳トレーニング方法
BTA 補完追加ステップ
BTB 模写追加ステップ
BTC 創作追加ステップ
BTD 自由創作ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを備え、
前記複数個の脳トレーニングシートの一つの第1脳トレーニングシートは、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分があって該欠損部分に該当する複数個の前記マス目が塗りつぶされ得る様又は四則計算の式が表示され、
前記複数個の脳トレーニングシートの一つ第2脳トレーニングシートは、物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示され、
前記複数個の脳トレーニングシートの第3脳トレーニングシートは、前記第2脳トレーニングシートが模写されながら又は模写されずに該第2脳トレーニングシートの前記部位に該当する複数個のマス目が塗りつぶされ得るように、複数個の前記マス目が塗りつぶされて前記第2脳トレーニングシートの前記物の輪郭が表示され、
前記複数個の脳トレーニングシートの第4脳トレーニングシートは、自由に複数個のマス目が塗りつぶされ得るように、前記グリッドのみが表示されている脳トレーニング装置。
【請求項2】
二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを用い、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された他の前記脳トレーニングシートを模写しながら該部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす模写追加ステップと、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、前記物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、前記他の前記脳トレーニングシートを模写せずに前記物の輪郭の少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす創作追加ステップと、
を有する脳トレーニング方法。
【請求項3】
二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを用い、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分がある模様又は四則計算の式が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該欠損部分に該当する複数個の前記マス目を塗りつぶす補完追加ステップと、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された他の前記脳トレーニングシートを模写しながら該部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす模写追加ステップと、
複数個の前記マス目が塗りつぶされて、前記物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、前記他の前記脳トレーニングシートを模写せずに前記物の輪郭の少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす創作追加ステップと、
前記グリッドのみが表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、自由に複数個のマス目を塗りつぶす自由創作ステップと、
を有する脳トレーニング方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者に特に好適な脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
年少者にとっての学習及び高齢者等にとっての脳トレーニングは、脳を活性化して長く興味を持てるようにすることが大切である。例えば、特許文献1には、問題と選択肢と解答表示欄を表示し、解答表示欄は多数のマス目を有しマス目に選択肢の番号をそれぞれ複数個表示しており、正解の番号のマス目を色塗りするとマス目がその番号を表示するようにした年少者向けの学習書が開示されている。また、特許文献2には、剥離紙上に特徴(色と形)の異なる複数のラベルを有するラベルシートと複数のラベルの特徴を表記した台紙とを備え、ラベルが台紙の該当箇所に貼着されることで完成されるようにした高齢者向けの脳トレーニング用ラベルセットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭53-15828号公報
【特許文献2】特開2017-173712公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら特許文献1の学習書及び特許文献2の脳トレーニング用ラベルセットは、頭とともに指先を使用することで、脳が活性化して長く興味を持てるようにすることが可能である。
【0005】
しかし、特許文献1の学習書は、高齢者の脳トレーニングに用いるには学習の要素が強く適切でない場合も少なくない。また、特許文献1の学習書も特許文献2の脳トレーニング用ラベルセットも正解を選択する内容であり、高齢者の創造力を向上させて脳を活性化する点では不十分と言える。
【0006】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、頭とともに指先を使用し高齢者の創造力を向上させて脳を活性化することが可能な脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の脳トレーニング装置は、二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを備え、前記複数個の脳トレーニングシートの一つの第1脳トレーニングシートは、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分があって該欠損部分に該当する複数個の前記マス目が塗りつぶされ得る様又は四則計算の式が表示され、前記複数個の脳トレーニングシートの一つ第2脳トレーニングシートは、物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示され、前記複数個の脳トレーニングシートの第3脳トレーニングシートは、前記第2脳トレーニングシートが模写されながら又は模写されずに該第2脳トレーニングシートの前記部位に該当する複数個のマス目が塗りつぶされ得るように、複数個の前記マス目が塗りつぶされて前記第2脳トレーニングシートの前記物の輪郭が表示され、前記複数個の脳トレーニングシートの第4脳トレーニングシートは、自由に複数個のマス目が塗りつぶされ得るように、前記グリッドのみが表示されている。
【0008】
請求項2に記載の脳トレーニング方法は、二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを用い、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された他の前記脳トレーニングシートを模写しながら該部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす模写追加ステップと、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、前記物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、前記他の前記脳トレーニングシートを模写せずに前記物の輪郭の少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす創作追加ステップと、を有する。
【0009】
請求項に記載の脳トレーニング方法は、二次元状にマス目が設けられるようにグリッドが表示されている複数個の脳トレーニングシートを用い、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、一部に欠損部分がある模様又は四則計算の式が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該欠損部分に該当する複数個の前記マス目を塗りつぶす補完追加ステップと、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、該物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された他の前記脳トレーニングシートを模写しながら該部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす模写追加ステップと、複数個の前記マス目が塗りつぶされて、前記物の輪郭が表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、前記他の前記脳トレーニングシートを模写せずに前記物の輪郭の少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目を塗りつぶす創作追加ステップと、前記グリッドのみが表示された一つの前記脳トレーニングシートにおいて、自由に複数個のマス目を塗りつぶす自由創作ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法によれば、頭とともに指先を使用し高齢者を含めた脳トレーニングの実施者の創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある模様が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図2】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある模様が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図3】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある模様が表示された脳トレーニングシートの更なる他の例を示す平面図である。
図4】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある四則計算の式が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図5】同上の脳トレーニング装置において一部に欠損部分がある四則計算の式が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図6A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図6B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの例を示す平面図である。
図7A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図7B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの他の例を示す平面図である。
図8A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの更なる他の例を示す平面図である。
図8B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの更なる他の例を示す平面図である。
図9A】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭が表示された脳トレーニングシートの更に更なる他の例を示す平面図である。
図9B】同上の脳トレーニング装置において物の輪郭とその少なくとも内方の部位が表示された脳トレーニングシートの更に更なる他の例を示す平面図である。
図10】同上の脳トレーニング装置においてグリッドのみが表示されている脳トレーニングシートを示す平面図である。
図11】本発明の実施形態に係る脳トレーニング方法のフローを示す概念図である。
図12】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図1に対応する例の平面図である。
図13】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図2に対応する例の平面図である。
図14】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図3に対応する例の平面図である。
図15】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図4に対応する例の平面図である。
図16】同上の脳トレーニング方法の補完追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が補完したときの図5に対応する例の平面図である。
図17】同上の脳トレーニング方法の創作追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が創作したときの例の平面図である。
図18】同上の脳トレーニング方法の創作追加ステップにおいて脳トレーニングの実施者が創作したときの他の例の平面図である。
図19】同上の脳トレーニング方法の自由創作ステップにおいて脳トレーニングの実施者が創作したときの例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係る脳トレーニング装置1は、脳トレーニングシート2Aと脳トレーニングシート2Bと脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Dを備えている。
【0013】
脳トレーニングシート2A、2B、2C、2Dはそれぞれ、二次元状にマス目3が設けられるようにグリッド4が表示されている。典型的には、脳トレーニングシート2A、2B、2C、2Dは紙であり、グリッド4は紙に印刷されている。
【0014】
脳トレーニングシート2Aは、複数個のマス目3が塗りつぶされており、一部に欠損部分がある模様3Aa又は一部に欠損部分がある四則計算の式3Abが表示されている。模様3Aaと四則計算の式3Abは、紙に印刷されているのが好ましいが、紙に印刷されているグリッド4のマス目3に脳トレーニングのトレーナー(実施者の補助者など)が前もって塗りつぶしたものであってもよい。
【0015】
模様3Aaは、規則性の有る模様である。その一部の欠損部分は、模様3Aa自体に有る不完全部分であってもよいし、規則性に従って延長されるべき模様3Aaの延長されるべき部分であってもよい。具体的には、模様3Aaは、波形、多角形、又はトランプのマーク、などとすることができる。
【0016】
図1図3は、一部に欠損部分がある模様3Aaが表示された脳トレーニングシート2Aの例が示されている。図1は、模様3Aaが波形であり、模様3Aa自体に不完全部分が有る場合である。図2は、模様3Aaが波形であり、模様3Aaが規則性に従って延長されるべき場合である。図3は、模様3Aaがトランプのマークであり、模様3Aa自体に不完全部分が有る場合である。
【0017】
図4及び図5は、一部に欠損部分がある四則計算の式3Abが表示された脳トレーニングシート2Aの例が示されている。図4は、四則計算の式3Abの右辺の数字が欠損している場合と左辺の数字の一部が欠損している場合である。図5は、四則計算の式3Abの演算子が欠損している場合である。
【0018】
脳トレーニングシート2Bは、複数個のマス目3が塗りつぶされており、物の輪郭3Bが表示されている。脳トレーニングシート2Cは、複数個のマス目3が塗りつぶされており、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示されている。脳トレーニングシート2Cは、物の輪郭3Bとその内方の部位の他に外方の部位などが表示されていてもよい。脳トレーニングシート2Cは、脳トレーニングシート2Bの塗りつぶしが残っているマス目3のうちの複数個のマス目3を塗りつぶすときの模写用である。脳トレーニングシート2Bにおける物の輪郭3B及び脳トレーニングシート2Cにおける物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cは、紙に印刷されているのが好ましいが、紙に印刷されているグリッド4のマス目3に脳トレーニングのトレーナー(実施者の補助者など)が前もって塗りつぶしたものであってもよい。
【0019】
物の輪郭3Bは、典型的には、顔、生物、又は建物、の輪郭である。また、物の輪郭3Bは、特定の物の輪郭と認識され得るものであればよい。
【0020】
図6Aは、物の輪郭3Bとして顔の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図6Bは、図6Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。
【0021】
図7Aは、物の輪郭3Bとして生物(具体的には、魚)の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図7Bは、図7Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。図8Aは、物の輪郭3Bとして生物(具体的には、蝶)の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図8Bは、図8Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。
【0022】
図9Aは、物の輪郭3Bとして建物の輪郭が表示された脳トレーニングシート2Bの例が示されている。図9Bは、図9Aの物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cが表示された脳トレーニングシート2Cの例が示されている。
【0023】
脳トレーニングシート2Dは、図10に示すように、マス目3が塗りつぶされておらず、つまり、グリッド4のみが表示されている。
【0024】
以上説明した脳トレーニング装置1は、後述する発明の実施形態に係る脳トレーニング方法BTに用いることができる。また、脳トレーニング装置1は、紙に印刷したものを用いればよいので、模様3Aa、四則計算の式3Ab、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cは様々なバリエーションが可能である。
【0025】
また、脳トレーニング装置1は、脳トレーニングシート2A、2B、2C、2Dを液晶表示装置などの表示装置とし、模様3Aa、四則計算の式3Ab、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3C、グリッド4を電気的に表示するようにすることも可能である。
【0026】
次に、発明の実施形態に係る脳トレーニング方法BTについて説明する。脳トレーニング方法BTは、図11に示すように、補完追加ステップBTAと模写追加ステップBTBと創作追加ステップBTCと自由創作ステップBTDを有する。
【0027】
補完追加ステップBTAは、上記の図1図5に示したような脳トレーニングシート2Aにおける上記欠損部分に該当する複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングシート2Aが一部に欠損部分がある模様3Aaならば、脳トレーニングの実施者は、模様3Aaの規則性を認識しながら規則性に従って複数個のマス目3を塗りつぶして模様3Aaを補完する。例えば、図1の場合は図12に示すようなもの、図2の場合は図13に示すようなもの、図3の場合は図14に示すようなもの、となる。
【0028】
また、脳トレーニングシート2Aが一部に欠損部分がある四則計算の式3Abならば、脳トレーニングの実施者は、四則計算の式3Abが成立する理屈を認識しながら理屈に従って複数個のマス目3を塗りつぶして四則計算の式3Abを補完する。例えば、図4の場合は図15に示すようなもの、図5の場合は図16に示すようなもの、となる。
【0029】
こうして、補完追加ステップBTAでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、模様3Aaの規則性の認識又は式3Abが成立する理屈の認識と複数個のマス目3の塗りつぶしにより模様3Aa又は式3Abを補完して創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0030】
模写追加ステップBTBは、上記の図6B図7B図8B図9Bで示したような脳トレーニングシート2Cを模写しながら、上記の図6A図7A図8A図9Aで示したような脳トレーニングシート2Bで物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位3Cに該当する複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングの実施者は、脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Bを最初に又は時々比較して複数個のマス目3を塗りつぶして模写する。ここで、脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Bの間では、物の輪郭3Bとその少なくとも内方の部位3Cの角度及び長さが把握し易いので、模写が困難すぎるものではない。
【0031】
こうして、模写追加ステップBTBでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、脳トレーニングシート2Cと脳トレーニングシート2Bの比較と複数個のマス目3の塗りつぶしにより、物の輪郭3Bにその少なくとも内方の部位が追加された形を創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0032】
創作追加ステップBTCは、脳トレーニングシート2Cを模写せずに、上記の図6A図7A図8A図9Aで示したような脳トレーニングシート2Bで物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位に該当する複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングの実施者は、物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位を想像しながら複数個のマス目3を塗りつぶして創作する。ここで、脳トレーニングの実施者は、複数個のマス目3を塗りつぶして、例えば、図6Aの場合は、図6Bに類似したものを創作してもよいし、図17に示すように独創性の高い少なくとも内方の部位を創作してもよい。また、例えば、図7Aの場合は、図7Bに類似したものを創作してもよいし、図18に示すように独創性の高い少なくとも内方の部位を創作してもよい。
【0033】
こうして、創作追加ステップBTCでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、物の輪郭3Bの少なくとも内方の部位の想像と複数個のマス目3の塗りつぶしにより、物の輪郭3Bにその少なくとも内方の部位が追加された形を創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0034】
自由創作ステップBTDは、脳トレーニングシート2Dにおいて自由に何かを創作して複数個のマス目3を塗りつぶすステップである。脳トレーニングの実施者は、自由に何かを想像しながら複数個のマス目3を塗りつぶして創作する。脳トレーニングシート2Dを用いることにより、脳トレーニングの実施者は、思いついたイメージが曖昧な場合でもマス目3を塗りつぶすことによりイメージを形にし易い。例えば、イメージとしてペンギンを思いついた場合、マス目3を塗りつぶすことにより図19に示すようにイメージを形にすることも可能である。
【0035】
こうして、自由創作ステップBTDでは、高齢者などの脳トレーニングの実施者は、自由な想像と複数個のマス目3の塗りつぶしにより自由に形を創造し、頭とともに指先を使用し創造力を向上させて脳を活性化することが可能になる。
【0036】
以上説明した脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDは各々単体でトレーニングすることも可能であるが、それらをその順に進めることによって、必要とする創造力(詳細には、オリジナリティの創造力)を徐々に全体的に高度なものとなるようにして、創造力を向上させて脳を活性化することが可能である。
【0037】
また、脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDにおいて脳トレーニングの実施者が最終的に作成したものは、複数個のマス目3を塗りつぶしたものなので、上手下手が分かりにくく、綺麗に見えるので、脳トレーニングの実施者が満足し易くトレーニングが継続し易い。
【0038】
また、脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDはそれぞれ、高齢者に特に有用であるが、年少者等のその他の脳トレーニングの実施者にも有用である。
【0039】
なお、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDのそれぞれは、通常、トレーナが指示し、それらの指示は誰でもができるように指示シートに記載しておくことが好ましい。
【0040】
また、上記のように脳トレーニング方法BTでは、補完追加ステップBTA、模写追加ステップBTB、創作追加ステップBTC、自由創作ステップBTDは各々単体でトレーニングすることが可能であり、その場合は、脳トレーニングシート2Aのみ、脳トレーニングシート2B及び2C、脳トレーニングシート2Bのみ、又は脳トレーニングシート2Dのみ、を用いることになる。
【0041】
以上、本発明の実施形態に係る脳トレーニング装置及び脳トレーニング方法について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 脳トレーニング装置
2A、2B、2C、2D 脳トレーニングシート
3 マス目
3Aa 模様
3Ab 四則計算の式
3B 物の輪郭
3C 少なくとも内方の部位
4 グリッド
BT 脳トレーニング方法
BTA 補完追加ステップ
BTB 模写追加ステップ
BTC 創作追加ステップ
BTD 自由創作ステップ