(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003191
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103724
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 ヨンソ
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】円滑な荷物の受け渡しを可能にする技術の提供を目的とする。
【解決手段】情報処理装置の制御部は、荷物の配送を受けるユーザと共に移動する第1装置、及び荷物を配送する車両に搭載された第2装置が、所定の距離内に存在することで直接通信可能となる通信を確立した時点の、ユーザの位置情報及び車両の位置情報の少なくとも一方を取得する。情報処理装置の制御部は、ユーザの位置情報及び車両の位置情報の少なくとも一方を参照し、荷物の当初の配送先とは異なる特定地点であって荷物の受け渡しを行う特定地点、及び特定地点における荷物の受け渡し時間を、ユーザ及び車両の搭乗者に提案する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の配送を受けるユーザと共に移動する第1装置、及び前記荷物を配送する車両に搭載された第2装置が、所定の距離内に存在することで直接通信可能となる通信を確立した時点の、前記ユーザの位置情報及び前記車両の位置情報の少なくとも一方を取得することと、
前記ユーザの位置情報及び前記車両の位置情報の少なくとも一方を参照し、前記荷物の当初の配送先とは異なる特定地点であって前記荷物の受け渡しを行う特定地点、及び前記特定地点における前記荷物の受け渡し時間を、前記ユーザ及び前記車両の搭乗者に提案することと、
を実行するように構成された制御部を備える、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、旅客の行先情報を含む旅行情報を受信し、受信した旅行情報に基づき、旅客による収容具への荷物の追加と収容具からの荷物の引取の少なくとも一方を実施可能な中継点が設けられた旅客移動行程及び収容具配送行程を決定する荷物配送支援装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、円滑な荷物の受け渡しを可能にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る情報処理装置は、
荷物の配送を受けるユーザと共に移動する第1装置、及び前記荷物を配送する車両に搭載された第2装置が、所定の距離内に存在することで直接通信可能となる通信を確立した時点の、前記ユーザの位置情報及び前記車両の位置情報の少なくとも一方を取得することと、
前記ユーザの位置情報及び前記車両の位置情報の少なくとも一方を参照し、前記荷物の当初の配送先とは異なる特定地点であって前記荷物の受け渡しを行う特定地点、及び前記特定地点における荷物の受け渡し時間を、前記ユーザ及び前記車両の搭乗者に提案することと、
を実行するように構成された制御部を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示により、円滑な荷物の受け渡しが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、配送システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、ユーザ情報と候補情報とのテーブル構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、配送システムにおける情報処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ユーザが荷物の配送を受ける場合を想定する。このとき、ユーザが荷物の配送先を不在にしている場合がある。そうすると、配送先に荷物が配送されたとしても、ユーザは該荷物を受け取ることができない。一方で、ユーザの荷物の配送途中の車両がユーザに近い位置に存在する場合がある。この場合においては、荷物の配送先ではなく、ユーザと車両との近くの場所で荷物の受け渡しをした方が、円滑な荷物の受け渡しができる。そこで、本開示に係る情報処理装置は、斯様な問題を解決する。
【0009】
本開示に係る情報処理装置の制御部は、第1装置と第2装置とが所定の距離内に存在することで直接通信可能となる通信を確立した時点の、ユーザの位置情報及び車両の位置情
報の少なくとも一方を取得する。ここで、第1装置は、荷物の配送を受けるユーザと共に移動する装置である。また、第2装置は、荷物を配送する車両に搭載された装置である。
【0010】
情報処理装置の制御部は、ユーザの位置情報及び車両の位置情報の少なくとも一方を参照し、荷物の当初の配送先とは異なる特定地点であって荷物の受け渡しを行う特定地点をユーザ及び車両の搭乗者に提案する。また、このとき、制御部は、ユーザの位置情報及び車両の位置情報の少なくとも一方を参照し、特定地点における荷物の受け渡し時間もユーザ及び車両の搭乗者に提案する。
【0011】
以上説明した通り、情報処理装置によって、ユーザと車両とが所定の距離内に存在する場合に特定地点と受け渡し時間とがユーザ及び車両の搭乗者に提案される。これにより、ユーザ及び車両の搭乗者は、特定時間に特定地点で荷物の受け渡しを行うことができる。その結果、円滑な荷物の受け渡しが可能となる。
【0012】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
<実施形態>
(システムの概略)
本開示における配送システム1について、
図1に基づいて説明する。
図1は、配送システム1の概略構成を示す図である。配送システム1は、ユーザ端末100、車載装置200、及び管理サーバ300を含んで構成される。配送システム1においては、ユーザ端末100、車載装置200、及び管理サーバ300がネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)または、携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0014】
(ユーザ端末)
ユーザ端末100は、ユーザ10が使用する携帯情報端末である。ユーザ端末100は、所定の距離内に存在する車載装置と近距離無線通信を行うことができる。ここで、近距離無線通信、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はブルートゥース(登録商標)等による通信である。また、所定の範囲は、例えば、近距離無線通信の通信範囲等である。ユーザ端末100は、所定の距離内に存在する車載装置200と近距離無線通信を行った場合、ユーザ端末100の位置情報(ユーザ10の位置情報)を含む特定情報を管理サーバ300に送信する。ユーザ端末100が送信する特定情報には、ユーザ10を特定するための情報が含まれている。なお、ユーザ端末100はユーザ10と共に移動する装置であればよく、例えば、ユーザ10の車両に搭載された装置であってもよい。
【0015】
(車載装置)
車載装置200は、配送車両20に搭載されている車載装置である。ここで、配送車両20は、ユーザ10に荷物を配送する車両である。車載装置200は、ユーザ端末100と近距離無線通信を行った場合、車載装置200の位置情報(配送車両20の位置情報)を含む特定情報を管理サーバ300に送信する。車載装置200が送信する特定情報には、配送車両20を特定するための情報が含まれている。
【0016】
(管理サーバ)
管理サーバ300は、荷物の配送を管理するサーバである。管理サーバ300はCPU又はGPU等により構成されるプロセッサ310、RAM又はROM等により構成される主記憶部320、EPROM、ハードディスクドライブ、又はリムーバブルメディア等に
より構成される補助記憶部330、およびLANインターフェースボード又は無線通信回路等により構成される通信インタフェース(通信I/F)340を有するコンピュータを含んで構成される。
【0017】
管理サーバ300において、補助記憶部330には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。また、管理サーバ300において、プロセッサ310が、補助記憶部330に記憶されたプログラムを主記憶部320にロードして実行することによって、後述するような各種の機能を実現することができる。ただし、管理サーバ300における一部または全部の機能はASICまたはFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ300は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。また、ユーザ端末100と車載装置200も、同様にコンピュータを含んで構成される。
【0018】
ここで、ユーザ10が荷物の配送先を不在にしている場合がある。そうすると、配送先に荷物が配送されたとしても、ユーザ10は該荷物を受け取ることができない。一方で、ユーザ10の荷物の配送途中の配送車両20がユーザ10の近くに存在する場合がある。このような場合において、ユーザ端末100と車載装置200とが近距離無線通信によって通信を確立することが想定される。また、この場合においては、荷物の配送先ではなく、ユーザ10と配送車両20との近くの場所で荷物の受け渡しをした方が、円滑な荷物の受け渡しができる。
【0019】
そこで、ユーザ端末100と車載装置200とが所定の範囲内に存在していることで近距離無線通信による通信を確立した場合に、管理サーバ300のプロセッサ310は特定情報をユーザ端末100と車載装置200とから受信する。これにより、管理サーバ300は、ユーザ端末100と車載装置200とが近距離無線通信を確立した時点の、ユーザ10の位置情報と配送車両20の位置情報とを取得することができる。このようにして、プロセッサ310は、ユーザ10と配送車両20とが互いに近くに存在している場合の、ユーザ10と配送車両20との位置を把握することができる。
【0020】
プロセッサ310は、ユーザ10の位置情報と配送車両20の位置情報とを参照し、特定地点と受け渡し時間とを決定する。ここで、特定地点は、ユーザ10の荷物の当初の配送先とは異なる地点であって、ユーザ10と配送車両20の搭乗者とが荷物の受け渡しをする地点である。また、受け渡し時間は、特定地点におけるユーザ10の荷物の受け渡しをする時間である。
【0021】
図2は、補助記憶部330に保持されているユーザ情報と候補情報とのテーブル構成の一例を示す図である。ユーザ情報は、荷物の配送を受けるユーザについての情報である。また、候補情報は、ユーザと配送車両20とが荷物の受け渡しを行う地点(特定地点)の候補を示す情報である。特定地点の候補は、例えば、駐車場を有する施設、又は車両を駐車させることが可能な道路上の地点である。
【0022】
図2に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDフィールド、荷物IDフィールド、車両IDフィールド、及び配送先フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザを特定するための識別子(ユーザID)が格納される。荷物IDフィールドには、ユーザに配送する荷物を特定するための識別子(荷物ID)が格納される。車両IDフィールドには、荷物を配送する配送車両を特定するための識別子(車両ID)が格納される。配送先フィールドには、荷物の配送先を示す情報が格納される。プロセッサ310は、ユーザ情報を補助記憶部330から取得することにより、ユーザ10に配送する荷物、該荷物の配送車両、及び該荷物の配送先を把握することができる。
【0023】
また、
図2に示すように、候補情報は、候補地点IDフィールド及び位置フィールドを有する。候補地点IDフィールドには、特定地点の候補となる地点(候補地点)を特定するための識別子(候補地点ID)が格納される。位置フィールドには、候補地点IDに対応する地点の位置を示す情報が格納される。プロセッサ310は、候補情報を補助記憶部330から取得することにより、特定地点の候補となる地点を把握することができる。
【0024】
プロセッサ310は、ユーザ端末100から受信した特定情報から、ユーザ10を特定するための情報(ユーザID)を取得する。また、プロセッサ310は、車載装置200から受信した特定情報から、配送車両20を特定するための情報(車両ID)を取得する。そして、プロセッサ310は、補助記憶部330に保持されているユーザ情報を参照し、ユーザ10に配送される荷物の荷物IDを特定する。また、プロセッサ310は、ユーザ端末100から受信した特定情報からユーザ10の位置情報を取得する。また、プロセッサ310は、車載装置200から受信した特定情報から、配送車両20の位置情報を取得する。
【0025】
そして、プロセッサ310は、ユーザ10の位置情報、配送車両20の位置情報、及び候補情報を参照し、特定地点を決定する。このとき、プロセッサ310は、ユーザ10の位置から候補地点までの距離と、配送車両20の位置から候補地点までの距離の和が最小となる候補地点を特定地点として決定する。また、プロセッサ310は、ユーザ10と配送車両20とが特定地点に到着するまでの時間のうち、遅い方の時間を受け渡し時間として決定する。これにより、ユーザ10又は配送車両20が特定地点に到着した時点で荷物の受け渡しをすることが可能となる。プロセッサ310は、ユーザ端末100と車載装置200とに、特定地点において受け渡し時間にユーザ10の荷物の受け渡しを提案するための提案情報を送信する。
【0026】
なお、プロセッサ310は、特定地点として、ユーザ10の現在位置又は配送車両20の現在位置を特定場所として決定してもよい。この場合において、ユーザ10の現在位置を特定場所とする場合、配送車両20がユーザ10の現在位置に到着する時間が受け渡し時間として決定される。また、配送車両20の現在位置を特定場所とする場合、ユーザ10が配送車両20の現在位置に到着する時間が受け渡し時間として決定される。また、プロセッサ310がユーザ10と配送車両20とが同時に到着できるような地点を特定地点として決定してもよい。
【0027】
(シーケンス図)
次に、配送システム1における情報処理の流れについて、
図3に基づいて説明する。
図3は、配送システム1における情報処理の流れを示すシーケンス図である。ユーザ端末100、車載装置200、及び管理サーバ300が実行する各処理はそれぞれ、ユーザ端末100のプロセッサ、車載装置200のプロセッサ、及びプロセッサ310によって実行される。
【0028】
図3に示すように、ユーザ端末100と車載装置200とが近距離無線通信による通信を確立する(S11)。次に、車載装置200とユーザ端末100とが特定情報を管理サーバ300に送信する(S12、S13)。次に、管理サーバ300がユーザ情報を補助記憶部330から取得する(S14)。次に、管理サーバ300がユーザ情報を参照し、ユーザ10の荷物を特定する(S15)。次に、管理サーバ300が候補情報を補助記憶部330から取得する(S16)。次に、管理サーバ300が候補情報、ユーザ10の位置情報、及び配送車両20の位置情報を参照し、特定地点及び受け渡し時間を決定する(S17)。次に、管理サーバ300が提案情報を車載装置200及びユーザ端末100に送信する(S18、S19)。
【0029】
S18及びS19の処理の後、管理サーバ300は、提案情報に対する回答を示す回答情報をユーザ端末100及び車載装置200から受信してもよい。そして、管理サーバ300は、ユーザ10が特定地点における荷物の受け取りの提案に同意した場合に、特定時点における荷物の受け渡しを指示する情報を車載装置200に送信する。また、管理サーバ300は、ユーザ10及び配送車両20の双方が提案に同意する場合に、特定時点における荷物の受け渡しを指示する情報をユーザ端末100及び車載装置200に送信してもよい。
【0030】
以上説明した通り、配送システム1において、ユーザ10と配送車両20とが所定の距離内に存在する場合に、特定地点と受け渡し時間とがユーザ10及び配送車両20の搭乗者に提案される。これにより、ユーザ10及び配送車両20の搭乗者は、特定時間に特定地点で荷物の受け渡しを行うことができる。その結果、円滑な荷物の受け渡しが可能となる。
【0031】
<その他の実施形態>
上述の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0032】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0033】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、またはブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0034】
1・・配送システム、10・・ユーザ、100・・ユーザ端末、20・・配送車両、200・・車載装置、300・・管理サーバ、310・・プロセッサ、320・・主記憶部、330・・補助記憶部、340・・通信I/F