(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025032101
(43)【公開日】2025-03-11
(54)【発明の名称】皮膚状態を治療するために抗VEGF化合物を適用するためおよびこのような化合物を使用するためのシステム、デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20250304BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/712 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/616 20060101ALI20250304BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20250304BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20250304BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20250304BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20250304BHJP
A61P 17/08 20060101ALI20250304BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20250304BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250304BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20250304BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K39/395 N
A61K31/517
A61K31/712
A61K31/44
A61K31/506
A61K31/5377
A61K31/196
A61K31/616
A61K31/192
A61P17/00
A61P17/02
A61P17/06
A61P17/08
A61P37/06
A61P29/00
A61K9/70 401
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024195186
(22)【出願日】2024-11-07
(62)【分割の表示】P 2021533400の分割
【原出願日】2019-08-23
(31)【優先権主張番号】62/721,656
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505161253
【氏名又は名称】バーンスタイン,エリック,エフ.
(71)【出願人】
【識別番号】521073969
【氏名又は名称】ファム、ランダル
(71)【出願人】
【識別番号】521074508
【氏名又は名称】クープ、デール
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(72)【発明者】
【氏名】バーンスタイン,エリック,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ファム、ランダル
(72)【発明者】
【氏名】クープ、デール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】種々の皮膚状態を治療するための、抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)を皮膚に適用する方法を提供する。
【解決手段】治療有効量の少なくとも1つの抗VEGF含有化合物をマイクロニードルを用いて標的領域の皮膚に局所適用する。抗VEGF含有化合物は、ベバシズマブ、ラニビズマブなどの抗VEGF抗体、ペガプタニブ、イマチニブ、バンデタニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤などから選択される。さらにNSAID、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン硫酸、エラスチン、フィブリリン、ファイブリンまたはそれらの組み合わせから選ばれる少なくとも1つの充填剤を含むことができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症または血管状態の治療方法であって:
治療有効量の少なくとも1つの抗VEGF含有化合物を標的領域の皮膚に局所適用することによって、炎症または血管状態を有する身体の標的領域における炎症を経皮調節することを含む、治療方法。
【請求項2】
抗VEGFが、ヒアルロン酸、ビタミンC、ヒドロキノン、コルチコステロイド、トレチノ
インから選ばれる、皮膚状態を治療するための少なくとも1つの補助剤と混合される、請求項1の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの抗VEGF含有化合物を局所適用することが、経皮パッチ、バンデージ、ペイント、噴霧器、またはそれらの組み合わせを用いて行われる、請求項1の方法。
【請求項4】
治療有効量の少なくとも1つの抗VEGF含有化合物を皮膚の表面に局所適用する前に、標的領域を前処理して該皮膚の表面に影響を与えることをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前処理が、皮膚剥離、アブレイティブフラクショナルリサーフェシング、マイクロニードリング、またはそれらの組み合わせを含む、請求項4の方法。
【請求項6】
抗VEGF化合物が、標的領域の皮膚に局所適用する前に、脂質ベースのナノキャリア、またはポリマーキャリアにカプセル化される、請求項1の方法。
【請求項7】
光、レーザー、超音波、または経時の崩壊によって、少なくとも1つの抗VEGF化合物の持続放出(sustained-release)または時限放出(time-release)を引き起こすようリポソー
ムを誘発することをさらに含む、請求項6の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの抗VEGF含有化合物を、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン硫酸、エラスチン、フィブリリン、ファイブリンから選ばれる少なくとも1つの充填剤と混合することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの抗VEGF化合物を、キャリア分子、細胞外マトリクス分子、水溶性タンパク質、合成化合物、またはそれらの組み合わせから選ばれる持続放出化合物または時限放出化合物と混合することをさらに含む、請求項8の方法。
【請求項10】
水溶性タンパク質がアルブミンまたはプロテオグリカンを含む、請求項9の方法。
【請求項11】
標的領域に抗炎症ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、または両方を投与す
ることをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項12】
抗炎症ステロイドが、アルクロメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、プレドニカルベート、ヒドロコルチゾン、トラムシノロン(tramcinolone)、アセタニド(acetanide)
、ベタメタゾン、クロベタゾール、プロプリオネート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項11の方法。
【請求項13】
NSAIDが、ジクロフェナクアセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセンナトリ
ウムを含む、請求項11の方法。
【請求項14】
抗VEGF化合物がVEGFシグナル伝達の小分子インヒビターを含む、請求項11の方法。
【請求項15】
抗VEGF化合物が、ベバシズマブ、ラニビズマブ、ペガプタニブ、イマチニブ、バンデタニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、バラタニブ(valatanib)、ベバシラニブ(vevasiranib)、アフリベルセプト、エタネルセプト、乳酸スクアラミン、エルロチニブ、およびゲフィチニブからなる群より選ばれる、請求項14の方法。
【請求項16】
炎症または血管状態が、酒さ、にきび、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、薬疹、乾癬、脂漏性皮膚炎、結合組織疾患、自己免疫疾患、蕁麻疹、光傷害、老化、日焼け、皮膚感染、放射線皮膚炎、電離放射線に曝露された皮膚、ポートワインの染みのあざ、血管腫、サクランボ色血管腫、星芒状血管腫、急性または慢性の創傷、光傷害、老化、日焼け、皮膚感染、放射線皮膚炎、および電離放射線に曝露された皮膚から選ばれる、請求項1の方法。
【請求項17】
炎症または血管状態を治療するためのデバイスであって、治療有効量の少なくとも1つの抗VEGF含有化合物を標的領域の皮膚に経皮適用するよう構成されており、該治療有効量の少なくとも1つの抗VEGF含有化合物が標的領域における炎症を調節する、デバイス。
【請求項18】
経皮パッチ、バンデージ、ペイント、噴霧器、またはそれらの組み合わせを含む、請求項17のデバイス。
【請求項19】
抗VEGFが、ヒアルロン酸、ビタミンC、ヒドロキノン、コルチコステロイド、トレチノ
インから選ばれる、皮膚状態を治療するための少なくとも1つの補助剤と混合される、請求項18のデバイス。
【請求項20】
パッチが皮膚上に設置されている期間中に処方物を保護する最外層;
抗VEGF化合物を含む膜、ここで該膜は、パッチから皮膚への薬物放出の速度を制御するよう構成されている;
皮膚と接触している層中に配置され、そしてパッチを皮膚に接着する接着剤
を含む経皮パッチである、請求項18のデバイス。
【請求項21】
膜が、皮膚に最も近い一方の側に律速材料および皮膚から離れて反対側に不浸透性バッキングを含む、請求項20のデバイス。
【請求項22】
外部保護層を提供するためのオーバーラミネートテープをさらに含む、請求項20のデバイス。
【請求項23】
皮膚に接触する接着剤を保存の間に保護し、そしてパッチの適用前に除去される剥離ライナーをさらに含む、請求項20のデバイス。
【請求項24】
抗VEGF化合物と混合された接着剤材料のマトリクスを含む少なくとも1つの薬学的に活性な層を含む経皮パッチである、請求項18のデバイス。
【請求項25】
少なくとも2つの別個の薬学的に活性な層のマルチラミネート(multi-laminate)を、各活性な層を分離して異なる薬学的に活性な層の別個の放出を可能にする膜とともに含む、請求項24のデバイス。
【請求項26】
少なくとも2つの別個の薬学的に活性な層が同一または異なるマトリクスを含む、請求項25のデバイス。
【請求項27】
2つの別個の薬学的に活性な層が、以下の方法:異なる抗VEGF化合物を有する;異なる
抗VEGF濃度を有する;異なる化合物と混合される;または異なる炎症または血管状態を治療する;の少なくとも1つにおいて異なる、請求項26のデバイス。
【請求項28】
半固体薬物を含むポリマーマトリクス中に配置された抗VEGF含有化合物を保持するための、皮膚と直接接触し、皮膚に接着するための接着剤リングをマトリクスの周りに有する少なくとも1つのポリマーリザーバーを含む経皮パッチである、請求項18のデバイス。
【請求項29】
空気および水蒸気に対して透過性であるが、液体または細菌に対して不透過性である外層;
抗VEGF化合物を含みそして治療される領域への抗VEGF化合物を加減するよう構成されている、標的領域に接触するための接触層;および
バンデージを皮膚に接着するための、接触層を取り囲む接着剤
を含むバンデージである、請求項18のデバイス。
【請求項30】
所定の濃度の、ゲルまたは軟膏の形態の抗VEGFを含むバンデージストリップである、請求項29のデバイス。
【請求項31】
バンデージが、その上に配置されたプレカットされたまたは穿孔されたサイズおよび形状を有するシートまたはロールの形態である、請求項29のデバイス。
【請求項32】
バンデージが、プレカットされていないかまたは穿孔されていないが、末端使用者によって所望の形状およびサイズに切断され得るシートまたはロールの形態である、請求項29のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2018年8月23日に出願された仮出願番号62/721,656に対して優先権の利益
を主張し、その全体の内容は明確に本明細書中に参考として援用され、そして2017年9月11日に出願された係属中出願番号15/700,992の一部継続出願であり、これは2015年9月22日に出願された出願番号14/861,943の継続出願であり、現在米国特許9,757,452であり、こ
れは2014年4月24日に出願された出願番号14/261,198の分割出願であり、現在米国特許番
号9,161,978であり、これは2013年3月14日に出願された出願番号13/830,819の分割出願であり、現在米国特許番号8,747,852であり、これは2012年12月28日に出願された仮出願61/746,778からの優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に、種々の皮膚状態を治療するための、抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)を皮膚に適用するシステム、デバイスおよび方法に関する。本開示はまた、種々の皮膚状態を治療するために、抗VEGFを含む経皮パッチおよびバンデージを含む、開示された化合物を皮膚に適用するための送達システムおよびその使用方法に関する。
【0003】
背景
「抗VEGF」療法または抗VEGF薬剤としても知られる抗血管内皮増殖因子療法は、血管内皮増殖因子をブロックする薬剤の使用である。これは、ある特定の癌の治療において、および加齢黄斑変性症において行われる。それらは、ベバシズマブなどのモノクローナル抗体、ラニビズマブ(ルセンティス)などの抗体誘導体、またはVEGFによって刺激されるチロシンキナーゼを阻害する経口使用可能な小分子:ラパチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブおよびパゾパニブを含み得る。これらの療法のいくつかは、VEGFよりもむしろVEGF受容体を標的化する。抗体ベースの化合物および最初の3つの経口使用可能な化合物の両方とも、臨床試験において後者の2つ(アキシチニブおよびパゾパニブ)とともに商品化されている。
【0004】
ベバシズマブは、新生血管を伴う加齢黄斑変性症AMDについて血管新生および脈管形成
を刺激するシグナルタンパク質である、血管内皮増殖因子(VEGF-A)を阻害する149-kDヒト化モノクローナル抗体である。ベバシズマブは、種々の癌の管理における使用についてFDAの認可を受けたが、配合されたベバシズマブは、2005年5月以来、AMDを含む眼疾患の治
療において認可外で使用されている。現在、ベバシズマブはまた、多くの他のあまり一般的でない眼疾患に加えて、糖尿病性網膜症、網膜中心静脈閉塞症、血管新生緑内障、および未熟児網膜症を治療するために首尾よく使用される。
【0005】
血管新生を遅くするまたは防止するためのAVEGFおよび他の手段の適用は、過剰な血管
新生が瘢痕形成、腫れ、ケロイド、長期の発赤および以下に列挙した多くの他の状態を含む所望でない効果を有し得る多くの疾患および損傷において役割を果たし得る。
【0006】
炎症性皮膚疾患および他の皮膚状態を治療するための開示したシステム、デバイスおよび方法は、上記の問題および/または従来技術の他の問題の1つ以上を克服することに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
要旨
実施態様において、治療有効量の少なくとも1つの抗VEGF含有化合物を標的領域の皮膚に局所適用することによって、炎症または血管状態を有する身体の標的領域における炎症を経皮調節することによる、炎症または血管状態の治療方法が開示される。
【0008】
別の実施態様において、炎症または血管状態を治療するための、経皮パッチ、バンデージ、ペイント、噴霧器(atomized spray)などのデバイスもまた開示される。デバイスは、標的領域における炎症を調節する治療有効量の少なくとも1つの抗VEGF含有化合物を標的領域の皮膚に経皮適用するよう構成されている。
【0009】
上記で議論した主題は別として、本開示は、本明細書中以下で説明されるような多くの他の特徴を含む。上述の記載および以下の記載の両方とも、単に例示である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、そして本明細書の一部を構成する。
【
図1】
図1A~1Dは、マトリクス(
図1A)、リザーバー(
図1B)、マルチラミネート(multi-laminate)(
図1C)および接着剤中薬物(drug-in-adhesive)(
図1D)デザインを含む経皮パッチについての種々のデザインを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
定義:
本明細書中で使用される用語「被検体」は、任意の哺乳動物、および特にヒトを意味し、そしてまた、例えば個人または患者と呼ばれ得る。
【0012】
本明細書中で使用される「抗VEGF剤」は、VEGFシグナル伝達の阻害剤を意味する。抗VEGF剤は、抗体(例、ベバシズマブ)、抗体フラグメント(例、抗体軽鎖(VL)、抗体重鎖(VH)
、一本鎖抗体(scFv)、F(ab')2フラグメント、Fabフラグメント、Fdフラグメント、Fvフラグメント、およびシングルドメイン抗体フラグメント(DAb)を含む。フラグメントは、例
えば、無傷の抗体または完全抗体あるいは抗体鎖、または組み換え手段によって)、融合
タンパク質、ペプチド、核酸(例、siRNA、shRNA)、およびVEGF(VEGF-A)とその受容体(VEGFR-1/VEGFR-2)との間の相互作用を妨害する他の小分子などの化学的または酵素的処理に
よって得られ得る。本開示によって包含される抗VEGF剤の他の非限定例は、本明細書中以下に提供される。
【0013】
例えば、抗VEGFを新生血管の成長部位に隣接してまたは近接して適用または注入する文脈において本明細書中で使用される用語「隣接して」は、最も近い(例、血管の成長部位
から約0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、0.4 mm、0.5 mm、1 mm、2 mm、3 mm、4 mm、または5 mm以内)を意味する。
【0014】
互いに交換可能に使用され、用量または量に適用される本明細書中で使用される用語「治療有効」および「有効量」は、その必要がある被検体への投与時に所望の活性を生じるのに十分な組成物、化合物または医薬製剤の量をいう。本発明の文脈内で、用語「治療有効」は、本明細書中で特定した疾患または状態の少なくとも1つの症候を低減、除去または遅らせるのに十分な組成物、化合物または医薬製剤の量をいう。活性剤の組み合わせが投与される場合、組み合わせ、または個々の剤の有効量は、個々に投与された場合に有効であったであろう各剤の量を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。治療製剤の投薬量は、疾患または状態の性質、患者の病歴、投与の頻度、投与の様式、宿主からの剤のクリアランスなどに依存して変化する。初期投与量は、より多い、続いてより少ない維持投与量であり得る。用量は、効果的な投与量レベルを維持するために、例えば、毎週、隔週
、毎日、週2回などで投与され得る。
【0015】
本明細書中に記載の方法における治療有効投薬量は、治療する医師によって決定され得る。例えば、医師は、抗VEGF剤について製造者が推奨した用量を用いて治療を開始し、そして治療の効果の医師の観察に基づいて調整し得る。さらなる指導は、本明細書中および実施例に提供される。さらに、臨床試験は、患者の集団が治療される場合に統計的に有意な治療効果を生じるのに効果的な用量を決定するために行われ得る。
【0016】
本明細書中で使用される「組み合わせ療法」は、ある特定の組成物または薬物での治療を必要とする被検体の治療を意味し、ここで被検体は、第1のものと併用しておよび/または1つ以上の他の療法、例えば手術などと併用して、疾患のための1つ以上の他の組成物または薬物で治療されまたはこれらを与えられる。このような組み合わせ療法は、患者が最初に1つの治療モダリティ(例、薬物または療法)で、および次いで他のもの(例、薬
物または療法)などで治療される逐次療法であり得るか、または全ての薬物および/また
は療法は同時に投与され得る。いずれにせよ、これらの薬物および/または療法は「併用された」と呼ばれる。「併用された」は、薬物および/または療法が組み合わされた形態で投与されることを必ずしも意味しない(すなわち、それらは同じまたは異なる部位に同
じまたは異なる時間で別個にまたは一緒に投与され得る)ことが理解されるべきである。
【0017】
表現「医薬的に許容される」は、医学的判断の穏当な範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題または複雑な事態がなく、ヒトおよび動物の組織との接触における使用に適切であり、合理的な利益/危険比に見合う化合物、材料、組成物および/または剤型をいうために本明細書中で使用される。
【0018】
本明細書中で使用される「炎症を調節する」は、望まない炎症反応を抑制して、有益な炎症反応を増強して、またはそうでなければ炎症反応を変えて、記載した障害または状態を有益に治療することを意味することが意図される。
【0019】
本明細書中で使用される様子、障害または状態を「治療する」またはその「治療」は:(1)様子、障害または状態に苦しんでいるかもしれないかまたはかかりやすいかもしれな
いが、未だ様子、障害または状態の臨床症状または亜臨床症状を経験または示していない哺乳動物において発症している様子、障害または状態の臨床症状または亜臨床症状の出現を予防または遅らせること;および/または(2)疾患の発症またはその再発(維持療法の場合)またはその少なくとも1つの臨床症状または亜臨床症状を阻止、低減または遅らせる
ことを含む、様子、障害または状態を阻害すること;および/または(3)疾患を緩和する
こと、すなわち、様子、障害または状態あるいはその臨床症状または亜臨床症状の少なくとも1つの軽減を生じさせること;および/または(4)疾患の1つ以上の症候の重症度の
低減を生じさせることを含む。治療される被検体に対する利益は、統計的に有意であるかまたは少なくとも患者または医師に知覚できるかのいずれかである。
【0020】
本明細書中で使用される「標的領域」は、それが、本明細書中に記載の疾患/状態の1つ以上に関連する新生血管の成長などの血管または炎症状態の部位の位置である、該部位に隣接しているまたは該部位に近接しているので、治療される身体または皮膚の領域を意味することが意図される。
【0021】
本明細書中で使用される「脂質ベースのナノキャリア」は、生体適合性であるリポソームおよびミセルを含むことが意図される。
【0022】
本明細書中で使用される「リポソーム」は、少なくとも本明細書中に記載の抗VEGF化合物を担持し得る被包化水相を有するリン脂質二重層を含むFDA認可された球体構造体を意
味することが意図される。
【0023】
本明細書中で使用される「ミセル」は、疎水性コアを包囲する親水性シェルを有する脂質単分子層を含むFDA認可された球体構造体を意味することが意図される。
【0024】
本明細書中で使用される「FLT-1」は、VEGFについての高親和性チロシンキナーゼ受容
体であり、そして血管内皮細胞上でほぼ独占的に発現される血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR-1)を記載することが意図される。
【0025】
炎症性皮膚疾患
1つの実施態様において、治療は、増加したまたは変化した血管系が重要な成分であり、そしてそれゆえ本明細書中に記載のAVEGF化合物での治療処置から利益を得る状態を調
節することを含む。従って、炎症性皮膚疾患、他の皮膚状態および損傷、擦り傷を治療するための、および傷痕、および長期の紅斑を引き起こし得る手術のための方法およびデバイスが提供され、ここで増加したまたは再形成した血管系が炎症性皮膚疾患の治療において役割を果たす。
【0026】
増加したまたは変化した血管系が重要な成分であり、そしてそれゆえ本明細書中に記載のAVEGF化合物での治療処置から利益を得る状態の種々の調節がある。これらは:(a)光老化、(b)皮膚または皮下充填剤で治療された皮膚、(c)電離放射線に曝露された皮膚、(d)UV照射に曝露された皮膚、(e)損傷した皮膚(急性および慢性)、(d)ポートワインの染みは
時間とともにしばしば増大または濃くなるので、治療なしで再発または急増しさえし得るポートワインの染みなどの血管状態(治療前および治療後)を含むがこれらに限定されない。治療され得る他の血管状態は、サクランボ色血管腫、血管腫、クモ状血管腫(星芒状血
管腫)、および酒さ、(e)血管が鍵である先天性症状、オスラー・ランデュとしても知られる遺伝性出血性毛細管拡張症を含むがこれに限定されない、(f)血管が強皮症のキーCREST形態(key-CREST form of Scleroderma)である後天的状態、(g)関節リウマチ、狼瘡、強皮症、シェーグレン症候群、レイノー症候群および疾患、ならびにその他のような任意の結合組織疾患、および(h)急性および慢性創傷を含む。
【0027】
1つの実施態様において、皮膚の1つ以上の治療とともにAVEGFを用いることが記載さ
れる。例えば、種々の実施態様において、他の皮膚治療と併用してまたは組み合せて、例えば充填剤後(post-filler)投与と併用して;微小血管の再生および毛包の回復を防止す
るためのレーザー脱毛と組み合わせて;黒皮症治療と併用して;ドライアイのためのIPL
/レーザーおよび他の治療と併用して;および乾癬、またはスタージ・ウェーバー症候群のための治療と組み合わせてなどであるがこれらに限定されない、開示したAVEGFで皮膚
を治療する方法が記載される。
【0028】
非限定例として、炎症性皮膚疾患および他の皮膚状態は:酒さ、にきび、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、薬疹、乾癬、脂漏性皮膚炎、結合組織疾患、自己免疫疾患、蕁麻疹、光傷害、老化、日焼け、皮膚感染、放射線皮膚炎、電離放射線に曝露された皮膚、ポートワインの染みのあざ、血管腫、創傷または任意の損傷、サクランボ色血管腫、星芒状血管腫、または皮膚または深部組織、急性または慢性の創傷、光傷害、老化、日焼け、皮膚感染、放射線皮膚炎、電離放射線に曝露された皮膚を含むがこれらに限定されない。
【0029】
血管系は炎症において重要な役割を果たすので、および血管成長に影響を与える実質的に任意のサイトカインは、炎症を減少させるまたは増大させるよりもむしろ、炎症を調節しそして制御する効果もまた有する。
【0030】
抗VEGF剤
ヒトVEGF-A遺伝子は、8つのエクソンにおいて組織されている。代替のエクソンスプライシングは、シグナル配列切断後にそれぞれ121、165、189、および206アミノ酸を有する4つの主要なVEGFアイソフォーム(VEGF121、VEGF165、VEGF189、およびVEGF206)の生成を生じる。VEGF165は、最も生理学的に関連するアイソフォームであると考えられる。概説
のために、Ferrara et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 2005, 333, 328-335を参照。VEGF-Aのアミノ酸配列は、当該分野で周知であり、そしてスプライス変異のために、配列は非常に多数である。非限定例のために、以下はヒトVEGF-A(「VEGF」)アミノ酸配列についての例示的で非限定のGenBank.RTM.受託番号:AAP86646.1、P15692.2、NP_001191313.1、NP_001165101.1、NP_001165099.1、NP_001165097.1、NP_001165095.1、NP_001020539.2、NP_003367.4、NP_001165093.1、NP_001020541.2、NP_001191314.1、NP_001165100.1、NP_001165098.1、NP_001165096.1、NP_001165094.1、NP_001028928.1、NP_001020540.2、NP_001020538.2、およびNP_001020537.2である。
【0031】
VEGFR-1およびKDR、Flk-1、またはVEGFR-2としても知られる2つのVEGF受容体(VEGFR)
チロシンキナーゼ(RTK)、Flt-1が存在する。VEGFR-2はVEGFの有糸分裂、血管新生、およ
び浸透性促進効果の主要なメディエーターであるという同意が現在得られている。VEGFR
の生物学的およびシグナル伝達特性の詳細な概説について、Ferrara, Endocr. Rev. 2004, 25, 581-611を参照。VEGFRについてのアミノ酸配列は、当該分野で公知である。非限定例のために、VEGFR-1アミノ酸配列についてのGenBank.RTM.受託番号は:NP_001153503.1
、NP_002010.2、NP_001153502.1、およびNP_001153392.1を含む(がこれらに限定されな
い)。VEGFR-2についてのアミノ酸配列は、当該分野で公知である。非限定例のために、VEGFR-2アミノ酸配列についてのGenBank.RTM.受託番号は:NP_002244.1、AAC16450.1、お
よびNP_001153503.1を含む(がこれらに限定されない)。
【0032】
抗VEGF剤を被検体に投与することにより種々の皮膚状態を治療するための方法が本明細書中に開示される。1つの実施態様において、抗VEGF抗体ベバシズマブは、本願方法において使用され得る。抗体ベバシズマブおよびそのVEGF-結合活性は、Ferrara et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 2005, 333, 328-335に詳細に概説されている。ベバシズ
マブは、約5-15 mgの用量で皮膚に投与され得る(例えば、ケロイド再発の阻害のために)
。1つの実施態様において、ケロイド除去(例えば、ケロイド再発の阻害のために)の部位への投与のための用量は、約10 mg)である。
【0033】
しかしながら、本明細書中に記載の治療方法はまた、抗VEGF剤がVEGF(例、ヒトVEGF)および/またはVEGFR(例、VEGFR-1および/またはVEGFR-2)(例、ヒトVEGFR-1またはヒトVEGFR-2)の作用を阻害する(すなわちVEGFシグナル伝達を阻害する)能力を有する限り、当該
分野で公知であるかまたは将来発見されるかまたは設計されるであろうのいずれかである他の抗VEGF剤(例、他の抗VEGF抗体、薬物、プロドラッグ、小分子、ペプチド、核酸阻害
剤(例、siRNA、shRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド)、融合タンパク質などであるがこれらに限定されないVEGFまたはVEGFR阻害剤)を用いて行われ得ることが理解されるべきである。抗体または他の剤がVEGFシグナル伝達を妨げる(VEGFまたはVEGFRを阻害することによって、またはVEGFとその受容体との間の相互作用によってのいずれか)かどうかを決
定するためのアッセイは、例えば、当該分野で周知であり、そして抗VEGF剤がVEGFシグナル伝達を妨げ、そしてそれゆえ本願で開示した方法によって包含されるかどうかを決定するために使用され得る。このようなアッセイの非限定例は、Vicari et al., J. Biol. Chem., 2011, 286(15), 13612-25およびBrekken et al. Cancer Res., 2000, 60, 5117-24
に記載のVEGF阻害アッセイを含む。
【0034】
非限定例のために、当該分野で公知であり、そして本明細書中で開示した方法において使用され得る他の抗VEGF抗体および阻害剤は:ラニビズマブ、ペガプタニブ、イマチニブ、バンデタニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、バラタニブ(valatanib)、ベバシラニブ(ve
vasiranib)、アフリベルセプト、エタネルセプト、アネコルタブ酢酸エステル(抗血管新
生ステロイド(angiostatic steroid))、VEGF-トラップ(融合タンパク質)、スクアラミン
乳酸、エルロチニブ、ゲフィチニブ(小分子)、コンブレタスタチンA4プロドラッグ(抗チ
ューブリン/血管新生阻害剤)、AdPEDF(アデノベクター色素上皮由来因子)、Cand5(siRNA)、タンパク質チロシンキナーゼ7阻害剤(PTK7)、脂肪分解剤、TG100801、AG013958、AL39324、AGN211745(VEGF受容体遮断薬)、抗血管新生EGF-A(xxx)bファミリー、VEGFトラップ(
受容体デコイ)、チロシンキナーゼ阻害剤受容体SIM010603に対するタンパク質キナーゼ抗体、キナーゼドメイン受容体抗体(KDR1.3およびKDR2.6)、GS101アガニルセン(aganirsen)(インスリン受容体基質aka IRS-1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド)、ピクロポ
ドフィリン(PPP)、四量体トリペプチド、組織カリクレイン、KH906(組み換えヒトVEGF受
容体タンパク質融合)、ベータ-アドレナリン受容体遮断薬.β.3-AR、ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト、リノミドアナログ(Lin05)、モルホリノオリゴマー(VEGFR1_MOe13)、デクルシン、プロレニン、バソヒビンおよびシロリムスを含むがこれらに限定
されない。VEGFおよびVEGFRのアミノ酸配列(ならびにアミノ酸配列をコードする核酸配列)は当該分野で公知であるので、当業者は本開示の方法における使用のための追加の抗VEGF剤を容易に設計することができることが理解されるであろう。
【0035】
抗VEGF剤についての、例えば上記で開示した投薬量範囲は、当業者によって容易に決定され得、そして例えば、最初に、当該分野で公知の標準的方法に従って投薬量、安全性および有効性を決定するための動物モデルにおいて決定され得る。
【0036】
抗炎症ステロイド
抗炎症ステロイドは、抗炎症活性を有するステロイド化合物であり、そしてグルココルチコイドを含むコルチコステロイドを含む。グルココルチコイドは、細胞質中でグルココルチコイド受容体に結合し、リポコルチン-1、インターロイキン-10、インターロイキン-1受容体アンタゴニストおよび中性エンドペプチダーゼを含む抗炎症タンパク質をコード
する遺伝子の転写を増加させ得る。グルココルチコイドはまた、種々のサイトカイン、酵素、受容体および接着分子についての遺伝子を含む複数の炎症遺伝子の発現を阻害する。Barnes et al., Clin. Sci., 1998, 94, 557-572。
【0037】
皮膚への適用のための適切なステロイドは、例えば、アルクロメタゾン0.05%クリーム(ジェネリックまたはPharmaDerm Inc.から入手可能なAclovate.RTM. 0.05%クリーム)、ジ
フロラゾン0.005%クリーム、プレドニカルベート0.1%(ジェネリック、またはSanofi-Aventis US LLCから入手可能なDermatop 0.1%クリームまたは軟膏)、およびフルオシノニドクリーム0.1%(例、Medicis Inc.から入手可能なVanos.RTM.)を含む。ヒトへの投与のための適切な投薬量は、例えば、0.05%~0.1%を含む。本明細書中に記載の方法における使用に
適切なさらなる市販入手可能な局所眼用ステロイドは、表3に列挙される。
【0038】
【0039】
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、炎症を低減する非ステロイド化合物である。大部
分のNSAIDは、酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)の非選択的阻害剤として作用し、シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)およびシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)アイソザイムの両方を阻害し、COXはプロスタグランジンの形成を触媒する。COX-1阻害はNSAIDの胃腸の副作用に関
連すると考えられているので、選択的COX-2阻害剤である化合物もまた開発された。
【0040】
皮膚に投与され得るNSAIDの非限定例は、例えば、ジクロフェナク1%(局所)(例、Novartis Pharmaceuticals Corp.からのボルタレンゲル1%またはMallinckrodt PharmaceuticalsからのPennsaid 1.5%溶液(局所))を含む。ヒトへの投与に適切な投薬量は、例えば、1日1回40 mgまでの皮膚への1%(局所)適用(皮膚への1 mLの注入による投与)を含む。
【0041】
抗VEGF化合物の経皮投与/適用方法
経皮パッチなどの経皮送達システムは、本明細書中に記載のAVEGF含有化合物の投与お
よび送達のための1つのシステムまたはデバイスとして記載される。皮膚を経皮治療する1つの利益は、記載したAVEGF化合物の経口投与により生じ得る肝臓における薬学的活性
剤の代謝を防ぐことである。従って、記載したAVEGF化合物の経皮送達システムを介した
投与は、肝臓および胃腸における望まない副作用を防ぐ。さらに、薬学的活性剤の経皮投
与は、通常、同じ効果を有するためにより少ない薬学的活性剤を必要とする。さらに、試験は、本明細書中に記載の経皮送達システムが、薬学的活性剤は皮膚を通した浸透により全身性様式で即座に効果的であるので、該剤のより一定の血中濃度を提供することを示した。
【0042】
経皮パッチを介して局所的に、脂質ベースのナノキャリア、このようなリポソームおよびミセル、溶媒は、皮膚バリアの通過を可能にする。1つの実施態様において、経皮パッチは、NSAIDの局所投与のための効果的な浸透促進剤であることが示されているジメチル
スルホキシドを含み得る。
【0043】
実施態様において、AVEGFは、マトリクス放出浸透性パッチにおいて、標的領域への遅
効放出(slow release)を可能にするヒアルロン酸などの化合物中に含まれ得る。AVEGFパ
ッチは、特に本明細書中に記載の皮膚状態を治療するために使用されるよう設計される。
【0044】
1つの実施態様において、AVEGFは、皮膚剥離またはアブレイティブフラクショナルリ
サーフェシング、あるいはマイクロニードリングの後に経皮パッチを介して標的領域に適用される。記載したAVEGFは、ヒアルロン酸、ビタミンC、ヒドロキノン、コルチコステロイド、トレチノインなどの皮膚状態を治療するための他の補助剤と混合され得る。
【0045】
さらに、実施態様において、AVEGFは、少なくとも1つの抗炎症ステロイド、少なくと
も1つの非ステロイド抗炎症薬、またはこれらの成分のいずれかの組み合わせと混合され得る。
【0046】
種々の経皮送達システム
A. パッチ
本明細書中に記載のAVEGF化合物は、経皮パッチに含まれ得る。典型的には、経皮パッ
チは、6つの構成要素を含む。正確な設計に依存して、全ての構成要素が必要とされるとは限らない。
図1A-1Dを参照して、実施態様において、本明細書中に記載の経皮パッチは
、種々の形態をとり得、そして活性成分のための種々の層および位置を含む。例えば、実施態様において、パッチは、パッチが皮膚上に設置されている期間中に処方物を保護する最外層を含み得る。パッチはまた、パッチから皮膚への薬物放出の速度を制御する膜を含み得る。本明細書中に記載のパッチはまた、皮膚と接触している層中に配置され、パッチを皮膚に接着する接着剤を含む。別の実施態様において、接着剤は、AVEGF含有化合物を
さらに含む。本明細書中に記載のパッチはまた、オーバーラミネートテープを含む。これは、パッチ設計に直接組み込まれ得る外部保護カバーまたは機能層である。最後に、本明細書中に記載のパッチはまた、保存の間に皮膚に接触する接着剤を保護し、そしてパッチの適用前に除去される剥離ライナーを含む。
【0047】
異なる使用および所望の治療処置に依存して、本明細書中に記載の経皮パッチは、複数の方法で設計され得る。異なる設計は、薬物の特性、投与量レベル、治療領域および薬物を投与するために必要とされる時間を含む種々の因子によって影響される。
【0048】
再度
図1A-1Dを参照して、1つの実施態様において、経皮パッチは接着剤設計において
マトリクスまたは薬物を含む。
図1D。この設計は、典型的には上記の構成要素の1つ以上と混合されたAVEGFをパッチの接着剤に直接配合する。これは、接着剤中薬物、またはDIAと称されるように、最も一般的なタイプのパッチである。
図1D。
【0049】
別の実施態様において、本明細書中に記載の経皮パッチは、古典的なリザーバー設計を含む。
図1B。この実施態様において、AVEGF含有化合物は、一方の側に律速膜および他方
の側に不浸透性バッキングを有するブリスターパウチ(blister pouch)中に配置される。
【0050】
別の実施態様において、本明細書中に記載の経皮パッチは、ポリマーリザーバー設計を含む。
図1A。この実施態様において、AVEGF含有化合物は、皮膚と直接接触し、マトリク
スの周りに皮膚に接着するための接着剤リングを有する、半固体薬物を含むポリマーマトリクス中に配置される。
【0051】
別の実施態様において、本明細書中に記載の経皮パッチは、マルチラミネート固体リザーバー(seservoir)設計を含む。
図1C。この実施態様において、AVEGF含有化合物は、DIA
設計(
図1D)と同様であり、典型的には上記の構成要素の1つ以上と混合されたAVEGFを含
む多層を有し、AVEGFは直接パッチの接着剤中にあり、ここで各層は膜によって分離され
ている。この設計は、2種の薬物の異なる放出時間での送達を可能にする。これは、例えば、治療を開始するためにボーラス投与、これに続いて治療活性化合物の維持投与量が必要である場合に使用され得る。
【0052】
1つの実施態様において、AVEGFは、本明細書中に記載のように、皮膚治療または外科
的切開に曝された身体の領域のために特別に設計されたバンデージストリップに組み込まれる。外科的ストリップは、治癒を促進するために透過性であり、そして治癒の間に外科的切開などの治療した領域への移動を加減する濃度のAVEGFを軟膏中に含む。AVEGFストリップは、AVEGFの所望の濃度を維持するために、1日当たり1回以上、または1日~100日について再適用するために患者に供給される。ストリップの設計は、肥大性瘢痕の高い事故を有する顔のしわ取り、顎インプラント、眼瞼形成、乳房インプラント、美容目的の処置、および胸骨切開などの医療処置からの切開の間に作られた切開などの直線の切開を用いる使用について特有である。AVEGF外科的ストリップは、媒体中のAVEGFの所定の濃度を有し、そしてストリップは、患者によって消費され得かつ再適用されるよう特別に設計される。
【0053】
1つの実施態様において、ゲルまたは軟膏およびAVEGFの領域を取り囲む接着剤領域中
に所定の濃度のAVEGFを有する透過性バンデージストリップは、手術または損傷後のケロ
イドおよび瘢痕形成を防止または低減するための補助剤としてパッケージされる。AVEGF
バンデージは、患者による適用のためのパッケージであるよう設計される。
【0054】
1つの実施態様において、ゲルまたは軟膏およびAVEGFの領域を取り囲む接着剤領域中
に所定の濃度のAVEGFを有する透過性バンデージストリップは、モース手術またはほくろ
の除去後のケロイドおよび瘢痕形成を防止または低減するための補助剤としてパッケージされる。AVEGFの濃度は、瘢痕を防止するためにおよび前癌性血管増殖の予防として予め
決定される。AVEGFバンデージは、ほくろの除去またはモース手術の領域への患者による
適用のためにパッケージされるよう設計される。
【0055】
実施態様において、パッチまたはバンデージストリップは、シートまたはロールの形態であり得る。シートまたはロールは、プレカットされ得るかまたは穿孔され得、そうしてプレカットされたサイズおよび形状のパッチを含む。例えば、プレカットされたパッチは、2 mm~60 mm、または実に5 mm~50 mmなどの1 mm~80 mmの範囲の直径を有する円形を
有する。実施態様において、プレカットされたパッチは、10 mm~80 mm、または実に15 mm~60 mmなどの5 mm~100 mmの範囲の長径を有する楕円形を有し得る。
【0056】
別の実施態様において、パッチまたはバンデージストリップは、プレカットされていないまたは穿孔されていないシートまたはロールの形態であり得る。むしろ、この実施態様において、パッチまたはバンデージストリップは、例えば供給業者または末端使用者によって所望の形状およびサイズに切断され得るシートまたはロールの形態である。
【0057】
1つの実施態様において、AVEGFは、ケロイド形成または他の瘢痕を起こしやすい患者
のための耳のピアシングおよびボディピアシングにおいて使用される直径1インチ未満お
よび好ましくは直径約0.5インチのディスクパッドに組み込まれる。パッドは、使い捨て
パッドとしてボディピアシングと併用して使用されるよう特別に設計される。
【0058】
この実施態様において、VEGFは、ラテックスまたは水溶性溶液においてボディペイントを介して経皮投与され得る。AVEGFペイントは、ケロイドまたは瘢痕形成を被る皮膚の領
域などの患部に患者によって自己投与され得る。パッチに対する優位性は、治療が、標的領域における所定の濃度レベルを維持するために常用量で標的領域に容易に限定され得ることである。非標的領域に重なるパッチは、非標的領域にAVEGFを放出し、投薬量のコス
トを増大させ、そしてまた全身的作用を生じる。パッチはまた、濃度が低下すると移動速度を喪失する。ラテックスまたは他の脂質、オイル、または非水溶性化合物などの閉塞性ペイントは、濃度レベルが低下すると剥離され得そして再適用され得る。
【0059】
1つの実施態様において、フラクショナルアブレイティブ治療、マイクロニードリングなどの組み合わせを含む、皮膚浸透を増大させるまたは可能にする局所および機械的方法は、AVEGFの増強された浸透のための多孔質組織表面を提供する。
【0060】
1つの実施態様において、方法およびシステムは、レーザーまたは他の方法を用いて角質層を薄くするまたは除去することによって、AVEGF溶液の浸透を増強する。皮膚剥離、RF表面アブレーション、プラズマリサーフェシング、レーザーマイクロピール、フラクシ
ョナルレーザーアブレーション
【0061】
RFを用いておよび用いずにマイクロニードリングなどのデバイスと併用して、分割および非分割の両方のレーザーは、レーザーマイクロピールまたは皮膚剥離後、超音波を用いて、加熱を用いて浸透を増強した。
【0062】
抗VEGF化合物の遅効放出、持続放出(sustained release)または時限放出(timed release)を確保するための方法およびデバイス
非限定例として、抗VEGF含有化合物は、それらをヒアルロン酸充填剤、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン(例、デコリン、バーシカン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン硫酸プロテオグリカン)、エラスチン、フィブリリン、ファイブリン(添付の充填剤特
許を放棄するために参照する)、コラーゲン(全てのタイプ)などの充填剤と混合すること
によって、充填剤などとして利用される。
【0063】
1つの実施態様において、キャリア分子;細胞外マトリクス分子;合成化合物などを含むがこれらに限定されない抗VEGF化合物の持続放出が提供される。
【0064】
1つの実施態様において、アルブミンおよび類似のキャリアタンパク質を含む抗VEGF化合物の持続または時限放出が提供される。実施態様において、抗VEGF化合物の持続または時限放出は、少なくとも1つのコルチコステロイド、ヒドロキノンおよび他の薬物とともに開示したAVEGFを含む。
【0065】
標的領域をモニターするセンサーを利用する方法およびデバイス
実施態様において、AVEGFがより効率的な使用を提供する期間にわたっておよびより効
率的な使用を提供する濃度またはレベルで適用されるような、適用するAVEGFの量を決定
するためのアルゴリズム、およびAVEGFを適用するための手段が記載される。
【0066】
1つの実施態様において、標的組織における酸素レベルをモニターするために酸素センサーが使用され、そして血管新生が制御されるように、酸素レベルを用いて組織への血液
の灌流を決定しそしてAVEGFの適用を調節するアルゴリズムが使用される。近赤外分光法
が、皮膚表面適用のために組織酸素レベルを非侵襲的に測定するために使用され得る。1つの実施態様において、光ファイバーが、深部損傷、状態、腫瘍、または血管新生がモニターされるべき標的領域をモニターするために使用され得る。
【0067】
実施態様において、パルスオキシメトリが、アレイにパルスオキシメーターを配布することによって、拡張した領域にわたって組織における酸素レベルを決定するために使用され得る。検出器のアレイに重なる赤色光および赤外光を利用するパルスオキシメーターのアレイが使用され得る。光またはシグナルアレイは、LEDのアレイであり得、光源は光フ
ァイバーまたはホログラフィックレンズに接続されている。検出器は、光ファイバーおよび単一または複数の検出器などの固体検出器のアレイまたは集光器のアレイであり得る。1つの実施態様において、マイクロレンズアレイまたは光ファイバーのアレイを介して接続された赤色および赤外源、および標的組織を反射するかまたは通過する光を集め、そしてその光を、標的領域にわたるパルスオキシメトリシグナルを平均化する検出器に送る光ファイバーのアレイがある。アルゴリズムは、適用するAVEGFの量を決定し、AVEGFは、標的領域の血液供給を供給する組織の領域に適用される。
【0068】
実施態様において、カルシウム、シュウ酸、アスコルビン酸、一酸化炭素などの還元剤は、標的組織における酸素レベルを血管新生に有益でないレベルまでまたは血管新生を遅くするレベルまで低下させるために使用され得る。COについて、標的組織に直接適用される、溶液中100 ppm未満、ほとんどの場合35 ppm未満の適用は、標的組織におけるO2をよ
り低く低下させるかまたは妨げる、あるいは血管新生または組織増殖を妨げるカルボキシヘモグロビンの形成を引き起こす。CO-オキシメーターは、標的領域における血管新生、
瘢痕の進行、ケロイドまたは腫瘍を低減するのに十分なカルボキシヘモグロビンの濃度を決定するために、パルスオキシメーターと併用して使用され得る。COは、35 ppm未満の小さいマイクロ濃度が標的領域に限定されるように、身体によって容易に除去される。私は、任意の疾患を治療するために、局所化マイクロ濃度のCOを使用しないことを見い出した。1時間について26ppm、8時間について9ppmのレベルが安全であると考えられる。COレベ
ルは、適用した領域を除いて急速に低下し、従って間欠的な適用は、非常に局所化した領域において、所定の安全時間について周囲の組織において安全に低下するレベルで、血管新生、神経発生、ケロイド形成、腫瘍増殖を停止させ得る。従って、ボツリヌス毒素、ボトックスに類似する、COは、非常に低い濃度で発生し得、そして局所化領域において安全に使用され得、極めて有毒な毒物は非常に少ない局所濃度で局所的に使用され得る。
【0069】
実施態様において、CO、O2または瘢痕、ケロイド、血管新生の他の指標をモニターするため、医薬のレベルを決定するため、および医薬を投与するためのデバイスは、AVEGF、AVEGFの化合物、または他の抗血管新生溶液を所定の濃度で所定の期間効率的に適用し得るように、ベルト上に装着され得るかまたは患者に取り付けられ得る。
【0070】
実施態様において、センサーはワイヤレスでモニターされ得る。
【0071】
特に幹細胞刺激血管新生を防止するための幹細胞療法、増殖因子、およびPRPとの組み合
わせ
1つの実施態様において、血管新生を制御するための幹細胞療法および多血小板血漿(PRP)と併用したAVEGFの効果のための方法およびシステムが提供される。1つの実施態様において、方法およびデバイスは、マルチニードルインジェクター、精密インジェクター(precision injector)、エアインジェクターを用いてAVEGFを直接投与する。
【0072】
1つの実施態様において、血管新生に所望のレベルまで影響を与える濃度でAVEGFがPRPに加えられるデバイスおよびシステムが提供される。PRPを損傷した組織に適用すること
は、組織増殖因子は調製した成長注射(growth injection)においてより濃縮されているが、しかし、PRPは選択的でなくそして血管新生を長期の発赤および瘢痕化を作り出す所望
でないレベルまで促進し得るので、新たな健康な細胞の身体成長(body growth)を刺激し
、そして治癒を促進する。デバイスは、患者のPRPに加えられそして患者のPRPにおいて安定である所定の量のAVEGFを含む。デバイスは、AVEGFが損傷したまたは治療した組織に安全に適用または注入され得るように、閉塞滅菌様式でAVEGFをPRPに加える手段を含む。
【0073】
1つの実施態様において、AVEGFをPRPに加えるためのデバイスは、所定の量のAVEGFを
含む滅菌キットである。別の実施態様において、キットは、オートクレーブ、浸漬または他の方法によって滅菌され得、そして所定の量のAVEGFを加えるための手段を含み得る。
1つの実施態様において、PRPは、組織に注入するための手段に分けられ、そのような手
段は、所定の量のAVEGFを含む。
【0074】
マイクロカプセル化などを含むがこれに限定されないAVEGF溶液の制御放出薬物送達のた
めの方法およびデバイスが提供される
実施態様において、記載したAVEGF化合物は、光、レーザー、超音波によって誘導され
得るかまたは経時でAVEGFを崩壊させ得るリポソームにカプセル化され得る。あるいは、
記載したAVEGF化合物は、ポリマーキャリアにマイクロカプセル化され得、これは次いで
標的組織に注入され得る。この実施態様において、AVEGFは、マイクロカプセル化されたAVEGFを放出するのに十分なレベルで超音波を適用することによって放出され得る。この実施態様において、超音波は、AVEGFの画分を放出するために高強度集束超音波トランスデ
ューサ(HIFU)によって分画パターン(fractional pattern)で適用され得、そして続く治療は、標的領域においてフラクショナリーアレイ(fractionally array)、例えば標的領域の所定の割合を構成する治療領域のグリッドを処置することによって、AVEGFを所定の間隔
で非侵襲的に放出し得る。
【0075】
1つの実施態様において、ポリマーマイクロカプセルキャリアにマイクロカプセル化されておりそして標的組織に注入されるAVEGF含有化合物を用いることによって被検体を所
定の間隔で治療する非侵襲的方法が記載される。この実施態様において、AVEGFは、マイ
クロカプセル化されたAVEGFを放出するのに十分なレベルで超音波を適用することによっ
て放出され、超音波は、AVEGFの画分を放出するために高強度集束超音波トランスデュー
サによって分画パターンで適用され得、そして続く治療は、AVEGFを所定の間隔で非侵襲
的に放出し得る。
【0076】
AVEGFの制御放出のためのAVEGF溶液のマイクロカプセル化およびナノカプセル化のためのコロイド状またはポリマーカプセルの使用およびマイクロカプセル化されたAVEGF溶液
を投与するためのインジェクターもまた記載される。
【0077】
光熱誘発送達
1つの実施態様において、種々の無機ナノ粒子を用いた本明細書中に記載の抗VEGF化合物の光熱誘発送達の方法が記載される。本明細書中で使用されるナノ粒子は、少なくとも1つの寸法において一般に1 nm~数百ナノメートルの範囲の寸法の粒子を意味することが意図される。本明細書中に記載のナノ粒子は、抗VEGF化合物とともに使用されるかまたは抗VEGF化合物を有するよう設計される。1つの実施態様において、ナノ粒子は、金、銀および酸化鉄を含み得、所望の光熱特性を有する。1つの実施態様において、血管新生の阻害を仲介するための金および銀ナノ粒子を含む抗VEGF化合物が記載される。1つの実施態様において、光または電波活性化を用いて血管新生阻害剤の放出を光熱的に制御するための金ナノ粒子を含む抗VEGF化合物が記載される。
【0078】
1つの実施態様において、可視レーザー照射と組み合わされてインビボで血管新生の阻
止を強化し得る、抗血管新生ペプチドと結合した金ナノ粒子などの金属ナノ粒子が記載される。金ナノ粒子に合わされた緑色レーザーの組み合わせは、血管を正確に焼灼することができる高い局所温度を達成し得、それは、抗VEGFの経皮適用などのVEGF経路阻害と組み合わされた場合、FLT-1発現を低減させ得る。
【0079】
1つの実施態様において、レーザー光を用いた光熱誘発送達の方法が記載される。1つの非限定実施態様において、532nmレーザーは、抗血管新生ペプチドと結合された金ナノ
粒子と併用して使用され得る。レーザーは、長期低強度曝露について温度の顕著により高い上昇を引き起こすことが発見された。これは、活性を増大させそして同時に血管を凝固させる効果を有する。別の実施態様において、本明細書中に記載の他のナノ粒子とのRFまたは光相互作用が記載される。これは、加熱により活性を増強すること、または熱衝撃またはパルスエネルギーを用いて結合した抗血管新生化合物をナノ粒子から放出することが示された。
【0080】
抗VEGF埋込インプラントの方法およびデバイス
1つの実施態様において、AVEGFは、内部手術部位で遅効放出されるというAVEGFの上記利益を許可するために、身体のためのインプラントの表面上に組み込まれる。例えば、被膜拘縮を防止するために遅効放出ポリマーまたは脂質フィルムにおける表面上に組み込まれた本明細書中に記載のAVEGF化合物を有するシリコーン乳房インプラントが記載される
。インプラントは、HA、または他の媒体中の所定の濃度のAVEGFを含む生体適合性層を用
いて設計される。
【0081】
1つの実施態様において、AVEGFは、瘢痕の形成を防止するまたは低減させるのを助け
るために顎インプラント、顔面インプラントなどの外科インプラントの表面上に組み込まれる。インプラントは、ヒアルロン酸、または他の媒体中の所定の濃度のAVEGFを含む生
体適合性層を用いて設計される。
【0082】
1つの実施態様において、瘢痕形成の進行を低減させる縫合針部位での炎症および血管新生の進行を是正する、本明細書中に記載のAVEGF化合物を含侵させた縫合糸が記載され
る。
【0083】
1つの実施態様において、AVEGFは、再狭窄を防止するためにステントに組み込まれ、
一方、ステントは、再狭窄を防止するのに十分な期間にわたって放出される抗VEGFを含むポリマー様化合物で被覆される。
【0084】
ジェットインジェクター、マイクロニードルインジェクターのアレイを含むニードル、および噴霧器(atomized sprayer)などのデバイス
【0085】
デバイスは、AVEGFを所定の深さで標的組織に送達するよう構成される。より低い濃度
のAVEGFは、組織における濃度勾配による移動よりもむしろ目的の領域に直接適用される
場合に使用され得る。1つの実施態様において、AVEGFは、所定の領域にわたっておよび
所定の深さの範囲にわたってマイクロニードルによって適用され、ここで、該領域は、標的組織の領域と大部分は適合し、そして深さの範囲はほとんど標的組織の深さ全体を通して伸び、それによって標的組織は瘢痕またはケロイド形成にさらされる領域である。
【0086】
複数のニードルを有するデバイスは、抗VEGF溶液がケロイド、または外科的瘢痕が進行しやすい領域などの標的領域に完全に分散されるように、間隔を空けられる。
【0087】
治療される異なる炎症性皮膚疾患
上述の送達機構は、上記の、ならびに以下の異なる非限定の炎症性皮膚疾患などの種々
の皮膚状態を治療するために使用され得る。以下の疾患/状態のそれぞれは、主として炎症性であるか、または疾患/状態の症候を少なくとも部分的に引き起こす炎症を有するかのいずれかである。従って、本明細書中に開示したシステム、デバイスおよび方法は、以下の疾患/状態を治療するのに適切である:
【0088】
ざ瘡様皮疹。1つの実施態様において、毛嚢脂腺単位の変化によって引き起こされるざ瘡様皮疹を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0089】
自己炎症性症候群。1つの実施態様において、自己炎症性症候群を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。自己炎症性症候群は、炎症性皮膚病変および周期的な発熱の発作によって特徴付けられる遺伝性疾患の一群である。
【0090】
慢性水疱。1つの実施態様において、慢性水疱を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。慢性水疱皮膚状態は、長期経過を有し、そして小胞および水疱を示す。
【0091】
粘膜。1つの実施態様において、眼、鼻、口、生殖器、および肛門の湿潤内膜(moist lining)を含む粘膜の状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0092】
腺。1つの実施態様において、皮膚、毛、爪、および立毛筋の腺に影響を与えるものである皮膚付属器の状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0093】
皮下脂肪。1つの実施態様において、皮下脂肪の状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。皮下脂肪の状態は、真皮と下にある筋膜との間にある脂肪組織の層に影響を与えるものである。
【0094】
先天異常。1つの実施態様において、先天異常を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。皮膚先天異常は、ヒト身体の形状を形成する生物学的過程である形態形成の欠陥から生じる障害の多様な群である。
【0095】
結合組織疾患。1つの実施態様において、結合組織疾患を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。結合組織疾患は、コラーゲンまたは基質を標的化するかまたはコラーゲンまたは基質に影響を与える複雑な数々の自己免疫応答によって引き起こされる。
【0096】
真皮線維組織および弾性組織。1つの実施態様において、真皮線維組織および弾性組織の異常を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。真皮線維組織および弾性組織の異常は、コラーゲン合成または分解の調節における問題によって引き起こされる。
【0097】
皮膚および皮下成長。1つの実施態様において、皮膚および皮下成長を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。皮膚および皮下成長は、(1)真皮または皮下組織の細胞成分の反応性または腫瘍性増殖、または(2)真皮に侵入するかまたは異常に存在する腫瘍から生じる。
【0098】
皮膚炎。1つの実施態様において、種々のタイプの皮膚炎を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。皮膚炎は、子供の肉芽腫性開口周辺部皮膚炎および本態性皮膚炎(Essential dermatitis)を含むがこれらに限定されない「皮膚の炎症」のための一般的用語である。この定義には、アトピー性皮膚炎もまた含まれ、これは、食品および吸入物質に対してアレルギーを発症する遺伝性向に関連する慢性皮膚炎として定義される
。アトピー性皮膚炎の非限定例は、アトピー性湿疹、播種性神経皮膚炎、屈面性湿疹、乳児湿疹、痒疹diathsique(prurigo diathsique)を含む。この定義内には、接触皮膚炎もまた含まれ、これは、皮膚と接触することになるある物質によって引き起こされる皮膚炎として定義される。
【0099】
湿疹。1つの実施態様において、湿疹を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。湿疹は、海綿状皮膚炎として始まる広い範囲の状態をいい、そして苔癬化した段階まで進行し得る。
【0100】
膿疱性皮膚炎。1つの実施態様において、膿疱性皮膚炎を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。膿疱性皮膚炎は、膿疱性の病変を示す皮膚の炎症である。非限定例は:好酸球性膿疱性毛嚢炎(大藤病、無菌性好酸球性膿疱症);反応性関節炎(以前はライター症候群として知られていた);および角層下膿疱症(スネッドン-ウィルキンソン病)を含む。
【0101】
脂漏性皮膚炎。1つの実施態様において、脂漏性皮膚炎を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。脂漏性皮膚炎は、紅斑基部(base)上の落屑によって特徴付けられる慢性の表面の炎症性疾患である。
【0102】
色素沈着障害。1つの実施態様において、ヒト色素沈着の障害を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。喪失または減少のいずれかであるヒト色素沈着の障害は、メラニン細胞の喪失またはメラニン細胞がメラニンまたは輸送メラノソームを正しく産生する能力がないことに関連し得る。
【0103】
薬疹。1つの実施態様において、皮膚症状を示す有害な薬物反応として定義される薬疹を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。非限定例は:生物剤およびサイトカインに対する有害反応;化学療法誘発性肢端紅斑(掌蹠紅斑異感覚症候群)および色素過剰;薬物誘発性にきび、血管性浮腫、紅斑性狼瘡、爪の変化、色素沈着など;注入部位反応;ビタミンK反応;およびワルファリン壊死を含む。
【0104】
内分泌状態。1つの実施態様において、皮膚は多くの方法で内分泌系と相互作用するので、しばしば皮膚所見を示す内分泌状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0105】
好酸球性皮膚状態。1つの実施態様において、炎症性湿潤における好酸球の存在、または好酸球脱顆粒の証拠によって組織学的に特徴付けられる広範な種々の疾患を含む好酸球性皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0106】
表皮系母斑、新生物、および嚢胞。1つの実施態様において、皮膚の表皮層から進行する皮膚病変である表皮系母斑、新生物、および嚢胞を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0107】
紅斑。1つの実施態様において、消退可能な発赤が存在する反応性皮膚状態である紅斑を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0108】
遺伝性皮膚症。1つの実施態様において、3つのカテゴリー:染色体、単一遺伝子、および多元発性にしばしば分類される継承された遺伝的皮膚状態である遺伝性皮膚症を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0109】
感染関連状態。1つの実施態様において、細菌、真菌、酵母、ウイルス、または寄生生物
によって引き起こされ得る感染関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0110】
細菌関連。1つの実施態様において、全身性の全身過程または単に孤立した表在感染の兆候であり得る異なる形態学的特徴をしばしば有する細菌関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0111】
マイコバクテリウム関連。1つの実施態様において、マイコバクテリウム感染によって引き起こされるマイコバクテリウム関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0112】
真菌症関連。1つの実施態様において、真菌または酵母によって引き起こされ、そして皮膚、毛、または爪の表在感染または深部感染として存在し得る真菌症関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0113】
寄生虫の繁殖、刺傷、および咬傷。1つの実施態様において、以下の門:環形動物門、節足動物門、苔虫動物門、脊索動物門、刺胞動物門、シアノバクテリア門、棘皮動物門、線形動物門、扁形動物門、および原生動物門を含む種々の形態の動物および昆虫に属する有機体のいくつかの群によって引き起こされるヒトにおける寄生虫の繁殖、刺傷、および咬傷を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0114】
ウイルス関連。1つの実施態様において、ウイルスの2つの主要な群-DNAおよびRNAタイ
プ-これらの両方とも偏性細胞内寄生生物である-によって引き起こされるウイルス関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0115】
苔癬様発疹。1つの実施態様において、皮膚、粘膜、爪、および毛に影響を与える唯一の一般的な炎症性疾患である扁平苔癬に関連する皮膚病である苔癬様発疹を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0116】
リンパ関連。1つの実施態様において、皮膚内のリンパ細胞の収集によって特徴付けられる障害の一群であるリンパ関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0117】
色素細胞性母斑および新生物。1つの実施態様において、(1)メラニン細胞、または(2)樹状突起を欠くメラニン細胞の形態である母斑細胞のいずれかの増殖によって引き起こされる色素細胞性母斑および新生物を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0118】
黒色腫。1つの実施態様において、メラニン細胞の悪性増殖でありそして皮膚癌の最も侵攻型である黒色腫を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0119】
単球およびマクロファージ関連。1つの実施態様において、肉芽腫性疾患、組織球増殖症、およびサルコイドーシスを含む、しばしばいくつかのカテゴリーに分けられる、単球またはマクロファージ細胞による皮膚の浸潤によって組織学的に特徴付けられる単球およびマクロファージ関連膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0120】
ムチン沈着症。1つの実施態様において、大量のムコ多糖を異常に産生する皮膚線維芽細胞によって引き起こされる状態の一群として分類されるムチン沈着症を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0121】
神経皮膚。1つの実施態様において、器質性神経系疾患により生じる状態であるかまたは病因において精神医学的である神経皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0122】
非感染性免疫不全関連。1つの実施態様において、T-細胞またはB-細胞機能不全によって引き起こされる非感染性免疫不全関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0123】
栄養関連。1つの実施態様において、不適切または不十分な食事による栄養不良によって引き起こされる栄養関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。非限定例は:ビオチン欠乏;カロチン血症;必須脂肪酸欠乏;葉酸欠乏;ビタミンA過剰症;ビタミンA欠乏症(ガマ皮症);鉄欠乏;クワシオルコル;リコペン血症(Lycopenemia);メールシロップ尿症;消耗症;ナイアシン欠乏(ペラグラ、ビタミンB3欠乏);
セレン欠乏;ビタミンB1欠乏(脚気、チアミン欠乏);ビタミンB12欠乏(シアノコバラ
ミン欠乏);ビタミンB2欠乏(リボフラビン欠乏症、リボフラビン欠乏);ビタミンB6欠乏(ピリドキシン欠乏);ビタミンB6過剰(ピリドキシン過剰);ビタミンC欠乏(壊血
病);ビタミンK欠乏;および亜鉛欠乏を含む。
【0124】
丘疹鱗屑性角化性。1つの実施態様において、角質層の肥厚によって引き起こされる丘疹および鱗屑を示すものである丘疹鱗屑性角化性皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0125】
掌蹠角皮症。1つの実施態様において、手の平および足の裏の皮膚の角化が存在する遺伝性および後天性角皮症の多様な群である掌蹠角皮症を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0126】
妊娠関連。1つの実施態様において、妊娠期間に観察される皮膚変化の一群である妊娠関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0127】
掻痒。1つの実施態様において、一般的にかゆみとして知られている掻痒を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。この状態は、皮膚だけに限定される感覚であり、そして多くの皮膚状態に特徴的である。
【0128】
乾癬。1つの実施態様において、限局性で紅斑性の乾燥した剥がれるプラークによって特徴付けられる皮膚の一般的な慢性でかつ再発性の炎症性疾患である乾癬を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0129】
反応性好中球。1つの実施態様において、反応性好中球皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。これらの状態は、好中球によって媒介される疾患のスペクトルを構成し、そして典型的には炎症性腸疾患および血液学的悪性腫瘍などの潜在する疾患に関連する。
【0130】
難治性掌蹠皮疹。1つの実施態様において、治療に対して耐性である手の平および足の裏の皮膚状態である難治性掌蹠皮疹を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0131】
代謝の誤りから生じる。1つの実施態様において、アミノ酸、炭水化物、および脂質などを含むがこれらに限定されない種々の細胞成分の蓄積または欠乏をもたらす酵素欠損によって引き起こされる代謝の誤りから生じる皮膚状態を治療するためのシステム、デバイス
および方法が提供される。
【0132】
物理的因子から生じる。1つの実施態様において、高温および低温、摩擦、および湿度を含むがこれらに限定されない多数の原因から引き起こされる物理的因子から生じる皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。非限定例は:掻爬;皮膚硬結(たこ、うおのめ、まめ、鶏眼、硬鶏眼、軟鶏眼、難治性足底角化症、胼胝);摩
擦水疱;凍傷;ジョガーズ・ニプル;光老化(皮膚日射病(dermatoheliosis);日焼け;
熱傷;ターフトゥ(Turf toe);およびレスラー耳(カリフラワー耳、外傷性耳血腫)を含む。
【0133】
電離放射線誘発。1つの実施態様において、電離放射線誘発皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。非限定例は、癌のためなどの放射線療法への曝露から生じる状態を含む。
【0134】
蕁麻疹および血管性浮腫。1つの実施態様において、皮膚の堅い隆起した腫れである膨疹の出現によって特徴付けられる皮膚の血管反応である蕁麻疹を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。単独でまたは蕁麻疹とともに生じ得る血管性浮腫は、皮下組織、腹部器官、または上気道に関係する明確に定義された水腫性腫脹によって特徴付けられる。
【0135】
血管関連。1つの実施態様において、真皮における血液または血管、あるいは皮下組織におけるリンパ管の機能不全から生じる血管関連皮膚状態を治療するためのシステム、デバイスおよび方法が提供される。
【0136】
種々の改変および変形が、本開示の範囲から逸脱することなく、開示したアロイ(alloy)および該アロイを完成部品に形成する方法になされ得ることは、当業者に明らかであろ
う。別の実施は、本明細書中に開示した仕様および実行の考慮から当業者に明らかであろう。明細書および実施例は例示としてのみ考慮され、本開示の真の範囲は以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって示されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症または血管状態を治療するための医薬組成物の使用であって:
抗VEGF剤を含む治療有効量の該医薬組成物を、マイクロニードルを用いて標的領域の皮膚に局所適用することによって、身体の該標的領域における炎症を経皮調節することを含み;
該マイクロニードルが、該医薬組成物を所定の深さで該標的組織に送達することを容易にする、
使用。
【請求項2】
抗VEGF剤が抗体である、請求項1の使用。
【請求項3】
抗VEGF抗体が、ベバシズマブ、ラニビズマブ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項2の使用。
【請求項4】
抗VEGF剤が、チロシンキナーゼ受容体の小分子インヒビターである、請求項1の使用。
【請求項5】
小分子インヒビターが、ペガプタニブ、イマチニブ、バンデタニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、FLT-1インヒビターまたはそれらの組み合わせを含む、請求項4の使用。
【請求項6】
医薬組成物がNSAIDを含む、請求項1~5のいずれか1項の使用。
【請求項7】
NSAIDが、ジクロフェナクアセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウムまたはそれらの組み合わせを含む、請求項6の使用。
【請求項8】
医薬組成物が、有効量のヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン硫酸、エラスチン、フィブリリン、ファイブリンまたはそれらの組み合わせから選ばれる少なくとも1つの充填剤を含む、請求項1~7のいずれか1項の使用。
【請求項9】
医薬組成物が:
a)少なくとも1つの抗VEGF抗体または小分子インヒビター;
b)少なくとも1つのNSAID;および
c)少なくとも1つの充填剤
を含む、請求項1の使用。
【請求項10】
炎症状態が、真皮線維組織および弾性組織の異常である、請求項1~9のいずれか1項の使用。
【請求項11】
炎症または血管状態が、酒さ、にきび、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、薬疹、乾癬、脂漏性皮膚炎、結合組織疾患、自己免疫疾患、蕁麻疹、光傷害、老化、日焼け、皮膚感染、放射線皮膚炎、電離放射線に曝露された皮膚、ポートワインの染みのあざ、血管腫、サクランボ色血管腫、星芒状血管腫、急性または慢性の創傷、光傷害、老化、日焼け、皮膚感染、放射線皮膚炎、および電離放射線に曝露された皮膚から選ばれる、請求項1~10のいずれか1項の使用。
【請求項12】
炎症または血管状態が老化である、請求項11の使用。
【請求項13】
マイクロニードルが複数のニードルを含む、請求項1~12のいずれか1項の使用。
【請求項14】
複数のニードルが、治療分子の溶液が標的領域に完全に分散されるように間隔を空けられる、請求項13の使用。
【請求項15】
標的領域が、ケロイドまたは外科的瘢痕が進行しやすい領域である、請求項1~14のいずれか1項の使用。
【外国語明細書】