(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003218
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】抽選装置、抽選方法、および抽選プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q30/0207 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103763
(22)【出願日】2023-06-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】521065838
【氏名又は名称】株式会社FAIR NEXT INNOVATION
(74)【代理人】
【識別番号】100148127
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 耕太
(72)【発明者】
【氏名】横山 学
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】
有限個数の景品を含む抽選において、景品の在庫を抱えるリスクを最小限に抑えることが可能な抽選装置を提供すること。
【解決手段】
抽選装置10は、予め個数が定められた有限景品および個数の制限がない無限景品を景品として設定する景品設定部104と、ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークを介してユーザ端末13に提供する抽選情報提供部105と、景品の当選確率を設定する当選確率制御部106と、抽選を実行し、抽選結果をユーザに通知する抽選実行部107と、を備え、当選確率制御部106は、有限景品の当選により有限景品の在庫がなくなった場合に、有限景品の当選確率を無限景品の当選確率に割り振る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め個数が定められた有限景品および個数の制限がない無限景品を景品として設定する景品設定部と、
ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供する抽選情報提供部と、
前記景品の当選確率を設定する当選確率制御部と、
抽選を実行し、抽選結果を前記ユーザに通知する抽選実行部と、
を備え、
前記当選確率制御部は、前記有限景品の当選により前記有限景品の在庫がなくなった場合に、前記有限景品の当選確率を前記無限景品の当選確率に割り振る、抽選装置。
【請求項2】
前記無限景品がデジタルコンテンツである、請求項1に記載の抽選装置。
【請求項3】
前記デジタルコンテンツを記憶する記憶部と、
前記デジタルコンテンツが当選した場合に、前記デジタルコンテンツを前記ユーザ端末に提供する景品提供部と、
をさらに備える、請求項2に記載の抽選装置。
【請求項4】
抽選を行うイベントを設定する抽選イベント設定部をさらに備える、請求項1に記載の抽選装置。
【請求項5】
前記抽選情報が、抽選を実施するサイトにアクセス可能なQRコードである、請求項1に記載の抽選装置。
【請求項6】
当選した景品を一覧で閲覧できる当選一覧情報を前記ユーザ端末に提供する当選情報提供部をさらに備える、請求項1に記載の抽選装置。
【請求項7】
前記景品設定部は、最も当選確率の高い最下位の景品を前記無限景品に設定し、
前記当選確率制御部は、全ての景品に当選確率を設定し、当選した前記有限景品の在庫を1つずつ減らして前記有限景品の在庫がなくなった場合に、前記有限景品の当選確率を前記最下位の前記無限景品の当選確率に割り振る、請求項1に記載の抽選装置。
【請求項8】
予め個数が定められた有限景品および個数の制限がない無限景品を景品として設定するステップと、
ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供するステップと、
前記景品の当選確率を設定するステップと、
抽選を実行し、抽選結果を前記ユーザに通知するステップと、
を含み、
前記当選確率を設定するステップは、前記有限景品の当選により前記有限景品の在庫がなくなった場合に、前記有限景品の当選確率を前記無限景品の当選確率に割り振る、抽選方法。
【請求項9】
コンピュータに、
予め個数が定められた有限景品および個数の制限がない無限景品を景品として設定するステップと、
ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供するステップと、
前記景品の当選確率を設定し、前記有限景品の当選により前記有限景品の在庫がなくなった場合に、前記有限景品の当選確率を前記無限景品の当選確率に割り振る、ステップと、
抽選を実行し、抽選結果を前記ユーザに通知するステップと、
を実行させる抽選プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインで抽選を行える抽選装置、抽選方法、および抽選プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ端末からのネットワークを介したアクセスに対し、所定の条件に応じて当選確率を調整して抽選を行う技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、抽選装置と、通信端末とを備える抽選システムであって、前記通信端末は、抽選結果が上位であるか下位であるかを判定する第1抽選実行部と、前記第1抽選実行部によって抽選結果が下位であると判定された場合に抽選を実行する第2抽選実行部と、前記第1抽選実行部によって抽選結果が上位であると判定された場合に、識別情報及び時刻情報を含む抽選依頼情報を前記抽選装置に送信する抽選依頼情報送信部と、前記抽選依頼情報に対する抽選結果を前記抽選装置から受信する抽選結果受信部とを有し、前記抽選装置は、複数の時間帯のそれぞれに異なる当選確率を割り当てる当選確率割当部と、前記通信端末から前記抽選依頼情報を取得する抽選依頼情報取得部と、前記時刻情報が示す時刻に対応する時間帯に割り当てられた当選確率に基づいて、前記抽選依頼情報に対する抽選を実行する第3抽選実行部と、前記第3抽選実行部による抽選結果及び前記識別情報を前記通信端末に送信する第1抽選結果出力部とを備える抽選システム、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、複数の時間帯のそれぞれに異なる当選確率を割り当てることは行っているが、有限個数の景品の在庫を最小限に抑えることまでは考慮されていないため、さらなる技術の向上が望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題に鑑みてなされ、有限個数の景品を含む抽選において、景品の在庫を抱えるリスクを最小限に抑えることが可能な抽選装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る抽選装置は、予め個数が定められた有限景品および個数の制限がない無限景品を景品として設定する景品設定部と、ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供する抽選情報提供部と、前記景品の当選確率を設定する当選確率制御部と、抽選を実行し、抽選結果を前記ユーザに通知する抽選実行部と、を備え、前記当選確率制御部は、前記有限景品の当選により前記有限景品の在庫がなくなった場合に、前記有限景品の当選確率を前記無限景品の当選確率に割り振る。
【0008】
また、本発明に係る抽選方法は、予め個数が定められた有限景品および個数の制限がない無限景品を景品として設定するステップと、ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供するステップと、前記景品の当選確率を設定するステップと、抽選を実行し、抽選結果を前記ユーザに通知するステップと、を含み、前記当選確率を設定するステップは、前記有限景品の当選により前記有限景品の在庫がなくなった場合に、前記有限景品の当選確率を前記無限景品の当選確率に割り振る。
【0009】
さらに、本発明に係る抽選方法を実行させるためのプログラムは、コンピュータに、予め個数が定められた有限景品および個数の制限がない無限景品を景品として設定するステップと、ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークを介してユーザ端末に提供するステップと、前記景品の当選確率を設定し、前記有限景品の当選により前記有限景品の在庫がなくなった場合に、前記有限景品の当選確率を前記無限景品の当選確率に割り振る、ステップと、抽選を実行し、抽選結果を前記ユーザに通知するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る抽選装置によれば、有限個数の景品を含む抽選において、景品の在庫を抱えるリスクを最小限に抑えることが可能となる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る抽選システムを示す概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る抽選装置内の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る抽選方法によるくじ引き処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態に係る抽選システムによるくじ引きイベントの例を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはなく、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形、および変更が可能である。
【0013】
図1から
図4を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0014】
<1.抽選システムの構成>
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る抽選システム1について説明する。
図1は、本実施形態に係る抽選システム1を示す概略構成図である。
【0015】
図1に示すように、抽選システム1は、抽選装置10と、管理者端末11と、データベース12と、ユーザ端末13と、を備えている。抽選装置10、管理者端末11、データベース12、およびユーザ端末13は、インターネット等のネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。なお、ネットワークNに接続されるユーザ端末13の数には限定がなく、ネットワークNの回線の種類や形態は問わない。
【0016】
抽選装置10は、1つまたは複数のユーザ端末13から、直接または管理者端末11を介して抽選依頼情報を受信する。その後、抽選装置10は、受信した抽選依頼情報に対する抽選を実行して、抽選依頼情報を送信したユーザ端末13に抽選結果を送信する。
【0017】
管理者端末11は、例えば、タブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である。管理者端末11で、抽選イベントおよびその景品を設定し、ユーザの購入金額に応じたQRコード等の抽選券等の抽選情報をユーザに提供する。
【0018】
データベース12は、過去に実施した抽選に関する当選番号や抽選結果等の抽選実施情報、景品情報などを格納する。
【0019】
ユーザ端末13は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末などの電子機器である。ユーザ端末13で、抽選情報を読み取り、抽選を実施する。景品によっては、ユーザ端末13で当選した景品を受け取ることができる。
【0020】
<2.抽選装置の構成>
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る抽選装置10について説明する。
図2は、本実施形態に係る抽選装置10内の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
図2に示すように、抽選装置10は、制御部101と、通信部102と、表示部103と、景品設定部104と、抽選情報提供部105と、当選確率制御部106と、を備えている。また、抽選装置10は、抽選実行部107と、記憶部108と、景品提供部109と、抽選イベント設定部110と、当選情報提供部111と、を備えている。
【0022】
制御部101は、抽選装置10全体を制御し、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などで構成することができる。制御部101は、CPUで、記憶部105等に記憶されたコンピュータプログラムをメモリに展開して実行することにより、各構成の機能を実現する。
【0023】
通信部102は、ネットワークNを介して管理者端末11やユーザ端末13等と情報の送受信を行う。通信部102は、例えば、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、LTE/5G、Cat.M1、NB-IoT等の近距離無線通信規格に対応した送受信機等を含んで構成される。
【0024】
表示部103は、例えば、イベントにおける抽選番号や、当選番号などの抽選結果を表示する機能を有する。表示部103は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、EPD(Electrophoretic Display)等のディスプレイで構成することができる。また、表示部103は、タッチパネル型ディスプレイで構成することもできる。
【0025】
景品設定部104は、イベントにおける抽選で当選したユーザに提供する景品を設定する。例えば、くじ引き回数を1回とし、1等から5等までの抽選を行うくじ引きの場合、1等から3等までの上位の景品を有形物や非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)などの予め個数が定められた有限景品に設定し、4等から5等までの下位の景品をデジタルコンテンツなどの個数の制限がない無限景品に設定する。なお、景品設定部104は、最も当選確率の高い最下位の景品を無限景品に設定することができる。
【0026】
抽選情報提供部105は、ユーザの購入額に応じて配布する抽選券に紐付けられた抽選情報を、ネットワークNを介してユーザ端末13に提供する。例えば、抽選情報が、抽選を実施するサイトにアクセス可能なQRコードである場合、抽選情報提供部105は、抽選を実施するサイトのユニークURLを管理者端末11に送信し、管理者端末11側でURLをQRコードに変換して表示部に表示し、そのQRコードをユーザ端末13で読み込む。
【0027】
当選確率制御部106は、当選したユーザに提供する景品の当選確率を設定する。さらに、当選確率制御部106は、全ての景品に当選確率を設定し、当選した有限景品の在庫を1つずつ減らして有限景品の在庫がなくなった場合に、その有限景品の当選確率を無限景品の当選確率に割り振ることができる。
【0028】
例えば、最上位の1等の有限景品の在庫を3個と設定して、1等が当選すると有限景品の在庫を1つずつ減らし、1等が全て当選して有限景品の在庫がなくなった場合に、当選確率制御部106は、1等の当選確率を無限景品が当選する最下位の5等の当選確率に割り振ることができる。
【0029】
抽選実行部107は、抽選を実行し、抽選結果をユーザ端末13に送信してユーザに通知する。
【0030】
記憶部108は、制御部101による処理の実行に必要な各種コンピュータプログラムや各種のデータ、および制御部101による処理結果により得られた各種のデータを記憶する。また、記憶部108は、抽選情報、並びにNFTや無限景品などのデジタルコンテンツを記憶する。
【0031】
景品提供部109は、抽選によりデジタルコンテンツが当選した場合に、そのデジタルコンテンツをユーザ端末13に提供する。
【0032】
抽選イベント設定部110は、抽選を行うイベントを設定する。
【0033】
当選情報提供部111は、当選した景品を一覧で閲覧できる当選一覧情報をユーザ端末13に提供する。当選一覧情報は、スタンプラリー機能として表示することができる。
【0034】
例えば、A賞からE賞までの当選があるくじ引きイベントで、A賞からE賞までそれぞれ当選本数が、1本、5本、7本、10本、10本、あり、現在B賞が3本とC賞が4本当選済みであることを、各種の表示画面に表示することができる。また、スタンプラリーと併せて、スタンプラリーの進行状況によって会員ステータスが変わったり、ページの見栄えが変わったりさせることができる。これにより、ユーザ体験が向上するような仕掛けを行うことができる。
【0035】
<3.抽選処理の流れ>
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る抽選システム1を用いた抽選方法による抽選処理の流れについて説明する。
図3は、本実施形態に係る抽選方法による抽選処理の一例である「くじ引き処理」の流れを示すフローチャートである。
【0036】
くじ引き処理は、例えば、ユーザ端末13で抽選券に紐付けられた抽選情報を読み込み、その抽選情報からイベントサイトへアクセスしてくじ引きの開始操作を行うことにより開始される。
【0037】
ここで、くじ引き方式には、例えば、パチンコ方式、ボックス方式、およびハイブリッド方式、がある。
【0038】
パチンコ方式は、事前に確率設定を行い、完全確率による抽選を行う方式である。パチンコ方式の景品数は青天井となる。ボックス方式は、事前に全景品に在庫を設定し、抽選を行う方式である。
【0039】
ボックス方式は、在庫が指定されている為、有限のくじ引きとなる。また、ボックス方式では、最上位の1等を1本だけ用意し、最後に配置することで「ラストワン賞」のような動きも実現できる。
【0040】
ハイブリッド方式は、パチンコ方式のように1等からn(nは2以上の自然数)等には確率を設定し、完全確率による抽選を行う方式である。この方式のパチンコ方式との違いは、ボックス方式のように在庫を指定することにある。例えば、最上位の1等の有限景品に在庫を3個に設定した場合、1等が当選するたびにその有限景品の在庫を1つずつ減らし、在庫が0になったら、それ以降1等は当選せず、1等の確率は最下位のn等に割り振られる。
【0041】
本実施形態に係る抽選装置10では、上位の当選に有限景品を設定し、少なくとも最下位の当選に無限景品を設定する、ハイブリッド方式を用いたくじ引き処理を行っている。また、本実施形態では、くじ引きの当選は1等からn等までとし、n等にはA個の在庫が設定され、在庫が残っている景品はB個とする。
【0042】
図3に示すように、ステップS101において、抽選装置10の当選確率制御部106は、1~10000の乱数を1つ生成する。
【0043】
ステップS102において、抽選装置10の抽選実行部107は、くじ引きを行ったユーザの当選をn等に確定させる。
【0044】
ステップS103において、抽選実行部107は、n等の景品に在庫が設定されているか否かを判定する。在庫が設定されていると判定した場合(YESの場合)、ステップS104に進む。在庫が設定されていないと判定した場合(NOの場合)、ステップS105に進む。
【0045】
ステップS104において、抽選実行部107は、n等の景品に在庫があるか否かを判定する。在庫があると判定した場合(YESの場合)、ステップS106に進む。在庫がないと判定した場合(NOの場合)、ステップS107に進む。
【0046】
ステップS105において、当選確率制御部106は、在庫が設定されていない景品に対し、1~Aの乱数を1つ生成する。乱数が1つ生成されると、ステップS109に進む。
【0047】
ステップS106において、当選確率制御部106は、在庫が残っている景品に対し、1~Aの乱数を1つ生成する。乱数が1つ生成されると、ステップS109に進む。
【0048】
ステップS107において、抽選実行部107は、景品に在庫がないので、最下位の無限景品を当選させる。最下位が当選されると、ステップS109に進む。
【0049】
ステップS108において、当選確率制御部106は、最下位の無限景品に対し、1~Aの乱数を1つ生成する。乱数が1つ生成されると、ステップS109に進む。
【0050】
ステップS109において、抽選実行部107は、くじ引きの当選を決定し、その当選に対する景品を確定させる。景品が確定されると、くじ引き処理が終了する。
【0051】
<4.くじ引きイベントの流れ>
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る抽選システム1によるくじ引きイベントの流れについて説明する。
図4は、本実施形態に係る抽選システム1によるくじ引きイベントの例を示す概要図である。
【0052】
図4は、個人や事務所等のクライアントが景品を提供するくじ引きイベントが開催される会場で、スタッフが管理者端末11を操作し、会場に来場したユーザに対してユーザ端末13によりくじ引きイベントを実施する場合を示している。
【0053】
まず、ユーザは、スタッフAが担当する 発券ブースへ行き、現金、クレジットカード、電子マネーなどで支払い、くじ引きイベントのチケットを購入する。なお、チケットは、直接購入するだけでなく、3,000円以上グッズを購入した人に1枚付与するという配布の仕方であってもよい。
【0054】
くじ引きイベントのチケット(抽選券)の配布方法は、事前に枚数を入力して発券アプリによる表示を行う方法、事前に枚数を入力してバーコード形式で印字して配布する方法、および後から枚数を指定してマイページ上で管理する方法などがある。
【0055】
事前に枚数を入力して発券アプリによる表示を行う方法の場合、発券アプリにて発券枚数を入力し、QRコードを作成して管理者端末11に画面表示する。そして、そのQRコードをユーザ端末13のカメラやQRコードリーダーで読み取り、イベントサイトにアクセスすることができる。また、ユーザ端末13でQRコードの写真を撮って画像として保存し、その画像から読み取ってイベントサイトにアクセスすることもできる。
【0056】
事前に枚数を入力してバーコード形式で印字して配布する方法の場合、事前に一律で枚数が決まった状態のQRコードを用意する。そして、レシートプリンタ等を用いてQRコードを印字したものをユーザに配布する。印字対象はレシート、名刺形式、うちわ、などとすることができる。
【0057】
後から枚数を指定してマイページ上で管理する方法の場合、QRコードのような形でユーザに抽選権利のみを与える。その後、ユーザが任意の枚数を指定して必要な金額を何らかの手段で支払う。その支払いによって、指定した枚数のチケットがユーザに付与される。上記で付与されたチケットにはそれぞれ番号のようなものが付与されている。
【0058】
この活用例としては、ビンゴ大会や宝くじの当選番号発表のように主催者側による当選番号発表と同時に、一致した番号を持つユーザのユーザ端末13の抽選結果画面に当選した旨が表示される。合わせてpush通知のような形でユーザ端末13に通知が届く機能を設けることもできる。
【0059】
ユーザがチケットを購入すると、スタッフAは、管理者端末11にインストールされた発券アプリケーション(発券アプリ)を用いて、くじ引きイベントのサイトにアクセス可能なQRコードを、購入したチケットの枚数分だけ発行する。なお、発券アプリはセキュリティの担保のため、ログインする必要があり、管理画面にて登録されたユーザーのみがログイン出来、発券権限があるユーザーのみがログイン出来る。
【0060】
QRコードが発行されると、ユーザは、ユーザ端末13によって管理者端末11等の表示画面に表示されたQRコードを読み取り、くじ引きイベントのサイトへアクセスする。
【0061】
くじ引きイベントのサイトへアクセスした後、ユーザは、ユーザ端末13を操作してくじ引きを実施する。すると、その抽選結果がサイト下部に表示される。
【0062】
ユーザは、サイトの抽選結果一覧を確認し、デジタルコンテンツの景品が当選した場合、サイトからその景品をダウンロードして受け取ることができる。有形物の景品が当選した場合、ユーザは、その景品を受け取るためにスタッフBが担当する受取所に向かう。
【0063】
景品の種別による受取方法については、即納デジタル型、後納デジタル型、後納物品型などがある。
【0064】
即納デジタル型の場合、当選したらマイページなどからすぐさまデジタルコンテンツがダウンロード可能となる。デジタル型の景品は、動画、音声、画像などが挙げられる。
【0065】
後納デジタル型の場合、当選後にデジタルコンテンツを作成し、管理者端末11の管理画面から景品のアップロードを行い、これにより納品とする。納品後に当選したユーザへ通知を行い、通知を受けたユーザはマイページなどから景品のダウンロードが可能となる。
【0066】
後納物品型の場合、当選直後またはイベント終了後に当選したユーザに対してスタッフが景品を渡す。また、後日の郵送や、交換所での手渡しにすることもできる。
【0067】
イベント型の場合、ライブ後の楽屋訪問や撮影権など、体験型の景品とすることができる。この場合、ユーザ端末13の抽選結果画面から入場券となる画面を表示し、そのチケットにてライブに参加できるようにすることができる。
【0068】
景品の受け渡し状態の更新については、ユーザ端末13の表示画面からの直接変更の場合や、管理画面からの受け渡し状態の更新の場合などがある。
【0069】
ユーザ端末13の表示画面からの直接変更の場合、抽選結果画面から受け渡し画面をユーザ端末13によってユーザに表示してもらい、権限を持ったスタッフが特定のコードを入力することで状態を「未受取」から「受取済」に更新する操作を行うことで受け渡した証拠(エビデンス)とする。受け渡しステータス更新後に、スタッフは、当選した非デジタルコンテンツの景品を当選したユーザに渡す。
【0070】
管理者端末11の管理画面からの受け渡し状態の更新の場合、権限を持ったスタッフが管理者端末11の管理画面に必要な情報を入力し、状態を「未受取」から「受取済」に更新する操作を行うことで受け渡したエビデンスとする。受け渡しステータス更新後に、当選した非デジタルコンテンツの景品を当選したユーザに渡す。
【0071】
例えば、受取所でユーザがユーザ端末13で抽選結果画面を表示すると、スタッフBは、その抽選結果画面を確認し、該当する景品を用意する。スタッフBは、景品をユーザに渡すと共に抽選結果のデータを「受取済」にする。このとき、スタッフBは、ユーザ端末13の表示画面の受け渡しボタンを押し、ポップアップ画面にスタッフコードを入力して、景品が受け渡し済のステータスに変えることができる。
【0072】
ユーザが景品を受け取るが、または後日受け取りの手続を済ませると、くじ引きが終了となる。
【0073】
本実施形態に係る抽選システム1によれば、現場くじを導入することにより、スマホやタブレットなどの携帯端末のみで「くじ引き」、「くじ引き履歴の管理」、「景品のセット」、「確率の調整」などの対応をすることができる。したがって、会場などで必要となる抽選箱やガラポンなどの準備が不要となり、現場の負担を軽減することができる。
【0074】
また、下位の景品をデジタルコンテンツの無限景品にすることにより、下位の景品のグッズなどの在庫を抱えるリスクと景品制作のコストが減り、有限個数の景品を含む抽選において、景品の在庫を抱えるリスクを最小限に抑えることが可能となる。これにより、上位の景品に更に力を注ぐこともできる。
【0075】
また、従来の抽選会場でのくじ引きを行う際は、スタッフが見守る場所で購入枚数分のくじを引く必要があったが、本実施形態の抽選方法を用いたくじ引きの導入により、ユーザがユーザ端末13でくじ引きを行うので、スタッフが見守る場所で購入枚数分のくじを引く必要がなく、短時間で効率よくくじ引きを実施することができる。その結果、くじ引きの回転率が高くなり売上げ向上に繋げることができる。
【0076】
さらに、下位の景品をデジタルコンテンツに設定することにより単価が発生しないため、有形物の景品の場合のような一つ一つに対する単価の発生をなくし、利益率の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 抽選システム
10 抽選装置
11 管理者端末
12 データベース
13 ユーザ端末
101 制御部
102 通信部
103 表示部
104 景品設定部
105 抽選情報提供部
106 当選確率制御部
107 抽選実行部
108 記憶部
109 景品提供部
110 抽選イベント設定部
111 当選情報提供部