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  • 特開-距離設定形光電センサ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025032499
(43)【公開日】2025-03-12
(54)【発明の名称】距離設定形光電センサ
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/12 20060101AFI20250305BHJP
【FI】
G01V8/12 A
G01V8/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137791
(22)【出願日】2023-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 永幸
(72)【発明者】
【氏名】高宮 知広
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB17
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE02
2G105GG01
2G105GG02
2G105HH04
(57)【要約】
【課題】割り算を使用することなく、検出性能を向上させる。
【解決手段】距離設定形光電センサは、投光部114と、設定距離よりも近い位置に存在する物体を検出するためのN側受光面と設定距離よりも遠い位置に存在する物体を検出するためのF側受光面まで延伸配置された受光素子105を有し、投光部114により投光された光に対する反射光を受光する受光部115と、N側受光面によって得られた受光量NとF側受光面によって得られた受光量Fとの受光量差(N-F)を算出する演算部107と、受光量Nと受光量Fとの受光量和(N+F)を算出する演算部109と、(N+F)に0より大きく1より小さい正の実数である係数を掛けてしきい値を生成するしきい値生成部110と、(N-F)としきい値との比較結果である2値信号を出力する比較部111とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を投光するように構成された投光部と、
設定距離よりも近い位置に存在する物体を検出するためのN側受光面と前記設定距離よりも遠い位置に存在する物体を検出するためのF側受光面まで延伸配置された受光素子を有し、前記投光部により投光された光に対する反射光を受光するように構成された受光部と、
前記N側受光面によって得られた受光量Nと前記F側受光面によって得られた受光量Fとの受光量差(N-F)または受光量差(F-N)を算出するように構成された第1の演算部と、
前記受光量Nと前記受光量Fとの受光量和(N+F)を算出するように構成された第2の演算部と、
前記受光量和(N+F)に0より大きく1より小さい正の実数である係数を掛けて第1のしきい値を生成するように構成されたしきい値生成部と、
前記受光量差(N-F)または前記受光量差(F-N)と前記第1のしきい値との比較結果である第1の2値信号を出力するように構成された第1の比較部とを備えることを特徴とする距離設定形光電センサ。
【請求項2】
請求項1記載の距離設定形光電センサにおいて、
前記受光量和(N+F)と0または0近傍の正の実数である第2のしきい値との比較結果である第2の2値信号を出力するように構成された第2の比較部と、
前記第1の2値信号と前記第2の2値信号との演算結果である第3の2値信号を出力するように構成された判定部とをさらに備えることを特徴とする距離設定形光電センサ。
【請求項3】
請求項2記載の距離設定形光電センサにおいて、
前記第1の比較部は、前記受光量差(N-F)が前記第1のしきい値より大きい場合に前記第1の2値信号をONにし、前記受光量差(N-F)が前記第1のしきい値以下の場合に前記第1の2値信号をOFFにし、
前記第2の比較部は、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値より大きい場合に前記第2の2値信号をONにし、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値以下の場合に前記第2の2値信号をOFFにし、
前記判定部は、前記第2の2値信号がONの場合に前記第1の2値信号を前記第3の2値信号として出力し、前記第2の2値信号がOFFの場合に前記第3の2値信号をOFFにすることを特徴とする距離設定形光電センサ。
【請求項4】
請求項2記載の距離設定形光電センサにおいて、
前記第1の比較部は、前記受光量差(F-N)が前記第1のしきい値より大きい場合に前記第1の2値信号をONにし、前記受光量差(F-N)が前記第1のしきい値以下の場合に前記第1の2値信号をOFFにし、
前記第2の比較部は、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値より大きい場合に前記第2の2値信号をONにし、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値以下の場合に前記第2の2値信号をOFFにし、
前記判定部は、前記第2の2値信号がONの場合に前記第1の2値信号を前記第3の2値信号として出力し、前記第2の2値信号がOFFの場合に前記第3の2値信号をONにすることを特徴とする距離設定形光電センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定距離範囲内の物体の有無を検出する距離設定形光電センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、設定距離範囲内の物体の有無を検出する距離設定形光電センサが知られている(例えば特許文献1参照)。距離設定形光電センサは、三角測距の原理を用いて物体を検出する。図4に従来の距離設定形光電センサの構成を示す。投光回路101は、LED等の投光素子102を駆動して発光させる。投光光学系103は、投光素子102からの光を集光して検出領域に光を投光する。検出領域に物体100が存在する場合に、物体100によって光が反射される。
【0003】
受光光学系104は、物体100によって反射された光を集光する。受光素子105は、受光光学系104によって集光された光を受光して電気信号に変換する。受光素子105としては、2分割フォトダイオード、多分割フォトダイオード、PSD(Position Sensitive Detector)、一次元CCD(Charge Coupled Device)などを用いることができる。受光素子105の受光面のうち、検出領域から遠い方の受光面を、設定距離よりも近い位置に存在する物体100を検出するためのN側(Near側)受光面と呼び、検出領域に近い方の受光面を、設定距離よりも遠い位置に存在する物体100を検出するためのF側(Far側)受光面と呼ぶ。
【0004】
増幅部106-Nは、受光素子105のN側受光面105-Nによって得られた受光量信号を増幅し、増幅部106-Fは、受光素子105のF側受光面105-Fによって得られた受光量信号を増幅する。演算部107は、増幅部106-Nによって増幅されたN側受光量信号が示す受光量Nと増幅部106-Fによって増幅されたF側受光量信号が示す受光量Fとの差(N-F)を算出する。設定距離より遠い位置に物体100が存在する場合、受光素子105の受光面上の受光スポットがF側受光面105-Fの方に偏るので、受光量Fが受光量Nよりも大きくなる(N<F)。設定距離より近い位置に物体100が存在する場合、受光素子105の受光面上の受光スポットがN側受光面105-Nの方に偏るので、受光量Nが受光量Fよりも大きくなる(N>F)。
【0005】
比較部108は、演算部107によって算出された受光量差(N-F)を所定のしきい値THと比較する。比較部108は、受光量差(N-F)がしきい値THより大きい場合に出力をONにし、受光量差(N-F)がしきい値TH以下の場合に出力をOFFにする。出力ONは設定距離範囲内に物体100が存在することを示し、出力OFFは設定距離範囲内に物体100が存在しないことを示す。
【0006】
図4に示した距離設定形光電センサでは、絶対光量が変わると、受光量差(N-F)も変わる。このため、物体100の反射率によって検出性能が大きく変わってしまうという問題があった。例えば物体100の反射率が低い場合、設定距離範囲内に物体100が存在する場合でも比較部108の出力がONにならない可能性がある。
【0007】
そこで、受光量Nと受光量Fとの和(N+F)で受光量差(N-F)を割ることによって、物体100の反射率の影響を除くことが提案されている(特許文献2~4参照)。特許文献2~4に開示された技術では、(N-F)/(N+F)に基づいて基準距離(しきい値)を設定することにより、検出性能の向上が期待できる。
【0008】
しかしながら、特許文献2~4に開示された技術では、(N-F)/(N+F)を演算するために、割り算が必要になるという課題があった。割り算をハードウェアで実現する場合、割り算回路の面積が大きくなり、光電センサの小型化を実現できない。割り算をソフトウェアで行う場合、演算に時間がかかる。また、(N+F)が0、すなわち反射光量が全くない場合に、(N-F)/(N+F)の演算を行うことができないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第6767072号公報
【特許文献2】特開2006-226851号公報
【特許文献3】特開2006-226853号公報
【特許文献4】特開2006-226854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、割り算を使用することなく、検出性能を向上させることができる距離設定形光電センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の距離設定形光電センサは、光を投光するように構成された投光部と、設定距離よりも近い位置に存在する物体を検出するためのN側受光面と前記設定距離よりも遠い位置に存在する物体を検出するためのF側受光面まで延伸配置された受光素子を有し、前記投光部により投光された光に対する反射光を受光するように構成された受光部と、前記N側受光面によって得られた受光量Nと前記F側受光面によって得られた受光量Fとの受光量差(N-F)または受光量差(F-N)を算出するように構成された第1の演算部と、前記受光量Nと前記受光量Fとの受光量和(N+F)を算出するように構成された第2の演算部と、前記受光量和(N+F)に0より大きく1より小さい正の実数である係数を掛けて第1のしきい値を生成するように構成されたしきい値生成部と、前記受光量差(N-F)または前記受光量差(F-N)と前記第1のしきい値との比較結果である第1の2値信号を出力するように構成された第1の比較部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の距離設定形光電センサの1構成例は、前記受光量和(N+F)と0または0近傍の正の実数である第2のしきい値との比較結果である第2の2値信号を出力するように構成された第2の比較部と、前記第1の2値信号と前記第2の2値信号との演算結果である第3の2値信号を出力するように構成された判定部とをさらに備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の距離設定形光電センサの1構成例において、前記第1の比較部は、前記受光量差(N-F)が前記第1のしきい値より大きい場合に前記第1の2値信号をONにし、前記受光量差(N-F)が前記第1のしきい値以下の場合に前記第1の2値信号をOFFにし、前記第2の比較部は、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値より大きい場合に前記第2の2値信号をONにし、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値以下の場合に前記第2の2値信号をOFFにし、前記判定部は、前記第2の2値信号がONの場合に前記第1の2値信号を前記第3の2値信号として出力し、前記第2の2値信号がOFFの場合に前記第3の2値信号をOFFにすることを特徴とするものである。
また、本発明の距離設定形光電センサの1構成例において、前記第1の比較部は、前記受光量差(F-N)が前記第1のしきい値より大きい場合に前記第1の2値信号をONにし、前記受光量差(F-N)が前記第1のしきい値以下の場合に前記第1の2値信号をOFFにし、前記第2の比較部は、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値より大きい場合に前記第2の2値信号をONにし、前記受光量和(N+F)が前記第2のしきい値以下の場合に前記第2の2値信号をOFFにし、前記判定部は、前記第2の2値信号がONの場合に前記第1の2値信号を前記第3の2値信号として出力し、前記第2の2値信号がOFFの場合に前記第3の2値信号をONにすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1の演算部と第2の演算部としきい値生成部と第1の比較部とを設けることにより、割り算を使用することなく、物体の反射率の影響を除くことができ、物体の反射率によって検出距離が変わってしまうという課題を解決することができる。本発明では、割り算回路を使用する必要がないので、光電センサの小型化を実現することができる。また、本発明では、割り算をソフトウェアで行う場合と比べて光電センサの応答速度を高速化できる。
【0014】
また、本発明では、第2の比較部と判定部とを設けることにより、光電センサの動作の不安定化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1の実施例に係る距離設定形光電センサの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第2の実施例に係る距離設定形光電センサの構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の第1、2の実施例に係る距離設定形光電センサを実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、従来の距離設定形光電センサの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る距離設定形光電センサの構成を示すブロック図であり、図4と同一の構成には同一の符号を付してある。距離設定形光電センサは、投光回路101と、投光素子102と、投光光学系103と、受光光学系104と、受光素子105と、増幅部106-N,106-Fと、演算部107,109と、しきい値生成部110と、比較部111,112と、判定部113とを備えている。
【0017】
投光素子102と受光素子105とは、所定の間隔で配設されている。受光素子105は、物体100からの反射光の光軸方向と交差する方向に沿ってN側受光面105-NとF側受光面105-Fとが延伸するように配設されている。投光回路101と投光素子102と投光光学系103とは、投光部114を構成している。受光光学系104と受光素子105と増幅部106-N,106-Fとは、受光部115を構成している。
【0018】
従来と同様に、投光回路101は、投光素子102を駆動して発光させる。投光光学系103は、投光素子102からの光を集光して検出領域に光を投光する。受光光学系104は、物体100によって反射された光を集光する。受光素子105は、受光光学系104によって集光された光を受光して電気信号に変換する。増幅部106-Nは、受光素子105のN側受光面105-Nによって得られた受光量信号を増幅し、増幅部106-Fは、受光素子105のF側受光面105-Fによって得られた受光量信号を増幅する。
【0019】
演算部107は、増幅部106-Nによって増幅されたN側受光量信号が示す受光量Nと増幅部106-Fによって増幅されたF側受光量信号が示す受光量Fとの差(N-F)を算出する。一方、演算部109は、受光量Nと受光量Fとの和(N+F)を算出する。しきい値生成部110は、演算部109によって算出された受光量和(N+F)に所定の係数αを掛けてしきい値α×(N+F)を生成する。係数αは、0より大きく1より小さい正の実数である。
【0020】
比較部111は、演算部107によって算出された受光量差(N-F)をしきい値α×(N+F)と比較する。比較部111は、受光量差(N-F)がしきい値α×(N+F)より大きい場合に出力Y(第1の2値信号)をONにし、受光量差(N-F)がしきい値α×(N+F)以下の場合に出力YをOFFにする。
【0021】
一方、比較部112は、演算部109によって算出された受光量和(N+F)を所定のしきい値TH0と比較する。しきい値TH0は、0または0近傍の正の実数である。比較部112は、受光量和(N+F)がしきい値TH0より大きい場合に出力X(第2の2値信号)をONにし、受光量和(N+F)がしきい値TH0以下の場合に出力XをOFFにする。
【0022】
判定部113は、比較部111の出力Yと比較部112の出力Xとに基づいて、距離設定形光電センサの最終的な検出結果を示す出力Z(第3の2値信号)を出力する。判定部113は、比較部112の出力XがOFFの場合、比較部111の出力Yの結果にかかわらず、出力ZをOFFにする。判定部113は、比較部112の出力XがONの場合、比較部111の出力Yをそのまま出力Zとして出力する。出力ZのONは設定距離範囲内に物体100が存在することを示し、出力ZのOFFは設定距離範囲内に物体100が存在しないことを示す。判定部113の入力X,Yと出力Zとの関係を表した真理値表を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
比較部111における判定式(N-F)>α×(N+F)を変形すると、(N-F)/(N+F)>αとなるので、本実施例では、割り算を使用することなく、物体100の反射率の影響を除くことができ、物体100の反射率によって検出距離が変わってしまうという課題を解決できることが分かる。
【0025】
本実施例では、演算部107(減算回路)と演算部109(加算回路)としきい値生成部110(乗算回路)と比較部111(比較回路)と比較部112(比較回路)と判定部113(AND回路)とを使用すればよく、割り算回路を使用する必要がないので、割り算回路を使用する場合と比べて回路面積を削減することができ、光電センサの小型化を実現することができる。また、本実施例では、演算部107,109以降の処理をソフトウェアで行う場合、(N-F)/(N+F)の割り算を行う必要がないので、割り算を行う場合と比べて光電センサの応答速度を高速化できる。
【0026】
また、本実施例では、反射光量が0または0に近い値になると、しきい値α×(N+F)が0または0に近い値になり、比較部111における(N-F)>α×(N+F)の判定動作が不安定になる。そこで、本実施例では、比較部112と判定部113とを設けることにより、受光量和(N+F)が0または0に近い値の場合に、判定部113の出力ZをOFFにすることができるので、光電センサの動作の不安定化を回避することができる。
【0027】
[第2の実施例]
第1の実施例では、受光量差(N-F)を算出してしきい値と比較していたが、(N-F)でなく(F-N)を算出するようにしてもよい。このような光電センサのタイプをFGS(Foreground Suppression)と呼ぶ。
【0028】
図2は本発明の第2の実施例に係る距離設定形光電センサの構成を示すブロック図であり、図1図4と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例の距離設定形光電センサは、投光回路101と、投光素子102と、投光光学系103と、受光光学系104と、受光素子105と、増幅部106-N,106-Fと、演算部107aと、演算部109と、しきい値生成部110と、比較部111,112と、判定部113aとを備えている。
【0029】
演算部107aは、増幅部106-Fによって増幅されたF側受光量信号が示す受光量Fと増幅部106-Nによって増幅されたN側受光量信号が示す受光量Nとの差(F-N)を算出する。比較部111は、演算部107aによって算出された受光量差(F-N)をしきい値α×(N+F)と比較する。比較部111は、受光量差(F-N)がしきい値α×(N+F)より大きい場合に出力Y(第1の2値信号)をONにし、受光量差(F-N)がしきい値α×(N+F)以下の場合に出力YをOFFにする。
【0030】
判定部113aは、比較部112の出力XがOFFの場合、比較部111の出力Yの結果にかかわらず、出力Z(第3の2値信号)をONにする。判定部113aは、比較部112の出力XがONの場合、比較部111の出力Yをそのまま出力Zとして出力する。判定部113aの出力ZのOFFは設定距離範囲内に物体100が存在することを示し、出力ZのONは設定距離範囲内に物体100が存在しないことを示す。判定部113aの入力X,Yと出力Zとの関係を表した真理値表を表2に示す。他の構成は第1の実施例と同じである。
【0031】
【表2】
【0032】
第1、第2の実施例で説明したとおり、演算部107,107a,109以降の処理はハードウェアで実現してもよいし、ソフトウェアで実現してもよい。ソフトウェアで行う場合、演算部107,107aと演算部109としきい値生成部110と比較部111,112と判定部113,113aとは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインターフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図3に示す。
【0033】
コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インターフェース装置(I/F)202とを備えている。I/F202には、増幅部106-N,106-F等が接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明の検出方法を実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、光電センサに適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
101…投光回路、102…投光素子、103…投光光学系、104…受光光学系、105…受光素子、106-N,106-F…増幅部、107,107a,109…演算部、110…しきい値生成部、111,112…比較部、113,113a…判定部、114…投光部、115…受光部。
図1
図2
図3
図4