(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003251
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 57/04 20060101AFI20241226BHJP
B65G 57/03 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B65G57/04
B65G57/03 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139434
(22)【出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2023102815
(32)【優先日】2023-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000242242
【氏名又は名称】北川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(72)【発明者】
【氏名】則清 功夫
【テーマコード(参考)】
3F029
【Fターム(参考)】
3F029AA04
3F029BA08
3F029CA82
3F029DA01
(57)【要約】
【課題】物品の仕分け工程と積み付け工程を統合的に行うことにより、物品の仕分け工程と積み付け工程を効率化する。
【解決手段】本発明の一実施形態によれば、複数種類の物品を仕向け先別に仕分け、積付位置に積み付けて段積物品を形成する仕分けシステムにおいて、複数の可動棚ユニットを備えた自動ラックと、物品を仕向け先に応じて定められた可動棚ユニットの棚板上に移載する第1移載手段と、可動棚ユニットの棚板上に並べられた複数の物品を、位置関係を維持しながら、一度に移載して積み付ける第2移載手段と、を備えたものが提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の物品を仕向け先別に仕分け、積付位置に積み付けて段積物品を形成する仕分けシステムにおいて、
複数の可動棚ユニットを備えた自動ラックと、
前記物品を仕向け先に応じて定められた前記可動棚ユニットの棚板上に移載する第1移載手段と、
前記可動棚ユニットの棚板上に並べられた複数の前記物品を、位置関係を維持しながら、一度に移載して積み付ける第2移載手段と、
を備えた、
仕分けシステム。
【請求項2】
前記可動棚ユニットの少なくとも一つが、
前記棚板上に並ぶ複数の物品の隙間を詰めて整列させる整列機能を有する第2可動棚ユニットである、
請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記第2可動棚ユニットの棚板が、
前記物品の出し入れが行われない待機時に前記棚板が配置される待機位置と、
前記第2移載手段が前記物品を取り出す取出位置と、
の間で移動可能である、
請求項2に記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記第2可動棚ユニットが、
前記待機位置と前記取出位置の境界部に配置され、
前記棚板上の物品の移動を許容する退避位置と、
前記棚板上の物品の移動を阻止する作用位置と、
の間で移動可能な可動ストッパーと、
前記棚板上に固定された固定ストッパーと、を備え、
前記可動ストッパーを作用位置に配置した状態で、前記棚板を前記取出位置から待機位置へ向かって移動させることにより、前記棚板上に並べられた複数の前記物品を前記可動ストッパーと前記固定ストッパーとで挟んで整列することが可能に構成された、
請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項5】
前記可動棚ユニットが、
前記整列機能を有しない第1可動棚ユニットを含み、
前記第2移載手段が、
前記第1可動棚ユニットから未整列の複数の前記物品を、位置関係を維持しながら、一度に前記第2可動棚ユニットに移載し、
前記第2可動棚ユニットから整列後の前記複数の物品を、位置関係を維持しながら、一度に積付位置に移載して積み付ける、
請求項2に記載の仕分けシステム。
【請求項6】
前記第1可動棚ユニットの棚板が、
前記第1移載手段から前記物品を受け入れる受入位置と、
前記物品の出し入れが行われない待機時に前記棚板が配置される待機位置と、
前記第2移載手段が前記物品を取り出す取出位置と、
の間で移動可能である、
請求項5に記載の仕分けシステム。
【請求項7】
前記複数の可動棚ユニットが鉛直方向に配列され、
前記第2移載手段が、前記複数の物品を鉛直方向に搬送する昇降装置であり、
前記昇降装置が、
可動部と、
前記可動部を駆動する第2駆動部と、を備え、
前記可動部が、水平に配列された前記複数の物品を一度に吸着保持可能な一つ以上の吸着ユニットを備えた、
請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項8】
前記可動部が、前記吸着ユニットが下面に取り付けられた可動フレームを備え、
前記第2駆動部が、
第2電動機と、
前記第2電動機の出力軸を結合した駆動シャフトと、
前記駆動シャフトと結合した4つの駆動スプロケットと、
前記駆動シャフトと平行に回転可能に支持された従動シャフトと、
前記従動シャフトと結合した2つの従動スプロケットと、
駆動スプロケットのみに巻き掛けられた一対の第1チェーンと、
駆動スプロケットと従動スプロケットに巻き掛けられた一対の第2チェーンと、
前記可動部と略同じ質量に調整されたカウンタウェイトと、
を備え、
前記第1チェーン及び前記第2チェーンの一端が前記カウンタウェイトに固定され、
各一対の前記第1チェーン及び前記第2チェーンの他端が前記可動フレームの四隅に固定された、
請求項7に記載の仕分けシステム。
【請求項9】
前記昇降装置が、水平方向において前記可動部の位置決めをする位置決め機構を備え、
前記位置決め機構が、
前記自動ラックのフレームに取り付けられたガイドユニットと、
前記可動フレームに取り付けられた、前記ガイドユニットと嵌合するフォロアと、を備え、
前記フォロアが、
平面である第1接触面と、
前記第1接触面と垂直な一対の平面である第2接触面と、を有し、
ガイドユニットが、
前記第1接触面と接触する第1ローラーと、
前記第2接触面と接触する第2ローラーと、を備えた、
請求項8に記載の仕分けシステム。
【請求項10】
一対の前記位置決め機構を備え、
前記一対の位置決め機構が、前記可動フレームを水平方向両側から挟み込む位置に設けられた、
請求項9に記載の仕分けシステム。
【請求項11】
前記第1移載手段が、垂直多関節ロボットである、
請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項12】
前記第1移載手段へ前記物品を順次搬送する搬入コンベヤーを備えた、
請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項13】
前記段積物品を搬出する搬出コンベヤーを備え、
前記物品が前記搬出コンベヤー上に積み付けられる、
請求項1に記載の仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分けシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の物品を効率的に輸送又は保管するために、パレット上に物品を複数段に積み付けるパレタイジングが行われる。特許文献1には、パレタイジングを自動的に行うことが可能な積付装置の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品を輸送する際には、物品の仕向け先毎にパレタイジングを行う必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の積付装置は、物品を仕分ける機能を有しない。そのため、積付装置によるパレタイジングの前に、仕向け先毎に物品を仕分ける作業が必要になる。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、物品の仕分け工程と積み付け工程を統合的に行うことにより、物品の仕分け工程と積み付け工程を効率化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、複数種類の物品を仕向け先別に仕分け、積付位置に積み付けて段積物品を形成する仕分けシステムにおいて、複数の可動棚ユニットを備えた自動ラックと、物品を仕向け先に応じて定められた可動棚ユニットの棚板上に移載する第1移載手段と、可動棚ユニットの棚板上に並べられた複数の物品を、位置関係を維持しながら、一度に移載して積み付ける第2移載手段と、を備えたものが提供される。
【0007】
上記の仕分けシステムにおいて、可動棚ユニットの少なくとも一つが、棚板上に並ぶ複数の物品の隙間を詰めて整列させる整列機能を有する第2可動棚ユニットである構成としてもよい。
【0008】
上記の仕分けシステムにおいて、第2可動棚ユニットの棚板が、物品の出し入れが行われない待機時に棚板が配置される待機位置と、第2移載手段が物品を取り出す取出位置と、の間で移動可能である構成としてもよい。
【0009】
上記の仕分けシステムにおいて、第2可動棚ユニットが、待機位置と取出位置の境界部に配置され、棚板上の物品の移動を許容する退避位置と、棚板上の物品の移動を阻止する作用位置と、の間で移動可能な可動ストッパーと、棚板上に固定された固定ストッパーと、を備え、可動ストッパーを作用位置に配置した状態で、棚板を取出位置から待機位置へ向かって移動させることにより、棚板上に並べられた複数の物品を可動ストッパーと固定ストッパーとで挟んで整列することが可能な構成としてもよい。
【0010】
上記の仕分けシステムにおいて、可動棚ユニットが、整列機能を有しない第1可動棚ユニットを含み、第2移載手段が、第1可動棚ユニットから未整列の複数の物品を、位置関係を維持しながら、一度に第2可動棚ユニットに移載し、第2可動棚ユニットから整列後の複数の物品を、位置関係を維持しながら、一度に積付位置に移載して積み付ける構成としてもよい。
【0011】
上記の仕分けシステムにおいて、第1可動棚ユニットの棚板が、第1移載手段から物品を受け入れる受入位置と、物品の出し入れが行われない待機時に棚板が配置される待機位置と、第2移載手段が物品を取り出す取出位置と、の間で移動可能である構成としてもよい。
【0012】
上記の仕分けシステムにおいて、複数の可動棚ユニットが鉛直方向に配列され、第2移載手段が、複数の物品を鉛直方向に搬送する昇降装置であり、昇降装置が、可動部と、可動部を駆動する第2駆動部と、を備え、可動部が、水平に配列された複数の物品を一度に吸着保持可能な一つ以上の吸着ユニットを備えた構成としてもよい。
【0013】
上記の仕分けシステムにおいて、可動部が、吸着ユニットが下面に取り付けられた可動フレームを備え、第2駆動部が、第2電動機と、第2電動機の出力軸を結合した駆動シャフトと、駆動シャフトと結合した4つの駆動スプロケットと、駆動シャフトと平行に回転可能に支持された従動シャフトと、従動シャフトと結合した2つの従動スプロケットと、駆動スプロケットのみに巻き掛けられた一対の第1チェーンと、駆動スプロケットと従動スプロケットに巻き掛けられた一対の第2チェーンと、可動部と略同じ質量に調整されたカウンタウェイトと、を備え、第1チェーン及び第2チェーンの一端がカウンタウェイトに固定され、各一対の第1チェーン及び第2チェーンの他端が可動フレームの四隅に固定された構成としてもよい。
【0014】
上記の仕分けシステムにおいて、昇降装置が、水平方向において可動部の位置決めをする位置決め機構を備え、位置決め機構が、自動ラックのフレームに取り付けられたガイドユニットと、可動フレームに取り付けられた、ガイドユニットと嵌合するフォロアと、を備え、フォロアが、平面である第1接触面と、第1接触面と垂直な一対の平面である第2接触面と、を有し、ガイドユニットが、第1接触面と接触する第1ローラーと、第2接触面と接触する第2ローラーと、を備えた構成としてもよい。
【0015】
上記の仕分けシステムにおいて、一対の位置決め機構を備え、一対の位置決め機構が、可動フレームを水平方向両側から挟み込む位置に設けられた構成としてもよい。
【0016】
上記の仕分けシステムにおいて、第1移載手段が、垂直多関節ロボットである構成としてもよい。
【0017】
上記の仕分けシステムにおいて、第1移載手段へ物品を順次搬送する搬入コンベヤーを備えた構成としてもよい。
【0018】
上記の仕分けシステムにおいて、段積物品を搬出する搬出コンベヤーを備え、物品が搬出コンベヤー上に積み付けられる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態の構成によれば、物品の仕分け工程と積み付け工程を統合的に行うことにより、物品の仕分け工程と積み付け工程を効率化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る仕分けラックシステムの正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る仕分けラックシステムの制御システムの概略構成を表すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る仕分けラックシステムの右側面である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る自動ラックの平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る可動棚ユニットの平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る可動棚ユニットの正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る昇降装置の上部及びその付近の拡大図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る昇降装置の正面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る昇降装置の右側面図である。
【
図12】仕分けラックシステムによる物品の仕分け・積み付け処理を行う手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して、重複する説明を省略する。また、各図において、符号が共通する事項が複数表示される場合は、必ずしもそれらの複数の表示の全てに符号を付さず、それらの複数の表示の一部について符号の付与を適宜省略する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る仕分けラックシステム1(仕分けシステム)の正面図である。また、
図2は、仕分けラックシステム1の制御システム1aの概略構成を表すブロック図である。本実施形態の仕分けラックシステム1は、プレカット加工された木材であるプレカット建材(以下「物品G」という。)を仕向け先別に仕分けて、段積みして、出荷場所等(例えば、フォークリフトの受取場所)へ搬出する機械システムである。
【0023】
なお、以下の説明において、
図1における左から右に向かう方向をX方向(第1方向)、紙面に垂直に表側から裏側へ向かう方向をY方向(第2方向)、下から上へ向かう方向をZ方向(第3方向)と定義する。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する3方向である。X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。
【0024】
仕分けラックシステム1は、搬入コンベヤー2、パレタイジングロボット3、自動ラック4、搬出コンベヤー5及び制御装置1c(
図2)を備える。制御装置1cは、搬入コンベヤー2、パレタイジングロボット3、自動ラック4及び搬出コンベヤー5と通信可能に接続され、これらを連係して動作するように制御する。また、制御装置1cは、生産管理システムPMに接続され、仕分けするプレカット建材の設計情報(形状、寸法等)、数量及び仕向け先情報等を生産管理システムPMから入手する。
【0025】
搬入コンベヤー2は、物品Gを例えば製造ライン、検査ライン又は物品Gが一次保管される倉庫からパレタイジングロボット3の前まで搬送するベルトコンベヤーである。なお、搬入コンベヤー2は、ベルトコンベヤーに限らず、チェーンコンベヤー、ローラーコンベヤー又は物品Gを吊り下げて搬送する吊り下げ式コンベヤーであってもよい。また、例えば段積みした物品Gを、例えば手動又は自動台車によってパレタイジングロボット3の前まで搬入してもよい。
【0026】
パレタイジングロボット3は、先端部にロボットハンド31を備えたロボットアーム(例えば垂直多関節ロボット)であり、物品Gを搬入コンベヤー2から自動ラック4に移し替える。なお、本実施形態のロボットハンド31は、物品Gを吸着により保持する吸着ハンドであるが、物品Gを把持により保持する把持ハンドであってもよい。
【0027】
図3及び
図4は、それぞれ本発明の一実施形態に係る自動ラック4(及び搬出コンベヤー5)の右側面図及び平面図である。
【0028】
自動ラック4は、鉛直方向に配列された複数(例えば、10段)の可動棚ユニット20(第1可動棚ユニット)、最上段に配置された可動棚ユニット30(第2可動棚ユニット)及び昇降装置50を備える。複数の可動棚ユニット20、可動棚ユニット30及び昇降装置50は、自動ラック4のフレーム10に固定され、支持されている。
【0029】
フレーム10は、鉛直に延びる複数(例えば、6本)の柱11と、X方向に隣り合う柱11を連結する複数の梁12と、Y方向に隣り合う柱11又は梁12を連結する複数の梁13を有する。
【0030】
図5及び
図6は、それぞれ可動棚ユニット20の平面図及び正面図である。
【0031】
可動棚ユニット20は、X方向に延びるフレームである平行に配置された一対のアーム21と、物品Gが載置される棚板22と、棚板22をX方向に移動可能に支持するガイド部24と、棚板22をX方向に駆動する駆動部23(第1駆動部)を備える。一対のアーム21は、棚板22を間に挟んで平行に配置され、フレーム10に固定されている。
【0032】
ガイド部24は、一対のアーム21の向かい合う側面にそれぞれ取り付けられたX方向に延びる一対のレール241と、棚板22のY方向における両端面に2つずつ取り付けられた、レール241上を走行可能なランナー242を備える。ランナー242は、Y方向と平行な回転軸を有し、レール241の上面(Z方向に垂直な面)を転動するローラー243(縦ローラー)と、Z方向と平行な回転軸を有し、棚板22と向かい合うレール241の側面(Y方向に垂直な面)を転動するローラー244(横ローラー)を備える(
図7)。
【0033】
駆動部23は、サーボモーター231(第1電動機)、シャフト232並びに各一対のスプロケット233(駆動スプロケット)、チェーン234及びスプロケット235(従動スプロケット)を備える。
【0034】
サーボモーター231は、ギアボックス231aを備えた歯車付き電動機であり、一方のアーム21の一端部に取り付けられる。なお、本実施形態のギアボックス231aは、例えば傘歯車等の交差軸歯車を備えたものであるが、平行軸歯車を備えたものでもよい。また、サーボモーター231は、ギアレスモーターであってもよい。
【0035】
シャフト232は、各アーム21の一端部に取り付けられた軸受232aによって回転可能に支持される。シャフト232は、一端がギアボックス231aの出力軸に接続され、サーボモーター231によって回転駆動される。
【0036】
シャフト232の両端部には、それぞれスプロケット233(駆動スプロケット)が取り付けられる。また、各アーム21の他端部には、それぞれスプロケット235(従動スプロケット)が回転可能に取り付けられる。
【0037】
一方のチェーン234の一端は、棚板22のY方向における一端面に取り付けられた2つのランナー242の一方に、一方のチェーン234の他端は、この2つのランナー242の他方に、それぞれ取り付けられる。また、他方のチェーン234の一端は、棚板22のY方向における他端面に取り付けられた2つのランナー242の一方に、他方のチェーン234の他端は、この2つのランナー242の他方に、それぞれ取り付けられる。従って、各チェーン234は、それぞれ棚板22及び2つのランナー242を介して、環状に連結して、ループを形成する。
【0038】
一方のチェーン234は、シャフト232の一端部に取り付けられたスプロケット233と、一方のアーム21に取り付けられたスプロケット235に張り渡される。また、他方のチェーン234は、シャフト232の他端部に取り付けられたスプロケット233と、他方のアーム21に取り付けられたスプロケット235に張り渡される。
【0039】
サーボモーター231が出力する動力は、シャフト232、スプロケット233及びチェーン234を介して棚板22に伝達され、サーボモーター231の回転角度に応じた距離だけ棚板22がX方向に移動する。棚板22は、パレタイジングロボット3から物品Gを受け入れる受入位置Aと、物品Gの出し入れが行われない待機時に棚板22が配置される待機位置B(ホームポジション)と、後述する昇降装置50が物品Gを取り出す取出位置Cとの間を移動する。なお、取出位置Cは、昇降装置50の直下に位置する。
【0040】
図7は、自動ラック4の上部(具体的には、可動棚ユニット30及び昇降装置50の上部)の正面図である。自動ラック4の最上段に配置される可動棚ユニット30は、アーム21、レール241及びチェーン234の長さが可動棚ユニット20よりも短く、棚板22の可動範囲が待機位置Bと取出位置Cとの間に限定されている。また、可動棚ユニット30は、後述する固定ストッパー361、可動ストッパー362及びエアシリンダ363を備える。これらの点を除いては、可動棚ユニット30の機械的構成は、可動棚ユニット20と共通するため、重複する説明は省略する。
【0041】
可動棚ユニット30は、棚板22上に並べられた物品Gの整列処理S10(
図12)を行うことが可能な(すなわち、整列機能を有する)整列手段である。整列処理とは、可動棚ユニット30の棚板22上に並べられた複数の物品G間のX方向における隙間を詰めて密着させる処理である。
【0042】
可動棚ユニット30は、固定ストッパー361、可動ストッパー362及び可動ストッパー362を駆動するエアシリンダ363(駆動手段)を備える。固定ストッパー361は、例えばL型アングルであり、可動棚ユニット30の棚板22のX方向における一端部(
図7における右端部)の上面に取り付けられる。エアシリンダ363は、待機位置Bと取出位置Cとの境界部、より詳細には、待機位置BのX方向における一端部(
図7における右端部。待機位置Bに配置された棚板22上の固定ストッパー361よりも更に右側の位置。)の上部に配置され、ロッド363aを鉛直方向に向けて、フレーム10に取り付けられている。可動ストッパー362は、ロッド363aの下端部に取り付けられ、ロッド363aと共に昇降する。可動ストッパー362には、物品Gから受ける力を検出する力センサ(不図示)が設けられている。
【0043】
可動ストッパー362は、エアシリンダ363の作動により、棚板22上の物品Gの移動を許容する退避位置と、棚板22上の物品Gの移動を阻止する作用位置との間で移動する。例えば、退避位置は可動ストッパー362の可動範囲の上端であり、作用位置は可動ストッパー362の可動範囲の下端である。可動ストッパー362が退避位置にあるときは、可動棚ユニット30の棚板22上の物品G及び固定ストッパー361は、棚板22と共に可動ストッパー362の下を通過することができる。また、可動ストッパー362が作用位置にあるときは、可動棚ユニット30の棚板22上の物品G及び固定ストッパー361が可動ストッパー362と干渉するため、物品G及び固定ストッパー361は、取出位置Cから待機位置Bに移動することができない。
【0044】
整列処理S10(
図12)においては、まずエアシリンダ363を作動させて、可動ストッパー362を作用位置へ降下させる。次に、可動棚ユニット30のサーボモーター231を作動させて、物品Gが載置された可動棚ユニット30の棚板22を取出位置Cから待機位置Bに向かって徐々に移動させる。可動ストッパー362を作用位置に降ろした状態で、物品Gが載置された棚板22を待機位置Bに向かって移動させると、最も待機位置Bに近い1番目の物品Gが可動ストッパー362に当たり、1番目の物品Gの待機位置Bへの移動が阻止される。そのため、1番目の物品Gは、移動する棚板22の上を滑り、やがて棚板22上の隣の物品G(すなわち、次に待機位置Bに近い2番目の物品G)に当たって、隣の物品Gの待機位置Bへの移動を阻止する。
【0045】
このように、可動棚ユニット30の棚板22上にX方向に並ぶ1番目から最後のN番目の物品Gの移動が順次阻止される。最終的には、最後のN番目の物品Gに棚板22に固定された固定ストッパー361が当たり、棚板22上の全ての物品Gが可動ストッパー362と固定ストッパー361との間で挟まれて、密着した状態(すなわち、整列状態)となる。制御装置1cは、力センサによって検出される可動ストッパー362に加わる力の大きさが所定値を超えると、整列状態に到達したと判定し、可動棚ユニット30のサーボモーター231を逆方向に駆動させて、棚板22を取出位置Cに移動させる。このようにして可動棚ユニット30による整列処理S10が行われる。
【0046】
図8及び
図9は、それぞれ本発明の一実施形態に係る昇降装置50の正面図及び右側面図である。
【0047】
昇降装置50は、可動部52、駆動部53(第2駆動部)、カウンタウェイト54及び一対の位置決め機構60(
図9)を備える。
【0048】
可動部52は、可動フレーム521と、物品Gを真空吸着により保持する1つ以上(例えば、3つ)の吸着ユニット522を備える。可動フレーム521は、後述する駆動部53の4本のチェーン536a、536b、536c、536dにより水平に吊り下げられる。吸着ユニット522は、可動フレーム521の下面から複数(例えば、4本)のロッドで水平に吊り下げられる。可動部52は、その下面に設けられた1つ以上の吸着ユニット522により、可動棚ユニット20又は可動棚ユニット30上に配列された複数の物品Gを、位置関係を維持しながら、一度に吸着保持することが可能に構成されている。
【0049】
駆動部53は、制御装置1cの制御に従い、可動部52を駆動して、所定の高さに移動させる。駆動部53は、サーボモーター531(第2電動機)と、サーボモーター531の出力軸と結合したシャフト532(駆動シャフト)と、シャフト532を回転可能に支持する複数(例えば、二対)の軸受534と、シャフト532と結合した4つのスプロケット535〔535a~d〕(駆動スプロケット)と、対応するスプロケット535と噛み合う4本のチェーン536〔536a~d〕と、シャフト532と同じ高さで平行に配置されたシャフト537(従動シャフト)と、シャフト537を回転可能に支持する複数(例えば、二対)の軸受538と、シャフト537と結合した2つのスプロケット539〔539b、9c〕(従動スプロケット)を備える。
【0050】
サーボモーター531及び複数の軸受534、538は、フレーム10に取り付けられる。サーボモーター531は、ギアボックス531aを備えた歯車付き電動機である。なお、本実施形態のギアボックス531aは、例えば傘歯車等の交差軸歯車を備えたものであるが、平行軸歯車を備えたものでもよい。また、サーボモーター531は、ギアレスモーターであってもよい。
【0051】
4本のチェーン536a~dの一端は、カウンタウェイト54に固定される。チェーン536a、536dは、それぞれスプロケット535a、535dに掛けられ、他端が可動フレーム521に固定される。チェーン536b、536cは、それぞれスプロケット535b、535c及びスプロケット539b、539cに掛けられ、他端が可動フレーム521に固定される。
【0052】
シャフト532は、可動フレーム521のY方向における一端部(
図9における左端部)の略真上に配置され、シャフト537は、可動フレーム521のY方向における他端部(
図9における右端部)の略真上に配置される。また、スプロケット535a、535bは、シャフト532の一端部(
図8における左端部)に取り付けられ、スプロケット535c、535dは、シャフト532の他端部(
図8における右端部)に取り付けられる。また、スプロケット539bはシャフト537の一端部(
図8における左端部)に取り付けられ、スプロケット539cは、シャフト537の他端部(
図8における右端部)に取り付けられる。すなわち、スプロケット535a、539b、539c、535dは、可動フレーム521の四隅の略真上に配置される。チェーン536a、536b、536c、536dの他端は、スプロケット535a、539b、539c、535dから垂下し、可動フレーム521の四隅に固定される。
【0053】
カウンタウェイト54は、可動部52と略同じ質量に調整された釣合錘である。カウンタウェイト54を使用することにより、昇降装置50の停止時に、サーボモーター531の駆動力を使用せずに、可動部52を所定の高さに保持することが可能になる。
【0054】
図10及び
図11は、それぞれ本発明の一実施形態に係る位置決め機構60の右側面図及び平面図である。位置決め機構60は、フレーム10に取り付けられたガイドユニット61と、可動部52に取り付けられたフォロア62から構成される。
【0055】
フォロア62は、可動フレーム521の正面及び背面の中央に取り付けられる。また、ガイドユニット61は、可動部52をホームポジションH(待機位置)に配置したときにフォロア62と嵌合する位置に配置され、フレーム10に取り付けられる。従って、可動部52がホームポジションHに移動すると、一対の位置決め機構60のガイドユニット61とフォロア62が嵌合し、可動部52がX方向及びY方向における基準位置に位置決めされる。なお、本実施形態のホームポジションHは、可動部52の可動範囲の上端部に設定されているが、それよりも低い位置に設定されてもよい。また、最上段に配置された可動棚ユニット30に対して物品Gの出し入れを行う位置がホームポジションHに設定されている。そのため、物品Gを搬出コンベヤー5上へ降下して積み付けを行う直前に必ず位置決め機構60による可動部52の位置決めが行われるため、高い精度で段積物品SGを形成することが可能になっている。
【0056】
フォロア62は、例えばステンレス鋼板等の金属板から形成された部材であり、Y方向と垂直に配置された矩形板状の本体部621と、本体部621に対して斜めに折り曲げられたテーパー部622を有する。本体部621は、Y方向に垂直な表面621a(第1接触面)と、X方向に垂直な2つの端面621b(第2接触面)を有する。
【0057】
ガイドユニット61は、X方向と平行な回転軸を有する、フォロア62の本体部621の表面621aと接触するローラー611(第1ローラー)と、本体部621の各端面621bと接触する一対のローラー612(第2ローラー)を備える。
【0058】
テーパー部622の表面622aは、上側ほどローラー611から離れるように傾斜したテーパー面となっている。テーパー部622のX方向における両端面622bは、上側ほど対向するローラー612から離れるように傾斜したテーパー面となっている。テーパー部622の表面622a及び端面622bをテーパー面とすることにより、フォロア62が下方からガイドユニット61に接近したときに、ローラー611、612にフォロア62の角が衝突することがなく、フォロア62の表面622a及び端面622bがローラー611及び612に徐々に接近し、接触するため、ローラー611及び612にフォロア62の表面622a及び端面622bがそれぞれ接触したときに生じ得る衝撃の発生や位置決め機構60の破損が防止される。
【0059】
位置決め機構60は、一対のローラー612によってフォロア62をX方向両側から挟み込むことにより、X方向における位置決めを行う。また、一対の位置決め機構60のローラー611によって一対のフォロア62を介して可動フレーム521をY方向両側から挟み込むことにより、Y方向における位置決めを行う。そのため、一対の位置決め機構60のガイドユニット61は、同じ高さで、可動フレーム521を介して対向する位置(言い換えれば、可動フレーム521を水平方向両側から挟み込む位置)に設けられることが望ましい。
【0060】
なお、本実施形態においては、一対の位置決め機構60が、可動フレーム521の正面及び背面に取り付けられているが、左側面及び右側面に取り付けられても良い。
【0061】
搬出コンベヤー5の搬送方向における一端部(
図1における左端部)が、昇降装置50の直下に配置される。昇降装置50は、物品Gの収容が完了した可動棚ユニット20から可動棚ユニット30へ物品Gを移載し、整列された物品Gを可動棚ユニット30から搬出コンベヤー5の一端部上に移動し、順次積み重ねて、段積みを行う。すなわち、搬出コンベヤー5の一端部の上が積付位置となる。
【0062】
次に、仕分けラックシステム1により物品Gの仕分け及び積み付け処理を行う手順について説明する。
図12は、仕分けラックシステム1による物品Gの仕分け・積み付け処理を行う手順を表すフローチャートである。
【0063】
まず、制御装置1cは、物品Gの仕分け及び積み付けに必要な情報(以下「仕分情報」という。)を生産管理システムPMから取得する(S1)。仕分情報は、例えば、出荷情報であり、出荷する物品Gの設計情報(形状、寸法等)、数量及び仕向け先情報を含む。出荷情報が無ければ(S2:YES)、仕分け及び積み付け処理は終了する。
【0064】
制御装置1cは、出荷情報を取得すると(S2:YES)、出荷情報に基づいて、向け先別に荷姿(段積物品SGの段積み構造)を設計する(S3)。このとき、作製する各段積物品SGについて、段済み構造の何段目のいずれの位置にいずれの物品Gを配置するのかが決定される。段積み構造は、例えば、段積物品SGの輸送に使用するトラックやコンテナの大きさ等の情報に基づいて、輸送コストが最小化するように設計される。
【0065】
また、本実施形態の仕分けラックシステム1では、段積み工程の前に、段積物品SGの各段(1段分)の物品Gの配列を可動棚ユニット20上で形成する。すなわち、各可動棚ユニット20に対して、いずれの段積物品SGの何段目の物品Gを収容するのかが割り当てられる(S4)。
【0066】
次に、制御装置1cは、搬入コンベヤー2を作動させて、物品Gをパレタイジングロボット3の前に搬入する(S5)。制御装置1cは、出荷情報に基づいて物品Gを特定し(S6)、物品Gを載置すべき可動棚ユニット20及び棚板22上の位置をパレタイジングロボット3に指示する。また、物品Gを載置すべき可動棚ユニット20のサーボモーター231を作動し、棚板22を受入位置Aに移動する。パレタイジングロボット3は、制御装置1cから指示された可動棚ユニット20及び棚板22上の位置に物品Gを配置する(S7)。可動棚ユニット20に物品Gが載置されたら、棚板22を待機位置Bへ移動させる。可動棚ユニット20への全ての物品Gの収容が完了するまで、処理S5~S7が繰り返される(S8)。
【0067】
いずれかの可動棚ユニット20への物品Gの収容が完了すると、その可動棚ユニット20上の物品Gを昇降装置50により最上段の可動棚ユニット30へ移載する(S9)。具体的には、まず完載した可動棚ユニット20の棚板22を取出位置Cへ移動させる。次に、昇降装置50の可動部52を降下させ、取出位置Cに置かれた棚板22上に載置された複数の物品Gを、位置関係を維持しながら、吸着ユニット522により一括して吸着保持し、可動部52をホームポジションH(可動部52の可動範囲の上端部)へ移動させる。
【0068】
昇降装置50によって可動棚ユニット20から物品Gが取り出されたら、可動棚ユニット20の棚板22を取出位置Cから待機位置Bへ移動させる。また、昇降装置50の可動部52がホームポジションHに到達したら、可動棚ユニット30の棚板22を待機位置Bから取出位置Cに移動させた後、昇降装置50の吸着ユニット522による物品Gの吸着保持を解除して、可動棚ユニット30の棚板22上に配列された物品Gを載置する。
【0069】
次に、可動棚ユニット30において上述した整列処理S10が行われる。整列処理S10が完了すると、昇降装置50により可動棚ユニット30上の物品Gが、整列状態を維持したまま、搬出コンベヤー5(又は、搬出コンベヤー5上に積載された物品G)上に移載される(S11)。
【0070】
昇降装置50により可動棚ユニット30から物品Gが取り出されると、エアシリンダ363が作動して、可動ストッパー362が退避位置へ上昇する。そして、可動棚ユニット30のサーボモーター231が作動して、可動棚ユニット30の空の棚板22が待機位置Bに移動する。
【0071】
本実施形態では、段積物品SGを構成する各段がそれぞれ異なる可動棚ユニット20の上で同時並行に形成され、それらが搬出コンベヤー5上で積載されて、段積物品SGが形成される。段積物品SGが完成するまで、処理S5~S11が繰り返される(S12)。
【0072】
段積物品SGが完成すると(S12:YES)、搬出コンベヤー5が作動し、段積物品SGが出荷場所又は倉庫へ搬送される(S13)。
【0073】
出荷情報に記録された物品Gの仕分け及び積み付け処理が完了するまで、処理S5~S13が繰り返される(S14)。出荷情報に記録された物品Gの仕分け及び積み付け処理が完了すると(S14:YES)、処理S1に戻り、最新の出荷情報を取得する。
【0074】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
【0075】
上記の実施形態では、搬出コンベヤー5上に段積物品SGが積み付けられるが、床上又は搬出コンベヤー5上に載置されたパレット上に段積物品SGを積み付ける構成としてもよい。
【0076】
上記の実施形態では、自動ラック4の可動棚ユニット(可動棚ユニット20、30)が縦に並べられているが、可動棚ユニットが横又は縦と横の二方向に並べられていてもよい。
【0077】
上記の実施形態では、自動ラック4が整列機能を有する可動棚ユニット30(第2可動棚ユニット)を備えているが、自動ラック4に可動棚ユニット30を設けずに(すなわち、整列工程を省いて)、可動棚ユニット20から搬出コンベヤー5上に1段分の物品Gを直接移載して段積みしてもよい。
【0078】
また、可動棚ユニット30を省くと共に、例えば、可動棚ユニット20に固定ストッパー361、可動ストッパー362及びエアシリンダ363を設けて、可動棚ユニット20に整列機能を与えてもよい。このような構成とすることにより、可動棚ユニット20から可動棚ユニット30に物品Gを移載する工程S9を省くことが可能になり、更に、各可動棚ユニット20において同時並行で整列処理S10を行うことが可能になるため、物品Gの仕分け・積み付け処理に要する時間を短縮することが可能になる。
【0079】
上記の実施形態では、整列機能を有する可動棚ユニット30が自動ラック4に1段のみ設けられているが、2段以上の複数段の可動棚ユニット30を自動ラック4に設けてもよい。このような構成とすることにより、整列工程の待機時間を削減することができる。
【0080】
上記の実施形態では、物品Gの設計情報(例えば、形状やサイズ)に基づいて棚板22上の配置が物品G毎に定められるが、設計情報に依らずに、例えば搬入された順に棚板22上に並べる構成としてもよい。
【0081】
上記の実施形態では、パレタイジングロボット3が搬入コンベヤー2上から可動棚ユニット20の棚板22上に物品Gを移載する構成が採用されているが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、例えば、パレット上に積み付けられた仕分け前の段積物品SGから可動棚ユニット20の棚板22上に物品Gを移載する構成(すなわち、デパレタイジングとパレタイジングを同時に行う構成)としてもよい。また、ラックに収容された仕分け前の物品Gを、ラックから可動棚ユニット20の棚板22上に移載する構成としてもよい。
【0082】
上記の実施形態は、プレカット建材の取り扱いに本発明を適用したものであるが、プレカット建材に限らず、他の様々な種類の物品(例えば、セメントや穀物等の粉粒体を収容した袋、又は、一つ以上の物品を収容した段ボール箱、プラスチックコンテナ若しくは木箱等のコンテナを含む。)の取り扱いにも本発明を適用することができる。
【0083】
また、上記の実施形態は、工場における出荷工程に本発明を適用したものであるが、倉庫や各種の物流センター(例えば、配送センター、プロセス・ディストリビューション・センター又はフルフィルメントセンター等)における物品の取り扱いにも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 仕分けラックシステム
1a 制御システム
2 搬入コンベヤー
3 パレタイジングロボット
4 自動ラック
5 搬出コンベヤー
20 可動棚
30 可動棚
50 昇降装置
60 位置決め機構
G 物品
SG 段積物品