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特開2025-3252高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置
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  • 特開-高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003252
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20241226BHJP
   B01D 53/72 20060101ALI20241226BHJP
   B01D 53/75 20060101ALI20241226BHJP
   B01D 53/76 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01L21/31 F ZAB
B01D53/72
B01D53/75
B01D53/76
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144776
(22)【出願日】2023-09-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0079396
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518460200
【氏名又は名称】ミラエボ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、 チェホ
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ヨンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、 ジウン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、 スンウォン
【テーマコード(参考)】
4D002
5F045
【Fターム(参考)】
4D002AA40
4D002AC07
4D002BA05
4D002BA12
4D002BA13
4D002EA02
4D002GA01
4D002GB20
5F045AB31
5F045AC08
5F045EG08
(57)【要約】
【課題】高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置を提供する。
【解決手段】本発明は、反応副産物を捕集する第1分散捕集部と;流入した排気ガスを低温領域の形成された内部空間に収容した後、下部へ排出しながら、捕集された粉末状酸化物を積載する捕集ボックス、及び捕集ボックスの内部に設置され、固体状High K物質を低温領域で酸化反応によって粉末状酸化物として成長させて捕集するように複数の捕集プレートが上下に離隔して多段で構成された捕集プレート部からなるボックス型捕集部と;ボックス型捕集部に低温領域の面積を最大化させて提供するように、外部から供給される冷却水が循環の後に排出されるように構成された冷却パッド部と、ボックス型捕集部を経た排気ガスを下部に分散させながら反応副産物を捕集する第2分散捕集部と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバーから排出される排気ガスをヒーター部で加熱しながら、ハウジングの内部に収容して反応副産物を捕集する捕集装置であって、
ハウジングのガス流入口に流入してヒーター部で熱分解されたHigh K物質が含まれている排気ガスを下部ボックス型捕集部に分散させながら反応副産物を捕集する第1分散捕集部と;
流入した排気ガスを低温領域の形成された内部空間に収容した後、下部へ排出しながら、捕集された粉末状酸化物を積載する捕集ボックス、及び前記捕集ボックスの内部に設置され、固体状High K物質を低温領域で酸化反応によって粉末状酸化物として成長させて捕集するように複数の捕集プレートが上下に離隔して多段で構成された捕集プレート部からなるボックス型捕集部と;
ボックス型捕集部に低温領域の面積を最大化させて提供するように、外部から供給される冷却水が循環の後に排出されるように構成された冷却パッド部と、
ボックス型捕集部を経た排気ガスを下部に分散させながら反応副産物を捕集する第2分散捕集部と、
を含むことを特徴とする、高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項2】
前記ボックス型捕集部は、幅方向に一定間隔離間して2つ以上配置されて構成され、
前記冷却パッド部は、第1冷却水貯蔵パッドと第2冷却水貯蔵パッドと第3冷却水貯蔵パッドとが連結されて順次冷却水が貯蔵及び供給されるように構成され、2つからなるボックス型捕集部同士の間と外側面側に冷却水貯蔵パッドが一つずつ配置されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項3】
前記捕集ボックスは、上面に複数の流入ホールが形成され、下面に複数の排気ホールが形成された四角ボックス構造の金属材質で出来ており、冷却パッド部から提供された熱源によって均一な低温領域が形成されるように構成され、
上面の両側端には、ガイドプレートが、第1分散捕集部の下面まで形成され、排気ガスの流れを流入ホール側にガイドしながら反応副産物を捕集するように構成され、
一側面には、複数の垂直プレートが側方向に突出して、側方向に沿って流れる排気ガスの中から反応副産物を捕集するように構成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項4】
前記捕集プレート部は、両側の垂直支持台に上下に一定間隔で離間している複数の捕集プレートで多段に構成され、各捕集プレートは、複数の四角ホール又は円形ホールが形成された捕集プレートが交互に多段に構成され、前記四角ホールまたは円形ホールは、下部捕集プレートに行くほど小さくて多くの個数を有するように形成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項5】
前記冷却パッド部は、第1冷却水貯蔵パッドと第2冷却水貯蔵パッドと第3冷却水貯蔵パッドとが連結パイプで連結されて順次冷却水が貯蔵及び供給されるように構成され、内部空間が水平妨害板によって上段層と下段層に一定長さだけ分割されて順次冷却水が流れる流路を形成し、前記上段層と下段層には、それぞれ複数の垂直妨害板が一定間隔で上下にずれるように交互に設置され、冷却水のジグザグ流路を有するように形成されたことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項6】
前記水平妨害板と垂直妨害板は、側面部の一部を冷却水貯蔵パッドの外部に一定間隔ごとに複数個突出させた低温渦流片を形成して渦流発生及び低温領域を増大させたことを特徴とする、
請求項5に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、四角ボックス形状の内壁に沿って複数の内壁捕集プレートが上下に多段で形成され、下部領域に多段形成された内壁捕集プレートは、上部領域の内壁捕集プレートよりも長く突出し、複数のホールが形成されて渦流を形成して捕集するように構成され、
前記ハウジングは、下板の一箇所に形成されたガス排出口の上部側にはメッシュフィルター排出口が設置され、排気ガスの流れが、周縁に形成されたメッシュフィルターを介して流入した後、ガス排出口から排出されるように構成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項8】
前記冷却パッド部へ供給されて循環の後に排出される冷却水は、ハウジングの上板に設置された冷却水流入口から流入した後、ハウジングの外部側面に、上部に設置された上部冷却バーと連結された冷却パッド部の第1冷却水貯蔵パッドに流入し、その後、第2冷却水貯蔵パッド、第3冷却水貯蔵パッドを順次経て貯蔵及び循環しながらボックス型捕集部に低温領域を提供し、第3冷却水貯蔵パッドと連結されたハウジングの外側面の下部に形成された下部冷却バーへ排出されて上部に流れた後、上板に形成された冷却水流路に供給されて循環しながらハウジングの上板を冷却させ、その後、冷却水排出口を介して排出されるように構成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項9】
前記ヒーター部は、排気ガス中に含まれている酸化工程用High K蒸着用前駆体または酸化物蒸着用前駆体を高温で熱分解して化学反応性を高めるヒーターと、ヒーターの上部に放射状に設置され、加熱された排気ガスを、高温接触性を増加させながら側方向に分散させるディフューザーと、を有し、
前記ヒーターは、流入する排気ガス中に含まれている前駆体が酸化アルミニウム蒸着用前駆体である場合には100℃~330℃で加熱し、酸化ハフニウム蒸着用前駆体の場合には300℃以上に加熱し、酸化ジルコニウム蒸着用前駆体の場合には200℃以上で加熱して熱分解させるように構成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項10】
前記第1分散捕集部は、ハウジングの上板に吊り下がった四角プレートで構成され、下部に位置したボックス型捕集部領域に該当する領域には、複数の四角ホールが配列されて形成され、残りの領域は、側面に分散されてハウジングの壁面に沿って流れる排気ガスの流れを四角ホールの方向に誘導するガイド面として形成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項11】
前記第2分散捕集部は、下部へ排気ガスを誘導する複数の四角ホールが配列された領域と、周辺から四角ホール側へ排気ガスを誘導するガイド面領域と、からなる四角プレートで構成され、前記四角ホールは、中央部のホールの開口面積が小さく、周辺部に行くほど開口面積が大きく形成され、
前記四角プレートは、下板に設置された離隔支持台によって一定間隔離間してボックス型捕集部、冷却パッド部の荷重を支持するように構成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項12】
前記四角プレートの上面には、両側に対角方向に対向する複数の垂直プレートが上方に突設され、2つからなる捕集ボックスの側面に溶接され、側方向に沿って流れる排気ガス中に含まれている反応副産物を捕集するように構成され、
上面の一側の複数箇所に複数の支持プレートが形成され、冷却パッド部の第1冷却水貯蔵パッド、第2冷却水貯蔵パッド、第3冷却水貯蔵パッドの下部をそれぞれ一定間隔離間させながら荷重を支持するように構成されたことを特徴とする、
請求項11に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【請求項13】
前記四角プレートの下面には、複数個が配列された四角ホールの間ごとにガイドプレートがそれぞれ下方に垂直に突設され、下降する排気ガスの流れを均一にガイドしながら反応副産物を捕集するように構成されたことを特徴とする、
請求項11に記載の高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置に関し、より詳細には、半導体回路の微細化のためにHigh K(誘電定数)物質で半導体絶縁膜を蒸着する酸化工程のためにプロセスチャンバーへ供給されるHigh K蒸着用前駆体が蒸着工程後に排気ガス中に含まれて排出されると、前駆体に含まれているHigh K物質を熱分解と酸化反応によって捕集する反応副産物捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程は、大きく、前工程(Fabrication工程)と後工程(Assembly工程)から構成される。前工程は、各種のプロセスチャンバー(Chamber)内でウエハー(wafer)上に薄膜を蒸着し、蒸着された薄膜を選択的にエッチングする過程を繰り返し行うことで特定のパターンを加工して半導体チップ(Chip)を製造する工程であり、後工程は、前記前工程で製造されたチップを個別に分離した後、リードフレームと結合して完成品として組み立てる工程である。
【0003】
このとき、前記ウエハー上に薄膜を蒸着するか、或いはウエハー上に蒸着された薄膜をエッチングする工程は、プロセスチャンバー内にガス注入システムを介して様々な半導体蒸着及びエッチング用前駆体と反応ガスを注入して高温で行われ、前記工程が行われる間、プロセスチャンバーの内部には、各種の発火性ガスや、腐食性異物及び有毒成分を含有した有害ガスなどが多量発生する。
【0004】
このような有害ガスを浄化して放出するために、半導体製造用プロセスチャンバーを真空状態に作る真空ポンプの後段には、前記プロセスチャンバーから排出される排気ガスを浄化させた後、大気中へ放出するスクラバー(Scrubber)が設置される。
【0005】
ただし、スクラバーは、主にガス状の反応副産物のみを浄化処理するため、反応副産物がプロセスチャンバーの外部へ排出された後、固形化する場合、排気ラインへの固着による排気圧力の上昇、真空ポンプへの流入によるポンプの故障誘発、プロセスチャンバーへの有害ガスの逆流によるウエハー汚染などの問題点が発生するおそれがある。
【0006】
このため、大部分の半導体製造装備には、プロセスチャンバーと真空ポンプとの間に、排気ガスを凝集させて粉末状又は固形物状に捕集する反応副産物捕集装置が設置される。
【0007】
一方、最近、半導体集積度がさらに高くなり、半導体回路の微細化に伴う半導体絶縁膜における電流リークの問題を解決するために、プロセスチャンバーに供給されるゲート酸化膜またはキャパシタ(Capacitor)酸化膜蒸着工程用前駆体が既存のSiO蒸着用前駆体から誘電率の高いHigh K物質(例えばAl、HfO、ZrO)蒸着用前駆体へと次第に変更される傾向にある。
【0008】
したがって、真空ポンプの故障を防止するためには、このような前駆体が含まれて排出される排気ガス中に含まれている固体状物質であるHigh K物質を捕集の後に排出しなければならない。
【0009】
ただし、既存の固体状物質を捕集する一般的な捕集装置は、主に流入口で排気ガスが捕集されて詰まるのを防ぐためにヒーターで排気ガスの温度を加熱するか、或いは詰まる危険のない排気ガスの場合は、ヒーター加熱なしに流入させた後、内部捕集装置の捕集用プレートの表面で固体状反応副産物を凝集させて捕集する捕集工程を行う構造であって、排気ガスに含まれているHigh K蒸着用前駆体中に含まれている固体状のHigh K物質、例えばAl、Hf、Zrを効率よく捕集することが難しいという構造的問題点がある。
【0010】
すなわち、酸化アルミニウム蒸着用前駆体TMA(trimethylaluminum)、酸化ハフニウム蒸着用前駆体TEMAHf(Tetrakis(ethylmethylamido)hafnium)、酸化ジルコニウム蒸着用前駆体Cp-Zr[Cyclopentadienyl Tris(dimethylamino)Zirconium]が排気ガス中に含まれて排出される場合、酸化反応により蒸着されるHigh K物質を効率よく捕集することが難しいため捕集装置の外部へ排出されるという構造的問題点が発生する。
【0011】
しかし、未だHigh K蒸着用前駆体に含まれているHigh K物質を高効率で捕集すべき捕集装置が提供されておらず、これに対する解決が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1806480号公報(2017年12月1日)
【特許文献2】韓国登録特許第10-2154196号公報(2020年9月3日)
【特許文献3】韓国登録特許第10-2311930号公報(2021年10月6日)
【特許文献4】韓国登録特許第10-2228180号公報(2021年3月10日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、半導体回路の微細化のために誘電率の高いHigh K物質で半導体誘電膜を蒸着するための酸化工程のためにプロセスチャンバーへ供給されるHigh K蒸着用前駆体が排気ガスと共に排出されると、これを捕集装置の流入口でヒーターの高温によってHigh K物質を熱分解させた後、冷却パッド部によって低温領域が形成されたボックス型捕集部で酸化反応を誘導して粉末状酸化物として成長させて捕集することができる反応副産物捕集装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、内部の捕集プレート部とそれを包む外部の捕集ボックスとからなるボックス型捕集部を2つ以上備えて一定間隔離間させて水平配置した後、各ボックス型捕集部の外郭及び離隔した間の空間に四角面状の冷却パッド部を配置して冷却水を循環供給することにより、低温領域を最大化させて、ボックス型捕集部の捕集ボックスに熱伝導された低温領域が、内部に収納された捕集プレート部に均一に形成されることにより、高効率の酸化反応が起こってHigh K物質が蒸着されながら捕集された後、捕集ボックスの内部に積載されるように構成した反応副産物捕集装置を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、2つに分離された各ボックス型捕集部に均一な低温領域を形成するために、3つの冷却水貯蔵パッドを連結パイプで連結して、流入した冷却水が順次循環して排出されながら各冷却水貯蔵パッドが均一な低温領域を維持して提供するように、各冷却水貯蔵パッドの内部に水平妨害板と複数の垂直妨害板を設置して流路を形成することで冷却水の流れを均一に循環させ、妨害板の両側面部の一部を冷却水貯蔵パッドの外部に突出させて妨害板の位置を固定させるとともに、冷却水貯蔵パッドに沿って流れる排気ガスの流れに渦流を発生させて遅滞させながら冷却効率を増大させた冷却パッド部を備えた反応副産物捕集装置を提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、ボックス型捕集部の捕集ボックスの内部に設置された捕集プレート部を構成する各捕集プレートを垂直多段で構成し、各段の捕集プレートに形成されたホールの大きさと形状が異なるように構成して、捕集された粉末状酸化物形態の反応副産物が直接下部に排出されず、各段の捕集プレートを経て流路が変更されながら多段捕集されて捕集ボックスの内部に積載され、ハウジングの下部排出口の上部にハウジングの内部に突出したメッシュフィルター排出口を形成することにより、反応副産物が直接アウトフロー(outflow)されることを最小限に抑えて、真空ポンプに流入する固体状物質を事前に除去することにより耐久性を高めるように構成した反応副産物捕集装置を提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、ヒーター部のディフューザーの垂直高さを従来のディフューザーよりも相対的に高くし、放射状に配列されたディフューザーの総数を従来のディフューザーよりも相対的に少なくすることにより、排気ガスの初期凝集を防止し、ヒーターの発熱を最小限に抑えながら、流入する排気ガスの高温接触性を増加させて前駆体の熱分解を最大化して供給することにより、ボックス型捕集部における化学反応性を増加させた反応副産物捕集装置を提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、ハウジングの内壁の上部領域に多段形成された内壁捕集プレートよりも、下部領域に多段形成された内壁捕集プレートの内側方向の突出長さを大きくし、各内壁捕集プレートに複数のホールを形成することにより、排気ガスの流れが停滞せずに下方向の流れを円滑に維持させた反応副産物捕集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成し且つ従来の欠点を除去するための課題を行う本発明は、プロセスチャンバーから排出される排気ガスをヒーター部で加熱しながらハウジングの内部に収容して反応副産物を捕集する捕集装置であって、
ハウジングのガス流入口を介して流入してヒーター部で熱分解されたHigh K物質が含まれている排気ガスを下部ボックス型捕集部に分散させながら反応副産物を捕集する第1分散捕集部と;
流入した排気ガスを低温領域の形成された内部空間に収容した後、下部へ排出しながら、捕集された粉末状酸化物を積載する捕集ボックス、及び前記捕集ボックスの内部に設置され、固体状High K物質を低温領域で酸化反応によって粉末状酸化物として成長させて捕集するように複数の捕集プレートが上下に離間して多段で構成された捕集プレート部からなるボックス型捕集部と;
ボックス型捕集部に低温領域の面積を最大化させて提供するように、外部から供給される冷却水が循環の後に排出されるように構成された冷却パッド部と、
ボックス型捕集部を経た排気ガスを下部に分散させながら反応副産物を捕集する第2分散捕集部と、を含むことを特徴とする、高温領域での熱分解と低温領域での酸化反応誘導による半導体工程用反応副産物捕集装置を提供することにより達成される。
【0020】
好適な実施形態において、前記ボックス型捕集部は、幅方向に一定間隔離間して2つ以上配置されて構成され、
前記冷却パッド部は、第1冷却水貯蔵パッドと第2冷却水貯蔵パッドと第3冷却水貯蔵パッドとが連結されて順次冷却水が貯蔵及び供給されるように構成され、2つからなるボックス型捕集部同士の間及び外側面側に冷却水貯蔵パッドが一つずつ配置されたことを特徴とする。
【0021】
好適な実施形態において、前記捕集ボックスは、上面に複数の流入ホールが形成され且つ下面に複数の排気ホールが形成された四角ボックス構造の金属材質で出来ており、冷却パッド部から提供された熱源によって均一な低温領域が形成されるように構成され、
上面の両側端には、ガイドプレートが第1分散捕集部の下面まで形成され、排気ガスの流れを流入ホール側にガイドしながら反応副産物を捕集するように構成され、
一側面には、複数の垂直プレートが側方向に突出して、側方向に沿って流れる排気ガスの中から反応副産物を捕集するように構成されたことを特徴とする。
【0022】
好適な実施形態において、前記捕集プレート部は、両側の垂直支持台に上下に一定間隔離間した複数の捕集プレートで多段に構成されるが、各捕集プレートは、複数の四角ホール又は円形ホールが形成された捕集プレートが交互に多段に構成され、前記四角ホールまたは円形ホールは、下部捕集プレートに行くほど小さくて多くの個数を有するように形成されたことを特徴とする。
【0023】
好適な実施形態において、前記冷却パッド部は、第1冷却水貯蔵パッドと第2冷却水貯蔵パッドと第3冷却水貯蔵パッドとが連結パイプで連結されて順次冷却水が貯蔵及び供給されるように構成されるが、内部空間が水平妨害板によって上段層と下段層に一定長さだけ分割されて順次冷却水が流れる流路を形成し、前記上段層と下段層には、それぞれ複数の垂直妨害板が一定間隔で上下にずれるように交互に設置され、冷却水のジグザグ流路を有するように形成されたことを特徴とする。
【0024】
好適な実施形態において、前記水平妨害板と垂直妨害板は、側面部の一部を冷却水貯蔵パッドの外部に一定間隔ごとに複数個突出させた低温渦流片を形成して渦流を発生させるとともに低温領域を増大させたことを特徴とする。
【0025】
好適な実施形態において、前記ハウジングは、四角ボックス形状の内壁に沿って複数の内壁捕集プレートが上下に多段形成されるが、下部領域に多段形成された内壁捕集プレートは、上部領域の内壁捕集プレートよりも長く突出し、複数のホールが形成されて渦流を発生させながら捕集するように構成され、
前記ハウジングは、下板の一箇所に形成されたガス排出口の上部側にはメッシュフィルター排出口が設けられ、排気ガスの流れが、周縁に形成されたメッシュフィルターを介して流入した後、ガス排出口から排出されるように構成されたことを特徴とする。
【0026】
好適な実施形態において、前記冷却パッド部へ供給されて循環の後に排出される冷却水は、ハウジングの上板に設置された冷却水流入口から流入した後、ハウジングの外側面の上部に設置された上部冷却バーに連結された冷却パッド部の第1冷却水貯蔵パッドに流入した後、第2冷却水貯蔵パッド、第3冷却水貯蔵パッドを順次経て貯蔵及び循環しながらボックス型捕集部に低温領域を提供し、第3冷却水貯蔵パッドに連結されたハウジングの外側面の下部に設けられた下部冷却バーへ排出されて上部に流れた後、上板に形成された冷却水流路に供給されて循環しながらハウジングの上板を冷却させ、その後、冷却水排出口を介して排出されるように構成されたことを特徴とする。
【0027】
好適な実施形態において、前記ヒーター部は、排気ガス中に含まれている酸化工程用High K蒸着用前駆体または酸化物蒸着用前駆体を高温で熱分解して化学反応性を高めるヒーターと、ヒーターの上部に放射状に設置され、加熱された排気ガスを、高温接触性を増加させながら側方向に分散させるディフューザーと、を有するが、
前記ヒーターは、流入する排気ガス中に含まれている前駆体がTMAである場合には100℃~330℃で加熱し、TEMAHfの場合には300℃以上に加熱し、Cp-Zrの場合には200℃以上で加熱して熱分解させるように構成されたことを特徴とする。
【0028】
好適な実施形態において、前記第1分散捕集部は、ハウジングの上板に吊り下がった四角プレートで構成されるが、下部に位置したボックス型捕集部領域に該当する領域には、複数の四角ホールが配列されて形成され、残りの領域は、側面に分散されてハウジングの壁面に沿って流れる排気ガスの流れを四角ホールの方向に誘導するガイド面で形成されたことを特徴とする。
【0029】
好適な実施形態において、前記第2分散捕集部は、下部に排気ガスを誘導する複数の四角ホールが配列された領域と、周辺から四角ホール側へ排気ガスを誘導するガイド面領域と、からなる四角プレートで構成されるが、前記四角ホールは、中央部のホールの開口面積が小さく、周辺部に行くほど開口面積が大きく形成され、
前記四角プレートは、下板に設置された離隔支持台によって一定間隔離間してボックス型捕集部、冷却パッド部の荷重を支持するように構成されたことを特徴とする。
【0030】
好適な実施形態において、前記四角プレートの上面には、両側に対角方向に対向する複数の垂直プレートが上方に突設され、2つからなる捕集ボックスの側面に溶接されて側方向に沿って流れる排気ガス中に含まれている反応副産物を捕集するように構成され、
上面の一側の複数箇所に複数の支持プレートが形成され、冷却パッド部の第1冷却水貯蔵パッド、第2冷却水貯蔵パッド、第3冷却水貯蔵パッドの下部をそれぞれ一定間隔離間させながら荷重を支持するように構成されたことを特徴とする。
【0031】
好適な実施形態において、前記四角プレートの下面には、複数個が配列された四角ホールの間ごとにガイドプレートがそれぞれ下方に垂直に突設され、下降する排気ガスの流れを均一にガイドしながら反応副産物を捕集するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
上述の特徴を有する本発明に係る反応副産物捕集装置は、半導体回路の微細化のために誘電率の高いHigh K物質で半導体絶縁膜工程のために半導体が製造中であるプロセスチャンバーに供給される酸化工程用High K蒸着用前駆体が蒸着工程の後、排気ガス中に含まれて排出されるとき、捕集装置の入口でヒーターによって加熱して前駆体中に含まれている固体状High K物質を熱分解させた後、排気ガスの流れをボックス型捕集部に誘導しながら冷却パッド部を利用してHigh K物質が粉末状酸化物として成長するのに必要とする温度に冷却させ、低温領域で酸化反応を誘導して成長させることにより、排気ガス中に含まれている前駆体中の固体状反応副産物のみを捕集することができるという効果を持つ。
【0033】
また、本発明は、ボックス型捕集部を内部の捕集プレート部とそれを包む外部の捕集ボックスとで構成し、このボックス型捕集部を2つ以上備えて一定間隔離間させて水平配置した後、各ボックス型捕集部の外郭及び離間した間の空間に四角面状の冷却パッド部を配置して冷却水を循環供給することにより、低温領域を最大化させ、ボックス型捕集部の捕集ボックスに熱伝導された低温領域が、内部に収納された捕集プレート部に均一に形成されることにより、高効率の酸化反応が起こってHigh K物質が蒸着されながら捕集されるという効果を持つ。
【0034】
また、本発明は、冷却パッド部が2つに分離された各ボックス型捕集部に均一な低温領域を形成するために、3つの冷却水貯蔵パッドを連結パイプで連結して、流入した冷却水が順次循環して排出されながら各冷却水貯蔵パッドが均一な低温領域を維持して提供するように、各冷却水貯蔵パッドの内部に水平妨害板と複数の垂直妨害板を設置して流路を形成することで、冷却水の流れを下段層と上段層のいずれかの一層から他の層へと流れながらジグザグ方式の流れをもって隣接の冷却水貯蔵パッドのいずれかの一層へ流れるようにして均一に冷却水を循環させて排出させ、妨害板の両側面部の一部を冷却水貯蔵パッドの外部に突出させて妨害板の位置を固定させるとともに、冷却水貯蔵パッドに沿って流れる排気ガスの流れに渦流を発生させて遅滞させながら冷却効率を増大させることができるという効果を持つ。
【0035】
また、本発明は、ボックス型捕集部の捕集ボックスの内部に設置された捕集プレート部を構成する各捕集プレートを垂直多段で構成し、各段の捕集プレートに形成されたホールの大きさと形状が異なるように構成して、捕集された粉末状酸化物形態の反応副産物が直接下部に排出されず、各段の捕集プレートを経て流路が変更されながら多段捕集されて捕集ボックスの内部に積載され、ハウジングの下部排出口の上部にハウジングの内部へ突出したメッシュフィルター排出口を形成することにより、反応副産物が直接アウトフロー(outflow)されることを最小限に抑えて、真空ポンプに流入する固体状物質を事前に除去することにより耐久性を高めることができるという効果を持つ。
【0036】
また、本発明は、ヒーターの上部に位置したディフューザーの垂直高さを従来のディフューザーよりも相対的に高くし、放射状に配列されたディフューザーの総数を従来のディフューザーよりも相対的に少なくすることにより、排気ガスの凝集を防止しながら、流入する排気ガスの高温接触性を増加させ、前駆体の熱分解を最大化して供給することで、ボックス型捕集部における化学反応性を増加させたという効果を持つ。
【0037】
また、本発明は、ハウジングの内壁の上部領域に多段形成された内壁捕集プレートよりも、下部領域に多段形成された内壁捕集プレートの内側方向の突出長さを大きくし、各内壁捕集プレートに複数のホールを形成することにより、排気ガスの流れが停滞することなく、下部方向の流れをスムーズに維持させるという効果を持つ。
【0038】
以上のように、本発明は、様々な効果を有する有用な発明であって、産業上の利用が大きく期待される発明である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の内部を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の断面例示図である。
図4】本発明の一実施形態によるボックス型捕集部の構造を示す分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態によるボックス型捕集部の結合構造を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による冷却パッド部の構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態の構成とその作用を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能或いは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にするおそれがあると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の分解斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の内部を示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の断面例示図であり、図4は、本発明の一実施形態によるボックス型捕集部の構造を示す分解斜視図であり、図5は、本発明の一実施形態によるボックス型捕集部の結合構造を示す斜視図であり、図6は、本発明の一実施形態による冷却パッド部の構造を示す分解斜視図である。
【0042】
図示の如く、本発明に係る捕集装置は、半導体を生産するプロセスチャンバーで半導体回路の微細化のために誘電率の高いHigh K物質で半導体誘電膜工程のために半導体が製造中であるプロセスチャンバーに供給される酸化工程用High K蒸着用前駆体が蒸着工程の後に排出される際に排気ガス中に含まれている前駆体の固体状反応副産物のみを捕集するようにプロセスチャンバーと真空ポンプとの間の排気ライン上に設置された反応副産物捕集装置であって、ハウジング1、ヒーター部2、第1分散捕集部3、ボックス型捕集部4、冷却パッド部5及び第2分散捕集部6を含んで構成される。
【0043】
本発明による捕集装置は、プロセスチャンバーから排出される排気ガスにより発生する腐食などを防止することができるように、チタン、ステンレス鋼、アルミニウムなどの素材を用いて製作される。
【0044】
ハウジング1は、中空の四角ボックス(Box)状であって、内部に設置されるボックス型捕集部4に、上部側に位置したヒーター部2を経てHigh K蒸着用前駆体が熱分解されながら化学反応性が増加したHigh K物質が含まれている排気ガスが流入すると、低温で酸化反応を介して粉末状酸化物として捕集されるように排気ガスを貯蔵する役割を果たすように構成される。
【0045】
ハウジングの上部は開放されてボックス型捕集部を収納させて設置した後、上板を覆ってボルトまたはその他の締結手段を用いて固定させればよい。
【0046】
ハウジングの内壁11には、周りに沿って内側方向に突出した複数の内壁捕集プレート111が上下に一定間隔離間して多段形成されることにより構成される。
【0047】
このとき、ハウジングの内壁の上部領域に多段形成された内壁捕集プレートよりも、下部領域に多段形成された内壁捕集プレートは、内側方向の突出長さを上部領域に形成された内壁捕集プレートよりも大きくし、面上に複数のホール111aを形成することにより、排気ガスの流れが停滞することなく、下部方向の流れが円滑に維持されるように構成する。
【0048】
このような内壁捕集プレート111が備えられると、ハウジングの内部に流入した排気ガスがぶつかりながら渦流を発生させて排気ガスの流れを遅滞させることで、反応副産物の捕集効率を増大させることができる。
【0049】
ハウジングの上部をなす上板12は、上部が開放されたハウジングの上部を覆う蓋として機能しながら排気ガスが流入するように上部に突出したガス流入口121が形成され、プロセスチャンバー(図示省略)から排出される排気ガスの供給を受けるように構成される。
【0050】
また、上板には、その底面に設置されたヒーター部に電源を供給し、内部温度に応じて電源を制御するための温度を測定するための温度センサーを含むヒーター電源供給部23が設置される。
【0051】
また、上板の上面には、ハウジングの内部で上板の下部側に設置されたヒーターの稼働に応じてハウジングが加熱されることを防止するように、冷却水流路122が上面に溝状に加工されて形成される。前記冷却水流路の上部は、流路蓋123で覆うように構成される。このとき、流路蓋は、図示されてはいないが、水密のためのシーリング処理を含めて締結することができ、締結方法は、嵌合式、溶接式、ボルト締結式などの方式で締結すれば十分である。
【0052】
前記冷却水流路122は、外部の冷却水タンク(図示せず)から供給された冷却水が冷却水流入口124を介して流入した後、冷却水排出口125から排出されて循環するように構成されるが、流入した冷却水と排出される冷却水とが互いに混ざらないように冷却水流路は連通せず、境界部を持つように形成される。使用される冷却水は、水または冷媒を使用すればよい。
【0053】
このとき、前記冷却水流入口124から流入した冷却水は、直接冷却水流路122に沿って流れず、冷却水パイプ128を介して下部方向に供給され、ハウジングの外側面の上部に設置された上部冷却バー126に連結された流入パイプを介して、ハウジングの内部に設置された冷却パッド部5の第1冷却水貯蔵パッド51に流入した後、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53を順次経て貯蔵及び循環しながら、ボックス型捕集部4に低温領域を提供した後、第3冷却水貯蔵パッド53に連結された排出パイプを介してハウジングの外側面の下部に形成された下部冷却バー127へ排出され、冷却水パイプ128を介して上部へ流れた後、上板に形成された冷却水流路122に供給されて循環しながらハウジングの上板を冷却させた後、最終的に冷却水排出口125を介して排出されるように構成される。
【0054】
また、上板の底面には、ヒーター部2を吊り下がるように固定させる複数のヒーター据置台129が備えられる。
【0055】
また、上板の底面には、第1分散捕集部3を吊り下がるように固定させる複数の捕集部据置台129aが備えられる。捕集部据置台129aは、前記ヒーター据置台129よりも長さが長いものを用いて、ヒーター部よりも捕集部据置台129aがより下部に位置するようにする。
【0056】
ハウジングの下部をなす下板13は、一箇所に下部方向にガス排出口131が形成され、反応副産物の除去された排気ガスが排出される通路として使用されるように構成するが、下部排出口の上部に、ハウジングの内部に突出したメッシュフィルター排出口132を備えて、反応副産物が直接下方にアウトフローされるのを最小限に抑えるように構成する。
【0057】
前記メッシュフィルター排出口132は、円筒の上部は閉塞され、下部は開放され、円筒の周縁はメッシュフィルター132aで形成されることにより、上部側から流入する排気ガス中に反応副産物が存在しても、上部が塞がれて下板の下部ガス排出口131から直接排出されず、側方向に流れる排気ガスの流れに沿って流れてから、メッシュフィルター排出口の周縁に形成されたメッシュフィルターに捕集される。このため、排気ガス中に含まれている反応副産物がアウトフロー(outflow)されることを最小限に抑える。
【0058】
また、下板13の上面の各頂点付近には、離隔支持台133が上方に突出して形成される。少なくとも4つからなる離隔支持台133は、上部に位置した第2分散捕集部6の下部に締結され、ボックス型捕集部4、冷却パッド部5、第2分散捕集部6の荷重を支持しながら下板の上面から一定高さ離間させる。
【0059】
また、このように離間した高さにより、下板13と第2分散捕集部6との間に、メッシュフィルター排出口132が位置する空間を確保することにより、第2分散捕集部6によって分散されて下方向に流れる排気ガスの流れが側方向を介してメッシュフィルター排出口132に流入した後、下板の下方に突出したガス排出口131へ流れる。
【0060】
ヒーター部2は、ハウジングの上板に形成されたガス流入口121を介して流入する排気ガス中に含まれている酸化工程用High K蒸着用前駆体または酸化物蒸着用前駆体を高温で熱分解して化学反応性を高めるヒーター21と、ヒーターの上部に放射状に設置され、加熱された排気ガスを側方向に分散させるディフューザー22と、を有する。
【0061】
前記ヒーター21とディフューザー22とは、一緒に上板の下部に形成された複数のヒーター据置台129によって締結され、上板の下部に吊り下がった状態で設置されて固定される。
【0062】
前記ヒーターの熱源は、上板の上面に設置されたヒーター電源供給部23によって電源が印加されると、流入する排気ガス中に含まれているHigh K蒸着用前駆体または酸化物蒸着用前駆体中に含まれている物質の熱分解温度まで加熱させて化学反応性を高くする。
【0063】
例えば、排気ガス中に含まれている前駆体が、一実施形態として、酸化アルミニウム(Al)蒸着用前駆体であるTMA(trimethylaluminum)の場合、熱分解温度である100℃~330℃となるようにヒーターを加熱して供給する。また、酸化ハフニウム(HfO)蒸着用前駆体であるTEMAHf(Tetrakis(ethylmethylamido)hafnium)の場合、熱分解温度である300℃以上でヒーターを加熱して供給する。また、酸化ジルコニウム(ZrO)蒸着用前駆体であるCp-Zr[Cyclopentadienyl Tris(dimethylamino)Zirconium]の場合、熱分解温度である200℃以上でヒーターを加熱して供給する。
【0064】
一方、本発明は、誘電率の高いHigh K物質を用いた前記前駆体の他に、他の酸化物物質を蒸着するための工程に用いられる前駆体に合う熱分解温度を供給するようにヒーターの発熱温度を提供することにより、排気ガス中に含まれている前駆体の固体状粒子を熱分解してボックス型捕集部4の低温領域で酸化反応が起こるようにして、粉末状酸化物で捕集する工程にも適用することができるのは言うまでもない。
【0065】
また、本発明は、ヒーター部の上部に位置したディフューザーの垂直高さを従来のディフューザーよりも相対的に高くし、放射状に配列されたディフューザーの総数を従来のディフューザーよりも相対的に少なく構成したことを特徴とする。
【0066】
一実施形態において、ディフューザーの個数を5個程度放射状に配置して、ヒーターによって熱伝導された熱源による、流入する排気ガスとの高温接触性を増加させ、減少したディフューザーの数により流入部の空間にディフューザーによる空間占有率を減らして反応副産物による詰まりを防止し、高温で加熱されたヒーターの熱損失を最小限に抑えながら、ヒーター洗浄容易性を増大させてヒーターの破損を最小限に抑えることができる。
【0067】
これにより、排気ガス中に含まれている前駆体の熱分解が最大化されて化学反応性が増加した状態でボックス型捕集部に供給されることにより、酸化物に変化する化学反応性が高くなり、固体状粉末酸化物の捕集が高効率で増加する。
【0068】
第1分散捕集部3は、ヒーター部2を経て熱分解されたHigh K物質が含まれている排気ガスを、下部に位置したボックス型捕集部4に分散させて供給させることにより、均一な反応副産物が捕集されるように構成される。
【0069】
第1分散捕集部3は、ハウジングの上板の下部に形成された複数の捕集部据置台129aによって締結され、上板の下部に吊り下がった状態で設置されて固定される。捕集部据置台129aは、前記ヒーター据置台129よりも長さが長いものを用いて、ヒーター部よりも捕集部据置台129aがさらに下方に位置するように構成される。
【0070】
第1分散捕集部3は、ハウジング1の内部空間の如く四角プレート31で構成され、その下部から長手方向に2つのボックス型捕集部4が一定間隔離間して設置された領域に該当するプレート領域に配列された複数の四角ホール32が形成され、主な排気ガスの流れがボックス型捕集部4の上端に供給されるように構成される。
【0071】
このため、四角プレート31は、ハウジング1の内壁に近接して形成され、周縁部における、四角ホール32の形成されていない領域をガイド面33として形成することにより、ヒーター部2のディフューザー22によって側面に分散してハウジングの壁面に沿って流れる排気ガスの主な流れがガイド面33に沿って中心方向に流れた後、四角ホール32を介して下部のボックス型捕集部4へ流れる。
【0072】
また、前記ハウジングの内壁に近接して形成された四角プレート31の外部を介して流れる一部の排気ガスは、ハウジングの内壁に突出して多段形成された内壁捕集プレート111によって渦流が発生しながら、ボックス型捕集部4側に流れるか或いは下方に流れて反応副産物を捕集する。
【0073】
ボックス型捕集部4は、流入した排気ガスを低温領域の形成された内部空間に収容した後、下部へ排出しながら、捕集された粉末状酸化物を積載する捕集ボックス41と、前記捕集ボックス41の内部に複数の捕集プレート421が上下多段に設置され、固体状High K物質を低温領域で酸化反応によって粉末状酸化物として捕集する捕集プレート部42と、から構成される。
【0074】
このとき、前記ボックス型捕集部4は、幅方向に一定間隔離間した2つ以上のボックス型捕集部4から構成される。
【0075】
上述のように、2つ以上のボックス型捕集部4で構成した理由は、両側面がボックス型捕集部4の高さよりも大きく形成された四角面状を有する複数の冷却パッド部5を備え、これを一側のボックス型捕集部4の一側面と他側のボックス型捕集部4の他側面と一側のボックス型捕集部4と他側のボックス型捕集部4との間に位置させることにより、同時に均一な低温領域を各ボックス型捕集部4の周辺に提供して、High K物質が粉末状酸化物として成長するのに必要とする温度に同時にそれぞれ冷却させ、低温領域で酸化反応を誘導して成長させることにより、排気ガス中に熱分解された固体状反応副産物を複数のボックス型捕集部で高効率にて捕集するためである。
【0076】
もし2つのボックス型捕集部4を分離せず、同じ体積を有する1つのボックス型捕集部4で構成する場合、冷却パッド部5によって低温領域が形成される側面部位は、酸化反応を起こし、High K物質が粉末状酸化物として成長することができるが、低温領域を形成する面積が減少するため、円滑な酸化反応が起こらず、高効率の捕集反応を達成することができないため、捕集空間が無駄になるという問題点が発生する。
【0077】
前記捕集ボックス41は、上部と下部に複数のホールが形成された構造であり、一実施形態として、上面に4つの流入ホール41aが形成され、下面に4つの排気ホール41bが形成された四角ボックス(Box)構造で構成され得る。
【0078】
したがって、上部から流入ホールを介して流入した排気ガスは、内部に収容された後、下部の排気ホールを介してのみ排出される排気ガス流路流れを有する。
【0079】
捕集ボックス41は、流入ホール41aと排気ホール41bを除いては各面が四角形の構造を有するが、各面の材質は、熱伝導効率の高い金属材質で構成され、冷却パッド部5から提供される低温の熱源が急速に熱伝導されて均一な低温領域が形成される。
【0080】
このため、捕集ボックス41の内部に設置された捕集プレート部42は、全領域にわたって均一な低温領域が同時に提供され、酸化反応が起こりながら、流入した排気ガス中に含まれているHigh K物質が粉末状酸化物として成長する。
【0081】
一方、直方体形状を有する捕集ボックス41の上面の両側端には、短辺の幅程度を有するガイドプレート411が第1分散捕集部3の下面まで上方に突出するように形成され、第1分散捕集部3から下方に分散されて供給される排気ガスの流れが外方に出ることなく、捕集ボックス41の上部流入ホール側に流れるようにガイドする。
【0082】
また、2つで構成された捕集ボックスのうち、1つの捕集ボックス41の一側面には、捕集ボックスの垂直高さよりもやや小さい高さを有する複数の垂直プレート412が側方向に突出するように配列され、捕集ボックス41の上部流入ホール側へ流れることができず、側方向に沿って下降して流れる排気ガス中に含まれているHigh K物質を酸化反応を介して粉末状酸化物として成長させて捕集するように構成される。
【0083】
また、残りの捕集ボックス41の他側面には、前記捕集ボックスの垂直高さよりもやや小さい高さを有する複数の垂直プレート412が側方向に突出するように配列され、捕集ボックス41の上部流入ホール側に流れることができず、側方向に沿って下降して流れる排気ガス中に含まれているHigh K物質を酸化反応を介して粉末状酸化物として成長させて捕集するように構成される。
【0084】
一方、上述のように一側に複数の垂直プレート412が形成された2つの捕集ボックス41は、垂直プレート412が形成されていない残りの側面には、それぞれ第2分散捕集部6の垂直プレートが前記2つの捕集ボックスの一側面と他側面に形成された垂直プレート412程度の垂直高さで複数個が側方向に突出するように配列されて位置することにより、捕集ボックス41の上部流入ホール側に流れることができず、側方向に沿って下降して流れる排気ガス中に含まれているHigh K物質を酸化反応を介して粉末状酸化物として成長させて捕集するように構成される。
【0085】
上述のように捕集ボックス41の上面と側面部に流れる排気ガスの流れが断続して流れると、捕集ボックスの長手方向の空間は、ボックス型捕集部4の高さよりも大きく形成された四角面状を有する複数の冷却パッド部5が位置して前記一側のボックス型捕集部4の一側面、他側のボックス型捕集部4の他側面、及び離間したボックス型捕集部4同士の間で排気ガスの流れを遮断して各捕集ボックス41の上端流入ホール41aに流入する。
【0086】
前記捕集プレート部42は、複数の捕集プレート421がボックス型捕集部4の内部に垂直に設置された両側垂直支持台422に上下に一定間隔離間して多段に構成される。
【0087】
前記捕集プレート部42を構成する各捕集プレート421は、左右の垂直支持台422に溶接または嵌合方式で多段設置される。
【0088】
また、前記垂直支持台422は、ボックス型捕集部4の底面に溶接または嵌合方式で設置されて固定される。垂直支持台422の高さは、前記捕集プレート421が一定間隔で上下離間するように設置できれば十分であるため、ボックス型捕集部4の高さよりはやや小さく形成すればよい。
【0089】
このように捕集プレート421で多段に構成された捕集プレート部42は、流入した排気ガスが冷却パッド部5から熱伝導された熱源によってボックス型捕集部4の内部に低温領域が形成されると、排気ガス中に含まれている熱分解の後、固体状High K物質を酸化反応を介して粉末状酸化物として捕集する。
【0090】
各捕集プレート421は、一実施形態として、6個で構成されるが、上部に位置した捕集プレート421に四角ホール421aが形成されると、下部に位置した捕集プレート421は、円形ホール421bが形成されるように交互に多段に構成される。
【0091】
また、上部捕集プレート421に形成された四角ホールは、下部捕集プレートに形成されたものよりも大きく形成して、次第に下部捕集プレートに行くほど小さくて多くの四角ホールを有するように各捕集プレート421を形成する。
【0092】
同様に、上部捕集プレート421に形成された円形ホールは、下部捕集プレートに形成されたものよりも大きく形成して、次第に下部捕集プレートに行くほど小さくて多くの円形ホールを有するように各段を形成する。
【0093】
このように上下間を構成する捕集プレート421に形成されたホールの形状を交互に変えて下部に行くほど小さくて多くの数を構成すれば、同一形状ではないため、流入する排気ガスが同じ流れを持たなくなる。
【0094】
すなわち、同一大きさ、同一形状が繰り返されると、排気ガスの流れを妨げる負荷の発生なしに下降して捕集反応が起こり難くなるが、形状と大きさが異なるように形成され、下部に行くほど小さくなりつつ個数が多くなると、下降する流れが各段の捕集プレート421を経てぶつかりながら排出される過程を経ることになり、毎回異なる排気流れが形成されて流速差による渦流が発生するため各捕集プレート421での滞留時間が増加し、十分な酸化反応が起こりながら、流入した排気ガス中に含まれているHigh K物質が粉末状酸化物として成長しながら捕集される。
【0095】
捕集された酸化物は、捕集プレート部42の上端はホールが大きいため、ホールの小さい下部捕集プレート421に積載されながら捕集反応が増えると、ボックス型捕集部4の内部空間を充填する。
【0096】
また、固体状反応副産物が除去された排気ガスは、ボックス型捕集部4の下部に形成された排気ホール41bを介して下部に排出されて第2分散捕集部6側に下降する。
【0097】
冷却パッド部5は、前記ボックス型捕集部4に低温領域の面積を最大化させて提供する構成であって、幅方向に離隔して2つで構成されたボックス型捕集部4同士の間と一側のボックス型捕集部4の一側面と他側のボックス型捕集部4の他側面側の箇所に配置され、均一な低温領域をボックス型捕集部4側へ熱伝導させて提供するように、第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53が連結パイプで連結されて冷却水が順次供給されるように構成される。
【0098】
具体的には、冷却パッド部5は、ハウジングの外側面に設置された上部冷却バー126を介して一側の流入パイプ5aから冷却水が流入した後、第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53を循環しながらボックス型捕集部4に低温領域を提供し、以後、冷却パッド部5の他側の排出パイプ5bを介して、ハウジングの下部側面側に形成された下部冷却バー127へ排出されるように構成されることで低温領域の面積を最大化させて提供するように構成される。
【0099】
前記第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53は、いずれか一つがボックス型捕集部4同士の間と外側面側に位置するように配置されるため、第1冷却水貯蔵パッド51と第2冷却水貯蔵パッド52との間、及び第2冷却水貯蔵パッド52と第3冷却水貯蔵パッド53との間は、側面を貫通して連結する連結パイプ5c、5dによって、離れている空間同士を連結させて、冷却水が順次循環するように構成される。
【0100】
このとき、第1冷却水貯蔵パッド51と第2冷却水貯蔵パッド52とを連結する連結パイプ5cは、下部に位置するように連結構成される。
【0101】
また、第2冷却水貯蔵パッド52と第3冷却水貯蔵パッド53とを連結する連結パイプ5dは、上部に位置するように連結構成される。
【0102】
このように構成される理由は、第1冷却水貯蔵パッド51に連結され、冷却水を供給する流入パイプ5aが、ハウジングの一側面に設置された上部冷却バー126を介して上部から第1冷却水貯蔵パッド51の上部に流入した後、下部へ流れる流路を有するためであり、下部から連結パイプ5cを介して流入した冷却水は、第2冷却水貯蔵パッド52の下部に流入した後、上部に流れるため、連結パイプ5dは、上部に設置され、第3冷却水貯蔵パッド53の上部から下部へ循環した後、下部に連結された排出パイプ5bを介してハウジングの下部側面側に形成された下部冷却バー127へ排出されるためである。
【0103】
上述のように冷却水の供給を介したハウジングの内部温度を、酸化反応が起こる程度の温度に冷却させる場合、単純な冷却水供給パイプではなく、第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53のように冷却水貯蔵所を使用した理由は、ボックス型捕集部4の捕集ボックス41に同時に冷却水熱源が熱伝導され、捕集ボックス41の内部に設置された複数の捕集プレート421に同時に均一な低温領域が提供されることにより、排気ガス中の固体状High K物質を酸化反応を介して粉末状酸化物として捕集するようにするためである。
【0104】
但し、前記第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53は、単に冷却水のみを貯蔵する構造で構成すれば、冷却水貯蔵領域の一部の領域は、冷却水が循環せずに停滞して、循環する冷却水領域との温度差が発生する可能性があるが、この場合、ボックス型捕集部4に不均一な低温領域が提供されて捕集効率が低下する可能性があるため、本発明の全領域が滞留せず、流入した冷却水が順次循環する構造を持つように構成される。
【0105】
このために、前記第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53は、それぞれ内部を一定の長さだけ上下に分割する水平妨害板5eが設置され、各冷却水貯蔵パッドの内部空間を上段層5gと下段層5hとに分離し、流入した冷却水が順次他側端へ流れるように流路を分離する。
【0106】
このとき、水平妨害板5eは、一側端のみ第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53に接して固定され、他側端は連結されずに開放されることにより、上段層と下段層との間の流路が当該箇所で繋がるように構成される。
【0107】
また、水平妨害板5eが分割させた上段層5gと下段層5hには、それぞれ複数の垂直妨害板5fが一定間隔で冷却水の流路流れと対向するように配列されて設置される。
【0108】
このとき、垂直妨害板5fの設置位置は、一側端が水平妨害板5eに接し、他側端は開放されるように設置するか、或いは、一側端が冷却水貯蔵パッドの縁面に接し、他側端は開放されるように上下にずれるように交互に設置される。
【0109】
これにより、第1冷却水貯蔵パッド51に流入した冷却水は、一実施形態において、まず、水平妨害板5eによって分割された内部空間の上段層5gに流入した後、ずれるように交互に設置された複数の垂直妨害板5fによってジグザグ流路をもって流れ、その後、水平妨害板5eの端から下部の下段層5hに流入した後、再び複数個の垂直妨害板5fによってジグザグ流路をもって流れ、その後、連結パイプ5cを介して向こう側の第2冷却水貯蔵パッド52の下段層に流入した後、上段層に流れながらジグザグ流路をもって流れ、再び連結パイプ5dを介して向こう側の第3冷却水貯蔵パッド53の上段層に流入した後、下段層に流れながらジグザグ流路をもって流れ、その後、排出パイプ5bを介して排出される循環流れを有する。
【0110】
一方、前記水平妨害板5e及び垂直妨害板5fのそれぞれは、側面部の一部を冷却水貯蔵パッドの外部に一定間隔ごとに突出させた複数の低温渦流片5iを形成して、水平妨害板5eと垂直妨害板5fの位置を固定させるとともに、冷却水貯蔵パッドの外部に沿って流れる排気ガスの流れに渦流を発生させて遅滞させながら、冷却水の熱源を熱伝導させて低温領域を増大させるように構成される。
【0111】
このため、冷却水貯蔵パッドには、低温渦流片5iの突出位置ごとに貫通溝(図示略)が形成されて低温渦流片5iが嵌め込まれるように構成される。もちろん、冷却水貯蔵パッドの製作時に、冷却水の漏水を防ぐために、当該低温渦流片の突出部位に対して溶接及び水密処理作業が行われるのはもちろんである。
【0112】
第2分散捕集部6は、下板13の上面の各頂点付近に設置された離隔支持台133に締結され、下板から一定間隔離間した状態で前記ボックス型捕集部4を経た排気ガスを、下部に位置した下板13側に分散させながら、反応副産物を捕集するように構成される。
【0113】
また、第2分散捕集部6は、上部に位置したボックス型捕集部4と、冷却パッド部5の荷重を一定間隔離間させて支持するように構成される。
【0114】
具体的には、第2分散捕集部6は、ハウジング1の内部空間の如く四角プレート61で構成され、排気ガスの分散のために配列された複数の四角ホール62が形成されるが、中央部の四角ホールは、開口面積を小さくし、周辺部に行くほど開口面積を大きくして、下降する排気ガスの主な排気ガス流れが主面で行われるようにする。
【0115】
また、四角プレート61は、ハウジング1の内壁に近接して形成され、周縁部には、四角ホール62を形成していないガイド面63が形成されることにより、上部ボックス型捕集部4の側面に流れてハウジングの壁面に沿って流れる排気ガスがガイド面63に沿って中心方向に流れて四角ホール62に出会って下部へ流れる。
【0116】
また、四角プレート61の上面には、両側に対角方向に対向する複数の垂直プレート64が上方に突設され、前記2つの捕集ボックス41の側面に形成された垂直プレート412がない側面に溶接されて荷重を支持しながら捕集ボックス41の上部流入ホール側に流れることができず、側方向に沿って下降して流れる排気ガス中に含まれているHigh K物質を酸化反応によって粉末状酸化物として成長させて捕集するように構成される。垂直プレート64の高さは、捕集ボックスの一側面と他側面に形成された垂直プレート412程度の垂直高さで複数個が側方向に突出するように配列される。
【0117】
また、四角プレート61の上面には、一側の複数箇所に複数の支持プレート65が形成され、前記冷却パッド部5の第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53の下部をそれぞれ一定間隔離間させながら荷重を支持するように構成される。
【0118】
また、四角プレート61の下面には、複数個が配列された四角ホール62の間ごとにガイドプレート66がそれぞれ下方に垂直に突設される。この配列された複数のガイドプレート66は、隣接する四角ホール62を介して下降する排気ガスの流れが周辺に分散されず、分散された四角ホールに沿って安定して下板方向に下降するようにガイドしながら反応副産物を捕集する。このとき、メッシュフィルター排出口132が設置された側は、ガイドプレート66が突出する空間がないので設置されなくなる。
【0119】
一方、前記ハウジングの内壁に近接して形成された四角プレート61の外側を介して流れる一部の排気ガスは、ハウジングの内壁に突出して多段形成された内壁捕集プレート111によって渦流が発生しながら、第2分散捕集部6側に流れるか或いは下方に流れながら反応副産物を捕集する。
【0120】
上述の構造を有する第2分散捕集部6によって下部に分散されて下降する排気ガスのうち、中央部に下降した排気ガスは、下板の中央部に形成されたガス排出口131へ直接アウトフロー(outflow)されないように、その上部を塞いでいるメッシュフィルター排出口132によって塞がれて下降せず、側方向であるハウジングの内壁に分散されて広がった後、メッシュフィルター排出口132の側面の周縁に形成されたメッシュフィルターを介して捕集されなかった反応副産物を最終的に捕集しながらフィルターリングされてガス排出口131へ排出される。もしメッシュフィルター排出口132なしにガス排出口131を介して排気ガスが直接アウトフローされると、排気ガス中に含まれて真空ポンプ側へ流出する故障の原因となることがある。
【0121】
次に、上述のように構成された本発明の作用を説明する。
【0122】
半導体回路の微細化のために、誘電率の高いHigh K物質で半導体誘電膜工程のために半導体が製造中であるプロセスチャンバーへ供給される酸化工程用High K蒸着用前駆体が蒸着工程の後、排気ガス中に含まれて捕集装置のハウジング1のガス流入口121から流入すると、ヒーター部2のヒーター21が、排気ガス中に含まれている酸化工程用High K蒸着用前駆体を、前駆体に含まれているHigh K物質の特性に応じて予め設定された高温で熱分解して化学反応性を高める。
【0123】
その後、ヒーターの上部に放射状に設置されたディフューザー22が高温接触性を増加させながら、加熱された排気ガスを側方向に分散させる。
【0124】
次いで、前駆体中に含まれている固体状High K物質が熱分解された状態の排気ガス流れを、第1分散捕集部3が、下部に位置した2つのボックス型捕集部4の上部に分散させて均一に供給する。
【0125】
このとき、2つのボックス型捕集部4の外郭及び離隔した間の空間に、四角面状の冷却パッド部5を構成する第1冷却水貯蔵パッド51、第2冷却水貯蔵パッド52、第3冷却水貯蔵パッド53によって外部から供給される冷却水が貯蔵され、順次流れながら、High K物質が粉末状酸化物として成長するのに必要とする温度に合う低温領域が形成されたボックス型捕集部4の捕集ボックス41に同時に冷却水熱源が熱伝導されることにより、捕集ボックス41の内部に設置された複数の捕集プレート421に同時に均一な低温領域が提供される。
【0126】
このような低温領域が形成されたボックス型捕集部の捕集ボックス41に熱伝導された状態で捕集ボックスの内部に流入すると、捕集ボックスの内部に設置された複数の捕集プレート421で多段に構成された捕集プレート部42を流れながら、各段の捕集プレートに形成されたホールの大きさと形状が異なるように構成された流路に沿って流れながら、排気ガス中に含まれている固体状High K物質が酸化反応を介して粉末状酸化物として捕集され、内部に積載されて貯蔵される。
【0127】
その後、固体状High K物質が酸化反応を介して粉末状酸化物として捕集された後の排気ガスは、直接下部排出口を介して排出されず、第2分散捕集部6によってボックス型捕集部4を経た排気ガスを、下部に位置した下板13側に分散させながら、反応副産物を捕集する。
【0128】
その後、分散された排気ガスは、ハウジングの下部排出口の上部からハウジングの内部へ突出したメッシュフィルター排出口を介して、側方向に流入する流れによって最終的に反応副産物のアウトフローを最小限に抑えながらガス排出口131へ排出される。
【0129】
本発明は、上述した特定の好適な実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変形実施が可能であるのはもとより、それらの変更も請求の範囲の記載の範囲内にある。
【符号の説明】
【0130】
1 ハウジング
2 ヒーター部
3 第1分散捕集部
4 ボックス型捕集部
5 冷却パッド部
5a 流入パイプ
5b 排出パイプ
5c、5d 連結パイプ
5e 水平妨害板
5f 垂直妨害板
5g 上段層
5h 下段層
5i 低温渦流片
6 第2分散捕集部
11 内壁
12 上板
13 下板
21 ヒーター
22 ディフューザー
23 ヒーター電源供給部
31 四角プレート
32 四角ホール
33 ガイド面
41 捕集ボックス
41a 流入ホール
41b 排気ホール
42 捕集プレート部
51 第1冷却水貯蔵パッド
52 第2冷却水貯蔵パッド
53 第3冷却水貯蔵パッド
61 四角プレート
62 四角ホール
63 ガイド面
64 垂直プレート
65 支持プレート
66 ガイドプレート
111 内壁捕集プレート
111a ホール
121 ガス流入口
122 冷却水流路
123 流路蓋
124 冷却水流入口
125 冷却水排出口
126 上部冷却バー
127 下部冷却バー
128 冷却水パイプ
129 ヒーター据置台
129a 捕集部据置台
131 ガス排出口
132 メッシュフィルター排出口
132a メッシュフィルター
133 離隔支持台
411 ガイドプレート
412 垂直プレート
421 捕集プレート
421a 四角ホール
421b 円形ホール
422 垂直支持台
図1
図2
図3
図4
図5
図6