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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025032880
(43)【公開日】2025-03-12
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20250305BHJP
【FI】
G01N21/84 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138381
(22)【出願日】2023-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宗像 秀太
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB02
2G051AC19
2G051BA20
2G051BB01
2G051BC07
2G051CA03
2G051CA04
2G051CA06
2G051CB01
2G051DA15
(57)【要約】
【課題】ワークの欠陥部分を容易に検出することが可能な検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置(1)は、先端に設けられた取付板の位置および方向を変更可能とするロボットアーム(100)と、取付板に沿って移動可能に設けられ、ワークの映像を撮像する撮像部(103)と、取付板に沿って移動可能に設けられ、ワーク表面を照射する照明部(104)と、撮像部(103)によって撮像された映像に基づいて、ワーク表面の検査を行う検査部(202)と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に設けられた取付板の位置および方向を変更可能とするロボットアームと、
前記取付板に沿って移動可能に設けられ、ワークの映像を撮像する撮像部と、
前記取付板に沿って移動可能に設けられ、前記ワーク表面を照射する照明部と、
前記撮像部によって撮像された映像に基づいて、前記ワーク表面の検査を行う検査部と、を備える検査装置。
【請求項2】
前記撮像部は、前記ワークの撮像位置を中心とした円弧上を移動可能なように構成されている、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記照明部は、前記撮像部による前記ワークの撮像位置を中心とした円弧上を移動可能なように構成されている、
請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記検査装置はさらに、前記撮像部および前記照明部の移動を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記ワークの品種に応じて、前記撮像部および前記照明部の移動を制御する、
請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記検査装置はさらに、前記取付板上に設けられ、前記ワーク上の欠陥部をマークするためのマーカを備える、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
前記検査装置はさらに、前記ワークが載置され、前記検査装置に対して搬入および搬出される載置台を有する台車を備え、
前記載置台は、前記撮像部によって前記ワークの裏面が撮像可能となるように、反転可能に前記台車に設けられる、
請求項1に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの検査を行う検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等によってワークの画像を取り込んで、ワークの表面の傷等を検査する装置が提案されている。これに関連する技術として、下記の特許文献1に開示された発明がある。
【0003】
特許文献1には、ロボットアームの先端にカメラ及び照明が固定されており、LEDを使用した照明および対象物を撮影するカメラが角度を調整可能に装着されていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-46103号公報(2008年2月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたロボットアームにおいては、照明およびカメラの位置が固定されているため、例えば、ロボットアームを固定したまま、ワークの同じ位置に対する照明の角度の変更、等が困難である。
【0006】
本発明の一態様は、ワークの欠陥部分を容易に検出することが可能な検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る検査装置は、先端に設けられた取付板の位置および方向を変更可能とするロボットアームと、前記取付板に沿って移動可能に設けられ、ワークの映像を撮像する撮像部と、前記取付板に沿って移動可能に設けられ、前記ワーク表面を照射する照明部と、前記撮像部によって撮像された映像に基づいて、前記ワーク表面の検査を行う検査部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ワークの欠陥部分を容易に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る検査装置の台車搬入側から見た外観の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る検査装置の操作部側から見た外観の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る検査装置内部の一例を示す図である。
図4】ロボットアームの外観例を示す図である。
図5】ロボットアームの平面図および側面図である。
図6】台車の外観例を示す図である。
図7】台車の載置台が反転可能な状態であることを示す図である。
図8】台車の載置台が固定状態であることを示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る検査装置の機能的な構成例を示すブロック図である。
図10】本発明の実施形態に係る検査装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図11図10に示す半自動モードにおける検査の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
<検査装置1の外観例>
図1は、本発明の実施形態に係る検査装置1の台車搬入側から見た外観の一例を示す図である。検査装置1に後述のロボットアームが配置されており、ワークを載置した台車300が搬入されてワークの検査が行われる。なお、図1においては、検査装置1の前面の扉が閉じられた状態を示している。
【0011】
図1に示すように、検査装置1の下部にはガイド500が設けられており、このガイド500に沿って台車300が搬入および搬出される。したがって、台車300に載置されたワークの位置決めが容易に行える。
【0012】
図2は、本発明の実施形態に係る検査装置1の操作部204側から見た外観の一例を示す図である。後述のように、作業者が操作部204を操作することによって、ワークの検査が行われる。なお、図2においては、検査装置1の背面の扉が閉じられた状態を示している。
【0013】
図3は、本発明の実施形態に係る検査装置の内部の一例を示す図である。図3に示すように、検査装置1は、上部にロボットアーム100が配置されており、ロボットアーム100の下にワークが載置された台車300が運び込まれる。
【0014】
図4は、ロボットアーム100の外観例を示す図である。ロボットアーム100の先端には、取付板102が設けられている。ロボットアーム100は、取付板102を任意の位置および方向に移動可能な装置であり、多関節ロボットやリニア駆動装置を組み合わせたロボットなどのように、周知のロボットアームを用いることができる。
【0015】
取付板102には、取付板102上を移動可能に設けられ、検査対象であるワークの映像を撮像する撮像部103と、取付板102上を移動可能に設けられ、ワーク表面を照射する照明部104と、取付板102上に設けられ、ワーク上の欠陥部分をマークするためのマーカ105と、が設けられている。なお、ロボットアーム100には、所定の位置に固着されたコンタミ等を吹き飛ばすためのイオナイザーが備えられていてもよい。
【0016】
図5は、ロボットアーム100の平面図および側面図である。図5の左図がロボットアーム100の平面図であり、図5の右図がロボットアーム100の側面図である。ロボットアーム100の平面図に示すように、ロボットアーム100は、アーム本体101と、ロボットアーム100の先端に設けられた取付板102と、を備えている。なお、アーム本体101のみをロボットアームと呼ぶ場合もある。
【0017】
撮像部103は、例えば、ステッピングモータによって、ワークの撮像位置120を中心とした円弧上を移動可能となるように、取付板102上に設けられている。図5においては、撮像部103が、48°の円弧上の範囲内で移動可能となるように設けられているが、移動範囲はこれに限定されるものではない。
【0018】
また、照明部104も同様に、例えば、ステッピングモータによって、ワークの撮像位置120を中心とした円弧上を移動可能となるように、取付板102上に設けられている。図5においては、照明部104が、48°の円弧上の範囲内で移動可能となるように設けられているが、移動範囲はこれに限定されるものではない。
【0019】
このように、ロボットアーム100を固定したままであっても、撮像部103および照明部104を、ワークの撮像位置120を中心とした円弧上の任意の位置に移動させることにより、ワークの同じ位置に対する照明の角度を任意に変更することができる。そのため、撮像部103および照明部104の位置を変更してワークの欠陥部分のコントラスト差を強調することができ、欠陥部分の検出を容易にすることが可能となる。
【0020】
また、図5の側面図に示すように、取付板102にはマーカ105が取り付けられており、取付板102を傾けることによって、マーカ105が前方に出てくるようになっている。この状態で、検査装置1は、撮像部103によって撮像された映像から検出された欠陥部の位置を参照しながら、ロボットアーム100を移動させることによって、ワーク上で発見された欠陥部分をマークすることができる。
【0021】
図6は、台車300の外観例を示す図である。台車300は、大きく、ワークを載置する載置台301と、載置台301を固定するための固定部302とに分けられる。図6においては、ワーク400の一例として、Oリング溝が設けられたフランジが載置台301に載置される場合を示している。
【0022】
固定部302は、載置台301を固定するための部位であり、ロックハンドル303の回転によって、載置台301を固定状態にするか、載置台301を反転可能な状態にするかを選択することができる。以下、ロックハンドルを単にハンドルと呼ぶことにする。
【0023】
図7は、台車300の固定部302の外観例を示す図であり、台車300の載置台301が反転可能な状態であることを示している。固定部302にはハンドル303が設けられており、ハンドル303が図7に示す状態のとき、載置台301を固定している固定ピンが抜けて、載置台301を回転させてワーク400を反転することが可能となる。
【0024】
図8は、台車300の固定部302の外観例を示す図であり、台車300の載置台301が固定状態であることを示している。固定部302にはハンドル303が設けられており、ハンドル303が図8に示す状態のとき、固定ピンによって載置台301が固定されている。
【0025】
<検査装置1の機能的構成>
図9は、本発明の実施形態に係る検査装置1の機能的な構成例を示すブロック図である。検査装置1は、ロボットアーム100と、情報処理装置200と、台車300と、を備えている。
【0026】
ロボットアーム100は、撮像部103と、照明部104と、撮像部駆動部110と、照明部駆動部111と、ロボットアーム駆動部112と、を含む。撮像部103は、2次元画像を撮影可能なCCD(Charge Coupled Device)カメラ等によって構成され、ワーク400の表面の画像を撮像する。撮像部103によって撮影された映像は、情報処理装置200に出力される。
【0027】
撮像部駆動部110は、ステッピングモータ等によって構成され、情報処理装置200からの指示に応じて、撮像部103を取付板102上で移動させる。図5に示すように、ワークの撮像位置120を中心とした円弧上を移動可能となるように、取付板102上に設けられている。撮像部駆動部110は、情報処理装置200からの指示により、図5に示すように、48°の円弧の範囲内で撮像部103を移動させることができる。
【0028】
照明部104は、白色バックライト照明、LED(Light Emitting Diode)照明等によって構成され、ワーク400の検査範囲に対して平行光を広範囲に照射可能に設けられている。
【0029】
照明部駆動部111は、ステッピングモータ等によって構成され、情報処理装置200からの指示に応じて、照明部104を取付板102上で移動させる。図5に示すように、ワークの撮像位置120を中心とした円弧上を移動可能となるように、取付板102上に設けられている。照明部駆動部111は、情報処理装置200からの指示により、図5に示すように、48°の円弧の範囲内で照明部104を移動させることができる。
【0030】
情報処理装置200は、撮像部103および照明部104を、ワーク400に対してV字に傾けることにより、撮像部103はワーク400の溝面の正常面と異常面(欠陥部分)との反射光の違いを撮像して、欠陥部分を検出することができるようになる。情報処理装置200は、溝面の正常面と異常面(欠陥部分)とのコントラスト差が大きくなるように(例えば、30~40階調差となるように)、溝局面に沿って撮像部103および照明部104を移動させる。
【0031】
ロボットアーム駆動部112は、リニア駆動装置などによって構成され、情報処理装置200からの指示により、上述のように、取付板102を任意の位置および方向に移動させることができる。
【0032】
情報処理装置200は、映像入力部201と、検査部202と、制御部203と、操作部204と、を含む。映像入力部201は、撮像部103によって撮像された映像を入力し、映像を検査部202へ出力する。
【0033】
検査部202は、映像入力部201から映像を取得し、一般的な画像処理を行うことにより、ワーク400上の欠陥部分を検出する。なお、検査部202は、後述のように、欠陥部分のボイド径が0.16mm以上の場合に完全な欠陥であるとしてComplete NGと判定し、欠陥部分のボイド径が0.16mm以下の場合に曖昧な欠陥であるとしてFuzzy NGと判定する。
【0034】
制御部203は、撮像部駆動部110、照明部駆動部111およびロボットアーム駆動部112を制御することにより、取付板102、撮像部103および照明部104を移動させながら、ワーク400の溝曲面の映像を順次取得する。
【0035】
また、制御部203は、ワーク400の品種に応じて、撮像部103および照明部104の移動を制御するようにしてもよい。例えば、Oリング溝がV溝の場合とU溝の場合とでは、溝面の正常面と異常面(欠陥部分)とのコントラスト差が異なるため、ワーク400の品種に応じて撮像部103および照明部104の位置を変更するようにしてもよい。
【0036】
操作部204は、タッチパネル等によって構成されており、作業者がパネルをタッチすることによって各種操作が受け付けられる。操作部204は、作業者によって入力された各種操作の指示を制御部203に通知する。
【0037】
<検査装置1の処理手順>
図10は、本発明の実施形態に係る検査装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、自動モードとは、作業者が介在することなくワーク400の検査を行うモードである。また、半自動モードとは、作業者が介在してワーク400の検査を行うモードである。
【0038】
まず、作業者は、ロボット架台前(図3に示すロボットアーム100の前)に台車300を搬入し、検査装置1をカバーするためのカバー扉を開き、台車300の位置決めを行う(S1)。次に、作業者は、台車300をリフトアップし、カバー扉を閉める(S2)。
【0039】
次に、作業者は、情報処理装置200に備えられた操作部204を操作することにより、ワーク400の品種設定、アライメント補正、検査箇所指示、自動または半自動選択、等を行う(S3)。
【0040】
次に、検査装置1は、台車300の位置決め補正(x,y方向)を行い(S4)、ワーク400の位置決め補正(z方向)を行い(S5)、アライメント補正を実施する。なお、このアライメント補正は、本発明に特に関連するものではないため、詳細な説明は行わない。
【0041】
次に、制御部203は、作業者によって自動モードおよび半自動モードの何れが選択されたかを判定する(S6)。作業者によって自動モードが選択された場合、制御部203は、撮像部駆動部110、照明部駆動部111およびロボットアーム駆動部112を制御することにより、取付板102、撮像部103および照明部104を移動させながら、ワーク400の溝曲面の映像を順次取得する。そして、検査部202は、撮像部103によって撮像された映像に対して画像解析を行うことにより、欠陥部分のボイド径が0.16mm以上のComplete NG、および欠陥部分のボイド径が0.16mm以下のFuzzy NGを検出する(S7)。Complete NGが検出された場合には、マーカ105を用いて欠陥部分にマーキングを実施する。なお、このS7の処理は、Complete NGまたはFuzzy NGが検出された場合でも、継続して行われる。そして、作業者によって指示された検査箇所を全て検査したときに、ステップS7の処理が終了する。
【0042】
また、ステップS6において、作業者によって半自動モードが選択された場合、制御部203は、半自動モードで検査を行い(S8)、ステップS9に処理が進む。なお、ステップS8の処理の詳細は後述する。
【0043】
次に、作業者は、カバー扉を開き(S9)、ワーク400を反転させる(S10)。そして、作業者は、カバー扉を閉め(S11)、情報処理装置200に備えられた操作部204を操作することにより、ワーク400の品種設定、アライメント補正、検査箇所指示、自動または半自動選択、等を行う(S12)。
【0044】
次に、検査装置1は、台車300の位置決め補正(x,y方向)を行い(S13)、ワーク400の位置決め補正(z方向)を行い(S14)、アライメント補正を実施する。
【0045】
次に、制御部203は、作業者によって自動モードおよび半自動モードの何れが選択されたかを判定する(S15)。作業者によって自動モードが選択された場合、ステップS7と同様の処理が行われる(S16)。また、作業者によって半自動モードが選択された場合、ステップS8と同様の処理が行われる(S17)。
【0046】
次に、作業者は、カバー扉を開き、台車300をリフトダウンする(S18)。そして、作業者は、カバー扉を閉じ、ロボット架台前から台車300を搬出し(S19)、処理を終了する。
【0047】
図11は、図10に示す半自動モードでの検査(S8,S17)の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。まず、作業者は、情報処理装置200に備えられた操作部204を操作することにより、半自動モードでの検査開始を示す開始ボタンを押下し(S81)、情報処理装置200は、半自動モードにおける検査を開始する(S82)。
【0048】
制御部203は、撮像部駆動部110、照明部駆動部111およびロボットアーム駆動部112を制御することにより、取付板102、撮像部103および照明部104を移動させながら、ワーク400の溝曲面の映像を順次取得する。そして、検査部202は、撮像部103によって撮像された映像に対して画像解析を行うことにより、Complete NGまたはFuzzy NGを検出する。
【0049】
Complete NGおよびFuzzy NGの何れも検出されなかった場合(S83,Yes)、作業者は、情報処理装置200に備えられた操作部204の終了確認ボタンを押下し(S87)、検査を終了してステップS9に処理が進む。
【0050】
また、Complete NGが検出された場合(S84,Yes)、制御部203は、Complete NGが検出されたことを作業者に通知し(S88)、マーカ105を用いて欠陥部分にマーキングを実施する(S89)。
【0051】
そして、作業者によって検査再開ボタンが押下されると、検査を再開する(S90)。そして、検査が終了した場合、作業者が、終了確認ボタンを押下し(S87)、検査を終了してステップS9に処理が進む。
【0052】
また、Fuzzy NGが検出された場合(S85,Yes)、制御部203は、Fuzzy NGが検出されたことを作業者に通知し(S100)、情報処理装置200に備えられた操作部204に作業者確認アラームを表示する(S101)。また、音によって作業者にアラームを通知するようにしてもよい。
【0053】
次に、作業者は、カバー扉を開き、ワーク400の確認作業を行う(S102)。そして、作業者は、カバー扉を閉め、情報処理装置200に備えられた操作部204を操作することにより、欠陥部分のマーキングを実施するか否かを指示する(103)。
【0054】
欠陥部分のマーキングを実施する場合(S103,実施)、作業者は、作業者確認用アラームを解除し(S104)、検査が再開される(S105)。そして、制御部203は、マーカ105を用いて欠陥部分にマーキングを実施し(S106)、撮像部103による撮像が継続され(S107)、検査が終了すると(S108)、ステップS87に処理が進む。
【0055】
また、欠陥部分のマーキングを実施しない場合(S103,未実施)、作業者は、作業者確認用アラームを解除し(S109)、検査が再開され(S110)、ステップS107に処理が進む。
【0056】
また、Complete NGおよびFuzzy NGの両方が検出された場合(S86,Yes)、制御部203は、Complete NGが検出されたことを作業者に通知し(S120)、マーカ105を用いて欠陥部分にマーキングを実施する(S121)。そして、作業者によって検査再開ボタンが押下されると、検査を再開し(S122)、ステップS100に処理が進む。
【0057】
<検査装置1の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る検査装置1によれば、撮像部103および照明部104が、ワーク400の撮像位置を中心とした円弧上を移動可能に、取付板102上に設けられている。したがって、制御部203が、撮像部103および照明部104を移動させることによって、溝面の正常面と異常面(欠陥部分)とのコントラスト差を大きくすることができ、検査部202は、ワークの欠陥部分を容易に検出することが可能となる。
【0058】
また、制御部203は、ワーク400の品種に応じて、撮像部103および照明部104の移動を制御するので、溝面の正常面と異常面(欠陥部分)とのコントラスト差がより大きくなるようにすることができる。
【0059】
また、検査装置1はさらに、取付板102上に設けられ、ワーク400上の欠陥部分をマークするためのマーカを備えるので、作業者は、欠陥部分を容易に識別することが可能となる。
【0060】
また、台車300の載置台301は、撮像部103によってワーク400の裏面が撮像可能となるように、反転可能に台車300に設けられている。したがって、作業者は、重いワークであっても容易に反転することができ、作業負荷を軽減することが可能となる。
【0061】
〔ソフトウェアによる実現例〕
検査装置1の制御ブロック(特に検査部202、制御部203)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0062】
後者の場合、検査装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0063】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る検査装置は、先端に設けられた取付板の位置および方向を変更可能とするロボットアームと、前記取付板に沿って移動可能に設けられ、ワークの映像を撮像する撮像部と、前記取付板に沿って移動可能に設けられ、前記ワーク表面を照射する照明部と、前記撮像部によって撮像された映像に基づいて、前記ワーク表面の検査を行う検査部と、を備える。
【0064】
本発明の態様2に係る検査装置は、上記態様1において、前記撮像部は、前記ワークの撮像位置を中心とした円弧上を移動可能なように構成されている。
【0065】
本発明の態様3に係る検査装置は、上記態様1または2において、前記照明部は、前記撮像部による前記ワークの撮像位置を中心とした円弧上を移動可能なように構成されている。
【0066】
本発明の態様4に係る検査装置は、上記態様1~3のいずれかにおいて、前記検査装置はさらに、前記撮像部および前記照明部の移動を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記ワークの品種に応じて、前記撮像部および前記照明部の移動を制御する。
【0067】
本発明の態様5に係る検査装置は、上記態様1~4のいずれかにおいて、前記検査装置はさらに、前記取付板上に設けられ、前記ワーク上の欠陥部をマークするためのマーカを備える。
【0068】
本発明の態様6に係る検査装置は、上記態様1~5のいずれかにおいて、前記検査装置はさらに、前記ワークが載置され、前記検査装置に対して搬入および搬出される載置台を有する台車を備え、前記載置台は、前記撮像部によって前記ワークの裏面が撮像可能となるように、反転可能に前記台車に設けられる。
【0069】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1 検査装置
100 ロボットアーム
101 アーム本体
102 取付板
103 撮像部
104 照明部
105 マーカ
110 撮像部駆動部
111 照明部駆動部
112 ロボットアーム駆動部
201 映像入力部
202 検査部
203 制御部
204 操作部
300 台車
301 載置台
302 固定部
303 ハンドル
400 ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11