(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025032915
(43)【公開日】2025-03-12
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/015 20060101AFI20250305BHJP
【FI】
B41J2/015 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138430
(22)【出願日】2023-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】324006865
【氏名又は名称】理想テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 晶也
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF21
2C057AG44
2C057AM15
2C057AR08
2C057BA14
2C057CA04
(57)【要約】
【課題】吐出体積の調整が可能な駆動装置を提供すること。
【解決手段】 実施形態にかかる駆動装置は、液体を吐出するノズルに連通する圧力室を駆動するアクチュエータに印加する駆動信号を出力する駆動部を備える。前記駆動信号は、前記圧力室のインク圧力を減少させる減少パルスを有する第1波形部と、前記圧力室のインク圧力を段階的に増加させる複数の増加パルスを有し、複数の前記増加パルスの間に、前記増加パルスの電位と前記減少パルスの電位の間の戻し電位とする戻しパルスを有する、第2波形部と、を含む調整吐出波形を含む駆動波形を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するノズルに連通する圧力室を駆動するアクチュエータに印加する駆動信号を出力する駆動部を備え、
前記駆動信号は、前記圧力室のインク圧力を減少させる減少パルスを有する第1波形部と、前記圧力室のインク圧力を段階的に増加させる複数の増加パルスを有し、複数の前記増加パルスの間に、前記増加パルスの電位と前記減少パルスの電位の間の戻し電位とする戻しパルスを有する、第2波形部と、を含む調整吐出波形を含む駆動波形を有する、駆動装置。
【請求項2】
前記駆動波形は、複数のドロップ波形を連続して有するマルチドロップ波形であり、
前記複数のドロップ波形のいずれかが前記調整吐出波形を有する、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記駆動波形は、複数のドロップ波形を連続して有するマルチドロップ波形であり、
1ドロップ目のドロップ波形は、前記調整吐出波形を有し、
2ドロップ目のドロップ波形は、前記圧力室のインク圧力を減少させる減少パルスを有する波形部と、前記圧力室のインク圧力を段階的に増加させる複数の増加パルスを有する波形部と、を含む基準吐出波形を有する、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記戻しパルスのパルス幅の調整によって吐出体積を制御する、請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記調整吐出波形の前記戻し電位は、基準電位と、前記減少パルスの減少電位との間の電位であり、前記戻しパルスにより、前記圧力室のインク圧力を減少させる、請求項1に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッド等の液体吐出装置において、吐出速度と吐出体積の関係は使用するインクとヘッドのアクチュエータ周辺構造、アクチュエータに入力される駆動波形に応じて、決定される。駆動波形をある特定のヘッドとインクの組み合わせで吐出した場合、アクチュエータに印加する電圧を変化させる事で吐出速度と体積との間には相関関係があり、ヘッドやインクを変更することなく、この速度と体積の関係性から外れた印字性能で使用する為には駆動波形を変更する必要がある。一方、駆動波形を変更すると現状の吐出速度と体積の関係式から大きく外れる可能性もあり、所望の吐出速度と体積の関係を得る事が難しくなる。特に、吐出速度を変えずに吐出体積を減少させることは難しい。
【0003】
このようなインクジェットヘッドにおいて、吐出体積を細かく調整することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6987580号公報
【特許文献2】特開2004-82697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は吐出体積の調整が可能な駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかる駆動装置は、液体を吐出するノズルに連通する圧力室を駆動するアクチュエータに印加する駆動信号を出力する駆動部を備える。前記駆動信号は、前記圧力室のインク圧力を減少させる減少パルスを有する第1波形部と、前記圧力室のインク圧力を段階的に増加させる複数の増加パルスを有し、複数の前記増加パルスの間に、前記増加パルスの電位と前記減少パルスの電位の間の戻し電位とする戻しパルスを有する、第2波形部と、を含む調整吐出波形を含む駆動波形を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る液体吐出装置の構成を示す説明図。
【
図2】同実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成を示す斜視図。
【
図3】同実施形態における基準吐出波形を示す波形図。
【
図4】同実施形態における調整吐出波形を示す波形図。
【
図5】同実施形態において戻しパルス波形部を第1タイミングに配置した駆動波形を示す波形図。
【
図6】同実施形態において戻しパルス波形部を第2タイミングに配置した駆動波形を示す波形図。
【
図7】同実施形態において戻しパルス波形部を第3タイミングに配置した駆動波形を示す波形図。
【
図8】同実施形態におけるタイミングと吐出体積の変化の関係を示すグラフ。
【
図9】同実施形態における基準吐出波形において電圧を可変した場合の吐出体積と吐出速度の関係を示すグラフ。
【
図10】同実施形態における調整吐出波形の戻しパルス幅を変化した場合の吐出速度と吐出体積の関係を示すグラフ。
【
図11】他の実施形態における駆動波形を示す波形図。
【
図12】同実施形態における2ドロップ目の吐出体積と吐出速度の関係を示すグラフ。
【
図13】同実施形態において戻しパルス幅を変化させた時の、1ドロップ目と2ドロップ目における、吐出体積を示すグラフ。
【
図14】他の実施形態にかかる駆動波形WDを示す波形図。
【
図15】同実施形態にかかる駆動波形の吐出体積と吐出速度の関係を示すグラフ。
【
図16】同実施形態における2ドロップ目における、吐出体積と吐出速度の関係を示すグラフ。
【
図17】同実施形態の駆動波形の、1ドロップ目と2ドロップ目の戻しパルス幅と吐出体積の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、第1の実施形態に係る液体吐出ヘッド1及び液体吐出ヘッド1を用いた液体吐出装置2について、
図1乃至
図4を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る液体吐出装置2の構成を示す説明図であり、
図2は、液体吐出ヘッド1の構成を示す斜視図である。
図3は第1実施形態における基準吐出波形を示す波形図であり、
図4は調整吐出波形を示す波形図である。各波形図において、縦軸は電圧[V]、横軸は時間[μs]を示す。各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0009】
液体吐出ヘッド1を有する液体吐出装置2について、
図1を参照して説明する。液体吐出装置2は、筐体2111と、媒体供給部2112と、画像形成部2113と、媒体排出部2114と、支持装置である搬送装置2115と、制御部2118と、を備える。
【0010】
液体吐出装置2は、媒体供給部2112から画像形成部2113を通って媒体排出部2114に至る所定の搬送路2001に沿って、吐出対象物である記録媒体として例えば用紙Pを搬送しながらインク等の液体を吐出することで、用紙Pに画像形成処理を行うインクジェットプリンタである。
【0011】
媒体供給部2112は複数の給紙カセット21121を備える。画像形成部2113は、用紙を支持する支持部2120と、支持部2120の上方に対向配置された複数のヘッドユニット2130と、を備える。媒体排出部2114は、排紙トレイ21141を備える。
【0012】
支持部2120は、画像形成を行う所定領域にループ状に備えられる搬送ベルト21201と、搬送ベルト21201を裏側から支持する支持プレート21202と、搬送ベルト21201の裏側に備えられた複数のベルトローラ21203と、を備える。
【0013】
ヘッドユニット2130は、複数のインクジェットヘッドである液体吐出ヘッド1と、各液体吐出ヘッド1上にそれぞれ搭載された液体タンクとしての複数の供給タンク2132と、インクを供給するポンプ2134と、液体吐出ヘッド1と供給タンク2132とを接続する接続流路2135と、を備える。
【0014】
液体吐出ヘッド1は、供給タンク2132に貯留された液体としてのインクが供給される。なお、液体吐出ヘッド1は、インクを循環させない非循環式のヘッドであってもよく、また、インクを循環させる循環式のヘッドであってもよい。
【0015】
本実施形態において、液体吐出ヘッド1としてシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色の液体吐出ヘッド1と、これらの各色のインクをそれぞれ収容する4色の供給タンク2132を備える。供給タンク2132は接続流路2135によって液体吐出ヘッド1に接続される。
【0016】
図2に示すように、液体吐出ヘッド1は、インクジェットヘッドであり、複数のノズル211を有するノズルプレート21と、アクチュエータ基板22と、アクチュエータ基板22に接合されたマニフォルド23と、駆動回路24と、を備える。
【0017】
アクチュエータ基板22は、ノズル211に対向配置され、ノズル211に連通する複数の圧力室26と、複数の圧力室26に隣接する駆動素子部27と、を有する液体吐出部としてのアクチュエータ25を備える。アクチュエータ基板22は、ノズルプレート21との間に複数の圧力室26を含む所定の流路を形成する所定形状に構成される。
【0018】
アクチュエータ25の圧力室26に隣接する駆動素子部27には、駆動回路24に接続される電極が形成される。電極は、例えば駆動回路24に接続される配線により駆動回路24の後述するドライバを介して、制御部2118に接続され、プロセッサによる制御によって駆動制御可能に構成される。
【0019】
駆動回路24は、ドライバIC241や、各種配線基板242を備える。駆動回路24は、ドライバIC241により駆動電圧をアクチュエータ25の配線パターンに印加することでアクチュエータ25を駆動し、圧力室26の容積を増減させて、対向配置されたノズル211から液滴を吐出させる。すなわち、駆動回路24は、アクチュエータ25に所定の駆動波形を有する駆動信号を出力する駆動部である。
【0020】
例えばドライバIC241は、各駆動素子部27を動作させるための制御信号及び駆動信号を生成する生成部である。ドライバIC241は、液体吐出装置2の制御部2118から入力された画像信号に従い、インクを吐出させるタイミング及びインクを吐出させる駆動素子部27を選択するなどの制御のための制御信号を生成する。また、ドライバIC241は、制御信号に従って駆動素子部27に印加する電圧、すなわち駆動信号(電気信号)を生成する。ドライバIC241が駆動素子部27に駆動信号を印加すると、駆動素子部27は圧力室26の容積を変化させるように駆動する。これにより、圧力室26に充填されたインクが圧力室26に連通するノズル211から吐出する。なお、液体吐出ヘッド1は、1画素に着弾するインク滴の量を変更することで階調表現を実現できるようにしてもよい。また、液体吐出ヘッド1は、インクの吐出回数を変えることで、1画素に着弾するインク滴の量を変更できるようにしてもよい。
【0021】
例えば、ドライバIC241は、データバッファ、デコーダ、ドライバを備えている。データバッファは、印字データを駆動素子部27毎に時系列に保存する。デコーダは、駆動素子部27毎に、データバッファに保存された印字データに基づいて、ドライバを制御する。ドライバは、デコーダの制御に基づき、各駆動素子部27を動作させる駆動信号を出力する。駆動信号は、各駆動素子部27に印加する電圧である。
【0022】
液体吐出ヘッド1は、ノズルプレート21と、アクチュエータ基板22と、マニフォルド23とによって、内部に圧力室26を有する所定の流路を構成する。液体吐出ヘッド1の流路は、液体吐出装置の接続流路2135に接続される。
【0023】
ポンプ2134は、例えば圧電ポンプで構成される送液ポンプである。ポンプ2134は、制御部2118に接続され、制御部2118により駆動制御される。
【0024】
接続流路2135は、液体吐出ヘッド1のインク供給管に接続される供給流路を備える。また、接続流路2135は、液体吐出ヘッド1のインク排出管に接続される回収流路を備える。例えば、液体吐出ヘッド1が非循環式の場合には、回収流路は、メンテナンス装置に接続され、液体吐出ヘッド1が循環式の場合には、回収流路は、供給タンク2132に接続される。
【0025】
搬送装置2115は、媒体供給部2112の給紙カセット21121から画像形成部2113を通って媒体排出部2114の排紙トレイ21141に至る搬送路2001に沿って、用紙Pを搬送する。搬送装置2115は、搬送路2001に沿って配置される複数のガイドプレート対21211~21218と、複数の搬送用ローラ21221~21228と、を備えている。搬送装置2115は、用紙Pを液体吐出ヘッド1に相対移動可能に支持する。
【0026】
制御部2118は、例えば、制御基板である。制御部2118は、プロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートであるI/Oポート、画像メモリを搭載している。
【0027】
プロセッサは、コントローラであるCPU(Central Processing Unit)等の処理回路である。プロセッサは、I/Oポートを通して、液体吐出装置2に設けられるヘッドユニット2130、駆動モータ、操作部、及び各種センサ等を制御する。プロセッサは、画像メモリに保存した印字データを描画順に駆動回路24に送信する。
プロセッサは、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)又はGPU(graphics processing unit)、あるいは、これらの組み合わせである。
【0028】
ROMは、各種のプログラムなどを記憶する。RAMは、各種の可変データや画像データなどを一時的に記憶する。I/Oポートは、外部からのデータの入力及び外部へのデータの出力をするインターフェイス部である。外部接続機器からの印字データは、I/Oポートを通じて制御部2118へ送信され、画像メモリに保存される。
【0029】
以下、実施形態に係る液体吐出装置2に用いられる液体吐出ヘッド1の特性及び液体吐出ヘッド1の駆動回路24で生成される駆動信号の駆動波形について説明する。例えば駆動回路24で生成される駆動信号の駆動波形は、調整吐出波形WAを含む。なお、液体吐出ヘッド1の駆動方法は、例えば複数回の吐出動作によって1つの液滴を形成するマルチドロップ駆動である。すなわち、複数のドロップのうちいずれかのドロップを駆動する駆動波形として用いられる複数の駆動パターンのうちいずれかの駆動パターンにおいて調整吐出波形WAが含まれる。すなわち、駆動回路24は、調整吐出波形WAを含む複数パターン(複数種類)のマルチドロップ信号により、多階調の駆動波形でアクチュエータ25を駆動する。
【0030】
制御部2118は、印字データに基づき、各駆動素子に印加する駆動波形を設定する。制御部2118は、印字データに基づき、いずれかのパターンとして調整吐出波形WAを含む各種の波形パターンにて、液体吐出部の各ノズルに対応する複数の駆動素子をそれぞれ駆動する。
例えば制御部2118は、駆動波形の条件を設定することで、吐出体積を調整する調整手段となる。すなわち、後述する戻しパルス波形部PPの位置や幅の大きさは、用途によって、例えば使用する吐出体積に応じて、設定する事が可能であり、制御部2118が駆動波形を設定することにより戻しパルスのパルス幅を調整して吐出体積を調整する調整手段となる。あるいは、駆動回路24が駆動波形を生成することにより、戻しパルスのパルス幅を調整して吐出体積を調整する調整手段を構成してもよい。
【0031】
以下に、
図3及び
図4に従って、本実施形態の駆動信号SAの駆動波形が含む調整吐出波形WA及び駆動信号SBの駆動波形が含む基準吐出波形WBについて説明する。
図3は本実施形態にかかる基準吐出波形WBを示す波形図である。縦軸は電圧[V]、横軸は時間[μs]を示す。例えば本実施形態にかかる基準吐出波形WBは、拡張と収縮によりノズル211から液体を1回吐出させる吐出波形である。
【0032】
基準吐出波形WBは、圧力室のインク圧力を減少させる減少パルスを有する減少波形部PAと、圧力室のインク圧力を段階的に増加させる複数の増加パルスを有する増加波形部PBと、を含む。
【0033】
すなわち、基準吐出波形WBは、減少波形部PA及び増加波形部PBをこの順で含む。
【0034】
減少波形部PAは、ゼロ電位(va)、第1の負電位(vb)、第2の負電位(vc)、第1の負電位(vd)、ゼロ電位(ve)の順で変化する波形を有する。なお、第1の負電位の大きさは、ゼロ電位(va)と第2の負電位(vc)の間の電位であり、一例として、第2の負電位の大きさの1/2である。
【0035】
増加波形部PBは、ゼロ電位(ve)から、第1の正電位(vf)、第2の正電位(vg)、第1の正電位(vh)、ゼロ電位(vi)の順で変化する波形を有する。
【0036】
すなわち、増加波形部PBは、一例として、2段階に分けて段階的に電圧を増加し、2段階に分けて段階的に印加を終了する。
【0037】
なお、第1の正電位の大きさは、ゼロ電位(ve)と第2の正電位(vg)の間の正電位であり、一例として、第2の正電位の大きさの1/2である。
【0038】
すなわち、基準吐出波形WBは、ゼロ電位(va)、第1の負電位(vb)、第2の負電位(vc)、第1の負電位(vd)、ゼロ電位(ve)、第1の正電位(vf)、第2の正電位(vg)、第1の正電位(vh)、ゼロ電位(vi)の順で変化する波形を有する。
【0039】
ゼロ電位(ve)から第1の正電位(vf)への遷移は、1段階目の増加である。第1の正電位(vf)から第2の正電位(vg)への遷移は、2段階目の増加である。第2の正電位(vg)から第1の正電位(vh)への遷移は、1段階目の印加終了である。第1の正電位(vh)からゼロ電位(vi)への遷移は、2段階目の印加終了である。
【0040】
なお、ゼロ電位は、基準電位との電位差がゼロ近傍の所定の範囲内となる電位である。
【0041】
減少波形部PAは、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエータ25を駆動させる第1波形部の一例である。増加波形部PBは、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエータ25を駆動させる第2波形部の一例である。
【0042】
基準吐出波形WBの印加開始後、一定時間ゼロ電位(va)が印加される。そして、ゼロ電位(va)の後、減少波形部PAの印加が開始される。減少波形部PAは、まず、ゼロ電位(va)から第1の負電位(vb)、第1の負電位(vb)から第2の負電位(vc)へ変化する。そして、減少波形部PAは、第2の負電位(vc)になった後、減少波形部PAの印加開始から時間D経過するまで第2の負電位(vc)を継続する。減少波形部PAは、減少波形部PAの印加開始から時間D経過後、第2の負電位(vc)から第1の負電位(vd)、第1の負電位(vd)からゼロ電位(ve)への変化を開始する。
【0043】
基準吐出波形WBは、減少波形部PAの印加終了後、ゼロ電位(ve)を所定時間継続した後、増加波形部PBの印加を開始する波形を有する。
【0044】
増加波形部PBは、ゼロ電位(ve)から第1の正電位(vf)に変化し、第1の正電位(vf)を所定時間継続した後に第1の正電位(vf)から第2の正電位(vg)へ変化する。そして、増加波形部PBの印加開始から所定時間後に第2の正電位(vg)から第1の正電位(vh)へ変化する。そして、第1の正電位(vh)を所定時間継続した後、第1の正電位(vh)からゼロ電位(vi)へと変化する。
【0045】
時間Dは、圧力室26の固有振動周期の半分の時間であることが好ましい。なお、圧力室26の固有振動周期の半分の時間を、1AL(acoustic length)とする。すなわち、時間Dは、1ALであることが好ましい。例えば時間D(第1のパルス幅)は、発生する圧力波の振幅が最大となるようにALとし、第2の増加後の収縮パルスの時間M(第2パルス幅)はそれまでの駆動波形によって発生した振動を最小化させるようなパルス幅とする。例えば第2の増加後の収縮パルスの時間Mは、ALより短いことが望ましく、例えばAL/2とする。第2の増加後の収縮パルスの中央から、増加波形部PBの第2の増加後の収縮パルスの中央までの時間Sは、2ALとする。
【0046】
続いて、本実施形態にかかる駆動信号SAの駆動波形が含む調整吐出波形WAについて
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態にかかる調整吐出波形WAを示すグラフであり、縦軸は電圧[V]、横軸は時間[μs]を示す。例えば本実施形態にかかる波形WAは、拡張と収縮によりノズル211から液体を1回吐出させる吐出波形である。
すなわち、調整吐出波形WAは、圧力室のインク圧力を減少させる減少パルスを有する波形部と、圧力室のインク圧力を段階的に増加させる複数の増加パルスを有し、複数の増加パルスの間に、増加パルスの増加電位と減少パルスの減少電位の間の戻し電位に戻す戻しパルス波形部PPを含む。
【0047】
調整吐出波形WAは、減少波形部PA(第1の波形部)及び増加波形部PC(第2の波形部)をこの順で含む。
【0048】
減少波形部PAは、ゼロ電位(va)、第1の負電位(vb)、第2の負電位(vc)、第1の負電位(vd)、ゼロ電位(ve)の順で変化する波形を有する。なお、第1の負電位の大きさは、ゼロ電位(va)と第2の負電位(vc)の間の電位であり、一例として、第2の負電位の大きさの1/2である。
【0049】
増加波形部PCは、ゼロ電位(ve)から、第1の正電位(vf)、戻し電位(vj)、第1の正電位(vf)、第2の正電位(vg)、第1の正電位(vh)、ゼロ電位(vi)の順で変化する波形を有する。
【0050】
すなわち、増加波形部PCは、一例として、2段階に分けて段階的に電圧を増加し、2段階に分けて段階的に印加を終了する。そして、2段階の電圧の増加の間のタイミングで、一旦電圧を減少する。例えば戻しパルス波形部PPとして、電圧を減少することで収縮量を減らすか、ゼロ電位まで戻すか、あるいはさらに負電位側にまで電圧を下げて拡張させ、一定時間後に、電圧を増加して収縮状態に戻す。
【0051】
なお、第1の正電位(vf)の大きさは、ゼロ電位(ve)と第2の正電位(vg)の間の正電位であり、一例として、第2の正電位の大きさの1/2である。
【0052】
戻し電位(vj)の大きさは、第1の正電位(vf)と、第2の負電位(vc)の間の電位である。例えば戻し電位(vi)はゼロ電位(va)と同じとする。
【0053】
すなわち、調整吐出波形WAは、ゼロ電位(va)、第1の負電位(vb)、第2の負電位(vc)、第1の負電位(vd)、ゼロ電位(ve)、第1の正電位(vf)、戻し電位(vj)、第1の正電位(vf)、第2の正電位(vg)、第1の正電位(vh)、ゼロ電位(vi)の順で変化する波形を有する。
【0054】
ゼロ電位(ve)から第1の正電位(vf)への遷移は、1段階目の増加である。第1の正電位(vf)から第2の正電位(vg)への遷移は、2段階目の増加である。第2の正電位(vg)から第1の正電位(vh)への遷移は、1段階目の印加終了である。第1の正電位(vh)からゼロ電位(vi)への遷移は、2段階目の印加終了である。
【0055】
なお、ゼロ電位は、基準電位との電位差がゼロ近傍の所定の範囲内となる電位である。
【0056】
減少波形部PAは、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエータ25を駆動させる第1波形部の一例である。増加波形部PCは、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエータ25を駆動させる第2波形部の一例である。
【0057】
調整吐出波形WAの印加開始後、一定時間ゼロ電位(va)が印加される。そして、ゼロ電位(va)の後、減少波形部PAの印加が開始される。減少波形部PAは、まず、ゼロ電位(va)から第1の負電位(vb)、第1の負電位(vb)から第2の負電位(vc)へ変化する。そして、減少波形部PAは、第2の負電位(vc)になった後、減少波形部PAの印加開始から時間D経過するまで第2の負電位(vc)を継続する。減少波形部PAは、減少波形部PAの印加開始から時間D経過後、第2の負電位(vc)から第1の負電位(vd)、第1の負電位(vd)からゼロ電位(ve)への変化を開始する。
【0058】
調整吐出波形WAは、減少波形部PAの印加終了後、ゼロ電位(ve)が所定時間後継続した後、増加波形部PCの印加を開始する波形を有する。
【0059】
増加波形部PCは、ゼロ電位(ve)から第1の正電位(vf)に変化し、第1の正電位(vf)を所定時間継続した後に第1の正電位(vf)から第2の正電位(vg)へ変化する。そして、増加波形部PCの印加開始から所定時間後に第2の正電位(vg)から第1の正電位(vh)へ変化する。そして、第1の正電位(vh)を所定時間継続した後、第1の正電位(vh)からゼロ電位(vi)へと変化する。
【0060】
時間Dは、圧力室26の固有振動周期の半分の時間であることが好ましい。なお、圧力室26の固有振動周期の半分の時間を、1AL(acoustic length)とする。すなわち、時間Dは、1ALであることが好ましい。第2の増加後の収縮パルスの時間Mは、ALより短いことが望ましく、例えばAL/2とする。減少波形部PAの拡張パルスの中央から、増加波形部PCの第2の増加後の収縮パルスの中央までの時間Sは、2ALとする。
【0061】
以上説明したように、吐出体積を減らす微調整をするための調整吐出波形WAは、基準吐出波形WBに対して、第1増加タイミング後から第2パルスの第2増加タイミングの間のタイミングで、一旦アクチュエータの収縮を元に戻す戻し要素を有する戻しパルス波形部PP(凹部)を加えた形である。すなわち、調整吐出波形WAは、第2の波形部である増加波形部PCの所定のタイミングで、凹部となる戻しパルス波形部PPを有する。
【0062】
図5乃至
図7は、それぞれ、戻しパルス波形部PPのタイミングを変えた波形を示す。
図5は、第1の増加後、戻しパルス波形部PPまでの間の時間が、戻しパルス波形部PPから第2の増加までの時間より短い第1のタイミングで、戻しパルス波形部PPを配置した例を示す駆動波形WAAである。
図6は、第1の増加後、戻しパルス波形部PPにおいて電圧を下げるまでの時間と、戻しパルス波形部PPの終了から第2の増加までの時間とが等しい、中央位置となる第2のタイミングで、戻しパルス波形部PPを配置した例を示す駆動波形WABである。
図7は、第1の増加後、戻しパルス波形部PPまでの時間が、戻しパルス波形部PPの後から第2の増加までの時間より長くなる第3のタイミングで、戻しパルス波形部PPを配置した例を示す駆動波形WACである。
【0063】
図8は、
図5乃至
図7のタイミングが異なる3つの波形において、それぞれ戻しパルス波形部PPの凹部の幅を可変した場合の1ドロップの吐出堆積を示す。
図8によれば、まず、戻しパルス波形部PPの凹部幅としての戻しパルス幅wjの調整によって吐出体積を制御する事ができる。
図8において、パルス幅wjはAL比で示す。
【0064】
図9は、基準吐出波形WBを用いて電圧を可変した場合の吐出体積と吐出速度の関係を示す。
図9によれば、基準吐出波形WBでは、吐出体積と吐出速度は比例する関係にあり、プロットの配置が線形に並ぶ関係性を有する。したがって、吐出体積が小さい領域で使用したい場合には、吐出体積の減少に伴って吐出速度も減少してしまうことになる。
【0065】
例えば、吐出速度の減少は、液滴がメディアに着弾した時の着弾ズレが顕著となる為、印刷品質の低下を招く。
図10は、戻しパルス波形部PPの戻しパルス幅wjを可変した場合の速度と体積の関係を重ねたグラフである。なお
図10において戻しパルス幅wjはAL比で示す。
図10によれば、戻しパルス波形部PPによって、
図9の吐出体積と吐出速度の比例関係から外れ、速度を保ちつつ体積を減少している。すなわち、戻しパルス幅wjが少ない場合は吐出速度を保ったまま吐出体積が減少していることがわかる。一方、戻しパルス幅wjが大きくなると吐出体積と同様に吐出速度も減少する傾向となるが、同じ吐出体積で比較すると吐出速度が約1m/sec大きくなっている。
【0066】
したがって、戻しパルス幅wjやタイミングを調整することで、基準吐出波形WBと比較して同じ吐出体積を吐出する場合に吐出速度が高い状態で吐出する事が可能となる。したがって、小液滴を吐出する場合も、吐出速度が遅い事が理由で発生する印刷品質の低下を抑止する事が可能となる。例えば戻しパルス波形部PPの位置や幅の大きさは、用途によって、例えば使用する吐出体積に応じて、設定する事が可能である。
【0067】
本実施形態によれば吐出体積の調整が可能な駆動装置及び液体吐出装置を提供できる。すなわち、圧力室のインク圧力を減少させる減少パルスを有する第1波形部としての減少波形部PAと、前記圧力室のインク圧力を段階的に増加させる複数の増加パルスを有し、複数の前記増加パルスの間に、前記増加パルスの電位と前記減少パルスの電位の間の戻し電位に戻す戻しパルス波形部PPを有する第2波形部としての増加波形部PCと、を含む調整吐出波形WAを用いた駆動制御により、液体の吐出速度との比例関係から外れて小液滴を吐出可能であり、吐出体積の微調整が可能となる。
【0068】
なお、本発明の実施形態は上述した構成に限定されるものではなく、適宜変更して実施できる。
【0069】
例えば駆動信号は1つの吐出波形のみでなく、複数種類以上の吐出波形を組み合わせてもよい。例えば複数の駆動素子部27のうち、いずれかの駆動素子部27に、いずれかのタイミングで印加する駆動波形で、複数の増加要素の間に収縮を戻す戻し波形を有し、異なる別の波形と組み合わせて駆動することも可能である。例えば、戻し波形を有する吐出波形は、複数の吐出波形により液滴を吐出するマルチドロップ波形の一部であってもよく、あるいは1回の吐出波形により液滴を吐出するシングル波形であってもよい。
【0070】
図11は、他の実施形態にかかる駆動信号SCの駆動波形WCを示す。本実施形態にかかる駆動波形WCは、吐出波形WAと基準吐出波形WBを有するマルチドロップ波形を有する。本実施形態にかかる駆動波形WCは、最大2ドロップを吐出させる場合の波形であり、調整吐出波形WAの後に、基準吐出波形WBを有する波形である。
【0071】
図12は本実施形態にかかる駆動波形WCにおける、2ドロップ目の吐出体積と吐出速度の関係を示すグラフである。
図13は本実施形態の駆動波形WCにおいて、凹部の幅である戻しパルス幅wjを変化させた時の、1ドロップ目と2ドロップ目における、吐出体積を示すグラフである。
図12より、2ドロップ目の液滴の吐出速度と、2ドロップ目の吐出体積の関係は基準吐出波形と同じとなっている。更に、
図13より、1ドロップ目の戻しパルス幅wjを変えた場合、1ドロップ目の吐出体積の変化は大きいが、2ドロップまでの吐出体積はほぼ一定のままであることがわかる。すなわち、本実施形態によれば、1ドロップ目の吐出体積を小液滴化しつつ、最大ドロップ数の吐出体積を保つことが可能となる。また、本実施形態によれば、同じ調整吐出波形WAを複数回繰り返す波形に比べて、スイッチング回数を減らすことが可能であり、消費電力の抑制効果も期待される。
【0072】
なお、各要素における電圧の値についても、上記実施形態に限られるものではない。例えば戻しパルス波形部PPの戻し電位は、一例としゼロ電位としたが、これに限られるものではない。例えば第1正電位より低い値であればよい。
【0073】
また、戻しパルス波形部PPは、上記実施形態に限られるものではなく、適宜変更して実施可能である。例えば戻しパルス波形部PPは、段階的に、電圧を下げるステップ波形を有していてもよい。
【0074】
図14は他の実施形態にかかる駆動波形WDを示す。駆動波形WDは、ステップ波形を有する戻しパルス波形部PPを備える。すなわち、本実施形態において、戻しパルス波形部PPは、第1の戻し電位(vj)を経て第2の戻し電位(vk)まで、2段階で電圧を下げ、所定時間後に2段階で電圧を上げる戻しパルス波形部PPを有する。すなわち、駆動波形WDは、第1の増加と第2の増加の間のタイミングで収縮を減少あるいは収縮を無くす過程において、戻し波形部を2段階の波形とし、基準電位よりも低い電位まで、電圧を変化させる。
【0075】
図15は、駆動波形WDを1ドロップ目の吐出波形として用いた場合の、吐出体積と吐出速度の関係を示すグラフである。
図16は、駆動波形WDを1ドロップ目の吐出波形として用いた場合の、2ドロップ目における、吐出体積と吐出速度の関係を示すグラフである。
図17は、駆動波形WDを1ドロップ目の吐出波形として用いた場合の、1ドロップ目と2ドロップ目の戻しパルス幅wjと吐出体積の関係を示すグラフである。
【0076】
図15によれば、1ドロップ目に駆動波形WDを用いることで、吐出体積をさらに小液滴化できることが判る。このため、例えば本実施形態にかかる駆動波形WDは、吐出速度を一定に保つ領域が少なく、基準吐出波形よりも少ない液滴体積を吐出速度を上げて使用する場合に、有用であるといえる。
【0077】
一方で、
図16及び
図17に示すように、1ドロップ目の下げ幅が大きく、戻しパルス幅wjが広くなるにつれて残留振動などの影響で吐出が不安定になる領域がある為、例えば戻しパルス幅wjは例えばAL比で0.3AL程度までの領域とするのが好ましい。
【0078】
また、上記実施形態において、1ドロップ目のみを調整吐出波形WAとし、2ドロップ目以降は基準吐出波形WBとした例示をしたが、これに限られるものではない。例えば2ドロップ目以降のいずれかあるいは全てについて調整吐出波形WAを適用することも可能である。
【0079】
また、標記各実施形態において、圧力を減少させる第1波形部としての減少波形部PAは、2段階で段階的に電圧を下げるステップ波形を例示したが、これに限られるものではない。例えばゼロ電位(va)から、第2の負電位(vc)まで推移させ、一定時間経過後に、第2の負電位(vc)からゼロ電位(va)に戻す波形としてもよい。
【0080】
また5つの電位で推移する例に限られず、6つ以上の電位で推移させてもよい。
【0081】
また、例えばマルチドロップ少なくともいずれかのドロップ波形として、液体を吐出しない非吐出波形を含んでいてもよい。
【0082】
例えば、液体吐出ヘッド1の構成は上記の例に限られるものではなく、他のタイプのヘッドに用いてもよい。例えば液体吐出ヘッドは、圧力室と駆動素子との間に設けられる振動板を駆動素子の変形によって振動させることで、液体吐出部を駆動する構成であってもよい。
【0083】
例えば上記実施形態においては、駆動装置の一例として、液体吐出ヘッド1に設けられたドライバIC241を有する駆動回路24を例示したがこれに限られるものではない。例えば液体吐出ヘッド1に接続され、液体吐出ヘッド1の外部に設けられた制御装置など、各種制御装置を駆動装置としてもよい。
【0084】
また、上記実施形態においては液体吐出装置はインクジェット記録装置に用いられる例を示したが、これに限られるものではなく、例えば3Dプリンタ、産業用の製造機械、医療用途にも用いることが可能であり、小型軽量化及び低コスト化が可能である。
【0085】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、より細かい調整が可能となる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1…液体吐出ヘッド、2…液体吐出装置、21…ノズルプレート、22…アクチュエータ基板、23…マニフォルド、24…駆動回路、25…アクチュエータ、26…圧力室、211…ノズル、241…ドライバIC、242…配線基板、2001…搬送路、2111…筐体、2112…媒体供給部、2113…画像形成部、2114…媒体排出部、2115…搬送装置、2118…制御部、2120…支持部、2130…ヘッドユニット、2132…供給タンク、2134…ポンプ、2135…接続流路、21121…給紙カセット、21141…排紙トレイ、21201…搬送ベルト、21202…支持プレート、21203…ベルトローラ、21211~21218…ガイドプレート対、21221~21228…搬送用ローラ、WA…調整吐出波形、WB…基準吐出波形。