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特開2025-32953中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025032953
(43)【公開日】2025-03-12
(54)【発明の名称】中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャック
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/577 20060101AFI20250305BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20250305BHJP
【FI】
C04B35/577
H01L21/68 P
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024005786
(22)【出願日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】18/238,737
(32)【優先日】2023-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・コッポラ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・クームス
(72)【発明者】
【氏名】ジウェン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】マイク・アガジャニアン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131EB01
5F131EB78
5F131EB79
(57)【要約】
【課題】中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャックを提供すること。
【解決手段】VCSELデバイスは、リソグラフィ開口領域の外側に保護ダイオードを形成する複数の層を備えることができ、保護ダイオードの表面積は、前記リソグラフィ開口の表面積よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応結合炭化ケイ素体であって、
本体部分であって、反応結合炭化ケイ素および元素のケイ素を含み、ダイヤモンドを含まない本体部分と、
前記本体部分内に少なくとも部分的に位置するある寸法の1つまたは複数の離散要素であって、各々は
前記ある寸法の単一のダイヤモンド粒子と、前記ダイヤモンド粒子を取り囲む反応結合炭化ケイ素コーティングと、元素のケイ素とを含む、
1つまたは複数の離散要素と、
を含む反応結合炭化ケイ素体。
【請求項2】
請求項1に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記本体部分は、真空ウェハチャック内で使用するために構成される、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項3】
請求項1に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記離散要素は、半導体ウェハを支持するためのピンを含む、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項4】
請求項3に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記ピンは、前記本体部分内に位置する第1の部分を含み、前記ピンは、前記本体部分および前記第1の部分の上に隆起する第2の部分を含む、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項5】
請求項4に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記ピンの前記第1の部分は第1の直径を有し、前記ピンの前記第2の部分は第2の直径を有し、前記第1の直径は前記第2の直径よりも大きく、前記第2の直径は前記ある寸法に実質的に等しい、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項6】
請求項3に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記ピンは、バイメタルストリップ応力を防ぐように互いから分離される、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項7】
請求項1に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記離散要素は、前記本体部分の機械加工性を低下させることなく、ダイの真下に高い熱流束を与えるように構成される、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項8】
請求項1に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記離散要素は、前記本体部分の機械加工性を低下させることなく、摩耗面で局所的なダイヤモンド強化を与えるように構成される、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項9】
請求項1に記載の反応結合炭化ケイ素体であって、前記単一のダイヤモンド粒子は、単結晶または多結晶を含み得る、反応結合炭化ケイ素体。
【請求項10】
反応結合炭化ケイ素体を作製する方法であって、
切断前の寸法の単一のダイヤモンド粒子を本体部分に埋め込むステップであって、前記本体部分は、反応結合炭化ケイ素および元素のケイ素を含み、ダイヤモンドを含まない、ステップと、
ある寸法の1つまたは複数の離散要素を切断するステップであって、前記ある寸法の各々は、前記切断前の寸法よりも小さく、各前記離散要素は、前記本体部分内に少なくとも部分的に位置し、前記離散要素の各々は、前記ある寸法の単一のダイヤモンド粒子と、前記ダイヤモンド粒子を取り囲む反応結合炭化ケイ素コーティングと、元素のケイ素とを含む、ステップと
を含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、真空ウェハチャック内で使用するために前記本体部分を構成するステップを含む方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、半導体ウェハを支持するためのピンを形成するように前記離散要素を切断するステップを含む方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記本体部分内に位置する第1の部分を含み、且つ、前記本体部分および前記第1の部分の上に隆起する第2の部分を含むように前記ピンを形成するステップを含む方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、第1の直径を有するように前記ピンの前記第1の部分を形成し、第2の直径を有するように前記ピンの前記第2の部分を形成するステップを含み、前記第1の直径は、前記第2の直径よりも大きく、前記第2の直径は、前記ある寸法に実質的に等しい、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、バイメタルストリップ応力を防ぐように互いから分離されるように前記ピンを形成するステップを含む方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法であって、前記本体部分の機械加工性を低下させることなく、ダイの真下に高い熱流束を与えように前記離散要素を構成するステップを含む方法。
【請求項17】
請求項10に記載の方法であって、前記本体部分の機械加工性を低下させることなく、摩耗面で局所的なダイヤモンド強化を与えるように前記離散要素を構成するステップを含む方法。
【請求項18】
請求項10に記載の方法であって、単結晶粒子または多結晶粒子から前記単一のダイヤモンド粒子を選択するステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャックに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本開示の態様は、中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャックに関する。様々な問題が、中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャックについての従来の解決策に存在し得る。この点について、中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャックのための従来のシステムおよび方法は、費用がかかり、扱いにくく、および/または非効率であり得る。
【0003】
[0003]従来のシステムおよび方法の制限および欠点は、そのような手法と図面を参照して本開示の残りに記載されている本方法およびシステムのいくつかの態様との比較によって、当業者に明らかになる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]中実ダイヤモンドピンを有する真空ウェハチャックは、図の少なくとも1つに関連して示されおよび/または説明され、特許請求の範囲により完全に記載される。
[0005]本開示のこれらおよび他の利点、態様、および新規な特徴、ならびにその図示された実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解される。
【0005】
[0006]本開示の様々な特徴および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて参照することでより容易に理解され得、同じ参照符号は、同様の構造的な要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0007]本開示のいくつかの実施形態による、反応結合炭化ケイ素体を示すブロック図である。
図2】[0008]図1の反応結合炭化ケイ素体100をさらに説明するブロック図である。
図3a】[0009]図3aは、反応結合セラミック材料20の断面図である。
図3b図3bは、反応結合セラミック材料20の断面図である。
図3c図3cは、反応結合セラミック材料20の断面図である。
図3d図3dは、反応結合セラミック材料20の断面図である。
図4a】[0010]図4aは、マルチ構成要素ブロックの一例の平面図である。
図4b】[0011]図4bは、図4aの例示的な詳細を示す図である。
図4c図4cは、図4aの例示的な詳細を示す図である。
図5】[0012]機械加工前の離散要素120に単一のダイヤモンド粒子122を使用する例示的な反応結合炭化ケイ素体100を示す図である。
図6】[0013]機械加工後の反応結合炭化ケイ素体の断面図および平面図である。
図7】[0014]本開示のいくつかの実施形態による方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0015]以下の説明は、半導体デバイス、および半導体デバイスを製造する方法の様々な例を与える。そのような例は限定ではなく、添付の特許請求の範囲は、開示された特定の例に限定されるべきではない。以下の説明では、「例」および「例えば」という用語は限定ではない。
【0008】
[0016]図は、一般的な構成のやり方を示し、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、よく知られている特徴および技法の説明および詳細は省略される場合がある。加えて、図面の図中の要素は、必ずしも原寸に比例しない。例えば、図中の要素の一部の寸法は、本開示で説明される例の理解を向上させるのに役立つように、他の要素に対して誇張されている場合がある。異なる図における同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【0009】
[0017]「または」という用語は、「または」によって結合されたリスト内の項目のうちの任意の1つまたは複数を意味する。一例として、「xまたはy」は、3つの要素セット{(x)、(y)、(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。別の例として、「x、y、またはz」は、7つの要素セット{(x)、(y)、(z)、(x,y)、(x,z)、(y,z)、(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。
【0010】
[0018]用語「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」は、「オープンエンド」の用語であり、述べられた特徴の存在を特定するとともに、1つまたは複数の他の特徴の存在または追加を除外しない。
【0011】
[0019]「第1の」、「第2の」などの用語は、様々な要素を説明するために本明細書中で使用され得、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するため使用されるものにすぎない。したがって、例えば、本開示において説明される第1の要素は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の要素と呼ばれてもよい。
【0012】
[0020]特段指定されない限り、「結合された(coupled)」という用語は、互いに直接接触する2つの要素を説明するために、あるいは1つまたは複数の他の要素によって間接的に接続される2つの要素を説明するために使用され得る。例えば、要素Aが要素Bに結合される場合、要素Aは、要素Bに直接接触していてもよく、または介在要素Cによって要素Bに間接的に接続されてもよい。同様に、「~の上の(over)」または「~上に(on)」という用語は、互いに直接接触している2つの要素を説明するために、あるいは1つまたは複数の他の要素によって間接的に接続される2つの要素を説明するために使用され得る。
【0013】
[0021]次に、図1を参照すると、本開示のいくつかの実施形態による反応結合炭化ケイ素体100を説明するブロック図が示されている。いくつかの実施形態では、反応結合炭化ケイ素体100は、本体部分110を含むことができる。反応結合炭化ケイ素体100は、本体部分110内に少なくとも部分的に位置するある寸法の1つまたは複数の離散要素120も含むことができる。本体部分110は、ダイヤモンドを含まず、反応結合炭化ケイ素112および元素のケイ素114を含むことができる。1つまたは複数の離散要素120は、その寸法の単一のダイヤモンド粒子122を含むこともできる。反応結合炭化ケイ素112は、ダイヤモンド粒子122および元素のケイ素114を取り囲むことができる。
【0014】
[0022]いくつかの実施形態では、本体部分110は、真空ウェハチャック内で使用するために構成され得る。いくつかの実施形態では、離散要素120は、本体部分110の機械加工性を低下させることなく、ダイの真下に高い熱流束を与えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、離散要素120は、本体部分110の機械加工性を低下させることなく、摩耗面で局所的なダイヤモンド強化を与えるように構成され得る。
【0015】
[0023]図2は、本開示のいくつかの実施形態による、図1の反応結合炭化ケイ素体100をさらに説明するブロック図である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の離散要素120は、例えば、半導体ウェハを支持するためのピン216を含むことができる。いくつかの実施形態では、ピン216は、本体部分110内に位置する第1の部分217と、本体部分110および第1の部分217の上に隆起する第2の部分218とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ピン216の第1の部分217は、第1の直径220を含むことができる。第2の部分218は、第2の直径222を含むことができる。第1の直径220は、第2の直径222よりも小さくてもよく、第2の(または第1の)直径222は、寸法に実質的に等しい。
【0016】
[0024]図3aから図3dは、セラミック粒子22、反応形成炭化ケイ素(SiC)粒子24、および残留元素のケイ素(Si)26を含む反応結合セラミック材料20の断面図である。セラミック粒子22は、SiCまたは炭化ホウ素(B4C)を含んでもよい。セラミック材料20は、セラミック粒子22および元素の炭素32を含むプリフォーム30(図3b)に対する反応性浸透プロセスを実行することによって製造され得る。浸透プロセス中、溶解Siは、プリフォーム30に浸透して反応形成SiC粒子24を形成することができる。すなわち、溶融Siは、炭素32と反応して、追加のSiCを形成することができる。プリフォーム30の中へのSiの浸透にもかかわらず、このプロセスは、例えば1パーセント未満であり得る体積のわずかな増加(プリフォーム30の体積と比較したセラミック材料20の体積の増加)しかもたらさない可能性がある。図3aに示されたセラミック材料20は、ダイヤモンドを含有しない。図3cは、反応形成SiC粒子24、残留元素Si26、ダイヤモンド粒子42、ダイヤモンド粒子42上に位置するとともにそれを取り囲む反応形成SiCコーティング44、および任意選択で、セラミック粒子22を含む反応結合セラミック材料40の断面図である。セラミック粒子22は、必要に応じて、SiCまたはB4Cを含んでもよい。セラミック材料40は、プリフォーム50(図3d)に対する反応性浸透プロセスを実行することによって製造することができ、プリフォーム50は、粉末を含むことができ、任意選択のセラミック粒子22、元素の炭素32、およびダイヤモンド粒子42を含む。反応性浸透プロセス中、溶解Siは、プリフォーム50に浸透して反応形成SiC粒子24および反応形成SiCコーティング44を形成する。必要に応じて、コーティング44が、図3cの断面図中でコーティング44が粒子42を取り囲むハローとして現れるようにダイヤモンド粒子42を完全に取り囲むことができる。反応性浸透プロセス中、溶融Siは、炭素32と反応して追加のSiCを形成し、また溶融Siは、ダイヤモンド粒子42の表面と反応して反応形成SiCコーティング44を生成する。溶融Siのプリフォーム50の中への浸透にもかかわらず、このプロセスは、1パーセント未満であり得る体積のわずかな増加(プリフォーム50の体積と比較したセラミック材料40の体積の増加)しかもたらさない可能性がある。
【0017】
[0025]反応結合SiC 24、44、ダイヤモンド粒子42(SiSiC-ダイヤモンド)の複合材料を含む図3cに示された材料40は、材料40が低い熱膨張、高い熱伝導性、高い硬度、高い耐摩耗性、高い剛性、および低い摩擦係数を有することができるので、多くのハイエンド用途に考えられ得る。しかしながら、ダイヤモンド粒子42は、材料40を機械加工(切断、研削、および/または成形)することを極めて難しくさせる可能性がある。したがって、本開示によれば、反応結合SiC体に対して離散的強化要素を提供され得、強化要素はダイヤモンド粒子42を含み、一方、本体、例えば本体部分110は、ダイヤモンドを含有しない。本開示によれば、図3cに示されたダイヤモンド含有材料40は、所望の性能を与えることが必要とされる場合にのみ設けられ得る。本体の残りは、図3aに示される材料20で形成され得、材料20は、反応結合SiC24を含有するがダイヤモンドを含まず、費用対効果が高い機械加工によく適している。
【0018】
[0026]ダイヤモンドは、様々な有用な用途に対して多くの望ましい特性を有する。そのような特性は、耐摩耗性のための極めて高い硬度、スライド用途のためのとても低い摩擦係数、構造用途のためのとても高い剛性(ヤング率)、および極めて高い熱安定性(高い熱伝導性および低い熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion))を含む。本開示の様々な実施形態によれば、望ましいダイヤモンド粒子は、単結晶および/または多結晶であってもよい。しばしば、多結晶ダイヤモンド粒子は、結晶粒子の異なる物理的方向/面において、より均一な特性、例えば硬度を示し得る。
【0019】
[0027]図4aは、マルチ構成要素ブロックの一例の平面図である。図示されたブロックは、図3aに示されたSiC含有材料20で形成された本体110(本体部分110の一例)と、図3cに示されたダイヤモンド含有材料で形成された間隔をおいて配置された離散的な特徴104とを含む。特徴104は、SiC含有体102の上面108にレーザ加工された対応するトレンチ106(表面特徴の例、図4b)内に位置することができる。図示された例では、各特徴104は、0.5mm~3.0mmの範囲内、好ましくは約1.2mmの幅Wと、100μm~600μmの範囲内、好ましくは約300μmの深さDとを有することができ、トレンチ106は、公称65μmなどの適切な量のダイヤモンド粉末で少なくとも部分的に満たされ得る。しかしながら、本開示は、本明細書に記載された例の詳細に限定されるべきではない。
【0020】
[0028]次いで、トレンチ106がダイヤモンド粉末で満たされた後に、溶解Siが本体110およびトレンチ106に同時に浸透させられて、反応結合SiC 24(図4c)を有する図3aに示された材料20を本体110内に生成し、トレンチ106内に(およびトレンチ106内のみに)ダイヤモンド含有材料40を生成する。結果として、マルチ構成要素ブロックは、所望の場合にのみ、離散的な特徴104を使用してダイヤモンド含有材料40に関連した高性能特性を提供することができ、一方、ブロック100の残り(すなわち、本体110)は、反応形成SiCを含有するが、ダイヤモンドを含有せず、したがって、より容易に機械加工することができる。
【0021】
[0029]言い換えれば、図示されたマルチ構成要素ブロックは、必要な場合(および必要な場合にのみ)、硬質の熱伝導性ダイヤモンド強化複合材料40を有することができ、他の領域には機械加工を容易にするために(ダイヤモンドを有さない)反応結合SiC20を有することができる。図4aに示された本体110および特徴104は、さもなければ摩耗が生じる構成要素の特定の位置のみにとても硬質の低摩擦材料が望まれる場合、あるいはヒートシンクおよび/もしくは熱拡散が必要とされる場合のみに熱的に安定したとても高い熱伝導性の経路を提供するために、または低い機械的撓みが望まれる場合のみにとても堅い(すなわち、ヤング率の高い)領域を提供するためになど、局所的なダイヤモンド含有強化が価値を有し得る多種多様な用途の一例を表す。
【0022】
[0030]図示された例では、Si+ダイヤモンドを含むトレンチ106内で生じる反応は、Si+炭素を含むがダイヤモンドを含まない本体110内の他の場所で同時に生じる反応とは異なる。結果として、(トレンチ106内の)ダイヤモンド強化領域内の残留元素Si含有量は、ブロックの残りにおけるものよりも低い。例えば、トレンチ106内のダイヤモンド強化領域内の残留元素Siは、例えば、約6.8%であり得る一方、SiSiC(およびダイヤモンドなし)領域内の残留Siは、例えば、約23.2%であり得る。
【0023】
[0031]ダイヤモンド強化領域内の低い残留Si含有量は、改善された特性(硬度、剛性、不活性など)をもたらし得るが、ダイヤモンド粒子と低い元素Si含有量との組合せは、機械加工を特に難しくさせることがあり、その結果、必要な場所にのみダイヤモンド含有特徴104を設けることが特に有利であり得る。しかしながら、難しい機械加工を避けることは、ダイヤモンド含有特徴を局在化することが有利であり得る多くの理由のうちの1つにすぎない。有効に使用することができる場所にのみダイヤモンド強化を与えることの別の利点は、コストの削減である。言い換えれば、必要とされる部分にのみ高価なダイヤモンド粉末を使用することが有利である。
【0024】
[0032]図5は、離散要素120に単一のダイヤモンド粒子122を使用する機械加工前の例示的な反応結合炭化ケイ素体100を示す。本体部分110を含む反応結合炭化ケイ素体100が示されており、本体部分110は、単一のダイヤモンド粒子122、反応結合炭化ケイ素112、および元素のケイ素114を含む。本体部分110は、ダイヤモンド粒子122以外のダイヤモンドを含有しない。
【0025】
[0033]本開示の様々な実施形態によれば、特徴を生成すること、例えば、ダイヤモンド粉末を含まず、代わりに単一のダイヤモンド粒子122を含む特徴104を生成することが望ましい可能性がある。やはり、本体部分110は、粒子122以外のダイヤモンドを含まない。ダイヤモンド粒子122は、図4a~図4cに示されたような粉末の形態に使用されるダイヤモンド粒子よりもかなり大きい寸法のものであってもよい。ダイヤモンド粒子122は、例えば、600μmの寸法を有してもよい。このようにして、ダイヤモンド粒子122は、本体部110に埋め込まれてもよい。
【0026】
[0034]本開示の様々な実施形態によれば、ダイヤモンド粒子122から特徴を生成することが望ましい場合がある。例えば、図6に示されるように、例えば、最終的には隆起し得る、破線に沿ったダイヤモンド粒子122から中実ダイヤモンド表面を有する丸いピンを形成することが望ましい場合がある。
【0027】
[0035]図6は、機械加工後の反応結合炭化ケイ素体100の断面図および平面図を示す。反応結合炭化ケイ素体100、本体部分110が示されている。ピン216を含む離散要素120が示されている。ピン216は、機械加工によって単一のダイヤモンド粒子122から形成されてもよい。ピン216は、本体部分110内に位置する第1の部分217と、本体部分110の表面から隆起し得る第2の部分218とを備える。ピン216は、上面212を備えてもよい。ピン216は、例えば、第1のベースの直径220と第2のより小さい直径222とを有する円錐台形状であってもよい。本開示の様々な実施形態によれば、ピン216は、任意の適切な形状、例えば、三角錐台、四角錐台、または五角形錐台であり得る。いくつかの実施形態では、錐台は、実質的に円筒形に近づいてもよく、または実質的に円筒形にさえなってもよい。いくつかの実施形態では、ピン216の形状は、複数の積み重ねられた錐台を含んでもよく、またはこの形状は、任意の個数の積み重ねられた錐台によって模造されてもよい。ピン216の直径は、しばしばわずかに円錐形のため、例えば、第1の直径220、第2の直径222、または第1の直径220と第2の直径222との間のどこかに等しいと考えられ得る公称寸法であり得る。
【0028】
[0036]図6に示されるような構造体、例えばピン216は、例えば、反応結合炭化ケイ素112および元素のケイ素114を含む本体部分110(図5)に埋め込まれた単一のダイヤモンド粒子122から機械加工され得る。機械加工は、後でピン216の平らな上面212を作り出すことができる共通の上面を作り出すための単純な表面研削を含み得る。次いで、本体部分110のより多くは、機械加工により除去されてピン216を形成し、それらを本体部分110の上面の上に隆起させることができる。適切な機械加工は、レーザ切断であり得る。したがって、ピン216は、本体部分110内に部分的に位置し得るある寸法(直径)の離散要素であり得る。ダイヤモンド含有ピン216の直径は、例えば、200μm~800μmの範囲内、好ましくは約400μmであり得る。同様に、ピン216の高さは、200μm~800μmの範囲内、好ましくは約400μmであってもよいが、これらは、本開示がどのように実施され得るかの例にすぎない。本開示は、本明細書に記載された例の詳細に限定されるべきではない。
【0029】
[0037]図7は、本開示のいくつかの実施形態による方法を説明するフローチャートである。いくつかの実施形態では、310において、この方法は、切断前の寸法の単一のダイヤモンド粒子122を本体部分110に埋め込むことを含むことができる(図5も参照)。320において、上記方法は、ある寸法の1つまたは複数の離散要素120を切断することを含むことができ、その寸法の各々は、切断前の寸法よりも小さく、各離散要素120は、本体部分110内に少なくとも部分的に位置する。本体部分110は、反応結合炭化ケイ素112、元素のケイ素114を含むことができ、離散要素、例えば、粒子122の外側にはダイヤモンドを含まない。各離散要素120、例えばピン216は、切断後の寸法の単一のダイヤモンド粒子122を含むことができる。
【0030】
[0038]本開示の様々な実施形態によれば、方法は、ある寸法の1つまたは複数の離散要素120を切断することを含むことができ、その寸法の各々は、切断前の寸法よりも小さく、各離散要素120は、本体部分110内に少なくとも部分的に位置し、各離散要素120は、その寸法の単一のダイヤモンド粒子122を備える。
【0031】
[0039]いくつかの実施形態では、方法は、真空ウェハチャック内で使用するために本体部分110を構成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、本体部分110の機械加工性を低下させることなく、ダイの真下に高い熱流束を与えるために、離散要素120、例えば、ピン216を構成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、本体部分110の機械加工性を低下させることなく、摩耗面(例えば、上面212)において局所的なダイヤモンド強化を与えるために、離散要素120を構成することを含むことができる。
【0032】
[0040]いくつかの実施形態では、方法は、離散要素120を切断して半導体ウェハを支持するためのピン216を形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、本体部分110内に位置する第1の部分217を含むようなピン216、および本体部分110の上に隆起するようなピン216を形成することを含むことができる。図6においてのように、ピンは、第1の直径220を有する第1の部分217と、第2の直径222を有する第2の部分218とを含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、第1の直径は、第2の直径以上であってもよく、第2の直径は、その寸法に実質的に等しくてもよい。
【0033】
[0041]いくつかの実施形態では、方法は、バイメタルストリップ応力を防ぐようにピンが互いから分離され得るようにピンを形成することを含み得る。
[0042]本開示は、いくつかの例への言及を含むが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよく、均等物に置き換えられてもよいことが当業者によって理解されよう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された例に変更がなされてもよい。したがって、本開示は、開示された例に限定されず、添付の特許請求の範囲内に入るすべての例を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0034】
20 反応結合セラミック材料、セラミック材料、材料、反応結合SiC
22 セラミック粒子
24 反応形成炭化ケイ素(SiC)粒子、反応形成SiC粒子、反応結合SiC
26 残留元素のケイ素(Si)
30 プリフォーム
32 元素の炭素、炭素
40 反応結合セラミック材料、セラミック材料、材料、ダイヤモンド含有材料
42 ダイヤモンド粒子、粒子
44 反応形成SiCコーティング、コーティング、反応結合SiC
50 プリフォーム
100 反応結合炭化ケイ素体
102 SiC含有体
104 間隔をおいて配置された離散的な特徴、特徴
106 トレンチ
108 上面
110 本体部分、本体
112 反応結合炭化ケイ素、反応結合炭化ケイ素
114 元素のケイ素
120 離散要素
122 単一のダイヤモンド粒子、ダイヤモンド粒子、粒子
212 上面
216 ピン
217 第1の部分
218 第2の部分
220 第1の直径、第1のベースの直径
222 第2の直径、第2のより小さい直径
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
【外国語明細書】