(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003312
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】位置測定装置の走査ユニット
(51)【国際特許分類】
G01D 5/12 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
G01D5/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024065144
(22)【出願日】2024-04-15
(31)【優先権主張番号】23180649
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】524144257
【氏名又は名称】アーモ・アウトマティジールング・メステヒニク・オプティク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・アドルハート
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ポマー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート・フーバー
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA46
2F077VV02
2F077VV31
2F077VV33
(57)【要約】
【課題】 本発明は、位置測定装置100の走査ユニット10に関する。この走査ユニットは、ハウジング12と、対象物1における前記走査ユニット10の固定のための、前記ハウジング12内において配置された、複数の貫通開口部14と、前記貫通開口部14を通り抜けて延在する、複数の固定要素16とを備えている。
【解決手段】 前記走査ユニット10は、複数の可撓的な要素18を有している。前記可撓的な要素18は、少なくとも部分的に、前記貫通開口部14を通り抜けて延在する。前記可撓的な要素18は、前記走査ユニット10の前記ハウジング12を、基準要素2に対して押し付けるために形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置測定装置(100)の走査ユニット(10)であって、この走査ユニットが、
ハウジング(12)と、
対象物(1)における前記走査ユニット(10)の固定のための、前記ハウジング(12)内において配置された1つまたは複数の貫通開口部(14)と、
前記貫通開口部(14)を通り抜けて延在する、1つまたは複数の固定要素(16)とを有している、
上記走査ユニットにおいて、
前記走査ユニット(10)が、1つまたは複数の可撓的な要素(18)を有しており、
1つまたは複数の前記可撓的な要素(18)が、少なくとも部分的に、前記貫通開口部(14)を通り抜けて延在し、
1つまたは複数の前記可撓的な要素(18)が、前記走査ユニット(10)の前記ハウジング(12)を、基準要素(2)に対して押し付けるために形成されている、
ことを特徴とする走査ユニット(10)。
【請求項2】
前記可撓的な要素(18)と前記固定要素(16)とによって、予負荷装置が形成されることを特徴とする請求項1に記載の走査ユニット(10)。
【請求項3】
前記可撓的な要素(18)は、予め定められた押し付け力(F)を生じさせるために形成されており、この押し付け力によって、前記走査ユニット(10)の前記ハウジング(12)が、前記基準要素(2)に対して押し付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の走査ユニット(10)。
【請求項4】
前記可撓的な要素(18)は、前記走査ユニット(10)の前記ハウジング(12)を、前記基準要素(2)の表面(2.1)に対して垂直な第1の方向(P1)において、前記基準要素(2)に対して押し付けるために形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)。
【請求項5】
前記可撓的な要素(18)は、前記貫通開口部(14)内において、前記対象物(1)の表面(1.1)に対して垂直な第2の方向(P2)において延在しており、
前記可撓的な要素(18)が、この第2の方向(P2)において、一貫して形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)。
【請求項6】
前記可撓的な要素(18)は、部分切片(18.11、18.12)の第1の対体と、部分切片(18.21、18.22)の第2の対体とを有しており、
前記第1の対体の前記部分切片(18.11、18.12)と、前記第2の対体の前記部分切片(18.21、18.22)とが、それぞれに、前記対象物(1)の表面(1.1)に対して垂直な第2の方向(P2)において互いに向かい合って位置する、前記貫通開口部(14)の2つの端部において配置されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)。
【請求項7】
前記可撓的な要素(18)は、チューブ形状に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)。
【請求項8】
前記可撓的な要素(18)は、弾性的に変形可能な要素であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)。
【請求項9】
前記可撓的な要素(18)は、シリコンまたはゴムから製造されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)。
【請求項10】
前記固定要素(16)は、固定ねじまたは固定ボルトとして形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)。
【請求項11】
スケール本体(4)と、請求項1から10のいずれか一つに記載の走査ユニット(10)とを有する位置測定装置(100)。
【請求項12】
前記位置測定装置(100)は、前記基準要素(2)を有しており、
この基準要素(2)が、前記スケール本体(4)と前記走査ユニット(10)との間に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の位置測定装置(100)。
【請求項13】
前記基準要素(2)は、前記スケール本体(4)と前記走査ユニット(10)との間の間隔(L)の調節のための間隔保持要素であることを特徴とする請求項12に記載の位置測定装置(100)。
【請求項14】
前記基準要素(2)は、予め定められた厚さを有する可撓的なフィルムであることを特徴とする請求項12または13に記載の位置測定装置(100)。
【請求項15】
前記基準要素(2)は、前記走査ユニット(10)の組み付けられた状態において、前記スケール本体(4)および前記走査ユニット(10)から除去可能であることを特徴とする請求項12から14のいずれか一つに記載の位置測定装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による位置測定装置の走査ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、走査ユニットと組み付け補助体とを有する装置を開示しており、この組み付け補助体によって、走査ユニットが基準要素の回転軸線を中心に回転可能である。組み付け補助体は、走査ユニットを、その際、ばね弾性的に基準要素に対して押し付けるために形成されている。
【0003】
走査ユニットとスケール本体との間の相対的な位置の固定のための更に別の装置は、特許文献2、特許文献3,特許文献4、および、特許文献5から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2014 213 955 A1号明細書
【特許文献2】国際公開第02/40947 A1号
【特許文献3】米国特許出願公開第4,639,595 A号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第43 04 914 A1号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2 905 582 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底をなす課題は、位置測定装置の走査ユニットを提示することであり、この走査ユニットがコンパクトに、且つ、安いコストで構成されており、且つ、この走査ユニットによって、高い精確性を有する容易な組み付けが可能にされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明に従い、請求項1の特徴を有する走査ユニットによって解決される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従い形成された走査ユニットは、ハウジングと、対象物における前記走査ユニットの固定のための、前記ハウジング内において配置された1つまたは複数の貫通開口部と、前記貫通開口部を通り抜けて延在する、1つまたは複数の固定要素とを有している。
前記走査ユニットは、1つまたは複数の可撓的な要素を有している。1つまたは複数の前記可撓的な要素は、少なくとも部分的に、前記貫通開口部を通り抜けて延在している。1つまたは複数の前記可撓的な要素は、前記走査ユニットの前記ハウジングを、基準要素に対して押し付けるために形成されている。
【0008】
有利には、前記可撓的な要素と前記固定要素とによって、予負荷装置が形成される。
予負荷装置は、同様に組み付け補助体とも称され得る。
【0009】
前記可撓的な要素が、予め定められた押し付け力を生じさせるために形成されており、この押し付け力によって、前記走査ユニットの前記ハウジングが、前記基準要素に対して押し付けられる場合、有利である。
【0010】
更に、前記可撓的な要素は、固定要素を、貫通開口部内において、予め定められた押し付け力が生じさせられる程に予負荷するために形成されている場合、有利である。
【0011】
有利には、前記可撓的な要素は、チューブ形状(中空円筒形状)に形成されている。
【0012】
有利には、前記可撓的な要素は、弾性的に変形可能な要素である。例えば、前記可撓的な要素は、シリコンまたはゴムから製造されている。
【0013】
有利には、前記固定要素は、固定ねじまたは固定ボルトとして形成されている。
【0014】
スケール本体と、本発明に従う走査ユニットとを有する位置測定装置は、請求項11内において記載されている。
【0015】
前記位置測定装置は、前記基準要素を有している場合、および、この基準要素が、前記スケール本体と前記走査ユニットとの間に配置されている場合、有利である。
【0016】
有利には、前記基準要素は、予め定められた厚さ及び/または予め定められた曲率を有する可撓的なフィルムである。例えば、この予め定められた厚さは、前記スケール本体と前記走査ユニットとの間の間隔に相応する。
更に、(回転式の位置測定装置の場合に)この予め定められた曲率は、例えば、スケール本体の半径もしくは直径に適合されている。直線状の位置測定装置の場合に、可撓的なフィルムが、スケール本体の測定目盛の平面に適合されていることは可能である。有利な方法において、可撓的なフィルムは、間隔保持要素として利用される。
【0017】
本発明により、コンパクトに、且つ、安いコストで構成された走査ユニットでもって、位置測定装置の容易な組み付けは可能にされる。位置測定装置は、スケール本体と走査ユニットとを備えている。位置測定装置の組み付けの際に、高い精確性、即ち、スケール本体と走査ユニットとの間の間隔の正確な(もしくは、基本的に欠陥のない)調節(以下で走査間隙)は、達成される。
この組み付けは、例えば、以下のステップ:即ち、
(i) スケール本体と走査ユニットとの間での、基準要素の配置;
(ii) 走査ユニット内において統合された可撓的な要素により、走査ユニットのハウジングが基準要素に対して押し付けられるようにしての、対象物における、走査ユニットの位置固定式の固定;および、
(iii) スケール本体および走査ユニットからの、基準要素の除去、
のステップを備えている。
本発明は、特に、スケール本体に対する、走査ユニットの規定された押し付け(もしくは、フレキシブルなばね作用)を可能にする。このことによって、組み付けの際の、例えば走査ユニットの不適切な手動的な押し付けによる欠陥または不精確さは、回避され得る。これに伴って、組み付けの高い精確性、もしくは、走査ユニットの欠陥のない調節は達成される。
【0018】
本発明の有利な構成は、従属請求項から見て取れる。
【0019】
本発明の更なる詳細および利点を、本発明の実施例の以下の説明に基づいて、図との関連において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一貫して形成された可撓的な要素を有する、第1の実施例に従う位置測定装置の透視分解図である。
【
図2】一貫して形成された可撓的な要素を有する、第2の実施例に従う位置測定装置の透視分解図である。
【
図3】切断線A-Aと切断線B-Bとを有する、
図2による位置測定装置の側面ある。
【
図4a】
図3内における切断線A-Aに沿っての断面図である。
【
図4b】
図3内における切断線B-Bに沿っての断面図である。
【
図5a】部分切片の第1の対体でもっての可撓的な要素を有する、
図4aによる断面図に類似する断面図である。
【
図5b】部分切片の第2の対体でもっての可撓的な要素を有する、
図4bによる断面図に類似する断面図である。
【
図6a】唯一の部分切片でもっての可撓的な要素を有する、
図4aによる断面図に類似する断面図である。
【
図6b】唯一の部分切片でもっての可撓的な要素を有する、
図4bによる断面図に類似する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
同じ要素または機能的に同じ要素は、図内において、同じ参照符号を有している。
【0022】
第1の実施例は、以下で、
図1に基づいて説明される。第1の実施例に従う位置測定装置100は、特に、回転式の位置測定装置である。第2の実施例は、以下で、
図2から4bまでに基づいて説明される。第2の実施例に従う位置測定装置100は、特に、直線状の位置測定装置である。
図5aおよび5b内において、第2の実施例に従う位置測定装置100の可撓的な要素18の、例示的な、選択的な第1の構成が示されている(以下において、第3の実施例)。
図6aおよび6b内において、第2の実施例に従う位置測定装置100の可撓的な要素18の、例示的な、選択的な第2の構成が示されている(以下において、第4の実施例)。
【0023】
図1による位置測定装置100は、測定目盛4.1を有するスケール本体と、走査ユニット10とを備えている。走査ユニット10は、スケール本体の測定目盛4.1の走査のために利用される。
図1内において、スケール本体の目盛担持体は示されていない。
【0024】
更に、
図1による位置測定装置100は、基準要素2を備えている。基準要素2は、スケール本体の測定目盛4.1と走査ユニット10との間に配置されている。基準要素2は、間隔保持要素(例えば、予め定められた厚さを有する可撓的なフィルム)として利用される。
基準要素2は、走査ユニット10の組み付けられた状態において(即ち、対象物1に固定された状態において)、スケール本体の測定目盛4.1と走査ユニット10とから除去可能である。
【0025】
図1内において示されているように、走査ユニット10は、ハウジング12と、このハウジング12内において配置された複数の貫通開口部14(第1および第2の貫通開口部14.1、14.2)と、および、複数の固定要素16(第1および第2の固定要素16.1、16.2)とを備えている。貫通開口部14は、対象物1における走査ユニット10の固定のために利用される。固定要素16は、固定ねじまたは固定ボルトとして形成されており、且つ、貫通開口部14を通り抜けて延在する。
更に
図1内において、走査ユニット10が、複数の可撓的な要素18(第1および第2の可撓的な要素18.1、18.2)を有していることが示されている。これら可撓的な要素18は、少なくとも部分的に貫通開口部14を通り抜けて延在する。可撓的な要素18は、走査ユニット10のハウジング12を、基準要素2に対して押し付けるために形成されている。予め定められた押し付け力Fは、
図1内において矢印Fによって図示されている。
【0026】
更に
図1内において、走査ユニット10が、座金20(第1または第2の座金20.1、20.2)を有しており、固定要素16がこれら座金を通って延在することは示されている。
【0027】
図1内において、第1の方向P1と第2の方向P2とが示されている。第1の方向P1は、基準要素2の表面2.1に対して垂直である。第2の方向P2は、対象物1の表面1.1に対して垂直である。
予め定められた押し付け力Fは、第1の方向P1に対して平行である。第1の方向P1と第2の方向P2とは、互いに直交する2つの方向である。
【0028】
図1内において、それに加えて、走査ユニット10のケーブルの一部分22が示されている。
【0029】
第2の実施例に従う位置測定装置は、第1の実施例に従う位置測定装置と、測定目盛4.1を有するスケール本体4がスケール(即ち、リニアスケール)であることによって異なっている。
基準要素2は、リニアスケールの形態のスケール本体4と、走査ユニット10との間に配置されている(
図2を参照)。基準要素2は、これまた同様に、スケール本体4と走査ユニット10との間の間隔(即ち、
図3の側面図内における間隔L)の調節のための間隔保持要素として利用される。
例えば、基準要素2は、予め定められた厚さを有する可撓的なフィルムである。その際、この予め定められた厚さは、間隔Lに相応する(
図3を参照)。
【0030】
図2内において、これまた同様に、予め定められた押し付け力Fと、並びに、第1の方向P1と第2の方向P2とが示されている。
【0031】
図4aの断面図内において、第1の固定要素16.1と第1の可撓的な要素18.1とが示されている。この
図4a内において、それに加えて、第1の固定要素16.1の長手方向軸線S1が示されている。この長手方向軸線S1は、第2の方向P2に対して平行に延びている。
図4bの断面図内において、第2の固定要素16.2と第2の可撓的な要素18.2とが示されている。この
図4b内において、それに加えて、第2の固定要素16.2の長手方向軸線S2が示されている。この長手方向軸線S2は、第2の方向P2に対して平行に延びている。
【0032】
図4aに関して、第1の可撓的な要素18.1と第1の固定要素16.1とによって、予負荷装置の一方の部分が形成される。
図4bに関して、第2の可撓的な要素18.2と第2の固定要素16.2とによって、予負荷装置の更に別の部分が形成される。総じて、これら可撓的な要素18(即ち、第1および第2の可撓的な要素18.1、18.2)によって、予め定められた押し付け力Fが生じさせられる(
図2を参照)。
予負荷装置によって、これに伴って、走査ユニット10のハウジング12は、規定された方法において、基準要素2に対して押し付けられる。予め定められた押し付け力Fは、その際、基本的に、切断線A-Aと、切断線B-Bとの間の中央において生じる(
図2と3を参照)。
【0033】
図2内において認識され得るように、可撓的な要素18は、走査ユニット10のハウジング12を、第1の方向P1において基準要素2に対して押し付けるために形成されている。
【0034】
図2、4aおよび4bに関して、可撓的な要素18は、貫通開口部14の内部で、第2の方向P2において延在している。
図2、4aおよび4b内において認識され得るように、これら可撓的な要素18(即ち、第1および第2の可撓的な要素18.1、18.2)は、第2の方向P2において、一貫して形成されている。
【0035】
図5aの断面図内において、第1の固定要素16.1と、第1の対体の部分切片18.11、18.12とが示されている。
第1の対体の部分切片18.11、18.12は、第1の可撓的な要素18.1(ここで、例示的な第1の選択的な構成)を形成している。
図5aの断面図は、基本的に、
図4aの断面図に相応している。
【0036】
図5b内において、第2の固定要素16.2と、第2の対体の部分切片18.21、18.22とが示されている。
第2の対体の部分切片18.21、18.22は、第2の可撓的な要素18.2(ここで、例示的な第1の選択的な構成)を形成している。
図5bの断面図は、基本的に、
図4bの断面図に相応している。
【0037】
図5aおよび5bに関して、可撓的な要素18は、これに伴って、部分切片18.11、18.12の第1の対体と、部分切片18.21、18.22の第2の対体とを有している。
図5aおよび5b内において認識され得るように、第1の対体の部分切片18.11、18.12と、第2の対体の部分切片18.21、18.22とは、それぞれに、第2の方向P2において互いに向かい合って位置する、貫通開口部14の2つの端部において配置されている。例示的な第1の選択的な構成により、特に安いコストの、および、それにも関わらず安定的な構造が達成される。
【0038】
図6aの断面図内において、第1の固定要素16.1と、唯一の部分切片18.11とが示されている。
唯一の部分切片18.11は、第1の可撓的な要素18.1(ここで、例示的な第2の選択的な構成)を形成している。
図6aの断面図は、基本的に、
図4aの断面図に相応している。
【0039】
図6bの断面図内において、第2の固定要素16.2と、唯一の部分切片18.22とが示されている。
唯一の部分切片18.22は、第2の可撓的な要素18.2(ここで、例示的な第2の選択的な構成)を形成している。
図6bの断面図は、基本的に、
図4bの断面図に相応している。
【0040】
図6aおよび6bに関して、可撓的な要素18は、これに伴って、唯一の部分切片18.11、もしくは、唯一の部分切片18.22を有している。
唯一の部分切片18.11と、唯一の部分切片18.22とは、それぞれに、対象物1と反対側の、貫通開口部14の端部において配置されている。例示的な第2の選択的な構成により、例示的な第1の選択的な構成との比較において、より安いコストの、および、それにも関わらず安定的な構造が達成される。
【0041】
第1および第2の実施例において、可撓的な要素18はチューブ形状に形成されている(
図1;
図2、4aおよび4b参照)。更に、これら可撓的な要素18は、同様に、1つまたは複数のチューブ形状の部分切片を有することも可能である(
図5aおよび5b、第3の実施例;
図6aおよび6b、第4の実施例を参照)。
可撓的な要素18は、特に弾性的に変形可能な要素、例えば、シリコンまたはゴムから製造されている。
【0042】
選択的に、可撓的な要素18が、貫通開口部14内において、相違して、(例えば、第1の貫通開口部14.1内において一貫しておよび第2の貫通開口部14.2内において中断されて、および、その逆に、第1の貫通開口部14.1内において中断されておよび第2の貫通開口部14.2内において一貫して)形成されていることは可能である。
【0043】
図4a、4b;
図5a、5b;
図6a、6b内において認識され得るように、可撓的な要素18は、第1の拡張(Ausdehnung)D1を、第1の方向P1に対して平行に有している。更に、貫通開口部14は、第2の拡張D2を、第1の方向P1に対して平行に有している。
例えば、第1の拡張D1は、第2の拡張D2の半分よりも小さい。
【0044】
全ての実施例において、可撓的な要素18は、第1の(外側の)直径(例えば、第1の拡張D1に相応する)を有している。更に、固定要素16は、第2の直径(即ち、軸の直径)を有している。例えば、この第1の直径は、第2の直径よりも小さい。
図1および2内において認識され得るように、貫通開口部14は、それぞれに、第1および第2の直径に対して適合された形状/輪郭を有している。
【0045】
更に別の(第5の)実施例において、複数の貫通開口部14の代わりに、唯一の貫通開口部が設けられている。更に、複数の固定要素16の代わりに、唯一の固定要素が設けられていることは可能である。更に、複数の可撓的な要素18の代わりに、唯一の可撓的な要素が設けられていることは可能である。
【0046】
第5の実施例において、種々の要素(即ち、唯一の貫通開口部、唯一の固定要素、および、唯一の可撓的な要素)の構成/機能は、第1から第4までの実施例に類似している。更に、第5の実施例において、種々の要素は、有利な方法で、走査ユニット10の中央において(即ち、
図3による切断線A-Aと切断線B-Bとの間の、中央における位置において)配置されている。
このことによって、これまた同様に、(第1から第4の実施例に類似して)予め定められた押し付け力Fが、基本的に、走査ユニット10の中央において生じさせられることは可能である。
【0047】
本発明は、測定目盛4.1が、光学的に走査可能に形成されている場合に、特に高分解能の位置測定を可能にする。測定目盛4.1が、選択的に、同様に磁気的、誘導的、または、容量的に走査可能に形成されていることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 対象物
1.1 表面
2 基準要素
2.1 表面
4 スケール本体
4.1 測定目盛
10 走査ユニット
12 ハウジング
14 貫通開口部
14.1 第1の貫通開口部
14.2 第2の貫通開口部
16 固定要素
16.1 第1の固定要素
16.2 第2の固定要素
18 可撓的な要素
18.1 第1の可撓的な要素
18.11 第1の対体の部分切片
18.12 第1の対体の部分切片
18.2 第2の可撓的な要素
18.21 第2の対体の部分切片
18.22 第2の対体の部分切片
20 座金
20.1 第1の座金
20.2 第2の座金
22 ケーブルの一部分
100 位置測定装置
D1 第1の拡張
D2 第2の拡張
F 予め定められた押し付け力
P1 第1の方向
P2 第2の方向
S1 長手方向軸線
S2 長手方向軸線
【外国語明細書】