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特開2025-33161電子看板制御システム及び電子看板制御方法
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  • 特開-電子看板制御システム及び電子看板制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025033161
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】電子看板制御システム及び電子看板制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20250306BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138690
(22)【出願日】2023-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 亮
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】適切なコンテンツを呈示することができる電子看板制御システム及び電子看板制御方法を提供する。
【解決手段】電子看板制御システム1は、商品9に関するコンテンツ200を受信して表示する複数の表示装置2と、商品9を在庫すると共に販売する複数の店舗4ごとに設置され、商品9の在庫状況に関する在庫情報S11を送信する複数の店舗端末装置5と、複数の店舗端末装置5から在庫情報S11を取得し、複数の店舗4のうち、商品9の在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗4がある場合、当該店舗4を基準とした予め定められた制御範囲631内の表示装置2に対して送信するコンテンツ200を他の表示装置2と異なるように制御する制御装置6と、を備えて概略構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関するコンテンツを受信して表示する複数の表示装置と、
前記商品を在庫すると共に販売する複数の店舗ごとに設置され、前記商品の在庫状況に関する在庫情報を送信する複数の店舗端末装置と、
前記複数の店舗端末装置から前記在庫情報を取得し、前記複数の店舗のうち、前記商品の前記在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗がある場合、当該店舗を基準とした予め定められた制御範囲内の表示装置に対して送信する前記コンテンツを他の表示装置と異なるように制御する制御装置と、
を備えた電子看板制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記商品の在庫が予め定められた在庫しきい値以下となる店舗を、前記制御条件を満たす店舗であると判定し、当該店舗を基準とした前記制御範囲内の表示装置に対して送信する前記コンテンツを、他の表示装置と異なる低い表示頻度となるように制御する、
請求項1に記載の電子看板制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記在庫状況に基づいて予め定められた期間内に在庫が切れる店舗を予測し、当該店舗を基準とした前記制御範囲内の表示装置に対して送信する前記コンテンツを、他の表示装置と異なる低い表示頻度となるように制御する、
請求項2に記載の電子看板制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記制御条件を満たす店舗を基準とした前記制御範囲内であって、当該店舗までの距離が近いほど前記コンテンツの表示頻度が下がるように制御する、
請求項3に記載の電子看板制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記商品の在庫が予め定められた過剰在庫しきい値以上となる店舗を、前記制御条件を満たす店舗であると判定し、当該店舗を基準とした前記制御範囲内の表示装置に対して送信する前記コンテンツを、他の表示装置と異なる高い表示頻度となるように制御する、
請求項1に記載の電子看板制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記過剰在庫しきい値以上となる店舗を基準とした前記制御範囲内であって、当該店舗までの距離が近いほど前記コンテンツの表示頻度が上がるように制御する、
請求項5に記載の電子看板制御システム。
【請求項7】
複数の店舗ごとに設置された複数の店舗端末装置から商品の在庫状況に関する在庫情報を取得し、
前記複数の店舗のうち、前記商品の前記在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗がある場合、当該店舗を基準とした予め定められた制御範囲を設定し、
前記商品に関するコンテンツを表示する複数の表示装置のうち、前記制御範囲内の表示装置に対して送信する前記コンテンツを他の表示装置と異なるように制御する、
電子看板制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子看板制御システム及び電子看板制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、施設内で販売されている商品の在庫状況を定期的に取得する在庫状況取得部と、商品に関するコンテンツを、そのコンテンツを表示すべき施設内に設置された端末装置に配信する配信部と、在庫状況取得部により取得される在庫状況の変化に応じて、端末装置で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する制御部と、を備えたコンテンツ配信装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このコンテンツ配信装置は、在庫状況取得部により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが端末装置に表示されないよう制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-22392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、商品に関するコンテンツは、1つの施設内に留まらず、屋外や施設から離れた店舗などで表示されることが増えている。例えば、商品の購買希望者が施設外で配信されたコンテンツを見てこの施設に購入しに行った場合、在庫状況によっては売れ切れている可能性があり、購買希望者に対して適切なコンテンツが呈示されていたとは言い難い問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、適切なコンテンツを呈示することができる電子看板制御システム及び電子看板制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、商品に関するコンテンツを受信して表示する複数の表示装置と、商品を在庫すると共に販売する複数の店舗ごとに設置され、商品の在庫状況に関する在庫情報を送信する複数の店舗端末装置と、複数の店舗端末装置から在庫情報を取得し、複数の店舗のうち、商品の在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗がある場合、当該店舗を基準とした予め定められた制御範囲内の表示装置に対して送信するコンテンツを他の表示装置と異なるように制御する制御装置と、を備えた電子看板制御システムを提供する。
【0008】
本発明の他の態様は、複数の店舗ごとに設置された複数の店舗端末装置から商品の在庫状況に関する在庫情報を取得し、複数の店舗のうち、商品の在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗がある場合、当該店舗を基準とした予め定められた制御範囲を設定し、商品に関するコンテンツを表示する複数の表示装置のうち、制御範囲内の表示装置に対して送信するコンテンツを他の表示装置と異なるように制御する、電子看板制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、適切なコンテンツを呈示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(a)は、電子看板制御システムの一例を示す図であり、図1(b)は、表示装置のブロック図の一例である。
図2図2(a)は、店舗端末装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、制御装置のブロック図の一例であり、図2(c)は、移動体に設置された表示装置のブロック図の一例である。
図3図3(a)は、制御範囲の一例を示す図であり、図3(b)は、商品の在庫切れの予測の一例を説明するためのグラフである。
図4図4は、電子看板制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る電子看板制御システムは、商品に関するコンテンツを受信して表示する複数の表示装置と、商品を在庫すると共に販売する複数の店舗ごとに設置され、商品の在庫状況に関する在庫情報を送信する複数の店舗端末装置と、複数の店舗端末装置から在庫情報を取得し、複数の店舗のうち、商品の在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗がある場合、当該店舗を基準とした予め定められた制御範囲内の表示装置に対して送信するコンテンツを他の表示装置と異なるように制御する制御装置と、を備えて概略構成されている。
【0012】
この電子看板制御システムは、宣伝対象の商品の在庫が少なくなった場合、在庫が少ない店舗を基準とした制御範囲を設定する。そして電子看板制御システムは、この制御範囲に含まれる表示装置に対して、制御範囲の外の表示装置が表示するコンテンツと異なるコンテンツを表示させるので、この構成を採用しない場合と比べて、商品の購買希望者に適切なコンテンツを呈示することができる。
【0013】
[実施の形態]
(電子看板制御システム1の概要)
図1(a)は、実施の形態に係る電子看板制御システムの一例を示す図であり、図1(b)は、表示装置のブロック図の一例である。図2(a)は、実施の形態に係る店舗端末装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、制御装置のブロック図の一例であり、図2(c)は、移動体に設置された表示装置のブロック図の一例である。図3(a)は、実施の形態に係る制御装置が設定する制御範囲の一例を示す図であり、図3(b)は、商品の在庫切れの予測の一例を説明するためのグラフである。図3(b)は、横軸が時間t、縦軸が在庫量Lである。
【0014】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また図1(b)~図2(c)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0015】
本実施の形態の電子看板制御システム1は、一例として、屋外、店舗、公共空間、交通機関などに設置された表示装置2を用いて商品9の販売促進のための広告などを行う、所謂デジタルサイネージ(電子看板)を在庫に応じて適切に制御するシステムである。
【0016】
具体的には、電子看板制御システム1は、図1(a)~図2(c)に示すように、商品9に関するコンテンツ200を受信して表示する複数の表示装置2と、商品9を在庫すると共に販売する複数の店舗4ごとに設置され、商品9の在庫状況に関する在庫情報S11を送信する複数の店舗端末装置5と、複数の店舗端末装置5から在庫情報S11を取得し、複数の店舗4のうち、商品9の在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗4がある場合、当該店舗4を基準とした予め定められた制御範囲631内の表示装置2に対して送信するコンテンツ201を他の表示装置2と異なるように制御する制御装置6と、を備えて概略構成されている。
【0017】
制御範囲631内の表示装置2に対して送信するコンテンツとは、コンテンツ200と区別するため、コンテンツ201と記載する。つまり制御範囲631内の表示装置2がコンテンツ201を表示し、制御範囲631外の表示装置2がコンテンツ200を表示する。また他の表示装置2とは、制御範囲631に含まれない表示装置2である。
【0018】
制御装置6は、商品9の在庫が予め定められた在庫しきい値Th以下となる店舗4を、制御条件を満たす店舗であると判定し、当該店舗4を基準とした制御範囲631内の表示装置2に対して送信するコンテンツ201を、他の表示装置2と異なる低い表示頻度となるように制御する。
【0019】
制御装置6は、上述の制御条件を満たす店舗4を基準とした制御範囲631内であって、当該店舗4までの距離が近いほどコンテンツ201の表示頻度が下がるように制御する。
【0020】
制御装置6は、在庫状況に基づいて予め定められた期間T内に在庫が切れる店舗4を予測し、当該店舗4を基準とした制御範囲631内の表示装置2に対して送信するコンテンツ201を、他の表示装置2と異なる低い表示頻度となるように制御する。
【0021】
制御装置6は、商品9の在庫が予め定められた過剰在庫しきい値Th以上となる店舗4を、制御条件を満たす店舗4であると判定し、当該店舗4を基準とした制御範囲631内の表示装置2に対して送信するコンテンツ201を、他の表示装置2と異なる高い表示頻度となるように制御する。
【0022】
制御装置6は、過剰在庫しきい値Th以上となる店舗4を基準とした制御範囲631内であって、当該店舗4までの距離が近いほどコンテンツ201の表示頻度が上がるように制御する。
【0023】
制御装置6は、図1(a)に示すように、ネットワーク8を介して複数の表示装置2、及び複数の店舗4と接続されている。ネットワーク8は、例えば、インターネット、無線や有線のネットワークなどである。本実施の形態のネットワーク8は、一例として、インターネットである。
【0024】
(表示装置2の構成)
表示装置2は、図1(b)に示すように、表示部20と、通信部21と、表示制御部22と、を備えている。表示部20は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのコンテンツ200及びコンテンツ201を表示するディスプレイである。この表示部20は、一例として、建物の屋上や側面などに設置される大型ディスプレイ、店舗4の店頭や店内などに設置される中型ディスプレイ、及び電車や車両などに設置される小型ディスプレイである。通信部21は、ネットワーク8を介して、制御装置6と情報や信号の相互のやり取りを行うように構成されている。
【0025】
表示制御部22は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、表示制御部22が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
【0026】
表示制御部22は、通信部21及びネットワーク8を介して、制御装置6からコンテンツ情報S22を取得する。このコンテンツ情報S22は、表示部20に表示させるコンテンツ200及びコンテンツ201に関する情報である。表示制御部22は、コンテンツ情報S22に基づいてコンテンツ信号Sを生成して表示部20に出力する。
【0027】
表示制御部22は、表示装置2を識別する識別情報Sを有している。制御装置6は、識別情報Sに基づいて表示装置2の設置位置を把握する。
【0028】
表示装置2は、屋外や店舗などのように予め定まった設置位置に設置されたものに限定されず、例えば、移動する移動体3に設置されても良い。また表示装置2は、例えば、商品9を販売する店舗4にも設置されている。
【0029】
図1(a)に示す移動体3は、一例として、タクシー、バス及び電車などの公共交通機関である。屋外や店舗に設置された表示装置2は、据え付けられているので、例えば、制御装置6が識別情報Sに基づいて設置位置を把握する構成とすることができる。しかし移動体3に設置された表示装置2aは、識別情報Sのみでは、位置を把握することが難しい。
【0030】
そこで移動体3に設置された表示装置2aは、図2(c)に示すように、さらに、GPS(Global Positioning System)によって位置情報Sを生成する位置情報取得部23を有している。以下では、特に断らない限り移動体3に設置された表示装置2aは、表示装置2として記載する。
【0031】
コンテンツ200及びコンテンツ201は、静止画であっても良いし、動画であっても良いし、これらに音が付されていても良い。
【0032】
(店舗端末装置5の構成)
店舗端末装置5は、図2(a)に示すように、在庫管理部50と、通信部51と、在庫制御部52と、を備えている。在庫管理部50は、販売している商品9の入荷量、売買数、在庫量Lを管理する。在庫管理部50は、表示装置2に表示させる商品9の在庫量Lに関する在庫量情報S10を在庫制御部52に出力する。なお在庫管理部50は、店舗4のPOS(Point of sale)システムと連携して在庫管理を行うがこれに限定されず、入力装置を介して入力された値に基づいて在庫管理するようにしても良く、またこれらを組み合わせても良い。
【0033】
通信部51は、ネットワーク8を介して、制御装置6と情報や信号の相互のやり取りを行うように構成されている。
【0034】
在庫制御部52は、CPU、RAM及びROMなどから構成されるマイクロコンピュータである。在庫制御部52は、店舗端末装置5を識別する識別情報520を有している。在庫制御部52は、在庫量情報S10と識別情報520を含む在庫情報S11を生成し、通信部51及びネットワーク8を介して制御装置6に出力する。制御装置6は、在庫情報S11に含まれる識別情報520に基づいて店舗端末装置5が設置された店舗4の位置を把握する。
【0035】
(制御装置6の構成)
制御装置6は、図2(b)に示すように、予測部60と、記憶部61と、通信部62と、制御部63と、を備えている。
【0036】
予測部60は、予め定められた期間T内に商品9の在庫が切れるか否かを予測する。記憶部61は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSDD(Solid State Drive)などの記憶装置である。この記憶部61は、表示装置2の識別情報S、及び店舗端末装置5の識別情報520に基づいて設置位置を認識するためのデータベース610を有している。通信部62は、ネットワーク8を介して、表示装置2及び店舗端末装置5と情報や信号の相互のやり取りを行うように構成されている。なお期間Tは、一例として、1日であるがこれに限定されない。
【0037】
制御部63は、CPU、RAM及びROMなどから構成されるマイクロコンピュータである。この制御部63は、制御範囲情報630、在庫しきい値Th及び過剰在庫しきい値Thを有している。制御範囲情報630は、制御範囲631に関する情報である。制御範囲631は、一例として、制御条件を満たす店舗4を中心とした円状の領域であり、隣接した当該店舗4と表示装置2を含む領域として設定されたり、当該店舗4まで徒歩で行き来できる領域として設定されたりする。なお制御範囲631は、例えば、店舗4の地理的な条件などを考慮して円形以外の形状を有する領域とされても良い。
【0038】
在庫しきい値Thは、一例として、入荷量の30%程度であるがこれに限定されない。また過剰在庫しきい値Thは、一例として、入荷量の50%程度であるがこれに限定されない。
【0039】
以下では、商品9の在庫が少ない場合の制御、及び商品9の在庫が多い場合の制御の一例について説明する。
【0040】
・商品9の在庫が少ない場合
制御部63は、店舗端末装置5からリアルタイムで在庫情報S11を取得する。リアルタイムとは、一例として、商品9の在庫量Lが変化した場合であるがこれに限定されない。また制御部63は、1日に複数回、周期的に在庫情報S11を取得するように構成されても良い。
【0041】
制御部63は、取得した在庫情報S11に基づいて広告対象である商品9の在庫を確認する。制御部63は、在庫が在庫しきい値Th以下である場合、商品9の在庫が少なくなっていると判定し、在庫が在庫しきい値Th以下である店舗4を基準として制御範囲631を設定する。
【0042】
制御部63は、データベース610と表示装置2の識別情報Sに基づいて制御範囲631の中に存在する表示装置2を特定する。そして制御部63は、図3(a)に示すように、制御範囲631内の表示装置2に対して、制御範囲631の外の表示装置2が表示するコンテンツ200とは異なるコンテンツ201を表示するためのコンテンツ情報S22を出力する。
【0043】
在庫が少ない場合のコンテンツ201は、表示内容及び表示頻度の少なくとも一方がコンテンツ200と異なっている。コンテンツ201は、表示内容が他のコンテンツ200と異なる場合、一例として、商品9の在庫が少ないことを示す表示内容とされる。
【0044】
また制御部63は、制御条件を満たす店舗4を基準とした制御範囲631内であって、当該店舗4までの距離が近いほどコンテンツ201の表示頻度が下がるように制御する。
【0045】
制御部63は、データベース610と表示装置2の識別情報Sに基づいて在庫が在庫しきい値Th以下である店舗4からの距離を算出する。図3(a)では、在庫が在庫しきい値Th以下である店舗4に近い表示装置2を順に、No1~No5の番号を付している。このNo3の表示装置2は、店舗4に設置されている。またNo5の表示装置2は、移動体3に設置されている。なお移動体3の表示装置は、図3(a)では表示装置2としている。さらにNo3の表示装置2は、設置されている店舗4の商品9の在庫が在庫しきい値Thより多い場合、表示頻度を下げずに上げるようにしても良い。
【0046】
制御部63は、No5~No1の順にコンテンツ201の表示頻度が下がるようにコンテンツ情報S22を制御する。制御部63は、例えば、表示装置2がコンテンツ情報S22を取得する度に表示するように構成されている場合、単位時間当たりのコンテンツ情報S22の送信頻度を下げて制御する。また制御部63は、例えば、表示装置2が取得したコンテンツ情報S22に基づくコンテンツ201を予め定められた周期で表示する場合、コンテンツ情報S22に表示頻度を下げる周期の情報を含ませてコンテンツ201の表示頻度を下げるよう制御するがこれらに限定されない。
【0047】
なお在庫が在庫しきい値Th以下となった店舗4の表示装置2は、No1の表示装置2よりもさらに表示頻度が下がっても良いし、同じであっても良く、これらに限定されない。
【0048】
・在庫が多い場合
制御部63は、取得した在庫情報S11に基づいて広告対象である商品9の在庫を確認する。制御部63は、在庫が過剰在庫しきい値Th以上である場合、商品9の在庫が過剰である、つまり売れ行きが良くないと判定し、在庫が過剰在庫しきい値Th以上である店舗4を基準として制御範囲631を設定する。
【0049】
制御部63は、図3(a)に示すように、制御範囲631内の表示装置2に対して、制御範囲631の外の表示装置2が表示するコンテンツ200とは異なるコンテンツ201を表示するためのコンテンツ情報S22を出力する。
【0050】
在庫が過剰な場合のコンテンツ201は、表示内容及び表示頻度の少なくとも一方がコンテンツ200と異なっている。コンテンツ201は、表示内容が他のコンテンツ200と異なる場合、一例として、目を引きやすいような表示内容にしたり、販売価格を下げるような表示内容にしたりする。
【0051】
また制御部63は、過剰在庫しきい値Th以上となる店舗4を基準とした制御範囲631内であって、当該店舗4までの距離が近いほどコンテンツ201の表示頻度が上がるように制御する。
【0052】
制御部63は、図3(a)に示すNo5~No1の順にコンテンツ201の表示頻度が上がるようにコンテンツ情報S22を制御する。制御部63は、例えば、表示装置2がコンテンツ情報S22を取得する度に表示するように構成されている場合、単位時間当たりのコンテンツ情報S22の送信頻度を上げて制御する。また制御部63は、例えば、表示装置2が取得したコンテンツ情報S22に基づくコンテンツ201を予め定められた周期で表示する場合、コンテンツ情報S22に表示頻度を上げる周期の情報を含ませてコンテンツ201の表示頻度を上げるよう制御するがこれらに限定されない。なおNo3の表示装置2は、設置されている店舗4の商品9の在庫が在庫しきい値Th以下である場合、表示頻度を上げずに下げるようにしても良い。
【0053】
・在庫切れが予測される場合
予測部60は、取得した在庫情報S11に基づいて予め定められた期間T内に在庫が切れる店舗4を予測する。図3(b)では、在庫しきい値Thを一点鎖線で示している。
【0054】
予測部60は、例えば、過去の同様の商品の在庫の減り具合から予測しても良いし、他の店舗4における商品9の減り具合から予測しても良いし、人工知能などを用いて予測しても良く、これらに限定されない。予測部60は、一例として、図3(b)に示すように、時間tにおいて予測を開始する場合、時間tから期間T後となる時間tまでにおいて在庫が在庫しきい値Th以下となるか予測する。図3(b)では、一例として、在庫しきい値Th以下となる場合と在庫しきい値Thより大きい場合を点線で示している。
【0055】
予測部60は、予測した結果を示す予測情報S21を制御部63に出力する。制御部63は、予測情報S21に基づいて在庫が期間T内に在庫が切れる場合、在庫が切れると予測された店舗4を基準として制御範囲631を設定する。
【0056】
以下に本実施の形態に係る電子看板制御システム1の動作の一例について図4のフローチャートに従って説明する。
【0057】
(動作)
制御装置6の制御部63は、通信部62及びネットワーク8を介して複数の店舗4から在庫情報S11を取得する(Step1)。
【0058】
制御部63は、取得した複数の在庫情報S11に基づいて宣伝対象の商品9の在庫が在庫しきい値Th以下である店舗を探索する。制御部63は、商品9の在庫が在庫しきい値Th以下となる店舗4がある場合(Step2:Yes)、当該店舗4を基準として制御範囲631を設定する(Step3)。
【0059】
制御部63は、制御範囲631に含まれる店舗4に対して在庫が少ない際のコンテンツ201を送信し(Step4)、処理を終了する。
【0060】
ここでステップ2において制御部63は、在庫が在庫しきい値Thより多い場合(Step2:No)、在庫が過剰在庫しきい値Th以上であるか比較する。制御部63は、商品9の在庫が過剰在庫しきい値Th以上となる店舗4がある場合(Step5:Yes)、当該店舗4を基準として制御範囲631を設定する(Step6)。
【0061】
制御部63は、制御範囲631に含まれる店舗4に対して在庫が多い際のコンテンツ201を送信し(Step7)、処理を終了する。
【0062】
またステップ5において制御部63は、商品9の在庫が在庫しきい値Thより多く、過剰在庫しきい値Thより少ない店舗4がある場合(Step5:No)、当該店舗4に対して期間T内に在庫切れが発生するか予測部60に予測させる。制御部63は、期間T内に在庫切れが予測される場合(Step8:Yes)、在庫切れが予測される店舗4を基準として制御範囲631を設定する(Step9)。
【0063】
制御部63は、制御範囲631に含まれる店舗4に対して在庫切れが予測される際のコンテンツ201を送信し(Step10)、処理を終了する。在庫切れが予測される際のコンテンツ201は、例えば、商品9の在庫が僅少であることを示す表示内容を有し、また低い表示頻度とされる。
【0064】
さらにステップ8において制御部63は、在庫切れが予測されない場合(Step8:No)、適切な在庫を有していると判定し(Step11)、処理を終了する。
【0065】
ここでステップ2~ステップ4、ステップ5~ステップ7、及びステップ8~ステップ10は、この順番での処理に限定されず、順番が入れ替わっても良い。また制御部63は、一例として、これらの一連の処理を、在庫情報S11を取得する度に行う。
【0066】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る電子看板制御システム1は、適切なコンテンツを呈示することができる。具体的には、電子看板制御システム1は、宣伝対象の商品9の在庫が少なくなった場合、在庫が少ない店舗4を基準とした制御範囲631を設定する。そして電子看板制御システム1は、この制御範囲631に含まれる表示装置2に対して、制御範囲631の外の表示装置2が表示するコンテンツ200と異なるコンテンツ201を表示させるので、この構成を採用しない場合と比べて、商品9の購買希望者に適切なコンテンツ201を呈示することができる。
【0067】
電子看板制御システム1は、据え付けられた表示装置2のみならず、移動体3に設置された表示装置2aに対しても制御範囲631に含まれた場合にコンテンツ201を表示させるので、この構成を採用しない場合と比べて、移動体3を降りて商品9を購入しようとしたのに在庫切れで購入できないようなことを抑制することができる。
【0068】
電子看板制御システム1は、予定よりも在庫が過剰である、つまり予定よりも売れ行きが良くない場合、該当する店舗4を基準として制御範囲631内の表示装置2に対して販売促進を促すコンテンツ201を表示させるので、この構成を採用しない場合と比べて、店舗4に近い購買希望者に購買を促すことができる。
【0069】
電子看板制御システム1は、制御範囲631において、基準の店舗4に近づくにつれてコンテンツ201を変えるので、この構成を採用しない場合と比べて、購買希望者に対してより適切なコンテンツ201を呈示することができる。
【0070】
電子看板制御システム1は、在庫が少ない場合、コンテンツ201の表示頻度を少なくしたり、在庫が少ないことを表示したりできるので、この構成を採用しない場合と比べて、購買希望者が購入しに来たのに在庫切れになって購入できないようなことを抑制することができる。
【0071】
電子看板制御システム1は、在庫が在庫しきい値Th以下となる前に予測して制御範囲631内の表示装置2にコンテンツ201を表示させることができるので、在庫が在庫しきい値以下となるまでコンテンツを変えない場合と比べて、より在庫切れで購入できないようなことを抑制することができる。
【0072】
ここで他の実施の形態は、複数の店舗4ごとに設置された複数の店舗端末装置5から商品9の在庫状況に関する在庫情報S11を取得し、複数の店舗4のうち、商品9の在庫状況が予め定められた制御条件を満たす店舗4がある場合、当該店舗4を基準とした予め定められた制御範囲631を設定し、商品9に関するコンテンツ200を表示する複数の表示装置2のうち、制御範囲631内の表示装置2に対して送信するコンテンツ201を他の表示装置2と異なるように制御する、電子看板制御方法を実行させるプログラムやこのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体として提供されても良い。この電子看板制御方法は、適切なコンテンツを呈示することができる。
【0073】
上述の実施の形態に係る電子看板制御システム1及び電子看板制御方法は、例えば、用途に応じて、その一部が、コンピュータが実行するプログラム、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)などによって実現されても良い。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…電子看板制御システム、2,2a…表示装置、3…移動体、4…店舗、5…店舗端末装置、6…制御装置、8…ネットワーク、9…商品、200,201…コンテンツ、631…制御範囲
図1
図2
図3
図4