(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003327
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】シート製造測定プロセスのためのギャップを制御する方法
(51)【国際特許分類】
G01G 17/02 20060101AFI20241226BHJP
G01G 9/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G01G17/02 A
G01G9/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083078
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】18/212,434
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ レイネン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シート製造測定プロセスのためのギャップを制御する方法を提供する。
【解決手段】連続シートの特性を測定するためのシステムであって、シートの片面に設けられたの第1のスキャナヘッド4であって第1の可動センサベース10を有する第1のセンサデバイス8と第1のセンサベースを第1の軸に沿って移動させるように構成された第1の調整可能アクチュエータ12A、12Bと、を備える第1のスキャナヘッド4と、シートの反対面に設けられた第2のスキャナヘッド6であって、第1のスキャナヘッド4とセンサギャップを画定する、第2のスキャナヘッド6と、センサギャップの距離を測定し、センサギャップ距離を所望のギャップ距離に維持するために、第1の調整可能アクチュエータを制御するための制御手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側および第2の側を有し、下流の機械方向に進行する連続シートの特性を測定するためのシステムであって、
(a)前記シートの第1の側に隣接して設けられた第1のスキャナヘッドであって、
(i)前記シートの前記第1の側に面する第1の動作表面を画定する第1の可動センサベースを有する第1のセンサデバイスと、
(ii)前記第1のセンサベースを第1の軸に沿って移動させるように構成された第1の調整可能アクチュエータと、を備える第1のスキャナヘッドと、
(b)前記シートの前記第2の側に隣接して配設された第2のスキャナヘッドであって、前記シートの前記第2の側に面する第2の動作表面を備え、前記第1の動作表面および前記第2の動作表面は、前記連続シートが進行するセンサギャップを画定する、第2のスキャナヘッドと、
(c)前記第1のセンサギャップの距離を測定し、前記測定されたセンサギャップ距離を表す第1の信号を生成するための手段と、
(d)前記センサギャップ距離を所望のギャップ距離に維持するために、前記第1の信号に応答して前記第1の調整可能アクチュエータを制御するための制御手段と、を備えるシステム。
【請求項2】
第1の側および第2の側を有し、下流の機械方向に進行する連続シートの特徴を監視するためのシステムであって、
(a)前記シートの第1の外部表面に隣接して設けられた第1の装着ヘッドであって、
(i)前記シートの前記第1の外部表面に面する第1の動作表面を画定する第1の可動センサベースと、
(ii)前記第1の動作表面に垂直な第1の軸に沿って前記第1のセンサベースを移動させるように構成された第1のアクチュエータと、を備える第1の装着ヘッドと、
(b)前記シートの前記第2の外部表面に隣接して配設された第2の装着ヘッドであって、前記シートの前記第2の外部表面に面する第2の動作表面を備え、前記第1の動作表面および前記第2の動作表面は、前記連続シートが通過するセンサギャップを画定し、前記第1の装着ヘッドおよび前記第2の装着ヘッドは、前記機械方向に垂直な前記横断方向に同期して移動するように位置合わせおよび構成され、少なくとも1つのセンサデバイスが、前記第1の装着ヘッド、前記第2の装着ヘッド、またはその両方に装着される、第2の装着ヘッドと、
(c)前記センサギャップの距離を測定し、前記測定されたセンサギャップ距離を表す信号を生成するための手段と、
(d)前記測定ギャップ距離を所望のギャップ距離に維持するために、前記信号に応答して前記第1のアクチュエータを制御するための制御手段と、を備えるシステム。
【請求項3】
前記第2の装着ヘッドは、前記シートの前記第2の外部に面する前記第2の動作表面を画定する第2の可動センサベースと、前記第2のセンサベースを第2の軸に沿って移動させるように構成された第2のアクチュエータと、を備え、前記制御手段は、前記測定ギャップ距離を前記所望のギャップ距離に維持するために、前記信号に応答して前記第1のアクチュエータおよび前記第2のアクチュエータを制御するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
動作表面を移動させるためのアクチュエータに接続された動作表面を有するセンサヘッドを含む、連続的な進行ウェブの特性を監視するためのシステムにおいて、動作表面と進行ウェブとの間のセンサギャップを制御する方法であって、
(a)前記動作表面と進行ウェブとの間の距離を監視し、測定されたセンサギャップ距離を示す距離信号を生成するステップと、
(b)測定されたセンサギャップ距離を目標センサギャップ距離と比較するステップと、
(c)前記センサギャップ距離を調整するために動作表面を操作するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、生産中に連続シート材料のパラメータを決定するための走査測定システムに関し、より詳細には、走査全体を通して一定のセンサギャップを制御および維持するための、デュアル走査ヘッド内のセンサギャップの能動的測定に関する。
【背景技術】
【0002】
製造中に連続シート材料の特性のオンライン測定を行うことは周知である。オンライン測定の目的は、一般的に言えば、望ましくないプロセス条件が是正される前に製造される標準以下のシート材料の量を減少させながら、シート品質を向上させる目的で、シート製造プロセスの監視を可能にすることである。
【0003】
連続的なフラットシート生産プロセスのためのセンサは、典型的には、製造中にシート材料の進行ウェブを横断または走査するオンラインセンサを有する片面または両面パッケージを使用する。走査は通常、横方向、すなわちシート進行の方向に垂直な方向に行われる。典型的な透過モードスキャナシステムは、ハウジングを含み、ハウジングは、選択されたシートパラメータを測定するためにシートを横切って移動するように、移動するシートの両側(すなわち、シートの上下)に装着される。チャネルまたはカラムが上部ハウジングと下部ハウジングとの間に形成され、シートはチャネル内に設けられ得る。走査システムの動作において、ハウジングは、平行な水平フレーム部材に装着されたトラック上をシートを横切って同期して進行する。
【0004】
実際には、ハウジングは、坪量などのシート特性を検出するセンサを担持するためのプラットフォームとして機能する。したがって、例えば、上部ハウジングは、核ベータ線源などの放射線源を担持することができ、下部ハウジングは、検出器を担持することができる。この場合、センサは、シートが存在しないときに検出器に入射するベータ放射線と比較して、シートが存在するときに検出器に入射する放射線強度を測定することによって坪量測定を行うために使用することができる。すなわち、坪量は、シート材料によって減衰されたベータ線によって測定される。連続シート材料の生産中のオンライン測定は、正確に行うことが困難である。走査センサシステムは、様々な誤差の影響を受けやすい。例えば、ハウジングを隔てる垂直距離が走査中に一定に保たれない場合、入射放射線強度はシート特性の変動とは無関係に変化する。
【0005】
反射モードスキャナシステムは、移動するシートに面する上部ハウジングに装着されたセンサを含む。動作時には、上部ハウジング内の放射線源からの放射線がシートに向けられ、反射された放射線が上部ハウジング内の検出器によって受容される。センサと移動するシートとの間の距離は維持されなければならない。
【0006】
ミスアライメントなどのセンサ位置誤差を補正するために、様々な技術が使用されてきた。しかしながら、現在の方法は、走査システムの二重ハウジング内のセンサギャップの動的な能動的測定および制御を提供していない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、透過測定動作モード中にデュアルスキャナヘッド間の測定チャネル内のセンサギャップを制御するための技法に関する。シート製造環境で使用される多くのセンサは、スキャナヘッド間のギャップに敏感である。例えば、核坪量センサは、製品の重量とセンサ半部の間のカラム内の空気の重量の両方を効果的に測定する。これは、ギャップ距離および空気温度の関数である。他のタイプのセンサは、減算法を使用して、製品の表面までの距離を測定し、これを総ギャップから減算して、レーザキャリパセンサなどにおいてキャリパ測定値を得る。ギャップ自体を制御することによって、影響の補正はセンサごとに単純化され得る。
【0008】
また、本発明は、反射型スキャナシステムにおいて、センサヘッドと、対応する装着ヘッドまたはフレームの反射動作表面との間の測定ギャップを制御するための技術に関する。
【0009】
本発明は、ギャップ測定センサ上の誤差信号を閉じることによって走査全体を通して一定のセンサギャップを維持するためにアクチュエータが使用される閉ループ制御から一部のセンサが利益を得ることができるという認識に部分的に基づいている。一態様では、本発明は、第1の側および第2の側を有し、下流の機械方向に進行する連続シートの特性を測定するためのシステムであって、
(a)シートの第1の側に隣接して設けられた第1のスキャナヘッドであって、
(i)シートの第1の側に面する第1の動作表面を画定する第1の可動センサベースを有する第1のセンサデバイスと、
(ii)第1のセンサベースを第1の軸に沿って移動させるように構成された第1の調整可能アクチュエータと、を備える第1のスキャナヘッドと、
(b)シートの第2の側に隣接して設けられた第2のスキャナヘッドであって、シートの第2の側に面する第2の動作表面を備え、第1の動作表面および第2の動作表面は、連続シートがそれを通じて進行するセンサギャップを画定する、第2のスキャナヘッドと、
(c)第1のセンサギャップの距離を測定し、測定されたセンサギャップ距離を表す第1の信号を生成するための手段と、
(d)センサギャップ距離を所望のギャップ距離に維持するために、第1の信号に応答して第1の調整可能アクチュエータを制御するための制御手段と、を備えるシステムを対象とする。
【0010】
別の態様では、本発明は、第1の側および第2の側を有し、下流の機械方向に進行する連続シートの特徴を監視するためのシステムであって、
(a)シートの第1の外部表面に隣接して設けられた第1の装着ヘッドであって、
(i)シートの第1の外部表面に面する第1の動作表面を画定する第1の可動センサベースと、
(ii)第1の動作表面に垂直な第1の軸に沿って第1のセンサベースを移動させるように構成された第1のアクチュエータと、を備える第1の装着ヘッドと、
(b)シートの第2の外部表面に隣接して設けられた第2の装着ヘッドであって、シートの第2の外部表面に面する第2の動作表面を備え、第1の動作表面および第2の動作表面は、連続シートがそれを通じて進行するセンサギャップを画定し、第1の装着ヘッドおよび第2の装着ヘッドは、機械方向に垂直な横断方向に同期して移動するように位置合わせおよび構成され、少なくとも1つのセンサデバイスが、第1の装着ヘッド、第2の装着ヘッド、またはその両方に装着される、第2の装着ヘッドと、
(c)センサギャップの距離を測定し、測定されたセンサギャップ距離を表す信号を生成するための手段と、
(d)測定ギャップ距離を所望のギャップ距離に維持するために、信号に応答して第1のアクチュエータを制御するための制御手段と、を備えるシステム。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、動作表面を移動させるためのアクチュエータに接続された動作表面を有するセンサヘッドを含む、連続的な進行ウェブの特性を監視するためのシステムを制御する方法を対象とする。本方法は、動作表面と進行ウェブとの間のセンサギャップを調整するものであり、
(a)動作表面と進行ウェブとの間の距離を監視し、測定されたセンサギャップ距離を示す距離信号を生成するステップと、
(b)測定されたセンサギャップ距離を目標センサギャップ距離と比較するステップと、
(c)センサギャップ距離を調整するために動作表面を操作するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】は、デュアルスキャナヘッドの側断面図である。
【
図2】は、透過モードで動作するデュアルスキャナヘッドの側断面図である。
【
図3】は、反射モードで動作するデュアルスキャナヘッドの側断面図である。
【
図4】は、ウェブ製造または加工システムにおけるスキャナを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、スキャナヘッド4および6を有するデュアル走査システム2を示す。上部スキャナヘッド4は、動作平面表面11を有するベースプレート10上に支持されたセンサデバイス8を収容する。上部スキャナヘッド4の下部表面24に取り付けられたアクチュエータ12Aおよび12Bは、ベースプレート10に固定されている。上部センサヘッド4はまた、ベースプレート30上に支持されるセンサデバイス28を収容する。上部スキャナヘッド4の下部表面24に取り付けられたアクチュエータ32Aおよび32Bは、動作平面表面31を有するベースプレート30に固定されている。上部スキャナヘッド4は上部シート偏向器50および52を備えている。
【0014】
上部スキャナヘッド6は、動作平面表面17を有するベースプレート16に接続されたセンサデバイス14を収容する。下部センサヘッド6の上部表面26に取り付けられたアクチュエータ18Aおよび18Bは、ベースプレート16に固定されている。下部スキャナヘッド6はまた、動作平面表面37を有するベースプレート36に接続されたセンサデバイス34を収容する。下部スキャナヘッド6の上部表面26に取り付けられたアクチュエータ38Aおよび38Bは、ベースプレート36に固定されている。下部スキャナヘッド6は下部シート偏向器54および56を備えている。
【0015】
センサデバイス8の動作表面11とセンサデバイス14の動作表面17との間の変位は、ギャップ60と、変位測定手段によって測定され得る距離と、を規定する。適切な装置は、センサデバイス8内に配置されたRFまたはzコイル20を有し、zコイル20からセンサベースプレート16である基準表面またはプレート22までの距離を測定する誘導型センサである。誘導型センサは、監視されるウェブまたはシートが紙またはプラスチックである場合に特に適している。ギャップ60の距離はまた、光学変位、レーザベースの三角測量、誘導型センサ、レーダ、容量センサ、磁場ベースのセンサ、マイクロ波放射ベースおよび音響ベースのセンサによって測定され得る。
【0016】
同様に、センサデバイス28の動作表面31とセンサデバイス34の動作表面37との間の変位はギャップ62を規定し、その距離は変位測定手段によって測定され得る。シート製品が金属基板を含む場合、好ましい変位測定機構は、センサ装置28内に配置された電磁コイル40と、センサデバイス34内に配置された第1および第2の磁気センサ42および44と、を含む。2つの磁気センサは、好ましくは、タンデムにあり、軸に沿ってコイルと位置合わせされる。電磁コイル40は、フラックスゲート磁気センサなどの1対の磁気センサによって測定される磁場を生成するために、直流または交流の発生源(図示せず)に接続されている。電磁コイルおよび関連する駆動電流を使用する代わりに、磁場の発生源として永久磁石が使用され得る。この磁気変位センサは、コーティングされた金属電極などの金属箔材料を通して読み取るものであり、参照により本明細書に組み込まれるTixierらの米国特許第11,519,710号に記載されている。
【0017】
アクチュエータの各々は、圧電スタックの形態をなす多層圧電アクチュエータを含むことができ、スタックは、ピーク力を犠牲にして作動距離を増加させるために、てこ作用と併せて使用され得る。圧電アクチュエータは、印加された電場に応じて作動時に膨張または収縮することができる。したがって、1つの用途では、スタックが通電されると、スタックは伸長し、スタックが固定されているベースプレートを、関連する動作表面に垂直な垂直方向に押す。
図1に示されるように、各スキャナヘッド4および6は、それぞれがセンサギャップ60、62を画定する複数のセンサデバイスを含むことができる。ギャップの変位距離は同じであっても異なっていてもよく、各ギャップは互いに独立して制御される。
【0018】
図2は、デュアル走査システム72を示しており、上部スキャナヘッド74は、動作平面表面81を有するベースプレート80上に支持されたセンサデバイス78を収容している。上部スキャナヘッド74の下部表面94に取り付けられたアクチュエータ82Aおよび82Bは、ベースプレート80に固定されている。センサデバイス78は放射線源100を含む。下部スキャナヘッド76は、センサデバイス84を収容し、センサデバイス84は、動作平面表面87を有するベースプレート86に接続された放射線検出器102を含む。下部センサヘッド76の上部表面96に取り付けられたアクチュエータ88Aおよび88Bは、ベースプレート86に固定されている。センサデバイス78とセンサデバイス84との間の変位は、zコイル90および基準表面または基準プレート92を用いて測定される。
【0019】
紙、プラスチック、布などの材料130の連続ウェブまたはシートは、機械方向(MD)に上部スキャナヘッドと下部スキャナヘッドとの間の測定チャネルを通って進行する。一実施形態では、放射線源100は、材料が存在しないときに検出器に入射するベータ放射線と比較して、材料130が存在するときに検出器102に入射する放射線強度を測定することによって、材料130の坪量などの特性を測定するための核ベータ線源を含む。読み取り値は、放射線源100と放射線検出器102とを隔てる垂直距離が変動する場合、誤差の影響を受けやすい。監視される材料に応じて、例えば、X線および赤外線などの他の放射線の発生源も使用され得る。
【0020】
本発明では、PIDコントローラ104がギャップ測定手段90および92から信号を受信し、コントローラはギャップ変調信号を電圧源106、108、110および112に送信するように構成される。振幅の増加、振幅の減少、および電圧源の両極性はすべて伸長または収縮を引き起こす。
【0021】
図2の走査システム72では、上部センサ装置78と下部センサ装置84の両方が、ギャップ距離を調整するためのアクチュエータを備えている。明らかなように、ギャップ変位は、1つ以上のアクチュエータを有するセンサデバイスのうちの1つのみを構成することによって変調され得る。しかしながら、センサデバイス78とセンサデバイス84の両方をアクチュエータで操作可能にすることにより、より速い応答が達成される。
【0022】
本発明では、アクチュエータによって調整されるのは、スキャナヘッド74およびスキャナヘッド76のいずれの垂直位置でもないことに留意されたい。走査ヘッド(または装着ヘッド)は、典型的には、センサデバイスおよび他の構成要素を収容する比較的大きい構造である。放射線源および検出器などのセンサデバイスは、典型的には10~100Hzの範囲にあり、主に1kHz以下に制限される周波数機械振動を受ける。本発明は、各センサにおいて最小質量を作動させることによって、振動によって引き起こされる悪影響を補正する。制御されなければならない質量は、使用される感知原理に影響を与える最小質量である。例えば、放射線源からウェブまでの距離が強度に影響を及ぼし、したがって測定に影響を及ぼすのに対して、いくつかの回路の部位は測定に影響を及ぼさないため、センサ電子機器は制御される必要はないが、放射線源は制御される必要がある。フィードバック機構の速度は、これらの振動を相殺することができなければならない。これは、圧電アクチュエータによって達成され得る。これらのアクチュエータの応答時間は、数十から数百マイクロメートルの作動(ギャップ)距離に対して、これ(1マイクロ秒)よりも最大で2桁速くなり得る。
【0023】
図3は、上部スキャナ(または装着)ヘッド104がベースプレート110上に支持されたセンサデバイス108を収容する走査システム102を示す。上部センサヘッド104の下部表面に取り付けられたアクチュエータ112Aおよび112Bは、動作平面表面111を有するベースプレート110に固定されている。アクチュエータは、ベースプレート110を垂直方向に移動させ、その軸は、動作平面表面111に垂直である。センサデバイス108は、放射線エミッタ源154およびレシーバ検出器152を含む。
【0024】
材料150の連続ウェブまたはシートは、MDにおいて上部スキャナヘッドを通過して移動する。動作表面111と材料150の上部表面との間の変位は、レーザ三角測量デバイス120によって測定される。一実施形態では、放射線源154は、材料150のシート上に集束される赤外線放射線源を含む。材料から反射された放射線は、放射線検出器152によって捕捉される。アクチュエータ112Aおよび112Bは、動作表面111と材料150の上部表面との間のギャップ距離を維持する。
【0025】
図4は、ウェブ製造または加工システムにおけるデュアルスキャナ170を示す。スキャナ170は、移動ウェブ(図示せず)のMD方向に垂直な横断方向に沿って前後に進行する。スキャナ170は、電動駆動機構(図示せず)によって駆動される。スキャナ170は、上部レール172および下部レール174によってそれぞれ支持されるキャリッジ上に装着される上部装着ヘッド180および下部装着ヘッド182を含む。2つの位置合わせされた装着ヘッドの移動は同期され、ヘッドは、ウェブが進行するチャネルまたはギャップ184を画定する。支持構造176、178は、レールの分離を維持する。ウェブ(図示せず)は、スキャナがウェブの少なくとも1つの表面上を進行する際に、支持構造176、178の間を水平に通過する。この実施形態では、スキャナ170は、ウェブの1つまたは複数の特徴を測定するために透過モードで動作するセンサデバイス186および196を有する。
【0026】
上記は、本発明の原理、好ましい実施形態、および動作モードを説明してきた。しかしながら、本発明は、考察される特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。したがって、上述の実施形態は、限定的ではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそれらの実施形態において変形が行われ得ることを理解されたい。
【外国語明細書】