(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003333
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】回転シャフトのトルクを測定するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01L 3/10 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
G01L3/10 311
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083974
(22)【出願日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】23181140
(32)【優先日】2023-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502281471
【氏名又は名称】キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サイモン レギッツ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン リリング
(57)【要約】
【課題】回転シャフトのトルクを測定するための改善された装置及び方法を提供すること。
【解決手段】回転シャフトW、W’のトルクMを測定するための装置Vであって、装置Vが、測定体1、1’及び評価ユニット2を備え、測定体1、1’が、シャフトW、W’へ取り付けられることが可能であり、取付け状態でシャフトW、W’の長手方向軸Aを中心にシャフトW、W’と共に回転し、測定体1、1’が、測定ユニット12、測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14を備え、測定ユニット12が、取付け状態においてトルクMの作用下で測定信号MSを生成し、測定増幅器ユニット13が、測定信号MSを増幅し、遠隔測定ユニット14が、増幅された測定信号MSをデジタル化し、遠隔測定ユニット14が、それを無線伝送によって評価ユニット2へ伝達し、測定体1、1’が、慣性主軸Xを有し、慣性主軸Xが、取付け状態で長手方向軸A上にある、装置V。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転シャフト(W、W’)のトルク(M)を測定するための装置(V)であって、前記装置(V)が、測定体(1、1’)及び評価ユニット(2)を備え、前記測定体(1、1’)が、前記シャフト(W、W’)へ取り付けられることが可能であり、取付け状態で前記シャフト(W、W’)の長手方向軸(A)を中心に前記シャフト(W、W’)と共に回転し、前記測定体(1、1’)が、測定ユニット(12)、測定増幅器ユニット(13)及び遠隔測定ユニット(14)を備え、前記測定ユニット(12)が、前記取付け状態において前記トルク(M)の作用下で測定信号(MS)を生成し、前記測定増幅器ユニット(13)が、前記測定信号(MS)を増幅し、前記遠隔測定ユニット(14)が、前記増幅された測定信号(MS)をデジタル化し、前記遠隔測定ユニット(14)が、それを無線伝送によって前記評価ユニット(2)へ伝達し、前記測定体(1、1’)が、慣性主軸(X)を有し、前記慣性主軸(X)が、前記取付け状態で前記長手方向軸(A)上にあることを特徴とする、装置(V)。
【請求項2】
前記測定体(1、1’)が、測定体ハウジング(11)を備え、前記測定体ハウジング(11)が、複数の部分から製作され、第1のハウジング空洞(110a、110a’)を有する第1の測定体ハウジング部(11a)を備えること、並びに前記第1のハウジング空洞(110a、110a’)が、前記測定増幅器ユニット(13)及び前記遠隔測定ユニット(14)を収容することを特徴とする、請求項1に記載の装置(V)。
【請求項3】
前記測定体ハウジング(11)が、第2のハウジング空洞(110b、110b’)を有する第2の測定体ハウジング部(11b)を備えること、前記測定体(1、1’)が、エネルギー貯蔵ユニット(15)を備えること、及び前記第2のハウジング空洞(110b、110b’)が、前記エネルギー貯蔵ユニット(15)を収容することを特徴とする、請求項2に記載の装置(V)。
【請求項4】
前記測定体ハウジング(11)が、第2の測定体閉鎖部(11bb)を備え、前記第2の測定体閉鎖部(11bb)が、前記エネルギー貯蔵ユニット(15)を収容する前記第2のハウジング空洞(110b)を閉鎖すること、前記第2の測定体閉鎖部(11bb)が、開放されることが可能であり、前記エネルギー貯蔵ユニット(15)を収容する前記第2のハウジング空洞(110b、110b’)が、前記取付け状態で前記測定体(1、1’)の外部からアクセス可能であること、前記エネルギー貯蔵ユニット(15)が、前記第2のハウジング空洞(110b、110b’)から取り外されることが可能であり、新しいエネルギー貯蔵ユニット(15’)が、前記第2のハウジング空洞(110b、110b’)に挿入されることが可能であること、及び前記新しいエネルギー貯蔵ユニット(15’)を収容する前記第2のハウジング空洞(110b、110b’)が、前記第2の測定体閉鎖部(11bb)によって閉鎖されることが可能であることを特徴とする、請求項3に記載の装置(V)。
【請求項5】
前記第1のハウジング空洞(110a、110a’)が、少なくとも第1のアンダーカット(110aaa、110aaa’)を備えること、前記第1の測定体ハウジング部(11a)の重量及び重量配分が、前記取付け状態の前記測定体(1、1’)の前記慣性主軸(X)が前記長手方向軸(A)上にあるように、前記第1のアンダーカット(110aaa、110aaa’)の大きさ及び形状を介して調整されること、前記第2のハウジング空洞(110b、110b’)が、少なくとも1つの第2のアンダーカット(110bbb、110bbb’)を備えること、並びに前記第2の測定体ハウジング部(11b)の重量及び重量配分が、前記取付け状態の前記測定体(1、1’)の前記慣性主軸(X)が前記長手方向軸(A)上にあるように、前記第2のアンダーカット(111bbb、111bbb’)の大きさ及び形状を介して調整されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の装置(V)。
【請求項6】
前記2つの測定体ハウジング部(11a、11b)が、中空円筒の合同な半部分の形状を有することを特徴とする、請求項3から5までのいずれかに記載の装置(V)。
【請求項7】
前記2つの測定体ハウジング部分(11a、11b)が、付加的に製造されることを特徴とする、請求項3から6までのいずれかに記載の装置(V)。
【請求項8】
前記測定体(1、1’)が、形状が中空円筒であり、軸方向空洞(10、10’)を備えること、前記軸方向空洞(10、10’)が、空洞径(D1、D1’)を有し、前記空洞径(D1、D1’)が、前記測定体(1、1’)が取り付けられることが可能である前記シャフト(W、W’)のシャフト径(DW、DW’)に等しいこと、及び異なるシャフト径(DW、DW’)を有するシャフト(W、W’)について、前記装置(V)が、空洞径(D1、D1’)を有する複数の測定体(1、1’)を備え、前記空洞径(D1、D1’)が、前記シャフト(W、W’)の前記異なるシャフト径(DW、DW’)に等しいことを特徴とする、請求項1から7までのいずれかに記載の装置(V)。
【請求項9】
前記測定ユニット(12)が、支持ユニット(121)及び歪み計(122)を備えること、前記支持ユニット(121)が、半径方向に前記シャフト(W、W’)に面する内側側面で前記歪み計(122)を支持すること、並びに前記歪み計(122)が、前記トルク(M)の作用下で測定信号(MS)を生成するように構成されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれかに記載の装置(V)。
【請求項10】
前記支持ユニット(121)が、複数の部分から製作され、第1の支持部材(121a)及び第2の支持部材(121b)を備えること、並びに前記2つの支持部材(121a、121b)が、中空円筒の合同な半部分の形状を有することを特徴とする、請求項9に記載の装置(V)。
【請求項11】
前記2つの支持部材(121a、121b)が、プラグ部材(121c)を備えること、及び前記プラグ部材(121c)が、形態係止接続によって互いに着脱可能な接続を形成するように構成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置(V)。
【請求項12】
測定体(1、1’)及び評価ユニット(2)を備える装置(V)を用いて回転シャフト(W、W’)のトルク(M)を測定する方法であって、前記測定体(1、1’)が、測定ユニット(12)、測定増幅器ユニット(13)及び遠隔測定ユニット(14)を備え、前記測定体(1、1’)が、前記シャフト(W、W’)へ取り付けられ、前記シャフト(W、W’)が、前記シャフト(W、W’)の長手方向軸(A)を中心に回転して固定され、前記トルク(M)を伝達し、前記測定ユニット(12)が、前記トルク(M)の作用下で測定信号(MS)を生成し、前記測定増幅器ユニット(13)が、前記測定信号(MS)を増幅し、前記遠隔測定ユニット(14)が、前記増幅された測定信号(MS)をデジタル化し、前記遠隔測定ユニット(14)が、それを無線伝送によって前記評価ユニット(2)へ伝達し、測定体(1、1’)が設けられ、前記測定体(1、1’)が、慣性主軸(X)を有し、前記慣性主軸(X)が、取付け状態で前記長手方向軸(A)上にあることを特徴とする、方法。
【請求項13】
測定ユニット(12)が設けられ、前記測定ユニット(12)が、支持ユニット(121)及び歪み計(122)を備え、前記支持ユニット(121)が、複数の部分から製作され、第1の支持部材(121a)及び第2の支持部材(121b)を備え、前記2つの支持部材(121a、121b)が、プラグ部材(121c)を備えること、並びに前記測定体(1、1’)を前記シャフト(W、W’)へ取り付ける第1のステップにおいて、前記2つの支持部材(121a、121b)が、前記シャフト(W、W’)に設置され、前記プラグ部材(121)によって互いに接続されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
測定体(1、1’)が設けられ、前記測定体(1、1’)が、測定体ハウジング(11)を備え、前記測定体ハウジング(11)が、複数の部分から製作され、第1の測定体ハウジング部(11a)及び第2の測定体ハウジング部(11b)を備え、前記2つの測定体ハウジング部(11a、11b)が、ヒンジ・ユニット(111)を備え、前記ヒンジ・ユニット(111)が、前記2つの測定体ハウジング部(11a、11b)を、それらが前記長手方向軸(A)を中心に旋回することが可能であるように、共に保持するように構成されること、並びに前記測定体(1、1’)を前記シャフト(W、W’)へ取り付ける第2のステップにおいて、前記2つの測定体ハウジング部(11a、11b)が、前記支持ユニット(121)に開放状態で設置されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
2つの測定体ハウジング部(11a、11b)が設けられ、前記2つの測定体ハウジング部(11a、11b)が、接続ユニット(112)を備え、前記接続ユニット(112)が、前記2つの測定体ハウジング部(11a、11b)を、それらが解放可能に閉鎖されることが可能であるように、接続するように構成されること、及び前記測定体(1、1’)を前記シャフト(W、W’)へ取り付ける第3のステップにおいて、前記2つの測定体ハウジング部(11a、11b)が、前記長手方向軸(A)を中心にそれらを旋回させることにより、前記接続ユニット(112)によって互いに接続されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項のプリアンブルによる、回転シャフトのトルクを測定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャフトは、軸を中心に回転し、回転運動及び回転中のトルクを伝達する機能を有する、機械部材である。そのようなシャフトは、例えば、自動車技術におけるドライブ・シャフトとして、エネルギー技術におけるタービン・シャフトとしてなど、機械における幅広い用途を有する。
【0003】
シャフトによって伝達されるトルクは、性能、効率、摩擦値などの、機械の重要なパラメータを決定するために使用され得る。このため、トルクは、機械の開発中及び工業における使用中の両方で測定される。
【0004】
回転シャフトのトルクを測定するための装置は、文献DE19719921A1から公知であり、装置は、シャフトと共に回転し、測定フランジとして設計される測定体、及び評価ユニットを備える。評価ユニットは、ステータ・アンテナを備える。評価ユニットは、シャフト及び測定体から離れている。測定体自体が、歪み計、測定増幅器、及びロータ・アンテナを有する遠隔測定ユニットを備える。測定されるトルクの作用下で、歪み計が、測定信号を生成し、測定増幅器が、測定信号を増幅し、遠隔測定ユニットが、増幅された測定信号をデジタル化して、測定データを得、測定データをロータ・アンテナを介してステータ・アンテナへ送信し、そこから、測定データが評価ユニットへ送られる。零点又は利得係数などの測定増幅器のパラメータは、ステータ・アンテナからロータ・アンテナへ送信される信号を使用して調整され得る。
【0005】
しかしながら、使用者は、様々な直径を有するシャフトで上記の装置を利用することを望む。このため、複数の測定体が設けられ、それらの寸法がそれぞれのシャフト径に適合され、一方で、使用される評価ユニットは同じままである。異なる大きさの測定体は、特に、1000rpmをはるかに超える速度で回転する高速回転シャフトの場合に、測定精度に影響を及ぼし、そのため、異なる大きさのシャフト径について得られる測定信号の比較が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
DE19719921A1から公知の回転シャフトのトルクを測定するための装置を改善することが、本発明の第1の目的である。したがって、測定精度が向上されることになる。回転シャフトのトルクの簡単で、迅速で、費用効果が高い測定を可能にする方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、独立請求項の特徴によって達成された。
【0009】
本発明は、回転シャフトのトルクを測定するための装置であって、装置が、測定体及び評価ユニットを備え、測定体が、シャフトへ取り付けられることが可能であり、取付け状態でシャフトの長手方向軸を中心にシャフトと共に回転し、測定体が、測定ユニット、測定増幅器ユニット及び遠隔測定ユニットを備え、測定ユニットが、取付け状態においてトルクの作用下で測定信号を生成し、測定増幅器ユニットが、測定信号を増幅し、遠隔測定ユニットが、増幅された測定信号をデジタル化し、遠隔測定ユニットが、それを無線伝送によって評価ユニットへ伝達し、測定体が、慣性主軸を有し、慣性主軸が、取付け状態で長手方向軸上にある、装置に関する。
【0010】
本発明はまた、測定体及び評価ユニットを備える装置を用いて回転シャフトのトルクを測定する方法であって、測定体が、測定ユニット、測定増幅器ユニット及び遠隔測定ユニットを備え、測定体が、シャフトへ取り付けられ、シャフトが、シャフトの長手方向軸を中心に回転され、トルクを伝達し、測定ユニットが、トルクの作用下で測定信号を生成し、測定増幅器ユニットが、測定信号を増幅し、遠隔測定ユニットが、増幅された測定信号をデジタル化し、遠隔測定ユニットが、それを無線伝送によって評価ユニットへ伝達し、測定体が設けられ、測定体が、慣性主軸を有し、慣性主軸が、取付け状態で長手方向軸上にある、方法に関する。
【0011】
本発明は、DE19719921A1から公知の回転シャフトのトルクを測定するための装置の測定体が、それが測定フランジ、歪み計、測定増幅器、及びロータ・アンテナを備える遠隔測定ユニットから構成されるので、構造が異なるものであるという知見に基づく。さらに、この異なる構造に起因して、それは、回転シャフトの長手方向軸に対して非対称な質量配分を有し、その結果として、それぞれ、測定体の重心が、長手方向軸上になく、それにより、静的アンバランスとなるか、又は測定体の慣性主軸が、長手方向軸に対して≠0°の角度で傾斜し、動的アンバランスとなる。静的アンバランス及び動的アンバランスの結果として生じるアンバランスは、測定されるトルクに上乗せされる干渉トルクを引き起こし、したがって、トルク測定を誤らせる。本発明による装置の測定体は、静的に及び動的に両方でバランスがとられ、干渉トルクが最小化され、したがって、装置の測定精度が向上される。
【0012】
本発明の有利な実施例が、従属請求項において提供される。
【0013】
以下において、本発明が、図を参照して、実例によってさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】シャフトW、W’のトルクMを測定するための、並びに測定体1、1’及び評価ユニット2を備える、装置Vを概略に描写する図である。
【
図2】
図1による測定体1及びシャフトWの第1の実施例の部分図である。
【
図3】
図1による測定体1’及びシャフトW’の第2実施例の部分図である。
【
図4】第1の測定体ハウジング部11aと第2の測定体ハウジング部11bとの間に設置された測定ユニット12を備える、
図1による測定体1、1’の部分図である。
【
図5】第1の測定体ハウジング部11aに測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14を備え、第2の測定体ハウジング部11bにエネルギー貯蔵ユニット15を備える、
図1による測定体1、1’の分解図である。
【
図6】
図5による第1の測定体ハウジング部11aを通る第1の切断線Bに沿った、第1の断面
図B-Bである。
【
図7】
図5による第2の測定体ハウジング部11bを通る第2の切断線Cに沿った、第2の断面
図C-Cである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図全体を通して、同じ対象は、同じ符号によって示される。
【0016】
図1は、シャフトW、W’の長手方向軸Aを中心に回転することが可能であり、回転中にトルクMを伝達する、シャフトW、W’を示す。長手方向軸Aに対して、シャフトW、W’は、回転対称体であり、金属、プラスチックなどの機械的耐性の高い材料から作製される。
【0017】
図1はまた、シャフトW、W’のトルクMを測定するための装置Vを示す。装置Vは、測定体1、1’及び評価ユニット2から構成される。測定体1、1’は、シャフトW、W’へ取り付けられ、長手方向軸Aを中心にシャフトW、W’と共に回転する。評価ユニット2は、シャフトW、W’から、及び測定体1、1’から離れている。
【0018】
図1~
図4よる表示及び
図5による分解図において、測定体1、1’は、中空円筒のような形状である。測定体1、1’は、長手方向軸Aの近傍に軸方向空洞10、10’を備える。軸方向空洞10、10’は、空洞径D10、D10’を有する。空洞径D10、D10’の大きさは、それが、長手方向軸Aに垂直な半径方向におけるシャフト径DW、DW’の大きさと等しいようなものである。長手方向軸Aの方向において、測定体1、1’は、シャフトW、W’の外側へ半径方向に取り付けられる。好ましくは、取付けは、クランプによる形態係止及び力係止接続によって達成される。取付けは可逆である。
【0019】
しかしながら、シャフトW、W’は、異なるシャフト径WD、WD’を有し得る。したがって、装置は、異なるシャフト径DW、DW’に対応する空洞径D1、D1’を有する、様々な測定体1、1’を備える。この点において、
図2及び
図3は、シャフトW、W’の、及び測定体1、1’の軸方向空洞10、10’の2つの実施例を示す。
図2に示される第1の実施例において、シャフトWは、25mmのシャフト径DWを有し、一方で、
図3に示される第2の実施例におけるシャフトW’は、45mmのシャフト径DW’を有する。
図2による第1の実施例において、測定体1は、25mmの空洞径D10を有し、一方で、
図3による第2の実施例の測定体1’は、45mmの空洞径D10’を有する。当然ながら、当業者が、25mm未満の直径を有するシャフト及び軸方向空洞、並びに45mmより大きい直径を有するシャフト及び軸方向空洞を用いて、自由に本発明を実施することができる。
【0020】
測定体1、1’は、測定体ハウジング11、測定ユニット12、測定増幅器ユニット13、遠隔測定ユニット14、及びエネルギー貯蔵ユニット15を備える。
【0021】
測定体ハウジング11は、埃や湿気などの有害な環境条件から測定ユニット12、測定増幅器ユニット13、遠隔測定ユニット14及びエネルギー貯蔵ユニット15を保護するように構成される。
【0022】
図4よる図及び
図5による分解図において、測定体ハウジング部11が、複数の部分からなり、第1の測定体ハウジング部11a及び第2の測定体ハウジング部11bを備え、第1の測定体閉鎖部11aa及び第2の測定体閉鎖部11bbを備えることが示される。
【0023】
好ましくは、測定体ハウジング11は、長手方向軸Aを内包する平面で二等分され、2つの測定体ハウジング部分11a、11bは、中空円筒の合同な半部分の形状を有し、2つの測定体閉鎖部分11aa、11bbは、中空円筒の端面の半部分の形状を有する。2つの測定体ハウジング部11a、11bの各々は、長手方向軸Aの近傍における軸方向空洞10、10’によって区切られる。2つの測定体ハウジング部11a、11b及び2つの測定体閉鎖部11aa、11bbは、金属、プラスチックなどの機械的耐性の高い材料から作製される。
【0024】
第1の測定体ハウジング部11aは、少なくとも1つの第1のハウジング空洞110a、110a’を備える。第1の測定体閉鎖部11aaは、埃や湿気に対する第1のハウジング空洞110a、110a’の密封をもたらすように構成される。第2の測定体ハウジング部11bは、少なくとも1つの第2のハウジング空洞110b、110b’を備える。第2の測定体閉鎖部11bbは、埃や湿気に対する第2のハウジング空洞110b、110b’の封止をもたらすように構成される。好ましくは、第1及び第2のハウジング空洞110a、110a’、110b、110b’は、ねじ接続などの、形態係止及び力係止接続の組合せによって閉鎖される。
【0025】
図5による分解図において、第1のハウジング空洞110a、110a’は、測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14を収容し、第2のハウジング空洞110b、110b’は、エネルギー貯蔵ユニット15を収容する。
【0026】
以下において、第1のハウジング空洞110a、110a’に測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14を備え付けられ、第1の測定体閉鎖部11aによって封止された第1の測定体ハウジング部11aはまた、第1の測定体部1aとも称される。したがって、第2のハウジング空洞110b、110b’にエネルギー貯蔵ユニット15を備え付けられ、第2の測定体閉鎖部11bによって封止された第2の測定体ハウジング部11bは、本明細書において以下で第2の測定体部1bと称される。
【0027】
好ましくは、2つの測定体ハウジング部11a、11bは、ヒンジ・ユニット111及び接続ユニット112を備える。
【0028】
ヒンジ・ユニット111は、2つの測定体ハウジング部11a、11bを、それらが長手方向軸Aを中心に旋回することが可能であるように、共に保持するように構成される。
図5による分解図において、ヒンジ・ユニット111は、少なくとも1つのピン111a及び複数のソケット111bを備えるヒンジである。ヒンジ・ユニット111は、片側で2つの測定体ハウジング部11a、11bを共に保持する。長手方向軸Aを中心に旋回することによって、2つの測定体ハウジング部11a、11bを、それらがヒンジ・ユニット111によって共に保持されつつ、可逆に開放状態から閉鎖状態にすることを可能にする。
【0029】
接続ユニット112は、2つの測定体ハウジング部11a、11bを互いに着脱可能に接続するように構成される。好ましくは、接続ユニット112は、ねじ接続、プラグ接続などの、形態係止接続及び力係止接続の組合せである。
図4よる描写及び
図5による分解図において、接続ユニット112は、第1の測定体ハウジング部11aにおける少なくとも1つのねじ112a及び少なくとも1つの貫通穴112aa、並びに第2の測定体ハウジング部11bにおける少なくとも1つのねじ穴112bからなる。ねじ112aの頭部は、貫通穴112aaにおいて支持され、ねじ112aのねじ山は、貫通穴112aaを通って突出し、ねじ穴112bにねじ留めされることが可能である。接続ユニット112が解放された後にのみ、長手方向軸Aを中心に2つの測定体ハウジング部11a、11bを旋回させることが可能である。接続ユニット112の解放も可逆的である。
【0030】
図2及び
図3による図は、片側でヒンジ・ユニット111によって共に保持され、もう一方の側で接続ユニット112によって互いに接続された、閉鎖状態における2つの測定体ハウジング部11a、11bを示す。
図4よる図において、接続ユニット112は解放されており、2つの測定体ハウジング部11a、11bは、長手方向軸Aを中心に旋回することによって開放状態にされており、ヒンジ・ユニット111によってのみ片側で共に保持される。
【0031】
閉鎖状態において、2つの測定体部分1a、1bはバランスがとられ、すなわち、測定体1、1’の重心Sが長手方向軸A上にあり、さらに、測定体1、1’の慣性主軸Xが長手方向軸A上にあり、長手方向軸Aに対して0°の角度で、すなわち、傾かずに延びる。
【0032】
第1の測定体ハウジング部11aに配置される測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14の外形寸法及び重量は、第2の測定体ハウジング部11bに配置されるエネルギー貯蔵ユニット15の外形寸法及び重量と同様に与えられるため、バランス調整に使用できる自由度はわずかである。さらに、軸方向空洞10、10’のシャフト径DW、DW’及び、したがってさらに、空洞径D10、D10’が、与えられる。
【0033】
したがって、バランス調整のために残される自由度は、2つの測定体ハウジング部分11a、11bの各々の重量及び重量配分である。第1及び第2の測定体ハウジング部11a及び11bの重量及び重量配分は、2つの測定体部1a、1bが閉鎖状態でバランスがとられるように、バランスを調整される。
【0034】
例示のために、
図6は、
図5による第1の測定体ハウジング部11aを通る第1の切断線Bに沿った、第1の断面B-Bの描写を示し、
図7は、
図5による第2の測定体ハウジング部11bを通る第2の切断線Cに沿った、第2の断面C-Cの図を示す。
【0035】
図6による図は、測定増幅器ユニット13を収容するための長穴の形状の第1の空洞110aとして、及び遠隔測定ユニット14を収容するための長穴の形状のさらなる第1の空洞110a’として、第1のハウジング空洞110a、110a’を示す。長穴の形状を有する第1のハウジング空洞110aは、第1の測定体ハウジング部11aの外側への第1の縁部110aaによって区切られる。その内側に、長穴の形状を有する第1のハウジング空洞110aは、一点鎖線として示された少なくとも1つの第1のアンダーカット110aaaを備える。長穴の形状を有するさらなる第1のハウジング空洞110a’は、第1の測定体ハウジング部11aの外側へのさらなる第1の縁部110aa’によって区切られる。その内側に、長穴の形状を有するさらなる第1のハウジング空洞110a’は、一点鎖線として示された少なくとも1つのさらなる第1のアンダーカット110aaa’を備える。以下において、第1のアンダーカット110aaa及びさらなる第1のアンダーカット110aaa’はまた、第1のアンダーカット110aaa、110aaa’とも呼ばれる。第1の測定体ハウジング部11aの重量及び重量配分は、取付け状態における測定体1、1’の慣性主軸Xが長手方向軸A上にあるように、第1のアンダーカット110aaa、110aaa’の大きさ及び形状を介して調整される。
【0036】
図7よる図において、第2のハウジング空洞110b、110b’は、エネルギー貯蔵ユニット15の2つの第1のリチウムイオン電池を収容するための第1の腎臓形の空洞110bから、及びエネルギー貯蔵ユニット15のもう2つのリチウムイオン電池を収容するためのさらなる第1の腎臓形の空洞110b’からなる。第2の腎臓形のハウジング空洞110bは、第2の測定体ハウジング11bの外側への第2の縁部110bbによって区切られる。その内側に、第2の腎臓形のハウジング空洞110bは、一点鎖線として示された少なくとも1つの第2のアンダーカット110bbbを備える。さらなる第2の腎臓形のハウジング空洞110b’は、第2の測定体ハウジング11bの外側へのさらなる第2の縁部110bb’によって区切られる。その内側に、さらなる第2の腎臓形のハウジング空洞110b’は、一点鎖線として示された少なくとも1つのさらなる第2のアンダーカット110bbb’を備える。以下において、第2のアンダーカット110bbb及びさらなる第2のアンダーカット110bbb’はまた、第2のアンダーカット110bbb、110bbb’とも呼ばれる。第2の測定体ハウジング部11bの重量及び重量配分は、取付け状態における測定体1、1’の慣性主軸Xが長手方向軸A上にあるように、第2のアンダーカット110bbb、110bbb’の大きさ及び形状を介して調整される。
【0037】
バランス調整によって、2つの測定体部1a、1bは、それらの重量及び重量配分に関して互いに一致される。2つのバランスがとられた測定体部1a、1bは、同じ重量及び同じ重量配分を有する。
【0038】
バランス調整精度は、規格DIN ISO1940-1に準拠するバランス調整品質として表される。好ましくは、測定体1、1’のバランス調整品質は、10未満/10に等しく、優先的には5未満/5に等しい。
【0039】
バランス調整により、静的アンバランス及び動的アンバランスによって引き起こされる干渉トルクが、最小化され、測定精度が向上される。さらに、バランス調整に起因する干渉トルクの最小化はまた、測定信号の標準化にも相当する。このようにして、異なる空洞径D10、D10’の測定体1、1’で得られる測定信号は、全ての測定体1、1’について、測定体1、1’の重心Sが長手方向軸A上にあり、さらに、測定体1、1’の慣性主軸Xが長手方向軸A上にあるため、同等である。
【0040】
好ましくは、第1の測定体ハウジング部11aにおける第1のハウジング空洞110a、110a’は付加的に製造される。これが好ましいバランス調整品質を有する第1のアンダーカット110aaa、110aaa’を作出する唯一のやり方だからである。好ましくは、第2の測定体ハウジング部11bにおける第2のハウジング空洞110b、110b’もまた、付加的に製造される。これが好ましいバランス調整品質を有する第2のアンダーカット110bbb、110bbb’を作出する唯一のやり方だからである。
【0041】
測定ユニット12は、支持ユニット121、歪み計122及び電気接点部材123を備える。
【0042】
支持ユニット121は、形状が中空円筒である。
図4よる図及び
図5による分解図において、支持ユニット121は、複数の部分から作製される。好ましくは、支持ユニット121は、長手方向軸Aを包含する平面で2つの支持部材121a、121bに二等分され、2つの支持部材121a、121bは、中空円筒の合同な半部分の形状を有する。2つの支持部材121a、121bは、金属、プラスチックなどの機械的耐性の高い材料から作製される。
【0043】
2つの支持部材121a、121cは、スナップ・フックなどのプラグ部材121cを備える。プラグ部材123cは、2つの支持部材121a、121bの端部に配置される。プラグ部材121cは、形態係止接続によって互いに着脱可能な接続を形成するように構成される。
【0044】
支持ユニット121は、歪み計122及び接点部材123を支持するように構成される。支持ユニット121は、半径方向にシャフトW、W’に面する内側側面で歪み計122を支持する。
【0045】
歪み計122は、トルクMの作用下で測定信号MSを生成するように構成される。歪み計122は、フル・ブリッジ、ハーフ・ブリッジ、又はクォータ・ブリッジであり得る。歪み計122は、好ましくは、5kHzの帯域幅で測定信号MSを生成する。測定信号MSは電圧である。歪み計122は、導電体によって電気接点部材123へ電気的に接続される。導電体は、測定信号MSを電気接点部材123へ伝える。
【0046】
電気接点部材123は、測定信号MSを、支持部材121を通して、半径方向にシャフトW、W’から外に向く外側側面へ伝達するように構成される。
【0047】
図4による図は、開放状態の測定体1、1’を示す。
図2及び
図3による図は、閉鎖状態の測定体1、1’を示す。測定体1、1’が閉鎖状態にある場合に、電気接点部材123及び測定増幅器ユニット13は、電気接点を介して互いに電気的に接続されるように構成される。電気接点は、測定信号MSを測定増幅器ユニット13へ伝達する。
【0048】
測定増幅器ユニット13は、演算増幅器を有する増幅器電気回路131を備える。増幅器電気回路131は、測定信号MSを増幅するように構成される。増幅された測定信号MSもまた、電圧である。増幅器電気回路131は、101、102、103、104などの調整可能な増幅率によって、測定信号MSを増幅する。測定増幅器ユニット13は、導電体を介して遠隔測定ユニット14へ電気的に接続される。導電体は、増幅された測定信号MSを遠隔測定ユニット14へ伝達する。さらに、導電体は、制御データSDを測定増幅器ユニット13へ伝達する。
【0049】
遠隔測定ユニット14は、遠隔測定電気回路141及びロータ・アンテナ142を備える。
【0050】
遠隔測定電気回路141は、アナログ/デジタル変換器を備え、増幅された測定信号MSをデジタル化して、測定データMDを得るように構成される。測定データMDは、好ましくは16ビットの分解能で、2進数列である。
【0051】
ロータ・アンテナ142は、無線伝送によって測定データMDを評価ユニット2へ送信するように構成される。この目的で、評価ユニット2はステータ・アンテナ20を備える。ステータ・アンテナ20は、ロータ・アンテナ142によって送信される測定データMDを受信するように構成される。ロータ・アンテナ142とステータ・アンテナ20との間の無線データ伝送は、双方向である。ステータ・アンテナ20は、制御データSDをロータ・アンテナ142へ送信することが可能であり、ロータ・アンテナ142は、ステータ・アンテナ20から送信される制御データSDを受信することが可能である。測定データMD及び制御データSDは、この無線伝送において電磁波の形態で送信及び受信される。好ましくは、ロータ・アンテナ142及びステータ・アンテナ20は、2,402GHz~2,480GHzの工業・科学・医学(ISM:Industrial Scientific and Medical)帯の無線伝送によって、測定データMD及び制御データSDを伝達する。
図1において、測定データMD及び制御データSDの無線伝送は、曲線の円弧として表される。
【0052】
ステータ・アンテナ20は、電気データ回線21を介して評価ユニット2へ電気的に接続される。電気データ回線21は、測定データMDを評価ユニット2へ伝達し、制御データSDをステータ・アンテナ20へ伝達する。
【0053】
エネルギー貯蔵ユニット15は、充電式電池、非充電式電池などの、少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵装置を備える。好ましくは、エネルギー貯蔵ユニット15は、リチウムイオン電池、リチウム・ポリマ電池、空気亜鉛電池などである。エネルギー貯蔵ユニット15は、少なくとも40時間の動作期間に測定体1、1’へ電気エネルギーを供給するように構成される。エネルギー貯蔵ユニット15は、小型で軽量である。
図5による分解図において、エネルギー貯蔵ユニット15は、蓄電要素としての役割を果たす4つのリチウムイオン電池を備え、各々が、715mAhの容量、20gの重量、並びに49mmの長さ及び14mmの直径を有する外法寸法を有する。
【0054】
エネルギー貯蔵ユニット15は、エネルギー供給部材151を備える。測定体1、1’が閉鎖状態にある場合に、エネルギー供給部材151、測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14は、電気接点を介して互いに電気的に接続されるように構成される。電気エネルギーは、これらの電気接点を通して、第2の測定体ハウジング部11bにおけるエネルギー貯蔵ユニット15から第1の測定体ハウジング部11aにおける測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14へ供給される。
【0055】
さらに、エネルギー貯蔵ユニット15は、電源接続部152を備える。電源接続部152は、USB-Cなどのプラグ接続器である。
図4よる図及び
図5による分解図において、電源接続部152は、第1の測定体閉鎖部11aaに配設される。電源接続部152は、第1の測定体ハウジング部11aにおける測定増幅器ユニット13へ電気的に接続される。したがって、電源接続部152は、測定体1、1’が閉鎖状態にある場合に、第2の測定体ハウジング部11bにおけるエネルギー供給部材151及びエネルギー貯蔵ユニット15へ、測定増幅器ユニット13を介して電気的に接続される。エネルギー貯蔵ユニット15は、ケーブルにより外部電源を電源接続部152へ接続することによって、電気エネルギーを充電されることが可能である。シャフトW、W’へ取り付けられた測定体1、1’は、急速で簡単に充電される。この目的でシャフトW、W’から測定体1、1’を取り外す必要はない。30分未満の充電時間で、空のエネルギー貯蔵ユニット15は、電気エネルギーを少なくとも80%まで充電される。
【0056】
加えて、シャフトW、W’へ取り付けられた測定体1、1’のエネルギー貯蔵ユニット15は、簡単で急速に交換されることが可能である。この目的でシャフトW、W’から測定体1、1’を取り外す必要はない。第2のハウジング空洞110b、110b’は、第2の測定体閉鎖部11bbを開放することによって、測定体1、1’の外部からアクセス可能である。その後、第2のハウジング空洞110b、110b’からエネルギー貯蔵ユニット15を取り外すことが可能である。新しいエネルギー貯蔵ユニット15’は、第2のハウジング空洞110b、110b’に挿入され、取り外されたエネルギー貯蔵ユニット15と交換されることが可能である。したがって、
図5による分解図において蓄電要素として描かれた4つのリチウムイオン電池が空である場合に、それらは、充電されたリチウムイオン電池と交換されることが可能である。その後、第2のハウジング空洞110b、110b’は、第2の測定体閉鎖部11bbによって閉鎖される。エネルギー貯蔵ユニット15の交換は、5分未満で行われる。
【0057】
評価ユニット2は、少なくとも1つのデータ・メモリ22、少なくとも1つのデータ・プロセッサ23、少なくとも1つの入力/受信ユニット24、及び少なくとも1つの出力ユニット25を備える。
【0058】
評価ユニット2は、測定データMDを評価し、測定体1、1’を制御するための制御データSDを生成するように構成される。
【0059】
評価ユニット2におけるデータ・メモリ22には、データ・プロセッサ23に読み込まれることが可能である、評価プログラムPを記憶する。データ・プロセッサ23に読み込まれた評価プログラムPは、命令を生成し、命令は評価ユニット2によって自動的に実行される。本発明の意味における「自動的に」という副詞は、評価プログラムPによって生成される命令が、人間が全く関与することなく、評価ユニット2によって実行されることを意味する。
【0060】
入力/受信ユニット24を使用することによって、評価ユニット2を操作することが可能である。本発明の文脈における「操作する」という動詞は、人間が入力/受信ユニット24を介して命令を入力することが可能であり、命令が評価ユニット2によって実行されることを意味する。入力/受信ユニット24は、命令を入力するためのキーボード、命令を受信するためのアンテナなどであり得る。命令は、文字列の形態でキーボードによって入力され、それに応じて、評価ユニット2が制御データSDを生成する。命令は、電磁波としてアンテナによって受信され、それに応じて、評価ユニット2が制御データSDを生成する。
【0061】
したがって、評価ユニット2は、評価プログラムPの命令に従って、又は入力/受信器ユニット24で入力された命令に従って、測定体1、1’を制御するための制御データSDを生成する。制御データSDは、様々な命令を実行する。
【0062】
したがって、制御データSDによって測定体1、1’を起動又は停止することが可能である。この目的で、評価ユニット2は、測定体1、1’の始動又は停止に関する情報を含む制御データSDを生成し、それを測定増幅器ユニット13へ伝達する。測定増幅器ユニット13は、制御データSDに従って測定体1、1’を起動又は停止する。
【0063】
さらに、制御データSDはまた、増幅器電気回路131の零点の設定するため使用されることが可能である。零点は、経時的に、及び温度などの外的影響下で変化する場合がある。零点は、高水準の測定精度を達成するように、調整される必要がある。零点は、10%(上限及び下限)を超えて実際の零点と異なってはならない。これらの限界内にない零点について、評価プログラムPは、限界内にある新しい零点を決定する。代替的に、新しい零点は、入力/受信ユニット24を介して入力された命令に従って設定される。したがって、評価ユニット2は、零点を指示する制御データSDを生成し、制御データSDを測定増幅器ユニット13へ伝達する。増幅器電気回路131は、その後、制御データSDにおいて特定された新たな零点を使用する。
【0064】
加えて、制御データSDはまた、増幅器電気回路131の利得係数を設定するために使用されることが可能である。増幅された各測定信号MSは、最大値又は最終値(フル・スケール)まで表されることが可能である。可能な限り最良に表すために、増幅された測定信号MSは、最終値(上限値)を超えてはならず、それは、最終値(下限値)よりも1桁を超えて小さくなってはならない。増幅された測定信号MSがこれらの限界内にない場合に、評価プログラムPは、増幅された測定信号MSが限界内にあるように、異なる増幅率を決定する。代替的に、入力/受信器ユニット24を介して入力された命令が、そのような異なる利得係数を設定する役割を果たす。したがって、評価ユニット2は、増幅率を指示する制御データSDを生成し、制御データSDを測定増幅器ユニット13へ伝達する。増幅器電気回路131は、制御データSDに従って測定信号MSを増幅する。
【0065】
場合により、装置Vは、回転角度センサ30を備える。回転角度センサ30は、非接触にシャフトW、W’の回転角度αを検出し、検出された回転角度αについて回転角度信号WSを生成する、光学式センサ、磁気センサなどであり得る。回転角度センサ30は、電気信号回線31によって評価ユニット2へ電気的に接続される。電気信号回線31は、角度信号WSを評価ユニット2へ伝達する。
【0066】
評価ユニット2は、角度信号WSを評価するように構成される。角度信号WSから、データ・プロセッサ23に読み込まれた評価プログラムPは、シャフトW、W’の回転方向及びシャフトW、W’の角度位置に関する情報を生成する。
【0067】
測定体1、1’は、3ステップの工程でシャフトW、W’へ取り付けられる。
【0068】
第1のステップにおいて、2つの支持部材121a、121bが、シャフトW、W’に設置され、プラグ部材121を介して互いに接続される。
【0069】
第2のステップにおいて、2つの測定体ハウジング部11a、11bが、支持ユニット121に開放状態で設置される。
【0070】
第3のステップにおいて、2つの測定体ハウジング部11a、11bが、長手方向軸Aを中心にそれらを旋回させることにより、接続ユニット112によって互いに接続される。測定体1、1’が閉鎖状態にある場合に、電気接点部材123及び測定増幅器ユニット13は、電気接点によって互いに電気的に接続される。測定体1、1’の閉鎖状態において、エネルギー供給部材151、測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14は、電気接点を介して互いに電気的に接続され、第1の測定体ハウジング部11aにおける測定増幅器ユニット13及び遠隔測定ユニット14は、第2の測定体ハウジング部11bにおけるエネルギー貯蔵ユニット15によって電力が供給される。
【符号の説明】
【0071】
α 回転角度
A 長手方向軸
B 第1の切断線
B-B 第1の断面
C 第2の切断線
C-C 第2の断面
D10、D10’ 空洞径
M トルク
MD 測定データ
MS 測定信号
P 評価プログラム
S 重心
SD 制御データ
V 装置
W、W’ シャフト
WD、WD’ シャフト径
WS 角度信号
X 慣性軸
1、1’ 測定体
1a、1b’ 測定体部
10、10’ 軸方向空洞
11 測定体ハウジング
11a、11b 測定体ハウジング部
11aa、11bb 測定体閉鎖部
110a、110a’ 第1のハウジング空洞
110aa、110aa’ 第1の縁部
110aaa、110aaa’ 第1のアンダーカット
110b、110b’ 第2のハウジング空洞
110bb、110bb’ 第2の縁部
110bbb、110bbb’ 第2のアンダーカット
111 ヒンジ・ユニット
111a ピン
111b ソケット
112 接続ユニット
112a ねじ
112aa 貫通穴
112b ねじ穴
12 測定ユニット
121 支持ユニット
121a、121b 支持部材
121c プラグ部材
122 歪み計
123 電気接点部材
13 測定増幅器ユニット
131 増幅器電気回路
14 遠隔測定ユニット
141 遠隔測定電気回路
142 ロータ・アンテナ
15、15’ エネルギー貯蔵ユニット
151 エネルギー供給部材
152 電源接続部
20 ステータ・アンテナ
21 電気データ回線
2 評価ユニット
22 データ・メモリ
23 データ・プロセッサ
24 入力/受信ユニット
25 出力ユニット
30 回転角度センサ
31 電気信号回線
【外国語明細書】