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  • 特開-集積回路及びデータ記憶方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003345
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】集積回路及びデータ記憶方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/57 20130101AFI20241226BHJP
   G06F 12/06 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G06F21/57 350
G06F12/06 515H
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024086330
(22)【出願日】2024-05-28
(31)【優先権主張番号】18/339,249
(32)【優先日】2023-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】アドモン イタイ
(72)【発明者】
【氏名】タッシャー ニル
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160MM03
5B160MM17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】共通のパッケージに積層された複数のメモリダイへの安全なアクセスの管理を改善する。
【解決手段】集積回路は、プライマリメモリダイ及びセカンダリメモリダイを含む。プライマリメモリダイは、プライマリチップ選択ラインを介して、プライマリチップ選択信号を提供するバスに結合される。セカンダリメモリダイは、プライマリチップ選択ラインを含まないバスに結合され、プライマリメモリダイが提供するセカンダリチップ選択ラインに結合される。プライマリメモリダイは、プライマリチップ選択信号がアクティブであるとき、コマンドを受信し;コマンドがプライマリメモリダイに宛てである識別に応答して、プライマリメモリダイ内でコマンドを実行し;コマンドがセカンダリメモリダイに宛てである識別に応答して、プライマリチップ選択信号をセカンダリチップ選択ライン上で送信することにより、セカンダリメモリダイにコマンドを実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリメモリダイに接続するプライマリチップ選択ラインを介して、プライマリチップ選択信号を提供するバスに結合される前記プライマリメモリダイと、
前記プライマリチップ選択ラインを含まない前記バスに結合され、前記プライマリメモリダイが提供するセカンダリチップ選択信号を伝送するセカンダリチップ選択ラインに結合されるセカンダリメモリダイと、
を含み、
前記プライマリメモリダイは、
前記プライマリチップ選択信号がアクティブである場合、前記バスを介してコマンドを受信し、
前記コマンドが前記プライマリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して前記プライマリメモリダイ内で前記コマンドを実行し、
前記コマンドが前記セカンダリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して、前記プライマリチップ選択信号を前記セカンダリチップ選択信号として前記セカンダリチップ選択ライン上で送信することにより、前記セカンダリメモリダイに前記コマンドを実行させる、
ように配置される、
集積回路。
【請求項2】
前記プライマリメモリダイは、ローカル有効ライン上で伝送されるローカル有效信号によって選択可能なローカルメモリを含み、前記プライマリメモリダイは、(i)前記プライマリチップ選択信号を前記ローカル有效信号として前記ローカル有効ライン上で送信する;及び(ii)前記セカンダリメモリダイに提供された前記セカンダリチップ選択信号を非アクティブ化する動作を介して前記コマンドを実行するように構成される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記集積回路は、前記プライマリチップ選択ラインを含まない前記バスに結合され、前記プライマリメモリダイが提供する別のセカンダリチップ選択信号を伝送する別のセカンダリチップ選択ラインに結合された別のセカンダリダイを含み、プライマリダイは、(i)前記プライマリチップ選択信号を前記別のセカンダリチップ選択信号として前記別のセカンダリチップ選択ライン上で送信する;(ii)前記セカンダリダイに提供された前記セカンダリチップ選択信号を非アクティブ化する;及び(iii)前記プライマリダイに提供された前記ローカルメモリの前記ローカル有效信号を非アクティブ化する動作を介して前記別のセカンダリダイに前記コマンドを実行させるように構成される、
請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記プライマリメモリダイ及び前記セカンダリメモリダイは、対応する第1の異なるメモリタイプ及び第2の異なるメモリタイプを有し、各メモリタイプは、少なくとも:i.NANDフラッシュメモリタイプ;及びii.NORフラッシュメモリタイプを含むリストから選択される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記プライマリメモリダイ及び前記セカンダリメモリダイは、対応する第1の異なるアクセスプロトコル及び第2の異なるアクセスプロトコルをサポートし、前記プライマリメモリダイは、前記バスに結合されたホストに前記セカンダリメモリダイに対する第2のアクセスプロトコルを提示するように構成される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記プライマリメモリダイは、前記プライマリメモリダイと前記セカンダリメモリダイとの間で選択されたメモリダイを指定するダイ選択コマンドの受信に応答して、前記選択されたメモリダイに前記ダイ選択コマンドの後に受信した1又は複数のコマンドを実行させるように構成された、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記プライマリメモリダイ及び前記セカンダリメモリダイは、共通のアドレス空間の異なる対応するアドレスサブ範囲にマッピングされ、前記プライマリメモリダイは、前記受信したコマンド内のアドレスパラメータを識別し、前記アドレスパラメータが属するアドレス範囲に応じて、前記受信したコマンドを前記プライマリメモリダイ又は前記セカンダリメモリダイを通じて実行するように構成される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項8】
前記プライマリメモリダイは、前記プライマリメモリダイが第2のチップ選択信号を制御して、全ての受信コマンドの前記セカンダリメモリダイへのアクセスをブロックするアクセスモードに従って動作するように構成される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項9】
前記プライマリメモリダイは、前記プライマリメモリダイが第2のチップ選択信号を制御して、前記セカンダリメモリダイによりサポートされる前記コマンドの部分的なサブセットに対する前記セカンダリメモリダイへのアクセスを許可するアクセスモードに従って動作するように構成される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項10】
前記プライマリメモリダイは、前記プライマリメモリダイが第2のチップ選択信号を制御して、前記セカンダリメモリダイによりサポートされる全てのコマンドの前記セカンダリメモリダイへのフルアクセスを許可するアクセスモードに従って動作すると同時に、前記アクセスモードを修正するコマンドを選択的に実行するように構成される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項11】
前記プライマリメモリダイは、前記バスに結合されたホストのブートコードをローカルスに記憶し、記憶された前記ブートコードへの安全なアクセスを管理する、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項12】
前記プライマリメモリダイは、前記セカンダリメモリダイに対する記憶動作を安全にするために、前記集積回路を含む基層システムのルートオブトラストとして機能するように配置される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項13】
集積回路において、前記集積回路は、プライマリメモリダイに接続するプライマリチップ選択ラインを介して、プライマリチップ選択信号を提供するバスに結合される前記プライマリメモリダイと、前記プライマリチップ選択ラインを含まない前記バスに結合され、前記プライマリメモリダイが提供するセカンダリチップ選択信号を伝送するセカンダリチップ選択ラインに結合されるセカンダリメモリダイと、を含み、
前記プライマリチップ選択信号がアクティブであるとき、前記プライマリメモリダイは、前記バスを介してコマンドを受信し、
前記コマンドが前記プライマリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して前記プライマリメモリダイ内で前記コマンドを実行し、
前記コマンドが前記セカンダリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して、前記プライマリチップ選択信号を前記セカンダリチップ選択信号として前記セカンダリチップ選択ライン上で送信することにより、前記セカンダリメモリダイに前記コマンドを実行させる、
データ記憶方法。
【請求項14】
前記プライマリメモリダイは、ローカル有効ライン上で伝送されるローカル有效信号によって選択可能なローカルメモリを含み、前記プライマリメモリダイ内で前記コマンドを実行することは、i.前記プライマリチップ選択信号を前記ローカル有效信号として前記ローカル有効ライン上で送信する;及びii.前記セカンダリメモリダイに提供された前記セカンダリチップ選択信号を非アクティブ化する動作を介して前記コマンドを実行することを含む、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項15】
前記集積回路は、前記プライマリチップ選択ラインを含まない前記バスに結合され、前記プライマリメモリダイが提供する別のセカンダリチップ選択信号を伝送する別のセカンダリチップ選択ラインに結合された別のセカンダリダイを含み、前記方法は、i.前記プライマリチップ選択信号を前記別のセカンダリチップ選択信号として前記別のセカンダリチップ選択ライン上で送信する;ii.前記セカンダリダイに提供された前記セカンダリチップ選択信号を非アクティブ化する;及びiii.プライマリダイに提供された前記ローカルメモリの前記ローカル有效信号を非アクティブ化する動作を介して前記別のセカンダリダイに前記コマンドを実行させることを含む、
請求項14に記載のデータ記憶方法。
【請求項16】
前記プライマリメモリダイ及び前記セカンダリメモリダイは、対応する第1の異なるメモリタイプ及び第2の異なるメモリタイプを有し、各メモリタイプは、少なくとも:i.NANDフラッシュメモリタイプ;及びii.NORフラッシュメモリタイプを含むリストから選択される、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項17】
前記プライマリメモリダイ及び前記セカンダリメモリダイは、対応する第1の異なるアクセスプロトコル及び第2の異なるアクセスプロトコルをサポートし、前記方法は、プライマリダイを介して、前記バスに結合されたホストに前記セカンダリメモリダイに対する第2のアクセスプロトコルを提示することを含む、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項18】
前記プライマリメモリダイと前記セカンダリメモリダイとの間で選択されたメモリダイを指定するダイ選択コマンドの受信に応答して、前記選択されたメモリダイに前記ダイ選択コマンドの後に受信した1又は複数のコマンドを実行させる、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項19】
前記プライマリメモリダイ及び前記セカンダリメモリダイは、共通のアドレス空間の異なる対応するアドレスサブ範囲にマッピングされ、前記方法は、前記受信したコマンド内のアドレスパラメータを識別し、前記アドレスパラメータが属するアドレス範囲に応じて、前記受信したコマンドを前記プライマリメモリダイ又は前記セカンダリメモリダイを通じて実行することを含む、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項20】
アクセスモードに応じた動作をさらに含み、前記アクセスモードにおいて、前記プライマリメモリダイは、第2のチップ選択信号を制御して、全ての受信コマンドに対する前記セカンダリメモリダイへのアクセスをブロックする、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項21】
アクセスモードに応じた動作をさらに含み、前記アクセスモードにおいて、前記プライマリメモリダイは、第2のチップ選択信号を制御して、前記セカンダリメモリダイによりサポートされる前記コマンドの部分的なサブセットに対する前記セカンダリメモリダイへのアクセスを許可する、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項22】
アクセスモードに応じた動作をさらに含み、前記アクセスモードにおいて、前記プライマリメモリダイは、第2のチップ選択信号を制御して、前記セカンダリメモリダイによりサポートされる全てのコマンドの前記セカンダリメモリダイへのフルアクセスを許可し、同時に、前記アクセスモードを修正するコマンドを選択的に実行する、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項23】
前記バスに結合されたホストのブートコードをローカルに記憶し、記憶された前記ブートコードへの安全なアクセスを管理することをさらに含む、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【請求項24】
前記セカンダリメモリダイに対する記憶動作を安全にするために、前記集積回路を含む基層システムのルートオブトラストとして機能することをさらに含む、
請求項13に記載のデータ記憶方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全なデータ記憶に関し、特に、マルチダイパッケージに用いる安全な記憶方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なシステムは、共通のパッケージに積層された複数のメモリダイを含む記憶装置にデータを記憶する。
【0003】
共通のパッケージに積層された複数のメモリダイを使用することは公知の技術である。例えば、米国特許9,245,590には、任意の数のシリアル・ペリフェラル・インターフェース(“Serial Peripheral Interface,SPI”)フラッシュメモリダイを積層してパッケージ化し、SPIインターフェイスの利点を維持しながら、低ビットコスト、高密度ストレージ、RAMへのコードシャドウイング及び“インプレース実行”アプリケーションへの高速ランダムアクセスどの様々な機能のいずれか1つ又は組み合わせを実現することが記載されている。装置を製造するとき、積層された各ダイには、パッケージ内の他の積層されたダイに対して固有の識別記号又は“ダイID”が割り当てられる。通常の動作中、固有のダイIDはダイ選択コマンドによって使用され、積層された任意のダイの1つがSPIインターフェイス上の後続のコマンドに応答できるようにし、パッケージ内の積層された他のダイが、ダイ選択コマンドを含むいくつかの“ユニバーサル”コマンドを除く、後続のコマンドに応答するのを防止し、積層されたダイによる平行作業を支持する。
【0004】
別の例として、米国特許第11,194,726号には、メモリダイの積層及びアクセス動作の組み合わせのための方法、システム及び装置が記載されている。装置は、複数のメモリダイを含んで良い。一方のダイをマスター装置として構成し、もう一方のダイをスレーブ装置として構成することができる。マスター装置は、ホスト装置と通信することができる。スレーブ装置は、マスター装置に結合することができる。装置は、第1のダイ(例えば、マスター装置)及び第2のダイ(例えば、スレーブ装置)を含んで良い。第1のダイは、ホスト装置に結合され、読み取りコマンドに応答して、データセットを出力するように構成されて良い。第1のダイは、データの第1のサブセットを提供し、第2のダイからデータの第2のサブセットを取得することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、共通のパッケージに積層された複数のメモリダイ(die)への安全なアクセスの管理のための改良を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載される実施形態は、プライマリメモリダイ及びセカンダリメモリダイを含む集積回路(Integrated Circuit,IC)を提供する。プライマリメモリダイは、プライマリメモリダイに接続するプライマリチップ選択(Chip Select,CS)ラインを介して、プライマリCS信号を提供するバスに結合される。セカンダリメモリダイは、プライマリCSラインを含まないバスに結合され、プライマリメモリダイが提供するセカンダリCS信号を搬送するセカンダリCSラインに結合される。プライマリメモリダイは、プライマリCS信号がアクティブであるとき、バスを介してコマンドを受信し;コマンドがプライマリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して、プライマリメモリダイ内でコマンドを実行し;コマンドがセカンダリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して、プライマリCS信号をセカンダリCS信号としてセカンダリCSライン上で送信することにより、セカンダリメモリダイにコマンドを実行させる、ように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態において、プライマリメモリダイは、ローカル有効ライン上で伝送されるローカル有效信号によって選択可能なローカルメモリを含み、プライマリメモリダイは、(i)プライマリCS信号をローカル有效信号としてローカル有効ライン上で送信する;(ii)セカンダリメモリダイに提供されたセカンダリCS信号を非アクティブ化(deactivating)することによって、コマンドを実行するように構成される。その他の実施形態において、ICは、別のセカンダリダイを含み、上記別のセカンダリダイは、プライマリCSラインを含まないバスに結合され、プライマリメモリダイが提供する別のセカンダリCS信号を搬送する別のセカンダリCSラインに結合され、プライマリダイは、(i)プライマリCS信号を別のセカンダリCS信号として別のセカンダリCSライン上で送信する;(ii)セカンダリダイに提供されたセカンダリCS信号を非アクティブ化する;(iii)プライマリダイに提供されたローカルメモリのローカル有效信号を非アクティブ化することによって、別のセカンダリダイにコマンドを実行させるように構成される。その他の実施形態において、プライマリメモリダイ及びセカンダリメモリダイは、対応する第1の異なるメモリタイプ及び第2の異なるメモリタイプを有し、各メモリタイプは、少なくとも(i)NANDフラッシュメモリタイプ;(ii)又はNORフラッシュメモリタイプを含むリストから選択される。
【0008】
一実施形態において、プライマリメモリダイ及びセカンダリメモリダイは、対応する第1の異なるアクセスプロトコル及び第2の異なるアクセスプロトコルをサポートし、プライマリメモリダイは、バスに結合されたホストにセカンダリメモリダイに対する第2のアクセスプロトコルを提示するように構成される。別の実施形態において、プライマリメモリダイは、プライマリメモリダイとセカンダリメモリダイの間で選択されたメモリダイを指定するダイ選択コマンドの受信に応答して、選択したメモリダイに、ダイ選択コマンドの後に受信した1又は複数のコマンドを実行させるように構成される。また別の実施形態において、プライマリメモリダイ及びセカンダリメモリダイは、共通のアドレス空間の異なる対応するアドレスサブ範囲にマッピングされ、プライマリメモリダイは、受信したコマンド内のアドレスパラメータを識別し、アドレスパラメータが属するアドレス範囲に応じて、受信したコマンドをプライマリメモリダイ又はセカンダリメモリダイを通じて実行するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態において、プライマリメモリダイは、プライマリメモリダイが第2のCS信号を制御して、全ての受信コマンドに対するセカンダリメモリダイへのアクセスをブロックするアクセスモードに従って動作するように構成される。その他の実施形態において、プライマリメモリダイは、プライマリメモリダイが第2のCS信号を制御して、セカンダリメモリダイによりサポートされるコマンドの部分的なサブセットに対するセカンダリメモリダイへのアクセスを許可するアクセスモードに従って動作するように構成される。また、別の実施形態において、プライマリメモリダイは、プライマリメモリダイが第2のCS信号を制御して、セカンダリメモリダイによりサポートされる全てのコマンドに対するセカンダリメモリダイへのフルアクセスを可能にすると同時に、アクセスモードを修正するコマンドを選択的に実行するアクセスモードに従って動作するように構成される。
【0010】
一実施形態において、プライマリメモリダイは、バスに結合されたホストのブートコードをローカルに記憶し、記憶ブートコードへの安全なアクセスを管理するように構成される。別の実施形態において、プライマリメモリダイは、セカンダリメモリダイに対する記憶動作を安全にするために、ICを含む基層システムのルートオブトラスト(Root of Trust,RoT)として機能するように配置される。
【0011】
本明細書で説明される実施形態によれば、データ記憶方法がさらに提供される。この方法は、集積回路(IC)において、上記集積回路は、プライマリメモリダイに接続するプライマリCSラインを介して、プライマリチップ選択(CS)信号を提供するバスに結合されるプライマリメモリダイと、プライマリCSラインを含まないバスに結合され、プライマリメモリダイが提供するセカンダリCS信号を搬送するセカンダリCSラインに結合されるセカンダリメモリダイと、を含み、プライマリCS信号がアクティブであるとき、プライマリメモリダイは、バスを介してコマンドを受信する。コマンドがプライマリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して、プライマリメモリダイ内でコマンドを実行し、コマンドがセカンダリメモリダイに宛てられたものであることの識別に応答して、プライマリCS信号をセカンダリCS信号としてセカンダリCSライン上で送信することにより、セカンダリメモリダイにコマンドを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態は、共通のパッケージに積層された複数のメモリダイ(die)への安全なアクセスの管理を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書に記載の実施形態による共通のパッケージ内に積層された複数のメモリダイを含むコンピュータシステムのブロック図を示す。
図2】本明細書に記載の実施形態によるマルチダイ記憶装置におけるコマンド実行方法のフロー図を示す。
図3】本明細書に記載の実施形態によるマルチダイ記憶装置における読み取りコマンドの実行期間に生成した信号のタイミング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書の実施形態は、共通のパッケージに積層された複数のメモリダイ(die)への安全なアクセスの管理の改良のための方法及びシステムを提供する。開示された実施形態において、1つのメモリダイは、それに対応するチップ選択(CS)入力を制御することにより、その他のメモリダイへのアクセスを制御する。開示された実施形態は、異なる対応するコマンドセットを有する、及び/又は、異なるアクセスプロトコルをサポートする異なるタイプのメモリダイに適用することができる。
【0015】
様々なシステムでは、ホストは、バスを介して複数のメモリダイを含む記憶装置に結合される。バスは通常、オペコード、アドレス及びデータを伝送する1又は複数の入力/出力(Input/Output,IO)ラインと、コマンド中にアクティブになるCS信号を含む。
【0016】
各メモリダイは、いずれもアクティブのときにコマンドの実行に用いる前記メモリダイを選択するためのCS入力を有する。メモリダイは、そのCS入力がコマンド中全体にわたってアクティブである場合、サポートされているコマンドの実行を完了することができ、通常、実行が完了する前にCS入力が非アクティブになると、コマンドの実行を放棄する。メモリダイは通常、そのCS入力がコマンド中全体にわたってアクティブである場合でも、サポートされていないコマンドを無視する。
【0017】
パッケージ内の個別メモリダイにアクセスするために各種構造を用いることができる。例えば、バスCS信号を含むバス信号全体は、全てのメモリダイに並列に結合されて良い。この種のタイプの技術は、ウィンボンド・エレクトロニクス株式会社(Winbond Electronics Corp)よりSpiStack(登録商標)という名称で提供されており、同社のW25M製品シリーズ内で実施されている。バスを介してコマンドを送信する場合、全てのメモリダイは、最初にいずれもコマンドを受信し、且つ各メモリダイは、コマンドを実行するか、コマンドを放棄するかを独立して決定する。この並列バス手法では通常、メモリダイが同じメモリタイプであり、コマンドの実行又は放棄を決定するための共通規則を共有する必要があるため、パッケージ内に異なるタイプのメモリダイを混在させる場合には適していない。
【0018】
別の手法では、ホストバスを終端し、対応するCS信号を含む個別のバス信号を異なるメモリダイに生成する仲介コントローラにホストバスを結合することができる。ホストは、コントローラを介してのみ間接的に各メモリダイと通信することができる。この手法は通常、コントローラがメモリダイごとに複数のフルバスを処理するため、高度に複雑で高価なものとなる。
【0019】
開示される実施形態において、バスは、メモリダイのうちの1つ(本明細書では“プライマリメモリダイ”という)にのみ接続されるCS信号を除いて、複数のメモリダイに並列に結合される。プライマリメモリダイは、個別のCS信号を各セカンダリダイに提供することにより、その他のメモリダイ(本明細書において“セカンダリダイ”ともいう)へのアクセスを制御する。
【0020】
1つのプライマリメモリダイ及び1又は複数のセカンダリメモリダイを含む集積回路(IC)を検討する。プライマリメモリダイは、プライマリメモリダイのみに接続するプライマリCSラインを介してプライマリチップ選択(CS)信号を提供するバスに結合される。セカンダリメモリダイは、プライマリCSラインを含まないバスに結合され、プライマリメモリダイが提供する対応するセカンダリCS信号を伝送する対応するセカンダリCSラインに結合される。プライマリCS信号がアクティブであるとき、プライマリメモリダイは、バスを介してコマンドを受信し、コマンドがプライマリメモリダイに宛てられたものであるとの識別に応答して、プライマリメモリダイ内でコマンドを実行する。さもなくば、コマンドがセカンダリメモリダイに宛てられたものであるとの識別に応答して、プライマリメモリダイは、プライマリCS信号をセカンダリCS信号として所与のセカンダリメモリダイのセカンダリCSライン上で送信することにより、所与のセカンダリメモリダイにコマンドを実行させる。
【0021】
以下の記載では、明確にするために、説明される実施形態のいくつかは、プライマリメモリダイ及び単一のセカンダリダイを含むパッケージに言及する。しかしながら、開示された技術は、複数のセカンダリメモリダイを含むパッケージにも同様に適用可能である。
【0022】
いくつかの実施形態において、プライマリメモリダイは、ローカル“有効ライン”上で伝送されるローカル“有效信号”によって選択可能なローカルメモリを含み、プライマリメモリダイは、(i)プライマリCS信号をローカル有效信号としてローカル有効ライン上で送信する;及び(ii)セカンダリメモリダイに提供されたセカンダリCS信号を非アクティブ化することによってコマンドを実行する。
【0023】
その他の実施形態において、ICは、プライマリCSラインを含まないバスに結合され、プライマリメモリダイが提供する別のセカンダリCS信号を搬送する別のセカンダリCSラインに結合される別のセカンダリダイを含む。これらの実施形態において、プライマリダイは、(i)プライマリCS信号を別のセカンダリCS信号として別のセカンダリCSライン上で送信する;(ii)セカンダリダイに提供されたセカンダリCS信号を非アクティブ化する;及び(iii)プライマリダイに提供されたローカルメモリのローカル有效信号を非アクティブ化する動作を介して別のセカンダリダイにコマンドを実行させる。
【0024】
開示される構造において、プライマリメモリダイとセカンダリメモリダイの少なくとも一部は、メモリダイ異なる対応するメモリタイプであって良い,各メモリタイプは少なくとも(i)NANDフラッシュメモリタイプ;及び(ii)NORフラッシュメモリタイプを含むリストから選択される。
【0025】
一実施形態において、プライマリメモリダイ及びセカンダリメモリダイは、対応する第1の異なるアクセスプロトコル及び第2の異なるアクセスプロトコルをサポートし、プライマリメモリダイは、バスに結合されたホストにセカンダリメモリダイに対する第2のアクセスプロトコルを提示する。
【0026】
プライマリメモリダイは、任意の適当な方法((例えば、専用のダイ選択コマンドに基づいて、又はコマンドに含まれるアドレス情報に基づいて)を使用して、受信したコマンド(又は1又は複数の後続コマンド)を実行するためのターゲットメモリダイを選択することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、プライマリダイは、“独立(Standalone)”モード、“制限付アクセス(Restricted-Access)”モード及び“フルアクセス(Full-Access)”モードの3つのいずれかのアクセスモードで動作することができる。スタンドアロンモードでは、プライマリメモリダイが第2のCS信号を制御して、全ての受信コマンドに対するセカンダリメモリダイへのアクセスをブロックする。制限付アクセスモードでは、プライマリメモリダイが第2のCS信号を制御して、セカンダリメモリダイによりサポートされる対応するコマンドの部分的なサブセットに対するセカンダリメモリダイへのアクセスを可能にする。フルアクセスモードでは、プライマリメモリダイが第2のCS信号を制御して、セカンダリメモリダイによりサポートされる全てのコマンドに対するセカンダリメモリダイへのフルアクセスを可能にすると同時に、アクセスモードを修正するコマンドを(プライマリメモリダイにより)選択的に実行する。
【0028】
開示される構造は、例えばセキュアブートに使用することができる。このような例示的な実施形態において、プライマリメモリダイは、バスに結合されたホストのブートコードをローカルに記憶し、ブートコードの記憶、更新、アップロード時など、記憶されたブートコードへの安全なアクセスを管理する。
【0029】
一実施形態において、プライマリメモリダイは、セカンダリメモリダイに対する記憶動作を安全にするために、ICを含む基層システムのルートオブトラスト(RoT)として機能する。例えば、プライマリメモリダイは、書き込み保護や、暗号化やデータ認証などの様々な暗号化サービスをセカンダリメモリダイに提供することができる。
【0030】
開示された技術において、プライマリメモリダイは、対応するCS入力を制御することにより、セカンダリメモリダイへのアクセスを制御する。開示された構造及び関連する実施形態により、複雑さが軽減され、消費電力が低減され、セカンダリメモリダイへの高速アクセスが実現される。また、同一のパッケージ内でフラッシュNORダイとフラッシュNANDダイを混合するなど、様々なストレージ技術のメモリダイをサポートする。プライマリダイが各コマンドダイの選択を管理するため、メモリダイは、共通の規則に従う必要がなく、及び/又は、ターゲットダイを選択するためにその他の方法で互いに協力する必要がなく、その結果、実施が簡素化され、柔軟になる。
【0031】
図1を参照すると、コンピュータシステム20は、バス32(リンク又はインターフェースともいう)を介して、本実施形態では記憶装置を実現する集積回路(IC)28に結合されるホスト24を含む。複数の(例えば、‘n’個)の入力/出力(IO)ライン、“CLK”で示されるクロックライン、及び“CS-0”で示されるチップ選択(CS)ラインを含む。バス32は、例えば、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(Serial peripheral interface,SPI)を含んで良い。あるいは、例えば、拡張SPI、拡張SPI(xSPI)や集積回路間(Inter-Integrated Circuit,I2C)バスなど、その他の適当なバスのタイプを使用しても良い。
【0032】
コンピュータシステム20において、ホスト24は通常、バス32と記憶装置28を介してコマンドを送信する。通信は、オペコードの送信、アドレスの送信、データの送信及び/又はデータの受信を含んで良い。
【0033】
コンピュータシステム20は、モノのインターネット(Internet of Thing,IoT)装置、自動車アプリケーション、PC/サーバ基本入出力システム(Basic Input-Output System,BIOS)、産業用コントローラなどの様々なアプリケーションで使用することができる。
【0034】
記憶装置28は、ローカルメモリ42及びCS論理46を含む、“ダイ-0”と示されるメモリダイ40を含む。メモリダイ40は、本明細書では“プライマリメモリダイ”というか、又は単に“プライマリダイ”という。記憶装置28はさらに、1つ又は複数のメモリダイ50を含み、各メモリダイ50はメモリ54を含む。メモリダイ50は“ダイ-m”と示され、‘m’は0より大きい整数を表す。メモリダイ50は、本明細書において“セカンダリメモリダイ”というか、又は単に“セカンダリダイ”という。
【0035】
プライマリダイ及び各セカンダリダイは、いずれもCS入力を有し、上記CS入力はアクティブのとき、対応するメモリダイを選択する。なお、メモリダイの選択は、メモリダイの内部メモリへのアクセスを取得することを意味することに注意されたい。図1では、記憶装置28は、ダイ-1及びダイ-2で示される2つのセカンダリダイを含むが、代替実施形態において、記憶装置28は、単一のセカンダリダイ又は2つ以上のセカンダリダイを含んで良い。
【0036】
図1の構造において、バス32のCLKライン及びIOラインは、ホスト24と各プライマリダイ及びセカンダリダイとの間で並列に接続される。比較すると、バス32のCS-0ライン(本明細書では“プライマリCSライン”ともいう)は、ホストとプライマリダイのCS入力との間に接続されるが、セカンダリダイのCS入力には接続されない。メモリ選択ライン(本明細書では“有効ライン”ともいう)は、CS論理とローカルメモリ42との間に接続される。“CS-1”及び“CS-2”で示されるCSライン(本明細書では“セカンダリCSライン”ともいう)は、対応するセカンダリダイのCS論理とCS入力との間に接続される。上述の構造により、CS論理46は、そのローカルメモリ(42)並びにセカンダリダイ(50)及びそのメモリ(54)へのアクセスを制御することができる。
【0037】
以下の説明において、プライマリCSライン上で伝送されるCS信号は、本明細書において“プライマリCS信号”ともいい、セカンダリCSライン上で伝送されるCS信号は、本明細書において“セカンダリCS信号”ともいい、有効ライン上で伝送されるメモリ選択信号は、本明細書において“有效信号”ともいう。以下の説明において、CS論理は、プライマリダイのローカルメモリ42にアクセスするための有效信号を制御し、セカンダリダイにアクセスするためのセカンダリCS信号を制御する。
【0038】
プライマリダイ40のローカルメモリ42及びセカンダリダイ50のメモリ54は、任意の適切なタイプのメモリを含んで良い。一実施形態において、ダイ-0のローカルメモリ42は、NORフラッシュ装置を含み、ダイ-1及びダイ-2のメモリ54は、NANDフラッシュ装置を含む。しかしながら、その他の実施形態では、メモリタイプのその他任意の適当な組み合わせを使用しても良い。例えば、プライマリダイのローカルメモリ42及び全てのセカンダリダイのメモリ54は、同一のメモリタイプであって良い。別の例として、セカンダリダイの2つ(又は2つ以上)のメモリ54は、異なる対応するメモリタイプであって良い。本発明の説明において、使用される主なメモリタイプは、NORダイ及びNANDダイであるが、これは必須ではなく、その他の適当なメモリタイプ(揮発性又は不揮発性)を使用しても良い。
【0039】
ホスト24がバスを介してコマンドを送信すると、プライマリダイは、プライマリCS信号(CS-0ライン上で送信)がアクティブである間に、コマンドが最初にプライマリダイ及び全てのセカンダリダイによって受信されるように、有效信号及びセカンダリ信号を制御する。コマンドが進行するにつれて(例えば、オペコードパラメータを受信した後)、CS論理は、コマンドが送信されるターゲットダイを決定し、コマンドがターゲットダイにより実行され、全てのその他のメモリダイによって放棄されるように、有效信号及びセカンダリCS信号を制御する。
【0040】
以下、ターゲットダイを決定する方法について詳しく説明する。
【0041】
マルチダイ記憶装置におけるコマンドの実行
【0042】
図2を参照すると、この方法は、図1の記憶装置28のプライマリダイ(ダイ-0)によって実行されるものとして説明される。例えば、記憶装置の全てのメモリダイがいずれも同一のコマンドセット及びコマンドフォーマットをサポートする場合、図2の方法を適用することができる。
【0043】
この方法はコマンド受信ステップ100で始まる。ここで、ダイ-0は、バス32を介してホスト24からコマンドを受信する。コマンドは、バスCLK信号を使用してバスIOライン上で伝送される。また、プライマリCSライン(CS-0)上で伝送されるプライマリCS信号はコマンド中にアクティブであると仮定する。
【0044】
プライマリCS信号に応答して、ダイ-0のCS論理46は、最初にローカルメモリ42及び全てのセカンダリダイ50(本実施形態ではダイ-1及びダイ-2)を選択する。この目的を達成するために、CS論理プライマリCS信号を有效信号として内部有効ライン上で送信し、プライマリCS信号をセカンダリCS信号としてセカンダリダイのセカンダリCSライン上で伝送する。したがって、ダイ-0のローカルメモリ42及びセカンダリダイのメモリ54は、少なくともコマンドのオペコードパラメータを受信する。したがって、プライマリダイとセカンダリダイのそれぞれは、ターゲットダイとして選択された場合、コマンドを実行する準備ができている。
【0045】
ダイ選択ステップ104において、ダイ-0のCS論理は、コマンドが送信されるターゲットダイを決定する。ダイ-0は、例えば、現在又は前のコマンド内のオペコードパラメータ及び/又はアドレスパラメータ(利用可能な場合)で伝送される情報に基づいて、ターゲットダイを決定することができる。
【0046】
ステップ104において、ダイ-0がターゲットダイとして選択された場合、上記方法は、プライマリダイ実行ステップ108に進む。さらに、ダイ-1又はダイ-2がターゲットダイとして選択された場合、上記方法は、セカンダリダイ実行ステップ112に進む。
【0047】
ステップ108において、ダイ-0は、(i)(アクティブな)プライマリCS信号を有效信号としてローカルメモリ42のローカル有効ライン上で送信する;及び(ii)全てのセカンダリダイ(本実施形態ではダイ-1及びダイ-2)のセカンダリCS信号を非アクティブ化することにより、CS論理によりコマンドを実行する。選択セカンダリダイの選択が取り消されるため、セカンダリダイはコマンドの実行を放棄する。
【0048】
ステップ112において、ダイ-0は、(i)プライマリCS信号をセカンダリCS信号としてターゲットダイのセカンダリCSライン上で送信する;(ii)その他のセカンダリダイのセカンダリCS信号を非アクティブ化する;及び(iii)ダイ-0のローカル有效信号を非アクティブ化することにより、CS論理によりターゲットダイ(本実施形態ではダイ-1又はダイ-2)にコマンドを実行させる。
【0049】
例えば、信号がローアクティブであるときに論理ORゲート(ORgate)を使用するか、又は、信号がハイアクティブであるときに論理ANDゲート(ANDgate)を使用するなど、任意の適当な方法により、有效信号又はセカンダリCS信号の非アクティブ化を行うことができる。ステップ108及びステップ112の後、方法はステップ100にループして、後続のコマンドを受信する。
【0050】
図2の方法は例として示されており、他の適当な方法を使用することもできる。例えば、コマンドがオペコードコマンド(例えば、配置コマンド)のみを含む場合、プライマリダイは、有效信号及びセカンダリCS信号を制御して、複数のメモリダイに互いに並行してコマンドを実行させることができる。
【0051】
図3を参照すると、このタイミング図は、例えば図2の方法を使用してホスト24が読み取りコマンドを実行するシステム(例えばシステム20)について説明する。
【0052】
一実施形態において、バス32はSPIを含み、上記SPIは、コマンドを記憶装置28に送信するためのIO0ライン及び記憶装置からデータを受信するためのIO1ラインを有する。図示されるように、コマンドは、最上位ビット(the Most Significantbit,MSb)で始まり最下位ビット(the Least Significant bit,LSb)で終わる、送信される8ビットのオペコードパラメータ150を有する。オペコードパラメータの後には、最上位のアドレスビット(A31)で始まり最下位のアドレスビット(A0)で終わる、送信される32ビットのアドレスパラメータ154が続く。読み取りコマンドに応答して、記憶装置は、ターゲットダイから読み取ったデータのバイト-0……バイト-mをIO1ライン経由でホストに送り返す。
【0053】
バスのプライマリCSライン(CS-0)を介してホストから送信されるプライマリCS信号158は、コマンド中にアクティブになる。図3の実施形態において、プライマリCS信号は、オペコードのMSb開始直前にアクティブになり(例えば、本実施形態ではハイレベルからローレベルに変化、メモリ装置がIO1ライン経由でm番目のデータバイトの送信を完了するまで維持される。
【0054】
図3の実施形態において、ダイ-0は、アドレスパラメータのいくつかの上位アドレスビットに基づいて、タイムインスタンス162でターゲットダイを決定すると仮定する。タイミング図は、(i)ターゲットダイがプライマリダイ-0(170)であり、且つ(ii)ターゲットダイがセカンダリダイ-2(174)である場合の有效信号及びセカンダリCS信号を示す。
【0055】
プライマリCS158信号がアクティブになると、CS論理は、まずプライマリCS信号を有效信号としてダイ-0の有効ライン上で送信し、それをセカンダリ信号としてダイ-1及びダイ-2両方のセカンダリCSライン上で送信する。これにより、全てのメモリダイがオペコードパラメータ及びアドレスパラメータの少なくとも一部を受信することができる。
【0056】
ダイ-0がターゲットダイである場合、CS論理は、プライマリCS信号を有效信号として有効ライン上で送信し続ける。また、CS論理によりセカンダリダイのセカンダリCS信号を非アクティブ化することにより、ダイ-1及びダイ-2はコマンドを放棄する。ダイ-2(例えば)がターゲットダイである場合、CS論理によりプライマリCS信号をセカンダリ信号としてダイ-2のセカンダリCSライン上で送信することにより、ダイ-2はコマンドを実行する。さらに、CS論理により、ダイ-1のセカンダリCS信号及びダイ-0の有效信号をそれぞれ非アクティブ化することにより、ダイ-1及びダイ-0はコマンドを放棄する。
【0057】
図3に示され、上述されるタイミング図は、例として引用される。代替実施形態では、その他の適当なタイミング図を使用しても良い。例えば、いくつかの実施形態において、バス幅の動作モードはクワッド(Quad)又はオクタルにすることができ、それに応じて別途のIOラインを追加することができる。この場合、クロックサイクルごとにコマンドの複数のビットを送信する。図3では、32ビットのアドレスパラメータを示しているが、24ビットのアドレスなどのその他のアドレス長を使用しても良い。別の例として、図3のタイミング図ではローアクティブCS信号を図示しているが、代替実施形態では、ハイアクティブCS信号を使用しても良い。
【0058】
記憶装置28からコマンドを受信した後、プライマリダイは、記憶装置内のどのメモリダイがコマンドを実行するかを(例えば、CS論理46を使用して)決定する。所与のコマンドを実行するために選択されたメモリダイを、本明細書では所与のコマンドの“ターゲットダイ”という。ターゲットダイは、プライマリダイ又はセカンダリダイの1つであって良い。一般に、コマンドシーケンスは、同一のメモリダイ又は2つ以上の異なるメモリダイに送信するコマンドを含んで良い。開示された実施形態において、プライマリダイ40(ダイ-0)は、各コマンドの単一のターゲットダイの選択を処理する。
【0059】
プライマリダイは、以下に説明するように、様々な方法で所与のコマンドのターゲットダイを決定することができる。一実施形態では、各メモリダイには対応するダイ識別子が事前に割り当てられ、プライマリダイは、ターゲットダイの識別子を指定する專用ダイ選択コマンドに応答して、ターゲットダイを選択する。專用コマンドは、例えば、オペコードパラメータ内又はオペコードパラメータの後の別個のパラメータ内で、ダイ識別子を指定することができる。ダイ選択コマンドは、プライマリダイによって処理されるが、セカンダリダイによりサポートされるコマンドセットの一部ではないため、セカンダリダイによって無視される。
【0060】
一実施形態において、ダイ選択コマンドに応答して、プライマリダイは、有效信号及びセカンダリCS信号を制御して、後続のコマンドがターゲットダイによって(通常はその他のダイによらずに)実行されるようにする。プライマリダイは、ターゲットダイがセカンダリダイである場合でも、その後受信したコマンドを監視し続け、別のダイ選択コマンドを受信すると、それに応じてターゲットダイを再選択する。
【0061】
読み取り、プログラミング、消去コマンドなどの一部のコマンドは、アドレスパラメータを含む。このようなコマンドの場合、プライマリダイは、アドレスパラメータに基づいてターゲットダイを決定することができる。この方法では、プライマリダイ及びセカンダリダイは、複数のアドレスサブ範囲に分割された共通のアドレス空間にマッピングされる。ここで、各メモリダイは、アドレス空間の対応するアドレスサブ範囲にマッピングされる。いくつかの実施形態において、アドレスパラメータを有するコマンドを受信した後、プライマリダイは、アドレスパラメータが属するアドレスサブ範囲を識別することにより、アドレスパラメータの少なくとも一部(例えば、アドレスの最上位(Most Significant, MS)バイト)に基づいて、ターゲットダイを決定する。上述するアドレスに基づくターゲットダイの選択は、全てのメモリダイがいずれもコマンドセット及びコマンドフォーマットを共有する記憶装置に適用することができるが、これに限定されるものではない。
【0062】
図1で上述したように、記憶装置は、例えば、同一の記憶装置内でNORとNANDフラッシュメモリ装置を混合する場合など、異なるコマンドセット、異なるコマンドフォーマット及び/又は異なるアクセスプロトコルに従う各種メモリタイプのメモリダイを含んで良い。このような実施形態において、ターゲットダイにアクセスするホストは、対応するターゲットダイによりサポートされるコマンドセットからのコマンドを使用する必要がある。代替的又は追加的に、プライマリダイは、プライマリダイとは異なるメモリタイプを有するセカンダリダイによって使用されるアクセスプロトコルをホストに提示することができる。これにより、ホストは共通のアクセスプロトコルを使用して全てのメモリダイと通信することができる。
【0063】
例えば、プライマリダイがNORフラッシュ装置であり、セカンダリダイがNANDフラッシュ装置である記憶装置28内で読み取り動作を行う場合を検討する。NORフラッシュ装置の読み取り(又は書き込み)コマンドは通常、直接アクセス用のフルアドレスパラメータ(例えば、24ビット又は32ビットメモリアドレス)を伝送する。対照的に、NANDフラッシュ装置に適用される読み取り動作は通常間接的であり、“ページロード”コマンドとそれに続く1又は複数の“ページ読み取り”コマンドを含む。ターゲットNAND装置内において、ページロードコマンドにより、メモリからターゲットNAND装置のローカル読み取りバッファ(図示せず)にページをロードする。ページは、数千バイトのデータ(例えば、4千バイト又はその他の適切なサイズ)を含んで良い。ページ読み取りコマンドは、前のページロードコマンドによりロードされたデータを読み取りバッファから読み取る。ページロードコマンドは通常、アドレスパラメータの最上位16ビット(例えば、A31……A16)のみを伝送し、ページ読み取りコマンドは通常、アドレスパラメータの下位16ビット(例えば、A15……A0)のみを伝送する。本実施形態において、ページロードコマンドで伝送されるアドレスの部分が所与のターゲットダイに割り当てられたサブ範囲内にある場合、プライマリダイは所与のターゲットダイを選択する。
【0064】
ページロードコマンドは通常、全てのセカンダリNANDダイにより実行される。NANDターゲットダイを決定した後、プライマリダイは、後続のページ読み取りコマンドがターゲットNANDダイのみにより実行され、プライマリダイ及びその他セカンダリダイによって放棄されるように、有效信号及びセカンダリCS信号を制御する。また、プライマリダイは、バス経由で受信した後続のコマンドを監視し、後続のページロードコマンドを検出した後、上述の後続のページロードコマンドで伝送されるアドレスパラメータに基づいて、ターゲットダイを再選択する。
【0065】
2つ以上のメモリダイの対応するストレージサイズが異なる場合、様々なアドレスマッピングを使用することができる。例えば、128メガビットのプライマリNORダイ及び1又は複数の1ギガビットのセカンダリNANDダイを含む記憶装置を検討する。この構造は、例えば、比較的小さなブートコードをNOR装置に記憶し、セカンダリNANDダイを使用して記憶スペース全体を拡張する場合に適している。
【0066】
このような一実施形態では、プライマリダイはセカンダリNANDダイに割り当てられたアドレスサブ範囲を超えたアドレスサブ範囲にマッピングされることができる。例えば、単一の1ギガビットのセカンダリNANDダイの場合、NANDダイはアドレスサブ範囲0000_0000h-07FF_FFFFhにマッピングされ、128メガビットのプライマリNORはアドレス範囲0800_0000h-08FF_FFFFhにマッピングされる。
【0067】
別の実施形態において、プライマリNORダイに割り当てられてられたアドレスサブ範囲とセカンダリNANDダイに割り当てられてられたアドレス範囲は重複する。例えば、128メガビットのプライマリNORダイは0000_0000h-00FF_FFFFhで指定されるアドレスサブ範囲にマッピングされ、単一の1ギガビットのセカンダリNANDダイは0100_0000h-07FF_FFFFhで指定されるアドレスサブ範囲にマッピングされる。この場合、セカンダリダイの下位128メガビットアドレスにはアクセスすることができない。
【0068】
いくつかの実施形態において、プライマリダイNORは、セカンダリダイNANDのアクセスプロトコルをホストに提示する。この目的を達成するために、プライマリダイNORは、NANDダイのページロード及びページ読み取りコマンドを実施して、NANDフラッシュを有するコントローラのホストが同一のコマンドセット及びフォーマット(少なくとも読み取り操作に用いる場合)を使用して、プライマリダイNOR及びセカンダリダイNANDにアクセスできるようにする。これらの実施形態において、プライマリダイNORのローカルメモリはホストにはNAND装置として見えるため、ホストによって実行されるソフトウェアは、モノリシック(シングルダイ)NANDフラッシュメモリ装置にアクセスするときに、記憶装置内のメモリにアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、NANDフォーマットのプライマリダイ又はセカンダリNANDダイのいずれかにアクセスする前に、ホストは、例えば記憶装置からアクセスNANDメモリにアクセスするように設計された適当なドライバをロードする必要がある。
【0069】
いくつかのコマンドは短過ぎて、プライマリダイが、アドレスパラメータに基づいて、ターゲットダイを決定するのに十分な時間を確保できない可能性がある。例えば、xSPIオクタルデュアル転送レート(Dual Transfer Rate,DTR)バスモード(“8d-8d-8d”モードともいい、コマンド、アドレス及びデータが8ビット幅のDTRとして伝送されることを意味する)で発行されるNAND装置のブロック消去コマンドは、オペコードに1つのクロックサイクルを必要とし、その後に、アドレス用の追加のクロックサイクルが続く。この場合、セカンダリダイは、プライマリダイがアドレスパラメータに基づいて、ターゲットダイを決定する前に(オペコード及びアドレスパラメータに応答して)望ましくなく消去コマンドを実行する可能性がある。いくつかの実施形態では、このような誤ったコマンドの実行を回避するために、プライマリダイは、アドレスベースのターゲット選択方法の使用を、選択されたコマンド(例えば、読み取り操作のみ)に制限し、誤った実行を引き起こす可能性のあるコマンド(消去操作やプログラミング操作など)をブロックする。
【0070】
なお、消去コマンドやプログラムコマンドとは異なり、読み取りコマンドでは、ダイはアドレスを受信した後もコマンドの処理を継続し、応答を準備して、ホストへの応答の送信を開始する。これにより、ターゲットダイ以外のダイによるコマンドの終了に十分な時間が与えられる。
【0071】
いくつかの実施形態において、記憶装置に記憶されている内容を修正するコマンド(プログラミングコマンドや消去コマンドなど)の前には、書き込みイネーブル(Write-Enable)コマンドが行われる。プライマリダイは、バス経由で受信したコマンドを監視し、ターゲットダイがセカンダリダイの1つであるときに書き込みイネーブルコマンド(又はその他の条件)を検出すると、プライマリダイは、例えば、次のシステムリセットまで、又はプライマリダイ内で実施された事前定義に応じて、セカンダリダイへのさらなるアクセスをブロックする。したがって、プライマリダイは、書き込みイネーブルコマンドで始まり、その後にプログラミング又は消去コマンドが続くコマンドシーケンスをブロックする。これは、セカンダリダイが本質的に書き込み保護されていることを意味する。したがって、セカンダリダイ自身が固有の書き込み保護メカニズムをサポートしていない場合でも、プライマリダイセカンダリダイの書き込み保護を管理する。
【0072】
いくつかの実施形態において、プライマリダイは、セカンダリダイが固有のセキュリティ機能をサポートしていない場合でも、セカンダリダイに書き込み保護(及びその他のセキュリティ特徴)を提供するために用いるセキュリティ機能をサポートする。例えば、プライマリダイは、例えば、署名(signature)、パスワード及び/又は他のユーザ認証機構によって保護されたセキュリティコマンドを実行して、セカンダリダイへのアクセスを得ることができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、プライマリダイは、複数の事前定義モードから選択されたアクセスモードをサポートする。例示的な実施形態において、プライマリダイは、(i)“スタンドアロンモード”、(ii)“制限付アクセス”モード及び(iii)“フルアクセス”モードを含む3つのアクセスモードをサポートする。一実施形態において、プライマリダイ40は、ホスト24の制御によってアクセスモードを切り替える。
【0074】
スタンドアロンモードにおいて、プライマリダイは、ローカルメモリへのアクセスのみを許可し、セカンダリダイへのアクセスをブロックする。このモードは、例えば、ホストがプライマリダイ(例えば、NORフラッシュ装置)からブートするシステムで有用である。スタンドアロンモードでは、プライマリダイはすべての受信コマンドのターゲットダイとして自身を選択する。したがって、ターゲットのダイを動作中に決定する必要がない。
【0075】
ブートプロセスが完了した後、プライマリダイを制限付アクセスモードに切り替えても良い。制限付アクセスモードでは、プライマリダイ(例えば、NOR)は、アドレスパラメータを含むいくつかのコマンドについて、セカンダリダイ(例えば、NAND)へのアクセス(例えば、読み取りアクセス)を許可する。制限付アクセスモードでは、上述のように、プライマリダイはセカンダリダイのアクセスプロトコルをホストに提示することができる。
【0076】
フルアクセスモードにおいて、プライマリダイは、サポートされているすべてのコマンドについてセカンダリダイへのアクセスを許可する。このモードは、セカンダリダイのプログラミング、消去、及び/又は構成に使用することができる。フルアクセスモードでは、プライマリダイは受信したコマンドを監視し、アクセスモードを制限付アクセスモード又はスタンドアロンモードに修正する記憶コマンドにのみ応答する。
【0077】
いくつかの実施形態において、スタンドアロンモードは、リセット後のデフォルトのアクセスモードとして機能する。このような実施形態では、リセットイベントに応答して、プライマリダイは、スタンドアロンモードでの動作を自動的に開始し、ホストがプライマリダイ(例えば、NOR)からブートできるようにする。後の適切な時点、たとえばブート完了後、ホストは、NANDダイにアクセスするためのドライバを含むファームウェア(Firmware,FW)コードを記憶装置からロードし、制限付アクセス又はフルアクセスモードに切り替える。その他の実施形態では、リセット後、制限付アクセスモード又はフルアクセスモードをデフォルトモードとして機能させても良い。この場合、リセット後、プライマリダイは制限付アクセスモード又はフルアクセスモードで動作を開始する。例えば、ホストがプライマリダイからではなくセカンダリダイからブートする場合、この実施形態は有用である。
【0078】
例示的な実施形態において、プライマリダイは、1つ又は複数のセカンダリダイと同一のパッケージ内に積層されたセキュリティ装置を含む。このような実施形態において、プライマリダイは、システムのルートオブトラスト(RoT)として機能する。記憶装置は、プライマリダイのセキュリティ機能に依存して、プライマリダイに記憶されているブートコードを記憶、保護、及び更新することができる。
【0079】
上記の実施形態は例として提供するものであり、他の適切な実施形態を使用することもできる。例えば、上記のいくつかの実施形態では、NORプライマリダイ及び1又は複数のNANDセカンダリダイを含む記憶装置について言及しているが、この構造は必須ではなく、その他の実施形態では、NOR、NAND、及び/又は他のメモリの種類の他の適切な組み合わせを使用しても良い。
【0080】
コンピュータシステム20の構成(ホスト24、記憶装置28と、プライマリダイ40、ローカルメモリ42、CS論理46などのその構成要素、及びセカンダリダイ50とそのメモリ54を含む)は、専ら概念的に明確にするためにのみ示されている構成例である。代替実施形態では、他の任意の適当なコンピュータ、ホスト、及びメモリダイ構成を使用することができる。
【0081】
記憶装置28の異なるサブユニットは、1又は複数の特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit,ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)などの適当なハードウェアを使用して実現するか、ソフトウェアを使用して実現するか、又はハードウェア要素とソフトウェア要素の組み合わせを使用し実現することができる。
【0082】
記憶装置28は、本明細書で説明される機能を実行するためにソフトウェアでプログラムされた1又は複数の汎用プロセッサを含んで良い。ソフトウェアは、例えば、ネットワーク又はホストを介してプロセッサにダウンロードされる電子形式であっても良いし、代替的又は追加的に、(例えば、磁気、光学又は電子メモリ)などの非一時的な有形媒体に提供及び/又は記憶されても良い。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明のマルチダイパッケージにおける安全な記憶方法及びシステムは、メモリ装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
20:コンピュータシステム
24:ホスト
28:集積回路/記憶装置
32:バス
40:プライマリメモリダイ
42:ローカルメモリ
46:CS論理
50:セカンダリメモリダイ
54:メモリ
100、104、108、112:ステップ
150:オペコードパラメータ
154:アドレスパラメータ
158:プライマリCS信号
162:タイムインスタンス
A0:最低アドレスビット
A31:最高アドレスビット
LSb:最下位ビット
MSb:最上位ビット
図1
図2
図3
【外国語明細書】