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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025033553
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20250306BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139333
(22)【出願日】2023-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】521419651
【氏名又は名称】株式会社ベター・プレイス
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】森本 新兒
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 由宇
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB51
5L055BB51
(57)【要約】
【課題】事業会社、及び従業員のうちの少なくとも一方に対し、企業年金制度に特有の情報を確認するのを可能にする情報処理装置を提供する。
【解決手段】サポート会社SKは、確定給付企業年金基金から委託され、法人HJの従業員JGが確定給付企業年金を利用するうえでのサポートを行う。設置された情報処理装置1は、法人HJの人事システム2から従業員情報、給与システム3から、従業員JGに定められた給与を表す給与情報をそれぞれ取得し、予め設定された複数のプランに沿ったシミュレーションを行い、その結果を配置させたシミュレーションシートを生成する。このシミュレーションシートは、プラン毎に、社会保険料、税金の各節減効果を表すものである。それにより、従業員JGは、節減効果を考慮しつつ、自身にとって適切な加入条件をより容易に検討することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業が加入可能とする企業年金への掛金額を少なくとも表す計算条件を入力する計算条件入力手段と、
前記計算条件を用いて、前記企業年金に加入する前記企業の従業員、及び前記企業のうちの少なくとも一方が、税制上、得られると予想される節減効果を表す節減効果値を算出する計算処理手段と、
前記計算処理手段により算出される前記節減効果値を出力させる処理が可能な出力処理手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記計算条件が表す前記掛金額には、前記従業員が月毎に拠出すべき月毎掛金額、及び賞与支給時に拠出すべき賞与掛金額が含まれ、
前記計算処理手段は、前記月毎掛金額、及び前記賞与掛金額を用いて、前記節減効果値を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記計算条件入力手段は、バー、及び前記バー上の位置を移動可能なスライダを含むスライダバーが1つ以上、配置された画面を表示させ、前記月毎掛金額、及び前記賞与掛金額のうちの少なくとも一方を、前記スライダの位置を移動させる操作により入力させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記計算条件入力手段は、前記スライダの位置に対応する掛金額に応じたメッセージを前記画面上に配置させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記計算条件入力手段は、前記計算条件を複数、入力可能であり、
前記計算処理手段は、複数の前記計算条件のうちの少なくとも1つで、前記企業年金への加入期間に応じた複数の積立予想額の算出を行い、
前記出力処理手段は、前記計算条件毎の前記節減効果値、及び複数の前記積立予想額を配置させた画面を出力可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記計算処理手段は、前記従業員毎に、前記従業員が前記掛金額の拠出に伴う前記税制上の等級の変化を推定し、
前記出力処理手段は、前記計算処理手段により前記等級の変化を前記従業員毎に推定した結果を視認可能に配置させた画面を出力可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記計算処理手段は、前記従業員が前記掛金額の拠出に伴って生じると予想される将来の厚生年金受給額の減少分を算出し、
前記出力処理手段は、前記計算処理手段により算出された前記減少分を出力可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記従業員の労働時間、及び前記労働時間の労働により給付される給与額を少なくとも表す給与情報を入力する給与情報入力手段と、
前記給与情報、及び前記企業年金への加入により申請された申請掛金額から、前記申請掛金額を前記給与額から除いた場合の前記従業員の時間給額を算出する時間給額算出手段と、
前記時間給額が設定金額未満となった場合、その旨を前記従業員に警告するための処理を行う警告処理手段と、を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記従業員からの融資申請を受け付ける申請受付手段と、
前記従業員の給与額を少なくとも表す給与情報を入力する給与情報入力手段と、
前記給与情報入力手段により入力された前記給与情報、及び前記企業年金への加入により申請された申請掛金額に従って掛金が納付された納付期間に基づいて、前記融資申請による前記従業員への融資の可否の判断を支援するための支援情報を生成する支援情報生成手段と、を更に備え、
前記出力処理手段は、前記支援情報を出力可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置に、
企業が加入可能とする企業年金への掛金額を少なくとも表す計算条件を入力させ、
前記計算条件を用いて、前記企業年金に加入する前記企業の従業員、及び前記企業のうちの少なくとも一方が、税制上、得られると予想される節減効果を表す節減効果値を算出させ、
前記節減効果値を出力させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本における主な企業年金は、確定給付企業年金、及び確定拠出年金の2種類の制度となっている。企業年金、例えば確定給付企業年金への従業員の加入を可能にする事業会社では、確定給付企業年金に従業員が加入することで退職給付債務が発生することになる。事業会社にとって、この退職給付債務は、キャッシュフロー、及び各種の経営指標への影響が大きい。このことから、シミュレーションにより、退職給付債務を予測することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-245106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
退職給付債務は、退職給付を受ける側の従業員にとっては債権である。そのため、退職給付債務は従業員にとっても有用な情報である。しかし、事業会社、及び従業員が確定給付企業年金を含む企業年金をより適切に利用できるようにするうえで、利用を考える企業年金制度に特有の情報も更に確認可能にすることが望ましいと考えられる。
【0005】
本発明は、事業会社、及び従業員のうちの少なくとも一方に対し、企業年金制度に特有の情報を確認するのを可能にする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の情報処理装置は、企業が加入可能とする企業年金への掛金額を少なくとも表す計算条件を入力する計算条件入力手段と、計算条件を用いて、企業年金に加入する企業の従業員、及び企業のうちの少なくとも一方が、税制上、得られると予想される節減効果を表す節減効果値を算出する計算処理手段と、計算処理手段により算出される節減効果値を出力させる処理が可能な出力処理手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、事業会社、及び従業員のうちの少なくとも一方に対し、企業年金制度に特有の情報を確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置により実現された確定給付企業年金のサービスを提供する仕組みの例を説明する図である。
図2】従業員に有用情報として提示可能な節減効果値の生成方法例を説明する図である。
図3】シミュレーションシートの例を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を接続させて構築されたネットワークシステムの構成例を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理装置上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図7】加入条件の設定を従業員に可能にさせる加入条件設定画面の例を説明する図である。
図8】加入条件設定画面上でシミュレーションの実行が指示された場合に、シミュレーション結果の提示のために生成される画面の例を説明する図である。
図9】掛金年代別集計表画面の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置により実現された確定給付企業年金のサービスを提供する仕組みの例を説明する図である。
企業年金には、確定拠出年金も存在する。しかし、ここでは、混乱を避け、理解を容易とするために、基本的に確定給付企業年金にのみ着目し、説明を行うこととする。
【0011】
確定給付企業年金基金KKは、例えば規約型の確定給付企業年金のサービス(以降「本年金サービス」と表記)を提供するために設立された法人である。本年金サービスを提供するのは、本年金サービスに加入した法人HJの従業員である。本年金サービスは、例えば利用を希望する従業員のみ利用が可能な選択制サービスである。
【0012】
なお、本年金サービスは選択制サービスでなくとも良い。つまり法人HJの従業員の利用を前提としたものであっても良い。法人HJは、本年金サービスを利用可能な従業員を雇用する企業、事業会社、及び事業主の総称として図1に示している。主な法人HJは企業である。
【0013】
確定給付企業年金基金KKは、例えば定期的に法人HJが従業員に支払う給与のうちから、申請された金額の掛金を徴収する。この掛金の徴収により、確定給付企業年金基金KKは、従業員に対し、給付金を支払う義務が生じる。給付金の支払いは、定められた規約に基づいて行われる。
【0014】
徴収された掛金は、資産としての運用が委託された資産管理運用機関SUによって運用される。確定給付企業年金基金KKは、資産管理運用機関SUから、運用されている資金のうちの一部を定めたタイミングで受け取ることができる。資産管理運用機関SUから受け取った資金は、従業員に支払うべき給付金として使うことができる。
【0015】
このような本年金サービスにおいて、サポート会社SKは、確定給付企業年金基金KKからの加入事務運営の委託により、法人HJ、及びその従業員のうちの少なくとも一方を対象とした各種対応を行う。そのために、サポート会社SKは、図1に例を示すように、本年金サービスの加入のための法人HJに対する各種情報提供、本年金サービスへの加入のための制度設計、及び従業員の加入申請等に対応するサポートを行う。サポートには、システム(例えば、後述のサーバ1が適用された情報処理システム)提供によるものが含まれる。
【0016】
即ち、図1に示すように、法人HJは、サポート会社SKにより提供されるシステム(例えば、後述のサーバ1が適用された情報処理システム)の提供を受ける。そして、法人HJは、提供されたシステムを用いて制度設計や制度加入のための操作を行うことができる。これにより、サポート会社SKにより提供されるシステムを利用して、確定給付企業年金基金KKとの各種情報の授受や、制度加入を行うことができる。そこで、図1において、法人HJから確定給付企業年金基金KKに対する制度加入の文字列には括弧が付されている。
【0017】
制度設計をサポートすることにより、法人HJは、自身に合った、或いは労使で合意した制度で本年金サービスを利用することができる。各種情報提供には、説明会の開催、及びプレゼンテーションの実施等も含まれる。それにより、法人HJだけでなく、従業員もより深く本年金サービスを理解することができる。これは、法人HJ、及び従業員ともに、本年金サービスをより適切に利用するのを可能にさせる。そのため、従業員は、より適切な加入条件で加入申請を行うことができる。加入申請がされた場合、加入申請をした従業員の従業員情報が加入条件情報とともに確定給付企業年金基金KKに通知される。
【0018】
法人HJ毎に制度設計を行うことを可能にしていることから、法人HJ、及び従業員が実際に利用可能な本年金サービスの内容は、法人HJによって異なる場合がある。このことから、以降、特に断らない場合、「本年金サービス」は、法人HJで制度設計されたものを指す意味で用いる。
【0019】
このような対応のために、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、サポート会社SKによって設置され運用される。サポート会社SKは、この情報処理装置を用いて、本年金サービスの利用を検討するうえでの有用情報を生成し、従業員、及び法人HJのうちの少なくとも一方に提示する。この有用情報の提示は、各種情報提供のうちに含まれる。
【0020】
確定給付企業年金では、税制上の優遇措置として、以下の点を挙げることができる。
・法人HJが拠出した掛金は、全額損金算入可能
・従業員JGが拠出した掛金は、生命保険料控除
・運用中は年金資産に対し毎年特別法人税課税されるが、現在は実質非課税
・給付を年金として受給した場合には公的年金等控除
・給付を一時金として受給した場合には、退職所得控除
上記のように、確定給付企業年金では、掛金の拠出により、法人HJ、及び従業員ともに、税制上の節減効果が得られる。本実施形態では、このことに着目し、確定給付企業年金制度に特有の有用情報として、そのような節減効果を表す節減効果値を提示のために生成可能とさせている。
【0021】
図2は、従業員に有用情報として提示可能な節減効果値の生成方法例を説明する図である。
ここでの節減効果値の生成は、従業員JGに対し、自身にとって適切と考える加入条件の検討の支援を想定したものである。その想定により、節減効果値の生成は、主に法人HJの担当者TSの指示によって行われる。図2中に表記の「シミュレーションシート」は、生成された節減効果値が配置される画面(例えばWebページ)の1つである。
【0022】
図2では、法人HJで働く従業員の従業員情報は、人事システム2で保存、管理され、その従業員に定期的に支払われる給与に係わる給与情報は、給与システム3で保存、管理されると想定している。そのような想定により、図2では、担当者TSが従業員JGの指定により、情報処理装置1がシミュレーションシートを生成し、生成したシミュレーションシートを担当者TSが使用する担当者端末4に送信することを示している。このシミュレーションシートは、実際には例えば画面(Webページ)である。
【0023】
図3は、シミュレーションシートの例を説明する図である。
図3に示す例のように、シミュレーションシートKSには、3つの表示エリアHA1~3が上方から配置されている。
表示エリアHA1には、プラン1~3のプラン毎に、社会保険料、及び税金の各節減効果が△、○、及び◎のうちの何れかのシンボルで示されている。それにより、表示エリアHA1では、節減効果値は3段階で表されている。この3段階評価により、従業員JGは、プラン別に、社会保険料、及び税金の各節減効果の程度を認識することができる。なお、この3段階評価は予想値である。
【0024】
表示エリアHA2では、プラン1~3の3つのプランと、掛金なし、つまり本年金サービスを利用しない場合との4つのケースで、積立額、社会保険料額、所得・住民税額、及び節減効果額がそれぞれ示されている。各プラン1~3で示された基本掛金額は、定期的に支払われる給与から拠出される掛金の額、例えば各月で拠出される掛金額(月毎掛金額)である。それにより、従業員JGは、各プランを、本年金サービスを利用しない場合と具体的な金額で比較しつつ、本年金サービスに加入すべきか否かの判断、及び加入条件の検討を行うことができる。表示エリアHA2でそれぞれ表示された各金額の全ても予想値である。
【0025】
表示エリアHA3には、プラン1を想定し、加入期間(積立期間)別の積立額の予想額を表す棒グラフが配置されている。それにより、従業員JGは、加入期間による積立額の予想額の変化を確認しつつ、本年金サービスに加入すべきか否かの判断、及び加入条件の検討を行うことができる。なお、各棒グラフに表記された利息は、想定した利回りで掛金が運用された場合を想定した予想額である。
【0026】
確定給付企業年金に拠出する掛金は、給与から除外された形となる。そのため、掛金の拠出により、納付すべき厚生年金保険料が下がることになる。納付する厚生年金保険料が下がることに伴い、将来、見込める厚生年金受給額も下がる。これは、確定給付企業年金を利用するうえでのデメリットと言える。このことから、本実施形態では、表示エリアHA3の下方に配置した表示ブロックHB1内に、将来の厚生年金受給額の予想される減少分を表示させるようにしている。この減少分の表示により、従業員JGは、厚生年金と併せ、加入条件を検討することができる。この予想される減少分は以降「受給予想減少額」と表記する。この受給予想減少額は、1年を期間として算出された金額である。
【0027】
図3に例を示すようなシミュレーションシートKSの生成のために、プランの数、及び各プランの加入条件を予め設定しても良い。基本掛金額としては、図3に示すように、例えばプラン1は、定期的に通常は支払われる給与額とは無関係に定めた固定額、例えば最小掛金額である1千円、プラン2は、給与額から算出する、社会保険料を確実に1等級、下げるのに必要な掛金額、プラン3は、拠出可能な最大の掛金額と設定しても良い。本実施形態では、プラン2、及び3の基本掛金額を自動的に決定するために、給与システム3から給与情報を情報処理装置1に取得させている。それにより、基本的に従業員JGを指定するのみで、図3に例を示すようなシミュレーションシートKSを作成できるようになっている。なお、最大の基本掛金額が5万円であることから、対象とする従業員JGの月の給与額は25万円である。
【0028】
各プランで設定される加入条件を、シミュレーションの実行のための仮想的なものである。従業員JGが検討する、或いは加入申請のために指定する加入条件等と区別するために、シミュレーションのための加入条件は以降「計算条件」と表記し区別する。
【0029】
図3に示すように、本年金サービスに加入した場合、拠出する掛金が積み立てられ、将来、給付金を受け取ることが可能になるだけでなく、従業員JGが納付すべき社会保険料、及び所得・住民税の各金額も下がり、節減効果額が発生する。このことから、節減効果値、つまり節減効果の度合いを表すシンボル、及び節減効果額等の出力は、本年金サービスを利用すべきか否かの判断だけでなく、加入条件を従業員JGが具体的に検討するのも支援する有用情報である。そのような有用情報の提示により、従業員JGは、本年金サービスを利用すべきか否かの判断をより適切に行えるようになるとともに、より適切な加入条件をより確実に決定できるようになる。
【0030】
また、受給予想減少額を出力させた場合、従業員JGは、予想される厚生年金受給額を考慮しつつ、本年金サービスを利用すべきか否かの判断が行えるようになる。節減効果値も併せて出力させた場合、従業員JGは、予想される厚生年金受給額を考慮しつつ、加入条件を具体的に検討できるようになる。このようなことから、受給予想減少額も本年金サービスをより適切に利用できるように支援する有用情報である。
【0031】
従業員JGが本年金サービスを利用することに伴い、法人HJも掛金を拠出することになる。上記のように、法人HJが拠出した掛金は、全額損金として扱うことができる。そのため、従業員JGの本年金サービスの利用は、法人HJにとっても望ましいものである。
【0032】
サポート会社SKは、上記のような有用情報の提供を通し、従業員JGに本年金サービスの最適な形での利用をより容易にする。このため、サポート会社SKは、従業員JGの本年金サービスの利用の最適化をサポートしつつ、そのサポートを通して、法人HJがより利益が得られる環境も実現させることになる。
【0033】
以降は、上記サポート会社SKによる本年金サービスの利用のサポートについて、図4図9を参照し、詳細に説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を接続させて構築されたネットワークシステムの構成例を説明する図である。図4では、この情報処理装置1は「サーバ」と表記している。以降、この情報処理装置1は「サーバ1」と表記する。
【0034】
図4に構成例を示すネットワークシステムは、確定給付企業年金基金KK、サポート会社SK、及び各法人HJをネットワーク6に接続させる、或いは接続可能にすることにより構築されたものである。サポート会社SKが管理するサーバ1は、サポート会社SK内に設置され、直接、或いは間接的にネットワーク6に接続されている。例えば確定給付企業年金基金KKもサーバを管理しており、このサーバも直接、或いは間接的にネットワーク6に接続されている。これは、各銀行GKでも同様である。確定給付企業年金基金KKと資産管理運用機関SUとは、例えば公衆回線、或いは専用の通信回線、等により、各種連絡を行うようになっている。
なお、サーバ1を含む各サーバは、管理する会社内に設置しなくとも良い。各サーバは、ネットワーク6を介した通信が可能であれば、任意の場所に設置しても良い。そのために、クラウドサービスを利用しても良い。
【0035】
1つ以上の法人HJには、人事システム2、及び給与システム3が構築され、担当者端末4、及び従業員JGが使用する従業員端末5がともに1台以上、存在する。人事システム2、給与システム3、担当者端末4、及び従業員端末5は何れも、直接、或いは間接的にネットワーク6に接続されているか、或いは接続可能となっている。
【0036】
なお、担当者端末4、及び従業員端末5は、例えば通信機能が搭載された情報処理装置である。具体的には例えばPC(Personal Computer)、タブレットPC、或いはスマートホン等である。法人HJには、サーバ1が必要な情報の取得先となる人事システム2、及び給与システム3が構築されているが、このようなシステム2、及び3は構築されていなくとも良い。これは、サーバ1が必要な情報を取得できるようになっていれば良いためである。しかし、ここでは、説明上、便宜的に、各法人HJには人事システム2、及び給与システム3がともに構築されているものと想定する。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、この構成例は一例であり、サーバ1として使用可能な情報処理装置のハードウェア構成はこれに限定されない。
サーバ1は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20、を備えている。
【0038】
CPU11は、例えばROM12に記録されているプログラム、或いは/及び記憶部18に記録されているプログラムを実行し、各種の処理を実現させる。何れのプログラムも、RAM13にロードされて実行される。記憶部18からRAM13にロードされるプログラムには、例えばOS(Operating System)、及びそのOS上で動作する各種アプリケーション・プログラムが含まれる。各種アプリケーション・プログラムには、情報処理装置をサーバ1として機能させるために開発されたものが1つ以上、含まれる。以降、この開発されたアプリケーション・プログラムは、「開発アプリケーション」と表記する。
【0039】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。そのデータには、CPU11が実行する各種プログラムで用いられるものも含まれる。
【0040】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0041】
出力部16は、例えば液晶等のディスプレイを含む構成である。出力部16は、CPU11の制御により、各種画像、或いは各種画面を表示する。出力部16は、サーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、出力部16は、必須の構成要素ではない。
【0042】
入力部17は、例えばキーボード等の各種ハードウェア釦等を含む構成のものである。その構成には、マウス等のポインティングデバイスが1つ以上、含まれていても良い。操作者は、入力部17を介して各種情報を入力することができる。この入力部17も、サーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、入力部17も、必須の構成要素ではない。なお、主な操作者は、サーバ1を管理する権限を有する管理者である。
【0043】
記憶部18は、例えばハードディスク装置、或いはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。データ量の大きいデータは、この記憶部18に記憶される。
通信部19は、例えば通信用の通信装置である。通信部19は、図4に示すように、ネットワーク6を介した他の情報処理装置との通信を可能にさせる。その情報処理装置には、担当者端末4、従業員端末5、人事システム2を構成する情報処理装置、給与システム3を構成する情報処理装置等が含まれる。
なお、通信部19は、無線、或いは有線での通信を可能にする通信装置であっても良いが、有線、及び無線の両方での通信を可能にするものであっても良い。
【0044】
ドライブ20は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリカード等のリムーバブルメディア25が着脱可能な装置である。ドライブ20は、例えば装着されたリムーバブルメディア25からの情報の読み取り、及びリムーバブルメディア25への情報の書き込みが可能である。それにより、リムーバブルメディア25に記録されたプログラムは、ドライブ20を介して、記憶部18に記憶させることができる。また、ドライブ20に装着されたリムーバブルメディア25は、記憶部18に記憶されている各種データのコピー先、或いは移動先として用いることができる。
【0045】
開発アプリケーションは、情報処理装置をサーバ1として機能させることを想定し開発されたものである。この開発アプリケーションは、リムーバブルメディア25に記録させて配布しても良い。ネットワーク6(例えばインターネット)等を介して配布可能にしても良い。このことから、開発アプリケーションを記録した記録媒体としては、ネットワーク6に直接的、若しくは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであっても良い。
【0046】
サーバ1が備えるハードウェア資源は、開発プログラムを含む各種プログラムによって制御される。その結果、情報処理装置は、法人HJの従業員JGの本年金サービスをより適切に利用できるようにサポート等をすることが可能なサーバ1として機能する。
【0047】
図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。次に図6を参照しつつ、サーバ1上に実現される機能的構成の例について詳細に説明する。
【0048】
サーバ1のCPU11上には、機能的構成として、図6に示すように、設定登録部111、加入者登録部112、認証部113、給与情報取得部114、シミュレーション条件受付部115、シミュレーション処理部116、情報提供処理部117、加入申請受付部118、時間給額確認部119、警告処理部120、融資申請受付部121、融資可否評価部122、集計処理部123、及び画面生成部124が実現される。そのCPU11は、通信部19を介して、ネットワーク6に接続された情報処理装置との間で情報(データ)の送受信を行うことができる。
【0049】
CPU11上の機能的な構成要素は、開発アプリケーションを含む各種プログラムをCPU11が実行することにより実現される。その結果として、記憶部18には、設定情報格納部181、加入者情報格納部182、給与情報格納部183、シミュレーション結果格納部184、加入申請情報格納部185、時間給額確認結果格納部186、及び融資申請情報格納部187が情報格納用に確保される。
【0050】
なお、一時的に保存しておけば良い情報は、記憶部18ではなく、RAM13に保存される場合もある。記憶部18に保存される各種情報は、RAM13に記憶された後、記憶部18に転送され保存される。ここでは、便宜的に、情報を保存するプロセスを無視するとともに、情報の保存先として記憶部18のみを想定する。
【0051】
図6では、管理者が管理者端末7を用いて、サーバ1を管理することを想定している。この管理者は、例えばサポート会社SKの従業員である。管理者端末7は、例えばネットワーク6か、或いはサポート会社SKに構築されたネットワーク、例えばLAN(Local Area Network)に接続されて用いられる。ここでは便宜的に、管理者端末7にネットワーク6に接続されていると想定する。
【0052】
設定登録部111は、管理者が各種設定、及びその内容の更新を行うのを可能にする。各種設定には、各法人HJで制度設計した内容に沿って本年金サービスへの加入申請を可能にするための制度設定、図3に例を示すようなシミュレーションシートKSの生成のための計算条件群(複数の仮想的な加入条件)、予想する運用年利、給与情報の取得タイミング等が含まれる。何れもその内容は設定情報として、設定登録部111によって記憶部18に確保された設定情報格納部181に格納される。
【0053】
給与情報には、従業員JGに支払う給与を表すものと、実際に従業員JGが働いたことで支払われる給与を表すものと、が存在する。混乱を開けるために、前者は「設定給与情報」、後者は「支払給与情報」と表記し区別する。取得タイミングが設定されるのは、支払給与情報のほうである。
【0054】
加入者登録部112は、サポート会社SKがサポートの対象とする各法人HJの各従業員JGを加入者として登録、及びその登録内容の更新をするのを可能にする。加入者の登録等を行うのは、例えば各法人HJの担当者TSである。担当者TSは、例えば従業員JG毎に、その識別情報、氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報を入力させ、加入者としての登録を要求する。従業員JGの識別情報は以降「社員ID(Identification)」と表記する。
【0055】
なお、上記のような個人情報は、図2に示すように、人事システム2からサーバ1が取得できるようになっている。そのため、実際には、担当者TSは、例えば個人情報を特定する情報、例えば社員IDを指定するだけであっても良い。また、加入者の登録、登録内容の更新は、画面生成図124に必要な画面を送付させることで可能になる。このことから、画面生成部124は、多くの各部と協同して動作する。
【0056】
加入者登録部112は、その要求を処理し、従業員JGの個人情報に法人HJの識別情報等を付加したものを加入者情報として、記憶部18に確保した加入者情報格納部182に格納する。このようにして保存される加入者情報には、例えば認証情報も含まれる。例えば法人HJの識別情報、社員ID、パスワードの入力によりログインを行わせる場合、パスワードが認証情報として加入者情報に更に含まれることになる。パスワードの設定、及び変更等については、周知の方法を用いても良いことから、詳細な説明は省略する。法人HJの識別情報は以降「法人ID」と表記する。なお、認証方法自体は特に限定されない。
【0057】
認証部113は、登録した加入者か否かを確認する認証に対応する。例えば従業員端末5からの認証画面の送信要求、及び認証画面上に入力された認証情報を含む認証要求等を処理する。送信要求には、例えば認証画面の従業員端末5への送信を画面生成部124に指示することで対応する。この画面生成部124は、画面(動的ページ)が生成可能であり、生成した画面、或いは予め用意された画面(静的ページ)の送信に対応する。
【0058】
認証要求には、例えばその要求に含まれる認証情報、つまり法人ID、社員ID、及びパスワードが一致する加入者情報が加入者情報格納部182に格納されているか否か確認することで対応する。それにより、認証情報が一致する加入者情報の存在が確認できた場合、認証要求を送信させた従業員JGは、加入者を対象にしたサービスを利用可能になる。認証情報が一致する加入者情報の存在が確認できなかった場合、認証部113は、認証要求が無効である旨を伝えるためのメッセージ、或いは画面等を画面生成部124に送信させる。なお、このような認証により、加入者として確認できた従業員JGと、その従業員JGが使用する従業員端末5との間の対応関係が特定される。そのため、加入者と確認された従業員JGは、以降、加入者を対象にしたサービスを利用することができる。
【0059】
給与情報取得部114、法人HJ毎に保存された給与情報の取得タイミングに従って、各法人HJの給与システム3から各従業員JGの支払給与情報を取得する。このようにして取得された給与情報は、記憶部18に確保された給与情報格納部183に格納される。なお、給与情報格納部183は、例えば法人HJ毎に、給与情報を格納する領域が論理的に分けられている。
【0060】
シミュレーション条件受付部115は、加入者が希望するシミュレーションを実行するのを可能にする。
シミュレーションの実行を希望する加入者は、担当者TSと、従業員JGとに大別することができる。従業員JGは、自身を想定したシミュレーションの実行を希望する。これに対し、担当者TSとは、従業員JG、つまり他人を想定したシミュレーションの実行を希望する者のことである。このような想定の相違により、ここでの加入者は、担当者TSと、従業員JGとに大別される。そのため、シミュレーション条件受付部115は、例えばシミュレーションの実行を希望する加入者が担当者TSか否か確認し、その確認結果に応じた処理を行う。
【0061】
図3に示すようなシミュレーションシートKSは、担当者TSがシミュレーションを実行させることで生成される。そのシミュレーションを実行するために必要な計算条件群は、例えば設定情報として定められている。このようなことから、例えばシミュレーション条件受付部115は、加入者が担当者TSと確認された場合、画面生成部124に指示し、従業員JG、及び計算条件群を指定可能な画面を担当者端末4に送信させる。
【0062】
そのような画面の送信により、担当者TSは、その画面上で従業員JG、及び計算条件群を指定し、シミュレーションの実行を指示する。その指示により、担当者端末4から、従業員JG、及び計算条件群の各指定結果を表す情報を含むシミュレーション実行要求がサーバ1に送信される。
【0063】
サーバ1宛てに送信された実行要求は、シミュレーション条件受付部115によって処理される。シミュレーション条件受付部115は、例えば指定された従業員JGの設定給与情報を給与情報格納部183から抽出するとともに、指定された計算条件群に対応する設定情報を設定情報格納部181から抽出する。対象となる設定給与情報が給与情報格納部183に格納されていない場合、例えば給与情報取得部114に依頼し、その設定給与情報を給与システム3から取得させる。シミュレーション条件受付部115は、このようにして取得される設定給与情報、及び設定情報をシミュレーション処理部116に渡し、渡した設定給与情報、及び設定情報を用いたシミュレーションの実行を指示する。なお、シミュレーション処理部116には、予想する運用年利を表す設定情報等も渡される。
【0064】
一方、加入者が従業員JGと確認された場合、例えばシミュレーション条件受付部115は、画面生成部124に指示し、従業員JGに計算条件を指定させるための画面を従業員端末5に送信させる。
この画面は、少なくとも月毎の掛金額(基本掛金額)を指定可能なものである。本実施形態では、定められた月に賞与を支給する法人HJでは、制度設計により、賞与からの掛金の拠出にも対応可能にさせている。賞与から拠出する掛金の金額は、以降「賞与掛金額」と表記して区別する。
【0065】
図7は、加入条件の設定を従業員に可能にさせる加入条件設定画面の例を説明する図である。この画面KIは、基本掛金額、及び賞与掛金額の両方を指定可能なものである。
加入条件設定画面KIには、図7に示すように、基本掛金額の入力用として、入力ボックスNB1、スライダバーSB1、及び表示エリアHA11が配置され、賞与掛金額の入力用として、入力ボックスNB2、及びスライダバーSB2が配置されている。また、シミュレーションの実行を指示するためのボタンBT1、及び加入申請のためのボタンBT2が配置されている。
【0066】
従業員JGは、自身にとって最適な加入条件で本年金サービスを利用しようとするのが普通である。図3を参照して説明した通り、最適な加入条件を検討するうえで、シミュレーションの実行結果は非常に有用な情報である。このことから、本実施形態では、加入申請だけでなく、従業員JGが考える加入条件でのシミュレーションの実行を指示できるようにさせている。そのようにして、従業員JGが申請を考える加入条件でのシミュレーションの実行結果を確認可能にさせ、自身にとって望ましいと考える加入条件での加入申請をより容易に従業員JGが行えるようにさせている。加入条件設定画面KIで設定可能な条件を加入条件と表記しているのは、設定された条件は加入条件である可能性もあるためである。
【0067】
各スライダバーSB1、SB2はともに、3つのバーB1~B3、及びスライダSRを備えた構成である。3つのバーB1~B3は、直線上に並ぶように配置され、スライダSRは、3つのバーB1~B3が存在する範囲内で移動可能な操作子となっている。それにより、各スライダバーSB1、SB2は、スライダSRの直線上の位置により、金額を指定(入力)させるものとなっている。各入力ボックスNB1、NB2は、スライダSRの位置に応じた金額を数値で表示するのに用いられる。
【0068】
スライダバーSB2で指定される賞与掛金額は、月当たりの拠出額である。それにより、例えば賞与が1年に2回、支給され、賞与の支給月の間隔が6ヶ月であれば、賞与の支給月に賞与掛金額の6ヶ月分が賞与から差し引かれ、各月で賞与掛金額の掛金が均等に拠出されることになる。賞与掛金額を設定可能にすることにより、従業員JGは、賞与掛金額を考慮し、基本掛金額を設定することが容易に行えるようになる。
【0069】
制度設計では、賞与からの掛金の拠出を可能にするか否かが選択される。賞与からの掛金の拠出を可能と選択した場合、賞与の支給月が選択される。そのような制度設計の結果に合わせて生成される設定情報が、設定情報格納部181に格納される。なお、賞与の各支給月、各支給月で支給される賞与によって掛金を拠出する月数、平均の掛金額等を計算条件(加入条件)として従業員JGが指定できるようにさせても良い。
【0070】
各スライダバーSB1、SB2には、3つのバーB1~B3が存在する。そのようにバーを複数に分割する形にしているのは、図3に示すように、掛金額によって社会保険料、つまり健康保険、厚生年金保険の各保険料の等級が変化するからである。そのため、本実施形態では、等級が変化しない掛金額の範囲を各バーで表すようにして、等級を考慮した掛金額の検討、及び設定を加入者がより容易に行えるようにさせている。また、スライダSRが位置するバーを他より太くさせることにより、そのスライダSRの位置に応じた等級を強調するようにさせている。
【0071】
表示エリアHA11は、そのような掛金額の検討、及び設定を行う加入者に対して伝えるべき情報を伝えるために配置したものである。この表示エリアHA11には、図7に示すように、スライダSRが位置するバーB3で指定可能な掛金額の範囲、掛金額による社会保険料の等級変化、及び加入者に伝えるメッセージ等を表すことが考えられる。このようなメッセージ、従業員JGにとって、より適切な設定を支援する。なお、表示エリアHA11に表示させる内容は、スライダバーSB1を用いた掛金額の入力、つまり掛金額の検討、及び設定がより容易に行えるように支援できるものであれば良いことから、図7に示すのは1例である。賞与掛金額との関係を考慮し、等級を1つ変化させるのに必要な掛金額の範囲、或いは掛金額の検討におけるアドバイス等を表示エリアHA11に表示させるようにしても良い。
【0072】
このようなスライダSRの位置による各バーB1~B3、及び表示メッセージの必要に応じた更新は、例えばシミュレーション条件受付部115、及び画面生成部124によって実現される。そのために、スライダSRの位置を表す位置情報は、必要に応じて随時、従業員端末5からサーバ1に送信される。
【0073】
従業員JGは、シミュレーションを実行させる場合、基本掛金額、つまり月の掛金額、及び賞与掛金額を加入条件(計算条件)として設定した後、ボタンBT1を操作すれば良い。加入申請を行う場合、ボタンBT1の代わりにボタンBT2を操作すれば良い。ボタンBT1が操作された場合、設定された加入条件を含むシミュレーション実行要求が従業員端末5からサーバ1に送信される。ボタンBT2が操作された場合、設定された加入条件を含む加入申請要求が従業員端末5からサーバ1に送信される。
【0074】
これらの要求を従業員端末5から送信させた従業員JGは、従業員端末5に割り当てられた識別情報、例えばIPアドレスから特定される。このため、シミュレーション条件受付部115は、加入条件設定画面KIの送信先となる従業員端末5から、従業員JGに対応する設定給与情報を給与情報格納部183から抽出して、加入条件設定画面KIの生成に必要な各種情報の生成等を行う。生成した各種情報を渡し、加入条件設定画面KIの生成を画面生成部124に指示することにより、従業員JGに応じた加入条件設定画面KIが従業員端末5に送信される。
【0075】
シミュレーション条件受付部115は、受信されたシミュレーション実行要求に対応する。例えばその実行要求に含まれる加入条件をシミュレーション処理部116に渡し、渡した加入条件を用いたシミュレーションの実行を指示する。このようにして、加入者が担当者TS、及び従業員JGのうちの何れかであるかにより、実行を指示可能なシミュレーションの内容が異なっている。
【0076】
図8は、加入条件設定画面上でシミュレーションの実行が指示された場合に、シミュレーション結果の提示のために生成される画面の例を説明する図である。この画面SGは以降「シミュレーション結果表示画面SG」と表記する。
シミュレーション結果表示画面SGには、図8に示すように、2つの表示エリアHA21、HA22が存在する。
【0077】
表示エリアHA21は、シミュレーション結果として、年間の積立額、社会保険料の節減額、所得・住民税の節減額、及び節減額の合計額を数値で表すために配置されたものである。表示エリアHA22は、積立期間による積立額の変化を棒グラフにより表すために配置されたものである。
【0078】
このようなシミュレーション結果表示画面SGが提示されることにより、従業員JGは、自身が設定した加入条件が適切か否かをより容易に検討することができる。それにより、従業員JGは、様々な加入条件でシミュレーションを繰り返し実行させ、シミュレーションを実行させた加入条件のうちから自身にとって最適と考える加入条件を選択するようなこともできる。
【0079】
シミュレーション処理部116は、シミュレーション条件受付部115から渡された計算条件を用いたシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果を記憶部18に確保されたシミュレーション結果格納部184に格納する。
シミュレーションは、例えばシミュレーション用の計算式を少なくとも1つ生成して行われる。少なくとも生成される1つの計算式は、例えば積立額を計算するための計算式である。このような計算式を生成させることにより、賞与支給により掛金を拠出するか否かに対応させることができる。
【0080】
シミュレーションに用いられる計算式には、他に、社会保険料の計算用、所得・住民税の計算用、及び受給予想減少額の計算用、等もある。テーブルとしては、掛金の拠出による等級の変化の特定用のものがある。この特定用のテーブルは、例えば月単位の給与額の範囲と、その給与額の範囲に対応する等級との対応関係を少なくとも確認可能なものである。このような計算式群、及びテーブルを用いたシミュレーションにより、図3に例を示すようなシミュレーションシートKS、或いは図8に例を示すようなシミュレーション結果表示画面SGの生成のために必要な情報を用意することができる。
【0081】
なお、掛金額は途中での変更も可能となっている。また、法人HJによっては、転籍等に伴う移換が可能である。実際のシミュレーションでは、このようなことにも対応する必要がある。そのため、シミュレーション結果は、法人HJの制度設計結果により可能となる従業員JGの利用の仕方等に大きく依存する部分がある。ここでは、混乱を避けるため、便宜的に、移換等を伴う利用を従業員JGは行わないものと想定する。図3に例を示すシミュレーションシートKSは、その想定により生成されたものである。
【0082】
シミュレーションシートKS、及びシミュレーション結果表示画面SGの送信は、情報提供処理部117によって実現される。
シミュレーション処理部116は、例えばシミュレーション結果を格納した後、情報提供処理部117に対し、シミュレーション結果の格納場所、及び画面の種類を指定しての画面生成を指示する。その指示により、情報提供処理部117は、指定した格納場所に格納されているシミュレーション結果を画面子絵西部124に渡し、指定された画面の生成を指示する。この結果、画面生成部124によりシミュレーションシートKS、或いはシミュレーション結果表示画面SGが生成され、担当者端末4、或いは従業員端末5に送信される。
【0083】
情報提供処理部117は、担当者端末4、或いは従業員端末5から情報提示のための各種要求の処理も行う。各種要求には、シミュレーション結果を閲覧するためのものも複数、含まれる。
シミュレーションシートKS、及びシミュレーション結果表示画面SGは何れも、その表示要求により、再度、表示させることが可能である。また、表示対象とするシミュレーション結果、及び画面の種類を指定しての表示要求も送信可能となっている。この表示要求は、例えば表示対象とするシミュレーション結果、及び画面の種類を含む各種指定が可能な画面上での操作により可能となっている。ここでは、その画面についてのより詳細な説明は省略する。この画面は以降「表示対象指定画面」と表記する。
【0084】
図9は、掛金年代別集計表画面の例を説明する図である。
この集計表画面は、例えば表示対象指定画面上で全ての従業員JG、全ての年代、年代別表示、及び掛金額別表示等を指定し、表示を指示した場合に表示される画面である。表示させるのが可能なのは、担当者TSである。図9に示すように、この集計表画面には、全体の集計結果の表示用の表示エリアHA31、及び年代別、掛金別の集計結果の表示用の表示エリアHA32が配置されている。表示エリアHA32は、年代別、掛金別の集計結果を表す掛金年代別集計表となっている。
【0085】
そのような指定を行った後、表示を指示した場合、担当者端末4から、指定結果を含む表示要求がサーバ1に送信される。その表示要求を情報提供処理部117が処理することにより、この集計表画面が生成され、担当者端末4に送信される。
図7に示すような加入条件設定画面KI上で指定された月毎の掛金額、及び賞与の掛金額を指定し、ボタンBT2を従業員JGが操作した場合、記憶部18に確保された加入申請情報格納部185には、それらの掛金額を表す加入申請情報が格納される。この加入申請情報は、それらの掛金額の他に、申請年月日、法人ID、及び社員IDを含む情報群である。
【0086】
情報提供処理部117は、例えば表示要求を受信した担当者端末4から、対象とする法人HJを特定する。その特定後、情報提供処理部117は、特定した法人HJに対応する法人IDを含む加入申請情報を加入申請情報格納部185から抽出する。同様に、設定給与情報を給与情報格納部183から、加入者情報を加入者情報格納部182から、それぞれ抽出する。
【0087】
抽出した加入申請情報、及び設定給与情報は、シミュレーション処理部116に渡され、シミュレーションの実行が指示される。このシミュレーションの実行指示は、従業員JG毎に、節減額、及び等級の変化を確認するためのものである。情報提供処理部117は、シミュレーション処理部116から渡されるシミュレーション結果を、抽出した加入申請情報、及び加入者情報は集計処理部123とともに渡し、集計を指示する。
【0088】
集計処理部123は、渡された加入申請情報、及び加入者情報から、従業員JG毎に、その従業員JGが指定中の掛金額、及び年代を確認し、その確認結果を掛金額別、及び年代別に集計(計数)する。また、各集計結果は掛金額別、及び年代別にそれぞれ累算して合計値を算出する。このような集計、及び合計値の算出により、表示エリアHA32に表示させる情報が生成される。なお、本実施形態では、図9に示すように、1万円単位で集計しているが、集計の単位とする金額の範囲は、特に限定されない。
【0089】
一方、集計処理部123は、渡された加入申請情報から、平均掛金額を算出し、渡されたシミュレーション結果から、1人当たりの節減額、及び法人HJの年間社会保険料節減額(図9中「会社の年間社保節減額」と表記)を算出する。また、シミュレーション結果から、下がった等級毎に、従業員数を計数する。そのようにして、表示エリアHA31に表示される情報が生成される。
【0090】
このようにして生成される情報は、最終的に画面生成部124に渡される。この結果、画面生成部124は、図9に示すような掛金年代別集計表画面KNを生成し、生成した集計表画面を担当者端末4に送信させる。それにより、担当者TSは、担当者端末4によって表示される掛金年代別集計表画面KNから、各従業員JGが指定した掛金額の傾向、或いは年代別の掛金額の傾向等を確認することができる。また、等級を尺度にした場合の各従業員JGが指定した掛金額の傾向、及び節減額の傾向についても確認することができる。
【0091】
表示対象指定画面では、掛金年代別集計表画面KN以外の画面の表示も指定可能である。例えば従業員JG毎に、氏名、掛金額、節税額、等級の変化等の情報をリストとして配置した画面(以降「加入者リスト画面」と表記)の表示も指示可能である。このリスト画面は、例えば加入者別の表示、全等級の変化、表示順、等を指定することにより、表示させることができる。このリスト画面では、例えばシミュレーション結果を情報提供処理部117から画面生成部124に渡し、生成を指示するようにしても良い。表示エリアHA31と同様の情報も併せて表示させる場合、集計処理部123に加入申請情報、及びシミュレーション結果を渡し、集計を行わせれば良い。このようなこともあり、指定可能にさせる項目、その数、及び組み合わせ等は、特に限定されない。
【0092】
図7に示すような加入条件設定画面KI上で指定された月毎の掛金額、及び賞与の掛金額を指定し、ボタンBT2を従業員JGが操作した場合、従業員端末5は、それらの掛金額を表す情報を含む加入申請要求をサーバ1に送信する。この加入申請要求は、加入申請受付部118によって処理される。
【0093】
加入申請受付部118は、例えばそれらの金額に、申請年月日として現在年月日、法人ID、社員ID、及び承認の有無を付加した情報群を加入申請情報として、加入申請情報格納部185に格納する。
加入申請では、サポート会社SKの承認を必要とさせている。これは、指定された加入条件が従業員JGにとって適切か否かをサポート会社SK側でも確認するようにして、明らかに入力ミスと考えられる加入条件、及び不適切な内容の加入条件での加入申請に対応できるようにする等のためである。
【0094】
そのために、加入申請受付部118は、サポート会社SKで承認を行う立場にある担当者に、加入申請要求により申請された加入申請の承認を行わせるための処理も行う。より具体的には、加入条件の他に、従業員JGの加入者情報(の一部)、及び設定給与情報の提示を要求に応じて行い、承認の有無を入力させる。それにより、最終的には、承認の有無が「有」となっている加入申請情報のみが加入申請情報格納部185に格納され、確定給付企業年金基金KKに送信される。各種情報の提示、承認の有無の入力等は、それぞれ画面生成部124が送信する画面によって実現される。
【0095】
法人HJは、各従業員JGに対し、最低賃金以上の報酬を支払わなければならない。時間給額確認部119は、従業員JG毎に、支払給与情報を参照して、掛金額を除外した場合の時間給額を算出し、算出した時間給額が最低賃金以上か否かを確認する。その確認のために、時間給額確認部119は、例えば給与情報取得部114が支払給与情報を取得した後に起動させても良い。なお、最低賃金は、法人HJの所在地で定められたものである。
【0096】
法人HJのうちには、定時、つまり規則で定められた従業員JGが働くべき時間が存在するものもある。そのような法人HJの支払給与情報では、労働時間は、定時時間内のものと、定時時間外、つまり残業時間分のものと、に分けて表される。給与額も、定時時間内のものと、定時時間外のものとに分けて表される。このような支払給与情報を想定した場合、算出する時間給額は、例えば定時時間内における1時間当たりの時間給額である。このような時間給額は、定時時間の給与額を第1給与額、残業時間を定時時間の時間給額で働いて得られる給与額を第2給与額、とする場合、例えば以下のようにして算出することが考えられる。
時間給額 = (第1給与額+第2給与額-月毎の掛金額)
/(定時時間内労働時間+定時時間外労働時間)
これは1例であり、時間給額は、法人HJが定めた労働規約に沿って算出する必要がある。
【0097】
この確認結果は、記憶部18に確保された時間給額確認結果格納部186に時間給額確認部119によって格納される。確認結果は、例えば法人ID、社員ID、確認年月日、時間給額、最低賃金、及び対比結果(確認結果)等と組み合わされた情報群として格納される。
なお、時間給額と対比する対象は、最低賃金に限定されない。最低賃金以上の任意に設定可能な賃金としても良い。この賃金は、従業員JGが任意に設定可能としても良い。このことから、対比する賃金は、最低賃金に限定されない。
【0098】
警告処理部120は、時間給額が最低賃金未満を表す対比結果となっている従業員JGが新たに確認できた場合に、例えばその従業員JG、及び担当者TSに対して、最低賃金未満の給与であることを警告するための処理を行う。その警告は、例えば、従業員JG、及び担当者TSのそれぞれに宛ててメールを送信させることで行っても良く、ログイン時に、或いはログイン以降に、その旨を通知するためのメッセージを表示させることで行っても良い。その警告の仕方は、特には限定されない。
【0099】
何れの方法を採用したとしても、従業員JG、及び担当者TSは、その従業員JGにとって十分な給与が支払われなかったことをより早く確認できるようになる。そのため、従業員JGにとっては、加入条件、つまり掛金額の変更等の必要な対応もより早く、且つより確実に行えるようになる。担当者TSにとっては、従業員JGに対し、状況確認、その状況確認の結果に応じた対応等をより早く、且つより確実に行えるようになる。
【0100】
掛金額の設定は、結果的に、時間給額が最低賃金未満とならない範囲内で行う必要がある。このことから、時間給額確認部119は、例えば加入申請受付部118の指示により、設定給与情報を参照しての時間給額の算出を行い、算出した時間給額が最低賃金以上となっているか否かの確認を行うのが可能となっている。その確認結果を提示することにより、サポート会社SK側(の担当者)は、明らかに入力ミスがある、或いは不適切な内容の加入条件をより容易、且つより確実に特定することができる。この結果、従業員JGにとって、時間給額が最低賃金未満となるような加入条件での加入は事実上、不可能となっている。なお、時間給額確認部119による確認は、加入申請に応じて自動的に行わせ、加入条件が不適切な内容とする加入申請に対して加入条件の再設定を自動的に求めるようにしても良い。
【0101】
従業員JGにとって加入、つまり本年金サービスの利用は、掛金額を積み立てることから、資産形成を行う形となる。また、随時、取得する支払給与情報は、従業員JGの支払能力を評価するうえで有用な情報である。このようなことから、つまり支払能力の評価が適切に行える環境が実現されていることから、本実施形態では、従業員JGからの融資申請に対応可能とさせている。実際の融資の実行は、銀行GKとの連携により行うようにしている。図4に銀行GKを示しているのは、このためである。
【0102】
融資申請受付部121は、融資申請の受け付けを含め対応する。従業員端末5等からの表示要求による融資申請用の画面の送付、その画面上で入力された融資希望額等の入力情報を含む融資申請要求の処理、等に対応する。何れの画面の送付も、実際には画面生成部124により行われる。なお、その画面上で入力される入力情報としては、融資希望額の他に、例えば住宅ローン、或いは賃料の月毎の支払額、他の借金の有無、借金額等がある。
【0103】
融資申請受付部121は、融資申請要求が受信された場合、例えば入力情報の他に、法人ID、社員ID、及び現在年月日、融資可否、融資可否評価等を含む情報群を融資申請情報として、記憶部18に確保された融資申請情報格納部187に格納する。このとき、例えば融資可否、融資可否評価は何れもNULLである。
【0104】
融資申請受付部121は、例えば設定給与情報、及び直近の数ヶ月分の支払給与情報を給与情報格納部183から抽出する。その抽出後、融資申請受付部121は、抽出したこれらの給与情報を入力情報とともに融資可否評価部122に渡し、融資希望額の融資を実行するうえでの従業員JGの適格性の評価を指示する。
【0105】
融資可否評価部122は、例えば各入力情報、設定給与情報、及び数ヶ月分の支払給与情報を入力として、従業員JGの適格性を多段階の数値で評価するものである。その評価結果は、融資申請受付部121に渡される。それにより、融資申請受付部121は、渡された評価結果を融資可否評価の情報として上書きすることにより、融資申請情報格納部187に格納された融資申請情報を更新する。
【0106】
融資申請も加入申請と同様に、融資の実行可否の判断は、サポート会社SKでその判断をする立場にある担当者が行うようになっている。このため、融資申請受付部121は、例えば融資可否評価の更新後、その担当者に、融資可否の判断を行わせるための処理を行う。例えば、融資申請情報の他に、従業員JGの設定給与情報、及び支払給与情報の提示を要求に応じて行い、融資の実行可否を入力させる。その入力結果により、融資申請情報格納部187に格納された融資申請情報格納部187が更新される。各種情報の提示、融資の実行可否の入力等は、それぞれ画面生成部124が送信する画像によって実現される。
【0107】
融資の実行可否で「可」と入力された場合、従業員JGへの融資が実行される。この融資の実行は、例えば従業員JGが給与の入金に用いている銀行口座への入金により行われる。そのために、サポート会社SKは、金額、及び銀行口座を指定して、銀行GKに入金を依頼する。このような入金についてのより詳細な説明は省略する。
【0108】
上述したような機能構成において、シミュレーション条件受付部115、及び画面生成部124は、本実施形態における計算条件入力手段に相当する。シミュレーション処理部116は、本実施形態における計算処理手段に相当する。情報提供処理部117、集計処理部123、及び画面生成部124は、本実施形態における出力処理手段に相当する。給与情報取得部114は、本実施形態における給与情報入力手段に相当する。時間給額確認部119は、本実施形態における時間給額算出手段に相当する。警告処理部120は、本実施形態における警告処理手段に相当する。融資申請受付部121は、本実施形態における申請受付手段に相当する。融資可否評価部122は、本実施形態における支援情報生成部に相当し、その評価結果が支援情報に相当する。
【0109】
なお、本実施形態では、確定給付企業年金の運用形態は基金型であることから、サポート会社SKによるサービス提供用となっている。しかし、確定給付企業年金の運用形態は、規約型であっても良い。これは、規約型の確定給付企業年金であっても、従業員JGは確定給付企業年金をより自分に合った形で利用できるように支援できるからである。そのため、確定給付企業年金の運用形態は特に限定されない。本実施形態で実現される機能のうちで必要なものを制度設計の結果に応じて採用しても良い。
【0110】
確定拠出年金では、税制上の優遇措置として、以下の点を挙げることができる。
・法人HJが拠出した掛金は、全額損金算入可能
・従業員JGが拠出した掛金は、小規模企業共済等掛金控除
・運用で得た配当金、及び売却益等は全額非課税
・運用中は年金資産に対し毎年特別法人税課税されるが、現在は実質非課税
・給付を年金として受給した場合には公的年金等控除
・給付を一時金として受給した場合には、退職所得控除
上記のように、確定拠出年金でも、掛金の拠出により、法人HJ、及び従業員ともに、税制上の節減効果を得ることが可能である。このことから、対象とする企業年金は、確定拠出年金としても良く、その両方としても良い。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理装置(サーバ)、2 人事システム、3 給与システム、4 担当者端末、5 従業員端末、6 ネットワーク、7 管理者端末、11 CPU、18 記憶部、19 通信部、111 設定登録部、112 加入者登録部、113 認証部、114 給与情報取得部、115 シミュレーション条件受付部、116 シミュレーション処理部、117 情報提供処理部、118 加入申請受付部、119 時間給額確認部、120 警告処理部、121 融資申請受付部、122 融資可否評価部、123 集計処理部、124 画面生成部、181 設定情報格納部、182 加入者情報格納部、183 給与情報格納部、184 シミュレーション結果格納部、185 加入申請情報格納部、186 時間給額確認結果格納部、187 融資申請情報格納部187、GK 銀行、HJ 法人、KK 確定給付企業年金基金、SK サポート会社。
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