(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003370
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ステンシルプリンタの自動調整可能Hタワー支持体ブロックシステム
(51)【国際特許分類】
B41F 15/22 20060101AFI20241226BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20241226BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B41F15/22 B
B41F15/08 303E
H05K3/34 505D
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024097128
(22)【出願日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】18/212,849
(32)【優先日】2023-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エー.ロージーウィッツ
(72)【発明者】
【氏名】パッツィー エー.マッテロ
【テーマコード(参考)】
2C035
5E319
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA22
2C035FA26
2C035FD01
5E319AA03
5E319AC01
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD04
5E319CD06
5E319CD29
5E319CD35
5E319GG09
5E319GG15
(57)【要約】
【課題】粘性材料を電子基板上に堆積させるための装置、調整可能支持体を装置のワークテーブル上に解放可能に固定する方法、及び、ステンシルプリンタのための基板支持アセンブリの提供。
【解決手段】装置は、フレームと、フレームに結合され、電子基板上に材料を堆積させるように構成されたユニットと、フレームに結合された基板支持アセンブリとを備える。基板支持アセンブリは、電子基板を支持するように構成され、ワークテーブルと、ワークテーブルに固定されかつワークテーブルの第1の縁部から第2の縁部まで延在する固定支持体とを備える。基板アセンブリは、ワークテーブルに解放可能に固定されかつ第1の縁部から第2の縁部まで延在しかつ固定支持体から離隔する調整可能支持体を更に備える。基板アセンブリは、ワークテーブル上の適所に調整可能支持体を解放可能に固定するように構成された少なくとも1つのガイド機構を更に備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性材料を電子基板上に堆積させるための装置であって、
フレームと、
前記フレームに結合されたユニットであって、前記電子基板上に材料を堆積させるように構成されたユニットと、
前記フレームに結合された基板支持アセンブリであって、前記電子基板を支持するように構成され、
ワークテーブルと、
前記ワークテーブルに固定された固定支持体であって、前記ワークテーブルの第1の縁部から前記ワークテーブルの第2の縁部まで延在する固定支持体と、
前記ワークテーブルに解放可能に固定された調整可能支持体であって、前記第1の縁部から前記第2の縁部まで延在しかつ前記固定支持体から離隔する調整可能支持体と、
前記調整可能支持体を前記ワークテーブル上の適所に解放可能に固定するように構成された少なくとも1つのガイド機構と、
を含む基板支持アセンブリと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガイド機構は、前記ワークテーブルのサイドレールに沿って直線的に移動するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガイド機構は、前記サイドレールに沿って跨るように構成された第1の脚部を有するU字形本体を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガイド機構は、前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するように構成されたクランプガイドアセンブリを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンロッドを含む空気圧シリンダアセンブリと、を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルにクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間を移動するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記ピストンロッドを前記調整可能支持体から結合解除するために前記後退位置から動力供給を停止するように更に構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記空気圧シリンダアセンブリは、前記ピストンロッドを前記伸長位置に付勢する圧縮ばねを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記ワークテーブルの前記第1の縁部は第1のサイドレールを含み、前記ワークテーブルの前記第2の縁部は第2のサイドレールを含み、
前記少なくとも1つのガイド機構は、前記ワークテーブルの前記第1のサイドレールに沿って直線的に移動するように構成された第1のガイド機構と、前記ワークテーブルの前記第2のサイドレールに沿って直線的に移動するように構成された第2のガイド機構と、を含み、前記第1のガイド機構及び前記第2のガイド機構は、前記調整可能支持体の互いに対向する端部を適所に解放可能に固定するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のガイド機構及び前記第2のガイド機構のそれぞれは、前記サイドレールに沿って跨るように構成された第1の脚部を有するU字形本体を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のガイド機構及び前記第2のガイド機構のそれぞれは、前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するように構成されたクランプガイドアセンブリを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンロッドを含む空気圧シリンダアセンブリと、を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルにクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間を移動するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記ピストンロッドを前記調整可能支持体から結合解除するために前記後退位置から動力供給を停止するように更に構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記空気圧シリンダアセンブリは、前記ピストンロッドを前記伸長位置に付勢する圧縮ばねを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのガイド機構の動作を制御するように構成されたコントローラを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
調整可能支持体を装置のワークテーブル上に解放可能に固定する方法であって、
前記ワークテーブルの第1の縁部から前記ワークテーブルの第2の縁部まで延在する固定支持体を、前記ワークテーブル上に位置決めすることと、
前記第1の縁部から前記第2の縁部まで延在しかつ前記固定支持体から離隔する調整可能支持体を、前記ワークテーブル上に位置決めすることと、
前記調整可能支持体を少なくとも1つのガイド機構によって前記ワークテーブルに解放可能に固定することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのガイド機構を前記ワークテーブルのサイドレールに沿って直線的に移動させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するために前記少なくとも1つのガイド機構のクランプガイドアセンブリを使用することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンロッドを含む空気圧シリンダアセンブリと、を含み、
前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルにクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間を移動するように構成される、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ステンシルプリンタのための基板支持アセンブリであって、
ワークテーブルと、
前記ワークテーブルに固定された固定支持体であって、前記ワークテーブルの第1の縁部から前記ワークテーブルの第2の縁部まで延在する固定支持体と、
前記ワークテーブルに解放可能に固定された調整可能支持体であって、前記第1の縁部から前記第2の縁部まで延在しかつ前記固定支持体から離隔する調整可能支持体と、
前記調整可能支持体を前記ワークテーブル上の適所に解放可能に固定するように構成された少なくとも1つのガイド機構であって、前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するように構成されたクランプガイドアセンブリを含み、前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンロッドを有する空気圧シリンダアセンブリと、を含む、少なくとも1つのガイド機構と、
を備え、
前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルにクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間を移動するように構成され、
前記ピストンロッドが前記後退位置にあるとき、動力損失の結果、前記空気圧シリンダアセンブリは、前記調整可能支持体が前記ステンシルプリンタ内で位置を失わないことを確実にするために、前記後退位置にロックされるように構成される、
基板支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の背景
1.発明の分野
本出願は、概して、電子基板、例えばプリント回路基板(PCB)上に粘性材料、例えばはんだペーストを印刷するステンシルプリンタ及び関連する方法に関し、より具体的には、印刷動作中に電子基板を支持するために使用される高さ調整可能支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
表面実装プリント回路基板を製造する際に、ステンシルプリンタを用いて、回路基板上にはんだペーストを印刷することができる。通常、その上にはんだペーストが堆積されることになる、パッド又は何らかの他の導電性表面のパターンを有する回路基板がステンシルプリンタの中に自動的に送り込まれ、回路基板上にはんだペーストを印刷する前に、回路基板上の1つ以上の小穴又はマーク(「フィデューシャル(fiducials:基準部)」として知られる)を用いて、回路基板をステンシルプリンタのステンシル又はスクリーンと適切に位置合わせする。いくつかのシステムでは、撮像又は視覚システムを具現する光学位置合わせシステムを用いて、回路基板をステンシルと位置合わせする。
【0003】
上記プリンタにおいて、回路基板がステンシルと適切に位置合わせされると、回路基板はステンシルまで上昇されて、はんだペーストがステンシルに吐出される。ワイパブレード(すなわちスクイージ)がステンシルを横断して、ステンシルの孔を通して回路基板にはんだペーストを押し出す。スクイージがステンシルを横切るように移動する際、はんだペーストはブレードの前方において伸び広がる傾向がある。これにより、望ましくははんだペーストの混合及び剪断が生じ、スクリーンすなわちステンシルの孔を満たすのを容易にするのに所望の粘度が得られる。はんだペーストは、通常、標準的なカートリッジからステンシルに吐出される。その後、ステンシルは回路基板から切り離され、回路基板とはんだペーストとの間の接着によって、材料の大部分が回路基板上に留まる。ステンシルの表面上に残される材料は、更なる回路基板が印刷される前に、洗浄プロセスにおいて除去される。
【0004】
回路基板を印刷する際の別のプロセスは、はんだペーストが回路基板の表面上に堆積された後に、回路基板を検査することを伴う。回路基板を検査することは、清浄な電気的接続を形成できると判断するのに重要である。はんだペーストが多すぎると短絡が生じる可能性があり、一方、適切な位置においてはんだペーストが少なすぎると、電気的接触が妨げられる可能性がある。一般に、撮像検査システムを更に利用して、回路基板上のはんだペーストの2次元又は3次元の検査を提供する。
【0005】
多くの場合、電子基板の下面にわたって電子基板を均一に支持することで上面の全体がステンシルと同一平面上にある平面に沿うことが望ましい。上側に同一平面の支持面を有する支持体ブロックを使用して基板支持体又はテーブルの上で電子基板を支持することが知られている。
【発明の概要】
【0006】
開示の概要
本開示の1つの態様は、粘性材料を電子基板上に堆積させる装置に関する。1つの実施の形態において、本装置は、フレームと、前記フレームに結合され、前記電子基板上に材料を堆積させるように構成されたユニットと、前記フレームに結合された基板支持アセンブリとを備える。前記基板支持アセンブリは、前記電子基板を支持するように構成される。前記基板支持アセンブリは、ワークテーブルと、前記ワークテーブルに固定された固定支持体とを備える。前記固定支持体は、前記ワークテーブルの第1の縁部から前記ワークテーブルの第2の縁部まで延在する。前記基板アセンブリは、前記ワークテーブルに解放可能に固定された調整可能支持体を更に備える。前記調整可能支持体は、前記第1の縁部から前記第2の縁部まで延在し、前記固定支持体から離隔する。前記基板アセンブリは、前記ワークテーブル上の適所に前記調整可能支持体を解放可能に固定するように構成された少なくとも1つのガイド機構を更に備える。
【0007】
本装置の実施の形態は、前記少なくとも1つのガイド機構を、前記ワークテーブルのサイドレールに沿って直線的に移動するように構成することを更に含むことができる。前記少なくとも1つのガイド機構は、前記サイドレールに沿って跨るように構成された第1の脚部を有するU字形本体を備えることができる。前記少なくとも1つのガイド機構は、前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するように構成されたクランプガイドアセンブリを備えることができる。前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンを備える空気圧シリンダアセンブリとを備えることができる。前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルにクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間で移動するように構成することができる。前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記ピストンロッドを前記調整可能支持体から結合解除するために前記後退位置から動力供給を停止するように更に構成することができる。前記空気圧シリンダアセンブリは、前記ピストンロッドを前記伸長位置に付勢する圧縮ばねを備えることができる。前記ワークテーブルの前記第1の縁部は第1のサイドレールを備えることができ、前記ワークテーブルの前記第2の縁部は第2のサイドレールを備えることができる。前記少なくとも1つのガイド機構は、前記ワークテーブルの前記第1のサイドレールに沿って直線的に移動するように構成された第1のガイド機構と、前記ワークテーブルの前記第2のサイドレールに沿って直線的に移動するように構成された第2のガイド機構とを含むことができる。前記第1のガイド機構及び前記第2のガイド機構は、前記調整可能支持体の反対の端部を適所に解放可能に固定するように構成することができる。前記第1のガイド機構及び前記第2のガイド機構のそれぞれは、前記サイドレールに沿って跨るように構成された第1の脚部を有するU字形本体を備えることができる。前記第1のガイド機構及び前記第2のガイド機構のそれぞれは、前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するように構成されたクランプガイドアセンブリを備えることができる。前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンロッドを備える空気圧シリンダアセンブリとを備えることができる。前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルにクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間で移動するように構成することができる。前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記ピストンロッドを前記調整可能支持体から結合解除するために前記後退位置から動力供給を停止するように更に構成することができる。前記空気圧シリンダアセンブリは、前記ピストンロッドを前記伸長位置に付勢する圧縮ばねを備えることができる。本装置は、前記少なくとも1つのガイド機構の動作を制御するように構成されたコントローラを更に備えることができる。
【0008】
本開示の別の態様は、調整可能支持体を装置のワークテーブル上に解放可能に固定する方法に関する。1つの実施の形態において、本方法は、固定支持体を前記ワークテーブル上に位置決めすることであって、前記固定支持体は、前記ワークテーブルの第1の縁部から前記ワークテーブルの第2の縁部まで延在することと、調整可能支持体を前記ワークテーブル上に位置決めすることであって、前記調整可能支持体は、前記第1の縁部から前記第2の縁部まで延在し、前記固定支持体から離隔することと、少なくとも1つのガイド機構によって前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定することとを含む。
【0009】
本方法の実施の形態は、前記少なくとも1つのガイド機構を前記ワークテーブルのサイドレールに沿って直線的に移動させることを更に含むことができる。本方法は、前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するために前記少なくとも1つのガイド機構のクランプガイドアセンブリを使用することを更に含むことができる。前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンを備える空気圧シリンダアセンブリとを備えることができる。前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルにクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間で移動するように構成することができる。
【0010】
本開示の更に別の態様は、ステンシルプリンタの基板支持アセンブリに関する。1つの実施の形態において、前記基板支持アセンブリは、ワークテーブルと、ワークテーブルに固定された固定支持体とを備える。前記固定支持体は、前記ワークテーブルの第1の縁部から前記ワークテーブルの第2の縁部まで延在する。前記基板支持アセンブリは、前記ワークテーブルに解放可能に固定された調整可能支持体を更に備える。前記調整可能支持体は、前記第1の縁部から前記第2の縁部まで延在し、前記固定支持体から離隔する。前記基板支持アセンブリは、前記ワークテーブル上の適所に前記調整可能支持体を解放可能に固定するように構成された少なくとも1つのガイド機構を更に備える。前記少なくとも1つのガイド機構は、前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに解放可能に固定するように構成されたクランプガイドアセンブリを備えることができる。前記クランプガイドアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジング内で伸長及び後退するように構成されたピストンを有する空気圧シリンダアセンブリとを備えることができる。前記空気圧シリンダアセンブリの前記ピストンロッドは、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルに対してクランプする後退位置と、前記クランプガイドアセンブリが前記調整可能支持体を前記ワークテーブルから離昇させる伸長位置との間で移動するように構成される。前記ピストンロッドが前記後退位置にあるとき、動力損失が生じると、前記空気圧シリンダアセンブリは、調整可能位置タワーが前記ステンシルプリンタ内で位置を失わないことを確実にするために前記後退位置にロックされるように構成される。
【0011】
図面の簡単な説明
添付図面は、縮尺どおりに描かれることを意図されていない。図面では、種々の図に示されている同一又は略同一の各構成部材は同様の符号によって表される。明確であるために、全ての図面において全ての構成部材が符号を付けられていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】一部が取り外された状態にある
図2に示されているステンシルプリンタの頂面図である。
【
図4】固定支持体ブロックと調整可能支持体ブロックとを有する支持面の斜視図である。
【
図5】調整可能支持体ブロックを支持テーブルにクランプするために調整可能支持体ブロックと解放可能に係合するように共に構成された右手側ガイド機構と左手側ガイド機構とを有する支持テーブルの一部の斜視図である。
【
図7】空気圧シリンダのピストンが後退位置にあって調整可能支持体ブロックを支持テーブルにクランプしている状態を示す、右手側ガイド機構の拡大側面図である。
【
図8】空気圧シリンダのピストンが伸長位置にあって調整可能支持体ブロックを支持テーブルから離昇させている状態を示す、右手側ガイド機構の拡大側面図である。
【
図9】調整可能支持体ブロックが支持テーブル上に静置されていて、空気圧シリンダのピストンが調整可能支持体ブロックから係合解除された状態を示す、右手側ガイド機構の拡大側面図である。
【
図11】右手側ガイド機構及び左手側ガイド機構の空気圧シリンダアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
開示の詳細な説明
本開示は包括的には、表面実装技術(SMT)プロセスラインにおいて利用され、アセンブリ材料(例えば、はんだペースト、導電性インク又は封入材料)を基板(substrate)(例えば、本開示において、「電子基板」、「回路基板」、「板(board)」、「PCB」、「PCB基板」、「基板」、又は「PCB板」と称する)上に塗布するか、又は検査、再加工又は基板上への電子構成要素の載置のような他の動作を実行するように構成される、材料塗布機械(本開示において、「ステンシルプリンタ」、「スクリーンプリンタ」、「印刷機」、又は「プリンタ」と称する)及び他の機器に関する。具体的には、本開示の実施形態は、プリント回路基板を作製するために使用されるステンシルプリンタを参照しながら以下に説明される。
【0014】
例示のためだけであり、普遍性を限定するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に説明される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本開示において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、限定するものと見なされるべきではない。本開示において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本開示における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、ここに開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本開示において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に列挙される物品と、その均等物及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は(若しくは)」に対する参照は、「又は(若しくは)」を用いて説明される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、2つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを示すことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本書類と、引用することにより本開示の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本開示の一部をなす文献における用語の使用法は、本書類の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本書類における用語の使用法が有効である。
【0015】
例示を目的として、以下、本開示の実施形態について、はんだペースト等のアセンブリ材料を回路基板上に印刷するために使用されるステンシルプリンタを参照しながら説明する。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態は回路基板上にはんだペーストを印刷するステンシルプリンタに限らず、糊及び封止材料等の他の粘着性のアセンブリ材料の吐出を必要とする他の用途において使用できることを理解するであろう。例えば、チップスケールパッケージ用のアンダフィルとして使用されるエポキシを印刷するために装置を使用することができる。さらに、本開示の実施形態に係るステンシルプリンタは、回路基板上にアセンブリ材料を印刷するものに限らず、半導体ウエハ等の様々な基板上に他の材料を印刷するために使用されるものを含む。また、スクリーン及びステンシルの用語は、本開示においては、基板に印刷されるパターンを規定するプリンタ内のデバイスを説明するために区別なく使用することができる。或る特定の実施形態において、ステンシルプリンタは、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(商標)又はEdison(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームを含むことができる。例示的なステンシルプリンタは、概して
図1において5で指定されている。この実施形態において、ステンシルプリンタ5は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるEdison(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームである。
【0016】
図2を参照すると、本開示の実施形態に係るステンシルプリンタが概して10で示されている。示されているように、ステンシルプリンタ10は、ステンシルプリンタの構成部品を支持するフレーム12を有する。ステンシルプリンタの構成部品は、一部として、コントローラ14と、ディスプレイ16と、ステンシル18と、プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリとを含むことができる。プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリは、概して20で示されており、以下でより詳細に説明する方法ではんだペーストを塗布するように構成される。
【0017】
図2に示され、以下で説明するように、ステンシル及びプリントヘッドアセンブリは、適宜、フレーム12に連結することができる、又は別様に接続することができる。1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリ22上に搭載することができ、プリントヘッドアセンブリガントリ22は、フレーム12上に搭載することができる。プリントヘッドアセンブリガントリ22により、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラ14の制御下においてy軸方向に移動することが可能となるとともに、ステンシル18と係合することでプリントヘッドアセンブリに圧力を加えることが可能となる。或る特定の実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18の上方に載置することができるとともに、z軸方向に降下してステンシルに接触してステンシルに対して封止することができる。
【0018】
ステンシルプリンタ10は、プリント回路基板(本開示においては「プリント配線基板」、「基板」、又は「電子基板」と称する場合がある)をステンシルプリンタ内の印刷位置へ搬送する、レール(図示せず)を有するコンベヤシステムも有することができる。レールは、本開示においては「トラクタフィード機構」と称する場合がある。トラクタフィード機構は、本開示において「プリントネスト」と称する場合があるステンシルプリンタの作業領域へ回路基板を送り込む、積み込む、又は別様に送達するとともに、プリントネストから回路基板を積み下ろすように構成される。
【0019】
加えて
図3を参照すると、ステンシルプリンタ10は、回路基板29(破線で示されている)を支持する、概して28で示される支持アセンブリを有する。支持アセンブリ28は、印刷動作時に回路基板が安定するように、回路基板を上昇させ、固定する。或る特定の実施形態において、基板支持アセンブリ28は、特定の基板支持システム、例えば、堅固な支持体、複数のピン、又は柔軟なツール等を更に有することができ、基板支持システムは、回路基板が印刷位置にあるときに回路基板の下方に位置決めされる。基板支持システムは、一部が、回路基板の内部領域を支持して、印刷動作時の回路基板の曲げ又は反りを防止するのに使用することができる。
【0020】
1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、印刷動作時にはんだペーストをプリントヘッドアセンブリに提供する、ディスペンサ、例えば、はんだペーストカートリッジ等の供給源からはんだペーストを受け取るように構成することができる。カートリッジの代わりに、はんだペーストを供給する他の方法を利用してもよい。例えば、はんだペーストは、ブレード間において又は外部の供給源から手作業で堆積させることができる。加えて、或る特定の実施形態において、コントローラ14は、Microsoft Corporationによって提供されるMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適したオペレーティングシステムを有するパーソナルコンピュータを使用し、特定用途向けソフトウェアを用いてステンシルプリンタ10の動作を制御するように構成することができる。コントローラ14は、回路基板を作製する生産ラインを制御するために使用されるマスタコントローラとネットワーク接続することができる。
【0021】
1つの構成において、ステンシルプリンタ10は以下のように動作する。回路基板29は、コンベヤレールを使用してステンシルプリンタ10内へ積み込まれる。支持アセンブリ28は、印刷位置へ回路基板29を上昇させ、固定する。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリのブレードがステンシル18に対して所望の圧力で接触するまでz軸方向に降下される。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリ22によって、ステンシル18を横切ってy軸方向に移動される。プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18内の孔を通じて回路基板29上にはんだペーストを堆積させる。プリントヘッドアセンブリが孔を横切ってステンシル18を完全に横断すると、プリントヘッドアセンブリはステンシルから持ち上げられ、回路基板29はコンベヤレール上へ戻るように降下させられる。回路基板29は、ステンシルプリンタ10から解放及び搬送され、これにより、第2の回路基板をステンシルプリンタ内へ積み込むことができる。第2の回路基板29上に印刷するために、プリントヘッドアセンブリはz軸方向に降下させられてステンシルと接触し、第1の回路基板に使用された方向とは逆方向にステンシル18を横切って移動させられる。
【0022】
印刷前に回路基板29に対してステンシル18を位置合わせする、及び印刷後に回路基板を検査する目的のために、撮像システム30を設けることができる。1つの実施形態において、撮像システム30は、ステンシル18と回路基板が支持される支持アセンブリ28との間に配設することができる。撮像システム30は、撮像システムを移動させるために撮像システムガントリ32に連結される。1つの実施形態において、撮像システムガントリ32は、フレーム12に連結することができ、フレーム12の側方レール間を延在する梁を有し、y軸方向における回路基板29の上方で撮像システム30に前後移動をもたらす。撮像システムガントリ32は、撮像システム30を収容するキャリッジデバイスを更に有することができ、x軸方向における梁の長さに沿って移動するように構成される。撮像システム30を移動させるために使用される撮像システムガントリ32の構造は、はんだペースト印刷の技術において既知である。回路基板又はステンシルの予め定められた領域の画像をそれぞれ撮影するためにステンシル18の下方であって回路基板29の上方の任意の位置に撮像システム30が位置することができるような配置となっている。
【0023】
はんだペーストを回路基板に対して1回以上塗布した後、余分なはんだペーストがステンシル18の底に蓄積し得て、概して34で示されるステンシルワイパアセンブリがステンシルの下方を移動して余分なはんだペーストを除去することができる。他の実施形態において、ステンシル18は、ステンシルワイパアセンブリの上方を移動してもよい。
【0024】
図4を参照すると、支持アセンブリ28は、電子基板に印刷が施される作業面42を提供するプリンタワークテーブル40を備える。支持アセンブリ28は、固定電子基板搬送レールに隣接して設けられるピンを位置付けすることによってプリンタワークテーブル40上に固定して取り付けられる、概して44で示され、Hタワーと称されることもある、固定タワーを更に備える。図示されているように、固定タワー44は、プリンタワークテーブル40の一方側からプリンタワークテーブルの反対側まで延在する。固定タワー44は、印刷動作を行うときに電子基板が静置される上側支持面48を有する、長尺の本体46を備える。図示されているように、長尺の本体46の一方の端部は第1の特徴部50を備え、長尺の本体の反対側の端部は第2の特徴部52を備える。図示されている実施形態において、各特徴部50、52は、スロットを具現する。特徴部50、52は、それぞれ、固定タワー44を取り扱う際に操作者を支援するように構成される。
【0025】
支持アセンブリ28は、固定タワー44に対して可動である、概して54で示され、調整可能位置Hタワーと称されることもある、調整可能位置タワーを更に備える。具体的には、調整可能位置タワー54は、固定タワー44に対して平行な方向に延在し、調整可能位置タワーを固定タワーに近づけるか又は更に遠ざけるように位置決めするように移動させるか又は調整することができる。調整可能位置タワー54は、調整可能電子基板搬送レールに対して結合及び結合解除されるように構成することができる。支持システム28は、調整可能電子基板搬送レール及びその駆動機構を使用して、調整可能位置タワー54を必要に応じて位置決めし、様々なサイズの電子基板及び基板ワークホルダを支持する。加えて、調整可能位置タワー54は、調整可能位置タワーが適所にクランプされていないときに、ワークテーブル40上で静置されている間の調整可能位置タワーの滑りを最小限にするために、それぞれ概してMで示される、永久磁石のセットを備えることができる。
【0026】
図示されているように、調整可能位置タワー54は、印刷動作を行うときに電子基板ワークホルダが静置される上側支持面58を有する長尺の本体56を備える。図示されているように、固定タワー44及び調整可能位置タワー54のそれぞれの上側支持面48、58は、共に印刷動作中に電子基板ワークホルダを支持する。調整可能位置タワー54の長尺の本体56の一方の端部は第1の受入れ特徴部60を備え、長尺の本体の反対側の端部は第2の受入れ特徴部62を備える。以下でより詳細に説明するように、第1の受入れ特徴部60及び第2の受入れ特徴部62のそれぞれは、調整可能位置タワー54をプリンタワークテーブル40に対して移動及び解放可能に固定するためにロッド又はピンを受けるように構成される。1つの実施形態において、各受入れ特徴部60、62、特に言及すると、受入れ特徴部60は、第1のスロット64と、第1のスロット64の方向に対して横断する方向に延在する第2のスロット66とを備える。第2のスロット66は、上記で言及し、以下でより詳細に説明するロッドを受けるように構成される。調整可能位置タワー54の受入れ特徴部60、62は、調整可能位置タワー54を移動させることなく可動レールを移動させることを支援するために設けられる。以下で説明するように制御された空気圧が空気圧空気シリンダから降下すると、ピンはいずれも調整可能位置タワー54と係合しなくなる。可動レールは、その駆動システムによって、調整可能位置タワー54の位置に影響を及ぼすことなく、ステンシルプリンタ10の後部に移動させることができる。
【0027】
図5を参照すると、ステンシルプリンタ10のフレーム12の一部が示されている。電子基板支持アセンブリ28についての以下で論じることを目的として、フレーム12の一部は、ワークテーブル配置体又はワークテーブル支持体と称されることもある、プリンタワークテーブル40を画定する。1つの実施形態において、支持アセンブリ28は、図示されているように、それぞれプリンタワークテーブル40の右手側及び左手側の側部に取り付けられる、サイドレール70、72を備える。各サイドレール70、72は、可動ガイド機構のキャリッジを受けるように構成されるリニア軸受を具現する。具体的には、概して74で示される右手側ガイド機構は、右手側サイドレール70上に設けられ、サイドレールの長さに沿って直線的に移動するように構成される。同様に、概して76で示される左手側ガイド機構は、左手側サイドレール72上に設けられ、サイドレールの長さに沿って直線的に移動するように構成される。右手側ガイド機構74及び左手側ガイド機構76のそれぞれは、そのそれぞれのサイドレール70に沿って跨るキャリッジ78(右手側ガイド機構上に示される)を備える。調整可能位置タワー54を再位置決め及びクランプするために、右手側ガイド機構74及び左手側ガイド機構76は、プリンタワークテーブル40の右手側及び左手側の側部にそれぞれ取り付けられ、調整可能位置タワーの両端部を固定する。各ガイド機構74、76は、調整可能位置タワー54のそのそれぞれ受入れ特徴部60、62と解放可能に係合するように構成される。
【0028】
図6を参照すると、右手側ガイド機構74は、そのそれぞれのサイドレール70上に取り付けられた状態で示されている。図示されているように、右手側ガイド機構74は、サイドレール70に沿って跨るように構成された第1の脚部82と、ガイド機構を移動させるための駆動結合部として機能する第2の脚部84と、第1の脚部と第2の脚部とを接続するように構成された底部86とを有する、略U字形本体80を備える。U字形本体80の第1の脚部82は、上述のように既知の方法でサイドレール70に沿って跨るように構成されたキャリッジ78を備える。右手側ガイド機構74は、調整可能位置タワー54をプリンタワークテーブル40に解放可能に固定するように構成された、概して88で示される、クランプガイドアセンブリを更に備える。図示されているように、クランプガイドアセンブリ88は、U字形本体80の底部86上に形成又は固定され、U字形本体に対して鉛直に向けられる。左手側ガイド機構76は、右手側ガイド機構74の鏡像であり、右手側ガイド機構と同一でなくとも同様に構成されることを理解すべきである。
【0029】
図7を参照すると、クランプガイドアセンブリ88は、ハウジング90と、ハウジングによって支持された空気圧シリンダアセンブリとを備える。空気圧シリンダアセンブリは、ハウジング90内で伸長及び後退するように構成されたピストンロッド92を備える。1つの実施形態において、ピストンロッド92は、ハウジング90内で伸長及び後退するように空気圧によって制御される。或る特定の実施形態において、空気圧シリンダアセンブリは、ソレノイド弁によって制御される標準的な市販の複動シリンダである。ヘッド部94は、空気圧シリンダアセンブリのピストンロッド92に締結するねじ端部を有して構成することができる。ハウジング90は、ガイド機構のU字形本体80の底部86の一部として形成するか又はそれに固定することができる。図示されているように、空気圧シリンダアセンブリのピストンロッド92は、後退位置にある。この位置において、空気圧シリンダアセンブリのピストンロッド92は、調整可能位置タワー54をプリンタワークテーブル40にクランプして調整可能位置タワーを固定するように構成される。具体的には、ピストンロッド92は、調整可能位置タワー54の受入れ特徴部60の第2のスロット66内に受けられるように構成されたヘッド部94を備える。ピストンロッド92が後退した状態では、ピストンロッドのヘッド部94は、受入れ特徴部60と係合して、調整可能位置タワーの端部をプリンタワークテーブル40に固定する。再び
図4を参照すると、調整可能位置タワー54は、電子基板に対して印刷動作を行うために固定タワー44とともに使用することができる。後退位置にあるとき、動力損失又は空気損失があると、弁1、弁2、及びパイロットチェック弁1(
図11)のデフォルト空気圧構成が、調整可能位置タワー内に設けられた磁石と連動して、調整可能位置タワー54がステンシルプリンタ10内で位置を失わないことを確実にするために、空気圧シリンダアセンブリを後退位置にロック(固締)することになる。
【0030】
図8を参照すると、空気圧シリンダアセンブリのピストンロッド92は、伸長位置にある。
図7に最も良好に示されているように、空気圧シリンダアセンブリのピストンロッド92は、ピストンロッドのヘッド部94から離隔する、底係合部96を更に備える。底係合部96の目的は、調整可能位置タワー54の受入れ特徴部60と係合することにある。この位置において、空気圧シリンダアセンブリは、固定タワー44に向かうか又は固定タワー44から離れるようにy軸方向において調整可能位置タワーを再位置決めするために、調整可能位置タワー54をプリンタワークテーブル40から離昇させるように構成される。図示されているように、空気圧シリンダアセンブリは、ピストンロッド92を伸長位置に向かって付勢する圧縮ばね98を更に備える。本開示において説明されているように、ガイド機構74、76は、調整可能位置タワー54を結合及び結合解除して調整可能位置タワーを所望の位置に位置付けするために使用される。
【0031】
図9を参照すると、空気圧シリンダアセンブリに対する動力供給が後退位置から停止される(全ての空気圧が消尽する)と、圧縮ばね98は、ピストンロッド92を、ピストンロッドが調整可能位置タワー54から結合解除される中立位置へ移動させる。この位置において、ガイド機構74は、調整可能位置タワー54とは独立して移動させることができる。
【0032】
図10を参照すると、右手側ガイド機構74及び左手側ガイド機構76は、それぞれ、受動機構であり、これは、それらのそれぞれのサイドレール70、72に沿った運動を駆動するシステムが内在しないことを意味する。図示されているように、右手側ガイド機構74は、結合ピン110によって調整可能電子基板搬送レール112に結合されて、そのそれぞれのサイドレール70に沿った右手側ガイド機構の直線移動を駆動する。左手側ガイド機構76は、そのそれぞれの結合ピン及び調整可能電子基板搬送レールに同様に結合される。図示されているように、結合ピン110は、右手側ガイド機構74のU字形本体80の第2の脚部84の開口部を通って延在し、右手側ガイド機構と係合し移動させる。各ガイド機構74、76の構成要素の設計は、そのそれぞれの搬送レール112に関連させたものであり、これにより、電子基板の特定のサイズに対して搬送レールが設定位置に調整されるとき、調整可能位置タワー54もまた、電子基板又は電子基板ワークホルダを支持するのに適した位置となる。
【0033】
図11を参照すると、右手側ガイド機構74及び左手側ガイド機構76の空気圧シリンダアセンブリの動作が示されている。主空気が弁1に結合され、弁1が更に弁2に結合される。主空気に結合されるパイロットチェック弁1が、調整可能タワー右手側空気圧シリンダアセンブリ及び調整可能タワー左手側空気圧シリンダアセンブリに対する空気の送達を制御するために設けられる。弁1、弁2、及びパイロットチェック弁1は、空気圧シリンダアセンブリの動作を制御するためにコントローラ14に結合することができる。
【0034】
コントローラ14等の様々なコントローラは、上述した様々な動作を実行することができる。関連するメモリ及び/又は記憶装置に記憶されたデータを使用して、コントローラ14はまた、コントローラ14が含むことができる及び/又は結合することができる、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された1つ以上の命令を実行し、その結果、操作されたデータを生じることができる。いくつかの例では、コントローラ14は、1つ以上のプロセッサ又は他のタイプのコントローラを含んでもよい。1つの例では、コントローラ14は、少なくとも1つのプロセッサであるか、又は少なくとも1つのプロセッサを含む。他の例では、コントローラ14は、汎用プロセッサに加えて、又は汎用プロセッサの代わりに、特定の動作を実行するように調整された特定用途向けの集積回路を使用して、上述した動作の少なくとも一部を実行する。これらの例によって例示されるように、本開示に従った例は、ハードウェア及びソフトウェアの多くの特定の組合せを使用して本開示で説明される動作を実行することができ、本開示は、ハードウェア及びソフトウェア構成要素の任意の特定の組合せに限定されない。本開示の例は、上述した方法、プロセス、及び/又は動作を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品を含んでもよい。コンピュータプログラム製品は、上述した方法、プロセス、及び/又は動作を実行するための命令を実行するように構成された1つ以上のコントローラ及び/又はプロセッサであるか、又はそれを含んでもよい。
【0035】
例示を目的として、はんだペーストをプリント回路基板上に印刷するために使用されるステンシルプリンタを参照して、本開示の実施形態について説明した。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態が、ステンシルプリンタを用いた実施に限定されず、材料を電子基板上に堆積させるために使用される他のタイプの機器に対しても適用可能であることを理解するであろう。例えば、本開示に開示される原理は、粘性材料をプリント回路基板上に吐出するために使用されるディスペンサに適用することができる。加えて、上述のように、はんだペーストが一例示的な材料として参照されているが、他の材料、例えば、接着剤、エポキシ、アンダフィル材料、及び封止材等も堆積させることができる。また、スクリーン及びステンシルという用語は、基板上に印刷されるパターンを画定するプリンタにおけるデバイスを説明するために本開示においては互換可能に使用することができる。
【0036】
このように、少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を記載したが、様々な変形、変更、及び改良が当業者には容易に想到されることが理解される。そのような変形、変更、及び改良は、本開示の一部であることが意図されるとともに、本開示の範囲内にあることが意図される。したがって、前述の記載及び図面は単に例としてのものである。