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特開2025-3373デュアルホーム保護方法、装置、およびコンピュータ読取可能媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003373
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】デュアルホーム保護方法、装置、およびコンピュータ読取可能媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024097818
(22)【出願日】2024-06-18
(31)【優先権主張番号】202310730473.6
(32)【優先日】2023-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】マー シアオ ホア
(72)【発明者】
【氏名】チェン チン チアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ター リン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】コー ユイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン アイ ピン
(72)【発明者】
【氏名】タン シー チン
(72)【発明者】
【氏名】チェン イン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】チョン アン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン オー
(57)【要約】
【課題】デュアルホーム保護方法、装置、およびコンピュータ読取可能媒体に関する。
【解決手段】本方法は第1トランスポートノードにおいて、生成された少なくとも1つのローカルリクエストまたは第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定し、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートが顧客機器に結合され、第1ポートのポート機能がワーキングポートまたは保護ポートの一方であり、第2ポートのポート機能がその他方である。本方法は第1ポートの保護状態とポート機能に基づき、顧客機器に関する第1ポートの使用状況を決定し、使用状況はアクティブまたはスタンバイを含む。こうにして、顧客機器が保護プロトコルをサポート不要で2つのポートが不要なデュアルホームポート保護メカニズムが実装される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令が記憶された少なくとも1つのメモリと、を備え、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
第1トランスポートノードにおいて、前記第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、前記第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することであって、前記第1ポートおよび前記第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、前記第1ポートのポート機能はワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、前記第2ポートのポート機能は前記ワーキングポートまたは前記保護ポートのうちの他方である、決定することと、
前記第1ポートの前記保護状態および前記ポート機能に基づいて、前記顧客機器に関する前記第1ポートの使用状況を決定することであって、前記使用状況はアクティブまたはスタンバイを含む、決定することと、
を実行させる、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのローカルリクエストのそれぞれが、優先度がそれぞれ関連付けられた保護状態のセットのうちの保護状態を示し、前記少なくとも1つの制御メッセージのうちの制御メッセージが、前記保護状態のセットのうちの前記第2ポートの保護状態を示すファーエンドリクエストを含み、前記装置は、
前記少なくとも1つのローカルリクエストおよび前記ファーエンドリクエストから、優先度が最も高いリクエストを決定することと、
前記第1ポートの以前の保護状態および前記優先度が最も高い前記リクエストに基づいて、前記第1ポートの前記保護状態を決定することと、
によって前記第1ポートの前記保護状態を決定するようにされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記保護状態のセットは、動作中のロックアウト、保護中のロックアウト、メイトフェイル、動作中の強制スイッチオン、保護中の強制スイッチオン、動作中の信号障害、保護中の信号障害、動作中の信号劣化、保護中の信号劣化、動作中の手動スイッチオン、保護中の手動スイッチオン、動作中のリクエストなし、または保護中のリクエストなし、のうち少なくとも1つを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記保護状態のセットの前記優先度は、少なくとも、
前記動作中のロックアウトおよび前記保護中のロックアウトの優先度が前記メイトフェイルの優先度よりも高く、前記メイトフェイルの前記優先度が前記動作中の強制スイッチおよび前記保護中の強制スイッチの優先度よりも高いこと、または、
前記動作中のロックアウトおよび前記保護中のロックアウトの前記優先度が、前記動作中の強制スイッチおよび前記保護中の強制スイッチの前記優先度よりも高く、前記動作中の強制スイッチおよび前記保護中の強制スイッチの前記優先度が、前記メイトフェイルの前記優先度よりも高いこと、
の一方を満たす、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、
前記優先度に基づいて、前記少なくとも1つのローカルリクエストのうちで優先度が最も高いローカルリクエストを決定ことと、
前記決定されたローカルリクエストと前記ファーエンドリクエストのうちで前記優先度が最も高い前記リクエストを決定することと、
により、前記優先度が最も高い前記リクエストを決定するように構成されている、請求項2乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記第1ポートの前記保護状態を決定することは、前記ローカルリクエストおよび前記ファーエンドリクエストが同じ優先度を有する場合、
前記第1ポートの前記ポート機能が前記ワーキングポートであることに基づいて、前記第1ポートの前記使用状況が前記アクティブであると決定することと、
前記第1ポートの前記ポート機能が前記保護ポートであることに基づいて、前記第1ポートの前記使用状況がスタンバイであると決定することと、
を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第1ポートの前記保護状態に基づいて、前記第2トランスポートノードに制御メッセージを送信し、前記第2ポートの使用状況が少なくとも前記制御メッセージに基づいて決定されるようにする、
ことを実行させる、請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第1トランスポートノードおよび前記第2トランスポートノードは少なくとも1つのメイトリンクを介して結合されており、前記制御メッセージが前記少なくとも1つのメイトリンクのうちの1つを介して送信される、請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記優先度が最も高い前記リクエストが前記少なくとも1つのメイトリンクの障害を指示している場合、前記制御メッセージの前記指示に基づいて、前記第1ポートの前記使用状況と前記第2ポートの前記使用状況を決定する、
ことを実行させる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1ポートの前記使用状況および前記第2ポートの前記使用状況を決定することは、
前記第1ポートの前記使用状況および前記第2ポートの前記使用状況を変更しないように維持すること、または、
前記第1ポートの前記使用状況および前記第2ポートの前記使用状況を両方ともアクティブと決定すること、
のうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのメイトリンクは複数のメイトリンクを含み、前記制御メッセージおよびそのコピーが前記複数のメイトリンクにおける第1リンクおよび第2リンクにそれぞれ送信される、請求項7乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記制御メッセージは、
ポートの保護状態、
ポートの使用状況、
フィルタデータベース(FDB)のフラッシュ、
のうち少なくとも1つを示す、請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記制御メッセージは、
イーサネットヘッダ、
インターネットプロトコル(IP)ヘッダ、
マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ヘッダ、または、
光伝送ネットワーク(OTN)または同期デジタルハイアラキー(SDH)コンテナ、
のうち少なくとも1つを介して送信される、請求項1乃至12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第1ポートにおいて、前記第1ポートの前記使用状況がアクティブと判断されたことに基づいて、前記顧客機器からのパケット、または、前記顧客機器へのパケットを転送し、メディアアクセス制御(MAC)アドレスの学習を可能にすること、または、
前記第1ポートにおいて、前記第1ポートの前記使用状況がスタンバイと判断されたことに基づいて、パケットを破棄すること、
を実行させる、請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記顧客機器のポートが、光分岐/結合器を介して、前記第1ポートおよび前記第2ポートに結合されており、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記第1ポートの前記使用状況がスタンバイと決定されたことに基づいて、前記第1ポートにおける送信レーザーをオフにするか、または、
前記第1ポートの前記使用状況がアクティブと決定されたことに基づいて、前記第1ポートにおける前記送信レーザーをオンにする、
をことを実行させる、請求項1乃至14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記第1ポートの前記使用状況の変化に基づいて、前記第1ポートおよび前記第2トランスポートノードに接続されている前記第1トランスポートノードの少なくとも1つのメイトポートにおいて学習されたMACアドレスを更新する、
ことを実行させる、請求項1乃至14のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
トラフィックデータリンクの障害、
トランスポートノードの障害、または、
トランスポートノード間のメイトフェイル、
を検出させる、請求項1乃至16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記トラフィックデータリンクの障害の検出は、
物理層障害検出、
運用、管理、および保守(OAM)リンクの監視および遠隔障害表示、または、
構成接続障害管理(CFM)OAM連続性喪失(LOC)および対局欠陥表示、
のうちの少なくとも1つに基づく、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第1トランスポートノードまたは前記第2トランスポートノードのうち障害が発生したトランスポートノードが回復した場合、ポートの使用状況が決定されるまで、前記障害が発生したトランスポートノードの前記ポートにおける送信レーザーを無効にする、
ことを実行させる、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記第1トランスポートノードおよび前記第2トランスポートノードは、同一のネットワークデバイスに含まれるか、または、異なるネットワークデバイスに含まれる、請求項1乃至19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記第1ポートの前記ポート機能はワーキングポートであり、前記第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第1ポートと前記顧客機器との間のリンク障害を検出したことに基づいて、前記第1ポートの保護状態をワーキングノードの障害を示すように変更することと、
前記第1ポートの前記使用状況をスタンバイに変更することと、
前記第1ポートと前記第2トランスポートノードのメイトポートのMACアドレスをフラッシュすることと、
前記第2トランスポートノードに前記ワーキングノードの障害を示す制御メッセージを送信することと、
を実行させる、請求項1乃至20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記第1ポートの前記ポート機能が保護ポートであり、前記第1ポートの以前の使用状況がスタンバイであり、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第2トランスポートノードからワーキングノードの障害を示す制御メッセージを受信したことに基づいて、前記第1ポートの保護状態をアクティブに変更することと、
前記第1ポートおよび前記第2トランスポートノードのメイトポートのMACアドレスをフラッシュすることと、
を実行させる、請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記第1ポートの前記ポート機能はワーキングポートであり、前記第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第1トランスポートノードの障害を検出したことに基づいて、ワーキングノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを前記第2トランスポートノードに送信する、
ことを実行させる、請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記第1ポートの前記ポート機能は保護ポートであり、前記第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第2トランスポートノードからワーキングノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを受信したことに基づいて、前記第1ポートの前記使用状況、および、さらなる顧客機器に結合された第3ポートの使用状況の両方をアクティブに変更することであって、トラフィックデータが前記さらなる顧客機器と前記顧客機器との間で送信される、変更することと、
前記第1ポートおよび前記第3ポートのMACアドレスをフラッシュすることと、
を実行させる、請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記第1ポートの前記ポート機能は保護ポートであり、前記第1ポートの前記使用状況はスタンバイであり、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第1トランスポートノードの保護ノードの障害を検出したことに基づいて、保護ノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを前記第2トランスポートノードに送信すること、
を実行させる、請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記第1ポートの前記ポート機能はワーキングポートであり、前記第1ポートの前記使用状況はアクティブであり、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第2トランスポートノードから保護ノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを受信したことに基づいて、前記第1ポートの前記使用状況をアクティブに維持すること、
を実行させる、請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記顧客機器は、前記第1ポートおよび前記第2ポートにそれぞれ異なるトラフィックデータを送信するための2つのポートを備え、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、さらに、
前記第1ポートの前記使用状況がスタンバイであるという決定に基づいて、前記第1ポートの送信レーザーをオンまたはオフに維持すること、または、
前記第1トランスポートノードと前記第2トランスポートノードとの間のメイトフェイルを検出したことに基づいて、前記第1ポートの前記使用状況と前記第2ポートの使用状況をアクティブと決定すること、
を実行させる、請求項19乃至24のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
第1トランスポートノードにおいて、前記第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、前記第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することであって、前記第1ポートおよび前記第2トランスポートノードの第2ポートが顧客機器に結合されており、前記第1ポートのポート機能はワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、前記第2ポートのポート機能は前記ワーキングポートまたは前記保護ポートのうちの他方である、決定することと、
前記第1ポートの前記保護状態および前記ポート機能に基づいて、前記顧客機器に関する前記第1ポートの使用状況を決定することであって、前記使用状況はアクティブまたはスタンバイを含む、決定することと、
を含む、方法。
【請求項29】
第1トランスポートノードにおいて、前記第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、前記第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定する手段であって、前記第1ポートおよび前記第2トランスポートノードの第2ポートが顧客機器に結合されており、前記第1ポートのポート機能はワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、前記第2ポートのポート機能は前記ワーキングポートまたは前記保護ポートのうちの他方である、決定する手段と、
前記第1ポートの前記保護状態および前記ポート機能に基づいて、前記顧客機器に関する前記第1ポートの使用状況を決定する手段であって、前記使用状況はアクティブまたはスタンバイを含む、決定する手段と、
を備える、装置。
【請求項30】
命令が記憶されたコンピュータ読取可能媒体であって、前記命令は、装置によって実行されると、前記装置に、少なくとも、
第1トランスポートノードにおいて、前記第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、前記第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することであって、前記第1ポートおよび前記第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、前記第1ポートのポート機能はワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、前記第2ポートのポート機能は前記ワーキングポートまたは前記保護ポートのうちの他方である、決定することと、
前記第1ポートの前記保護状態および前記ポート機能に基づいて、前記顧客機器に関する前記第1ポートの使用状況を決定することであって、前記使用状況はアクティブまたはスタンバイを含む、決定することと、
を実行させる、コンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して通信分野に関連し、より具体的には、デュアルホーム保護方法、装置、およびコンピュータ読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークのアーキテクチャに基づくフロントホールネットワークは、光通信技術の発展に伴い普及している。フロントホールネットワークは、例えば、無線ユニット(RU)と分散ユニット(DU)との間など、顧客機器(CE)間のトラフィックデータ伝送を実現することができる。データ伝送の信頼性を向上させるため、いくつかのサービスプロバイダは、CE間の2つの通信リンクを使用して、アクティブ/スタンバイの保護切替メカニズム(デュアルホームプロテクションとも呼ばれる)を形成している。
【0003】
しかしながら、既存のいくつかのCEは関係する保護プロトコルをサポートしておらず、従来の保護切替メカニズムは切替を完了するまでに長い時間を要する。したがって、より広い適用範囲とより速い応答速度を持つ保護切替メカニズムのさらなる研究開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概して、本開示の例示的な実施形態は、高速デュアルホームポート保護メカニズムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様において、装置が提供され、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、を含み、メモリには命令が記憶されており、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することであって、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、第2ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの他方である、決定することと、保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて、顧客機器に関する第1ポートの使用状況を決定することであって、使用状況は、アクティブまたはスタンバイを含む、決定することと、を実行させる。
【0006】
本開示の第2の態様において、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することであって、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、第2ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの他方である、決定することと、保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて、顧客機器に関する第1ポートの使用状況を決定することであって、使用状況は、アクティブまたはスタンバイを含む、決定することと、を含む方法を提供する。
【0007】
本開示の第3の様態において、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定する手段であって、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートが顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、第2ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの他方である、決定する手段と、保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて、顧客機器に対する第1ポートの使用状況を決定する手段であって、使用状況は、アクティブまたはスタンバイを含む、決定する手段と、を備える装置を提供する。
【0008】
本開示の第4の態様において、コンピュータ読取可能媒体が提供され、媒体には命令が記憶されており、命令は、装置によって実行されると、装置に少なくとも、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することであって、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、第2ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの他方である、決定することと、保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて、顧客機器に関する第1ポートの使用状況を決定することであって、使用状況は、アクティブまたはスタンバイを含む、決定することと、を実行させる。
【0009】
本開示の第5の態様において、命令を有するコンピュータプログラムが提供され、その命令は、装置によって実行されると、装置に少なくとも、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することであって、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、第2ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの他方である、決定することと、保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて、顧客機器に関する第1ポートの使用状況を決定することであって、使用状況はアクティブまたはスタンバイを含む、決定することと、を実行させる。
【0010】
第6の態様において、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定するように構成された保護状態決定回路であって、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、第2ポートのポート機能は、ワーキングポートまたは保護ポートのうちの他方である、保護状態決定回路と、保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて、顧客機器に関する第1ポートの使用状態を決定するように構成された使用状況決定回路であって、使用状況はアクティブまたはスタンバイを含む、使用状況決定回路と、を備える装置が提供される。
【0011】
本要約は、詳細な説明で以下にさらに説明される簡略化された形式の概念の選択を紹介するために提供される。本要約は、本開示の主要な特徴または必須の特徴を特定することを意図したものではなく、また、本開示の範囲を限定するために使用することを意図したものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態が実装され得る通信システムの例を示す。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による通信方法の概略的な相互作用図を示す。
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態によるデュアルホームポート保護(DHPP)システムの概略的なブロック図を示す。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態によるDHPPモジュールの例示的な実施形態を示す。
図5A図5Aは、本開示のいくつかの実施形態によるDHPPのための制御メッセージの例示的な実施形態を示す。
図5B図5Bは、本開示のいくつかの実施形態によるDHPPのための制御メッセージの例示的な実施形態を示す。
図5C図5Cは、本開示のいくつかの実施形態によるDHPPのための制御メッセージの例示的な実施形態を示す。
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態による、通常状態のDHPPシステムの概略図を示す。
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、トラフィックデータリンク障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。
図8図8は、本開示のいくつかの実施形態によるアクティブノード障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。
図9図9は、本開示のいくつかの実施形態によるスタンバイノード障害を有するDPHHシステムの概略図を示す。
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態によるDHPP制御リンク障害を有するDPHHシステムの概略図を示す。
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態によるメイトフェイルおよびDHPP制御リンク障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。
図12図12は、本開示のいくつかの実施形態によるデュアルポート顧客機器用のDHPPシステムの概略図を示す。
図13図13は、本開示のいくつかの実施形態による通信方法の概略フローチャートを示す。
図14図14は、本開示の実施形態を実施するように適合された電子デバイスの簡略化されたブロック図を示す。
図15図15は、本開示の実施形態を実施するように適合されたコンピュータ読取可能媒体の概略図を示す。 図面全体を通して、同じまたは参照符号は同じまたは同様の構成要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の趣旨および要点を説明するために、以下では図面に示されたいくつかの例示的な実施形態を参照する。これらの特定の実施形態の説明は、当業者が本開示をより良く理解し実施できるようにすることを目的とするものであり、本明細書で開示された範囲を何らかの形で制限することを意図するものではないことに留意されたい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「~を含む」という用語およびその派生語は、「~を含むが、それに限定されない」という意味の非限定的な用語として解釈されるものとする。「~に基づく」という用語は、「少なくとも部分的に~に基づく」と解釈される。「ある実施形態」または「その実施形態」という用語は、「少なくとも1つの例示的な実施形態」と解釈される。「第1」、「第2」、および同様の用語は、異なる対象または同一の対象を指す場合がある。明示的または暗示的なその他の定義が以下に含まれる場合がある。
【0015】
本明細書で使用される場合、「決定すること」という用語は、広範な行為を包含する。例えば、「決定すること」には、計算すること、演算すること、処理すること、由来すること、調査すること、参照すること(例えば、テーブル、データベース、または他のデータ構造を参照すること)、確認すること、などが含まれる。さらに、「決定すること」には、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータへのアクセス)などが含まれる場合がある。さらに、「決定すること」には、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立すること、などが含まれる場合がある。本書で使用される「次のうち少なくとも1つ:2つ以上の要素のリスト」、「2つ以上の要素のリストのうちの少なくとも1つ」、および同様の表現において、「および」あるいは「または」で結合されたリストのうちの2つ以上の要素は、それらの要素のうちの少なくとも1つ、または、それらの要素のうちの少なくとも2つ以上の要素、または、それらの要素の全てを意味する。
【0016】
本明細書で使用される「回路」という用語は、以下の1つまたは複数の全てを指す場合がある。(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログおよび/またはデジタル回路のみの実装など)、(b)ハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせ(該当する場合)、(i)アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路(複数可)とソフトウェア/ファームウェアの組み合わせ、および、(ii)ハードウェアプロセッサ(複数可)の任意の部分とソフトウェア(携帯電話やサーバーなどの装置が様々な機能を発揮するために協働するデジタル信号プロセッサ、ソフトウェア、およびメモリ(複数可)を含む)の組み合わせ、および、(c)マイクロプロセッサ(複数可)またはマイクロプロセッサ(複数可)の一部など、操作にソフトウェア(ファームウェアなど)を必要とするハードウェア回路(複数可)および/またはプロセッサ(複数可)。ただし、操作に必要のない場合にはソフトウェアが存在しない場合がある。
【0017】
このような回路の定義は、特許請求の範囲を含む本願における本用語の全ての使用に適用される。さらに、一例として、用語「回路」は、単なるハードウェア回路またはプロセッサ(または、複数のプロセッサ)、あるいはハードウェア回路またはプロセッサの一部と、その(または、それらの)付属ソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装も対象とする。また、用語「回路」は、特定の請求項の要素に該当する場合、ベースバンド集積回路またはプロセッサ集積回路、あるいは交換機またはその他の演算装置における同様の集積回路も対象とする。
【0018】
デュアルホームトポロジーの場合、パケット転送ネットワークで一般的な保護メカニズムは、マルチシャーシリンクアグリゲーショングループ(MC-LAG)とイーサネット(登録商標)リングプロテクション(ERP)である。この2つの保護メカニズムの欠点は、MC-LAGとERPの両方で、顧客機器(CE)がリンクの反対側で同じ保護プロトコルと制御の切り替えをサポートする必要があり、パケット転送システムがCEと連携して保護切り替えを行うこと、MC-LAGとERPの両方で、顧客機器側で2つのポート、即ち1つのポートをアクティブポート、もう1つのポートをスタンバイポートとして用意する必要があること、である。
【0019】
ますます多くのサービスプロバイダが、ネットワークをクラウドベースのソリューションに変えつつある。例えば、オープン無線アクセスネットワーク(Open RAN)と仮想無線アクセスネットワーク(vRAN)は、最も注目されている2つのトピックである。オープンアクセスネットワークは、ベースバンドユニット(BBU)と無線ユニット(RU)間の業界標準化されたインターフェース(O-RANインターフェース、拡張共通無線インターフェース(eCPRI)、共通無線インターフェース(CPRI)など)を使用して、モバイル基地局を分散化するものである。vRANは、BBUを汎用サーバー上で動作するソフトウェアに置き換えるもので、これにより、オペレーターはネットワークをより柔軟かつ俊敏に運用でき、また、様々なベンダーから幅広いソフトウェアを選択できる潜在的可能性が生まれる。vRANには、3GPP(登録商標)やオープンRANの標準化団体で必要とされる仮想分散ユニット(vDU)や仮想中央ユニット(vCU)などの装置が含まれる。
【0020】
汎用サーバー上のソフトウェアでネットワーク機能を実装する場合、処理効率は中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、データ処理装置(DPU)などのプロセッサの性能に依存する。ワイヤスピードでの処理をサポートできるハードウェアベースの特定用途向け集積回路(ASCIC)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)とは異なり、プロセッサの演算能力は負荷に大きく影響されるため、負荷を軽減するためにいくつかのネットワーク機能をサポートしていない。
【0021】
いくつかのサービスプロバイダは、RUとvDU/vCUとの間のトラフィックを伝送するための次世代フロントホール伝送ネットワークの構築を計画しており、2つのフロントホール伝送ノードが配置され、ノードの1つに障害が生じた場合に備えて代替性が確保される。性能を保証するためには、ノードの障害やリンクの障害に対して50ミリ秒以内の高速な自動保護機構を提供する必要がある。しかしながら、コスト削減のため、RUはvDUに対して1つのアップリンクインターフェースしか持たず、RU/vDU/vCUはLAG、MC-LAG、ERP、ELP(イーサネット(登録商標)リニアプロテクション)などの既存の高速保護プロトコルをサポートしていない。この問題を解決する既存の解決策としては、RU側では自動保護をサポートしないRUはオペレーターによる手動でのみ切り替えが可能であること、vDU/vCU側ではMC-LAGメカニズムはリンクアグリゲーション制御プロトコル(LACP)プロトコルを無効にすることでサポートされているが、パフォーマンスは理想的ではなく、保護の切り替えに必要な時間は数秒単位である。
【0022】
クラウドネットワーク以外にも、従来の非クラウドネットワークには、LAG/MC-LAG/ERP/ELPなどのレイヤ2の保護メカニズムをサポートしていない装置がいくつかある。また、例えば、50ミリ秒未満のトラフィック到達時間(hit time)が求められる場合、高速の保護メカニズムも必要となる。
【0023】
以上のことから、本開示の実施形態は、CEが保護プロトコルをサポートしたり、2つのポートを備えたりすることを必要とせずに、高速デュアルホームポート保護メカニズムを提供する。本開示の実施形態の基本概念は、高速保護メカニズムが2つのローカルパケットトランスポートノード間で動作し、2つのトランスポートノード間で保護状態の制御メッセージを交換し、CEに接続された2つの動作/保護リンクを制御して、CE間のトラフィックデータを転送するリンクが一度に1つだけ「アクティブ」になるようにすることである。このメカニズムは、CEとの制御メッセージの交換を必要とせずに、ローカルで検出された欠陥に基づいて切り替えを制御することができる。いくつかの実装において、1つポートを有するCEがYケーブル(光Yケーブルおよび電気Yケーブルを含む)を使用して2つのリンクを形成し(顧客機器の唯一のポートから、それぞれ2つのピアパケットトランスポートノードにコピーされる2つの複製信号に分割される)、これによりCEは、CEに接続されたポートのレーザーのシャットダウンをトリガーするように構成することができ、Yケーブルによる信号の複製を防止することができる。
【0024】
図1は、本開示の実施形態を実施することができる例示的な通信システム100を示す。通信システム100は、光伝送システムまたはパケット伝送システムであり、例えば4G、5Gまたはその他の標準の基地において、フロントホールネットワークで実装される場合がある。図示されているように、通信システム100は、第1トランスポートノード110、第2トランスポートノード120、顧客機器130、および顧客機器140を含む。顧客機器130は、無線ユニット(RU)、ルーター等であり、顧客機器140は、分散ユニット(DU)、または汎用プロセッサ上のソフトウェアの形態である仮想化分散ユニット(vDU)であってよい。第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120は、例えば、イーサネット(登録商標)サービススイッチである切替装置であってよい。第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120は、顧客機器130および顧客機器140と通信するため、または、互いに通信するための物理ポートまたは論理ポート(112、122、114、124、116、126)を備えてよい。このポートは、あらゆるEVCサービス(E-Line/E-LAN/E-Treeサービスなど)に対応できる。
【0025】
顧客機器130および顧客機器140は、第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120の1つまたは複数のポートを介して双方向のデータ伝送を行うことができる。例えば、顧客機器130から顧客機器140へのトラフィックデータ伝送はアップリンク送信と呼ばれ、顧客機器140から顧客機器130へのトラフィックデータ伝送はダウンリンク送信と呼ばれることがある。通信システム100は、図1に示すものとは異なる数の顧客機器130および140を備えてよく、複数のCE130と複数の顧客機器140との間で同時にデータ転送サービスを提供できることに留意されたい。
【0026】
上述の通り、通信システム100は、リンク障害やトランスポートノード110および120の障害に対処するために、顧客機器130と140との間のユーザトラフィックデータを回復する保護メカニズムをサポートする必要がある。図1に示されているように、接続された顧客機器130は、2つの代替(redundant)トランスポートノード110および120にデュアルホーム方式でアクセスできる。顧客機器130は、第1トランスポートノード110のポート112に接続し、第2トランスポートノード120のポート122に接続して、それぞれトラフィックデータ伝送用のリンクを形成することができる。第1トランスポートノード120は、アップストリームの顧客機器140に接続されたポート116を含む。同様に、第2トランスポートノード120は、アップストリームの顧客機器140に接続されたポート126を含む。第1トランスポートノード110と第2トランスポートノード120は、メイトポート114および124を介して互いに接続され、トラフィックデータおよび/または保護制御メッセージを伝送可能なメイトリンクを形成することができる。図1に示されるポート数は、一例として提供されているものであり、これに限定されるものではないことに留意されたい。例えば、第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120の各々は、ダウンストリームの顧客機器130用の複数のポートと、アップストリームの顧客機器140用の複数のポートとを含み、各トランスポートノードは、複数のメイトリンクを形成するための複数のメイトポートを備えてよい。
【0027】
障害発生時のデータ保護を実施するために、第1トランスポートノード110のポート112および第2トランスポートノード120のポート122はポートグループを形成してもよく、第1トランスポートノード110のポート112はワーキングポート(例えば、より高い性能を有し、ほとんどの時間稼働している)として設定され、第2トランスポートノード120のポート122は保護ポートとして設定される。逆の構成も可能であることに留意されたい。いくつかの実装では、ノードは、その上に複数のノードグループを有していてもよい。第1トランスポートノード110のポートの一部はワーキングポートであり、ポートの他の部分は保護ポートである。第2トランスポートノード120は同様の構成を有する。通常動作中、ポートグループ内の1つのトランスポートポートのみが同時にアクティブであり、他のトランスポートポートはスタンバイ状態である。例えば、第1ポート112がアクティブであり、第2ポート122がスタンバイ状態である。この場合、顧客機器130は、第1トランスポートノード110のポート112およびポート116を介して顧客機器140との間でトラフィックデータの送受信を行うことができ、対応するサービスアクセスポイントはブロックされておらず、第2トランスポートノード120のポート122はスタンバイ状態であり、顧客機器130はポート122を介して顧客機器140との間でトラフィックデータの送受信を行わない。顧客機器130と顧客機器140との間で通信障害(例えば、トランスポートノードの障害、またはリンクの障害)が発生した場合、スタンバイトランスポートノード120がトラフィックデータを引き継ぐことができる。ノードの障害は、例えば、ノードレベルでのハードウェアの故障、意図的または意図しない再起動およびシャットダウンなどである可能性がある。リンク障害は、アクセス装置130に接続されたトラフィックデータを伝送するためのリンク、2つのトランスポートノード間のトラフィックデータを伝送するためのメイトリンク、2つのトランスポートノード間で保護制御メッセージを伝送するためのメイトリンクなどで発生する場合がある。このとき、顧客機器130は、第2伝送装置(図1には図示せず)のポート122および126を介して顧客機器140とさらに通信を行うように切り替えることができる。本開示の実施形態による保護切替メカニズムは、ダウンストリームの顧客機器130でしか実装できないのではなく、アップストリームの顧客機器140にも適用できることに留意されたい。ただし、本明細書ではこれに限定されない。
【0028】
本開示の実施形態によれば、所望の保護の切り替えは、少なくとも以下の各一態様を実現することができ、アクティブノードの障害の場合、アクティブノードの全ポートのトラフィックデータをスタンバイノードに切り替え、スタンバイノードの障害の場合、アクティブノードの全ポートのトラフィックデータに影響を与えず、トラフィック損失も発生せず、アクティブノードの1つのポートの障害の場合、そのポートのトラフィックデータはスタンバイノードの対応するポートに切り替えられるべきであり、スタンバイノードのポートの障害の場合、アクティブノードの対応するポートのトラフィックに影響が及ぶことはなく、トラフィックデータの損失も発生せず、メイトリンクの障害の場合、トラフィックデータは依然として回復され、転送される。
【0029】
この目的のために、本開示の実施形態は、トランスポートノード間のローカルリクエストおよび制御メッセージに基づいて、ポートベースの高速デュアルホーム保護を実装できる改良された技術的解決策を提供する。以下、図2~15を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0030】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による通信方法200の概略的な相互作用の図を示す。通信方法200は、図1に示されているように、第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120によって実行することができる。いくつかの実施形態では、第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120に渡って実行されるデュアルホーム保護機能は等しくてもよく、即ち、第1トランスポートノード110の動作は第2トランスポートノード120によって実行されてもよく、第2トランスポートノード120の動作は第1トランスポートノード110によって実行されてもよい。あるいは、デュアルホーム保護機能を第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120のうちの一方で実行し、他方のノードはローカルポートの障害を報告することのみに特化し、ピアエンドによって決定された使用状況を通知するようにしてもよい。説明を簡単にするため、図1を参照しながら相互作用プロセス200について説明する。
【0031】
201において、第1トランスポートノード110は、第1トランスポートノード110によって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノード120からの少なくとも1つの制御メッセージの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノード110の第1ポート112の保護状態を決定する。ローカルリクエストは、例えば、リンクまたはノードの障害の検出、パフォーマンスの低下、ユーザによる手動での保護切り替え、ノード自体による保護切り替えなど、第1トランスポートノードにおいてトリガーされたリクエストであってよい。いくつかの実施形態において、第1トランスポートノード110は、ローカルリクエストを定期的に取得したり、イベント、例えば、ローカルリクエストのいずれかの変更に応じて、第1トランスポートノード110における全てのローカルリクエストのトリガーされた状態を取得したりすることができる。
【0032】
第1トランスポートノード110は、例えば、メイトポート114と124との間のメイトリンクを介して、第2トランスポートノード120からの制御メッセージを受信することもできる。制御メッセージを伝送するためのメイトリンクは、個別のリンクであってもよいし、トランスポートノード110と120との間のトラフィックデータを伝送するための共有リンクであってもよい。第2トランスポートノード120からの制御メッセージは、第2トランスポートノードの第2ポート122の保護状態を示すファーエンドリクエスト(far-end request)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1トランスポートノード110は、第2トランスポートノード120から制御メッセージを定期的に受信してもよく、または、第2トランスポートノード120で事象が発生した場合にそれぞれの制御メッセージを受信してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、保護状態のセットにおける各保護状態は、優先度に関連付けることができる。ローカルリクエストおよびファーエンドリクエストに示される、優先度が最も高い保護状態が、第1ポートの保護状態として決定される。換言すれば、優先度が最も高いリクエストを見つけ、優先度が最も高いリクエストに基づいて第1ポート112の保護状態を決定することができる。
【0034】
202において、第1トランスポートノード110において、第1ポート112の保護状態およびポート機能に基づいて、顧客機器130に関する第1ポート112の使用状況が決定される。第1トランスポートノード110の第1ポート112および第2トランスポートノード120の第2ポート122は、顧客機器130に結合され、対応するメイトポート機能を具備して、デュアルホーム保護を実行してもよい。本明細書で使用される場合、ポート機能はポートの役割とも称する場合があり、2つの用語は交換可能である。例えば、第1ポート112のポート機能はワーキングポートであり、第2ポート122のポート機能は保護ポートであってもよい(当然ながら、この順序を逆に構成することも可能である)。いくつかの実施形態において、ポート機能または役割は、トランスポートノードの性能または負荷に基づいて設定することができる。通常動作時には、第1ポートがアクティブであり、第2ポート122はスタンバイ状態、即ち、顧客機器130は第1ポート112を介してトラフィックデータの送信および受信を行い、第2ポート122におけるトラフィックデータ(存在する場合)は破棄される。保護切り替え(例えば、第1トランスポートノード110または第1ポート112の障害)の後、顧客機器130は、トラフィックデータの保護を実行するために、第2ポート122を介してトラフィックデータの送受信を実行するように切り替えることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、保護状態はポート機能に関連する使用状況を示すことができる。ポート機能の使用状況は、以下の構成によって表すことができ、ワーキングポートがアクティブである一方で、保護ポートはスタンバイ状態であること、ワーキングポートがスタンバイ状態である一方で、保護ポートはアクティブ状態であること、ワーキングポートおよび保護ポートの両方がアクティブ状態であること、などである。従って、第1ポートをアクティブ状態にするかスタンバイ状態にするかは、決定された第1ポートの保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて決定することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1ポート112の使用状況がアクティブであると判断された場合、顧客機器130からのパケット、または、顧客機器130へのパケットは、第1ポートにおいて転送され、MAC(メディアアクセス制御)アドレスの学習は受信方向で有効にすることができる。第1ポート112の使用状況がアクティブであると判断された場合、第1ポート112のパケットは破棄され、受信方向のMACアドレス学習は停止される。いくつかの実施形態において、使用状況が変更された場合、第1ポートで学習されたMACアドレスと、第2トランスポートノード120に接続されたメイトポート114のMACアドレスはフラッシュ(flush)される。付加的に、または、代替的に、トランスポートノード110のフィルタデータベース(FDB)全体におけるMACアドレスが削除される場合もある。
【0037】
いくつかの実施形態において、顧客機器のポートは、光分岐/結合器(例えば、Yケーブル)を介して第1ポート112および第2ポート122に結合される。第1ポート112の使用状況がスタンバイと判断された場合、第1ポート112における送信レーザーはシャットダウンされてもよい。第1ポート112の使用状況がアクティブと判断された場合、第1ポート112における送信レーザーは起動されてもよい。
【0038】
203において、第1トランスポートノード110は、第2トランスポートノード120に制御メッセージ205を送信する。これに対応して、第2トランスポートノード120は、第1トランスポートノード110からの制御メッセージ205を受信する。制御メッセージ205は、第1ポート110の保護状態、使用状況、およびその他の情報を通知することができる。制御メッセージ205は、定期的に送信されるか、第1トランスポートノード110に障害が発生した場合、または第1ポート112の保護状態または使用状況が変化した場合に送信される。
【0039】
206において、第2トランスポートノード120において、第2トランスポートノード120によって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または、第1トランスポートノード110からの少なくとも1つの制御メッセージのうちの少なくとも一方に基づいて、第2トランスポートノード120の第2ポート122の保護状態が決定される。207において、第2ポート122の保護状態およびポート機能に基づいて、顧客機器130に関する第2ポート122の使用状況が決定される。208において、第2トランスポートノード120が第1トランスポートノード110に制御メッセージ215を送信する。これに対応して、第1トランスポートノード110は第2トランスポートノード120からの制御メッセージ215を受信する。いくつかの実施形態において、第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120に実装されたデュアルホーム機能は同一であり、第2トランスポートノードにおける動作は、ここでは省略する第1トランスポートノード110の動作201から203と同様である。いくつかの実装では、デュアルホーム保護機能は第1トランスポートノード110においてのみ実行することができ、第2トランスポートノード120は、ローカルポートの保護状態または使用状況を判断することなく、第2ポート122の障害を報告し、第1トランスポートノード110によって決定された使用状況を受信して適用する。換言すれば、動作206および207は省略されてもよく、制御メッセージ215は主に第2ポート122の障害情報を通知するために使用される。そのため、ローカルリクエストと併せて、第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120は、制御メッセージを交換することで、顧客機器が追加の保護切替プロトコルをサポートする事なく、顧客機器に対して高速デュアルホーム保護を実行するために、メイト第1ポートおよび第2ポートの利用状況を交渉することができる。
【0040】
図3は、本開示のいくつかの実施形態によるデュアルホームポート保護(DHPP)システムの概略ブロック図を示す。DHPPメカニズムは、図2に示す相互作用プロセス200を実行するための例示的な実施形態であってもよい。いくつかの実施形態において、顧客機器130は1つのポートのみを有し、その唯一のポートは、光分岐/結合器150を使用して2つのポートに拡張することができ、一方のポートは第1ポート112に結合され、他方のポートは第2ポート122に結合される。顧客機器130に2つのポートがある場合、2つのポートは直接、第1ポート112および第2ポート122に結合することができる。
【0041】
第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120は、レイヤ2において動作することができ、これらは切替ノードとも称される。図3に示されているように、顧客機器130が2つの代替トランスポートノード110および120にデュアルホーム方式で接続されている場合、DHPPプロセスまたはモジュール115および125(2つのDHPPモジュールは、DHPPグループとも総称される)は、図2に示されている相互作用プロセス200を実行するために、2つのトランスポートにおいてそれぞれ実行することができる。具体的には、DHPPグループは2つの代替トランスポートノード110および120に分散され、第1トランスポートノード110はDHPPモジュール115を備え、第2トランスポートノード120はDHPPモジュール125を備える。
【0042】
DHPPモジュール115および125は、同じ機能を備えてよい。メイトDHPPモジュール115および125は、ポート112および122のペアを操作するために協調することができ、ポート112および122の一方が「アクティブ」の使用状態にあり、他方が「スタンバイ」の状態にある場合、通信システムに障害が発生した場合にトランスポートノードと顧客機器間のトラフィックデータ伝送を保護し、トラフィック到達時間を短縮することができる。調整のため、メイトDHPPモジュール115および125は、制御メッセージを交換して、保護状態、切替コマンド、アクティブ/スタンバイ状態、およびフィルタデータベース(FDB)フラッシュに関する情報を同期させることができる。第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120は、同じ装置または異なる装置に備えられてもよく、また、メイト第1ポート112および第2ポート112は、単一のDHPPモジュールによって制御されてもよいことに留意されたい。
【0043】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるDHPPモジュールの例示的な実施形態を示す。DHPPモジュールは、保護状態切替機能を備えていてもよい。この機能により、DHPPモジュールは、更なるトランスポートノードからのローカルリクエストおよび制御メッセージに基づいて、ポートの保護状態および使用状況を決定することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、ポートの保護状態は、保護状態のセットのうちの1つであってもよい。各保護状態には、関連する優先度が有り得る。いくつかの実施形態において、保護状態のセットは、動作中のロックアウト(LO-W)、保護中のロックアウト(LO-P)、メイトフェイル(Mate Fail)(MF)、動作中の強制スイッチオン(FS-W)、保護中の強制スイッチオン(FS-P)、動作中の信号障害(SF-W)、保護中の信号障害(SF-P)、動作中の信号劣化(SD-W)、保護中の信号劣化(SD-P)、動作中の手動スイッチオン(MS-W)、保護中の手動スイッチオン(MS-P)、動作中のリクエストなし(NR-W)、または、保護中のリクエストなし(NR-P)、のうち少なくとも1つを含む場合がある。ここで、メイトリンク障害とは、トラフィックデータを伝送するメイトポートの障害、またはDHPPの制御リンク障害を指す。トラフィックデータを伝送するメイトポート、および、DHPP制御リンクを伝送するポートは、同一の場合もあれば、異なる場合もある。実施形態によっては、さらに多くの保護状態、例えば、復旧待ち(WTR)、実行(EXER)、取消要求(RR)、再開禁止(DNR)などが含まれる場合がある。
【0045】
上記の保護状態は、高い順から低い順に、ロックアウト(LO-W/LO-P)>メイトフェイル(MF)>強制スイッチ(FS-W/FS-P)>リンク障害(SF-W/SF-P)>リンク劣化(SD-W/SD-F)>手動切替(MS-W/MS-P)>作業中のリクエストなし(NR-W)>保護中のリクエストなし(NR-P)、の優先度が設定される場合がある。あるいは、保護状態には、低い順から高い順に、ロックアウト(LO-W/LO-P)>強制スイッチ(FS-W/FS-P)>メイトフェイル(MF)>リンク障害(SF-W/SF-P)>リンク劣化(SD-W/SD-F)>手動切替(MS-W/MS-P)>作業中のリクエストなし(NR-W)>保護中のリクエストなし(NR-P)、の優先度が設定される場合もある。
【0046】
DHPPモジュールは、上記の優先度に基づいて保護状態遷移を実行することができる。図4に示すように、DHHPモジュールは、ローカル優先度判定回路402、グローバル優先度判定回路404、有効性確認回路406、不一致検出回路408などを備える。ローカル優先度判定回路402は、ローカルリクエストを受信し、優先度が最も高いローカルリクエストを出力するように構成されている。有効性確認回路406は、ファーエンドのトランスポートノードからの制御メッセージを受信し、確認後にファーエンドリクエストを出力するように構成されている。DHPPモジュールがDHPPモジュール115であると仮定すると、第2トランスポートノード120の制御メッセージを受信し、ファーエンドリクエストは第2ポート122の保護状態を示す。グローバル優先度判定回路404は、ファーエンドリクエストと優先度が最も高いローカルリクエストから優先度が最も高いグローバルリクエストを決定するように構成されている。次に、DHPPモジュールは、優先度が最も高いグローバルリクエストとポートの以前の保護状態に基づいて、ポートの保護状態を決定し、決定した保護状態に基づいてローカルポートの使用状況を決定する。
【0047】
いくつかの実施形態では、同じ優先度のコマンド/条件が2つのトランスポートノード上で同時に実行される場合(即ち、ローカルリクエストとファーエンドリクエストが同じ優先度である場合)、ワーキングポートをアクティブにするコマンド/条件は、保護ポートをアクティブにするコマンド/条件よりも優先される。換言すれば、DHPPモジュールのローカルポートがワーキングポートである場合、DHPPモジュールはポートの使用状況をアクティブと決定し、ローカルポートがスタンバイポートである場合、DHPPモジュールはポートの使用状況をスタンバイと決定する。
【0048】
いくつかの実施形態において、ポートの保護状態は、1つまたは複数の状態遷移テーブルに基づいて決定することができる。状態遷移テーブルは、例えば、復帰型切り替えおよび非復帰型切り替えなどの保護切り替えモードに基づいて設定することができる。復帰型切り替えは、ワーキングノードまたはワーキングポートの障害が復旧した後に、トラフィックデータをワーキングノードまたはワーキングポートに切り替えるモードを指す。非復帰型切り替えは、ワーキングノードまたはワーキングポートの障害が復旧した後に、トラフィックデータをワーキングノードまたはワーキングポートに切り替えるのではなく、保護ノードまたは保護モード上でトラフィックデータの送信を継続するモードを指す。いくつかの実施形態において、最も優先度の高いグローバルリクエストがローカルリクエストであるか、あるいはファーエンドリクエストであるかによって、状態遷移テーブルが異なる場合がある。状態遷移テーブルにおいて、直前の保護状態の優先度が、優先度が最も高いグローバルリクエストによって示される保護状態の優先度よりも高い場合、その保護状態に対して遷移が実行されない場合があることに留意されたい。
【0049】
いくつかの実施形態において、DHPPモジュールは、遠位ポートの使用状況がローカルで決定されたポートの使用状況とマッチングするか否かを検出するために、不一致検出回路408も使用することができる。マッチングしない場合、保護の切り替えが完了していないことを示すためにエラー情報が生成される場合がある。図5A~5Cは、本開示のいくつかの実施形態によるDHPP用の制御メッセージの例示的な実施形態を示す。図5Aは、4バイトがファーエンドからの、またはファーエンドへのリクエスト情報を伝送するために使用されるプロトコルデータユニット(PDU)フォーマに基づく制御メッセージを示す。いくつかの実施形態において、他のフィールドは、バージョン:0x00、オペコード:0d39(=0x27)、フラグ:0x00、および、終端TLV:0x00、のように定義される場合がある。MELフィールドには、PDUのメンテナンスエンティティグループ(MEG)レベルが挿入される。
【0050】
図5Bは、図5Aにおけるリクエスト情報のフォーマット例を示す。リクエスト情報は、リクエスト/状態、プロトコルタイプ、要求された信号(r)、ブリッジ情報(b)、ブリッジタイプ(T)、メイトフェイルの設定(P)、および予約バイトを含む。
【0051】
図5Cは、図5Bのフィールド、および、それらの意味を示している。メイトフェイル(MF)条件があることに注目すべきであり、メイトフェイル発生時の2つのオプションを示すために、1バイトのPが使用される。オプション1(例えば、Pは0)では、DHPPグループのポートの現在のアクティブ(非ブロック)状態と現在のスタンバイ(ブロック)状態を示し、オプション2(例えば、Pは1)では、DHPPグループの2つのポートが両方ともアクティブ(非ブロック)状態であることを示す。オプション1は、主にDHPPグループの2つのポートが、光分岐/結合器(例えばYケーブル)を介して顧客機器CEに接続されている場合に用いられる。オプション2は、主にDHPPグループの2つのポートが、顧客機器CEの2つのポートに接続されている場合に用いられる。いくつかの実施形態において、優先度が最も高いリクエストがメイトフェイル(MF)を示している場合、制御メッセージのPバイトに基づいてDHPPグループのポートの使用状況を決定することができる。オプションが0の場合、2つのポートの使用状況は変更されずに維持され、オプションが1の場合、2つのポートの使用状況は両方ともアクティブであると判断される。
【0052】
制御メッセージは、ポートの保護状態を示すことができる(例えば、図5Cの「リクエスト/状態」のフィールドなど)。いくつかの実施形態において、制御メッセージは、ポートの使用状況(例えば、図5Cのダウンリンクおよびアップリンク通信における「リクエスト信号」および「ブリッジ信号」のフィールド)も示す場合がある。いくつかの実施形態において、制御メッセージは、ノード障害の場合に、フィルタデータベース(FDB)フラッシュをさらに示してよく、FDBは、トランスポートノードで学習された媒体アクセス制御(MAC)アドレスに記憶される。いくつかの実施形態では、ポートの使用状況が変更された場合(即ち、アクティブからスタンバイへ、またはスタンバイからアクティブへ)、またはノード障害が発生した場合に、FDBのフラッシュが実行される場合がある。FDBフラッシュには、関連ポートで学習されたMACアドレスのフラッシュが含まれる場合があり、またはトランスポートノード全体のFDBのフラッシュが含まれる場合がある。
【0053】
本開示の実施形態は、さらにメイトリンクの保護を提供する。いくつかの実施形態において、トランスポートノード間のメイトリンクは複数のメイトリンクを含み、制御メッセージおよびそのコピーは、複数のメイトリンクにおける第1リンクおよび第2リンクにそれぞれ送信することができる。例えば、送信側では、制御メッセージは2つのリンクにブロードキャストされ、各リンクにコピーが1つずつブロードキャストされ、受信側では、制御メッセージは2つのメイトリンクで受信され、そのうちの1つのコピーが選択されてメイトリンクが正常に動作しているか否かが検証され、検証後にDHPPモジュールに送信される。
【0054】
ここで使用される障害には、トラフィックデータリンク障害、トランスポートノード障害、またはトランスポートノード間のメイトフェイルが含まれる場合がある。ポートの障害は、トラフィックデータリンクの障害と見なすことができ、動作中の信号障害(SF-W)または保護中の信号障害(SF-P)の保護状態に対応する。いくつかの実施形態において、トラフィックデータリンクの障害の検出は、ローカル障害(例えば、電力損失、信号損失、同期損失、およびローカル障害表示)およびリモート障害(リモート障害表示)を含む物理層障害の検出をカバーすることができる。さらに、または、代替として、トラフィックデータリンク障害の検出は、例えば、IEEE 802.3ah運用、管理、保守(OAM)リンク監視および遠隔障害表示をさらに含む場合がある。さらに、または、代替として、トラフィックデータリンク障害の検出は、IEEE 802.1ag構成接続障害管理(Configuration Connection Failure Management(CFM))OAM連続性喪失(LOC)および対局欠陥表示(RDI)を含む場合がある。
【0055】
トランスポートノードの障害検出に関して、トランスポートノードが誤ってコールドリブートされたり電源がオフになったりした場合、トランスポートノードは、大容量コンデンサまたはバックアップ電源を使用して、高速制御メッセージ(例えば、信号障害(SF)を示す複数の制御メッセージ)のセットをピアトランスポートノードに短時間で送信することができる。いくつかの実施形態において、ノードの障害が回復した後、障害が発生したトランスポートノードのポートにおける送信レーザーは、DHHPモジュールによってポートの使用状況が決定されるまで無効にすることができる。
【0056】
メイトフェイルの検出については、トランスポートノードは、制御メッセージを伝送するメイトポートの障害、または複数の(例えば3つ)の周期的な制御メッセージの連続的な損失に基づいて、メイトフェイルの発生を判断することができる。
【0057】
以下、図6から図12を参照しながら、本開示の実施形態によるデュアルホーム通信システムを使用した作業プロセスの例について説明する。これらの例では、本開示の実施形態を適用して、無線ユニット(RU)と仮想化分散ユニット(vDU)間のトラフィックデータを保護するが、本開示はこれに限定されないことに留意されたい。
【0058】
図に示されているように、顧客機器は1つのポートのみを使用し、光分岐/結合器を介して2つの代替トランスポートノードに接続されている。トランスポートノード1およびトランスポートノード2上で実行されているDHPP保護メカニズムは、RUおよびトランスポートノード1と2との間のトラフィックを保護する。RUとvDUとの間のエンドツーエンドのトラフィックを復元するために、トランスポートノード1と2でMC-LAGを使用してvDUとトランスポートノード1および2との間のトラフィックデータを保護する。MC-LAGは、DHPP保護メカニズムの一部ではなく、例として提供されており、他の保護メカニズムも用いることができることに留意されたい。
【0059】
本実施における例では、RUは1つのアップリンクポートのみを使用してYケーブル(光Yケーブルまたは電気Yケーブルを含む)に接続し、光信号を2つのコピーに分割して代替トランスポートノードにそれぞれ送信する。vDUは2つのポートを使用し、そのうちの一方はトランスポートノード1に接続され、他方はトランスポートノード2に接続される。リンク障害が発生した場合に転送経路を確保するため、トランスポートノード1とトランスポートノード2との間にはメイトリンクが接続される。トランスポートノード1および2において、イーサネット(登録商標)サービス(例えば、E-LANサービス)がP1、P2、P3、およびP4間でレイヤ2転送を行うように構成されている。トランスポートノード1および2において、DHPPがP1を操作し、MC-LAG1がP2を操作し、MC-LAG2がP3を操作する。
【0060】
DHPPインスタンスはトランスポートノード1上で実行され、ピアDHPPインスタンスはトランスポートノード2上で実行される。ここで、トランスポートノード1上のDHPPインスタンスは、ポートをワーキングポートとして構成したトランスポートノード1上のP1を操作する。第2トランスポートノード2上のDHPPインスタンスは、ポートを保護ポートとして構成したトランスポートノード2上のP1を操作する。DHPP制御メッセージは、トランスポートノード間のメイトリンクを介して送受信され、P4のようにトラフィックデータと同じリンクを共有している場合もあれば、他のリンクを使用している場合もある。
【0061】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、通常状態のDHPPシステムの概略図を示す。障害や外部コマンドのない通常の状態では、優先度リストが「動作中のリクエストなし(NR-W)」>「保護中のリクエストなし(NR-P)」と定義しているため、初期状態では、ワーキングポートがアクティブでトラフィックデータを転送し、保護ポートがスタンバイで送信レーザーをシャットダウンしてブロックする。したがって、RUとvDUからのトラフィックは、トランスポートノード1のP1とP2を通過する。トラフィックデータは双方向であり、MACアドレスが学習される前にブロードキャストされる場合がある。
【0062】
図7は、本開示のいくつかの実施形態によるトラフィックデータリンク障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。リンク障害の場合(例えば、トランスポートノード1のP1がローカルまたはリモートの障害を検出)、トランスポートノード1および2上のDHPPは以下の動作を行う。
【0063】
トランスポートノード1上のDHPPは、自身の保護状態を動作中の信号障害(SF-W)に遷移させ、ワーキングポートをスタンバイ状態に設定し、送信レーザーをシャットダウンしてブロックする。トランスポートノード1上のDHPPは、ワーキングポートとメイトポートのMACアドレスをフラッシュし、制御メッセージを使用してSF-Wをトランスポートノード2上のピアDHPPに送信する。
【0064】
SF-Wを受信すると、トランスポートノード2上のDHPPは状態を「SF-W、リモート」に遷移し、保護ポートをアクティブ状態に設定してブロックを解除し、送信レーザーをオンにしてピアポートとP1をフラッシュする。また、トランスポート2上のDHPPは、トランスポートノード1上のピアDHPPに保護リクエストなし(NR-P)を送信する。
【0065】
vDUからトランスポートノード1上のP2が受信したトラフィックデータは、全てのポート(P2を除く)にブロードキャストされ、P4を介して転送され、トラフィックデータがトランスポートノード2上のP4で受信されると、MACテーブルがすでにフラッシュまたはリフレッシュされているため、トラフィックデータはP1にブロードキャストされる。これにより、vDUからRUへのトラフィックが回復する。トランスポートノード2のP1がRUから受信したトラフィックデータは、全てのポート(P1を除く)にブロードキャストされ、P4を介して転送される。MACアドレスはすでにP2で学習されているため、トランスポートノード1のP2に転送される。このようにして、RUからvDUへのトラフィックが回復する。これにより、RUとvDU間の双方向通信が回復する。
【0066】
図8は、本開示のいくつかの実施形態によるアクティブノード障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。アクティブノード障害(例えば、トランスポートノード上で発生したハードウェア障害または電源オフ)の場合、トランスポートノード1および2上のDHPPは、以下の処理を行う。
【0067】
トランスポートノード1上のDHPPは、3つの高速ノード障害通知制御メッセージ(例えばSF-W)を送信し、トランスポートノード2上のピアDHPPに通知する。ノード障害通知制御メッセージを受信すると、トランスポートノード2上のDHPPは状態を「SF-W、リモート」に遷移し、保護ポートをアクティブ状態に設定し、送信レーザーをオンにしてブロックを解除し、制御メッセージを使用してNR-Pをトランスポートノード1上のピアDHPPに送信する。ピアノードの障害が検出されると、トランスポートノード2のMC-LAGがアクティブになり、P2/P3で学習したMACアドレスをフラッシュする。
【0068】
トランスポートノード2のP1から受信したRUのトラフィックデータは、全てのポート(P1を除く)に送信され、P2/P3によって転送される。vDUは2つのネットワークインターフェースカード(NIC)からトラフィックデータを受信できるため、P1とP2/P3を介して、RUからvDUへのトラフィックデータが回復される。P1でRUのMACアドレスを受信すると、vDUはNIC2上のRUのMACアドレスを学習し、NIC2経由でトラフィックデータの送信を開始する。トランスポートノード2のP2がvDUから受信したトラフィックデータは、学習済みのMACアドレスに基づいてP1に転送される。このようにして、vDUからRUへのトラフィックが回復する。これにより、それまで中断されていたRUとvDU間の双方向通信が回復する。
【0069】
図9は、本開示のいくつかの実施形態によるスタンバイノード障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。スタンバイノード障害(例えば、トランスポートノード2で発生するハードウェア障害または電源オフ)の場合、トランスポートノード1および2上のDHPPは以下の処理を行う。
【0070】
トランスポートノード2上のDHPPは、トランスポートノード1上のピアDHPPに通知するために、3つの高速ノード障害通知制御メッセージ(SF-P)を送信する。ノード障害通知制御メッセージを受信すると、より優先度の高い条件や命令が存在しない場合、トランスポートノード上のDHPPは状態を「SF-P、リモート」に移行し、ワーキングポートをアクティブに保ち、送信レーザーをオンにしてブロックを解除し、MACテーブルのフラッシュを行わず、トランスポートノード2上のピアDHPPに「NR-W」を送信する。したがって、いずれの方向においてもトラフィックデータは失われない。
【0071】
図10は、本開示のいくつかの実施形態によるDHPP制御リンク障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。図10の例では、DHPP制御チャネルはユーザトラフィックとは異なるリンクを使用する。DHPP制御リンクの障害(例えば、リンクダウンまたは制御メッセージの損失)が検出されると、トランスポートノード1および2上のDHPPは以下の処理を行う。
【0072】
DHPP制御リンクの障害が検出された場合、LO-W/LO-Pコマンドなどのより優先度の高い条件が存在しない場合、トランスポートノード1上のDHPPはメイトフェイル(MF)状態に移行する。上記のオプション1を使用して処理を行う場合(顧客機器が1ポートのみであることを考慮)、ワーキングポートはアクティブ状態を維持し、ブロックされず、MACテーブルのフラッシュは実行されない。DHPP制御リンクの障害を検知した際、LO-W/LO-Pコマンドなどのより優先度の高い条件が存在しない場合、トランスポートノード2上のDHPPはメイトフェイル(MF)状態に移行し、オプション1を使用して処理が行われる場合、ポートはスタンバイ状態に維持され、ブロック解除され、MACテーブルのフラッシュは実行されない。したがって、いずれの方向においてもトラフィックデータは失われない。
【0073】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、メイトフェイルおよびDHPP制御リンク障害を有するDHPPシステムの概略図を示す。DHPP制御チャネルがユーザトラフィックデータと同一のメイトリンクを共有する場合、メイトフェイル(例えば、ダウンリンク方向における)が検出されると、トランスポート1および2上のDHPPは以下の処理を行う。
【0074】
メイトフェイルが検出された場合、LO-W/LO-Pコマンドなどのより優先度の高い条件が存在しない場合、トランスポートノード1上のDHPPは、ポートの保護状態をメイトフェイル(MF)に遷移させ、ワーキングポートをアクティブかつブロックされていない状態に維持し、MACテーブルのフラッシュは実行しない。メイトフェイルが検出された場合、LO-W/LO-Pなどのより優先度の高い条件が存在しない場合、トランスポートノード2上のDHPPは、保護ポートをスタンバイ状態に維持し、MACテーブルのフラッシュは実行しない。一方、メイトフェイルが検出されると、MC-LAGは2つのピアLAGをアクティブにする。このようにして、双方向のトラフィックが回復する。
【0075】
単一ポートの顧客機器の動作については、図6から図11を用いて上述した。図12は、本開示のいくつかの実施形態によるデュアルポートの顧客機器用のDHPPシステムの概略図を示す。トランスポートノード1およびトランスポートノード2上で実行されるDHPP保護メカニズムは、図6~11のMC-LAGに代わるものとして、トランスポートノード1および2とvDU間のトラフィックデータを保護するために使用することもできる。
【0076】
図に示されているように、RUとトランスポートノードとの間の通信、およびvDUとトランスポートノードとの間の通信は、いずれもDHPPメカニズムによって保護されている。トランスポートノードとvDUとの間の通信では、vDUは2つのポートを使用し、一方のポートはトランスポートノード1に接続され、他方のポートはトランスポートノード2に接続される。図6~11を参照して説明した様々な障害について、vDUのNICが両方ともユーザトラフィックの受信を予定しているため、トランスポートノード1と2のDHPPは、スタンバイポートの送信レーザーを遮断しないオプションに設定することができる、という相違点を除いて、DHPPは、トラフィックを復元するために同じ手順に従ってもよい。DHPPはスタンバイポートの送信レーザーを遮断するように設定することもできる。この2つの方法は柔軟に設定することができる。さらに、トランスポートノード1と2のDHPPは、メイトフェイルが発生した場合に両方のピアポートをアクティブにするオプションで設定できるため、トラフィックデータはどちらかのポート経由で転送し続けることができる。
【0077】
以下の表1は、本開示の実施形態によるDHPPシステムと、他の既存の保護メカニズム(即ち、イーサネット(登録商標)リニアプロテクション(ELP)、イーサネット(登録商標)リングプロテクション(EPR)、およびMC-LAG)との比較を示している。
【表1】
【0078】
いくつかの実施例において、本開示の実施形態による保護切替メカニズムは、2段階で実行されてもよい。第1段階では、メカニズムは一方のノードのみで実行され、他方のノードは自身の側の障害を報告し、ピアポートによって決定されたポート使用状況を実行する役割を担うが、この段階では、メイトリンクはメイトの障害を防止するための保護メカニズムを使用しなければならない。第2段階では、提案されている保護切替メカニズムが両方のノードにおいて実行される。本明細書で提案されている方法は、メイトの単一のポートを制御するために使用することができるが、これに限定されるものではなく、ペアのポートグループを保護したり、SAPがポートID+VLAN IDとして認識される場合のサービスアクセスポイント(SAP)のペアを保護したり、SAPのペアグループを保護したりするために使用することができる。
【0079】
図13は、本開示の一部の実施形態による通信方法1300の概略的なフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法1300は、図1の第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120の装置のどちらか一方または両方で実施されてもよい。
【0080】
ブロック1310において、本方法は、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定することを含み、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能は動作ポートまたは保護ポートの一方であり、第2ポートのポート機能は動作ポートまたは保護ポートの他方である。ブロック1320において、本方法は、第1ポートの保護状態およびポート機能に基づいて、顧客機器に関する第1ポートの使用状況を決定し、使用状況には、アクティブまたはスタンバイが含まれる。
【0081】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのローカルリクエストのそれぞれが、優先度がそれぞれ関連付けられた保護状態のセットのうちの1つの保護状態を示すことであって、少なくとも1つの制御メッセージの制御メッセージが、保護状態のセットのうちの第2ポートの保護状態を示すファーエンドリクエストを含む、示すことと、装置が、少なくとも1つのローカルリクエストおよびファーエンドリクエストから、優先度が最も高いリクエストを決定し、第1ポートの以前の保護状態および優先度が最も高いリクエストに基づいて第1ポートの保護状態を決定することと、によって、第1ポートの保護状態を決定することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、保護状態のセットは、動作中のロックアウト、保護中のロックアウト、メイトフェイル、動作中の強制スイッチオン、保護中の強制スイッチオン、動作中の信号障害、保護中の信号障害、動作中の信号劣化、保護中の信号劣化、動作中の手動スイッチオン、保護中の手動スイッチオン、動作中のリクエストなし、または保護中のリクエストなし、のうち少なくとも1つを含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、保護状態のセットの優先度は、少なくとも、動作中のロックアウトと保護中のロックアウトの優先度がメイトフェイルの優先度よりも高く、メイトフェイルの優先度が強制スイッチの優先度よりも高い、または、動作中のロックアウトと保護中のロックアウトの優先度が、動作中の強制スイッチオンと保護中の強制スイッチオンの優先度よりも高く、動作中の強制スイッチオンと保護中の強制スイッチオンの優先度が、メイトフェイルの優先度よりも高い、のいずれかを満たす。
【0084】
いくつかの実施形態において、装置は、優先度に基づいて、少なくとも1つのローカルリクエストのうちで優先度が最も高いローカルリクエストを決定することと、決定したローカルリクエストとファーエンドリクエストのうちで優先度が最も高いリクエストを決定することと、により、優先度が最も高いリクエストを決定することができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、第1ポートの保護状態を決定することは、ローカルリクエストとファーエンドリクエストが同じ優先度である場合、第1ポートのポート機能がワーキングポートであることに基づいて、第1ポートの使用状況がアクティブであると決定すること、または、第1ポートの機能が保護ポートであることに基づいて、第1ポートの使用状況がスタンバイであると決定すること、を含んでよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、第1ポートの保護状態に基づいて、第2トランスポートノードに制御メッセージを送信するように構成されており、第2ポートの使用状況は、少なくとも制御メッセージに基づいて決定される。
【0087】
いくつかの実施形態において、第1トランスポートノードおよび第2トランスポートノードは少なくとも1つのメイトリンクを介して結合されており、制御メッセージは少なくとも1つのメイトリンクのうちの1つを介して送信される。
【0088】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、優先度が最も高いリクエストが少なくとも1つのメイトリンクの障害を指示している場合、制御メッセージの指示に基づいて第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況を決定するように構成される。
【0089】
いくつかの実施形態において、第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況を決定することは、第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況を変更しないように維持すること、または第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況が両方ともアクティブであると決定すること、のうち少なくとも1つを含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメイトリンクは複数のメイトリンクを含み、制御メッセージおよびそのコピーは、複数のメイトリンクにおける第1リンクおよび第2リンクにそれぞれ送信される。
【0091】
いくつかの実施形態において、制御メッセージは、ポートの保護状態、ポートの使用状況、またはフィルタデータベース(FDB)のフラッシュのうち少なくとも1つを示す。
【0092】
いくつかの実施形態において、制御メッセージは、イーサネット(登録商標)ヘッダ、インターネットプロトコル(IP)ヘッダ、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ヘッダ、または光伝送ネットワーク(OTN)または同期デジタルハイアラキー(SDH)コンテナのうち少なくとも1つを介して送信される。
【0093】
いくつかの実施形態において、装置はさらに、第1ポートにおいて、第1ポートの使用状況がアクティブと判断されたことに基づいて、顧客機器からのパケット、または、顧客機器へのパケットを転送し、メディアアクセス制御(MAC)アドレスの学習を可能にし、または、第1ポートにおいて、第1ポートの使用状況がスタンバイと判断されたことに基づいて、パケットを破棄する、ように構成される。
【0094】
いくつかの実施形態において、顧客機器のポートは、光分岐/結合器を介して第1ポートおよび第2ポートに結合されており、装置はさらに、第1ポートの使用状況がスタンドバイと判断されたことに基づいて第1ポートにおける送信レーザーをオフにするか、または第1ポートの使用状況がアクティブと判断されたことに基づいて第1ポートにおける送信レーザーをオンにするように構成されている。
【0095】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、第1ポートの使用状況の変化に基づいて、第1ポート、および第2トランスポートノードに接続されている第1トランスポートノードの少なくとも1つのメイトポートにおいて学習されたMACアドレスを更新するように構成される。
【0096】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、トラフィックデータリンクの障害、トランスポートノードの障害、またはトランスポートノード間のメイトフェイルを検出するように構成されている。
【0097】
いくつかの実施形態において、トラフィックデータリンクの障害の検出は、物理層障害検出、運用、管理、保守(OAM)リンクの監視および遠隔障害表示、または、構成接続障害管理(CFM)OAM連続性喪失(LOC)および対局欠陥表示、のうち少なくとも1つに基づく。
【0098】
いくつかの実施形態において、第1トランスポートノードまたは第2トランスポートノードのうち障害が発生したトランスポートノードが回復した場合、そのポートの使用状況が決定されるまで、障害が発生したトランスポートノードの装置のポートにおける送信レーザーを無効にすることができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、第1トランスポートノードおよび第2トランスポートノードは、同一のネットワーク装置に含まれるか、または異なるネットワーク装置に含まれる。
【0100】
いくつかの実施形態において、第1ポートのポート機能はワーキングポートであり、第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、装置はさらに、第1ポートと顧客機器との間のリンク障害を検出したことに基づいて、第1ポートの保護状態をワーキングノードの障害を示すように変更し、第1ポートの使用状況をスタンバイに変更し、第1ポートおよび第2トランスポートノードのメイトポートのMACアドレスをフラッシュし、第2トランスポートノードにワーキングノードの障害を示す制御メッセージを送信する、ように構成される。
【0101】
いくつかの実施形態において、第1ポートのポート機能は保護ポートであり、第1ポートの以前の使用状態はスタンバイであり、装置は、さらに、第2トランスポートノードからワーキングノードの障害を示す制御メッセージを受信したことに基づいて、第1ポートの保護状態をアクティブに変更し、第1ポートおよび第2トランスポートノードのメイトポート上のMACアドレスをフラッシュする、ように構成される。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1ポートのポート機能はワーキングポートであり、第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、装置は、さらに、第1トランスポートノードの障害を検出したことに基づいて、ワーキングノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを第2トランスポートノードに送信するように構成されている。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1ポートのポート機能は保護ポートであり、第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、装置は、さらに、第2トランスポートノードからワーキングノードの障害を示す制御メッセージを少なくとも受信したことに基づいて、第1ポートの使用状況、および、さらなる顧客機器に結合された第3ポートの使用状況の両方をアクティブに変更し、トラフィックデータがさらなる顧客機器と顧客機器との間で送信され、第1ポートと第3ポート上のMACアドレスをフラッシュする、ように構成される。
【0104】
いくつかの実施形態において、第1ポートのポート機能は保護ポートであり、第1ポートの使用状況はスタンバイであり、装置は、さらに、第1トランスポートノードの保護ノードの障害を検出したことに基づいて、保護ノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを第2トランスポートノードに送信するように構成されている。
【0105】
いくつかの実施形態において、第1ポートのポート機能はワーキングポートであり、第1ポートの使用状況はアクティブであり、装置は、さらに、第2トランスポートノードから保護ノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを受信したことに基づいて、第1ポートの使用状況をアクティブに維持するように構成される。
【0106】
いくつかの実施形態において、顧客機器は、第1ポートに異なるトラフィックデータをそれぞれ送信するための2つのポートを備え、装置は、第1ポートの使用状況がスタンバイであるという判定に基づいて、第1ポートの送信レーザーをオンまたはオフに維持し、あるいは、第1トランスポートノードと第2トランスポートノードとの間のメイトフェイルを検出したことに基づいて、第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況がアクティブであると判定する、ように構成されている。
【0107】
いくつかの実施形態において、装置は、方法1300のいくつかの実施形態における他のステップを実行するための手段をさらに含む。いくつかの実施形態において、手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを記憶した少なくとも1つのメモリと、を含む。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとともに、装置にこれらのステップを実行させるように構成されている。
【0108】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1300を実行する装置は、方法1300のそれぞれのステップを実行するための手段を含んでもよい。手段は、任意の適切な形態で実装することができる。例えば、手段は回路またはソフトウェアモジュールで実装することができる。
【0109】
装置は、第1トランスポートノードにおいて、第1トランスポートノードによって生成された少なくとも1つのローカルリクエスト、または第2トランスポートノードからの少なくとも1つの制御メッセージの少なくとも一方に基づいて、第1トランスポートノードの第1ポートの保護状態を決定する手段を含んでもよく、第1ポートおよび第2トランスポートノードの第2ポートは顧客機器に結合されており、第1ポートのポート機能はワーキングポートまたは保護ポートのうちの一方であり、第2ポートのポート機能はワーキングポートまたは保護ポートのうちの他方である。この装置は、保護状態および第1ポートのポート機能に基づいて、顧客機器に関する第1ポートの使用状況を判定する手段をさらに含んでもよく、使用状況にはアクティブまたはスタンバイが含まれる。
【0110】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのローカルリクエストのそれぞれが、保護状態のセットのうちの1つの保護状態を示し、少なくとも1つの制御メッセージの制御メッセージが、保護状態のセットのうちの第2ポートの保護状態を示すファーエンドリクエストを含み、保護状態のセットはそれぞれ優先度に関連付けられている。第1ポートの保護状態を決定する手段は、少なくとも1つのローカルリクエストおよびファーエンドリクエストから、優先度が最も高いリクエストを決定するサブ手段と、第1ポートの以前の保護状態および優先度が最も高いリクエストに基づいて、第1ポートの保護状態を決定するサブ手段と、を含んでもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、保護状態のセットは、動作中のロックアウト、保護中のロックアウト、メイトフェイル、動作中の強制スイッチオン、保護中の強制スイッチオン、動作中の信号障害、保護中の信号障害、動作中の信号劣化、保護中の信号劣化、動作中の手動スイッチオン、保護中の手動スイッチオン、動作中のリクエストなし、または保護中のリクエストなし、のうち少なくとも1つを含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、保護状態のセットの優先度は、少なくとも、動作中のロックアウトおよび保護中のロックアウトの優先度がメイトフェイルの優先度よりも高く、メイトフェイルの優先度が動作中の強制スイッチと保護中の強制スイッチの優先度よりも高いこと、または、動作中のロックアウトと保護中のロックアウトの優先度が、動作中の強制スイッチと保護中の強制スイッチの優先度よりも高く、動作中の強制スイッチと保護中の強制スイッチの優先度が、メイトフェイルの優先度よりも高いこと、のいずれかを満たす。
【0113】
いくつかの実施形態において、優先度が最も高いリクエストを決定するための手段は、優先度に基づいて、少なくとも1つのローカルリクエストのうちで優先度が最も高いローカルリクエストを決定するためのサブ手段と、決定されたローカルリクエストおよびファーエンドリクエストのうちで優先度が最も高いリクエストを決定するためのサブ手段と、を含んでもよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1ポートの保護状態を決定する手段は、ローカルリクエストおよびファーエンドリクエストが同じ優先度を有する場合、ワーキングポートである第1ポートのポート機能に基づいて、第1ポートの使用状況がアクティブであると決定すること、または、保護ポートである第1ポートの機能に基づいて、第1ポートの使用状況がスタンバイであると決定すること、を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、第1ポートの保護状態に基づいて、第2トランスポートノードに制御メッセージを送信する手段をさらに備え、第2ポートの使用状況が少なくとも制御メッセージに基づいて決定されるようにしてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、第1トランスポートノードおよび第2トランスポートノードは少なくとも1つのメイトリンクを介して結合されており、制御メッセージは少なくとも1つのメイトリンクのうちの1つを介して送信される。
【0117】
いくつかの実施形態において、装置は、優先度が最も高いリクエストが少なくとも1つのメイトリンクの障害を指示している場合、制御メッセージの指示に基づいて第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況を決定するための手段をさらに備えていてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況を決定する手段は、第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況を変更しないように維持するサブ手段、または、第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況が両方ともアクティブであると決定するサブ手段、のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのメイトリンクは複数のメイトリンクを含み、制御メッセージおよびそのコピーは、複数のメイトリンクにおける第1リンクおよび第2リンクにそれぞれ送信される。
【0120】
いくつかの実施形態では、制御メッセージは、ポートの保護状態、ポートの使用状況、または、フィルタデータベース(FDB)のフラッシュ、のうち少なくとも1つを示す。
【0121】
いくつかの実施形態では、制御メッセージは、イーサネット(登録商標)ヘッダ、インターネットプロトコル(IP)ヘッダ、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ヘッダ、または光伝送ネットワーク(OTN)または同期デジタルハイアラキー(SDH)コンテナのうち少なくとも1つを介して送信される。
【0122】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、第1ポートにおいて、アクティブと決定された第1ポートの使用状況に基づいて、顧客機器からの、または顧客機器へのパケットを転送し、メディアアクセス制御(MAC)アドレスの学習を可能にする手段、または、スタンバイと決定された第1ポートの使用状況に基づいて、第1ポートにおいてパケットを破棄する手段、を備えてよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、顧客機器のポートは、光分岐/結合器を介して第1ポートおよび第2ポートに結合され、装置は、さらに、スタンバイと決定された第1ポートの使用状況に基づいて、第1ポートにおける送信レーザーをオフにする手段、または、アクティブと決定された第1ポートの使用状況に基づいて、第1ポートにおける送信レーザーをオンにする手段、を備えてよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、第1ポートの使用状況の変化に基づいて、第1ポートと、第2トランスポートノードに接続されている第1トランスポートノードの少なくとも1つのメイトポートと、において、学習されたMACアドレスをリフレッシュするための手段を備えていてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、トラフィックデータリンクの障害、トランスポートノードの障害、またはトランスポートノード間のメイトフェイルを検出するように構成されている。
【0126】
いくつかの実施形態では、トラフィックデータリンクの障害の検出は、物理層障害検出、運用、管理、保守(OAM)リンク監視および遠隔障害表示、構成接続障害管理(CFM)OAM連続性喪失(LOC)および対局欠陥表示のうち少なくとも1つに基づく。
【0127】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、第1トランスポートノードまたは第2トランスポートノードのうち障害が発生したトランスポートノードが回復した場合、そのノードのポートの使用状況が決定されるまで、障害が発生したトランスポートノードのポートにおける送信レーザーを無効にするように構成される。
【0128】
いくつかの実施形態では、第1トランスポートノードおよび第2トランスポートノードは、同一のネットワーク装置に含まれていてもよいし、異なるネットワーク装置に含まれていてもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、第1ポートのポート機能はワーキングポートであり、第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、装置は、さらに、第1ポートと顧客機器との間のリンク障害を検出したことに基づいて、第1ポートの保護状態をワーキングノードの障害を示すように変更する手段と、第1ポートの使用状況をスタンバイに変更する手段と、第1ポートと第2トランスポートノードのメイトポートとにおけるMACアドレスをフラッシュする手段と、第2トランスポートノードにワーキングノードの障害を示す制御メッセージを送信する手段と、を含んでもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、第1ポートのポート機能は保護ポートであり、第1ポートの以前の使用状況はスタンバイであり、装置はさらに、第2トランスポートノードからワーキングノードの障害を示す制御メッセージを受信したことに基づいて、第1ポートの保護状態をアクティブに変更し、第1ポート、および第2トランスポートノードのメイトポート上のMACアドレスをフラッシュする、ように構成される。
【0131】
いくつかの実施形態では、第1ポートのポート機能はワーキングポートであり、第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、装置は、さらに、第1トランスポートノードの障害を検出したことに基づいて、ワーキングノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを第2トランスポートノードに送信する手段を備えていてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、第1ポートのポート機能は保護ポートであり、第1ポートの以前の使用状況はアクティブであり、装置はさらに、第2トランスポートノードからワーキングノードの障害を示す制御メッセージを受信したことに基づいて、第1ポートの使用状況、および、さらなる顧客機器に結合された第3ポートの使用状況の両方をアクティブに変更し、トラフィックデータが、さらなる顧客機器と顧客機器との間で送信され、第1ポートおよび第3ポート上のMACアドレスをフラッシュする、ように構成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、第1ポートのポート機能は保護ポートであり、第1ポートの使用状況はスタンバイであり、装置は、さらに、第1トランスポートノードの保護ノードの障害を検出したことに基づいて、保護ノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを第2トランスポートノードに送信するように構成される。
【0134】
いくつかの実施形態では、第1ポートのポート機能はワーキングポートであり、第1ポートの使用状況はアクティブであり、装置は、さらに、第2トランスポートノードからの保護ノードの障害を示す少なくとも1つの制御メッセージを受信したことに基づいて、第1ポートの使用状況をアクティブに維持するための手段を含んでもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、顧客機器は、第1ポートに異なるトラフィックデータをそれぞれ送信するための2つのポートを備え、装置は、第1ポートの使用状況がスタンバイであるという判定に基づいて、第1ポートの送信レーザーをオンまたはオフに維持するか、または、第1トランスポートノードと第2トランスポートノードとの間のメイトフェイルを検出したことに基づいて、第1ポートの使用状況および第2ポートの使用状況をアクティブと決定するように構成されている。
【0136】
いくつかの実施形態では、装置は、方法1300のいくつかの実施形態における他のステップを実行するための手段をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、その手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを記憶した少なくとも1つのメモリとを含む。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとともに、装置にこれらのステップを実行させるように構成されている。
【0137】
図14は、本開示の実施形態を実施するように適合された電子デバイス1400の簡略化されたブロック図を示す。デバイス1400は、例えば、図1の第1トランスポートノード110および第2トランスポートノード120のうちの一方または両方を含む通信デバイスを実施するように提供することができる。図示されているように、デバイス1400は、1つまたは複数のプロセッサ1410、プロセッサ(複数可)1410に結合された1つまたは複数のメモリ1420、およびプロセッサ(複数可)1410に結合された1つまたは複数の通信モジュール1440を含んでもよい。
【0138】
通信モジュール1440は双方向通信用である。例えば、通信モジュール1440は、本開示の実施形態に適用可能な送信機、受信機、またはトランシーバーを含んでもよい。通信インターフェースは、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースであってもよい。
【0139】
プロセッサ1410は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってよく、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびコントローラベースのマルチコアコントローラアーキテクチャを有するプロセッサのうちの1つまたは複数のものを含んでいてもよいが、これらに制限されない。デバイス1400は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサと同期するクロックに時間的に従属するアプリケーション専用集積回路チップを含んでもよい。
【0140】
メモリ1420は、1つまたは複数の不揮発性メモリと1つまたは複数の揮発性メモリを含んでもよい。不揮発性メモリの例としては、読み取り専用メモリ(ROM)1424、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュ(登録商標)メモリ、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、およびその他の磁気記憶装置および/または光記憶装置が挙げられるが、これらに限定されない。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)1422および電源切断中に記憶が保持されないその他の揮発性メモリが含まれるが、これらに限定されない。
【0141】
コンピュータプログラム1430は、関連するプロセッサ1410によって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む。プログラム1430はROM1424に記憶されていてもよい。プロセッサ1410は、プログラム1430をRAM1422にロードすることによって、任意の適切な動作および処理を実行してもよい。
【0142】
本開示の実施形態は、プログラム1430によって実施され、デバイス1400が図2~13を参照して説明した開示の任意のプロセスを実行できるようにしてもよい。本開示の実施形態は、ハードウェアによって、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによっても実施されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、プログラム1430は、デバイス1400(例えば、メモリ1420)またはデバイス1400がアクセス可能な他の記憶装置に含まれるコンピュータ読取可能媒体に物理的に格納されていてもよい。デバイス1400は、実行のためにコンピュータ読取可能媒体からRAM1422にプログラム1430をロードすることができる。コンピュータ読取可能媒体は、ROM、EPROM、フラッシュ(登録商標)メモリ、ハードディスク、CD、DVDなど、任意の種類の有形不揮発性記憶装置を含むことができる。
【0144】
図15は、CDまたはDVDの形態におけるコンピュータ読取可能媒体1500の例を示す。コンピュータ読取可能媒体には、プログラム1430が記憶されている。
【0145】
総じて、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、回路、またはそれらの任意の組み合わせで実施することができる。いくつかの態様はハードウェアで実施することができ、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他の演算装置で実行されるファームウェアまたはソフトウェアで実施することができる。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、またはその他の図形的表現を用いて例示および説明されているが、本明細書で説明されているブロック、装置、システム、技術、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊用途回路または回路、汎用ハードウェアまたはコントローラまたはその他の演算装置、またはそれらのいくつかの組み合わせで実装され得ることに留意されたい。
【0146】
本開示は、非一過性のコンピュータ読取可能記憶媒体に物理的に記憶された、少なくとも1つのコンピュータプログラム製品も提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれるものなど、コンピュータで実行可能な命令を含み、図13を参照して上述した方法1300を実行するために、目的の現実のまたは仮想のプロセッサ上の装置で実行される。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望に応じてプログラムモジュール間で結合または分割することができる。プログラムモジュール用の機械実行可能命令は、局所的または分散型装置内で実行することができる。分散型装置では、プログラムモジュールは局所的および遠隔の記憶媒体の両方に配置することができる。
【0147】
本開示の方法を実施するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供され、プロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で特定の機能/動作が実施されるようにすることができる。プログラムコードは、全てマシン上で実行される場合もあれば、一部がマシン上で実行され、一部がスタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行され、一部がマシン上で実行され、かつ、一部がリモートマシン上で実行され、全てがリモートマシンまたはサーバー上で実行される場合もある。
【0148】
本開示の文脈において、コンピュータプログラムコードまたは関連データは、デバイス、装置、またはプロセッサが上述の様々なプロセスや動作を実行できるように、あらゆる適切なキャリアによって伝送され得る。キャリアの例としては、信号、コンピュータ読取可能媒体などが含まれる。
【0149】
コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ読取可能信号媒体またはコンピュータ読取可能記憶媒体であってもよい。コンピュータ読取可能媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体システム、装置、またはデバイス、または前述の適切な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読取可能記憶媒体のより具体的な例としては、1つまたは複数の配線を有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去および書き込み可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または前述のものの適切な組み合わせが含まれる。
【0150】
さらに、動作は特定の順序で描かれているが、望ましい結果を得るために、描かれている順序または連続した順序で動作を行うこと、または描かれている全ての動作を行うことが必要であると理解すべきではない。
【0151】
特定の状況下では、マルチタスクおよび並列処理が好適である場合がある。同様に、上述の説明にはいくつかの特定の実施例の具体的な内容が含まれているが、これらは本開示の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、むしろ特定の実施形態に特有の機能の説明と解釈されるべきである。個別の実施形態の文脈で説明されている特定の機能は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な機能も、複数の実施形態で個別に、または任意の適切な部分的な組み合わせで実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】