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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025033743
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】カバー部材及びキャリッジ装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 19/20 20060101AFI20250306BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
B41J19/20 C
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139690
(22)【出願日】2023-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】324012246
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】松場 喜久男
(72)【発明者】
【氏名】小林 良介
【テーマコード(参考)】
2C061
2C480
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061BB11
2C061BB35
2C061CD07
2C480CA01
2C480CB02
2C480CB11
2C480DA01
2C480DA16
2C480DA24
2C480DB01
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、調整ネジへのアクセスを防止しつつ、メンテナンス時には調整ネジへのアクセスを容易にすること。
【解決手段】本開示に係るキャリッジ機構は、ガイドレール上を移動するキャリッジと、前記キャリッジを移動させるモーターと、前記モーターの駆動力を前記キャリッジに伝達するベルトと、前記ベルトに前記モーターの駆動力を伝達する伝達機構と、前記ベルトを調整する調整ネジとを有している。本開示に係るカバー部材は、前記キャリッジ機構のうちの前記伝達機構を覆い着脱可能である。前記キャリッジと、前記モーターと、前記ベルトと、前記伝達機構と、前記調整ネジとを収容する外装部材には、前記調整ネジと重なる穴部が貫通形成されており、前記穴部を介して前記外装部材の外側から前記調整ネジにアクセス可能となっている。本開示に係るカバー部材は、前記カバー部材は、前記伝達機構を覆うカバー部と、前記穴部との間を遮る遮蔽部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレール上を移動するキャリッジと、前記キャリッジを移動させるモーターと、前記モーターの駆動力を前記キャリッジに伝達するベルトと、前記ベルトに前記モーターの駆動力を伝達する伝達機構と、前記ベルトを調整する調整ネジとを有するキャリッジ機構のうち、前記伝達機構を覆う着脱可能なカバー部材であって、
前記キャリッジと、前記モーターと、前記ベルトと、前記伝達機構と、前記調整ネジとを収容する外装部材には、前記調整ネジと重なる穴部が貫通形成されており、前記穴部を介して前記外装部材の外側から前記調整ネジにアクセス可能となっており、
前記カバー部材は、
前記伝達機構を覆うカバー部と、
前記穴部との間を遮る遮蔽部と
を備えるカバー部材。
【請求項2】
請求項1に記載のカバー部材であって、
前記カバー部材は、前記キャリッジの移動範囲に設けられ、移動した前記キャリッジと当接し、前記キャリッジの移動範囲を規制する規制部を有する、カバー部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカバー部材であって、
前記カバー部の下縁に凹設され、は、前記ベルトが通過する凹部が設けられている、カバー部材。
【請求項4】
請求項3に記載のカバー部材であって、
前記伝達機構は、駆動歯車と、前記駆動歯車と噛み合った従動歯車とを備え、
前記凹部の上縁は、前記駆動歯車と前記従動歯車との噛合部よりも下に配置されている、カバー部材。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のカバー部材であって、
前記カバー部材は、フレームの側面に固定されるサイド固定部と、前記サイド固定部を前記フレームに固定する固定ネジとを有しており、
前記カバー部は、当該カバー部越しに前記固定ネジにアクセスするためのアクセス穴を有する、
カバー部材。
【請求項6】
請求項5に記載のカバー部材であって、
前記伝達機構は、駆動歯車と、前記駆動歯車と噛み合った従動歯車とを備え、
前記アクセス穴は、前記駆動歯車と前記従動歯車との噛合部よりも、前記駆動歯車と前記従動歯車の回転軸方向において、前側に配置されている、カバー部材。
【請求項7】
請求項5に記載のカバー部材であって、
前記カバー部材は、前記固定ネジの頭部を視認可能なのぞき穴を有する、カバー部材。
【請求項8】
請求項7に記載のカバー部材であって、
前記のぞき穴は、前記伝達機構の前側を覆う前板部に設けられている、カバー部材。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のカバー部材であって、
前記カバー部材は、前記モーターの本体部を覆うように構成されている、カバー部材。
【請求項10】
外装部材と、前記外装部材に収容されるキャリッジ機構とを備え、
前記キャリッジ機構は、
ガイドレール上を移動するキャリッジと、
前記キャリッジを移動させるモーターと、
前記モーターの駆動力を前記キャリッジに伝達するベルトと、
前記ベルトに前記モーターの駆動力を伝達する伝達機構と、
前記ベルトを調整する調整ネジと、
前記伝達機構を覆う着脱可能なカバー部材と、
を有し、
前記外装部材には、前記調整ネジと重なる穴部が貫通形成されており、前記穴部を介して前記外装部材の外側から前記調整ネジにアクセス可能となっており、
前記カバー部材は、
前記伝達機構を覆うカバー部と、
前記穴部と前記調整ネジとの間を遮る遮蔽部と
を有する、キャリッジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部材及びキャリッジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走査方向に走査するキャリッジを備えたインクジェット記録装置が記載されており、無端状のベルトにキャリッジを接続し、このベルトを走行させることによってキャリッジを走査させることが記載されている。特許文献1には、調整ねじによってベルトを調整することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-241091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常時には、ユーザーが調整ネジにアクセスできないことが望ましい。その一方、サービスメンテナンス時には、メンテナンス作業者が調整ネジに容易にアクセスできることが望ましい。
【0005】
本発明は、簡易な構成で、調整ネジへのアクセスを防止しつつ、メンテナンス時には調整ネジへのアクセスを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、
ガイドレール上を移動するキャリッジと、前記キャリッジを移動させるモーターと、前記モーターの駆動力を前記キャリッジに伝達するベルトと、前記ベルトに前記モーターの駆動力を伝達する伝達機構と、前記ベルトを調整する調整ネジとを有するキャリッジ機構のうち、前記伝達機構を覆う着脱可能なカバー部材であって、
前記キャリッジと、前記モーターと、前記ベルトと、前記伝達機構と、前記調整ネジとを収容する外装部材には、前記調整ネジと重なる穴部が貫通形成されており、前記穴部を介して前記外装部材の外側から前記調整ネジにアクセス可能となっており、
前記カバー部材は、
前記伝達機構を覆うカバー部と、
前記穴部との間を遮る遮蔽部と
を備えるカバー部材である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構成で、調整ネジへのアクセスを防止しつつ、メンテナンス時には調整ネジへのアクセスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、キャリッジ装置1の説明図である。
図2図2は、キャリッジ機構10の説明図である。
図3図3は、図2とは別の方向から見たキャリッジ機構10の説明図である。
図4図4は、図2のキャリッジ機構10を右側(左右方向内側)から見た図である。
図5図5は、図2のカバー部材50を外した状態の説明図である。
図6図6A及び図6Bは、カバー部材50の説明図である。
図7図7A及び図7Bは、遮蔽部56の機能の説明図である。
図8図8は、変形例のカバー部材50を取り付けたキャリッジ機構10の説明図である。
図9図9は、図8の変形例のキャリッジ機構10を右側(左右方向内側)から見た図である。
図10図10A及び図10Bは、変形例のカバー部材50の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
===実施形態===
図1は、キャリッジ装置1の説明図である。なお、図1では、開閉部材71を透過させて、外装部材70の内部のキャリッジ11も示している。
【0011】
キャリッジ装置1は、移動するキャリッジ11を備えた装置である。キャリッジ装置1は、例えばインクジェットプリンタであり、インクを吐出するヘッド(不図示)を搭載したキャリッジ11を移動させる。但し、キャリッジ装置1は、インクジェットプリンタに限られるものではなく、例えば、3Dプリンタでも良いし、キャリッジ11を移動させる装置であればプリンタに限られるものでもない。
【0012】
以下の説明では、図1に示すように各方向を定める。キャリッジ11が移動する方向を「左右方向」とする。左右方向は、「走査方向」、「キャリッジ移動方向」又は「幅方向」と呼ばれることもある。なお、キャリッジ装置1を装置正面から操作する作業者から見て、右側を「右」とし、左側を「左」とする。また、鉛直方向を「上下方向」とする。また、左右方向及び上下方向に垂直な方向を「前後方向」とする。なお、キャリッジ装置1から見て、作業者の側(開閉部材71が設けられた側)を「前」とし、逆側を「後」とする。後述するモーター12の回転軸に平行な方向や、ベルト30を駆動するプーリー22Bの回転軸に平行な方向は前後方向となる(図2図4参照)。
【0013】
キャリッジ装置1は、フレーム3と、キャリッジ機構10と、外装部材70とを有する。
フレーム3は、キャリッジ機構10を支える部材である。フレーム3には、キャリッジ11を案内するガイドレール5が設けられている。
キャリッジ機構10は、キャリッジ11を移動させる機構である。キャリッジ機構10の詳しい構造については、後述する。
外装部材70は、キャリッジ装置1の外装を構成する部材である。外装部材70は、フレーム3やキャリッジ機構10を収容している。外装部材70には開閉部材71(扉)が設けられている。キャリッジ装置1を動作させるとき、図1に示すように開閉部材71は閉じられている。開閉部材71が閉じられた状態では、作業者は、外装部材70の内側にアクセスできず、キャリッジ機構10にアクセスできない。作業者がキャリッジ機構10にアクセスする際には、キャリッジ装置1を停止させて、開閉部材71を開けることになる。外装部材70の側面には穴部70Aが設けられている。穴部70Aは、調整ネジ41(後述;図7B参照)と重なるように外装部材70の側面に貫通形成されており、穴部70Aを介して外装部材70の外側から調整ネジ41にアクセス可能となっている。穴部70A(及び調整ネジ41)については後述する。
【0014】
図2図5は、キャリッジ機構10の説明図である。図2は、キャリッジ機構10の説明図であり、図3は、図2とは別の方向から見たキャリッジ機構10の説明図である。図4は、図2のキャリッジ機構10を右側(左右方向内側)から見た図である。図5は、図2のカバー部材50を外した状態の説明図である。なお、図2図5では、キャリッジ11(図1参照)は不図示である。
【0015】
図1に示すように、キャリッジ機構10は、キャリッジ11を移動させる機構である。キャリッジ機構10は、キャリッジ11と、モーター12と、伝達機構20と、ベルト30と、調整部40とを有する。また、本実施形態のキャリッジ機構10は、着脱可能なカバー部材50を有している。
【0016】
キャリッジ11(図1参照)は、フレーム3に設けられたガイドレール5に沿って移動する。キャリッジ11には可動部11Aが設けられている。ガイドレール5は、可動部11A(図4の点線参照)とともに直動機構を構成する。キャリッジ11には、例えばインクジェットプリンタのヘッド(不図示)が搭載されることになる。
【0017】
モーター12(図2参照)は、キャリッジ11を左右方向(走査方向)に駆動するための駆動力の駆動源である。モーター12は、フレーム3の後板部3Aに固定されている。モーター12の回転軸は、後板部3Aに挿通されており、モーター12の本体部12Aは後板部3Aよりも後側に配置されている。モーター12の回転軸の前端は、後板部3Aよりも前側に突出している。モーター12の回転軸の前端には、駆動歯車21(図5参照)が設けられている。
【0018】
伝達機構20(図5参照)は、モーター12の駆動力をベルト30に伝達する機構である。伝達機構20は、伝動機構と呼ばれることもある。伝達機構20は、駆動歯車21と、従動部材22とを有する。駆動歯車21は、モーター12の回転軸に設けられた歯車である。従動部材22は、駆動歯車21から伝達された動力によって回転する部材である。ここでは、従動部材22は、従動歯車22Aとプーリー22Bとを有する1部材で構成されている。従動歯車22Aは、駆動歯車21と噛み合い、従動回転する歯車である。従動歯車22Aの歯数は駆動歯車21の歯数よりも多く構成されており、従動歯車22Aによってモーター12の回転数を減速させている。プーリー22Bは、ベルト30に動力を伝達する円盤状の回転体である。プーリー22Bにはベルト30が架けられており、プーリー22Bの外周面はベルト30との接触面となる。プーリー22Bの回転によってベルト30が駆動されることになる。ここでは、従動部材22は1部材で構成されているが、従動部材22は、2以上の部材(ギア)で構成されても良い。伝達機構20(特に駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部)には、グリスが塗布されている。
【0019】
ベルト30は、モーター12の駆動力をキャリッジ11に伝達する部材である。ベルト30は、一対のプーリー間に掛け渡された無端ベルトで構成されている。一対のプーリーは左右方向(走査方向)の両端にそれぞれ配置されており、一方のプーリーは図5(プーリー22B)に示すように左端に配置されており、他方のプーリーは右端に配置されている。一対のプーリーは、駆動側のプーリーと、従動側のプーリーとで構成されており、ここでは、左端のプーリー(図5のプーリー22B)が駆動側のプーリーであり、右端のプーリー(不図示)は従動側のプーリーである。ベルト30は、図5に示す駆動側のプーリー22B(左端のプーリー)と、不図示の従動側のプーリー(右端のプーリー)との間に掛け渡されている。ベルト30は、一対のプーリー間に形成され上下に配置された一対の直線部と、左右のプーリーのそれぞれの外周面上に形成される一対の湾曲部とを有する。ベルト30の一部(上側の直線部の一部)はキャリッジ11に固定されており、プーリー22Bの回転によってベルト30が駆動されることによりキャリッジ11が左右方向に移動することになる。
【0020】
調整部40は、ベルト30を調整する調整ネジ41を有する調整機構である。ここでは、調整部40は、調整ネジ41と、調整部材42とを有する。調整ネジ41は、ベルト30を調整する部材である。調整部材42は、プーリー22Bの姿勢を調整する部材であり、調整ネジ41によって左右方向に変位する部材である。調整部材42は、プーリー22B(従動部材22)の回転軸の前端を支持する支持部42Aを有している。調整ネジ41を回転させることによって調整部材42とともに調整部材42に設けられた支持部42Aが変位(左右方向に変位)することにより、プーリー22Bの回転軸の傾きが調整され、これにより、プーリー22Bとベルト30の接触部の位置の偏り(前後方向の位置の偏り)を調整することができる。なお、調整部40は、ベルト30の偏りを調整するものに限らず、ベルト30の張力を調整するものでも良い。また、調整部40は、この構成に限られるものではない。調整ネジ41によってベルト30を調整できれば、調整部材42を備えていなくても良い。
【0021】
図3に示すように、調整ネジ41の頭部は、フレーム3の側面よりも左側(左右方向外側)に配置されている。フレーム3の側面と外装部材70の側面との隙間は狭く、外装部材70の内側にあるフレーム3の側面と外装部材70の側面との隙間へ工具を差し込み、調整ネジ41を工具で回動させること(調整ネジ41にアクセスすること)は難しいため、作業者は、外装部材70の側面の穴部70Aを通じて工具を挿入し、外装部材70の外側から調整ネジ41を工具で回動させることになる(後述;図7B参照)。このため、調整ネジ41は、外装部材70の穴部70Aと重なるように配置される。
【0022】
図6A及び図6Bは、カバー部材50の説明図である。
カバー部材50は、伝達機構20を覆う着脱可能な部材である(図2参照)。カバー部材50は、伝達機構20の外周を構成するフレーム3に固定されることになる。カバー部材50を外すことによって、図5に示すように、作業者は伝達機構20にアクセスすることができ、例えば伝達機構20にグリスを塗布することや、調整ネジ41にアクセスしプーリー22Bとベルト30の接触部の位置の偏りを調整することができる。なお、後述するように、カバー部材50は、調整ネジ41へのアクセスを防止する機能も有する。
【0023】
カバー部材50は、カバー部51と、前板部52と、側板部53と、遮蔽部56とを有する。
【0024】
カバー部51は、伝達機構20(特に駆動歯車21及び従動歯車22A)を覆う部位である。カバー部51が伝達機構20を覆うことにより、伝達機構20に塗布されたグリスの飛散を抑制することができる。また、カバー部51が伝達機構20を覆うことにより、指や印刷用紙などの異物が伝達機構20に巻き込まれることを抑制することができる。なお、カバー部51は、伝達機構20(特に駆動歯車21及び従動歯車22A)の全ての外周を覆わなくても良い。カバー部51が伝達機構20の外周の少なくとも一部を覆うことによって、カバー部51が無い場合と比べて、グリスの飛散を抑制したり、伝達機構20へのアクセスを制限したりすることが可能である。
【0025】
カバー部51は、平板状に構成されている。平板状のカバー部51は、前後方向に平行に配置された平面を有している。言い換えると、平板状のカバー部51は、駆動歯車21や従動歯車22Aの回転軸に平行に配置された平面を有している。これにより、カバー部51は、駆動歯車21や従動歯車22Aの回転によって飛散するグリスを受け止め易い構造になる。図4に示すように、カバー部材50を右側(左右方向内側)から見たとき、伝達機構20(特に駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部)がカバー部51に覆われるように、カバー部51は、伝達機構20の右側に配置されている。これにより、伝達機構20の駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部から右側(左右方向内側)に向かって飛散するグリスをカバー部51によって受け止めることができる。また、平板状のカバー部51は、上下方向に対して傾斜して配置されている(図2図3参照)。カバー部51が、伝達機構20の右側(左右方向内側)に配置されるとともに、左側に向かって上方へ傾斜して配置されるため、1枚のカバー部51によって、伝達機構20の右側(左右方向内側)だけでなく、伝達機構20の上側も覆うことができる。カバー部51は、前板部52の縁から折り曲げられて形成されている。なお、カバー部51の配置や形状はこれに限られるものではない。
【0026】
図4に示すように、カバー部51は、アクセス穴51Aと、凹部51Bとを有する。
【0027】
アクセス穴51Aは、カバー部51越しに固定ネジ55Bにアクセスするための穴である。作業者は、カバー部51の右側(左右方向内側)からアクセス穴51Aに挿入した工具で固定ネジ55Bを回動させることになる。アクセス穴51Aと固定ネジ55Bは、上下方向及び前後方向の位置がほぼ同じになるように配置されている。これにより、アクセス穴51Aを通じてカバー部51越しに固定ネジ55Bにアクセスすることが可能である。カバー部材50を右側から見たとき、アクセス穴51Aの内側に、固定ネジ55Bの頭部の全ての領域が配置されることが望ましい。これにより、アクセス穴51Aを通じて固定ネジ55Bにアクセスすることが容易になる。
【0028】
また、図4に示すように、アクセス穴51Aは、伝達機構20の駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部よりも前側に配置されている。これにより、伝達機構20の駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部からグリスが飛散しても、グリスがアクセス穴51Aから外部に飛散しにくい構造になっている。
【0029】
凹部51Bは、カバー部51の下縁に凹設され、ベルト30が通過する部位である。凹部51Bが設けられることにより、カバー部51とベルト30との干渉を防ぐことができる。ベルト30を通過させるため(ベルト30とカバー部51との干渉を防ぐため)、凹部51Bの上縁は、ベルト30(詳しくは、ベルト30の上側の直線部)よりも上側に位置する。カバー部51に凹部51Bを設けることによって、図4に示すように、カバー部51の下縁(凹部51B以外の下縁)をベルト30(図4の上側に図示されたベルト30;上側の直線部)よりも下に位置させることができ、カバー部51のベルト30より下側からグリスが飛散することを抑制できる。また、凹部51Bの上縁は、伝達機構20の駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部よりも下に配置されている。これにより、伝達機構20の駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部から飛散するグリスが凹部51Bから飛散することを防止できる。凹部51Bの幅(前後方向の寸法)は、プーリー22Bの溝の幅以上であることが望ましい。これにより、プーリー22Bの溝の上でベルト30の前後方向の位置が偏っても、ベルト30とカバー部51との干渉を抑制することができる。
【0030】
図6に示すように、前板部52は、カバー部51の前面を構成する平板状の部位である。前板部52は、前後方向に垂直な平板状の部位である。前板部52は、伝達機構20や調整部材42よりも前側に配置されており、伝達機構20や調整部材42を前側から覆う。前板部52が伝達機構20や調整部材42を前側から覆うため、カバー部材50が取り付けられた状態では、作業者が前側から伝達機構20や調整部材42にアクセスすることを遮ることができる。
【0031】
前板部52には、前固定部54Aが設けられている。前固定部54Aは、前側からネジ留めする固定ネジ55Aによってカバー部51を固定するための穴部である。前固定部54Aは、フレーム3の前面に、カバー部材50の前側から、カバー部材50を固定するための穴部である。前固定部54Aを固定する固定ネジ55Aの頭部は、前板部52よりも前側で露出している。このため、外装部材70の開閉部材71を開ければ、作業者は、前方から固定ネジ55Aに容易にアクセス可能である。ここでは、前板部52の下側の2箇所に前固定部54Aが設けられている。但し、前固定部54Aの数や場所は、これに限られるものではない。
【0032】
図6に示すように、側板部53は、カバー部51の側面を構成する平板状の部位である。側板部53は、上下方向に延びる平板状の部位である(左右方向に垂直な平板状の部位である)。側板部53は、伝達機構20よりも左側(左右方向外側)に配置されている。側板部53は、前板部52の左縁から後ろ方向に折り曲げられて形成されている。側板部53は、フレーム3の側面よりも右側(左右方向内側)に配置されている(図3参照)。
【0033】
側板部53にはサイド固定部54Bが設けられている。サイド固定部54Bは、側面側(ここでは右側)からネジ留めする固定ネジ55Bによってカバー部材50をフレーム3の側面に固定する部位である。側板部53は、カバー部材50を側面側から固定する部位となる。
【0034】
前固定部54Aとサイド固定部54Bは、カバー部材50をフレーム3に固定するための固定部54を構成している。カバー部材50は、前側及び側面側から固定ネジ55(55A,55B)によって固定されるため、前側のみから固定ネジ55Aによって固定された場合と比べて、フレーム3に安定して固定可能である(図3参照)。
【0035】
側板部53においてカバー部材50を固定するためには、側板部53を固定する固定ネジ55Bは、左右いずれかの方向から工具でネジ留めする必要がある。一方、側板部53は、伝達機構20よりも左側(左右方向外側)に配置されるため、側板部53と外装部材70の側面との隙間は狭い状態であり、側板部53の左側から固定ネジをネジ留めすることは難しい。このため、側板部53を固定する固定ネジ55Bは、右側(左右方向内側)からアクセスするように構成されている。
ところで、メンテナンス時に外装部材70の内側にアクセスする際に、作業者は、キャリッジ装置1を停止させることになる。このため、側板部53を固定する固定ネジ55Bが、右側(左右方向内側)からアクセスするように構成されることによって、外装部材70の内側から工具で固定ネジ55Bを回動させるように構成されるため、キャリッジ装置1を停止させてからカバー部材50の着脱作業を行うことを作業者に自然に促すことが可能になる。
【0036】
側板部53を固定する固定ネジ55Bの頭部は、側板部53に対して右側(左右方向内側)に配置される。このため、側板部53を固定する固定ネジ55Bの頭部は、側板部53とカバー部51との間に配置される。なお、カバー部51にはアクセス穴51Aが設けられており、アクセス穴51Aを通じてカバー部51越しに右側から固定ネジ55Bにアクセスすることが可能である(作業者は、カバー部51の右側からアクセス穴51Aに挿入した工具で固定ネジ55Bを回動させることが可能である)。
【0037】
図3及び図7に示すように、遮蔽部56は、調整ネジ41よりも左側(左右方向外側)に配置される部位である。すなわち、遮蔽部56は、調整ネジ41と外装部材70の穴部70Aとの間を遮る部位である。このため、遮蔽部56は、調整ネジ41や外装部材70の穴部70Aと重なる高さに配置される。遮蔽部56は、調整ネジ41の頭部を外側(左側;左右方向外側)から覆うとともに、外装部材70の穴部70Aを外装部材70の内側(右側;左右方向内側)から覆う。遮蔽部56は、左右方向に垂直な平板状の部位である。遮蔽部56は、前板部52から後ろ方向に折り曲げられて形成されている。遮蔽部56は、側板部53と平行な平板状の部位であり、側板部53よりも左側(左右方向外側)に配置されている。
【0038】
図7A及び図7Bは、遮蔽部56の機能の説明図である。図7Aは、カバー部材50が取り付けられた状態で外装部材70の穴部70Aを外側から見た説明図である。図7Bは、カバー部材50が外された状態で外装部材70の穴部70Aを外側から見た説明図である。
【0039】
図7Aに示すように、カバー部材50が取り付けられた状態では、遮蔽部56は、調整ネジ41と外装部材70の穴部70Aとの間に配置される。これにより、外装部材70越しに調整ネジ41にアクセスすることを防止できる(カバー部材50が取り付けられた状態では工具を穴部70Aに挿入して調整ネジ41を回動することを防止できる)。このようにカバー部材50は、調整ネジ41へのアクセスを防止する機能を有する。
【0040】
ところで、カバー部材50は伝達機構20を覆う部材であり、伝達機構20はキャリッジ11の移動方向の端部に配置されることから、カバー部材50は、キャリッジ11の移動方向(左右方向)の端部に配置されることになる。また、遮蔽部56は、外装部材70越しに調整ネジ41にアクセスすることを防止するため、キャリッジ機構10の左右方向の端部に配置する必要がある。このように、カバー部材50も遮蔽部56も左右方向の端部に配置する必要があるため、簡易な構成で、カバー部材50に遮蔽部56を設けることができる。カバー部材50に遮蔽部56を設けることによって、調整ネジ41へのアクセスを防止する機能をカバー部材50が兼ね備えることができるため、キャリッジ装置1の部品数の低減を図ることができる。
【0041】
メンテナンス時に作業者が伝達機構20にアクセスできるようにするため、伝達機構20を覆うカバー部材50は、着脱可能に構成されている。なお、作業者は、メンテナンス時に、キャリッジ装置1を停止させるとともに、開閉部材71を開けて、外装部材70の内側にアクセスし、固定ネジ55(55A,55B)を外してフレーム3からカバー部材50を外すことになる。カバー部材50が外されると、作業者は、伝達機構20にアクセスすることが可能になり、例えば伝達機構20にグリスを塗布する等のメンテナンス作業が可能になる。また、カバー部材50が外されると、調整ネジ41と外装部材70の穴部70Aとの間から遮蔽部56が除去されるため、調整ネジ41へのアクセス防止機能が解除され、図7Bに示すように、外装部材70越しに調整ネジ41にアクセスすることが可能になる(外装部材70の穴部70Aに挿入した工具で調整ネジ41を回動させることが可能になる)。本実施形態では、着脱可能なカバー部材50に遮蔽部56が設けられるため、メンテナンス時に調整ネジ41にアクセスすることが容易になる。
【0042】
また、カバー部材50が外されると、調整部材42の前側を覆う前板部52も除去され、図5に示すように、調整部材42の支持部42Aが露出する。このため、調整ネジ41によって調整部材42の支持部42Aを変位(左右方向に変位)させてプーリー22Bの回転軸の傾きを調整する作業が容易になる。
【0043】
カバー部材50は、更に規制部58を有する(図2図4参照)。規制部58は、キャリッジ11の移動範囲に設けられ、移動したキャリッジ11と当接し、キャリッジ11の移動範囲を規制する部位である。
【0044】
規制部58は、カバー部材50の前板部52から前側に向かって突出した部位である。ここでは、規制部58は、上下方向に対して垂直な平板状に構成されている。但し、規制部58の形状は、平板状に限られるものではない。規制部58は、前板部52の下縁から折り曲げられて形成されている。規制部58は、ガイドレール5の左端(左右方向の端部)の上側に配置されている。
【0045】
ここでは、規制部58は、可動部11A(図4の点線参照;ガイドレール5とともに直動機構を構成する部材;キャリッジ11に設けられる部材)に接触することにより、キャリッジ11の移動範囲を規制する。規制部58を可動部11Aに接触させるために、規制部58は、左右方向(ガイドレール5に平行な方向)から見たときに、可動部11Aと重複する位置に配置されている(図4参照)。なお、可動部11Aを規制部58に接触させる代わりに、キャリッジ11本体を規制部58に接触させることによって、キャリッジ11の移動範囲を規制しても良い。
【0046】
ところで、既に説明した通り、カバー部材50は、キャリッジ11の移動方向(左右方向)の端部に配置されることになる。また、キャリッジ11の移動範囲を規制する規制部58も、キャリッジ11の移動方向の端部に配置する必要がある。このように、カバー部材50も規制部58も左右方向の端部に配置する必要があるため、簡易な構成で、カバー部材50に規制部58を設けることができる。カバー部材50に規制部58を設けることによって、キャリッジ11の移動範囲を規制する機能をカバー部材50が兼ね備えることができるため、キャリッジ装置1の部品数の低減を図ることができる。
【0047】
<変形例>
図8は、変形例のカバー部材50を取り付けたキャリッジ機構10の説明図である。図9は、図8の変形例のキャリッジ機構10を右側(左右方向内側)から見た図である。図10A及び図10Bは、変形例のカバー部材50の説明図である。
【0048】
変形例のカバー部材50も、前述のカバー部材50と同様に、カバー部51と、前板部52と、側板部53と、遮蔽部56と、規制部58とを有する。なお、変形例のカバー部材50の側板部53、遮蔽部56及び規制部58は、前述のカバー部材50と同様である。
【0049】
変形例のカバー部51は、伝達機構20に塗布されたグリスの飛散を抑制する機能と、高熱になるモーター12の本体部12Aに作業者が接触することを防止する機能とを有する。言い換えると、変形例のカバー部51は、伝達機構20を覆う機能と、モーター12の本体部12Aを覆う機能とを有する。なお、カバー部51の前部が伝達機構20を覆い、カバー部51の後部がモーター12の本体部12Aを覆うように、カバー部51が構成されている。変形例のカバー部51は、内カバー部511と、上カバー部512とを有する。
【0050】
内カバー部511は、伝達機構20よりも右側(左右方向内側)に配置された平板状の部位である。内カバー部511は、左右方向に垂直な平板状の部位である。内カバー部511は、前板部52の右縁から折り曲げられて形成されている。内カバー部511は、前部511Aと後部511Bとを有する。
【0051】
内カバー部511の前部511Aは、伝達機構20の右側に配置された平板状の部位である。前部511Aは、伝達機構20の右側(左右方向内側)を覆い、伝達機構20(特に駆動歯車21と従動歯車22Aとの噛合部)から右側(左右方向内側)に向かって飛散するグリスを受け止める。なお、前部511Aは、前述のカバー部51と同様に、アクセス穴51Aと、凹部51Bを有する。なお、アクセス穴51Aは、既に説明した通り、固定ネジ55Bにアクセスするための穴である。凹部51Bは、既に説明した通り、ベルト30との干渉を防ぐための凹状の部位である。ここでは、アクセス穴51A及び凹部51Bについては説明を省略する。
【0052】
内カバー部511の後部511Bは、モーター12の本体部12Aの右側に配置された平板状の部位である。後部511Bは、モーター12の本体部12Aの右側を覆う。なお、後部511Bは、上カバー部512の後部とともに、モーター12の本体部12Aを覆うモーターカバー部を構成する。なお、モーター12の本体部12Aは駆動中に発熱し、キャリッジ機構10の動作時に高熱になるため、後部511Bがモーター12の本体部12Aを覆うことによって、作業者が高熱のモーター12に接触することを防止している。
【0053】
前部511Aと後部511Bとの間には切欠部511Cが設けられている。切欠部511Cは、フレーム3の後板部3Aと内カバー部511との干渉を防ぐための部位である。
【0054】
上カバー部512は、カバー部材50の上面を構成する平板状の部位である。上カバー部512は、上下方向に垂直な平板状の部位である。上カバー部512は、伝達機構20及びモーター12の本体部12Aの上側を覆う部位である。上カバー部512の前部は伝達機構20の上側に配置されており、上カバー部512の後部はモーター12の本体部12Aの上側に配置されている。上カバー部512は、フレーム3の後板部3Aの上縁よりも上側に配置されるため、内カバー部511のような切欠部511Cは不要であり、上カバー部512の前部及び後部は一枚板として構成することが可能である。上カバー部512は、内カバー部511の上縁から折り曲げられて形成されている。これにより、上カバー部512と内カバー部511との間に隙間が形成されることを防止でき、グリスの飛散を抑制することができる。
【0055】
図10に示すように、上カバー部512の左縁(左右方向外側の縁)は、側板部53よりも左側(左右方向外側)に位置している。これにより、内カバー部511と側板部53(言い換えると、内カバー部511とフレーム3の側面)との間の空間の上側を上カバー部512によって覆うことができ、伝達機構20の上側を塞ぐことができる。これにより、伝達機構20に塗布されたグリスの上への飛散を抑制することができる。
【0056】
変形例の前板部52には、前述の前板部52と同様に、前固定部54Aが設けられている。また、図8に示すように、変形例の前板部52には、のぞき穴52Aが設けられている。のぞき穴52は、固定ネジ55Bの頭部を視認可能な穴である。作業者は、アクセス穴51Aを通じてカバー部51越しに固定ネジ55Bにアクセスする際に、のぞき穴52から固定ネジ55Bの頭部の位置や工具の端部の位置を確認することができる。のぞき穴52Aが前板部52に設けられることにより、作業者が前側からのぞき穴52Aの内側をのぞくことができ、固定ネジ55Bへのアクセスが容易になる。変形例では、内カバー部511と側板部53との間の空間の上側が上カバー部512によって覆われた構造であるため、すなわち、カバー部51と側板部53との間の上側には隙間が無い構造であるため、内カバー部511と側板部53との間に配置された頭部を確認するためののぞき穴52Aを設けることは特に有効である。
【0057】
のぞき穴52Aと固定ネジ55Bは、上下方向の位置がほぼ同じように配置されている。これにより、のぞき穴52Aから固定ネジ55Bの頭部を確認しやすくなる。なお、のぞき穴52A、固定ネジ55B及びアクセス穴51Aは、上下方向の位置がほぼ同じになるように配置されている。また、のぞき穴52Aは、前板部52の左右方向中央よりも左側(側板部53に近い側)に偏って設けられている。これにより、のぞき穴52Aと固定ネジ55Bの頭部との距離を狭めることができ、のぞき穴52Aから固定ネジ55Bの頭部を確認しやすくなる。
【0058】
<小括>
上記の通り、キャリッジ機構10は、キャリッジ11と、モーター12と、ベルト30と、伝達機構20と、調整ネジ41とを有しているとともに、伝達機構20を覆う着脱可能なカバー部材50を有している。また、外装部材70は、キャリッジ11と、モーター12と、ベルト30と、伝達機構20と、調整ネジ41とを収容しており、外装部材70には、調整ネジ41と重なる穴部70Aが貫通形成されており、穴部70Aを介して外装部材70の外側から調整ネジ41にアクセス可能である。上記のカバー部材50は、伝達機構20を覆うカバー部51と、穴部70Aとの間を遮る遮蔽部56とを備えている。このようなカバー部材50によれば、簡易な構成で、調整ネジ41のアクセスを防止しつつ(図7A参照)、メンテナンス時には調整ネジ41へのアクセスを容易にすることができる(図7B参照)。
【0059】
===その他の実施形態===
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1 キャリッジ装置、3 フレーム、3A 後板部、
5 ガイドレール、10 キャリッジ機構、
11 キャリッジ、11A 可動部、
12 モーター、12A 本体部、
20 伝達機構、21 駆動歯車、
22 従動部材、22A 従動歯車、22B プーリー、
30 ベルト、40 調整部、
41 調整ネジ、42 調整部材、42A 支持部、
50 カバー部材、51 カバー部、
511 内カバー部、511A 前部、
511B 後部、511C 切欠部、512 上カバー部、
51A アクセス穴、51B 凹部、
52 前板部、52A のぞき穴、
53 側板部、54 固定部、
54A 前固定部、54B サイド固定部、
55(55A,55B) 固定ネジ、
56 遮蔽部、58 規制部、
70 外装部材、70A 、穴部、71 開閉部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10