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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003381
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】電気コネクタの取り付けアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/74 20060101AFI20241226BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01R13/74 Z
H01R13/52 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024098563
(22)【出願日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】63/509536
(32)【優先日】2023-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/649776
(32)【優先日】2024-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518327408
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・ブラジル・インダストリア・デ・エレクトロニコス・リミテーダ
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナタニエル ドス サントス
(72)【発明者】
【氏名】グスタボ ボヌッチ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエロ カズオ サトウ テ レメ
(72)【発明者】
【氏名】ディネシュ ロク ヘムナニ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル デイル ブラウン
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE07
5E087EE10
5E087FF02
5E087GG02
5E087HH06
5E087JJ01
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM09
5E087MM11
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ボルトを必要としない、電気コネクタと構造体の間を確実に連結するコネクタシステムを提供する
【解決手段】電気コネクタ100は、ハウジング120を含む。ハウジングは、キャビティ144を囲繞するシュラウド140を嵌合端部122に含み、パネル32の取り付け面に取り付けられるように構成されたフランジ132を含むベースを取り付け端部124に含む。電気コネクタは、ハウジングに受容されるコンタクトアセンブリ180であり、相手側電気コネクタ104に嵌合するように構成されたコンタクト190を有する、コンタクトアセンブリを含む。電気コネクタは、フランジに結合されベースを囲繞するシールを含む。シールは、パネルの取り付け面と接続するように構成されている。電気コネクタは、ハウジングに結合されたロックレバー200を含む。ロックレバーは、ハウジングをパネルに固定するために、パネルと接続するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタ(100)であって、
嵌合端部(122)と取り付け端部(124)との間に延在するハウジング(120)であり、前記嵌合端部は、相手側電気コネクタに嵌合するように構成されており、前記嵌合端部は、キャビティ(144)を囲繞するシュラウド(140)を含み、前記取り付け端部は、パネル(32)に取り付けられるように構成されており、前記取り付け端部は、ベース(130)と、前記ベースから延在するフランジ(132)とを含み、前記ハウジングの前記ベースは、前記パネルの開口部(40)に受容されており、前記ハウジングの前記フランジは、前記パネルの取り付け面に取り付けられている、ハウジング(120)と、
前記ハウジングに受容されるコンタクトアセンブリ(180)であり、前記コンタクトアセンブリは、前記相手側電気コネクタに嵌合するように構成された少なくとも1つのコンタクトを保持するコンタクトホルダ(182)を含む、コンタクトアセンブリ(180)と、
前記フランジに結合され前記ベースを囲繞するシール(114)であり、前記シールは、前記パネルの前記取り付け面と接続するように構成されている、シール(114)と、
前記ハウジングに結合されたロックレバー(200)であり、前記ロックレバーは、前記ハウジングを前記パネルに固定するために、前記パネルと接続するように構成されている、ロックレバー(200)と
を備える、電気コネクタ(100)。
【請求項2】
前記ロックレバー(200)は、締結具を使用せずに、前記ハウジング(120)を前記パネル(32)に固定する、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項3】
前記ロックレバー(200)は、前記ハウジング(120)に回転可能に結合されている、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項4】
前記ロックレバー(200)は、前記ハウジング(120)に摺動可能に結合されている、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項5】
前記ロックレバー(200)は、第1の位置と第2の位置との間で前記ハウジング(120)に対して動き、前記ロックレバーは、前記ロックレバーが前記第1の位置から前記第2の位置まで動くとき、前記パネル(32)に対して前記ハウジングを移動させて、前記シール(114)を圧縮する、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項6】
前記ハウジング(120)は、前段階ラッチ(150)と最終段階ラッチ(160)とを含み、前記ハウジングの前記フランジ(132)は、前段階位置から最終段階位置へ、前記パネル(32)の前記取り付け面に対して相対的に近づくように移動され、前記前段階ラッチは、前記前段階位置において前記パネルにラッチ可能に結合され、前記最終段階ラッチは、前記最終段階位置において前記パネルにラッチ可能に結合される、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項7】
前記ロックレバー(200)は、前記前段階位置から前記最終段階位置まで前記ハウジング(120)を移動させるように作動される、請求項6に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項8】
前記前段階ラッチ(150)は、前記フランジ(132)から第1の距離に配置されており、前記最終段階ラッチ(160)は、前記フランジから第2の距離に配置されており、前記第2の距離は、前記第1の距離未満である、請求項6に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項9】
前記ベース(130)は、前記ベースから外方に延在するレバーピン(170)を含み、前記ロックレバー(200)は、前記レバーピンを受容するピンポケット(224)を含む、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項10】
前記ロックレバー(200)は、前記レバーピン(170)に回転可能に結合されている、請求項9に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項11】
前記ベース(130)は、ガイドトラック(172)を含み、前記ロックレバー(200)は、前記ハウジング(120)に対して前記ロックレバーを固定するように前記ガイドトラックに受容されるロックリブ(228)を含む、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項12】
前記ロックレバー(200)は、ロック要素(202)を含み、前記ロック要素は、前記ハウジング(120)に対して前記ロックレバーをロックするように作動される、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項13】
前記ハウジング(120)の前記ベース(130)は、ロックポケットを含み、前記ロックレバー(200)は、前記ハウジングに対して前記ロックレバーを固定するように前記ロックポケットに受容されるロック要素(202)を含む、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項14】
前記ロックレバー(200)は、前記パネル(32)に係合するように構成された支点(234)を含み、前記ロックレバーは、第1の位置と第2の位置との間で前記ハウジング(120)に対して回転し、前記ハウジングは、前記支点が前記パネル上で回転すると、前記パネルに対して移動する、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項15】
前記ロックレバー(200)は、垂直位置から水平位置まで動くように前記ハウジング(120)に枢動可能に結合されており、前記ロックレバーは、第1の水平位置から第2の水平位置まで移動するように前記ハウジングに摺動可能に結合されている、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項16】
前記ロックレバー(200)は、ハンドル(210)と、前記ハンドルの第1の側から延在する第1のレバーアーム(212)と、前記ハンドルの第2の側から延在する第2のレバーアーム(214)とを含み、前記第1のレバーアームは、前記ベース(130)の第1の側部に結合されており、前記第2のレバーアームは、前記ベースの第2の側部に結合されており、前記ハンドルは、前記ハウジング(120)に対して前記第1のレバーアームおよび前記第2のレバーアームを動かすように作動される、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項17】
前記ハンドル(210)は、開位置から閉位置へと前記ハウジング(120)に対して枢動され、前記ハンドルは、前記開位置では前記パネル(32)から遠くにあり、前記ハンドルは、前記閉位置では前記パネルに係合し、前記第1のアームおよび前記第2のアームは、前記ハンドルが前記開位置から前記閉位置へと枢動されるとき、前記フランジ(132)を前記パネルに近づける、請求項16に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項18】
前記ハンドル(210)は、伸長位置から後退位置へと前記ハウジング(120)に対して摺動され、前記ハンドルは、前記伸長位置では、前記ベース(130)から間隔を置いて配置され、前記ハンドルは、前記後退位置では、前記ベースに係合し、前記ハンドルは、前記後退位置では前記ベースに対してロックされるように構成されている、請求項17に記載の電気コネクタ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照により本明細書にその主題全体が組み込まれる、2023年6月22日出願の米国仮特許出願第63/509,536号の利得を請求する。
【0002】
本明細書における主題は、一般に、電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
コネクタシステムは、様々な構成要素を相互接続するために電気コネクタを使用する。いくつかのコネクタシステムは、ある構成要素から別の構成要素に電力および/またはデータを伝達する。例えば、電力コネクタは、バッテリなどの電力源をモータなどの負荷に接続するために使用することができる。例えば、電気車両では、バッテリは、プラグコネクタおよびヘッダコネクタを通してインバータまたは電気モータに接続することができる。ヘッダコネクタは、モータなどの構成要素のうちの1つに取り付けられ、プラグコネクタは、バッテリとプラグコネクタとの間に配索されるケーブルハーネスの端部に設けられる。ヘッダコネクタと構成要素との連結は、構成要素のパネルまたは他の構造体に対するヘッダコネクタの取り付けフランジのボルト締めを含む。
例えば、4本のボルトを、取り付けフランジの4つの角に使用してもよい。ボルトによる連結は、組み立て時間、ならびに、ヘッダコネクタと構造体との間の連結を行う、ナットおよびボルトなどの金物を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気コネクタと構造体との間にボルトを必要としない確実な連結を有するコネクタシステムが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、電気コネクタが提供される。電気コネクタは、嵌合端部と取り付け端部との間に延在するハウジングを含む。嵌合端部は、相手側電気コネクタに嵌合するように構成されている。嵌合端部は、キャビティを囲繞するシュラウドを含む。取り付け端部は、パネルに取り付けられるように構成されている。取り付け端部は、ベースと、ベースから延在するフランジとを含む。ハウジングのベースは、パネルの開口部に受容されている。ハウジングのフランジは、パネルの取り付け面に取り付けられている。電気コネクタは、ハウジングに受容されるコンタクトアセンブリを含む。コンタクトアセンブリは、相手側電気コネクタに嵌合するように構成された少なくとも1つのコンタクトを保持するコンタクトホルダを含む。
電気コネクタは、フランジに結合されベースを囲繞するシールを含む。シールは、パネルの取り付け面と接続するように構成されている。電気コネクタは、ハウジングに結合されたロックレバーを含む。ロックレバーは、ハウジングをパネルに固定するために、パネルと接続するように構成されている。
【0006】
次に、添付の図面を参照して、例として本発明について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な一実施形態による、取り付け機構を用いる電気コネクタシステムの斜視図である。
図2】例示的な一実施形態によるヘッダコネクタの一部分を示す、電気コネクタシステムの一部分の上面斜視図である。
図3】パネルに取り付けられている、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタを示す、電気コネクタシステムの一部分の底面斜視図である。
図4】例示的な一実施形態によるヘッダコネクタの一部分の断面図である。
図5】例示的な一実施形態によるヘッダコネクタの一部分の拡大断面図である。
図6】例示的な一実施形態によるヘッダコネクタの一部分の底面斜視図である。
図7】例示的な一実施形態による、開位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の底面斜視図である。
図8】例示的な一実施形態による、閉位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の底面斜視図である。
図9】例示的な一実施形態による、閉位置において伸長位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の断面図である。
図10】例示的な一実施形態による、後退位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の底面斜視図である。
図11】例示的な一実施形態による、ロック位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の底面斜視図である。
図12】例示的な一実施形態による、ロック位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の断面図である。
図13】例示的な一実施形態による、ロック位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の断面図である。
図14】例示的な一実施形態による、ロック位置にあるロックレバーを示す、ヘッダコネクタの一部分の断面図である。
図15】例示的な一実施形態によるヘッダコネクタの一部分の断面図である。
図16】例示的な一実施形態によるヘッダコネクタの一部分の断面図である。
図17】例示的な一実施形態によるヘッダコネクタの一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、例示的な一実施形態による、取り付け機構を用いる電気コネクタシステム100の斜視図である。例示的な一実施形態では、取り付け機構は、ロックレバー200を含む。電気コネクタシステム100は、ロックレバー200を用いる例示的なシステムであり、本明細書における主題は、図示の電気コネクタシステム100での使用に限定されるものではない。
【0009】
電気コネクタシステム100は、分離可能嵌合インターフェースで嵌合するように構成される電気コネクタ102および電気コネクタ104を含む。例示的な一実施形態では、電気コネクタ102および電気コネクタ104はそれぞれ、ヘッダコネクタ102およびプラグコネクタ104である。プラグコネクタ104は、ヘッダコネクタ102に嵌合するように構成される相手側電気コネクタである。プラグコネクタ104は、ヘッダコネクタ102との嵌合準備が整ったかたちで図示されている。
【0010】
ヘッダコネクタ102は、構成要素の構造体30に取り付けられる。例示的な一実施形態では、構造体30は、上面34および下面36を有するパネル32である。パネル32は、取り付け領域38を有し、ヘッダコネクタ102は、取り付け領域38でパネル32に取り付けられるように構成される。例示的な一実施形態では、パネル32は、取り付け領域38に開口部40を含む。ヘッダコネクタ102は、開口部40に受け入れられ、取り付け領域38でパネル32に取り付けられる。例示的な一実施形態では、パネル32は、導電性である。例えば、パネル32は、鋼などの金属材料から製造され得る。パネル32は、一片のシートメタルであってもよい。例示的な一実施形態では、パネル32は、パネルの1つまたは複数の層が被覆層である、被覆構造体である。
例示的な一実施形態では、ヘッダコネクタ102の取り付け機構は、ボルトの要らないおよび/または工具の要らない連結でのパネル32への取り付けを可能にする。例えば、ヘッダコネクタ102は、ロックレバーを用いて固定することができる。ロックレバーは、ボルトまたは他の締結具を使用せずに、ヘッダコネクタ102をパネル32に固定する。
【0011】
例示的な一実施形態では、電気コネクタシステム100は、高電力回路の一部として様々な構成要素間で電力を移送するために使用される高電力コネクタシステムである。特定の用途では、電力コネクタシステム100は、電気車両またはハイブリッド電気車両などの車両のバッテリシステムなどのバッテリシステムであるが、電力コネクタシステム100は、そのようなバッテリシステムに限定されるものではない。
【0012】
プラグコネクタ104は、1つまたは複数の電力ケーブル106などを介して構成要素110に電気的に接続されるように構成される。例えば、プラグコネクタ104は、バッテリ、充電器、インバータ、電気モータ、または他のタイプの構成要素に電気的に接続され得る。ヘッダコネクタ102は、電力バス108などを介して構成要素112に電気的に接続されるように構成されるが、ヘッダコネクタ102は、端子、電力線、または他のコネクタなどの他の手段によって構成要素112に電気的に接続されてもよい。例えば、ヘッダコネクタ102は、バッテリ分配ユニット、手動サービスディスコネクト、充電器、インバータ、電気モータ、または他のタイプの構成要素などを介してバッテリパックに電気的に接続されてもよい。バッテリ分配ユニットは、電流を測定しバッテリパックの電力分配を調整することなどによって電力コネクタシステム100の電力容量および機能を管理することができる。
【0013】
図示の実施形態では、電力コネクタシステム100は、コネクタ102とコネクタ104とが電力線106に対して垂直な方向で嵌合する直角コネクタシステムである。しかしながら、電力線106は、代替実施形態では、嵌合方向に平行な方向に、プラグコネクタ104から延在してもよい。様々な実施形態では、嵌合方向は、垂直嵌合方向である。例えば、プラグコネクタ104は、垂直下方方向にヘッダコネクタ102に嵌合される。任意選択で、プラグコネクタ104は、メンテナンス、修理、または他の理由などのために、バッテリパック、電気モータ、インバータ、または車両の他の構成要素などの構成要素のうちの1つまたは複数に関する高電力回路を切り離すようにヘッダコネクタ102に着脱可能に結合されてもよい。嵌合のとき、ヘッダコネクタ102の1つまたは複数のヘッダコンタクトは、プラグコネクタ104の対応するプラグ端子に、それらの嵌合インターフェースなどで嵌合する。
【0014】
ヘッダコネクタ102は、ヘッダハウジング120およびコンタクトアセンブリ180を含む。ヘッダハウジング120は、コンタクトアセンブリ180を保持する。コンタクトアセンブリ180は、プラグコネクタ104との電気的接続を行うように、プラグコネクタ104に嵌合するように構成される。コンタクトアセンブリ180は、バスバー、ケーブル、ワイヤまたは他のタイプの電気コネクタなどによって、構成要素112に電気的に接続されるように構成される。
【0015】
ヘッダハウジング120は、ヘッダハウジング120の頂部123に嵌合端部122を有し、ヘッダハウジング120の底部125に取り付け端部124を有する。ヘッダハウジング120は、取り付け端部124にベース130を有し、さらに、ベース130から延在するシュラウド140を有する。シュラウド140は、嵌合端部122に設けられ、コンタクトアセンブリ180を囲繞する。シュラウド140は、キャビティ144を囲繞するシュラウド壁142を含む。キャビティ144は、コンタクトアセンブリ180を受容する。シュラウド壁142は、ヘッダハウジング120の第1の側部126およびヘッダハウジング120の第2の側部127に沿って延在し、さらに、ヘッダハウジング120の前部128およびヘッダハウジング120の後部129に沿って延在する。
したがって、コンタクトアセンブリ180は、4辺すべてで囲まれている。任意選択で、後部129のシュラウド壁142は、前部128のシュラウド壁142よりも短くてもよい。シュラウド壁142は、プラグコネクタ104との嵌合を案内する、シュラウド壁142に沿って延在するタブ、リブまたはチャネルなどのガイド機構を含んでもよい。シュラウド140は、プラグコネクタ104に差し込まれるように構成される。
【0016】
例示的な一実施形態では、シュラウド140は、シュラウド壁142から延在する取り付けピン146を含む。プラグコネクタ104は、取り付けピン146に取り付けられるように構成される。例えば、プラグコネクタ104のハウジングに回転可能に結合されるレバー108は、取り付けピン146に結合されるように構成される。
【0017】
例示的な一実施形態では、ヘッダシールド148は、ヘッダハウジング120に結合される。ヘッダシールド148は、シュラウド140および/またはベース130に結合され得る。ヘッダシールド148は、プラグコネクタ104がヘッダコネクタ102に結合するとき、プラグコネクタ104に電気的に接続されるように構成される。例示的な一実施形態では、ヘッダシールド148は、プラグコネクタ104とパネル32を電気的に共有する(common)ように、パネル32に電気的に接続されるように構成される。ヘッダシールド148は、コンタクトアセンブリ180のまわりにシールドを形成することができる。例示的な一実施形態では、ヘッダシールド148は、シュラウド壁142の内面に沿って延在する。
任意選択で、ヘッダシールド148は、シュラウド140からベース130まで延在してもよい。例えば、ヘッダシールド148は、パネル32に電気的に接続するように、ベース130を囲むようにベース130の外面に対して巻き付けられてもよい。
【0018】
例示的な一実施形態では、コンタクトアセンブリ180は、1つまたは複数のヘッダコンタクト190を保持するコンタクトホルダ182を含む。例えば、ヘッダコンタクト190は、コンタクトホルダ182を通るコンタクトチャネルに受容され得る。コンタクトホルダ182は、ヘッダコンタクト190を互いに絶縁し、ヘッダシールド148からも絶縁するように、誘電材料から製造される。図示の実施形態では、コンタクトホルダ182は、ヘッダハウジング120から離れて別になっている。しかしながら、代替実施形態では、コンタクトホルダ182は、ヘッダハウジング120と一体、例えばヘッダハウジング120と一体成形されてもよい。例えば、ヘッダハウジング120は、ヘッダコンタクト190を受け入れる、ベース130のコンタクトチャネルを含めて成形されてもよい。
【0019】
ベース130は、コンタクトアセンブリ180を保持する。例えば、コンタクトアセンブリ180は、ベース130に差し込まれ得る。ベース130は、コンタクトアセンブリ180の諸部分を受け入れる開口部またはチャネルを含むことができる。ベース130は、パネル32に取り付けられるように構成される。任意選択で、ベース130は、ベース130がパネル32の上面34の上にも、パネル32の下面36の下にも位置するように、開口部134を通って延在してもよい。例示的な一実施形態では、ベース130は、ベース130から外方に延在するフランジ132を含む。ベース130は、パネル32の開口部40に差し込まれるように構成される。フランジ132は、取り付け領域38でパネル32に取り付けられるように構成される。
例えば、フランジ132は、パネル32の上面34に対向する。例示的な一実施形態では、フランジ132は、上面34の取り付け領域38で、取り付け面に当接する。例示的な一実施形態では、封止インターフェースは、フランジ132の底面とパネル32の上面34などにおいて、ヘッダコネクタ102とパネル32との間に画定される。
【0020】
例示的な一実施形態では、ヘッダコネクタ102の取り付け機構は、フランジ132を上面34の取り付け領域38に取り付けるために使用される。例えば、ヘッダコネクタ102のロックレバー200は、ヘッダハウジング120をパネル32に固定するために使用される。例えば、ロックレバー200は、フランジ132をパネル32の上面34に固定することができる。例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、パネル32の下面36と接続し、フランジ132をパネル32の上面34に押し付けてヘッダコネクタ102をパネル32にしっかりと固定する。例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ヘッダハウジング120に枢動可能に結合される。例えば、ロックレバー200は、ヘッダコネクタ102をパネル32に固定するために、開位置から閉位置まで回転することができる。
例示的な一実施形態では、開位置から閉位置までのロックレバー200の回転によって、ヘッダハウジング120はパネル32に固定される。例えば、フランジ132は、パネル32の方に向けて押し下げられてパネル32と係合し、それによってヘッダハウジング120とパネル32との間に緊密な連結が生じる。ロックレバー200の作動により、フランジ132が押し下げられ、それによってフランジ132とパネル32の上面34との間のシールが圧縮される。例示的な一実施形態では、ロックレバー200を閉位置まで回転させた後、ロックレバー200を、ロック解除位置からロック位置へと摺動させることができる。例えば、ロック解除位置では、ロックレバー200は、開位置と閉位置との間で自由に回転することができる。
ロック位置では、ロックレバー200は、回転を制限され、したがって、ロックレバー200は、ロック位置に維持され得る。ロックレバー200は、締結具またはボルトを使用せずに、ヘッダコネクタ102をパネル32に固定する。取り付け動作は、手を使ってまたは組み立て機械によって手動で実施することができる。球状(bulbous)連結は、ロックレバー200によって実施される。
【0021】
代替実施形態では、締結具またはボルトを使用せずにヘッダコネクタ102をパネル32にしっかりと結合するために、他の動作または動きを用いることもある。例えば、ロックレバー200は、ヘッダハウジング120に回転可能に結合されるのではなく、ヘッダハウジング120に摺動可能に連結されてもよく、傾斜路または他のロック機構を含み、それによって、ロックレバー200が作動されるとヘッダハウジング120が押し下げられて(例えば、摺動動作の間、ウェッジによってヘッダハウジング120が下方へ駆動して)パネル32に係合する。
【0022】
図2は、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102の一部分を示す、電気コネクタシステム100の一部分の上面斜視図である。組み立ての間、ヘッダハウジング120は、上からパネル32の開口部40に装入される。フランジ132は、パネル32の上面34の上に配置される。例示的な一実施形態では、シール(図示せず)は、パネル32の上面34とフランジ132の間に配置される。初期組み立て中、シールは圧縮されない。しかしながら、ヘッダハウジング120に対するロックレバー200の取り付けおよび組み付け後、シールは、フランジ132とパネル32との間で圧縮される。例えば、フランジ132は、引き下げられてパネル32の上面34に係合する。
【0023】
図3は、パネル32に取り付けられている、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102を示す、電気コネクタシステム100の一部分の底面斜視図である。ロックレバー200は、ヘッダコネクタ102をパネル32に固定する。パネル32は、ロックレバー200とフランジ132との間に捕らえられている。例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ロックレバー200をロック位置(図3)にロックするために使用されるロック要素202を含む。ロック要素202は、ヘッダハウジング120に係合してロックレバー200をロック位置に保持する。例示的な一実施形態では、ロック要素202は、ヘッダコネクタ102の部品の修理または取り替えのために、パネル32からヘッダコネクタ102を取り外すなどのために、ロックレバー200のロック解除を可能にするように解放可能である。
【0024】
図3には、ヘッダハウジング120に結合されているコンタクトアセンブリ180が示されている。例えば、コンタクトホルダ182は、ベース130の開口部134に受け入れられる。コンタクトホルダ182は、ヘッダコンタクト190を保持する。図示の実施形態では、コンタクトアセンブリ180は、一対のヘッダコンタクト190を含む。代替実施形態では、より多い、またはより少ないヘッダコンタクト190が設けられてもよい。図示の実施形態では、ヘッダコンタクト190は、ブレードコンタクトである。例えば、ヘッダコンタクト190は、コンタクトホルダ182のコンタクトチャネル184に配置される略平坦プレートである。ヘッダコンタクト190は、他の構成要素に電気的に接続されるように構成されるバスバーであってもよい。代替実施形態では、ピンコンタクト、ソケットコンタクト、音叉コンタクト、ばねビームコンタクトまたは他のタイプのコンタクトなど、他のタイプのコンタクトを使用してもよい。
【0025】
例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ヘッダハウジング120から離れて別になっている。ロックレバー200は、ヘッダハウジング120の側部126、側部127などで、ヘッダハウジング120に結合するように構成される。任意選択で、ロックレバー200は、ヘッダハウジング120に着脱可能に結合されてもよい。例えば、ロックレバー200は、ヘッダハウジング120に分離可能に結合されてもよく、ロックレバー200をヘッダハウジング120から真っ直ぐ引っ張ることによる取り外しも可能である。
【0026】
例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、U字形であり、ハンドル210と、ハンドル210の第1の側から延在する第1のレバーアーム212と、ハンドル210の第2の側から延在する第2のレバーアーム214とを有する。第1のレバーアーム212は、遠位端部216まで延在する。第2のレバーアーム214は、遠位端部218まで延在する。第1のレバーアーム212は、ヘッダハウジング120の第1の側部126に沿って延在する。第2のレバーアーム214は、ヘッダハウジング120の第2の側部127に沿って延在する。ロック位置では、ハンドル210は、ヘッダハウジング120の後部129に沿って延在する。ロックレバー200は、ハンドル210を押す、または引くことによって、ヘッダハウジング120に対して動かすことができる。
例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ロックレバー200をロック位置とロック解除位置との間で動かすなどのように、ヘッダハウジング120に対して水平摺動方向などにおいて摺動させることができる。ハンドル210は、ロック位置では、後部219に隣接して配置され、ロック解除位置では、後部129から間隔を置いて配置されるように構成される。例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ロックレバー200を開位置と閉位置との間で動かすなどのように、ヘッダハウジング120に対して回転させることができる。ハンドル210は、閉位置のパネル32に隣接して配置される。ハンドル210は、開位置では、パネル32から遠ざかるように回転される。
【0027】
図4は、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。図5は、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102の一部分の拡大断面図である。ヘッダコネクタ102は、図4および図5では前段階位置に示されている。前段階位置では、ヘッダハウジング120は、開口部40内など、パネル32に対して初期配置されている。ヘッダハウジング120は、前段階位置では、ロックレバー200を受容するように構成される。ヘッダハウジング120は、前段階位置では、パネル32に完全には固定されていない。
【0028】
例示的な一実施形態では、フランジ132は、シール114を受容するシールポケット136を含む。シール114は、ヘッダハウジング120に封止的に結合されるように構成され、パネル32に封止的に結合されるように構成される。様々な実施形態において、シール114は、ゴムガスケットであってもよい。例示的な一実施形態では、シール114は、圧縮可能である。シール114の圧縮により、ヘッダハウジング120およびパネル32に密封が形成される。例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ロックレバー200をヘッダハウジング120に結合することによりシール114を圧縮するように使用される。
【0029】
例示的な一実施形態では、ヘッダハウジング120は、パネル32に前段階位置のヘッダハウジング120を固定するために使用される前段階ラッチ150を含む。前段階ラッチ150は、パネル32にラッチ可能に結合するように構成される。例示的な一実施形態では、前段階ラッチ150は、ベース130から延在する。前段階ラッチ150は、パネル32の開口部40に受容され、下面36にラッチ可能に結合するように構成される。前段階ラッチ150がパネル32に連結されるとき、フランジ132の底部は、パネル32の上面34から間隔を置いて配置されている。例えば、フランジ132とパネル32の上面34との間には空隙が設けられる。
シール114は、その空隙全体にわたって広がり得る。シール114は、パネル32の下面36にラッチされる前段階ラッチ150を保持するなど、ヘッダハウジング120を前段階位置に保持することができる。ロックレバー200がヘッダハウジング120に結合されると、シール114は圧縮され、前段階ラッチ150は、パネル32から解放されるように構成される。例えば、ロックレバー200は、フランジ132をパネル32の方に向けて引っ張ることができ、それによって空隙は部分的または完全に閉鎖される。
【0030】
図6は、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102の一部分の底面斜視図である。図6には、ヘッダシールド148およびシール114がヘッダハウジング120に結合されている状態の、ヘッダハウジング120が示されている。コンタクトアセンブリ180(図3)は、明確にするため、ヘッダコネクタ102の部分を示すために取り除かれている。
【0031】
シール114は、フランジ132の底部のシールポケット136に受容される。例示的な一実施形態では、シール114は、ベース130を完全に取り囲む。例えば、シール114は、両方の側部126、側部127、前部128および後部129に沿って連続する。
【0032】
例示的な一実施形態では、ヘッダシールド148は、ベース130に結合される。ヘッダシールド148は、ベース130の開口部134に配置され、シュラウド140の内面に沿って延在する。例示的な一実施形態では、ヘッダシールド148は、コンタクトアセンブリ180のまわりにシールドを形成するように、開口部134を完全に取り囲む。ヘッダシールド148は、プラグコネクタ104と接続する、ヘッダシールド148の壁から内方に延在する接続タブ147を含む。接続タブ147は、ヘッダシールド148の側部および/またはヘッダシールド148の前部および/またはヘッダシールド148の後部に沿って配置することができる。ヘッダシールド148は、パネル32と接続する、ヘッダシールド148の壁から外方に延在するパネルタブ149を含む。パネルタブ149は、ヘッダシールド148の側部および/またはヘッダシールド148の前部および/またはヘッダシールド148の後部に沿って配置することができる。
【0033】
例示的な一実施形態では、ヘッダハウジング120は、前段階ラッチ150を含む。図示の実施形態では、前段階ラッチ150は、ベース130の前部128およびベース130の後部129に沿って配置される。代替実施形態では、他の場所も可能である。前段階ラッチ150は、ベース130に沿ってフランジ132から延在し得る。代替実施形態では、前段階ラッチ150は、ベース130から延在することもある。前段階ラッチ150は、ベース130に対して撓むことができる。例えば、前段階ラッチ150は、パネル32への嵌合およびパネル32からの嵌合解除などの間、パネル32の開口部40を通るようにベース130の方に向けて内方に撓むことができる。各前段階ラッチ150は、ラッチ面152を含む。
ラッチ面152は、前段階ラッチ150の外面に沿って配置される。ラッチ面152は、外方に向いている。例えば、ラッチ面152は、フランジ132の方を向いている。パネル32は、ラッチ面152とフランジ132との間で捕らえられるように構成される。任意選択で、前段階ラッチ150は、ラッチ面152の下に傾斜面154を含む。傾斜面154は、ヘッダハウジング120がパネル32の開口部40に装入されるときに、パネル32に係合して前段階ラッチを撓ませるように構成される。
【0034】
例示的な一実施形態では、ヘッダハウジング120は、最終段階ラッチ160を含む。最終段階ラッチ160は、パネル32にラッチ可能に結合されるように構成される。最終段階ラッチ160は、フランジ132をパネル32に対して保持するなど、最終段階においてヘッダハウジング120を固定するために使用される。最終段階では、シール114は、圧縮され、フランジ132およびパネル32に封止的に結合される。図示の実施形態では、最終段階ラッチ160は、ベース130の前部128およびベース130の後部129に沿って配置される。代替実施形態では、他の場所も可能である。最終段階ラッチ160は、フランジ132からベース130に沿って延在し得る。代替実施形態では、最終段階ラッチ160は、ベース130から延在することもある。
最終段階ラッチ160は、ベース130に対して撓むことができる。例えば、最終段階ラッチ160は、パネル32への嵌合およびパネル32からの嵌合解除などの間、パネル32の開口部40を通るようにベース130の方に向けて内方に撓むことができる。各最終段階ラッチ160は、ラッチ面162を含む。ラッチ面162は、最終段階ラッチ160の外面に沿って配置される。ラッチ面162は、外方に向いている。例えば、ラッチ面162は、フランジ132の方を向いている。パネル32は、ラッチ面162とフランジ132との間で捕らえられるように構成される。任意選択で、最終段階ラッチ160は、ラッチ面162の下に傾斜面164を含む。傾斜面164は、ヘッダハウジング120がパネル32の開口部40に装入されるときに、パネル32に係合して最終段階ラッチを撓ませるように構成される。
【0035】
例示的な一実施形態では、ヘッダハウジング120は、ベース130から外方に延在するレバーピン170を含む。ロックレバー200は、レバーピン170に結合するように構成される。ロックレバー200は、レバーピン170に回転可能に結合、および/またはレバーピン170に摺動可能に結合され得る。図示の実施形態では、レバーピン170は、ベース130の側部126およびベース130の側部127に配置される。代替実施形態では、他の場所も可能である。例示的な一実施形態では、レバーピン170は、フランジ132から間隔を置いて配置される。例えば、レバーピン170は、ヘッダハウジング120の底部125近くに配置してもよい。様々な実施形態において、レバーピンは、円柱状である。しかしながら、代替実施形態では、レバーピン170は、他の形状を有してもよい。
【0036】
例示的な一実施形態では、ヘッダハウジング120は、ヘッダハウジング120に対するロックレバー200の相対運動を案内する、ガイドトラック172を含む。例えば、ガイドトラック172は、ヘッダハウジング120に対するロックレバー200の回転運動を案内するように使用される。例示的な一実施形態では、ヘッダハウジング120は、ガイドトラック172の形成に使用されるガイド面176を有する1つまたは複数のガイドレール174を含む。任意選択で、レバーピン170は、ガイドトラック172の一部分を形成してもよい。例えば、ガイドトラック172は、ガイドレール174のガイド面176とレバーピン170との間に画定されてもよい。ヘッダハウジング120に対するロックレバー200の運動を案内するために、他のタイプのガイド機構を使用してもよい。
【0037】
図7は、開位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の底面斜視図である。図8は、閉位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の底面斜視図である。図9は、閉位置において伸長位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。図10は、後退位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の底面斜視図である。図11は、ロック位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の底面斜視図である。
【0038】
組み立て中、ヘッダハウジング120は、まず、開口部40にベース130を差し込むことによってパネル32に結合される。前段階ラッチ150がパネル32に係合し、それによってヘッダハウジング120は前段階位置(図7)で保持される。ヘッダハウジング120が前段階位置にあるとき、ロックレバー200をヘッダハウジング120に結合することができる。最終段階ラッチ160は、前段階位置では、パネル32にラッチ可能に結合されない。むしろ、最終段階ラッチ160は、パネル32の開口40内、またはパネル32の上面34より上に配置され得る。ロックレバー200を作動させると(例えば、閉じると)、ヘッダハウジング120は、前段階位置から最終段階位置へと移動する。ヘッダハウジング120は、前段階位置から最終段階位置へと下方に移動する。
例えば、フランジ132がパネル32の方に向けて動かされ、それによって最終段階ラッチ160が開口40を通ってパネル32の下面36と接続する。最終段階ラッチ160は、最終段階位置(図8)において、パネル32にラッチ可能に結合される。最終段階ラッチ160がパネル32に結合されると、最終段階ラッチ160は、ヘッダハウジング120がパネル32に対して移動しないようにできる。前段階ラッチ150は、フランジ132から第1の距離に配置され、最終段階ラッチ160は、フランジ132から第2の距離に配置され得る。第2の距離は、第1の距離未満であってもよく、したがって、最終段階ラッチ160がパネル32に結合されるとき、前段階ラッチ150に比べて、フランジ132はパネル32のより近くに配置される。
【0039】
ヘッダコネクタ102をパネル32に取り付ける間、ロックレバー200を開位置から閉位置まで動かし、次いで伸長位置から後退位置へと移動させる。ロックレバー200は、後退位置では、ヘッダハウジング120にロックされ得る。例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ハンドル210をパネル32の方に向けて閉位置まで回転させることなどによって、開位置と閉位置との間で回転させる。閉位置と開位置との間の回転動作によって、ヘッダコネクタ102はパネル32上に着座する。例えば、フランジ132は、パネル32の方に向けて動かされ、パネル32の上面34に着座し、それによってシール114が圧縮され、フランジ132とパネル32との間に封止連結が形成される。例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、伸長位置と後退位置との間で前方に摺動する。
ヘッダハウジング120に対してロックレバー200をロックするために、ハンドル210をヘッダハウジング120の後部129の方に向けて押すことによって、ロックレバー200を後退位置へと前方に摺動させる。ロック位置では、ロックレバー200は、開放が阻止され、したがってヘッダハウジング120はパネル32に対して緊密に保持され、それによってヘッダハウジング120とパネル32との間の封止連結が維持される。
【0040】
例示的な一実施形態では、レバーアーム212およびレバーアーム214はそれぞれ、レバーピン170を受容するピンチャネル220を含む。ピンチャネル220は、対応するレバーアーム212の内面222およびレバーアーム214の内面222に沿って設けられる。ピンチャネル220は、レバーピン170を受容するために、対応する遠位端部216および遠位端部218で開口している。例示的な一実施形態では、ピンチャネル220は、ピンポケット224と、ピンポケット224から延在するピントラック226とを含む。レバーピン170がピンポケット224に配置されると、ロックレバー200は、レバーピン170上で回転可能になる。
例えば、ロックレバー200は、レバーピン170がピンポケット224にあるとき、開位置と閉位置との間で回転することができる。ロックレバー200が閉位置にあるとき、レバーピン170は、ピントラック226を摺動することができる。ロックレバー200は、ピントラック226におけるレバーピン170の摺動によって伸長位置と後退位置との間で摺動するように構成される。
【0041】
例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、レバーアーム212およびレバーアーム214のそれぞれに沿って延在する内縁部230および前縁部232を含む。ロックレバー200は、内縁部230と前縁部232との間に支点234を含む。図示の実施形態では、支点234は、内縁部230と前縁部232との間でカーブしている。前縁部232は、開位置ではパネル32と対向するように構成される。前縁部232は、開位置ではパネル32の下面36に係合することができる。内縁部230は、閉位置ではパネル32と対向するように構成される。内縁部230は、図示の実施形態では、レバーアーム212およびレバーアーム214の上縁である。内縁部230は、閉位置では、パネル32の下面36に係合することができる。
支点234は、ロックレバー200が閉位置と開位置との間で回転するとき、パネル32に係合するように構成される。ロックレバー200は、第1の位置(開位置)と第2の位置(閉位置)との間でヘッダハウジング120に対して回転する。ヘッダハウジング120は、支点234がパネル32上で回転すると、パネル32に対して移動する。例えば、ロックレバー200を開位置から閉位置へ回転させると、パネル32とヘッダハウジング120との間でロックレバー200によって引き起こされる梃子の作用によって、ヘッダハウジング120がパネル32に対して下方に移動する。例示的な一実施形態では、前縁部232は、内縁部230よりも、ピンポケット224、したがってレバーピン170のより近くに置かれる。
支点234がパネル32に沿って回転する(ロックレバー200が開位置から閉位置へと回転する)とき、レバーピン170は、ロックレバー200によって、パネル32からさらに遠ざかるように押し下げられ、それによってヘッダハウジング120、したがってフランジ132が下方に動かされる。シール114は、支点234が開位置から閉位置へとパネル32上で回転すると、フランジ132とパネル32の上面34との間で圧縮される。ロックレバー200を閉位置に保ち、ロックレバー200のハンドル210が開位置に戻らないようにするため、ロックレバー200を後退位置(図10)へと前方に移動させてから、後退位置でロック(図11)する。
【0042】
後退位置では、ハンドル210は、ベース130の後部129に隣接する。例示的な一実施形態では、ヘッダハウジング120のベース130は、ロックポケット138を含む。ロックレバー200のロック要素202は、ロック位置においてヘッダハウジング120に対してロックレバー200を固定するために、ロックポケット138に受容されるように構成される。
【0043】
図12は、例示的な一実施形態による、ロック位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。図13は、例示的な一実施形態による、ロック位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。図14は、例示的な一実施形態による、ロック位置にあるロックレバー200を示す、ヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。
【0044】
例示的な一実施形態では、ロックレバー200は、ハンドル210にロック要素ポケット240を含む。ロック要素202は、ロック要素ポケット240に受容される。例示的な一実施形態では、ロック要素202は、ロック要素ポケット240内で、例えばロック解除位置とロック位置との間で、移動することができる。図示の実施形態では、ロック要素202は、ロック解除位置からロック位置へと押し下げられ得る。ロック要素202は、ロック位置では、ヘッダハウジング120にロックされる。ロック要素202は、ロック解除位置では、ヘッダハウジング120からロック解除される。ロックレバー200は、ロック位置では、ヘッダハウジング120に対する移動(例えば伸長位置への摺動または開位置への回転)が制限される。ロックレバー200は、ロック解除位置では、ヘッダハウジング120に対して自由に動く(例えば、伸長位置へと摺動する)。
【0045】
例示的な一実施形態では、ロック要素202は、ロック要素202の底部にあるボタン250と、ボタン250の頂部にあるキャビティ252とを含む。ヘッダハウジング120は、ベース130の底部125などに、ロックタブ139を含む。ロックタブ139は、ロック要素202がロック位置へ移動すると、キャビティ252に受容される。例えば、ボタン250がロック位置に押し上げられると、ロックタブ139は、キャビティ252に受容される。ロックレバー200は、ロックタブ139がキャビティ252に受容されると、ヘッダハウジング120から遠ざかることができなくなる。代替実施形態では、他のタイプのロック機構を使用してもよい。
【0046】
例示的な一実施形態では、ロック要素202は、ボタン250から延在するラッチビーム260を含む。ラッチビーム260は、ヘッダハウジング120と接続するように構成される。ラッチビーム260は、様々な実施形態において、ロックレバー200をロック位置に保持することができる。ラッチビーム260は、最終段階ラッチ160のラッチ解除を防ぐために、最終段階ラッチ160のうちの1つに係合することができる。例えば、ラッチビーム260は、最終段階ラッチ160のための二次ラッチ機構として動作することができる。
【0047】
図15は、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。図15は、ピントラック226に配置されているレバーピン170を示す。レバーピン170は、ピントラック226内を摺動可能である。レバーアーム212およびレバーアーム214は、ガイドレール174のガイド面176とレバーピン170との間で、ガイドトラック172に受容される。例えば、ロックレバー200のロックリブ228は、ガイドトラック172に配置され、ヘッダハウジング120に対するロックレバー200の運動を案内するようにガイドトラック172内を移動することができる。ガイドトラック172およびピントラック226は、ヘッダハウジング120に対するロックレバー200の運動を案内する。例えば、ガイドトラック172およびピントラック226は、水平摺動方向の摺動運動を案内する。代替実施形態では、他のタイプのガイド機構を使用してもよい。
【0048】
図16は、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。図17は、例示的な一実施形態によるヘッダコネクタ102の一部分の断面図である。図16および図17は、ロックレバー200のレバーアーム212およびレバーアーム214におけるピントラック226およびピンポケット224を示す。ヘッダハウジング120のレバーピン170は、ピンポケット224内に図示され、ピントラック226に対して整列している。
【0049】
一態様では、嵌合端部と取り付け端部との間に延在するハウジングを含む電気コネクタが提供される。嵌合端部は、相手側電気コネクタに嵌合するように構成されている。嵌合端部は、キャビティを囲繞するシュラウドを含む。取り付け端部は、パネルに取り付けられるように構成されている。取り付け端部は、ベースと、ベースから延在するフランジとを含む。ハウジングのベースは、パネルの開口部に受容されている。ハウジングのフランジは、パネルの取り付け面に取り付けられている。コンタクトアセンブリは、ハウジングに受容されている。コンタクトアセンブリは、相手側電気コネクタに嵌合するように構成された少なくとも1つのコンタクトを保持するコンタクトホルダを含む。シールは、フランジに結合されベースを囲繞する。シールは、パネルの取り付け面と接続するように構成されている。ロックレバーは、ハウジングに結合されている。ロックレバーは、ハウジングをパネルに固定するために、パネルと接続するように構成されている。
【0050】
任意選択で、ロックレバーは、締結具を使用せずに、ハウジングをパネルに固定することができる。
【0051】
任意選択で、ロックレバーは、ハウジングに回転可能に結合されてもよい。
【0052】
任意選択で、ロックレバーは、ハウジングに摺動可能に結合されてもよい。
【0053】
任意選択で、ロックレバーは、第1の位置と第2の位置との間でハウジングに対して動いてもよい。ロックレバーは、ロックレバーが第1の位置から第2の位置まで動くとき、パネルに対してハウジングを移動させて、シールを圧縮してもよい。
【0054】
任意選択で、ハウジングは、前段階ラッチと最終段階ラッチとを含んでもよい。ハウジングのフランジは、前段階位置から最終段階位置へ、パネルの取り付け面に対して相対的に近づくように移動されてもよい。前段階ラッチは、前段階位置においてパネルにラッチ可能に結合されてもよい。最終段階ラッチは、最終段階位置においてパネルにラッチ可能に結合されてもよい。
【0055】
任意選択で、ロックレバーは、前段階位置から最終段階位置までハウジングを移動させるように作動されてもよい。
【0056】
任意選択で、前段階ラッチは、フランジから第1の距離に配置され、最終段階ラッチは、フランジから第2の距離に配置されてもよい。第2の距離は、第1の距離未満であってもよい。
【0057】
任意選択で、ベースは、ベースから外方に延在するレバーピンを含み、ロックレバーは、レバーピンを受容するピンポケットを含む。
【0058】
任意選択で、ロックレバーは、レバーピンに回転可能に結合されてもよい。
【0059】
任意選択で、ベースは、ガイドトラックを含んでもよい。ロックレバーは、ハウジングに対してロックレバーを固定するようにガイドトラックに受容されるロックリブを含んでもよい。
【0060】
任意選択で、ロックレバーは、ロック要素を含んでもよい。ロック要素は、ハウジングに対してロックレバーをロックするように作動され得る。
【0061】
任意選択で、ハウジングのベースは、ロックポケットを含んでもよい。ロックレバーは、ハウジングに対してロックレバーを固定するようにロックポケットに受容されるロック要素を含んでもよい。
【0062】
任意選択で、ロックレバーは、パネルに係合するように構成された支点を含んでもよい。ロックレバーは、第1の位置と第2の位置との間でハウジングに対して回転してもよい。ハウジングは、支点がパネル上で回転すると、パネルに対して移動することができる。
【0063】
任意選択で、ロックレバーは、垂直位置から水平位置まで動くようにハウジングに枢動可能に結合されてもよい。ロックレバーは、第1の水平位置から第2の水平位置まで移動するようにハウジングに摺動可能に結合されてもよい。
【0064】
任意選択で、ロックレバーは、ハンドルと、ハンドルの第1の側から延在する第1のレバーアームと、ハンドルの第2の側から延在する第2のレバーアームとを含んでもよい。第1のレバーアームは、ベースの第1の側部に結合され、第2のレバーアームは、ベースの第2の側部に結合されてもよい。ハンドルは、ハウジングに対して第1のレバーアームおよび第2のレバーアームを動かすように作動され得る。
【0065】
任意選択で、ハンドルは、開位置から閉位置へとハウジングに対して枢動されてもよい。ハンドルは、開位置ではパネルから遠くにあり、ハンドルは、閉位置ではパネルに係合してもよい。第1のアームおよび第2のアームは、ハンドルが開位置から閉位置へと枢動されるとき、フランジをパネルに近づけることができる。
【0066】
任意選択で、ハンドルは、伸長位置から後退位置へとハウジングに対して摺動されてもよい。ハンドルは、伸長位置では、ベースから間隔を置いて配置されてもよい。ハンドルは、後退位置では、ベースに係合してもよい。ハンドルは、後退位置ではベースに対してロックされるように構成されてもよい。
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【外国語明細書】