(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003390
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】PFAアブレーション指数を計算および利用するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024099435
(22)【出願日】2024-06-20
(31)【優先権主張番号】18/212,383
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】リラン・シュワルツ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK18
4C160KK22
4C160KK30
4C160KK54
4C160KK62
(57)【要約】
【課題】生体組織の不可逆電気穿孔に関する情報を表示するためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】方法、装置、およびコンピュータプログラム製品であって、方法は、カテーテル上の力センサから入力を受信することであって、カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、カテーテルは心臓内の位置に配置される、ことと、受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、位置における評価に等しい力をカテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算することであって、当該計算は所定の式に従う、ことと、予測されるPFA AIをカテーテルのユーザに表示することと、を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリユニットに結合されたプロセッサを有するコンピュータ化された装置であって、前記プロセッサが、
カテーテル上の力センサから入力を受信するステップであって、前記カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、前記カテーテルは前記心臓内の位置に配置される、ステップと、
前記受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、前記位置における前記評価に等しい力を前記カテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算するステップであって、前記計算は所定の式に従う、ステップと、
前記予測されるPFA AIを前記カテーテルのユーザに表示するステップと、
を実行するように適合されている、コンピュータ化された装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記力センサから更新された入力を受信することと、
前記更新された入力について前記計算することおよび前記表示することを繰り返すことと、を実行するように更に適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記予測されるPFAアブレーション指数と一緒に、印加中に測定された実際の力でアブレーションが行われた後に、計算された実際のPFA AIを表示するように更に適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記計算は、前記評価に等しい力でアブレーションが加えられた後のPFA AIの計算に等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置における組織の組織タイプ、組織厚さ、又は組織導電率に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記予測されるPFA AI計算は、前記電極又は印加された信号の特性に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づき:
予測されるPFA AI=AIN-AI1
式中、
AI1=A*B1+ln(力)+C1
AIN=A*BN
*ln(力)+CNであり、
Nは、PFAパルスの印加回数に等しく、
力は、前記予測時間に前記カテーテルによって印加された前記力の前記測定値であり、全ての印加を通して一定であると仮定され、
BN=B0
*ln(N)+B1、
CN=C0
*exp(C1
*N)であり、
Aは所定の範囲内の数であり、
B0、B1、C0、C1は所定の定数である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
A、B0、B1、C0およびC1は、各カテーテルタイプ、ならびに心臓構造のタイプおよび前記位置における所与の組織特性について経験的に決定される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
プログラム命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品であって、前記命令は、プロセッサによって読み取られると、前記プロセッサに、
カテーテル上の力センサから入力を受信することであって、前記カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、前記カテーテルは前記心臓内の位置に配置される、ことと、
前記受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、前記位置における前記評価に等しい力を前記カテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算することであって、前記計算は所定の式に従う、ことと、
前記予測されるPFA AIを前記カテーテルのユーザに表示することと、
を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づく、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
方法であって、
カテーテル上の力センサから入力を受信することであって、前記カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、前記カテーテルは前記心臓内の位置に配置される、ことと、
前記受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、前記位置における前記評価に等しい力を前記カテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算することであって、前記計算は所定の式に従う、ことと、
前記予測されるPFA AIを前記カテーテルのユーザに表示することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記力センサから更新された入力を受信することと、
前記更新された入力について前記計算することおよび前記表示することを繰り返すことと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記予測されるPFAアブレーション指数と一緒に、印加中に測定された実際の力でアブレーションが行われた後に、計算された実際のPFA AIを表示することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記計算は、前記評価に等しい力でアブレーションが加えられた後のPFA AIの計算に等しい、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置における組織の組織タイプ、組織厚さ、又は組織導電率に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記予測されるPFA AI計算は、前記電極又は印加された信号の特性に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づき:
予測されるPFA AI=AIN-AI1
式中、
AI1=A*B1+ln(力)+C1、
AIN=A*BN
*ln(力)+CNであり、
Nは、PFAパルスの印加回数に等しく、
力は、前記予測時間に前記カテーテルによって印加された前記力の前記測定値であり、全ての印加を通して一定であると仮定され、
BN=B0
*ln(N)+B1、
CN=C0
*exp(C1
*N)であり、
Aは所定の範囲内の数であり、
B0、B1、C0、C1は所定の定数である、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
A、B0、B1、C0およびC1は、各カテーテルタイプ、ならびに心臓構造のタイプおよび前記位置における所与の組織特性について経験的に決定される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くには、医療装置に関し、特には、生体組織の不可逆電気穿孔に関する情報を表示するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不整脈は、心臓の電気伝導系、特に、心腔の壁の1つ以上の点又は領域における電気的活動に関する問題によって引き起こされ得る。心房細動は、心房(左心房および/又は右心房)を非常に速く非同期的な心調律で収縮させる無秩序な信号を特徴とする不整脈である。
【0003】
A-fibとも呼ばれる心房細動の一般的な治療は、無秩序な信号に寄与する誤った電気信号を遮断し、典型的な心拍を回復させるために、エネルギーを使用して心臓壁の1つ以上の活性領域に瘢痕を形成するアブレーションである。
【0004】
不可逆電気穿孔(irreversible electroporation、IRE)は、パルスフィールドアブレーション(PFA)とも呼ばれ、組織と接触している、又は組織にごく近接しているプローブを介して、高振幅DC信号の短パルスを印加して、細胞膜に致死的なナノ細孔をもたらし得る電界を生成し、それにより細胞恒常性(内部の物理的状態および化学的状態)を妨害する軟組織アブレーション技術である。IRE後の細胞死は、アポトーシス(プログラムされた細胞死)に起因し、全ての他の熱又は放射線ベースのアブレーション技術におけるような壊死(細胞自体の酵素の作用を通じて細胞の破壊をもたらす細胞傷害)に起因しない。IREは一般的に、正確さ、ならびに細胞外マトリックス、血流、および神経の保全が重要な領域における腫瘍のアブレーションで使用される。
【0005】
PFAパルス又はPFA印加を制御するための例示的なパルスフィールド発生器およびコントローラは、米国特許出願第20210186604(A1)号に示され、説明されており、その全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【
図1A】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、カテーテルベースの電気生理学的(electrophysiological、EP)マッピングおよびアブレーションシステムの概略描写図である。
【
図1B】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの概略的な描写図である。
【
図2】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、予測されるPFA指数を計算、表示、および利用するための方法におけるステップのフローチャートである。
【
図3】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、予測されるPFA指数を計算、表示、および利用するためのコンピューティングプラットフォームの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明には、本発明の十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細なしでも実施され得ることは、当業者に明らかであろう。他の例では、本発明を無用に分かりにくくすることのないよう、周知の回路、制御論理、ならびに従来のアルゴリズムおよびプロセスに対するコンピュータプログラム命令の詳細については、詳しく示していない。
【0008】
本発明の態様を具体化するソフトウェアプログラミングコードは、典型的には、コンピュータ可読媒体などの永久記憶装置に維持される。クライアント-サーバ環境では、かかるソフトウェアプログラミングコードは、クライアント又はサーバに記憶させることができる。ソフトウェアプログラミングコードは、データ処理システムで使用するための様々な既知の媒体のうちのいずれかで具体化され得る。これには、ディスクドライブ、磁気テープ、コンパクトディスク(compact disc、CD)、デジタルビデオディスク(digital video disc、DVD)などの磁気および光学記憶デバイス、および信号が変調される搬送波の有無にかかわらず、伝送媒体に具現化されたコンピュータ命令信号が含まれるが、これらに限定されない。例えば、伝送媒体は、インターネットなどの通信ネットワークを含み得る。加えて、本発明は、コンピュータソフトウェアで具体化され得るが、本発明を実施するために必要な機能は、代替的に、特定用途向け集積回路又は他のハードウェアなどのハードウェアコンポーネント、又はハードウェアコンポーネントとソフトウェアのいくつかの組合せを使用して、一部又は全体的に具体化され得る。
【0009】
概論
パルスフィールドアブレーション(PFA)は、関心領域に電界を発生させて不可逆電気穿孔(IRE)を誘導して、組織細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導することによって組織細胞をアブレーションするモダリティである。IRE電界は、典型的には、1つ以上の高電圧パルス列の形態で信号発生器によって送達される。
【0010】
PFAは、双極又は単極送達を使用して送達されてもよい。双極送達では、DC電流が、組織の近くにある、例えば、典型的には組織に接触する電極対の間に送達され、アブレーションされる織の近くに局所電界を発生させ、それによって、電極間の組織細胞を死滅させる。単極用途では、電流は、例えば、典型的には、組織に接触する、組織付近の電極と、患者の皮膚上のパッチであってもよい、又は血液プールに浸漬される、若しくはアブレーションのために構成される位置から離れた位置で組織に接触している、カテーテル自体上の基準電極であってもよい、より大きい戻り電極との間に送達される。
【0011】
PFAを適用する有効性、すなわちアブレーション品質は、PFAアブレーション指数(AI)を計算することに基づいて推定および/又は評価され得る。PFAアブレーション指数は、PFAによって生成された損傷のパラメータ、例えば、損傷領域および/又は深さの指標を提供する。損傷、したがって、PFAアブレーション指数は、本発明者らが、引き起こされた損傷の質に影響を及ぼす重要なパラメータであることを見出した、カテーテルによって心臓壁に印加される接触力、ならびにパルスの数、それらの周波数、持続時間、および振幅を含む、印加されるパルスのパラメータに依存し得る。特に、固定されている印加されるパルスの数、周波数、持続時間および振幅とは異なり、印加される力は医師によって制御可能であり、それによって、医師がPFAによって引き起こされる損傷の質、したがってPFAアブレーション指数を制御することを可能にする。
【0012】
任意選択で、PFAアブレーション指数は、カテーテルの1つ以上の選択された電極によって印加される接触力に、より具体的に依存してもよい。任意選択で、選択された電極は、心臓壁に接触していると判定された電極である。PFAアブレーション指数は、アブレーションが印加される心臓壁内の特定の位置に更に依存し得、例えば、組織のタイプ、その厚さ、およびその形態によって影響を受け得る。
【0013】
典型的には、アブレーションは、印加の間に例えば約1秒の休止を伴って、パルス列の反復される印加によって行われる。AIは、ユーザが、別のパルス列を印加するかどうか、およびどのように印加するかを決定することができるように、送達された全ての印加について、累積するAIにデルタAIを計算し、加算することによって、各印加後に計算され、表示されてもよい。
【0014】
典型的には、パルスパラメータは予め決定される。したがって、アブレーションを印加する医師によって典型的に制御可能なパラメータは、電極によって心臓壁に印加される位置および力である。しかしながら、医師は、満足のいくPFA AIを得るためにどれだけの接触力が印加される必要があるかについて良好な感触を有しない場合がある。したがって、現在印加されている力に基づいて予測されるPFA AIを表示することによって、医師は、印加される力を微調整して、所望の効果を達成することができる。更に、医師は、所望のPFA AIを達成し、複数のアブレーション部位によって形成された損傷にわたってそのPFA AIを維持することを望む場合がある。したがって、いくつかの例示的実施形態では、計算および表示された予測PFA AIは、医師が所望のPFA AIに到達すること、および/又は複数のアブレーション部位によって形成されるアブレーション領域にわたって均一なPFA AIを達成することを支援し得る。
【0015】
したがって、本開示のいくつかの実施形態によれば、接触力が監視され、予測されるPFAアブレーション指数は、医師が所定の回数の印加を通してその接触力を維持するという仮定に基づいて計算され得る。予測されるPFA AIは、医師に表示されてもよく、所望のPFA AI、例えば、所望の損傷サイズおよび/又は深さを達成するためにどれだけの接触力を印加すべきかについての指標を医師に提供してもよい。表示される予測されるPFAは、医師によって印加される接触力が変化するにつれて、自動的かつ連続的に更新されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、カテーテルによって心臓壁に印加される総力が測定されてもよく、心臓壁に接触する1つ以上の電極によって印加される力は、当該力に寄与してもよい。他の実施形態では、1つ以上の電極によって印加される別個の力が考慮されてもよい。
【0017】
指数は、実際のPFA AIを計算するために使用される同じ式を使用して予測され得る。
【0018】
指数は、所定数のパルスにわたって各パルスの効果を積分することによって計算されてもよく、全てのパルスの間、力は現在測定されているのと同じ値に維持されると仮定される。
【0019】
予測に基づいて、医師は、次いで、特定の位置でアブレーションするかどうか、および現在の力が組織に印加されている状態でアブレーションするかどうか、又は位置および/若しくは印加される力を変更するかどうかを決定し得る。
【0020】
予測されるPFAアブレーション指数は、連続的に、又はカテーテルおよび/若しくは電極が組織に接触するときのみ、ユーザに表示されてもよく、表示は、医師がカテーテルおよび/若しくは電極の位置、又はカテーテルおよび/若しくは電極によって心臓壁に対して印加される力を変更するにつれて、変動してもよい。
【0021】
システムの説明
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピングおよびアブレーションシステム10を示す
図1Aを参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含み得る。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の位置の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、1つ又は複数のカテーテルを、送達シースカテーテルに挿入して、心臓12内の所望の場所に到達させることができる。例えばカテーテル14を含む複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の検知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、および/又は検知およびアブレーション双方のためのカテーテルを含んでもよい。医師24は、心臓12におけるPFAアブレーション指数の予測を得るために、又は標的部位をアブレーションするために、カテーテル14の遠位先端部28を心臓壁と接触させて配置することができる。
【0022】
カテーテル14は、不可逆電気穿孔(IRE)アブレーションシステムと共に使用される例示的なカテーテルである。カテーテル14は、遠位先端部28を備えてもよい。遠位先端部28は、カテーテル14を通ってコンソール30に延びるワイヤによって接続された複数の電極55を備えることができる。
【0023】
カテーテル14の遠位端28が患者の体内に挿入され、心臓12内の標的位置に到達すると、医師24は、カテーテル14を操作して、遠位先端部28の上に配置された電極55を肺静脈の心門などの標的位置に接触させてもよい。
【0024】
本明細書で説明する例では、電極55は、高電圧による、心臓12の肺静脈の心門組織などの心臓12の左心房の組織のIREアブレーションのために使用することができる。
【0025】
カテーテル14の近位端は、制御コンソール30を介してIREアブレーションエネルギー発生器50からエネルギーを受け取る。IRE電源50は、不可逆電気穿孔(IRE)を行うために使用され得るような、高電圧DCパルスの単極、双極、又はそれらの組合せを含むパルスフィールドアブレーション(PFA)エネルギーを生成し得るが、これに限定されない。双極パルスは、1つ以上の電極対55の間に印加されてもよい。パルスが印加される電極対55は、熱による加熱の副作用を最小限に抑えながら、組織へのIREフィールドの均一性および侵入深さを達成するために、適用可能なプロトコルに従って選択することができる。
【0026】
ここで
図1Bも参照すると、カテーテル14の遠位先端部28の拡大絵画図が示されている。
【0027】
遠位先端部28は、スプライン55の上に配置された複数の電極50を備える。
図1Bの例示的な実施形態において遠位先端部28は、球として配置された3つのスプラインを備え、各スプラインは、その上に配置された4つの電極を有する。
【0028】
各スプラインの端部は中央シャフト60に結合されている。中央シャフト60は、灌注システムと、心臓に灌注流体を注入するための1つ以上の灌注開口部104とを備えてもよい。
【0029】
中央シャフト60は、心臓壁電極55に加えられる総力を検知するように構成された力センサ62を更に備えることができる。力は、心臓壁上の電極55の各々によって印加される力の合計(又は平均若しくは任意の他の積分)、プロトコルに従ってエネルギーを受け取り、アブレーションを引き起こす電極55によって印加される力の合計(又は平均若しくは任意の他の積分)、電極55のいずれかによって心臓壁などに印加される最大力などとして計算されてもよい。
【0030】
中央シャフト60は更に、遠位先端部28の位置および向きを追跡するための位置センサ64を備えてもよい。任意選択で、かつ好ましくは、位置センサは、三次元(three-dimensional、3D)位置および向きを検知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0031】
磁気ベースの位置センサは、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む位置パッド25と共に動作してもよい。カテーテル14の遠位先端部28又は電極55のいずれかのリアルタイム位置は、位置パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ64によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気ベースの位置検知技術の詳細は、米国特許第5,5391,199号、米国特許第5,443,489号、米国特許第5,558,091号、米国特許第6,172,499号、米国特許第6,239,724号、米国特許第6,332,089号、米国特許第6,484,118号、米国特許第6,618,612号、米国特許第6,690,963号、米国特許第6,788,967号、米国特許第6,892,091号に記載されている。
【0032】
システム10は、位置パッド25の位置基準および電極55のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ以上の電極パッチ38を含み得る。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極55に方向付けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の位置を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、米国特許第7,756,576号、米国特許第7,848,787号、同第7,869,865号、および同第8,456,182号に記載される。
【0033】
アブレーションエネルギーが組織に印加されると、遠位先端部28によって心臓壁に印加される力、および任意選択で心臓内の位置を使用して、PFAアブレーション指数を計算することができる。しかしながら、医師24が所望の損傷および/又は所望のPFA AIを達成するために特定の位置に必要な力を印加することができるように、医師24が同じ量の力を加えると仮定して、エネルギーが印加される前にPFAアブレーション指数を予測するために、力および任意選択で位置を使用することもできる。予測されるPFAアブレーション指数は、エネルギーが印加された後に実際のPFAアブレーション指数が計算されるのと同じ方法で、力に基づいて計算することができる。
【0034】
レコーダ11は、本体表面ECG電極18によりキャプチャされた電気記録
図21と、対応するカテーテルによりキャプチャされた心内電位図(IEGM)とを記録して表示してもよい。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、および/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0035】
患者インターフェースユニット(PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション53との間の電気通信を確立するように構成されているインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド25、本体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、およびレコーダ11を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0036】
ワークステーション53は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがその中に記憶されたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能とを含む。ワークステーション53は、任意選択で、(1)カテーテル14の力および位置に基づいて計算された現在のPFA指数51、および予測されるPFA指数52をディスプレイデバイス27に表示することと、(2)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(3)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示することと、(4)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム位置および向きを表示することと、(5)アブレーションエネルギーが印加された位置などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示することと、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.、31A Technology Drive、Irvine、CA、92618から入手可能なCARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0037】
いくつかの実施形態では、モデル又は解剖学的マップ20は、心臓内の複数の位置についてのPFAアブレーション指数又はその予測をその上に示すことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、指数は、電極が心臓壁に力を印加した領域について表示されてもよく、各そのような位置で印加された力に基づいて予測されるPFAアブレーション指数を示してもよい。
【0039】
他の実施形態では、指数は、医師が最良の位置を選択することができるように、心臓壁の全領域について表示されてもよく、平均所定力に基づいて計算された予測されるPFAアブレーション指数を示してもよい。いくつかの実施形態では、予測のために使用される平均力は、医師ごとに学習されるパラメータ、例えば、アブレーション中に医師が通常印加する力であってもよい。
【0040】
ここで
図2を参照すると、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、予測されるPFA指数を計算、表示、および利用するための方法におけるステップのフローチャートが示されている。
【0041】
ステップ204では、シャフトの遠位端に配置され、医師がカテーテルを体組織に押し付けている力を測定する力センサから、力の評価又は測定値を得ることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、力を評価するとき、現在のプロトコル下で活性化されるであろう電極対の電極によって加えられる局所力が考慮されてもよい。例えば、電極によって加えられた力の合計、平均、電極のいずれかによって加えられた最大力などである。
【0043】
他の実施形態では、力は、全ての電極によって印加される力の合計、平均最大、又は任意の他の尺度に基づいて計算されてもよい。任意選択で、力は、遠位端アセンブリがシャフトに接続される位置の近位のシャフトの遠位端上で検知される力である。
【0044】
ステップ208において、予測されたPFAアブレーション指数が計算されてもよく、これは、電極が評価された力に等しい組織量の力を印加するときに、その位置において所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルス又はパルス列を印加することによって得られるであろうPFAアブレーション指数を予測する。
【0045】
予測されるPFAアブレーション指数は、アブレーションが適用された後に実際のPFA AIを計算するために使用されるのと同じ計算を使用して計算することができる。この計算における重要な変数は、カテーテルによって心臓壁に印加される力であり、これは医師が影響を及ぼす可能性がある。計算は、以下を含む他のパラメータを含み、典型的には予め定義される適用可能なプロトコルに従って、印加されるパルスの数、ならびにそれらのそれぞれの大きさおよび持続時間、利用可能な場合には患者固有の情報、又は他の場合には心臓の一般的な構造に基づく一般的な情報、ならびに心臓内の特定の位置およびその特性、例えば、関連する位置における組織の厚さ、組織タイプ、その導電率などである。
【0046】
位置情報は、カテーテルに対してグローバルであってもよいし、各電極に固有であってもよい。後者の場合、予測されるPFAアブレーション指数は、各活性電極に印加される力と、電極が体組織に接触する特定の位置の特性とから組み合わせられてもよい。
【0047】
PFAによるアブレーション指数は、米国特許出願公開第20210186604(A1)号に記載され、示されており、これは、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0048】
アブレーション治療を予測および制御するために、PFA AIが計算され、ユーザに表示されてもよい。PFAアブレーションでは、可能なスケールは、F、P、およびTに依存し得る、損傷の深さを示すサイズSに対応することができ、ここで、Fは、カテーテルによって組織に印加される力であり、Pは、アブレーション処置中に散逸される電力であり、Tは、パルスおよびパルス列の反復数から導出される処置の時間である。いくつかの実施形態では、サイズSの推定値は、F、P、およびTの関数を含む式の時間積分を求めることによって与えられ得る。
【0049】
推定は、所望の損傷サイズおよび/又はPFA AIに到達したときにPFAが停止され得るように、PFA中に適用されてもよい。
【0050】
本開示の例示的な実施形態では、PFA AIは、接触力と反復の数との積の期間にわたる合計を計算することによって導出され得る。
【0051】
PFA AIは、以下の式に従って計算することができ:
【0052】
【数1】
式中、Nは、PFAパルスの印加回数(以下、「PFA印加」という)に等しく、所定の最大値を有する。パルスの各印加が総PFA AIを増加させることが理解される。
【0053】
AInは、第nのパルス印加についてのアブレーション指数であり、損傷の深さに係数Aを乗じたものに等しく、深さは、特定の印加についての力の対数関数(力(n))であり:
AIn=A*Bn
*ln(力(n))+Cnであり、
AIn-1=A*Bn-1
*ln(力(n))+Cn-1
式中、Aは所定の範囲内の数であり、
Bnは、以下の式によって決定される所定のパラメータであり:
Bn=B0
*ln(n)+B1であり、
式中、B0およびB1は所定の定数であり、
Cnは、以下の式によって決定される所定のパラメータであり:
Cn=C0
*exp(C1
*n)であり、
式中、C0およびC1は所定の定数である。
【0054】
A、BnおよびCn値は、各印加反復に対して経験的に決定され、カテーテルの各タイプおよび心臓構造のタイプおよび所与の組織特性に対して較正され得る。
【0055】
第nの反復で使用されるときのAIn-1の値が以前の計算から取得されないように、AInおよびAIn-1が反復ごとに計算されることに留意されたい。表示されたPFAは、各印加に応じて更新されてもよい。
【0056】
予測されるPFA AIも同様に計算することができる。しかしながら、全ての印加にわたって加えられる力が一定であると仮定されるので、式は以下のように簡略化され:
予測されるPFA AI=AIN-AI1
式中、
AI1=A*B1+ln(力)+C1
AIN=A*BN
*ln(力)+CNであり、
力は、予測時間にカテーテルによって印加された力の測定値であり、全ての印加を通して一定であると仮定され、
BN=B0
*ln(N)+B1であり、
CN=C0
*exp(C1
*N)である。
【0057】
いくつかの実施形態では、PFA AIおよび予測されるPFA AIの両方は、それぞれ、理想的なアブレーションおよび理想的な損傷未満であるアブレーションを表す最小値と最大値との間の無次元数又は無次元数の範囲としてユーザに提供され得る。一例では、アブレーション指数は、0と1000、250と850などの2つの限界値の間の無次元スケールである。
【0058】
実際のPFAに対して第nの反復で使用されるときのAIn-1の値が以前の計算から取得されないように、AInおよびAIn-1が印加ごとに計算されることに留意されたい。表示されたPFAは、各印加に応じて更新されてもよい。しかしながら、予測されるAIは、測定された瞬間力に基づいて所定の数の印加に対して計算され、予測されるAIは表示される値である。
【0059】
予測されたアブレーション指数に基づいて、医師は、特定の位置でのアブレーション又はアブレーションの反復を決定することができ、および/又は医師は、アブレーション中により多くの又はより少ない接触力が所望されるかどうかを決定することができる。
【0060】
ステップ212において、予測されるPFAアブレーション指数は、例えば、
図1のテキスト51に示されるように、医師等のシステムのユーザに表示されてもよい。任意選択で、予測されるPFAアブレーション指数は、実際のPFAアブレーション指数の表示と並んで表示される。
【0061】
追加的又は代替的に、心臓のマップが更新されてもよく、マップ上の複数の位置の各々は、医師がカテーテルを心臓組織と接触させたときに計算された予測されるPFA指数と関連付けられ、それを表示してもよい。マップは、カラーコード化、陰影コード化、パターンコード化等されてもよい。
【0062】
追加的又は代替的に、組織のタイプおよびその厚さに基づいて、複数の位置における予測されるPFAアブレーション指数の一般的マップを示す、心臓のマップが表示されてもよい。マップは、医師の現在のセッション又は以前のセッションから学習されるように、医師によって印加される一般的な所定の力又は典型的な力に基づいて、指数を表示してもよい。
【0063】
計算および表示は、1秒ごと、5秒ごとなど、所定の期間ごとに更新することができる。代替的な実施形態では、計算および表示は、例えばカテーテルが動かされるたびに、連続的に更新されてもよい。
【0064】
ステップ216では、任意選択で、ユーザの命令に従って、又は表示された通知に対する確認に従って、発生器がユーザによって動作させられてもよく、IREエネルギーが、適用可能なプロトコルに従って電極に、したがって組織に供給されてもよい。したがって、所定の幅の電流の所定の数のパルスが、関連する電極に、したがってその位置に提供されて、アブレーションを生成する。
【0065】
ステップ220において、アブレーションが実行されたことを条件として、実際のPFAアブレーション指数を計算し、表示することができる。典型的には、実際のPFA AIは、印加ごとに計算され、累積PFA AIは、アブレーションが印加されているときの各印加後に表示される。
【0066】
いくつかの実施形態では、印加後に、実際のPFAアブレーション指数を予測値と比較して、少なくとも1つの差を得ることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの差を含む比較結果は、将来の予測がより正確になるように、予測パラメータを学習するために使用され得る。例えば、予測が実際の値よりも一貫して高い又は低い場合、予測はそれぞれ減少又は増加され得る。更なる場合には、印加される力、組織特性、カテーテル構造、および印加されるプロトコルのうちの任意の2つ以上の間で、より複雑な関係が学習され得る。学習は、プロセッサによって自動的に、人間のオペレータによって手動で、又はハイブリッド方式で実行されてもよい。
【0068】
ここで
図3を参照すると、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、予測されるPFAアブレーション指数を計算、表示、および利用するためのコンピューティングプラットフォーム300のブロック図が示される。
【0069】
コンピューティングプラットフォーム300は、コンソール30又はワークステーション53内に埋め込まれてもよいが、独立型コンピューティングプラットフォームであってもよく、又は他の場所に埋め込まれてコンソール30と動作可能に通信してもよいことが理解されよう。
【0070】
コンピューティングプラットフォーム300は、互いに動作可能に接続され得る1つ又は複数のコンピューティングプラットフォームとして実施され得る。例えば、1つ又は複数のリモートコンピューティングプラットフォームは、例えばクラウドコンピュータ上に実施され得る。他のコンピューティングプラットフォームは、関連する組織のコンピュータネットワークの一部であってもよい。他の実施形態では、全ての機能は、全てが組織ネットワークの一部である1つ以上のコンピューティングプラットフォームによって提供されてもよい。
【0071】
コンピューティングプラットフォーム300は、同じコンピューティングプラットフォーム上に位置するか、位置していない、1つ又は複数のプロセッサ304を含んでも良く、このプロセッサ304は、1つ又は複数の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、電子回路、集積回路(IC)などであってもよい。プロセッサ304は、例えば、以下に詳述する記憶デバイス312に格納されたソフトウェアモジュールをメモリにロードして起動することによって、必要な機能を提供するように構成されてもよい。
【0072】
コンピューティングプラットフォーム300は、ディスプレイ、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロフォンなどの入出力(I/O)デバイス306を備えることができる。I/Oデバイス306は、医師等のユーザから入力を受信し、ユーザに出力を提供する、例えば、予測されるPFAアブレーション指数を表示する、動作命令を受信する、又は同等物のために利用されてもよい。
【0073】
コンピューティングプラットフォーム300は、例えば、力センサから圧力情報を取得すること、カテーテル処置コントローラからの動作情報の取得、遠隔記憶デバイス上へのデータの記憶など、他のデバイス又は他のコンピューティングプラットフォームとの通信のための通信デバイス308を含んでもよい。通信モジュール308は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラーネットワークなどの任意の通信チャネルとインターフェースし、任意の関連する通信プロトコルを使用するように適合され得る。
【0074】
コンピューティングプラットフォーム300は、ハードディスクドライブ、フラッシュディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリチップなどの記憶デバイス312を含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、記憶デバイス312は、以下に列挙されるモジュールのいずれかに関連する動作、又は上記の
図2の方法のステップをプロセッサ304に実行させるように動作可能なプログラムコードを保持することができる。プログラムコードは、以下に詳述する命令を実行するように適合された、関数、ライブラリ、独立型プログラムなどの1つ以上の実行可能ユニットを含んでもよい。
【0075】
代替的又は追加的に、提供される命令は、磁気メモリ、光メモリ、又は電子メモリなどの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体上に記憶されていてもよい。
【0076】
記憶デバイス312は、通信デバイス308を介して、カテーテル制御システム、力センサ、外部記憶デバイス、ディスプレイシステムなどの他のシステムとの間でデータを送受信するための通信モジュール316を備えることができる。特に、通信モジュール316は、例えば、カテーテルの遠位端に位置する、カテーテルに関連付けられた1つ以上の力センサから力測定値を受信する際に動作可能であってもよい。
【0077】
記憶デバイス312は、上記のステップ208に関連して詳述されるように、検知された力、電極および信号パラメータ、ならびに任意選択で位置に基づいて、予測される指数を計算するためのPFAアブレーション指数予測モジュール320を備えてもよい。
【0078】
記憶デバイス312は、予測PFAアブレーション指数を、アブレーション後の位置で測定された実際のPFAアブレーション指数と比較するためのPFAアブレーション指数比較モジュール324を備えてもよい。
【0079】
記憶デバイス312は、予測されるPFAアブレーション指数と実際のものとの間の差に基づいて、PFAアブレーション指数予測モジュール320のパラメータ又は計算を適合させるためのPFA予測パラメータ学習モジュール328を備えることができる。したがって、PFAアブレーション指数予測モジュール328は、医師がアブレーションをどこで実行すべきか、およびアブレーション中にどれだけの力を印加するべきかについてより良い決定を行うことを可能にするために、将来の予測が実際の結果により近く予測するように、その内部パラメータ又は計算を適合させることができる。パラメータを学習することは、自動的に、手動で、又はそれらの組合せで実行され得る。
【0080】
記憶デバイス312は、正しい順序で必要な入力を用いて上記のモジュールを起動するための、例えば、予測されるPFAアブレーション指数および実際のPFAアブレーション指数の情報が複数の位置について利用可能になった後に、PFA予測パラメータ学習モジュール328を起動するための、データおよび制御フロー管理モジュール332を備えてもよい。
【0081】
記憶デバイス312は、予測されるPFAアブレーション指数51、心臓指標アブレーション指数若しくはその予測のマップなど、ディスプレイデバイス27上に表示されるようにユーザに表示をレンダリングするためのユーザインターフェース336を備えることができる。ユーザインターフェース336はまた、ユーザによって操作される制御装置32などから命令パラメータおよび動作パラメータを受信する際に動作可能であってもよい。
【0082】
上記で開示されたステップおよびモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又は他のモジュールに加えて、カテーテルを動作させること、カテーテル処置プロセスを表示すること、コンプレックス細分化電位図(complex fractionated electrogram、CFE)分析などの他の計算を実行すること、心臓マップを生成することなどに必要とされることが理解される。方法およびシステムについての更なる詳細は、例えば、米国特許第8676305号、米国特許第9629567号に見出すことができ、これらは、任意の目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
本発明は、システム、方法、および/又はコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0084】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用される命令を保持および記憶することができる有形装置とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、又は前述の任意の好適な組合せであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令が記録されたパンチカード又は溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、および上記の任意の適切な組合せを含む。本明細書で使用するコンピュータ可読記憶媒体とは、電波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光パルス)、又は動線を通って伝送される電気信号などの、それ自体が一過性の信号であるものとして解釈されるべきではない。
【0085】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスに、又は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、および/又は無線ネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶デバイスに、ダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/又はエッジサーバを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイスのネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、コンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。
【0086】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は1つ以上のプログラミング言語、Java、C、C++、Pythonなどのプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は(例えばインターネットサービスプロバイダを利用したインターネットを介して)外部コンピュータ接続されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0087】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/又はブロック図を参照して本明細書に記載されている。流れ図および/又はブロック図の各ブロック、ならびに流れ図および/又はブロック図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることは理解されるであろう。
【0088】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理機器のプロセッサに提供されて、命令がコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理機器のプロセッサを介して実行され、流れ図および/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を創出することができるように、機械を生成する。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/又は他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、その結果、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、流れ図および/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/作用の態様を実装する命令を含む製造物品を含む。
【0089】
このコンピュータ可読プログラムの命令をコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理機器、又は他のデバイス上にロードして、一連の操作工程をそのコンピュータ、他のプログラマブル機器、又は他のデバイス上で実施させ、コンピュータ実施プロセスを生成させて、そのコンピュータ、他のプログラマブル機器、又は他のデバイス上で実行される命令が、流れ図および/又はブロック図のブロックに定められている機能/動作を実施するようにしてもよい。
【0090】
図中の流れ図およびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の考えられる実装形態の構造、機能性、および動作を示すものである。この点に関して、流れ図又はブロック図における各ブロックは、示された論理機能を実施するための1つ又は2つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又は命令の部分を表し得るものである。いくつかの代替的な実装形態において、ブロックに示される機能は、図に示される順序以外の順序で行われてもよい。例えば、連続して示す2つのブロックは、実際に、実質的に同時に実行されてもよく、あるいはそれらのブロックは、ときには、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行されてもよい。また留意されたい点として、ブロック図および/又はフロー図の各ブロック、ならびにブロック図および/又はフロー図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースシステムによって実施されてもよく、あるいは、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組合せを動作させること又は実行することもできる。
【実施例0091】
(実施例1)
方法は、カテーテル上の力センサから入力を受信することであって、カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、カテーテルは心臓内の位置に配置される、ことと、受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、位置における評価に等しい力をカテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算することであって、当該計算は所定の式に従う、ことと、予測されるPFA AIをカテーテルのユーザに表示することと、を含む。
【0092】
(実施例2)
力センサから更新された入力を受信することと、更新された入力について当該計算することおよび当該表示することを繰り返すことと、を更に含む、実施例1に記載の方法。
【0093】
(実施例3)
予測されるPFAアブレーション指数と一緒に、印加中に測定された実際の力でアブレーションが行われた後に、計算された実際のPFA AIを表示することを更に含む、実施例1に記載の方法。
【0094】
(実施例4)
当該計算は、評価に等しい力でアブレーションが加えられた後のPFA AIの計算に等しい、実施例1に記載の方法。
【0095】
(実施例5)
予測されるPFA AI計算は、心臓の壁上の位置に基づく、実施例1に記載の方法。
【0096】
(実施例6)
予測されるPFA AI計算は、心臓の壁上の位置における組織の組織タイプ、組織厚さ、又は組織導電率に基づく、実施例1に記載の方法。
【0097】
(実施例7)
予測されるPFA AI計算は、電極又は印加された信号の特性に基づく、実施例1に記載の方法。
【0098】
(実施例8)
予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づき:
予測されるPFA AI=AIN-AI1
式中、
AI1=A*B1+ln(力)+C1
AIN=A*BN
*ln(力)+CNであり、
Nは、PFAパルスの印加回数に等しく、
力は、予測時間にカテーテルによって印加された力の測定値であり、全ての印加を通して一定であると仮定され、
BN=B0
*ln(N)+B1、
CN=C0
*exp(C1
*N)であり、
Aは所定の範囲内の数であり、
B0、B1、C0、C1は所定の定数である、実施例1に記載の方法。
【0099】
(実施例9)
A、B0、B1、C0およびC1は、各カテーテルタイプ、ならびに心臓構造のタイプおよび位置における所与の組織特性について経験的に決定される、実施例8に記載の方法。
【0100】
(実施例10)
メモリユニットに結合されたプロセッサを有するコンピュータ化された装置であって、プロセッサが、カテーテル上の力センサから入力を受信するステップであって、カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、カテーテルは心臓内の位置に配置される、ステップと、受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、位置における評価に等しい力をカテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算するステップであって、当該計算は所定の式に従う、ステップと、予測されるPFA AIをカテーテルのユーザに表示するステップと、を実行するように適合されている、コンピュータ化された装置。
【0101】
(実施例11)
プロセッサは、力センサから更新された入力を受信することと、更新された入力について当該計算することおよび当該表示することを繰り返すことと、を実行するように更に適合されている、実施例10に記載の装置。
【0102】
(実施例12)
プロセッサは、予測されるPFAアブレーション指数と一緒に、印加中に測定された実際の力でアブレーションが行われた後に、計算された実際のPFA AIを表示するように更に適合されている、実施例10に記載の装置。
【0103】
(実施例13)
当該計算は、評価に等しい力でアブレーションが加えられた後のPFA AIの計算に等しい、実施例10に記載の装置。
【0104】
(実施例14)
予測されるPFA AI計算は、心臓の壁上の位置に基づく、実施例10に記載の装置。
【0105】
(実施例15)
予測されるPFA AI計算は、心臓の壁上の位置における組織の組織タイプ、組織厚さ、又は組織導電率に基づく、実施例10に記載の装置。
【0106】
(実施例16)
予測されるPFA AI計算は、電極又は印加された信号の特性に基づく、実施例10に記載の装置。
【0107】
(実施例17)
予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づき:
予測されるPFA AI=AIN-AI1
式中、
AI1=A*B1+ln(力)+C1
AIN=A*BN
*ln(力)+CNであり、
Nは、PFAパルスの印加回数に等しく、
力は、予測時間にカテーテルによって印加された力の測定値であり、全ての印加を通して一定であると仮定され、
BN=B0
*ln(N)+B1、
CN=C0
*exp(C1
*N)であり、
Aは所定の範囲内の数であり、
B0、B1、C0、C1は所定の定数である、実施例10に記載の装置。
【0108】
(実施例18)
A、B0、B1、C0およびC1は、各カテーテルタイプ、ならびに心臓構造のタイプおよび位置における所与の組織特性について経験的に決定される、実施例10に記載の装置。
【0109】
(実施例19)
プログラム命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品であって、命令は、プロセッサによって読み取られると、プロセッサに、カテーテル上の力センサから入力を受信することであって、カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、カテーテルは心臓内の位置に配置される、ことと、受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、位置における評価に等しい力をカテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算することであって、当該計算は所定の式に従う、ことと、予測されるPFA AIをカテーテルのユーザに表示することと、を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【0110】
(実施例20)
予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づく、実施例19に記載のコンピュータプログラム製品。
【0111】
本明細書に記載の実施例は、主に心臓診断用途に対処するものであるが、本明細書に記載の方法およびシステムは、他の医療用途にも使用することができる。
【0112】
上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本開示は本明細書の上記で特に図示および記載されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書の上記した様々な特徴の組合せおよび部分的組み合わせの両方、ならびに前述の記載をむと当業者に着想されるであろう、先行技術に開示されていないその変形および修正を含む。
【0113】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
カテーテル上の力センサから入力を受信することであって、前記カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、前記カテーテルは前記心臓内の位置に配置される、ことと、
前記受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、前記位置における前記評価に等しい力を前記カテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算することであって、前記計算は所定の式に従う、ことと、
前記予測されるPFA AIを前記カテーテルのユーザに表示することと、
を含む、方法。
(2) 前記力センサから更新された入力を受信することと、
前記更新された入力について前記計算することおよび前記表示することを繰り返すことと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記予測されるPFAアブレーション指数と一緒に、印加中に測定された実際の力でアブレーションが行われた後に、計算された実際のPFA AIを表示することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記計算は、前記評価に等しい力でアブレーションが加えられた後のPFA AIの計算に等しい、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置に基づく、実施態様1に記載の方法。
【0114】
(6) 前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置における組織の組織タイプ、組織厚さ、又は組織導電率に基づく、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記予測されるPFA AI計算は、前記電極又は印加された信号の特性に基づく、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づき:
予測されるPFA AI=AIN-AI1
式中、
AI1=A*B1+ln(力)+C1、
AIN=A*BN
*ln(力)+CNであり、
Nは、PFAパルスの印加回数に等しく、
力は、前記予測時間に前記カテーテルによって印加された前記力の前記測定値であり、全ての印加を通して一定であると仮定され、
BN=B0
*ln(N)+B1、
CN=C0
*exp(C1
*N)であり、
Aは所定の範囲内の数であり、
B0、B1、C0、C1は所定の定数である、実施態様1に記載の方法。
(9) A、B0、B1、C0およびC1は、各カテーテルタイプ、ならびに心臓構造のタイプおよび前記位置における所与の組織特性について経験的に決定される、実施態様8に記載の方法。
(10) メモリユニットに結合されたプロセッサを有するコンピュータ化された装置であって、前記プロセッサが、
カテーテル上の力センサから入力を受信するステップであって、前記カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、前記カテーテルは前記心臓内の位置に配置される、ステップと、
前記受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、前記位置における前記評価に等しい力を前記カテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算するステップであって、前記計算は所定の式に従う、ステップと、
前記予測されるPFA AIを前記カテーテルのユーザに表示するステップと、
を実行するように適合されている、コンピュータ化された装置。
【0115】
(11) 前記プロセッサは、
前記力センサから更新された入力を受信することと、
前記更新された入力について前記計算することおよび前記表示することを繰り返すことと、を実行するように更に適合されている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記プロセッサは、前記予測されるPFAアブレーション指数と一緒に、印加中に測定された実際の力でアブレーションが行われた後に、計算された実際のPFA AIを表示するように更に適合されている、実施態様10に記載の装置。
(13) 前記計算は、前記評価に等しい力でアブレーションが加えられた後のPFA AIの計算に等しい、実施態様10に記載の装置。
(14) 前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置に基づく、実施態様10に記載の装置。
(15) 前記予測されるPFA AI計算は、前記心臓の壁上の前記位置における組織の組織タイプ、組織厚さ、又は組織導電率に基づく、実施態様10に記載の装置。
【0116】
(16) 前記予測されるPFA AI計算は、前記電極又は印加された信号の特性に基づく、実施態様10に記載の装置。
(17) 前記予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づき:
予測されるPFA AI=AIN-AI1
式中、
AI1=A*B1+ln(力)+C1
AIN=A*BN
*ln(力)+CNであり、
Nは、PFAパルスの印加回数に等しく、
力は、前記予測時間に前記カテーテルによって印加された前記力の前記測定値であり、全ての印加を通して一定であると仮定され、
BN=B0
*ln(N)+B1、
CN=C0
*exp(C1
*N)であり、
Aは所定の範囲内の数であり、
B0、B1、C0、C1は所定の定数である、実施態様10に記載の装置。
(18) A、B0、B1、C0およびC1は、各カテーテルタイプ、ならびに心臓構造のタイプおよび前記位置における所与の組織特性について経験的に決定される、実施態様17に記載の装置。
(19) プログラム命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品であって、前記命令は、プロセッサによって読み取られると、前記プロセッサに、
カテーテル上の力センサから入力を受信することであって、前記カテーテルは患者の心臓をアブレーションするための電極を備え、前記カテーテルは前記心臓内の位置に配置される、ことと、
前記受信された入力に少なくとも基づいて、所定の大きさおよび所定の持続時間を有する所定の数の電気パルスについて、前記位置における前記評価に等しい力を前記カテーテルによって印加することによって引き起こされるアブレーションの予測されるPFAアブレーション指数(PFA AI)を計算することであって、前記計算は所定の式に従う、ことと、
前記予測されるPFA AIを前記カテーテルのユーザに表示することと、
を実行させる、コンピュータプログラム製品。
(20) 前記予測されるPFA AIを計算することは、以下の式に基づく、実施態様19に記載のコンピュータプログラム製品。