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  • 特開-人工毛髪及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025033973
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】人工毛髪及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41G 3/00 20060101AFI20250306BHJP
   D01F 8/12 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
A41G3/00 C
A41G3/00 N
D01F8/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140058
(22)【出願日】2023-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】592197315
【氏名又は名称】ユニチカトレーディング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089152
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】岸田 恭雄
(72)【発明者】
【氏名】冨路本 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】三野 正博
(72)【発明者】
【氏名】南波 祐司
【テーマコード(参考)】
4L041
【Fターム(参考)】
4L041AA07
4L041BA02
4L041BA05
4L041BA22
4L041BB08
4L041BC05
4L041BD12
4L041CA14
4L041CA16
4L041CA21
4L041DD10
4L041DD18
4L041EE20
(57)【要約】
【課題】 人毛のような自然な緩やかなうねりを持つ人工毛髪を得る。
【解決手段】 ポリアミド6を芯成分とし、ポリアミド6とアルカリ可溶性ポリエステルとが混合されたポリアミド樹脂組成物を鞘成分として、複合溶融紡糸により、偏心芯鞘型複合繊維を得る。この偏心芯鞘型複合繊維をアルカリ水溶液で処理して、アルカリ可溶性ポリエステルを溶出する。この後、偏心芯鞘型複合繊維を熱水中で黒色に染色することによって、人工毛髪を得る。芯成分と鞘成分が同一のポリアミド6で構成されているため、緩やかなうねりを持つ人工毛髪が得られる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏心芯鞘型複合繊維よりなる人工毛髪であって、芯成分がポリアミド樹脂で鞘成分が前記ポリアミド樹脂と同種のポリアミド樹脂よりなる人工毛髪。
【請求項2】
芯成分のポリアミド樹脂と鞘成分のポリアミド樹脂が同一のものである請求項1記載の人工毛髪。
【請求項3】
偏心芯鞘型複合繊維の横断面形状が略円形である請求項1記載の人工毛髪。
【請求項4】
偏心芯鞘型複合繊維表面に凹凸が形成されている請求項1記載の人工毛髪。
【請求項5】
鞘成分に無機微粒子が含有されている請求項1記載の人工毛髪。
【請求項6】
黒色に染色されてなる請求項1記載の人工毛髪。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の人工毛髪を含むかつら、ウィッグ又は付け毛。
【請求項8】
芯成分がポリアミド樹脂で、鞘成分が前記ポリアミド樹脂と同種のポリアミド樹脂で形成された偏心芯鞘型複合繊維を得た後、前記偏心芯鞘型複合繊維に熱処理を施すことを特徴とする人工毛髪の製造方法。
【請求項9】
芯成分がポリアミド樹脂で、鞘成分が前記ポリアミド樹脂と同種のポリアミド樹脂及び可溶性樹脂を含むポリアミド樹脂組成物で形成された偏心芯鞘型複合繊維を得た後、前記偏心芯鞘型複合繊維の前記鞘成分から前記可溶性樹脂を溶出した後、熱処理を施すことを特徴とする人工毛髪の製造方法。
【請求項10】
可溶性樹脂がアルカリ可溶性ポリエステル樹脂である請求項9記載の人工毛髪の製造方法。
【請求項11】
偏心芯鞘型複合繊維をカセ巻きした状態で熱処理を施す請求項8乃至10のいずれか一項に記載の人工毛髪の製造方法。
【請求項12】
熱処理が染色工程で施される請求項8乃至10のいずれか一項に記載の人工毛髪の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かつら、ウィッグ又は付け毛等として使用しうる人工毛髪及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人毛の代替品として人工毛髪が使用されている。かかる人工毛髪としては、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維よりなるものが知られている。繊維業界では、古くから、異種合成樹脂よりなるサイドバイサイド型複合繊維又は偏芯芯鞘型複合繊維は潜在捲縮能を持っており、熱処理されると捲縮が生じることが知られている(特許文献1、請求項3及び段落0021)。たとえば、染色は一般的に温水又は熱水中で行われるため、染色工程で熱処理されることになり、この工程で捲縮が生じる。捲縮が生じる理由は、異種合成樹脂間で熱水収縮率が異なるからである。
【0003】
かかる潜在捲縮能を利用して、人工毛髪を得ることが提案されている。たとえば、特許文献2には、断面が扁平形状の偏心芯鞘型複合繊維であって、芯成分がポリエステル系樹脂で鞘成分がポリアミド系樹脂よりなる人工毛髪が提案されている。しかしながら、かかる潜在捲縮能より生じる捲縮は、らせん状になりやすく、人毛のような自然な緩やかなうねりになりにくいという欠点があった。
【0004】
【特許文献1】国際公開2019/202993号公報
【特許文献2】国際公開2022/145114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、人毛のような自然な緩やかなうねりを持つ人工毛髪を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、偏心芯鞘型複合繊維において、芯成分と鞘成分で異種合成樹脂を用いるのではなく、同種の合成樹脂を用いることにより、潜在捲縮能を抑制しうることを見出しなされたものである。すなわち、本発明は、偏心芯鞘型複合繊維よりなる人工毛髪であって、芯成分がポリアミド樹脂で鞘成分が前記ポリアミド樹脂と同種のポリアミド樹脂よりなる人工毛髪及びその製造方法に関するものである。
【0007】
本発明に係る人工毛髪は、偏心芯鞘型複合繊維で形成されている。偏心芯鞘型複合繊維は、図1に示す如く横断面形状となっており、芯成分1と鞘成分2とで構成されており、芯成分1の重心と複合繊維の重心とがずれているものである。この重心のずれは偏心率で表される。偏心率とは、芯成分1の重心から複合繊維の外周までの最長距離をr1とし、複合繊維の重心から複合繊維の外周までの最長距離をrとしたとき、[(r1-r)/r]×100(%)で算出されるものである。複合繊維の横断面形状は円形であるのが好ましく、このときrは複合繊維の半径となる。本発明では偏心率が3~20%程度であるのが好ましい。偏心率が3%未満になると、直毛又は剛毛の如き風合になり、自然な緩やかなうねりを持つ人工毛髪を得にくくなる。偏心率が20%を超えると、うねりが激しくなり、自然な緩やかなうねりを持つ人工毛髪を得にくくなる。
【0008】
本発明に係る人工毛髪の芯成分1と鞘成分2は、同種のポリアミド樹脂で構成されている。本発明において同種のポリアミド樹脂とは、熱特性がほぼ同様のポリアミド樹脂であるということである。一般的には、同一のポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)、ポリアミド46(ナイロン46)又はポリアミド12(ナイロン12)等が用いられる。芯成分1に用いるポリアミド樹脂には、帯電防止剤、難燃剤又は黒色顔料等の添加剤が添加されていてもよい。また、鞘成分2に用いるポリアミド樹脂にも、帯電防止剤、難燃剤、黒色顔料又は無機微粒子等の添加剤が添加されていてもよい。芯成分1と鞘成分2の質量比は、芯成分1:鞘成分2=3~7:7~3程度である。なお、ポリアミド樹脂を用いるのは、水への親和性が高いからである。
【0009】
本発明に係る人工毛髪の鞘成分2の外周表面には、凹凸が形成されているのが好ましい。鞘成分2の外周表面に凹凸が形成されていると、人工毛髪表面の光沢を抑制することができ、人毛の風合に近づくからである。凹凸を形成するには、たとえば、鞘成分2に予め可溶性樹脂を混合しておき、この可溶性樹脂を溶出する方法がある。さらに、この方法と鞘成分2中に無機微粒子を存在させる方法を併用してもよい。無機微粒子としては、従来公知のものを採用することができ、粒径が0.001~5μm程度のものを採用することができる。具体的には、酸化チタン微粒子が用いられる。
【0010】
本発明に係る人工毛髪は、人毛のような自然な緩やかなうねりを持つ。かかるうねりは、人工毛髪を製造する際に自動的に生じる。すなわち、人工毛髪を製造するには、一般的に黒色又は茶色等に染色しなければならない。染色は一般的に温水又は熱水中で行われ、染色と同時に偏心芯鞘型複合繊維に熱処理を施されることになる。この際、偏心芯鞘型複合繊維の芯成分1及び鞘成分2は同種のポリアミド樹脂であるため、同様の収縮率で収縮が生じる。収縮率は同様であるが、芯成分1が偏心しているため、鞘成分2の厚い箇所と薄い箇所とで応力差が生じる。この応力差によって、緩やかなうねりが生じるのである。なお、本発明においては染色による熱処理だけでなく、乾燥工程又は別途設けた熱処理工程等で熱処理して穏やかなうねりを生ぜしめてもよい。かかる緩やかなうねりの例としては、図2乃至図5に示す如き状態のものが挙げられる。図2及び図4は一本一本の人工毛髪のうねりの例を示した写真であり、図3及び図5は人工毛髪の束となったときのうねりの例を示した写真である。
【0011】
本発明に係る人工毛髪は、芯成分がポリアミド樹脂で鞘成分が前記ポリアミド樹脂と同種のポリアミド樹脂よりなる偏心芯鞘型複合繊維を得た後、前記偏心芯鞘型複合繊維に熱処理を施すことにより、製造することができる。特に、本発明に係る人工毛髪の好ましい製造方法は、以下のとおりである。すなわち、芯成分がポリアミド樹脂で、鞘成分が前記ポリアミド樹脂と同種のポリアミド樹脂及び可溶性樹脂を含むポリアミド樹脂組成物で形成された偏心芯鞘型複合繊維を得た後、前記偏心芯鞘型複合繊維の前記鞘成分から前記可溶性樹脂を溶出した後、熱処理を施すことを特徴とする人工毛髪の製造方法である。
【0012】
偏心芯鞘型複合繊維は、従来公知の複合溶融紡糸法により得る。すなわち、芯成分となるポリアミド樹脂と鞘成分となる同種のポリアミド樹脂とを複合溶融紡糸孔に供給して吐出し、延伸することにより得られる。なお、芯成分のポリアミド樹脂と鞘成分のポリアミド樹脂は同一であるのが好ましい。その後、得られた偏心芯鞘型複合繊維を染色し、この染色工程で熱が負荷されるため、偏心芯鞘型複合繊維は緩やかなうねりが形成される。緩やかなうねりを形成させるために、染色工程における偏心芯鞘型複合繊維はカセ巻きされているのが好ましい。カセ巻きとは、エの字形等の紡錘具であるカセ枠に、偏心芯鞘型複合繊維を巻いてから枠を取り外した状態のものをいう。この状態であると、偏心芯鞘型複合繊維に殆ど張力が掛かっていないため、緩やかなうねりを形成させやすいのである。
【0013】
鞘成分となるポリアミド樹脂として、芯成分と同種のポリアミド樹脂と可溶性樹脂とを含むポリアミド樹脂組成物を用いるのが好ましい。ここで、可溶性樹脂とは、ポリアミド樹脂が溶解しない条件で溶解する樹脂のことである。たとえば、アルカリ可溶性ポリエステル樹脂はアルカリ水溶液中で溶解するが、ポリアミド樹脂はアルカリ水溶液中で溶解しないものである。したがって、アルカリ可溶性ポリエステル樹脂は可溶性樹脂の一例である。ポリアミド樹脂組成物中における可溶性樹脂の配合割合は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、10~35質量部程度であるのが好ましい。芯成分となるポリアミド樹脂と鞘成分であるポリアミド樹脂組成物を用いて複合溶融紡糸し、偏心芯鞘型複合繊維を得る。この偏心芯鞘型複合繊維は、芯成分がポリアミド樹脂で鞘成分がポリアミド樹脂組成物よりなる。かかる偏心芯鞘型複合繊維をアルカリ水溶液に浸漬処理すると、アルカリ可溶性ポリエステル樹脂が溶出し、鞘成分2の表面から芯成分1の界面に至る窪みや孔が生じる。これにより、得られる人工毛髪表面の光沢を抑制することができる。アルカリ可溶性ポリエステル樹脂としては、従来公知のものを使用することができ、たとえば、テレフタル酸とエチレングリコールとを主体とし、イソフタル酸等の他のカルボン酸成分及び/又は他のアルコール成分を共重合してなるものである。なお、本発明においては、アルカリ可溶性ポリエステル樹脂に限らず、他の可溶性樹脂を用いてもよいことは、言うまでもない。
【0014】
また、鞘成分となるポリアミド樹脂として、芯成分と同種のポリアミド樹脂に無機微粒子を添加しておいてもよい。無機微粒子は、溶出されるものではなく鞘成分中に残存する。無機微粒子の添加割合は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.1~1質量部程度であるのが好ましい。さらに、芯成分と同種のポリアミド樹脂と可溶性樹脂とを含むポリアミド樹脂組成物に無機微粒子を添加してもよい。
【0015】
鞘成分としてポリアミド樹脂組成物を用いた場合や無機微粒子を添加した場合も、一般的には黒色に染色する工程を経て、人工毛髪が得られる。染色工程では、偏心芯鞘型複合繊維に熱が負荷され、熱処理されることになる。したがって、人毛のような自然な緩やかなうねりが形成されるのである。
【0016】
本発明に係る人工毛髪は、人毛と同程度の直径であるのが好ましく、0.04~0.1mmであり、特に0.08mm程度であるのが好ましい。また、本発明に係る人工毛髪の横断面形状は円形又は楕円形であるのが好ましい。特に、東洋人の人毛に近い円形であるのが好ましい。本発明に係る人工毛髪は、これを束ねたり又は植毛したりして、かつら、ウィッグ又は付け毛として使用される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る人工毛髪は、偏心芯鞘型複合繊維よりなり、芯成分がポリアミド樹脂で鞘成分が前記ポリアミド樹脂と同様の熱特性を持つポリアミド樹脂よりなる。したがって、熱処理を施すと、緩やかなうねりが形成され、人毛のような人工毛髪が得られるという効果を奏する。
【実施例0018】
実施例1
芯成分として、融点215℃のポリアミド6に帯電防止剤(三洋化成化成社製「ペレクトロンAS」)を7質量%添加したポリアミド樹脂を準備した。一方、鞘成分として、芯成分で用いたポリアミド6とアルカリ可溶性ポリエステルとを、質量比でポリアミド6:アルカリ可溶性ポリエステル=80:20の割合で混合したポリアミド樹脂組成物を準備した。なお、アルカリ可溶性ポリエステルは、テレフタル酸48mol%、イソフタル酸2mol%、エチレングリコール38mol%及びポリエチレングリコール12mol%を共重合して得られたものである。そして、芯成分50質量部と鞘成分50質量部の割合で供給し、紡糸温度285℃にて複合溶融紡糸孔(孔径0.6mm)から複合糸条を吐出した。その後、複合糸条を50℃の水で冷却し、引き続いて90℃の湯浴中で延伸倍率2.6倍の第一段延伸を施し、次いで130℃の乾熱ヒーター中で延伸倍率1.53倍の第二段延伸を施した。そして、140℃の温度で弛緩熱処理を施して、偏心芯鞘型複合繊維を得た。この偏心芯鞘型複合繊維は、その直径が0.08mmで、芯成分と鞘成分の質量比は1:1であり、偏心率は7.6%であった。
【0019】
偏心芯鞘型複合繊維をカセ上げ機(共立機械製作所社製)を用いて、カセ長113cmで巻き量250gのカセ巻きを作成した。このカセ巻きを、パッケージ染色機(日阪製作所社製)に詰め込みセットした後、水酸化ナトリウム水溶液40g/lを用い、浴比1:30、温度95℃及び時間90分にて、鞘成分中のアルカリ可溶性ポリエステルを溶出した。その後、脱水及び水洗を行い、引き続いて、黒色染料(DyStar Japan社製「Mitsui Nylon Black」)5%o.m.f、酢酸0.2cc/l及び染色助剤(丸菱油化工業社製「レベランNKD」)2%o.m.fを用い、浴比1:30、温度100℃及び時間30分にて、染色を行った。その後、脱水及び水洗して、黒色の人工毛髪を得た。
【0020】
実施例2
鞘成分として、実施例1で用いた鞘成分であるポリアミド樹脂組成物に酸化チタン(平均粒径0.16μm)を0.3質量%添加したものを用いた他は、実施例1と同一の方法で人工毛髪を得た。
【0021】
実施例3
芯成分として、実施例1で用いた芯成分であるポリアミド樹脂にカーボンブラックを0.06質量%添加したものを用いた他は、実施例1と同一の方法で人工毛髪を得た。
【0022】
実施例4
実施例2において、染色後、脱水及び水洗したカセ巻きに対し、風合改善剤(日華化学社製「エバファノールN-33」1%o.m.fを用い、浴比1:30、温度100℃及び時間30分にて、風合改善処理を行い、黒色の人工毛髪を得た。
【0023】
実施例5
実施例1で用いた鞘成分であるポリアミド樹脂組成物のポリアミド6とアルカリ可溶性ポリエステルとの質量比を、ポリアミド6:アルカリ可溶性ポリエステル=70:30に変更した他は、実施例1と同一の方法で人工毛髪を得た。
【0024】
実施例1で得られた黒色の人工毛髪は、図2及び図3に示す如き、緩やかなうねりを持つものであった。また、実施例2で得られた黒色の人工毛髪は、図4及び図5に示す如き、緩やかなうねりを持つものであった。図6は実施例1で得られた黒色の人工毛髪の側面を拡大したSEM写真であり、図7は実施例1で得られた黒色の人工毛髪の横断面を拡大したSEM写真であり、図8は横断面の一部をさらに拡大したSEM写真である。なお、実施例3~5で得られた人工毛髪もまた、同様の緩やかなうねりを持つものであった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明で用いる偏心芯鞘型複合繊維の一例に係る横断面模式図である。
図2】実施例1で得られた人工毛髪の一本一本の側面写真である。
図3】実施例1で得られた人工毛髪を束ねた状態の側面写真である。
図4】実施例2で得られた人工毛髪の一本一本の側面写真である。
図5】実施例2で得られた人工毛髪を束ねた状態の側面写真である。
図6】実施例1で得られた人工毛髪の側面を拡大したSEM写真である。
図7】実施例1で得られた人工毛髪の横断面を拡大したSEM写真である。
図8】実施例1で得られた人工毛髪の横断面の一部をさらに拡大したSEM写真である。
【符号の説明】
【0026】
1 芯成分
2 鞘成分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8