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  • 特開-ピッチングマシーン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025034079
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】ピッチングマシーン
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/40 20060101AFI20250306BHJP
【FI】
A63B69/40 511C
A63B69/40 511H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140240
(22)【出願日】2023-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】597100170
【氏名又は名称】スポーツ・ワン・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】厚東 勝
(72)【発明者】
【氏名】厚東 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】青木 政秀
(57)【要約】
【課題】投球装置とボール収容装置との間にボール搬送装置を設けたピッチングマシーンにおいて、ボール収容装置に収容されたボールを1球ずつ円滑にボール搬送装置に移動させること。
【解決手段】本発明では、ボール収容装置(5)の底部にボール(9)をボール搬送装置(6)の下端側に向けて移動させる上下傾斜状の底壁(14)を設け、底壁(14)の下流端部にボール(9)を左右いずれか一端側から他端側へ移動させるための第1撹拌翼(33)を形成した上流側撹拌翼体(29)を設け、上流側撹拌翼体(29)の下流側かつ下方にボール(9)を左端側から中央側へ移動させるための第2撹拌翼(36)とボール(9)を右端から中央側へ移動させるための第3撹拌翼(37)とを形成した下流側撹拌翼体(30)を設け、ボール搬送装置(6)の下端部にボール収容装置(5)から移動した1球のボール(9)を保持するボール保持体(39)を設けることにした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打者に向けてボールを投げ出す投球装置と、複数球のボールを収容するボール収容装置と、下端部でボール収容装置からボールを受け取って上方へ搬送して上端部で投球装置にそのボールを受け渡すボール搬送装置とを有するピッチングマシーンにおいて、
ボール収容装置の底部にボールをボール搬送装置の下端側に向けて移動させる上下傾斜状の底壁を設け、底壁の下流端部にボールを左右いずれか一端側から他端側へ移動させるための第1撹拌翼を形成した上流側撹拌翼体を設け、上流側撹拌翼体の下流側かつ下方にボールを左端側から中央側へ移動させるための第2撹拌翼とボールを右端から中央側へ移動させるための第3撹拌翼とを形成した下流側撹拌翼体を設け、ボール搬送装置の下端部にボール収容装置から移動した1球のボールを保持するボール保持体を設けたことを特徴とするピッチングマシーン。
【請求項2】
前記下流側撹拌翼体の第2撹拌翼の右端と第3撹拌翼の左端との間にボールの直径よりも狭い間隔を形成するとともに、第2撹拌翼の右端と第3撹拌翼の左端とで同時にボールを押圧してボール保持体へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のピッチングマシーン。
【請求項3】
前記ボール保持体の上端部をボール収容装置側からボール搬送装置側に向けて下向き傾斜状に形成してボール収容装置から移動した1球のボールを保持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピッチングマシーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打者に向けてボールを投げ出すピッチングマシーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、野球の練習具や遊具として、回転するアームによってボールを投げ出すピッチングマシーンが広く利用されている。近年では、アーム式のものに替わり空気の圧力を利用してボールを発射する空気圧式のピッチングマシーンが開発されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このピッチングマシーンを用いてボールを打者に向けて連続して断続的に投げ出せるようにするには、打者に向けてボールを投げ出す投球装置と、複数球のボールを収容したボール収容装置と、ボール収容装置から投球装置にボールを1球ずつ搬送するボール搬送装置とが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-33157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ピッチングマシーンは、バッティングセンター等で特定場所に固定して使用される場合に限られず、グラウンド内等で移動して使用される場合もある。また、ピッチングマシーンは、設置される場所によって占有できる形状や面積などが異なる。
【0006】
そのため、ピッチングマシーンでは、たとえば、打者に向けてボールを投げ出す投球装置と複数球のボールを収容するボール収容装置とを上下に配置するとともに、投球装置とボール収容装置との間に下端部でボール収容装置からボールを受け取って上方へ搬送して上端部で投球装置にそのボールを受け渡すボール搬送装置を設けた仕様のものが望ましい。
【0007】
このような仕様のピッチングマシーンでは、ボール収容装置に収容したボールを1球ずつ円滑にボール搬送装置に移動させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、打者に向けてボールを投げ出す投球装置と、複数球のボールを収容するボール収容装置と、下端部でボール収容装置からボールを受け取って上方へ搬送して上端部で投球装置にそのボールを受け渡すボール搬送装置とを有するピッチングマシーンにおいて、ボール収容装置の底部にボールをボール搬送装置の下端側に向けて移動させる上下傾斜状の底壁を設け、底壁の下流端部にボールを左右いずれか一端側から他端側へ移動させるための第1撹拌翼を形成した上流側撹拌翼体を設け、上流側撹拌翼体の下流側かつ下方にボールを左端側から中央側へ移動させるための第2撹拌翼とボールを右端から中央側へ移動させるための第3撹拌翼とを形成した下流側撹拌翼体を設け、ボール搬送装置の下端部にボール収容装置から移動した1球のボールを保持するボール保持体を設けることにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記下流側撹拌翼体の第2撹拌翼の右端と第3撹拌翼の左端との間にボールの直径よりも狭い間隔を形成するとともに、第2撹拌翼の右端と第3撹拌翼の左端とで同時にボールを押圧してボール保持体へ移動させることにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記ボール保持体の上端部をボール収容装置側からボール搬送装置側に向けて下向き傾斜状に形成してボール収容装置から移動した1球のボールを保持することにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、打者に向けてボールを投げ出す投球装置と、複数球のボールを収容するボール収容装置と、下端部でボール収容装置からボールを受け取って上方へ搬送して上端部で投球装置にそのボールを受け渡すボール搬送装置とを有するピッチングマシーンにおいて、ボール収容装置の底部にボールをボール搬送装置の下端側に向けて移動させる上下傾斜状の底壁を設け、底壁の下流端部にボールを左右いずれか一端側から他端側へ移動させるための第1撹拌翼を形成した上流側撹拌翼体を設け、上流側撹拌翼体の下流側かつ下方にボールを左端側から中央側へ移動させるための第2撹拌翼とボールを右端から中央側へ移動させるための第3撹拌翼とを形成した下流側撹拌翼体を設け、ボール搬送装置の下端部にボール収容装置から移動した1球のボールを保持するボール保持体を設けることにしているために、上下に配置した上流側撹拌翼体と下流側撹拌翼体とでボール収容装置に収容されている多くのボールをボール収容装置の下流側端部で撹拌しながら1球ずつボールをボール搬送装置へと移動させることができ、ボール収容装置に収容したボールを1球ずつ円滑にボール搬送装置に移動させることができる。
【0013】
特に、前記下流側撹拌翼体の第2撹拌翼の右端と第3撹拌翼の左端との間にボールの直径よりも狭い間隔を形成するとともに、第2撹拌翼の右端と第3撹拌翼の左端とで同時にボールを押圧してボール保持体へ移動させることにした場合には、ボール収容装置に収容したボールを第2撹拌翼の右端と第3撹拌翼の左端とで1球ずつより一層円滑にボール搬送装置に移動させることができる。
【0014】
また、前記ボール保持体の上端部をボール収容装置側からボール搬送装置側に向けて下向き傾斜状に形成してボール収容装置から移動した1球のボールを保持することにした場合には、ボール収容装置からボール搬送装置の下端部に移動してきたボールがボール収容装置へと逆流してしまうのを防いでボール搬送装置でボールを投球装置に良好に搬送させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ピッチングマシーンを示す正面図。
図2】同側面図。
図3】同背面図。
図4】ボール搬送装置を示す部分拡大側面図(a)、部分拡大背面図(b)。
図5】ボール収容装置を示す拡大平面図。
図6】同拡大側面断面図。
図7】同拡大背面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るピッチングマシーンの具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1図4に示すように、ピッチングマシーン1は、走行可能な架台2の上部に高さ調節手段3を取付け、高さ調節手段3の上部に投球装置4とボール収容装置5とボール搬送装置6とを載置している。高さ調節手段3は、下面に対して上面を昇降させることができる機構であればよく、ここでは、上下に垂直に昇降できるようになっている。
【0018】
これにより、ピッチングマシーン1は、架台2によって投球装置4とボール収容装置5とボール搬送装置6とを一体的に移動(運搬)させることができるようになっており、また、高さ調節手段3によって投球装置4とボール収容装置5とボール搬送装置6とを上下に昇降させることができるようになっている。
【0019】
ピッチングマシーン1では、架台2に投球装置4とボール収容装置5とボール搬送装置6とをそれぞれ独立して着脱可能となっており、それぞれの装置4,5,6を取外してメンテナンスすることができるようになっている。
【0020】
また、ピッチングマシーン1では、投球装置4の直下方にボール収容装置5を配置するとともに、投球装置4及びボール収容装置5の後部に上下に深淵するボール搬送装置6を配置して、ピッチングマシーン1の占有面積が小さくなるようにしている。
【0021】
投球装置4は、筐体7の前端面に形成した開口8から前方の打者に向けてボール9を投げ出す装置であればよく、ここでは、筐体7の内部に空気圧によってボール9を投げ出す機構を収容している。
【0022】
また、投球装置4は、高さ調節手段3の上部に取付けられた基台10に傾き調節手段11を介して前後傾動可能に取付けられている。傾き調節手段11は、投球装置4の前後の傾きを調節することができる機構であればよく、ここでは、後端部を支点に前側を上下に傾動させることができるようになっている。これにより、投球装置4は、高さ調節手段3によって投げ出すボール9の高さを調節することができるとともに、傾き調節手段11によって投げ出すボール9の角度を調節することができるようになっている。
【0023】
さらに、投球装置4は、筐体7の上部にボール9を供給するボール供給通路12を設けている。このボール供給通路12は、筐体7の上部に上下傾動可能に取付けられている。このボール供給通路12を介して投球装置4はボール搬送装置6の前側上部とボール9を受渡可能に接続されている。なお、ボール供給通路12は、前側を開口して打者からボール9が上下に通過するのを目視することができるようになっている。
【0024】
ボール収容装置5は、複数球のボール9を収容する装置であり、箱型の筐体13の底壁14を後方のボール搬送装置5へ向けて前高後低状に傾斜させるとともに、後端部に収容されたボール9を撹拌するとともに中央後端部に搬送する撹拌搬送手段15を設けている。この撹拌搬送手段15を介してボール収容装置5はボール搬送装置6の前側下部とボール9を受渡可能に接続されている。これにより、ボール収容装置5は、筐体13の内部に収容した複数球のボール9を一球ずつ撹拌搬送手段15でボール搬送装置6に受け渡せるようになっている。
【0025】
ボール搬送装置6は、下方のボール収容装置5から上方の投球装置4にボール9を1球ずつ垂直上向き方向に向けて搬送する装置である。
【0026】
このボール搬送装置6は、基台16の上部の左右側及び後側にそれぞれ支柱17を垂直に取付けるとともに、支柱17の上端にカバー18を取付けて筐体19を形成している。
【0027】
また、ボール搬送装置6は、基台16とカバー18との間に左右一対の上下に垂直に伸延する搬送体20,21を回動自在に左右に間隔を開けて架設している。搬送体20,21の間の後側に支柱17を位置させている。搬送体20,21は、上下に垂直に伸延する円柱状の回転軸22,23の周囲にボール9の直径よりも若干広い間隔のスパイラル状の螺旋翼24,25を形成している。各搬送体20,21には、逆向きの螺旋翼24,25が形成されている。搬送体20,21は、螺旋翼24,25同士の間隔がボール9の直径よりも狭く、回転軸22,23同士の間隔がボール9の直径よりも若干広くなるようにしている。各搬送体20,21は、基台16の内部に収容した駆動手段でそれぞれ逆向きに回転するようになっている。また、使用するボール9の直径に応じて搬送体20,21の間隔を調整できるようにしてもよい。
【0028】
さらに、ボール搬送装置6は、一対の搬送体20,21の上部間に前方へ向けて湾曲させた側面視半円弧状の案内板26を取付けるとともに、案内板26よりも下方にボール9を検出するセンサー27を取付けている。案内板26の前方下部には投球装置4のボール供給通路12の上端開口が配置されている。ボール供給通路12の上端下部は筐体19(支柱17)の前側に取付けた滑車28で支持されている。
【0029】
このようにして、ボール搬送装置6は、搬送体20,21の下部間において前側でボール収容装置5と接続されており、搬送体20,21の上部間において前側で案内板26を介して投球装置4と接続されている。
【0030】
以上のように構成されたピッチングマシーン1では、ボール収容装置5からボール搬送装置6を介して投球装置4へと1球ずつボール9を円滑に移動させることが重要となる。特に、ボール収容装置5には多数球のボール9が密集して収容されているために、ボール収容装置5の内部でボール9が詰まることなく、ボール収容装置5からボール搬送装置6へとボール9を1球ずつ受け渡す必要がある。
【0031】
そこで、上記ピッチングマシーン1では、ボール収容装置5にボールを詰まらせずにボール搬送装置6へと1球ずつボール9を受け渡すための撹拌搬送手段15を設けている。
【0032】
撹拌搬送手段15は、図5図7に示すように、ボール収容装置5の底部にボール9をボール搬送装置6の下端側に向けて移動させる上下傾斜状(前高後低状)の底壁14を設け、底壁14の下流端部(後端部)に上流側撹拌翼体29を設け、上流側撹拌翼体29の下流側(後方側)かつ下方に下流側撹拌翼体30を設けている。なお、上流側撹拌翼体29及び下流側撹拌翼体30には、筐体13の下部に設けられた基台31に収容された駆動手段でそれぞれ同一の向きに回転するようになっている。
【0033】
上流側撹拌翼体29は、筐体13の左右側壁間に回転自在に架設した上流側回転軸32の外周に、上流側回転軸32の回転によってボール9を右端側から左端側へ移動させるためのスパイラル状の第1撹拌翼33を形成している。なお、上流側撹拌翼体29は、ボール収容装置5の筐体13の内部でボール9を左右いずれか一端側から他端側へ移動させることができればよく、ここでは、ボール9をボール収容装置5に収容するためのボール収容口34を筐体13の右側に設けているために、ボール収容装置5の内部でボール9が筐体13の右側に多く収容されやすくなることから、上流側撹拌翼体29でボール9を筐体13の右端側(ボール収容口34が設けられた一端側)から左端側(他端側)へ移動させるようにしている。
【0034】
下流側撹拌翼体30は、上流側回転軸32の下流側(後方側)かつ下方において筐体13の左右側壁間に回転自在に架設した下流側回転軸35の外周に、下流側回転軸35の回転によってボール9を左端側から中央側へ移動させるためのスパイラル状の第2撹拌翼36とボール9を右端から中央側へ移動させるためのスパイラル状の第3撹拌翼37とを左右に並べて形成している。なお、下流側回転軸35と上流側回転軸32との間隔は、ボール9の直径よりも狭くしている。
【0035】
下流側撹拌翼体30の第2撹拌翼36の右端と第3撹拌翼37の左端との間には、ボール9の直径よりも狭い間隔を形成し、上流側回転軸32及び下流側回転軸35の回転によって、第2撹拌翼36の右端と第3撹拌翼37の左端とで同時にボール9を押圧してボール9を筐体13の後壁中央部に形成された間隙38からボール搬送装置6の下端部へと移動させるようにしている。なお、間隙38は、ボール9の直径よりも若干広くしている。
【0036】
ボール搬送装置6の下端部には、基台16の上部において搬送体20,21の間(中央)に、ボール収容装置5からボール搬送装置6に移動した1球のボール9を保持するためのボール保持体39を形成している。このボール保持体39は、上端部をボール収容装置5側からボール搬送装置6側に向けて下向き傾斜状(前高後低状)に形成して、ボール収容装置5から移動した1球のボール9が前方のボール収容装置5へと逆流することなくボール9を保持できるようにしている。
【0037】
ピッチングマシーン1は、以上のように構成されており、制御装置40で制御されている。
【0038】
そして、制御装置40は、ボール収容装置5の撹拌搬送手段15を駆動させてボール9を1球ずつボール収容装置5の後部からボール搬送装置6の下側前部へと供給する。その際に、撹拌搬送手段15の上流側撹拌翼体29では、ボール9を一端側(右端側)から他端側(左端側)へ移動させる方向に力が作用し、下流側撹拌翼体30では、ボール9を両端側から中央側へ移動させる方向に力が作用するために、上下に配置した上流側撹拌翼体29と下流側撹拌翼体30とでボール収容装置5に収容されている多くのボール9をボール収容装置5の下流側端部で撹拌しながら1球ずつボール9をボール搬送装置6へと移動させることができ、ボール収容装置5に収容したボール9が詰まることなく1球ずつ円滑にボール搬送装置6へ移動することになる。しかも、ボール搬送装置6に移動したボール9は、1球ずつボール保持体39で保持される。
【0039】
また、制御装置40は、ボール搬送装置6の駆動手段を駆動させて一対の搬送体20,21の螺旋翼24,25によって1球ずつボール9を挟みながら上方へ向けて垂直に搬送する。その際に、制御装置40は、センサー27でボール9を検出したら搬送体20,21を一旦停止させ、その後、センサー27で次の(下の)ボール9を検出するまで搬送体20,21を駆動することで、1球ずつボール9をボール搬送装置6の上側前部から投球装置4(ボール供給通路12)へと供給する。
【0040】
さらに、制御装置40は、投球装置4を駆動させてボール9を1球ずつ打者へ向けて投球する。その際に、制御装置40は、ボール搬送装置6からボール供給通路12に供給されたボール9がボール供給通路12を下方へ向けて通過したタイミングでそれよりも前に投球装置4に供給されていたボール9を打者へ向けて投球するようにしている。
【0041】
以上に説明したように、上記ピッチングマシーン1は、打者に向けてボール9を投げ出す投球装置4と、複数球のボール9を収容するボール収容装置5と、下端部でボール収容装置5からボール9を受け取って上方へ搬送して上端部で投球装置4にそのボール9を受け渡すボール搬送装置6とを有する構成となっている。
【0042】
また、上記ピッチングマシーン1は、ボール収容装置5の底部にボール9をボール搬送装置6の下端側に向けて移動させる上下傾斜状の底壁14を設け、底壁14の下流端部にボール9を左右いずれか一端側から他端側へ移動させるための第1撹拌翼33を形成した上流側撹拌翼体29を設け、上流側撹拌翼体29の下流側かつ下方にボール9を左端側から中央側へ移動させるための第2撹拌翼36とボール9を右端から中央側へ移動させるための第3撹拌翼37とを形成した下流側撹拌翼体30を設け、ボール搬送装置6の下端部にボール収容装置5から移動した1球のボール9を保持するボール保持体39を設けた構成となっている。
【0043】
そのため、上記構成のピッチングマシーン1では、上下に配置した上流側撹拌翼体29と下流側撹拌翼体30とでボール収容装置5に収容されている多くのボール9をボール収容装置5の下流側端部で撹拌しながら1球ずつボール9をボール搬送装置6へと移動させることができ、ボール収容装置5に収容したボール9を1球ずつ円滑にボール搬送装置6に移動させることができる。
【0044】
また、上記ピッチングマシーン1は、下流側撹拌翼体30の第2撹拌翼36の右端と第3撹拌翼37の左端との間にボール9の直径よりも狭い間隔を形成するとともに、第2撹拌翼36の右端と第3撹拌翼37の左端とで同時にボール9を押圧してボール保持体39へ移動させる構成となっている。
【0045】
そのため、上記構成のピッチングマシーン1では、ボール収容装置5に収容したボール9を第2撹拌翼36の右端と第3撹拌翼37の左端とで1球ずつより一層円滑にボール搬送装置6に移動させることができる。
【0046】
また、上記ピッチングマシーン1は、ボール保持体39の上端部をボール収容装置5側からボール搬送装置6側に向けて下向き傾斜状に形成してボール収容装置5から移動した1球のボール9を保持する構成となっている。
【0047】
そのため、上記構成のピッチングマシーン1では、ボール収容装置5からボール搬送装置6の下端部に移動してきたボール9がボール収容装置5へと逆流してしまうのを防いでボール搬送装置6でボール9を投球装置4に良好に搬送させることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ピッチングマシーン 2 架台
3 高さ調節手段 4 投球装置
5 ボール収容装置 6 ボール搬送装置
7 筐体 8 開口
9 ボール 10 基台
11 傾き調節手段 12 ボール供給通路
13 筐体 14 底壁
15 撹拌搬送手段 16 基台
17 支柱 18 カバー
19 筐体 20,21 搬送体
22,23 回転軸 24,25 螺旋翼
26 案内板 27 センサー
28 滑車 29 上流側撹拌翼体
30 下流側撹拌翼体 31 基台
32 上流側回転軸 33 第1撹拌翼
34 ボール収容口 35 下流側回転軸
36 第2撹拌翼 37 第3撹拌翼
38 間隙 39 ボール保持体
40 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7