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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003409
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】車両用シートの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/26 20060101AFI20241226BHJP
   B60N 2/14 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B60N2/26
B60N2/14
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024100218
(22)【出願日】2024-06-21
(31)【優先権主張番号】202310744103.8
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523322601
【氏名又は名称】ニンボー ウェルドン インファンツ アンド チャイルド セーフティー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Ningbo Welldon Infant and Child Safety Technology Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】No. 276 Huangjipu Road, Jiangbei District, 315020 Ningbo (China)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 江娟
(72)【発明者】
【氏名】夏 環楽
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA06
3B087CE01
3B087CE09
3B087DE08
(57)【要約】
【課題】チャイルドシートに応用される車両用シートの制御方法を提供する。
【解決手段】一実施例による制御方法は、車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離を取得することと、前記距離の値が所定閾値より大きいかまたは等しいかを決定することと、シートを所定位置に動かすことと、を含む。車両ドアとシートとの距離を取得することで、車両ドアが開いたかどうかを判断し、取得された距離を所定閾値と比較することで、車両ドアが一定の角度まで開いたかどうかを判断し、ユーザがチャイルドシートを使う意志があるかどうかを判断し、取得された車両ドアとシートとの距離が所定閾値に等しくない場合、ユーザがシートを使う意志を有することを表し、その際にシートを実行位置まで自動的に回転させ、車両ドアの開き程度によってシートを自動的に回転させるかどうかを判断し、車両ドアがわずかに開いただけで回転するエラーを回避する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドシートに応用される車両用シートの制御方法であって、
車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離を取得することと、
前記距離の値が所定閾値よりも大きいかまたは等しいかを決定することと、
シートを所定位置に動かすことと、を含むことを特徴とする車両用シートの制御方法。
【請求項2】
車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離を取得する前に、
車両ドアが閉状態の場合、センサによって取得される車両ドアとシートとの距離を初期距離とすることを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項3】
初期距離を取得した後、
前記初期距離に基づいて、所定閾値を決定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項4】
前記距離の値が所定閾値よりも大きいと決定した後、シートを所定位置に動かす前に、
第1の所定時間待機することを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項5】
シートを取り付けた後、車両ドアが閉状態の場合、シートの両側のセンサによって車両ドアとシートとの左側距離および右側距離を取得することと、
前記左側距離と右側距離の大きさの比較により、シートの車室内での取付位置を決定するか、または、シートの車室内での取付位置を人工的に設定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項6】
前記シートには、シートのモードを制御するためのコントロールパネルが接続され、
シートが自動モードであると決定し、シートが自動制御モードに入って車両ドアに向けて自動的に回転したり自動的に復帰したりすることが可能であること、または、シートが手動モードであると決定し、シートが手動制御モードに入って車両ドアに向けて手動で回転したり手動で回転復帰したりすることのみが可能であること、または、シートが半自動モードであると決定し、シートが半自動制御モードに入って車両ドアに向けて自動的に回転したり手動で回転復帰したりすることが可能であること、を含むことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項7】
前記シートは、復帰ボタンを含み、
シートを所定位置に動かした後、
復帰ボタンを押して前記シートを回転復帰させること、または
手動回動で前記シートを回転復帰させること、または
音声で前記シートを回転復帰させること、または
コントロールパネルで前記シートを回転復帰させること、を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項8】
シートを所定位置に動かした後、
第2の所定時間待機することと、
車両ドアとシートとの距離を取得することと、
前記距離と初期距離との差が限界閾値に等しいと決定した場合、シートを自動的に回転復帰させるか、または、前記距離と初期距離との差が限界閾値に等しくないと決定した場合、シートを現在の状態に保持することと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項9】
前記シートを回転復帰させた後、
センサによって車両ドアとシートとの距離を取得することと、
前記距離と初期距離との比較に基づいて、車両ドアが閉まったかどうかを判断することと、
車両ドアが閉まっていない場合、前記シートを現在の状態に保持し、車両ドアが開くと前記シートが車両ドアに向けて回転する動作を行わないことと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両用シートの制御方法。
【請求項10】
センサは、シートの受台に設置され、シートに伴って回転しないことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の車両用シートの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車シートの技術領域に関し、具体的に、車両用シートの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用チャイルドシートは、親が子供の面倒を見たり子供を守ったりすることを容易にするように、子供向けに設計されたものである。
【0003】
親が子供をチャイルドシートにさらに容易に乗せるために、現在、回転機能付きのチャイルドシートは販売されている。親が子供をシートに乗せる場合、シートは、適切な角度まで回転して車両ドアに位置合わせることができる。こうすることで、親は車両ドアから子供をシート内にそのまま座らせることを容易にする。
【0004】
しかしながら、現在市販されている回転機能付きのチャイルドシートは、回転前にボタンを人為的に押す場合のみに回転可能であり、実際に使用される際に、親が子供を抱っこしたり荷物を持ったりすると、ボタンを押しにくいことがある。このような回転可能なチャイルドシートには、さらなる改善の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術問題に対して、本発明は、車両用シートの制御方法を提供する。この方法によれば、シートが自動回転機能を有し、車両ドアが開くと、手動による起動がなくてもシートが自動的に回転可能であり、親にとって使い勝手がよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例に係る車両用シートの制御方法は、チャイルドシートに応用される。前記方法は、車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離を取得することと、前記距離の値が所定閾値よりも大きいかまたは等しいかを決定することと、シートを所定位置に動かすことと、を含む。
【0007】
従来技術に比べて、本発明に係る車両用シートの制御方法は、車両ドアとシートとの距離を取得することで、車両ドアが開くかどうかを判断し、取得された距離を所定閾値と比較することで、車両ドアが一定の角度まで開いたかどうかを判断する。この所定閾値で車両ドアが一定の角度まで開いたことを表す場合、車両ドアとシートとの距離でユーザが車両ドアを十分に開いたことを表すことができ、子供をシートに乗せたりシートから降ろしたりする意思がある。取得された車両ドアとシートとの距離が前記所定閾値に等しくない場合は、ユーザがシートを使用する意思があることを表す。この際、シートを実行位置まで自動的に回転させることで、ユーザがシートを容易に使用する。本発明の車両用シートの制御方法を使用することで、シートは、車両ドアの開き程度によってシートを自動的に回転させることが必要かどうかを判断し、車両ドアがわずかに開いただけで回転するというエラーを回避し、シートの自動回転の精度を高めるとともに、シートが自動的に回転可能であってユーザにとって使い勝手がよく、ユーザの便宜を図り、ユーザにより優れた使用感を与える。
【0008】
一部の選択可能な実施例では、車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離を取得する前に、車両ドアが閉状態の場合、センサによって取得される車両ドアとシートとの距離を初期距離とすることを含む。
【0009】
一部の選択可能な実施例では、初期距離を取得した後、前記初期距離に基づいて所定閾値を決定することを含む。
【0010】
一部の選択可能な実施例では、前記距離の値が所定閾値よりも大きいと決定した後、シートを所定位置に動かす前に、第1の所定時間待機することを含む。
【0011】
一部の選択可能な実施例では、シートを取り付けた後、車両ドアが閉状態の場合、シートの両側のセンサによって車両ドアとシートとの左側距離および右側距離を取得することと、前記左側距離と右側距離の大きさの比較により、シートの車室内での取付位置を決定するか、または、シートの車室内での取付位置を人工的に設定することと、を含む。
【0012】
一部の選択可能な実施例では、前記シートには、シートのモードを制御するためのコントロールパネルが接続される。前記方法は、シートが自動モードであると決定し、シートが自動制御モードに入って車両ドアに向けて自動的に回転したり自動的に復帰したりすることが可能であること、または、シートが手動モードであると決定し、シートが手動制御モードに入って車両ドアに向けて手動で回転したり手動で回転復帰したりすることのみが可能であること、または、シートが半自動モードであると決定し、シートが半自動制御モードに入って車両ドアに向けて自動的に回転したり手動で回転復帰したりすることが可能であること、を含む。
【0013】
一部の選択可能な実施例では、前記シートは、復帰ボタンを含む。シートを所定位置に動かした後、復帰ボタンを押して前記シートを回転復帰させること、または手動で前記シートを回動して回転復帰させること、または音声で前記シートを回転復帰させること、またはコントロールパネルで前記シートを回転復帰させること、を含む。
【0014】
一部の選択可能な実施例では、シートを所定位置に動かした後、第2の所定時間待機することと、車両ドアとシートとの距離を取得することと、前記距離と初期距離との差が限界閾値に等しいと決定した場合、シートを自動的に回転復帰させるか、または、前記距離と初期距離との差が限界閾値に等しくないと決定した場合、シートを現在の状態に保持することと、を含む。
【0015】
一部の選択可能な実施例では、前記シートを回転復帰させた後、センサによって車両ドアとシートとの距離を取得することと、前記距離と初期距離との比較に基づいて、車両ドアが閉まったかどうかを判断することと、車両ドアが閉まっていない場合、前記シートを現在の状態に保持し、車両ドアが開くと前記シートが車両ドアに向けて回転する動作を行わないことと、を含む。
【0016】
一部の選択可能な実施例では、センサは、シートの受台に設置され、シートに伴って回転しない。
【0017】
本発明に係る車両用シートの制御方法は、少なくとも以下の技術的効果を有する。
車両ドアとシートとの距離を取得して所定閾値と比較することで、車両ドアが開いたかどうか、車両ドアの開き程度を判断する。こうすることで、ユーザがシートを使用するニーズを把握し、シートが自動的に回転可能であってユーザにとって使い勝手がよい。
復帰ボタンの設置または手動制御により、ユーザが使用した後にシートの回転復帰を制御することができる。これにより、ユーザは、実際の状況に応じてシートの回転復帰を自主的に制御することができる。
自動モード、手動モードおよび半自動モードなどの3種のモードを設定することで、ユーザが選択可能である。これにより、ユーザの様々な使用ニーズを満たし、シートは柔軟かつスマートで、適用性が広い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1に係る車両用シートの制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例2に係る車両用シートの制御方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例3に係る車両用シートの制御方法のフローチャートである。
図4】本発明の実施例4に係る車両用シートの制御方法のフローチャートである。
図5】本発明の実施例6に係る車両用シートの制御方法のフローチャートである。
図6】本発明の実施例7に係る車両用シートの制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者が本発明の技術案をより理解するために、以下、添付図面および実施例を合わせて、本発明を詳細、明瞭かつ充分に説明する。なお、ここで記述される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0020】
本発明の記述では、「第1」や「第2」の記載は、技術的特徴を区別することのみを目的としており、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗示したり、示された技術的特徴の優先順位を暗示したりすると理解してはならない。
【0021】
当業者が理解すべきなのは、本発明の開示において、用語である「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などで示される方位または位置関係は、図面で示される方位又は位置関係に基づくものであり、示される装置または部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造され操作されることを指示または暗示することがなく、本発明の記述を容易かつ簡潔にするためだけであり、よって、上記用語は、本発明に対する制限と理解してはならない。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。図1図6の説明を参照する。
【0023】
本発明に係る車両用シートの制御方法は、チャイルドシートに応用する。このシートは、回転機能を有する。シートの底部には、受台が設けられる。受台には、シートを回転駆動するための回転機構が設けられる。これらの構成については、従来技術である、出願番号CN202210140659.1の中国出願を参照可能なため、ここでシートの回転原理の説明を省略する。
シートの左右両側には、センサが設置される。このセンサは、シートと車両ドアとの距離を測定するための測距センサである。なお、センサは、レーザ測距センサや赤外線測距センサ、超音波測距センサなどであってもよく、実際の使用に応じて選択されるが、測距センサの種類を限定せず、測距機能を満たすセンサであればよい。本発明で使用されるセンサで距離を測定する場合、センサが起動後に車両ドアとシートとの距離をリアルタイムに測定するとともに、測定された距離をバックグラウンド処理手段に送信し、バックグラウンド処理手段がこれらの距離データに基づいてシートの自動回転を制御する。
【0024】
以下、車両用シートの制御方法の一部の実施例を提供し、シートが自動回転機能を有し、ユーザにチャイルドシートの使用が必要な場合、シートが所定位置まで自動的に回転可能であり、ユーザにとってシートの使い勝手がよい。
【0025】
実施例1
図1は、本発明の実施例に係る車両用シートの制御方法のフローチャートである。この方法は、チャイルドシートに応用し、車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離Xを取得することと、前記距離の値が所定閾値X1よりも大きいと決定することと、シートを所定位置に動かすことと、を含む。
【0026】
ここでは、所定閾値は、車両ドアが一定の角度まで開いた後、ユーザが車両ドアを十分に開いたことを車両ドアとシートとの距離で示すことができ、子供をシートに乗せたりシートから降ろしたりする意志があることを表す。なお、車両ドアの開閉に関わらず、センサは、車両ドアとシートとの距離Xを常にリアルタイムに検出する。Xは、固定値ではなくて、車両ドアが開いた後に変化する。X≧X1の場合は、車両ドアの開きが大きいことを表し、車両ドアを誤って開いたことではなく、シートを使用したいというユーザのニーズがある。このため、シートは所定位置まで自動的に回転し、すなわち、車室内に向ける方向から、車両ドアに向ける方向に回転し、親が子供をシートに乗せたりシートから降ろしたりすることを格段に容易にする。なお、当該所定位置は、回転方向と回転角度を含む。回転方向と回転角度は、実際の状況に応じて設定される。
【0027】
実施例2
本実施例は、実施例1に基づいて進められる。
【0028】
本実施例では、車両用シートの制御方法は、車両ドアが閉状態の場合、センサによって取得される車両ドアとシートとの距離を初期距離X0とすることと、前記初期距離に基づいて所定閾値X1を決定することと、車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離Xを取得することと、前記距離の値が所定閾値X1以上であると決定することと、シートを所定位置に動かすことと、を含む。
【0029】
図2に示すように、本実施例では、車両ドアが閉状態の場合、車両ドアとシートとの距離を初期距離X0とし、初期距離が固定値であり、初期距離によって車両ドアが開いたかどうかを判断する必要がある。X>X0の場合は、車両ドアが開いたことを表し、次のステップを実行してもよい。
シートの車室内での取付位置が異なるため、初期距離X0が異なる。そのため、この初期距離を測定する必要がある。さらに、各車両の型番や親の開扉習慣が異なるため、初期距離X0によって所定閾値X1を決定する必要がある。ここで、X1>Xである。本実施例の技術案によれば、シートの適用性、自由度を向上させることができ、実際の状況に応じて調節を行うことで様々なユーザの使用に適することができ、スマートかつ利便性がよい。
【0030】
なお、X1ーX>5cmのため、シートの自動回転機能を正確にすることができるほか、車両ドアを誤って開いた後にシートが即時に回転することを回避する。
【0031】
実施例3
本実施例は、実施例1に基づいて進められる。
【0032】
本実施例では、車両用シートの制御方法は、車両ドアが開いた後、車両ドアとシートとの距離Xを取得することと、前記距離の値が所定閾値X1より大きいかまたは同じであるかを決定することと、第1の所定時間T1待機することと、シートを所定位置に動かすことと、をさらに含む。
【0033】
図3に示すように、本実施例では、X≧X1と決定した後、第1の所定時間T1秒待機した後、シートが所定位置に再び自動的に回転する。このような設定によれば、車両ドアが開いた後、親に十分な操作時間を与え、親が車両ドアを開けた後にシートの状況を把握でき、もしくは十分な時間で子供を抱っこしたり子供の抱っこを準備したりすることができ、その後、シートが車両ドアに向けて回転することでユーザの便宜を図り、車両ドアを特定の位置まで開けるとすぐにシートが自動回転することによる子供への潜在的な危険性を軽減し、使用の安全性を高める。
【0034】
本実施例では、第1の所定時間T1は、1~5秒であり、具体的な時間は実際の必要に応じて選択可能であり、コントロールパネルによって自由に設定されてもよい。本実施例では、T1は2Sであることが好ましい。
【0035】
なお、本実施例は、実施例2に基づいて進められてもよい。
【0036】
実施例4
本実施例は、実施例1に基づいて進められる。
【0037】
本実施例では、車両用シートの制御方法は、シートを取り付けた後、車両ドアが閉状態の場合、シートの両側のセンサによって車両ドアとシートとの左側距離および右側距離を取得することと、前記左側距離と右側距離の大きさの比較により、シートの車室内での取付位置を決定するか、または、シートの車室内での取付位置を人工的に設定することと、をさらに含む。
【0038】
図4に示すように、本実施例では、シートの両側には、いずれも車両ドアとシートとの距離を測定するためのセンサが取り付けられる。シートを取り付けた後、車両ドアが閉状態の場合、シートの両側のセンサによってシートから両側の車両ドアまでの距離を取得し、左側距離と右側距離の大きさの比較により、システムでシートの車室内での取付位置を自動的に決定し、シートは、システムで設定されたプログラムに従って動作し、該プログラムにはシートの回動方向と回動角度が含まれる。
または、シートの車室内での取付位置を手動で設定し、すなわち、シートを取り付けた後、ユーザは、自ら判断により、シートに接続してシートを制御するコントロールパネルにて、例えば、シートを車室内の左側または右側に設置することを選択するとともに、シートの取付位置を確認する。ユーザが自ら取付位置を選択した後、シートはユーザによって選択された取付位置に従って後続のプログラムを実行し、例えば、シートの回転方向、すなわち、左への回転または右への回転を選択するとともに、回転の角度を設定してもよい。多くの回転角度は90度であるが、ユーザは取り付け位置および車内状況に応じて回転角度を柔軟に設定してもよい。
【0039】
本実施例の技術案によれば、シートの適用性、自由度を向上させることができ、実際の状況に応じて調節を行うことで様々なユーザの使用に適することができ、スマートかつ利便性がよい。
【0040】
なお、本実施例は、実施例2または実施例3のいずれかの1つの実施例に基づいて進められてもよい。
【0041】
実施例5
本実施例は、実施例1~実施例4のいずれかの1つの実施例に基づいて進められてもよい。
【0042】
本実施例では、前記シートには、シートのモードを制御するためのコントロールパネルが接続される。このコントロールパネルは、携帯電話APPのインタラクティブページまたはコンピューターインタラクティブページであってもよいし、シートに直接設置されるコントロールパネルであってもよい。ユーザは、コントロールパネルによりシートを制御し、例えば、シートのモードを選択する。シートには、モードに応じた種々の実行プログラムがある。ユーザは、様々なユーザの使用ニーズを満たすように、異なるモードを選択してシートを使用する。
前記方法は、シートが自動モードであると決定し、シートが自動制御モードに入って車両ドアに向けて自動的に回転したり自動的に復帰したりすることができること、または、シートが手動モードであると決定し、シートが手動制御モードに入って車両ドアに向けて手動で回転したり手動で回転復帰したりすることしかできないこと、または、シートが半自動モードであると決定し、シートが半自動制御モードに入って車両ドアに向けて自動的に回転したり手動で回転復帰したりすることができることをさらに含む。
【0043】
本実施例では、自動モード時には、シートは、完全にプログラムの設定によって、シートの自動検出、回転有無の自動判断、車両ドア向けの自動回転または自動回転復帰を含めて自ら動作し、スマート性に優れ手間が省けて便利である。
シートが手動モードの場合、シートの自動モードのプログラムは実行されず、自動検出、自動回転機能を停止させ、ユーザのみによってシートを回動させる。このようなモードによれば、安全性を向上させることができ、特別な配慮が必要なお子様について、ユーザがシートを手動で完全に制御するため、シート使用時の安全性を向上させ、ユーザに安心感を与える。
シートが半自動モードの場合、シートが車両ドアに向けて回転できるように車両ドアが開くと、シートが車両ドアとシートとの距離を自動的に検出可能であるとともに、自動回転条件を備えるかどうかを判断する。回転条件を満たす場合、シートは車両ドアに向けて自動的に回転できる。シートが復帰する場合、ユーザによってシートを手動で回転復帰させることしかできない。このようなモードの利点としては、一定の安全性能を有するとともに、一定のスマート性を有し、自由度がある。
【0044】
なお、本実施例では、シートの回転使用前に、選択を行う。
【0045】
実施例6
本実施例は、実施例5に基づいて進められてもよい。
【0046】
本実施例では、前記シートに復帰ボタンが設けられる。復帰ボタンは、シートの側辺に設置されてもよい。子供がシートに座る場合、復帰ボタンは子供によって触られにくいほか、子供によって遮蔽されることもなく、ユーザは容易に復帰ボタンに触れて押圧可能である。
シートを所定位置に動かした後、復帰ボタンを押して前記シートを回転復帰させること、または、手動で前記シートを回動して回転復帰させること、または、音声で前記シートを回転復帰させること、または、コントロールパネルで前記シートを回転復帰させることを含む。
【0047】
図5に示すように、本実施例では、シートが車両ドアに向けて回転した後、車両ドアが開くと、ユーザが子供をシートに乗せたりシートから降ろしたりした後に復帰ボタンを押圧し、シートが自ら回転復帰し、すなわち、車室内に向けて回転するか、または、ユーザが自らシートを車室内に向けて回転させるか、または、音声でシートを回転復帰させてもよい。当然ながら、シートには、音声識別のセンサがさらに接続される。音声識別のセンサは、ユーザから出力された指令を検出した後に制御バックグラウドに送信可能である。さらに、制御バックグラウドは、回転復帰の指令をシートに出力する。音声識別の関連技術は、従来技術で広く利用可能であるため、ここでその詳細な説明を省略する。また、コントロールパネルで選択を制御してシートを回転復帰させてもよい。コントロールパネルを用いる利点としては、シートを遠隔に制御可能であり、手動で回転させることなく、時間や労力を節約し、使い勝手がよい。本実施例の利点としては、ユーザにとって、子供への対処に十分な時間を確保した後にシート回転復帰のタイミングを選択可能であり、これにより、ユーザによるシートの回転復帰の監視、制御の程度を増加させ、シート上の子供への潜在的な危険性を大幅に軽減し、ユーザがより安心してシートを使用する。
【0048】
実施例7
本実施例は、実施例5に基づいて進められる。
【0049】
本実施例では、シートを所定位置に動かした後、第2の所定時間T2待機することと、車両ドアとシートとの距離Xを取得することと、前記距離Xと初期距離X0との差ΔXが限界閾値X2に等しい場合、シートを自動的に回転復帰させ、あるいは、前記距離Xと初期距離X0との差ΔXが境界閾値x2に等しくない場合、シートを現在の状態に保持することとを含む。
【0050】
図6に示すように、本実施例では、シートが車両ドアに向けて回転した後、ユーザがシートを使用する場合、第2の所定時間T2を設定することで、ユーザにシートの使用時間を予め確保することができる。この時間内に、ユーザは、子供をシートに乗せたりシートから降ろしたりすることができる。この第2の所定時間T2内では、センサによって測定するデータは実の車両ドアとシートとの距離ではないので、このような影響を無くすため、シートが車両ドアに向けて回転した後に第2の所定時間T2待機してから、シートの回転復帰のプログラムを再実行する。
なお、シートが回転復帰するステップは以下のことを含む。まず、T2時間待機した後、取得された距離XをX0と比較し、XとX0との差ΔXを取得する。この差ΔXが予め設定された限界閾値X2内にあり、すなわち、ΔX=X2の場合は、シートの自動回転復帰条件を満たすことを表し、その際はシートが自動的に回転復帰する。この差ΔXが予め設定された境界閾値X2よりも大きいかまたは小さく、すなわち、ΔX<X2またはΔX>X2の場合、シートを現在の状態に保持し、すなわち、続けてT2時間待機した後に上記のステップを繰り返す。本実施例では、限界閾値を設定する目的としては、ユーザが車両ドアを閉めた後、センサによってシートと車両ドアとの距離を検出した場合、わずかな揺れやゴミによってわずかな誤差が生じることがあるが、測定された距離が初期距離に基づいてこの限界閾値内にある場合は、ドアが閉まったとみなされてもよいため、シートを回転復帰させることができる。限界閾値を設定することで、シート回転の精度を高め、誤差によるシートの回転復帰への影響を軽減できる。
【0051】
なお、本実施例では、シートが車両ドアに向けて回転する場合、シートのエッジ部位が車両本体を超えることなく、すなわち、シートの回転有無は車両ドアの開閉に影響しない。
【0052】
本実施例では、T2は、5S~60Sに設定されてもよく、具体的な数値が実際の使用状況によって設定されてもよい。T2時間は、コントロールパネルによって自由に設定されてもよい。
【0053】
好ましくは、T2は10Sである。
【0054】
さらに、初期距離を取得した後、前記初期距離に基づいて限界閾値を決定することを含む。
【0055】
本実施例では、限界閾値X2が1つの区間であり、1つの連続範囲の値である。すなわち、X2=[-a,+a]mm、X-X0=ΔX。ΔX<-ammまたはΔX>-ammの場合、シートを現在の状況のまま保持し、続けてT2時間待機させる。限界閾値をX2=[-a,+a]mmに設定し、この範囲内であれば、いずれも正常の測定誤差とみなされ、すなわち、範囲内の距離であれば、いずれも車両ドアが閉状態であると判断し、ノイズによる影響を効果的に軽減し、シートや車両ドアなどのわずかな揺れやゴミによるわずかな誤差がシート回転機能に不必要な影響を与えることなく、シート回転の精度を高める。
【0056】
さらに、1mm≦a≦10mm、すなわち、X2の最大範囲が[-10,+10]mm、最小範囲が[-1,+1]mmである。つまり、センサによって検出された車両ドアとシートとの距離が初期距離よりも短い場合、または1mm~10mmの範囲内で長い場合は、いずれもシートが閉状態であるとみなされる。当然ながら、aの具体的な数値は、車両の実際の状況によって選択されてもよい。
【0057】
好ましくは、aは10、すなわち、X2=[-10,+10]mmである。
【0058】
実施例8
本実施例は、実施例6に基づいてさらに進められる。
【0059】
本実施例では、前記シートを所定位置に動かした後、センサによって車両ドアとシートとの距離を取得することと、前記距離と初期距離との比較に基づいて、車両ドアが閉まったかどうかを判断することと、車両が閉まっていない場合、前記シートを現在の状態で保持し、車両ドアが開いても前記シートが車両ドアに向けて回転する動作を行わないことと、を含む。
【0060】
本実施例では、シートが回転復帰した後、まず、車両ドアとシートとの距離を検出し、この距離を初期距離と比較し、この距離が初期距離に等しくない場合、車両ドアが閉まっていないと判断し、シートを現在の状況で保持し、次のコマンド、すなわち、車両ドアが開いたかどうかを再検出することでシートの回転要否を判断するコマンドは実行しない。こうする目的は、ユーザがシートを手動で回転復帰させる場合、シートを回転復帰させた後、ユーザがシートと車両ドアとの間に位置したり、シートを回転復帰させた瞬間に車両ドアが閉まらなかったりする可能性があり、これにより、シートを回転復帰させた後、ユーザが車両ドアとシートとの間から離れると、車両ドアとシートとの距離に応じて、シートを車両ドアに向けて回転させる判断プログラムが改めて実行されることがあるため、ユーザがシートと車両ドアとの間に位置して離れた後、車両ドアとシートとの距離が長いために生じたエラーにより、シート回転の精度が低下することがあるためである。
【0061】
さらに、実施例7の限界閾値の設定を参照し、本実施例では、車両ドアが閉まったかどうかを判断することは、具体的に、前記距離Xと初期距離X0との差ΔXが限界閾値X2に等しい場合、車両ドアが閉状態にあると判断することと、前記距離Xと初期距離X0との差ΔXが限界閾値X2に等しくない場合、車両ドアが開状態にあると判断することと、を含む。
【0062】
限界閾値X2の導入により、車両ドアが閉まったかどうかの判断に誤差除去処理を行い、誤差による影響を軽減し、シート回転の制御精度を向上させることができる。
【0063】
さらに、前記距離と初期距離との比較に基づいて、車両ドアが閉まったかどうかを判断することは、具体的に、持続時間T3内に、前記距離Xが一定に保持されると決定した場合、車両ドアが閉状態にある。
【0064】
持続時間T3内に車両ドアとシートとの距離Xを連続的に検出することで、このT3時間内に連続的に取得された距離Xが一定に保持されると、ユーザが車両ドアとシートとの間にいる可能性が低いことを表し、車両ドアが閉状態にあると判断し、エラーによる影響を軽減する。
【0065】
さらに、T3は、1S~9S内に設定されてもよい。
【0066】
好ましくは、T3=5S。
【0067】
実施例9
本実施例は、実施例1~実施例5のいずれかの1つの実施例に基づいてさらに進められる。
【0068】
本実施例では、センサは、シートの受台に設置され、シートに伴って回転しない。センサは2つ設置されてもよく、シートの車両ドアに向けて対向する両側にそれぞれ設置される。センサは、シートの受台の側壁に設置される。受台は、シートを回転駆動する機構を有する。シートが回転する場合、受台が回動しないため、センサも動かない。これにより、シートの回転前後に関わらず、センサによって測定された車両ドアとシートとの初期距離が一定である。こうすることで、その後のシートに対する制御プログラムが簡単、コストを削減するとともに、容易に制御が可能であり、制御精度の向上に寄与する。
【0069】
以上、本発明を詳しく紹介してきたが、本明細書では、本発明の原理及び実施形態を説明するために具体例を用いているが、以上の実施例の説明は単に本発明及びその主旨の理解を支援するためのものである。当業者にとって、本発明の原理から逸脱しないことを前提として、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も本発明の権利要求の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6