(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003413
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】生体電位信号の同期化のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/346 20210101AFI20241226BHJP
A61B 5/367 20210101ALI20241226BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20241226BHJP
【FI】
A61B5/346
A61B5/367
A61B5/33 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024100319
(22)【出願日】2024-06-21
(31)【優先権主張番号】18/213,313
(32)【優先日】2023-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アロン・ボウメンディル
(72)【発明者】
【氏名】ダヤン・シトン
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127EE08
4C127GG09
4C127GG13
4C127LL08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生体電位信号を同期すること。
【解決手段】第1の非同期ユーティリティ及び第2の非同期ユーティリティによって、複数の医療デバイスからサンプリングされた第1の複数のデジタル化ECG信号及び第2の複数のデジタル化ECG信号間の同期を提供する。複数のアナログECG信号のうちの1つ、好ましくは遠距離場ECGが参照のために選択されるが、これは両方の非同期ユーティリティによってサンプリングされ、それによってそれぞれの第1のデジタル化参照ECG信号及び第2のデジタル化参照ECG信号を生成する。基準ECG信号は比較され、比較の結果は、第1の複数のデジタル化ECG信号と第2の複数のデジタル化ECG信号の同期に使用される。したがって、本発明の技術は、複数の非同期医療デバイスからの複数のデジタル化ECG信号の表示への同時同期ストリーミングを容易にする。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするためのシステムであって、前記システムが、
少なくとも1つの第1の医療デバイス及び少なくとも1つの第2の医療デバイスのECGセンサによってそれぞれ感知された対応する第1の複数のアナログ信号及び第2の複数のアナログ信号から、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティによってそれぞれサンプリングされた第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号を受信するように適合された、シンクロナイザであって、
前記第1の複数のデジタル化信号が、基準アナログ信号として選択された前記第1の複数のアナログ信号のうちのアナログ信号から、前記第1のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、基準ECGセンサとして選択された前記第1の医療デバイスのECGセンサによって感知される第1の基準デジタル化信号を含み、前記第2の複数のデジタル化信号が、前記基準アナログ信号から前記第2のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、前記第1の医療デバイスの前記基準ECGセンサによって感知される第2の基準デジタル化信号を含む、シンクロナイザを、備え、
前記シンクロナイザが、
前記第1のデジタル化基準信号と前記第2のデジタル化基準信号と、を比較するように適合された、比較器と、
前記比較器によって実行された前記第1の基準信号と前記第2の基準信号との間の比較の結果に基づいて、前記複数の第1のデジタル化信号と前記複数の第2のデジタル化信号とを同期させるように適合されたサンプルプロセッサと、を含み、それによって、前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号の同期信号を取得し、
前記シンクロナイザが、前記表示上に表示するために、前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号の前記同期信号に同時にストリーミングするように適合されたストリーマに関連付けられている、システム。
【請求項2】
前記サンプルプロセッサが、
-前記比較の前記結果に基づいて、前記第1のサンプリング・ユーティリティ又は前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの1つからそれぞれ取得された前記第1の複数のデジタル化信号又は前記第2の複数のデジタル化信号のうちの1つの各デジタル化信号において取得された余剰なサンプルを識別することであって、前記余剰なサンプルが、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリング速度間の差から生じる、ことと、
-前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各前記デジタル化信号から前記余剰なサンプルを除去することと、によって、前記複数の第1のデジタル化信号と前記複数の第2のデジタル化信号との間で同期するように構成されており、かつ動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号が、ECG信号であり、前記表示上に前記ECG信号を表示する各フレームが、ある最大持続時間を超えない前記ECG信号の時間間隔を提示し、前記基準アナログ信号が、前記ある最大持続時間の間隔内で非周期的かつ非定常である前記第1のアナログ信号のうちの1つとして選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の医療デバイスが、心内電位図(IEGM)信号を感知するために、心臓内に、その手術中に配置されるように適合されたカテーテルを含み、前記基準ECGセンサが、前記手術中に前記心臓の組織から離間されるように前記カテーテル内に配置され、遠距離場ECG信号として前記基準アナログ信号を取得するように適合されたECGセンサである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
以下:
-前記システムが、前記少なくとも1つの第1の医療デバイス、前記少なくとも1つの第2の医療デバイス、前記第1のサンプリング・ユーティリティ、前記第2のサンプリング・ユーティリティ、及び前記表示のうちの少なくとも1つを更に含む、
-前記少なくとも1つの第1の医療デバイス及び前記少なくとも1つの第2の医療デバイスが、心臓の手術中、その場でECG信号を感知するように適合された複数のECGセンサを備える、
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓の探索及び治療のうちの少なくとも1つのために体内へと挿入されるように適合されたカテーテルであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記カテーテルの複数のECGセンサに接続されている、
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓を探索するために、身体上で、その外部に配置されるように適合された複数のECGセンサを備える表面ECGデバイスであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記複数のECGセンサに接続されている、のうちの1つ以上である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするためのシステムであって、前記システムが、
第1のユーティリティ及び第2のユーティリティにそれぞれ関連付けられた、第1の通信リンク及び第2の通信リンクを介して、データパケットのそれぞれの第1のシーケンス及び第2のシーケンスを受信するように構成され、かつ動作可能であるデータ通信ユーティリティであって、データパケットの前記第1のシーケンスが、複数の第1のデジタル化ECG信号を含み、前記複数の第1のデジタル化ECG信号が、少なくとも1つの第1の医療デバイスのECGセンサからサンプリングされ、前記第1のユーティリティによって規則的にパッケージ化されて前記第1の通信リンクを通じて送信され、データパケットの前記第2のシーケンスが、複数の第2のデジタル化ECG信号を含み、前記複数の第2のデジタル化ECG信号が、少なくとも1つの第2の医療デバイスのECGセンサからサンプリングされ、前記第2のユーティリティによって規則的にパッケージ化されて前記第2の通信リンクを通じて送信される、データ通信ユーティリティと、
パケットシンクロナイザであって、
-前記データ通信ユーティリティに接続され、前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクのそれぞれを通じて送信されるデータパケットの受信タイミングを監視し、それによって前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクのそれぞれの通信呼び出し時間の統計値を決定するように適合された通信リンクモニタと、
-バッファを含むバッファリング・ユーティリティであって、前記表示への前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の同期ストリーミングを可能にするために、前記データパケットの前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号をバッファリングし、前記表示への前記ECG信号のストリーミングを遅延させるバッファリング期間を決定するため、前記通信呼び出し時間の前記統計値を利用するように構成され、かつ動作可能であり、前記表示へのECG信号の同期ストリーミングの初期化時に、前記バッファリング・ユーティリティが、前記同期ストリーミングを前記バッファリング期間だけ遅延させ、前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクを通じて受信されたデータパケットの前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスの前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号を前記バッファにバッファリングするように適合されている、バッファリング・ユーティリティと、を含む、パケットシンクロナイザと、
前記バッファに記憶された前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の信号サンプルの連続するセットを、それらのサンプリング順序に従って連続的に取り出してパッケージ化し、表示のためにストリーミングされる連続する信号フレームのシーケンスを形成するように構成され、かつ動作可能である、フレームパッケージャと、
前記信号フレームを、あるフレーム速度で前記表示にストリーミングするために、前記バッファリング期間のラップ時に動作するように適合されたストリーマと、を含む、システム。
【請求項7】
前記通信リンクモニタが、前記データパケットの前記受信タイミングを処理し、それによって、前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクのそれぞれの前記通信呼び出し時間の標準偏差をそれぞれ決定するように適合され、前記バッファリング・ユーティリティが、前記通信呼び出し時間の前記標準偏差の最大標準偏差の所定の倍数に一致するように前記バッファリング期間を設定するよう適合されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記フレームパッケージャが、請求項1に記載のシンクロナイザを備え、前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号の前記信号サンプル間で同期し、前記第1のユーティリティ及び前記第2のユーティリティのサンプリング速度間の差の結果として、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各デジタル化信号内で取得された余剰なサンプルを識別し除去するように構成され、かつ動作可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記フレームパッケージャが、前記第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号をダウンサンプリングして、前記表示上での提示に好適な解像度を有する前記信号フレームを形成するように適合されたリサンプラを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするための方法であって、前記方法が、
第1の基準デジタル化信号を含む複数の第1のデジタル化信号を提供することであって、前記複数の第1のデジタル化信号が、第1の医療デバイスの複数の第1のECGセンサによって感知された複数の第1のアナログ信号から第1のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、前記複数の第1のアナログ信号のうちの1つが基準アナログ信号として選択され、前記第1の基準デジタル化信号が、前記第1のサンプリング・ユーティリティによる前記基準アナログ信号のサンプリングに対応する、ことと、
第2の基準デジタル化信号を含む複数の第2のデジタル化信号を提供することであって、前記複数の第2のデジタル化信号が、前記複数の第1のアナログ信号の前記感知と同時に、第2の医療デバイスの1つ以上の第2のECGセンサによって感知された1つ以上の第2のアナログ信号から、第2のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされた1つ以上の第2のデジタル化信号を含み、前記第2の基準デジタル化信号が、前記第1の医療デバイスによって感知された前記基準アナログ信号から前記第2のサンプリング・ユーティリティによって同時にサンプリングされる、ことと、
前記第1のデジタル化基準信号を、前記第2のデジタル化基準信号と比較することと、
前記比較に基づいて、前記複数の第1のデジタル化信号と前記1つ以上の第2のデジタル化信号との間で、同期することと、
前記1つ以上の第2のデジタル化信号と同期して、前記複数の第1のデジタル化信号を、前記表示に同時にストリーミングすることと、を含む、方法。
【請求項11】
前記第1の医療デバイスの前記複数の第1のECGセンサによって、前記複数の第1のアナログ信号を感知することと、
同時に、前記第2の医療デバイスの前記1つ以上の第2のECGセンサによって、前記1つ以上の第2のアナログ信号を感知することと、
前記第1のサンプリング・ユーティリティを用いて、前記複数の第1のアナログ信号をサンプリングして、前記第1の基準デジタル化信号を含む前記複数の第1のデジタル化信号を取得することと、
前記1つ以上の第2のアナログ信号及び前記基準アナログ信号を、前記第2のサンプリング・ユーティリティでサンプリングして、前記1つ以上の第2のデジタル化信号及び前記第2のデジタル化基準信号を取得することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記同期することが、
前記比較することに基づいて、前記第1のサンプリング・ユーティリティ又は前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの1つからそれぞれ取得される、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各デジタル化信号において取得されている余剰なサンプルを識別することであって、前記余剰なサンプルが、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリング速度間の差から生じる、ことと、
前記表示への前記ストリーミングの前に、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各前記デジタル化信号から前記余剰なサンプルを除去することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリングクロックが、同様の公称サンプリング速度に近いサンプリング速度で動作する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記表示上に前記ECG信号によって表示される各フレームが、ある最大持続時間を超えない前記ECG信号の時間間隔を提示し、前記基準アナログ信号が、前記ある最大持続時間の間隔内で非周期的かつ非定常である前記第1のアナログ信号のうちの1つとして選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記基準アナログ信号が、遠距離場ECG信号である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスが、前記心臓の手術中に、前記ECG信号をその場で感知するように適合されている複数のECGセンサを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
以下:
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓の探索及び治療のうちの少なくとも1つのために体内へと挿入されるように適合されたカテーテルであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記心臓の手術中に、前記心臓活動をその場で測定するように適合された前記カテーテルの複数のECGセンサに接続されている、
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓を探索するために、身体上で、その外部に配置されるように適合された複数のECGセンサを備える表面ECGデバイスであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記複数のECGセンサに接続されている、の1つ以上である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の医療デバイスが、心内電位図(IEGM)信号を感知するために、手術中に前記心臓内に配置されるように適合されたカテーテルであり、前記基準アナログ信号が、前記カテーテルの少なくとも1つのECGセンサから取得されたECG信号である、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記カテーテルが前記心臓へと挿入されるように適合され、前記カテーテルの複数のECGセンサが、前記カテーテルの動作中に前記心臓の組織に接触するために前記カテーテル内に配置された多数のECGセンサと、少なくとも1つのECGセンサと、を含み、前記少なくとも1つのECGセンサは、前記カテーテルの前記動作中に前記心臓の前記組織から離間されるように前記カテーテル内に配置され、それによって前記少なくとも1つのECGセンサを介して、前記心臓の遠距離場ECG信号を感知することを可能にし、前記遠距離場ECG信号を前記基準アナログ信号として利用する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記心電図に関連付けられた1つ以上の特性を分析又は計算するために、前記同期された第1のデジタル化信号及び第2のデジタル化信号に更なる処理を適用することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
複数の医療デバイスから取得された電位図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするための方法であって、前記方法が、
第1の医療デバイスの第1のユーティリティに関連付けられた第1のデータリンクを介して、前記第1のユーティリティによって規則的にパッケージ化され、前記第1のデータリンクを通じて送信された複数の第1のデジタル化ECG信号を含むデータパケットの第1のシーケンスを受信することと、
第2の医療デバイスの第2のユーティリティに関連付けられた第2のデータリンクを介して、前記第2のユーティリティによって規則的にパッケージ化され、前記第2のデータリンクを通じて送信される1つ以上の第2のデジタル化ECG信号を含むデータパケットの第2のシーケンスを受信することと、
前記第1のデータリンク及び前記第2のデータリンクのそれぞれを通じて規則的に送信されるデータパケットの受信タイミングを監視して、前記データリンクのそれぞれにおける通信呼び出し時間の統計値を決定することと、
前記通信呼び出し時間の前記統計値に基づいて、前記表示への前記ECG信号の前記同期ストリーミングを遅延させる、バッファリング期間を決定することと、
前記表示へのECG信号の同期ストリーミングの初期化時に、前記同期ストリーミングを前記バッファリング期間だけ遅延させることと、
前記第1のデータリンク及び前記第2のデータリンクを通じて受信されたデータパケットの前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスの、前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号を、バッファにバッファリングすることと、
前記バッファから取り出された前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の信号サンプルの連続するセットを、それらのサンプリング順序に従って連続的にパッケージ化して、表示のためにストリーミングされる連続信号フレームのシーケンスを形成することと、
前記バッファリング期間のラップ時に、前記信号フレームを、フレーム速度で前記表示にストリーミングすることと、
それによって前記通信呼び出し時間を軽減し、複数の医療デバイスに関連付けられたデータリンクを介して取得されたECG信号の前記表示への擬似リアルタイム同期ストリーミングを可能にすることと、を含む、方法。
【請求項22】
前記再パッケージ化が、前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の前記信号サンプル間での同期、並びに前記第1のユーティリティ及び前記第2のユーティリティのサンプリング速度間の差の結果として、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号のうちの各デジタル化信号において取得される余剰なサンプルの識別及び除去のために、請求項10に記載の方法を実施することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記再パッケージ化が、前記セットの前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の前記信号サンプルをダウンサンプリングして、前記表示上での提示に好適な解像度を有する前記信号フレームを形成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記信号フレームを形成するために使用される信号サンプルの前記連続するセットのうちの前記連続的なセットが、重複する信号サンプルを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のデータリンク及び前記第2のデータリンクのそれぞれの前記通信呼び出し時間の標準偏差をそれぞれ決定することと、前記通信呼び出し時間の前記標準偏差のうちの最大標準偏差の所定の倍数に一致するように、前記バッファリング期間を設定することと、を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記バッファリング期間が、前記ストリーミングに対して許容される所定の最大バッファリング期間を超えず、前記呼び出し時間の前記最大標準偏差の少なくとも3倍の倍数に設定されている、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理学的信号の信号処理の分野に関し、特に、医療デバイス中の心電図モニタリングに使用される心電図(electrocardiogram、ECG)電位図(electrogram、EGM)、及び心内電位図(intracardiac electrogram、IEGM)などの、生体電位信号の同期に関する。
【背景技術】
【0002】
幅広い医療デバイスでは、カテーテルなどのプローブを患者の体内に置くことを伴う。このような類のプローブ、すなわちカテーテルが極めて有用であることが分かっている1つの医療デバイスは心不整脈治療におけるものである。心不整脈及び心房細動は、とりわけ、高齢者群ではよくある危険な医学的病気として特に根強く残る。
【0003】
心不整脈の診断及び治療として、心臓組織、とりわけ、心内膜及び心臓容積の電気的性質をマッピングすることと、電気印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることとが挙げられる。カテーテルは、このような処置中に心腔内へと挿入され、任意選択で心腔の周囲へと挿入される。ほとんどの処置では、複数のカテーテルが患者へと挿入される。カテーテルは、マッピングカテーテル、アブレーションカテーテル、温度感知カテーテル、及び画像感知カテーテルを含んでもよい。いくつかのカテーテルは、解剖学的構造の特定の部分、例えば、冠静脈洞、食道、心房、心室への配置専用である。カテーテルは複数の電気チャネルを有し、各カテーテルに含まれるセンサ及び電極の数に応じて、他の電気チャネルよりも多いチャネルを有するものが存在する。カテーテルの数及びタイプは、処置及び医師が好むワークフローに応じて変化する。処置中、心臓の電気的活動は、カテーテル電極及びセンサから、並びに患者の皮膚に取り付けられた体表面電極から監視される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書に開示される主題をよりよく理解し、実際にその主題をどのように実施することができるのかを例示するために、ここで添付の図面を参照しながら単なる非限定的な実施例を用いて実施形態について説明する。
【
図1】本発明の一実施形態による、カテーテルベースの電気生理学的マッピングシステム10を示す概略図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、同期システム及び方法とともに使用するために好適な基準信号を提供するように適合されたカテーテルの概略図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による、ECG信号同期システム100の構成を示すブロック図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による、デジタル化ECG信号間で同期するための方法180を示すフロー図である。
【
図4A】本発明のその他の実施形態による、ECG信号同期システム100の構成を示すブロック図である。及び
【
図4B】本発明の別の実施形態による、デジタル化ECG信号間で同期するための方法190を示すフロー図である。
【0005】
本発明の図面では、本発明の同様のモジュール/要素、又は同様の機能を有する要素/モジュールを示すために同様の参照番号が使用される。したがって特に明記しない限り、本発明の特定の実施形態に関するモジュール/要素の説明は、このようなモジュール/要素が組み込まれる本発明の全ての実施形態に適用されると理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
最近の技術的進歩により、カテーテルに含めることができるセンサ及び電極の数は著しく増加している。例えば、いくつかの診断カテーテルは、心室内の電気的活動を感知するための50個以上の生体電位センサ(例えば、電極)を伴う遠位端部を含む。多数の電極は、医師が、心腔内の複数の位置から電気的活動を同時に捕捉することを可能にする。カテーテル上の位置センサは、電気的活動がサンプリングされた位置を記録する。遠位端部上の電極は、心臓の組織壁と係合し、近距離場生体電位信号を感知するように構成された電極を含み、血液プールに浸漬され、遠距離場生体電位信号(複数可)を感知するように構成された基準電極もまた、含んでもよい。遠距離場信号は、心臓の組織壁と係合し、近距離場信号を感知するように構成されている電極によって捕捉され得る任意の遠距離場成分を除去するために使用されてもよい。
【0007】
高密度カテーテルから信号を収集することを可能にする新規のシステム及び方法(例えば、医療デバイス)が当該技術分野において必要とされている。医療手術施設において既に展開されている従来の医療デバイスは、典型的には、例えば50個以上の生体電位センサ(例えば、ECG電極)を有する高密度(High Density、HD)カテーテルから感覚信号を収集し、同時にサンプリングするための限られたチャネルを有するが、このようなHDカテーテルの全ての感覚チャネルに対応することはできない。医療手技(診断及び/又は治療)中、医師に同期して表示するために、複数の医療デバイスの全てのセンサ(ECGセンサ)からの出力をストリーミングする必要がある。しかしながら、体表面電極及びその他のカテーテルから生体電位信号(心電図、ECG)を収集し、サンプリングし、更に通信するように一般に適合される、既存の/配備されたハードウェアは、一般に、高密度カテーテル(複数可)から取得される追加の感覚信号を更に収集し、サンプリングし、通信するには好適ではない。HDカテーテルからの信号を収集し、サンプリングし、及び/又は通信するための従来のハードウェアを単に追加しただけでは(例えば、体表面電極のようなその他の電気生理学的装置の信号のために使用される既に配備されたハードウェアとは別個に)、その他の電気生理学的装置からの信号と一緒に、HDカテーテルからの信号の同期されたサンプリング及び/又は通信を容易にしない。その1つの理由は、このように追加されたハードウェアは一般に、同じサンプリングクロックを共有せず、既に配備された医療デバイスは、そのサンプリングクロックと追加されたハードウェアのサンプリングクロックとの直接同期を容易にしない、ということである。別の理由は、追加されたハードウェア及び既存のハードウェアが、それによって取得/サンプリングされた信号を(例えば、表示へのストリーミングのために)別個の通信データリンクを通じて通信することであり、これは通信に異なる呼び出し時間をもたらす場合がある。
【0008】
したがって、本発明は、これらの問題を解決して、HDカテーテルから得られた生体電位信号を、その他の電気生理学的装置、例えば、体表面電極及びその他のカテーテルから得られた生体電位信号と同期してストリーミングすることを可能にするための新規なシステム及び方法を提供する。特に、特定の態様において、本発明は、(例えば、既に配備されている)既存の医療デバイスを交換する必要なく、このような同期ストリーミングを達成することを容易にし、したがって、費用効果的な方法で既存の医療施設にHDカテーテルの使用を組み込むことを可能にする。
【0009】
本発明の特定の態様によれば、既存のハードウェア及び追加されたハードウェアによってサンプリングされた信号間のサンプル同期は、HDカテーテルから取得された感覚信号とその他の電気生理学的装置から取得された感覚信号との間の同期をとるために、HDカテーテルのセンサのうちの1つからの出力(本明細書では、以下、「基準アナログ信号(reference analog signal)」とも称される)を利用することによって達成されてもよい。基準アナログ信号は分割され、既存のハードウェア及び追加されたハードウェアの両方によるサンプリングのために提供され、それによって、それぞれの既存のハードウェア及び追加されたハードウェアのサンプリングクロックに従って基準アナログ信号のサンプリングを提示する2つのデジタル基準信号をもたらす。実際に、これらのサンプリングは同期されない場合があるので、余剰なサンプル(複数可)は、それらがサンプリングされるサンプリングクロックの差に起因して、所与の期間の間、2つのデジタル基準信号のいずれか1つに含まれる場合がある。しかしながら、2つのデジタル基準信号は、共通の基準アナログ信号からサンプリングされるので、このような余剰なサンプル(複数可)は、2つのデジタル基準信号の比較によって識別され得る。次に、識別された余剰なサンプル(複数可)は、それらが存在するそれぞれのデジタル信号から除去され、したがって、2つのサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされたデジタル信号のサンプルを同期させ、表示へのそれらの同期ストリーミングが可能となる。デジタル基準信号間の比較は、表示された信号における明らかな情報ギャップを回避しながら、デジタル信号間の連続的な同期を維持するように、各時間において単一の余剰なサンプル又はわずか数個の余剰なサンプル(例えば、最大3個)を識別及び除去するために十分な頻度で実行され得る。
【0010】
正確で明確な余剰なサンプルの識別によって、サンプルの同期の上記の処置を容易にするために同期のための基準アナログ信号として使用するために選択される信号は、次のような特定の前提条件:信号が、連続的に非定常(例えば、連続的に一定でない値を持つ)でなければならないこと、信号が、少なくとも第1のデジタル基準信号と第2のデジタル基準信号との間の余剰なサンプル(複数可)を識別するために、比較が実行される時間間隔のそれぞれの持続時間にわたって非周期的でなければならないこと、を満たす必要がある。
【0011】
本発明者らは、遠距離場生体電位信号、例えば、HDカテーテルから取得される遠距離場IEGMが同期のためのこれらの前提条件を満たし、同期のための基準信号として使用するために好適であることを見出した。これは、以下の理由による:1.遠距離場生体電位信号は、例えば、電極の組織(例えば、皮膚/心臓壁)への接触又は近接に基づいてのみ捕捉されることになる近距離場信号とは対照的に、医療手技中に常に存在する。2.遠距離場生体電位信号は生体信号であり、したがって、周期的ではない。したがって、本発明の特定の実施形態では、遠距離場生体電位信号、例えば、遠距離場から取得されたもの(HDカテーテルのIEGMセンサ)が、上記で説明され、以下でより詳細に説明される同期プロセスのために使用される基準アナログ信号として、具体的に選択される。
【0012】
代表的なカテーテル系の電気生理学的マッピング及びアブレーションシステム10を示す
図1を参照する。システム10は複数のカテーテルを含み、これらのカテーテルは医師24によって、経皮的に患者の脈管系を通して心臓12の室又は脈管構造へと挿入される。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の位置の近傍の左心房又は右心房内へと挿入される。その後、1つ以上のカテーテルを送達シースカテーテルへと挿入して、心臓12内の所望の位置に到達させてもよい。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含んでもよい。IEGMを感知するように構成された例示的なカテーテル14が本明細書に示されている。医師24は、心臓12における標的部位を感知するために、カテーテル14の遠位先端部28を心臓壁と接触させて配置してもよい。アブレーションのために、医師24は同様に、アブレーションカテーテルの遠位端部を組織のアブレーションのための標的部位に接触させて配置してもよい。
【0013】
カテーテル14は、遠位先端部28において、複数のスプライン22にわたって任意選択で分布され、IEGM信号を感知するように構成された1つ、好ましくは複数の電極26を含む例示的なカテーテルである。カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために遠位先端部28内又はその近傍に埋め込まれた位置センサ29を追加的に含んでもよい。任意選択で、かつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む、磁気ベースの位置センサである。
【0014】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む、位置パッド25とともに動作してもよい。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム(実時間)位置は、位置パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡されてもよい。磁気ベースの位置検知技術の詳細は、米国特許第5,5391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されている。
【0015】
システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に方向付けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それによって、各電極の位置を電極パッチ38を通じて三角測量してもよい。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されている。
【0016】
レコーダ11は、体表面心電図(ECG)電極18で捕捉した心電
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉した心内電位図(IEGM)を記録し、表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0017】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含んでもよい。アブレーションエネルギー生成器50によって生成されるエネルギーは、不可逆電気穿孔法(irreversible electroporation、IRE)をもたらすために使用され得るような、単極性若しくは双極性の高電圧直流パルスを含む高周波(radiofrequency、RF)エネルギー若しくはパルス・フィールド・アブレーション(Pulsed-Field Ablation、PFA)エネルギー、又はこれらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0018】
患者インターフェースユニット(Patient Interface Unit、PIU)30は、カテーテル及び/又はその他の電気生理学的装置などの医療装置と、システム10の動作を制御するためのワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の医療デバイスは、例えば、1つ以上のカテーテル、位置パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11等の電気生理学的装置を含んでもよい。任意選択で、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0019】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティング・ソフトウェアがその内部に記憶されたメモリ又は記憶装置を有する、プロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能とを含む。ワークステーション55は、任意選択で、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデリングし、モデル又は解剖学的マップを表示デバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス20(又はその他のデータ)をレンダリングされた解剖学的マップ上に重ね合わされた代表的な視覚的表示又は画像で表示デバイス27上に表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイムの位置及び配向を表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加された箇所などの関心部位を表示デバイス27上に表示することと、を含む、複数の機能を提供してもよい。システム10の各要素を具現化する1つの市販製品は、バイオセンス・ウェブスター社(Biosense Webster,Inc.31A Technology Drive,Irvine,CA,92618)から市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0020】
本実施例において、カテーテル14は、例えば、50個以上の生体電位センサ(ECG電極)を有する高密度(HD)カテーテル14である。このような高密度カテーテル14の一実施例が
図2に概略的に示されている。HDカテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するためにシャフト14Hの遠位端部28内又はその近傍に通常埋め込まれた位置センサ29を有するシャフト14Hを含む。この特定の非限定的実施例におけるHDカテーテル14は、シャフト14Hを通過するプッシャロッド14Pと、多数の近距離場心内電位図センサ/電極26が配置された複数のスプライン22と、を含む。スプライン22は、遠位端部の近傍に配置され、プッシャロッド14Pを移動させることによって、カテーテルから外向きに偏向可能であり得る拡張可能な遠位端部アセンブリを形成し、それによって、カテーテルが心臓内に位置する場合に近距離場信号IEGM信号(例えば、活性化生体電位信号)を感知するために、近距離場心内電位図センサ/電極26を心臓の組織壁と接触するように係合させる。カテーテル14はまた、(この実施例では、プッシャロッド14P上に配置された)遠距離心内電位図センサ/電極14Fを含む。遠距離場IEGMセンサ/14Fは、遠距離場生体電位信号(遠距離場IEGM)を測定/感知するために、血液プールに浸漬されながらカテーテルの動作中に心内膜組織から離間して維持されるように構成されている。この目的のために、遠距離IEGMセンサ/電極14Fは、一般的に、近距離電極26より大きく、遠距離IEGM信号を感知するために十分な感度を持つように構成されている。遠距離場信号は、例えば、近距離場電極26によって捕捉され得る遠距離場成分を除去するために使用され得る。
【0021】
「生体電位信号/生体電位センサ」という用語は、本明細書では、限定されるものではないが、心電図(ECG)、電位図(EGM)、及び心内電位図(IEGM)などの電気生理学的信号又はそのセンサを示すために使用されることを理解されたい。一般性を失うことなく、「心電図及びECG」という用語は、本明細書では、任意のタイプの生体電位信号を一般に指定するために互換的に使用されることにもまた留意されたい。これに関連して、生体電位信号に関する「遠距離場」という用語は、本明細書では、患者の体組織と接触することなく(例えば、測定中に、組織から離間/分離されて維持されるが、血液プールなどの体液中に浸漬される可能性がある)好適な遠距離場センサ/電極によって測定されるECG、EGM、及びIEGMなどの生体電位信号を示すために使用されることに留意されたい。逆に、「近距離場」という用語は、本明細書では、測定を行うために患者の体組織(例えば、皮膚組織又は心臓内組織)に接触するように設計されたセンサ/電極によって測定される生体電位信号に関して使用される。
【0022】
図1に戻ると、上述したように、患者の身体/皮膚の外部に取り付けられた複数のECGパッチを含む電気生理学的装置、例えば、表面ECG装置38、及び追加のカテーテル(特に図示せず)などのその他の電気生理学的装置は、PIU30に接続されるが、このPIUは、これらの電気生理学的装置とワークステーション55との間の電気通信を容易にする。PIU30は、例えば、それに接続された電気生理学的装置から受信した信号にアナログ-デジタル変換(サンプリング)を適用するように、かつ/又はこれらの信号をデータパケットにパックし、それらをワークステーション55に通信するように適合されてもよい。
【0023】
しかしながら、システム10、例えば、医療手術施設に既に配備されているシステムでは、PIU30は感覚信号を収集し、同時にサンプリング/パッキングするための限られたチャネルを有する場合があり、
図2に例示されるようなHDカテーテル14の多数の電極26によって提供される多数の感覚チャネルに対応することができない。
【0024】
したがって、いくつかの実装形態では、システム10は、PIU30の機能を補完/拡張してHDカテーテル14などの追加の医療デバイスのシステム10への接続を可能にするように構成され、かつ動作可能である追加のシグナル処理ユニット(SPU)31を含む。SPU31は、PIU30を補完し、システム10への追加の医療装置の接続をサポートするように上述したPIU30と同様の1つ以上の機能性(必ずしも全てのPIS機能性ではない)を有するように構成され、かつ動作可能である。例えば、SPU31は、HDカテーテル14又はその他の電気生理学的装置からの信号を収集及びサンプリング/パッキングするための、並びに場合によっては、このような電気生理学的装置をアブレーションエネルギー発生器50及び/又はレコーダ11に接続するためのインターフェースを提供する。更にSPU31は、任意選択で、それに接続されたカテーテルの位置のリアルタイム計算を実装するための、又はECG計算を実行するための処理能力を実装してもよい。
【0025】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム10の同期サブシステム100の構成を示すブロック図である
図3Aを参照する。本実施形態では、SPU31及びPIU30のそれぞれは、それぞれのサンプリング・ユーティリティ120A及び120Bを含む。サンプリング・ユーティリティ120A及び120Bはそれぞれ、それに接続されるそれぞれの医療デバイスによって感知されるアナログ生体電位信号をサンプリングし、それらをデジタル化生体電位信号151及び152に変換し、更にそれらをワークステーション55に通信するように構成され、かつ動作可能である。ワークステーション55は次に、表示27上に表示するために、これらの生体電位信号151及び152のうちの少なくともいくつかを処理する(一方で、任意選択で、ECG計算、マッピング、記録などのその他の処理を実行するためにもこれらの信号を利用する)。
【0026】
SPU31及びPIU30のそれぞれのサンプリング・ユーティリティ120A及び120BのサンプリングクロックCLK1及びCLK2は、本質的に同期されていないので(例えば、SPU31及びPIU30は、それらのサンプリングクロックを同期させるための直接同期手段を含まなくてもよい)、そのワークステーション55はそこから取得された信号を同期させ、それによってこの同期の欠如を補償するように構成されている。
【0027】
それを達成するために、HDカテーテル14の1つの選択されたセンサチャネル121Rは、スプリッタ33によって分割され、SPU31(HDカテーテル14の残りのセンサチャネル121が接続される)と、それによるサンプリングのためのPIU30内の利用可能ポートとの両方への接続のために向けられる。スプリッタ33は、例えば、ケーブル統合信号スプリッタ又は信号スイッチ等の任意の好適な信号スプリッタ33であってもよい。このようにして、SPU及びPIUの両方は、この特定の実施例では、HDカテーテル14の感覚チャネルから(例えば、その遠距離場IEGMセンサから)取得される共通のアナログ生体電位信号121R(本明細書では、参照アナログ信号と称される)をサンプリングする。次に、SPU31及びPIU30それぞれによる、その共通のアナログ生体電位信号121Rのサンプリングから取得されたデジタル化基準信号151R及び152Rは、ワークステーション55の同期システム100に提供され、以下に説明するように、SPU31及びPIU30のサンプリング・ユーティリティ間の同期不足を識別し、補正するために使用される。
【0028】
この目的のために、同期システム100は、それに接続された複数の医療機器、例えば、110A及び110Bの生体電位センサ(ECG及び/又はIEGM電極など)111A、111Bによって感知される複数のアナログ生体電位信号から2つ以上の非同期サンプリング・ユーティリティ120A及び120Bによってサンプリングされるデジタル生体電位信号151及び152の間で同期させるように構成されており、かつ動作可能である。より具体的には、この実施形態では、システム100は、第1の非同期サンプリング・ユーティリティ120A及び第2の非同期サンプリング・ユーティリティ120Bによって、それぞれサンプリングされる、第1の複数のデジタル化信号151及び第2の複数のデジタル化信号152のサンプルを同期させるように適合されたシンクロナイザ(周辺制御装置)150を含む。それを達成するために、シンクロナイザ150は、第1のサンプリング・ユーティリティ120Aによって取得され、第1のサンプリング・ユーティリティによる基準アナログ信号121Rのサンプリングから取得される第1のデジタル化基準信号151Rを含む第1の複数のデジタル化信号151を受信し、また、第2のサンプリング・ユーティリティ120Bによって取得され、第2のサンプリング・ユーティリティによる基準アナログ信号121Rのサンプリングから取得される第2のデジタル化基準信号152Rを含む第2の複数のデジタル化信号152を受信する。
【0029】
シンクロナイザ150は、第1のデジタル化基準信号121R及び第2のデジタル化基準信号151Rを比較して、第1のサンプリング・ユーティリティ120A及び第2のサンプリング・ユーティリティ120Bの間のサンプリング速度の差による、それらのサンプル間の不一致を識別するように適合された比較器154を含む(これは、第1の基準信号及び第2の基準信号が同じ下層アナログ基準信号152Rのコピーからサンプリングされるという事実に基づく)。特に、比較器154は、2つのデジタル化基準信号間のシフトが1つの完全なデジタル化サンプル以上であるときを識別するように適合され、その場合、第1のサンプリング・ユーティリティ120A及び第2のサンプリング・ユーティリティ120Bからの信号を同期させるために除去されるべき1つ(又は任意選択でいくつかのサンプル、例えば3つ)の余剰なサンプルがある。1サンプルよりも小さいシフトが識別される場合、余剰なサンプルを除去する必要はなく、シフトが、1サンプル以上の持続時間に成長するまで、第1のサンプリング・ユーティリティ120A及び第2のサンプリング・ユーティリティ120Bからの信号が同期されていると見なされ得ることに留意されたい。更に、シンクロナイザ150は、比較器154によって識別された結果/不一致に基づいて、複数の第1のデジタル化信号151のサンプルを複数の第2のデジタル化信号152のサンプルと同期させるように適合されたサンプルプロセッサ156もまた含む。より詳細には、比較によって識別された余剰なサンプルに基づいて、サンプルのプロセッサ156は、表示にストリーミングされるべき第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号のうちの一方の各デジタル化信号における一連のサンプルを修正して、このような各デジタル化信号における一連のサンプルが同じ時間フレームに対する第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号のうちの他方の信号の一連のサンプルに対応するようにする。サンプルのプロセッサ156は、それによって、第1の複数のデジタル化信号151及び第2の複数のデジタル化信号152の同期信号151S及び152Sをそれぞれ提供する。
【0030】
したがって、システム100は、表示27上に、それらの生体電位信号151S及び152Sを提示するために、同期生体電位信号151S及び152Sに基づいて形成された信号フレームを同時にストリーミング/提供するように構成され、かつ動作可能なストリーマ170(例えば、及び/又は表示アダプタ)を含んでもよい。
【0031】
システム10の様々な実装形態では、システム100によって同期された生体電位/ECG信号は、必ずしも表示のために使用されるわけではなく、又は表示のためだけでなく、医療手術のために必要とされ得る追加の処理の適用のために、又はその更なる分析のために、又は患者の病状のために使用されることを理解されたい。例えば、システム100によって同期される生体電位信号/ECG信号は、更なる分析のために記憶されてもよい、及び/又は計算解剖学的マップに関連してその印を表す、及び/又はアブレーションエネルギーが印加された位置等の着目部位に対するそれらの関係を表示する活性化シーケンスiのために使用されてもよい。
【0032】
次に、上述したシステム100の動作を、本発明の実施形態に従って、非同期サンプリング・ユーティリティによってサンプリングされたデジタル化生体電位信号間を同期させるための方法180を示すフロー図が示されている
図3Bを参照して、より詳細に説明する。
【0033】
181では、選択されたアナログ基準信号121Rが、非同期サンプリング・ユーティリティ120A及び120Bのそれぞれによるサンプリングのために提供される。好ましくは、本発明の様々な実施形態において、医療デバイスのうちの1つ、本例110Aによって感知された遠距離生体電位信号(例えば、遠距離ECG/IEGM)は、基準アナログ信号として機能するように選択/設定され、両方/各サンプリング・ユーティリティによってサンプリングされる121Rである。
【0034】
医療デバイス110Aからの、及び場合によっては111Aなどの追加の医療デバイスからの、アナログ生体電位信号121は、アナログ基準信号121Rのサンプリングと同時に、第1のサンプリング・ユーティリティ120Aによってサンプリングされる。したがって、第1のサンプリング・ユーティリティ120Bによるサンプリングは、182において提供される第1の複数のデジタル化信号151をもたらす。183に示すように、このようにして提供された第1の複数のデジタル化信号151は、信号121のサンプリングとともに、第1サンプリング・ユーティリティ120Aによるアナログ基準信号121Rの同時サンプリングによって取得される第1の基準デジタル化信号151Rを含む。
【0035】
同様に、医療デバイス110Bからのアナログ信号122、及び場合によっては111Bなどの追加の医療デバイス(複数可)からのアナログ信号は、第2のサンプリング・ユーティリティ120Bによって、第2のサンプリング・ユーティリティ120Bによるアナログ基準信号121Rのサンプリングと同時にサンプリングされる。したがって、184に提供されるのは、第2のサンプリング・ユーティリティ120Bによってサンプリングされた第2の複数のデジタル化信号152である。185に示されるように、第2の複数のデジタル化信号152は、信号122のサンプリングとともに、第2のサンプリング・ユーティリティ120Bによるアナログ基準信号121Rの同時サンプリングによって取得される第2基準デジタル化信号152Rを含む。
【0036】
それぞれのサンプリング・ユーティリティ120A及び120BのサンプリングクロックCLK1及びCLK2は、同様の公称サンプリング速度で動作するように周波数で動作するが、それらは、同様の公称サンプリング速度で動作するように設計されていてもよい。これは、例えば、製造ばらつき、又はクロックの動作周波数に影響を及ぼす(例えば、周波数ドリフトに影響を及ぼす)任意の数の環境条件若しくは電源条件に起因する場合がある。サンプリングクロックの周波数は、例えば20kHz程度であるが、これらの周波数間の差は実際には、実質的により低くてもよい(例えば、20000Hzの公称周波数に対してクロックの一方が動作し、その公称周波数及び他方が1Hz以上でドリフトし、例えば19999Hzで動作してもよい)。一般に、サンプリング・ユーティリティ120Aと120Bとの間の周波数差は、必ずしも一定又は固定でなくてもよく、いくつかの実施形態では、様々な条件(例えば、電源又は温度変動)に起因して変動し得ることに留意されたい。したがって、これらの信号のサンプルを同期させるための本発明の技術は、異なるサンプリングクロック間で異なる周波数が一定でない場合の使用にも適合される。
【0037】
したがって、サンプリング周波数の当該変動を考慮して、異なるサンプリング・ユーティリティ120A及び120Bから取得された信号を、それらのサンプリングクロックが同期しているという仮定の下で(例えば、それらの周波数差を認識又は考慮することなく、これらのサンプリング・ユーティリティから取得された順序サンプルに基づいて)連続的に表示しようとすると異なるサンプリング・ユーティリティの表示された信号間のシフトが経時的に累積される。
【0038】
したがって、方法180の方法動作186及び187は、2つのサンプリング・ユーティリティ120A及び120Bによってサンプリングされた信号サンプルを同期させるために、比較器154及びサンプルのプロセッサ156によってそれぞれ実装され、それによって上述の信号シフトを防止/緩和し、医師に信号のコヒーレント(coherent)かつ適時に整合された提示を提供する。
【0039】
186において、比較器154は、第1のデジタル化基準信号151Rと第2のデジタル化基準信号152Rとを(例えば相互相関によって)比較し、それらの間のサンプルの対応するセクションを識別する。したがって、186で実行された比較によって、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2サンプリング・ユーティリティ(例えば、120B)の一方が、より高いサンプリング速度で動作する場合に余剰なサンプル(複数可)が特定される。このような場合、186において実行される比較は、その他のサンプリング・ユーティリティ(例えば、120A)によってサンプリングされたデジタル化基準信号151Rの対応するセクションと比較すると、より高速なサンプリング・ユーティリティ(例えば、120B)によってサンプリングされた2つのデジタル化基準信号152Rのサンプルのセクションにおける余剰なサンプル(複数可)の表示をもたらす。第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティからの信号を同期させるために、動作187において、表示27上に表示されるべきであり、より高いサンプリング速度で動作するサンプリング・ユーティリティ(例えば120B)によってサンプリングされる全ての信号の対応する時間フレームから余剰なサンプルが除去される。
【0040】
この目的のために、動作186並びに後続の動作187は、表示27上に表示されるべき第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティの信号の時間フレーム部分を処理及び同期するために反復的に実行されてもよい。この点に関して、連続する反復は、基準信号の連続する信号部分を比較するために必ず実行され、一般に、いくつかの実施形態では、反復は、各反復において所定の最大数以下の余剰なサンプル閾値の捕捉及び除去を可能にするために十分に小さい間隔で実行されることを理解されたい(一方で好ましくは、不必要な反復を伴うワークステーション55の処理システムにオーバーヘッドを与えないようにそれよりもはるかに頻繁ではない)。
【0041】
本発明の様々な実施形態では、各反復において識別されるべき余剰なサンプルの最大数に関連付けられた所定の閾値は、1つ以上以下の余剰なサンプルが選択され得る(例えば、各反復において識別されるべき、3つまでの余剰なサンプルの閾値)。好ましくは、反復は、各反復(1の閾値)において、最大1つの余剰なサンプルのみの識別を容易にするために、十分に小さい時間間隔で実行される。医師に表示される信号における顕著な情報ギャップ(より多くの数の余剰なサンプルが、一度に/単一フレームから除去される場合に形成され得る、ギャップ)の提示を防止するために、このような小さい閾値(好ましくは、1であり、3を超えない)による動作が重要であり得る。したがって、連続する反復間の最大時間間隔ΔTmaxは、最大余剰なサンプル数閾値ΔSmaxと、第1のサンプリング・ユーティリティが動作し得るサンプリング速度F1と第2のサンプリング・ユーティリティが動作し得るサンプリング速度F2との間の予想される絶対最大差ΔFmaxとに基づいて計算されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、最大時間間隔は、ΔTmax=ΔSmax/ΔFmaxに設定されてもよく、サンプリング速度間の最大差ΔFmaxが10Hzであり、追加サンプル閾値ΔSmaxが1である場合、連続反復は、信号の各100ms時間フレームに対して少なくとも1回実行される。実際には、いくつかの実施形態では、反復は、表示27上に表示されるべき各信号フレームに対して少なくとも1回、又は上述の最大時間間隔ΔTmaxによって必要とされるような場合にはそれより多く実行されてもよい。
【0042】
この目的のために、動作187において、サンプルのプロセッサ156は、サンプリング・ユーティリティ動作によって、より速いサンプリング速度(例えば120B)でサンプリングされる余剰なサンプルをそのサンプリング・ユーティリティから取得される信号の対応するセクションから除去するように動作する。余剰なサンプルの除去は、より高速のサンプリング・ユーティリティの信号から実行され、表示27上に提示される。この点に関して、動作186で実際に識別されるのは、その他のサンプリング・ユーティリティ(例えば、120A)から取得された信号の対応するセクション/時間フレームと比較すると、1つ以上の余剰なサンプル(複数可)が存在する、より高速に動作するサンプリング・ユーティリティ(例えば、120B)から取得された信号のセクション/時間フレームであることを理解されたい。一般に、このような各セクション/時間フレーム内から除去されるべき特定の余剰なサンプル(複数可)は、一般に任意であり得る。それにもかかわらず、本発明のいくつかの実施形態では、追加サンプルの除去によって信号の表示から実質的な情報が失われないことを確実にするために、追加サンプルがこれらのセクションから除去される特定のインデックスの選択に、いくつかの基準が任意選択で適用されてもよい。本発明のいくつかの実施形態において適用され得る1つのこのような基準は、除去されるべき複数の余剰なサンプルが、それらの除去によって表示された信号において明らかなギャップ/ジャンプを形成しないように連続するサンプリングインデックスから除去されないことである(例えば、除去された余剰なサンプルが、まばらに分散されることになる)。いくつかの実施形態で適用され得る別のこのような基準は、信号内のピック/バレーが適切に表示されるように、信号から除去されるべき余剰なサンプルが、信号の極値点からの除去のために選択されない(すなわち、極値点に該当しないサンプリングインデックスにおいて、選択される)ことである。
【0043】
したがって、動作187において、サンプルのプロセッサは、動作186において比較器154によって行われた比較の結果に基づいて、余剰なサンプルが識別される信号のそれぞれのセクション/時間フレームから当該比較によって識別された余剰なサンプルを除去することによって、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティの信号(少なくとも表示されることが意図されているもの)を同期させる(156)。したがって、動作188では、動作187で取得された同期信号は、表示フレーム内にパック/コンパイルされ(例えば、両方のサンプリング・ユーティリティからの複数の同期信号を互いに整列して示す)、表示上に提示するためにストリーミングされてもよい。ストリーミングは、表示のフレーム速度で実行されてもよく、それによって、表示される各フレームは、複数の同期信号の対応する/整列された時間セクションを提示する。したがって、方法180の動作は、表示されたフレームごとに同期信号のセットを準備するために反復的に実行され得る。
【0044】
更に、典型的には本発明の様々な実施形態において、動作186及び187において同期される信号のサンプリング解像度は、(例えば、各表示される時間フレームごとに、表示上に実際に表示される信号のサンプル/表示ドットの数が、同期された信号におけるサンプルの実際の数よりも小さくなるように)表示されるフレームの各時間フレームにおける表示解像度よりも大きくなるように設定されることに留意されたい。したがって、動作188における表示フレームの準備において、動作186及び187から取得された同期生体電位信号151S及び152Sは、表示解像度に一致するようにダウンサンプリングされてもよい。このダウンサンプリングによって、表示フレームからの余剰なサンプルの省略に起因して表示フレームに現れる顕著なギャップを回避することが容易になる(187から得られるような高解像度信号からのまばらな余剰なサンプルの省略のプロセスによって、より低い表示解像度への信号のダウンサンプリングが続き、このような省略によって形成される場合、任意の情報ギャップを平滑化/ぼかすためである)。
【0045】
これに関連して、本発明の発明者らは、遠距離場生体電位信号(遠距離場心内電位図(遠距離場IEGM)など)が、上述の信号同期のための基準アナログ信号121として使用するために特に適していることを認識した。この点に関して、生体電位信号、特に、医療手技中に取得された生体電位信号を同期させるための方法180の信頼できる正確な実装は、同期のための基準信号121として使用されるべき適切な生体電位アナログ信号の適切な選択を必要とする。上述の信号同期の目的のための基準信号121として機能するために好適な生体電位アナログ信号は、医療手技を通して一貫して非定常であるべきであり(例えば、平坦な信号ではない)、少なくとも基準信号として機能するために好適な各表示信号フレームの持続時間(典型的には、約20フレーム/秒(FPS)の表示に対して、50ms程度である)内で非周期的であるべきである。本発明者らは、例えば、HDカテーテル14の遠距離場センサによって取得される遠距離場心腔内電位図(遠距離場IEGM)信号が基準信号121として機能するために好適であることを見出した。実際に、その測定のために構成されたセンサ14Fは、組織と接触せずに信号を測定することを可能にするように高感度であり、結果として組織との接触に関係なく動作を通して非定常信号が取得されるため、また、その比較的高い感度のために遠距離場信号に組み込まれる実質的な雑音を拾い上げ、したがって、遠距離場信号を本質的に非周期的にするため(例えば、少なくとも各表示信号フレームの関連する持続時間内に)、遠距離場生体電位信号は、一般に同期化のための上記の要件を満たす。したがって、PIUがこのようなHDカテーテル14の多数のセンサからの信号のサンプリングをサポートしていない既に配備されたシステム10に対してもHDカテーテル14を同期させて接続する問題は、本発明の技術によって、好ましくはこのようなカテーテルから取得される遠距離場IEGM信号を利用することによって容易になる。
【0046】
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、好ましくは、遠距離場生体電位信号(例えば、カテーテル14から取得される遠距離場IEGM)が上述の同期のための基準アナログ信号121として使用される。これに関して、一般に、本発明の同期のための基準信号として上述した近距離場信号の1つを利用することもまた可能であることが理解されよう。しかしながら、これは、それらの信号のノイズが少なく、したがって、周期的であり得るので(例えば、心臓活動の周期性と一致して)、また、近距離場信号を取得することが、それを感知するセンサ/電極と身体/心臓組織との間に維持される接触に依存し、したがって、組織からのセンサ/電極の脱離の事象において、平坦/定常信号が取得され、上記で説明される同期の実装を防止し得るため、信頼性/一貫性の低い結果を提供し得る。
【0047】
したがって、本発明のいくつかの実施形態における動作方法180の181に戻ると、同期のために使用され、非同期サンプリング・ユーティリティ120A及び120Bのそれぞれによるサンプリングのために提供されるアナログ基準信号121Rは、好ましくは、カテーテル14から取得される遠距離場IEGMなどの遠距離場生体電位信号である。
【0048】
図3Aを参照すると、図示されるように、システム100は、参照番号130、140及び160によって図示されるように、指定されるモジュール/ユーティリティを任意選択で更に含んでもよい。これらのオプションのモジュール/ユーティリティの構成及び動作は、本発明のいくつかの実施形態による同期システム100及び方法190の実施例が示されている以下の
図4A及び
図4Bを参照してより詳細に説明される。
【0049】
上述したように、HDカテーテルからの信号を収集及び通信するためのハードウェアを、その他の電気生理学的装置の信号を収集及び通信するために使用される既存のハードウェアとは別に追加することによって導入され得る別の不一致は、追加されたハードウェア及び既存のハードウェアが一般に、別個の通信データリンクを通じてそれによって取得された信号を通信するが、これは通信に異なる呼び出し時間を導入し得、したがって、追加されたハードウェア及び既存のハードウェアの表示された信号が直接一緒に表示される場合、それらの間に不一致/タイムラグを導入し得るということである。
【0050】
ここで、本発明の別の実施形態による同期システム100の構成及び動作を示す
図4A及び
図4Bを一緒に参照するが、これは、通信/パケット同期を適用して、異なる医療デバイスによって測定され、収集され、異なるハードウェアを通じてシステムに通信される、生体電位信号間を同期させるように適合される。
図4Aは、本発明の一実施形態による同期システム100の構成、及びシステム10のその他のモジュール/ユーティリティとのその接続を示すブロック図である。
図4Bは、システム10の110A及び110Bのような複数の医療機器のセンサによって感知され、それに関連するそれぞれのPIU30及びSPU31ユーティリティによって取得される、生体信号間の同期のための方法190を示すフロー図である。
【0051】
ユーティリティ30及び31は、それぞれ、医療デバイス110A及び110Bに接続されてもよく、任意選択で、111A及び111Bなどの追加の医療デバイスに接続されてもよく、それによって感知されるアナログ生体電位信号121及び122又はデジタル生体電位信号151及び152を受信する。生体電位信号がアナログ形式121及び122で受信される場合、対応するユーティリティ、すなわち、ユーティリティ31及び/又は30は、そのデジタル化形式151及び152を得るために、それぞれの信号をサンプリングするように適合されたそれぞれのサンプリング・ユーティリティ120A又は120Bを含んでもよい。TSPU31及びPIU30ユーティリティはまた、データ通信ネットワークNETを通じて、それに関連付けられたそれぞれのユーティリティとワークステーション55との間にそれぞれの通信データリンク145A及び145Bを確立するように構成され、かつ動作可能なそれぞれのネットワークアダプタ124A及び124Bを含み、それぞれの通信データリンクは、それによって取得されたそれぞれのデジタル生体電位信号151及び152をワークステーション55に通信するためのものである。
【0052】
ネットワークNETは、例えば、LAN若しくはWIFIなどの任意の好適なデータ通信ネットワーク、又は医療手技中に医療信号をワークステーション55に通信するために実装されるために好適な任意のその他のデータ通信ネットワークであってもよい。ユーティリティ31及び30とワークステーション55との間の通信データリンク145A及び145Bは、例えば、TCP/IPプロトコル又はネットワークを通じたデータパケットの信頼できる(例えば、検証された)通信を提供する同様のプロトコルに基づいて確立されてもよい。この目的のために、ネットワークアダプタ124A及び124Bは、それぞれのユーティリティ31及び30によって取得されたそれぞれの生体信号151及び152をパックし、それぞれの一連の送信データパケット141T及び142Tで送信するが、これらは、ユーティリティ31及び30とワークステーション55との間に確立された対応するデータリンク145A及び145Bを通じてワークステーション55に送信される。生体信号151及び152は、典型的には、一定の速度でサンプリングされ、したがって、一連の送信データパケット141T及び142Tのデータパケットは、典型的には、
図4Aに示されるように、時間tにわたって、実質的に一定の時間間隔Δt1及びΔt2でユーティリティ31及び30によってパックされ、送信される。
【0053】
この実施形態における同期システム100は、異なる医療デバイスによって測定された生体電位信号を収集する、異なる医療ハードウェア(例えば、ユーティリティ31及び30)との通信呼び出し時間を監視し、したがって、これらの通信呼び出し時間にわたって緩和するように信号の表示タイミングを調整して、適時に同期された様式での、それらの共同提示を可能にするように適合される。
【0054】
同期システム100は、それぞれのユーティリティ31及び30と第1の通信データリンク145A及び第2の通信データリンク145Bを確立し、ユーティリティ31及び30によって送信されたシーケンス141T及び142Tに応答して、データパケットのそれぞれの第1の受信シーケンス141R及び第2の受信シーケンス142Rをそれを通じて受信するように構成され、かつ動作可能である、データ通信ユーティリティ130(例えば、ネットワークアダプタ)を含む。この目的のために、受信されたデータパケットの第1のシーケンス141Rは、少なくとも1つの第1の医療デバイス110Aのセンサからサンプリングされ、第1のユーティリティ31によって当該第1の通信リンク145Aを介してパック及び送信される、複数の第1のデジタル化生理学的/生体電位信号151を含み、受信されたデータパケットの第2のシーケンス142Rは、少なくとも1つの第2の医療デバイス110Bのセンサからサンプリングされ、第2のユーティリティ30によって、第2の通信リンク145Bを通じてパック及び送信される複数の第2のデジタル化生理学的/生体電位信号152を含む。
【0055】
上述したように、データパケットの第1のシーケンス141R及び第2のシーケンス142Rは、好ましくは、ワークステーション55によるそれらの一貫した受信を保証するために、TCPなどの信頼できる/検証された通信プロトコルを利用して通信され、それによって、各データパケットによってパックされた信号部分は、データパケットの誤通信による信号情報の損失なしに一貫して/確実に表示27上に表示されてもよい。
【0056】
しかしながら、典型的には、検証された/信頼できる送信プロトコルは、リアルタイム/擬似リアルタイム動作にあまり適しておらず、その通信において可変のタイムラグ/呼び出し時間を導入し得る。通信における可変呼び出し時間の結果として、第1の受信シーケンス141R及び第2の受信シーケンス142Rのそれぞれにおけるデータパケットの受信間の時間間隔、及び場合によっては、それらの受信の順序は、それらの送信141T及び142Tの時間間隔及び順序に対して変化し得る。結果として、これらのデータパケットのそれぞれによって提供される信号151及び152の部分が、実際にフルリアルタイムで(すなわち、データパケットが受信されるとすぐに)表示27に提示される場合、異なる生体電位信号部分の提示間の可変時間遅延が、医師へのそれらの提示において導入されるが、これは、医師への生体電位信号の一貫性のない、場合によっては誤解を招く提示をもたらし得る。
【0057】
システム100は、したがって、生体電位信号の感知とそれらの提示との間のある時間遅延閾値(例えば、最大150ms)を超えない、ある適度な時間遅延を提示に導入して擬似リアルタイムで動作してもよい。このような擬似リアルタイム動作によって、生体電位信号151及び152の医師への一貫し、順序付けられた提示が容易となるが(ネットワーク呼び出し時間を軽減する)、導入されるタイムラグが、医療手術に気付かれない/意味がないほど十分に小さい反面、他方では表示27上の生体電位信号の一貫した提示を確立するには十分であるため、このような適度な遅延を伴う医師への生体電位信号の実際の提示は医療手技を害することがない。
【0058】
それを達成するために、システム100は、データリンクモニタ142及びバッファリング・ユーティリティ145を含むパケットシンクロナイザ140を含む。通信リンクモニタ142は、データ通信ユーティリティ130に接続され、第1のデータリンク145A及び第2のデータリンク145Bのそれぞれを通じて受信されるデータパケット・シーケンス141R及び142Rのデータパケットの受信タイミングを監視するように適合される。通信リンクモニタ142は、それによって、第1のデータリンク145A及び第2のデータリンク145Bのそれぞれを通じた、データパケットの通信の呼び出し時間の統計値を決定する。バッファリング・ユーティリティ145は、データリンク145A及び145Bの呼び出し時間の統計値を利用して、データパケット・シーケンス141R及び142Rのデータパケットにおいて提供される、生体電位信号の表示27へのストリーミングを遅延させるバッファリング期間ΔTを決定するように構成され、かつ動作可能である。バッファリング・ユーティリティ145は、データ記憶装置/バッファ147に関連付けられており、データパケット・シーケンス141R及び142Rにおいて提供される第1のデジタル化生体電位信号151及び第2のデジタル化生体電位信号152の部分を、当該バッファ147にバッファリングするように構成され、かつ動作可能である。システム100は、データパケット・シーケンス141R及び142Rのデータパケットをバッファから(例えば、バッファリング期間のラップの後に)連続的に取り出し、バッファ147から取り出された生体電位信号151及び152の部分のサンプルの連続セットをそれらのサンプリング順序に従って再パッケージし、それらを利用して表示27による表示のためにストリーミングされる連続信号フレームのシーケンスを形成するように構成され、かつ動作可能であるフレームパッケージャ160を更に含む。したがって、システム100は、所定の/設定されたフレーム速度で当該信号フレームを表示27にストリーミングするためのバッファリング期間の周回時に動作するように適合されたストリーマ170(例えば、表示アダプタ又はネットワークストリーマによって実装され得る)を含み得るか、あるいはそれと関連付けられ得る。
【0059】
上述したように、本実施形態のシステム100によって同期された生体電位/ECG信号の様々な実装形態は、必ずしも表示のために使用されなくてもよい、又は表示のためだけでなく、任意選択で追加の処理を実行するために使用されてもよい。例えば、システム100によって同期された生体電位/ECG信号は、更なる分析のために記憶されてもよい、及び/又は解剖学的マップに関連してその印を表す活性化シーケンスiの計算、及び/又は必要とされ得るその他の処理のために使用されてもよい。
【0060】
次に、
図4Bに示す方法190のフローチャートを参照してシステム100の動作をより具体的に説明する。
【0061】
データ通信ユーティリティ130によって並行して実行され得る動作191及び192では、データ通信ユーティリティ130は、一般に、第1のデジタル化生体電位信号及び第2のデジタル化生体電位信号又はその一部が、それぞれのデータリンクを通じて受信されるデータパケットの第1のシーケンス及び第2のシーケンスを受信する。
【0062】
データリンク145A及び145Bのそれぞれにおける通信呼び出し時間の統計値は、動作193においてデータリンクモニタ142によって決定される。この目的のために、データリンクモニタは、それぞれの第1のユーティリティ31及び第2のユーティリティ30からのデータパケットの受信タイミングに統計処理を適用し、それによって、標準偏差σA、σB、又は各データリンク145A及び145Bを通じたデータパケットの送信における呼び出し時間の分散をそれぞれ決定するように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、データリンクモニタ142は、それぞれのデータパケットの送信時間に関する情報を取得しなくてもよく、統計計算は、データリンク145A及び145Bのそれぞれを通じて送信されるデータパケットが、実質的に規則的/等しい時間間隔で送信される動作方式を考慮して実行されてもよいことに留意されたい。データパケットが実質的に規則的/等しい時間間隔で、各データリンク145A又は145Bを通して実際に送信されるこのような動作方式は、データパケットがそれによって通信される生体電位信号の同様のサイズ部分(例えば、同様の持続時間/サンプル数の)を搬送する本発明のいくつかの実施形態において実装され得る。代替又は追加として(例えば、データパケットが可変持続時間の生体電位信号部分を搬送し、固定間隔で送信されない場合)、データリンクモニタ142は、それぞれのデータリンク145A及び145Bの呼び出し時間の統計値を決定するために、データパケットの送信時間(それぞれのデータパケット自体において示され得る)とネットワーク通信ユーティリティ130によるそれらの受信タイミングとの両方の情報を利用し得る。当業者であれば、上記のいずれの技術においても、データリンクの呼び出し時間の統計量を決定する方法を容易に理解できることが理解されよう。
【0063】
したがって、呼び出し時間の統計値が与えられると、動作194において、バッファリング・ユーティリティ145は、データパケットを通じて受信される生体電位信号/その一部の表示に同期ストリーミングを遅延させるためのバッファリング期間ΔTを決定する。典型的には、バッファリング期間ΔTは、表示27上の生体電位信号の擬似リアルタイム提示を容易にするために、それぞれのデータリンク145A及び145B、ただし所定の最大バッファリング閾値を超えないΔTMAXの呼び出し時間の統計値における標準偏差σA、σBのうちの最大標準偏差の所定の倍数nに一致するように設定される。例えば、バッファリング期間ΔTは、以下のように設定されてもよい:ΔT=Min(n*Max(σA,σB,ΔTMAX)であり、ここで、所定の倍数nは、2.5~4標準偏差の範囲内(例えば3)に設定されてもよく、最大バッファリング閾値ΔTMAXは、数十ミリ秒、例えば最大150ms又は200msに設定されてもよい。したがって、このように生体電位信号の表示27へのストリーミングを遅延させることにより、信号パケットがその表示に間に合わずに受信されない可能性をなくしながら、擬似的にリアルタイムで信号を表示に表示してもよい。
【0064】
動作195では、表示への生体電位信号151及び152の同期ストリーミングの初期化時に、パケットシンクロナイザ140は、同期ストリーミングをバッファリング期間ΔTだけ遅延させ、動作196では、バッファリング・ユーティリティ145は、第1のデータリンク及び第2のデータリンクを通して、データパケットを通して受信された第1の生体電位信号151及び第2の生体電位信号152を、バッファ147にバッファリング/記憶するように動作する。
【0065】
次に、動作197において、フレームパッケージャ160は、その全ての対応物がデータ通信リンク145A及び145Bを通じて受信された生体電位信号151及び152の部分を提示する(例えば、バッファ147に記憶された)一連の連続信号フレームを生成するように動作する。これは、表示27上に表示されるべき連続信号フレームのシーケンスを形成するために、それらのサンプリング順序に従って、バッファからの第1の複数の生体電位信号及び第2の複数の生体電位信号の信号サンプルの連続セットを、パッケージング及びフォーマットすることを含んでもよい。この点に関して、いくつかの実装形態では、信号サンプルの重複するセットは、表示が経時的な生体電位信号の連続的/平滑な変化を提示するビデオを表示するように、連続信号フレーム内にパッケージ化され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、生体電位信号の信号サンプルのセットのサンプリング解像度は、表示上に生体電位信号を提示する信号フレームの表示/フレーム解像度よりも高いことに留意されたい。このような実施形態では、フレームパッケージャ160は、リサンプラ165を含んでもよいが、このリサンプラは、信号フレーム内で提示されるべき信号のサンプルのセットをリサンプリングしてそれらの分解能を低減し、それらの信号フレーム内での提示を容易にするように構成され、かつ動作可能である。
【0066】
次に、動作198において、バッファリング期間が(動作195における同期ストリーミングの初期化時から)重なり合うと、動作197において形成された一連の連続する信号フレームが、ストリーマ/表示アダプタ170によってストリーミングされ、表示27上に表示される。
【0067】
図4A及び
図4Bのシステム100及び方法190は、それによって、可変呼び出し時間の異なるデータリンクを通じて通信される、異なる医療デバイスの二分化能信号を搬送するデータパケット間で同期するためのパケット同期を提供し、擬似リアルタイムで異なる医療デバイスによって感知される二分化能信号の同期された同時提示を可能にする。
【0068】
いくつかの実施形態では、システム100、例えば、そのフレームパッケージャ160はまた、任意選択で
図3A~
図3Bを参照して上記で説明されるシンクロナイザ150を含む。シンクロナイザ150は、例えば、各信号フレームにパッケージ化された生体電位信号の信号サンプルのセットのサンプル間で同期をとるための、上述の方法180に従って動作してもよい。より具体的には、シンクロナイザは、信号サンプルのセットを処理して、第1のユーティリティ及び第2のユーティリティのサンプリング速度間の差の結果として、セットのうちの1つ以上において取得された余剰なサンプルを識別及び除去し、それによって、異なる医療デバイスの非同期サンプリング・ユーティリティによってサンプリングされたサンプルセット間の任意の非同期を軽減する。このような実施形態では、システム100は、複数の医療デバイスから受信された信号に、パケット同期及びサンプル同期の両方を適用する。
【0069】
本発明は、心電図(ECG)、電位図(EGM)、及び心内電位図(IEGN)などの生体電位信号を特に参照して上述されたことに留意されたい。この点に関して、当業者によって容易に理解されるように、本発明の方法及びシステムは、これらの特定の生体電位信号に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、その他の生体電位信号及び/又はその他の生理学的信号とともに使用するために適合され得る。
【実施例0070】
実施例1.複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするための方法であって、方法は、
第1の基準デジタル化信号を含む複数の第1のデジタル化信号を提供することであって、複数の第1のデジタル化信号が、第1の医療デバイスの複数の第1のECGセンサによって感知された複数の第1のアナログ信号から第1のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、複数の第1のアナログ信号のうちの1つが基準アナログ信号として選択され、第1の基準デジタル化信号が、第1のサンプリング・ユーティリティによる記基準アナログ信号のサンプリングに対応する、ことと、
第2の基準デジタル化信号を含む複数の第2のデジタル化信号を提供することであって、複数の第2のデジタル化信号が、複数の第1のアナログ信号の感知と同時に、第2の医療デバイスの1つ以上の第2のECGセンサによって感知された1つ以上の第2のアナログ信号から、第2のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされた1つ以上の第2のデジタル化信号を含み、第2の基準デジタル化信号が、第1の医療デバイスによって感知された基準アナログ信号から第2のサンプリング・ユーティリティによって同時にサンプリングされる、ことと、
第1のデジタル化基準信号を、第2のデジタル化基準信号と比較することと、
比較に基づいて、複数の第1のデジタル化信号と1つ以上の第2のデジタル化信号との間で、同期することと、
1つ以上の第2のデジタル化信号と同期して、複数の第1のデジタル化信号を、表示に同時にストリーミングすることと、を含む。
【0071】
実施例2.
第1の医療デバイスの複数の第1のECGセンサによって、複数の第1のアナログ信号を感知することと、
同時に、第2の医療デバイスの1つ以上の第2のECGセンサによって、1つ以上の第2のアナログ信号を感知することと、
第1のサンプリング・ユーティリティを用いて、複数の第1のアナログ信号をサンプリングして、第1の基準デジタル化信号を含む複数の第1のデジタル化信号を取得することと、
1つ以上の第2のアナログ信号及び基準アナログ信号を、第2のサンプリング・ユーティリティでサンプリングして、1つ以上の第2のデジタル化信号及び第2のデジタル化基準信号を取得することと、を含む、実施例1に記載の方法。
【0072】
実施例3.同期することが、
比較することに基づいて、第1のサンプリング・ユーティリティ又は第2のサンプリング・ユーティリティのうちの1つからそれぞれ取得される、第1のデジタル化信号又は第2のデジタル化信号の各デジタル化信号において取得されている余剰なサンプルを識別することであって、余剰なサンプルが、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリング速度間の差から生じる、ことと、
表示へのストリーミングの前に、第1のデジタル化信号又は第2のデジタル化信号の各デジタル化信号から余剰なサンプルを除去することと、を含む、実施例2又は3に記載の方法。
【0073】
実施例4.第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリングクロックが、同様の公称サンプリング速度に近いサンプリング速度で動作する、実施例1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
実施例5.表示上にECG信号によって表示される各フレームが、ある最大持続時間を超えないECG信号の時間間隔を提示し、基準アナログ信号が、ある最大持続時間の間隔内で非周期的かつ非定常である第1のアナログ信号のうちの1つとして選択される、実施例1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
実施例6.基準アナログ信号が、遠距離場ECG信号である、実施例5に記載の方法。
【0076】
実施例7.第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスが、心臓の手術中に、ECG信号をその場で感知するように適合されている複数のECGセンサを備える、実施例1~6のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
実施例8.以下:
-第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓の探索及び治療のうちの少なくとも1つのために体内へと挿入されるように適合されたカテーテルであり、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、心臓の手術中に、心臓活動をその場で測定するように適合されたカテーテルの複数のECGセンサに接続されている、
-第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓を探索するために、身体上で、その外部に配置されるように適合された複数のECGセンサを備える表面ECGデバイスであり、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、複数のECGセンサに接続されている、の1つ以上である、実施例7に記載の方法。
【0078】
実施例9.第1の医療デバイスが、心内電位図(IEGM)信号を感知するために、手術中に心臓内に配置されるように適合されたカテーテルであり、基準アナログ信号が、カテーテルの少なくとも1つのECGセンサから取得されたECG信号である、実施例1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
実施例10.カテーテルが心臓へと挿入されるように適合され、カテーテルの複数のECGセンサが、カテーテルの動作中に心臓の組織に接触するためにカテーテル内に配置された多数のECGセンサと、少なくとも1つのECGセンサと、を含み、少なくとも1つのECGセンサは、カテーテルの動作中に心臓の組織から離間されるようにカテーテル内に配置され、それによって少なくとも1つのECGセンサを介して、心臓の遠距離場ECG信号を感知することを可能にし、遠距離場ECG信号を基準アナログ信号として利用する、実施例1~9のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
実施例11.心電図に関連付けられた1つ以上の特性を分析又は計算するために、同期された第1のデジタル化信号及び第2のデジタル化信号に更なる処理を適用することを含む、実施例1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
実施例12.複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に同期ストリーミングするための方法であって、方法が、
第1の医療デバイスの第1のユーティリティに関連付けられた第1のデータリンクを介して、第1のユーティリティによって規則的にパッケージ化され、第1のデータリンクを通じて送信された複数の第1のデジタル化ECG信号を含むデータパケットの第1のシーケンスを受信することと、
第2の医療デバイスの第2のユーティリティに関連付けられた第2のデータリンクを介して、第2のユーティリティによって規則的にパッケージ化され、第2のデータリンクを通じて送信される1つ以上の第2のデジタル化ECG信号を含むデータパケットの第2のシーケンスを受信することと、
第1のデータリンク及び第2のデータリンクのそれぞれを通じて規則的に送信されるデータパケットの受信タイミングを監視して、データリンクのそれぞれにおける通信呼び出し時間の統計値を決定することと、
通信呼び出し時間の統計値に基づいて、表示へのECG信号の同期ストリーミングを遅延させる、バッファリング期間を決定することと、
表示へのECG信号の同期ストリーミングの初期化時に、同期ストリーミングをバッファリング期間だけ遅延させることと、
第1のデータリンク及び第2のデータリンクを通じて受信されたデータパケットの第1のシーケンス及び第2のシーケンスの、第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号を、バッファにバッファリングすることと、
バッファから取り出された第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号の信号サンプルの連続するセットを、それらのサンプリング順序に従って連続的にパッケージ化して、表示のためにストリーミングされる連続信号フレームのシーケンスを形成することと、
バッファリング機関のラップ時に、信号フレームを、フレーム速度で表示にストリーミングすることと、
それによって、通信呼び出し時間を軽減し、複数の医療デバイスに関連付けられたデータリンクを介して取得されたECG信号の表示への擬似リアルタイム同期ストリーミングを可能にすることと、を含む、方法。
【0082】
実施例13.再パッケージ化が、第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号の信号サンプル間での同期、並びに第1のユーティリティ及び第2のユーティリティのサンプリング速度間の差の結果として、第1のデジタル化信号又は第2のデジタル化信号の各デジタル化信号において取得される余剰なサンプルの識別及び除去のために、実施例1に記載の方法を実施することを含む、実施例12に記載の方法。
【0083】
実施例14.再パッケージ化が、セットの第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号の信号サンプルをダウンサンプリングして、表示上での提示に好適な解像度を有する信号フレームを形成することを含む、実施例12又は13に記載の方法。
【0084】
実施例15.信号フレームを形成するために使用される信号サンプルの連続するセットのうちの連続的なセットが、重複する信号サンプルを含む、実施例12~14のいずれか一項に記載の方法。
【0085】
実施例16.第1のデータリンク及び第2のデータリンクのそれぞれの通信呼び出し時間の標準偏差をそれぞれ決定することと、通信呼び出し時間の標準偏差のうちの最大標準偏差の所定の倍数に一致するように、バッファリング期間を設定することと、を含む、実施例12~15のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
実施例17.バッファリング期間が、ストリーミングに対して許容される所定の最大バッファリング期間を超えず、呼び出し時間の最大標準偏差の少なくとも3倍の倍数に設定されている、実施例12~16のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
実施例18.複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするためのシステムであって、システムが、
少なくとも1つの第1の医療デバイス及び少なくとも1つの第2の医療デバイスのECGセンサによってそれぞれ感知された対応する第1の複数のアナログ信号及び第2の複数のアナログ信号から、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティによってそれぞれサンプリングされた第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号を受信するように適合された、シンクロナイザであって、
第1の複数のデジタル化信号が、基準アナログ信号として選択された第1の複数のアナログ信号のアナログ信号から、第1のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、基準ECGセンサとして選択された第1の医療デバイスのECGセンサによって感知される第1の基準デジタル化信号を含み、第2の複数のデジタル化信号が、基準アナログ信号から第2のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、第1の医療デバイスの基準ECGセンサによって感知される第2の基準デジタル化信号を含む、シンクロナイザを、備え、
シンクロナイザが、
-第1のデジタル化基準信号と第2のデジタル化基準信号と、を比較するように適合された、比較器と、
-比較器によって実行された第1の基準信号と第2の基準信号との間の比較の結果に基づいて、複数の第1のデジタル化信号と複数の第2のデジタル化信号とを同期させるように適合された、サンプルプロセッサと、を含み、それによって、第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号の同期信号を取得し、
シンクロナイザが、表示上に表示するために、第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号の同期信号に同時にストリーミングするように適合されたストリーマに関連付けられている、システム。
【0088】
実施例19.サンプルプロセッサが、
-比較の結果に基づいて、第1のサンプリング・ユーティリティ又は第2のサンプリング・ユーティリティのうちの1つからそれぞれ取得された第1の複数のデジタル化信号又は第2の複数のデジタル化信号のうちの1つの各デジタル化信号において取得された余剰なサンプルを識別することであって、余剰なサンプルが、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリング速度間の差から生じる、ことと、
-第1のデジタル化信号又は第2のデジタル化信号の各デジタル化信号から余剰なサンプルを除去することと、によって、複数の第1のデジタル化信号と複数の第2のデジタル化信号との間で同期するように構成されており、かつ動作可能である、実施例18に記載のシステム。
【0089】
実施例20.第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号が、ECG信号であり、表示上にECG信号を表示する各フレームが、ある最大持続時間を超えないECG信号の時間間隔を提示し、基準アナログ信号が、ある最大持続時間の間隔内で非周期的かつ非定常である第1のアナログ信号のうちの1つとして選択される、実施例18又は19に記載のシステム。
【0090】
実施例21.少なくとも1つの第1の医療デバイスが、心内電位図(IEGM)信号を感知するために、心臓内に、その手術中に配置されるように適合されたカテーテルを含み、基準ECGセンサが、手術中に心臓の組織から離間されるようにカテーテル内に配置され、遠距離場ECG信号として基準アナログ信号を取得するように適合されたECGセンサである、実施例20に記載のシステム。
【0091】
実施例22.
-システムが、少なくとも1つの第1の医療デバイス、少なくとも1つの第2の医療デバイス、第1のサンプリング・ユーティリティ、第2のサンプリング・ユーティリティ、及び表示のうちの少なくとも1つを更に含む、
-少なくとも1つの第1の医療デバイス及び少なくとも1つの第2の医療デバイスが、心臓の手術中、その場でECG信号を感知するように適合された複数のECGセンサを備える、
-第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓の探索及び治療のうちの少なくとも1つのために体内へと挿入されるように適合されたカテーテルであり、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、カテーテルの複数のECGセンサに接続されている、
-第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓を探索するために、身体上で、その外部に配置されるように適合された複数のECGセンサを含む表面ECGデバイスであり、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、複数のECGセンサに接続されている、のうちの1つ以上である、実施例18~21のいずれか一項に記載のシステム。
【0092】
実施例23.複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするためのシステムであって、システムが、
第1のユーティリティ及び第2のユーティリティにそれぞれ関連付けられた、第1の通信リンク及び第2の通信リンクを介して、データパケットのそれぞれの第1のシーケンス及び第2のシーケンスを受信するように構成され、かつ動作可能であるデータ通信ユーティリティであって、データパケットの第1のシーケンスが、複数の第1のデジタル化ECG信号を含み、複数の第1のデジタル化ECG信号が、少なくとも1つの第1の医療デバイスのECGセンサからサンプリングされ、第1のユーティリティによって規則的にパッケージ化されて第1の通信リンクを通じて送信され、データパケットの第2のシーケンスが、複数の第2のデジタル化ECG信号を含み、複数の第2のデジタル化ECG信号が、少なくとも1つの第2の医療デバイスのECGセンサからサンプリングされ、第2のユーティリティによって規則的にパッケージ化されて第2の通信リンクを通じて送信される、データ通信ユーティリティと、
パケットシンクロナイザであって、
-データ通信ユーティリティに接続され、第1の通信リンク及び第2の通信リンクのそれぞれを通じて送信されるデータパケットの受信タイミングを監視し、それによって第1の通信リンク及び第2の通信リンクのそれぞれの通信呼び出し時間の統計値を決定するように適合された通信リンクモニタと、
-バッファを含むバッファリング・ユーティリティであって、表示への第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号の同期ストリーミングを可能にするために、データパケットの第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号をバッファリングし、表示へのECG信号のストリーミングを遅延させるバッファリング期間を決定するため、通信呼び出し時間の統計値を利用するように構成され、かつ動作可能であり、表示へのECG信号の同期ストリーミングの初期化時に、バッファリング・ユーティリティが、同期ストリーミングをバッファリング期間だけ遅延させ、第1の通信リンク及び第2の通信リンクを通じて受信されたデータパケットの、第1のシーケンス及び第2のシーケンスの第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号をバッファにバッファリングするように適合されている、バッファリング・ユーティリティと、を含む、パケットシンクロナイザと、
バッファに記憶された第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号の信号サンプルの連続するセットを、それらのサンプリング順序に従って連続的に取り出してパッケージ化し、表示のためにストリーミングされる連続する信号フレームのシーケンスを形成するように構成され、かつ動作可能である、フレームパッケージャと、
信号フレームを、あるフレーム速度で表示にストリーミングするために、バッファリング期間のラップ時に動作するように適合された、トリーマと、を含む、パケットシンクロナイザを含む、システム。
【0093】
実施例24.通信リンクモニタが、データパケットの受信タイミングを処理し、それによって、それぞれ第1の通信リンク及び第2の通信リンクのそれぞれの通信呼び出し時間の標準偏差を決定するように適合され、バッファリング・ユーティリティが、通信呼び出し時間の標準偏差の最大標準偏差の所定の倍数に一致するようにバッファリング期間を設定するように適合されている、実施例23に記載のシステム。
【0094】
実施例25.フレームパッケージャが、実施例18~22のいずれか1つに記載のシンクロナイザを含み、第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号の信号サンプル間で同期し、第1のユーティリティ及び第2のユーティリティのサンプリング速度間の差の結果として、第1のデジタル化信号又は第2のデジタル化信号の各デジタル化信号内で取得された余剰なサンプルを識別し除去するように構成され、かつ動作可能である、実施例23~24のいずれか一項に記載のシステム。
【0095】
実施例26.フレームパッケージャが、第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号をダウンサンプリングして、表示上での提示に好適な解像度を有する信号フレームを形成するように適合されたリサンプラを含む、実施例23~25のいずれか一項に記載のシステム。
【0096】
心電図(ECG)という用語は、上記の実施例及び本開示において、本発明のシステム及び方法が適用され得る任意のタイプの生体電位信号を一般に指定するために使用されることを、理解されたい。
【0097】
上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本開示は、本明細書の上記で特に図示及び記載されるものに限定されない点がまた、理解されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読んで当業者が思いつくであろう、先行技術には開示されていないそれらの変形及び修正を含む。
【0098】
〔実施の態様〕
(1) 複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするための方法であって、前記方法が、
第1の基準デジタル化信号を含む複数の第1のデジタル化信号を提供することであって、前記複数の第1のデジタル化信号が、第1の医療デバイスの複数の第1のECGセンサによって感知された複数の第1のアナログ信号から第1のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、前記複数の第1のアナログ信号のうちの1つが基準アナログ信号として選択され、前記第1の基準デジタル化信号が、前記第1のサンプリング・ユーティリティによる前記基準アナログ信号のサンプリングに対応する、ことと、
第2の基準デジタル化信号を含む複数の第2のデジタル化信号を提供することであって、前記複数の第2のデジタル化信号が、前記複数の第1のアナログ信号の前記感知と同時に、第2の医療デバイスの1つ以上の第2のECGセンサによって感知された1つ以上の第2のアナログ信号から、第2のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされた1つ以上の第2のデジタル化信号を含み、前記第2の基準デジタル化信号が、前記第1の医療デバイスによって感知された前記基準アナログ信号から前記第2のサンプリング・ユーティリティによって同時にサンプリングされる、ことと、
前記第1のデジタル化基準信号を、前記第2のデジタル化基準信号と比較することと、
前記比較に基づいて、前記複数の第1のデジタル化信号と前記1つ以上の第2のデジタル化信号との間で、同期することと、
前記1つ以上の第2のデジタル化信号と同期して、前記複数の第1のデジタル化信号を、前記表示に同時にストリーミングすることと、を含む、方法。
(2) 前記第1の医療デバイスの前記複数の第1のECGセンサによって、前記複数の第1のアナログ信号を感知することと、
同時に、前記第2の医療デバイスの前記1つ以上の第2のECGセンサによって、前記1つ以上の第2のアナログ信号を感知することと、
前記第1のサンプリング・ユーティリティを用いて、前記複数の第1のアナログ信号をサンプリングして、前記第1の基準デジタル化信号を含む前記複数の第1のデジタル化信号を取得することと、
前記1つ以上の第2のアナログ信号及び前記基準アナログ信号を、前記第2のサンプリング・ユーティリティでサンプリングして、前記1つ以上の第2のデジタル化信号及び前記第2のデジタル化基準信号を取得することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記同期することが、
前記比較することに基づいて、前記第1のサンプリング・ユーティリティ又は前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの1つからそれぞれ取得される、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各デジタル化信号において取得されている余剰なサンプルを識別することであって、前記余剰なサンプルが、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリング速度間の差から生じる、ことと、
前記表示への前記ストリーミングの前に、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各前記デジタル化信号から前記余剰なサンプルを除去することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリングクロックが、同様の公称サンプリング速度に近いサンプリング速度で動作する、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記表示上に前記ECG信号によって表示される各フレームが、ある最大持続時間を超えない前記ECG信号の時間間隔を提示し、前記基準アナログ信号が、前記ある最大持続時間の間隔内で非周期的かつ非定常である前記第1のアナログ信号のうちの1つとして選択される、実施態様1に記載の方法。
【0099】
(6) 前記基準アナログ信号が、遠距離場ECG信号である、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスが、前記心臓の手術中に、前記ECG信号をその場で感知するように適合されている複数のECGセンサを備える、実施態様1に記載の方法。
(8) 以下:
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓の探索及び治療のうちの少なくとも1つのために体内へと挿入されるように適合されたカテーテルであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記心臓の手術中に、前記心臓活動をその場で測定するように適合された前記カテーテルの複数のECGセンサに接続されている、
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓を探索するために、身体上で、その外部に配置されるように適合された複数のECGセンサを備える表面ECGデバイスであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記複数のECGセンサに接続されている、の1つ以上である、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記第1の医療デバイスが、心内電位図(IEGM)信号を感知するために、手術中に前記心臓内に配置されるように適合されたカテーテルであり、前記基準アナログ信号が、前記カテーテルの少なくとも1つのECGセンサから取得されたECG信号である、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記カテーテルが前記心臓へと挿入されるように適合され、前記カテーテルの複数のECGセンサが、前記カテーテルの動作中に前記心臓の組織に接触するために前記カテーテル内に配置された多数のECGセンサと、少なくとも1つのECGセンサと、を含み、前記少なくとも1つのECGセンサは、前記カテーテルの前記動作中に前記心臓の前記組織から離間されるように前記カテーテル内に配置され、それによって前記少なくとも1つのECGセンサを介して、前記心臓の遠距離場ECG信号を感知することを可能にし、前記遠距離場ECG信号を前記基準アナログ信号として利用する、実施態様9に記載の方法。
【0100】
(11) 前記心電図に関連付けられた1つ以上の特性を分析又は計算するために、前記同期された第1のデジタル化信号及び第2のデジタル化信号に更なる処理を適用することを含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 複数の医療デバイスから取得された電位図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするための方法であって、前記方法が、
第1の医療デバイスの第1のユーティリティに関連付けられた第1のデータリンクを介して、前記第1のユーティリティによって規則的にパッケージ化され、前記第1のデータリンクを通じて送信された複数の第1のデジタル化ECG信号を含むデータパケットの第1のシーケンスを受信することと、
第2の医療デバイスの第2のユーティリティに関連付けられた第2のデータリンクを介して、前記第2のユーティリティによって規則的にパッケージ化され、前記第2のデータリンクを通じて送信される1つ以上の第2のデジタル化ECG信号を含むデータパケットの第2のシーケンスを受信することと、
前記第1のデータリンク及び前記第2のデータリンクのそれぞれを通じて規則的に送信されるデータパケットの受信タイミングを監視して、前記データリンクのそれぞれにおける通信呼び出し時間の統計値を決定することと、
前記通信呼び出し時間の前記統計値に基づいて、前記表示への前記ECG信号の前記同期ストリーミングを遅延させる、バッファリング期間を決定することと、
前記表示へのECG信号の同期ストリーミングの初期化時に、前記同期ストリーミングを前記バッファリング期間だけ遅延させることと、
前記第1のデータリンク及び前記第2のデータリンクを通じて受信されたデータパケットの前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスの、前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号を、バッファにバッファリングすることと、
前記バッファから取り出された前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の信号サンプルの連続するセットを、それらのサンプリング順序に従って連続的にパッケージ化して、表示のためにストリーミングされる連続信号フレームのシーケンスを形成することと、
前記バッファリング期間のラップ時に、前記信号フレームを、フレーム速度で前記表示にストリーミングすることと、
それによって前記通信呼び出し時間を軽減し、複数の医療デバイスに関連付けられたデータリンクを介して取得されたECG信号の前記表示への擬似リアルタイム同期ストリーミングを可能にすることと、を含む、方法。
(13) 前記再パッケージ化が、前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の前記信号サンプル間での同期、並びに前記第1のユーティリティ及び前記第2のユーティリティのサンプリング速度間の差の結果として、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号のうちの各デジタル化信号において取得される余剰なサンプルの識別及び除去のために、実施態様1に記載の方法を実施することを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記再パッケージ化が、前記セットの前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の前記信号サンプルをダウンサンプリングして、前記表示上での提示に好適な解像度を有する前記信号フレームを形成することを含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記信号フレームを形成するために使用される信号サンプルの前記連続するセットのうちの前記連続的なセットが、重複する信号サンプルを含む、実施態様12に記載の方法。
【0101】
(16) 前記第1のデータリンク及び前記第2のデータリンクのそれぞれの前記通信呼び出し時間の標準偏差をそれぞれ決定することと、前記通信呼び出し時間の前記標準偏差のうちの最大標準偏差の所定の倍数に一致するように、前記バッファリング期間を設定することと、を含む、実施態様12に記載の方法。
(17) 前記バッファリング期間が、前記ストリーミングに対して許容される所定の最大バッファリング期間を超えず、前記呼び出し時間の前記最大標準偏差の少なくとも3倍の倍数に設定されている、実施態様12に記載の方法。
(18) 複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするためのシステムであって、前記システムが、
少なくとも1つの第1の医療デバイス及び少なくとも1つの第2の医療デバイスのECGセンサによってそれぞれ感知された対応する第1の複数のアナログ信号及び第2の複数のアナログ信号から、第1のサンプリング・ユーティリティ及び第2のサンプリング・ユーティリティによってそれぞれサンプリングされた第1の複数のデジタル化信号及び第2の複数のデジタル化信号を受信するように適合された、シンクロナイザであって、
前記第1の複数のデジタル化信号が、基準アナログ信号として選択された前記第1の複数のアナログ信号のうちのアナログ信号から、前記第1のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、基準ECGセンサとして選択された前記第1の医療デバイスのECGセンサによって感知される第1の基準デジタル化信号を含み、前記第2の複数のデジタル化信号が、前記基準アナログ信号から前記第2のサンプリング・ユーティリティによってサンプリングされ、前記第1の医療デバイスの前記基準ECGセンサによって感知される第2の基準デジタル化信号を含む、シンクロナイザを、備え、
前記シンクロナイザが、
前記第1のデジタル化基準信号と前記第2のデジタル化基準信号と、を比較するように適合された、比較器と、
前記比較器によって実行された前記第1の基準信号と前記第2の基準信号との間の比較の結果に基づいて、前記複数の第1のデジタル化信号と前記複数の第2のデジタル化信号とを同期させるように適合されたサンプルプロセッサと、を含み、それによって、前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号の同期信号を取得し、
前記シンクロナイザが、前記表示上に表示するために、前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号の前記同期信号に同時にストリーミングするように適合されたストリーマに関連付けられている、システム。
(19) 前記サンプルプロセッサが、
-前記比較の前記結果に基づいて、前記第1のサンプリング・ユーティリティ又は前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの1つからそれぞれ取得された前記第1の複数のデジタル化信号又は前記第2の複数のデジタル化信号のうちの1つの各デジタル化信号において取得された余剰なサンプルを識別することであって、前記余剰なサンプルが、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのサンプリング速度間の差から生じる、ことと、
-前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各前記デジタル化信号から前記余剰なサンプルを除去することと、によって、前記複数の第1のデジタル化信号と前記複数の第2のデジタル化信号との間で同期するように構成されており、かつ動作可能である、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号が、ECG信号であり、前記表示上に前記ECG信号を表示する各フレームが、ある最大持続時間を超えない前記ECG信号の時間間隔を提示し、前記基準アナログ信号が、前記ある最大持続時間の間隔内で非周期的かつ非定常である前記第1のアナログ信号のうちの1つとして選択される、実施態様18に記載のシステム。
【0102】
(21) 前記少なくとも1つの第1の医療デバイスが、心内電位図(IEGM)信号を感知するために、心臓内に、その手術中に配置されるように適合されたカテーテルを含み、前記基準ECGセンサが、前記手術中に前記心臓の組織から離間されるように前記カテーテル内に配置され、遠距離場ECG信号として前記基準アナログ信号を取得するように適合されたECGセンサである、実施態様20に記載のシステム。
(22) 以下:
-前記システムが、前記少なくとも1つの第1の医療デバイス、前記少なくとも1つの第2の医療デバイス、前記第1のサンプリング・ユーティリティ、前記第2のサンプリング・ユーティリティ、及び前記表示のうちの少なくとも1つを更に含む、
-前記少なくとも1つの第1の医療デバイス及び前記少なくとも1つの第2の医療デバイスが、心臓の手術中、その場でECG信号を感知するように適合された複数のECGセンサを備える、
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓の探索及び治療のうちの少なくとも1つのために体内へと挿入されるように適合されたカテーテルであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記カテーテルの複数のECGセンサに接続されている、
-前記第1の医療デバイス及び前記第2の医療デバイスのうちの少なくとも1つの医療デバイスが、心臓を探索するために、身体上で、その外部に配置されるように適合された複数のECGセンサを備える表面ECGデバイスであり、前記第1のサンプリング・ユーティリティ及び前記第2のサンプリング・ユーティリティのうちの少なくとも1つが、前記複数のECGセンサに接続されている、のうちの1つ以上である、実施態様18に記載のシステム。
(23) 複数の医療デバイスから取得された心電図(ECG)信号の表示に、同期ストリーミングするためのシステムであって、前記システムが、
第1のユーティリティ及び第2のユーティリティにそれぞれ関連付けられた、第1の通信リンク及び第2の通信リンクを介して、データパケットのそれぞれの第1のシーケンス及び第2のシーケンスを受信するように構成され、かつ動作可能であるデータ通信ユーティリティであって、データパケットの前記第1のシーケンスが、複数の第1のデジタル化ECG信号を含み、前記複数の第1のデジタル化ECG信号が、少なくとも1つの第1の医療デバイスのECGセンサからサンプリングされ、前記第1のユーティリティによって規則的にパッケージ化されて前記第1の通信リンクを通じて送信され、データパケットの前記第2のシーケンスが、複数の第2のデジタル化ECG信号を含み、前記複数の第2のデジタル化ECG信号が、少なくとも1つの第2の医療デバイスのECGセンサからサンプリングされ、前記第2のユーティリティによって規則的にパッケージ化されて前記第2の通信リンクを通じて送信される、データ通信ユーティリティと、
パケットシンクロナイザであって、
-前記データ通信ユーティリティに接続され、前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクのそれぞれを通じて送信されるデータパケットの受信タイミングを監視し、それによって前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクのそれぞれの通信呼び出し時間の統計値を決定するように適合された通信リンクモニタと、
-バッファを含むバッファリング・ユーティリティであって、前記表示への前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の同期ストリーミングを可能にするために、前記データパケットの前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号をバッファリングし、前記表示への前記ECG信号のストリーミングを遅延させるバッファリング期間を決定するため、前記通信呼び出し時間の前記統計値を利用するように構成され、かつ動作可能であり、前記表示へのECG信号の同期ストリーミングの初期化時に、前記バッファリング・ユーティリティが、前記同期ストリーミングを前記バッファリング期間だけ遅延させ、前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクを通じて受信されたデータパケットの前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスの前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号を前記バッファにバッファリングするように適合されている、バッファリング・ユーティリティと、を含む、パケットシンクロナイザと、
前記バッファに記憶された前記第1のデジタル化ECG信号及び前記第2のデジタル化ECG信号の信号サンプルの連続するセットを、それらのサンプリング順序に従って連続的に取り出してパッケージ化し、表示のためにストリーミングされる連続する信号フレームのシーケンスを形成するように構成され、かつ動作可能である、フレームパッケージャと、
前記信号フレームを、あるフレーム速度で前記表示にストリーミングするために、前記バッファリング期間のラップ時に動作するように適合されたストリーマと、を含む、システム。
(24) 前記通信リンクモニタが、前記データパケットの前記受信タイミングを処理し、それによって、前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクのそれぞれの前記通信呼び出し時間の標準偏差をそれぞれ決定するように適合され、前記バッファリング・ユーティリティが、前記通信呼び出し時間の前記標準偏差の最大標準偏差の所定の倍数に一致するように前記バッファリング期間を設定するよう適合されている、実施態様23に記載のシステム。
(25) 前記フレームパッケージャが、実施態様18に記載のシンクロナイザを備え、前記第1の複数のデジタル化信号及び前記第2の複数のデジタル化信号の前記信号サンプル間で同期し、前記第1のユーティリティ及び前記第2のユーティリティのサンプリング速度間の差の結果として、前記第1のデジタル化信号又は前記第2のデジタル化信号の各デジタル化信号内で取得された余剰なサンプルを識別し除去するように構成され、かつ動作可能である、実施態様23に記載のシステム。
【0103】
(26) 前記フレームパッケージャが、前記第1のデジタル化ECG信号及び第2のデジタル化ECG信号をダウンサンプリングして、前記表示上での提示に好適な解像度を有する前記信号フレームを形成するように適合されたリサンプラを備える、実施態様23に記載のシステム。