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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003418
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ＦＶＩＩＩ模倣二重特異性抗体を２ヶ月に１回投与する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20241226BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20241226BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20241226BHJP
C07K 16/36 20060101ALI20241226BHJP
【ＦＩ】
A61K39/395 P
A61P7/04
C07K16/46 ZNA
C07K16/36
C07K16/46
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】ＯＬ
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024100610
(22)【出願日】2024-06-21
(31)【優先権主張番号】23181152
(32)【優先日】2023-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】23190896
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511031755
【氏名又は名称】ノヴォ・ノルディスク・ヘルス・ケア・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イリナ・アレクセーエヴナ・マッティシナ
(72)【発明者】
【氏名】マッツ・クレイルガード
(72)【発明者】
【氏名】ワン・フイ・オン・クラウセン
【テーマコード（参考）】
4C085
4H045
【Ｆターム（参考）】
4C085AA14
4C085BB11
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG04
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、血友病Ａ、例えば、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａに罹患している患者に、特定の二重特異性ＦＶＩＩＩ模倣抗体を投与する改善された方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、概して、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａなどの血友病の治療における二重特異性ＦＶＩＩＩ模倣抗体の使用、特に、２ヶ月に１回の投与レジメンなどの疾患の治療のための方法、およびかかる方法で使用するための組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、概して、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａなどの血友病の治療における二重特異性ＦＶＩＩＩ模倣抗体の使用、特に、２ヶ月に１回の投与レジメンなどの疾患の治療のための方法、およびかかる方法で使用するための組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体であって、前記二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記二重特異性抗体が、前記二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記二重特異性抗体が、前記二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項2】
１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される前記用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与された、請求項１に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項3】
前記用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、
負荷用量および毎週１回以上、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の前記２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、請求項１に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
負荷用量および毎週１回以上、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の前記２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、請求項１に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項4】
約４９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の２ヶ月後に投与される、請求項２に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
約１１２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の２ヶ月後に投与される、請求項２に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項5】
約９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約２４ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約５５ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約１．６ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与された、請求項３に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
約２４ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約５５ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約１．６ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与された、請求項３に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項6】
約９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約２９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約６６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、請求項３に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
約２９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約６６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、請求項３に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項7】
約９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約４０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４６ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与された、請求項３に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
約４０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４６ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与された、請求項３に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項8】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、請求項２～７のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項9】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、請求項２～７のいずれかに記載の阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項10】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、請求項４～９のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項11】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、請求項２～７のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項12】
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号７を含み、前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号１２を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７を含み、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２を含む、請求項１～１１のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７を含み、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２を含む、請求項１～１１のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項13】
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号７から成り、前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号１２から成り、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７から成り、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２から成る、請求項１２に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７から成り、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２から成る、請求項１２に記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項14】
約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬの前記二重特異性抗体の平均血漿濃度が、提供される、請求項１～１３のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項15】
阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体であって、前記二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗体が、前記抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、２０ｍｇの前記抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～１８μｇ／ｍＬ、例えば６．５μｇ／ｍＬの範囲の前記抗体の平均血漿濃度が提供される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗体が、前記抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、２０ｍｇの前記抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～１８μｇ／ｍＬ、例えば６．５μｇ／ｍＬの範囲の前記抗体の平均血漿濃度が提供される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項16】
前記二重特異性抗体が、デネシミグである、請求項１～１５のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【請求項17】
前記二重特異性抗体が、約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの前記二重特異性抗体、ならびに
約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、および約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む医薬組成物で投与される、請求項１～１６のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、および約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む医薬組成物で投与される、請求項１～１６のいずれかに記載の、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第ＶＩＩＩ因子模倣抗体を血友病患者に投与する方法に関する。
【0002】
配列表の参照による組み込み
本出願は、電子形式の配列表とともに提出される。配列表の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、電子形式の配列表とともに提出される。配列表の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
血友病ＡおよびＢを有するヒトなどの血液凝固障害を有する患者では、凝固カスケードの様々な工程が、例えば、機能的な凝固因子が欠如しているまたは存在が不十分であることに起因して、機能不全となる。こうした凝固カスケードの一部の機能不全は、不十分な血液凝固および潜在的に生命を脅かす出血、または関節などの内部器官への損傷をもたらす。
【0004】
一般的に血友病Ａと呼ばれる凝固第ＶＩＩＩ因子（ＦＶＩＩＩ）欠損症は、世界中の約４２０，０００人に影響を及ぼす先天性出血障害であり、そのうち約１０５，０００人が現在診断されている。血友病Ａは、１％以下（重度）、２～５％（中等度）、および６～３０％（軽度）（非特許文献１）、または非特許文献２に従って、５～＜４０％の第ＦＶＩＩＩ因子血漿レベルによって定義される３つの重症度のグレードを有する。出血は特発的に、または外傷後に現れ得る。血友病Ａを有する患者の約半数が、重度の血友病Ａを有すると分類され、小児期早期から始まる重度の出血を経験し、以後の人生で、特発性出血または過剰出血の頻繁なエピソードを経験する。出血は一般的に関節および筋肉内に起こり、適切な治療を行わなければ、再発性出血は不可逆的な血友病性関節症につながり得る（非特許文献３）。
【0005】
血友病Ａを有する患者は、外因性ＦＶＩＩＩなどの凝固因子補充療法を受け得る。従来の治療は、出血エピソードの予防法または要求治療として提供される、補充療法から成る。最近まで、重度の血友病Ａを有する患者に対する予防処置は、血漿由来ＦＶＩＩＩもしくは組換えＦＶＩＩＩ、またはその長時間作用型変異体のいずれかを用いた、１週間に最大３回の静脈注射であった。
【0006】
しかしながら、このような患者は、こうした外因性因子に対する中和抗体、いわゆる阻害物質を発生し、以前に効率的だった治療も無効にするリスクがある。阻害物質を有する血友病Ａ患者は、部分的に先天性であり、部分的に後天性である血液凝固障害の非限定的な例である。ＦＶＩＩＩに対する阻害物質が発生した患者は、従来の補充療法で治療することができない。
【0007】
外因性凝固因子は、静脈内にのみ投与される場合があり、これは患者にとってかなりの不便であり、また不快である。例えば、乳児および幼児は、静脈へのアクセスを保証するために、胸部静脈の中へと静脈内カテーテルを外科的に挿入する必要があり得る。これにより、細菌感染症を発症するリスクが非常に高まる。
【0008】
ＦＶＩＩＩ模倣薬エミシズマブ（ＨＥＭＬＩＢＲＡ（登録商標））は、ＡＣＥ９１０としても知られており、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの皮下予防処置について承認されている。エミシズマブは血友病Ａの治療のためにＣｈｕｇａｉ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌｓ／Ｒｏｃｈｅ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌｓによって開発されたヒト化二重特異性抗ＦＩＸ（ａ）／抗ＦＸ（ａ）モノクローナル抗体である。エミシズマブは、ＦＶＩＩＩ補因子機能（非特許文献４および特許文献１を参照されたい）を模倣するように設計されている。
【0009】
特許文献２および特許文献３は、エミシズマブの投与に有用であると記載される投与レジメンを開示している。
【0010】
例えば、特許文献４、特許文献５、および特許文献６もまた、ＦＶＩＩＩ模倣抗ＦＩＸ（ａ）抗ＦＸ（ａ）二重特異性抗体、および血友病Ａの治療のための凝固促進剤としてのそれらの使用を開示する。
【0011】
血友病Ａ、例えば、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａに罹患している患者に、特定の二重特異性ＦＶＩＩＩ模倣抗体を投与する改善された方法が当技術分野で必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第２０１２／０６７１７６号
【特許文献2】国際公開第２０１５／１９４２３３号
【特許文献3】国際公開第２０１８／０４７８１３号
【特許文献4】国際公開第２０１８／０２１４５０号
【特許文献5】国際公開第２０２０／０２５６７２号
【特許文献6】国際公開第２０２１／１５２０６６号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Ｗｈｉｔｅ ｅｔ ａｌ．（２００１）Ｔｈｒｏｍｂ．Ｈａｅｍｏｓｔ．８５：５６０
【非特許文献2】ＷＦＨ“Ｇｕｉｄｅｌｉｎｅｓ ｆｏｒ ｔｈｅ ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ ｏｆ ｈａｅｍｏｐｈｉｌｉａ”２ｎｄ ｅｄｉｔｉｏｎ Ｈａｅｍｏｐｈｉｌｉａ；Ｅｐｕｂ ６ ＪＵＬ ２０１２
【非特許文献3】Ｍａｎｃｏ－Ｊｏｈｎｓｏｎ ｅｔ ａｌ．（２００７）Ｎ．Ｅｎｇｌ．Ｊ．Ｍｅｄ．３５７：５３５－４４
【非特許文献4】Ｓａｍｐｅｉ ｅｔ ａｌ．：（２０１３）ＰＬｏＳ Ｏｎｅ，８，ｅ５７４７９
【発明の概要】
【0014】
本発明は、血液凝固障害に罹患している患者、特に、機能性ＦＶＩＩＩを欠く患者、例えば、阻害物質を伴う血友病Ａ患者を含む血友病Ａ患者において凝固第ＶＩＩＩ因子（ＦＶＩＩＩ）の代わりとして機能する二重特異性抗体を投与する方法に関する。特に、二重特異性抗体は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するのに好適であり、該二重特異性抗体は、ＦＩＸ（配列番号１）またはその活性型、およびＦＸ（配列番号２）またはその活性型と結合することができる。
【0015】
一態様では、本発明は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体であって、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、二重特異性抗体に関する。
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、二重特異性抗体に関する。
【0016】
一実施形態では、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される該用量は維持用量であり、負荷用量は最初の維持用量の前に投与された。そのような一実施形態では、
－約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される。
－約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される。
【0017】
好ましい実施形態では、該二重特異性抗体は、配列番号７を含む第１の重鎖および配列番号１２を含む第１の軽鎖と、配列番号１７を含む第２の重鎖および配列番号２２を含む第２の軽鎖と、を含む（ＩＮＮ名：「デネシミグ（ｄｅｎｅｃｉｍｉｇ）」、場合によっては「Ｍｉｍ８」とも呼ばれる）。
【0018】
一実施形態では、約３μｇ／ｍＬ～約３０μｇ／ｍＬ、約３μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬの範囲、例えば３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬの二重特異性抗体の平均血漿濃度が提供される。
【0019】
一実施形態では、ＰＣＴ／ＥＰ２０２３／０５５２３８、ＰＣＴ／ＥＰ２０２３／０５５２４２、またはＰＣＴ／ＥＰ２０２３／０５５２４０に記載されるように、週１回、２週間に１回、または月１回の投与レジメンに適したデネシミグ負荷用量を受けている患者は、本明細書に記載されるように、２ヶ月に１回の投与レジメンに切り替えられる。
【0020】
一実施形態では、該刊行物に記載されるように、デネシミグ維持用量で週１回、２週間に１回、または月１回治療されている患者は、本明細書に記載されるように、２ヶ月に１回の投与レジメンに切り替えられる。
【0021】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような二重特異性抗体を含む、医薬組成物に関する。
【0022】
一実施形態では、該二重特異性抗体は、本明細書に記載されるような二重特異性抗体を含む、医薬組成物で、ヒト患者に皮下投与される。
【0023】
一部の実施形態では、該二重特異性抗体は、本明細書に開示されるように、負荷用量とそれに続く維持投与量で投与される。
【0024】
別の態様では、本発明は、例えば、注射装置中に二重特異性抗体を含む組成物と、使用のための説明書と、を含む、キットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図2】図２は、患者血漿中のデネシミグ濃度の平均プロファイルを示す。投与前の定量値の下限を下回る測定値は、０に設定された。０の濃度は、ｌｏｇ軸のため１ｅ－２μｇ／ｍＬとして報告されている。縦線は、２つの薬物動態（ＰＫ）セッションを示す。ＰＫセッションの５６～６３日目は、コホート１～３および５（週１回）に使用され、５６～８４日目は、コホート４（４週間に１回）に使用された。平均±ＳＥＭ。
【図3】図３は、ＦＲＯＮＴＩＥＲ１ 複数回漸増用量（ＭＡＤ）部分における観察されたデータに適合するＰＫモデルの視覚的な予測チェックを示す。データポイントは、経時的な個々のデネシミグ血漿濃度である。実線は、観察されたデータの中央値を表し、破線は、モデル予測のデネシミグ血漿濃度対時間中央値を表す。点線は、ＰＫモデルを用いた１０００回の試験シミュレーションからのモデル予測の５番目（下位）および９５番目（上位）のパーセンタイルを表す。全コホートにわたって、モデルによって、傾向線の中央値およびデータの変動性が適切に捕捉される。
【図4】図４は、漸増用量のデネシミグおよび臨床的に推奨される用量のエミシズマブ（ｅｍｉ）で治療された患者のピークトロンビンレベルを示す。血漿試料は、エミシズマブによる治療を開始する、またはエミシズマブによる確立された予防法にある、異なる用量のデネシミグで治療された患者から（ＭＡＤコホート）、治療期間を通した様々な時点で採取した。潜在的なＦＶＩＩＩ活性は、抗ＦＶＩＩＩ抗体の追加により中和され、トロンビン生成試験は、エクスビボで実施された。実線は、抗ＦＶＩＩＩ抗体で血友病Ａ様を作製し、デネシミグまたはエミシズマブの異なる濃度でスパイクした、健康な対象者からのヒト血漿のインビトロ試料を表す。破線は、指定された各コホートの平均デネシミグ血漿濃度（ＣａｖｇはＰＫセッションに基づいて計算された）を表す。
【図5】図５ａ、図５ｂ、および図５ｃは、それぞれＱＭ、Ｑ２Ｗ、およびＱＷで定常状態投薬中の（０～１２週間）、その後、１３週目で表８に例示されている用量でのＱ２Ｍに直接移行した、異なる体重を有する対象者におけるデネシミグの予測された典型的なＰＫプロファイルを示す。ＰＫシミュレーションは、体重に関係なくすべての対象者が、ＦＲＯＮＴＩＥＲ１ ＭＡＤコホート１（Ｃ１）（１μｇ／ｍＬ）に匹敵する最小濃度、およびＭＡＤコホート５（３４μｇ／ｍＬ）で観察された個々の最大濃度により定義されるような治療範囲内のデネシミグ血漿濃度を達成するはずであることを実証する。これは、ＱＷ、Ｑ２Ｗ、およびＱＭ投薬間隔の両方で実証される。「ｓｓ」は、Ｑ２Ｍ投薬に移行する前のデネシミグの定常状態ＰＫプロファイルを指す。
【0026】
配列の簡潔な説明
配列番号１は、ヒト凝固第ＩＸ因子のアミノ酸配列を表す。
配列番号１は、ヒト凝固第ＩＸ因子のアミノ酸配列を表す。
【0027】
配列番号２は、ヒト凝固第Ｘ因子のアミノ酸配列を表す。
【0028】
配列番号３～２２は、本明細書で言及される二重特異性抗体「デネシミグ」の／からの構成要素のアミノ酸配列を以下のように表す：
配列番号３、４、および５は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖の相補性決定領域（ＣＤＲ）１～３をそれぞれ表す。
配列番号６は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖可変ドメイン（ＶＨ）を表す。
配列番号７は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の完全長重鎖を表す。
配列番号８、９、および１０は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖のＣＤＲ１～３をそれぞれ表す。
配列番号１１は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖可変ドメイン（ＶＬ）を表す。
配列番号１２は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の完全長軽鎖を表す。
配列番号１３、１４、および１５は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖のＣＤＲ１～３をそれぞれ表す。
配列番号１６は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖可変ドメイン（ＶＨ）を表す。
配列番号１７は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の完全長重鎖を表す。
配列番号１８、１９、および２０は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖のＣＤＲ１～３をそれぞれ表す。
配列番号２１は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖可変ドメイン（ＶＬ）を表す。
配列番号２２は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の完全長軽鎖を表す。
配列番号３、４、および５は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖の相補性決定領域（ＣＤＲ）１～３をそれぞれ表す。
配列番号６は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖可変ドメイン（ＶＨ）を表す。
配列番号７は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の完全長重鎖を表す。
配列番号８、９、および１０は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖のＣＤＲ１～３をそれぞれ表す。
配列番号１１は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖可変ドメイン（ＶＬ）を表す。
配列番号１２は、デネシミグの抗ＦＩＸ（ａ）抗体構成要素の完全長軽鎖を表す。
配列番号１３、１４、および１５は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖のＣＤＲ１～３をそれぞれ表す。
配列番号１６は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の重鎖可変ドメイン（ＶＨ）を表す。
配列番号１７は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の完全長重鎖を表す。
配列番号１８、１９、および２０は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖のＣＤＲ１～３をそれぞれ表す。
配列番号２１は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の軽鎖可変ドメイン（ＶＬ）を表す。
配列番号２２は、デネシミグの抗ＦＸ（ａ）抗体構成要素の完全長軽鎖を表す。
【0029】
本明細書とともに提供される電子配列表に加えて、図１は、配列番号３～２２を表形式で示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、血液凝固障害に罹患している患者、特に、機能性ＦＶＩＩＩを欠く患者、例えば、阻害物質を伴う血友病Ａ患者および阻害物質を伴わない血友病Ａ患者を含む血友病Ａ患者において凝固第ＶＩＩＩ因子（ＦＶＩＩＩ）の代わりとして機能する二重特異性抗体を投与する方法、およびかかる二重特異性抗体を含む組成物に関する。特に、２ヶ月に１回の投与レジメン。
【0031】
本発明がより容易に理解され得るように、特定の用語が最初に定義される。
【0032】
「ａ」または「ａｎ」という用語は、「１つ以上」を意味することを意図している。工程または要素の列挙に先行する場合、「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅ）」という用語、および「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅｓ）」および「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」などのその変形は、さらなる工程または要素の追加が任意選択であり、除外されないことを意味することを意図している。
【0033】
「約」という用語は、本明細書では、およそ、大まかに、またはその周辺を意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲と併せて使用される場合、記載された数値を上回るおよび下回る境界を拡張することによってその範囲を修正する。概して、約という用語は、１０パーセント上または下（より高いまたはより低い）で、記載値を上回るおよび下回る数値を修正することができる。
【0034】
「年間出血率」（ＡＢＲ）という用語は、定義された期間中に患者が経験した治療された出血エピソード（自然出血および外傷性出血を含む）の数を１年間に外挿したものを指す。例えば、６ヶ月で２回の出血は、ＡＢＲが４であることを示し得る。
【0035】
抗体という用語は、二重特異性抗体などの二価である抗体を含むが、これに限定されない。完全長抗体は、少なくとも４つのポリペプチド鎖：ジスルフィド結合によって結合される２つの重鎖（ＨＣ）および２つの軽鎖（ＬＣ）を含む。特定の薬学的な利益がある免疫グロブリンの１つのクラスはＩｇＧである。ヒトでは、ＩｇＧクラスは、それらの重鎖定常領域の配列に基づいて、４つのサブクラスＩｇＧ１、ＩｇＧ２、ＩｇＧ３、および好ましい実施形態ではＩｇＧ４に分類され得る。軽鎖は、それらの配列組成物の差異に基づいて、２つのタイプ、カッパ鎖およびラムダ鎖に分けることができる。ＩｇＧ分子は、２つ以上のジスルフィド結合によって連結された２つの重鎖、および各々がジスルフィド結合によって重鎖に付着した２つの軽鎖で構成されている。ＩｇＧ重鎖は、重鎖可変ドメイン（ＶＨ）および最大３つの重鎖定常（ＣＨ）ドメイン：ＣＨ１、ＣＨ２、およびＣＨ３を含み得る。軽鎖は、軽鎖可変ドメイン（ＶＬ）および軽鎖定常ドメイン（ＣＬ）を含んでもよい。ＶＨおよびＶＬ領域は、フレームワーク領域（ＦＲ）と呼ばれるより保存された領域が点在する、相補性決定領域（ＣＤＲ）または超可変領域（ＨｖＲ）と呼ばれる超可変性の領域へとさらに細分化することができる。ＶＨおよびＶＬドメインは、典型的に３つのＣＤＲおよび４つのＦＲから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序で配置される：ＦＲ１、ＣＤＲ１、ＦＲ２、ＣＤＲ２、ＦＲ３、ＣＤＲ３、ＦＲ４。超可変領域（ＣＤＲ）を含有する重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインは、抗原と相互作用することができる構造を形成する一方で、抗体の定常領域は、免疫グロブリンの宿主組織または因子との結合を媒介し得る。この宿主組織または因子には、免疫系の様々な細胞（エフェクター細胞）、Ｆｃ受容体、および伝統的補体系のＣ１複合体の第１の構成成分である、Ｃ１ｑなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
抗体またはその断片は、それらの相補性決定領域（ＣＤＲ）の観点から定義され得る。「相補性決定領域」または「ＣＤＲ」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原結合に関与するアミノ酸残基が位置する抗体の領域を指す。ＣＤＲは、抗体可変ドメインのアミノ酸アライメントにおける変動性が最も高い領域として識別することができる。ＫａｂａｔデータベースなどのデータベースをＣＤＲ識別に使用することができ、このＣＤＲは、例えば、軽鎖可変ドメインのアミノ酸残基２４～３４（Ｌ１）、５０～５６（Ｌ２）および８９～９７（Ｌ３）、ならびに重鎖可変ドメインのアミノ酸残基３１～３５（Ｈ１）、５０～６５（Ｈ２）および９５～１０２（Ｈ３）を含むものとして画定される（Ｋａｂａｔ ｅｔ ａｌ．１９９１；Ｓｅｑｕｅｎｃｅｓ ｏｆ Ｐｒｏｔｅｉｎｓ ｏｆ Ｉｍｍｕｎｏｌｏｇｉｃａｌ Ｉｎｔｅｒｅｓｔ，Ｆｉｆｔｈ Ｅｄｉｔｉｏｎ，Ｕ．Ｓ．Ｄｅｐａｒｔｍｅｎｔ ｏｆ Ｈｅａｌｔｈ ａｎｄ Ｈｕｍａｎ Ｓｅｒｖｉｃｅｓ，ＮＩＨ Ｐｕｂｌｉｃａｔｉｏｎ Ｎｏ．９１－３２４２）。典型的には、この領域におけるアミノ酸残基のナンバリングは、上述のＫａｂａｔ ｅｔ ａｌ．に説明される方法によって実施される。本明細書において、「Ｋａｂａｔ位置」、「Ｋａｂａｔ残基」、および「Ｋａｂａｔによれば」などの語句は、重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインのためのこのナンバリングシステムを指し、文脈と矛盾しない限り、Ｋａｂａｔによるナンバリングが本明細書で使用される。
【0037】
本明細書で使用される場合「二重特異性抗体」という用語は、２つの異なる抗原または同じ抗原上の２つの異なるエピトープと結合することができる抗体を指す。
【0038】
二重特異性抗体の「固定用量」という用語は、所定の範囲内（例えば、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満）に入る体重を有する患者に投与される用量を指す。したがって、固定用量は、ｍｇ／ｋｇ用量としてではなく、二重特異性抗体の絶対量として提供される。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、フレームワーク領域の少なくとも一部分および／またはＣＤＲ領域の少なくとも一部分が、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する、可変ドメインを有する抗体を含むことが意図される。例えば、ヒト抗体は、フレームワーク領域とＣＤＲ領域との両方がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変ドメインを有してもよい。さらに、抗体が定常領域を含有する場合、定常領域またはその一部分も、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する。好ましくは、ヒト抗体は、モノクローナル抗体である。
【0040】
本明細書で使用される場合、「デネシミグ」は、重鎖および軽鎖を含むＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含む、二重特異性抗体を指し、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号１２を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号２２を含む。二重特異性抗体は、配列番号３、４、５および８、９、１０、および１３、１４、１５および１８、１９、２０によって表されるＣＤＲ配列を含む。
【0041】
「投与レジメン」または「投薬レジメン」という用語は、決定された一連の用量に基づく治療レジメンを含む。例えば、一実施形態では、本発明は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療のための投与レジメンを記載し、二重特異性抗体は、最初に負荷用量で投与され、次いで負荷用量と同じ量またはより少ない量の二重特異性抗体を含む維持用量で投与される。
【0042】
「投薬（ｄｏｓｉｎｇ）」という用語は、治療目的（例えば、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療）を達成するための物質（例えば、デネシミグ）の投与を指す。
【0043】
「用量」は、単回投与で、または複数の連続投与で投与することができる。例えば、６０ｍｇの用量は、単回の６０ｍｇ投与、または各々３０ｍｇの２回の連続投与で投与することができ、１２０ｍｇの用量は、例えば、４０ｍｇの３回の連続投与で投与することができる。最初の用量の投与から１時間以内の用量の連続投与は、合計で１用量を構成する（例えば、単回投与で容易に投与できない負荷用量）。
【0044】
「ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）」という用語は、「ＦＩＸ／ＦＩＸａ」または単に「ＦＩＸ（ａ）」とも呼ばれ得る。
【0045】
「ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）」という用語は、「ＦＸ／ＦＸａ」または単に「ＦＸ（ａ）」とも呼ばれ得る。
【0046】
「重鎖」という用語は、完全長重鎖を含む。完全長重鎖は、可変領域ドメイン、ＶＨ、ならびに３つの定常領域ドメイン、ＣＨ１、ＣＨ２、およびＣＨ３を含む。ＶＨドメインはポリペプチドのアミノ末端にあり、ＣＨドメインはカルボキシル末端にあり、ＣＨ３は－ＣＯＯＨ末端に最も近い。
【0047】
本明細書で使用される場合、「軽鎖」という用語は、完全長軽鎖を含む。完全長軽鎖は、可変領域ドメイン、ＶＬ、および定常領域ドメイン、ＣＬを含む。軽鎖の可変領域ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端にある。本明細書に記載される軽鎖は、カッパ鎖およびラムダ鎖を含む。
【0048】
「キット」という用語は、障害の治療のために二重特異性抗体（例えば、デネシミグ）を投与するための構成要素と、使用説明書と、を含む、パッケージ化された製品を指す。キットは、キットの構成要素を保持する箱または容器を含むことが好ましい。箱または容器には、ラベルまたは食品医薬品局（または対応する当局）が承認したプロトコルが添付されている。
【0049】
本明細書で使用される場合、「負荷用量」という用語は、治療レジメンの開始時に患者に投与される二重特異性抗体の最初の用量を指す。概して、負荷用量は、短期間内で、患者の体内における二重特異性抗体の治療的に関連する血漿濃度を達成することが意図されている。
【0050】
「負荷期間」という用語は、臨床応答を誘導するために患者に二重特異性抗体を投与することを含む、患者の治療期間を指す。「負荷期間」は、所望の投与頻度に応じて、典型的には１週から１ヶ月の間の期間であり、第１の負荷用量の投与によって開始される。負荷期間は、最初の維持用量の投与に先行する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「維持用量」という用語は、負荷用量の投与後の時点で患者に投与される二重特異性抗体の用量に関する。
【0052】
「最大血漿濃度」（Ｃｍａｘ）という用語は、患者への二重特異性抗体の投与後に患者血漿中の二重特異性抗体の最も高い観察された濃度を意味する。
【0053】
「平均血漿濃度」（または「Ｃａｖｇ」）という用語は、定常状態での投薬間隔内の二重特異性抗体の平均血漿濃度を指す。
【0054】
「デネシミグ血漿濃度の定常状態Ｃｍａｘ」という用語は、デネシミグの投与後の最大血漿濃度が、ある用量から別の用量まで変わらない状態を指す。一実施形態では、デネシミグ血漿濃度の定常状態Ｃｍａｘは、約１８μｇ／ｍＬである。別の実施形態では、デネシミグ血漿濃度の定常状態Ｃｍａｘは、約９μｇ／ｍＬである。
【0055】
「デネシミグ血漿濃度の定常状態Ｃｍｉｎ」という用語は、デネシミグの投与後の最小血漿濃度が、ある用量から別の用量まで変わらない状態を指す。一実施形態では、デネシミグ血漿濃度の定常状態Ｃｍｉｎは、約２μｇ／ｍＬである。別の実施形態では、デネシミグ血漿濃度の定常状態Ｃｍｉｎは、約３μｇ／ｍＬである。
【0056】
「血清または血漿半減期」という用語は、患者に投与された物質の量の半分が、正常な生物学的プロセスによって患者の血清もしくは血漿から代謝または除去されるのに必要な時間を指す。
【0057】
「予防処置」という用語は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療のための療法の投与を指し、かかる治療は、例えば、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの１つ以上の症状、例えば、出血エピソード、例えば、１回以上の自然出血エピソード、および／もしくは関節損傷の発生ならびに／または重症度を制御、管理、予防、または低減することが意図される。
【0058】
「治療」または「治療する」という用語は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの１つ以上の症状、例えば、自然または制御不能な出血エピソードの頻度の低減を意味する。「治療」は、しかし治癒である必要はない。
【0059】
「Ｔｍａｘ」という用語は、物質を患者に投与した後、患者の血漿中の物質の最大濃度に到達するまでに観察された時間を指す。
【0060】
本発明は、血液凝固障害に罹患している患者、特に、機能性ＦＶＩＩＩを欠く患者、例えば、阻害物質を伴う血友病Ａ患者および阻害物質を伴わない血友病Ａ患者を含む血友病Ａ患者において凝固第ＶＩＩＩ因子（ＦＶＩＩＩ）の代わりとして機能する二重特異性抗体を投与する方法に関する。特に、二重特異性抗体またはその抗原結合性断片は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用することができ、該抗体は、ＦＩＸ（配列番号１）またはその活性型、およびＦＸ（配列番号２）またはその活性型と結合することができる。
【0061】
かかる一実施形態では、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖は、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖は、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖は、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖は、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含む。
【0062】
かかる一実施形態では、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む。
【0063】
好ましい実施形態では、二重特異性抗体は、ＩｇＧ４アイソタイプのものである。
【0064】
好ましい実施形態では、二重特異性抗体は、ヒト抗体である。
【0065】
一実施形態では、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号１２を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号２２を含む（本明細書ではデネシミグとも呼ばれる）。
【0066】
一実施形態では、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号７から成り、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号１２から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号１７から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号２２から成る（本明細書ではデネシミグとも呼ばれる）。
【0067】
二重特異性抗体の特性は、国際公開第２０２０／０２５６７２号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
したがって、上記から明らかであるように、二重特異性抗体は、そのＣＤＲ配列、その可変ドメイン配列、またはその完全重鎖配列および軽鎖配列を参照して特徴付けすることができる。疑義を避けるために付言すると、デネシミグへの言及は、本明細書の配列番号７および１２、ならびに１７および２２によって定義される重鎖および軽鎖の存在を伴う。
【0069】
本明細書に開示される方法は、患者に二重特異性抗体を２ヶ月に１回皮下注射することを含む。好ましくは、１回以上の負荷用量の投与が、月１回の投与スキームに先行する。
【0070】
好ましい実施形態では、負荷用量および維持用量は、患者の体重、特に、患者の体重範囲（本明細書では「体重帯」とも呼ばれる）に基づいて選択される。
【0071】
かかる実施形態では、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者が、群化される。
【0072】
別のかかる実施形態では、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者が、群化される。
【0073】
さらに別のかかる実施形態では、４５ｋｇ以上の体重を有する患者が、群化される。
【0074】
一実施形態では、本明細書に開示される用量は、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に使用するのに好適な固定用量である。
【0075】
一実施形態では、負荷用量および維持用量は、それぞれ、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に使用するのに好適な固定用量である。
【0076】
一実施形態では、負荷用量および維持用量は、それぞれ、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に使用するのに好適な固定用量である。
【0077】
したがって、本発明の一態様では、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａを治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の二重特異性抗体を投与することを含み、該方法が、患者に少なくとも１回の二重特異性抗体を投与することを含み、該患者は１５ｋｇ未満の体重を有する
【0078】
本発明の別の態様では、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａを治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の二重特異性抗体を投与することを含み、該方法が、
ａ）少なくとも１回の負荷用量の二重特異性抗体を患者に投与することであって、
該患者が少なくとも１５ｋｇの体重を有する、投与することと、
ｂ）最後の負荷用量を投与した後に、少なくとも１回の維持用量の二重特異性抗体を患者に投与することと、を含む、
方法が提供される。
ａ）少なくとも１回の負荷用量の二重特異性抗体を患者に投与することであって、
該患者が少なくとも１５ｋｇの体重を有する、投与することと、
ｂ）最後の負荷用量を投与した後に、少なくとも１回の維持用量の二重特異性抗体を患者に投与することと、を含む、
方法が提供される。
【0079】
好ましい実施形態では、かかる二重特異性抗体はデネシミグである。
【0080】
一実施形態では、ｍｇで測定される負荷用量および維持用量は、送達される二重特異性抗体の量に関して同一ではない。
【0081】
本明細書に開示される投与方法は、月１回の投与レジメンを含み、かかるレジメンは、安全かつ有効な治療を可能にするように、本発明者らによって慎重に設計された特定の患者の体重帯および投与量に影響を与える。
【0082】
デネシミグの長い半減期は、本発明者らによって決定された血漿濃度における限定された対象者間の変動性、広範な治療域、および最大効果に近い投薬と関連して、連続的な体重ベースの投薬の代わりに、簡略化された体重帯を使用して用量投与を行うことが可能であると考えられる。安全かつ効果的な止血範囲を提供するだけでなく、固定体積注入による体重帯ベースの投薬は、ｋｇ体重当たりの投薬よりも簡便であり、用量計算を必要とせず、投薬過誤のリスクを低減する。これは、重量および製剤強度に関連する血漿濃度の違いを考慮に入れながら投与を簡素化することを目的とする（実施例１、表６を参照されたい）。この投薬モダリティは、デネシミグの皮下投与のための事前充填されたペン型注射器などの注射装置に好適であるが、これに限定されない。
【0083】
２ヶ月に１回の投与レジメン範囲
好ましい実施形態では、２ヶ月毎に、約１６ｍｇ～約２４ｍｇ、例えば２０ｍｇのデネシミグを含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与され、約４２ｍｇ～５０ｍｇ、例えば、４６ｍｇのデネシミグを含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与され、約８８ｍｇ～約９６ｍｇ、例えば、９２ｍｇのデネシミグを含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与される。
好ましい実施形態では、２ヶ月毎に、約１６ｍｇ～約２４ｍｇ、例えば２０ｍｇのデネシミグを含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与され、約４２ｍｇ～５０ｍｇ、例えば、４６ｍｇのデネシミグを含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与され、約８８ｍｇ～約９６ｍｇ、例えば、９２ｍｇのデネシミグを含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与される。
【0084】
一実施形態では、上記の用量は維持用量である。
【0085】
一実施形態では、最初の維持用量の前に、負荷用量が投与される。
【0086】
一実施形態では、最初の維持用量の投与の前に、約４９ｍｇの二重特異性抗体の負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与される。
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与される。
【0087】
かかる一実施形態では、最初の維持用量は、負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される。
【0088】
かかる一実施形態では、最初の維持用量は、負荷用量の投与の１ヶ月後に投与される。
【0089】
別の実施形態では、最初の維持用量は、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される。
【0090】
一実施形態では、国際特許出願第ＰＣＴ／ＥＰ２０２３／０５５２３８、ＰＣＴ／ＥＰ２０２３／０５５２４２、またはＰＣＴ／ＥＰ２０２３／０５５２４０にそれぞれ記載されているように、週１回、２週間に１回、または月１回の投与レジメンでのデネシミグで治療されている患者は、本明細書に記載されるように、２ヶ月に１回の投与レジメンに切り替えられる。
【0091】
２ヶ月毎の投薬レジメンへの切り替えは、
ａ１）週１回の投与レジメンで負荷用量が投与された１週間後に、
ａ２）２週間に１回の投与レジメンで負荷用量が投与された２週間後に、もしくは
ａ３）月１回の投与レジメンで負荷用量が投与された１ヶ月後に、または
ｂ）週１回、２週間に１回、または月１回の投与レジメンで意図された最初の維持用量の時点で、または
ｃ）週１回、２週間に１回、または月１回の投与レジメンで２回目またはその後の維持用量の時点で、行うことができる。
ａ１）週１回の投与レジメンで負荷用量が投与された１週間後に、
ａ２）２週間に１回の投与レジメンで負荷用量が投与された２週間後に、もしくは
ａ３）月１回の投与レジメンで負荷用量が投与された１ヶ月後に、または
ｂ）週１回、２週間に１回、または月１回の投与レジメンで意図された最初の維持用量の時点で、または
ｃ）週１回、２週間に１回、または月１回の投与レジメンで２回目またはその後の維持用量の時点で、行うことができる。
【0092】
好ましい実施形態では、２ヶ月に１回の維持用量の投与は、治療が必要である限り継続するであろう。
【0093】
一実施形態では、血友病、例えば、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療のための方法であって、方法が、ＦＩＸ（ａ）およびＦＸ（ａ）と結合することができる二重特異性抗体を含む組成物を該患者に投与することを含み、該投与が、２μｇ／ｍＬ～約３０μｇ／ｍＬ、２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬの範囲、好ましくは、約３μｇ／ｍＬ～約９μｇ／ｍＬ、例えば、６～７μｇ／ｍＬ、例えば、６．５～７μｇ／ｍＬの範囲の該二重特異性抗体の平均血漿濃度を提供する、方法を提供する。
【0094】
好ましい実施形態では、二重特異性抗体が、重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含む。
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含む。
【0095】
より好ましい実施形態では、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む。
【0096】
最も好ましい実施形態では、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号１２を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖は、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖は、配列番号２２を含む（デネシミグ）。
【0097】
デネシミグの２ヶ月に１回の投与レジメンでの負荷用量
一実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、２ヶ月に１回の投与レジメンで負荷用量として皮下投与され、これは、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者において、４８．５、４８．６、４８．７、４８．８、４８．９、４９、４９．１、４９．２、４９．３、４９．４または４９．５ｍｇ、好ましくは、４９ｍｇの負荷用量であり得る。
一実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、２ヶ月に１回の投与レジメンで負荷用量として皮下投与され、これは、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者において、４８．５、４８．６、４８．７、４８．８、４８．９、４９、４９．１、４９．２、４９．３、４９．４または４９．５ｍｇ、好ましくは、４９ｍｇの負荷用量であり得る。
【0098】
一実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、２ヶ月に１回の投与レジメンで負荷用量として皮下投与され、これは、４５ｋｇ以上の体重を有する患者において、１１１．５、１１１．６、１１１．７、１１１．８、１１１．９、１１２、１１２．１、１１２．２、１１２．３、１１２．４または１１２．５ｍｇ、好ましくは、１１２ｍｇの負荷用量であり得る。
【0099】
一実施形態では、負荷用量は、５ｋｇ～１５ｋｇの体重を有する患者に投与されず、患者に投与される最初の用量は、維持用量（すなわち、２ヶ月に１回２０ｍｇ）のものである。
【0100】
デネシミグの２ヶ月に１回の投与レジメンでの維持用量
一実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、２ヶ月に１回の投与レジメンで維持用量として皮下投与され、これは、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者において、１９．５、１９．６、１９．７、１９．８、１９．９、２０、２０．１、２０．２、２０．３、２０．４、または２０．５ １９．５、１９．６、１９．７、１９．８、１９．９、２０、２０．１、２０．２、２０．３、２０．４、または２０．５ｍｇ、好ましくは、２０ｍｇの用量であり得る。
一実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、２ヶ月に１回の投与レジメンで維持用量として皮下投与され、これは、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者において、１９．５、１９．６、１９．７、１９．８、１９．９、２０、２０．１、２０．２、２０．３、２０．４、または２０．５ １９．５、１９．６、１９．７、１９．８、１９．９、２０、２０．１、２０．２、２０．３、２０．４、または２０．５ｍｇ、好ましくは、２０ｍｇの用量であり得る。
【0101】
一実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、２ヶ月に１回の投与レジメンで維持用量として皮下投与され、これは、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者において、４５．５、４５．６、４５．７、４５．８、４５．９、４６、４６．１、４６．２、４６．３、４６．４または４６．５ｍｇ、好ましくは、４６ｍｇの用量であり得る。
【0102】
一実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、２ヶ月に１回の投与レジメンで維持用量として皮下投与され、これは、４５ｋｇ以上の体重を有する患者において、９１．５、９１．６、９１．７、４５９１８、９１．９、９２、９２．１、９２．２、９２．３、９２．４または９２．５ｍｇ、好ましくは、９２ｍｇの用量であり得る。
【0103】
一実施形態では、本明細書に開示される投与方法は、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６ ０．７、０．８、０．９、１、２、３、４、または５の、または０～１、０～２、０～３の範囲の、例えば、１～３もしくは２～３の範囲の、または１～５の範囲の、例えば、１～２、１～３、１～４、２～３、２～４、２～５、３～４、３～５、もしくは４～５の範囲のＡＢＲを提供する。
【0104】
一実施形態では、投与方法は、患者が初期負荷期間の終了時に適切な臨床応答を達成しない場合、それが初期負荷用量と区別するために「延長負荷用量」と呼ばれる、１回、２回、または３回のさらなる負荷用量の投与を含む。延長負荷期間中の用量および投薬間隔は、典型的に、初期負荷期間中の用量および投薬間隔と同じであるが、担当の医療専門家が、患者が二重特異性抗体の増加した用量およびより頻繁な投薬などの変更から利益を受け得ると確証する理由がある場合に変更され得る。
【0105】
一実施形態では、最初の維持用量は、負荷用量が患者に投与された１ヶ月後に投与される。
【0106】
一実施形態では、Ｔ１／２は、約３０．４日である。
【0107】
一実施形態では、Ｔｍａｘは、約９．１日である。
【0108】
好ましい実施形態では、本明細書に開示される治療は、予防処置である。
【0109】
一実施形態では、本明細書に開示される投与方法は、こうした自然出血または出血エピソードの影響を受けやすい患者における自然出血または出血エピソードを低減させる。
【0110】
医薬製剤
本発明の一態様では、本明細書に開示される投与方法での使用に好適な医薬組成物が提供される。
本発明の一態様では、本明細書に開示される投与方法での使用に好適な医薬組成物が提供される。
【0111】
かかる医薬組成物は、好ましくは、１０ｍｇ／ｍＬ～１５０ｍｇ／ｍＬ、例えば、１１．２５ｍｇ／ｍＬ～１４０ｍｇ／ｍＬ、例えば、１１．２５ｍｇ／ｍＬ～５７．５ｍｇ／ｍＬ、例えば、２５ｍｇ／ｍＬ～５７．５ｍｇ／ｍＬの濃度で存在し、５．５～７．５の範囲、好ましくは、６．０～６．５の範囲、例えば、約６．３のｐＨを有する、二重特異性抗体を含む。より好ましい実施形態では、二重特異性抗体の濃度は、１１．２５ｍｇ／ｍＬ、２５ｍｇ／ｍＬ、または５７．５ｍｇ／ｍＬである。
【0112】
かかる医薬組成物は、固定用量注射装置、例えば、注射当たり０．８ｍｌを投与するように構成された注射装置での使用に好適であるが、これに限定されない。
【0113】
好ましい実施形態では、医薬組成物は、水性製剤である。一実施形態では、二重特異性抗体は、デネシミグである。
【0114】
医薬組成物は、緩衝液系、防腐剤、等張化剤、キレート剤、安定剤、または界面活性剤、ならびにそれらの様々な組み合わせのうちの１つ以上をさらに含み得る。医薬組成物に防腐剤、等張剤、キレート剤、安定剤、および界面活性剤を使用することは、当業者には周知である。Ｒｅｍｉｎｇｔｏｎ：Ｔｈｅ Ｓｃｉｅｎｃｅ ａｎｄ Ｐｒａｃｔｉｃｅ ｏｆ Ｐｈａｒｍａｃｙ，１９ｔｈ ｅｄｉｔｉｏｎ，１９９５が参照され得る。
【0115】
一実施形態では、医薬組成物は、１０ｍｇ／ｍＬ～１５０ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体、例えば、デネシミグ、Ｌ－アルギニンまたはＬ－アルギニン塩酸塩、Ｌ－ヒスチジン、および界面活性剤を、５．５～７．０の範囲のｐＨで含む。
【0116】
一実施形態では、医薬組成物は、１０ｍｇ／ｍＬ～１５０ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体、例えば、デネシミグ、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、ポリソルベート２０、またはポリソルベート８０を、５．５～７．０の範囲のｐＨで含む。
【0117】
好ましい実施形態では、医薬組成物は、約１１．２５ｍｇ／ｍＬ、約２５ｍｇ／ｍＬ、または約５７．５ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体デネシミグ、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む。
【0118】
別の好ましい実施形態では、医薬組成物は、１１．２５ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体デネシミグ、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、ｐＨ６．３で含む。
【0119】
別の好ましい実施形態では、医薬組成物は、２５ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体デネシミグ、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、ｐＨ６．３で含む。
【0120】
さらに別の好ましい実施形態では、医薬組成物は、５７．５ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体デネシミグ、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、ｐＨ６．３で含む。
【0121】
１１．２５ｍｇ／ｍＬの濃度を使用して、９ｍｇの用量のデネシミグを投与する。
【0122】
一実施形態では、２５ｍｇ／ｍＬのデネシミグ濃度を含む医薬組成物を使用して、２０ｍｇの用量のデネシミグを投与する。
【0123】
一実施形態では、５７．５ｍｇ／ｍＬのデネシミグ濃度を含む医薬組成物を使用して、４６ｍｇの用量のデネシミグを投与する。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、注射装置中で使用および／またはその中に含有されることが意図されている。
【0125】
好ましい実施形態では、注射装置は、単回用量を送達するように構成されたもの、または複数回所定用量の医薬組成物を送達するように構成された装置などの固定用量装置であり、後者は、複数回固定用量装置または固定用量マルチショット装置と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、注射装置は、使い捨ての、事前充填された、複数用量装置である。いくつかの実施形態では、注射装置は、使い捨ての、事前充填された、単回用量装置である。
【0126】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、２６～３６の範囲の針ゲージを有する管を備える注射装置を使用して投与される。
【0127】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、２８～３４の範囲の針ゲージを有する管を備える注射装置を使用して投与される。
【0128】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、２９～３２の範囲の針ゲージを有する管を備える注射装置を使用して投与される。
【0129】
一実施形態では、負荷用量および／または維持用量は、それぞれ、単回注射として投与されてもよく、全負荷用量および／または維持用量は、単回投与として投与され、すなわち、全用量が一度にすべて投与される。
【0130】
いくつかの実施形態では、負荷用量および／または維持用量は、複数のより少ない用量で投与され、例えば、合計で２、３、または４回のより少ない用量で、全負荷用量または維持用量を構成する。非限定的な例として、８０ｍｇの二重特異性抗体の負荷用量が、各々６０ｍｇの３回のより少ない用量で投与され得る。あるいは、例えば、連続して投与される２回の５０ｍｇ用量および１回の８０ｍｇ用量も企図され得る。
【0131】
医薬組成物は、少なくとも０．０５ｍＬの注射液の皮下注射として投与することができ、それにより、ｍｇで測定される所望の用量に到達することができる。
【0132】
例として、１００ｍｇ／ｍＬのデネシミグの化合物を含む医薬組成物について、１０ｍｇの用量を提供するために１００μＬの体積が必要とされる。
【0133】
必要な体積は、より低い体積が、典型的には、追加の注射を必要とし、より高い体積が、典型的には、注射部位で患者に不快感をもたらし得るため、投与される医薬組成物中の二重特異性抗体の濃度に依存するであろう。典型的には、０．０８～１．５ｍＬ、好ましくは、０．２～１ｍＬ、より好ましくは、０．６～０．９ｍＬ、より好ましくは０．８ｍＬの注射溶液の体積が、注射ごとに投与される。
【0134】
このように、上述の医薬組成物は、本明細書に開示されるように、注射ごとに０．８ｍＬの（固定）注射溶液体積を使用して特定の用量を投与可能にするように複数回連続投与に使用することができる。例えば、１２．５ｍｇ／ｍＬのデネシミグを含む０．８ｍＬの医薬組成物の２回の注射は、２５ｍｇのデネシミグの累積用量を可能にするであろう。別の例では、５７．５ｍｇを含む０．８ｍＬの医薬組成物の２回の注射、続いて２０ｍｇを含む０．８ｍＬの医薬組成物の１回の注射は、１１２ｍｇのデネシミグの累積用量を可能にするであろう。
【0135】
医薬組成物は、同じまたは異なる注射部位で投与され得る。
【0136】
別の一般的な態様では、本発明は、デネシミグと、１つ以上の薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物を含む注射装置を含む、キットに関する。キットは、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療のための医薬組成物の皮下投薬に関する説明書を含む。
【0137】
さらなる実施形態
１．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体であって、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
２．１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される該用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与された、実施形態１に記載の使用するための二重特異性抗体。
３．該用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、負荷用量および１回以上の週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、実施形態１に記載の使用するための二重特異性抗体。
４．約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される、実施形態２に記載の使用するための二重特異性抗体。
５．約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約２４ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約５５ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約１．６ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３に記載の二重特異性抗体。
６．約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約２９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約６６ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約４ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約２０ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３に記載の使用するための二重特異性抗体。
７．約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約４０ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
９ｍｇの二重特異性抗体の維持用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回投与されるか、または
約２０ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４６ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３に記載の使用するための二重特異性抗体。
８．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、実施形態５～７のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
９．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、実施形態２～７のいずれかに１つ記載の使用するための二重特異性抗体。
１０．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、実施形態４または９に記載の使用するための二重特異性抗体。
１１．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、実施形態５～７のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１２．抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１３．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含む、実施形態１２に記載の使用するための二重特異性抗体。
１４．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７から成り、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２から成り、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２から成る、実施形態１３に記載の使用するための二重特異性抗体。
１５．約２μｇ／ｍＬ～約３０μｇ／ｍＬ、約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬの二重特異性抗体の平均血漿濃度が提供される、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１６．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体であって、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
該抗体が、該抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
－２０ｍｇの該抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～１８μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬの該抗体の平均血漿濃度が提供される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
１７．二重特異性抗体が、デネシミグである、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１８．二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与される、先行する実施形態のいずれか１つに記載の投与レジメン。
１９．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩またはＬ－アルギニン、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび界面活性剤、例えばポリソルベート２０またはポリソルベート８０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態１８に記載の使用するための二重特異性抗体。
２０．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態１９に記載の使用するための二重特異性抗体。
２１．組成物が、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態２０に記載の使用するための二重特異性抗体。
２２．組成物が、約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの二重特異性抗体を含む、実施形態１７～２１のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
２３．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、１．６、１．７、１．８、１．９、２、２．１、２．２、２．３、２．４、２．５、２．６、２．７、２．８、２．９、もしくは３、もしくは４の年間出血率（ＡＢＲ）、または０～５の範囲、例えば１～５の範囲のＡＢＲを提供する、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２４．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、または２のＡＢＲを提供する、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２５．患者が前もって、週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量のデネシミグで治療されていた、実施形態１に記載の使用のための二重特異性抗体。
２６．治療が、予防処置である、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２７．二重特異性抗体が、皮下投与される、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２８．キットであって、ａ）実施形態１２～１４のいずれか１つに記載の二重特異性抗体を含む医薬組成物と、ｂ）請求項１～２１のいずれか１つに記載の阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療のための二重特異性抗体または医薬組成物の皮下投与のための説明書と、を含む、キット。
２９．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための投与レジメンであって、重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含む二重特異性抗体を皮下投与することを含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、投与レジメン。
３０．１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される該用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与された、実施形態２９に記載の投与レジメン。
３１．該用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、
負荷用量および１回以上の週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の該２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、実施形態２９に記載の投与レジメン。
３２．約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される、実施形態２９または３０に記載の投与レジメン。
３３．－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２４ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約５５ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約１．６ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３１に記載の投与レジメン。
３４．－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約６６ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３１に記載の投与レジメン。
３５．－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約４０ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約９ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３１に記載の投与レジメン。
３６．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、実施形態３３～３５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
３７．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、実施形態３０～３５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
３８．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、実施形態３２または３７に記載の投与レジメン。
３９．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、実施形態３３～３５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４０．抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む、実施形態２９～３９のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４１．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含む、実施形態４０のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４２．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７から成り、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２から成り、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２から成る、実施形態４１のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４３．約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば約３～約９μｇ／ｍＬの範囲、例えば、６．５μｇ／ｍＬにおける二重特異性抗体の平均血漿濃度が提供される、実施形態２９～４２のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４４．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための投与レジメンであって、二重特異性抗体が、それを必要とする患者に投与され、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
該抗体が、該抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
－２０ｍｇの該抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬにおける該抗体の平均血漿濃度が提供される、投与レジメン。
４５．二重特異性抗体が、デネシミグである、実施形態２９～４４のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４６．二重特異性抗体が、皮下投与される、実施形態２８～４５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４７．二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与される、実施形態２９～４５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４８．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩またはＬ－アルギニン、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび界面活性剤、例えばポリソルベート２０またはポリソルベート８０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態４７に記載の投与レジメン。
４９．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態４８に記載の投与レジメン。
５０．組成物が、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態４９記載の投与レジメン。
５１．組成物が、約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの二重特異性抗体を含む、実施形態４７～５０のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５２．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、１．６、１．７、１．８、１．９、２、２．１、２．２、２．３、２．４、２．５、２．６、２．７、２．８、２．９、もしくは３、もしくは４のＡＢＲ、または０～５の範囲、例えば１～５の範囲のＡＢＲを提供する、実施形態２９～５１のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５３．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、または２のＡＢＲを提供する、実施形態２９～５２のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５４．患者が前もって、週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量のデネシミグで治療されていた、実施形態２９に記載の投与レジメン。
５５．治療が、予防処置である、実施形態２９～５４のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５６．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療方法であって、二重特異性抗体が、それを必要とする患者に皮下投与され、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、治療方法。
５７．１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される該用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与された、実施形態５６に記載の治療方法。
５８．該用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、
負荷用量および１回以上の週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の該２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、実施形態５６に記載の治療方法。
５９．約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される、実施形態５７に記載の投与レジメン。
６０．
－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２４ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約５５ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約１．６ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与された、実施形態５８に記載の治療方法。
６１．
－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約６６ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、実施形態５８に記載の治療方法。
６２．
－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約４０ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約９ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与された、実施形態５８に記載の治療方法。
６３．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、実施形態６０～６２のいずれか１つに記載の治療方法。
６４．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、実施形態５６～６２に記載の治療方法。
６５．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、実施形態５９または６４に記載の治療方法。
６６．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、実施形態５６～６２のいずれか１つに記載の治療方法。
６７．抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む、実施形態５９～６６のいずれか１つに記載の治療方法。
６８．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含む、実施形態６７に記載の治療方法。
６９．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７から成り、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２から成り、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２から成る、実施形態６８に記載の治療方法。
７０．約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば約３～約９μｇ／ｍＬの範囲、例えば、６．５μｇ／ｍＬにおける二重特異性抗体の平均血漿濃度が提供される、実施形態５６～６９のいずれか１つに記載の治療方法。
７１．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療方法であって、二重特異性抗体が、それを必要とする患者に皮下投与され、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
該抗体が、該抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
－２０ｍｇの該抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬにおける該抗体の平均血漿濃度が提供される、治療方法。
７２．二重特異性抗体が、デネシミグである、実施形態５６～７１のいずれか１つに記載の治療方法。
７３．二重特異性抗体が、皮下投与される、実施形態のいずれか１つに記載の治療方法。
７４．二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与される、実施形態５６～７２のいずれか１つに記載の治療方法。
７５．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩またはＬ－アルギニン、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび界面活性剤、例えばポリソルベート２０またはポリソルベート８０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態７４に記載の治療方法。
７６．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態７５に記載の治療方法。
７７．組成物が、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態７６記載の治療方法。
７８．組成物が、約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの二重特異性抗体を含む、実施形態７４～７７のいずれか１つに記載の治療方法。
７９．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、１．６、１．７、１．８、１．９、２、２．１、２．２、２．３、２．４、２．５、２．６、２．７、２．８、２．９もしくは３、もしくは４の年間出血率（ＡＢＲ）、または０～５の範囲、例えば１～５の範囲のＡＢＲを提供する、実施形態５６～７８のいずれか１つに記載の治療方法。
８０．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、または２のＡＢＲを提供する、実施形態７９に記載の治療方法。
８１．患者が前もって、週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量のデネシミグで治療されていた、実施形態５６に記載の治療方法。
８２．治療が、予防処置である、実施形態５６～８１のいずれか１つに記載の治療方法。
１．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体であって、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
２．１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される該用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与された、実施形態１に記載の使用するための二重特異性抗体。
３．該用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、負荷用量および１回以上の週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、実施形態１に記載の使用するための二重特異性抗体。
４．約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される、実施形態２に記載の使用するための二重特異性抗体。
５．約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約２４ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約５５ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約１．６ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３に記載の二重特異性抗体。
６．約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約２９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約６６ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約４ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約９ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約２０ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３に記載の使用するための二重特異性抗体。
７．約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約４０ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
９ｍｇの二重特異性抗体の維持用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回投与されるか、または
約２０ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
約４６ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３に記載の使用するための二重特異性抗体。
８．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、実施形態５～７のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
９．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、実施形態２～７のいずれかに１つ記載の使用するための二重特異性抗体。
１０．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、実施形態４または９に記載の使用するための二重特異性抗体。
１１．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、実施形態５～７のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１２．抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１３．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含む、実施形態１２に記載の使用するための二重特異性抗体。
１４．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７から成り、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２から成り、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２から成る、実施形態１３に記載の使用するための二重特異性抗体。
１５．約２μｇ／ｍＬ～約３０μｇ／ｍＬ、約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬの二重特異性抗体の平均血漿濃度が提供される、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１６．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体であって、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
該抗体が、該抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
－２０ｍｇの該抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～１８μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬの該抗体の平均血漿濃度が提供される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための二重特異性抗体。
１７．二重特異性抗体が、デネシミグである、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
１８．二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与される、先行する実施形態のいずれか１つに記載の投与レジメン。
１９．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩またはＬ－アルギニン、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび界面活性剤、例えばポリソルベート２０またはポリソルベート８０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態１８に記載の使用するための二重特異性抗体。
２０．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態１９に記載の使用するための二重特異性抗体。
２１．組成物が、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態２０に記載の使用するための二重特異性抗体。
２２．組成物が、約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの二重特異性抗体を含む、実施形態１７～２１のいずれか１つに記載の使用するための二重特異性抗体。
２３．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、１．６、１．７、１．８、１．９、２、２．１、２．２、２．３、２．４、２．５、２．６、２．７、２．８、２．９、もしくは３、もしくは４の年間出血率（ＡＢＲ）、または０～５の範囲、例えば１～５の範囲のＡＢＲを提供する、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２４．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、または２のＡＢＲを提供する、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２５．患者が前もって、週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量のデネシミグで治療されていた、実施形態１に記載の使用のための二重特異性抗体。
２６．治療が、予防処置である、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２７．二重特異性抗体が、皮下投与される、先行する実施形態のいずれか１つに記載の使用のための二重特異性抗体。
２８．キットであって、ａ）実施形態１２～１４のいずれか１つに記載の二重特異性抗体を含む医薬組成物と、ｂ）請求項１～２１のいずれか１つに記載の阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療のための二重特異性抗体または医薬組成物の皮下投与のための説明書と、を含む、キット。
２９．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための投与レジメンであって、重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含む二重特異性抗体を皮下投与することを含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、投与レジメン。
３０．１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される該用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与された、実施形態２９に記載の投与レジメン。
３１．該用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、
負荷用量および１回以上の週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の該２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、実施形態２９に記載の投与レジメン。
３２．約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される、実施形態２９または３０に記載の投与レジメン。
３３．－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２４ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約５５ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約１．６ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３１に記載の投与レジメン。
３４．－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約６６ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３１に記載の投与レジメン。
３５．－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約４０ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約９ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与された、実施形態３１に記載の投与レジメン。
３６．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、実施形態３３～３５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
３７．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、実施形態３０～３５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
３８．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、実施形態３２または３７に記載の投与レジメン。
３９．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、実施形態３３～３５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４０．抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む、実施形態２９～３９のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４１．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含む、実施形態４０のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４２．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７から成り、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２から成り、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２から成る、実施形態４１のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４３．約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば約３～約９μｇ／ｍＬの範囲、例えば、６．５μｇ／ｍＬにおける二重特異性抗体の平均血漿濃度が提供される、実施形態２９～４２のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４４．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための投与レジメンであって、二重特異性抗体が、それを必要とする患者に投与され、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
該抗体が、該抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
－２０ｍｇの該抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬにおける該抗体の平均血漿濃度が提供される、投与レジメン。
４５．二重特異性抗体が、デネシミグである、実施形態２９～４４のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４６．二重特異性抗体が、皮下投与される、実施形態２８～４５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４７．二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与される、実施形態２９～４５のいずれか１つに記載の投与レジメン。
４８．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩またはＬ－アルギニン、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび界面活性剤、例えばポリソルベート２０またはポリソルベート８０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態４７に記載の投与レジメン。
４９．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態４８に記載の投与レジメン。
５０．組成物が、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態４９記載の投与レジメン。
５１．組成物が、約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの二重特異性抗体を含む、実施形態４７～５０のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５２．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、１．６、１．７、１．８、１．９、２、２．１、２．２、２．３、２．４、２．５、２．６、２．７、２．８、２．９、もしくは３、もしくは４のＡＢＲ、または０～５の範囲、例えば１～５の範囲のＡＢＲを提供する、実施形態２９～５１のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５３．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、または２のＡＢＲを提供する、実施形態２９～５２のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５４．患者が前もって、週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量のデネシミグで治療されていた、実施形態２９に記載の投与レジメン。
５５．治療が、予防処置である、実施形態２９～５４のいずれか１つに記載の投与レジメン。
５６．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療方法であって、二重特異性抗体が、それを必要とする患者に皮下投与され、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、治療方法。
５７．１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される該用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与された、実施形態５６に記載の治療方法。
５８．該用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、
負荷用量および１回以上の週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の該２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与された、実施形態５６に記載の治療方法。
５９．約４９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の２ヶ月後に投与される、実施形態５７に記載の投与レジメン。
６０．
－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２４ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約５５ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約１．６ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に週１回の維持用量として前もって投与された、実施形態５８に記載の治療方法。
６１．
－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約２９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約６６ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
－約４ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約９ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与された、実施形態５８に記載の治療方法。
６２．
－約９ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約４０ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されたか、または
－約９２ｍｇの二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、
約９ｍｇの二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約２０ｍｇの二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与されたか、または
－約４６ｍｇの二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に月１回の維持用量として前もって投与された、実施形態５８に記載の治療方法。
６３．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、実施形態６０～６２のいずれか１つに記載の治療方法。
６４．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、実施形態５６～６２に記載の治療方法。
６５．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、実施形態５９または６４に記載の治療方法。
６６．最初の２ヶ月毎の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、実施形態５６～６２のいずれか１つに記載の治療方法。
６７．抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号１１によって識別される軽鎖可変ドメインを含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１６によって識別される重鎖可変ドメイン、および配列番号２１によって識別される軽鎖可変ドメインを含む、実施形態５９～６６のいずれか１つに記載の治療方法。
６８．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含む、実施形態６７に記載の治療方法。
６９．抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７から成り、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２から成り、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７から成り、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２から成る、実施形態６８に記載の治療方法。
７０．約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば約３～約９μｇ／ｍＬの範囲、例えば、６．５μｇ／ｍＬにおける二重特異性抗体の平均血漿濃度が提供される、実施形態５６～６９のいずれか１つに記載の治療方法。
７１．阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療方法であって、二重特異性抗体が、それを必要とする患者に皮下投与され、二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
該抗体が、該抗体を含む組成物で、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
－２０ｍｇの該抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの該抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの該抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬにおける該抗体の平均血漿濃度が提供される、治療方法。
７２．二重特異性抗体が、デネシミグである、実施形態５６～７１のいずれか１つに記載の治療方法。
７３．二重特異性抗体が、皮下投与される、実施形態のいずれか１つに記載の治療方法。
７４．二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与される、実施形態５６～７２のいずれか１つに記載の治療方法。
７５．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩またはＬ－アルギニン、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび界面活性剤、例えばポリソルベート２０またはポリソルベート８０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態７４に記載の治療方法。
７６．組成物が、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態７５に記載の治療方法。
７７．組成物が、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジンおよび０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、実施形態７６記載の治療方法。
７８．組成物が、約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの二重特異性抗体を含む、実施形態７４～７７のいずれか１つに記載の治療方法。
７９．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、１．６、１．７、１．８、１．９、２、２．１、２．２、２．３、２．４、２．５、２．６、２．７、２．８、２．９もしくは３、もしくは４の年間出血率（ＡＢＲ）、または０～５の範囲、例えば１～５の範囲のＡＢＲを提供する、実施形態５６～７８のいずれか１つに記載の治療方法。
８０．治療が、０、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、１、または２のＡＢＲを提供する、実施形態７９に記載の治療方法。
８１．患者が前もって、週１回、２週間に１回、または月１回の維持用量のデネシミグで治療されていた、実施形態５６に記載の治療方法。
８２．治療が、予防処置である、実施形態５６～８１のいずれか１つに記載の治療方法。
【0138】
好ましい実施形態では、本発明者らは、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための２ヶ月に１回の投与レジメンであって、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含む二重特異性抗体を皮下投与することを含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与され、医薬組成物が、１１．２５ｍｇ／ｍＬ、２５ｍｇ／ｍＬ、または５７．５ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、および０．０２％ｗ／ｖのポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含み、
４０ｍｇの二重特異性抗体の負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されるか、または
９２ｍｇの二重特異性抗体の負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
二重特異性抗体の負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
９ｍｇの二重特異性抗体の用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
２０ｍｇの二重特異性抗体の維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
４６ｍｇの二重特異性抗体の維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与された場合は負荷用量の２ヶ月後に投与され、
約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬの範囲における二重特異性抗体の血漿濃度が提供される。
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含む二重特異性抗体を皮下投与することを含み、
抗ＦＩＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号７を含み、抗ＦＩＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号１２を含み、
抗ＦＸ（ａ）抗体の重鎖が、配列番号１７を含み、抗ＦＸ（ａ）抗体の軽鎖が、配列番号２２を含み、
二重特異性抗体が、二重特異性抗体を含む医薬組成物で投与され、医薬組成物が、１１．２５ｍｇ／ｍＬ、２５ｍｇ／ｍＬ、または５７．５ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、および０．０２％ｗ／ｖのポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含み、
４０ｍｇの二重特異性抗体の負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されるか、または
９２ｍｇの二重特異性抗体の負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
二重特異性抗体の負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、
９ｍｇの二重特異性抗体の用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
２０ｍｇの二重特異性抗体の維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
４６ｍｇの二重特異性抗体の維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、負荷用量の投与された場合は負荷用量の２ヶ月後に投与され、
約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬの範囲における二重特異性抗体の血漿濃度が提供される。
【0139】
当業者は、本明細書に記載される薬物動態（例えば、限定されないが、Ｃｍａｘ、Ｔｍａｘ、血清半減期）、および薬力学パラメータを測定ならびに計算するための様々な方法を理解するであろう。さらに、当業者は、本明細書に記載される薬物動態および薬力学的パラメータの統計的比較（例えば、ベースラインから治療後への変化の比較および／または治療群間の比較であるが、これらに限定されない）ならびに／または分析を行うための様々な方法を理解するであろう。
【実施例0140】
略語リスト
ＣＬ：全身クリアランス
ＩＩＶ：個体間変動
Ｋａ：吸収速度定数
ＭＡＤ：複数回漸増用量
ＯＦＶ：目的関数値
ＰｗＨＡ：血友病Ａを有する患者
ＰＫ：薬物動態学
ＳＡＤ：単回漸増用量（Ｓｉｎｇｌｅ Ａｓｃｅｎｄｉｎｇ Ｄｏｓｅ）
ＳＩＡ：配列同一類似体
Ｑ：コンパートメント間クリアランス
ＱＷ：週１回
Ｑ２Ｗ：２週毎に１回
Ｑ４Ｗ：４週毎に１回
ＱＭ：月１回
Ｑ２Ｍ：２ヶ月に１回
ＲＳＥ：相対標準誤差
Ｖ２：中央分布容積
Ｖ３：周辺分布容積
Ｆ：相対的バイオアベイラビリティ
ＣＬ：全身クリアランス
ＩＩＶ：個体間変動
Ｋａ：吸収速度定数
ＭＡＤ：複数回漸増用量
ＯＦＶ：目的関数値
ＰｗＨＡ：血友病Ａを有する患者
ＰＫ：薬物動態学
ＳＡＤ：単回漸増用量（Ｓｉｎｇｌｅ Ａｓｃｅｎｄｉｎｇ Ｄｏｓｅ）
ＳＩＡ：配列同一類似体
Ｑ：コンパートメント間クリアランス
ＱＷ：週１回
Ｑ２Ｗ：２週毎に１回
Ｑ４Ｗ：４週毎に１回
ＱＭ：月１回
Ｑ２Ｍ：２ヶ月に１回
ＲＳＥ：相対標準誤差
Ｖ２：中央分布容積
Ｖ３：周辺分布容積
Ｆ：相対的バイオアベイラビリティ
【0141】
実施例１：用量漸増試験
配列番号７を含む第１の重鎖および配列番号１２を含む第１の軽鎖と、配列番号１７を含む第２の重鎖および配列番号２２を含む第２の軽鎖と、を含む抗ＦＩＸ（ａ）／ＦＸ（ａ）二重特異性抗体（デネシミグ）は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａ（ＰｗＨＡ）を有する患者に対して開発中である。
配列番号７を含む第１の重鎖および配列番号１２を含む第１の軽鎖と、配列番号１７を含む第２の重鎖および配列番号２２を含む第２の軽鎖と、を含む抗ＦＩＸ（ａ）／ＦＸ（ａ）二重特異性抗体（デネシミグ）は、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａ（ＰｗＨＡ）を有する患者に対して開発中である。
【0142】
ＦＲＯＮＴＩＥＲ１（ＥｕｄｒａＣＴ：２０１９－０００４６５－２０；ＮＣＴ０４２０４４０８）は、健康な参加者におけるデネシミグ（二重特異性抗体）の単回漸増皮下用量、および阻害物質を伴う、または伴わない、ＰｗＨＡにおけるデネシミグの複数回漸増用量（ｍｕｌｔｉｐｌｅ ａｓｃｅｎｄｉｎｇ ｄｏｓｅｓ）の安全性、忍容性、薬物動態、薬力学、ならびに有効性を調査することを目的としている。さらに、本試験は、その後のＦＲＯＮＴＩＥＲ試験での用量設定のためのデータを提供することを目標とする。
【0143】
方法：単回漸増用量（ＳＡＤ）相において、健康な対象者は、デネシミグ（０．０５～３μｇ／ｍＬの血漿濃度を標的とする）またはプラセボの単回漸増用量を受けた。複数の漸増用量（ＭＡＤ）相において、ＰｗＨＡは、１μｇ／ｍＬ（コホート１、ＱＷ投薬）、３μｇ／ｍＬ（コホート２、ＱＷ投薬）、９μｇ／ｍＬ（コホート３、ＱＷ投薬、およびコホート４、Ｑ４Ｗ投薬）、または１６μｇ／ｍＬ（コホート５、ＱＷ投薬）の平均血漿濃度を標的とする、複数の漸増用量のデネシミグを受けた。
【0144】
非線形混合効果モデリングを使用して、ＦＲＯＮＴＩＥＲ１からの時間データに対するデネシミグ血漿濃度を分析した。デネシミグの構造ベースモデルの開発には、１コンパートメントモデルおよび２コンパートメントモデルが含まれた。デネシミグ血漿濃度－時間プロファイルは、吸収速度定数（ｋａ）、全身クリアランス（ＣＬ）、コンパートメント間クリアランス（Ｑ）、中央分布容積（Ｖ２）、周辺分布容積（Ｖ３）、ならびに相対的バイオアベイラビリティ（Ｆ、１に固定される、のようにパラメータ化した、一次排出速度および吸収速度を備えた２コンパートメントモデルで最も良好に説明された。変量効果が、モデルの主要パラメータの個人間変動（ＩＩＶ、または対象者間変動）、ならびに相加的および／または比例残差誤差で調査された。モデルの安定性およびパラメータの精度に加えて、３．８４の目的関数値（ＯＦＶ）の最小低下を、変量効果を含めるために考慮した。最終的なモデルには、ＣＬ、ｋａ、およびＦに関するＩＩＶが含まれ、残差誤差は比例誤差によって記述した。
【0145】
表１～５は、ＭＡＤコホート１～５に対する投与レジメンを列挙する。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0146】
結果：デネシミグは、単回投薬および複数回投薬後の両方で良好な忍容性であり、関連する血栓塞栓性事象または重篤な有害事象は報告されなかった。抗デネシミグ抗体の発生は報告されなかった。ＳＡＤセクションからのデータは、３０．４日の推定Ｔ１／２、および９．１日のＴｍａｘを提供する。ＭＡＤコホート５で観察された最高のデネシミグ濃度は１８μｇ／ｍＬであり、これは安全かつ有効であると評価した（図２）。
【0147】
ＦＲＯＮＴＩＥＲ１データの集団ＰＫモデル分析は、デネシミグのＰＫが、一次吸収および排泄を伴う２コンパートメントＰＫモデルによって最も良好に説明されることを示唆した。デネシミグ濃度に影響を与える主な共変量因子は、ベースラインの体重および製剤強度であった。集団ＰＫモデル分析からのパラメータ推定値を表６に収集し、ＦＲＯＮＴＩＥＲ１ ＭＡＤデータへのモデルの適合を図３に示す。
【表6】
【0148】
１２週間の観察期間中、８人の患者で１５の治療された出血が報告され、そのうち１３の出血（９の外傷性）が最低用量コホートからの６人の患者で観察された。コホート２および３からの患者における２の出血は外傷性であり、それゆえ、治療された関節出血も自然出血もコホート１を超えて観察されなかった（表７）。
【0149】
結論：集団ＰＫモデルでは、ベースラインの体重および製剤強度である主な共変量のデータにおける中央値の傾向および変動を適切に説明した。デネシミグは良好な忍容性を示し、抗デネシミグ抗体の発生は報告されなかった。ＦＲＯＮＴＩＥＲ１は、体重および製剤強度の影響を考慮して導出された、本明細書に記載される投与方法／投与レジメンを使用して、さらなる臨床開発を支持する有望なデータを提供する。
【表7】
【0150】
実施例２：デネシミグの投与後のトロンビン生成
第ＶＩＩＩ因子（ＦＶＩＩＩ）補充は、血友病Ａ（ＨＡ）を有する患者の標準治療である。デネシミグは、エミシズマブと比較して、インビトロおよびＨＡマウスモデルにおいて、強化された止血特性を有する第ＩＸ（ａ）因子およびＦＸ（ａ）を組み合わせることができる二重特異性抗体である。ＦＲＯＮＴＩＥＲ１（ＮＣＴ０４２０４４０８）は、ＦＶＩＩＩ阻害物質の状態に関係なく、健康なボランティアおよび重度のＨＡを有する患者における皮下投与されたデネシミグの安全性、忍容性、薬物動態、および薬力学を調査する第１／２相試験である。
第ＶＩＩＩ因子（ＦＶＩＩＩ）補充は、血友病Ａ（ＨＡ）を有する患者の標準治療である。デネシミグは、エミシズマブと比較して、インビトロおよびＨＡマウスモデルにおいて、強化された止血特性を有する第ＩＸ（ａ）因子およびＦＸ（ａ）を組み合わせることができる二重特異性抗体である。ＦＲＯＮＴＩＥＲ１（ＮＣＴ０４２０４４０８）は、ＦＶＩＩＩ阻害物質の状態に関係なく、健康なボランティアおよび重度のＨＡを有する患者における皮下投与されたデネシミグの安全性、忍容性、薬物動態、および薬力学を調査する第１／２相試験である。
【0151】
デネシミグまたはエミシズマブに応答したピークトロンビン生成および検査マーカーを分析した。
【0152】
方法：ＦＲＯＮＴＩＥＲ１の第２相部分は、非盲検であり、毎週（コホート１～３および５）または４週毎（コホート４）の投薬を通して１～１８μｇ／ｍＬの平均血漿濃度を標的とし、コホート３／４が同じ血漿濃度を標的とした、デネシミグを、１２週にわたって、５つの複数の漸増用量コホートにわたって皮下投与した。比較のために、エミシズマブで治療を受けた対象者の追加の探索的コホートが含まれた。
【0153】
結果：デネシミグでの４２人の対象者（コホート１［ｎ＝７］、２［ｎ＝９］、３［ｎ＝８］、４［ｎ＝８］、および５［ｎ＝１０］）、およびエミシズマブでの１０人が含まれた。ピークトロンビンレベルは、デネシミグ用量とともに増加した。投与前のＦＶＩＩＩ中和血漿試料にデネシミグおよびエミシズマブをスパイクしたインビトロ実験では、エミシズマブよりも低い血漿濃度で最大ピーク高に到達し、デネシミグに対する高い効力を示した（図４を参照）。平均ピークトロンビンレベルは、コホート２においてエミシズマブおよびデネシミグでの患者間で同程度であった。Ｄ－二量体、フィブリノゲン、血小板、またはＦＩＸａ／ＦＸ 抗原レベルの用量依存的な変化は観察されず、ほとんどの値は正常範囲内に留まった。プロトロンビン断片１および２における用量依存的な増加がデネシミグおよびエミシズマブでの患者で観察され（相対変化［％］：コホート１～５でそれぞれ、２６．０８、９３．９９、３２３．６５、６０６．４１、および３１５．６２、エミシズマブで８５．０４）、定常状態で安定化した。
【0154】
結論：トロンビン生成における用量依存的な増加がデネシミグ患者で観察され、エミシズマブ患者よりも高いピークトロンビンレベルに達した。検査パラメータは、安全性シグナルを示さなかった。
【0155】
実施例３：実施例１および２からの結果を、異なる体重帯の新規投与レジメンに外挿する
実施例１および２に含まれるようなＦＲＯＮＴＩＥＲ１臨床試験からの特定の新規の学習に基づいて、本発明者らは、二重特異性抗体デネシミグの患者応答および観察された特性（用量、Ｔ１／２、Ｔｍａｘ、および血漿濃度などを含む、該試験で取得された新規データを慎重に分析および使用することにより、本明細書に開示される投与方法、特に、特定の投与レジメン（体重帯／群の選択を含む）を考案した。本発明者らは、例えば、約１μｇ／ｍＬ～約３０μｇ／ｍＬ、好ましくは約３～約１８、より好ましくは３～９μｇ／ｍｌの範囲、例えば、５、５．５、６、６．５、または７μｇ／ｍｌの治療用血漿濃度に到達し、５ｋｇからの体重をカバーし、その結果として小児患者もカバーするように、体重帯の数を２から３に拡大することにより、特定の体重帯についてこの定常状態血漿濃度に到達するために必要な投与レジメンを開発した。
実施例１および２に含まれるようなＦＲＯＮＴＩＥＲ１臨床試験からの特定の新規の学習に基づいて、本発明者らは、二重特異性抗体デネシミグの患者応答および観察された特性（用量、Ｔ１／２、Ｔｍａｘ、および血漿濃度などを含む、該試験で取得された新規データを慎重に分析および使用することにより、本明細書に開示される投与方法、特に、特定の投与レジメン（体重帯／群の選択を含む）を考案した。本発明者らは、例えば、約１μｇ／ｍＬ～約３０μｇ／ｍＬ、好ましくは約３～約１８、より好ましくは３～９μｇ／ｍｌの範囲、例えば、５、５．５、６、６．５、または７μｇ／ｍｌの治療用血漿濃度に到達し、５ｋｇからの体重をカバーし、その結果として小児患者もカバーするように、体重帯の数を２から３に拡大することにより、特定の体重帯についてこの定常状態血漿濃度に到達するために必要な投与レジメンを開発した。
【0156】
実施例１に記載される集団ＰＫモデルを使用して、発明者らは、週１回（ＱＷ）、２週間に１回（Ｑ２Ｗ）、または月１回（ＱＭ）の投与レジメンから、２ヶ月に１回（Ｑ２Ｍ）の投与レジメンへの直接切り替えとして使用される投与レジメンを導き出し、血友病集団内の典型的な体重に対する治療範囲（１～３０μｇ／ｍＬ）内で定常状態デネシミグ血漿濃度を迅速に確立した。
【0157】
該投薬レジメンおよび体重帯の例を表８に示す。
【表8】
【0158】
各体重帯および投薬頻度内の典型的な対象者に対する該デネシミグＰＫプロファイルの例を、ＱＷ、Ｑ２Ｗ、またはＱＭのいずれかからＱ２Ｍ投薬レジメンへの切り替えとともに図５に示す。図５ａ、図５ｂおよび図５ｃは、それぞれＱＭ、Ｑ２Ｗ、およびＱＷで定常状態投薬中の、その後、表８に例示される用量でのＱ２Ｍに直接移行した（現在の図では１３週目に例示される）、異なる体重を有する対象者におけるデネシミグの予測された典型的なＰＫプロファイルを示す。ＰＫシミュレーションは、体重に関係なくすべての対象者が、ＦＲＯＮＴＩＥＲ１ ＭＡＤコホート１（Ｃ１）（１μｇ／ｍＬ）に匹敵する最小濃度、およびＭＡＤコホート５（３４μｇ／ｍＬ）におけるＣｍａｘにより定義される最大個別濃度により定義されるような治療範囲内のデネシミグ血漿濃度を達成するはずであることを実証する。これは、ＱＷ、Ｑ２Ｗ、およびＱＭ投薬間隔の両方で実証される。
【0159】
図６は、以前にデネシミグ曝露のない異なる体重を有する対象者において、表８に例示されるように、複数回のＱ２Ｍ投与後の、デネシミグの予測された典型的なＰＫプロファイルを示す。ＰＫシミュレーションは、体重に関係なくすべての対象者が、ＦＲＯＮＴＩＥＲ１ ＭＡＤコホート１（Ｃ１）（１μｇ／ｍＬ）に匹敵する最小濃度、およびＭＡＤコホート５（３４μｇ／ｍＬ）で観察された最大個別濃度により定義されるような治療範囲内のデネシミグ血漿濃度を達成するはずであることを実証する。実施例４：デネシミグ組成物の安定性。
【0160】
本実施例で分析した医薬組成物は、１～１００ｍｇ／ｍＬの二重特異性抗体デネシミグ、１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む。
【0161】
安定性を、以下の主要パラメータに基づいて評価した：外観、高分子量タンパク質（ＨＭＷＰ）、モノマー、および純度。表９から表２２に示した安定性の結果に基づくと、長期保存条件（５℃±３℃）および加速保存条件（２５℃±２℃）での保存中の、化学安定性（ＨＭＷＰ、モノマー、および純度）および物理的安定性（外観）と関連する、主要パラメータに傾向の軽微な変化は観察されないか、またはわずかにのみ観察される。
【0162】
要約すると、結果は、組成物が５℃および２５℃で、経時的に化学的および物理的に安定していることを示す。
【0163】
分析手順
１．公定分析手順
製剤の管理には、以下の公定分析手順が採用されている。
１．公定分析手順
製剤の管理には、以下の公定分析手順が採用されている。
【0164】
外観
製剤の外観は、Ｐｈ．Ｅｕｒ．、およびＪＰに従って目視検査によって決定される。
製剤の外観は、Ｐｈ．Ｅｕｒ．、およびＪＰに従って目視検査によって決定される。
【0165】
ｐＨ
ｐＨは、Ｐｈ．Ｅｕｒ．、ＵＳＰ、およびＪＰに従って実施した電位差測定決定によって測定される。
ｐＨは、Ｐｈ．Ｅｕｒ．、ＵＳＰ、およびＪＰに従って実施した電位差測定決定によって測定される。
【0166】
２．非公定分析手順
製剤の管理には、以下の非公定分析手順が採用されている。
製剤の管理には、以下の非公定分析手順が採用されている。
【0167】
２．１ ＳＥ－ＨＰＬＣによる含量
含量を、サイズ排除カラムでの均一濃度溶出およびその後のＵＶ検出を使用して、ＳＥ－ＨＰＬＣによって決定する。含量を、既知の含量濃度を有する参照物質の高分子量タンパク質（ＨＭＷＰ）のピークおよびモノマーピークの面積に対するＨＭＷＰピークおよびモノマーピークの面積を使用して計算し、ｍｇ／ｍｌで表す。
含量を、サイズ排除カラムでの均一濃度溶出およびその後のＵＶ検出を使用して、ＳＥ－ＨＰＬＣによって決定する。含量を、既知の含量濃度を有する参照物質の高分子量タンパク質（ＨＭＷＰ）のピークおよびモノマーピークの面積に対するＨＭＷＰピークおよびモノマーピークの面積を使用して計算し、ｍｇ／ｍｌで表す。
【0168】
２．２ ＳＥ－ＨＰＬＣによるモノマー
モノマーの含量を、サイズ排除カラムでの均一濃度溶出およびその後のＵＶ検出を使用して、ＳＥ－ＨＰＬＣによって決定する。総面積に対するモノマーピーク面積を計算し、パーセントで表す。
モノマーの含量を、サイズ排除カラムでの均一濃度溶出およびその後のＵＶ検出を使用して、ＳＥ－ＨＰＬＣによって決定する。総面積に対するモノマーピーク面積を計算し、パーセントで表す。
【0169】
２．３ ＳＥ－ＨＰＬＣによる高分子量タンパク質（ＨＭＷＰ）
ＨＭＷＰの含量を、サイズ排除カラムでの均一濃度溶出およびその後のＵＶ検出を使用して、ＳＥ－ＨＰＬＣによって決定する。総面積に対するＨＭＷＰピーク面積を計算し、パーセントで表す。
ＨＭＷＰの含量を、サイズ排除カラムでの均一濃度溶出およびその後のＵＶ検出を使用して、ＳＥ－ＨＰＬＣによって決定する。総面積に対するＨＭＷＰピーク面積を計算し、パーセントで表す。
【0170】
２．４ ＣＥ－ＳＤＳによる純度
純度は、ドデシル硫酸ナトリウム（ＣＥ－ＳＤＳ）の存在下でのキャピラリー電気泳動による主要ピーク面積として定義する。純度は、非還元条件下で、ＵＶ検出を用いて、ＣＥ－ＳＤＳにより決定する。純度を、総面積に対する主要ピーク面積として計算し、パーセントで表す。
純度は、ドデシル硫酸ナトリウム（ＣＥ－ＳＤＳ）の存在下でのキャピラリー電気泳動による主要ピーク面積として定義する。純度は、非還元条件下で、ＵＶ検出を用いて、ＣＥ－ＳＤＳにより決定する。純度を、総面積に対する主要ピーク面積として計算し、パーセントで表す。
【0171】
デネシミグを１～１００ｍｇ／ｍｌの濃度範囲で含む組成物の安定性データ
１、２、５、１１．２５、５７．５、および１００ｍｇ／ｍＬのデネシミグを含む組成物の安定性を、長期保存条件（５℃±３℃）および加速保存条件（２５℃±２℃）で追跡した。
１、２、５、１１．２５、５７．５、および１００ｍｇ／ｍＬのデネシミグを含む組成物の安定性を、長期保存条件（５℃±３℃）および加速保存条件（２５℃±２℃）で追跡した。
【0172】
１ｍｇ／ｍｌ～１００ｍｇ／ｍｌの範囲でデネシミグを含む組成物の結果は、同等の安定性を示す。組成物は、化学的および物理的に安定である。
【0173】
１ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データ
１ｍｇ／ｍｌのデネシミグを含む組成物の安定性データを、長期保存条件については表９に、加速保存条件については表１０に報告する。
１ｍｇ／ｍｌのデネシミグを含む組成物の安定性データを、長期保存条件については表９に、加速保存条件については表１０に報告する。
【表9】
【表10】
【0174】
２．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データ
２．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１１に、加速保存条件については表１２に報告する。
２．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１１に、加速保存条件については表１２に報告する。
【表11】
【表12】
【0175】
５．０ｍｇ／ｍｌデネシミグの安定性データ
５．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１３に、加速保存条件については表１４に報告する。
５．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１３に、加速保存条件については表１４に報告する。
【表13】
【表14】
【0176】
１１．３ｍｇ／ｍｌデネシミグの安定性データ
１１．３ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１５に、加速保存条件については表１６に報告する。
１１．３ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１５に、加速保存条件については表１６に報告する。
【表15】
【表16】
【0177】
２５．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データ
２５．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１７に、加速保存条件については表１８に報告する。
２５．０ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１７に、加速保存条件については表１８に報告する。
【表17】
【表18】
【0178】
５７．５ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データ
５７．５ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１９に、加速保存条件については表２０に報告する。
５７．５ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表１９に、加速保存条件については表２０に報告する。
【表19】
【表20】
【0179】
１００ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データ
１００ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表２１に、加速保存条件については表２２に報告する。
１００ｍｇ／ｍｌのデネシミグの安定性データを、長期保存条件については表２１に、加速保存条件については表２２に報告する。
【表21】
【表22】
【0180】
本発明の特定の特徴が本明細書に例証および記載されているが、ここで、多くの修正、代用、変更、および均等物が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲内にあるすべてのそのような修正および変更を網羅することを意図していると理解される。
【図1-1】
【図1-2】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5-1】
【図5-2】
【図5-3】
【図6】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重特異性抗体を含む、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための医薬であって、前記二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記二重特異性抗体が、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための医薬。
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号３、４、および５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号８、９、および１０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記重鎖が、それぞれ、配列番号１３、１４、および１５によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体またはその抗原結合性断片の前記軽鎖が、それぞれ、配列番号１８、１９、および２０によって識別されるＣＤＲ１～３配列を含み、
前記二重特異性抗体が、ヒト患者に皮下投与され、
－約２０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約４６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に２ヶ月に１回投与される、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための医薬。
【請求項2】
１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重または４５ｋｇを超える体重を有する患者に投与される前記用量が維持用量であり、負荷用量が最初の維持用量の前に投与される、請求項１に記載の医薬。
【請求項3】
前記用量が、２ヶ月毎の維持用量であり、
負荷用量および毎週１回以上、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の前記２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与される、請求項１に記載の医薬。
負荷用量および毎週１回以上、２週間に１回、または月１回の維持用量が、最初の前記２ヶ月毎の維持用量が投与される前に投与される、請求項１に記載の医薬。
【請求項4】
約４９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
約１１２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の２ヶ月後に投与される、請求項２に記載の医薬。
約１１２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の２ヶ月後に投与される、請求項２に記載の医薬。
【請求項5】
約９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約２４ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約５５ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、かつ、
約１．６ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与される、請求項３に記載の医薬。
約２４ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約５５ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、かつ、
約１．６ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に週１回の維持用量として前もって投与される、請求項３に記載の医薬。
【請求項6】
約９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約２９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約６６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、かつ、
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与される、請求項３に記載の医薬。
約２９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約６６ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、かつ、
約４ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２週間に１回の維持用量として前もって投与される、請求項３に記載の医薬。
【請求項7】
約９ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約４０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、かつ、
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約４６ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与される、請求項３に記載の医薬。
約４０ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する患者に前もって投与されるか、または
約９２ｍｇの前記二重特異性抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に前もって投与され、かつ、
約９ｍｇの前記二重特異性抗体が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約２０ｍｇの前記二重特異性抗体が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与されるか、または
約４６ｍｇの前記二重特異性抗体が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に月１回の維持用量として前もって投与される、請求項３に記載の医薬。
【請求項8】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の１～４週間後に投与される、請求項２に記載の医薬。
【請求項9】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の１～２ヶ月後に投与される、請求項２に記載の医薬。
【請求項10】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月後に投与される、請求項４または９に記載の医薬。
【請求項11】
前記最初の２ヶ月毎の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月を超えた後に投与される、請求項２に記載の医薬。
【請求項12】
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号７を含み、前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号１２を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７を含み、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２を含む、請求項１に記載の医薬。
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７を含み、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２を含む、請求項１に記載の医薬。
【請求項13】
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号７から成り、前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号１２から成り、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７から成り、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２から成る、請求項１２に記載の医薬。
前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記重鎖が、配列番号１７から成り、前記抗ＦＸ（ａ）抗体の前記軽鎖が、配列番号２２から成る、請求項１２に記載の医薬。
【請求項14】
約２μｇ／ｍＬ～約１８μｇ／ｍＬ、例えば３～９μｇ／ｍＬの範囲、例えば６．５μｇ／ｍＬの前記二重特異性抗体の平均血漿濃度が、提供される、請求項１に記載の医薬。
【請求項15】
二重特異性抗体を含む、阻害物質を伴う、または伴わない血友病Ａの治療において使用するための医薬であって、前記二重特異性抗体が、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗体が、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、２０ｍｇの前記抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～１８μｇ／ｍＬ、例えば６．５μｇ／ｍＬの範囲の前記抗体の平均血漿濃度が提供される、医薬。
重鎖および軽鎖を含む、ＦＩＸ（配列番号１）および／またはその活性型（ＦＩＸａ）と結合することができる、抗ＦＩＸ（ａ）抗体と、
重鎖および軽鎖を含む、ＦＸ（配列番号２）および／またはその活性型（ＦＸａ）と結合することができる、抗ＦＸ（ａ）抗体と、を含み、
前記抗ＦＩＸ（ａ）抗体が、配列番号７によって識別される重鎖および配列番号１２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗ＦＸ（ａ）抗体が、配列番号１７によって識別される重鎖および配列番号２２によって識別される軽鎖を含み、
前記抗体が、ヒト患者に皮下投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、１５ｋｇ～４５未満の体重を有する患者に投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む負荷用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する患者に投与され、
負荷用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する患者に投与されず、２０ｍｇの前記抗体を含む用量が、５ｋｇ～１５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
－４６ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、１５ｋｇ～４５ｋｇ未満の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与されるか、または
－９２ｍｇの前記抗体を含む維持用量が、４５ｋｇ以上の体重を有する前記患者に２ヶ月に１回投与され、
最初の維持用量が、前記負荷用量の投与の２ヶ月後に投与され、
３～１８μｇ／ｍＬ、例えば６．５μｇ／ｍＬの範囲の前記抗体の平均血漿濃度が提供される、医薬。
【請求項16】
前記二重特異性抗体が、デネシミグである、請求項１または１５に記載の医薬。
【請求項17】
約１１．２５、約２５、または約５７．５ｍｇ／ｍｌの前記二重特異性抗体、約１５０ｍＭのＬ－アルギニン塩酸塩、約２０ｍＭのＬ－ヒスチジン、および約０．０２ｗ／ｖ％のポリソルベート２０を、約ｐＨ６．３で含む、請求項１または１５に記載の医薬。
【外国語明細書】