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特開2025-3426リンクアダプテーション、レイテンシの影響を受けやすいトラフィック、およびデバイス内共存の性能を向上させるための802.11におけるフィードバックの拡張
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003426
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】リンクアダプテーション、レイテンシの影響を受けやすいトラフィック、およびデバイス内共存の性能を向上させるための802.11におけるフィードバックの拡張
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/21 20230101AFI20241226BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241226BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20241226BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20241226BHJP
   H04W 72/1273 20230101ALI20241226BHJP
【FI】
H04W72/21
H04W72/0446
H04W88/06
H04W84/12
H04W72/1273
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024101069
(22)【出願日】2024-06-24
(31)【優先権主張番号】202321041989
(32)【優先日】2023-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】63/573,093
(32)【優先日】2024-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/749,819
(32)【優先日】2024-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】318015161
【氏名又は名称】アバゴ・テクノロジーズ・インターナショナル・セールス・プライベート・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Avago Technologies International Sales Pte.Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Yishun Avenue 7,Singapore 768923,Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】シンドゥ・ヴェルマ
(72)【発明者】
【氏名】シュブホディープ・アディカリ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジェイ・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンコ・アーセグ
(72)【発明者】
【氏名】ボビー・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】プラッドハップ・アソカン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE04
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】レイテンシの影響を受けやすいトラフィック、マルチリンク動作、リンクアダプテーション、およびデバイス内共存の性能を向上させるための解決策を開示すること。
【解決手段】Wi-Fiトランシーバーと、少なくとも1つのアンテナを共有する第2のトランシーバーとを備えるデバイスは、第2のトランシーバーによって受信された通信のバーストが第2の通信に割り当てられた期間を超えたことを検出することができる。デバイスは、Wi-Fi通信を受信するためにWi-Fiアクセスポイント(AP)と通信することができる。デバイスは、検出に応答して、APがデバイスにWi-Fi通信を伝送するためのスケジュールを決定することができる。スケジュールは、第2の期間を基礎とする周期で第1の期間のバースト制限を含む。デバイスは、スケジュールをアクセスポイントに伝達することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアンテナを共有するWi-Fiトランシーバーおよび第2の無線トランシーバーを含むデバイスであって、メモリと結合された1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、
前記第2の無線トランシーバーによって受信された通信のバーストが第2の無線通信に割り当てられた期間を超えていることを検出し、前記デバイスが、Wi-Fi通信を受信するためにアクセスポイント(AP)と通信しており、
前記検出に応答して、前記APがWi-Fi通信を前記デバイスに伝送するスケジュールを決定し、前記スケジュールが、第2の期間を基礎とする周期で第1の期間のバースト制限を含み、
前記スケジュールを前記アクセスポイントに伝達する、デバイス。
【請求項2】
前記第1の期間は、前記Wi-Fi伝送の受信に割り当てられ、前記第2の期間は、前記第1の期間の開始と、前記第2の期間を基礎とする周期に基づく次の第1の期間の開始との間の時間の長さに対応し、前記次の第1の期間は、前記Wi-Fi伝送の受信に割り当てられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記次の第1の期間中に、前記Wi-Fi通信の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)を受信するための、前記1つ以上のプロセッサを含み、
前記AMPDUは、前記次の第1の期間にしたがって調節されたサイズを有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記次の第1の期間中に、前記Wi-Fi通信の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)を受信するための、前記1つ以上のプロセッサを含み、
前記AMPDUは、前記次の第1の期間の時間長に関してサイズ調節されており、それによって前記次の第1の期間内に、前記AMPDUのブロック確認応答(BA)の伝送を完了することができる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2の無線トランシーバーによって受信された通信の第2のバーストが、前記スケジュールにしたがった前記APからのWi-Fi通信の受信に割り当てられた前記第1の期間の一部と重複することを検出し、
前記重複に応答して前記スケジュールを調節するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記スケジュールは、前記通信の第2のバーストの持続時間に応じて、前記第1の期間の持続時間または前記第2の期間の持続時間の少なくとも一方を変更するように調節される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第2の無線通信は、Bluetooth通信、UWB(超広帯域)通信、LTE(ロングタームエボリューション)通信、LAA(免許制アシストアクセス)通信、NR(新無線)通信、またはNR-U(新無線-非免許制)通信のうちの少なくとも1つに対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記アクセスポイントから、前記Wi-Fi通信の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)を受信し、
前記AMPDUのブロック確認応答(BA)を生成し、
前記BAを介して前記スケジュールを前記アクセスポイントに伝達するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記スケジュールは、複数の通信チャネルのうちの第1の通信チャネルを介して前記Wi-Fi通信を受信するためのものである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第2のトランシーバーによって受信された通信の第2のバーストが、第2の無線通信に割り当てられた第2の期間を超えていることを検出し、
前記通信の第2のバーストの検出に応答して、前記アクセスポイントが前記複数のチャネルのうちの第2のチャネルを介して前記デバイスにWi-Fi通信を伝送するための第2のスケジュールを決定し、前記第2のスケジュールが、第4の期間を基礎とする第2の周期で第3の期間の第2のバースト制限を含み、
前記第2のスケジュールを前記アクセスポイントに伝達するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
アクセスポイントであって
メモリと結合された1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、
デバイスから、前記デバイス上のデバイス内共存の問題の存在を識別する情報を含むブロック確認応答(BA)を受信し、
前記デバイス内共存の問題を識別することに応答し、前記APからの1つ以上の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)に応答して、前記デバイスからの1つ以上のBAが、失敗として識別されることなく、短期フレーム間間隔(SIFS)を超えて遅延されることを許容することを決定し、
前記SIFSの後、前記決定に応答して、前記デバイスから第2のBAを受信し、
前記第2のBAは、前記APから受信した複数のAMPDUに対応する複数の確認応答を含む、アクセスポイント。
【請求項12】
前記決定に応答して、前記SIFSの後に受信した前記第2のBAに関係なく、前記複数のAMPDUの複数の送信が成功したと判定するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項11に記載のアクセスポイント。
【請求項13】
第2のデバイスから、前記第2のデバイス上のデバイス内共存の問題を識別しない情報を含むブロック確認応答(BA)を受信し、
第2のデバイスにAMPDUを伝送し、
前記AMPDUのBAが前記SIFS内に受信されていないことを判定し、
前記BAが前記SIFS内に受信されていないことに応答して、前記AMPDUの伝送が失敗したことを識別するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項11に記載のアクセスポイント。
【請求項14】
前記1つ以上のAMPDUの1つ以上のBAの伝送が、前記1つ以上のAMPDUに続く1つ以上のSIFSの後まで遅延されるWi-Fi通信用に、前記デバイスが構成されていることを識別し、
前記構成に応答して、前記構成にしたがって前記複数のAMPDUを伝達するための規定を伝送するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項11に記載のアクセスポイント。
【請求項15】
前記規定は、前記複数のAMPDUのうちのあるAMPDUの物理層のヘッダーまたはメディアアクセス制御ヘッダーのヘッダーの少なくとも一方に表示される、請求項14に記載のアクセスポイント。
【請求項16】
前記情報から、信号対干渉プラス雑音比(SINR)マージンを示すチャネル品質情報を識別し、
前記SINRマージンに応じて、前記デバイスへの伝送用の変調符号化方式(MCS)を調節するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項11に記載のアクセスポイント。
【請求項17】
前記情報から、前記デバイスへの伝送用の変調符号化方式(MCS)、前記1つ以上のAMPDUの信号強度、または1つ以上の隠しノードの存在のうちの少なくとも1つに対応する表示を識別し、
前記表示に応答して、前記デバイスに伝送される次のAMPDUについて、前記MCS、前記信号強度、または前記1つ以上の隠しノードに対応する伝送パワーのうちの少なくとも1つを調節するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項11に記載のアクセスポイント。
【請求項18】
前記情報から、前記1つ以上のAMPDU内のすべてのMPDUが前記デバイスによって受信されなかったことを判定するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項17に記載のアクセスポイント。
【請求項19】
アクセスポイント(AP)と無線通信するデバイスであって、
メモリと結合された1つ以上のプロセッサを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
現在のトランザクション機会(TXOP)中に作成され、アクセスポイント(AP)に伝送されるのを待っている物理プロトコルデータユニット(PPDU)を識別し、
前記現在のTXOP中に前記デバイスによって受信された低レイテンシパケットを識別し、前記低レイテンシパケットが、前記PPDUに続く次のPPDU内で前記APに伝達される予定のものであり、
前記低レイテンシパケットを前記PPDUに挿入し、
前記低レイテンシパケットを含む前記PPDUを前記現在のTXOP内で前記APに伝送する、デバイス。
【請求項20】
前記現在のTXOPに続く次のTXOPを介して伝送するようにスケジュールされた前記次のPPDU内の前記低レイテンシパケットを識別し、
前記低レイテンシパケットを前記PPDUに挿入することを決定するための、前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項19に記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は、2023年6月23日に出願されたインド仮特許出願第202321041989号、および2024年4月2日に出願された米国仮特許出願第63/573093号の利益およびそれらの優先権を主張するものである。これらの仮特許出願は両方とも、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、概して、リンクアダプテーション、トラフィックレイテンシ、および異なる無線技術間の共存の実施を含む、無線ローカルエリアネットワークにおける通信のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
無線通信デバイスは、様々なネットワーク通信チップセットまたはサブシステムを利用することができ、これらは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)技術、セルラー通信技術、Bluetooth(登録商標)、UWB(超広帯域)、または任意の他の無線通信技術のような、異なる無線通信技術を実施するように構成され得る。無線通信デバイスは、様々な環境および状況で動作することができる。
【0004】
概要
本開示の技術的解決策は、802.11Wi-Fi通信で発生するような無線通信システムにおけるデバイス内共存(IDC:In-Device Coexistence)の問題の低減を目的としたフィードバックメカニズムの拡張を提供する。これらの拡張により、リンクアダプテーションが改善され、レイテンシが低減され、ホストデバイスのリソース(アンテナなど)をWi-Fiと共有する他の無線機能との間のIDCが最適化される。本技術的解決策によれば、Wi-Fi以外の無線通信バーストが共有リソースの使用に割り当てられた時間を超えると、Wi-Fiアクセスポイントは、長時間のバーストとの重複を回避して、伝送の時間調節と同期を行うためのスケジュールを生成することができる。例えば、Wi-Fi以外の通信は、周期的に発生する時点、またはWi-Fiモジュールに従来知られていない時点で、共有リソースを使用することができる。本解決策によれば、Wi-Fi通信のスケジュールを調整することで、Wi-Fi通信の忠実度に悪影響を与えないようにしながら、Wi-Fi以外の通信との重複を回避することができる。本技術的解決策によれば、Wi-Fiアクセスポイントが、デバイスから、そのデバイス上の2つの技術間のIDC問題に関する通知を受信した場合、すでに伝送されたデータフレームについては、それらを失敗として記録することなく、それらのデータフレームの確認応答を遅延させるように、そのAP(アクセスポイント)を構成することができる。本解決策によれば、失敗が発生した場合でも、フレーム確認応答を利用して伝送情報を提供できるため、アクセスポイントによる、より多くの情報に基づく調節が可能になる。本解決策によれば、例えば、前のフレームの伝送中に低レイテンシパケットが識別された場合、その低レイテンシパケットを進行中のフレーム伝送に含めることができるため、スループットと通信効率が向上する。
【0005】
本技術的解決策の一態様は、方法に向けられている。前記方法は、少なくとも1つのアンテナを共有するWi-Fiトランシーバーおよび第2の無線トランシーバーを含むデバイスによって、通信のバーストを検出することを含み得る。前記通信のバーストは、第2の無線通信に割り当てられた期間を超えて、前記第2の無線トランシーバーによって受信され得る。前記デバイスは、Wi-Fi通信を受信するためにアクセスポイント(AP)と通信することができる。前記方法は、前記検出に応答して、前記デバイスにより、前記APが前記デバイスにWi-Fi通信を伝送するスケジュールを決定することを含み得る。前記スケジュールは、第2の期間を基礎とする周期で第1の期間のバースト制限を含み得る。前記方法は、前記デバイスが、前記スケジュールを前記アクセスポイントに伝達することを含み得る。
【0006】
前記第1の期間は、Wi-Fi伝送の受信に割り当てられる場合があり、前記第2の期間は、前記第1の期間の開始と、前記第2の期間を基礎とする周期に基づく次の第1の期間の開始との間の時間に対応する。前記次の第1の期間は、前記Wi-Fi伝送の受信に割り当てられる場合がある。前記方法は、前記デバイスが、前記次の第1の期間中に、前記Wi-Fi通信の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU:Aggregated Medium access control Protocol Data Unit)を受信することを含み得る。前記AMPDUは、前記次の第1の期間にしたがって調節されたサイズを有することができる。
【0007】
前記方法は、前記デバイスにより、前記次の第1の期間中に、前記Wi-Fi通信のAMPDUを受信することを含み得る。前記AMPDUは、前記次の第1の期間内に収まるように最大化されたサイズを有し、それによって、前記次の第1の期間内に、前記AMPDUのブロック確認応答(BA:Block Acknowledgement)の伝送を完了することができる。
【0008】
前記方法は、前記デバイスにより、前記第2の無線トランシーバーによって受信された通信の第2のバーストが、前記スケジュールにしたがった前記APからのWi-Fi通信の受信に割り当てられた前記第1の期間の一部と重複することを検出することを含み得る。前記方法は、前記デバイスにより、前記重複に応答して前記スケジュールを調節することを含み得る。前記スケジュールは、前記通信の第2のバーストの持続時間に応じて、前記第1の期間の持続時間または前記第2の期間の持続時間の少なくとも一方を変更するように調節され得る。前記第2の無線通信は、Bluetooth(登録商標)通信、UWB(超広帯域)通信、LTE(Long-Term Evolution;ロングタームエボリューション)通信、LAA(Licensed Assisted Access;免許制アシストアクセス)通信、NR(New Radio;新無線)通信、またはNR-U(New Radio-Unlicensed;新無線-非免許制)通信のうちの少なくとも1つに対応する。
【0009】
前記方法は、前記デバイスにより、前記アクセスポイントから、前記Wi-Fi通信の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)を受信することを含み得る。前記方法は、前記デバイスにより、前記AMPDUのブロック確認応答(BA)を生成することを含み得る。前記方法は、前記デバイスにより、前記BAを介して前記スケジュールを前記アクセスポイントに伝達することを含み得る。前記スケジュールは、複数の通信チャネルのうちの第1の通信チャネルを介して前記Wi-Fi通信を受信するためのものであってもよい。
【0010】
前記方法は、前記デバイスにより、前記第2のトランシーバーによって受信された通信の第2のバーストが、第2の無線通信に割り当てられた第2の期間を超えていることを検出することを含み得る。前記方法は、前記デバイスにより、前記通信の第2のバーストの検出に応答して、前記アクセスポイントが前記複数のチャネルのうちの第2のチャネルを介して前記デバイスにWi-Fi通信を伝送するための第2のスケジュールを決定することを含む場合があり、前記第2のスケジュールは、第4の期間を基礎とする第2の周期で第3の期間の第2のバースト制限を含む。本方法は、前記デバイスにより、前記第2のスケジュールを前記アクセスポイントに伝達することを含み得る。
【0011】
本技術的解決策の一態様は、Wi-Fi APデバイスなどのアクセスポイント(AP)に向けられ得る。前記アクセスポイントは、メモリと結合された1つ以上のプロセッサを含み得る。前記1つ以上のプロセッサは、デバイスから、前記デバイス上のデバイス内共存の問題の存在を識別する情報を含むブロック確認応答(BA)を受信するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記デバイス内共存の問題を識別することに応答し、前記APからの1つ以上の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)に応答して、前記デバイスからの1つ以上のBAが、失敗として識別されることなく、短期フレーム間間隔(SIFS)を超えて遅延されることを許容することを決定するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記SIFSの後、前記決定に応答して、前記デバイスから第2のBAを受信するように構成され得る。前記第2のBAは、前記APから受信した複数のAMPDUに対応する複数の確認応答を含み得る。
【0012】
前記1つ以上のプロセッサは、前記決定に応答して、前記SIFSの後に受信した前記第2のBAに関係なく、前記複数のAMPDUの複数の伝送が成功したと判定するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、第2のデバイスから、前記第2のデバイス上のデバイス内共存の問題を識別しない情報を含むブロック確認応答(BA)を受信するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、第2のデバイスにAMPDUを伝送し、前記AMPDUのBAが前記SIFS内に受信されていないことを判定するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記BAが前記SIFS内で受信されていないことに応答して、前記AMPDUの伝送が失敗したことを識別するように構成され得る。
【0013】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のAMPDUの1つ以上のBAの伝送が、前記1つ以上のAMPDUに続く1つ以上のSIFSの後まで遅延されるWi-Fi通信用に、前記デバイスが構成されていることを識別するように構成されてもよい。前記1つ以上のプロセッサは、前記構成に応答して、前記構成にしたがって前記複数のAMPDUを伝達するための規定を伝送するように構成され得る。前記規定は、前記複数のAMPDUのうちのあるAMPDUの物理層のヘッダーまたはメディアアクセス制御ヘッダーのヘッダーの少なくとも一方に表示され得る。
【0014】
前記1つ以上のプロセッサ(例えば、受信機のプロセッサ)は、前記情報から、信号対干渉プラス雑音比(SINR:Signal-to-Interference-plus-Noise Ratio)マージンを示すチャネル品質情報を識別するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサ(例えば、受信機のプロセッサ)は、前記SINRマージンに応じて、前記デバイスへの伝送用の変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)を調節するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサ(例えば、受信機のプロセッサ)は、前記情報から、前記デバイスへの伝送用の変調符号化方式(MCS)、前記1つ以上のAMPDUの信号強度、または1つ以上の隠しノードの存在のうちの少なくとも1つに対応する表示を識別するように構成され得る。
【0015】
前記1つ以上のプロセッサ(例えば、送信機のプロセッサ)は、前記表示に応答して、前記デバイスに伝送される次のAMPDUについて、前記MCS、前記信号強度、または前記1つ以上の隠しノードに対応する伝送パワーのうちの少なくとも1つを調節するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサ(例えば、送信機のプロセッサ)は、前記情報から、前記1つ以上のAMPDU内のすべてのMPDU(MAC Protocol Data Unit)が前記デバイスによって受信されなかったことを判定するように構成され得る。
【0016】
本技術的解決策の一態様は、アクセスポイント(AP)と無線通信するデバイスに向けられている。前記デバイスは、メモリと結合された1つ以上のプロセッサを含み得る。前記1つ以上のプロセッサは、現在のTXOP中に作成され、アクセスポイント(AP)に伝送されるのを待っている物理プロトコルデータユニット(PPDU)を識別するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記現在のTXOP中に前記デバイスによって受信された低レイテンシパケットを識別するように構成され得る。前記低レイテンシパケットは、前記PPDUに続く次のPPDU内で前記APに伝達される予定のものである。前記1つ以上のプロセッサは、前記低レイテンシパケットを前記PPDUに挿入するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記低レイテンシパケットを含む前記PPDUを前記現在のTXOP内で前記APに伝送するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記現在のTXOPに続く次のTXOPを介して伝送するようにスケジュールされた前記次のPPDU内の前記低レイテンシパケットを識別するように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、前記低レイテンシパケットを前記PPDUに挿入することを決定するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本実施形態のこれらおよび他の態様および特徴は、添付の図と併せて具体的な実施形態の以下の説明を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
【0018】
図1】リンクアダプテーション、レイテンシに敏感なトラフィック、およびデバイス内共存の性能を向上させるためのフィードバックの拡張を提供するシステムの例示的なブロック図である。
【0019】
図2】本明細書で図示説明されるシステムおよび方法の種々の要素を実施するために採用できるコンピュータシステムのアーキテクチャを示すブロック図である。
【0020】
図3】拡張送信機会(TXOP)、プロトコルデータユニット(PDU)、および集約されたMACプロトコルデータユニット(AMPDU)を有する構造についての、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックを管理するためのグラフの例を示す図である。
【0021】
図4】拡張TXOP、PDU、およびAMPDUを有する構造についての、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックを管理するためのグラフの別の例を示す図である。
【0022】
図5】802.11のアクティビティバーストとバースト制限の後ろにアクティビティ不可期間が続くグラフの例を示す図である。
【0023】
図6】802.11のアクティビティバーストの後ろにアクティビティ不可期間が続き、バースト持続時間の動的調節を伴うグラフの例を示す図である。
【0024】
図7】Wi-Fi通信に割り当てられた時間を超える通信のバーストに応答してWi-Fi通信のスケジュールを生成する例示的方法を示す図である。
【0025】
図8】Wi-Fi APが、ユーザー機器(UE:User Equipment)によって報告されたIDC問題に応答して、伝送されたAMPDUのブロック確認応答(BA)の受信を遅延させるための例示的方法を示す図である。
【0026】
図9】後で送信されることがスケジュールされているMPDUの低レイテンシパケットを、現在または今度のTXOPで伝送されることがスケジュールされているMACプロトコルデータユニット(MPDU)に挿入することによって、低レイテンシパケットの伝送を促進するための例示的方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
次のIEEE規格(これらの規格のドラフト版を含む)、すなわち、Wi-Fiアライアンス規格およびIEEE 802.11規格(限定はしないが、IEEE 802.11a(登録商標)、IEEE 802.11b(登録商標)、IEEE 802.11g(登録商標)、IEEE P802.11n(登録商標)、IEEE P802.11ac(登録商標)、およびIEEE P802.11be(登録商標)ドラフト版D3.0~D6.0規格を含む)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、あらゆる目的のために本開示の一部とされる。本開示はこれらの規格の側面を参照することができるが、本開示は決してこれらの規格によって限定されるものではない。
【0028】
次に、種々の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面は、当業者が実施形態および当業者に明らかな代替案を実施できるように、例示的実施形態として提供される。以下の図および例は、本実施形態の範囲を単一の実施形態に限定することを意図するものではなく、記載または図示された要素の一部または全部、または当業者に明らかな要素を交換することによって、他の実施形態が可能である。本実施形態の特定の要素は、既知のコンポーネントを用いて部分的または完全に実施することができ、そのような既知のコンポーネントのうち、本実施形態の理解に必要な部分のみを説明し、そのような既知のコンポーネントの他の部分の詳細な説明は、本実施形態を不明瞭にしないように省略する。図示された文脈で説明される実施形態は、それに限定されるべきではない。例えば、ソフトウェアで実施されるとして説明される実施形態は、そのような実施形態のみに限定されるべきではなく、本明細書で特に明記されていない限り、当業者には明らかであるように、ハードウェアで実施される実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを含むことができ、その逆も同様である。本明細書において、単一のコンポーネントを示す実施形態を、限定とみなすべきではない。むしろ、本開示は、本明細書に明示的に別段の記載がない限り、複数の同じコンポーネントを含む他の実施形態を包含することを意図しており、その逆もまた同様である。さらに、出願人は、本明細書または特許請求の範囲におけるいかなる用語も、明示的に記載されていない限り、一般的でないまたは特別な意味を有することを意図していない。さらに、本実施形態には、例示のために本明細書に記載される既知のコンポーネントの、現在の均等や将来の既知の均等も包含される。
【0029】
無線通信デバイスは、ユーザー機器(UE:User Equipment)とも呼ばれ、Wi-Fi、Bluetooth、UWB(超広帯域)、LTE(Long-Term Evolution)、LAA(免許制アシストアクセス)、NR(新無線)またはNR-U(新無線-非免許制)を含む、複数のタイプの無線通信をユーザーに提供するように構成され得る。これらのWi-Fi以外の技術の一部は、UE上のWi-Fi機能との間で、UEリソースの一部を共有するように構成されることがある。これらの共有リソースには、例えば、アンテナシステム、ベースバンドプロセッサ若しくは他の処理機能、電力管理回路、またはUEの無線周波数(RF)フロントエンドコンポーネント(例えば、フィルタ、アンプ、スイッチなど)、あるいは異なる種類の無線通信間で干渉を引き起こす可能性のある他のハードウェアリソースが含まれ得る。これらの共有リソースがWi-Fi以外の技術による通信に使用される場合、Wi-Fi通信は、共有リソースが使用可能になるまで、通信の続行を待たなければならないことがある。UEは、これらの技術間の通信イベントを監督および調整するシステムを含むことができ、同じUE上のこれらの技術間のデバイス内共存(IDC)を容易にし、衝突や、伝送の失敗を回避する。
【0030】
無線通信デバイスでは、時々、デバイス内共存の問題が発生することがある。この問題では、Wi-FiやBluetoothのような複数の無線技術が互いの動作に干渉し、その結果、性能が低下したり、通信が非効率になったりする。例えば、Wi-Fi以外の技術による無線伝送では、Wi-Fi通信と重複する可能性がある周期的または動的に発生する期間中に、送信デバイスから、無線通信の割り当て時間を超える通信のバーストが着信することがある。通信のバーストには、連続して伝送される任意のグループ(例えば、2つ以上)のデータパケットが含まれ得る。このような場合、長時間の通信バーストは、Wi-Fi通信に割り当てられた時間間隔を浸食する可能性がある。Wi-Fi通信によって回避されない限り、このような浸食は、2つの技術が同じ共有リソースを同時に使用しようとするIDC問題(例えば、競合または重複)を引き起こす可能性がある。このような場合、デバイスで進行中のIDC問題を認識していないWi-Fiアクセスポイントは、事前に自分に割り当てられた時間によっては、Wi-Fi通信のデータフレームの伝送を続行する可能性がある。ただし、このような伝送は、他の技術の拡張通信バーストによって引き起こされるIDC問題のために失敗する可能性があり、Wi-Fiアクセスポイントは、問題を誤診し、デバイスが高いデータレートを維持する能力がないと判断して、今後の伝送のデータレートを低下させる可能性がある。したがって、異なる技術間のIDC問題の管理を改善し、同時に、Wi-Fiアクセスポイントに通知して、Wi-Fiアクセスポイントが、デバイスとの間の通信問題について、より多くの情報に基づいた評価を行えるようにすることは、デバイスにとって有益である。第2の無線トランシーバーが参加する通信のバーストは、所定のスケジュール(例えば、第1および第2の期間)による周期的なものであってもよいし、バーストの動的インスタンスが非周期的に発生する非周期的なものであってもよい。
【0031】
また、場合によっては、無線通信デバイスまたはシステムは、集約されたメディアアクセスポイント(MAC)プロトコルデータユニット(AMPDU)に応答して伝送されるブロック確認応答(BA)により、MACプロトコルデータユニット(MPDU)の伝送失敗の原因、すなわちそれらが失敗した原因であるマージンに関する十分な情報を提供できないという制限を有する可能性がある。
【0032】
AMPDUは、伝送用に単一のフレームに編成された複数のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の配列であり得る。AMPDUは、通信の効率の向上およびスループットの向上のために、単一のバースト通信として伝送されるデータパケットの任意のグループの配置を含み得る。AMPDUの受信者は、ブロック確認応答(BA)の形で、伝送成功の確認応答を送信者に返すことができる。
【0033】
ブロック確認応答(BA:Block Acknowledgement)は、受信したAMPDU伝送に関して、確認応答を返すため、すなわち、応答を提供するための任意の確認応答(例えば、確認応答126)を含み得る。BAのような確認応答126は、1つ以上の受信データフレームに対する単一の確認済み受信または応答を示すメッセージまたは伝送データを含み得る。BAは、複数のデータフレーム(例えば、AMPDUのMPDU、または複数のAMPDU)の確認応答を単一の応答で可能にする機能であってもよい。AMPDUのすべての構成MPDUのうちの少なくとも1つのMPDUが正しく受信された場合にのみ、受信者はフィードバックを提供できる。
【0034】
また、リンクアダプテーションの収束に問題が生じる可能性もある。これは、短期フレーム間間隔(SIFS: Short InterFrame Space)の2つ分の長さ(例えば、2*SIFS)とBA、またはSIFSのいずれかのギャップに続いて、MCS/NSSを有する各物理プロトコルデータユニット(PPDU: Physical Protocol Data Unit)を一度に1つずつ試す可能性があるため、複数の変調符号化方式(MCS)または複数の空間ストリーム(NSS)を効率的かつ柔軟に同時に試すことは、困難なことがあるからである。SIFS、すなわち短期フレーム間間隔には、データフレームの伝送を分離するためにWi-Fi通信で使用される任意の固定時間間隔を含めることができ、無線媒体への効率的で整然としたアクセスが保証される。例えば、SIFSを使用すると、AMPDUの伝送後に、確認応答126(例えば、BA)を適当なタイミングで受信することができる。例えば、AMPDU伝送のBAは、SIFSギャップにおいてまたはSIFSギャップ中に受信されることが、Wi-Fiデバイスによって予想され得る。提案した方式でBAが受信されないことは、IDCの問題の存在として識別することができる。本技術的解決策によれば、このような検出があったときには、BAを遅延させ、SIFSの後の期間中に、ただしその遅延後の期間の時間枠内でBAを受信することを許容にするように、受信機を構成することができる。複数のMCS/NSSについて複合フィードバックを得ることができ、かつ、発信者が希望する場合にのみ、リンクアダプテーションアルゴリズムの収束を高速化することができる。現在の解決策では、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)のオーバーヘッドが高く、より粒度の細かいMCSが不足している可能性がある。
【0035】
例えば、AMPDU受信者(例えば、UE102)は、AMPDUのPPDUの受信後、SIFS内にBAで応答することができない処理上の制限に直面する可能性がある。物理プロトコルデータユニット(PPDU)は、無線通信で使用される任意のデータフレームを含むことができ、データフレームは、無線媒体を介した送受信のための任意の関連する物理層情報とともに、データパケット(例えば、MACプロトコルデータユニットまたはMPDU)を含み得る。AMPDU受信者が、AMPDUのPPDUの受信後、SIFSで、BAで応答するときに、受信者は、第2の通信112の長時間の通信バーストによって引き起こされる可能性がある内部処理制限(例えば、MCS/バイト数/MPDU数などに基づく、SIFSを超える処理遅延など)によって、この応答を実行できない場合がある。これらの制限により、受信者は、長いAMPDU内の後ろの方のMPDUを受信できなくなる可能性がある。このような制限に対処するために、最小MPDU開始間隔パラメータを使用することができる。最小MPDU開始間隔は、処理上の制限に対処するためのパラメータである場合がある。このパラメータは、MCS、帯域幅、またはMIMO順序などの要素とは無関係に、任意の2つのMPDU間の最小間隔を(例えば、マイクロ秒単位で)指定することができる。伝送リソースに関して非効率をもたらす可能性のあるパディングによっても、この間隔を保証することができる。本技術的解決策によれば、指定された最大MPDU数またはMPDUバイト数が受信者側で超過した場合にのみ、そのような解決策を実行することができ、それによってリソースの浪費を回避できる。
【0036】
受信者(例えば、UE102)のIDC機能に関し、受信者が、AMPDUのPPDUの受信後のSIFSで、AMPDU受信者を使用してBAで応答するときに、受信者は、別のデバイス内技術(例えば、Bluetooth、UWB、LTE、またはNRなどの第2の通信112)のその後のアクティビティのバーストによって、応答することができない場合があり、その結果、デバイス内干渉によって、UE102は、後続のMPDUを受信したり、BAを送信したりすることができない場合がある。
【0037】
APにおける非スケジュール型トリガー受信者(NSTR: Non-Scheduled Triggered Recipient)クライアントの処理に関しては、別のリンク上で進行中の受信者の受信に破壊的な干渉を引き起こす可能性があるUL伝送を回避するために、送信デバイスは、BAを直ちに送信する代わりに、複数の受信者に対して連続したDL伝送を実行し、その後に、マルチユーザー(MU)方式でBAをトリガー送信させることができる。リンクアダプテーションの収束に関しては、複数のMCS/NSSを一緒に試すことはできず、各組み合わせを一度に1つずつ試してから、対応するフィードバックを伝送することができる。複数のMCS/NSSについて、発信者が望む場合にのみ、複合フィードバックを得ることができれば、リンクアダプテーションアルゴリズムの収束を高速化できる。中間BAを必須にすると、効率は低下する可能性がある。
【0038】
TXOP/PPDU/AMPDU構造の制限には、AMPDU構築のための媒体ロックアウト(MLO:Medium LockOut)における時間マージンの欠如が含まれ得る。媒体ロック期間(MLD:Medium Lock Duration)は、両方のリンク上にAMPDUを同時に送信するように準備され、それに応じて、異なるシーケンス番号セットで送信が準備される場合がある。ただし、一方のリンクが先にアクセス権を獲得した場合や、他方のリンクがビジーになった場合、特にNSTR/EMLSR MLDの場合、勝利したリンクには、先のシーケンス番号が送信される可能性がある。いずれかのリンクへのアクセスを獲得した帯域幅が、2つのリンクの不連続な伝送セットを準備する際に想定されたものとは異なる場合、AMPDUの内容は、再構成される可能性がある。場合によっては、再構築せずに送信すると、不要なMPDUの再送信や、シーケンス番号に不要なギャップがあるMPDUの送信が発生する可能性がある。2つのリンク上のPPDUを揃えようとするSTR MLDは、他方のリンク(例えば、リンク2)へのアクセスを獲得していても、NSTR MLデバイスから一方のリンク(例えば、リンク1)に対する送信の長さ情報をデコードするのを待っている可能性がある。STR MLDによってリンク2の送信の終了がリンク1の受信の終了と揃わない場合、リンク2のプリアンブルを見逃したNSTR MLデバイスは、リンク2での送信と衝突する可能性がある。
【0039】
TXOP/PPDU/AMPDU構造の制限により、MLOでは、リンク1上のイベントがリンク2での伝送に関する決定に影響を与える可能性がある。例えば、MLDは、リンク1ではBAを正しく受信するが、リンク2では正しく受信せず、非同期で受信する場合がある。この場合、送信機MLDは、リンク1の送信がリンク2の送信終了よりも早く開始された場合でも、リンク2からの誤ったパケットの再送信を優先する柔軟性を必要とする場合がある。また、MLOでは、NSTR ML受信者の場合、一方のリンク上のBAのUL送信が他方のリンク上の受信を破壊しないように、2つのリンク上のPPDUを揃える必要がある場合がある。AMPDUの長さは、L-SIGに含まれているため、PPDUの送信が開始されると、AMPDUの長さと内容は調節できなくなる場合がある。
【0040】
レイテンシの影響を受けやすい伝送の処理は、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックが新たに到着した場合、進行中の送信バースト/TXOPの終了を待ってからそのトラフィックを伝送できるようにする、というものである。AMPDUは、可能な限り長く構成されてよい。これは、AMPDUが長いほど、中間PHYヘッダー/SIFS/BAを省略することで、MAC効率が向上するからである。長いAMPDUの場合、最初のPHYヘッダーが失われると、受信デバイスでデコードに失敗し、CCAを実行するデバイスでプリアンブル検出に失敗する可能性がある。この問題は、隠しノード、フェージングチャネル、および、NSTR/EMLSR MLデバイスの存在を認識できない場合に特に顕著である。リンクアダプテーションの収束には、一緒に試すことができない複数のMCS/NSSが必要となる場合があり、各組み合わせが一度に1つずつ試され、その後に対応するフィードバックが続くように制限される。
【0041】
さらに、バースト持続時間に対する受信者の制御が不足している場合がある。デバイス内共存(IDC)は、APからの伝送の長いバーストや、APによって受信者に引き起こされる伝送の長いバーストに対する制御の不足による影響を受ける可能性がある。802.11およびBluetooth/UWBを用いたIDCのシナリオでは、802.11媒体の連続可用性は、数ミリ秒に制限される場合がある。例えば、Bluetoothプロファイルによっては、802.11の媒体可用性は、3.75ミリ秒ごとに2.5ミリ秒、7.5ミリ秒ごとに6.25ミリ秒、または11ミリ秒ごとに8.5ミリ秒などになる。長い受信パケットやRXパケットのバーストは、802.11の媒体境界を越えて、Bluetoothによって制限される可能性が高くなる。そのため、(Bluetoothスロットや他の共存デバイスの外側で)802.11の媒体可用性に適合させるために、Rxパケットの持続時間を短縮する必要がある。802.11とBluetooth/UWB/LTEとの間の共存は、カスタマイズされた方法で処理できる。
【0042】
一部の標準化されていない実施形態では、Rx/Txパケットの持続時間を間接的に制御するために、既存の機能に過剰な負荷をかけることがある。ダウンリンクの場合、AMPDUの集約を低減したり、AMPDU/AMSDUの集約を完全にオフにしたり、最大長をバイト単位で低減したりすることもできる。これにより、実際の問題に対処せずに、最適でないパフォーマンスが発生する可能性がある。集約をオフにしても、必要な非アクティブ期間にまで及ぶ可能性がある単一のMSDUの持続時間を制御する手段がない場合がある。アップリンクの場合、トリガーモードの動作を無効にできるが、これにより、アップリンクOFDMAも無効になり、望ましくない場合がある。共存をサポートする標準化されたメカニズムがあれば、802.11とBT/UWBの共存を改善することができる。同メカニズムを使用して、802.11とLTE/NRの共存のようなデバイス内共存の他の問題を解決することもできる。また、802.11フレームの受信/送信が一時的にできなくなるアクティビティが発生した場合、それらのメカニズムは、パフォーマンスの最適化にも使用することができる。
【0043】
本解決策の1つの態様は、チャネル品質インジケータ(CQI:Channel Quality Indicator)情報をBAに含めることにより、信号対干渉プラス雑音比(SINR)マージンに基づいて変調方式と伝送パワーを調節して、リンクアダプテーションの収束を高速化することを含み得る。フィードバックレポートはフレームの種類と特定の考慮事項によって異なり、その中に、対応するIDが、フィードバックレポーターによって挿入される。フィードバックのタイミングは、PPDU後のSIFSギャップ中に発生する可能性があり、フィードバックを報告するエラーシナリオは限られている。さらに、本解決策によれば、遅延BAおよびBA動作の選択の柔軟性、ならびに、連続PPDUシーケンス用の小さなPPDUおよび複合BAの組み込みが可能になり、リンクアダプテーションの収束および効率が向上する。これにより、本解決策によれば、リンクアダプテーション、レイテンシ、および他の技術との共存の観点で、無線通信システムの性能を向上させることができる。
【0044】
また、本解決策によれば、既存のAMPDU BAメカニズムおよび送信機会(TXOP)構造の拡張により、レイテンシの影響を受けやすいトラフィック、マルチリンク動作、リンクアダプテーション、およびデバイス内共存などの、様々な局面におけるパフォーマンスを向上させることもできる。例えば、本解決策によれば、最小MPDU開始間隔パラメータを導入することで、処理上の制限に対処し、伝送リソースを無駄にすることなくMPDU間の間隔を確保することができる。例えば、本解決策によれば、受信者は、Wi-Fi通信の送信者に送信されるスケジュールを使用して、共有リソースを介したWi-Fi以外の通信による通信の浸食や長時間のバーストに基づいて、送信者のタイミングを調節することにより、バーストの長さを制御することが可能になる。もう1つの拡張には、遅延BAの使用がある。遅延BAでは、受信者が自分の制限を発信者に知らせると、交渉で定められた時間枠内でBA送信が遅延される。本解決策には、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックやデコード、またはクリアチャネルアセスメント(CCA)の失敗をより適切に処理し、リンクアダプテーションアルゴリズムの収束を高速化するための、拡張されたTXOP/PPDU/AMPDU構造が含まれ得る。また、本解決策では、他のデバイス内技術との共存を最適化するために、トラフィックパラメータの半静的調節や動的調節も提案する。
【0045】
802.11のフィードバックメカニズムは、データユニット(MPDU)のエラー状態に関する客観的情報を提供できるが、802.11デバイスの全体的パフォーマンスを向上させるには、改善の余地がある。この改善は、802.11の種々の側面に関連する可能性があり、かかる側面には、リンクアダプテーション、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックのレイテンシ、及び、同じデバイス内におけるBluetooth、UWB、LTE、NRのような他の技術との共存が含まれる。フィードバックメカニズムを拡張することで、802.11デバイスは、無線チャネルの状態に基づいて伝送パラメータをより良好に適合させることができ、データレート、変調方式、チャネルコーディングを最適化して、スループットを最大化し、安定した接続を維持することができる。さらに、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックのレイテンシを改善することで、時間的に重要なデータを適時に配信することが可能になる。また、他の技術との共存を最適化することで、シームレスな動作と干渉の緩和が可能になり、802.11デバイスは、Bluetooth、UWB、LTE、NR、および他の無線技術との間で、無線スペクトルを効率的に共有することができる。
【0046】
本解決策は、リンクアダプテーション、レイテンシ、およびデバイス内共存の改善を達成するために、フィードバックに関する拡張を提示する。本解決の一態様は、レイテンシの影響を受けやすいトラフィック、マルチリンク動作、リンクアダプテーション、およびデバイス内共存の性能改善を含み得る。様々なメカニズムには、より効率的なマルチリンク動作、レイテンシの低減、リンクアダプテーション、およびデバイス内共存のための、既存の集約されたMACプロトコルデータユニットブロック確認応答(AMPDU-BA:Aggregated MAC Protocol Data Unit Block Acknowledgment)メカニズムや送信機会(TXOP)構造の拡張が含まれ得る。さらに、デバイス内共存を最適化するために、トラフィックパラメータやTXOPの調節も考慮することができる。本発明によれば、これらのメカニズムを実施することで、802.11ネットワークにおいて所望の拡張を達成するフィードバックシステムの効率および有効性を最大化することができる。
【0047】
例えば、本解決策によれば、802.11ネットワークにおけるリンクアダプテーション、レイテンシ、およびデバイス内共存を改善するために、フィードバックメカニズムを拡張することができる。拡張には、より効率的なマルチリンク動作、レイテンシの低減、および隠しノードのより良好な処理を達成するための、既存のAMPDU-BAメカニズムおよびTXOP構造に対する拡張が含まれ得る。チャネル品質インジケータ(CQI)情報をブロック確認応答(BA)に組み込むことで、リンクアダプテーションの収束が高速化され、SINRマージンに基づいてMCSおよび伝送パワーを調節することが可能になる。フィードバックレポートは、フレームのタイプと特定の考慮事項によって異なる場合があり、その中に、対応するIDが、フィードバックレポーターによって挿入される。本技術的解決策によれば、すべてのMPDUがエラーである場合でも、フィードバックを挿入することが可能になる。例えば、本技術的解決策によれば、すべてのMPDUがエラーである場合であっても、受信者の自分のIDを含めることができる。これは、MPDUに、受信者アドレスや、送信者が通信を改善してIDCの問題を回避できる他の情報を含めることができるからである。フィードバックのタイミングは、PPDU後のSIFSギャップ中に発生し、フィードバックを報告するエラーシナリオは、タイミング、以前の交換への依存、追加のPHYヘッダー情報により制限される。また、本解決策によれば、遅延BAや、バースト毎の動的選択のようなBA動作の柔軟な選択が可能になる。さらに、連続PPDUシーケンス用に小さなPPDUと複合BAを含めることで、リンクアダプテーションの収束と効率が向上する。発信者は、柔軟性を高めるために、PHYヘッダーやMACヘッダーに、即時BAの不在と連続構造を表示することができる。
【0048】
構成に応じて、通信の送信者および受信者は、Wi-Fi104またはUE102のいずれかであり得る。例えば、送信(例えば、MPDUまたはAMPDU)とフィードバック(例えば、BAを介して)の両方が、Wi-Fi APまたはクライアントデバイス(例えば、STA)の両方によって提供され得る。例えば、Wi-Fi AP104がAMPDUの送信機である場合、Wi-Fi APは、クライアントから受信したフィードバックに基づいて調節を実行できる。例えば、クライアント(例えば、UE102)がAMPDUの送信機である場合、クライアントは、Wi-Fi APから受信したフィードバックに基づいて調節を実行できる。
【0049】
いくつかの態様において、本解決策は、レイテンシの影響を受けやすいトラフィック、マルチリンク動作、リンクアダプテーション、およびデバイス内共存のコンテキストで性能を向上させるための機能強化に関する。本解決策によれば、より効率的なマルチリンク動作、レイテンシの低減、リンクアダプテーション、およびデバイス内共存のための既存のAMPDU-BAメカニズムおよびTXOP構造の改善、ならびにより良好なデバイス内共存のためのトラフィックパラメータおよびTXOPの調節を導入することができる。
【0050】
図1は、リンクアダプテーション、レイテンシの影響を受けやすいトラフィック、およびデバイス内共存のパフォーマンスを向上させるためのフィードバックの機能強化を提供するためのシステム100の一例を示している。システム100は、1つ以上の無線リンク160を介して1つ以上のアクセスポイント(AP)104および1つ以上の第2の通信システム106と通信する、1つ以上のユーザー機器(UE)102を含み得る。UE102は、1つ以上のアンテナ142と結合された1つ以上の共有リソース108を含み得る。UE102は、1つ以上のWi-Fiトランシーバー120、通信機能130、および第2のトランシーバー110を含み得る。第2のトランシーバー110は、1つ以上の第2の通信112を含み、または実施することができる。Wi-Fiトランシーバー120は、1つ以上のWi-Fi通信122を含み、または実施することができ、これには、1つ以上の伝送ユニット124および確認応答126が含まれ得る。通信機能130は、1つ以上のWi-Fi通信122と、第2の通信112と、スケジュール136とを含むことができ、スケジュール136には、Wi-Fi通信のタイミングをとるための1つ以上の第1の期間128および第2の期間140が含まれ得る。AP104は、1つ以上のアンテナ142と結合された1つ以上の通信リソース150を含み得る。AP104は、1つ以上のスケジュール136およびUE情報154を利用して、受信した情報に基づいてUE102との通信を管理することができる1つ以上の通信機能130をさらに含む場合がある。第2の通信システム106は、無線リンク160を介してUE102と無線通信するために、1つ以上のアンテナ142と結合された1つ以上の通信リソース150を含み得る。
【0051】
ユーザー機器(UE)102は、無線通信用に設計または構成されたデバイスなどの、ハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。UE102は、無線リンク160を介した無線通信を容易にするための、命令およびデータを有するコンピュータコードを含む、任意の集積回路、プロセッサ、メモリ、コントローラ、ファームウェア、またはソフトウェアを含み得る。UE102は、1つ以上のハードウェアまたはソフトウェアの共有リソース108、アンテナ142、および様々なタイプの無線通信用のトランシーバーを含むデバイスであってもよく、無線通信には、Wi-Fiトランシーバー120を使用して実施できるWi-Fi通信122や、第2のトランシーバー110を介して実施できる第2の通信112のような他の無線通信が含まれる。UE102は、通信機能130を含み、これを使用してWi-Fi通信122および第2の通信112を生成し、処理し、管理することができ、また、通信機能130とスケジュール136を使用して、IDC問題(例えば、異なるワイヤレス技術間の重複や衝突)の発生を低減し、管理し、克服することができる。
【0052】
アクセスポイント104は、UE102との間のWi-Fi通信122を提供し、またはやりとりするためのハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。AP104は、UE102と、ネットワークインフラストラクチャとの間の通信を容易にすることができる。ネットワークインフラストラクチャは、1つ以上の他のネットワーク(例えば、有線または無線ネットワーク、セルラーネットワーク、インターネットなど)を含み得る。AP104は、通信リソース150を介してデータパケットを送受信できるトランシーバーを含み得るか、またはそのようなトランシーバーとして動作し得る。AP104の通信リソース150は、アンテナ142、トランシーバー、RFフロントエンドコンポーネント(例えば、フィルタ、増幅器、スイッチなど)、ベースバンドプロセッサまたは電力管理回路のような、無線通信を送信または受信するための任意の特徴または機能を含み得る。AP104は、通信リソース150およびその1つ以上のアンテナ142を介して、Wi-Fi通信122を送受信することができる。AP104は、ネットワークへのアクセスを管理し、IPアドレスを割り当て、セキュリティプロトコルを処理することによって、AP104自体とUE102との間のWi-Fi通信122の流れを調整することができる。AP104は、UE102との間の無線通信を管理し、または時間調節するために、UE102との間の通信のスケジュール136を確立し、使用する機能を実施することができる通信機能130を有することができる。
【0053】
第2の通信システム106は、UE102との間で第2の通信122を伝送するためのハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。第2の通信システム106は、第2の通信112を送受信するためのコンポーネント(例えば、通信リソース150)を含む、Wi-Fi以外の無線通信に使用するためのインフラストラクチャおよび技術を含み得る。通信リソース150は、AP104のものと同様に、様々な無線通信回路、RFフロントエンドモジュール、トランシーバー、およびアンテナ142を含むことができ、これらはすべてデータの送受信を容易にすることができる。第2の通信システム106は、任意の第2の通信112(例えば、Wi-Fi通信122に割り当てられた時間を浸食する可能性がある通信のバーストを含む)の送受信を容易にすることができ、第2の通信には、Bluetooth、UWB、LTE、NR、NR-U、およびLAAなどの任意の多様なWi-Fi以外の技術が含まれ得る。第2の通信システム106は、UE102との間に無線リンク160を確立し、使用することができる。
【0054】
無線リンク160は、UE102デバイス、AP104デバイス、および第2の通信システム106の間に確立された任意の無線インターフェースまたは通信経路を含み得る。無線リンク160によれば、Wi-Fi通信122や第2の通信112のような様々な技術にわたる、またはそれらを含むデータ交換および接続が容易になる。無線リンクによれば、Wi-Fi、UWB、LTE、NR、NR-U、LAA、または他の技術によるものを含む、インターネットアクセスおよびローカルネットワークとの接続が容易になる。
【0055】
Wi-Fi通信122を実行しながら、UE102またはAP104のいずれかは、送信機または受信機として動作することができる。例えば、UE102およびAP104はそれぞれ、任意の伝送ユニット124(例えば、AMPDU、PPDU、または低レイテンシパケット)を互いに送信することができ、相手方から確認応答126(例えば、送信されたAMPDUに対するBA)を受信することができる。例えば、PPDUまたはAMPDUに応答して受信されるBAは、AMPDUの少なくとも1つのMPDUが正しく受信された場合に提供され得る。ただし、PPDU/AMPDUの受信機は、様々な個々のMPDUの受信またはエラーの詳細に関して、より多くの情報を有することができる場合が多い。例えば、MPDUで実現される信号対干渉プラス雑音比(SINR)と、システムまたはデバイスで使用されるMCSをサポートするために最低限必要な信号対干渉プラス雑音比(SINR)との差に関する情報などである。受信機は、任意の断続的な干渉、および、対象信号と比較したときの、その干渉の相対強度を認識することができる。
【0056】
例えば、エラーの文字列ごとに、受信者は、必要なSINRと実現されたSINRとの間の量子化された差が閾値を超えた場合、その量子化された差を報告することができる。送信機は、これを使用して、隠しノードによる途中の突然の干渉があったかどうか、またはチャネルが弱くなっているかどうかを判断することができ、その場合、MCSを減少させる(または、伝送パワーを増加させる)ことができる。また、実現されたSINRが所望のSINRよりも高い場合、受信者は、実現されたSINRと実際のSINRとの最小の差を報告することができる。これにより、送信機は、実現されたSINRが最小であると仮定して、MCSを増加させる(またはMCSを変えずに伝送パワーを低下させる)ことができる。さらに、同じAMPDU内の異なる時点で、異なるSINRが存在することもあり得る。例えば、2つのSNR(1つはベースライン用で、1つは+OBSS用)のような複数のSNRが提供されてもよく、任意選択で0、1つまたは2つの値を提示することができる。値の数は、4つ、5つ、またはそれ以上のように、2つより大きくてもよい。
【0057】
共有リソース108は、UE102のハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。これらは、Wi-Fi、Bluetooth、UWB超広帯域(UWB)、LTE(Long-Term Evolution)、LAA(Licensed Assisted Access)、NR(New Radio)、またはNR-U(New Radio-Unlicensed)のような、複数の異なる無線技術によって共有され、または使用される可能性がある。共有リソース108は、これらの無線通信プロトコルまたは技術のいずれかのRF送信または受信信号チェーンの任意の部分を含み得る。これらの無線通信プロトコルまたは技術は、さらに2つのこのようなプロトコルまたは技術によって使用される可能性がある。共有リソース108は、アンテナシステム(例えば、アンテナ142)、ならびにアンテナを動作させるための任意の回路を含み得る。共有リソース108は、Wi-Fi通信122または第2の通信112に使用される様々な周波数帯域またはチャネルの管理に使用され得る任意のフィルタ、増幅器、およびスイッチなどの、無線周波数(RF)フロントエンドコンポーネントを含み得る。共有リソース108は、RF信号を処理するためのベースバンドプロセッサ、および、種々のトランシーバー(例えば、110または120)にわたる電力使用量を調整するための電力管理システムを含み得る。
【0058】
Wi-Fiトランシーバー120は、Wi-Fi通信122を提供し、または実施するためのハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。UE102デバイス内のWi-Fiトランシーバーは、Wi-Fi無線通信122用に設計された送信機と受信機の結合ユニットを含み得る。Wi-Fiトランシーバー120は、送信時にデジタルデータを無線信号に変換し、受信時にその逆を行うことで、Wi-Fiネットワークを介したWi-Fi通信122の送受信を容易にすることができる。Wi-Fiトランシーバー120は、インターネット接続およびデータ交換を提供するために、通信プロトコル、信号処理、および無線アクセスポイントとの情報のやりとりを管理するための種々のコンポーネントを含み得る。Wi-Fiトランシーバー120は、共有リソース108を使用して、無線通信を実行することができる。
【0059】
第2のトランシーバー110は、第2の通信112を提供し、または実施するためのハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。第2の通信112は、例えばBluetooth、UWB、LTE、LAA、NEまたはNR-Uのような、任意のWi-Fi以外の技術または規格を使用する、任意の無線通信または無線データ交換を含み得る。第2のトランシーバー110は、Bluetooth、UWB、LTE、LAA、NE、またはNR-Uの任意の無線規格またはプロトコルのような、1つ以上の無線プロトコルまたは規格を処理することができ、UE102による多様なネットワークにわたる接続を容易にする。UE102は、Bluetooth、UWB、LTE、LAA、NE、またはNR-U通信の任意の組み合わせ用に構成された複数の第2のトランシーバー110を含み得る。第2のトランシーバー110は、共有リソース108を使用して、無線通信を実行することができる。
【0060】
Wi-Fi通信122には、電波を使用する、ローカルエリアネットワーク(LAN)、または他の任意の無線ネットワークを介したデータの任意の無線送受信が含まれ得る。Wi-Fi通信122には、1つ以上のIEEE802.11規格に基づく無線通信が含まれ得る。Wi-Fi通信122は、Wi-Fiアクセスポイント104(例えば、Wi-Fi無線ルーター)を使用して、無線リンク160(例えば、無線ローカルエリアネットワーク接続)を介して実施され得る。Wi-Fi通信122には、Wi-Fi規格(例えば、802.11)にしたがって編成若しくは構成され得る、伝送ユニット124および確認応答126が含まれ得る。
【0061】
伝送ユニット124またはフレームは、Wi-Fi通信プロトコルまたは規格にしたがって組み立てられ、使用され得る。これらの伝送ユニットには、1つ以上のMPDU(MACプロトコルデータユニット)をカプセル化できるPPDU(物理プロトコルデータユニット)や、信頼性の高いデータ配信を容易にするためのブロック確認応答(BA)などの確認応答メッセージが含まれ得る。
【0062】
Wi-Fi通信122には、様々な通信フレームが含まれ得る。例えば、AMPDU(Aggregated MAC Protocol Data Unit;集約されたMACプロトコルデータユニット)、MPDU(MAC Protocol Data Unit;MACプロトコルデータユニット)、PPDU(Physical Protocol Data Unit;物理プロトコルデータユニット)、PDU(Protocol Data Unit;プロトコルデータユニット)、およびBA(Block Acknowledgment;ブロック確認応答)は、MPDUがAMPDUに集約され、そのAMPDUがPPDUとして送信され、これらのユニットの受信がBAによって確認される無線通信システムのコンポーネントである可能性がある。
【0063】
伝送ユニット124は、Wi-Fi通信122で使用される任意のパケットフォーマットを有することができる。伝送ユニット124は、AMPDU(Aggregated MAC Protocol Data Units)を含むことができ、AMPDUは、複数のMPDU(MAC Protocol Data Units)を1回の伝送に結合してオーバーヘッドを低減し、スループットを改善することができる。伝送ユニット124は、関連するヘッダーおよびトレーラを含む、集約されたAMPDUを運ぶ物理層パケットであるPPDU(Physical Protocol Data Units;物理プロトコルデータユニット)を含むか、またはそれを使用することができる。伝送ユニット124は、最小限の遅延での通信を目的とする、時間的制約のあるデータ用に設計された低レイテンシパケットを含み得る。低レイテンシパケットは、送信中および受信中の遅延を減少し、または最小限に抑えるように構成された任意のデータパケットであってよく、例えば、送信時により高い優先順位で処理されるように構成された時間的制約のあるペイロードを含むデータパケットなどであってもよい。低レイテンシパケットには、平均的なネットワークトラフィックよりも低レイテンシで配信されるパケットや、他の種類のネットワークトラフィックよりも優先して送信されるパケットが含まれ得る。例えば、VoIPを介したリアルタイムの音声通信では、低レイテンシパケットによって音声データが迅速に伝送され、会話の品質が維持される。例えば、AMPDUには、ビデオストリーム用の複数のMPDUを含めることができる一方、リアルタイムのゲームコマンドには、別の低レイテンシパケットが使用される場合がある。通信機能130は、様々な伝送ユニット124を組み合わせて効率を改善し、IDCの問題や重複を低減し、または処理することができる。
【0064】
Wi-Fi伝送ユニット124の確認応答126は、データの受信を確認するか、または信頼の高い通信を容易にするためのフィードバック情報を提供するための任意のメカニズムを含み得る。確認応答126は、AMPDU内の複数のMPDUの受信を確認し、正常に受信されたパケットのビットマップを提供するブロック確認応答(BA)を含み得る。確認応答126は、単一パケットに対する即時確認応答メッセージ(例えば、ACK)、または遅延ACKを含むことができ、スケジューリングに対応してIDC問題や衝突を低減する。例えば、AMPDUを送信した後、AP104は、どのMPDUが正しく受信されたかを示すBAをUE102から受信するか、または進行中のIDC問題のために遅延された遅延BAをUE102から受信することができる。
【0065】
通信機能130は、Wi-Fi通信122および第2の通信112を監視し、デバイス内共存(IDC)の問題を検出して管理するためのハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。通信機能130は、IDCパフォーマンスを改善し、共有リソース108に関する時間の重複を低減し、通信の衝突やネットワークトラフィックのドロップもしくは損失を低減するための機能を含み得る。通信機能130は、Wi-Fi通信122と第2の通信112が互いに干渉しないように保護するための措置を講じることができる。そのために、通信機能130は、それらの通信の動作時間(例えば、スケジュール136)、ならびに帯域、チャネル、または共有リソース108に関する構成を調節する(例えば、周期的に、動的に、またはイベントに基づいて)ことができる。例えば、通信機能130が、スケジュールされたWi-Fi通信122または進行中のWi-Fi通信122を中断させようとする長時間のBluetooth伝送(例えば、112)を検出した場合、通信機能130は、スケジューラ134を使用して、スケジュール136の第1の期間と第2の期間を更新し、干渉を回避するためにWi-Fi伝送を再スケジュールする(例えば、延期)することにより、両方の技術にわたるシームレスな接続性とパフォーマンスを維持することができる。
【0066】
通信機能130は、UE102における無線通信、リソースの共有、およびIDCの改善を制御、管理、および実施するための、ハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。通信機能130は、伝送ユニット124(例えば、PPDU/AMPDU)および確認応答126(例えば、BA)のタイミングおよび送信を管理することができる。通信機能130は、伝送ユニット124を修正し(例えば、低レイテンシパケットを含むようにAMPDUを再パッケージ化し、再配置し、再パッケージ化し)、また確認応答126を修正することができる(例えば、BAにデータを含むように)。通信機能130は、共有リソースに割り当てられた時間を超える可能性のある長時間の送信バーストを検出し、IDCの問題を管理するための措置をとることができる。通信機能130は、スケジューラ134を使用して、Wi-Fi通信122が実施され得る第1の期間138、およびWi-Fi通信122が実施されない第2の期間140(例えば、第2の通信112の時間間隔)を有するスケジュール136を生成することができる。
【0067】
第1の期間138は、第2の期間によって定義された周期の持続期間中のWi-Fi通信が終了する時点を識別するか、またはその時点に対応するバースト制限を含み得る。バースト制限は、第1の期間138中の任意の時点、または第1の期間138の終了時点を含み得る。例えば、バースト制限は、第1の期間138の終了時点であってもよく、その時点でWi-Fi通信(例えば、AMPDUの伝送と、AMPDUに応答するBAの伝送との両方)が第2の期間140中に完了することになる。第1の期間138の終了を示すバースト制限の後に続く第2の期間140の残りの部分は、他の用途(例えば、第2のまたはWi-Fi以外の通信)に使用することができる。通信機能130は、AMPDUに関する確認応答126(例えば、BA)の遅延を調整したり、さまざまな障害やエラーに関するデータを含めるようにBAを更新したりするなど、通信を管理する機能を含み得る。
【0068】
通信機能130は、第2の期間140の第1の期間138中に(例えば、周期的に)、バースト制限に応じた(例えば、第1の期間138の終了時の)サイズを形成するように収集され、配置されたMPDUを有するAMPDUフレームを送信または受信することができる。例えば、通信機能1300は、次の第1の期間138(例えば、将来または次の第2の期間140の期間138)中に、この次の第1の期間138内に収まるサイズを有するか、または収まるサイズに作成され、若しくは構成されたWi-Fi通信122のAMPDUを送信または受信することができ、同時に、同じ次の第1の期間138内にこのAMPDUに対するブロック確認応答(BA)の送信を完了するために、第1の期間138の一部を残すこともできる。
【0069】
例えば、通信機能130は、Wi-Fi通信122(例えば、AMPDU)の受信者からのチャネル品質インジケータ(CQI)情報を確認応答126(例えば、BA)に挿入することができ、これによりいくつかの利点が得られる。例えば、確認応答126(例えば、BA)に情報を挿入すると、十分なSINRマージンがある場合に、送信機がMCSを最小サポートレベルまで増加させることが容易になり、データレートが向上し、伝送パワーが減少する可能性がある。SINRが現在のMCSのしきい値を下回る場合、送信機は、MCSを最大サポートレベルまで減少させることで、エラーを回避し、コンテンションウィンドウ(CW)の増加を防止することができる。Wi-Fiでは、CWパラメータは、デバイスが送信を試みる前に待機しなければならないランダムな待機時間に対応する。CWは、エラーが発生するたびに増加される可能性がある。したがって、エラーの数が多いほど、待機時間が長くなり、スループットが低下する。
【0070】
このCQI情報の組み込みにより、リンクアダプテーションの収束が高速化される。さらに、BAは、隠しノードがバースト中に送信を開始したか否か、またはTXOPがRTS/CTS交換を開始しなかったか否かを、送信機に通知することができる。後者の場合、受信者が仮想キャリアセンスネットワーク割り当てベクトル(CS NAV)情報を持っていれば、それをBAに埋め込むことができるため、送信者は同じTXOP内でMCSを減らして継続するか、さらなるエラーを防ぐためにTXOPを縮小するかについて、情報に基づいた決定を行うことができる。さらに、バーストの途中で隠しノードからの干渉が発生したが、それが終了し、後半部分でエラーのないMPDUが得られた場合、送信機は、BAから推定されたパケット誤り率(PER:Packet Error Rate)に基づいて、MCSを減少させるか否かに関する決定を行うことができる。本解決策は、AMPDUの途中でのSINRの僅かな変化ではなく急激な変化など、考えられる伝送失敗の理由に関する追加情報を含むことができる。このような情報に基づいて、送信機は、伝送失敗が隠しノードによるものか、それとも一般的な通信路ドップラーによるものかを結論付けることができる。
【0071】
例えば、通信機能130は、SINRマージンに関する情報を確認応答126(例えば、BA)に含めることができる。実現されたSINRが、MPDUのセットに対する所与のMCSについてのSINR閾値よりも高い場合、実現されたSINRと必要なSINRとの間の最小差を表す量子化された値を、報告することができる。この情報により、送信機はMCSを増加させたり、伝送パワーを低下させたりすることができる。実現されたSINRが、所与のMCSについてのSINRを下回る一連のエラーが生じた場合、必要なSINRと実現されたSINRとの差を示す量子化された値を、提供することができる。送信機は、この情報を使用して、隠しノードの存在を推測したり、MCSを減らしたり、伝送パワーを増加させたりするなどの調節を行うことができる。一般化された形式では、実現されたSINR値が特定の閾値内にあるMPDUの各文字列について、実現されたSINRと必要なSINRとの間の量子化された差を、それらの発生順に報告することができる。この報告メカニズムにより、1つ以上のそのような値をBAに含めることができる。
【0072】
通信機能130は、AMPDUのすべてのMPDUが伝送に失敗した場合であっても、MPDU伝送の失敗またはエラーに関する情報を挿入することができる。例えば、BAメカニズムは、受信者がACKを送信するために、AMPDUの少なくとも1つのMPDUが正しく受信されることを含む場合がある。ただし、すべてのMPDUにエラーがあっても、受信者がロングトレーニングシーケンス(L-SIG)や物理層(PHY)ヘッダーの他の部分を正しくデコードできる場合もある。特定のMCSの全てのMPDUがエラーであっても、確認応答126を提供することは、リンクアダプテーション、パワー制御、または隠しノードの処理を改善し、適切なMCS調節により媒体の所有権を保持するための情報交換に役立つ可能性がある。このような確認応答は、PHYヘッダー自体のACKを許可することによって有効にできる(したがって、L-SIGが与えられ、PPDUの終了時間が分かっている場合は、SIFSの後にACKを送信できる)。PPDUの終了時間に関するさらなる忠実度は、より低いMCSを使用して(L-SIG/RL-SIGの表示に加えて)それをUHR(超高速)ヘッダーの新しいフィールドに表示できれば、達成することができる。すべてのMPDUがエラーである場合でも、UHR送信機と受信者に対しては、確認応答の送信を実施することができる。このような情報をUHR PHYヘッダーに含めることで、送信機/受信者を確実に識別することができる。
【0073】
通信機能130は、通知された遅延BAメカニズムを実施することができる。例えば、AMPDU受信者の通信機能130は、その種々の制限をAMPDU発信元に知らせることができる。そのような制限には、最大MPDU数、最大バイト数、SIFSでBAを送信できるようにするためのAMPDUの最大持続時間、最小遅延、BA送信の最大遅延、およびデバイス共存の問題が存在する場合にはその問題などが含まれる。AMPDU発信元の通信機能130は、AMPDU発信元が受信者の制限に従っている場合、BA応答の遅延を許容することができる。これは例えば、AMPDU発信元がRX-TX遅延限度を下回るAMPDUを送信し、受信者が共存の問題が存在することを通知していない場合である。AMPDU発信元は、SIFSでのBAの欠如を失敗として解釈することができる。そうでない場合、AMPDU発信元は、BAの欠如を遅延BAとして解釈することができる。
【0074】
通信機能130は、任意の伝送ユニット124または確認応答126に関する任意のタイミングまたはコンテンツ関連の調節を管理または実施することができる。すべてのMPDUがエラーである場合のフィードバックの報告は、フレームのタイプと特定の考慮事項によって異なる場合がある。例えば、ダウンリンクシングルユーザー(DL SU)フレームの場合、フィードバックは、送信機会(TXOP)内の前の交換の受信者、または超高速(UHR)ヘッダー内の宛先に関する明示的表示に基づいて報告することができる。ダウンリンクマルチユーザー(DL MU)フレームの場合、フィードバック報告は、UHRヘッダー内の宛先に関する表示による場合がある。先行するトリガーを有しないアンリンクシングルユーザー(UL SU)フレームの場合、フィードバックレポーターは、TXOP内の前の交換の受信者、またはUHRヘッダー内の宛先に関する明示的表示に基づいて決定され得る。先行するトリガーを有する可能性があるUL SUフレームの場合、トリガー、または、UHRヘッダー内の宛先に関する表示を送信したアクセスポイント(AP)が、フィードバックレポーターを決定することができる。最後に、先行するトリガーを有する可能性があるUL MUフレームの場合、トリガー、または、UHRヘッダー内の宛先に関する表示を送信したAPが、フィードバックを報告する責任を負うことができる。フィードバックレポーターは、それに応じて、対応するIDをフィードバックに挿入する。
【0075】
通信機能130は、確認応答126またはフィードバックのタイミングを管理することができる。フィードバックの受信者は、報告するフィードバックから省略されてもよい。これは、前のPPDUを送信したエンティティは、フィードバックに挿入されたIDに基づいて、そのフィードバックが自分自身に向けられていることを認識し、識別できるからである。フィードバックレポートのタイミングは、PPDUの終了後のSIFSギャップ中に発生する可能性があり、これは、ロングトレーニングシーケンス(L-SIG)またはリバースロングトレーニングシーケンス(RL-SIG)、および物理層(PHY)ヘッダーの他の部分から推測される。応答のタイミング、以前の交換への依存、および追加のPHYヘッダー情報により、フィードバックを報告するためのエラーシナリオは制限される可能性がある。
【0076】
通信機能130によれば、応答としては単一のBAのみで、複数のAMPDUを送信することが容易になる。例えば、発信元デバイスまたはシステムは、SIFS後のBAを望まない場合がある。これは、発信元は、リンクアダプテーションのためのMCS探索を実行し、デコード/CCAを改善するために、AMPDUのシーケンスを(ギャップなしまたはSIFSギャップなしで)送信することを意図しているからである。このような例では、発信元は、そのような機能を示す遅延BAについての規定/要望を、受信者に知らせることができる(例えば、PHYヘッダーまたはMACヘッダー内の表示で)。これにより、(HT即時コンテキスト内で)Ackポリシー=ブロックAckを設定する場合よりも高い柔軟性が得られる。これは、後者の規定は、いずれのAMPDUも即時BAで確認応答できず、代わりにBAR-SIFS-BAの組み合わせで確認応答する必要があることを意味することがあるからである。
【0077】
例えば、発信元の通信機能130は、SIFSギャップの後、またはギャップがなくても、伝送ユニット124を再度送信することができる。発信者は、暗黙的BAR/明示的BARを使用するなどして、後で確認応答126(例えば、BA)を引き出すことができ、任意選択で、受信者が、例えば受信者自身のTXOP内でBA送信を開始できるようにすることができる。いくつかの例では、既存の遅延BA手順と本解決策との違いは、本解決策ではBAの選択(すなわち、即時か遅延か)に関してバーストごとの動的動作が可能である一方、既存の手順では、BA合意設定に応じて、すべてのバーストのBAが即時か遅延BAかのいずれかに強制されることである。
【0078】
通信機能130によれば、効率を向上させるためのPPDUのサイズ設定が提供され、または容易になる。例えば、短いPPDUは、SIFSギャップありまたはギャップなしのいずれかで、より長いPPDUの前に配置され得る。2つのAMPDUの間にSIFS+BA+SIFSを挿入することを、避けることができる。また、同期MLD受信機で問題が発生する可能性もある。最初に小さなPPDUを挿入し、その後に所望の最終的な長さおよび内容を有するPPDUが出現する柔軟性があると便利である。このような実施形態によれば、リンクアダプテーションの収束が改善される。例えば、複数のMCS/NSSを有する連続PPDU(AMPDU)シーケンスの複合フィードバックを取得できれば、リンクアダプテーションアルゴリズムの収束を高速化することができる。送信機は、それぞれ異なるMCS/NSSの組み合わせを有する連続PPDUを、ギャップなしまたはSIFSギャップ付きでパケットに収めることができる。バーストの終了時に複合BAを引き出すことができ、これによって送信機は、どのMCS/NSSの組み合わせが最も成功したかを知ることができる。中間BA(およびSIFS)を行わないことで、効率を高めることができる。一部のリンクアダプテーションアルゴリズムでは、正しいMCSを取得するために、1回のAMPDUの後に複数回の反復を使用する場合がある。これは、BAが、MCSの成功/失敗率に関する情報しか提供できず、マージンに関する情報を提供できないからである。このような拡張BAがない場合、最適なMCS/NSSに到達するためには、AMPDU-BAを何度も繰り返す必要がある場合がある。発信元は、即時BAがないこと、および連続構造を、PHYまたはMACヘッダー内に動的に表示することができる。これにより、(HT即時コンテキスト内で)Ackポリシー=ブロックAckを設定する場合よりも高い柔軟性が得られる。これは、後者の規定は、いずれのAMPDUも即時BAで確認応答できず、代わりにBAR-SIFS-BAの組み合わせで確認応答する必要があることを意味することがあるからである。
【0079】
AMPDUの発信元の通信機能130がBAの欠如を遅延BAとして解釈した場合、通信機能130は、コンテンションを使用して、またはBARによってトリガー駆動され、これにより、交渉で定められた最小遅延Xの後、最大遅延Yの前に、欠落したBAが受信者によって送信されることが想定される。最大遅延の期限が切れると、発信元は、AMPDUがエラーであると想定する可能性がある。発信元は、TXOP(すなわち、PIFSの後)を継続して、次のPPDUを同じ受信者または他の受信者(複数可)へ送信することができる。
【0080】
AMPDUの受信者の通信機能130は、時々、遅延BAを実行することができる。例えば、受信者がSIFS内でBAを送信する場合、BAにより、AMPDUの最後に処理されたシーケンス番号(AMPDUの最後のシーケンス番号以下)を知らせることができる。それ以外の場合、BAが送信されるとき、BAは、Ack情報に関して累積的であってもよい(例えば、BAが送信される前に追加のAMPDUが到着した場合)。
【0081】
発信元の通信機能130は、SIFS後のBAを望まない可能性がある。これは例えば、受信者が、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックの処理、リンクアダプテーションのためのMCS探索、デコード/CCAの改善のために、AMPDUのシーケンスを送信すること(ギャップなしまたはSIFSギャップなしで)を意図する可能性があるからである。また、AMPDUが受信者の最大バイト数を超えることなど、AMPDUの内容に対する既知の受信者制限が存在する可能性もある。この場合、発信元は、(能力を示す受信者に)、遅延BAの規定/要望を知らせることができる。例えば、PHYヘッダーやMACヘッダーに、表示を置くことができる。シグナリングの後、発信元は、SIFSの後、またはギャップなしで、再度自由に自由に送信することができる。発信元は、例えば明示的BAR/暗黙的BARを使用する場合、後でBAを引き出すことができる。任意選択で、受信者が(例えば、受信者自身のTXOP内で)BA送信を開始できるようにしてもよい。
【0082】
通信機能130によれば、TXOP/PPDU/AMPDU構造の拡張が容易になる。例えば、短いPPDU(AMPDU)は、SIFSギャップありまたはギャップなしのいずれかで、より長いPPDU(AMPDU)の前に配置され得る。2つのAMPDUの間にSIFS+BA+SIFSを挿入すると、無駄が生じる可能性がある。また、同期MLD受信機で問題が発生する可能性もある。最初に小さなPPDUを挿入し、その後に所望の最終的な長さおよび内容を有するPPDUが出現する柔軟性があると便利である。本解決策の利点としては、AMPDUの発信元が、チャネルアクセスを獲得したリンクと、チャネルアクセスを獲得した帯域幅とに基づいて、あるいは、アライメントの目的で長さ情報のデコードを待っている間に、AMPDUを構築/再構築するための、時間的マージンが挙げられる。AMPDUの発信元がMLDの複数のリンク上の非同期イベントに反応するためのオプション。したがって、MLDは、リンク1の送信開始時に小さなPPDUを暫定的に使用し、リンク2のACKステータスに応じて、より大きなPPDUをその後ろに続けることができる。
【0083】
(例えば、UE102デバイスの)通信機能130は、第2の無線トランシーバー110によって受信された通信のバースト(例えば、112)が、第2の無線通信112に割り当てられた期間を超えていることを、検出することができる。UE102デバイスは、AP104と通信してWi-Fi通信122を受信することができる。例えば、UE102は、第2の通信システム106からの通信のバーストが超過または浸食した時間間隔中に、Wi-Fi通信122を受信するように構成され、スケジュールされ得る。例えば、通信機能130は、第2の無線トランシーバー110によって受信された通信の第2のバーストが、所定のスケジュール136にしたがってAP104からWi-Fi通信122を受信するために割り当てられた第1の期間の一部と重複していることを検出することができる。通信機能130は、この重複に応答して、スケジューラ134を使用してスケジュール136を調節することができる。このように更新されたスケジュール136は、AP104に伝送され、AP104はこれを使用して、UE102における通信の第2のバースト(例えば、112)との競合または重複を回避することができる。
【0084】
例えば、通信機能130は、Wi-Fi通信122のAMPDUを受信することができる。AMPDUは、周期性を生成する第2の期間140内のWi-Fi通信122を受信するための第1の期間138を含む、周期的スケジュール136の次の第1の期間中に受信され得る。AMPDUは、次の第1の期間にしたがって調節されたサイズを有することができる。例えば、通信機能130は、第1の期間138の残りの部分の量を決定し、それを超過することなく、第1の期間138の残りの部分に収まるようにAMPDUを生成することができる。これを行うことで、通信機能130は、Wi-Fi通信122に専用の第1の期間138の使用量を最大化して、スループットおよびデータレートを向上させることができる。送信者(例えば、AP104またはUE102)は、そのようなサイズのAMPDUを、次の第1の期間138(例えば、次の第1の期間138)に挿入することができる。例えば、通信機能130は、次の第1の期間内に収まるように確立または構成された(例えば、最大化されたパケット数を使用して形成されるように最大化された)サイズを有するWi-Fi通信122のAMPDUを次の第1の期間中に受信し、当該次の第1の期間中にそのAMPDUのブロック確認応答(BA)の送信を完了することができる。
【0085】
通信機能130は、第2の無線トランシーバー110によって受信された通信の第2のバースト(例えば、112)が、スケジュール136にしたがってAP104からWi-Fi通信122を受信するために割り当てられた第1の期間138の一部と重複していることを検出できる。通信機能130は、重複に応じて、スケジューラ134を使用してスケジュール136を調節することができる。例えば、通信機能130は、第1の期間138の開始のタイミングを調節することで、第2のバーストとの干渉または重複を回避することができる。更新されたスケジュール136はAP104に伝送され、AP104の通信機能130は、UE102へのWi-Fi通信122を管理して、AP104からの送信がUE102の共有リソース108を介して受信される通信の第2のバーストと競合しないようにすることができる。通信機能130は、送信者からWi-Fi通信122のAMPDUを受信し、そのAMPDUのブロック確認応答(BA)を生成し、BA(例えば、126)を介して送信者(例えば、AP104またはUE102)にスケジュールを伝達することができる。
【0086】
通信機能130は、第2のトランシーバー110によって受信された通信112の第2のバーストが、第2の無線通信112に割り当てられた第2の期間を超えることを検出することができる。通信機能130は、通信の第2のバーストの検出に応答して、第2のスケジュール136を決定することができる。AP104は、第2のスケジュールにしたがって、無線リンク160の複数のチャネルのうちの第2のチャネルを介して、UE102デバイスにWi-Fi通信122を伝送することができる。第2のスケジュールは、第4の期間を基礎とする第2の周期で、第3の期間の第2のバースト制限を含み得る。通信機能130は、第2のスケジュールをアクセスポイントに伝達することができる。
【0087】
AP104の通信機能130は、IDCの問題(例えば、重複または競合)の存在を示すUE102からの情報(例えば、確認応答126を介する)に応答して、AMDPU伝送の処理を変更することができる。例えば、AP104は、メモリと結合された1つ以上のプロセッサを使用して実施され得る通信機能130を有することができる。通信機能130は、UE102デバイスから、ブロック確認応答(BA)(例えば、126)を受信することができる。BAは、デバイス上のデバイス内共存問題の存在を識別する情報を含み得る。IDCの例には、アンテナ142を含む共有リソース108を介した第2の通信112の浸食のイベント(例えば、第2の通信システム106から受信された通信のバースト)の検出が含まれる。通信機能130は、デバイス内共存問題の識別に応答して、AP104からの1つ以上のAMPDUに応答するUE102デバイスからの1つ以上のBA(例えば、126)がSIFSを超えて遅延されることを、許容する決定をすることができる。通信機能130は、1つ以上のBA(例えば、126)が、失敗として識別されることなく(例えば、AMPDU伝送を失敗、不完全、またはドロップされた伝送として識別することなく)遅れることを、許容する決定をすることができる。
【0088】
通信機能130は、SIFSの後に、その決定に応答して、UE102デバイスから第2のBAを受信することができる。第2のBA(例えば、126)は、APから受信した複数のAMPDUに対応する複数の確認応答(例えば、BA)を含み得る。例えば、通信機能130が、遅れたBA(例えば、確認応答126)がある、すなわち、その時点でBA(例えば、確認応答126)が欠落している関わらず、伝送されたAMPDUを伝送失敗としてマークも識別もしないという決定を行った後、通信機能130は、時間閾値(例えば、予想されるBA時間閾値)の後に、それらの欠落した若しくは遅れたAMPDUのBAを受信することができる。通信機能130は、その決定に応答して、SIFSの後に受信した第2のBAに関係なく、複数のAMPDUの複数の伝送が成功したと判定することができる。
【0089】
通信機能130が、以前に伝送されたAMPDUに対するUE102によるBAの送信が遅れようとしているという情報を(例えば、BAを介して)受信すると、通信機能130は、代わりに他のUE102にサービスを提供することを決定できる。例えば、通信機能130は、第2のUE102デバイスから、第2のデバイス上のデバイス内共存の問題を識別しない情報を含むブロック確認応答(BA)を受信する可能性がある。通信機能130は、第2のUE102デバイスに、AMPDU(例えば、122)を送信できる。通信機能130は、(第1の)UE102が自分のBA送信を遅延させているという判定に応答して、この送信を第2のUE102に対して実施することを決定することができる。通信機能130は、AMPDUのBAがSIFS内に受信されていないと判定する場合がある。通信機能130は、BAがSIFS内に受信されていないことに応答して、AMPDUの伝送は失敗したものと識別することができる。
【0090】
通信機能130は、1つ以上のAMPDUに対する1つ以上のBAの送信が1つ以上のAMPDUに続く1つ以上のSIFSの後まで遅延されるWi-Fi通信用に、デバイスが構成されていることを識別することができる。通信機能130は、この構成に応じて、この構成にしたがって複数のAMPDUを伝達するための規定を送信することができる。この規定は、複数のAMPDUのうちのあるAMPDUの物理層のヘッダーまたはメディアアクセス制御ヘッダーのヘッダーのうちの少なくとも一方において、表示することができる。
【0091】
BAの受信側の通信機能130は、(例えば、送信側の通信機能130によってBAに挿入された)情報から、信号対干渉プラス雑音比(SINR)マージンを示すチャネル品質情報を識別することができる。受信側の通信機能130は、SINRマージンに応じて、デバイスへの送信用の変調符号化方式(MCS)を調節することができる。BAの受信側の通信機能130は、BAの情報から、デバイスへの送信用の変調符号化方式(MCS)、1つ以上のAMPDUの信号強度、または1つ以上の隠しノードの存在のうちの少なくとも1つに対応する表示を識別することができる。BAの受信側の通信機能130は、この表示に応答して、デバイスに送信される次のAMPDUについて、前記MCS、前記信号強度、または前記1つ以上の隠しノードに対応する伝送パワーのうちの少なくとも1つを調節することができる。BAの受信側の通信機能130は、送信側の通信機能130によって編集または調節されたBAを介して受信した情報から、1つ以上のAMPDU内のすべてのMPDUデバイスによって受信されなかったことを判定することができる。
【0092】
通信機能130は、UE102デバイスによって現在のTXOP中に受信された低レイテンシパケットを識別することができる。低レイテンシパケットは、AP104に伝達されるものと判定される場合がある。通信機能130は、現在のTXOP中に作成され、AP104に伝送されるのを待っている物理プロトコルデータユニット(PPDU)を識別することができる。通信機能130は、低レイテンシパケットをPPDUに挿入することができる。通信機能130は、低レイテンシパケットを含むPPDUを、現在のTXOP内でAPに伝送することができる。通信機能130は、現在のTXOPに続く次のTXOPを介して伝送するようにスケジュールされている第2のPPDU内の低レイテンシパケットを識別し、その低レイテンシパケットをPPDUに挿入することを決定することができる。
【0093】
スケジューラ134は、異なるタイプの無線通信のために特定の時間を割り当てるスケジュール136を生成するための、ハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。スケジューラ134は、IDCの改善を容易にし、ネットワークパケットの損失若しくはドロップの原因となるIDCの問題、重複、またはネットワーク衝突を最小限に抑えるために、第1の期間138および第2の期間140を生成する機能を含み得る。スケジューラ134は、第1の期間138および第2の期間140、時間間隔の任意の周期性若しくは繰り返し、ならびにスケジュール136に対する任意の変更を定義、識別、若しくは設定できるスケジュール136を生成することができる。スケジュール136は、スケジューラがWi-Fiアクセスポイント(AP)104に、Wi-Fi通信122に使用可能な時間を通知する第1の期間138と、BluetoothまたはLTEなどの他の通信用に指定された第2の期間140とを含み得る。例えば、スケジューラ134は、20ミリ秒ごとに繰り返される第2の期間140を有するスケジュール136を生成することができる。20ミリ秒のうち、5ミリ秒の第1の期間138をWi-Fi通信122に割り当てることができ、第2の期間140の残りの15ミリ秒をBluetoothやLTEのような他の無線通信に割り当てることができる。
【0094】
スケジューラ134によって生成されたスケジュール136は、任意の組織化された時間間隔または構造化された計画を含むことができ、それによって、特定の無線通信に特定の時間間隔を割り当てて、UE102内の共有リソース108に関するIDCを容易にする。スケジュール136は、Wi-Fi通信122(例えば、Wi-Fi AP104からの伝送ユニット124の送信やUE102からの確認応答126の送信)に専用の時間間隔を識別できる第1の期間138を含み得る。Wi-Fi AP104は、スケジュール136を使用して、伝送ユニット124(例えば、AMPDU、低レイテンシパケット)をUE102に送信するタイミングと、確認応答126(例えば、BA)が受信されると予想されるタイミングとを同期させ、または時間調節することができる。スケジュールは、種々の周期的な時間間隔を含み得る。周期的な時間間隔は、第1の期間138を含む第2の期間140によって定義できる。周期的な時間間隔は、第1の期間138と第2の期間140の連結の持続時間によって定義できる。ここで、第1の期間138は、Wi-Fi通信の時間間隔に対応し、第2の期間140は、第2の通信の時間間隔に対応する。
【0095】
スケジューラ134は、IDCイベントまたは問題に基づいて、スケジュール136を更新したり、新しいスケジュール136を生成したりすることができる。例えば、通信機能130は、検出された通信のバースト(例えば、112)に応じてバースト制限を生成することができる。例えば、通信機能130は、第2の無線トランシーバー110によって受信された通信のバーストが、第2の無線通信112に割り当てられた期間を超えていることの検出に応答して、AP104がWi-Fi通信122をUE102デバイスに伝送するスケジュール136を決定することができる。スケジュール136は、第2の期間140を基礎とする周期で、第1の期間138のバースト制限を含み得る。通信機能130は、スケジューラ134からスケジュール136を受信し、Wi-Fiトランシーバー120を使用して、そのスケジュールをアクセスポイントに伝達することができる。
【0096】
第1の期間138は、スケジューラ134によって、Wi-Fi送信122の受信に割り当てられ得る。第2の期間140は、第1の期間138の開始と、前記第2の期間140を基礎とする周期に基づく次の第1の期間138の開始との間の時間の長さに対応し得る。次の第1の期間138は、連結された複数の第2の期間140からなる複数の期間のうちの次の期間の第1の期間138であり得る。次の第1の期間138は、任意の将来のWi-Fi通信122の受信に割り当てられ得る。
【0097】
第1の期間138は、図5に示されるようなバースト制限502を含み、表し、または表示することができる。バースト制限502は、第2の期間内にWi-Fi通信122を伝送できる時間の上限を含み得る。バースト制限502は、第1の期間138の終了と、Wi-Fi通信が取り交わされない第2の期間140の残りの部分の始まりとを表すことができる。バースト制限502は、第1の期間138または第2の期間140の少なくとも一方の開始を基準として確立され得る。バースト制限502は、周期内でWi-Fi通信に割り当てられる持続期間または間隔を表すことができる。
【0098】
スケジューラ134は、共有リソース108に関する第2の通信112とWi-Fi通信122との間の重複の検出に応答して、スケジュールを調節することができる。例えば、スケジューラは、第2の無線トランシーバーによって受信された通信の第2のバーストが、スケジュールにしたがってAPからWi-Fi通信を受信するために割り当てられた第1の期間の一部と重複していることを(例えば、通信機能130により)検出することができる。スケジューラ134は、複数の通信チャネルのうちの第1の通信チャネルを介してWi-Fi通信122を受信するために、スケジュール136を更新したり、新たなスケジュール136を生成したりすることができる。スケジューラ134は、複数の通信帯域のうちの特定の通信帯域(例えば、Wi-Fi通信帯域)を介してWi-Fi通信122を受信するためのスケジュール136を生成することができる。スケジュール136を調節することで、通信の第2のバーストの持続時間に応じて、第1の期間138の持続時間または第2の期間140の持続時間の少なくとも一方を変更することができる。
【0099】
第2の期間140は、第1の期間138を含み、周期性または反復間隔を含む全体的なタイミングを定義して、Wi-Fi AP104とUE102との間の同期通信を容易にすることができる。第2の期間140は、時間間隔を含むことができ、この時間間隔は、Wi-Fi通信124が許可される当該時間間隔の一部(例えば、第1の期間138)を含む。第2の期間140は、第1の期間138の時間間隔を除く第2の期間140の残りの部分など、Wi-Fi通信124が許可されない前記時間間隔の一部を含み得る。例えば、第2の期間140は、Wi-Fi通信122が許可されない時間間隔(例えば、UE102で第2の通信112に割り当てられた時間)を含むか、またはそれに対応し得る。例えば、スケジューラ134は、10ミリ秒ごとに繰り返される第2の期間140を定義するスケジュールを提供することができる。10ミリ秒のうち、4ミリ秒の第1の期間138は、Wi-Fi通信122に割り当てられ、第2の期間140の残りの部分(例えば、6ミリ秒)は、Wi-Fi通信122には使用されない。このアプローチにより、Wi-Fiトランシーバー120と他の無線トランシーバーが互いに干渉することがなくなり、デバイスの共有リソースの効率的かつ効果的な使用が維持される。
【0100】
図2は、コンピューティングシステム200とも呼ばれる例示的なコンピュータシステム200のブロック図を示している。コンピュータシステム200は、本明細書に記載したシステム100の任意の計算若しくは処理(例えば、コマンド、プロトコルまたはデータ処理)を含むことができ、またはそのような計算若しくは処理の実施に使用することができる。コンピュータシステム200は、本明細書で説明される任意のデバイス若しくはシステム(例えば、UE102、AP104または第2の通信システム106)に含めることができ、また、そのようなデバイス若しくはシステムを動作させることができる。コンピュータシステム200は、任意のデバイスまたはプラットフォーム(例えば、ユーザーのモバイルデバイス、サーバ、仮想サーバ、クラウドインフラストラクチャ、または任意の他のシステム若しくはサービス)上の通信112または122、ならびに通信機能130の機能を作動させ、実施し、または伝達するために使用することができる。
【0101】
コンピューティングシステム200は、情報を伝達するための少なくとも1つのバスデータバス205または他の通信コンポーネントと、情報を処理するためにデータバス205に接続された少なくとも1つのプロセッサ210または処理回路とを含み得る。コンピューティングシステム200は、データまたは情報を交換または処理するためにデータバス205に接続された1つ以上のプロセッサ210または処理回路を含み得る。コンピューティングシステム200は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、または他の動的ストレージデバイスのような1つ以上のメインメモリ215を含み得る。これらは、データバス205に接続され、プロセッサ(複数可)210によって実行される情報および命令を記憶している。メインメモリ215を使用して、プロセッサ(単数または複数)210による命令の実行中に情報(例えば、データ、コンピュータコード、コマンドまたは命令)を記憶することができる
【0102】
コンピューティングシステム200は、プロセッサ(単数または複数)210の静的情報および命令を記憶するために、バス205に接続された1つ以上の読み取り専用メモリ(ROM)220または他の静的ストレージデバイスを含み得る。ストレージ225には、ソリッドステートデバイス(SSD)、磁気ディスクまたは光ディスクのような任意のストレージデバイスが含まれ得る。これらをデータバス205に接続することで、情報および命令を永続的に記憶することができる、
【0103】
コンピューティングシステム200は、データバス205を介して、スピーカーやディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイまたはアクティブマトリクスディスプレイ)などの1つ以上の出力デバイス235に接続され、ユーザーに情報を表示または提供することができる。キーボード、タッチスクリーンまたは音声インターフェースなどの入力デバイス230は、データバス205に接続され、プロセッサ(単数または複数)210に情報やコマンドを伝達することができる。入力デバイス230には、例えば、タッチスクリーンディスプレイ(例えば、出力デバイス235)が含まれ得る。入力デバイス230には、方向情報やコマンド選択をプロセッサ(複数可)210に伝達してディスプレイ上のカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御手段が含まれ得る。
【0104】
コンピュータシステム200は、I/Oポート240とも呼ばれる入出力ポート240を含むことができ、また、外部デバイスまたは周辺デバイスと、プロセッサ(単数または複数)210および/またはメモリ215との間の通信を容易にする、またはそのような通信を提供する物理的インターフェースを含むことができる。I/Oポート240は、データバス205に接続され、プロセッサ(単数または複数)210、メモリ215、および任意の外部デバイス(例えば、キーボード、マウス、プリンタ、および外部ストレージデバイスなど)の間のデータ転送を可能にする。コンピュータシステム200は、データバス205を介して結合された1つ以上のネットワークインターフェース245をさらに含むことができる。ネットワークインターフェース245は、コンピュータシステム200と任意の外部ネットワーク(例えば、インターネット)との間の通信を可能にする任意の物理的または仮想的コンポーネントを含み得る。ネットワークインターフェース245は、プロセッサ210、メモリ215、および任意の外部ネットワークの間のデータ転送を提供することができる。
【0105】
本明細書に記載するプロセス、システム、および方法は、プロセッサ210がメインメモリ215に含まれる命令の配列を実行することに応答して、コンピューティングシステム200によって実施され得る。このような命令は、ストレージデバイス225のような別のコンピュータ読み取り可能媒体からメインメモリ215に読み込むことができる。メインメモリ215に含まれる命令の配列を実行すると、コンピューティングシステム200は、本明細書に記載された例示的プロセスを実行する。マルチプロセッシング構成の1つ以上のプロセッサ210を使用して、メインメモリ215に含まれる命令を実行してもよい。ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、本明細書に記載するシステムおよび方法とともに、ハードワイヤード回路を使用してもよい。本明細書に記載するシステムおよび方法は、ハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0106】
図2では例示的コンピューティングシステムについて説明したが、本明細書に記載する動作を伴う対象は、本明細書に開示した構造およびそれらの構造的均等を含む他のタイプのデジタル電子回路、すなわち、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで実施されてもよく、あるいは、それらの1つ以上の組合せで実施されてもよい。
【0107】
図3および図4は、次のPPDU308または次のTXOP310で送信するために作成され、またはそのように送信することが意図された低レイテンシパケット302が、現在のTXOP306で送信するようにスケジュールされた先のPPDU304、すなわち現在のPPDU304に挿入されることを、例示的グラフ300および400に示している。図3の例300では、PDU/PPDU304は、現在のTXOP306で送信するために作成され、またはそのように送信することが意図された独自のネットワークパケットを含み得る。各PPDUは、その内容に関する情報を含み得るPPDUヘッダー312を含むことができ、複数のMPDUを含むAMPDUとして編成される場合がある。例えば、低レイテンシパケットは、次のAMPDUに対応し得る次のPPDU308のMPDUの一部であってもよく、現在のPPDU304のAMPDUに挿入することができる(例えば、任意の関連データとともに、その低レイテンシパケットに関連する次のPPDU308のPPDUヘッダー312の一部などに)。PPDU304またはPPDU308の後には、所定のPPDUに対応するBA314が続くことがある。BA314は、受信側が、応答として送信する可能性がある。
【0108】
図3は、現在のPPDU304に続いて送信するようにスケジュールされる可能性がある次のPPDU308も示している。次のPPDU308は、現在のTXOP306で送信するようにスケジュールされてもよいし、次のTXOP310で送信するようにスケジュールされてもよい。次のPDU308は、次のPPDU308とともに送信(例えば、次のTXOP310で)するようにスケジュールされ、またはそのように送信することが意図された低レイテンシパケット302を含み得る。しかしながら、本技術的解決策によれば、次のPPDU308から低レイテンシパケット302を取り出して現在のTXOP306に挿入することが可能な拡張TXOP/PPDU/AMPDU構造が得られる。これは、図4の例400に示すように、次のPPDU308のパケットが低レイテンシパケットであり、その低レイテンシパケットを現在のPPDU304に含めるスペース、時間、または機会があるという判断に応答して、通信機能130によって行うことができる。低レイテンシパケットを挿入するときに、次のPPDU308のPPDUヘッダー312を低レイテンシパケットに含めることで、現在のPPDU304内の低レイテンシパケットに関するPPDUヘッダー312の情報の少なくとも一部を提供することができる。
【0109】
図3および図4は、SIFSギャップなしまたはギャップなしで複数のPPDUを送信することが可能な、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックを処理するための技術を示している。この技術は、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックをより良好に優先順位付けし、レイテンシを低減する(例えば、伝送レートおよびスループットを向上させることによって)のに役立つ。例えば、この技術によれば、進行中の送信バースト/TXOPの終了を待つのではなく、進行中の伝送または先行するPDUに、レイテンシの影響を受けやすいトラフィックを挿入することができる。低レイテンシパケットが予想される場合、TXOP内の長いPPDUを一連の短いPPDUに分割することで、低レイテンシトラフィックを挿入することが可能になる。
【0110】
本解決策は、長いAMPDU/PPDUに対するクリアチャネルアセスメント(CCA)失敗をデコードすることを含み得る。例えば、長いPPDUの代わりに、一連のより短い連続PPDUを、ギャップなしでまたはSIFSギャップ付きで伝送し、その後に単一の複合BAを伝送すれば、このような問題を軽減できる。中間PPDUにエラーがあっても、残りのPPDUをデコードすることができる。これにより、フェージング/動的チャネルの場合に、受信側のスループットが向上する。また、これにより、例えばNSTR/EMLSR MLデバイスの存在を認識できない場合に、プリアンブル検出によって衝突を回避するのにも役立つ。これは、そのようなデバイスが、同じ量のデータ送信に対して、1つのプリアンブルだけではなく複数のプリアンブルをデコードすることができ、SIFS+BAの繰り返しによるオーバーヘッドも発生しないからである。
【0111】
複数のMCS/NSSを含む連続したPPDU(AMPDU)のシーケンスに対して、複合フィードバックを取得できれば、リンクアダプテーションアルゴリズムの収束を高速化することができる。送信側は、各々が異なるMCS/NSSの組み合わせを含む連続したPPDUを、ギャップなしでまたはSIFSギャップ付きで、パケットに収めることができる。バーストの最後に複合BAが引き出され、これにより、送信側は、どのMCS/NSSの組み合わせが最も成功したかを知ることができる。中間BA(および、SIFS)がないことで、効率が向上する。NSTR ML受信側の柔軟性により、受信側からのUL送信を回避することができる。受信側からのUL送信は、別のリンクにおける受信側の進行中の受信に破壊的干渉を引き起こす可能性がある。発信者は、複数の受信者に対して連続したDL送信を実施し、その後、MU方式でBAをトリガー送信させることができる。
【0112】
本解決策は、再関連付けなしでトラフィックパラメータの半静的に調節することに関する場合がある。バイト数やMSDU/MPDU集約の程度に関係なく、関係する非APとの間のバーストの持続期間に、半静的な制限を設けることが望ましい場合がある。共存環境において非APがサポートできるダウンリンクバースト持続時間を半静的に変更するために、新しいアクションフレームを定義することができる。同様の手順を使用して、トリガーとなるアップリンクの持続時間制限を半静的に調節することもできる。これにより、トリガーとなるアップリンクを完全に無効にする必要性を低減し、または排除することができる。ダウンリンク/アップリンクのバースト持続時間に加えて、ダウンリンク/アップリンクのアクティビティの望ましい周期性を示すことも有益である。例えば、非APは、yミリ秒ごとに最大xミリ秒のバースト持続時間を有することができ、その結果、802.11以外の動作では、yミリ秒ごとに少なくとも(y-x)ミリ秒が利用可能になる。サポートされるバーストパラメータは、リンクごとであっても、チャネルごとであっても、バンドごとであってもよい。これは、各リンク/チャネル/バンドが、デバイス内の共存問題(BT/UWB/LTE/LAA/NR/NR-Uのような様々な技術に関する)を有する可能性があるからである。
【0113】
図5は、交渉で定められたバースト通信(例えば、大規模AMPDU送信におけるもの)のバースト制限502に基づく送信のグラフ500の例を示している。バースト通信のバースト制限502は、例500に示すように、xミリ秒(例えば、第1の期間138)のような所定の持続時間と、yミリ秒(例えば、第2の期間140)のような周期的時間長とによって定義することができる。グラフ500は、最大で「x」ミリ秒(例えば、第1の期間138の持続時間)のアクティビティのバーストと、その後に続く(y-x)ミリ秒のアクティビティ不可時間(例えば、第1の期間138の終了に続く第2の期間140の一部)とを示すことができる。バースト制限502ならびにグラフ500の第1の期間138および第2の期間140は、スケジュール136として表されてもよいし、スケジュール136に含まれてもよく、またはスケジュール136に対応していてもよい。
【0114】
本解決策は、バースト持続時間の動的調節に関係し得る。IDCの制約または問題を有するデバイスは、残りのバースト持続時間を短縮することを動的に要求することができる。残りのバースト持続時間は、ダウンリンク送信に応答して、CTSまたはBAを通じて知らせることができる。CTSの例では、初期TXOP持続時間をRTSに含める。IDC制限を有する応答者は、残りのTXOP持続時間のうちのどの程度を優先すれば、TXOPの動的短縮が得られるかを提案する。BAの例では、より短いDLバーストで送信を開始することができるため、BAでは、応答者は、残りのTXOP持続時間を提案する。残りのバースト持続時間は、トリガーフレームに応答して送信されるアップリンクパケットで知らせることができる。残りのバースト持続時間は、このデバイスへのダウンリンク送信、またはIDC制限に直面しているこのデバイスからのアップリンク送信のいずれかに使用できる。また、現在のバーストの完了後に、望ましいアクティビティ不可の時間を示すことも有益である。これは、不在通知として機能し得る。
【0115】
図6は、バースト持続時間とアクティビティ不可期間の動的調節のグラフの例600を示している。図6では、AMPDUに応答し、BAを使用して、残りのバースト持続時間、および802.11アクティビティの好ましい次の開始までの時間を知らせることができる。同様に、これらのパラメータは、RTSに応答してCTSで知らせることもでき、また、トリガーフレームに応答してTB PPDUで知らせることもできる。このような場合、追加の考慮事項が含まれる可能性がある。例えば、RTSを使用して媒体がより長い持続時間にわたって予約された後に、残りのバースト持続時間が短縮された場合、特定の非APへのバーストの終了後に、未使用の予約済み通信時間が残る可能性がある。しかしながら、この場合、APはCFエンドを使用して、この残りの持続時間をチャネル上の他のデバイスが利用できるようにする。APは、この残りの予約時間を他の交換(すなわち、他の非APとの交換)に使用してもよい。
【0116】
802.11bnでは、AMPDU-BA交換メカニズムによれば、受信側は、即時BA送信、最大MPDU数、SIFSを満たすAMPDUの最大バイト数、BA送信の応答時間、最小遅延、BA送信の最大遅延、およびデバイス内共存の問題に関する制限を表示することが可能になる。発信者は、PPDU後のSIFSにおけるBA送信が許可されない可能性があることを、PPDU内に表示することができる。
【0117】
802.11bnのAMPDU-BA交換メカニズムによれば、AMPDU発信者は、介在ギャップなしで、またはSIFSギャップありでPPDUを送信することが可能になり、各PPDUが、異なるMCS/NSS/持続時間を有することが可能になる。ダウンリンク/アップリンクのバースト持続時間を半静的に変更するための新しいアクションフレームは、共存環境にある非APによってサポートされ得る。バースト持続時間に加えて、バーストの好ましい周期性も知らせることができる。サポートされるバーストパラメータは、リンクであっても、チャネルごとであっても、バンドごとであってもよい。
【0118】
非APによる現在の送信の直後における残りの望ましいダウンリンク/アップリンクバースト持続時間を動的に知らせるメカニズムまたはフィールドのサポートは、共存デバイス環境にある非APによってサポートされてもよい。このフィールドは CTS、BAまたはTB PPDUに含めることができる。残りのバースト持続時間に加えて、バーストの好ましい次の発生時期も、知らせることができる。
【0119】
本技術的解決策によれば、例えば、802.11デバイスとコンポーネント(例えば、処理ユニット、トランシーバー、アンテナ、受信および送信のプロセスチェーン、データ送信および管理コンポーネントなど)を含み得る種々のシステムの組み合わせを使用し、遅延ブロック確認応答メッセージを使用して、レイテンシの影響を受けやすいトラフィック送信の効率を改善することができる。本技術的解決策は、ブロック確認応答(BA)の遅延を示す情報を受信すること、および、AMPDUを送信することを含み得る。本技術的解決策は、AMPDUのBAが遅延範囲内にあることを識別し、BAが遅延していると判断すると、エラーメッセージの延期を含めることができる。
【0120】
本技術的解決策の一態様は、クライアントとモバイルの同時アクセスポイントについての、デバイス内共存(IDC)の最適化に関する。特に、本技術的解決策は、モバイルAPおよび同じリンク上のインフラストラクチャAPに接続されたクライアントとして同時に機能するデバイスとの間のIDCを最適化し、または改善するシステムおよび方法を提供する。本解決策は、少なくともチャネルの重複や追加の無線技術(例えば、BluetoothやUltra-Widebandなど)の影響などの要因に基づいて、2つのWLAN(例えば、Wi-Fiなど)接続の間の調整を改善し、効率化する。通信を効率化するために、本技術的解決策は、Wi-Fi8の機能を利用して、デバイスと、インフラストラクチャAPおよびピアツーピア(P2P)クライアントの両方との間で、動的かつ周期的な使用不可スケジュールを提供することができる。空きスケジュールで制御フレーム(CF)や制御応答(CR)を送信することで、デバイスは、独立した通信チャネルに関連する遅延やオーバーヘッドを最小限に抑えることができる。本技術的解決策によれば、種々の接続間でIDC制限を調和させることが可能になり、一貫した動作が容易になり、リソースの使用を最大化することができる。
【0121】
本技術的解決策は、モバイルAPおよび同じリンク上のインフラストラクチャAPに接続されたクライアントとして同時に機能するデバイス(例えば、別のUE102に対するテザリング接続として機能するUE102)におけるデバイス内共存(IDC)を最適化するシステムおよび方法に関する。Wi-Fiエコシステムは、インフラストラクチャAPに接続されたクライアントと、より遠くのまたはプライベートなピアツーピアクライアントにWi-Fi接続を提供するモバイルAPとの、両方の役割をデバイスが果たす多数のインスタンスを有することができる。これは、中間デバイスが、Wi-Fi、有線、またはセルラーであってもよい2つの通信リンクを繋ぐことから、「テザリング」と呼ばれることがある。本技術的解決策は、テザリングされるリンクが両方ともWi-Fiリンクである場合に関連することがある。一例として、構成は次のようになる。AP104←Wi-Fiリンク(例えば、160)→[クライアント/モバイルAP(例えば、APとしてテザリングを行うUE102)]←Wi-Fiリンク(例えば、160)→[P2Pクライアント(例えば、別のUE102)]。中間クライアント/モバイルAP(例えば、UE102テザリングデバイス)は、同じチャネルまたは異なるチャネルのいずれかにある2つのWi-Fiリンク間で、マルチタスクを実行することができる。同じチャネルの重複は、2つのリンク間の調整を含み得る。2つのリンクに異なるチャネルが使用される場合であっても、中間クライアント/モバイルAP(例えば、テザリングUE 102)にハードウェア制限が存在する可能性があり、それをトリガーとして、2つのリンク上のアクティビティの調整が行われる場合がある。本技術的解決策によれば、中間でデザリングを行っているUE102で通信機能130を使用し、またはそのようなUE102に通信機能130を持たせることで、本明細書に記載する技術的解決策を使用して、IDCの問題を軽減し、若しくは解消し、スループット性能を向上させることができる。
【0122】
中間クライアント/モバイルAP(例えば、テザリングUE102)は、2つの接続におけるアクティビティの調整にさらなる影響を与える可能性のあるBluetooth/UWBデバイスを有する可能性がある。通常、Wi-Fi8でも想定されているように、効率的な動作のために、中間クライアント/モバイルAPは、一方の側ではインフラAP104として、他方の側ではP2Pクライアントとして、独立して個別に通信することができる。これには、周期的または動的な使用可能/使用不可のインスタンスおよび持続時間が含まれる。インフラストラクチャAP104やP2Pクライアントに示されるこのようなインスタンスは、相関関係を有する可能性がある。ただし、それらを独立して通信させる必要があると、遅延が増加し、余分なオーバーヘッドが発生する可能性がある。本技術的解決策は、本明細書に記載する技術を使用して、これらに対処することができる。
【0123】
Wi-Fi8で実施できる技術的解決策によれば、任意の非APからそのAP104へ、スケジューラ134によって生成された使用不可/使用可能スケジュール136を送信させることができる。これらのスケジュール136には、(例えば、第2の通信システム106)がいつ、どのくらいの期間にわたって使用不可になるか、および、その後どのくらいの期間にわたって使用可能になるか等の情報を含めることができる。これらの表示は、TXOPホルダとして制御フレーム(CF:Control Frame)で送信されてもよいし、TXOPレスポンダとして制御応答(CR:Control Response)で送信されてもよい。一例では、中間クライアント/モバイルAP(例えば、テザリングUE102)は、使用可能スケジュール136にしたがって、CF/CRをインフラAPに送信することができる。このCF/CRは、P2Pクライアントがそこから補完的な使用不可スケジュールを推論できるようにする意図もある。中間クライアント/モバイルAPは、使用可能スケジュールとともにCF/CRをP2Pクライアントに送信することができる。このCF/CRは、インフラストラクチャAP104によって傍受され、そこから補完的な利用不可スケジュールが推論されてもよい。さらに、クライアント/モバイルAPは、Bluetooth/UWBによる他のIDC制限を有する場合があり、制限によって、クライアント/モバイルAPは、インフラAPとP2Pクライアントの両方から、動的に利用不可になる場合がある。CF/CRは、両方の接続に共通するそのような動的な利用不可を知らせるように拡張されてもよい。例えば、マルチSTA BA形式のCFの場合、両方の受信者に確認応答を求めることができる。したがって、本技術的解決策の技術を使用すると、エンド受信者(例えば、P2PデバイスUE102)とAP104の両方が、P2Pデバイスからの送信およびAP104からの送信のための第1の期間および第2の期間140を示すスケジュール136の両方を受信することができ、したがって、仲介UE102で受信された両方の送信を完全に認識することができる。これらのスケジュール136を使用すると、AP104およびP2Pデバイスは、各自の送信のタイミングを調節し、各自の第1の期間138(例えば、使用可能時間枠)内で各自のAMPDUおよび他の送信バーストのサイズやサイズ調節を決定して、スループットを最大化することができる。
【0124】
Wi-Fi8のような実施形態では、任意の非AP(例えば、106)は、そのAP 104に、周期的な使用不可スケジュール136を送信することができ、逆もまた同様である。これらのスケジュール136には、非AP(例えば、106)がいつ、どのくらいの期間にわたって周期的に使用不可になるかについての情報を含めることができる。共有リソース108を介したUE102への送信のタイミングを調節するために、これらの表示を2つの接続間で調和させてもよい。これにより、スケジュール136の空きが余分な使用可能な送信時間の存在を示すときに、調節を行うことができる。例えば、クライアント/モバイルAPは、インフラストラクチャAPのターゲットビーコン送信時間(TBTT)などをデコードし、インフラストラクチャAPがビーコンのデコードを望む時間間隔を決定することができる。クライアント/モバイルAPは、それらを、P2Pクライアントによる周期的な使用不可時間として設定することができる。クライアントAPは、P2Pクライアント向けのビーコンを送信するビーコン間隔を決定し、それらを、インフラストラクチャAPによる周期的な使用不可時間として設定することができる。さらに、クライアント/モバイルAPは、Bluetooth/UWBによる他のIDC制限を有する場合があり、制限によって、クライアント/モバイルAPは、インフラAPとP2Pクライアントの両方から、周期的に使用不可になる可能性がある。例えば、マルチステーションBA形式の場合、両方の受信者に確認応答を求めることができる。
【0125】
図7は、割り当てられた時間を超える通信のバーストに応答してWi-Fi通信のスケジュールを生成するための例示的方法700を示している。方法700は、例えばコンピュータシステム200で実施されるシステム100を含む、図100~600に関して説明したシステムの特徴または技術を使用して実施することができる。方法700は、方法800および900とともに実施されてもよいし、方法800および900の任意の行為または動作を使用して実施されてもよく、逆もまた同様である。方法700は、行為または動作705~715を含み得る。705において、この方法は、UEデバイス上のWi-Fiトランシーバーとリソースを共有するトランシーバーの通信のバーストを検出することができる。710において、この方法は、APからのWi-Fi送信のスケジュールを決定することができる。715において、この方法は、スケジュールをWi-Fi APに伝達することができる。
【0126】
705において、この方法は、UE上のWi-Fiトランシーバーとリソースを共有するトランシーバーの通信のバーストを検出することができる。この方法は、少なくとも1つのアンテナを共有するWi-Fiトランシーバーおよび第2の無線トランシーバーを含むデバイスによって、第2の無線トランシーバーによって受信された通信のバーストを検出することを含み得る。通信のバーストは、少なくとも1つのアンテナを介して受信される第2の無線通信に割り当てられた期間を超える可能性がある。前記デバイスは、アクセスポイント(AP)と通信して、アクセスポイントからWi-Fi通信を受信することができる。
【0127】
前記デバイスは、前記デバイスの1つ以上のトランシーバーを介して着信ネットワークトラフィックを監視する通信機能を含むUEデバイスであってもよい。UEデバイスは、無線リンク(例えば、WLAN接続)を介して、Wi-Fiアクセスポイント(AP)デバイスからWi-Fiトランシーバーの送信を受信することができる。UEデバイスは、異なる技術またはプロトコルのセットにより無線通信を送受信する第2の(例えば、Wi-Fi以外の)トランシーバーを介して、第2の無線通信の送信を受信することができる。第2の無線通信は、次のうちの少なくとも1つを含み得る:Bluetooth通信、超広帯域(UWB)通信、LTE(Long-Term Evolution)通信、LAA(Licensed Assisted Access)通信、NR(New Radio)通信、またはNR-U(New Radio-Unlicensed)通信。第2の通信は、Bluetooth、UWB、LTE、LAA、NRまたはNR-U通信のいずれか1つ以上を使用する無線通信システムなどの第2の通信システムから受信できる。Wi-Fiトランシーバーと第2のトランシーバーは、無線通信を受信または送信するために、アンテナ、RFフロントエンド回路、プロセッサ、または電力管理回路などの、UEデバイスの1つ以上のリソースを共有することができる。
【0128】
通信のバーストは、第2の通信(例えば、Wi-Fi以外の通信)に割り当てられた所定の期間を超える第2の通信システムからの複数のデータパケットを含み得る。通信機能は、UEデバイスが受信した無線通信を監視し、第2の通信システムからの通信のバーストが、Wi-Fi送信に割り当てられた時間を侵食し若しくはその時間を超えて延在すること、または、当該通信のバーストが、Wi-Fi送信に割り当てられた時間を浸食し若しくはその時間を超えて延在することを示す閾値に達したか、若しくはその閾値を超過したことを、検出しまたは判定することができる。
【0129】
この方法は、第2の無線トランシーバーによって受信された通信の第2のバーストが、スケジュールにしたがってAPからWi-Fi通信を受信するために割り当てられた第1の期間の一部と重複していることを、デバイスが検出することを含み得る。この方法は、第2のトランシーバーによって受信された通信の第2のバーストが、第2の無線通信に割り当てられた第2の期間を超えていることを、デバイスが検出することを含み得る。例えば、UEデバイスの通信機能は、同じまたは異なる第2の通信システムからの通信の第2のバーストを識別し、または検出することができる。通信の第2のバーストは、第3のプロトコルセットまたは第3の技術(例えば、Wi-Fi通信、および通信の最初のバーストの第2の無線通信とは異なる)の無線通信を含み得る。
【0130】
710において、この方法は、APからのWi-Fi送信のスケジュールを決定することができる。この方法は、検出に応答して、APがデバイスにWi-Fi通信を送信するためのスケジュールを、デバイスが決定することを含み得る。スケジュールは、第2の期間を周期の基礎とする第1の期間のバースト制限を含み得る。バースト時間制限は、Wi-Fi送信を計画するための周期の基礎(例えば、周期性)を形成する第2の期間内にある、第1の期間内のWi-Fi送信の持続時間を識別することができる。スケジュールは、第1の期間(例えば、Wi-Fi送信に使用可能な時間を示す)および第2の期間(例えば、期間全体を示す)のそれぞれの開始と終了の識別情報を含み得る。スケジュールは、第1の期間と、バースト制限を超えた第2の期間の残りとの差から、Wi-Fi送信が利用可能でない時間間隔をWi-Fi APのために識別し、または指摘することができる。
【0131】
例えば、第1の期間は、Wi-Fi送信の受信に割り当てられる場合がある。第2の期間は、第1の期間の開始と次の第1の期間の開始との間の時間の長さに対応する場合があり、この時間は、第2の期間を周期(例えば、第2の期間の周期)の基礎として定義され得る。第1の期間および次の第1の期間(例えば、周期性の第2の期間の各々における第1の期間)は、Wi-Fi送信の受信または送信に割り当てられる場合がある。第2の期間の周期の各々において、第2の期間のうち、第1の期間の外にある第2の期間の部分は、Wi-Fi送信に割り当てられていない時間に対応し、若しくはそのような時間を示すことができ、この部分は、第2の無線送信(例えば、Bluetooth、UWB、LTE、LAA、NRまたはNR-U)のスケジューリングや送信に使用することができる。
【0132】
この方法は、Wi-Fi送信に割り当てられた、または意図された時間の長さに関して、通信の第2のバーストからの重複を検出または識別することに応答して、UEデバイスがスケジュールを調節することを含み得る。スケジュールは、通信の第2のバーストの持続時間に応じて、第1の期間の持続時間または第2の期間の持続時間の少なくとも一方を変更するように調節され得る。例えば、スケジュールを調節するとき、またはWi-Fi APの新しいスケジュールを生成するときに、スケジュールは、周期性(例えば、期間の頻度または第2の期間の時間長)に対応する変更を変更または反映することができる。スケジュールは、例えば、第2の期間または第1の期間を長くしたり短くしたりする変更を含み得る。スケジュールは、例えば、1つ以上の第2の期間内で期間をシフトさせる変更(例えば、第2の期間の開始から、第2の期間の終了まで、または第2の期間の途中まで、または第2の期間の開始まで)を含み得る。
【0133】
この方法は、UEデバイスが、アクセスポイントから、Wi-Fi通信の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)を受信することを含み得る。AMPDUは、連結されて、一連の単一のバースト送信の形で送信することができる複数のMPDUを含み得る。AMPDUは、Wi-Fi APからUEデバイスへ送信される場合がある。この方法は、UEデバイスがAMPDUに対するブロック確認応答(BA)を生成することを含み得る。BAは、送信の成功または失敗に関する情報、あるいは、AMPDU内のMPDUの各々の成功もしくは失敗に関する情報を含み得る。UEデバイスは、BAを介して、スケジュールをWi-Fi APに伝達することができる。例えば、通信機能によれば、スケジュールをBAの一部に挿入し、BAをWi-Fi APに送信して、Wi-Fi APにスケジュールを更新させ、Wi-Fi送信のタイミングを修正させることで、UEデバイスにおける通信のバーストとの重複を回避することができる。
【0134】
スケジュールは、複数の通信チャネルのうちの第1の通信チャネルを介して、UEデバイスでWi-Fi通信を受信するためのスケジュールであってもよい。スケジュールは、複数のWi-Fi通信帯域のうちの特定の通信帯域を介して、UEデバイスでWi-Fi通信を受信するためのスケジュールであってもよい。スケジュールは、1ミリ秒以上、1秒以上、1時間以上、1日以上、1週間以上、1か月以上、または1年以上のような所定の期間のスケジュールであってもよい。スケジュールは、Wi-Fi APによって無期限に利用できる常設スケジュールであってもよい。
【0135】
本方法は、第2のトランシーバーによって受信された通信の第2のバーストの検出に応答して、デバイスが第2のスケジュールを決定することを含み得る。通信の第2のバーストは、Wi-Fi APが複数のチャネルのうちの第2のチャネルを介してUEデバイスにWi-Fi通信を伝送するために第2の無線通信に割り当てられた第2の期間を超えていると、UEデバイスによって判定されることがある。
【0136】
例えば、スケジュールは、複数のチャネルまたは帯域のうちの第1の通信チャネルまたは帯域を介したWi-Fi通信のスケジュールであってもよく、第2のスケジュールは、複数のチャネルまたは帯域のうちの第2のチャネルまたは帯域を介したWi-Fi通信のスケジュールであってもよい。第2のスケジュールは、第4の期間を第2の周期の基礎とする第3の期間の第2のバースト制限を含み得る。第3の期間は、第4の期間内の期間であってもよい。第2のスケジュールの第3の期間は、スケジュールの第1の期間に対応する場合があり、第2のスケジュールの第4の期間は、スケジュールの第3の期間に対応する場合がある。周期性(例えば、第2の期間と第4の期間の長さ)は同じであっても異なっていてもよい。第1の期間と第3の期間の長さ(例えば、Wi-Fi通信専用の時間の長さ)は、通信機能の決定に応じて、同じであっても異なっていてもよい。
【0137】
715において、この方法は、スケジュールをWi-Fi APに伝達することができる。この方法は、UEデバイスがスケジュールをWi-Fi APに伝達することを含み得る。UEデバイスは、スケジュールまたは第2のスケジュールを1つ以上の方法でWi-Fi APに伝達することができる。例えば、UEデバイスは、1つ以上のMPDUまたはAMPDUを使用するなど、送信またはメッセージを介して、スケジュールをWi-Fi APに送信することができる。UEデバイスは、受信した1つ以上のAMPDUに応答して送信される1つ以上のBAを介して、スケジュールまたは第2のスケジュールを送信することができる。UEデバイスは、スケジュールをWi-Fi APに周期的に送信してもよいし、スケジュールの変更に応答して送信してもよい。
【0138】
この方法は、UEデバイスが、次の第1の期間中にWi-Fi通信のAMPDUを受信することを含み得る。AMPDUは、次の第1の期間に応じて調節されたサイズを有する場合がある。例えば、AMPDUは、UEがAPにスケジュールを送信した後に、Wi-Fi APからUEへ送信される場合がある。AMPDUは、スケジュールの第1の期間に応じてサイズ調節され、AMPDUサイズを最大化して、第1の期間内に収まるが、第1の期間を超えないようにすることができる。例えば、UEデバイスは、次の第1の期間中に、次の第1の期間内に収まるように最大化されたサイズを有するAMPDUを受信することができる。AMPDUは、第1の期間の使用を最大化するようにサイズ調節されてもよいが、次の第1の期間内にAMPDUのブロック確認応答(BA)の送信を完了できるような時間枠または時間部分も含む場合がある。
【0139】
この方法は、UEデバイスが、通信の第2のバーストの検出に応答して、決定された第2のスケジュールをアクセスポイントに伝達することを含み得る。第2のスケジュールは、第4の期間を基礎とする第2の周期で、第3の期間の第2のバースト制限にしたがって、複数のチャネルのうちの第2のチャネルを介してUEデバイスへの通信を調整し、または同期させるために、Wi-Fi APによって使用され得る。
【0140】
図8は、UEによって報告されたIDC問題に応答して、送信されたAMPDUに対するブロック確認応答(BA)の受信をWi-Fi APが遅延させるための例示的方法800を示している。方法800は、例えば、図100~600に関連して説明したシステムの機能または技術を使用して実施され得る。システムには、例えば、コンピュータシステム200で実施されるシステム100が含まれる。方法800は、方法700および900の任意の動作または操作とともに実施されてもよいし、方法700および900の任意の動作または操作を使用して実施されてもよく、その逆もまた同様である。方法800は、動作または操作805~815を含み得る。805において、この方法は、デバイス内共存(IDC)の問題を識別するBAを受信することができる。810において、この方法は、失敗を示すことなくAMPDUの遅延BAを許容することを決定し得る。815において、この方法は、遅延BAを受信することができる。
【0141】
805において、この方法は、デバイス内共存(IDC)の問題を識別するBAを受信することができる。この方法は、Wi-Fiアクセスポイント(AP)が、デバイスからブロック確認応答(BA)を受信することを含み得る。BAは、UEデバイス上のデバイス内共存(IDC)の問題の存在を識別する情報を含み得る。IDC問題には、例えば、Bluetooth、UWB、LTE、LAA、NR、またはNR-Uのうちの1つ以上の形式の、第2の通信システムからの無線通信のバーストが含まれ得る。APは、UEデバイスをIDC問題のあるデバイスとしてマークすることができる。
【0142】
無線通信のバーストは、UEデバイスとAPとの間のスケジュールされたWi-Fi通信の範囲を超えて延在すること、またはそのようなWi-Fi通信を侵食することが、UEデバイスの通信機能によって検出され、または決定される場合がある。BAは、通信が行われているチャネルまたは帯域を識別することができる。BAは、通信のバーストがWi-Fi通信を侵食する期間を識別することができる。
【0143】
この方法は、APが、第2のデバイスからブロック確認応答(BA)を受信することを含み得る。BAは、第2のデバイスにおけるデバイス共存の問題を識別しない情報を含み得る。APは、UEデバイスを、IDCの問題がないUEデバイスとしてマークすることができる。APは、AMPDU送信を失敗と識別せずに遅延BAを許可することによって、IDC問題の存在を通知するUEデバイスとの通信を管理するように構成されてもよい。APは、遅延BAを許容せず、むしろ、そのBAが所定の時間間隔内に到着しない場合は、AMPDU送信を失敗として識別することにより、IDC問題の存在を通知しないUEとの通信を管理するように構成されてもよい。
【0144】
810において、この方法は、失敗を示すことなく、AMPDUの遅延BAを許容することを決定することができる。この方法は、IDC問題の識別に応答して、APからの1つ以上の集約されたメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(AMPDU)に応答するデバイスからの1つ以上のBAが、失敗として識別されることなく、短いフレーム間スペース(SIFS)を超えて遅延されることを許容することを、APが決定することを含み得る。例えば、APは、BAが所定の時間間隔(例えば、SIFS)内に到着しないすべてのAMPDUを送信失敗としてマークするように構成されてもよい。UEデバイスからBAを介してIDC存在通知を受信することに応答して、APは、そのUEに関する自分の通信管理を再構成することで、BAが到着するための追加の時間間隔を提供し、BAが遅れているにもかかわらず、そのような遅れたBAのAMPDUを、送信失敗として識別しないようにすることができる。
【0145】
この方法は、APが、第2のデバイスから、第2のデバイス上のデバイス内共存の問題を識別しない情報を含むブロック確認応答(BA)を受信することを含み得る。APの通信機能は、1つ以上のAMPDUに対する1つ以上のBAの送信が、1つ以上のAMPDUに続く1つ以上のSIFSの後まで遅延されるWi-Fi通信用に、前記デバイスが構成されていることを識別するように構成されてもよい。APは、この構成に応答して、この構成にしたがって前記複数のAMPDUを伝達するための規定を送信することができる。この規定は、複数のAMPDUのうちのAMPDUの物理層のヘッダーまたはメディアアクセス制御ヘッダーのヘッダーの少なくとも一方に表示され得る。
【0146】
この方法は、APが、前記情報から、信号対干渉プラス雑音比(SINR)マージンを示すチャネル品質情報を識別することを含み得る。この方法は、APの通信機能が、前記SINRマージンに応じて、前記デバイスへの送信のための変調符号化方式(MCS)を調節することを含み得る。APは、受信した前記情報から表示を識別することができる。この表示は、前記デバイスへの送信のための変調符号化方式(MCS)、前記1つ以上のAMPDUの信号強度、または1つ以上の隠しノードの存在のうちの少なくとも1つに関する情報またはそれに対応する情報を含み得る。APの通信機能は、前記表示に応じて、前記デバイスに送信される次のAMPDUについて、前記1つ以上の隠しノードに対応する前記MCS、信号強度、または伝送パワーのうちの少なくとも1つを調節することができる。APは、前記情報から、前記1つ以上のAMPDU内のすべてのMPDUが前記デバイスによって受信されなかったことを判定することができる。APは、AMPDUの各MPDUが失敗したにもかかわらず、BAを受信することができる。
【0147】
第2のUEデバイスに関してIDCの問題の表示を受信しなかったことに応答して、APは、第2のデバイスにAMPDUを送信することができる。第2のデバイスからAMPDUのBAが到着するのを所定の長さの時間(例えば、SIFS)待った後、APは、AMPDUのBAがSIFS内に受信されなかったと判定することができる。APは、この判定に応答して、BAがSIFS内で受信されていないこと、および、第2のUEデバイスについてIDCの問題の報告がないことに応答して、AMPDUの送信が失敗したことを識別することができる。
【0148】
815において、この方法は、遅延BAを受信することができる。この方法は、APが、前記所定の期間(例えば、SIFS)後に、前記判定に応答して、前記デバイスから第2のBAを受信することを含み得る。第2のBAは、APから受信した複数のAMPDUに対応する複数の確認応答を含み得る。例えば、APは、複数のAMPDUをUEデバイスに送信することができる。APは、動作810での前記判定に応答して、SIFSの後に受信した第2のBAに関係なく、前記複数のAMPDUの複数の送信が成功したと判定することができる。
【0149】
図9は、現在または今後の送信機会(TXOP)で送信するようにスケジュールされたMPDUに低レイテンシパケットを挿入することによって、後で送信するようにスケジュールされたMPDUの低レイテンシパケットの送信を促進するための例示的方法900を示している。方法900は、例えばコンピュータシステム200で実施されるシステム100を含む、図100~600に関連して説明したシステムの機能または技術を使用して実施することができる。方法900は、方法700および800とともに実施されてもよいし、方法700および800の任意の行為または動作を使用して実施されてもよく、逆も同様である。方法900は、行為または操作905~920を含み得る。905において、この方法は、現在のTXOP中に送信するためのPPDUを識別することができる。910において、この方法は、後続のPPDU中の低レイテンシパケットを識別することができる。915において、この方法は、低レイテンシパケットをPPDUに挿入することができる。920において、この方法は、現在のTXOPで、低レイテンシパケットを含むPPDUを送信することができる。
【0150】
905において、この方法は、現在の送信機会(TXOP)中に送信するためのPPDUを識別することができる。この方法は、アクセスポイント(AP)と無線通信するUEデバイスによって、現在のTXOP中に作成され、APに送信されるのを待っている物理プロトコルデータユニット(PPDU)を識別することを含むことができる。通信機能は、現在のTXOP中に送信されるようにスケジュールされているPPDU/AMPDU内の1つ以上のMPDUを識別することができる。前記1つ以上のPPDUは、送信されるPPDUに関する情報を含むヘッダーを含むことができる。
【0151】
910において、この方法は、後続のPPDU内の低レイテンシパケットを識別することができる。この方法は、UEデバイスが、現在のTXOP中に前記デバイスによって受信された低レイテンシパケットを識別することを含み得る。低レイテンシパケットは、PPDUに続く次のPPDU内でAPに伝達することが意図された低レイテンシパケットであり得る。この方法は、現在のTXOPを介して送信するようにスケジュールされた次のPPDU内(例えば、まだ行為905のMPDUに続くMPDU内)で、または現在のTXOPに続く次のTXOP内で、低レイテンシパケットを識別することを含み得る。低レイテンシパケットは、ヘッダーを含むか、またはヘッダーに関連付けられることができる。ヘッダーは、低レイテンシパケットの情報またはデータを含み得る。低レイテンシパケットのヘッダーは、次のMPDUのデータを含み得る。
【0152】
915において、この方法は、低レイテンシパケットをPPDUに挿入することができる。この方法は、UEデバイスが低レイテンシパケットをPPDUに挿入することを含み得る。この方法は、UEデバイスが低レイテンシパケットをPPDUに挿入することを決定することを含み得る。例えば、通信機能は、低レイテンシパケットをMPDUの少なくとも一部に、または1つ以上のMPDUに隣接して挿入することができる。低レイテンシパケットは、長レイテンシパケットのヘッダーとともに挿入されてもよい。
【0153】
通信機能は、次のMPDUまたは第2のMPDUに続く第3のMPDUの第2の低レイテンシパケットを挿入できるか否か、または挿入する余地があるか否かを識別することができる。通信機能は、現在(第1の)MPDUに挿入されている低レイテンシパケットの代わりに、第2の低レイテンシパケットを次のMPDUに挿入することができる。通信機能は、第2の低レイテンシパケットを挿入するための十分な空き時間があるという判定に応答して、第2の低レイテンシパケットを(第1の)MPDUに挿入することができる。
【0154】
920において、この方法は、現在のTXOPにおいて、低レイテンシパケットを含むPPDUを送信することができる。この方法は、UEデバイスが、低レイテンシパケットを含むPPDUを、現在のTXOP内で送信することを含み得る。UEデバイスは、現在のTXOPでPPDUを送信し、自分自身の所定のTXOP(例えば、現在のTXOPまたは次のTXOPのいずれか)内で次のMPDUを送信することができる。UEデバイスは、共有リソースおよびアンテナを介して、スケジュールにしたがってPPDUを送信することができる。
【0155】
本明細書において、ある要素が別の要素に「接続」または「結合」されていると言及されている場合、その要素は、別の要素に直接接続または結合されている場合もあれば、あるいは、接続または結合された要素の間に介在要素が存在する場合もあることを理解されたい。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続」または「直接結合」されていると言及されている場合、要素間の「直接」接続には介在要素が存在しないと理解されるべきである。ただし、直接接続が存在することは、介在要素が存在する可能性がある他の接続を排除するものではない。
【0156】
「または」への言及は、包括的なものとして解釈され、「または」を使用して記載された用語は、記載された用語の1つ、複数、およびすべてのいずれかを示すことができる。接続用語リストの少なくとも1つへの言及は、記載された用語の1つ、複数、およびすべての何れかを示す包括的ORとして解釈される場合がある。例えば、「「A」と「B」の少なくとも一方」への言及は、「A」のみ、「B」のみ、および「A」と「B」の両方を含み得る。これらの記載は、「含む」などの他のオープンな用語と組み合わせて使用される場合、追加の項目を含む可能性がある。
【0157】
本開示の特定の箇所は、送信空間ストリーム、サウンディングフレーム、応答、およびデバイスのサブセットに関連して、「第1」や「第2」などの用語を参照することがあることに留意されたい。これは、あるものを別のものから、または他のものから識別し、または区別する目的のためである。これらの用語は、種々のエンティティ(例えば、第1の基板と第2の基板)を単に時間的に、または順序にしたがって関連付けることを意図するものではないが、場合によっては、これらのエンティティは、そのような関係を有していてもよい。また、それらの用語は、システムまたは環境内で動作可能なエンティティ(例えば、遅延回路、フィルタ、ピーク検出器)の数を制限するものではない。上述のシステムは、それらのコンポーネントのいずれかまたはそれぞれを、複数提供することができる。また、それらのコンポーネントは、スタンドアロンの構造若しくはデバイスに設けられてもよいし、実施形態によっては、分散システム内の複数の構造またはデバイスのいずれかに設けられてもよいことを理解されたい。
【0158】
本方法およびシステムに関する上記の書面による説明によれば、当業者はその実施形態を作成し使用することができる。ただし、当業者であれば、本明細書に記載された特定の実施形態、方法、および例の変形、組み合わせ、および均等の存在を理解し、認識するであろう。したがって、本方法およびシステムは、上記の実施形態、方法、および例によって限定されるべきではなく、本開示の範囲と思想の範囲内のすべての実施形態および方法によって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】