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  • 特開-チャットシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025034516
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】チャットシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20250306BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20250306BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20250306BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
G06F21/62
G06F21/31
B41J29/00 Z
B41J29/38 203
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140935
(22)【出願日】2023-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】林 民鴻
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN24
2C061HR04
(57)【要約】
【課題】ジョブ処理を柔軟に対応すると共に、チャットを用いて複数ユーザからの割り込みを可能とする。
【解決手段】印刷装置1に先にログインし、印刷装置1の操作権限を有する第1ユーザアカウントと、後にログインした第2ユーザアカウントと間でチャットにより通信するチャットシステム100であって、印刷装置1の第2ユーザアカウントから第1ユーザアカウントへ割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット送信するチャット処理部14と、メッセージを第1ユーザアカウントが受信した場合に、第1ユーザによる割り込み操作権限への承認操作によりチャット経由で印刷装置1の操作権限を第2ユーザアカウントに付与するチャット処理部22(権限付与部)と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置に先にログインし、前記印刷装置の操作権限を有する第1ユーザアカウントと、後にログインした第2ユーザアカウントと間でチャットにより通信するチャットシステムであって、
前記印刷装置の第2ユーザアカウントから第1ユーザアカウントへ割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット送信するチャット処理部と、
前記メッセージを第1ユーザアカウントが受信した場合に、第1ユーザによる割り込み操作権限への承認操作によりチャット経由で前記印刷装置の操作権限を第2ユーザアカウントに付与する権限付与部と、
を備えるチャットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間でチャットにより通信するチャットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタをネットワークに接続して、複数のユーザでプリンタを共有して使用することがある。このような場合、あるユーザのジョブをプリンタが実行しているときに、別のユーザのジョブを優先させて実行したい場合がある。
【0003】
特許文献1には、割り込みジョブに移行させるための割り込みログインを受け付ける受付部と、既に割り込みログイン中であるか否かを判定する判定部とを有し、受付部は、既に割り込みログイン中と判定されている間には、新たな割り込みログインの受け付けを禁止する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-29443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、割り込み中に新たな割り込みログインの受け付けを禁止するので、1ユーザまでの割り込みは可能であるが、それ以上の割り込みが困難であった。
【0006】
また、割り込みユーザが強制的に割り込みすると、最初に認証されたユーザの先行ジョブ処理が知らないうちに中断してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ジョブ処理を柔軟に対応すると共に、チャットを用いて複数ユーザからの割り込みを可能とするチャットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るチャットシステムの特徴は、
印刷装置に先にログインし、前記印刷装置の操作権限を有する第1ユーザアカウントと、後にログインした第2ユーザアカウントと間でチャットにより通信するチャットシステムであって、
前記印刷装置の第2ユーザアカウントから第1ユーザアカウントへ割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット送信するチャット処理部と、
前記メッセージを第1ユーザアカウントが受信した場合に、第1ユーザによる割り込み操作権限への承認操作によりチャット経由で前記印刷装置の操作権限を第2ユーザアカウントに付与する権限付与部と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るチャットシステムによれば、ジョブ処理を柔軟に対応すると共に、チャットを用いて複数ユーザからの割り込みを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係るチャットシステムの構成を説明した図である。
図2】本発明の実施例に係る印刷装置1が備える操作部の表示画面の一例を示した図である。
図3】本発明の実施例に係る印刷装置1が備える操作部の液晶表示パネルのジョブ処理一覧表示領域の表示状態を説明した説明図である。
図4】本発明の実施例に係るチャットシステムにおける処理内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る配布物管理システムの実施形態を詳細に説明する。
【0014】
<チャットシステムの全体構成>
図1は、本発明の実施例に係るチャットシステム100の構成を説明した図である。
【0015】
図1に示すように、チャットシステム100は、コンピュータ2と、コンピュータ2とネットワーク3を介して接続された印刷装置1とを備える。
【0016】
コンピュータ2は、制御部20を備えている。制御部20は、接続処理部21と、チャット処理部22と、生成部23とを備えている。
【0017】
接続処理部21は、ネットワーク3を介して印刷装置1との接続を確立する。また、接続処理部21は、生成部23により生成された画像データに印刷情報を付加してジョブデータとして、ネットワーク3を介して接続された印刷装置1へ送信する。
【0018】
チャット処理部22は、現在実行中であるユーザアカウント(第1ユーザアカウント)と異なるユーザアカウント(第2ユーザアカウント)から、第1ユーザアカウントへ割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット受信した場合に、コンピュータ2を操作するユーザ(第1ユーザ)による割り込み操作権限へ承認操作されると、チャット経由で印刷装置1の操作権限を第2ユーザアカウントに付与する。
【0019】
生成部23は、アプリケーションを実行することにより、画像データを生成する。
【0020】
印刷装置1は、制御部10と、操作部19とを備えている。
【0021】
制御部10は、印刷装置1の全体制御を行う。具体的には、制御部10は、図示しない印刷部やスキャナー部を動作させる。また、制御部10は、その機能上、接続処理部11と、ユーザログイン管理部12と、パネル制御部13と、チャット処理部14と、ジョブ処理部15と、を備える。
【0022】
接続処理部11は、ネットワーク3を介してコンピュータ2との接続を確立する。
【0023】
ユーザログイン管理部12は、コンピュータ2からのユーザログインや、操作部19からのユーザログインを管理する。
【0024】
パネル制御部13は、操作部19への各種画面の表示や、入力操作の受け付けなどを制御する。
【0025】
チャット処理部14は、現在実行中であるユーザアカウント(第1ユーザアカウント)と異なるユーザアカウント(第2ユーザアカウント)から、第1ユーザアカウントに対して割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット送信する。
【0026】
ジョブ処理部15は、印刷装置1の操作権限を有するユーザアカウントのジョブを実行する。
【0027】
操作部19は、例えば、タッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。例えば、タッチパネルから、割り込み操作権限を要求するメッセージをチャットの送信操作など受け付ける。
【0028】
図2は、本発明の実施例に係る印刷装置1が備える操作部19の表示画面の一例を示した図である。
【0029】
図に示すように、操作部19は、液晶表示パネル190が設けられている。
【0030】
液晶表示パネル190は、実行状態表示領域191と、ジョブ処理一覧表示領域192とを有している。
【0031】
実行状態表示領域191は、「プリント」、「スキャナー」、「ファックス」、「コピー」、「USB利用」のそれぞれの機能について、実行可能か否かを表示している。例えば、第2ユーザが操作部19から第2アカウントによりログインしているとする。このとき、第1ユーザアカウントが「プリント」の機能に関して操作権限を有する場合、実行状態表示領域191の「プリント」の機能が実行不可であることを示すようにグレーアウトして表示されている。
【0032】
ジョブ処理一覧表示領域192は、実行中のジョブまたは待機中のジョブのユーザを表示するユーザ表示192aと、ジョブ処理の状態を表示するジョブボタン192bと、チャットを可能とするチャットボタン192cとが表示される。
【0033】
ここでは、ユーザA(第1ユーザアカウント)のジョブAAAが現在処理中であり、ユーザB(第2ユーザアカウント)のジョブBBBが現在待機中であることを示している。
【0034】
操作部19からログインしているユーザ(ここでは、ユーザB)と異なるユーザが、操作権限を有する場合(この場合、ユーザA)、ユーザAとのチャットを可能とするチャットボタン192cが表示される。
【0035】
図3は、液晶表示パネル190のジョブ処理一覧表示領域192の表示状態を説明した説明図である。
【0036】
図3に示すように、ユーザBがチャットボタン192cを押下操作すると、チャット画面192cが表示される。これにより、ログインしているユーザBは、チャット画面192cからチャット入力が可能になる。ここで、チャット画面192cへの文字入力はボタンからでもよいし、会話パターンを表示しユーザBが選択するようにしてもよい。例えば、「割り込み処理いいですか」、「割り込み処理:OK」、「ありがとうございます。」、「処理完了予測時間:※※分」、「了解です」などを会話パターンとして予め用意されている。
【0037】
図3に示すように、ユーザBが、「割り込み処理いいですか」、「処理完了予測時間:10分」のチャット送信操作を行うと、チャット処理部14は、ユーザBのユーザアカウントから、ユーザAのユーザアカウントへ、これらの割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット送信する。
【0038】
このメッセージを見たユーザAが、コンピュータ2から「割り込み処理:OK」のチャット送信操作を行うと、チャット処理部22は、ユーザAのユーザアカウントから、ユーザBのユーザアカウントへ、「割り込み処理:OK」のチャット送信を行う。
【0039】
そして、ユーザAが、コンピュータ2から、ユーザBの割り込み操作権限への承認操作を行うと、チャット処理部22は、チャット経由で印刷装置1の操作権限をユーザB(第2ユーザアカウント)に付与する。
【0040】
これにより、ユーザBは、ユーザAのジョブAAAに対して「一時停止」または「再開」することが可能となる。
【0041】
図4は、本発明の実施例に係るチャットシステム100における処理内容を示したフローチャートである。
【0042】
図4に示すように、ステップS101において、ユーザログイン管理部12は、操作部19からのログイン操作に基づいて、第2ユーザのログイン処理を実行する。
【0043】
ステップS103において、制御部10は、第2ユーザが使用可能な機能を取得する。
【0044】
ステップS105において、制御部10は、第2ユーザが、第1ユーザが使用している機能と同じ機能を使用しようとしているか判定する。
【0045】
第1ユーザが使用している機能とは異なる機能を使用しようとしている場合(ステップS105;NO)、操作部19は、チャットボタン192cの使用を不可とする。
【0046】
一方、第1ユーザが使用している機能と同じ機能を使用しようとしている場合(ステップS105;YES)、操作部19は、チャットボタン192cの使用を可能(アクティブ)とする。
【0047】
ステップS109において、第2ユーザの操作に基づいて、チャット処理部14は、第2ユーザのユーザアカウントから、第1ユーザのユーザアカウントへ、割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット送信する。
【0048】
ステップS111において、メッセージを第1ユーザアカウントが受信し、第1ユーザによって第2ユーザの割り込み操作権限への承認操作がなされたか否かを判定する。
【0049】
第1ユーザによって第2ユーザの割り込み操作権限への承認操作がなされた場合(ステップS111;YES)、ステップS113において、チャット処理部22は、チャット経由で印刷装置1の操作権限を第2ユーザアカウントに付与する。これにより、第2ユーザは、第1ユーザから、ジョブ処理優先と操作権限を取得する。
【0050】
ステップS115において、第2ユーザが、操作部19から、ジョブの割り込み、一時停止、再開などジョブの優先処理を実行する操作を行う。
【0051】
ステップS117において、第2ユーザが、操作部19から、ジョブの操作権限を解放する。これにより、操作権限が第1ユーザに戻ることになる。
【0052】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0053】
(付記1)
印刷装置に先にログインし、前記印刷装置の操作権限を有する第1ユーザアカウントと、後にログインした第2ユーザアカウントと間でチャットにより通信するチャットシステムであって、
前記印刷装置の第2ユーザアカウントから第1ユーザアカウントへ割り込み操作権限を要求するメッセージをチャット送信するチャット処理部と、
前記メッセージを第1ユーザアカウントが受信した場合に、第1ユーザによる割り込み操作権限への承認操作によりチャット経由で前記印刷装置の操作権限を第2ユーザアカウントに付与する権限付与部と、
を備えるチャットシステム。
【0054】
これにより、割り込み許可を得た場合のみ、他のユーザのジョブ操作権限を付与することによって、ユーザの意思で割り込み可否を制御するため、ジョブ処理が柔軟対応できると共に、複数ユーザからの割り込みを可能とする。
【符号の説明】
【0055】
1 印刷装置
2 コンピュータ
3 ネットワーク
10 制御部
11 接続処理部
12 ユーザログイン管理部
13 パネル制御部
14 チャット処理部
15 ジョブ処理部
19 操作部
20 制御部
21 接続処理部
22 チャット処理部
23 生成部
100 チャットシステム
190 液晶表示パネル
図1
図2
図3
図4