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特開2025-34830工具、照明器具、工具と照明器具とのセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025034830
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】工具、照明器具、工具と照明器具とのセット
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20250306BHJP
   F21V 14/04 20060101ALI20250306BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250306BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21V14/04
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141476
(22)【出願日】2023-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399018471
【氏名又は名称】国分電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】藤本 佳史
(72)【発明者】
【氏名】山本 岳史
(72)【発明者】
【氏名】神田 太郎
(57)【要約】
【課題】照射場所の変更が簡単になる技術を提供することである。
【解決手段】照明器具は、光源と、前記光源を第1軸周りに回転可能に支持する第1支持体と、前記第1軸とは異なる第2軸周りに前記第1支持体を回転可能に支持する第2支持体と、前記第1支持体から突出する複数の第1突出部とを備える。工具は、所定方向に延びる把持部と、前記所定方向に交差する交差方向に前記把持部から突出し、前記複数の第1突出部に係合可能な複数の第2突出部とを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具の工具であって、
前記照明器具は、光源と、前記光源を第1軸周りに回転可能に支持する第1支持体と、前記第1軸とは異なる第2軸周りに前記第1支持体を回転可能に支持する第2支持体と、前記第1支持体から突出する複数の第1突出部とを備え、
前記工具は、
所定方向に延びる把持部と、
前記所定方向に交差する交差方向に前記把持部から突出し、前記複数の第1突出部に係合可能な複数の第2突出部と
を備える、工具。
【請求項2】
前記複数の第2突出部は、前記所定方向の周方向に等間隔で並ぶ、請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記第2支持体は、筒体であり、前記第1支持体の少なくとも一部と、各前記第1突出部とを、前記第2支持体の内側で前記第2軸周りに回転可能に支持し、
前記複数の第2突出部の外径は、前記第2支持体の内径よりも短い、請求項2に記載の工具。
【請求項4】
前記第1支持体は、環状であり、
前記複数の第2突出部は、前記把持部における前記所定方向の一方端から前記交差方向に突出し、
前記複数の第2突出部の各々から、前記所定方向の一方に突出する複数の第3突出部を更に備え、
前記複数の第3突出部の外径は、前記第1支持体の内周面の内径と同じである、請求項1から請求項3のいずれかに記載の工具。
【請求項5】
前記把持部には、貫通孔が形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の工具。
【請求項6】
前記把持部は、前記所定方向からの平面視で、前記交差方向に長い形状である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の工具。
【請求項7】
光源と、
前記光源を第1軸周りに回転可能に支持する第1支持体と、
前記第1軸とは異なる第2軸周りに前記第1支持体を回転可能に支持する第2支持体と、
前記第1支持体から突出する複数の第1突出部と
を備える、照明器具。
【請求項8】
照明器具と、工具とのセットであって、
前記照明器具は、
光源と、
前記光源を第1軸周りに回転可能に支持する第1支持体と、
前記第1軸と交差する第2軸周りに前記第1支持体を回転可能に支持する第2支持体と、
前記第1支持体から突出する複数の第1突出部と
を備え、
前記工具は、
所定方向に延びる把持部と、
前記所定方向に交差する交差方向に前記把持部から突出し、前記複数の第1突出部に係合可能な複数の第2突出部と
を備える、照明器具と工具とのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具、照明器具、工具と照明器具とのセットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明器具では、光源部は、照明器具に着脱自在に取り付けられ、照明器具に対向する面に長さ方向に延びる段差面が設けられている。取付バネは、光源部を照明器具に連結し、弾性力によって光源部を照明器具に固定する。光源部の段差面に道具又は手指が引っ掛けられて光源部が照明器具から引き離されると、取付バネに対して弾性力の向きと逆向きに力が加わり、取付バネによる光源部と照明器具との連結が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-39005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具には、例えばユニバーサルダウンライトのように、光源部により照射したい場所(以下、「照射場所」と記載する。)を変更できるものがある。この種の照明器具に関しては、照射場所を簡単に変更できることが求められる。
【0005】
本発明は、照射場所の変更が簡単になる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示されるのは、照明器具の工具である。前記照明器具は、光源と、前記光源を第1軸周りに回転可能に支持する第1支持体と、前記第1軸とは異なる第2軸周りに前記第1支持体を回転可能に支持する第2支持体と、前記第1支持体から突出する複数の第1突出部とを備える。前記工具は、所定方向に延びる把持部と、前記所定方向に交差する交差方向に前記把持部から突出し、前記複数の第1突出部に係合可能な複数の第2突出部とを備える。
【0007】
前記複数の第2突出部は、好ましくは、前記所定方向の周方向に等間隔で並ぶ。
【0008】
前記第2支持体は、好ましくは、筒体であり、前記第1支持体の少なくとも一部と、各前記第1突出部とを、前記第2支持体の内側で前記第2軸周りに回転可能に支持する。前記複数の第2突出部の外径は、好ましくは、前記第2支持体の内径よりも短い。
【0009】
前記第1支持体は、好ましくは、環状である。前記複数の第2突出部は、好ましくは、前記把持部における前記所定方向の一方端から前記交差方向に突出する。前記工具は、好ましくは、前記複数の第2突出部の各々から、前記所定方向の一方に突出する複数の第3突出部を備える。前記複数の第3突出部の外径は、好ましくは、前記第1支持体の内周面の内径よりも短い。
【0010】
前記把持部には、好ましくは、貫通孔が形成されている。
【0011】
前記把持部は、好ましくは、前記所定方向からの平面視で、前記交差方向に長い形状である。
【0012】
本願に開示する照明器具は、光源と、前記光源を第1軸周りに回転可能に支持する第1支持体と、前記第1軸とは異なる第2軸周りに前記第1支持体を回転可能に支持する第2支持体と、前記第1支持体から突出する複数の第1突出部とを備える。
【0013】
本願に開示されるのは、照明器具と、工具とのセットである。前記照明器具は、光源と、前記光源を第1軸周りに回転可能に支持する第1支持体と、前記第1軸と交差する第2軸周りに前記第1支持体を回転可能に支持する第2支持体と、前記第1支持体から突出する複数の第1突出部とを備える。前記工具は、所定方向に延びる把持部と、前記所定方向に交差する交差方向に前記把持部から突出し、前記複数の第1突出部に係合可能な複数の第2突出部とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、照射場所の変更が簡単になる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る照明器具100の斜視図である。
図2図1に示す線II-IIに沿う照明器具100の断面図である。
図3図1及び図2に示される支持体52の拡大図である。
図4図1及び図2に示される支持体51の拡大図である。
図5図1及び図2に示される回転機構U2の分解斜視図である。
図6図1及び図2に示される灯体U1と回転機構U2の分解斜視図である。
図7】実施形態に係る工具200の斜視図である。
図8】工具200の使用例を示す図である。
図9】変形例に係る工具200の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[照明器具100の実施形態]
以下、上記図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る照明器具100(図1参照)と、照明器具100の工具200(図7参照)、及び照明器具100と工具200とのセットを説明する。但し、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を省略又は簡素化する。
【0017】
図1及び図2に示されるように、照明器具100は、例えば、ユニバーサルダウンライトである。ユニバーサルダウンライトは、照明光の方向及び角度を変えることができる照明器具である。ユニバーサルダウンライトは、取付面に埋め込み設置される。取付面は、壁面又は天井である。以下では、特に断り書きが無い場合、「照明器具100」という用語は、取付面に取り付けられた状態の照明器具100を意味する。
【0018】
照明器具100は、詳細には、灯体U1と、回転機構U2とを備える。
【0019】
灯体U1は、外装体1と、光源部2と、反射部材3と、放熱部4とを備える。図1には、外装体1と、放熱部4とが示される。図2には、光源部2と、反射部材3とが示される。
【0020】
図1及び図2において、外装体1は、筒体であり、光源部2及び反射部材3を収容する。外装体1には、放熱部4が取り付けられる。詳細には、外装体1は、放熱部4の光軸方向D10(図2参照)における端面41から光軸方向D10に延びる。
【0021】
図2において、光源部2は、照明光を出射する。光源部2は、端面41に取り付けられる。光軸方向D10は、光源22の発光面に交差する方向のうち、同発光面が向く方向である。実施形態において、「交差」とは、線同士、面同士又は線及び面が互いに直角に交わることと、微差(公差及び誤差等)の範囲で非直角に交わることとを含む。なお、照明光の光軸には、参照符号「Ax10」が付される。
【0022】
光源部2は、基板21と、光源22と、支持部23と、カバー24とを有する。
【0023】
光源22は、基板21の第1面に実装される。照明光は、光源22の発光面から出射される。光源22は、例えば発光素子アレイである。なお、各発光素子の発光面は、蛍光体で覆われてもよい。
【0024】
基板21において第1面の反対側の第2面は、端面41に熱的に接触している。従って、光源部2での発熱は、放熱部4により放散される。
【0025】
支持部23は、端面41において基板21の周囲の部分から光軸方向D10に突出する。支持部23は、基板21から光軸方向D10に離れた位置で、光軸方向D10に向けて開口する。光源22から出射される照明光は、支持部23の開口を通過する。
【0026】
カバー24は、例えばガラスのような透光性材料で作製される。カバー24は、光源22から光軸方向D10に離れた位置で、支持部23に取り付けられる。カバー24は、光軸方向D10に交差する方向(以下、「交差方向」と記載する。)D11に拡がる。カバー24は、支持部23の開口を通過した照明光を透過する。
【0027】
放熱部4は、熱伝導性が高い金属材料で作製される。この種の金属材料としては、アルミニウムが例示される。図1及び図2に示されるように、放熱部4は、複数のフィン42を有する。複数のフィン42は、灯体U1内で発生した熱を放散する。
【0028】
図2に示されるように、反射部材3は、外装体1により支持される。反射部材3は、外装体1の内部においてカバー24よりも光軸方向D10側に位置する。反射部材3は、光軸方向D10における両端が開放された錘台形状を有する。反射部材3の内周面は、カバー24から光軸方向D10に離れる程、交差方向D11に拡がる。同内周面には、反射塗装が施される。反射部材3では、カバー24を透過した光は、反射部材3内で反射することなく光軸方向D10に伝搬するか、反射部材3の内周面で反射しつつ光軸方向D10に伝搬する。なお、反射部材3は、金属材料又は樹脂材料で作製される。
【0029】
図1及び図2に示されるように、回転機構U2は、支持体51と、支持体52と、取付バネ53とを備える。支持体51,52は、本発明の「第1支持体」及び「第2支持体」の一例である。
【0030】
支持体52は、反射部材3よりも光軸方向D10(即ち、図2の紙面において下側)に位置する。支持体52は、筒体である。筒体の軸心には、参照符号「Ax20」が付される。軸心Ax20は、本発明における「第2軸」の一例である。以下、軸心Ax20に沿う方向を、軸方向D20と記載する。特に、軸方向D20のうち、反射部材3に近づく方向を接近方向D21と記載する。一方、軸方向D20のうち、反射部材3から離れる方向を離隔方向D22と記載する。
【0031】
支持体52は、支持体51を、軸心Ax20の周方向D23に回転可能に支持する。実施形態では、支持体52は、端面521付近で支持体51を回転可能に支持する。端面521は、支持体52の接近方向D21側の端に位置する面である。また、端面521は、環状形状であり、軸方向D20に交差する交差方向D24に拡がる面である。端面521は、接近方向D21を向いている。
【0032】
図3に示されるように、支持体52は、端面521に加え、内周面522,523と、平坦面524とを有する。
【0033】
内周面522は、端面521の内縁と、同内縁から離隔方向D22に僅かに離れた位置との間に位置する。内周面522は、軸方向D20における両端が開放された略円柱形状を有する。
【0034】
内周面523は、内周面522よりも離隔方向D22側に位置する。内周面523は、軸方向D20における両端が開放された略円柱形状を有する。従って、支持体52において軸方向D20の両端は開放されている。内周面522,523の各々は、軸心Ax20を共有する。
【0035】
平坦面524は、内周面522の離隔方向D22側の端と、内周面523の接近方向D21側の端とを接続する。平坦面524は、交差方向D24に拡がる環状の面であり、端面521と略平行である。平坦面524は、接近方向D21を向いている。
【0036】
図1及び図2に示されるように、支持体51は、光源22を、軸Ax30の周方向D31に回転可能に支持する。即ち、支持体51は、灯体U1を周方向D31に回転可能に支持する。このため、灯体U1を周方向D31に回転させて回転機構U2に対して傾けた場合に、光源22の位置が周方向D31に沿って変化する。軸Ax30は、本発明における「第1軸」の一例である。実施形態では、支持体51は、支持体52の平坦面524よりも接近方向D21に位置する(図2参照)。
【0037】
図4に示されるように、支持体51は、環状部511と、遮蔽部512と、複数の突出部513とを備える。即ち、照明器具100は、複数の突出部513を備える。突出部513は、本発明における「第1突出部」の一例である。
【0038】
環状部511は、概ね環状形状である。環状部511の内径は、内周面523(図3参照)の径よりも小さい。環状部511の外径は、内周面523の径より大きい。同外径は更に、内周面522の径と略同じであるか、内周面522の径より僅かに小さい。
【0039】
図5に示されるように、環状部511は、支持体52の平坦面524に接近方向D21側から当接し、内周面522の内側に嵌め込まれる。この状態で、回転機構U2が更に備えるストッパー54は、環状部511が支持体52から抜け落ちないように端面521に対し固定される。これにより、支持体52は、環状部511、即ち、支持体51を、周方向D23に回転可能に支持する。詳細には、支持体52は、支持体51の少なくとも一部と、各突出部513とを、支持体52の内側で、軸心Ax20の周方向D23に回転可能に支持する。なお、図5には、灯体U1は示されていない。
【0040】
図5から明らかなように、遮蔽部512は、周方向D23に拡がる板状の部材である。遮蔽部512は、環状部511においてストッパー54よりも内側の部分に形成される。遮蔽部512は、環状部511において、周方向D23における180°以下の角度範囲内に形成される。このような位置から、遮蔽部512は、環状部511から接近方向D21に突出する。
【0041】
図4及び図5において、遮蔽部512は、2個の突出部514を有する。突出部514は、遮蔽部512の周方向D23における両端から1個ずつ周方向D23に突出する。各突出部514には貫通孔515が形成される。2個の貫通孔515は、交差方向D24において互いに対向する。2個の貫通孔515は、軸Ax30(図4参照)を共有する。軸Ax30は、2個の貫通孔515の中心同士を結ぶ。
【0042】
複数の突出部513の各々は、支持体51から突出する。詳細には、複数の突出部513の各々は、支持体51の環状部511から、軸方向D20において遮蔽部512とは反対方向(即ち、離隔方向D22)に突出する。複数の突出部513の各々は、環状部511において周方向D23に互いに離れて位置する。
【0043】
図6に示されるように、外装体1は、支持体51に締結される。その結果、外装体1、即ち光源22(図2参照)は、支持体51により周方向D31に回転可能に支持される。詳細には、外装体1は、光軸方向D10の端付近に2個の平坦面11を有する。2個の平坦面11は、交差方向D11において互いに離れて位置する。2個の平坦面11の交差方向D11における間隔は、2個の突出部514の交差方向D24における間隔よりも若干小さい。各平坦面11には、1個ずつねじ穴12が形成される。2個のねじ穴12は、交差方向D24に沿って延びる。
【0044】
2個のねじ穴12が2個の貫通孔515の内側で2個の貫通孔515に位置合わせされた状態で、2個のねじ13が2個の貫通孔515を通じて2個のねじ穴12に締め付けられる。これにより、外装体1は、支持体51により周方向D31に回転可能に支持される。
【0045】
図2及び図3に示されるように、回転機構U2は更に、反射部材55を備える。反射部材55は、支持体52に対して着脱可能に支持体52の内周面523内に収容される。具体的には、支持体52において内周面523の3か所には、3個の取付バネ525を取り付けるための空間が形成されている。各空間には、取付バネ525が1個ずつ配置される。より詳細には、3個の取付バネ525は、周方向D23に沿って等角度間隔で配置されている。各取付バネ525は、支持体52に対してねじ526で固定されている。なお、図3では、視方向の関係で、1個のねじ526のみが視認可能である。
【0046】
反射部材55は、軸方向D20における両端が開放された錘台形状を有する。反射部材55の内周面は、端面521から離隔方向D22に離れる程、交差方向D24に拡がる。同内周面には、好ましくは、反射塗装が施される。反射部材55では、灯体U1から出射された光は、反射部材55内で反射することなく離隔方向D22に伝搬するか、反射部材55の内周面で反射しつつ離隔方向D22に伝搬する。なお、反射部材55は、実施形態では樹脂材料で作製される。しかし、これに限らず、反射部材55は、金属材料で作製されてもよい。
【0047】
反射部材55を支持体52から取り外す場合、作業者は、反射部材55における離隔方向D22の端から指を反射部材55の内周面の内側に入れる。その後、作業者は、反射部材55における接近方向D21の端に指を引っ掛けて、離隔方向D22の力を反射部材55に加える。これにより、反射部材55は、指で支持体52から引き抜かれて、取付バネ525から外される。即ち、反射部材55は、支持体52から外れる。
【0048】
逆に、反射部材55を支持体52に取り付ける場合、作業者は、反射部材55を内周面523に挿入する。挿入前に、反射部材55と内周面523との位相合わせが必要となる場合もある。その後、作業者は、反射部材55に接近方向D21の力を加える。これにより、反射部材55は、取付バネ525に係合し、支持体52に取り付けられる。
【0049】
[工具200の実施形態]
また、照明器具100からの照明光の方向及び角度(即ち、照射場所)を変える場合、反射部材55を支持体52から取り外した状態で、灯体U1を回転機構U2に対して回転させる必要がある。照射場所の変更を簡単にするため、実施形態では、図7に示されるように、照明器具100の工具200が開示される。
【0050】
下記では、本実施形態の理解を容易にするために、互いに直交するX方向D41、Y方向D42及びZ方向D43を参照して説明することがある。
【0051】
図7において、工具200は、把持部6と、複数の突出部7と、を備える。工具200は、樹脂材料で作製される。しかし、これに限らず、工具200は、金属又は木材により作製されてもよい。
【0052】
把持部6は、X方向D41、Y方向D42及びZ方向D43の各々に長さを有する。即ち、把持部6は、Z方向D43に延びる。Z方向D43は、本発明における「所定方向」の一例である。把持部6は、X方向D41、Y方向D42よりもZ方向D43に長い形状を有する。X方向D41における把持部6の寸法は、Y方向D42における把持部6の寸法よりも長い。この種の形状としては、略直方体形状が例示される。
【0053】
複数の突出部7は、把持部6のZ方向D43における一方端から、Z方向D43に交差するX方向D41及びY方向D42に把持部6から放射状に突出する。複数の突出部7は、本発明における「複数の第2突出部」の一例である。X方向D41及びY方向D42が、本発明における「交差方向」の一例である。また、複数の突出部7は、突出部513に係合可能である。なお、複数の突出部7において、把持部6とは反対側の面(即ち、Z方向D43における一方側の面)は、X方向D41及びY方向D42に略平行な面である。
【0054】
作業者は、灯体U1を周方向D31(図2参照)に回転させて回転機構U2に対して傾ける。作業者は、反射部材55を、指で支持体52から引き抜いて、取付バネ525から外す。これにより、図8に示されるように、反射部材55が回転機構U2から取り外される。反射部材55が回転機構U2から外された状態で、作業者は、把持部6を把持して、複数の突出部7を、支持体52の離隔方向D22側の開口から内周面523の内側に挿入する(矢印Aを参照)。その後、作業者は、複数の突出部7を環状部511に当接させる。作業者は更に、工具200を周方向D51に回転させて(矢印Bを参照)、複数の突出部7のうちの1個又は2個を、突出部513に係合させる。係合状態で、作業者は、工具200を周方向D51に更に回動させる。応じて、支持体51は、支持体52に対して回転する。従って、照明器具100の照射場所を簡単に変更できる。
【0055】
複数の突出部7は、好ましくは、軸Ax50の周方向D51において略同一角度間隔で並ぶ。従って、複数の突出部7のいずれかを、突出部513に係合させ易い。軸Ax50は、把持部6においてZ方向D43の他方の端に位置する端面61の中心を通過し、Z方向D43に略平行である。また、6個の突出部71~76のうち周方向D51に隣り合う2個の一方は、他方を周方向D51に60°回転移動させた形状を有する。
【0056】
複数の突出部7の外径φ11は、好ましくは、支持体52の内径φ12よりも短い。詳細には、外径φ11は、互いに反対向きに突出する2個の突出部7の突出端間の距離である。支持体52の内径φ12は、内周面523(図5参照)の径である。これにより、複数の突出部7を支持体52の内周面523の内側に挿入し易い。
【0057】
また、把持部6には、貫通孔62が形成されている。貫通孔62により、工具200の使い勝手が良くなる。詳細には、作業者の作業は、比較的高所で実施される。作業中に工具200を落下させた場合、作業者は、床面まで降りて工具200を拾い上げる必要が生じる。貫通孔62があると、工具200の落下防止用のストラップを工具200に取り付けることができる。従って、工具200の使い勝手が良くなる。
【0058】
また、把持部6は、Z方向D43からの平面視でX方向D41に長い形状である。従って、作業者が把持部6を把持した状態で工具200を回転させ易い。
【0059】
[工具200の変形例]
図9に示されるように、工具200は、好ましくは、複数の突出部8を更に備える。複数の突出部8は、本発明における「複数の第3突出部」の一例である。複数の突出部8は、複数の突出部7の各々から、Z方向D43の一方に突出する。実施形態では、複数の突出部8は、6個の突出部81~86である。突出部81~86は、突出部71~76にそれぞれ設けられる。突出部81~86は、突出部71~76の突出端よりも軸Ax50の近くに位置する。複数の突出部8の外径φ21は、環状部511(即ち、支持体51)の内周面の内径φ22(図5参照)と同じである。ここで、「同じ」という用語は、外径φ21及び内径φ22が互いに同じことと、外径φ21が内径φ22よりも若干小さいこととを意味する。詳細には、外径φ21は、互いに反対向きに突出する2個の突出部7から突出する2個の突出部8の最外部間の距離である。これにより、複数の突出部8が環状部511の内側に嵌まり込み、その結果、工具200を支持体51に対して位置決めし易くなる。
【0060】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0061】
(1)実施形態における照明器具100及び工具200は互いに別売りされてもよい。しかし、これに限らず、照明器具100及び工具200はセット販売されてもよい。即ち、工具200は、照明器具100に同梱されてもよい。
【0062】
(2)光源22は、発光素子アレイであった。しかし、これに限らず光源22は、電球であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、工具、照明器具、及びこれらのセットを提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0064】
6 :把持部
7 :突出部(第2突出部)
8 :突出部(第3突出部)
22 :光源
51 :支持体(第1支持体)
513 :突出部(第1突出部)
52 :支持体(第2支持体)
100 :照明器具
200 :工具
U1 :灯体
U2 :回転機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9