(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025035210
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】賞品交換システム、管理装置及び賞品交換方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250306BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20250306BHJP
【FI】
A63F7/02 340
A63F7/02 328
A63F7/02 334
A63F5/04 685
A63F5/04 699
A63F5/04 691B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142117
(22)【出願日】2023-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】物見 裕基
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088BA90
2C088BB30
2C088BB43
2C088CA09
2C088CA30
2C088CA31
2C088CA35
2C182DB11
2C182EA27
2C182EB11
(57)【要約】
【課題】遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することを課題とする。
【解決手段】遊技客の遊技終了後において管理スロット機20に残メダルがある場合に、従業員が管理メダルユニット10に従業員カードを挿入して計数ボタンを押下すると、この従業員カードに、管理スロット機20の残メダル数が紐付けられる。この従業員カードを用いて、賞品管理装置60で賞品交換をしようとしても、賞品交換は禁止される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムであって、
前記管理装置は、
前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が従業員用の記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする賞品交換システム。
【請求項2】
前記通知手段は、
前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報でないと判定されたならば、前記記憶手段に記憶された前記記憶媒体の識別情報に対応付けられた遊技媒体数を通知する前記賞品管理装置に対して通知することを特徴とする請求項1に記載の賞品交換システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、
前記記憶媒体の識別情報と複数の貸出レートの遊技媒体数とを対応付けて記憶し、
前記通知手段は、
前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報でないと判定されたならば、前記記憶手段に記憶された前記記憶媒体の識別情報に対応付けられた複数の貸出レートの遊技媒体数を前記賞品管理装置に対して通知することを特徴とする請求項2に記載の賞品交換システム。
【請求項4】
遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムであって、
前記管理装置は、
前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が所定の従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする賞品交換システム。
【請求項5】
前記賞品管理装置は、
前記管理装置から賞品交換不可の通知を受け付けたならば、賞品交換ができない旨を所定の表示部に表示制御することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の賞品交換システム。
【請求項6】
遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理し、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と通信可能に設けられた管理装置であって、
前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が従業員用の記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項7】
遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理し、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と通信可能に設けられた管理装置であって、
前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が所定の従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項8】
遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、
前記管理装置が、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、
前記管理装置が、前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が従業員用の記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定工程と、
前記管理装置が、前記判定工程により前記従業員用の記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知工程と
を含むことを特徴とする賞品交換方法。
【請求項9】
遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、
前記管理装置が、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、
前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が所定の従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知工程と
を含むことを特徴とする賞品交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することができる賞品交換システム、管理装置及び賞品交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技機の遊技に使用できない遊技媒体数が残置される場合がある。例えば、3枚のメダルを投入してゲームを行うパチスロ機の場合は、1枚又は2枚のメダルが遊技機に残されてたとしても遊技に使用することができないため、遊技客が1枚又は2枚のメダルが遊技機に残置して遊技機を離れることが多い。
【0003】
このような場合に、遊技店の従業員は、遊技機に残置された遊技媒体数を回収する必要がある。例えば、従業員は、パチスロ機に併設された各台装置のカード挿入口に従業員カードを挿入して回収操作を行うことにより、パチスロ機に残された残メダルの回収を行うことになる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1を用いて遊技媒体数の回収を行う場合に、従業員が従業員カードのカードIDに関連付けられた遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することができる賞品交換システム、管理装置及び賞品交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムであって、前記管理装置は、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が従業員用の記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記通知手段は、前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報でないと判定されたならば、前記記憶手段に記憶された前記記憶媒体の識別情報に対応付けられた遊技媒体数を通知する前記賞品管理装置に対して通知することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶手段は、前記記憶媒体の識別情報と複数の貸出レートの遊技媒体数とを対応付けて記憶し、前記通知手段は、前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報でないと判定されたならば、前記記憶手段に記憶された前記記憶媒体の識別情報に対応付けられた複数の貸出レートの遊技媒体数を前記賞品管理装置に対して通知することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムであって、前記管理装置は、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が所定の従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記賞品管理装置は、前記管理装置から賞品交換不可の通知を受け付けたならば、賞品交換ができない旨を所定の表示部に表示制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理し、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と通信可能に設けられた管理装置であって、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が従業員用の記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記従業員用の記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理し、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と通信可能に設けられた管理装置であって、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が所定の従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、前記管理装置が、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、前記管理装置が、前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が従業員用の記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定工程と、前記管理装置が、前記判定工程により前記従業員用の記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数を記憶媒体の識別情報に関連付けて管理する管理装置と、少なくとも前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とを有する賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、前記管理装置が、前記記憶媒体の識別情報と遊技媒体数とを対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、前記賞品管理装置から賞品交換対象となる前記記憶媒体の識別情報を受け付けたならば、前記記憶媒体の識別情報が所定の従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により前記従業員端末により遊技媒体数が強制回収された記憶媒体の識別情報であると判定されたならば、前記賞品管理装置に対して賞品交換不可を通知する通知工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る賞品交換システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した管理スロット機及び管理メダルユニットの外観構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した管理メダルユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した自装置状態データ、カードIDデータ及び有価価値データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、
図6に示したカード管理データ、装置管理データ及び会員管理データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る管理メダルユニットの処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、変形例1に係る管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図11】
図11は、変形例2に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【
図12】
図12は、変形例3に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【
図15】
図15は、実施形態4に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態1]
【0019】
以下に、本実施形態1に係る賞品交換システム、管理装置及び賞品交換方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
<実施形態1に係る賞品交換システムの概要>
図1は、本実施形態1に係る賞品交換システムの概要を説明するための説明図である。
図1に示す管理スロット機20は、メダルを装置外部に払い出さない封入式の回胴式遊技機である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態1に係る賞品交換システムでは、遊技客の遊技終了後において管理スロット機20に残メダルがある場合に、従業員が管理メダルユニット10に従業員カードを挿入して計数ボタンを押下すると、この従業員カードに、管理スロット機20の残メダル数が紐付けられる。
【0022】
この従業員カードを用いて、賞品管理装置60で賞品交換をしようとしても、賞品交換は禁止される。
【0023】
このように、本実施形態1に係る賞品交換システムでは、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収し、この従業員カードを用いた賞品交換を禁止するよう構成したので、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することができる。
【0024】
<実施形態1に係るシステム構成>
次に、本実施形態1に係る賞品交換システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る賞品交換システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の管理スロット機20と、各管理スロット機20にそれぞれ対応して設けられた管理メダルユニット10とが設置される。
【0025】
管理メダルユニット10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、管理装置50、賞品管理装置60及び精算機70が接続される。
【0026】
管理スロット機20は、記憶部に記憶した遊技機管理メダル数に基づいてスロット遊技を提供する封入式の遊技機であり、装置外部から現物のメダルを受け付けず、装置外部に現物のメダルを払い出さない。この管理スロット機20には、マックスBETボタンが設けられており、このマックスBETボタンが押下操作されたならば、遊技機管理メダル数から3枚が減算され、BET数が設定される。遊技客が、この状態でスタートレバーを操作したならば、3つのドラムが回転し、ストップボタンが押下操作されたならばドラムが順次停止する。回胴上に所定の図柄組み合わせが停止したならば、この図柄組み合わせに応じた賞メダル数が遊技機管理メダル数に加算される。
【0027】
管理スロット機20は、管理メダルユニット10に対して遊技機管理メダル数及びBET枚数を通知する。また、管理スロット機20は、管理メダルユニット10に対して、セーフデータ及びアウトデータ、特賞データ等を通知する。セーフデータは、所定枚数の賞メダルが発生した場合に出力されるデータである。アウトデータは、遊技に使用されたBET枚数が所定枚数に達する度に出力されるデータである。特賞データは、大当たりが発生した場合に出力されるデータである。これらのセーフデータ及びアウトデータ、特賞データ等は、管理メダルユニット10から管理装置50に送信される。
【0028】
管理メダルユニット10は、入金の受付、遊技機管理メダル数の貸し出し、管理装置50との通信を行う。管理メダルユニット10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データを管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定のメダル貸操作がなされたならば、メダル貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技機管理メダル数を加算するよう管理スロット機20に指示する。
【0029】
また、管理メダルユニット10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知データを送信する。また、管理メダルユニット10は、管理装置50からプリペイド価値、持メダル数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持メダル数を記憶する。そして、持メダル数を記憶したならば、管理メダルユニット10は、管理装置50に対して持メダル減算要求データを送信することで、管理装置50が管理する持メダル数をゼロにクリアする。
【0030】
また、管理メダルユニット10は、持メダル再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持メダル数から所定数を減算し、減算した持メダル数に対応する数の遊技機管理メダル数を加算するよう管理スロット機20に指示する。
【0031】
また、管理メダルユニット10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持メダル数を含む持メダル加算要求データを管理装置50に送信し、管理装置50に持メダル数を加算させた後、カード排出通知データを管理装置50に送信し、カードを排出制御する。
【0032】
また、管理メダルユニット10は、管理装置50から従業員モード移行指示データを受信したならば、自装置を従業員モードに移行し、営業モード移行指示データを受信したならば、自装置を営業モードに移行する。
【0033】
また、管理メダルユニット10は、従業員モード中において、有価価値データが更新されたならば、カードID、管理メダルユニットID、持メダルの残高を含む持メダル加算要求データを管理装置50に送信する。そして、有価価値データをゼロにクリアした後、カードを排出してカード排出通知データを管理装置50に送信する。
【0034】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の管理スロット機20及び管理メダルユニット10を束ねる中継装置である。
【0035】
管理装置50は、カードのプリペイド価値及び持メダル数等をカードデータとして、遊技店に会員登録された会員の情報を会員管理データとして管理する装置である。管理装置50は、管理メダルユニット10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと管理メダルユニット10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持メダル数を管理メダルユニット10に送信する。
【0036】
また、管理装置50は、管理メダルユニット10から持メダル減算要求データを受信した場合には、持メダル数をゼロにクリアする。また、管理装置50は、管理メダルユニット10から持メダル加算要求データを受信した場合には、持メダル加算要求データに含まれる持メダル数を自装置が管理する持メダル数に加算する。
【0037】
また、管理装置50は、管理メダルユニット10からメダル貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、メダル貸許可データを管理メダルユニット10に送信する。管理装置50は、管理メダルユニット10から貯メダル再プレイ要求データを受信したならば、貯メダル再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯メダル数から所定数を減算し、減算後の貯メダル数を含む貯メダル再プレイデータを管理メダルユニット10に送信する。
【0038】
また、管理装置50は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持メダル数及び貯メダル数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機70に対して通知する。
【0039】
また、管理装置50は、管理メダルユニット10から通知された入金、カード挿入及びカード排出などの動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングで集計等の処理を行う。また、管理装置50は、賞品管理装置60による賞品交換や、精算機70による精算などに係る動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングで集計等の処理を行う。
【0040】
また、管理装置50は、管理メダルユニット10からカード挿入通知データを受信し、このカード挿入通知データに含まれるカードIDが従業員カードである場合には、従業員モード移行指示データを管理メダルユニット10に送信する。
【0041】
また、管理装置50は、管理メダルユニット10から持メダル加算要求データを受信し、この持メダル加算要求データに含まれるカードIDが従業員カードである場合には、営業モード移行指示データを管理メダルユニット10に送信する。
【0042】
また、管理装置50は、賞品管理装置60からカードIDを受信した場合に、このカードIDが従業員カードであったならば、賞品交換禁止指示データを賞品管理装置60に送信する。
【0043】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり持メダル数及び貯メダル数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。
【0044】
また、賞品管理装置60は、カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDを管理装置50に送信して、該カードIDの持メダル数を要求する。また、貯メダル数を賞品交換する場合は、管理装置50に対して貯メダル数を要求する。
【0045】
また、賞品管理装置60は、管理装置50から賞品交換禁止指示データを受信したならば、受付中のカードに係る賞品交換の処理を禁止し、賞品交換禁止の旨を表示するとともに、このカードを返却する。
【0046】
精算機70は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを管理装置50に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0047】
<管理スロット機20及び管理メダルユニット10の外観構成>
次に、管理スロット機20及び管理メダルユニット10の外観構成について説明する。
図3は、
図2に示した管理スロット機20及び管理メダルユニット10の外観構成を示す図である。
図3に示すように、管理スロット機20は、従前のスロット機と異なり、上皿及び下皿が設けられていない。封入式の遊技機であり、メダルが装置外部に払い出されないためである。また、従前のスロット機と異なり、50枚貯留するクレジットという概念が存在せず、クレジット表示部が存在しない。クレジットに代えて、50枚という制約の無い遊技機管理メダル数を記憶し、遊技機管理メダル数を表示する表示部が設けられているためである。
【0048】
管理スロット機20の表面には、ドラム21a、21b、21c(以下、「ドラム21」と総称する)と、遊技機管理メダル数表示部22と、マックスBETボタン23と、スタートレバー24、ストップボタン25a、25b、25c(以下、「ストップボタン25」と総称する)と、BET枚数表示部26と、計数ボタン27とが設けられている。なお、ここでは説明の便宜上図示省略するが、演出等を表示する液晶表示部及び賞メダル数表示部を設けることもできる。
【0049】
ドラム21は、図柄が印刷された回胴であり、BET枚数が3枚賭けられた状態でスタートレバー24が操作されたことを条件に回転制御される。また、ストップボタン25が押下されたことを条件に停止制御される。
【0050】
遊技機管理メダル数表示部22は、管理スロット機20の内部に記憶した遊技機管理メダル数を表示する表示部である。マックスBETボタン23は、遊技機管理メダル数3枚を賭けるためのボタンである。マックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26にBET枚数が表示される。遊技機管理メダル数が3枚以上存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「3」が表示される。遊技機管理メダル数が2枚存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「2」が表示され、遊技機管理メダル数が2枚存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「2」が表示される。なお、BETを解除するためのBET払出ボタンについては図示省略している。
【0051】
スタートレバー24は、遊技機管理メダル数のうちの3枚がBETされていることを条件として、ドラム21を回転制御するためのレバーである。ここでは、管理スロット機20が3枚賭けの専用機であることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1枚賭け、2枚賭けの状態においてスタートレバー24を操作された場合に、ドラム21を回転制御することもできる。
【0052】
ストップボタン25は、ドラム21を停止させるためのボタンであり、ストップボタン25aが押下されたならばドラム21aが停止制御され、ストップボタン25bが押下されたならばドラム21bが停止制御され、ストップボタン25cが押下されたならばドラム21cが停止制御される。
【0053】
計数ボタン27は、管理スロット機20に記憶された遊技機管理メダル数を管理メダルユニット10に記憶される持メダル数に移行させるためのボタンである。この計数ボタン27が長押しされると、長押しされている間、持メダル数に移行させる遊技機管理メダル数がインクリメントされ、計数ボタン27が離された時点で特定される遊技機管理メダル数が、メダル移行要求データとして管理メダルユニット10に送信され、持メダル数に移行される。
【0054】
次に、管理メダルユニット10について説明する。
図3に示すように、管理メダルユニット10の表面には、紙幣挿入口12、表示操作部13及びカード挿入口14が設けられている。
【0055】
紙幣挿入口12は、紙幣を投入するための挿入口である。この紙幣挿入口12に投入された紙幣はビルバリと呼ばれる紙幣処理装置に搬送され、収納される。
【0056】
表示操作部13は、表示及び操作入力を行う液晶パネル等からなる入力デバイス兼表示デバイスである。この表示操作部13に対する操作により、持メダル数から遊技機管理メダル数に移行させる持メダル数再プレイ操作などを行うことができる。
【0057】
カード挿入口14は、一般カード又は会員カードの挿入を受け付ける挿入口である。なお、紙幣を投入してメダル貸しされた遊技メダルにより持メダル数が獲得された場合には、図示しない装置内部に貯留したカードに持メダル数を関連付けてカード挿入口14から返却される。
【0058】
<管理メダルユニット10の構成>
次に、管理メダルユニット10の構成について説明する。
図4は、
図2に示した管理メダルユニット10の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、管理メダルユニット10は、表示操作部13、リーダライタ14a、通信部15、通信部16、記憶部17及び制御部18を有する。なお、表示操作部13についてはすでに説明したため、ここではその説明を省略する。
【0059】
リーダライタ14aは、カード挿入口14から挿入されたカードに記憶されたカードIDを読み取る処理部である。なお、オフライン運用に備えて、カードにプリペイド価値及び持メダル数を書き込むこともできるが、管理装置50に記憶されたデータが正となる。
【0060】
通信部15は、通信回線を介して管理装置50等と通信するための通信インタフェース部である。通信部16は、SC基板と呼ばれる基板を介して管理スロット機20と通信するためのインタフェース部である。
【0061】
記憶部17は、不揮発性メモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、自装置状態データ17a、カードIDデータ17b及び有価価値データ17cを記憶する。
【0062】
自装置状態データ17aは、管理メダルユニット10の状態を示すデータである。この自装置状態データ17aには、ユニットID、遊技機ID、遊技種等を含む。ユニットIDは、管理メダルユニット10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、管理メダルユニット10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技メダルを扱う場合には、20円レートの遊技メダルに「メダル1」、10円レートの遊技メダルに「メダル2」、5円レートの遊技メダルに「メダル3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。管理メダルユニット10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、管理メダルユニット10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
【0063】
カードIDデータ17bは、リーダライタ14aが読み取ったカードIDを示すデータである。有価価値データ17cは、読み取ったカードIDに係る有価価値に関するデータであり、プリペイド価値、持メダル数、BET枚数を含む。
【0064】
制御部18は、管理メダルユニット10の全体制御を行う制御部であり、データ管理部18a、メダル貸出処理部18b、持メダル処理部18c、モード制御部18d及び残メダル回収部18eを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、データ管理部18a、メダル貸出処理部18b、持メダル処理部18c、モード制御部18d及び残メダル回収部18eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0065】
データ管理部18aは、記憶部17に記憶した有価価値データ17cを用いて、プリペイド価値、持メダル数、BET枚数等の管理を行う処理部である。ここでは、説明の便宜上その説明を省略したが、実際には、管理メダルユニット10が取り扱わない他の貸出レートの持メダル数についても管理する。なお、データ管理部18aは、貯玉及び貯メダルのデータを管理することもできる。
【0066】
データ管理部18aは、有価価値データ17cを管理する処理部である。データ管理部18aは、カードが挿入された場合に、カードID及び管理メダルユニットIDを含むカード挿入通知データを管理装置50に送信する。また、データ管理部18aは、管理装置50から有価価値(プリペイド価値及び持メダルの少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値により有価価値データ17cを更新する。
【0067】
また、データ管理部18aは、紙幣挿入口12に紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び管理メダルユニットIDを含む入金通知データを管理装置50に送信する。
【0068】
また、データ管理部18aは、管理スロット機20からメダル移行要求データを受信した場合には、このメダル移行要求データに指示されたメダル数を有価価値データ17cの持メダル数に加算して更新する。
【0069】
また、データ管理部18aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、管理メダルユニットID、持メダルの残高を含む持メダル加算要求データを管理装置50に送信する。そして、有価価値データ17cをゼロにクリアした後、カードを排出してカード排出通知データを管理装置50に送信する。
【0070】
メダル貸出処理部18bは、新たに紙幣が投入された場合又はプリペイド価値が残存している状態で表示操作部13からメダル貸し操作を受け付けた場合に、メダルの貸出処理を行う処理部である。メダル貸出処理部18bは、従前のメダル貸し機のように現物のメダルを払い出すのではなく、例えば1000円分に相当するメダル数を遊技機管理メダル数に加算するよう管理スロット機20に指示する。
【0071】
持メダル処理部18cは、持メダルに関する処理を行う処理部である。持メダル処理部18cは、表示操作部13から持メダルの払出操作を受け付けたならば、持メダル数のうちの所定数(例えば、50枚)を有価価値データ17cから減算した後、50枚の遊技機管理メダル数を加算するように管理スロット機20に指示する。
【0072】
また、持メダル処理部18cは、管理スロット機20からメダル移行要求データを受信したならば、このメダル移行要求データに含まれる遊技機管理メダル数を有価価値データ17cの持メダル数に加算する。
【0073】
モード制御部18dは、管理メダルユニット10における営業モード及び従業員モードの移行制御を行う処理部である。営業モードでは、遊技に関する処理のみが許可される一方、従業員モードでは、管理メダルユニット10の管理に関する処理も許可される。
【0074】
また、モード制御部18dは、管理装置50から従業員モード移行指示データを受信したならば、管理メダルユニット10を従業員モードに移行する。モード制御部18dは、管理装置50から営業モード移行指示データを受信したならば、管理メダルユニット10を営業モードに移行する。
【0075】
残メダル回収部18eは、管理スロット機20の残メダルを回収する処理部である。残メダル回収部18eは、従業員モード中において、持メダル処理部18cにより有価価値データ17cが更新されたならば、カードID、管理メダルユニットID、持メダルの残高を含む持メダル加算要求データを管理装置50に送信する。そして、有価価値データ17cをゼロにクリアした後、カードを排出してカード排出通知データを管理装置50に送信する。
【0076】
次に、
図4に示した管理メダルユニット10の記憶部17が記憶するデータの具体例について説明する。
図5は、
図4に示した自装置状態データ17a、カードIDデータ17b及び有価価値データ17cの一例を示す図である。
【0077】
図5(a)に示す自装置状態データ17aは、管理メダルユニット10のユニットID「A101」に対して、管理スロット機20の遊技機IDが「B201」であり、遊技種が「メダル1」である状態を対応付けている。
【0078】
図5(b)に示すカードIDデータ17bは、管理メダルユニット10に挿入されているカードのカードIDが「9001」であることを示している。
【0079】
図5(c)に示す有価価値データ17cは、プリペイド価値が「0」円であり、持メダル数が「0」枚であり、BET枚数が「2」枚である状態を示している。
【0080】
<管理装置50の構成>
次に、
図2に示した管理装置50の構成について説明する。
図6は、
図2に示した管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
【0081】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部52は、キーボードやマウス等である。外部ネットワーク通信部53は、外部ネットワークを介して認証鍵管理センタとデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60及び精算機70とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0082】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b及び会員管理データ55cを記憶する。
【0083】
カード管理データ55aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉及び持メダルの残高等を関連付けたデータである。装置管理データ55bは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ55bは、ユニットID、設置場所、遊技機ID、管理スロット機20の機種データ等を含んでいる。会員管理データ55cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、貯玉及び貯メダルの情報等を関連付けたデータである。
【0084】
制御部56は、管理装置50の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、モード制御部56d及び賞品交換規制部56eを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、モード制御部56d及び賞品交換規制部56eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0085】
カード管理部56aは、カード管理データ55aの管理を行う処理部である。カード管理部56aは、管理メダルユニット10、賞品管理装置60及び精算機70と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持メダルの残高を更新する。
【0086】
また、カード管理部56aは、管理メダルユニット10からカード挿入通知データを受信した場合には、該カードに関連づけられたプリペイド価値及び持メダルの残高を通知する。
【0087】
また、カード管理部56aは、管理メダルユニット10から持メダル加算要求データを受信した場合には、この持メダル加算要求データに含まれるカードID及び持メダルの残高を用いて、カード管理データ55aを更新する。
【0088】
装置管理部56bは、装置管理データ55bの管理を行う処理部である。装置管理部56bは、管理メダルユニット10から取得したユニットID、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ55bを生成及び更新する。
【0089】
会員管理部56cは、会員管理データ55cの管理を行う処理部である。会員管理部56cは、管理メダルユニット10及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯メダルの残高を更新する。また、会員管理部56cは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55cに会員を追加する更新を行う。
【0090】
モード制御部56dは、管理メダルユニット10のモード制御を行う処理部である。モード制御部56dは、管理メダルユニット10からカード挿入通知データを受信し、このカード挿入通知データに含まれるカードIDが従業員カードである場合には、従業員モード移行指示データを管理メダルユニット10に送信する。例えば、カードIDは4桁の数字で表され、上1桁はカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カード、上1桁が「9」のカードが従業員カードである。
【0091】
また、モード制御部56dは、管理メダルユニット10から持メダル加算要求データを受信し、この持メダル加算要求データに含まれるカードIDが従業員カードである場合には、営業モード移行指示データを管理メダルユニット10に送信する。
【0092】
賞品交換規制部56eは、賞品管理装置60における賞品交換処理の規制を行う処理部である。賞品交換規制部56eは、賞品管理装置60からカードIDを受信した場合に、このカードIDが従業員カードであったならば、賞品交換禁止指示データを賞品管理装置60に送信する。
【0093】
次に、
図6に示した管理装置50の記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。
図7は、
図6に示したカード管理データ55a、装置管理データ55b及び会員管理データ55cの一例を示す図である。
【0094】
図7(a)に示すカード管理データ55aは、カードID「1001」に対して、プリペイド価値が「0」円であり、各レートの持玉の残高が「0」玉であり、各レートの持メダルの残高が「0」枚であり、使用先ユニットIDが「A101」である状態を対応付けている。すなわち、カードID「1001」のカードは、ユニットID「A101」の管理メダルユニット10に挿入されており、持メダルについては管理メダルユニット10に管理が移っている。このため、各レートの持メダルの残高はゼロである。
【0095】
また、カード管理データ55aは、カードID「2001」に対して、プリペイド価値が「3000」円であり、持玉として、玉1の持玉の残高が「1500」玉であり、玉2の持玉の残高が「2500」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉であり、持メダルとして、メダル1の持メダルの残高が「2000」枚であり、メダル2の持メダルの残高が「500」枚であり、メダル3の持メダルの残高が「0」枚である状態が対応付けられているが、使用先ユニットIDの対応付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、管理メダルユニット10に挿入されておらず、持メダルの管理が管理装置50により行われている。
【0096】
また、カード管理データ55aは、カードID「9001」に対して、プリペイド価値が「0」円であり、持玉として、玉1の持玉の残高が「0」玉であり、玉2の持玉の残高が「0」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉であり、持メダルとして、メダル1の持メダルの残高が「350」枚であり、メダル2の持メダルの残高が「200」枚であり、メダル3の持メダルの残高が「0」枚である状態が対応付けられているが、使用先ユニットIDの対応付けはされていない。
【0097】
図7(b)に示す装置管理データ55bは、ユニットID「A101」に対して、管理メダルユニット10の設置場所が「島1-1」であり、接続された管理スロット機20のIDが「B201」であり、遊技台番号が「11」であり、遊技種が「メダル1」であり、接続された管理スロット機20の機種が「EV01」であり、製造番号が「a」である状態を対応付けている。また、この管理スロット機20が使用中の状態にあることも示している。
【0098】
また、装置管理データ55bは、ユニットID「A201」に対して、管理メダルユニット10の設置場所が「島2-1」であり、接続された管理スロット機20のIDが「B506」であり、遊技台番号が「21」であり、遊技種が「メダル3」であり、接続された管理スロット機20の機種が「DX03」であり、製造番号が「g」である状態を対応付けている。また、この管理スロット機20が使用中の状態にあることも示している。
【0099】
図7(c)に示す会員管理データ55cは、カードIDに対応付けられた、氏名、貯玉、貯メダル等を示している。具体的には、会員管理データ55cは、カードID「2005」に対して、氏名が「特許太郎」であり、玉1の貯玉の残高が「1500」玉であり、玉2の貯玉の残高が「200」玉であり、玉3の貯玉の残高が「0」玉であり、メダル1の貯メダルの残高が「1000」枚であり、メダル2の貯メダルの残高が「500」枚であり、メダル3の貯メダルの残高が「0」枚である状態を対応付けている。
【0100】
<実施形態1に係る管理メダルユニット10の処理手順>
次に、本実施形態1に係る管理メダルユニット10の処理手順について説明する。
図8は、本実施形態1に係る管理メダルユニット10の処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
管理メダルユニット10は、従業員カードを受け付け(ステップS101;Yes)、その後に、管理装置50から従業員モード移行指示データを受信したならば(ステップS102;Yes)、自装置を従業員モードに移行する(ステップS103)。
【0102】
管理スロット機20からメダル移行要求データを受信したならば(ステップS104;Yes)、このメダル移行要求データに含まれるメダル数を有価価値データ17cの持メダルに加算して更新する(ステップS105)。
【0103】
そして、持メダル加算要求データを管理装置50に送信し(ステップS106)、有価価値データ17cをゼロにクリアする(ステップS107)。
【0104】
管理装置50から営業モード移行指示データを受信したならば(ステップS108;Yes)、従業員カードを返却し(ステップS109)、自装置を営業モードに移行して(ステップS110)、処理を終了する。
【0105】
上述してきたように、本実施形態1に係る賞品交換システムでは、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収し、この従業員カードを用いた賞品交換を禁止するよう構成したので、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することができる。
【0106】
[変形例1]
ところで、上記の実施形態1では、従業員カードとその他のカード(一般カード及び会員カード)を同一のカード管理データで管理する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。従業員カードと他のカードを別のデータで管理するよう構成することもできる。本変形例1では、従業員カードと他のカードを別のデータで管理することができる賞品交換システムについて説明する。
【0107】
<変形例1に係る管理装置90の構成>
本変形例1に係る管理装置90の構成について説明する。
図9は、本変形例1に係る管理装置90の構成を示す機能ブロック図である。なお、
図6に示した管理装置50と同様の機能部についての説明は省略する。
【0108】
図9に示すように、管理装置90は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部95及び制御部96を有する。
【0109】
記憶部95は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c及び従業員カードデータ95dを記憶する。従業員カードデータ95dは、従業員カードのカードIDに持玉及び持メダルの残高等を関連付けたデータである。
【0110】
制御部96は、管理装置90の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、モード制御部56d、賞品交換規制部56e及び従業員カード管理部96fを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、モード制御部56d、賞品交換規制部56e及び従業員カード管理部96fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0111】
従業員カード管理部96fは、従業員カードデータ95dを管理する処理部である。従業員カード管理部96fは、管理メダルユニット10から従業員カードに係るカード挿入通知データを受信した場合には、従業員カードデータ95dを用いて該カードに関連づけられた持メダルの残高を通知する。
【0112】
また、従業員カード管理部96fは、管理メダルユニット10から従業員カードに係る持メダル加算要求データを受信した場合には、この持メダル加算要求データに含まれるカードID及び持メダルの残高を用いて、従業員カードデータ95dを更新する。
【0113】
次に、
図9に示した管理装置90の記憶部95が記憶するデータの具体例について説明する。
図10は、
図9に示した従業員カードデータ95dの一例を示す図である。
【0114】
図10に示す従業員カードデータ95dは、カードID「9001」に対して、持玉として、玉1の持玉の残高が「0」玉であり、玉2の持玉の残高が「0」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉であり、持メダルとして、メダル1の持メダルの残高が「350」枚であり、メダル2の持メダルの残高が「200」枚であり、メダル3の持メダルの残高が「0」枚である状態を対応付けている。
【0115】
上述してきたように、本変形例1に係る賞品交換システムでは、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収し、従業員カードのデータと他のカードのデータを別管理するよう構成したので、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することができる。
【0116】
[変形例2]
ところで、上記の実施形態1では、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収し、回収した全ての価値に対して賞品交換を禁止する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収する際に、賞品交換の可否を設定して回収するよう構成することもできる。本変形例2では、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収する際に、賞品交換の可否を設定して回収することができる賞品交換システムについて説明する。
【0117】
<変形例2に係る賞品交換システムの概要>
本変形例2に係る賞品交換システムの概要について説明する。
図11は、本変形例2に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【0118】
図11に示すように、本変形例2に係る賞品交換システムでは、遊技客の遊技中において管理スロット機20に残メダルがある場合に、従業員が管理メダルユニット100に従業員カードを挿入したならば、遊技客がメダル数を指定する操作を行うことにより、この従業員カードに指定したメダル数が紐付けられる。なお、本変形例2の従業員カードには残メダルとワゴンや専用カウンタで交換可能なコーヒー等の一般賞品とを交換するために用いるカード(所謂、ワゴンカード)も含まれる。
【0119】
この従業員カードを用いて、賞品管理装置60での賞品交換処理が許可される。このことにより、遊技中の遊技客に賞品交換を依頼された従業員は、遊技客に代わって賞品交換を行うことができる。なお、従業員カードに残メダル数を紐付ける際に、遊技客によるメダル数の指定操作がない場合には、紐付けられた残メダル数を用いた賞品交換は禁止される。なお、遊技客によるメダル数の指定操作はメダル枚数を遊技客が入力する形態に限定されず、例えば交換したい賞品の選択操作により自動的にメダル枚数が換算されてもよいし、従業員カードに残メダル数を紐付けることについて許可する操作(許可釦の押下等)だけでもよい。
【0120】
上述してきたように、本変形例2に係る賞品交換システムでは、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収する際に、賞品交換の可否を設定して回収するよう構成したので、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止しつつ、一方で、例えば管理スロット機に残った残メダルを用いて一般賞品を交換したいといった遊技客の要望に柔軟に対応することが可能となるといった効果を奏する。
【0121】
[変形例3]
ところで、上記の実施形態1では、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。従業員によるリモコン操作により、管理スロット機に残った残メダルを一般カードに紐付けて回収するよう構成することもできる。本変形例3では、従業員によるリモコン操作により、管理スロット機に残った残メダルを一般カードに紐付けて回収することができる賞品交換システムについて説明する。
【0122】
<変形例3に係る賞品交換システムの概要>
本変形例3に係る賞品交換システムの概要について説明する。
図12は、本変形例3に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【0123】
図12に示すように、本変形例3に係る賞品交換システムでは、遊技客の遊技終了後において管理スロット機20に残メダルがある場合に、従業員がリモコン240の強制カード回収ボタンを押下したならば、管理メダルユニット200は、自装置内に保管している一般カードに残メダル数を紐付けて排出する。なお、指示する端末はリモコン240に限定されず、タブレットや携帯電話、ウェアラブルデバイスなど従業員が携帯可能な端末であればよい。
【0124】
この一般カードを用いて、賞品管理装置260で賞品交換をしようとしても、賞品交換は禁止される。なお、賞品管理装置260は残メダル数が紐付けられた複数の一般カードの合算処理を禁止/許可設定できるようにしてもよい。
【0125】
上述してきたように、本変形例3に係る賞品交換システムでは、従業員によるリモコン操作により、管理スロット機に残った残メダルを一般カードに紐付けて回収するよう構成したので、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止することができる。
【0126】
なお、上記の変形例3では、従業員によるリモコン操作により、管理スロット機20に残った残メダルを一般カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。従業員がリモコンの強制カード回収ボタンを押下しても、管理スロット機の残メダルが予め設定された枚数以上であれば、管理メダルユニットが一般カードに残メダル数を紐付けて排出することを禁止するよう構成することもできる。これにより、敢えて管理スロット機にメダルを残してトイレや喫煙等で離席した遊技客の残メダルを従業員が誤って回収してしまうことを防止することが可能となる。
【0127】
また、上記の変形例3では、従業員によるリモコン操作により、管理スロット機20に残った残メダルを一般カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。従業員がリモコンの強制カード回収ボタンを押下した際に、管理メダルユニットと通信可能に接続された遊技客の携帯端末に回収操作が行われたことを示す情報を通知(アプリによる通知、メール、電話等)するよう構成することもできる。また、通知された情報内に回収許可の釦を準備し、遊技客が許可操作をした場合、管理メダルユニットが、自装置内に保管している一般カードに残メダル数を紐付けて排出するよう構成することもできる。これにより、敢えて管理スロット機にメダルを残してトイレや喫煙等で離席した遊技客の残メダルを従業員が誤って回収してしまうことを防止することが可能となる。
【0128】
また、上記の変形例3では、従業員によるリモコン操作により、管理スロット機20に残った残メダルを一般カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。従業員がリモコンの強制カード回収ボタンを押下しても、管理メダルユニット内に貯留されている一般カードが所定枚数以下である場合、管理メダルユニットが一般カードに残メダル数を紐付けて排出することを禁止して、従業員カードの挿入を要求の画面表示する制御を行うよう構成することもできる。これにより、管理メダルユニット内に貯留されている一般カードの枚数が少ない状況では従業員カードに紐付けて排出するなど、管理メダルユニット内のカード貯留枚数に応じた最適なカード排出処理を可能とする。なお、管理メダルユニット内に貯留されている一般カードが所定枚数以下である場合、従業員カードの挿入を要求の画面表示に限定されるものではなく、管理装置へ残メダルを自動的に回収させるように表示してもよい。
【0129】
また、上記の変形例3では、従業員によるリモコン操作により、管理スロット機20に残った残メダルを一般カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理メダルユニットがこの一般カードが挿入されて再度遊技しようとしても、強制回収されたカードと判定して受付を禁止し、カード返却処理するよう構成することもできる。
【0130】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理メダルユニットや台間カード処理機等の台間ユニットにどのようなタイプの紙幣処理装置(以下、「BV」と言う)が接続されているかを自動的に特定するよう構成することもできる。本実施形態2では、管理メダルユニットや台間カード処理機等の台間ユニットにどのようなタイプのBVが接続されているかを自動的に特定することができる賞品交換システムについて説明する。
【0131】
<実施形態2に係る賞品交換システムの概要>
本実施形態2に係る賞品交換システムの概要について説明する。
図13は、本実施形態2に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【0132】
図13に示すように、本実施形態2に係る賞品交換システムでは、BVから送信される接続信号を台間ユニット300が受信することにより、接続されたBVがどのようなタイプの装置かを自動的に特定する。
【0133】
例えば、BVには、パチンコ搬送型BV310、パチンコスタック型BV320、スロット搬送型ショートBV330及びスロット搬送型ロングBV340のタイプがある。台間ユニット300は、接続されたBVの接続信号を受信することにより、どのタイプのBVが接続されたかを特定する。
【0134】
なお、台間ユニット300にBVが接続されない場合は、接続信号を受信することができないため、上記の各タイプのBV接続時の断線と判定される懸念がある。しかしながら、台間ユニット300にBVが接続されない場合は、紙幣の取り扱いに関して券売機運用が行われるため、賞品交換システムにおいて券売機運用の設定がなされる。この券売機運用設定及び接続信号なしの双方を検知することにより、台間ユニット300にBVが接続されていないことを特定する。
【0135】
上述してきたように、本実施形態2に係る賞品交換システムでは、管理メダルユニットや台間カード処理機等の台間ユニットにどのようなタイプのBVが接続されているかを自動的に特定するよう構成したので、従業員によるBVの設定作業の簡素化及び設定ミスを防止することができる。
【0136】
なお、上記の実施形態2では、台間ユニットにどのようなタイプのBVが接続されているかを自動的に特定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。台間ユニットに接続される管理遊技機の種別(管理スロット機又はスマートパチンコ)の特定及びこの種別特定による台間ユニットのスマパチ運用区別を自動的に特定するよう構成することもできる。また、BVのタイプ特定、管理遊技機の種別特定及び台間ユニットのスマパチ運用区別の特定を上位機で合わせて管理することにより、遊技玉・メダルの種別等の設定を自動的に設定できるよう構成することもできる。また、管理遊技機の種別変更等による遊技玉・メダルの種別等の設定変更を、遊技情報を管理するセンターに通知することにより、このセンターにおける遊技情報の集計方法等を自動的に変更できるよう構成することもできる。
【0137】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1では、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技客が、他の遊技客が遊技している管理メダルユニットに間違えて入金した場合に、この管理メダルユニットが管理するプリペイド価値を2枚のカードに分割して返却するよう構成することもできる。本実施形態3では、遊技客が、他の遊技客が遊技している管理メダルユニットに間違えて入金した場合に、この管理メダルユニットが管理するプリペイド価値を2枚のカードに分割して返却することができる賞品交換システムについて説明する。
【0138】
<実施形態3に係る賞品交換システムの概要>
本実施形態3に係る賞品交換システムの概要について説明する。
図14は、本実施形態3に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【0139】
図14に示すように、本実施形態3に係る賞品交換システムでは、遊技客Bが遊技している管理メダルユニット400aに対して、遊技客Aが間違えて入金した場合には、従業員がリモコン440を用いて管理メダルユニット400aに分割処理を指示する。なお、指示する端末はリモコン440に限定されず、タブレットや携帯電話、ウェアラブルデバイスなど従業員が携帯可能な端末であればよい。
【0140】
管理メダルユニット400aは、分割処理の指示を受信することにより、自装置が管理するプリペイド価値を2つに分割して2枚のカードに紐付けて、この2枚のカードを返却する。例えば、カードAに1000円分の価値を、カードBに3000円分の価値を紐付けて返却する。なお、分割して返却する形態はカードに限定されるものではなく、コインやICスティックなどでもよく、例えば遊技客が所持する携帯端末に対してプリペイド価値を返却する形態であってもよい。
【0141】
上述してきたように、本実施形態3に係る賞品交換システムでは、遊技客が、他の遊技客が遊技している管理メダルユニットに間違えて入金した場合に、この管理メダルユニットが管理するプリペイド価値を2枚のカードに分割して返却するよう構成したので、誤入金に対する対応時間を短縮できるとともに、従業員の負担を軽減することができる。
【0142】
なお、上記の実施形態3では、遊技客が、他の遊技客が遊技している管理メダルユニットに間違えて入金した場合に、この管理メダルユニットが管理するプリペイド価値を2枚のカードに分割して返却する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技客が、遊技中の管理メダルユニットに対して所定の操作を行うことにより、この管理メダルユニットが管理するプリペイド価値を2枚のカードに分割して返却するよう構成することもできる。これにより、効果の一例として周知な技術である持玉を2枚のカードに分割して返却する機能(所謂、持玉分割機能)では実現できない、家族、友人、知人といった第三者とのプリペイド価値の共有を可能とするといった効果を奏する。
【0143】
また、上記の実施形態3では、遊技客が、他の遊技客が遊技している管理メダルユニットに間違えて入金した場合に、この管理メダルユニットが管理するプリペイド価値を2枚のカードに分割して返却する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理メダルユニットが管理するプリペイド価値を2つに分割し、その一方の価値をカードに紐付けて返却し、残りの価値はそのまま管理メダルユニットが管理するよう構成することもできる。
【0144】
[実施形態4]
ところで、上記の実施形態1では、管理スロット機に残った残メダルを従業員カードに紐付けて回収する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理メダルユニットが左右どちらの管理スロット機に対応付けられているかを表示するよう構成することもできる。本実施形態4では、管理メダルユニットが左右どちらの管理スロット機に対応付けられているかを表示することができる賞品交換システムについて説明する。
【0145】
<実施形態4に係る賞品交換システムの概要>
本実施形態4に係る賞品交換システムの概要について説明する。
図15は、本実施形態4に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【0146】
図15(a)に示すように、従来の賞品交換システムでは、管理メダルユニット10が左右どちらの管理スロット機20に対応付けられているかを表示することはできない。
【0147】
図15(b)に示すように、本実施形態4に係る賞品交換システムでは、管理メダルユニット500が左右どちらの管理スロット機20に対応付けられているかを表示することができる。例えば、管理メダルユニット500は、「本ユニットに対応する遊技機はことらです」と表示するとともに、右向きの矢印を表示する。このことにより、管理メダルユニット500が右側の管理スロット機20に対応付けられていることが分かる。
【0148】
上述してきたように、本実施形態4に係る賞品交換システムでは、管理メダルユニットが左右どちらの管理スロット機に対応付けられているかを表示するよう構成したので、通常時とは異なる位置に管理メダルユニットが設置された場合に、遊技客による誤入金を防止することができる。なお、表示する装置は管理メダルユニットに限定されるものでなく、管理スロット機の近傍に設けられたデータランプ等の表示機能を有した装置であればよい。
【0149】
なお、上記の実施形態4では、管理メダルユニットが左右どちらの管理スロット機に対応付けられているかを表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。通常とは逆側に管理メダルユニットが設置されている場合に、この管理メダルユニットに対応する管理スロット機においてアウトが発生し続けている状況が生起したならば、この管理スロット機の反対側に設置されている管理メダルユニットへの入金を制御するよう構成することもできる。
【0150】
また、上記の実施形態4では、管理メダルユニットが左右どちらの管理スロット機に対応付けられているかを矢印で表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。対応付けられている管理スロット機の機種名称、使用されているキャラクター、台番号など対応付けられている管理スロット機を遊技客が判別可能であればどのような表示でも良い。
【0151】
また、上記の実施形態4では、管理メダルユニットが左右どちらの管理スロット機に対応付けられているかを管理メダルユニットの表示操作部に表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理メダルユニットが左右どちらの管理スロット機に対応付けられているかを音声出力案内や管理メダルユニットの本体に設けられたLED等の発光部材の変化により遊技客に報知するよう構成することもできる。
【0152】
また、上記の各実施形態では、遊技媒体としてメダルを用いる管理スロット機において、本発明を適用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体として遊技玉を用いるスマートパチンコにも適用するよう構成することもできる。
【0153】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明に係る賞品交換システム、管理装置及び賞品交換方法は、遊技店の従業員が遊技機から回収した遊技媒体数を用いて賞品交換を行う内部不正を防止する場合に適している。
【符号の説明】
【0155】
10 管理メダルユニット
12 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 カード挿入口
14a リーダライタ
15,16 通信部
17 記憶部
17a 自装置状態データ
17b カードIDデータ
17c 有価価値データ
18 制御部
18a データ管理部
18b メダル貸出処理部
18c 持メダル処理部
18d モード制御部
18e 残メダル回収部
20 管理スロット機
21、21a、21b、21c ドラム
22 遊技機管理メダル数表示部
23 マックスBETボタン
24 スタートレバー
25、25a、25b、25c ストップボタン
26 BET枚数表示部
27 計数ボタン
30 島コントローラ
50 管理装置
51 表示部
52 入力部
53 外部ネットワーク通信部
54 店舗ネットワーク通信部
55 記憶部
55a カード管理データ
55b 装置管理データ
55c 会員管理データ
56 制御部
56a カード管理部
56b 装置管理部
56c 会員管理部
56d モード制御部
56e 賞品交換規制部
60 賞品管理装置
70 精算機
90 管理装置
95 記憶部
95d 従業員カードデータ
96 制御部
96f 従業員カード管理部
100 管理メダルユニット
160 賞品管理装置
200 管理メダルユニット
240 リモコン
260 賞品管理装置
300 台間ユニット
310 パチンコ搬送型BV
320 パチンコスタック型BV
330 スロット搬送型ショートBV
340 スロット搬送型ロングBV
400a、400b 管理メダルユニット
440 リモコン
500 管理メダルユニット