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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025035231
(43)【公開日】2025-03-13
(54)【発明の名称】絶縁基板
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/335 20060101AFI20250306BHJP
【FI】
B41J2/335 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142148
(22)【出願日】2023-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 吾郎
【テーマコード(参考)】
2C065
【Fターム(参考)】
2C065GA01
2C065GB01
2C065JC02
(57)【要約】
【課題】セラミック基材の主面の外周縁部上におけるグレーズ層の盛り上がりを抑制することが可能な絶縁基板を提供する。
【解決手段】本開示の絶縁基板(100)は、主面(10a)を有しているセラミック基材(10)と、主面に形成されている複数の第1リブ(20)と、複数の第1リブを覆うように主面上に配置されているグレーズ層(30)とを備えている。複数の第1リブは、平面視において、第1方向(DR1)に沿って延在しており、かつ第1方向に直交する第2方向(DR2)に間隔を空けて並んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面を有するセラミック基材と、
前記主面に形成されている複数の第1リブと、
前記複数の第1リブを覆うように前記主面上に配置されているグレーズ層とを備え、
前記複数の第1リブは、平面視において、第1方向に沿って延在しており、かつ前記第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて並んでいる、絶縁基板。
【請求項2】
前記グレーズ層の厚さは、前記複数の第1リブの各々の高さの0.7倍以上1.0倍未満である、請求項1に記載の絶縁基板。
【請求項3】
前記グレーズ層の厚さは、100μm以上である、請求項1に記載の絶縁基板。
【請求項4】
前記主面に形成されている複数の第2リブをさらに備え、
前記複数の第1リブは、平面視において、前記第2方向に沿って延在しており、かつ前記第1方向に間隔を空けて並んでおり、
前記グレーズ層は、前記複数の第2リブをさらに覆っている、請求項1に記載の絶縁基板。
【請求項5】
前記複数の第1リブの各々の構成材料は、複数の粒子を含む焼結体である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の絶縁基板。
【請求項6】
前記複数の粒子の平均粒径は、1.0μm以下である、請求項5に記載の絶縁基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁基板に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2022-78607号公報(特許文献1)には、サーマルプリントヘッドが記載されている。特許文献1に記載のサーマルプリントヘッドは、絶縁基板を用いて形成されている。
【0003】
絶縁基板は、セラミック基材と、グレーズ層とを有している。セラミック基材は、主面を有している。グレーズ層は、主面上に配置されている。グレーズ層は、ガラスペーストを主面上に塗布するとともに、塗布されたペーストを焼成することで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-78607号公報 [概要] ガラスペーストを焼成する際、主面の外周縁部上にあるガラスペーストが乾燥されやすい。そのため、ガラスペーストが主面の外周縁部上に向かって流動し、主面の外周縁部上においてガラスペーストが盛り上がってしまう。その結果、ガラスペーストを焼成して形成されるグレーズ層も、主面の外周縁部上において盛り上がってしまう(コーヒーリング現象)。盛り上がって形成されたグレーズ層を含む絶縁基板の部分はサーマルプリントヘッドの形成に用いることが困難であるため、1枚の絶縁基板を用いて形成可能なサーマルプリントヘッドの取れ数が減少してしまう。
【0005】
本開示の絶縁基板は、主面を有するセラミック基材と、主面に形成されている複数の第1リブと、複数の第1リブを覆うように主面上に配置されているグレーズ層とを備える。複数の第1リブは、平面視において、第1方向に沿って延在しており、かつ第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて並んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】絶縁基板100の平面図である。
図2図1中のII-IIにおける断面図である。
図3】サーマルプリントヘッド200の平面図である。
図4図3中のIV-IVにおける断面図である。
図5図3中のV-Vにおける断面図である。
図6】絶縁基板100の製造工程図である。
図7】リブ形成工程S2を説明する断面図である。
図8】サーマルプリントヘッド200の製造工程図である。
図9】配線層形成工程S5を説明する断面図である。
図10】発熱体形成工程S7を説明する断面図である。
図11】絶縁基板100Aの平面図である。
図12図11中のXII-XIIにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[詳細な説明]
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0008】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る絶縁基板を説明する。第1実施形態に係る絶縁基板を、絶縁基板100とする。
【0009】
<絶縁基板100の構成>
以下に、絶縁基板100の構成を説明する。
【0010】
図1は、絶縁基板100の平面図である。図2は、図1中のII-IIにおける断面図である。図1及び図2に示されるように、絶縁基板100は、セラミック基材10と、複数のリブ20と、グレーズ層30とを有している。
【0011】
セラミック基材10は、主面10aと、主面10bとを有している。主面10a及び主面10bは、セラミック基材10の厚さ方向における端面である。主面10bは、主面10aの反対面である。セラミック基材10の構成材料の主成分は、例えば、アルミナ(Al)等のセラミックである。主成分とは、構成材料中の成分の50パーセント超を占めていることをいう。
【0012】
リブ20は、主面10a上に形成されている。リブ20は、平面視において、第1方向DR1に沿って延在している。平面視とは、主面10aの法線方向に沿って主面10a側から見た場合をいう。複数のリブ20は、平面視において、間隔を空けて第2方向DR2に並んでいる。第2方向DR2は、第1方向DR1に直交する方向である。隣り合う2つのリブ20の間の間隔は、例えば等間隔である。隣り合う2つのリブ20の間の間隔は、例えば、20mm以下である。隣り合う2つのリブ20の間の間隔の下限は、2つのリブ20を間隔を空けて形成可能である限り、特に限定されない。リブ20の第2方向DR2における幅は、例えば、500μm以下である。リブ20の第2方向DR2における幅の下限値は、リブ20を形成可能である限り、特に限定されない。
【0013】
リブ20の高さを、高さHとする。リブ20の構成材料の主成分は、例えばセラミックである。リブ20は、例えば、複数の粒子を含む焼結体で形成されている。リブ20を構成する焼結体に含まれている粒子は、セラミック粒子である。焼結体に含まれているセラミック粒子の構成材料は、セラミック基材10の構成材料と同一であってもよく、異なっていてもよい。焼結体に含まれている複数の粒子の平均粒径は、例えば、1μm以下である。焼結体に含まれている複数の平均粒径は、例えばレーザ回折・散乱法により測定される。
【0014】
グレーズ層30は、複数のリブ20を覆うように、主面10a上に配置されている。グレーズ層30の構成材料の主成分は、ガラスである。グレーズ層30の厚さを、厚さTとする。厚さTは、主面10aとグレーズ層30の表面との間の距離である。高さHは、厚さTの0.7倍以上1.0倍未満であることが好ましい。厚さTは、100μm以上、150μm以上又は200μm以上であることが好ましい。厚さTは、例えば、300μm以下である。
【0015】
<サーマルプリントヘッド200の構成>
以下に、サーマルプリントヘッド200の構成を説明する。
【0016】
絶縁基板100を用いて形成されたサーマルプリントヘッドを、サーマルプリントヘッド200とする。図3は、サーマルプリントヘッド200の平面図である。なお、図3中では、保護層60の図示が省略されている。図4は、図3中のIV-IVにおける断面図である。図5は、図3中のV-Vにおける断面図である。図3から図5に示されているように、サーマルプリントヘッド200は、絶縁基板100と、配線層40と、発熱体50と、保護層60とを有している。
【0017】
配線層40は、グレーズ層30上に配置されている。配線層40は、共通電極41と、複数の個別電極42とを有している。配線層40の構成材料の主成分は、例えば、金(Au)である。
【0018】
共通電極41は、帯状部41aと、複数の突出部41bとを有している。帯状部41aは、平面視において、第1方向DR1に沿って延在している。複数の突出部41bは、間隔を空けて第1方向DR1に並んでいる。突出部41bは、帯状部41aから第2方向DR2に沿って突出している。個別電極42は、一方端部において先端部42aを有している。先端部42aは、平面視において第2方向DR2に沿って延在している。突出部41b及び先端部42aは、第1方向DR1において交互に並んでいる。個別電極42は、他方端部においてボンディングパッド42bを有している。
【0019】
図示されていないが、サーマルプリントヘッド200は、さらに、第1配線と第2配線とを有している。第1配線は、主としてグレーズ層30上に配置されており、共通電極41に電気的に接続されている。第2配線は、第1配線上に配置されている。第1配線及び第2配線は、例えば、銀(Ag)粒子を含む焼結体で形成されている。
【0020】
発熱体50は、平面視において第1方向DR1に沿って延在している。発熱体50は、突出部41b及び先端部42aと重なりながら、グレーズ層30上に配置されている。発熱体50は、例えば、ガラス及びガラス中に含まれている導電粒子で構成されている。導電粒子は、例えば、酸化ルテニウム(RuO)で形成されている。隣り合う突出部41b及び先端部42aは、発熱体50により、互いに電気的に接続されている。
【0021】
保護層60は、配線層40、第1配線、第2配線及び発熱体50を覆うようにグレーズ層30上に配置されている。保護層60には、開口部61が形成されている。開口部61からは、ボンディングパッド42bが露出している。保護層60の構成材料の主成分は、例えばガラスである。
【0022】
共通電極41には、固定電位が印加される。複数の個別電極42の各々には、ドライバICから選択的に電位が印加される。そのため、選択的に電位が印加されている1つの個別電極42の先端部42aと当該1つの個別電極42の先端部42aに隣り合う突出部41bとの間を接続している発熱体50は、通電されて発熱する。この熱が紙に伝わることにより、当該紙に対する印字が行われる。
【0023】
<絶縁基板100の製造方法>
以下に、絶縁基板100の製造方法を説明する。
【0024】
図6は、絶縁基板100の製造工程図である。図6に示されているように、絶縁基板100の製造方法は、準備工程S1と、リブ形成工程S2と、グレーズ層形成工程S3とを有している。リブ形成工程S2は、準備工程S1の後に行われる。グレーズ層形成工程S3は、リブ形成工程S2の後に行われる。
【0025】
準備工程S1では、セラミック基材10が準備される。図7は、リブ形成工程S2を説明する断面図である。図7に示されているように、リブ形成工程S2では、リブ20が形成される。リブ形成工程S2では、第1に、主面10a上にリブ20を構成する粒子を含むペーストが塗布されるとともに、当該ペーストが乾燥される。この塗布及び乾燥の工程は、複数回繰り返されることが好ましい。第2に、主面10a上に配置されているペーストが焼成される。これにより、リブ20が形成される。なお、高さHは、上記の塗布及び乾燥の工程を複数回繰り返すことにより、大きくなる。上記の塗布は、印刷により行われてもよく、ディスペンサを用いて行われてもよい。
【0026】
グレーズ層形成工程S3では、グレーズ層30が形成される。グレーズ層30は、ガラスを含むペーストをリブ20を覆うように主面10a上に塗布するとともに塗布されたペーストを焼成することにより形成される。以上により、図1及び図2に示されている構造を有する絶縁基板100が形成される。
【0027】
<サーマルプリントヘッド200の製造方法>
以下に、サーマルプリントヘッド200の製造方法を説明する。
【0028】
図8は、サーマルプリントヘッド200の製造工程図である。図8に示されているように、サーマルプリントヘッド200の製造方法は、準備工程S4と、配線層形成工程S5と、第1配線形成工程S6と、発熱体形成工程S7と、第2配線形成工程S8と、保護層形成工程S9と、個片化工程S10とを有している。配線層形成工程S5は、準備工程S4の後に行われる。第1配線形成工程S6は、配線層形成工程S5の後に行われる。発熱体形成工程S7は、第1配線形成工程S6の後に行われる。第2配線形成工程S8は、発熱体形成工程S7の後に行われる。保護層形成工程S9は、第2配線形成工程S8の後に行われる。個片化工程S10は、保護層形成工程S9の後に行われる。
【0029】
準備工程S4では、絶縁基板100が準備される。図9は、配線層形成工程S5を説明する断面図である。図9に示されているように、配線層形成工程S5では、配線層40が形成される。配線層形成工程S5では、第1に、配線層40の構成材料を含むレジネートペーストがグレーズ層30上に塗布される。第2に、塗布されたレジネートペーストを焼成することにより、金属層が形成される。第3に、金属層上に、レジストパターンが形成される。レジストパターンは、金属層上にフォトレジストを塗布するとともに、塗布されたフォトレジストを露光及び現像することにより形成される。第4に、レジストパターンをマスクとして、金属層に対するエッチングが行われる。これにより、金属層がパターンニングされ、配線層40となる。
【0030】
第1配線形成工程S6では、第1配線が形成される。第1配線は、複数の銀粒子を含む導電性ペーストを塗布するとともに塗布された導電性ペーストを焼成することにより形成される。図10は、発熱体形成工程S7を説明する断面図である。図10に示されているように、発熱体形成工程S7では、発熱体50が形成される。発熱体形成工程S7では、第1に、ガラス及び酸化ルテニウム粒子を含む導電性ペーストが塗布される。第2に、塗布された導電性ペーストが焼成されることにより、発熱体50となる。
【0031】
第2配線形成工程S8では、第2配線が形成される。第2配線は、複数の銀粒子を含む導電性ペーストを塗布するとともに塗布された導電性ペーストを焼成することにより形成される。保護層形成工程S9では、保護層60が形成される。保護層60は、ガラスを含むペーストを塗布するとともに、塗布されたペーストを焼成することにより形成される。個片化工程S10では、例えばレーザ光の照射により、サーマルプリントヘッド200の境界に沿って絶縁基板100が切断される。以上により、図3から図5に示される構造を有する複数のサーマルプリントヘッド200が得られる。
【0032】
<絶縁基板100の効果>
以下に、絶縁基板100の効果を説明する。
【0033】
グレーズ層30は、ガラスを含むペーストを主面10a上に塗布するとともに、塗布されたガラスを焼成することにより形成される。塗布されたペーストは、主面10aの外周縁部上において乾燥されやすく、当該外周縁部の周囲にあるペーストが当該外周縁部上に向かって流動する。その結果、グレーズ層30は、主面10aの外周縁部上において、盛り上がるコーヒーリング現象が生じる。このようなグレーズ層30の盛り上がりは、厚さTが大きくなるほど顕著になる。例えば厚さTが200μmのグレーズ層30を形成する場合、リブ20がなければ、主面10aの外周縁部上におけるグレーズ層30の隆起高さは、50μmを超えることがある。グレーズ層30が盛り上がってしまった部分にはサーマルプリントヘッド200を形成し難く、1枚の絶縁基板100から得られるサーマルプリントヘッド200の取れ数が減少してしまう。
【0034】
この点、絶縁基板100では主面10a上にリブ20が形成されているため、主面10a上に塗布されたペーストがリブ20により区画されており、コーヒーリング現象に寄与するペーストの体積が減少する。その結果、絶縁基板100では、主面10aの外主縁部上におけるグレーズ層30の盛り上がりを抑制することが可能であり、ひいては1枚の絶縁基板100から得られるサーマルプリントヘッド200の取れ数を増加させることが可能である。
【0035】
高さHが厚さTと比較して小さすぎると、塗布されたペーストがリブ20を超えて流動してしまうことがある。そのため、高さHを厚さTの0.7倍以上1.0倍未満とすることにより、グレーズ層30の盛り上がりをより確実に抑制することが可能である。なお、リブ20が複数の粒子を含む焼結体で構成されている場合、そのような粒子を含むペーストの塗布及び乾燥を繰り返すことにより、容易に高さHを調整することが可能である。また、そのような粒子の平均粒径が1.0μm以下である場合、リブ20を形状精度良く形成することが可能である。
【0036】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る絶縁基板を説明する。第2実施形態に係る絶縁基板を、絶縁基板100Aとする。ここでは、絶縁基板100Aと異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0037】
<絶縁基板100Aの構成>
以下に、絶縁基板100Aの構成を説明する。
【0038】
図11は、絶縁基板100Aの平面図である。図12は、図11中のXII-XIIにおける断面図である。図11及び図12に示されているように、絶縁基板100Aは、セラミック基材10と、リブ20と、グレーズ層30とを有している。この点に関して、絶縁基板100Aの構成は、絶縁基板100の構成と共通している。
【0039】
絶縁基板100Aは、さらに、複数のリブ21を有している。この点に関して、絶縁基板100Aの構成は、絶縁基板100の構成と共通している。リブ21は、平面視において、第2方向DR2に沿って延在している。つまり、リブ21は、平面視において、リブ20と交差している。複数のリブ21は、平面視において、間隔を空けて第1方向DR1に並んでいる。平面視おける延在方向及び配列方向以外に関して、リブ21の構成は、リブ20の構成と同様である。隣り合う2つのリブ21の間の間隔は、例えば、20mm以下である。隣り合う2つのリブ21の間の間隔の下限は、2つのリブ21を間隔を空けて形成可能である限り、特に限定されない。リブ21の第1方向DR1における幅は、例えば、500μm以下である。リブ21の第1方向DR1における幅の下限値は、リブ21を形成可能である限り、特に限定されない。
【0040】
<絶縁基板100Aの製造方法>
以下に、絶縁基板100Aの製造方法を説明する。
【0041】
絶縁基板100Aの製造方法は、準備工程S1と、リブ形成工程S2と、グレーズ層形成工程S3とを有している点に関して、絶縁基板100の製造方法と共通している。リブ形成工程S2においてリブ21もリブ20と同様に形成される点に関して、絶縁基板100Aの製造方法は、絶縁基板100の製造方法と異なっている。
【0042】
<絶縁基板100Aの効果>
以下に、絶縁基板100Aの効果を説明する。
【0043】
絶縁基板100Aでは、主面10aに、リブ20に加えてリブ21が形成されている。そのため、絶縁基板100Aでは、第2方向DR2に沿ったペーストの流動のみならず、第1方向DR1に沿ったペーストの流動も抑制されるため、主面10aの外周縁部上におけるグレーズ層30の盛り上がりをさらに抑制することが可能である。
【0044】
(付記)
本開示の実施形態には、以下の構成が含まれている。
【0045】
<付記1>
主面を有するセラミック基材と、
前記主面に形成されている複数の第1リブと、
前記複数の第1リブを覆うように前記主面上に配置されているグレーズ層とを備え、
前記複数の第1リブは、平面視において、第1方向に沿って延在しており、かつ前記第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて並んでいる、絶縁基板。
【0046】
<付記2>
前記グレーズ層の厚さは、前記複数の第1リブの各々の高さの0.7倍以上1.0倍未満である、付記1に記載の絶縁基板。
【0047】
<付記3>
前記グレーズ層の厚さは100μm以上である、付記1又は付記2に記載の絶縁基板。
【0048】
<付記4>
前記主面に形成されている複数の第2リブをさらに備え、
前記複数の第1リブは、平面視において、前記第2方向に沿って延在しており、かつ前記第1方向に間隔を空けて並んでおり、
前記グレーズ層は、前記複数の第2リブをさらに覆っている、付記1から付記3のいずれか1項に記載の絶縁基板。
【0049】
<付記5>
前記複数の第1リブの各々の構成材料は、複数の粒子を含む焼結体である、付記1から付記4のいずれか1項に記載の絶縁基板。
【0050】
<付記6>
前記複数の粒子の平均粒径は、1.0μm以下である、付記5に記載の絶縁基板。
【0051】
以上のように本開示の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0052】
100,100A 絶縁基板、10 セラミック基材、10a,10b 主面、20,21 リブ、30 グレーズ層、40 配線層、41 共通電極、41a 帯状部、41b 突出部、42 個別電極、42a 先端部、42b ボンディングパッド、50 発熱体、60 保護層、61 開口部、200 サーマルプリントヘッド、DR1 第1方向、DR2 第2方向、H 高さ、S1 準備工程、S2 リブ形成工程、S3 グレーズ層形成工程、S4 準備工程、S5 配線層形成工程、S6 第1配線形成工程、S7 発熱体形成工程、S8 第2配線形成工程、S9 保護層形成工程、S10 個片化工程、T 厚さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12