(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025035689
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】薬剤搬送払出装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20250307BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142907
(22)【出願日】2023-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100204456
【弁理士】
【氏名又は名称】調 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】大村 義人
(72)【発明者】
【氏名】大ヶ谷 俊治
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ01
4C047JJ06
4C047JJ12
4C047JJ15
4C047JJ31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大容量の錠剤カセットを搭載可能にすることで、補充の手間を減らした薬剤搬送払出装置を提供する。
【解決手段】薬剤搬送払出装置は、少なくとも2つの第1収容棚200が互いに背面合わせに配置され、第1収容棚よりも薬剤搬送払出装置の正面側に位置し、薬剤搬送払出装置の正面側に向かって引き出し可能な格納部140と、格納部に取り付け可能であってカセットとは形状が異なる大容量カセット40と、格納部から薬剤搬送経路へ向かって錠剤落下経路を構成するシューター部144と、を有し、薬剤搬送経路210は、薬剤を前記第1収容棚の下方へ案内して落下させる上部錠剤収集機構204と、上部錠剤収集機構の下部に互いに平行に配置された2本の搬送コンベア212と、搬送コンベアのそれぞれに取り付けられた複数の薬剤容器211と、を有する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が収容されるカセットを把持して搬送可能な搬送部と、
前記カセットをカセットベースに取り付ける形で複数台保管可能であって、保管された前記カセットから前記薬剤を払い出し可能な第1収容棚と、
前記カセットを複数台保管可能な第2収容棚と、
第1収容棚から払い出された前記薬剤を包装するための包装装置と、
前記第1収容棚と前記包装装置までを結ぶ薬剤搬送経路と、を有する薬剤搬送払出装置であって、
少なくとも2つの前記第1収容棚が互いに背面合わせに配置され、
前記第1収容棚よりも前記薬剤搬送払出装置の正面側に位置し、当該薬剤搬送払出装置の正面側に向かって引き出し可能な格納部と、前記格納部に取り付け可能であって前記カセットとは形状が異なる大容量カセットと、前記格納部から前記薬剤搬送経路へ向かって錠剤落下経路を構成するシューター部と、を有し、
前記薬剤搬送経路は、前記薬剤を前記第1収容棚の下方へ案内して落下させる上部錠剤収集機構と、前記上部錠剤収集機構の下部に互いに平行に配置された2本の搬送コンベアと、前記搬送コンベアのそれぞれに取り付けられた複数の薬剤容器と、を有し、
前記シューター部は、2つの前記搬送コンベアのそれぞれに向けて前記格納部から前記大容量カセット内に保持された薬剤を払い出し可能に接続されるとともに、前記第1収容棚から払い出された薬剤と、前記格納部から払い出された薬剤とが同一の前記薬剤容器に投入されるように制御され、
前記包装装置は、前記2本の搬送コンベアから運ばれてくるそれぞれの薬剤を包装紙に形成された区画内へと収めるためにホッパーを2つ以上備えたことを特徴とする薬剤搬送払出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤搬送払出装置であって、
前記格納部は、前記格納部を支持する底面とともに正面側に向かって引き出し可能であって、前記底面は引き出すことで作業台として利用可能であることを特徴とする薬剤搬送払出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の薬剤搬送払出装置であって、
前記格納部は、上下2段に前記大容量カセットを配置可能であることを特徴とする薬剤搬送払出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置を備えた薬剤搬送払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体に錠剤を収容し、容器の中で軸回転するローターと、ローターの回転軸とを備え、回転軸が回転させられるとローターが追従して回転することで容器から錠剤を逐次排出するカセットと、処方箋データに従ってカセットから1錠ずつ払い出された錠剤を分包する包装装置とを備えた錠剤分包機が広く知られている(例えば特許文献1等参照)。
こうした錠剤分包機において、カセットが用意されていない錠剤や、逐次排出が難しい薬剤も、同様に包装装置において分包するために、手撒き機構が別途設けられたものが知られている(例えば特許文献2等参照)。
【0003】
こうした錠剤カセットを用いた構成において、大量に消費するような錠剤に関しては、空カセットへの補充の頻度が増大してしまい、補充に取られる時間分だけ錠剤分包機の動作時間が減少してしまうという問題が知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-022428号公報
【特許文献2】WO2018/092771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる技術的課題を解決するためのものであり、大容量の錠剤カセットを搭載可能にすることで、補充の手間を減らした新規な薬剤搬送払出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような課題を解決するべく、本発明の薬剤搬送払出装置は、薬剤が収容されるカセットを把持して搬送可能な搬送部と、前記カセットをカセットベースに取り付ける形で複数台保管可能であって、保管された前記カセットから前記薬剤を払い出し可能な第1収容棚と、前記カセットを複数台保管可能な第2収容棚と、第1収容棚から払い出された前記薬剤を包装するための包装装置と、前記第1収容棚と前記包装装置までを結ぶ薬剤搬送経路と、を有する薬剤搬送払出装置であって、少なくとも2つの前記第1収容棚が互いに背面合わせに配置され、前記第1収容棚よりも前記薬剤搬送払出装置の正面側に位置し、当該薬剤搬送払出装置の正面側に向かって引き出し可能な格納部と、前記格納部に取り付け可能であって前記カセットとは形状が異なる大容量カセットと、前記格納部から前記薬剤搬送経路へ向かって錠剤落下経路を構成するシューター部と、を有し、前記薬剤搬送経路は、前記薬剤を前記第1収容棚の下方へ案内して落下させる上部錠剤収集機構と、前記上部錠剤収集機構の下部に互いに平行に配置された2本の搬送コンベアと、前記搬送コンベアのそれぞれに取り付けられた複数の薬剤容器と、を有し、前記シューター部は、2つの前記搬送コンベアのそれぞれに向けて前記格納部から前記大容量カセット内に保持された薬剤を払い出し可能に接続されるとともに、前記第1収容棚から払い出された薬剤と、前記格納部から払い出された薬剤とが同一の前記薬剤容器に投入されるように制御され、前記包装装置は、前記2本の搬送コンベアから運ばれてくるそれぞれの薬剤を包装紙に形成された区画内へと収めるためにホッパーを2つ以上備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、大容量の錠剤カセットを搭載可能にすることで、補充の手間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】薬剤搬送払出装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示した薬品搬送払出装置の構成の一例を示す側面図である。
【
図3】薬剤搬送払出装置の構成の一例を示す正面図である。
【
図4】薬剤搬送払出装置に搭載されるカセットの構成の一例を示す図である。
【
図5】カセットの入出庫を行う入庫搬送部と出庫搬送部の構成の一例を示す図である。
【
図6】入庫搬送部におけるカセットの入庫動作の一例を示す図である。
【
図7】入庫搬送部におけるカセットの入庫動作の他の一例を示す図である。
【
図8】
図6に示した入庫動作において、失敗例を示す図である。
【
図9】入庫するカセットの間隔を調整するための間隔調整部の構成の一例を示す図である。
【
図10】
図9に示した間隔調整部の動作の一例を示す図である。
【
図11】カセットを搬送するための搬送部の構成の一例を示す図である。
【
図12】搬送部においてカセットを把持するための構成の一例を示す図である。
【
図13】本発明における第2収容棚の構成の一例を示す図である。
【
図14】本発明における第1収容棚の構成の一例を示す図である。
【
図15】第1収容棚と格納部との構成の一例を示す図である。
【
図16】
図15に示した格納部とシューター部の構成の一例を示す図である。
【
図17】本発明の包装装置の構成の一例を示す図である。
【
図19】本発明の包装装置の構成の一例を示す正面図である。
【
図20】分包される薬剤の位置と、その時の包装紙の位置との対応関係の一例を模式的に示す図である。
【
図21】
図20と同様の図面を、薬剤搬送払出装置の左側のコンベア装置から見た図である。
【
図22】本発明におけるコンベア装置の構成の一例を示す図である。
【
図23】本発明の格納部の動作の一例を示す図である。
【
図24】
図23から格納部を引き出したときの動作を示す図である。
【
図25】本発明における大容量カセットの構成の一例を示す図である。
【
図26】本発明における大容量カセットと専用ベースの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で述べる図面において、各方向は
図1に示すようなXYZの3軸直交座標系に沿って説明するが、かかる構成に限定されるものではない。
【0010】
図1には、本発明の実施形態として、薬剤搬送払出装置500の右上方向からの斜視図が示されている。
薬剤搬送払出装置500は、操作者が立つ前面側である+Z方向側から-Z方向側に向かって順に、包装装置130を下部に備えた前面ユニット100と、錠剤カセット20を複数台保管可能であって、錠剤カセット20から錠剤を払い出し可能な第1収容棚であるコレクタ棚200と、錠剤カセット20を載置可能な第2収容棚であるストレージ棚300と、電装系の動力を担う動力ユニット400と、が並んで接続・配置された一連のユニットである。また薬剤搬送払出装置500は、その各部を制御するための中央計算部として、制御部550を有している。かかる制御部550は、薬剤搬送払出装置500の内部の何れかの位置に存在すれば良いが、本実施形態においては、薬剤搬送払出装置500の本体上部に配置されるものとして説明を行う。
なお、本実施形態において、薬剤搬送払出装置500の最も基本的な形態として、コレクタ棚200と、ストレージ棚300とを左右1対ずつ両方とも備える構成について述べるが、これらコレクタ棚200とストレージ棚300とは、何れも複数台備えていても良い。
【0011】
薬剤搬送払出装置500は、
図2に示すように、薬品を払い出すための錠剤カセット20を複数内部に保管しており、かかる錠剤カセット20を把持して搬送可能な搬送部である搬送アームユニット110を有している。
また、左右に配置されたコレクタ棚200は、互いに背中合わせとなるように、かつ搬送アームユニット110によって錠剤カセット20が取り出せるように棚側を外に向けて配置されている。これはストレージ棚300においても同様である。
搬送アームユニット110は、薬剤搬送払出装置500の両側面に1機ずつ1対で配置されており、何れも互いに独立してコレクタ棚200とストレージ棚300との外側を±Z方向及び±Y方向に移動することで、コレクタ棚200とストレージ棚300と前面ユニット100との間で錠剤カセット20を受け渡し可能とする搬送手段として機能する。
搬送アームユニット110は、Z方向に上下1対で張られた無端状ベルトであるレールユニット111に沿ってキャッチャユニット112が動作するとともに、上下方向であるY方向には、キャッチャユニット112がグリップユニット113を上下動させることによって、YZ平面を自在に動作する。
レールユニット111の中程には、
図2に示すように、中間ギア114が筐体に固定される形で設けられており、キャッチャユニット112が当接する側とは逆方向のレールユニット111をX方向に押圧することで、レールユニット111がZ方向に沿って直線的に延びるように、張力を維持している。
【0012】
前面ユニット100は、
図3に示すように、操作者が薬剤を手撒きする用に設けられた手撒き部120と、下部に配置された包装装置130と、大容量カセット40を格納するための格納部140と、を有している。
前面ユニット100は、錠剤カセット20を前面ユニット100の内部へと格納するための入庫搬送部150と、錠剤カセット20を前面ユニット100の前方から排出するための出庫搬送部160と、を有している。
ここで、入庫搬送部150と出庫搬送部160とは、前面ユニット100の中心線に対して線対称な位置にそれぞれ1対が左右対称に設けられており、入庫搬送部150の+Z方向側の端部には、載置した錠剤カセット20が手前側に落下しないように、仕切り壁101が設けられている。
【0013】
前面ユニット100には、タッチパネル式のモニタ102が設けられており、モニタ102を用いることで、薬剤搬送払出装置500の動作状態の確認や、操作を行うことが出来る。このようにモニタ102は、薬剤搬送払出装置500の操作手段と表示手段とを兼用可能である。
【0014】
次に本実施形態において薬剤を収容するためのカセットである錠剤カセット20の基本的な構造と動作について説明する。
錠剤カセット20は、
図4に示すように、ローター21と、錠剤を収容する容器の本体部22と、取っ手部分29と、蓋部23と、錠剤排出口24と、を備えた薬剤収容容器である。
錠剤カセット20は、コレクタ棚200に複数設けられたカセットベース30に基底部25が嵌合することで、ローター21の回転駆動並びに内部に収容された錠剤を1錠ずつ錠剤排出口24から排出可能である。
取っ手部分29は湾曲した薄板状の取っ手であり、操作者は、かかる取っ手部分29を把持して錠剤カセット20を容易に持ち運ぶことができる。
【0015】
カセットベース30には、下方から錠剤カセット20のローター21の下部と嵌合することで駆動力を伝達する伝達駆動部31を有しており、かかる伝達駆動部31がパルスモーターによって回転することで、ローター21も同期して回転する。
このときローター21の外周面には等ピッチで羽根状の隔壁26が多数形成されていて、かかる隔壁26によって区切られた各区画に錠剤が整列して入り込むことで、ローター21の回転と共に錠剤排出口24から1つずつ錠剤が排出される構造となっている。
このように、錠剤カセット20においてはローター21及び隔壁26によって区切られた空間が整列盤として機能し、ローター21が軸回転させられるとそれに随伴して隔壁26が軸回転することで、錠剤カセット20の本体部22から錠剤を逐次排出することができる。
【0016】
錠剤カセット20の基底部25には、内部に保管されている錠剤の種類を把握するために識別部材27が貼り付けられている。識別部材27は市販されている薄型のフレキシブルなRFIDタグ(Radio Frequency Identifier)が採用され、個々の錠剤カセット20に割り振った識別情報が予め書き込まれてデータ保持されている。
カセットベース30側には、その上面33にかかる識別部材27を認識するための識別部材センサ28が設けられており、かかる構成によってカセットベース30に嵌合している錠剤カセット20の識別が可能となっている。
錠剤カセット20の識別部材27と錠剤カセット20中に保管された薬剤との組み合わせは、制御部550が記憶しており、その情報は例えばモニタ102を介して確認可能である。
【0017】
図5には、
図3で示した前面ユニット100のうち、入庫搬送部150と出庫搬送部160との構成の一部を抜き出して示している。なお、入庫搬送部150及び出庫搬送部160は、何れも前面ユニット100に左右対称に2つ設けられているが、その構造は同様であるため、特に+X方向側に配置された入庫搬送部150及び出庫搬送部160について説明する。
【0018】
出庫搬送部160は、前面ユニット100の上方に取り付けられ、-Z方向に沿って巻きかけられた2本の無端状ベルトである出庫搬送ベルト161と、出庫搬送ベルト161を駆動するための駆動ローラ162と、で構成されたベルト式搬送手段として機能する。
出庫搬送部160は、出庫搬送ベルト161を回転させることで、出庫搬送ベルト161上に載置された錠剤カセット20を+Z方向へ向けて移動させることが可能である。
【0019】
本実施形態においては、出庫搬送部160は、出庫搬送ベルト161の搬送方向上流側である-Z方向側の端部に設けられた載置場所である出庫保管部164と、出庫管理センサ165と、出庫搬送ベルト161の後端部に取り付けられた終端位置検知センサ166と、を有している。
出庫保管部164上にキャッチャユニット112から錠剤カセット20が載置されると、出庫管理センサ165が錠剤カセット20の存在を検知して、出庫搬送ベルト161が+Z方向側へと回転されて錠剤カセット20が搬送される。
このように、出庫保管部164は、キャッチャユニット112の可動範囲内に設けられている。
【0020】
出庫管理センサ165は、出庫保管部164を斜めに横断するように照射光の光軸が調整された光検知センサである。出庫保管部164に錠剤カセット20が載置されていない場合には、対向するように設けられた反射板167によって照射光を反射されて出庫管理センサ165へと返ってくる。他方、出庫保管部164に錠剤カセット20が載置されたときには、錠剤カセット20がかかる照射光を光路上の何処かで遮るので、照射光を検出できなくなって、錠剤カセット20が出庫保管部164に位置していることを検知できる。
本実施形態においては、出庫管理センサ165は、反射板167とペアで運用する光検知センサを用いたが、かかる構成に限定されるものではなく、他の方式の既存の検知手段を用いたとしても良い。
【0021】
錠剤カセット20が、出庫搬送ベルト161によって+Z方向側へと搬送され、終端位置に近づくと、終端位置検知センサ166が、直上にある錠剤カセット20を検知して、出庫搬送ベルト161の動作を停止する。
ここで、出庫搬送部160の終端部分は、
図1、
図2に示した通り、前面ユニット100の前方+Z方向に突き出しているので、操作者は、かかる終端位置に載置された錠剤カセット20を取り出すことが可能である。このように、終端位置は錠剤カセット20が出庫搬送部160から排出される際の出庫位置であり、終端位置検知センサ166は錠剤カセット20が出庫位置に到達したことを検知する出庫検知部として動作する。
【0022】
入庫搬送部150は、仕切り壁101の奥側に-Z方向に沿って巻きかけられた2本の無端状ベルトである入庫搬送ベルト151と、入庫搬送ベルト151を駆動するための駆動ローラ152と、で構成されたベルト式搬送手段として機能する。
【0023】
入庫搬送ベルト151の回転方向上流側の端部には、錠剤カセット20が載置可能であり、かかる上流端位置に錠剤カセット20が配置されているかどうかを検知するための検知手段として、光センサである入庫検知センサ157が設けられている。かかる入庫検知センサ157は、本実施形態においては、斜め上方に向けて照射光を向けることで、駆動ローラ162の近傍にある不図示の反射板に反射させる態様で設けられている。かかる構成により入庫検知センサ157からの照射光が錠剤カセット20等によって遮られると、入庫検知センサ157は上流端位置に錠剤カセット20が配置されたことを検知する。
【0024】
入庫搬送部150は、入庫検知センサ157が錠剤カセット20を検知すると、入庫搬送ベルト151を回転させることで、入庫搬送ベルト151上に載置された錠剤カセット20を-Z方向へ向けて移動させることが可能である。操作者は、入庫するべき錠剤カセット20を、仕切り壁101の裏側の入庫搬送ベルト151上に載置して、錠剤カセット20を薬剤搬送払出装置500の内部へと移動させる。
【0025】
入庫搬送部150の移動方向下流側すなわち-Z方向側には、本実施形態においては3つの間隔調整手段153が設けられており、-Z方向側に移動した錠剤カセット20が、間隔調整手段153の上部を通過する際に、間隔調整手段153によって移動を制限されることによって、隣り合う2つの錠剤カセット20の間隔が適切に調整される。なお、かかる間隔調整手段153の具体的な動作や構成については後述する。また、間隔調整手段153を設ける個数は任意ではあるが、複数であることが望ましい。
【0026】
間隔調整手段153よりも-Z方向側には、錠剤カセット20が整列して配置されるための入庫保管部154が設けられている。入庫保管部154は、搬送アームユニット110の可動範囲内にあるので、かかる入庫保管部154に到達した錠剤カセット20は、搬送アームユニット110によって把持されてコレクタ棚200あるいはストレージ棚300あるいはその他の薬剤搬送払出装置500の各所へと移送可能な状態で保持される。
入庫保管部154には、その下方に錠剤カセット20の識別部材27を認識するための識別部材センサ28が設けられており、入庫保管部154に移動してきた錠剤カセット20の識別情報は制御部550に記憶される。なお、かかる入庫保管部154には複数、例えば4つの識別部材センサ28を備えていても良い。
【0027】
入庫保管部154には、入庫搬送ベルト151に沿ってZ方向に沿って設けられた第1方向検知センサ155が配置されている。
かかる第1方向検知センサ155は、
図6に示すように+Z方向に向けて通されたレーザー式の検知手段であって、かかる第1方向検知センサ155からの出射光が、錠剤カセット20の間隙部、ここでは取っ手部分29と錠剤カセット20本体との間に空けられた空間を透過することで、入庫搬送部150に載置された各錠剤カセット20が、何れも正しい方向で載置されていることを検知することが可能である。
入庫搬送部150の上部にはまた、入庫搬送ベルト151の直上に錠剤カセット20の両端位置が位置しているかどうかを検知するための第2方向検知センサ156も配置されている。
かかる第2方向検知センサ156は、入庫搬送部150の搬送経路の両端にそれぞれ配置されて直下に向けて通されたレーザー式の検知手段であって、直下を錠剤カセット20が通過する際に、同時に通過を検知(両方ともON)したとき錠剤カセット20が
図6に示したように搬送方向に対して垂直な状態で移動していることを検知できる。
逆に、
図7に示すように、誤った置かれ方をしてしまった場合には、第1方向検知センサ155が出射する光線が錠剤カセット20によって遮られるのでOFFとなるから、載置方向の間違いを検知可能である。
【0028】
あるいは、何らかの理由で
図8に示すように錠剤カセット20が搬送方向に対して傾斜してしまったときにも、第1方向検知センサ155が錠剤カセット20に遮られるのでOFFとなりやすい。他方、仮に第1方向検知センサ155がたまたま通過可能な程度にしか傾斜していなかったとしても、第2方向検知センサ156を入庫搬送ベルト151の両側に対で配置していることによって、それぞれの第2方向検知センサ156が所定の時間間隔内でONとなるかどうかによって、搬送方向に平行に移動しているか否かを判別することが可能である。
なお、
図8は搬送方向に対する傾斜が大きい場合について模式的に記した例であるが、実際には2つの第2方向検知センサ156が遮られるタイミングの違いは、図示可能な程の傾斜ではないこともある。
【0029】
以上述べたように、入庫搬送ベルト151上に錠剤カセット20が取っ手部分29を外側に向けた態様でなく載置された場合には、第1方向検知センサ155あるいは第2方向検知センサ156の何れかがOFFとなるため、錠剤カセット20が正しい姿勢で搬送されていないことが検知される。
逆に言えば、第1方向検知センサ155及び第2方向検知センサ156の何れもがONである場合には、入庫搬送ベルト151上に置かれた錠剤カセット20が正しい位置で置かれていると制御部550が判断する。
【0030】
図1、
図2で示したように、搬送アームユニット110は、薬剤搬送払出装置500の両側に、それぞれのグリップユニット113が内側を向くように配置されているので、錠剤カセット20が入庫搬送部150において取っ手部分29を外側に向けた正しい位置で入庫保管部154へと運ばれることで、グリップユニット113は錠剤カセット20の取っ手部分29を掴んで移動させることができる。
【0031】
このとき、グリップユニット113が取っ手部分29を正確に把持するためには、入庫保管部154に並んで載置された錠剤カセット20に搬送アームユニット110のグリップユニット113が入り込むだけの間隔が必要である。
そのため、本実施形態では、かかる間隔を入庫搬送ベルト151が錠剤カセット20を搬送する間に調整するための間隔調整手段153を有している。
【0032】
間隔調整手段153は、
図9に示すように、錠剤カセット20の基底部25へと当接することで錠剤カセット20の-Z方向への移動を規制するための規制手段であるL字の板状部材1531と、錠剤カセット20が所定位置に到達したことを検知するための隙間調整検知部である隙間調整用センサ1532と、を有している。
間隔調整手段153は、2本の入庫搬送ベルト151の間に、Z方向に複数、本実施形態では3つが並んで配置されており、それぞれの上部を錠剤カセット20が通過する際に、それぞれの間隔調整手段153が動作することで下流側にある入庫保管部154に到達するまでに錠剤カセット20の間隔を調整する。
【0033】
板状部材1531は、
図9に示したように、X方向に沿った回転軸1533を中心に回動するように支持されたL字板状の部材である。隙間調整用センサ1532が、錠剤カセット20の通過を検知すると、駆動源1534が回転軸1533を中心に板状部材1531を回動させて、錠剤カセット20の底面である基底部25に板状部材1531の先端部1531aが当接するように入り込む。
このとき、入庫搬送ベルト151は回転し続けているので、錠剤カセット20は、-Z方向へと搬送されようとするが、先端部1531aが底面に当接して引っかかることによって、錠剤カセット20の搬送が規制される。
【0034】
図10では、このような間隔調整手段153の動作を模式的に示している。
図10(a)に示すように、複数並んで搬送される錠剤カセットをそれぞれ錠剤カセット20a、20b、20cと分けて記載することとする。
まず、初期状態において、入庫搬送ベルト151上には、間隔が調整されることなく錠剤カセット20a、20b、20cが詰めて載置されているものと仮定する。最初に通過する錠剤カセット20aの通過を隙間調整用センサ1532が検知すると、板状部材1531が、錠剤カセット20aが通過した所定時間後に回動して錠剤カセット20bの底面に当接する。
入庫搬送ベルト151は駆動され続けているので、
図10(b)に示すように、先端部1531aが錠剤カセット20bの底面に当接して引っかかった時間だけ、錠剤カセット20aは先へと進むこととなるので、このようにして錠剤カセット20aと錠剤カセット20bとの間の間隔Laが板状部材1531の当接時間によって調整可能である。
なお、本実施形態においては、板状部材1531はL字状であって、錠剤カセット20の底面の窪みに嵌り合う形で当接する形状であるとしたが、かかる構成に限定されるものではなく、錠剤カセット20に当接することで入庫搬送ベルト151による搬送を規制して一時的に停止させ得る構造であれば良い。
【0035】
こうして錠剤カセット20a、錠剤カセット20bの間隔Laが開くと、
図10(c)のように再度板状部材1531の回動によって当接状態が解除されて、間隔Laが開いた状態のまま錠剤カセット20bが移動していく。
次に、錠剤カセット20bが所定の位置に到達したことを隙間調整用センサ1532が検知すると、同様に板状部材1531が、錠剤カセット20cが通過した所定時間後に回動して錠剤カセット20bの底面に当接する。
【0036】
このとき例えば、
図10(d)のように最も搬送方向上流側の板状部材1531を回動させ、錠剤カセット20cに当接する時間を調節することによって、錠剤カセット20bと錠剤カセット20cとの間の間隔Lbを調整することも可能である。
しかしながら、一般的には入庫搬送ベルト151による搬送速度と、板状部材1531が回動するのに要する時間等の差異によって、間隔に差が生じてしまうような場合も懸念される。
【0037】
そこで本実施形態においては、複数並んだ板状部材1531を何れも回動させて、錠剤カセット20a、20b、20c、それぞれの底面に対して
図10(e)に示すように挿入されることとして良い。
このように各錠剤カセット20a、20b、20cのそれぞれに板状部材1531が挿入された状態で、入庫搬送ベルト151が回動すると、錠剤カセット20a、20b、20cのそれぞれの底面における搬送方向上流側の側壁と、板状部材1531の先端部1531aとが当接した時点で
図10(f)に示すように錠剤カセット20の搬送が規制される。
従って、入庫搬送ベルト151が回転し続けたとき錠剤カセット20a、20b、20cの間隔La、Lbは、板状部材1531が回動したときの先端部1531a同士の間隔L2と錠剤カセット20の幅によって、所定の間隔L1へと自動的に調整されることとなる。
このように、複数の間隔調整手段153を用いて、並んだ複数の錠剤カセット20の搬送方向への移動を規制することによれば、板状部材1531の駆動タイミングや制御等による影響を受けることなく、各錠剤カセット20間の間隔を自動的に調整することが可能となる。
【0038】
上述のように、間隔調整手段153によって、整列された錠剤カセット20は間隔L1を一定の値に維持したまま、間隔調整手段153よりも搬送方向下流側にある入庫保管部154へと搬送される。
入庫保管部154において、錠剤カセット20は取っ手部分29を外側に向けた状態で間隔L1を空けて載置されている状態となるので、搬送アームユニット110のグリップユニット113は、かかる間隔L1の中に入り込むことで、確実に錠剤カセット20を把持することが可能である。
【0039】
搬送アームユニット110の構成について説明する。
搬送アームユニット110は、既に述べたように、Z方向に張られた無端状ベルトであるレールユニット111に沿ってキャッチャユニット112が動作するとともに、上下方向であるY方向には、上下のレールユニット111間に渡された支持棒を介してキャッチャユニット112がグリップユニット113を上下動させることによって、YZ平面を自在に動作する。
図11には、かかるキャッチャユニット112と、グリップユニット113との動作の様子を示している。
【0040】
グリップユニット113は、
図12に示すように、錠剤カセット20を上下3つずつ、計6台が保持可能な幅を備えた載置台1131と、±X方向に前後移動する進退機構1133と、進退機構1133の前方に取り付けられた嵌合爪1132と、を有している。
載置台1131は、
図12において破線で示された前後方向に照射光を出すことで、キャッチャユニット112及びグリップユニット113の位置座標に加えてコレクタ棚200あるいはストレージ棚300の棚の位置を確認して微調整を行うための棚位置検知センサ1134と、載置台1131から斜め上方向に照射光を出して、進退機構1133の前方における錠剤カセット20の有無を検知するためのカセット検知センサ1135と、を有している。
【0041】
嵌合爪1132は、左右1対で配置され、互いが接続部1136を中心に回動可能に進退機構1133に保持されている。
嵌合爪1132は、進退機構1133の前進後退とともに一体に前進後退し、錠剤カセット20の取っ手部分29を把持できる位置において進退機構1133との接続部1136を中心に回動するとともに取っ手部分29を引き込むように動作を行う。かかる嵌合爪1132が錠剤カセット20の間に入り込むために必要なスペースが、
図10で説明した間隔L1である。
【0042】
このように嵌合爪1132が錠剤カセット20を把持するとき、進退機構1133の前方には、板状部材であるカセット抑え1137が存在しているので、嵌合爪1132が取っ手部分29を挟み込むように囲うとともに引き込むように動作すると、錠剤カセット20の本体部22がカセット抑え1137に当接することで、位置が固定される。
このような把持状態において、本体部22には取っ手部分29を介して嵌合爪1132が引き込むような力が働き、カセット抑え1137からは押し出すように反力が働くこととなるため、姿勢が安定する。このようなカセット抑え1137は、例えば取っ手部分29を中心に上下方向2か所にあっても良いし、何れか片側、例えば上方のみにあったとしても良い。
【0043】
進退機構1133は、かかる状態で嵌合爪1132ごと錠剤カセット20を引き込み、載置台1131上へと錠剤カセット20を載置する。
載置台1131には、先述の通り6台まで同様に錠剤カセット20を保持出来るから、載置台1131に錠剤カセット20を載置した状態でキャッチャユニット112が移動することで、キャッチャユニット112は錠剤カセット20を前面ユニット100からコレクタ棚200あるいはストレージ棚300へと搬送することが可能である。
またこのとき、載置台1131には錠剤カセット20の識別部材27を読み取るための識別部材センサ28が置かれており、ストレージ棚300に搬送された錠剤カセット20の識別部材27を読み取ることができる。従って、制御部550は、搬送アームユニット110が載置したストレージ棚300におけるYZ座標とともに識別部材27に記憶された薬品の識別情報とを紐づけて記憶する。
このように、識別部材27による薬品の識別情報と、YZ座標とが紐づけられて記憶されることで、制御部550は、処方データに従って必要な薬品を取り出す際に、搬送アームユニット110に必要なYZ座標を指示することができる。
【0044】
ストレージ棚300は、
図13に示すように、棚本体部302と、ベース板301とを有する棚である。
なお、本実施形態においては、かかるストレージ棚300には、錠剤カセット20を配置する位置を一意に定めるためにも、平板状で基底部25と嵌合するベース板301を1列12個、縦10段で配置しているが、簡単のため図には一部のみを表示した。ストレージ棚300に載置される錠剤カセット20は、このベース板301と嵌合した態様で保持されるが、かかる構成に限定されるものではない。また、ベース板301は単なる板状部材であって、特に錠剤カセット20の動作と連動するような機構は持たずとも良い。
【0045】
コレクタ棚200には
図4に既に示して述べたように、錠剤カセット20を嵌合させるためのカセットベース30が配置されており、コレクタ棚200に配置された錠剤カセット20は、カセットベース30を介して錠剤カセット20の内部に保管されている薬剤を1錠ずつ排出することができる。
【0046】
コレクタ棚200は、
図14に示すように、カセットベース30が並んで配置された棚本体部202と、棚本体部202の裏側にあって開閉板203との間に形成される空間である錠剤落下経路201と、を有している。なお、
図14(a)においてA-A’線で示された部分の断面図が
図14(b)に相当する。
ここで、コレクタ棚200は、
図14(b)に示すように、錠剤カセット20とカセットベース30とが嵌合することで、錠剤落下経路201と錠剤排出口24とが連通するように形成されている。
コレクタ棚200は、本実施形態においては、1列あたり横方向に8個のカセットベース30が設けられるとともに、縦方向には2段の棚を有する構成としているが、かかる個数等については適宜変更可能である。
【0047】
錠剤落下経路201は、棚本体部202と開閉板203との間に形成され、下方である終端部分には、シャッター機構204が設けられている。
かかるシャッター機構204は、平時は閉状態となっており、錠剤カセット20から排出された錠剤が、正しいタイミングで落下するようにその落下経路を塞ぐシャッターとして機能している。
【0048】
図15に示すようにシャッター機構204の下方には、漏斗状に窄められたホッパー部205と、図中矢印A方向に回転するコンベア装置210とが設けられている。
コンベア装置210は、複数の錠剤容器211と、当該錠剤容器211を動かすローラとベルトとによって構成されたコンベア212と、を備えた構造の薬剤搬送部として知られている。
錠剤落下経路201から、ホッパー部205を介して錠剤容器211へと落下した錠剤は、コンベア装置210によって+Z方向へと運ばれ、最終的に前面ユニット100の下部に配置された投入ホッパー70から包装装置130へと搬送される。このように、コレクタ棚200は、錠剤落下経路201、シャッター機構204、ホッパー部205、コンベア装置210によって構成され、コレクタ棚200と包装装置130までを結ぶ薬剤搬送経路を備えている。
【0049】
ホッパー70の前方側には、本実施形態では手撒き部120が設けられている。手撒き部120は、手撒き用トレイ121と、手撒き用トレイ121の下方に配置されたスライドトレイ122と、
図15の+X方向側に向かって錠剤を移動させる6列の第1コンベア123と、第1コンベア123の+X方向側端部から落下した錠剤を-Z方向へと移動させてホッパー70へと導く第2コンベア124と、を有している。
このように第1コンベア123と、第2コンベア124とは、2機で1体としてホッパー70のうちの何れか一方に向かって錠剤を搬送するための前部複列コンベアとして機能する。
手撒き部120は、この構成と後述の動作により、手撒き用トレイ121に手撒きされた錠剤を、所定の順序にてホッパー70へと順次投入することができる。
【0050】
また、本実施形態において、ホッパー70の上方には、コンベア212の前方寄りには、大容量カセット40を格納するための格納部140が設けられている。
格納部140には、大容量カセット40が上下2個並んで配置可能であって、さらに格納部140は、コレクタ棚200等と同様に、前面ユニット100の左右に1対ずつ備えられている。従って、前面ユニット200において計4台の大容量カセット40が配置される。
【0051】
格納部140には、
図16に示すように、大容量カセット40用に設けられた専用ベースBが設けられており、大容量カセット40は、専用ベースBに取り付けられて内部に保管している錠剤を排出可能に保持されている。
大容量カセット40の排出口141から排出された錠剤は、コレクタ棚200の錠剤落下経路201と同様の錠剤落下経路142から落下して、シャッター機構143によって留められた後、大容量シューター部144からコンベア装置210の薬剤容器211へと投入され、コンベア装置210からホッパー70へと順次落下していく。
【0052】
さて、ホッパー70へと落下した錠剤は、
図17に示すような包装装置130によって分包紙131に分包される。
包装装置130は、分包紙131の送り経路に沿って順に、分包紙131のロールを保持するとともに適度なテンションを付与して先端から順に送り出す包装帯給送部132と、分包紙131に印刷を行うプリンタ133と、分包紙131の幅方向すなわち本実施形態においては
図20の手前・奥行方向に延びた発熱体を有し、分包紙131のシール部131aを加熱して融着させる縦シール部134と、上下動して2つ折りされた分包紙131内に先端を挿抜する左右2か所のホッパー70と、横方向に延びた発熱体を有し分包紙131を加熱して融着させる横シール部135と、分包紙131を引っ張るローラ部136と、分包紙131にミシン目を入れたり切断したりするカッター137とが設けられている。
【0053】
分包紙131は、かかる構成により、
図18に示すように所定の長さの区画に錠剤や散薬等の薬剤を封入されるとともに、網掛けで示されたシール部131aが熱によって融着された状態で、ある程度の長さで連なり下流の排出口139へと排出される。
分包紙131は、上端が開放された状態で2つ折りに包装帯給送部132から引き出されている。ここで包装帯給送部132は、例えばロール状に巻き上げられた分包紙131をリール状に送り出す包装帯保持部である。
包装帯給送部132から送り出された分包紙131は、プリンタ133によって印字され、ホッパー70の下部へと移動し、縦シール部134によって搬送方向の前方及び後方が封じられた後、ホッパー70によって薬剤を投入され、上方を封じられてカッター137によって切り取りあるいはミシン目等が入れられて排出される。
【0054】
ホッパー70には、錠剤の何れか1包分の分量が落ちてくるから、分包紙131の個々の内部には、1包分の薬剤が封入されることとなる。
【0055】
ホッパー70において錠剤が分包紙131に投入されたことを検知すると、横シール部135が分包紙131の上部を封止し、ローラ部136が分包紙131を所定量だけ引き込むことで、分包紙131は1包分の長さだけ搬送される。
このような動作を繰り返し行うことで、分包紙131には、それぞれの区画に1包分の薬剤が封入された1連の薬袋として、排出口139へと搬送される。
【0056】
包装装置130は、上述のような各部の構成により、錠剤を含む各種薬剤を、分包紙131に1包分に個包装することができる分包装置である。
なお、包装装置130の構成は、本実施形態では分包紙131を横方向に搬送する形式についてのみ述べるが、その他、分包紙を所定の幅で区切って、区切られた室内に薬剤を封入可能な包装機であればどのような構成であっても良く、かかる構成に限定されるものではない。
【0057】
さて、本実施形態における薬剤搬送経路について詳しく説明する。本実施形態においては、
図15で説明したように、コレクタ棚200は少なくとも2つが互いに背面合わせに配置され、それぞれのコレクタ棚200の下方に、薬剤搬送経路たるコンベア装置210が2本、互いに平行に配置されている。これらを区別する必要があるときには、前面ユニット100に向かって左側に配置されたものをコンベア装置210a、右側に配置されたものをコンベア装置210bとして表記する。
また、コンベア装置210には、複数の錠剤容器211が備え付けられている。
包装装置130は、このような2本のコンベア装置210から運ばれてくるそれぞれの薬剤を分包紙131に形成された区画内へと収めるためにホッパー70を2つ備えている。
【0058】
ここで、2つあるホッパー70を区別する必要がある場合には、ホッパー70のうち、上流側すなわち
図17、
図19における左側にあるホッパー70を第1ホッパー70a、右側にあるホッパー70を第2ホッパー70bとして説明する。
【0059】
薬剤搬送払出装置500においては、中央を挟んでコレクタ棚200が背中合わせに配置され、それぞれに独立した搬送アームユニット110が錠剤カセット20を移送している構成の都合上、左右に配置されたコレクタ棚200間あるいはストレージ棚300間で、錠剤カセット20のやり取りを行うことは難しい。
しかしながら、同一薬の錠剤カセット20を左右それぞれに配置するのでは、装置全体として搭載可能な薬剤の種類が減ってしまい望ましくない。
そこで、このように第1ホッパー70aと第2ホッパー70bとを設けることにより、同一の分包紙131に対して、左右それぞれのコレクタ棚200から独立して錠剤を投入可能な構成とすることで、装置全体で取り扱える薬剤の数を確保しつつも、互いに足りない薬剤を補いあって包装装置130において包装可能な構成としている。
【0060】
図19に示すように、第1ホッパー70aと第2ホッパー70bとは、間隔dが分包紙131の1包分の距離、本実施形態では80mmだけ離れて配置されている。
分包紙131は、ローラ部136によって所定の距離だけ引き込まれるが、この所定の距離が1包分の距離であり、本実施形態において80mmに設定されている。
かかる構成により、第1ホッパー70aが挿入される位置を第1投入位置71とし、第2ホッパー70bが挿入される位置を第2投入位置72とすると、分包紙131は、ある区画が第1投入位置71に移動し、第1ホッパー70aから錠剤を投入された後、次のローラ部136による引き込みによって第1ホッパー70aと第2ホッパー70bの間の間隔dの空間に移動し、さらに次のローラ部136による引き込みによって第2ホッパー70bにおいて錠剤を投入される、というように、所定距離ずつ移動してゆく。
【0061】
また、第1ホッパー70aと第2ホッパー70bとは、何れも独立した駆動源73a、73bによってそれぞれ独立して上下動可能であり、錠剤が投入されるタイミングでは、区画された分包紙131の間に挿入されることで、錠剤を区画内に安全に配置することができる。
なお、このとき、上流側にある第1投入位置71で錠剤が投入された後に第2投入位置72において異なる錠剤が再び投入されることもあり得る。
すなわち、既に錠剤が内部にある中で第2ホッパー70bが挿入される際には、第2ホッパー70bの先端部が錠剤に衝突しないように上下動することが好ましい。
そこで本実施形態においては、分包紙131の移動方向において下流側にある第2ホッパー70bは、上下動の際の下降量が、第1ホッパー70aの下降量より小さくなるように駆動源73bによって制御される。
このような構成により、既に内部に錠剤が投入された区画にも、安全に第2ホッパー70bを挿入出来る。
【0062】
さて、ローラ部136の引き込み量を一定とした上で、かかる引き込みが行われるタイミングと、コンベア装置210の錠剤容器211が移動するタイミングとを合わせることで、コンベア装置210の錠剤容器211に入った錠剤と、分包紙131のある区画に入る錠剤とを
図20の模式図のように対応させることが可能である。
なお、
図20ではある瞬間の分包紙131が区切られた区画B、C、D、E、F、Gのそれぞれに対応する錠剤容器211あるいはシャッター機構204等の位置にそれぞれの符号を記載している。また、
図20(a)は薬剤搬送払出装置500の前面ユニット100を横から見た図を模式的に示しており、
図20(b)は包装装置130における分包紙131の1包分の距離に区切られた区画と凡その位置とを模式的に示した図である。
【0063】
また、これらの対応関係は、例えば左側に配置されたコンベア装置210aと右側に配置されたコンベア装置210bとでも異なるため、
図20には右側に配置されたコンベア装置210bにおける錠剤容器211との関係を示し、
図21では左側に配置されたコンベア装置210aにおける錠剤容器211との関係を示した。
【0064】
このとき、格納部140に設置された大容量カセット40からも、
図20において区画「B」で示したように、シャッター機構143からコンベア装置210a、210bへと錠剤が落下する。
本実施形態においては、シャッター機構143によって留められた錠剤が、分包紙131の引き込みに合わせて45度下方に向かって延びた大容量シューター部144から落下することで、錠剤が所定の錠剤容器211にタイミングを合わせて投下されることとなる。
このように、コレクタ棚200に設置された錠剤カセット20からホッパー部205を介して払い出されるタイミングと、格納部140に設置された大容量カセット40から大容量シューター部144を介して払い出されるタイミングとは、制御部550の操作によって同一の分包紙131の区画内(例えば区画Bで示された区画)に入るようにタイミングが制御される。また、このタイミングは、薬剤搬送払出装置500の左右どちら側に配置された格納部140であるかによって異なるように制御される。
【0065】
このように、包装装置130は2つで1対のコンベア装置210a、210bについて、それぞれ対応する第1ホッパー70aと第2ホッパー70bとを有している。また、これらの1対のコンベア装置210a、210bの薬剤容器211に錠剤が投入されるように、制御部550によってシャッター機構204及びシャッター機構143の開閉と、薬剤容器211の動作とが制御されている。
【0066】
このように同一の薬剤容器211に対して、錠剤カセット20及び大容量カセット40の2種類の異なるカセットから、複数の種類の錠剤を入れる構成とすれば、薬剤容器211は、内部の錠剤の残滓等が少なくなるように清掃されることが好ましい。
そこで、本実施形態においては、大容量シューター部144の下流側に、イオナイザー147を設けることで、かかる薬剤容器211における錠剤の残滓を除去しやすくなるように、除電を行っている。かかる構成とすれば、大量に錠剤が投入されるために静電気による残滓が残りやすい薬剤容器211においても、コンタミネーションと呼ばれる異なる薬剤の誤混入を防ぐことが出来る。
【0067】
さて、このように2つの薬剤搬送経路に対応する2つのホッパーを有することとすれば、薬剤搬送払出装置500における1つの包装装置130で、2つの薬剤搬送経路から流れてくる錠剤を高速に処理することができる。
また、コンベア装置210aとコンベア装置210bとを有し、かつ第1ホッパー70aと第2ホッパー70bとがあるため、互いが互いのバッファとして機能するため、冗長性が高い。これは例えば2つの搬送アームユニット110のうち、片方が停止してしまう状況や、あるいはコレクタ棚200に搭載された錠剤カセット20が「詰まり」や欠品等の理由で錠剤の払い出しが出来なくなってしまった場合にも、片方が稼働し続けることで、薬剤搬送払出装置500自体の停止時間を極力短くできるといった効果を奏する。
【0068】
さて、このようなコンベア装置210a、210bの構造について説明する。
図22に示すように、コンベア装置210a、210bは何れも棚本体部202の前方側の中心軸Oa、Obを中心として回動可能に設けられた搬送コンベアであるベルトコンベア部212a、212bと、ベルトコンベア部212a、212b上に取り付けられて無端状に回転することで内部の錠剤を+Z方向へ向けて搬送する錠剤容器211とを有している。
また、ベルトコンベア部212a、212bの中間には、薬剤搬送払出装置500の筐体に対して固定された中心部材である中央部213が配置されている。かかる中央部213には、ベルトコンベア部212a、212bが回動した状態であるか、閉鎖した状態であるかを判別するための検知センサ214a、214bがそれぞれ両側に設けられている。
中央部213は、ベルトコンベア部212a、212bの中央に、Z方向に沿って延びる壁面と、当該壁面から突き出た庇状の壁面とで構成され、ベルトコンベア部212a、212bそれぞれの上方と側方とを覆うように形成されたカバー部材でもある。
【0069】
ベルトコンベア部212a、212bは、何れも棚本体部202の回動軸と同様に、中心軸Oa、Obを中心にそれぞれ回動し、その回動が45度より大きくならないような位置に、中央部213を挟んで線対称な位置に規制板215a、215bがそれぞれ設けられている。
かかる規制板215a、215bは、ベルトコンベア部212a、212bが一定以上の過剰な回動を行わないように規制する規制板であり、ベルトコンベア部212a、212bが所定の角度以上回動した際に、当該ベルトコンベア部212a、212bと当接することでその動きを規制する。
【0070】
検知センサ214a、214bは、何れもフォトインタラプタ型のセンサであって、ベルトコンベア部212a、212bが中央部213の壁面に対して平行な閉じた状態となった時には、ベルトコンベア部212a、212bに設けられた突起216が検知センサ214a、214bに挿入されることで閉じた状態であることを検知可能な閉検出センサとして機能する。
【0071】
さて、このようなコンベア装置210a、210bにおいて、前面ユニット100に格納部140を設ける際には、操作者が格納部140に大容量カセット40を設置する必要がある。
一方、コンベア装置210a、210bは、
図20、
図21でも示したように、第1ホッパー70a、第2ホッパー70bよりも装置後方にあるため、前面ユニット100の前方から、第1ホッパー70a、第2ホッパー70bよりも後方へと錠剤を搬送するための大容量シューター部144を有している。
大容量シューター部144は、前面ユニット100の後方に向かって下面側の斜面が45度傾斜した傾斜トンネルであって、錠剤落下経路の一部を形成している。
また、格納部140は、
図24に示すように、スライドレール145によって底板146とともに左右それぞれの格納部140がそれぞれ独立して前方に引き出し可能になっていて、操作者は格納部140を前方側に引き出した後に大容量カセット40を専用ベースBに上方から嵌合する形で設置する。
【0072】
大容量カセット40は、本実施形態においては、
図25(a)に示すようにその内部に多数の錠剤を収容可能な錠剤収容空間41を備えており、重力を受けて下側に流動し、錠剤収容空間41の下方に開けられた貫通部42を経由してロータ44、45が位置する側の下部空間43に流動可能になっている。
【0073】
大容量カセット40の下側には、同じ形状の2つのロータ44、45が配置され、大容量カセット40の下端部である底部49に回転可能な状態で設置されている。両ロータ44、45の回転軸は、大容量カセット40が専用ベースBに装着された状態(以下、単にカセット装着状態と称することがある)で上下方向Yになる向きであり、両ロータ44、45の回転軸44a、45aは、大容量カセット40の底部49を上下に貫通する状態で、底部49に設置されている。
底部49には、専用ベースB側の駆動軸Dと嵌合するとともに、駆動軸Dの回転に合わせてロータ44、45を同期して回転させる動力分配機構46が設けられている。なお、
図25(a)に示された大容量カセット40の断面を上方から見たときの図を
図25(b)に示し、底部49を下方側から見たときの図を
図25(c)として示している。
大容量カセット40は、かかる構成により、それぞれのロータ44、45の下方に設けられた錠剤排出口である第1排出口47と第2排出口48とから内部に保管されている錠剤を排出可能である。
【0074】
専用ベースBは、
図26に示すように2つの錠剤落下口E1,E2を備えている。
大容量カセット40装着時、錠剤落下口E1は第1排出口47の直下に位置するように配置されており、他方の錠剤落下口E2は第2排出口48の直下に位置するように配置されている。錠剤落下口E1,E2はいずれも第1排出口47、第2排出口48よりも開口断面積が大きい。
したがって、第1排出口47、第2排出口48を通過した錠剤は錠剤落下口E1、E2を通ってフィーダーベースBの下側に排出される。
【0075】
なお、第2排出口48は第1排出口47と同じ形状であり、両排出口は大容量カセット40において左右対称配置である。また、第2錠剤落下口E2は第1錠剤落下口E1と同じ形状であり、両錠剤落下口E1,E2は専用ベースBにおいて左右対称配置である。
【0076】
錠剤落下口E1、E2の下方は、
図23に示すように大容量カセット40が後方側に位置するときにはシャッター機構143につながり、その下方は、大容量シューター部144につながっている。
【0077】
また、既に述べたように、薬剤搬送払出装置500においては、内部に格納される錠剤カセット20は、入庫搬送部150から内部に搬送され、在庫が空になった錠剤カセット20は、出庫搬送部160から取り出される構成となっている。
このとき、錠剤カセット20の容量では限りがあり、特に大量に払い出しされるような錠剤に関しては、入庫搬送部150や出庫搬送部160を介しての錠剤カセット20の搬送が頻繁に行われてしまうために、結果として薬剤搬送払出装置500の連続稼働時間に対して負荷となってしまうことも考えられる。
また、このように入庫搬送部150や出庫搬送部160に頻繁に錠剤カセット20が移動される場合には、搬送アームユニット110の稼働時間にも影響を与えるため好ましくない。ひいては、これらの各部の稼働時間が増大してしまうことで、薬剤搬送払出装置500のダウンタイムの上昇を招いてしまうことも懸念される。
【0078】
そこで、本実施形態のように、錠剤カセット20よりも大量に消費するような錠剤に関しては、大容量カセット40を前面ユニット100の格納部140に備え付けること、さらにかかる格納部140から大容量シューター部144によってコンベア装置210a、210bへ向かって錠剤を払い出し可能にしたことによって、薬剤搬送払出装置500のダウンタイムの低減にも寄与する。
【0079】
さらに、前面ユニット100の左右それぞれに配置されたコンベア装置210a、210bに対応して2つのホッパー70a、70bを設けているので、格納部140、大容量シューター部144もまた、前面ユニット100の左右に、それぞれ1基ずつ設けることができるので、さらなる薬剤搬送払出装置500のダウンタイムの低減が可能である。
【0080】
<1>
本発明は、薬剤が収容されるカセットを把持して搬送可能な搬送部と、前記カセットをカセットベースに取り付ける形で複数台保管可能であって、保管された前記カセットから前記薬剤を払い出し可能な第1収容棚と、前記カセットを複数台保管可能な第2収容棚と、第1収容棚から払い出された前記薬剤を包装するための包装装置と、前記第1収容棚と前記包装装置までを結ぶ薬剤搬送経路と、を有する薬剤搬送払出装置であって、少なくとも2つの前記第1収容棚が互いに背面合わせに配置され、前記第1収容棚よりも前記薬剤搬送払出装置の正面側に位置し、当該薬剤搬送払出装置の正面側に向かって引き出し可能な格納部と、前記格納部に取り付け可能であって前記カセットとは形状が異なる大容量カセットと、前記格納部から前記薬剤搬送経路へ向かって錠剤落下経路を構成するシューター部と、を有し、前記薬剤搬送経路は、前記薬剤を前記第1収容棚の下方へ案内して落下させる上部錠剤収集機構と、前記上部錠剤収集機構の下部に互いに平行に配置された2本の搬送コンベアと、前記搬送コンベアのそれぞれに取り付けられた複数の薬剤容器と、を有し、前記シューター部は、2つの前記搬送コンベアのそれぞれに向けて前記格納部から前記大容量カセット内に保持された薬剤を払い出し可能に接続されるとともに、前記第1収容棚から払い出された薬剤と、前記格納部から払い出された薬剤とが同一の前記薬剤容器に投入されるように制御され、前記包装装置は、前記2本の搬送コンベアから運ばれてくるそれぞれの薬剤を包装紙に形成された区画内へと収めるためにホッパーを2つ以上備えたことを特徴とする。
かかる構成とすれば、錠剤カセット20よりも大量に消費するような錠剤に関しては、大容量カセット40を前面ユニット100の格納部140に備え付けること、さらにかかる格納部140から大容量シューター部144によってコンベア装置210a、210bへ向かって錠剤を払い出し可能にしたことによって、薬剤搬送払出装置500のダウンタイムの低減に寄与する。
【0081】
<2>
また、本発明の薬剤搬送払出装置では、<1>で述べた構成に加えて、前記格納部は、前記格納部を支持する底面とともに正面側に向かって引き出し可能であって、前記底面は引き出すことで作業台として利用可能であることを特徴とする。 かかる構成とすれば、操作者による格納部に載置された大容量カセットの交換が容易に行える。
【0082】
<3>
また、本発明の薬剤搬送払出装置500では、<1>または<2>で述べた構成に加えて、前記格納部は、上下2段に前記大容量カセットを配置可能であることを特徴とする。 かかる構成とすれば、構造を共通としたまま、さらに大容量カセットの数を増加させてコンベア装置210a、210bへ向かって錠剤を払い出し可能にしたことによって、薬剤搬送払出装置500のダウンタイムの低減に寄与する。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された内で適宜変更等が可能である。
【符号の説明】
【0084】
20…錠剤カセット(カセット)
30…カセットベース
40…大容量カセット
70a、70b…ホッパー
73a、73b…駆動源
110…搬送アームユニット(搬送部)
121…トレイ機構
122…スライドトレイ
123…第1コンベア(前部複列コンベア)
124…第2コンベア(前部複列コンベア)
130…包装装置
131…分包紙(包装紙)
140…格納部
143…シャッター機構
144…シューター部(大容量シューター部)
200…コレクタ棚(第1収容棚)
201…錠剤落下経路(薬剤搬送経路)
204…シャッター機構(上部錠剤収集機構)(薬剤搬送経路の一部)
210…コンベア装置
211…錠剤容器(薬剤容器)
212…搬送コンベア
213…中心部材(中央部)
214…閉検出センサ
215…規制板
300…ストレージ棚(第2収容棚)
500…薬剤搬送払出装置