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特開2025-3577地図表示装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003577
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】地図表示装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20241226BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20241226BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20241226BHJP
   G06T 17/05 20110101ALI20241226BHJP
【FI】
G09B29/00 A
G01C21/26 B
G08G1/0969
G06T17/05
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024186376
(22)【出願日】2024-10-23
(62)【分割の表示】P 2023074621の分割
【原出願日】2018-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 継介
(72)【発明者】
【氏名】長沢 秀哉
(72)【発明者】
【氏名】松本 祐一
(72)【発明者】
【氏名】福留 正義
(57)【要約】
【課題】現在位置周辺及び現在位置から離れたエリアの両方を好適に表示可能な地図表示装置を提供する。
【解決手段】地図表示装置1は、地図を表示部16に表示する制御部14を備える。制御部14は、地図上の第1地点の見下ろし角度が、第1地点より移動体から遠い第2地点の見下ろし角度よりも小さい角度となるように、地図を表示部16に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示部に表示する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記地図上の第1地点を見下ろす角度が、前記第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度よりも小さい角度となるように、前記地図を前記表示部に表示する地図表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図の表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図を3次元表示や鳥瞰図により表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、描画オブジェクトデータから表示画面上の表示位置に応じて簡略化した描画オブジェクトを生成することで、3次元表示や鳥瞰図により表示する地図の描画負荷を調整可能な地図描画装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-219748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鳥瞰図により地図を表示した場合、現在位置付近は経路周辺の地図が見やすいが、遠方に行くほど見づらくなるといった問題がある。一方、平面図により地図を表示した場合、表示範囲が縮尺によって制限されるため、現在位置から離れた地点を含めて表示するには縮尺を小さくする必要があり、地図に表示される現在位置周辺の情報量が小さくなるという問題がある。目的地等までの経路を表示しようとする場合には、このような問題が顕著となる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、現在位置周辺及び現在位置から離れたエリアの両方を好適に表示可能な地図表示装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、地図表示装置であって、地図を表示部に表示する表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記地図上の第1地点を見下ろす角度が、前記第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度よりも小さい角度となるように、前記地図を前記表示部に表示する。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、地図表示装置が実行する制御方法であって、地図を表示部に表示する表示制御工程を有し、前記表示制御工程は、前記地図上の第1地点を見下ろす角度が、前記第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度よりも小さい角度となるように、前記地図を前記表示部に表示する。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータが実行するプログラムであって、地図を表示部に表示する表示制御部として前記コンピュータを機能させ、前記表示制御部は、前記地図上の第1地点を見下ろす角度が、前記第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度よりも小さい角度となるように、前記地図を前記表示部に表示する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例に係る地図表示装置の概略構成である。
図2】第1表示態様に係る概略的な地図表示を示す。
図3図2に示される地図表示に道路及び施設などの表示を加えた表示例である。
図4】下側領域、中間領域、上側領域のそれぞれでの地図を表示する視点の変化を概略的に示した図である。
図5】第2表示態様に係る概略的な地図表示を示す。
図6】第3表示態様に係る概略的な地図表示を示す。
図7】第4表示態様に係る概略的な地図表示を示す。
図8】第5表示態様に係る概略的な地図表示を示す。
図9】第6表示態様に係る概略的な地図表示を示す。
図10】第7表示態様に係る概略的な地図表示を示す。
図11】下側領域と他の領域とで表示する情報量を異ならせた場合の地図の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、地図表示装置であって、地図を表示部に表示する表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記地図上の第1地点を見下ろす角度が、前記第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度よりも小さい角度となるように、前記地図を前記表示部に表示する。この態様によれば、地図上の第1地点を見下ろす角度は、第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度より小さい角度となるため、遠方に行くほど見づらくなるといった鳥瞰図の問題を好適に解消した地図表示を行うことができる。
【0011】
上記地図表示装置の一態様では、前記表示制御部は、前記第1地点から前記第2地点までの間の各地点を見下ろす角度が、前記第1地点から前記第2地点に向かうに従って大きくなるように、連続的に変化させる。この態様により、地図表示装置は、移動体から遠くの地点ほど平面図に近い視点位置となる滑らかな地図を表示することが可能となる。
【0012】
上記地図表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記角度を連続的に変化させる領域を含む第1領域と、前記角度を一定とした第2領域とをそれぞれ表示し、前記第1領域は、前記第1地点を含み、前記第2領域は、前記第2地点を含む。この態様により、地図表示装置は、遠方を表示する第2領域を平面図等により好適に表示することができる。
【0013】
上記地図表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記角度を連続的に変化させる領域を含む第1領域と、前記角度が前記第1地点から離れるほど小さくなる第2領域とをそれぞれ表示し、前記第1領域は、前記第1地点を含み、前記第2領域は、前記第2地点を含む。この態様により、地図表示装置は、遠方を表示する第2領域を鳥瞰図等により好適に表示することができる。
【0014】
上記地図表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記第1領域と前記第2領域とを繋いだ前記地図を前記表示部に表示する。この態様により、地図表示装置は、観察者の違和感が生じないように地図を好適に表示することができる。
【0015】
上記地図表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記移動体の現在位置から離れるほど前記角度が小さくなる前記第1領域内の第3領域を設け、前記第3領域は、前記移動体の現在位置を含み、前記第3領域に対する前記角度は、前記第2領域に対する前記角度よりも小さい。この態様により、移動体の現在位置周辺を鳥瞰図等により斜めの視点から好適に表示しつつ、移動体から離れた遠方をより平面的に表示して視認性を向上させることができる。
【0016】
上記地図表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記移動体の目的地、立寄地又は案内地点までの経路全体を表示するように、前記第3領域以外の領域の縮尺、面積割合又は曲率を変化させる。この態様により、地図表示装置は、走行すべき経路を好適に地図上に明示することができる。
【0017】
上記地図表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記第3領域には、前記移動体に備えられた検出部により検出した物体に関する情報を表示する。この態様により、地図表示装置は、現在位置周辺の物体の存在を好適に地図上に明示することができる。
【0018】
上記地図表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記移動体の目的地、立寄地又は案内地点の周辺を前記第2領域上に表示するように、前記地図を前記表示部に表示する。この態様により、地図表示装置は、目標となる地点を第2領域上で常時表示し、運転を好適に補助することができる。
【0019】
本発明に係る他の好適な実施形態では、地図表示装置が実行する制御方法であって、地図を表示部に表示する表示制御工程を有し、前記表示制御工程は、前記地図上の第1地点を見下ろす角度が、前記第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度よりも小さい角度となるように、前記地図を前記表示部に表示する。地図表示装置は、この制御方法を実行することで、遠方に行くほど見づらくなるといった鳥瞰図の問題を好適に解消した地図表示を行うことができる。
【0020】
本発明に係る他の好適な実施形態では、コンピュータが実行するプログラムであって、地図を表示部に表示する表示制御部として前記コンピュータを機能させ、前記表示制御部は、前記地図上の第1地点を見下ろす角度が、前記第1地点より移動体から遠い第2地点を見下ろす角度よりも小さい角度となるように、前記地図を前記表示部に表示する。コンピュータは、このプログラムを実行することで、遠方に行くほど見づらくなるといった鳥瞰図の問題を好適に解消した地図表示を行うことができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。以後において、「地図」とは、従来の経路案内用の車載機が参照するデータに加えて、ADAS(Advanced Driver Assistance System)や自動運転に用いられるデータも含むものとする。
【0022】
[地図表示装置の構成]
図1は、本実施例における地図表示装置1の概略構成図を示す。地図表示装置1は、車両内で使用される据置型又は携帯型の表示装置であって、主に、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、制御部14と、車両に設けられたセンサ部7と電気的に接続するインターフェース15と、表示部16と、音出力部17とを有する。地図表示装置1内の各要素は、バスライン19を介して相互に接続されている。
【0023】
通信部11は、制御部14の制御に基づきデータ通信を行う。例えば、通信部11は、センサ部7の出力に基づき検出された物体等に関する情報を、データの収集及び配信を行うサーバ装置へ送信したり、現在位置周辺のエリアに対応する地図データなどを、上述のサーバ装置から受信したりする。また、通信部11は、車両を制御するための制御信号を車両に送信する処理、車両の状態に関する信号を車両から受信する処理、及び車車間通信による他車両とのデータの送受信処理などを行ってもよい。
【0024】
記憶部12は、制御部14が実行するプログラムや、制御部14が所定の処理を実行する為に必要な情報を記憶する。本実施例では、記憶部12は、地図DB4と、センサデータキャッシュ6とを記憶する。地図DB4は、例えば、道路データ、施設データ、及び地物情報などを含むデータベースである。道路データには、経路探索用の車線ネットワークデータ、道路形状データ、交通法規データなどが含まれる。地物情報は、道路標識等の看板や停止線等の道路標示、センターライン等の道路区画線や道路沿いの構造物等の情報を含む。また、地物情報は、自車位置推定に用いるための地物の高精度な点群情報などを含
んでもよい。地図DB4は、通信部11により図示しないサーバ装置から受信する更新データに基づき適宜更新が行われてもよい。センサデータキャッシュ6は、センサ部7の出力データ(所謂生データ)を一時的に保持するキャッシュメモリである。
【0025】
入力部13は、ユーザが操作するためのボタン、タッチパネル、リモートコントローラ、音声入力装置等であり、例えば、目的地などの経路探索の条件を指定する入力、自動運転のオン及びオフを指定する入力などを受け付け、生成した入力信号を制御部14へ供給する。
【0026】
インターフェース15は、センサ部7の出力データを制御部14やセンサデータキャッシュに供給するためのインターフェース動作を行う。センサ部7は、ライダ71やカメラ72などの車両の周辺環境を認識するための複数の外界センサと、GPS受信機73、ジャイロセンサ74、加速度センサ75、速度センサ76などの内界センサを含む。ライダ71は、外界に存在する物体までの距離を離散的に測定し、当該物体の表面を3次元の点群として認識し、点群データを生成する。カメラ72は、車両から撮影した画像データを生成する。なお、センサ部7は、図1に示した外界センサ及び内界センサ以外の任意の外界センサ及び内界センサを有してもよい。例えば、センサ部7は、外界センサとして、超音波センサ、赤外線センサ、マイクなどを含んでもよい。ライダ71やカメラ72などの外界センサは、本発明における「検出部」の一例である。
【0027】
表示部16は、制御部14の制御に基づき、目的地までの経路を示した地図及び運転を補助する情報などを表示する。音出力部17は、制御部14の制御に基づき、運転を支援する案内音声などを出力する。
【0028】
制御部14は、所定のプログラムを実行するCPUなどを含み、地図表示装置1の全体を制御する。例えば、制御部14は、入力部13により入力された目的地への経路を示した地図を表示部16に表示する。この場合、制御部14は、後述するように、地図を内側に曲げて曲面状に表示する図法(「曲面図」とも呼ぶ。)を用いることで、現在位置周辺を表示しつつ、目的地周辺や次の案内地点付近などの遠方エリアを良好に表示した地図を表示する。制御部14は、表示制御部及びプログラムを実行するコンピュータ等として機能する。
【0029】
[地図表示]
次に、本実施例において制御部14が表示部16に表示させる地図の表示例について説明する。制御部14は、少なくとも一部の領域を曲面図により表示することで、現在位置周辺のエリアと遠方エリアとの両方を好適に地図上に表示させる。以下では、この表示例について、第1表示態様~第7表示態様に分類してそれぞれ説明する。なお、制御部14は、以下に説明する表示態様のいずれを採用して地図を表示するかを、入力部13によるユーザ入力に基づき決定してもよく、各表示態様に対して実行するための条件を予め定めておき、当該条件が満たされた表示態様を自動的に実行してもよい。
【0030】
(第1表示態様)
第1表示態様では、制御部14は、現在位置と目的地とが画面上に表示されるように地図を表示する。
【0031】
図2は、表示部16により表示される第1表示態様に係る概略的な地図表示を示す。図2では、制御部14は、現在位置を示す現在位置マーク30と、目的地を示す目的地マーク31と、現在位置から目的地までの経路を示す経路線Rtとを地図上に表示している。
なお、破線は、実際には表示されない仮想的な線であって、地上を2次元座標とみなした場合の各座標軸において等しい位置を等間隔により示した線(例えば緯線及び経線)である。図3は、図2の表示に道路及び施設などの表示を加えた具体的な表示例である。
【0032】
ここで、制御部14は、画面の下側に位置する領域(「下側領域」とも呼ぶ。)と、画面の上側に位置する領域(「上側領域」とも呼ぶ。)と、これらの間の領域(「中間領域」とも呼ぶ。)とで、地図の表示方法を異ならせている。具体的には、制御部14は、現在位置の周辺を表示する下側領域を鳥瞰図により表示し、中間領域を曲面図により表示し、目的地周辺を表示する上側領域を平面図又は平面図に近い視点となる図により表示している。このように、下側領域、中間領域、及び上側領域のそれぞれにおいて、地図を表示する視点が異なっている。各領域での地図の視点については、図4を参照して後述する。
【0033】
そして、現在位置付近を表示する下側領域については、縮尺が実質的に最も大きくなっており、上側領域についても、平面図又は平面図に近い視点となる図により地図が表示されるため、俯瞰的に見ることができる。一方、曲面図により表示された中間領域では、縮尺が実質的に最も小さくなり、簡略的に地図が表示されている。このように、図2及び図3の表示例では、下側領域に表示される現在位置周辺及び上側領域に表示される現在位置から遠方のエリアについて好適に視認可能な地図表示となっている。また、下側領域と中間領域との境界、及び、中間領域と上側領域の境界では、それぞれの領域が滑らかに繋がり、継ぎ目が発生していないため、見た目上の違和感が生じない。下側領域及び中間領域は、本発明における「第1領域」の一例であり、上側領域は、本発明における「第2領域」の一例であり、下側領域は、本発明における「第3領域」の一例である。
【0034】
そして、第1表示態様では、制御部14は、現在位置を示す現在位置マーク30の位置を固定し、かつ、目的地を示す目的地マーク31を地図上に表示している。この時、制御部14は、好適には、現在位置と目的地とが画面横方向の中央に位置するように縦(垂直)に並べ、可能な限りその位置関係を保って表示し続ける。このように、現在位置マーク30の位置を固定することで、運転者に自車位置を探させる手間を省く。同様に、現在位置と目的地とが画面横方向の中央に位置するように垂直に並べることで、運転者に画面上における目的地の位置を容易に把握させる。また、好適には、制御部14は、現在位置マーク30の向きが画面上方向と所定角度(例えば45°)差以内となるように地図を表示する。このようにすることで、現在位置マーク30がある程度前方を向いているように表示が保たれるため、運転者にとって違和感が生じにくい地図表示を行うことができる。このとき、例えば、制御部14は、現在位置マーク30の位置を固定することを1番目の優先事項(最優先事項)とし、現在位置マーク30の向きを画面上方向と所定角度差以内とすることを2番目の優先事項とし、目的地マーク31を地図上に表示すること及び現在位置と目的地とを画面上にて縦に並べることを3番目の優先事項として地図を表示する。
【0035】
さらに好適には、第1表示態様では、制御部14は、現在位置から目的地までの経路を示す経路線Rtの全体を表示するように表示部16上に地図を表示する。図2及び図3の例では、制御部14は、上側領域に目的地が存在し、かつ、経路線Rtの全体が画面内に表示されるように、地図を表示している。例えば、制御部14は、現在位置から目的地までの経路全体を表示することを、上述した1番目から3番目の優先事項に続く4番目の優先事項として地図を表示する。
【0036】
そして、制御部14は、センサ部7の出力に基づき特定した現在位置の移動に応じて、地図の表示を更新する。地図の表示更新に関する第1の例では、制御部14は、車両が目的地に近付くに従い、現在位置マーク30を下側領域上に表示したまま、地図全体を画面の上から下に向けてスクロールさせる。この場合、車両が目的地に近付くに従い、目的地マーク31は、上側領域の中心位置から徐々に画面下方に移動し、下側領域に表示された現在位置マーク30に近付く。
【0037】
地図の表示更新に関する第2の例では、制御部14は、現在位置マーク30を下側領域に固定し、かつ、目的地マーク31を上側領域に固定したまま、経路線Rtの全体が画面内に表示されるように地図を表示する。この場合、例えば、制御部14は、車両が目的地に近付くほど地図の縮尺が大きくなるように、下側領域以外の領域の地図の縮尺を段階的又は連続的に変更する。なお、この場合、制御部14は、下側領域の縮尺等については変更しないことで、現在位置付近の表示が頻繁に変わることに起因した違和感の発生を抑制する。他の例では、制御部14は、車両が目的地に近付くに従い、中間領域における曲面図の曲率を段階的又は連続的に変更する。さらに別の例では、制御部14は、車両が目的地に近付くに従い、中間領域の面積割合を段階的又は連続的に変更する。例えば、制御部14は、現在位置が目的地に近付くほど、中間領域の面積(即ち画面上下方向における幅)を小さくする。そして、制御部14は、目的地までの距離が所定距離以内となった場合、第1の例と同様に、車両が目的地に近付くに従い、現在位置マーク30を下側領域上に表示したまま、地図全体を画面の上から下に向けてスクロールさせる。
【0038】
このように、第1表示態様では、制御部14は、現在位置周辺を大縮尺により表示しつつ、現在位置から目的地までの経路の全体を表示部16の観察者に好適に視認させることができる。
【0039】
図4は、下側領域、中間領域、上側領域のそれぞれでの地図を表示する視点「Pe」の変化を概略的に示した図である。図4では、表示部16の画面上に表示される対象となるエリアである表示対象エリア「Dtag」と、表示対象エリアDtag内の各地点「P1」~「P7」に対する視点Peからの見下ろし角度「θ1」~「θ7」が示されている。なお、「見下ろし角度」とは、視点Peと当該視点から見下ろす地点とを結ぶ線が水平線に対してなす角度を指すものとし、平面図(視点Peが真上)により表された各地点に対する見下ろし角度は90°となり、鳥瞰図(視点Peが斜め上)により表された各地点に対する見下ろし角度は90°未満の角度となる。
【0040】
図4に示すように、鳥瞰図により表される下側領域では、中間領域に近付くほど見下ろし角度が大きくなる。例えば、下側領域と中間領域との境界地点である地点P2の見下ろし角度θ2は、現在位置に近い地点P1における見下ろし角度θ1よりも大きい。また、上側領域の地点P7の見下ろし角度θ7は、下側領域及び中間領域の各地点での見下ろし角度θ1~θ6よりも大きくなる。なお、上側領域が平面図により表される場合には、上側領域の各地点での見下ろし角度は全て90°となる。
【0041】
一方、曲面図により表された中間領域では、任意の2つの地点のうち下側領域に近い地点を第1地点とし、上側領域に近い地点を第2地点とすると、第1地点から第2地点までの各点を見下ろし角度は、第1地点から第2地点に向かうに従って大きくなる。例えば、第1地点を地点P4、第2地点を地点P5とした場合、地点P4から地点P5までの各地点の見下ろし角度は、第1地点から第2地点に向かうに従って角度θ4から角度θ5に向かって徐々に大きくなる。
【0042】
また、下側領域と中間領域との境界付近、及び、中間領域と上側領域の境界付近においても、見下ろし角度が連続的に変化する。これにより、それぞれの領域が滑らかに繋がり、継ぎ目が発生しない。これにより、現在位置周辺の領域と遠方の領域とを、観察者に違和感を生じさせることなく好適に地図上に表示させることができる。
【0043】
なお、制御部14は、立寄地が設定されている場合には、目的地を画面上に表示する代わりに、立寄地が画面上に表示されるように地図を表示してもよい。
【0044】
(第2表示態様)
第2表示態様では、制御部14は、目的地までの経路上において次に案内が必要な地点(「次案内地点」とも呼ぶ。)までの経路の全体が常に画面上に表示されるように地図を表示する。これにより、制御部14は、次に案内が必要な地点である次案内地点までの経路を好適に観察者に視認させる。
【0045】
図5(A)は、表示部16により表示される第2表示態様に係る概略的な地図表示を示す。図5(A)では、制御部14は、現在位置を示す現在位置マーク30と、次案内地点を示す案内地点マーク32と、経路線Rtとを地図上に表示している。
【0046】
図5(A)では、制御部14は、図2に示す第1表示態様の表示例と同様、現在位置周辺を表す下側領域を鳥瞰図、次案内地点の周辺を表す上側領域を平面図又は鳥瞰図、中間領域を曲面図により表示している。そして、制御部14は、第1表示態様と同様、画面の下から上への位置の変化と共に、見下ろし角度を連続的に大きくすることで、各領域を滑らかに繋げて表示する。
【0047】
また、第2表示態様では、制御部14は、目的地までの経路のうち、現在位置から次案内地点までの経路全体を表示するように経路線Rtを重ねた地図を表示部16上に表示する。そして、制御部14は、センサ部7の出力に基づき特定した現在位置の移動に応じて、地図の表示を更新する。
【0048】
図5(B)は、図5(A)の状態から所定距離だけ車両が走行したときの概略的な地図表示を示す。この場合、制御部14は、車両が次案内地点に近付くに従い、地図全体を画面の上から下に向けてスクロールさせることで、地図上の次案内地点を徐々に現在位置に近付ける。この場合、車両が次案内地点に近付くに従い、案内地点マーク32は、上側領域の中心位置から徐々に画面下方に移動し、図5(B)では、中間領域内に表示されている。そして、制御部14は、次案内地点を通過した場合、当該次案内地点の次に通過する案内地点を次案内地点として定め、図5(A)の表示例と同様、新たな次案内地点を上側領域の中央に表示し、かつ、新たな次案内地点までの経路全体が表示されるように経路線Rtを重ねた地図を表示部16上に表示する。
【0049】
なお、制御部14は、次案内地点までの距離が所定距離以上の場合、現在位置マーク30を下側領域に固定し、かつ、案内地点マーク32を上側領域に固定したまま、次案内地点までの経路全体が画面内に表示されるように地図を表示してもよい。この場合、制御部14は、例えば、第1表示形態において説明したように、現在位置が次案内地点に近付くに従い、下側領域以外の地図の縮尺、中間領域の面積割合、中間領域の曲率の少なくともいずれかを変化させる。そして、制御部14は、次案内地点までの距離が所定距離未満となった場合には、図5(B)の表示例と同様に、現在位置が次案内地点に近付くに従い、地図全体を画面の上から下に向けてスクロールさせることで、地図上の次案内地点を徐々に現在位置に近付ける。
【0050】
このように、第2表示態様によれば、制御部14は、次案内地点での進行方向や次案内地点までの経路を好適に観察者に視認させることができる。なお、第1表示態様と同様に、制御部14は、現在位置マーク30の位置を固定することを1番目の優先事項とし、現在位置マーク30の向きを画面上方向と所定角度差以内とすることを2番目の優先事項とし、次案内地点を地図上に表示すること及び現在位置と次案内地点とを画面上にて縦に並べることを3番目の優先事項とし、次案内地点までの経路全体を表示することを4番目の優先事項として地図を表示してもよい。
【0051】
(第3表示態様)
第3表示態様では、制御部14は、所定の条件を満たすPOI(Point of Interest)が常に画面上に表示されるように地図を表示する。これにより、制御部14は、観察者が関心ある(即ち立寄る可能性がある)地点と現在位置との位置関係を好適に明示する。ここで、上述の所定の条件を満たすPOI(「常時表示POI」とも呼ぶ。)は、例えば、ユーザが指定したジャンルに該当する施設のうち経路から所定距離以内に存在する施設、お気に入りの施設として指定されている施設のうち経路から所定距離以内に存在する施設、車両の状態(例えば燃料状態や充電状態)や車両の走行履歴(例えば過去の立寄地)等に基づき制御部14が決定したお薦めの施設などが該当する。
【0052】
図6は、表示部16により表示される第3表示態様に係る概略的な地図表示を示す。図6では、制御部14は、ユーザが指定したジャンル「レストラン」に該当する施設のうち経路から所定距離以内に存在する2つの施設を常時表示POIとみなす。そして、制御部14は、これらの施設の位置を含むように表示対象エリアを設定し、常時表示POIの位置をそれぞれ指し示すマーク33及びマーク34を地図上に表示する。この場合、制御部14は、北の方角を上にするノースアップや、車両の進行方向を上にするヘディングアップの各設定では常時表示POIが非表示となる可能性があるため、これらの各設定によらずに表示対象エリアを定める。例えば、制御部14は、常時表示POIの平均緯度と平均経度とを画面中央に合わせ、かつ、全ての常時表示POIが表示態様エリア内となるように地図の縮尺等を設定する。
【0053】
なお、制御部14は、常時表示POIと定めたPOIのうち、車両が通り過ぎることにより立寄る可能性が低くなったPOIについては常時表示POIから順次除外してもよい。例えば、制御部14は、常時表示POIとして定めたPOIに最も近い経路上の地点を車両が通過した場合には、当該POIを常時表示POIから除外してもよい。
【0054】
また、図6では、制御部14は、図2に示す第1表示態様の表示例及び図5に示す第2表示態様の表示例と同様、現在位置周辺を表す下側領域を鳥瞰図、次案内地点の周辺を表す上側領域を平面図又は鳥瞰図、中間領域を曲面図により表示している。そして、第1表示態様と同様、画面の下から上への位置の変化と共に、見下ろし角度を連続的に大きくすることで、各領域を滑らかに繋げて表示する。これにより、現在位置周辺を大きく表示しつつ、現在位置から離れた地点についても好適に画面上に表示することができる。
【0055】
なお、第3表示態様は、第1表示態様と組合せてもよい。この場合、制御部14は、目的地と常時表示POIが常に画面上に表示されるように地図を表示する。
【0056】
(第4表示態様)
第4表示態様では、制御部14は、ジャンクションやインターチェンジなどのランプ(傾斜路)が設けられた地点を通過する経路が設定されている場合、次に通過するランプが常に画面上に表示されるように地図を表示する。
【0057】
図7は、表示部16により表示される第4表示態様に係る概略的な地図表示を示す。図7では、制御部14は、設定された経路上にランプ39が存在することを認識し、ランプ39及びランプ39までの経路を表示するように経路線Rtを重ねた地図を表示部16上に表示する。ここでは、車両が走行中の道路38と道路38がランプ39により接続する道路40とが経路線Rtに重ねられた状態で地図上に表示されている。また、図7では、制御部14は、現在位置周辺を表す下側領域を鳥瞰図、ランプ39を含むエリアを表す上側領域を平面図又は平面図に近い視点となる図、中間領域を曲面図により表示している。これにより、現在位置周辺を大きく表示しつつ、ランプ39の周辺状況についても好適に画面上に表示させている。そして、制御部14は、センサ部7の出力に基づき特定した車両の現在位置の移動に応じて、地図の表示を更新する。
【0058】
この場合、制御部14は、第1表示態様における目的地と同様、最初に上側領域にランプ39を表示させた後、車両がランプ39に近付くに従い、地図全体を画面の上から下に向けてスクロールさせることで、下側領域に表示された現在位置マーク30に地図上のランプ39を徐々に近付ける。そして、制御部14は、車両がランプ39を通過した場合、当該ランプ39の次に通過するランプが存在する場合には、当該次のランプを基準として同様の地図表示を行う。一方、制御部14は、ランプ39の次に通過するランプが存在しない場合、他の表示態様による地図表示に切り替える。なお、制御部14は、ランプ39までの距離が所定距離以上離れている場合には、現在位置マーク30を下側領域に固定し、かつ、ランプ39を上側領域に固定したまま、ランプ39及びランプ39までの経路全体が画面内に表示されるように地図を表示してもよい。
【0059】
(第5表示態様)
第5表示態様では、制御部14は、駐車場における所定の駐車位置が目的地として設定されている場合、目的の駐車位置までの経路及び駐車場全体が常に画面上に表示されるように地図を表示する。
【0060】
図8は、表示部16により表示される第5表示態様に係る概略的な地図表示を示す。図8の例では、制御部14は、駐車場41内の所定の駐車位置が目的地として設定されていることを認識し、設定された駐車位置までの経路全体及び駐車場41の全体を表示するように経路線Rtを重ねた地図を表示部16上に表示する。また、図8では、制御部14は、現在位置周辺を表す下側領域を鳥瞰図、駐車場41を含むエリアを表す上側領域を平面図又は平面図に近い視点となる図、中間領域を曲面図により表示している。これにより、現在位置周辺を大きく表示しつつ、現在位置から離れた駐車場41付近での駐車位置への詳細な経路等についても好適に画面上に表示させている。
【0061】
なお、制御部14は、第5表示態様による表示を、目的地である駐車場41に所定距離以内に近付いた場合に実行してもよい。この場合、制御部14は、駐車場41に所定距離以内に近付いた場合に、図8に示すように、上側領域の中央部分に駐車場41全体が表示されるように地図を表示する。そして、制御部14は、センサ部7の出力に基づき特定した車両の現在位置の移動に応じて、地図の表示を更新する。例えば、制御部14は、第1表示態様における目的地と同様、最初に上側領域に駐車場41を表示させた後、車両が駐車場41に近付くに従い、地図全体を画面の上から下に向けてスクロールさせることで、下側領域に表示された現在位置マーク30に地図上の駐車場41を徐々に近付ける。
【0062】
第5表示態様によれば、駐車場付近での経路を好適に運転者に事前把握させることができる。
【0063】
(第6表示態様)
第6表示態様では、制御部14は、画面を横方向に3分割した左側領域、中間領域、右側領域にそれぞれ適切な地図の図法を適用することで、目的地又は次案内地点までの経路全体が常に画面上に表示されるように地図を表示する。
【0064】
図9は、表示部16により表示される第6表示態様に係る概略的な地図表示を示す。図9の例では、制御部14は、ヘディングアップにより目的地までの経路全体を地図上に表示する場合に、画面の横方向に左側領域、中間領域、右側領域をそれぞれ設定し、左側領域を鳥瞰図、中間領域を曲面図、右側領域を平面図又はこれに近い視点となる図により地図を表示している。そして、制御部14は、第6表示態様では、画面の左から右への位置の変化と共に、見下ろし角度を大きくする。
【0065】
この例によれば、制御部14は、画面の横方向に長い経路を表示する場合であっても、極端に横に長い経路線Rtを小縮尺の地図上に表示させることなく、縦方向及び横方向の長さの比率が好適な経路線Rtを地図上に表示させて視認性を向上させることができる。この場合、例えば、制御部14は、車両の左右方向における目的地までの距離が車両の進行方向における目的地までの距離の所定倍以上である場合に、第6表示態様による表示を行う。
【0066】
なお、制御部14は、目的地までの経路全体を地図上に表示する場合に限らず、次案内地点又は立寄地までの経路全体を示す地図を画面上に表示させる場合であっても同様に、第6表示態様により地図を表示してもよい。左側領域及び中間領域は、本発明における「第1領域」の一例であり、右側領域は、本発明における「第2領域」の一例であり、左側領域は、本発明における「第3領域」の一例である。
【0067】
(第7表示態様)
第7表示態様では、制御部14は、中間領域と上側領域の組を複数設けた地図を表示する。
【0068】
図10は、表示部16により表示される第7表示態様に係る概略的な地図表示を示す。図10の例では、制御部14は、画面下から順に、下側領域、第1中間領域、第1上側領域、第2中間領域、及び第2上側領域をそれぞれ設けている。そして、制御部14は、画面中央付近の第1上側領域内に次案内地点を示す案内地点マーク32を表示すると共に、画面上側付近の第1上側領域内に目的地を示す目的地マーク31を表示し、目的地までの経路全体を示す経路線Rtを地図上に表示させている。
【0069】
そして、制御部14は、センサ部7の出力に基づき特定した現在位置の移動に応じて、地図の表示を更新する。例えば、制御部14は、車両の進行と共に、地図全体を画面の上から下に向けてスクロールさせることで、地図上の目的地マーク31及び案内地点マーク32を徐々に下側領域の現在位置マーク30に近付ける。
【0070】
他の例では、制御部14は、案内地点マーク32が示す地点に所定距離以内に近付くまで、下側領域以外の領域での縮尺、面積比率又は曲率等を調整することで、目的地マーク31が示す目的地を第2上側領域内に固定し、案内地点マーク32が示す地点を第1上側領域内に固定してもよい。なお、案内地点マーク32が示す地点に車両が所定距離以内に近付いた場合には、制御部14は、車両の進行と共に地図を画面の上から下に向けてスクロールさせることで案内地点マーク32を徐々に現在位置マーク30に近付ける。そして、制御部14は、案内地点マーク32が示す地点の通過後には、中央付近の第1上側領域に新たな次案内地点の地点を表示させる。
【0071】
なお、図10の表示例に代えて、制御部14は、次案内地点の代わりに立寄地を第1上側領域に表示させてもよい。同様に、制御部14は、目的地の代わりに立寄地を第2上側領域に表示させてもよい。
【0072】
次に、上述の第1表示態様~第7表示態様に共通する表示について補足説明する。制御部14は、現在位置周辺の地図を表示する下側領域(第6表示態様では左側領域)では情報量が多い詳細な表示を行い、他の領域では情報量が少ない簡略的な表示を行ってもよい。
【0073】
図11は、下側領域と他の領域とで表示する情報量を異ならせた場合の地図の表示例である。図11では、一例として、制御部14は、目的地までの経路を示す経路線Rtを地図上に表示させると共に、ユーザが指定したジャンル(ここではレストラン)に対応する施設を表示している。
【0074】
図11に示すように、制御部14は、現在位置周辺を表示する下側領域では、地図DB4及びセンサデータキャッシュ6等に基づき、詳細な地図を表示している。具体的には、制御部14は、車線を明示した道路41、42を表示すると共に、信号表示44、標識45、障害物(ここでは歩行者)46などを表示している。なお、制御部14は、信号表示44、標識45、障害物46をセンサ部7の検出結果に基づいて表示してもよく、他車両による検出結果が反映された地図DB4を参照することで表示してもよい。また、制御部14は、下側領域内に存在するレストラン「○×レストラン」の所在地及び名称を示したマーク43を、当該レストランの位置に重ねて表示している。
【0075】
一方、制御部14は、中間領域及び上側領域では、簡略的な地図を表示する。図11では、制御部14は、車線を明示しない簡略的な道路を表示すると共に、ユーザが指定したジャンルに対応する施設の所在地を示すマーク47、48を表示している。そして、制御部14は、中間領域及び上側領域では、下側領域では表示していた信号表示、標識、障害物などの表示を省略している。
【0076】
このように、図11の表示例によれば、制御部14は、現在位置周辺の情報を好適にユーザに提示しつつ、画面全体の表示が煩雑化するのを好適に抑制することができる。
【0077】
以上説明したように、本実施例に係る地図表示装置1は、地図を表示部16に表示する制御部14を備える。制御部14は、地図上の第1地点の見下ろし角度が、第1地点より移動体から遠い第2地点の見下ろし角度よりも小さい角度となるように、地図を表示部16に表示する。これにより、地図表示装置1は、現在位置周辺のエリアと遠方のエリアとを好適に地図上に表示させることができる。
【0078】
[変形例]
制御部14は、下側領域、中間領域、上側領域を全て設ける代わりに、下側領域又は上側領域の少なくとも一方を設けなくともよい。例えば、制御部14は、下側領域と中間領域のみを設け、現在位置周辺を下側領域に表示し、その他のエリアを中間領域に表示してもよい。他の例では、制御部14は、中間領域と上側領域のみを設け、目的地などの遠方のエリアを上側領域に表示し、現在位置周辺を含む他のエリアを中間領域に表示してもよい。さらに別の例では、制御部14は、地図全体を曲面図により表示してもよい。
【0079】
[変形例2]
実施例では、領域を固定して地図全体をスクロールさせるようにしたが、目的地や立ち寄り地、案内地までの距離によって適宜領域を制御してもよい。例えば、目的地に近づくにつれ平面表示となるように見下ろし角度を大きくするようにしてもよい。
【0080】
表示視点についても、図3のように鳥瞰部分に対して横からの視点としてもよいし、曲面部分にねじりを与えて表示してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 地図表示装置
4 地図DB
6 センサデータキャッシュ
11 通信部
12 記憶部
13 入力部
14 制御部
15 インターフェース
16 表示部
17 音出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11