(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025035798
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】セルフ精算システム、システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20250307BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20250307BHJP
G07D 7/00 20160101ALI20250307BHJP
G07D 11/16 20190101ALI20250307BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G07G1/00 331Z
G07D7/00 H
G07D11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143062
(22)【出願日】2023-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】北村 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】藻川 俊二
(72)【発明者】
【氏名】樋口 浩二
【テーマコード(参考)】
3E041
3E141
3E142
【Fターム(参考)】
3E041AA01
3E141AA05
3E141BA20
3E141FJ07
3E142EA30
3E142FA18
3E142FA50
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】簡易に商品券の不正使用を抑制することができるセルフ精算システム等を提供する。
【解決手段】 セルフ精算システム1は、顧客による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部211と、精算に使用する商品券の画像である実画像を取得する画像取得部212と、少なくとも実画像を記憶する記憶部22と、顧客情報を取得する顧客情報取得部213と、精算処理を行う精算処理部216と、実画像と種別情報と顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させる記憶処理部214と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部と、
精算に使用する商品券の画像である実画像を取得する画像取得部と、
少なくとも前記実画像を記憶する記憶部と、
顧客情報を取得する顧客情報取得部と、
精算処理を行う精算処理部と、
前記実画像と前記種別情報と前記顧客情報とを紐づけて前記記憶部に記憶させる記憶処理部と、
を備えるセルフ精算システム。
【請求項2】
顧客に情報を表示する表示部と、
前記表示部に前記情報を表示させる表示制御部と、
をさらに備える、
請求項1に記載のセルフ精算システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記入力部に入力された前記種別情報に対応する前記商品券の見本画像を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載のセルフ精算システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記実画像と前記見本画像を前記表示部に表示させる、
請求項3に記載のセルフ精算システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記顧客情報を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載のセルフ精算システム。
【請求項6】
顧客による入力操作の様子を撮影する撮影部をさらに備え、
前記表示制御部は、顧客の入力操作時に、当該入力操作の様子を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載のセルフ精算システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記種別情報に対応する前記商品券の見本画像の少なくとも一つを前記表示部に表示させ、
前記入力部は、前記表示部に表示された少なくとも一の前記見本画像の中から選択された一の当該見本画像に対応する前記種別情報が入力されたとする、
請求項2に記載のセルフ精算システム。
【請求項8】
前記商品券の識別処理を行う識別部をさらに備える、
請求項1に記載のセルフ精算システム。
【請求項9】
前記識別部にて前記識別処理を行うことで前記種別情報を取得するか、前記入力部に入力された当該種別情報を取得するかを切り替える、
請求項8に記載のセルフ精算システム。
【請求項10】
前記識別部が識別した前記種別情報と、前記入力部に入力された当該種別情報とを照合する照合部をさらに備える、
請求項8に記載のセルフ精算システム。
【請求項11】
前記入力部に入力された前記種別情報に基づいて、前記実画像と予め登録された画像との照合処理を行う照合部をさらに備える、
請求項8に記載のセルフ精算システム。
【請求項12】
前記入力部は、顧客による前記商品券の有効期限についての入力を可能とする、
請求項1に記載のセルフ精算システム。
【請求項13】
操作者による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部と、
商品券の画像である実画像を取得する画像取得部と、
少なくとも前記実画像を記憶する記憶部と、
操作者情報を取得する操作者情報取得部と、
前記実画像と前記種別情報と前記操作者情報とを紐づけて前記記憶部に記憶させる記憶処理部と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフ精算システム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載された商品券処理機は、商品券を機体内に投入するための投入部と、前記投入部に接続され、当該投入部により機体内に投入された商品券を1枚ずつ搬送する搬送部と、前記搬送部に設けられ、前記投入部により機体内に投入された商品券の識別を行う識別部と、前記搬送部に接続され、前記識別部により識別された商品券を収納する収納部とを備える。また、特許文献1に記載された商品券処理機は、前記搬送部に接続され、前記識別部により識別された商品券を機体外に投出する投出部と、入金処理モードおよび確認処理モードを含む複数の処理モードのうちある一つの処理モードを行う制御部であって、前記入金処理モードが行われるときには、前記識別部により識別された商品券のうち所定の条件を満たす商品券を前記収納部に送るとともに所定の条件を満たさない商品券を前記投出部に送るよう前記搬送部の制御を行う制御部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品券の識別は、識別部に設けられたイメージセンサにより商品券の画像が取得されるとともに、この商品券の画像に基づいて商品券の種類や金額、券番号等に係る情報が取得される。そして、識別部により識別された商品券に係る情報が、記憶部等において予め登録されている、店舗で使用可能な商品券に係る情報と一致する場合には、当該商品券は商品券処理機の機体内の収納部に収納されるようになり、一方、店舗で使用可能な商品券に係る情報と一致しない場合には、当該商品券はリジェクト商品券として商品券処理機の機体外に投出されるようになる。
しかしながら、商品券の識別には、店舗で使用可能な商品券を予め登録しておくことや高いOCR精度が必要となる。他方、商品券には様々なデザインが存在し、OCRによる完全な判別は困難である。また、日々発行される地域振興券を全て登録することは容易ではない。
一方、セルフレジ又はセミセルフレジにおいて、商品券の不正使用を抑制するために、顧客対応係の店員が、顧客が商品券を利用する度に対応するのでは店員の負担が大きい。
本発明は、簡易に商品券の不正使用を抑制することができるセルフ精算システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的のもと完成させた本発明は、顧客による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部と、精算に使用する商品券の画像である実画像を取得する画像取得部と、少なくとも前記実画像を記憶する記憶部と、顧客情報を取得する顧客情報取得部と、精算処理を行う精算処理部と、前記実画像と前記種別情報と前記顧客情報とを紐づけて前記記憶部に記憶させる記憶処理部と、を備えるセルフ精算システムである。
ここで、顧客に情報を表示する表示部と、前記表示部に前記情報を表示させる表示制御部と、をさらに備えても良い。
また、前記表示制御部は、前記入力部に入力された前記種別情報に対応する前記商品券の見本画像を前記表示部に表示させても良い。
また、前記表示制御部は、前記実画像と前記見本画像を前記表示部に表示させても良い。
また、前記表示制御部は、前記顧客情報を前記表示部に表示させても良い。
また、顧客による入力操作の様子を撮影する撮影部をさらに備え、前記表示制御部は、顧客の入力操作時に、当該入力操作の様子を前記表示部に表示させても良い。
また、前記表示制御部は、前記種別情報に対応する前記商品券の見本画像の少なくとも一つを前記表示部に表示させ、前記入力部は、前記表示部に表示された少なくとも一の前記見本画像の中から選択された一の当該見本画像に対応する前記種別情報が入力されたとしても良い。
また、前記商品券の識別処理を行う識別部をさらに備えても良い。
また、前記識別部にて前記識別処理を行うことで前記種別情報を取得するか、前記入力部に入力された当該種別情報を取得するかを切り替えても良い。
また、前記識別部が識別した前記種別情報と、前記入力部に入力された当該種別情報とを照合する照合部をさらに備えても良い。
また、前記入力部に入力された前記種別情報に基づいて、前記実画像と予め登録された画像との照合処理を行う照合部をさらに備えても良い。
また、前記入力部は、顧客による前記商品券の有効期限についての入力を可能としても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、操作者による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部と、商品券の画像である実画像を取得する画像取得部と、少なくとも前記実画像を記憶する記憶部と、操作者情報を取得する操作者情報取得部と、前記実画像と前記種別情報と前記操作者情報とを紐づけて前記記憶部に記憶させる記憶処理部と、を備えるシステムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡易に商品券の不正使用を抑制することができるセルフ精算システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る精算システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図3】商品券処理装置の外観図の一例を示す図である。
【
図4】商品券処理装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図6】表示部に表示される精算画面の一例を示す図である。
【
図7】表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
【
図8】表示部に表示される依頼画面の一例を示す図である。
【
図9】表示部に表示される見本画像選択画面の一例を示す図である。
【
図10】制御部が行う記憶処理を示すフローチャートの一例である。
【
図11】第2実施形態に係る精算システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図12】制御部が行う記憶処理を示すフローチャートの一例である。
【
図13】第3実施形態に係る精算システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図14】制御部が行う記憶処理を示すフローチャートの一例である。
【
図15】第4実施形態に係るシステムの概略構成の一例を示す図である。
【
図16】売上入金機の概略構成の一例を示す図である。
【
図17】制御部が行う記憶処理を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る精算システム1(以下、単に「システム1」と称する場合がある。)の概略構成の一例を示す図である。
図2は、商品券の一例を示す図である。
図3は、商品券処理装置30の外観図の一例を示す図である。
図4は、商品券処理装置30の概略構成の一例を示す図である。
システム1は、貨幣処理装置10と、操作端末20と、商品券処理装置30と、サーバ40と、顧客情報読取装置45、カメラ50と、を備えている。貨幣処理装置10、操作端末20、商品券処理装置30、サーバ40、顧客情報読取装置45及びカメラ50は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の商業施設内で使用されることを例示することができる。ただし、サーバ40は、商業施設の外部、例えば当該商業施設の本部内で使用されても良い。
【0009】
貨幣処理装置10、操作端末20、商品券処理装置30、サーバ40、顧客情報読取装置45及びカメラ50は、ネットワーク55を介して互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク55は、装置間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。無線LANは、例えばWiFi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)であることを例示することができる。
【0010】
ここで、顧客がスーパーマーケット等の商業施設で商品を購入する際、チェックアウトカウンターで精算処理が行われる。精算処理には、顧客が購入する各商品の価格及び数量から、商業施設と顧客との間で行われる取引の金額を算出する処理と、商業施設が取引の金額分の貨幣等を顧客から受け取る処理とが含まれる。また、精算処理には、商業施設が顧客から受け取った貨幣等の金額が取引の金額を超える場合には、受け取った貨幣等の金額から取引の金額を差し引いた差額分の貨幣を商業施設が顧客に釣銭として返す処理が含まれる。
【0011】
商業施設の店員が商品のバーコードの読み取りから精算処理までを行う場合には、貨幣処理装置10及び操作端末20は有人レジとして機能する。他方、顧客自身が商品のバーコードの読み取りから精算処理まで行う場合には、貨幣処理装置10及び操作端末20はセルフレジとして機能する。商業施設の店員が商品のバーコードを読み取り、顧客が精算処理を行う場合には、貨幣処理装置10及び操作端末20はセミセルフレジとして機能する。
【0012】
精算処理時、貨幣処理装置10は、釣銭機として機能する。具体的には、貨幣処理装置10は、貨幣の入金処理を実行して、顧客が貨幣で支払うべき金額以上の貨幣を装置内に収納する。入金金額が、顧客が貨幣で支払うべき金額を超える場合、貨幣処理装置10は出金処理を実行し、入金金額から顧客が貨幣で支払うべき金額を差し引いた差額分の貨幣を釣銭として払い出す。
【0013】
顧客が貨幣で支払うべき金額は、商品券処理装置30に投入された商品券を考慮して定められる。
ここで、商品券としては、券面に記載された商品を提供してもらう権利を有する商品交換券、貨幣等の現金通貨ではないものの現金通貨に準じる価値を有し、券面に記載された金額の商品を提供してもらう権利を有する金券(
図2(a)参照)及び地域振興券、券面に記載された金額や割引率に基づいた金額を引いてもらう権利を有する割引券(
図2(b)参照)等を例示することができる。以下、商品交換券、金券、地域振興券、割引券を区別する必要がない場合には、これらをまとめて商品券と称する場合がある。
【0014】
商品交換券は、ビール券、お米券であることを例示することができる。
金券は、VISAやJCB等の信販会社が発行する金券、スーパーマーケット等が発行する金券であることを例示することができる。
割引券は、店舗での取引時に、予め定められた条件を満たした場合に発行されるレシートクーポンや、株主優待割引券であることを例示することができる。
【0015】
貨幣処理装置10及び操作端末20をセルフレジやセミセルフレジとして使用する場合に、例えば操作端末20は、顧客が購入する各商品の価格及び数量から算出された取引の金額と、商品券処理装置30に投入された商品券の種類及び枚数に応じた金額とを用いて顧客が貨幣で支払うべき金額を定める。例えば、操作端末20は、取引の金額から、商品券処理装置30に投入された金券又は地域振興券の券面に記載された金額を投入された枚数分加算することにより得た金額を減算した金額を、顧客が貨幣で支払うべき金額と定める。あるいは、操作端末20は、取引の金額から、商品券処理装置30に投入された商品交換券の券面に記載された商品に相当する金額を投入された枚数分加算することにより得た金額を減算した金額を、顧客が貨幣で支払うべき金額と定める。あるいは、操作端末20は、取引の金額から、商品券処理装置30に投入された割引券の券面に記載された割引額を投入された枚数分加算することにより得た金額を減算した金額を、顧客が貨幣で支払うべき金額と定める。
そして、操作端末20は、顧客が貨幣で支払うべき金額を、貨幣処理装置10に通知する。
【0016】
システム1は、商品券の不正使用を抑制する機能を有する。商品券の不正使用とは、例えば、商品券の種別情報を偽って使用することを例示することができる。商品券の種別情報とは、商品交換券、金券、地域振興券、割引券等の商品券の種類と、商品券が有する現金通貨に準じる価値とから構成されることを例示することができる。例えば、1,000円の金券と1,000円の地域振興券とでは、ともに1,000円の価値があっても種類が異なるため種別情報は異なる。また、1,000円の金券と、500円の金券とでは、種類が同じであっても価値が異なるため種別情報は異なる。そして、例えば、顧客が利用する商品券の種別情報が500円の金券であるにも関わらず、1,000円の金券であると宣言して利用することは、商品券の種別情報を偽って使用することに該当し、不正使用に該当する。
【0017】
システム1は、後で詳述するように、精算に使用する商品券の画像である実画像と、顧客が申告した商品券の種別情報と、顧客情報とを紐づけて、後述する記憶部22やサーバ40に記憶する機能を有する。これにより、顧客は、顧客情報と紐づけて商品券の不正使用が記憶されることを知るので、商品券の不正使用をし難くなる。また、例えば店員が記憶部22やサーバ40に記憶された、商品券の利用履歴を確認することで、商品券の不正使用が行われたことを知るので、実画像や種別情報と紐づけて記憶された顧客情報を用いて不正使用を行った顧客を知ることができる。そして、店員は、後日来店した、不正使用を行った顧客にお声掛けをすることが可能となる。これにより、不正使用を行った顧客が再度不正使用をすることが抑制される。
【0018】
以下、各装置について説明するとともに、商品券の不正使用を抑制する機能について詳述する。
(貨幣処理装置10)
貨幣処理装置10は、硬貨の入出金処理を行う硬貨処理機100と、紙幣の入出金処理を行う紙幣処理機200とを備えている。硬貨処理機100及び紙幣処理機200には、顧客から預かった硬貨や紙幣がそれぞれ入金されるとともに、硬貨処理機100及び紙幣処理機200から釣銭としての硬貨や紙幣がそれぞれ出金される。硬貨処理機100及び紙幣処理機200は、
図1に示すように、横に並べて配置されていることを例示することができる。ただし、硬貨処理機100及び紙幣処理機200は、縦に並べて配置されていても良い。
【0019】
《硬貨処理機100》
硬貨処理機100は、硬貨を受け入れる硬貨受入部101と、硬貨を払い出す硬貨払出部102とを有している。硬貨受入部101及び硬貨払出部102は、筐体110の前部に設けられている。
また、硬貨処理機100は、硬貨受入部101により筐体110内に取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部(不図示)と、入金搬送部の途中に設けられて、硬貨を識別する硬貨識別部(不図示)とを有している。
また、硬貨処理機100は、硬貨を金種別に収納する硬貨収納部(不図示)と、硬貨収納部から繰り出された硬貨を硬貨払出部102へ搬送する出金搬送部(不図示)とを有している。
【0020】
また、硬貨処理機100は、筐体110の前上部に、絵や文字等の情報を表示する表示部112を有している。表示部112は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであることを例示することができる。
また、硬貨処理機100は、硬貨受入部101、硬貨払出部102、入金搬送部、硬貨収納部、出金搬送部等を制御する硬貨制御部(不図示)を有している。硬貨制御部は、CPU(Central Processing Unit)(不図示)、ROM(Read Only Memory)(不図示)、RAM(Random Access Memory)(不図示)により構成され、入金処理、出金処理等の各種処理を実行する。
【0021】
《紙幣処理機200》
紙幣処理機200は、紙幣を受け入れる紙幣受入部201と、紙幣を払い出す紙幣払出部202とを有している。紙幣受入部201及び紙幣払出部202は、筐体210の前部に設けられている。
また、紙幣処理機200は、筐体210内の略中央部に設けられて、紙幣受入部201により筐体210内に取り込まれた紙幣を搬送する環状の周回搬送部(不図示)を有している。また、紙幣処理機200は、周回搬送部の途中に設けられて、紙幣を識別する紙幣識別部(不図示)と、紙幣を金種別に収納する3つの紙幣収納部(不図示)とを有している。また、紙幣処理機200は、出金リジェクト部207と、紙幣回収カセット208とを有している。
【0022】
また、紙幣処理機200は、紙幣受入部201、紙幣払出部202、周回搬送部、紙幣収納部等を制御する紙幣制御部(不図示)を有している。紙幣制御部は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成され、入金処理、出金処理等の各種処理を実行する。
【0023】
(商品券処理装置30)
商品券処理装置30は、略直方体形状の筐体31と、商品券を筐体31の内部に投入する投入部32と、投入部32に接続され、筐体31内に投入された商品券を搬送する搬送部33と、搬送部33に設けられ、筐体31内に投入された商品券の識別を行う識別部34とを備えている。また、商品券処理装置30は、識別部34により識別された商品券を筐体31外に投出する投出部35と、識別部34により識別された商品券を収納する収納部36とを備えている。また、商品券処理装置30は、識別部34による商品券の識別結果等に係る情報を表示する表示部37と、装置全体の作動を制御する制御部38とを備えている。
【0024】
投入部32は、筐体31の前面に設けられた投入口32aと、投入口32aに投入された商品券を搬送部33に繰り出す繰出機構32bとを有している。
投出部35は、筐体31の前面に設けられた投出口35aを有している。搬送部33により投出部35に送られた商品券は、投出口35aを介して筐体31の外部に投出される。
【0025】
識別部34は、搬送部33により搬送される商品券の表側及び裏側それぞれに対応して設けられた一対のイメージセンサ34a、34bを有しており、これらのイメージセンサ34a、34bにより、商品券の表側及び裏側の画像がそれぞれ撮像されるようになっている。また、識別部34は、イメージセンサ34a、34bにより撮像された画像に基づいて、商品券に印刷された文字(例えば、商品券の発行元や金額、券番号、有効期限等の文字)を光学文字認識(以下、「OCR」と称する場合がある。)等により読み取る。識別部34により撮像された商品券の画像や当該商品券に印刷された文字に係る情報は制御部38に送られる。
【0026】
搬送部33は、投出部35及び収納部36にそれぞれ接続されており、識別部34により識別された商品券を、投出部35又は収納部36に搬送する。搬送部33は、投出部35と収納部36との分岐箇所に、軸を中心として
図4における実線位置と破線位置との間で回転する分岐部材33aを有している。そして、搬送部33は、分岐部材33aが破線位置に位置するときには、識別部34により識別された商品券を投出部35に搬送し、分岐部材33aが実線位置に位置するときには、識別部34により識別された商品券を収納部36に搬送する。
【0027】
収納部36は、搬送部33から送られた商品券を積層状態で収納する。収納部36は、筐体31から手前側(
図4における左側)に引き出すことができるようになっている。より具体的には、収納部36の前面にはロック機構36aが設けられており、所定の権限を有する者がロック機構36aに鍵を差し込んで回すことにより、収納部36を筐体31から手前側に引き出してこの収納部36に収納されている商品券を回収することができるようになっている。
【0028】
表示部37は、筐体31の前面上部に設けられている。表示部37は、識別部34により識別された商品券の枚数等を数字で示すカウンタ37aと、青色、黄色、赤色等で点灯するLEDランプ37bとを有している。
【0029】
制御部38は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。制御部38には、繰出機構32b、搬送部33、識別部34、表示部37等がそれぞれ接続されている。
【0030】
制御部38は、識別部34のイメージセンサ34a、34bによりにより撮像された商品券の画像や、識別部34により読み取られた、商品券に印刷された文字に係る情報を操作端末20に送信する。
また、制御部38は、商品券が破れている等、商品券が損傷している場合には、分岐部材33aを破線位置に位置させ、商品券を投出部35に搬送する。他方、制御部38は、商品券が損傷していない場合には、分岐部材33aを実線位置に位置させ、商品券を収納部36に搬送する。つまり、制御部38は、識別部34により識別された商品券に係る情報を用いて、商品券が店舗で使用可能な商品券と一致するか否かの照合は行わない。
なお、商品券処理装置30は、投入部32と投出部35とを個別に備える代わりに、投入部32と投出部35が一体型となっている投入出部を備えていてもよい。かかる場合、投入出部に投入された商品券が損傷している場合は、損傷している商品券は、投入出部に搬送されてもよい。
【0031】
(顧客情報読取装置45)
顧客情報読取装置45は、顧客が携帯する会員カードに記憶された顧客情報(例えば会員番号)を読み取る装置であることを例示することができる。あるいは、顧客情報読取装置45は、顧客が携帯する携帯電話の表示部に表示された顧客情報を読み取る装置であっても良い。顧客情報読取装置45は、読み取った顧客情報を操作端末20に出力する。
【0032】
(カメラ50)
カメラ50は、モノクロカメラ、カラーカメラ、赤外線カメラであることを例示することができる。カメラ50は、撮像した画像を、操作端末20に出力する。
カメラ50は、操作端末20や商品券処理装置30を操作する顧客の顔画像を撮像可能な位置に配置されていることを例示することができる。また、カメラ50は、操作端末20を操作する顧客の手元を撮像可能な位置に配置されていても良い。例えば、操作端末20の後述する表示部23の表示画面とともに、表示画面をタッチする顧客の手元を撮像可能な位置に配置されていても良い。
【0033】
(操作端末20)
図5は、操作端末20の概略構成の一例を示す図である。
操作端末20は、装置全体を制御する制御部21と、データ等の記憶に用いられる記憶部22と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部23とを備えている。これら制御部21、記憶部22、表示部23等は、データを交換するための共通の経路であるバス(Bus)(不図示)にて接続されている。制御部21は、通信インターフェース(通信I/F)を介して、外部装置と通信可能である。
操作端末20は、固定型の端末であることを例示することができる。また、操作端末20は、固定型に限定されず、タブレット端末、タブレットPC、携帯情報端末(PDA)、ノートPC、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)等の可搬型の端末であっても良い。
【0034】
記憶部22は、半導体メモリなどの記憶装置であることを例示することができる。記憶部22は、市場で流通している商品券のうち、商品券処理装置30が設置されている商業施設で取り扱い可能な商品券の種別情報や画像を記憶する。
表示部23は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイのような表示装置と、タッチパッドのようなポインティングデバイスとを組み合わせて構成されるタッチパネルディスプレイであることを例示することができる。
【0035】
《制御部21》
制御部21は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)等により構成される。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)、アプリケーションプログラム、各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部22から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。CPUがプログラムを実行することにより、操作端末20の各部が制御される。
【0036】
制御部21は、顧客による商品券の種別情報等の入力を可能とする入力部211と、精算に使用する商品券の実際の画像である実画像を取得する画像取得部212と、顧客情報を取得する顧客情報取得部213とを備える。また、制御部21は、画像取得部212が取得した実画像や、顧客情報取得部213が取得した顧客情報等を記憶部22に記憶させる記憶処理部214と、表示部23に画面を表示させる表示制御部215と、精算処理を行う精算処理部216とを備える。
【0037】
入力部211は、表示部23に表示された物(例えばボタンや画像)が押された場合に、ボタンに表示された物や事項が選択されたとして、ボタンに表示された物や事項の入力を受け付ける。例えば、入力部211は、後述する「地域振興券(1,000円)」が表示された選択ボタン72が押された場合に、地域振興券(1,000円)の入力を受け付ける。また、入力部211は、後述する見本画像91が押された場合に、見本画像91が選択されたことを受け付ける。
【0038】
画像取得部212は、商品券処理装置30のイメージセンサ34a、34bにより撮像された商品券の画像を、商品券処理装置30から取得する。
顧客情報取得部213は、顧客情報読取装置45が読み取った顧客情報を、顧客情報読取装置45から取得する。また、顧客情報取得部213は、カメラ50が撮像した、顧客の顔画像や、操作端末20を操作する顧客の手元の画像を取得する。
【0039】
記憶処理部214は、画像取得部212が取得した商品券の実画像や、顧客情報読取装置45が読み取った顧客情報等を、記憶部22に記憶させる。なお、記憶処理部214は、サーバ40に記憶させても良い。
精算処理部216は、顧客が購入する各商品の価格及び数量から算出された取引の金額と、商品券処理装置30に投入された商品券の種類及び枚数に応じた金額とを用いて顧客が貨幣で支払うべき金額を定めるとともに、定めた、顧客が貨幣で支払うべき金額を、貨幣処理装置10に通知する。
【0040】
図6は、表示部23に表示される精算画面60の一例を示す図である。
表示制御部215は、顧客が購入する商品の登録が終了し、顧客が支払うべき金額が確定した場合に、表示部23に、顧客が支払うべき金額を表示する精算画面60を表示させる。表示制御部215は、精算画面60に、顧客が商品券を利用することを宣言するための利用宣言ボタン61を表示させる。
図6に示した例においては、利用宣言ボタン61には、「商品券を利用する」という文字が表示されている。また、表示制御部215は、精算画面60に、顧客が商品券を利用しないことを宣言するための、「商品券を利用しない」という文字が表示された不利用ボタン62を表示させる。また、表示制御部215は、精算画面60に、支払い方法を選択するためのボタンである、「現金で支払う」、「電子マネーで支払う」という文字が表示された支払方法ボタン63を表示させる。
【0041】
図7は、表示部23に表示される選択画面70の一例を示す図である。
表示制御部215は、利用宣言ボタン61が押された場合には、表示部23に、顧客が利用する商品券の種別情報を選択させるための選択画面70を表示させる。例えば、表示制御部215は、顧客が利用する商品券の種別情報を顧客により選択してもらうべく、表示部23に、選択を促す文字情報71とともに、商品券の種別情報が表示された選択ボタン72を複数表示させる。
図7に示した例においては、文字情報71は、「ご利用の商品券をお選びください」である。また、選択ボタン72は、「金券(1,000円)」、「金券(500円)」、「地域振興券(1,000円)」、「地域振興券(500円)」、「その他」がそれぞれ表示されたボタンである。
【0042】
図8は、表示部23に表示される依頼画面80の一例を示す図である。
表示制御部215は、選択画面70に表示された、「金券(1,000円)」等の種別情報が表示された選択ボタン72が押された場合には、表示部23に、商品券処理装置30(
図3参照)への商品券の挿入を促すための依頼画面80を表示させる。例えば、表示制御部215は、依頼画面80に、
図8に示すように、「ご利用の商品券を読み取らせてください」という、商品券の挿入を促すための文字と、商品券処理装置30のイラストとを表示するとともに、商品券処理装置30の投入口32a(
図3参照)を指す矢印を表示させる。
【0043】
図9は、表示部23に表示される見本画像選択画面90の一例を示す図である。
表示制御部215は、商品券処理装置30の投入口32aに商品券が挿入された場合には、顧客が利用する商品券に対応する見本画像91を顧客に選択させるための見本画像選択画面90を表示部23に表示させる。表示制御部215は、例えば、見本画像選択画面90に表示させる見本画像91として、記憶部22に予め記憶された、選択画面70にて選択された商品券の種別情報に対応する画像を表示させる。選択画面70にて選択された商品券の種別情報に対応する画像が複数ある場合には、表示制御部215は、
図9に示すように、例えば3つの見本画像91を表示させるとともに、他の見本画像91をスクロール表示させるための矢印92を表示させる。
【0044】
また、表示制御部215は、見本画像91とともに、見本画像91の選択を促す文字情報93を表示部23に表示させる。文字情報93は、
図9に示すように、例えば「該当する商品券見本をお選びください」であることを例示することができる。また、表示制御部215は、見本画像選択画面90に、「選択した商品券をさらに投入する」が表示された追加投入ボタン93aを表示させる。これにより、同じ種別情報の商品券を複数枚同時に利用する場合に、見本画像91を押すことと、追加投入ボタン93aを押すことを促す。また、表示制御部215は、見本画像選択画面90に、「次へ」が表示された次へボタン94を表示させる。
また、表示制御部215は、見本画像選択画面90に、顧客が利用する商品券に対応する見本画像91がない場合の操作を案内する案内情報95を表示部23に表示させる。案内情報95は、「該当する商品券見本がない場合やり直してください」との文字表示96と、「やり直し」が表示されたやり直しボタン97であることを例示することができる。
【0045】
また、表示制御部215は、見本画像選択画面90に、商品券処理装置30にて撮像した商品券の実画像98と、顧客情報取得部213が取得した顧客情報99とを表示させる。
図9には、表示制御部215が、顧客情報99として、顧客の顔画像を表示させている例を示している。なお、表示制御部215は、顧客情報99として、顧客情報読取装置45が読み取った顧客情報(例えば会員番号)を見本画像選択画面90に表示させてもよい。また、表示制御部215は、最終的に該当する見本画像91がなかった場合に備え、「店員を呼ぶ」等の店員を呼ぶための文字が表示された店員呼出ボタンを見本画像選択画面90に表示させても良い。
【0046】
図10は、制御部21が行う記憶処理を示すフローチャートの一例である。制御部21は、記憶処理を、予め設定された一定時間(例えば1mm秒)毎に繰り返し実行する。
制御部21は、顧客により商品券を利用することが宣言されたか否かを判定する(S1001)。S1001の処理は、例えば、入力部211が、精算画面60に表示された利用宣言ボタン61が押されたことにより、商品券の利用の宣言を受け付けたか否かを判定する処理であることを例示することができる。そして、商品券を利用することが宣言された場合(S1001でYES)、制御部21は、表示部23に、顧客が利用する商品券の種別情報を選択するための画面を表示させる(S1002)。S1001の処理は、表示制御部215が
図7に示した選択画面70を表示させる処理である。
【0047】
その後、制御部21は、商品券の種別情報が選択されたか否かを判定する(S1003)。S1003の処理は、例えば、入力部211が、選択画面70に表示された選択ボタン72が押されたことにより、商品券の種別情報を受け付けたか否かを判定する処理である。商品券の種別情報が選択されていない場合(S1003でNO)、制御部21は、選択されるまで待機する。他方、商品券の種別情報が選択された場合(S1003でYES)、制御部21は、商品券処理装置30への商品券の挿入を促すための画面を表示させる(S1004)。S1004の処理は、表示制御部215が、例えば
図8に示した依頼画面80を表示させる処理である。
【0048】
そして、制御部21は、商品券処理装置30へ商品券が挿入され、商品券の画像が撮像されたか否かを判定する(S1005)。S1005の処理は、画像取得部212が、商品券処理装置30のイメージセンサ34a、34bにより撮像された商品券の画像を取得したか否かを判定する処理である。商品券の画像が撮像されていない場合(S1005でNO)、制御部21は、撮像されるまで待機する。商品券の画像が撮像された場合(S1005でYES)、制御部21は、撮像した画像である実画像98と、S1003にて選択された種別情報に対応する商品券の見本画像91と、顧客情報とを表示部23に表示させる(S1006)。S1006の処理は、表示制御部215が、例えば
図9に示した見本画像選択画面90を表示させる処理である。
【0049】
そして、制御部21は、商品券の見本画像91が選択されたか否かを判定する(S1007)。S1007の処理は、例えば、入力部211が、見本画像選択画面90に表示された見本画像91が押されるとともに次へボタン94が押された場合に、見本画像91が選択されたと判定する処理である。見本画像91が選択された場合(S1007でYES)、制御部21は、実画像98と、S1007にて選択された見本画像91に対応する種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させる(S1008)。S1008の処理は、記憶処理部214が、記憶部22に記憶させる処理である。なお、記憶処理部214は、サーバ40に記憶させても良い。
【0050】
一方、見本画像91が選択されていない場合(S1007でNO)、制御部21は、前の処理からやり直す指示がなされたか否かを判定する(S1009)。S1009の処理は、例えば、見本画像選択画面90に表示されたやり直しボタン97が押されたか否かを判定する処理である。やり直す指示がなされていない場合(S1009でNO)、制御部21は、S1006以降の処理を行う。他方、やり直す指示がなされた場合(S1009でYES)、制御部21は、本記憶処理を終了する。また、商品券を利用することが宣言されていない場合(S1001でNO)、制御部21は、本記憶処理を終了する。
【0051】
以上、説明したように、システム1は、顧客による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部211と、精算に使用する商品券の画像である実画像98を取得する画像取得部212と、少なくとも実画像98を記憶する記憶部22と、顧客情報を取得する顧客情報取得部213と、精算処理を行う精算処理部216と、実画像98と種別情報と顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させる記憶処理部214と、を備えるセルフ精算システムの一例である。
【0052】
以上のように構成されたシステム1においては、記憶部22に、顧客が使用する商品券の実画像98と種別情報と顧客情報とが紐づけて記憶される。顧客は、商品券の不正使用をした場合、例えば、利用した商品券(言い換えれば商品券処理装置30に挿入した商品券)と、選択した商品券の種別情報とが異なる場合、顧客情報と紐づいて、実画像98と選択した種別情報とが記憶されているので、後に不正使用が明らかになると考える。そのため、顧客は、商品券の不正使用をし難くなる。その結果、システム1は、OCR機能を用いることなく、簡易に商品券の不正使用を抑制することができる。
【0053】
システム1は、顧客に情報を表示する表示部23と、表示部23に情報を表示させる表示制御部215とをさらに備える。そして、表示制御部215は、入力部211に入力された種別情報に対応する商品券の見本画像91を表示部23に表示させる。例えば、選択画面70に表示された複数の選択ボタン72の中から一の選択ボタン72が押された場合に、入力部211は、一の選択ボタン72に表示された商品券の種別情報の入力を受け付け、受け付けた種別情報に対応する商品券の見本画像91を表示部23に表示させる。より具体的には、「地域振興券(1,000円)」が表示された選択ボタン72が押された場合に、表示制御部215は、予め登録されている地域振興券(1,000円)の見本画像91を表示部23に表示させる。これにより、顧客が利用する商品券と一致する商品券を選択し易くすることができる。
【0054】
また、表示制御部215は、実画像98と見本画像91を表示部23に表示させる。これにより、顧客は、見本画像91を選択し易くなる。
また、表示制御部215は、顧客情報を表示部23に表示させる。これにより、顧客は、自身の情報が取得されていることを把握するので、商品券の不正使用をしないようにするという意志が働く。
【0055】
システム1は、顧客による入力操作の様子を撮影する撮影部の一例としてのカメラ50をさらに備え、表示制御部215は、顧客の入力操作時に、当該入力操作の様子を表示部23に表示させる。これにより、顧客は、自身の入力操作の様子が取得されていることを把握するので、商品券の不正使用をしないようにするという意志が働く。
【0056】
なお、上述した実施形態において、制御部21は、利用する商品券が有効期限内であることを顧客に宣言させても良い。例えば、表示制御部215が見本画像選択画面90に、利用する商品券が有効期限内であることを宣言するための有効期限内ボタンであって、「有効期限内である」という文字が表示された有効期限内ボタンを表示させる。そして、入力部211は、有効期限内ボタンが押されたことにより、利用する商品券が有効期限内であるとの入力を可能とする。
そして、例えば、制御部21は、S1007の処理において、見本画像選択画面90に表示された見本画像91、及び、有効期限内ボタンが押されるとともに、次へボタン94が押された場合に、実画像98と、種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させると良い。
これにより、有効期限が過ぎた商品券の不正使用を抑制することができる。
あるいは、商品券処理装置30の制御部38は、現在の日付が、識別部34のOCRにより読み取られた商品券の有効期限内であるか否かを照合し、有効期限内ではない場合に、分岐部材33aを破線位置に位置させ、商品券を投出部35に搬送するようにしてもよい。有効期限のOCRについては、比較的複雑なOCR辞書データが不要であるため、簡易に照合することができるからである。
【0057】
また、上述した実施形態においては、制御部21は、表示部23に見本画像91を表示させて選択させることで利用する商品券の種別情報を最終的に確定して記憶部22に記憶させているが、特にかかる態様に限定されない。制御部21は、表示部23に見本画像91を表示させることなく商品券の種別情報を確定しても良い。例えば、表示制御部215は、見本画像選択画面90に、見本画像91を表示させることなく、商品券の実画像98及び顧客情報99とともに、選択画面70の選択ボタン72が押されることにより選択された商品券の種別情報を文字にて表示させても良い。そして、見本画像選択画面90の次へボタン94が押された場合に、実画像98と、種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させると良い。
【0058】
あるいは、表示制御部215は、選択画面70を表示させるのではなく、見本画像選択画面90において見本画像91を表示させて選択させる代わりに、商品券の種別情報が表示された選択ボタン72を複数表示させて選択させても良い。つまり、制御部21は、実画像98と複数の選択ボタン72と顧客情報とを表示部23に表示させ、いずれかの選択ボタン72が押されるとともに、次へボタン94が押された場合に、実画像98と、押された選択ボタン72に対応する種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させると良い。
【0059】
また、上述した実施形態において、制御部21は、「次へ」ボタン94が押された後、選択された商品券はお釣りが出るものか出ないものかを判定し、お釣りが出ない場合、「選択された商品券はお釣りが出ませんがよろしいですか?」と顧客に確認する確認画面をさらに表示しても良い。そして、選択された商品券はお釣りが出ないものであることを顧客が確認した場合(例えば確認画面に表示された、「はい」という文字情報が表示されたボタンが押された場合)、制御部21は、実画像98と、種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させると良い。
【0060】
また、上述した実施形態において、制御部21の動作は、1つのCPUが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のCPUが協働して実行してもよい。例えば、複数のCPUの内の一のCPUが入力部211、画像取得部212、顧客情報取得部213、記憶処理部214及び表示制御部215として動作し、他のCPUが精算処理部216として動作しても良い。
【0061】
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係る精算システム2(以下、単に「システム2」と称する場合がある。)の概略構成の一例を示す図である。
第2実施形態に係るシステム2は、第1実施形態に係るシステム1に対して、操作端末20に相当する操作端末220が異なる。第1実施形態と第2実施形態とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0062】
第2実施形態に係る操作端末220は、第1実施形態に係る操作端末20に対して、制御部21に相当する制御部221が異なる。第2実施形態に係る制御部221は、第1実施形態に係る制御部21に対して、顧客が利用する商品券が、顧客が選択した商品券と同一であるか否かを照合する照合部217を有する点が異なる。
【0063】
照合部217は、商品券処理装置30のイメージセンサ34a、34bにより撮像された実画像98と、顧客により選択された見本画像91とが同一であるか否かを照合する。そして、照合部217は、実画像98と見本画像91との一致点が予め定められた閾値以上である場合に、実画像98と見本画像91とが同一であると判断する。
【0064】
図12は、制御部221が行う記憶処理を示すフローチャートの一例である。制御部221は、記憶処理を、予め設定された一定時間(例えば1mm秒)毎に繰り返し実行する。なお、
図12に示すフローチャートにおいて、
図10に示すフローチャートと同じ処理については同じ処理番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0065】
S1007の処理において、見本画像91が選択された場合(S1007でYES)、制御部221は、実画像98と顧客により選択された見本画像91とが同一であるか否かを判定する(S1201)。S1201の処理は、照合部217が実画像98と見本画像91とを照合し、一致点が閾値以上である場合に同一であると判定し、一致点が閾値未満である場合に同一ではないと判定する処理である。
【0066】
実画像98と見本画像91とが同一である場合(S1201でYES)、制御部221は、実画像98と、S1007にて選択された見本画像91に対応する種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させる(S1008)。他方、実画像98と見本画像91とが同一ではない場合(S1201でNO)、制御部21は、顧客が利用しようとしている商品券が使用できない旨を報知し(S1202)、本記憶処理を終了する。報知する態様は特に限定されない。例えば、表示制御部215が表示部23に、「この商品券は使用できません」、又は、「この商品券は使用できませんので最初からやり直してください」と表示させて商品券の使用をキャンセルする処理であることを例示することができる。また、制御部21は、実画像98と見本画像91とが同一ではない場合(S1201でNO)、例えば操作端末20の近くに設置した警告ランプを点滅させるとともに、表示部23に「店員が来るまで待ってください」と表示させても良い。また、制御部21は、実画像98と見本画像91とが同一ではない場合(S1201でNO)、操作端末20に、「店員を呼び出す」と表示されたボタンを表示しても良い。
【0067】
以上、説明したように、システム2においては、制御部221は、入力部211に入力された種別情報に基づいて選択された見本画像91と、実画像98との照合処理を行う(S1201)。これにより、システム2によれば、確度高く商品券の不正使用を抑制することができる。
【0068】
なお、照合部217は、顧客により選択された商品券の種別情報と、商品券処理装置30のイメージセンサ34a、34bにより撮像された商品券に印刷された文字に係る情報とが同一であるか否かを照合しても良い。例えば、照合部217は、S1201の処理において、顧客により選択された商品券の種類及び金額と、商品券処理装置30により撮像された商品券に印刷された種類及び金額とが同一であるか否かを判定しても良い。そして、商品券の種類及び金額が同一である場合(S1201でYES)、制御部21は、実画像98と、S1007にて選択された見本画像91に対応する種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させ(S1008)、商品券の種類又は金額が同一ではない場合(S1201でNO)、制御部21は、顧客が利用しようとしている商品券が使用できない旨を報知する(S1202)ようにしても良い。なお、商品券処理装置30により撮像された商品券に印刷された文字の読み取りは、商品券処理装置30の識別部34が行っても良いし、操作端末220が備えるOCR機能を用いて行っても良いし、貨幣処理装置10が備えるOCR機能を用いて行っても良いし、サーバ40が備えるOCR機能を用いて行っても良い。あるいは、商品券処理装置30により撮像された商品券に印刷された文字の読み取りは、商品券処理装置30に接続されたPC(例えば固定PC、ノートPC、タブレットPC)が備えるOCR機能を用いて行っても良い。
【0069】
また、上述した実施形態において、制御部221の動作は、1つのCPUが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のCPUが協働して実行してもよい。例えば、複数のCPUの内の一のCPUが入力部211、画像取得部212、顧客情報取得部213、記憶処理部214、表示制御部215及び照合部217として動作し、他のCPUが精算処理部216として動作しても良い。
【0070】
<第3実施形態>
図13は、第3実施形態に係る精算システム3(以下、単に「システム3」と称する場合がある。)の概略構成の一例を示す図である。
第3実施形態に係るシステム3は、第2実施形態に係るシステム2に対して、操作端末220に相当する操作端末320が異なる。第2実施形態と第3実施形態とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
第3実施形態に係る操作端末320は、第2実施形態に係る操作端末220に対して、制御部221に相当する制御部321が異なる。第3実施形態に係る制御部321は、第2実施形態に係る制御部221に対して、商品券の種別情報を識別する識別部318と、識別部318にて識別処理を行うことで種別情報を取得するか、入力部211に入力された種別情報を取得するかを切り替える切替部319と、を有する点が異なる。
【0072】
識別部318は、商品券処理装置30により撮像された商品券の画像より、商品券に印刷された文字を識別する。識別部318は、商品券処理装置30の識別部34が読み取った、商品券に印刷された文字を取得するとともに、取得した文字を用いて商品券の種別情報を識別することを例示することができる。あるいは、識別部318は、操作端末320が備えるOCR機能を用いて、商品券処理装置30により撮像された商品券の画像を読み取ることで商品券の種別情報を識別しても良い。
【0073】
切替部319は、識別部318が商品券の種別情報を識別することができなかった場合に、例えば、商品券処理装置30により撮像された商品券の画像より商品券の種類又は金額を識別できなかった場合に、顧客による商品券の種別情報の選択に切り替える。例えば、切替部319は、識別部318が商品券の種別情報を識別することができなかった場合に、表示制御部215が、表示部23に、顧客が利用する商品券の種別情報を選択するための画面を表示させる態様に切り替える。
【0074】
図14は、制御部321が行う第3実施形態に係る記憶処理を示すフローチャートの一例である。制御部321は、記憶処理を、予め設定された一定時間(例えば1mm秒)毎に繰り返し実行する。なお、
図14に示すフローチャートにおいて、
図12に示すフローチャートと同じ処理については同じ処理番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0075】
商品券を利用することが宣言された場合(S1001でYES)、制御部321は、商品券処理装置30への商品券の挿入を促すための画面を表示させる(S1004)。S1004の処理は、表示制御部215が、例えば
図8に示した依頼画面80を表示させる処理である。その後、商品券処理装置30へ商品券が挿入され、商品券の画像が撮像されたか否かを判定する(S1005)。商品券の画像が撮像されていない場合(S1005でNO)、制御部21は、撮像されるまで待機する。
【0076】
他方、商品券の画像が撮像された場合(S1005でYES)、制御部321は、商品券の種別情報を識別する(S1401)。これは、識別部318が行う処理である。そして、商品券の種別情報を識別することができたか否か、言い換えれば、商品券の種類及び金額を識別することができたか否かを判定する(S1402)。そして、商品券の種別情報を識別できた場合(S1402でYES)、制御部321は、撮像した画像である実画像98と、S1401にて識別された種別情報に対応する商品券の見本画像91と、顧客情報とを表示部23に表示させる(S1006)。
【0077】
一方、商品券の種別情報を識別できなかった場合(S1402でNO)、制御部321は、表示部23に、顧客が利用する商品券の種別情報を選択するための画面を表示させる(S1002)。その後、制御部321は、商品券の種別情報が選択されたか否かを判定する(S1003)。商品券の種別情報が選択されていない場合(S1003でNO)、制御部321は、選択されるまで待機する。他方、商品券の種別情報が選択された場合(S1003でYES)、制御部321は、撮像した画像である実画像98と、S1003にて選択された種別情報に対応する商品券の見本画像91と、顧客情報とを表示部23に表示させる(S1006)。
【0078】
S1006の処理の後、制御部321は、商品券の見本画像91が選択されたか否かを判定する(S1007)。そして、見本画像91が選択された場合(S1007でYES)、制御部321は、実画像98と顧客により選択された見本画像91とが同一であるか否かを判定する(S1201)。実画像98と見本画像91とが同一である場合(S1201でYES)、制御部321は、実画像98と、S1007にて選択された見本画像91に対応する種別情報と、顧客情報とを紐づけて記憶部22に記憶させる(S1008)。他方、実画像98と見本画像91とが同一ではない場合(S1201でNO)、制御部321は、顧客が利用しようとしている商品券が使用できない旨を報知し(S1202)、本記憶処理を終了する。
【0079】
一方、見本画像91が選択されていない場合(S1007でNO)、制御部321は、前の処理からやり直す指示がなされたか否かを判定する(S1009)。やり直す指示がなされていない場合(S1009でNO)、制御部321は、S1006以降の処理を行う。他方、やり直す指示がなされた場合(S1009でYES)、制御部321は、本記憶処理を終了する。
【0080】
以上、説明したように、システム3は、商品券の識別処理を行う識別部318を備える。そして、システム3においては、識別部318にて識別処理を行うことで種別情報を取得するか、入力部211に入力された種別情報を取得するかを切り替える。例えば、制御部321は、商品券の種別情報を識別できなかった場合(S1402でNO)、表示部23に、顧客が利用する商品券の種別情報を選択するための画面を表示させ(S1002)、顧客による商品券の種別情報の選択を促す。これにより、顧客により誤って種別情報が選択されることを抑制することができる。
【0081】
また、システム3においては、商品券の種別情報を識別できた場合(S1402でYES)、表示制御部215は、種別情報に対応する商品券の見本画像91を少なくとも一つを表示部23に表示させ(S1006)、入力部211は、表示部23に表示された少なくとも一の見本画像91の中から選択された一の見本画像91に対応する種別情報が入力されたとする(S1008)。これにより、商品券の種別情報を選択する顧客の負荷を抑制することができる。
【0082】
<第4実施形態>
図15は、第4実施形態に係るシステム4の概略構成の一例を示す図である。
図16は、売上入金機400の概略構成の一例を示す図である。
第4実施形態に係るシステム4は、第1実施形態に係るシステム1に対して、貨幣処理装置10と、操作端末20、顧客情報読取装置45及びカメラ50の代わりに、売上入金機400を備えている点が異なる。第1実施形態と第4実施形態とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0083】
売上入金機400は、紙幣、商品券等の紙葉類、並びに、硬貨を収納可能な装置であり、貨幣処理装置10から回収された紙幣や硬貨、商品券処理装置30から回収された商品券を入れるための装置である。システム1の貨幣処理装置10、操作端末20等が商業施設のチェックアウトカウンターに設けられているのに対して、売上入金機400は、商業施設の売り場及びチェックアウトカウンターから区切られた出納室に設置されている。なお、売上入金機400に収納された紙幣、硬貨、商品券等の有価媒体は、例えば、警備会社によって回収される。
【0084】
売上入金機400は、筐体410を有している。また、売上入金機400は、前面から見て筐体410の右側に、紙幣、商品券等の紙葉類を処理するための紙葉類処理部420を有し、前面から見て筐体410の左側に、硬貨を処理するための硬貨処理部430を有している。また、売上入金機400は、筐体410の下部には、紙葉類及び硬貨を収容するための収容部440を有している。また、売上入金機400は、前面側の上部にはタッチパネル等からなる表示部450と、表示部450の側方に設けられて、操作者の磁気カード、ICカード等のIDカードを読み取るカードリーダ460とを有している。
【0085】
また、売上入金機400は、データ等の記憶に用いられる記憶部470と、機器全体を制御する制御部480とを有している。
記憶部470は、操作端末20の記憶部22に相当する部位であり、市場で流通している商品券のうち、商品券処理装置30が設置されている商業施設で取り扱い可能な商品券の種別情報や画像を記憶する。
【0086】
制御部480は、操作端末20の制御部21に相当する部位であり、操作者による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部481と、商品券の画像である実画像を取得する画像取得部482と、操作者情報を取得する操作者情報取得部483とを備える。また、制御部480は、画像取得部482が取得した実画像や、操作者情報取得部483が取得した操作者情報等を記憶部470に記憶させる記憶処理部484と、表示部450に画面を表示させる表示制御部485と、を備える。
【0087】
入力部481は、制御部21の入力部211に相当する部位であり、表示部450に表示された物(例えばボタンや画像)が押された場合に、ボタンに表示された物や事項が選択されたとして、ボタンに表示された物や事項の入力を受け付ける。
画像取得部482は、制御部21の画像取得部212に相当する部位であり、商品券処理装置30のイメージセンサ34a、34bにより撮像された商品券の画像を、商品券処理装置30から取得する。
【0088】
操作者情報取得部483は、制御部21の顧客情報取得部213に相当する部位であり、例えばカードリーダ460が読み取った操作者の情報を、カードリーダ460から取得する。また、操作者情報取得部483は、売上入金機400が設置された出納室に設けられたカメラが撮像した、操作者の顔画像や、表示部450を操作する操作者の手元の画像を取得しても良い。
【0089】
記憶処理部484は、制御部21の記憶処理部214に相当する部位であり、画像取得部482が取得した商品券の実画像や、操作者情報取得部483が取得した操作者情報等を、記憶部470に記憶させる。なお、記憶処理部484は、サーバ40に記憶させても良い。
【0090】
表示制御部485は、制御部21の表示制御部215に相当する部位である。そして、表示制御部485は、表示部450に、操作者が商品券を収納することを宣言するための宣言ボタン(不図示)を表示させる。宣言ボタンは、例えば、「商品券を収納する」という文字が表示されていることを例示することができる。
【0091】
また、表示制御部485は、商品券を収納することを宣言するための宣言ボタンが押された場合には、表示部450に、操作者が収納する商品券の種別情報を選択するための選択画面(不図示。例えば
図7に示す選択画面70に相当。)を表示させる。
また、表示制御部485は、商品券の種別情報を選択するための選択画面に表示された種別情報が表示された選択ボタン(不図示。例えば
図7に示す選択ボタン72に相当。)が押された場合には、表示部450に、商品券処理装置30(
図3参照)への商品券の挿入を促すための依頼画面(不図示。例えば
図8に示す依頼画面80に相当。)を表示させる。
【0092】
また、表示制御部485は、商品券処理装置30の投入口32aに商品券が挿入された場合には、操作者が収納する商品券に対応する見本画像91(
図9参照)を、操作者に選択させるための見本画像選択画面(不図示。例えば
図9に示す見本画像選択画面90に相当。)を表示させる。また、表示制御部485は、見本画像選択画面に、商品券処理装置30にて撮像した商品券の実画像98(
図9参照)と、操作者情報取得部483が取得した操作者情報とを表示させる。
【0093】
図17は、制御部480が行う記憶処理を示すフローチャートの一例である。制御部480は、記憶処理を、予め設定された一定時間(例えば1mm秒)毎に繰り返し実行する。
図17に示した記憶処理は、
図10を用いて説明した操作端末20の制御部21が行う記憶処理と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0094】
制御部480は、操作者により商品券を収納することが宣言されたか否かを判定する(S1701)。そして、商品券を収納することが宣言された場合(S1701でYES)、制御部480は、表示部450に、操作者に収納する商品券の種別情報を選択させるための画面を表示させる(S1702)。
その後、制御部480は、商品券の種別情報が選択されたか否かを判定する(S1703)。商品券の種別情報が選択されていない場合(S1703でNO)、制御部480は、選択されるまで待機する。他方、商品券の種別情報が選択された場合(S1703でYES)、制御部480は、商品券処理装置30への商品券の挿入を促すための画面を表示させる(S1704)。
【0095】
そして、制御部480は、商品券処理装置30へ商品券が挿入され、商品券の画像が撮像されたか否かを判定する(S1705)。商品券の画像が撮像されていない場合(S1705でNO)、制御部480は、撮像されるまで待機する。商品券の画像が撮像された場合(S1705でYES)、制御部480は、撮像した画像である実画像98と、S1703にて選択された種別情報に対応する商品券の見本画像91と、操作者情報とを表示部450に表示させる(S1706)。
【0096】
そして、制御部480は、商品券の見本画像91が選択されたか否かを判定する(S1707)。見本画像91が選択された場合(S1707でYES)、制御部480は、実画像98と、S1707にて選択された見本画像91に対応する種別情報と、操作者情報とを紐づけて記憶部470に記憶させる(S1708)。なお、制御部480は、サーバ40に記憶させても良い。
【0097】
一方、見本画像91が選択されていない場合(S1707でNO)、制御部480は、前の処理からやり直す指示がなされたか否かを判定する(S1709)。やり直す指示がなされていない場合(S1709でNO)、制御部480は、S1706以降の処理を行う。他方、やり直す指示がなされた場合(S1709でYES)、制御部480は、本記憶処理を終了する。また、商品券を収納することが宣言されていない場合(S1701でNO)、制御部480は、本記憶処理を終了する。
【0098】
以上、説明したように、システム4は、操作者による商品券の種別情報の入力を可能とする入力部481と、商品券の画像である実画像98を取得する画像取得部482と、少なくとも実画像98を記憶する記憶部470と、操作者情報を取得する操作者情報取得部483と、実画像98と種別情報と操作者情報とを紐づけて記憶部470に記憶させる記憶処理部484と、を備える。
【0099】
以上のように構成されたシステム4においては、記憶部470に、操作者が収納する商品券の実画像98と種別情報と顧客情報とが紐づけて記憶される。操作者は、商品券を誤って収納した場合、例えば、収納した商品券と、選択した商品券の種別情報とが異なる場合、操作者情報と紐づいて実画像98と選択した種別情報とが記憶されているので、後に誤って収納したことが明らかになると考える。そのため、操作者は、商品券を誤って収納し難くなる。その結果、システム4は、OCR機能を用いることなく、簡易に、商品券が誤って収納されることを抑制することができる。なお、記憶部470に、実画像98、種別情報、顧客情報の他に、操作者が収納した日時(取引日時)、収納元情報レジ番号や商品券処理装置番号を記憶しても良い。
【0100】
なお、システム4においては、商品券処理装置30は、売上入金機400と別体である場合を例示しているが、売上入金機400と一体的に設けられていても良い。
また、システム4においては、売上入金機400を有するが、売上入金機400の代わりに、紙幣や硬貨等を出金する出金部をさらに備え、貨幣処理装置10から回収された紙幣や硬貨等の入金処理を行うだけではなく出金処理を行うこともできる売上入出金機を有しても良い。
また、システム4において、売上入金機400の制御部480は、照合部217、識別部318、切替部319を有していても良い。
【符号の説明】
【0101】
1,2,3…精算システム、4…システム、10…貨幣処理装置、20…操作端末、21,221,321,480…制御部、23,450…表示部、30…商品券処理装置、40…サーバ、45…顧客情報読取装置、211…入力部、212…画像取得部、213…顧客情報取得部、214…記憶処理部、215…表示制御部、216…精算処理部、50…カメラ,400…売上入金機