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特開2025-35970酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025035970
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/40 20220101AFI20250306BHJP
   C22B 7/00 20060101ALI20250306BHJP
   C22B 5/04 20060101ALI20250306BHJP
   C22B 5/10 20060101ALI20250306BHJP
   C22B 5/06 20060101ALI20250306BHJP
   B09B 3/70 20220101ALI20250306BHJP
   B09B 101/30 20220101ALN20250306BHJP
   B09B 101/50 20220101ALN20250306BHJP
   B09B 101/55 20220101ALN20250306BHJP
【FI】
B09B3/40
C22B7/00 F ZAB
C22B5/04
C22B5/10
C22B5/06
B09B3/70
B09B101:30
B09B101:50
B09B101:55
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191008
(22)【出願日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】202311126109.5
(32)【優先日】2023-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516265780
【氏名又は名称】北京科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】張深根
(72)【発明者】
【氏名】沈漢林
(72)【発明者】
【氏名】劉波
【テーマコード(参考)】
4D004
4K001
【Fターム(参考)】
4D004AA02
4D004AA16
4D004AA18
4D004AA31
4D004AA36
4D004AA37
4D004AA43
4D004BA02
4D004BA05
4D004CA29
4D004CA37
4D004CB31
4D004CC15
4D004DA03
4D004DA06
4D004DA16
4D004DA20
4K001AA02
4K001AA10
4K001AA23
4K001AA35
4K001AA36
4K001AA38
4K001BA12
4K001BA14
4K001BA22
4K001BA24
4K001DA05
4K001HA01
4K001HA03
4K001HA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多源固体廃棄物の相乗的な資源化を実現し、合金と無機非金属材料になり、プロセスが短く、応用面が広く、操作性が高く、産業化が容易であるという利点を有する、多源固体廃棄物の再資源化方法を提供する。
【解決手段】方法は、多源固形廃棄物成分データを収集するステップと、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムに対して成分計算を行い、調合して、目標成分の無機非金属材料原料を得るステップと、原料を溶融させ、スラグになり、多源固体廃棄物中の炭素、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素が還元剤とするステップと、スラグが、高温均質反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用するステップと、還元剤がスラグ中の有価金属を還元して合金とし、有価金属回収を実現するステップと、スラグを高値化して無機非金属材料に使用するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法であって、
多源固形廃棄物成分データを収集するステップと、
酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムに対して成分計算を行い、調合して、目標成分の無機非金属材料原料を得るステップと、
原料を溶融させ、スラグになり、多源固形廃棄物中の還元剤がスラグ中の有価金属を還元して合金とし、有価金属回収を実現するステップと、
スラグを高値化して無機非金属材料に使用するステップと、を含むことを特徴とする、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法。
【請求項2】
前記酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの単位組成マトリックスは、以下のように計算され
【数1】
ここで、Pはn番目の固形廃棄物中の添加量であり、
n-CaOは、n番目の固体廃棄物中のCaOの含有量であり、
n-SiO2は、n番目の固体廃棄物中のSiOの含有量であり、
n-Al2O3は、n番目の固体廃棄物中のAlの含有量であり、
n-MgOは、n番目の固体廃棄物中のMgOの含有量であり、
は、i番目の固体廃棄物中のCaO、SiO、AlおよびMgOの合計含有量であり、
αは、対象鉱物相組成領域におけるCaO含有量であり、
βは、対象鉱物相組成領域におけるSiO含有量であり、
γは、対象鉱物相組成領域におけるAl含有量であり、
δは、対象鉱物相組成領域におけるMgO含有量であり、
α、β、γ、δの合計は1であり、
ここで、前記添加量および含有量は重量%を意味することを特徴とする請求項1に記載の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法。
【請求項3】
前記スラグが、高温均質反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用し、還元反応を固体/固体と固体/液体の不均質反応から均質反応に変化させることを特徴とする請求項1に記載の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法。
【請求項4】
前記多源固体廃棄物の還元剤が、炭素、アルミニウム金属、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項1に記載の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法。
【請求項5】
前記無機非金属材料が、ケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミネート系の無機非金属材料、アルミノケイ酸塩系の無機非金属材料、およびアルミニウム-マグネシウム系の無機非金属材料のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項1に記載の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法。
【請求項6】
前記酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法は、
S1:データ収集:多源固形廃棄物成分データを収集する、すなわち、多源固形廃棄物中のCaO、SiO、Al及びMgOの含有量を決定するステップと、
S2:目標鉱物相組成と固体廃棄物原料を決定:無機非金属材料に使用するために価値の高いスラグの主鉱物相を決定し、CaO-SiO-Al、CaO-SiO-MgO、CaO-Al-MgO、SiO-Al-MgOの三元相図に基づいて目標鉱物相組成領域を決定する、すなわち、CaO、SiO、Al、MgOの含有重量%の範囲、原料として二つ以上の固形廃棄物または工業原料を選択するステップと、
S3:成分計算を行い、調合:選択された固体廃棄物の組成データと目標鉱相組成データを組成計算マトリックスに代入し、マトリックスを解き、選択された固体廃棄物の添加量を求め、調合して混合し、目標組成の無機非金属材料原料を得るステップと、
S4:溶融:前記原料を1300~1800℃に加熱した後、1.0~3.0時間の温度に保持し、溶融してスラグにするステップと、
S5:還元:前記スラグは高温の均一な反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用し、還元剤はスラグ中の価金属を合金に還元するステップと、
S6:スラグと金属の分離:前記合金は、スラグよりも密度が高いため、スラグの底に沈降し、スラグから分離するステップと、
S7:スラグ高値化:前記スラグは目標鉱物相組成によって、それぞれケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミネート系の無機非金属材料、アルミノケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミニウム-マグネシウム系の無機非金属材料の高値化に適用されるステップと、をさらに含む酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形廃棄物再資源化の分野に関し、特に、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法に基づくマルチソース固形廃棄物再資源化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業の発展と生活水準の向上に伴い、固形廃棄物の発生量は年々増加している。合理的な処理方法が確立されていないため、固形廃棄物は依然として主に杭や埋立地に堆積されている。しかし、固形廃棄物は、酸化カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウムなどの無機非金属原料のほか、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、カドミウム、スズ、鉛などの有価金属元素を多量に含む誤廃棄資源である。固形廃棄物の無機非金属材料化が実現できれば、固形廃棄物による環境圧力を効果的に緩和し、従来の無機非金属原料の消費を減らすことができる。
【0003】
無機非金属材料は、主に酸化カルシウム、二酸化ケイ素、アルミナ、酸化マグネシウムの展開によって調製され、ケイ酸塩、アルミネート、アルミノケイ酸塩、アルミニウムマグネシウム塩などの形で存在する。ケイ酸塩としては、ケイ酸三カルシウム(CaSiO)、ケイ酸二カルシウム(CaSiO)、ウォラストナイト(CaSiO)、珪灰石(CaSi)、アスベスト(CaMgSi12)、カンラン石(MgSiO)を含み、アルミネートは、ヘプタアルミン酸十二カルシウム(Ca12Al1433)、アルミン酸三カルシウム(CaAlカルシウムアルミネート(CaAlカルシウムジアルミネート(CaAl)を含み、アルミノケイ酸塩は、カルシウムアルミニウムイエロー長石(CaAlSiO)、カルシウム長石(CaAlSi)、ムライト(AlSi13)を含み、アルミニウムマグネシウム酸塩は、マグネシウムアルミニウムスピネル(MgAl)を含む。
【0004】
無機非金属材料は主に建築材料の分野で使用され、セメント、ガラス、セラミックなどの伝統的な建築材料と透水性レンガ、微結晶ガラス、ジオポリマー、ロックウール、多孔質材料などの新建築材料が含まれる。我が国の建材市場は巨大で成長しており、固形廃棄物を無機非金属材料に転換する価値が高く、建材分野に応用することで、大量の固形廃棄物を排除し、固形廃棄物がもたらす環境圧力を効果的に緩和し、従来の無機非金属材料原料の消費を削減することができる。
【0005】
現在、固形廃棄物資源利用については、湿式法と熱法の2種類があるが、いずれも特定の種類の固形廃棄物を対象としており、固形廃棄物に含まれる基本的な酸化物単位から出発しておらず、固形廃棄物成分を科学的に展開する仕組みとプログラムが欠けている。湿式法は主にセメントコンクリートと透水性レンガなどのセメント系材料で、それぞれ活性成分と不活性成分を含む固形廃棄物をセメント系材料と骨材として使用する。固形廃棄物をセメント原料や骨材として選択する。固形廃棄物を粉砕して微粉末にし、均一に混合して混合物を得る。混合物を水と混ぜてスラリーを得、型枠に注入して成形する。常温または高温で維持管理した後、セメントコンクリートや透水性レンガを得る。熱法は主にセラミックスと微結晶ガラスである。その工程は次の通りである。適切な固形廃棄物を選択してバッチ化し、混合して混合物を得る。混合物を成形した後、高温で焼結してセラミックスを得る。混合物を溶融し、鋳造し、熱処理して微結晶ガラスを得る。
【0006】
中国特許出願公開第114671633号明細書は、アルカリスラグ、鉄鋼スラグ、赤泥、廃石膏、バイオマスアッシュおよびスラグを原材料とする全固形廃棄物クリンカーフリーセメント系材料、導電性モルタルおよびその調製方法を開示している。このうち、アルカリスラグ、製鋼スラグ、赤泥はアルカリ加振材として、廃石膏は硫酸加振材として、スラグとバイオマスアッシュは活性材として使用され、スラグとバイオマスアッシュはアルカリ-硫酸二重加振の作用により水和ケイ酸カルシウムゲルとカロメルを生成するため、スラリーは接着性を有し、セメントの代替となる。しかし、この技術は、固形廃棄物中の基本酸化物単位の科学的配合を考慮していないため、技術的制約が大きく、固形廃棄物中の塩類不純物やアルカリ性不純物の含有量が多いため、製品性能が不安定である。
【0007】
中国特許出願公開第115477502号明細書には、固形廃棄物を利用した透水性レンガの製造方法が開示されており、その原料には鉄滓スラグ、フライアッシュ、砂、珪藻土、セメント、わら粉が含まれる。このうち、鉄滓スラグ、フライアッシュ、風成堆積砂は骨材、珪藻土とセメントはセメント系材料、わら粉は補強材である。しかし、この技術は固形廃棄物中の基礎酸化物ユニットの科学的配置を考慮しておらず、技術的制約が大きく、鉄滓スラグとフライアッシュの固形廃棄物添加量が少なく、固形廃棄物処理能力が低すぎる。
【0008】
中国特許出願公開第106630640号明細書は、微結晶ガラス、銅滓スラグ、赤泥滓スラグ、炭化カルシウムスラグ及びその他の産業廃棄物を一定の割合で包括的に利用し、ワラストナイト微結晶ガラスを調製し、建材及び装飾材料に使用することを開示している。しかし、扱う固形廃棄物は銅滓スラグ、赤泥滓スラグ、炭化カルシウムスラグの3種類のみであり、微結晶ガラス製品の鉱物相はワラストナイトのみであるため、大きな制約があり、固形廃棄物中の有価金属はリサイクルされていない。
【0009】
中国特許出願公開第112958584号明細書は、有害固形廃棄物重金属の二次アルミ灰スラグ還元とスラグ利用方法を開示し、二次アルミ灰スラグと有害固形廃棄物、廃ガラスと生石灰を混合し、二次アルミ灰スラグを還元剤として窒化アルミニウムで、溶融方法の使用は、金属相の有害固形廃棄物重金属の還元となり、建築材料に利用価値の高いスラグ。しかし、扱う固形廃棄物は二次アルミ灰スラグ、有害固形廃棄物、廃ガラスだけで、製品の対象鉱物相組成は狭く、体系的な組成計算とバッチ手順がないので、応用範囲が狭い。
【0010】
中国特許出願公開第111995436号明細書は、固形廃棄物セラミックタイルとその調製方法を開示し、セラミック廃棄物、赤泥、ガングー、玄武岩、ベントナイト、ジルコン砂を含む原料、ボールミル、乾燥、プレス成形、乾燥、底釉を適用し、表面釉を適用し、乾燥、焼成によって最終的に固形廃棄物セラミックタイルを得る。しかし、赤泥は貴重な鉄を多く含み、鉄資源のセラミックス廃棄物を直接焼成し、酸化鉄の化学的性質と高温耐性が悪く、セラミックスのサービス性能に影響を与えます。
【0011】
まとめると、既存の固形廃棄物資源化技術は、固形廃棄物中の基本的な酸化物単位から出発することなく、特定の種類の固形廃棄物を対象としており、固形廃棄物成分の科学的展開の仕組みと応用案が欠けている。したがって、すべての無機固形廃棄物を無機非金属材料に資源化し、固形廃棄物中の有価金属を回収することを実現するために、多源固形廃棄物協同資源化技術が急務である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】中国特許出願公開第114671633号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第115477502号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第106630640号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第112958584号明細書
【特許文献5】中国特許出願公開第111995436号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、既存技術の欠陥を克服し、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法を提供することであり、前記方法は、固体廃棄物中の有価金属を合金に還元し、スラグの高い価値を無機非金属材料に利用し、多資源固体廃棄物の処分問題を完全に解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法は、多源固形廃棄物成分データを収集するステップと、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムに対して成分計算を行い、調合して、目標成分の無機非金属材料原料を得るステップと、原料を溶融させ、スラグになり、多源固体廃棄物中の炭素、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素が還元剤とするステップと、スラグが、高温均質反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用するステップと、還元剤がスラグ中の有価金属を還元して合金とし、有価金属回収を実現するステップと、スラグを高値化して無機非金属材料に使用するステップと、を含む。
【0015】
さらに、前記酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの単位組成マトリックスは、以下のように計算される。
【0016】
【数1】
【0017】
ここで、Pはn番目の固形廃棄物中の添加量(重量%)であり、
n-CaOは、n番目の固体廃棄物中のCaOの含有量(重量%)であり、
n-SiO2は、n番目の固体廃棄物中のSiOの含有量(重量%)であり、
n-Al2O3は、n番目の固体廃棄物中のAlの含有量(重量%)であり、
n-MgOは、n番目の固体廃棄物中のMgOの含有量(重量%)であり、
は、i番目の固体廃棄物中のCaO、SiO、AlおよびMgOの合計含有量(重量%)であり、
αは、対象鉱物相組成領域におけるCaO含有量(重量%)であり、
βは、対象鉱物相組成領域におけるSiO含有量(重量%)であり、
γは、対象鉱物相組成領域におけるAl含有量(重量%)であり、
δは、対象鉱物相組成領域におけるMgO含有量(重量%)であり、
α、β、γ、δの合計は1である。
【0018】
さらに、前記多様な固形廃棄物は、産業固形廃棄物および家庭固形廃棄物を含み、前記産業固形廃棄物は、脱硫石膏、鉄鋼スラグ、マグネシウムスラグ、電気炉スラグ、廃棄物焼却飛灰、リン酸化石膏、高炉スラグ、酸洗汚泥、廃ガラス、鉄滓、石炭飛灰、石炭がら、脱硫マンガンスラグ、アルミニウムクリンカ、および赤泥のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されず、前記家庭固形廃棄物は、廃棄物焼却飛灰、廃棄物焼却ボトムアッシュ、および都市汚泥のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0019】
さらに、前記スラグが、高温均質反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用し、還元反応を固体/固体と固体/液体の不均質反応から均質反応に変化させる。
【0020】
さらに、前記多源固体廃棄物の還元剤が、炭素、アルミニウム金属、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素のうちの少なくとも1つから選択される。
【0021】
さらに、前記無機非金属材料が、ケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミネート系の無機非金属材料、アルミノケイ酸塩系の無機非金属材料、およびアルミニウム-マグネシウム系の無機非金属材料のうちの少なくとも1つから選択される。
【0022】
さらに、前記酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法は、
S1:データ収集:多源固形廃棄物成分データを収集する、すなわち、多源固形廃棄物中のCaO、SiO、Al及びMgOの含有量を決定するステップと、
S2:目標鉱物相組成と固体廃棄物原料を決定:無機非金属材料に使用するために価値の高いスラグの主鉱物相を決定し、CaO-SiO-Al、CaO-SiO-MgO、CaO-Al-MgO、SiO-Al-MgOの三元相図に基づいて目標鉱物相組成領域を決定する、すなわち、CaO、SiO、Al、MgOの含有重量%の範囲、原料として二つ以上の固形廃棄物または工業原料を選択するステップと、
S3:成分計算を行い、調合:選択された固体廃棄物の組成データと目標鉱相組成データを組成計算マトリックスに代入し、マトリックスを解き、選択された固体廃棄物の添加量を求め、調合して混合し、目標組成の無機非金属材料原料を得るステップと、
S4:溶融:前記原料を1300~1800℃に加熱した後、1.0~3.0時間の温度に保持し、溶融してスラグにするステップと、
S5:還元:前記スラグは高温の均一な反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用し、還元剤はスラグ中の価金属を合金に還元するステップと、
S6:スラグと金属の分離:前記合金は、スラグよりも密度が高いため、スラグの底に沈降し、スラグから分離するステップと、
S7:スラグ高値化:前記スラグは目標鉱物相組成によって、それぞれケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミネート系の無機非金属材料、アルミノケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミニウム-マグネシウム系の無機非金属材料の高値化に適用されるステップと、を含む。
【0023】
本発明の原理は以下の通りである。
(1)多源固形廃棄物にはCaO、SiO、Al、MgOが多量に含まれており、CaO、SiO、Al、MgOは無機非金属材料の基本単位である鉱相の主成分である。本発明は、固形廃棄物の資源性を生かし、CaO、SiO、Al、MgOを溶融法により目的とする鉱相に合成し、無機非金属材料の調製に高付加価値で利用することで、あらゆる無機固形廃棄物の資源性を実現するものである。
(2)本発明は、科学的かつ合理的な組成配合により、多源固形廃棄物の協同資源化を実現する。CaO-SiO-Al、CaO-SiO-MgO、CaO-Al-MgO、SiO-Al-MgOの三元相図における目標鉱物相の組成領域(ソフトウェアFactSage7.0およびより高度なバージョンによる)および選択された多元固体廃棄物のCaO、SiO、Al、MgOの含有量に従って、マトリックス計算を行うことにより、各固形廃棄物の添加量を求め、多源固形廃棄物から目的の鉱物相無機非金属材料を正確に調製する。
(3)本発明では、目的とする無機非金属材料の組成要求に応じて、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を調製するために、各固形廃棄物の添加量を調整することにより、任意の鉱物相の無機非金属材料を調製することができる。珪酸塩鉱物相として、珪酸三カルシウム(CaSiO)、珪酸二カルシウム(CaSiO)、ウォラストナイト(CaSiO)、珪灰石(CaSi)、石綿(CaMgSi12)、カンラン石(MgSiO)などである。アルミネート鉱物相として、ヘプタアルミン酸十二カルシウム(Ca12Al1433)、アルミン酸三カルシウム(CaAl)、カルシウムアルミネート(CaAl)、カルシウムジアルミネート(CaAl)などである。アルミノケイ酸塩鉱物相として、カルシウム-アルミニウム黄長石(CaAlSiO)、カルシウム長石(CaAlSi)、ムライト(AlSi13)などである。アルミニウム-マグネシウム塩鉱物相として、マグネシウム-アルミニウムスピネル(MgAl)である。
(4)炭素、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素とV、Cr、MnO、Fe、CoO、NiO、CuO、ZnO、MoO、CdO、SnO、PbOとの反応のギブズ自由エネルギーを図3に示し、異なる温度における異なる還元剤と酸化物との反応のギブズ自由エネルギーを決定することができ、その反応式を式(1)~(6)に示す。図に示すように、温度が1200℃を超えると、V、Fe、CoO、NiO、CuO、ZnO、MoO、CdO、SnO、PbOの還元反応における炭素、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素のギブズ自由エネルギーはすべてゼロ以下となり、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素によるCr、MnOの還元のギブス自由エネルギーは、すべてゼロ以下である。したがって、炭素、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素を還元して有価金属を回収することは、熱力学的に可能である。
C+2/yM=2x/yM+CO(g) (1)
Al+3/2yM=3x/2yM+1/2Al (2)
AlN+3/2yM=3x/2yM+1/2Al+1/2N(g) (3)
Al+12/yM=12x/yM+2Al+3CO(g) (4)
Si+6/yM=6x/yM+3SiO+2N(g) (5)
SiC+4/yM=4x/yM+SiO+CO(g) (6)
(5)混合物は溶融によってスラグに変化し、スラグは水溶液のように高温の均一な反応環境を提供し、反応物の溶媒として働き、有価金属の酸化物や窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素を溶解することができる。有価金属の酸化物は金属陽イオンのスラグ解離に、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素は炭素/窒素基を含む陰イオンのスラグ錯体に、金属陽イオンと炭素/窒素基を含む陰イオンの二重イオン反応に電子の移動を達成するために、反応過程は図3に示すように、炭素、金属、アルミニウムはアルミノケイ酸塩スラグに入ることができないが、炭素とスラグの濡れ性がよく、アルミニウムの金属とスラグの密度はスラグの密度に似ているので、炭素、金属、アルミニウムはスラグと混合することができます。したがって、炭素とアルミニウム金属はスラグ中の金属陽イオンと長時間接触することができる。したがって、炭素、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素を還元して有価金属を回収することは、動力学的に実現可能である。
【発明の効果】
【0024】
(1)固形廃棄物再資源化のための既存の解決策は、いずれも1種類または数種類の固形廃棄物に限定されている。本発明は、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法を提供し、これは普遍的であり、すべての無機固体廃棄物の再資源化に適用可能である。
(2)本発明は、各地に分布する固体廃棄物の種類に応じて、無機非金属材料の基本単位として適当な鉱相を選択することができ、適応性、操作性、工業化が容易であるという利点を有する。
(3)既存の固体廃棄物乾式冶金資源利用投入方式は、ほとんどが経験に由来し、固体廃棄物の基本酸化物単位に由来せず、成分の科学的配置のメカニズムと方式を欠いている。本発明は多資源固体廃棄物の組成データを収集し、選択した固体廃棄物の目標鉱物相の組成領域及びCaO、SiO、Al、MgO含有量によって、マトリックス計算を利用して各固体廃棄物の添加量(投与計画)を求め、多資源固体廃棄物から目標鉱物相の無機非金属材料の正確な調製を実現する。
(4)既存の固形廃棄物サーマルリサイクルのメカニズムは明確でなく、設計スキームも経験に基づくものがほとんどである。本発明はアルミノケイ酸塩「溶液」(スラグ)の高温均質反応環境の概念を提案し、アルミノケイ酸塩スラグ、例えば水溶液は有価金属の酸化物と窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素を溶解することができる。有価金属の酸化物はアルミノケイ酸塩スラグに入り、金属陽イオンに解離し、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素はアルミノケイ酸塩スラグに入り、炭素/窒素基を含む陰イオンに形成し、金属陽イオンと炭素/窒素基を含む陰イオンは電子移動のために双イオン反応を起こす。アルミノケイ酸塩「溶液」高温均質反応環境の概念は、固体廃棄物の熱資源の設計のための理論的なガイダンスを提供することができます。
(5)既存の還元性固体廃棄物(二次アルミ灰、石炭がらなど)は反応性のため、杭廃棄は環境を汚染しやすく、火災を引き起こし、アルミナ、シリカなどの不純物を多く含むため、資源化が困難である。本発明は、還元性固形廃棄物中の炭素、金属アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素を還元剤として使用し、固形廃棄物中の有価金属を合金に還元し、還元性固形廃棄物の資源化を実現する。
(6)既存の固形廃棄物の資源化解決策は、ほとんどが有価金属の回収を無視しており、有価金属は無機非金属材料に入り込み、資源の無駄になっている。本発明は還元性固形廃棄物の還元により有価金属を回収し、グリーン低炭素、低コスト、高収率の効果がある。
(7)本発明では、目標鉱相組成に応じて、ケイ酸塩系無機非金属材料、アルミネート系無機非金属材料、アルミノケイ酸塩系無機非金属材料、アルミ・マグネシウム系無機非金属材料それぞれのスラグを高付加価値化(高値化)する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の工程フロー図である。
図2】異なる物質とV、Cr、MnO、Fe、CoO、NiO、CuO、ZnO、MoO、CdO、SnO、PbOとの反応のギブス自由エネルギーを反応温度に対して示した図であるので、横座標は反応温度、縦座標は反応のギブス自由エネルギーであり、図2(a)は炭素であり、図2(b)は金属アルミニウムであり、図2(c)は窒化アルミニウムであり、図2(d)は炭化アルミニウムであり、図2(e)は窒化ケイ素であり、図2(f)は炭化ケイ素であることを示している。
図3】窒化アルミニウムによる有価金属酸化物の還元反応プロセスを示している図である。
図4】実施例15のアルミネート系無機非金属材料のXRDパターンを示す図である。
図5】実施例17のアルミネート系無機非金属材料のXRDパターンを示す図である。
図6】実施例21のアルミノケイ酸塩系無機非金属材料のXRDパターンを示す図である。
図7】比較例1の非晶質状態のスラグのXRDパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の目的、技術的解決策および利点をより明確かつ理解しやすくするために、添付の図面および実施形態と併せて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書で説明する具体的な実施形態は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0027】
本発明の実施形態に提供される、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固体廃棄物の再資源化方法は、多源固形廃棄物成分データを収集するステップと、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムに対して成分計算を行い、調合して、目標成分の無機非金属材料原料を得るステップと、原料を溶融させ、スラグになり、多源固形廃棄物中の還元剤がスラグ中の有価金属を還元して合金とし、有価金属回収を実現するステップと、スラグを高値化して無機非金属材料に使用するステップと、を含む。
【0028】
前記酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの単位組成マトリックスは、以下のように計算される。
【0029】
【数2】
【0030】
ここで、Pはn番目の固形廃棄物中の添加量(重量%)であり、
n-CaOは、n番目の固体廃棄物中のCaOの含有量(重量%)であり、
n-SiO2は、n番目の固体廃棄物中のSiOの含有量(重量%)であり、
n-Al2O3は、n番目の固体廃棄物中のAlの含有量(重量%)であり、
n-MgOは、n番目の固体廃棄物中のMgOの含有量(重量%)であり、
は、i番目の固体廃棄物中のCaO、SiO、AlおよびMgOの合計含有量(重量%)であり、
αは、対象鉱物相組成領域におけるCaO含有量(重量%)であり、
βは、対象鉱物相組成領域におけるSiO含有量(重量%)であり、
γは、対象鉱物相組成領域におけるAl含有量(重量%)であり、
δは、対象鉱物相組成領域におけるMgO含有量(重量%)であり、
α、β、γ、δの合計は1である。
【実施例0031】
廃棄物焼却飛灰、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物を原料として、ケイ酸三カルシウム(CaSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。珪酸三カルシウム相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図から珪酸三カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を65.0~75.0wt.%、15.0~25.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰、廃棄物焼却ボトムアッシュ、石炭廃棄物の組成データおよびケイ酸三カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0032】
【数3】
【0033】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰、廃棄物焼却ボトムアッシュ、及び石炭廃棄物の添加量P廃棄物焼却飛灰、P廃棄物焼却ボトムアッシュ、P石炭廃棄物を、それぞれ90.8wt.%、1.7wt.%、及び7.5wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1800℃に加熱した後3時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【0034】
【表1】
【実施例0035】
廃棄物焼却飛灰、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物を原料として、ケイ酸三カルシウム(CaSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。珪酸三カルシウム相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図から珪酸三カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を65.0~75.0wt.%、15.0~25.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰、廃棄物焼却ボトムアッシュ、石炭廃棄物の組成データおよびケイ酸三カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0036】
【数4】
【0037】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰、廃棄物焼却ボトムアッシュ、及び石炭廃棄物の添加量P廃棄物焼却飛灰、P廃棄物焼却ボトムアッシュ、P石炭廃棄物を、それぞれ83.2wt.%、12.9wt.%、及び3.9wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1760℃に加熱した後2.5時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0038】
脱硫石膏、鉄鋼スラグおよび石炭廃棄物を原料として、ケイ酸二カルシウム(CaSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。ケイ酸二カルシウム相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図から珪酸二カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を55.0~65.0wt.%、25.0~35.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。脱硫石膏、鉄鋼スラグ、石炭廃棄物の組成データおよびケイ酸二カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0039】
【数5】
【0040】
それから、マトリックスを解いて、脱硫石膏、鉄鋼スラグ、及び石炭廃棄物の添加量P脱硫石膏、P鉄鋼スラグ、P石炭廃棄物を、それぞれ33.1wt.%、41.7wt.%、及び25.2wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1750℃に加熱した後2時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0041】
脱硫石膏、鉄鋼スラグおよび石炭廃棄物を原料として、ケイ酸二カルシウム(CaSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。ケイ酸二カルシウム相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図から珪酸二カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を55.0~65.0wt.%、25.0~35.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。脱硫石膏、鉄鋼スラグ、石炭廃棄物の組成データおよびケイ酸二カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0042】
【数6】
【0043】
それから、マトリックスを解いて、脱硫石膏、鉄鋼スラグ及び石炭廃棄物の添加量P脱硫石膏、P鉄鋼スラグ、P石炭廃棄物を、それぞれ13.3wt.%、69.2wt.%、及び17.5wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1750℃に加熱した後1時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0044】
鉄鋼スラグ、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物を原料として、珪灰石(CaSi2O)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。珪灰石相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図から珪灰石の組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を48.0~58.0wt.%、32.0~42.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。鉄鋼スラグ、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物の組成データおよび珪灰石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0045】
【数7】
【0046】
それから、マトリックスを解いて、鉄鋼スラグ、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物の添加量P鉄鋼スラグ、P廃棄物焼却ボトムアッシュ、P石炭廃棄物を、それぞれ72.2wt.%、10.8wt.%、及び17wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1600℃に加熱した後1.5時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0047】
鉄鋼スラグ、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物を原料として、珪灰石(CaSi2O)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。珪灰石相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図から珪灰石の組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を48.0~58.0wt.%、32.0~42.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。鉄鋼スラグ、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物の組成データおよび珪灰石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0048】
【数8】
【0049】
それから、マトリックスを解いて、鉄鋼スラグ、廃棄物焼却ボトムアッシュおよび石炭廃棄物の添加量P鉄鋼スラグ、P廃棄物焼却ボトムアッシュ、P石炭廃棄物を、それぞれ58.8wt.%、32.2wt.%、及び8wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1520℃に加熱した後1時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0050】
廃棄物焼却飛灰、廃ガラスおよび石炭廃棄物を原料として、ウォラストナイト(CaSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。ウォラストナイト相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図からウォラストナイトの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を38.0~48.0wt.%、42.0~52.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰、廃ガラスおよび石炭廃棄物の組成データおよびウォラストナイトの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0051】
【数9】
【0052】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰、廃ガラスおよび石炭廃棄物の添加量P廃棄物焼却飛灰、P廃ガラス、P石炭廃棄物を、それぞれ60.5wt.%、32.7wt.%、及び6.8wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1450℃に加熱した後2時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0053】
廃棄物焼却飛灰、廃ガラスおよび石炭廃棄物を原料として、ウォラストナイト(CaSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。ウォラストナイト相を含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図からウォラストナイトの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を38.0~48.0wt.%、42.0~52.0wt.%、0~10.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰、廃ガラスおよび石炭廃棄物の組成データおよびウォラストナイトの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0054】
【数10】
【0055】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰、廃ガラスおよび石炭廃棄物の添加量P廃棄物焼却飛灰、P廃ガラス、P石炭廃棄物を、それぞれ58wt.%、28.2wt.%、及び13.8wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1410℃に加熱した後1時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0056】
廃ガラス、石炭廃棄物および工業用酸化マグネシウムを原料として、カンラン石(MgSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カンラン石相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカンラン石の組成範囲を読み取り、不純物Alの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を0~10.0wt.%、33.0~43.0wt.%、0~10.0wt.%、47.0~57.0wt.%とそれぞれ決定した。廃ガラス、石炭廃棄物および工業用酸化マグネシウムの組成データおよびカンラン石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0057】
【数11】
【0058】
それから、マトリックスを解いて、廃ガラス、石炭廃棄物および工業用酸化マグネシウムの添加量P廃ガラス、P石炭廃棄物、P工業用酸化マグネシウムを、それぞれ30.2wt.%、23.9wt.%、及び45.9wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1700℃に加熱した後1.5時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0059】
廃ガラス、石炭廃棄物および工業用酸化マグネシウムを原料として、カンラン石(MgSiO)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カンラン石相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカンラン石の組成範囲を読み取り、不純物Alの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を0~10.0wt.%、33.0~43.0wt.%、0~10.0wt.%、47.0~57.0wt.%とそれぞれ決定した。廃ガラス、石炭廃棄物および工業用酸化マグネシウムの組成データおよびカンラン石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0060】
【数12】
【0061】
それから、マトリックスを解いて、廃ガラス、石炭廃棄物および工業用酸化マグネシウムの添加量P廃ガラス、P石炭廃棄物、P工業用酸化マグネシウムを、それぞれ40.1wt.%、12.7wt.%、及び46.2wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1620℃に加熱した後1.0時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0062】
石炭廃棄物、廃ガラス、市街地汚泥および工業用酸化マグネシウムを原料として、石綿(CaMgSi12)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。石綿相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図から石綿の組成範囲を読み取り、不純物Alの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を6.0~16.0wt.%、51.0~61.0wt.%、0~10.0wt.%、22.0~32.0wt.%とそれぞれ決定した。石炭廃棄物、廃ガラス、市街地汚泥および工業用酸化マグネシウムの組成データおよび石綿の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0063】
【数13】
【0064】
それから、マトリックスを解いて、石炭廃棄物、廃ガラス、市街地汚泥および工業用酸化マグネシウムの添加量P石炭廃棄物、P廃ガラス、P市街地汚泥、P工業用酸化マグネシウムを、それぞれ5.9wt.%、48.9wt.%、24.0wt.%及び21.2wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1500℃に加熱した後2.0時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0065】
石炭廃棄物、廃ガラス、市街地汚泥および工業用酸化マグネシウムを原料として、石綿(CaMgSi12)を主鉱物相とするケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。石綿相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図から石綿の組成範囲を読み取り、不純物Alの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を6.0~16.0wt.%、51.0~61.0wt.%、0~10.0wt.%、22.0~32.0wt.%とそれぞれ決定した。石炭廃棄物、廃ガラス、市街地汚泥および工業用酸化マグネシウムの組成データおよび石綿の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0066】
【数14】
【0067】
それから、マトリックスを解いて、石炭廃棄物、廃ガラス、市街地汚泥および工業用酸化マグネシウムの添加量P石炭廃棄物、P廃ガラス、P市街地汚泥、P工業用酸化マグネシウムを、それぞれ3.0wt.%、53.0wt.%、22.8wt.%及び21.2wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1470℃に加熱した後1.0時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0068】
脱硫石膏およびアルミニウムクリンカを原料として、アルミン酸三カルシウム(CaAl)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。アルミン酸三カルシウム相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からアルミン酸三カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を52.0~62.0wt.%、0~10.0wt.%、28.0~38.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。脱硫石膏およびアルミニウムクリンカの組成データおよびアルミン酸三カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0069】
【数15】
【0070】
それから、マトリックスを解いて、脱硫石膏およびアルミニウムクリンカの添加量P脱硫石膏、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ64.0wt.%、及び36wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1700℃に加熱した後3.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0071】
脱硫石膏およびアルミニウムクリンカを原料として、アルミン酸三カルシウム(CaAl)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。アルミン酸三カルシウム相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からアルミン酸三カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を52.0~62.0wt.%、0~10.0wt.%、28.0~38.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。脱硫石膏およびアルミニウムクリンカの組成データおよびアルミン酸三カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0072】
【数16】
【0073】
それから、マトリックスを解いて、脱硫石膏およびアルミニウムクリンカの添加量P脱硫石膏、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ66.0wt.%、及び34wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1620℃に加熱した後2.5時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0074】
廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカを原料として、ヘプタアルミン酸十二カルシウム(Ca12Al1433)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。ヘプタアルミン酸十二カルシウム相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からヘプタアルミン酸十二カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を38.0~48.0wt.%、0~10.0wt.%、42.0~52.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの組成データおよびヘプタアルミン酸十二カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0075】
【数17】
【0076】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの添加量P廃棄物焼却飛灰、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ62.0wt.%、及び38wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1500℃に加熱した後3.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。得られた合金は、鉄-亜鉛合金であり、鉄の含有量は86.0wt.%、亜鉛の含有量は14.0wt.%である。図4は得られたアルミン酸塩系無機非金属材料のXRDパターンであり、その主結晶相はヘプタアルミン酸十二カルシウム(Ca12Al1433)であり、その主結晶相の含有量は92.0wt.%である。
【実施例0077】
廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカを原料として、ヘプタアルミン酸十二カルシウム(Ca12Al1433)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。ヘプタアルミン酸十二カルシウム相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からヘプタアルミン酸十二カルシウムの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を38.0~48.0wt.%、0~10.0wt.%、42.0~52.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの組成データおよびヘプタアルミン酸十二カルシウムの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0078】
【数18】
【0079】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの添加量P廃棄物焼却飛灰、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ61.0wt.%、及び39wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1460℃に加熱した後2.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0080】
リンゴ石膏およびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウムジアルミネート(CaAl)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウムジアルミネートを含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図からカルシウムジアルミネートの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を12.0~22.0wt.%、0~10.0wt.%、68.0~78.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。リンゴ石膏およびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウムジアルミネートの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0081】
【数19】
【0082】
それから、マトリックスを解いて、リンゴ石膏およびアルミニウムクリンカの添加量Pリンゴ石膏、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ31.0wt.%及び69.0wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1700℃に加熱した後3時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。得られた合金は、鉄-亜鉛銅合金であり、鉄の含有量は84.0wt.%であり、亜鉛の含有量は10.0wt.%であり、銅の含有量は6.0wt.%である。図5は得られたアルミン酸塩系無機非金属材料のXRDパターンであり、その主結晶相はカルシウムジアルミネート(CaAl)であり、その主結晶相の含有量は85.0wt.%である。
【実施例0083】
リンゴ石膏およびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウムジアルミネート(CaAl)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウムジアルミネートを含むCaO-SiO-Al相図を選択し、相図からカルシウムジアルミネートの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を12.0~22.0wt.%、0~10.0wt.%、68.0~78.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。リンゴ石膏およびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウムジアルミネートの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0084】
【数20】
【0085】
それから、マトリックスを解いて、リンゴ石膏およびアルミニウムクリンカの添加量Pリンゴ石膏、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ33.0wt.%及び67.0wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1620℃に加熱した後2.5時間保持し、溶融スラグにした。石炭廃棄物中の炭素還元スラグ中の有価金属が合金である。スラグ高値化は珪酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0086】
廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウムアルミネート(CaAl)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウムアルミネート相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカルシウムアルミネートの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を25.0~35.0wt.%、0~10.0wt.%、55.0~65.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウムアルミネートの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0087】
【数21】
【0088】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの添加量P廃棄物焼却飛灰、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ45.0wt.%、及び55wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1600℃に加熱した後3.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0089】
廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウムアルミネート(CaAl)を主鉱物相とするアルミネート系の無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウムアルミネート相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカルシウムアルミネートの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を25.0~35.0wt.%、0~10.0wt.%、55.0~65.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウムアルミネートの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0090】
【数22】
【0091】
それから、マトリックスを解いて、廃棄物焼却飛灰およびアルミニウムクリンカの添加量P廃棄物焼却飛灰、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ46.0wt.%、及び54wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1520℃に加熱した後2.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0092】
脱硫石膏、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウムアルミニウムイエロー長石(CaAlSiO)を主鉱物相とするアルミノケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウムアルミニウムイエロー長石相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカルシウムアルミニウムイエロー長石の組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を34.0~44.0wt.%、15.0~25.0wt.%、30.0~40.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。脱硫石膏、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウムアルミニウムイエロー長石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0093】
【数23】
【0094】
それから、マトリックスを解いて、脱硫石膏、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの添加量P脱硫石膏、Pマグネシウムスラグ、Pホットプレート・スラグ、アルミニウムクリンカを、それぞれ14.7wt.%、23.9wt.%、22.6wt.%及び38.8wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1400℃に加熱した後3.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。得られた合金は、鉄クロム亜鉛合金合金であり、鉄の含有量は82.0wt.%であり、クロムの含有量は11.0wt.%であり、亜鉛の含有量は7.0wt.%である。図6は得られたアルミノケイ酸塩系無機非金属材料のXRDパターンであり、その主結晶相はカルシウムアルミニウムイエロー長石(CaAlSiO)であり、その主結晶相の含有量は89.0wt.%である。
【実施例0095】
脱硫石膏、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウムアルミニウムイエロー長石(CaAlSiO)を主鉱物相とするアルミノケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウムアルミニウムイエロー長石相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカルシウムアルミニウムイエロー長石の組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を34.0~44.0wt.%、15.0~25.0wt.%、30.0~40.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。脱硫石膏、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウムアルミニウムイエロー長石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0096】
【数24】
【0097】
それから、マトリックスを解いて、脱硫石膏、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの添加量P脱硫石膏、Pマグネシウムスラグ、Pホットプレート・スラグ、アルミニウムクリンカを、それぞれ21.4wt.%、36.5wt.%、2.6wt.%及び39.5wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1300℃に加熱した後2.5時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0098】
鉄尾鉱、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウム長石(CaAlSi)を主鉱物相とするアルミノケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウム長石相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカルシウム長石の組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を13.0~23.0wt.%、36.0~46.0wt.%、30.0~40.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。鉄尾鉱、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウム長石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0099】
【数25】
【0100】
それから、マトリックスを解いて、鉄尾鉱、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの添加量P鉄尾鉱、Pマグネシウムスラグ、Pホットプレート・スラグ、アルミニウムクリンカを、それぞれ38.5wt.%、20.3wt.%、8.4wt.%及び32.8wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1450℃に加熱した後2.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0101】
鉄尾鉱、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカを原料として、カルシウム長石(CaAlSi)を主鉱物相とするアルミノケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。カルシウム長石相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からカルシウム長石の組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を13.0~23.0wt.%、36.0~46.0wt.%、30.0~40.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。鉄尾鉱、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの組成データおよびカルシウム長石の組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0102】
【数26】
【0103】
それから、マトリックスを解いて、鉄尾鉱、マグネシウムスラグ、ホットプレート・スラグおよびアルミニウムクリンカの添加量P鉄尾鉱、Pマグネシウムスラグ、Pホットプレート・スラグ、アルミニウムクリンカを、それぞれ42.1wt.%、1.4wt.%、26.9wt.%及び29.6wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1410℃に加熱した後1.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0104】
鉄尾鉱、フライアッシュおよびアルミニウムクリンカを原料として、ムライト(AlSi13)を主鉱物相とするアルミノケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。ムライト相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からムライトの組成範囲を読み取り、不純物MgOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を0~10.0wt.%、18.0~28.0wt.%、62.0~72.0wt.%、0~10.0wt.%とそれぞれ決定した。鉄尾鉱、フライアッシュおよびアルミニウムクリンカの組成データおよびムライトの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0105】
【数27】
【0106】
それから、マトリックスを解いて、鉄尾鉱、フライアッシュおよびアルミニウムクリンカの添加量P鉄尾鉱、Pフライアッシュ、Pアルミニウムクリンカを、それぞれ21.8wt.%、8.2wt.%及び70.0wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1800℃に加熱した後1.5時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【実施例0107】
アルミニウムクリンカおよび工業用酸化マグネシウムを原料として、マグネシウム-アルミニウムスピネル(MgAl)を主鉱物相とするアルミノケイ酸塩系無機非金属材料を調製した。多源固体廃棄物の組成データを収集した(表1参照)。マグネシウム-アルミニウムスピネル相を含むCaO-SiO-MgO相図を選択し、相図からマグネシウム-アルミニウムスピネルの組成範囲を読み取り、不純物SiOの含有量を制限して、CaO、SiO、Al、MgOの含有量を0~10.0wt.%、0~10.0wt.%、62.0~72.0wt.%、18.0~28.0wt.%とそれぞれ決定した。アルミニウムクリンカおよび工業用酸化マグネシウムの組成データおよびマグネシウム-アルミニウムスピネルの組成データを組成計算マトリックスに代入した。
【0108】
【数28】
【0109】
それから、マトリックスを解いて、アルミニウムクリンカおよび工業用酸化マグネシウムの添加量Pアルミニウムクリンカ、工業用酸化マグネシウムを、それぞれ79.0wt.%及び21.0wt.%とした。原料を均一に混合して混合物を得た。前記混合物を1800℃に加熱した後3.0時間保持し、溶融スラグにした。アルミニウムクリンカー中の窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウム還元スラグ中の金属が合金である。スラグ高値化はアルミン酸塩系無機非金属材料に利用されている。
【比較例1】
【0110】
廃棄物焼却飛灰の有価金属を合金化するためにアルミニウムクリンカを使用する。アルミニウムクリンカ中の有価金属である鉄と亜鉛の含有量はそれぞれ3.9wt.%と1.0wt.%であり、廃棄物焼却飛灰中の有価金属である鉄と亜鉛の含有量はそれぞれ1.3wt.%と0.6wt.%である。アルミニウムクリンカ中の還元剤は窒化アルミニウム、炭化アルミニウム及び金属アルミニウムを含み、炭化アルミニウム及び金属アルミニウムは含有量が少ないため、窒化アルミニウムに折り畳まれ、折り畳まれた後の窒化アルミニウムの合計含有量は30.0wt.%である。本発明の内容に記録された還元反応式(式3)に従って、アルミニウムクリンカ及び廃棄物焼却飛灰の添加量をそれぞれ5.0wt.%及び95.0wt.%と決定する。原料を均一に混合して混合原料を得る。混合原料を1500℃に加熱し、3.0時間保持し、スラグに溶融する。アルミニウムクリンカのうち窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウムがスラグを還元する有価金属は鉄亜鉛合金であり、鉄、亜鉛の還元率はそれぞれ91%、95%である。スラグは既存の鉱物相の組成の組成に起因して、非晶質状態とは異なり、図7に示すように、そのXRD図は、資源化することは困難である。
【比較例2】
【0111】
リンゴ石膏の有価金属を合金化するためにアルミニウムクリンカを使用する。アルミニウムクリンカ中の有価金属である鉄と亜鉛と銅の含有量はそれぞれ3.9wt.%と1.0wt.%と0であり、リンゴ石膏中の有価金属である鉄と亜鉛と銅の含有量はそれぞれ1.3wt.%と0.6wt.%と0.5wt.%である。アルミニウムクリンカ中の還元剤は窒化アルミニウム、炭化アルミニウム及び金属アルミニウムを含み、炭化アルミニウム及び金属アルミニウムは含有量が少ないため、窒化アルミニウムに折り畳まれ、折り畳まれた後の窒化アルミニウムの合計含有量は30.0wt.%である。本発明の内容に記録された還元反応式(式3)に従って、アルミニウムクリンカ及びリンゴ石膏の添加量をそれぞれ7.0wt.%及び93.0wt.%と決定する。原料を均一に混合して混合原料を得る。混合原料を1500℃に加熱し、3.0時間保持し、スラグに溶融する。アルミニウムクリンカのうち窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウムがスラグを還元する有価金属は鉄亜鉛銅合金であり、鉄、亜鉛、銅の還元率はそれぞれ90%、94%、92%である。スラグは既存の鉱物相の組成の組成に起因して、非晶質状態とは異なり、資源化することは困難である。
【比較例3】
【0112】
ホットプレート・スラグの有価金属を合金化するためにアルミニウムクリンカを使用する。アルミニウムクリンカ中の有価金属である鉄とクロムと亜鉛の含有量はそれぞれ3.9wt.%と1.0wt.%と0であり、ホットプレート・スラグ中の有価金属である鉄とクロムと亜鉛の含有量はそれぞれ0.7wt.%と4.5wt.%と0.3wt.%である。アルミニウムクリンカ中の還元剤は窒化アルミニウム、炭化アルミニウム及び金属アルミニウムを含み、炭化アルミニウム及び金属アルミニウムは含有量が少ないため、窒化アルミニウムに折り畳まれ、折り畳まれた後の窒化アルミニウムの合計含有量は30.0wt.%である。本発明の内容に記録された還元反応式(式3)に従って、アルミニウムクリンカ及びホットプレート・スラグの添加量をそれぞれ10.0wt.%及び90.0wt.%と決定する。原料を均一に混合して混合原料を得る。混合原料を1600℃に加熱し、3.0時間保持し、スラグに溶融する。アルミニウムクリンカのうち窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、金属アルミニウムがスラグを還元する有価金属は鉄クロム亜鉛合金であり、鉄、クロム、鉛の還元率はそれぞれ93%、90%、95%である。スラグは既存の鉱物相の組成の組成に起因して、非晶質状態とは異なり、資源化することは困難である。
【0113】
以上は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の技術的範囲は、これらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の技術的範囲内において、各種の等価な修正例または代替例を容易に想到し得ることが明らかであり、それらについても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって確定される保護範囲を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固形廃棄物の再資源化方法であって、
多源固形廃棄物成分データを収集するステップと、
酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムに対して成分計算を行い、調合して、目標成分の無機非金属材料原料を取得し、前記目標成分は、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムが含まれる成分であるステップと、
原料を溶融させ、スラグになり、多源固形廃棄物中の還元剤がスラグ中の有価金属を還元して合金とし、有価金属回収を実現するステップと、
スラグを高付加価値化して無機非金属材料に使用するステップと、を含み、
酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固形廃棄物の前記再資源化方法は、
S1:データ収集:多源固形廃棄物成分データを収集する、すなわち、多源固形廃棄物中のCaO、SiO 2 、Al 2 O 3 及びMgOの含有量を決定するステップと、
S2:目標鉱物相組成であるCaO、SiO 2 、Al 2 O 3 及びMgOの含有重量%の範囲と固形廃棄物原料とを決定:無機非金属材料に使用するために価値の高いスラグの主鉱物相を決定し、CaO-SiO 2 -Al 2 O 3 、CaO-SiO 2 -MgO、CaO-Al 2 O 3 -MgO、SiO 2 -Al 2 O 3 -MgOの三元相図に基づいて目標鉱物相組成領域を決定する、すなわち、CaO、SiO 2 、Al 2 O 3 、MgOの含有重量%の範囲、原料として二つ以上の固形廃棄物または工業原料を選択するステップと、
S3:成分計算を行い、調合:選択された固形廃棄物の組成データと目標鉱相組成データを酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの単位組成マトリックスに代入し、マトリックスを解き、選択された固形廃棄物の添加量を求め、調合して混合し、目標組成の無機非金属材料原料を得るステップと、
S4:溶融:前記原料を1300~1800℃に加熱した後、1.0~3.0時間の温度に保持し、溶融してスラグにするステップと、
S5:還元:前記スラグは高温の均一な反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用し、還元剤はスラグ中の価金属を合金に還元するステップと、
S6:スラグと金属の分離:前記合金は、スラグよりも密度が高いため、スラグの底に沈降し、スラグから分離するステップと、
S7:スラグ高付加価値化:前記スラグは目標鉱物相組成によって、それぞれケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミネート系の無機非金属材料、アルミノケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミニウム-マグネシウム系の無機非金属材料の調製に高付加価値で利用するステップと、をさらに含み、
前記酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの単位組成マトリックスは、以下のように計算され
【数1】
ここで、P n はn番目の固形廃棄物中の添加量であり、
Q n-CaO は、n番目の固形廃棄物中のCaOの含有量であり、
Q n-SiO2 は、n番目の固形廃棄物中のSiO 2 の含有量であり、
Q n-Al2O3 は、n番目の固形廃棄物中のAl 2 O 3 の含有量であり、
Q n-MgO は、n番目の固形廃棄物中のMgOの含有量であり、
G i は、i番目の固形廃棄物中のCaO、SiO 2 、Al 2 O 3 およびMgOの合計含有量であり、
αは、対象鉱物相組成領域におけるCaO含有量であり、
βは、対象鉱物相組成領域におけるSiO 2 含有量であり、
γは、対象鉱物相組成領域におけるAl 2 O 3 含有量であり、
δは、対象鉱物相組成領域におけるMgO含有量であり、
α、β、γ、δの合計は1であり、
ここで、前記添加量および含有量は重量%を意味することを特徴とする酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固形廃棄物の再資源化方法。
【請求項2】
前記スラグが、高温均質反応環境を提供し、反応物の溶媒として作用し、還元反応を固体/固体と固体/液体の不均質反応から均質反応に変化させることを特徴とする請求項1に記載の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固形廃棄物の再資源化方法。
【請求項3】
前記多源固形廃棄物の還元剤が、炭素、アルミニウム金属、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項1に記載の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固形廃棄物の再資源化方法。
【請求項4】
前記無機非金属材料が、ケイ酸塩系の無機非金属材料、アルミネート系の無機非金属材料、アルミノケイ酸塩系の無機非金属材料、およびアルミニウム-マグネシウム系の無機非金属材料のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項1に記載の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの配合に基づく多源固形廃棄物の再資源化方法。