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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025036092
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20250306BHJP
【FI】
H05K3/46 Z
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091621
(22)【出願日】2024-06-05
(31)【優先権主張番号】10-2023-0116513
(32)【優先日】2023-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】高 主烈
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA38
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE31
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH01
5E316HH40
5E316JJ02
5E316JJ03
5E316JJ12
(57)【要約】
【課題】不良が発生した場合にも正常な機能を行うことができるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の第1配線を含む第1配線部、第1配線部の一側と連結され、N個(Nは自然数)の信号を1個の信号に変換させる第1集積回路チップ、第1配線部の反対側と連結され、1個の信号をN個(Nは自然数)の信号に変換させる第2集積回路チップ、第1集積回路チップと連結され、複数の第2-1配線を含む第2-1配線部、及び第2集積回路チップと連結され、複数の第2-2配線を含む第2-2配線部を含み、複数の第1配線の数をX、複数の第2-1配線の数をY1とするとき、X、Y1はY1/N<Xを満たすプリント回路基板に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1配線を含む第1配線部と、
前記第1配線部の一側と連結され、N個(Nは自然数)の信号を1個の信号に変換させる第1集積回路チップと、
前記第1配線部の反対側と連結され、1個の信号をN個(Nは自然数)の信号に変換させる第2集積回路チップと、
前記第1集積回路チップと連結され、複数の第2-1配線を含む第2-1配線部と、
前記第2集積回路チップと連結され、複数の第2-2配線を含む第2-2配線部と、を含み、
前記複数の第1配線の数をX、前記複数の第2-1配線の数をY1とするとき、前記X、Y1はY1/N<Xを満たす、プリント回路基板。
【請求項2】
前記複数の第2-2配線の数をY2とするとき、前記X、Y2はY2/N<Xを満たす、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記複数の第1配線のうち少なくとも1つの配線は開放されて前記第1集積回路チップと前記第2集積回路チップとの連結を行わない、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記複数の第1配線のうち開放された第1配線の数をZとするとき、前記X、Y1、ZはY1/N≦X-Zを満たす、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記複数の第1配線のうち少なくとも2つの配線は互いに短絡して前記第1集積回路チップと前記第2集積回路チップとの連結を行わない、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
第1絶縁部をさらに含み、
前記第1配線部、前記第2-1配線部及び前記第2-2配線部は、それぞれ前記第1絶縁部上又は前記第1絶縁部内に配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1集積回路チップ及び前記第2集積回路チップは、それぞれ前記第1絶縁部上に配置される、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1絶縁部は、複数の第1絶縁層、及び前記複数の第1絶縁層の少なくとも一部を貫通するキャビティを含み、
前記第1集積回路チップは前記キャビティ内に配置される、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第1集積回路チップと前記第2-1配線部、及び前記第1集積回路チップと前記第1配線部を連結する連結部材をさらに含む、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1絶縁部は貫通部を有するコア層を含み、
前記第1集積回路チップ及び前記第2集積回路チップは前記貫通部内に配置される、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1配線部は、前記複数の第1配線と前記第1集積回路チップ又は前記第2集積回路チップを互いに連結するように、前記第1絶縁部の少なくとも一部を貫通する複数の第1ビアを含み、
前記第1集積回路チップと前記複数の第1配線、及び前記第2集積回路チップと前記複数の第1配線は、それぞれ前記第1ビアを介して連結される、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第1集積回路チップはデマルチプレクサ回路を含み、
前記第2集積回路チップはマルチプレクサ回路を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第2-1配線部と連結される第1半導体チップと、
前記第2-2配線部と連結される第2半導体チップと、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記第1半導体チップと前記第1集積回路チップは、前記第2-1配線部を介して最短距離で連結され、
前記第2半導体チップと前記第2集積回路チップは、前記第2-2配線部を介して最短距離で連結される、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
複数の第1絶縁層、及び前記複数の第1絶縁層の一部をそれぞれ貫通する複数のキャビティを含む第1絶縁部と、
前記複数のキャビティのうち一つのキャビティ内に実装され、デマルチプレクサ回路を含む第1集積回路チップと、
前記複数のキャビティのうち一つのキャビティ内に実装され、マルチプレクサ回路を含む第2集積回路チップと、
前記第1集積回路チップの一部と前記第2集積回路チップの一部にわたって配置される第2絶縁部と、
前記第2絶縁部上又は前記第2絶縁部内に配置され、前記第1集積回路チップと前記第2集積回路チップを連結する第1配線部と、を含み、
前記第1配線部は複数の第1配線を含み、
前記複数の第1配線のうち少なくとも1つの配線は開放されるか、又は前記複数の第1配線のうち少なくとも2つの配線は短絡して前記第1集積回路チップと前記第2集積回路チップとの連結を行わない、プリント回路基板。
【請求項16】
前記第1集積回路チップの他の一部と前記第1絶縁部の一部にわたって配置される第1半導体チップと、
前記第2集積回路チップの他の一部と前記第1絶縁部の一部にわたって配置される第2半導体チップと、をさらに含む、請求項15に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術などの発達により、幾何級数的に増加したデータを処理するためのHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ及びCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサチップなどを含むマルチチップパッケージが使用されている。また、サーバ製品のCPU、GPUのコア数が急激に増加するにつれて、効果的にコア数を増加させることができるダイスプリット技術が普遍化しており、ロジック半導体とメモリ半導体、あるいはロジック半導体とロジック半導体を連結する高密度回路の需要も急激に増加しており、これらを互いに連結するダイツーダイ相互連結に関する需要が増加している。ダイツーダイ相互連結を行えるように基板を設計するためには、微細な回路を実現する技術が求められており、高密度の微細回路を大面積基板に実現しながらも信頼性を向上させ、且つ歩留まりを増大させるための研究が続けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の様々な目的の一つは、不良が発生した場合にも正常な機能を行うことができるプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本発明の様々な目的の他の一つは、微細配線を実現した場合にも歩留まりが向上したプリント回路基板を提供することである。
【0005】
本発明の様々な目的の他の一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち一つは、複数の第1配線を含む第1配線部、第1配線部の一側と連結され、N個(Nは自然数)の信号を1個の信号に変換させる第1集積回路チップ、第1配線部の反対側と連結され、1個の信号をN個(Nは自然数)の信号に変換させる第2集積回路チップ、第1集積回路チップと連結され、複数の第2-1配線を含む第2-1配線部、及び第2集積回路チップと連結され、複数の第2-2配線を含む第2-2配線部を含み、複数の第1配線の数をX、上記複数の第2-1配線の数をY1とするとき、X、Y1はY1/N<Xを満たすプリント回路基板を提供することである。
【0007】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち他の一つは、複数の第1絶縁層及び上記複数の第1絶縁層の一部をそれぞれ貫通する複数のキャビティを含む第1絶縁部、複数のキャビティのうち一つのキャビティ内に実装され、マルチプレクサ(multiplexer、MUX)回路を含む第1集積回路チップ、複数のキャビティのうち一つのキャビティ内に実装され、デマルチプレクサ(de-multiplexer、DEMUX)回路を含む第2集積回路チップ、第1集積回路チップの一部と第2集積回路チップの一部にわたって配置される第2絶縁部、及び第2絶縁部上又は第2絶縁部内に配置され、第1集積回路チップと第2集積回路チップとを連結する第1配線部を含み、第1配線部は複数の第1配線を含み、複数の第1配線のうち少なくとも1つの配線は開放(open)されるか、又は複数の第1配線のうち少なくとも2つの配線は短絡(short)して第1集積回路チップと第2集積回路チップとの連結を行わないプリント回路基板を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうち、一効果として、不良が発生した場合にも正常な機能を行うことができるプリント回路基板を提供することができる。
【0009】
本発明の様々な効果のうち、他の一効果として、微細配線を実現した場合にも歩留まりが向上したプリント回路基板を提供することができる。
【0010】
本発明の様々な効果のうち、他の一効果として、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】一例に係るプリント回路基板の一部を概略的に示す平面図である。
図4】一例に係るプリント回路基板の変形例を概略的に示す平面図である。
図5】一例に係るプリント回路基板の変形例を概略的に示す平面図である。
図6a】一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図6b】一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図7a】他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図7b】他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図8a】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図8b】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図9a】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図9b】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図10a】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図10b】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
プリント回路基板
図3は、一例に係るプリント回路基板の一部を概略的に示す平面図であり、図4は、一例に係るプリント回路基板の変形例を概略的に示す平面図である。
【0023】
図3を参照すると、一例に係る半導体パッケージは、第1絶縁部110、第1絶縁部110上又は内に配置され、複数の第1配線121を含む第1配線部120、第1配線部120の一側と連結される第1集積回路チップ210、第1配線部120の反対側と連結される第2集積回路チップ220、一側が第1集積回路チップ210と連結され、複数の第2-1配線131を含む第2-1配線部130、及び一側が第2集積回路チップ220と連結され、複数の第2-2配線141を含む第2-2配線部140を含むことができる。
【0024】
一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁部110上に配置される第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220を含むことができる。第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220は、それぞれ数百~数百万個以上の回路が一つのチップ内に集積化された集積回路(Intergrated Circuit:IC)を含むことができる。
【0025】
第1集積回路チップ210は、N個(Nは自然数)の信号を1個の信号に変換させるデマルチプレクサ(de-multiplexer、DEMUX)回路を含み、第2集積回路チップ220は、1個の信号をN個(Nは自然数)の信号に変換させるマルチプレクサ(multiplexer、MUX)回路を含むことができる。デマルチプレクサ回路とは、いわゆる逆多重化回路であって、時間遅延制御などの方法により複数の信号経路を一つの信号経路に変換して伝送する回路を意味することができる。マルチプレクサ回路は、いわゆる多重化回路であって、時間遅延制御などの方法により一つの信号経路を複数の信号経路に変換して伝送することができる。このとき、第1集積回路チップ210に含まれたデマルチプレクサ回路のN:1の比率と第2集積回路チップ220に含まれたマルチプレクサ回路の1:Nの比率において提示されたNは互いに一致しないこともある。
【0026】
第1集積回路チップ210は、第2-1配線部130を介して入力された信号を、逆多重化により第1配線部120への伝送を行うことができる。このとき、第1集積回路チップ210は、それぞれの伝送信号経路を選択することができる。すなわち、第1集積回路チップ210の集積回路が複数の第1配線121のうち、どの配線を用いるかを選択することができ、開放された配線と連結されたパッドを使用しないように設定することができる。
【0027】
第2集積回路チップ220は、第1配線部120を介して入力された信号を、多重化により第2-2配線部140への伝送を行うことができる。このとき、第2集積回路チップ220は、第1配線部120と連結されたパッドを介して信号を収容することができる。
【0028】
第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220は、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240とは別に作動することができるため、図6aのように、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が実装される前に第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220が実装された状態で、第1配線121の不良を検査して訂正することができる。このとき、不良である第1配線121を訂正するために、外部で第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220を制御する方法としてはI2C通信を用いることができるが、これに限定されるものではなく、SPI通信を用いることもできるなど、集積回路を制御する通信方法を用いるものであれば、制限なく利用できる。このとき、内部クロック(Clock)を使用せずに制御できるI2C通信方式を用いることが好ましいと言える。
【0029】
第2-1配線部130は第1集積回路チップ210に入力される入力部に相当することができ、第1配線部120は第1集積回路チップ210の出力部に相当することができる。また、第1配線部120は第2集積回路チップ220の入力部に相当することができ、第2-2配線部140は第2集積回路チップ220の出力部に相当することができる。
【0030】
このとき、複数の第1配線121の数をX、複数の第2-1配線131の数をY1、複数の第2-2配線141の数をY2とするとき、Y1/N<Xを満たし、Y2/N<Xを満たすことができる。Y1/N<Xを満たすとは、第1集積回路チップ210を基準に、複数の第1配線121の数が第1集積回路チップ210を介して変換された入力信号の数より多いことを意味することができる。Y2/N<Xを満たすとは、第2集積回路チップ220を基準に、複数の第1配線121の数が第2集積回路チップ220を介して変換されて出力される信号の数より多いことを意味することができる。すなわち、第2-1配線部130を介して入力され、第1配線部120を介して第2-2配線部140に出力されるプリント回路基板の信号伝達過程において、第1配線部120の複数の第1配線121が必要な配線の数より多い配線の数を含むことを意味することができる。この際、より多い数の配線はダミー(dummy)として機能することができ、いわゆるダミーレーン(dummy lane)として機能することができる。このとき、ダミーレーンの個数は、X-Y1/N個に相当することができ、又はX-Y2/N個に相当することもできる。
【0031】
プリント回路基板の製造段階で多くの不良が発生する可能性があるが、その一つは配線間の開放(open)現象である。開放(open)とは、ある配線が途中で途切れた状態、又は抵抗が過度に高くなる状態などを含む概念であり、ある二つの構成を電気的に連結できない状態を意味することができる。すなわち、配線をパターニングする過程は、配線を構成する金属の少なくとも一部を除去する段階を含むが、このとき、配線で連結されるべき金属の一部が除去されて開放不良が発生する。一般に、配線パターニング時に開放が発生すると、当該プリント回路基板は不良が発生し、機能を実行できなくなる。しかし、一例に係るプリント回路基板は、必要な数よりも多い数の第1配線121を実現するため、その中で1つの配線に開放現象が発生しても、余分な他の配線に変更して使用することができる。すなわち、レーンシフト(lane shifting)を通じて不良が発生した配線を利用せずに他の配線に迂回して信号伝達を行うことができる。このとき、レーンシフトは、不良が発生したレーン以降のレーンを順次変更させるのではなく、不良が発生したレーンを直ちにダミーレーンに変更させることで行うことができる。
【0032】
図3は、開放(open)現象が発生していない第1配線部120を表現し、図4は、開放(open)現象が発生した第1配線部120を表現した平面図である。限定されない具体的な例として、第1集積回路チップ210が1:2の信号変換を行うものとして表現し、第2集積回路チップ220は2:1の信号変換を行うものとして表現している。第1集積回路チップ210に入力される入力信号及び第2集積回路チップ220を介して出力される出力信号の数を16個で表現した。また、第1配線部120の複数の第1配線121は10個であるものとして表現した。すなわち、図3及び図4に示すように、Xは10、Y1及びY2は16、Nは2に対応することができ、Y1/N<Xを満たし、Y2/N<Xを満たす。但し、これは例示に過ぎず、信号及び配線の数はこれに限定されるものではない。図3に示すように、第1配線部120において必要な第1配線121の数は8個であるが、複数の第1配線121は10個で実現されており、2つの第1配線121がダミーレーン(dummy lane)に相当することができる。
【0033】
図4を参照すると、複数の第1配線121のうち少なくとも1つの配線が開放(open)されることができる。複数の第1配線121のうち少なくとも1つの配線が開放(open)されることで、第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220は、開放された配線を介しては連結されないことができる。すなわち、開放された配線は、第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220とを電気的に連結することができない。これは、プリント回路基板の製造段階のうち、第1配線121を実現する段階で開放による不良現象が発生したものである。しかし、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220によって開放された配線を利用せずにダミーレーン(dummy lane)に迂回することで、不良に対応することができる。このとき、不良が発生した配線を使用せずに、ダミーレーン(dummy lane)を用いることで、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220を設計することができる。しかし、これに限定されず、不良が発生した配線をスキップして次の配線から順次連結する方式でレーンシフトを行うこともできる。一例に係るプリント回路基板は、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が実装される前に第1配線部120に発生した不良を感知することができるため、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240を用いて不良が発生した配線を1マスずつ移動させる方法よりも、不良が発生した配線を直接ダミーレーンに迂回するように設計することがより有利であり得る。
【0034】
このとき、複数の第1配線121のうち開放(open)された配線の数をZとすると、Y1/N≦X-Z及びY2/N≦X-Zを満たすことができる。すなわち、開放による不良が発生した配線の数より多い数のダミーレーンを含むことで、プリント回路基板を設計することができる。すなわち、設計段階でダミーレーンを設計しておけば、一定個数の不良が発生してもダミーレーンへのレーンシフトを通じて正常作動が可能であることを意味することができる。一般的なプリント回路基板において配線不良が発生した場合には、本来の機能を行うことができず廃棄されるが、一例に係るプリント回路基板は不良が発生しても、ダミーレーンに迂回することができるため、一定レベルの不良が発生することでは、プリント回路基板全体の不良と認められない。すなわち、第1配線部120の一部に不良が発生しても、プリント回路基板全体が不良となるものではないため、良品のプリント回路基板として作動することができる。したがって、プリント回路基板の歩留まりが向上できる。
【0035】
一方、図5を参照すると、第1配線部120において、複数の第1配線121のうち少なくとも2つの配線が互いに短絡(short)することができる。複数の第1配線121のうち少なくとも2つの配線が互いに短絡(short)することで、第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220は短絡した配線によって電気的信号を送受信できない可能性がある。すなわち、第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220とは短絡(short)して、互いに電気的に連結されない可能性がある。このとき、第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220が連結されないとは、物理的に連結されないことを意味するものではなく、第1集積回路チップ210から第2集積回路チップ220に電気的信号伝達が不可能な状態を意味する。すなわち、短絡現象とは、プリント回路基板の製造段階で不良現象が発生したことをいう。しかし、一例に係るプリント回路基板は、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220によって短絡した2つの配線を利用せず、それぞれ異なるダミーレーン(dummy lane)に迂回することで不良に対応することができる。このとき、不良が発生した配線を使用せず、ダミーレーン(dummy lane)を用いることで、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220を設計することができる。しかし、これに限定されず、不良が発生した配線をスキップして次の配線から順次連結する方式でレーンシフトを行ってもよい。一例に係るプリント回路基板は、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が実装される前に、第1配線部120に発生した不良を感知することができるため、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240を用いて不良が発生した配線を1マスずつ移動させる方法よりも、不良が発生した配線を直接それぞれのダミーレーンに迂回するように設計することがより有利であり得る。
【0036】
短絡(short)による不良についても、開放による不良と同様に、ダミーレーンの数が、短絡が発生した配線の数よりも大きくなるように設計することができる。すなわち、短絡(short)が発生した配線の数をZとすると、上述と同様に、Y1/N≦X-Z及びY2/N≦X-Zを満たすことができる。短絡の場合には、複数の第1配線121のうち、互いに異なる少なくとも2つ以上の配線間に発生するものであるため、短絡の場合にはZが2より大きくなることができる。このとき、短絡はいずれか一部分でのみ発生するものではなく、2つ以上の短絡がそれぞれ発生することもあり、3つ以上の第1配線121が短絡する不良が発生することもある。
【0037】
なお、プリント回路基板の配線不良は、図4又は図5に示すものに限定されず、より多様であり得る。例えば、図4に表現された開放(open)による不良及び図5に表現された短絡(short)による不良がそれぞれ同時に発生する可能性もある。さらに他の例としては、不純物による抵抗の増加、アンジュレーション(undulation)による一部配線の不良など、より様々な方式で配線不良が発生する可能性もある。これに限定されず、配線と連結されるビアの不良が発生する可能性もあり、半田付けで発生する不良など、第1配線部120と第1集積回路チップ210及び/又は第2集積回路チップ220の連結時に発生する不良が生じる可能性もある。すなわち、様々な不良についても、上述したようにダミーレーン(dummy lane)に配線を変更して不良を克服することができ、良品のプリント回路基板を提供することができる。
【0038】
一例に係るプリント回路基板は、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が実装される前の段階でも開放による不良を制御することができる。例えば、一般的なプリント回路基板及びパッケージは、半導体チップが全て実装された後に不良を制御することが一般的であるが、一例に係るプリント回路基板は、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が実装される前の段階でも不良を制御することができる。第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220が実装された状態で配線の不良を検査することができ、検査結果に応じて第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220を用いて他の配線を用いるため、半導体チップに対する設計自由度を向上させることができる。すなわち、一般的な場合では、レーンシフト機能が搭載された半導体チップを利用しなければならず、半導体チップを介して別途の補正段階が伴うのに対し、一例に係るプリント回路基板は、半導体チップに関係なく第1配線121を自由に利用できるものであるため、別途の電力消費も必要とせず、半導体チップが実装される前にプリント回路基板の配線不良を克服することができる。つまり、一般的なプリント回路基板又は半導体パッケージとは異なり、一例に係るプリント回路基板は、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が実装されていなくても、不良が発生した配線を制御することができる。すなわち、図3及び図4に示すように、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が含まれなくても、一例に係るプリント回路基板は良品検査が完了でき、プリント回路基板として機能することができる。
【0039】
一例に係るプリント回路基板は、第1半導体チップ230と第2半導体チップ240とが互いに電気的に連結されることができ、第2-1配線部130、第1集積回路チップ210、第1配線部120、第2集積回路チップ220、第2-2配線部140、及び第2半導体チップ240につながる信号経路を有することができる。信号経路は、完成したプリント回路基板の各層を一面ずつ分析して確認することができる。すなわち、第1半導体チップ230と第2半導体チップ240が連結される前に、又は第1半導体チップ230と第2半導体チップが除去された状態で、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220と連結された第1配線部120を基準として上層から一面ずつ除去していきながら第2-1配線部130及び第2-2配線部140がそれぞれ連結されているか否かを確認することができ、これを繰り返して信号経路が形成されていることを確認することができる。一方、これに限定されるものではなく、信号経路を分析することができる他の方法があれば、制限なく活用することができる。
【0040】
一方、図3及び図4は、プリント回路基板の第1配線部120を中心に、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220の配線連結を主に表現した。プリント回路基板内における第1集積回路チップ210、第2集積回路チップ220の配置と、第1配線部120、第2-1配線部130及び第2-2配線部140の配置関係は様々であり得るため、以下では、これらの配置関係について断面図を通じて詳細に説明する。
【0041】
図6a及び図6bは、一例に係るプリント回路基板を概略的に示す平面図である。
【0042】
第1絶縁部110は複数の第1絶縁層111を含むことができ、それぞれの第1絶縁層111は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料であってもよい。例えば、第1絶縁層111の絶縁材料は、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)の絶縁材などであってもよいが、これらに限定されるものではなく、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)などであってもよい。しかし、これらに限定されるものではなく、必要に応じて、それら以外にも、剛性に優れた他の高分子材素材が用いられてもよい。第1絶縁層111は、コア層に相当する絶縁層を含むことができる。
【0043】
第1絶縁部110上又は内部に配置される第1配線部120は、複数の第1配線121及び複数の第1ビア122を含むことができる。複数の第1配線121及び複数の第1ビア122のそれぞれは金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができる。第1配線121は、それぞれシード層として無電解めっき層(又は化学銅)及びめっき層として電解めっき層(又は電気銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層として、化学銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。
【0044】
第1配線121及び第1ビアは、それぞれ当該層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン/ビア、パワーパターン/ビア、信号パターン/ビアなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン/ビア、パワーパターン/ビアなどを除く各種信号、例えば、データ信号などを伝送するためのパターン/ビアを含むことができる。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン、及び/又はパッド(Pad)パターンを含むことができる。
【0045】
第1ビア122はそれぞれマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを充填するフィルドビア(filled VIA)であってもよく、又はビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)であってもよい。マイクロビアはスタック型(stacked type)及び/又はスタガ型(staggered type)に配置されることができる。
【0046】
第1配線121及び第1ビア122は互いに一体に形成されてもよいが、これに限定されるものではない。第1配線121及び/又は第1ビア122は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、TT(Tenting)、又はサブトラクティブ(Subtractive)工法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板において回路を構成できる工法であれば、制限なく利用可能である。
【0047】
第2-1配線部130及び第2-2配線部140も第1絶縁部110上又は内に配置されることができ、それぞれ第2-1配線131と第2-1ビア132及び第2-2配線141と第2-2ビア142を含むことができる。第2-1配線部130及び第2-2配線部140は、それぞれ第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220に連結されることができる。また、第2-1配線部130及び第2-2配線部140のそれぞれは、反対側に第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240が連結されることができる。
【0048】
第2-1配線部130及び第2-2配線部140に含まれる第2-1配線131及び第2-2配線141は、それぞれ第1配線121と同じ特徴を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、異なるように構成されてもよい。同様に、第2-1ビア132及び第2-2ビア142はそれぞれ第1ビア122と同じ特徴を有することもできる。
【0049】
一方、一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁部110上又は内に配置された第3配線部150をさらに含むことができる。第3配線部150は、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220と連結されることができ、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240とも連結されることができる。第3配線部150は、第3配線151及び第3ビア152を含むことができ、それぞれは第1配線121及び第1ビア122と同じ特徴を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。第3配線部150は、第1半導体チップ230、第2半導体チップ240、第1集積回路チップ210、及び第2集積回路チップ220のうちいずれか2つの構成を連結するためのものではない点で、第1配線部120、第2-1配線部130及び第2-2配線部140とは区分されることができる。
【0050】
第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220は、それぞれ本体211、221及びパッド212、222を含むことができる。本体211、221の内部には集積回路が実現されることができ、パッド212、222を介してプリント回路基板に実装されることができる。第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220に関する特徴は、上述した説明を適用することができるため、重複説明は省略する。
【0051】
一方、一例に係るプリント回路基板は、第1集積回路チップ210と第1配線部120、第2-1配線部130及び第3配線部150のそれぞれを互いに連結するか、又は第2集積回路チップ220と第1配線部120、第2-2配線部140及び第3配線部150のそれぞれを互いに連結する連結部材300を含むことができる。連結部材300は、それぞれ導電性物質、例えば、半田(solder)などで形成されてもよいが、連結部材300の材料は特にこれに限定されるものではない。なお、連結部材300の連結方式はこれに限定されるものではなく、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などで構成されてもよい。また、連結部材300は、多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合には銅ピラー(pillar)及半田を含むことができ、単一層で形成される場合には、錫-銀で構成された半田や銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。連結部材300の個数、間隔、配置形態等は特に限定されず、通常の技術者にとって設計事項に応じて十分に変形可能なものである。
【0052】
一方、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220は、上述した回路を含むものであれば、制限なく活用することができ、これ以外にも他の機能をさらに有することができ、他の半導体チップと同様にコントローラ、プロセッサやメモリなどの機能が実現されることもできる。
【0053】
図6bを参照すると、一例に係るプリント回路基板は、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240をさらに含むことができる。
【0054】
第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240のそれぞれは、数百~数百万個以上の回路が一つのチップ内に集積化された集積回路(Intergrated Circuit:IC)であってもよい。これらはそれぞれ、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのプロセッサチップ、具体的には、アプリケーションプロセッサ(AP:Application Processor)であってもよいが、これに限定されるものではなく、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)メモリコントローラ(MC:Memory Controller)チップなどのロジックチップであってもよく、又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップ、SRAM(Static Random Access Memory)チップ、フラッシュ(flash)メモリチップ、PRAM(Phase-change Random Access Memory)チップ、MRAM(Magnetic Random Access Memory)チップ、RRAM(Resistive Random Access Memory)チップ、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)チップ、又はHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップであってもよく、これらが互いに組み合わせられて配置されてもよいことは言うまでもない。
【0055】
第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240は、それぞれ本体231、241及びパッド232、242で構成されることができ、プリント回路基板の配線部と接続するためのパッド232、242が配置された面が活性面となり、反対側の面が非活性面となる。第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240のそれぞれはアクティブウエハに基づいて形成されることができ、この場合、本体231、241をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが使用されることができる。第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240の本体231、241には様々な回路が形成されていてもよい。
【0056】
第1半導体チップ230は、第2-1配線部130及び第3配線部150とそれぞれ連結部材300を介して連結されることができ、第2半導体チップ240は、第2-2配線部140及び第3配線部150とそれぞれ連結部材300を介して連結されることができる。
【0057】
一例に係るプリント回路基板の配線部は、それぞれ最短距離で連結され、信号経路が最短距離で連結されることができる。特に、第2-1配線部130及び第2-2配線部140は最短距離で実現されることが好ましい。すなわち、第1半導体チップ230と第1集積回路チップ210との連結は最短距離で実現されることが好ましく、第2集積回路チップ220と第2半導体チップ240との連結は最短距離で実現されることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220は、第1配線部120で発生した不良を訂正するものであるため、第1半導体チップ230と第1集積回路チップ210との連結及び第2半導体チップ240と第2集積回路チップ220との連結は最短距離で連結することで不良率を下げることができる。
【0058】
一方、一例に係るプリント回路基板は、図6a及び図6bに示す構成に限定されるものではない。特に、第1絶縁部110の下部には他の絶縁層及び配線層がさらに含まれることができ、図6a及び図6bは、プリント回路基板の上側のみを表現したものであり得るが、これ以外にもプリント回路基板の一般的な構成をさらに含むことができる。例えば、一例に係るプリント回路基板は、半田レジスト層をさらに含むことができる。すなわち、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用できる構成をさらに含むことができる。
【0059】
図7a及び図7bは、他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0060】
図7a及び図7bを参照すると、第1絶縁部110は、複数の第1絶縁層111の少なくとも一部を貫通するキャビティCをさらに含むことができる。キャビティCは、複数の第1絶縁層111のうち少なくとも一部の第1絶縁層111を貫通するものとして示しているが、これに限定されず、いずれか一つの絶縁層の一部のみを貫通するものであってもよい。キャビティCを形成する方法としては、公知のキャビティ形成方法を用いることができ、キャビティCを形成する方法が様々であるため、キャビティCの形状も多様であり得ることは言うまでもない。
【0061】
一方、キャビティC以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板と同様の構成は、他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0062】
図8a及び図8bは、さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0063】
図8a及び図8bを参照すると、第1絶縁部110はコア112をさらに含むことができる。コア112は、樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができ、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)、CCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材等であってもよいが、これに限定されるものではない。このとき、コア112は第1絶縁層111より厚くてもよい。また、コア112はキャビティCを含むことができる。
【0064】
第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220はそれぞれキャビティCに実装されることができ、それぞれはビアを介して連結されることができる。すなわち、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220は、第1ビア122を介して第1配線121と連結されることができる。また、第1集積回路チップ210は、第2-1ビア132及び第3ビア152とそれぞれ連結されることができ、第2集積回路チップ220は、第2-2ビア142及び第3ビア152とそれぞれ連結されることができる。このとき、第1半導体チップ230は、第1集積回路チップ210の直上に配置されてもよい。この場合には、第1半導体チップ230と第1集積回路チップ210とが最短距離で連結されるのに有利であり得る。第1半導体チップ230と第1集積回路チップ210は、第2-1ビア132を介して互いに連結されることができる。このとき、第2-1ビア132はスタックビア構造を有することにより第1半導体チップ230と第1集積回路チップ210とを最短距離で連結することができる。第2半導体チップ240及び第2集積回路チップ220も同じ配置を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0065】
一方、第1絶縁部110と第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220の配置及び連結以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板及び他の一例に係るプリント回路基板と同様の構成は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0066】
図9a及び図9bは、さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0067】
図9a及び図9bを参照すると、第1半導体チップ230は、第1集積回路チップ210の一部と重なるように直上に配置されることができる。この場合にも、第1半導体チップ230と第1集積回路チップ210とは最短距離で連結されることができ、第2-1ビアはスタックビア構造を有することができる。第2半導体チップ240及び第2集積回路チップ220も同じ配置を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0068】
一方、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240の配置以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板、他の一例に係るプリント回路基板、及びさらに他の一例に係るプリント回路基板と同様の構成は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0069】
図10a及び図10bは、さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0070】
図10a及び図10bを参照すると、第1絶縁部110は、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220上に配置されることができ、キャビティCを有する第2絶縁層113をさらに含むことができる。第2絶縁層113は絶縁材料を含むことができ、絶縁材料としては第1絶縁層111の絶縁材料群と同じ群から含むことができ、第1絶縁層111と同じ絶縁材料を含むことができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。このとき、第2絶縁層113は第1絶縁層111と離隔するように配置することができ、第1絶縁部110に実現される第1配線部120は、連結部材300を介して第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220と連結されることができる。
【0071】
さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220を連結する第1配線部120が別途の構造をもって取り付けられている形態である、いわゆるアドオン(add-on)形態を有し得ることを意味する。第1集積回路チップ210と第2集積回路チップ220を連結する第1絶縁部110に対して、第1絶縁部110に実現された第1配線部120で発生した不良を克服することができる。このような構造が可能となることで、半導体チップの間を互いに連結する連結構造体で発生する配線の不良に対応することができる。
【0072】
このとき、第1集積回路チップ210と第1半導体チップ230は連結部材300を介して直接連結されることができ、第2集積回路チップ220と第2半導体チップ240は連結部材300を介して直接連結されることができる。半導体チップと集積回路チップが直接連結できることで、第2-1配線部130及び第2-2配線部140を省略することができ、半導体チップと集積回路チップ間の連結時に発生し得る不良率が減少できる。
【0073】
なお、図10a及び図10bでは、第1絶縁部110が第2絶縁層113上に配置されるものとして示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1絶縁部110も第2絶縁層113のキャビティC内に配置されてもよい。この場合には、第1集積回路チップ210及び第2集積回路チップ220が第2絶縁層113上に配置されることができ、第1半導体チップ230及び第2半導体チップ240は、第2絶縁層113に形成されたキャビティ内に配置されることができる。この場合にも、第1絶縁部110及び第1配線部120は、第1半導体チップ230と第2半導体チップ240を連結する連結構造体として機能することができる。
【0074】
一方、第1絶縁部110の配置、半導体チップと集積回路チップとの連結以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板、他の一例に係るプリント回路基板、及びさらに他の一例に係るプリント回路基板と同様の構成は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0075】
本発明において、断面形状とは、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面形状とは、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0076】
本発明において、「上側、上部、上面」などは、便宜上、図面の断面を基準に電子部品が実装可能な面に向かう方向を意味するものとして使用し、「下側、下部、下面」などは、その反対方向として使用している。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論である。
【0077】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0078】
本発明で使用された「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0079】
本発明で使用された用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0080】
110:第1絶縁部
111:第1絶縁層
112:コア
113:第2絶縁層
120:第1配線部
121:第1配線
122:第1ビア
130:第2-1配線部
140:第2-2配線部
131:第2-1配線
132:第2-1ビア
141:第2-2配線
142:第2-2ビア
150:第3配線部
151:第3配線
152:第3ビア
210:第1集積回路チップ
220:第2集積回路チップ
211、221:本体
212、222:パッド
230:第1半導体チップ
240:第2半導体チップ
231、241:本体
232、242:パッド
300:連結部材
C:キャビティ
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラモジュール
1060:アンテナモジュール
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:スマートフォン内部のメインボード
1120:スマートフォン内部の電子部品
1121:スマートフォン内部のアンテナモジュール
1130:スマートフォン内部のカメラモジュール
1140:スマートフォン内部のスピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b