(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025036098
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250306BHJP
【FI】
H01G4/30 201L
H01G4/30 201D
H01G4/30 201C
H01G4/30 515
H01G4/30 516
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024093626
(22)【出願日】2024-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0113901
(32)【優先日】2023-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0162748
(32)【優先日】2023-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】崔 源美
(72)【発明者】
【氏名】李 成煥
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC01
5E001AE02
5E001AE03
5E082AB03
5E082EE23
(57)【要約】
【課題】内部電極の連結性が改善され信頼性が向上した積層型キャパシタを提供する。
【解決手段】本開示による積層型キャパシタは誘電体層、及び内部電極を含むキャパシタボディー、そして前記キャパシタボディーの外側に配置される外部電極を含み、前記キャパシタボディーはチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、前記キャパシタボディー全体で、前記チタン(Ti)100モルに対する前記インジウム(In)の含量は0.2モル~4モルである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と、内部電極を含むキャパシタボディーと、前記キャパシタボディーの外側に配置された外部電極と、を含み、
前記キャパシタボディーはチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、
前記キャパシタボディー全体で、前記チタン(Ti)100モルに対する前記インジウム(In)の含量は0.2モル以上4モル以下である、積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記誘電体層は、主成分としてチタン酸バリウム系化合物を含み、副成分としてインジウム(In)を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記内部電極は、導電性金属とインジウム(In)とを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記誘電体層は前記誘電体層の中心部と、前記誘電体層の中心部表面に位置し前記内部電極と接触する誘電体層の界面部と、を含み、
前記誘電体層の界面部でのTi100モルに対するInの含量をA(モル)、前記誘電体層の中心部でのTi100モルに対するInの含量をB(モル)とする時、A>Bを満足する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記積層型キャパシタはA≧2Bを満足する、請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記Aは1.0モル以上1.5モル以下である、請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記Bは0.5モル以上1.0モル以下である、請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記内部電極は内部電極の中心部と、前記内部電極の中心部表面に位置し前記誘電体層と接触する内部電極の界面部と、を含み、
前記内部電極の界面部でのNi100モルに対するInの含量をC(モル)、前記内部電極の中心部でのNi100モルに対するInの含量をD(モル)とする時、C>Dを満足する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記積層型キャパシタはC≧3Dを満足する、請求項8に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記Cは0.5モル以上1.0モル以下である、請求項8に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記Dは0.05モル以上0.5モル以下である、請求項8に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
誘電体層と、内部電極を含むキャパシタボディーと、前記キャパシタボディーの外側に配置される外部電極と、を含む積層型キャパシタであり、
前記積層型キャパシタはチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、
前記積層型キャパシタ全体で、前記チタン(Ti)100モルに対する前記インジウム(In)の含量は0.2モル以上4モル以下である、積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記外部電極は前記キャパシタボディーと接触する焼結金属層を含み、
前記焼結金属層は導電性金属及びインジウム(In)を含む、請求項12に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
前記誘電体層は前記誘電体層の中心部と、前記誘電体層の中心部表面に位置し前記内部電極と接触する誘電体層の界面部と、を含み、
前記誘電体層の界面部でのTi100モルに対するInの含量をA(モル)、前記誘電体層の中心部でのTi100モルに対するInの含量をB(モル)とする時、A>Bを満足する、請求項12に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
前記積層型キャパシタはA≧2Bを満足する、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項16】
前記Aは1.0モル以上1.5モル以下である、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項17】
前記Bは0.5モル以上1.0モル以下である、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項18】
前記内部電極は内部電極の中心部と、前記内部電極の中心部表面に位置し前記誘電体層と接触する内部電極の界面部と、を含み、
前記内部電極の界面部でのNi100モルに対するInの含量をC(モル)、前記内部電極の中心部でのNi100モルに対するInの含量をD(モル)とする時、C>Dを満足する、請求項12に記載の積層型キャパシタ。
【請求項19】
前記積層型キャパシタはC≧3Dを満足する、請求項18に記載の積層型キャパシタ。
【請求項20】
前記Cは0.5モル以上1.0モル以下である、請求項18に記載の積層型キャパシタ。
【請求項21】
前記Dは0.05モル以上0.5モル以下である、請求項18に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、積層型キャパシタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、電子機器の多機能化及び小型化が急速に行われるにつれて、電子部品の小型化と性能向上も急速に行われている。また、自動車又はネットワーク設備などに使用される電気装置、及び産業用として使用されるための電子部品の高信頼性に対する要求も大きく増加している。
【0003】
このような市場要求に応えるために、インダクタ(Inductor)、キャパシタ(Capacitor)、又はレジスター(Resistor)のような手動部品の技術開発競争が加速化している。特に、手動部品であってその用途と使用量が持続的に増加している積層型キャパシタ(Multilayer Ceramic Capacitor、MLCC)の多様な製品開発で市場を先占するための多くの努力が要求されている。
【0004】
また、積層型キャパシタは誘電体層と内部電極を積み重ねた形態に製造された蓄電器であって、携帯電話機、ノートパソコン、LCD TVなど各種電子機器に使用されている。
【0005】
最近、技術の発展につれて積層型キャパシタは小型化、高容量化が要求されており、このためには内部電極と誘電体層の厚さ減少が伴わなければならない。誘電体層の厚さが減少するにつれて1層当り加えられる電界強度が相対的に強くなり、これによってキャパシタの信頼性低下が発生するようになり、電極連結性劣化によって静電容量も減少するようになる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態の一側面は、内部電極の連結性が改善され信頼性が向上した積層型キャパシタを提供する。
【0007】
しかし、実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、実施形態に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態による積層型キャパシタは誘電体層、及び内部電極を含むキャパシタボディー、そして前記キャパシタボディーの外側に配置される外部電極を含み、前記キャパシタボディーはチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、前記キャパシタボディー全体で、前記チタン(Ti)100モルに対する前記インジウム(In)の含量は0.2モル~4モルである。
【0009】
前記誘電体層は、主成分としてチタン酸バリウム系化合物と副成分としてインジウム(In)を含むことができる。
【0010】
前記内部電極は、導電性金属とインジウム(In)を含むことができる。
【0011】
前記誘電体層は誘電体層の中心部と前記誘電体層の中心部表面に位置し前記内部電極と接触する誘電体層の界面部を含み、前記誘電体層の界面部でのTi100モルに対するInの含量をA(モル)、前記誘電体層の中心部でのTi100モルに対するInの含量をB(モル)とする時、A>Bを満足することができる。
【0012】
前記積層型キャパシタはA≧2Bを満足することができる。
【0013】
前記Aは1.0モル~1.5モルであってもよい。
【0014】
前記Bは0.5モル~1.0モルであってもよい。
【0015】
前記内部電極は内部電極の中心部及び前記内部電極の中心部表面に位置し前記誘電体層と接触する内部電極の界面部を含み、前記内部電極の界面部でのNi100モルに対するInの含量をC(モル)、前記内部電極の中心部でのNi100モルに対するInの含量をD(モル)とする時、C>Dを満足することができる。
【0016】
前記積層型キャパシタはC≧3Dを満足することができる。
【0017】
前記Cは0.5モル~1.0モルであってもよい。
【0018】
前記Dは0.05モル~0.5モルであってもよい。
【0019】
他の実施形態による積層型キャパシタは誘電体層、及び内部電極を含むキャパシタボディー、そして前記キャパシタボディーの外側に配置される外部電極を含む積層型キャパシタであり、前記積層型キャパシタはチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、前記積層型キャパシタ全体で、前記チタン(Ti)100モルに対する前記インジウム(In)の含量は0.2モル~4モルである。
【0020】
前記外部電極は、前記キャパシタボディーと接触する焼結金属層を含むことができる。
【0021】
前記焼結金属層は、導電性金属及びインジウム(In)を含むことができる。
【0022】
前記誘電体層は誘電体層の中心部と前記誘電体層の中心部表面に位置し前記内部電極と接触する誘電体層の界面部を含み、前記誘電体層の界面部でのTi100モルに対するInの含量をA(モル)、前記誘電体層の中心部でのTi100モルに対するInの含量をB(モル)とする時、A>Bを満足することができる。
【0023】
前記積層型キャパシタはA≧2Bを満足することができる。
【0024】
前記Aは1.0モル~1.5モルであってもよい。
【0025】
前記Bは0.5モル~1.0モルであってもよい。
【0026】
前記内部電極は内部電極の中心部及び前記内部電極の中心部表面に位置し前記誘電体層と接触する内部電極の界面部を含み、前記内部電極の界面部でのNi100モルに対するInの含量をC(モル)、前記内部電極の中心部でのNi100モルに対するInの含量をD(モル)とする時、C>Dを満足することができる。
【0027】
前記積層型キャパシタはC≧3Dを満足することができる。
【0028】
前記Cは0.5モル~1.0モルであってもよい。
【0029】
前記Dは0.05モル~0.5モルであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
実施形態による積層型キャパシタによれば、内部電極の連結性が改善され信頼性が向上するという長所がある。
【0031】
但し、本発明の多様且つ有益な長所と効果は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】一実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタの断面図である。
【
図3】
図1のキャパシタボディーの内部電極の積層構造を示した分離斜視図である。
【
図4】積層型キャパシタの断面サンプルで、誘電体層の中心部(「BT」と表示)、誘電体層の界面部と内部電極の界面部(「Ni-BT INTERFACE」と表示)、及び内部電極の中心部(「Ni」と表示)を透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)で観察して獲得したTEMイメージである。
【
図5】
図4をTiでマッピング(mapping)したTEMイメージである。
【
図6】
図4をInでマッピングしたTEMイメージである。
【
図7】
図4をNiでマッピングしたTEMイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付した図面を参照して本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付された図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。また、添付図面において一部構成要素は誇張されるか省略されるか又は概略的に図示されており、各構成要素の大きさは実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0034】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0035】
明細書全体で、「積層方向」とは構成要素が順次に積層される方向であり、シート状の構成要素の広い面(主面)に垂直な「厚さ方向」になり得るが、図面ではT軸方向に該当する。そして「側方」とはシート状構成要素の縁から広い面(主面)に平行に延長される方向であって、「平面方向」になり得るが、図面ではL軸方向に該当する。そして図面でのW軸方向は「幅方向」になり得る。
【0036】
以下では、図面を参照して多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0037】
図1は一実施形態による積層型キャパシタ100を示す斜視図であり、
図2は
図1のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタ100の断面図であり、
図3は
図1のキャパシタボディー110の内部電極の積層構造を示した分離斜視図である。
【0038】
本実施形態を明確に説明するために方向を定義すれば、図面に表示されたL軸、W軸、及びT軸はそれぞれキャパシタボディー110の長さ方向、幅方向、及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向(T軸方向)はシート形状の構成要素の広い面(主面)に垂直な方向であってもよく、一例として誘電体層111が積層される積層方向と同一な概念として使用できる。長さ方向(L軸方向)はシート形状の構成要素の広い面(主面)に平行に延長される方向であって厚さ方向(T軸方向)と大略的に垂直な方向であってもよく、一例として両側に第1外部電極131及び第2外部電極132が位置する方向であってもよい。幅方向(W軸方向)はシート形状の構成要素の広い面(主面)に平行に延長される方向であって厚さ方向(T軸方向)及び長さ方向(L軸方向)と大略的に垂直な方向であってもよく、シート形状の構成要素の長さ方向(L軸方向)の長さは幅方向(W軸方向)の長さよりさらに長くてもよい。
【0039】
図1~
図3を参照すれば、一実施形態による積層型キャパシタ100は、キャパシタボディー110、そしてキャパシタボディー110の長さ方向(L軸方向)に対向する両端に配置される第1外部電極131及び第2外部電極132を含むことができる。
【0040】
一実施形態による積層型キャパシタ100は誘電体層111及び内部電極121、122を含むキャパシタボディー110、そしてキャパシタボディー110の外側に配置される外部電極131、132を含み、キャパシタボディー110はチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、キャパシタボディー110全体でチタン(Ti)100モルに対するインジウム(In)の含量は0.2モル~4モルである。
【0041】
一例として、キャパシタボディー110はチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、例えば誘電体層111は誘電体の副成分としてInを含むことができ、内部電極121、122はNi-In合金を含むことができる。
【0042】
他の一実施形態による積層型キャパシタ100は誘電体層111及び内部電極121、122を含むキャパシタボディー110、そしてキャパシタボディー110の外側に配置される外部電極131、132を含み、積層型キャパシタ100はチタン(Ti)及びインジウム(In)を含み、積層型キャパシタ100全体で、チタン(Ti)100モルに対するインジウム(In)の含量は0.2モル~4モルである。
【0043】
例えば、外部電極131、132に含まれる焼結金属層はインジウム(In)を含むことができる。
【0044】
インジウム(Indium、In)は、ニッケル(Ni)より酸化傾向が強い元素である。このようなInを積層型キャパシタ100製造時に内部電極形成用導電性ペーストに添加して還元雰囲気で焼成する場合、大部分のInは誘電体層111と内部電極121、122の間の界面に含まれる。
【0045】
誘電体層111と内部電極121、122の間の界面にInが含まれることによって、誘電体層111と内部電極121、122の界面接合力を向上させることができ、内部電極121、122から誘電体層111、誘電体層111から内部電極121、122への電子移動を妨害する半導体障壁として作用し得る。
【0046】
また、誘電体層111側の界面に含まれるInはIn3+として酸化してチタン酸バリウム系誘電体化合物のTiサイト(Ti site)に置換される。In3+が誘電体化合物のTiサイトに置換される場合、In3+がアクセプタ(acceptor)として作用して積層型キャパシタ100の信頼性を向上させることができる。
【0047】
また、内部電極121、122側の界面に含まれるInは内部電極121、122に含まれる金属であるNiと合金を形成して、内部電極121、122の平滑度と連結性を改善させることができる。
【0048】
キャパシタボディー110全体でTi100モルに対するInの含量が0.2モル未満であれば誘電体層111と内部電極121、122の間の界面にInが十分に含まれなくて積層型キャパシタ100の信頼性向上効果が微小であり、4モル超過であれば誘電体化合物においてTi siteの空孔をなくして積層型キャパシタ100の信頼性がむしろ劣化することがある。
【0049】
また、積層型キャパシタ100全体でTi100モルに対するInの含量が0.2モル未満であれば誘電体層111と内部電極121、122の間の界面にInが十分に含まれなくて積層型キャパシタ100の信頼性向上効果が微小であり、4モル超過であれば誘電体化合物においてTiサイトの空孔をなくして積層型キャパシタ100の信頼性がむしろ劣化することがある。
【0050】
積層型キャパシタ100でTiに対するInの含量を測定する方法は次の通りである。
【0051】
まず、積層型キャパシタ100で外部電極131、132をミリング又は研磨で除去したサンプルを準備するか、又は外部電極131、132を除去していない積層型キャパシタ100自体をサンプルとして準備する。
【0052】
その後、加圧ボトル(bottle)にサンプル0.1gを秤量して入れ、ここに塩酸6ml及び硝酸2mlを投入した混合物を準備する。その後、混合物を約180℃で約1時間熱処理し、追加的な超音波処理(sonication)を通じて溶解されたサンプルを準備する。溶解されたサンプルを0.45μmフィルターで濾した後、誘導結合プラズマ分光分析器(Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectrometry、ICP-OES)を用いて、サンプルに含まれるTi及びInの含量(モル)を分析する。
【0053】
5つ以上の積層型キャパシタに対して前記の分析を行い、測定した値の算術平均値を計算して、Tiに対するInの含量を求めることができる。
【0054】
キャパシタボディー
キャパシタボディー110は一例として、大略的な六面体形状であってもよい。
【0055】
本実施形態では説明の便宜のために、キャパシタボディー110で厚さ方向(T軸方向)に互いに対向する両面を第1面及び第2面と、第1面及び第2面と連結され長さ方向(L軸方向)に互いに対向する両面を第3面及び第4面と、第1面及び第2面と連結され第3面及び第4面と連結され幅方向(W軸方向)に互いに対向する両面を第5面及び第6面と定義する。
【0056】
一例として、下面である第1面が実装方向に向かう面になり得る。また、第1面~第6面は平らであってもよいが、本実施形態がこれに限定されるのではなく、例えば、第1面~第6面は中央部が凸の曲面であってもよく、各面の境界である角はラウンド(round)されていてもよい。
【0057】
キャパシタボディー110の形状、寸法、及び誘電体層111の積層数が本実施形態の図面に示されたものに限定されるのではない。
【0058】
キャパシタボディー110は複数の誘電体層111を厚さ方向(T軸方向)に積層した後に焼成したものであって、複数の誘電体層111と誘電体層111を挟んで厚さ方向(T軸方向)に交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含む。
【0059】
この時、キャパシタボディー110の互いに隣接するそれぞれの誘電体層111の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を使用せずに確認することが困難な程度に一体化できる。
【0060】
また、キャパシタボディー110は、アクティブ領域とカバー領域112、113を含むことができる。
【0061】
アクティブ領域は、積層型キャパシタ100の容量形成に寄与する部分である。一例として、アクティブ領域は、厚さ方向(T軸方向)に沿って積層される第1内部電極121又は第2内部電極122が重畳(overlap)した領域であってもよい。
【0062】
カバー領域112、113は厚さ方向マージン部であって厚さ方向(T軸方向)にアクティブ領域の第1面及び第2面側にそれぞれ配置できる。このようなカバー領域112、113は、単一誘電体層111又は二つ以上の誘電体層111がアクティブ領域の上面及び下面にそれぞれ積層されたものであってもよい。
【0063】
また、キャパシタボディー110は、側面カバー領域をさらに含むことができる。側面カバー領域は幅方向マージン部であって幅方向(W軸方向)にアクティブ領域の第5面及び第6面側にそれぞれ配置できる。このような側面カバー領域は、誘電体グリーンシート表面に内部電極形成用導電性ペースト層を塗布する時、誘電体グリーンシート表面の一部領域にのみ導電性ペースト層を塗布し、誘電体グリーンシート表面の両方の側面には導電性ペースト層を塗布していない誘電体グリーンシートを積層した後、焼成することによって形成することができる。
【0064】
カバー領域112、113と側面カバー領域は、物理的又は化学的ストレスによる第1内部電極121及び第2内部電極122の損傷を防止する役割を果たす。
【0065】
誘電体層
誘電体層111は誘電体を含み、誘電体は主成分と副成分を含むことができる。
【0066】
主成分は誘電体の母材であって、高い誘電率を有し、積層型キャパシタ100の誘電率の形成に寄与する。
【0067】
一例として、主成分はチタン酸バリウム系化合物であってもよく、例えばBamTiO3(0.995≦m≦1.010)、(Ba1-XCax)m(Ti1-yZry)O3(0.995≦m≦1.010、0≦x≦0.10、0<y≦0.20)、Bam(Ti1-xZrx)O3(0.995≦m≦1.010、x≦0.10)、(Ba1-XCax)m(Ti1-ySny)O3(0.995≦m≦1.010、0≦x≦0.10、0<y≦0.20)、又はこれらの組み合わせを含む誘電材料であってもよい。
【0068】
一例として、主成分は、BaTiO3、Ba(Ti,Zr)O3、Ba(Ti,Sn)O3、(Ba,Ca)TiO3、(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3、(Ba,Ca)(Ti,Sn)O3、(Ba,Sr)TiO3、(Ba,Sr)(Ti,Zr)O3、(Ba,Sr)(Ti,Sn)O3、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0069】
一例として、副成分はインジウム(In)を含み、インジウム(In)はIn3+として酸化されてチタン酸バリウム系誘電体化合物のTiサイトに置換される。
【0070】
また、副成分は、ジスプロシウム(Dy)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム(Ga)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、アクチニウム(Ac)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、又はこれらの組み合わせをさらに含むことができる。誘電体は、セラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤、又はこれらの組み合わせがさらに含まれてもよい。
【0071】
一例として、誘電体は複数の誘電体結晶粒を含むことができ、複数の誘電体結晶粒のうちの少なくとも一つ以上はコア-シェル(core-shell)構造を有することができる。
【0072】
コア-シェル構造を有する誘電体結晶粒は1つの誘電体結晶粒内に誘電体コア及びコアの少なくとも一部を囲むシェルを含む。一例として、副成分に含まれるインジウム(In)はシェル領域に含まれてもよい。
【0073】
コアとシェルは主成分に対する副成分のモル比率が互いに異なり、例えばコアとシェルの境界で主成分に対する副成分のモル比率が急激に変化できる。これにより、コアとシェルの境界を容易に区分することができ、透過電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析(TEM-EDX)を通じてこれを確認することができる。
【0074】
一例として、コアには副成分が存在しないか、又は存在しても微量のみが存在し得る。したがって、コアは不純物を含まずに純粋な主成分のみからなり、純粋な主成分は一般に不純物元素がドーピングされた主成分に比べて高い誘電率を有することができる。これにより、コアは誘電率を維持する役割を果たすことができる。
【0075】
シェルは副成分をコアより多く含む。シェルにおいて主成分(ペロブスカイトABO3構造)のBサイトにドーピングされた副成分は、他の希土類及びドーピング元素が誘電体結晶粒内部に拡散するバンドギャップエネルギー(Band gap energy)を高める効果がある。これにより、他の希土類及びドーピング元素が誘電体結晶粒内部に拡散することを抑制する障壁(barrier)役割を果たすことができる。シェルは、誘電体結晶粒が成長することを抑制する役割を果たして誘電体結晶粒の微粒化に寄与し得る。また、シェルにおいて主成分のAサイトにドーピングされた副成分は信頼性及び誘電率を向上させる役割を果たすことができる。
【0076】
一例として、誘電体層111は、誘電体層111の中心部、及び誘電体層111の中心部表面に位置し内部電極121、122と接触する誘電体層111の界面部を含むことができる。
【0077】
誘電体層111の中心部は、キャパシタボディー110のW軸方向の中央からL軸方向及びT軸方向に切断した断面で、いずれか一つの誘電体層の一側表面の一地点と地点から最短距離に位置する誘電体層の他の一側表面の一地点の間の中間地点を意味することができる。また中間地点だけでなく、中間地点を基準にしてT軸方向に±30%以内の領域までを意味することができる。
【0078】
誘電体層111の界面部は、誘電体層111の中心部以外の領域であって、誘電体層111と内部電極121、122の間に配置された界面から誘電体層111の中心部に向かってT軸方向に2nm離隔した地点を意味することができる。また地点だけでなく、地点を基準にしてT軸方向に±30%以内の領域までを意味することができる。
【0079】
一実施形態で、誘電体層111の界面部でのTi100モルに対するInの含量をA(モル)とし、誘電体層111の中心部でのTi100モルに対するInの含量をB(モル)とする時、A>Bを満足することができる。一例として、A及びBはA≧1.5B、又はA≧2Bを満足することができる。
【0080】
一実施形態で、誘電体層111の界面部でのTi100モルに対するInの含量(A)は1.0モル~1.5モルであってもよく、例えば1.0モル~1.4モル、又は1.2モル~1.4モルであってもよい。
【0081】
一実施形態で、誘電体層111の中心部でのTi100モルに対するInの含量(B)は0.5モル~1.0モルであってもよく、例えば0.5モル~0.8モル、又は0.6モル~0.8モルであってもよい。
【0082】
前記数値範囲を満足する場合、誘電体層と内部電極の間の界面に十分なInが含まれることによって、誘電体層と内部電極の界面接合力を向上させながらも信頼性が向上した積層型キャパシタを実現することができる。
【0083】
前記で説明した誘電体層111の中心部でのInの含量(B)と誘電体層111の界面部でのInの含量(A)は次のような方法で測定することができる。
【0084】
まず、積層型キャパシタ100をエポキシ混合液に入れて硬化させた後、キャパシタボディー110のL軸方向及びT軸方向側面をW軸方向に1/2地点まで研磨(Polishing)し、固定後に真空雰囲気チャンバー内維持して、キャパシタボディー110のW軸方向の中央からL軸方向及びT軸方向に切断した断面サンプル(以下、「断面サンプル」という)を準備する。
【0085】
その後、断面サンプルを透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)で観察して、
図4のような透過電子顕微鏡イメージを準備する。
【0086】
図4は、積層型キャパシタの断面サンプルにおいて、誘電体層の中心部(「BT」と表示)、誘電体層の界面部と内部電極の界面部(「Ni-BT INTERFACE」と表示)、及び内部電極の中心部(「Ni」と表示)を透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)で観察して獲得したTEMイメージである。
図5は
図4をTiでマッピング(mapping)したTEMイメージであり、
図6は
図4をInでマッピングしたTEMイメージである。
【0087】
図4~
図6を参照すれば、前記断面サンプルのTEMイメージにおいて任意の誘電体層111を5つ以上選択し、誘電体層111の中心部及び誘電体層111の界面部に該当する等間隔の5つのポイントをそれぞれ選択する。選択されたポイントでTEM(Transmission Electron Microscope)-EDS(Energy Disperse X-Ray Spectrometer)定量分析を行う。
図5及び
図6のように、前記断面サンプルをTiとInでマッピングした後、TiとInの含量を測定し、測定した値の算術平均値を計算してA及びB値を求めることができる。
【0088】
一例として、誘電体層111の平均厚さは0.05μm以上、0.1μm以上、又は0.2μm以上であってもよく、2.5μm以下、1.5μm以下、又は0.5μm以下であってもよい。誘電体層111の平均厚さが0.05μm未満である場合、信頼性改善確認が難しいことがある。
【0089】
誘電体層111の平均厚さは、次のような方法で測定することができる。
【0090】
まず、断面サンプルを走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で観察して獲得した走査電子顕微鏡イメージを準備する。
【0091】
断面サンプルの走査電子顕微鏡(SEM)イメージにおいて、誘電体層111の長さ方向(L軸方向)又は幅方向(W軸方向)中央地点を基準点にして、基準点から所定間隔で離れた10個の地点での、誘電体層111厚さの算術平均値であってもよい。
【0092】
10個の地点の間隔は走査電子顕微鏡(SEM)イメージのスケール(scale)によって調節することができ、例えば1μm~100μm、1μm~50μm、又は1μm~10μmの間隔であってもよい。
【0093】
この時、10個の地点は全て誘電体層111内に位置しなければならず、10個の地点が全て誘電体層111内に位置しない場合、基準点の位置を変更するか、又は10個の地点の間の間隔を調節することができる。
【0094】
内部電極
第1内部電極121と第2内部電極122は互いに異なる極性を有する電極であって、誘電体層111を挟んでT軸方向に沿って互いに対向するように交互に配置され、一端がキャパシタボディー110の第3面及び第4面を通じてそれぞれ露出される。
【0095】
第1内部電極121と第2内部電極122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁できる。
【0096】
キャパシタボディー110の第3面及び第4面を通じて交互に露出される第1内部電極121及び第2内部電極122の端部は、第1外部電極131及び第2外部電極132とそれぞれ接続されて電気的に連結できる。
【0097】
一実施形態で、第1内部電極121及び第2内部電極122は導電性金属とインジウム(In)を含むことができ、導電性金属とインジウム(In)の合金を含むことができる。
【0098】
一例として、導電性金属は例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、又はAuなどの金属やこれらの合金、例えばAg-Pd合金をさらに含むことができる。一例として、導電性金属がNiである場合、第1内部電極121及び第2内部電極122はNi及びInを含み、一例としてNi-In合金を含むことができる。
【0099】
また、第1内部電極121及び第2内部電極122は、誘電体層111に含まれるセラミック材料と同一組成系の誘電体粒子を含んでもよい。
【0100】
第1内部電極121及び第2内部電極122は、導電性金属を含む導電性ペーストを使用して形成できる。導電性ペーストの印刷方法はスクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができる。
【0101】
一例として、内部電極121、122は、内部電極121、122の中心部、及び内部電極121、122の中心部表面に位置し誘電体層111と接触する内部電極121、122の界面部を含むことができる。
【0102】
内部電極121、122の中心部は、キャパシタボディー110のW軸方向の中央からL軸方向及びT軸方向に切断した断面で、いずれか一つの内部電極の一側表面の一地点と地点から最短距離に位置する内部電極の他の一側表面の一地点の間の中間地点を意味することができる。また中間地点だけでなく、中間地点を基準にしてT軸方向に±30%以内の領域までを意味することができる。
【0103】
内部電極121、122の界面部は、内部電極121、122の中心部以外の領域であって、誘電体層111と内部電極121、122の間に配置された界面から内部電極121、122の中心部に向かってT軸方向に2nm離隔した地点を意味することができる。また地点だけでなく、地点を基準にしてT軸方向に±30%以内の領域までを意味することができる。
【0104】
一実施形態で、内部電極121、122の界面部でのNi100モルに対するInの平均含量をC(モル)とし、内部電極121、122の中心部でのNi100モルに対するInの平均含量をD(モル)とする時、C>Dを満足することができる。一例として、C及びDはC≧1.5Dを満足することができ、例えばC≧2D、又はC≧3Dを満足することができる。
【0105】
一実施形態で、内部電極121、122の界面部でのNi100モルに対するInの平均含量(C)は0.5モル~1.0モルであってもよく、例えば0.5モル~0.8モル、又は0.6モル~0.8モルであってもよい。
【0106】
一実施形態で、内部電極121、122の中心部でのNi100モルに対するInの平均含量(D)は0.05モル~0.5モルであってもよく、例えば0.05モル~0.3モル、又は0.1モル~0.3モルであってもよい。
【0107】
数値範囲を満足する場合、誘電体層111と内部電極121、122の間の界面に十分なInが含まれることによって、誘電体層111と内部電極121、122の界面接合力を向上させながらも内部電極121、122の平滑度と連結性を改善させることができる。
【0108】
前記で説明した内部電極121、122の中心部でのInの平均含量(D)と内部電極121、122の界面部でのInの平均含量(C)は次のような方法で測定することができる。
【0109】
図4は、積層型キャパシタの断面サンプルにおいて誘電体層の中心部(「BT」と表示)、誘電体層の界面部と内部電極の界面部(「Ni-BT INTERFACE」と表示)、及び内部電極の中心部(「Ni」と表示)を透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)で観察して獲得したTEMイメージである。
図6は
図4をInでマッピングしたTEMイメージであり、
図7は
図4をNiでマッピングしたTEMイメージである。
【0110】
図4のような断面サンプルのTEMイメージにおいて任意の内部電極121、122を5つ以上選択し、内部電極121、122の中心部及び誘電体層111の界面部に該当する等間隔の5つのポイントをそれぞれ選択する。
【0111】
選択されたポイントでTEM(Transmission Electron Microscope)-EDS(Energy Disperse X-Ray Spectrometer)定量分析を行う。
図6及び
図7のように、前記断面サンプルをNiとInでマッピングした後、NiとInの含量を測定し、測定した値の算術平均値を計算してA及びB値を求めることができる。
【0112】
一例として、第1内部電極121及び第2内部電極122の平均厚さは0.05μm以上、0.1μm以上、0.2μm、又は0.25μm以上であってもよく、1μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下であってもよい。
【0113】
第1内部電極121又は第2内部電極122の平均厚さは、次のような方法で測定することができる。
【0114】
断面サンプルの走査電子顕微鏡(SEM)イメージにおいて、第1内部電極121又は第2内部電極122の長さ方向(L軸方向)又は幅方向(W軸方向)中央地点を基準点にして、基準点から所定間隔で離れた10個の地点での、第1内部電極121又は第2内部電極122厚さの算術平均値を求めて内部電極の平均厚さを求めることができる。
【0115】
10個の地点の間隔は走査電子顕微鏡(SEM)イメージのスケール(scale)によって調節することができ、例えば1μm~100μm、1μm~50μm、又は1μm~10μmの間隔であってもよい。
【0116】
この時、10個の地点は全て第1内部電極121又は第2内部電極122内に位置しなければならず、10個の地点が全て第1内部電極121又は第2内部電極122内に位置しない場合、基準点の位置を変更するか、又は10個の地点の間の間隔を調節することができる。
【0117】
外部電極
第1外部電極131及び第2外部電極132は互いに異なる極性の電圧が提供され、第1内部電極121及び第2内部電極122の露出される部分とそれぞれ接続されて電気的に連結できる。
【0118】
上記のような構成により、第1外部電極131及び第2外部電極132に所定の電圧を印加すると、互いに対向する第1内部電極121及び第2内部電極122の間に電荷が蓄積される。この時、積層型キャパシタ100の静電容量はアクティブ領域でT軸方向に沿って互いに重畳する第1内部電極121及び第2内部電極122のオーバーラップされた面積と比例するようになる。
【0119】
第1外部電極131及び第2外部電極132は、キャパシタボディー110の第3面及び第4面にそれぞれ配置されて第1内部電極121及び第2内部電極122と接続される第1接続部及び第2接続部と、キャパシタボディー110の第3面及び第4面と、第1面及び第2面又は第5面及び第6面が接する角に配置される第1バンド部及び第2バンド部をそれぞれ含むことができる。
【0120】
第1バンド部及び第2バンド部は、第1接続部及び第2接続部からキャパシタボディー110の第1面及び第2面又は第5面及び第6面の一部までそれぞれ延長できる。第1バンド部及び第2バンド部は、第1外部電極131及び第2外部電極132の固着強度を向上させる役割を果たすことができる。
【0121】
一例として、第1外部電極131及び第2外部電極132はそれぞれ、キャパシタボディー110と接触する焼結金属層、焼結金属層を覆うように配置される伝導性樹脂層、及び伝導性樹脂層を覆うように配置されるメッキ層を含むことができる。
【0122】
焼結金属層は、導電性金属及びインジウム(In)を含むことができる。
【0123】
焼結金属層は導電性金属として銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、これらの合金、又はこれらの組み合わせを含むことができ、例えば銅(Cu)は銅(Cu)合金を含むことができる。一例として、導電性金属がCuである場合、焼結金属層はCu及びInを含み、一例としてCu-In合金を含むことができる。また、導電性金属が銅を含む場合、銅以外の金属は銅100モルに対して5モル以下で含まれてもよい。
【0124】
一例として、焼結金属層はガラスをさらに含むことができる。この場合、焼結金属層はガラスとして酸化物が混合された組成を含むことができ、例えばケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物からなる群より選択された一つ以上であってもよい。遷移金属は亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、銅(Cu)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択され、アルカリ金属はリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、及びカリウム(K)からなる群より選択され、アルカリ土類金属はマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、及びバリウム(Ba)からなる群より選択された一つ以上であってもよい。
【0125】
選択的に、伝導性樹脂層は焼結金属層の上に形成され、例えば焼結金属層を完全に覆う形態に形成できる。一方、第1外部電極131及び第2外部電極132は焼結金属層を含まなくてもよく、この場合、伝導性樹脂層がキャパシタボディー110と直接接触し得る。
【0126】
伝導性樹脂層はキャパシタボディー110の第1面及び第2面又は第5面及び第6面に延長され、伝導性樹脂層がキャパシタボディー110の第1面及び第2面又は第5面及び第6面に延長して配置された領域(即ち、バンド部)の長さは焼結金属層がキャパシタボディー110の第1面及び第2面又は第5面及び第6面に延長して配置された領域(即ち、バンド部)の長さより長くてもよい。即ち、伝導性樹脂層は焼結金属層の上に形成され、焼結金属層を完全に覆う形態に形成できる。
【0127】
伝導性樹脂層は樹脂及び導電性金属を含む。
【0128】
伝導性樹脂層に含まれる樹脂は接合性及び衝撃吸収性を有し、導電性金属粉末と混合してペーストを作ることができるものであれば特に制限されず、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂を含むことができる。
【0129】
伝導性樹脂層に含まれる導電性金属は、第1内部電極121及び第2内部電極122又は焼結金属層と電気的に連結されるようにする役割を果たす。
【0130】
伝導性樹脂層に含まれる導電性金属は、球形、フレーク形、又はこれらの組み合わせの形態を有することができる。即ち、導電性金属はフレーク形のみからなるか、又は球形のみからなってもよく、フレーク形と球形が混合された形態であってもよい。
【0131】
ここで、球形は完全な球形でない形態も含むことができ、例えば、長軸と短軸の長さ比率(長軸/短軸)が1.45以下である形態を含むことができる。フレーク形粉末は平たくて細長い形態を有する粉末を意味し、特に制限されるわけではないが、例えば、長軸と短軸の長さ比率(長軸/短軸)が1.95以上であってもよい。
【0132】
第1外部電極131及び第2外部電極132は、伝導性樹脂層外側に配置されるメッキ層をさらに含むことができる。
【0133】
メッキ層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)又は鉛(Pb)などの単独又はこれらの合金を含むことができる。一例として、メッキ層は、ニッケル(Ni)メッキ層又はスズ(Sn)メッキ層であってもよく、ニッケル(Ni)メッキ層及びスズ(Sn)メッキ層が順次に積層された形態であってもよく、スズ(Sn)メッキ層、ニッケル(Ni)メッキ層、及びスズ(Sn)メッキ層が順次に積層された形態であってもよい。また、メッキ層は、複数のニッケル(Ni)メッキ層及び/又は複数のスズ(Sn)メッキ層を含むこともできる。
【0134】
メッキ層は、積層型キャパシタ100の基板との実装性、構造的信頼性、外部に対する耐久度、耐熱性、及び等価直列抵抗値(Equivalent Series Resistance、ESR)を改善することができる。
【0135】
積層型キャパシタの製造方法
他の実施形態による積層型キャパシタの製造方法は、誘電体層及び内部電極を含むキャパシタボディーを製造する段階、そしてキャパシタボディーの外側に外部電極を形成する段階を含む。
【0136】
まず、キャパシタボディーの製造について説明する。
【0137】
キャパシタボディーの製造工程では、焼成後に誘電体層になる誘電体用ペーストと、焼成後に内部電極になる導電性ペーストを準備する。
【0138】
誘電体用ペーストは例えば以下のような方法で製造する。誘電体粉末を湿式混合などの手段によって均一に混合し、乾燥させた後、所定の条件で熱処理することによって、可塑粉末を得る。得られた可塑粉末に、有機ビヒクル又は水系ビヒクルを追加して混練し誘電体用ペーストを調製する。
【0139】
得られた誘電体用ペーストをドクターブレード法などの技法によってシート化することによって、誘電体グリーンシートを得る。また、誘電体用ペーストには、必要によって各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、又はガラスなどから選択される添加物が含まれていてもよい。
【0140】
内部電極用導電性ペーストは、導電性金属又はその合金からなる導電性粉末とバインダーや溶剤を、混練して調製する。
【0141】
一例として、前記内部電極用導電性ペーストはインジウム(In)を含んで製造することができる。
【0142】
内部電極用導電性ペーストには、必要によって共材としてセラミック粉末(例えば、チタン酸バリウム粉末)が含まれてもよい。共材は焼成過程で導電性粉末の焼結を抑制する作用を果たすことができる。
【0143】
誘電体グリーンシート表面に、スクリーン印刷などの各種印刷法や転写法によって、内部電極用導電性ペーストを所定のパターンで塗布する。そして内部電極パターンを形成した誘電体グリーンシートを複数層にわたって積層した後、積層方向にプレスすることによって誘電体グリーンシート積層体を得る。この時、誘電体グリーンシート積層体の積層方向の上面及び下面には、誘電体グリーンシートが位置するように、誘電体グリーンシートと内部電極パターンを積層することができる。
【0144】
選択的に、得られた誘電体グリーンシート積層体をダイシングなどによって所定の寸法で切断することができる。
【0145】
また、誘電体グリーンシート積層体は必要によって可塑剤などを除去するために固化乾燥することができ、固化乾燥後に水平遠心バレル研磨機などを用いてバレル研磨することができる。バレル研磨では、誘電体グリーンシート積層体をメディア及び研磨液と共に、バレル容器内に投入しそのバレル容器に対して回転運動や振動などを付与することによって、切断時に発生したバーなどの不必要部分を研磨することができる。また、バレル研磨後、誘電体グリーンシート積層体は水などの洗浄液で洗浄して乾燥することができる。
【0146】
誘電体グリーンシート積層体を脱バインダー処理及び焼成処理してキャパシタボディーを得る。
【0147】
脱バインダー処理の条件は、誘電体層の主成分組成や内部電極の主成分組成によって適切に調節することができる。例えば、脱バインダー処理時の昇温速度は5℃/時間~300℃/時間、支持温度は180℃~400℃、温度維持時間は0.5時間~24時間であってもよい。脱バインダー雰囲気は、空気又は還元性雰囲気であってもよい。
【0148】
焼成処理の条件は、誘電体層の主成分組成や内部電極の主成分組成によって適切に調節することができる。例えば、焼成時の温度は1200℃~1350℃、又は1220℃~1300℃であってもよく、時間は0.5時間~8時間、又は1時間~3時間であってもよい。焼成雰囲気は還元性雰囲気であってもよく、例えば、窒素ガス(N2)と水素ガス(H2)の混合ガスを加湿した雰囲気であってもよい。内部電極がニッケル(Ni)又はニッケル(Ni)合金を含む場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は1.0×10-14MPa~1.0×10-10MPaであってもよい。
【0149】
焼成処理後には、必要によってアニーリングを実施することができる。アニーリングは誘電体層を再酸化させるための処理であり、焼成処理を還元性雰囲気で実施した場合には、アニーリングを実施することができる。アニーリング処理の条件も誘電体層の主成分組成などによって適切に調節することができる。例えば、アニーリング時の温度は950℃~1150℃であってもよく、時間は0時間~20時間であってもよく、昇温速度は50℃/時間~500℃/時間であってもよい。アニーリング雰囲気は加湿した窒素ガス(N2)雰囲気であってもよく、酸素分圧は1.0×10-9MPa~1.0×10-5MPaであってもよい。
【0150】
脱バインダー処理、焼成処理、又はアニーリング処理で、窒素ガスや混合ガスなどを加湿するためには例えばウェッター(wetter)などを使用することができ、この場合、水温は5℃~75℃であってもよい。脱バインダー処理、焼成処理、及びアニーリング処理は連続して行うことができ、独立的に行うこともできる。
【0151】
選択的に、得られたキャパシタボディーの第3面及び第4面に対して、サンドブラスティング処理、レーザー照射、又はバレル研磨などの表面処理を実施することができる。このような表面処理を実施することによって、第3面及び第4面の最表面に第1内部電極及び第2内部電極の端部が露出され、これにより第1外部電極及び第2外部電極と第1内部電極及び第2内部電極の電気的接合が良好になり、合金部が形成されやすくなり得る。
【0152】
その後に、得られたキャパシタボディーの外面に、外部電極として焼結金属層形成用ペーストを塗布した後に焼結させて、焼結金属層を形成することができる。
【0153】
焼結金属層形成用ペーストは、導電性金属とガラスを含むことができる。導電性金属とガラスに関する説明は前述のものと同一なので、繰り返される説明は省略する。また、焼結金属層形成用ペーストは選択的にバインダー、溶剤、分散剤、可塑剤、又は酸化物粉末などの副成分を含むことができる。例えば、バインダーはエチルセルロース、アクリル、又はブチラール(butyral)などを使用することができ、溶剤はテルピネオール、ブチルカルビトール、アルコール、メチルエチルケトン、アセトン、又はトルエンなどの有機溶剤や、水系溶剤を使用することができる。
【0154】
焼結金属層形成用ペーストをキャパシタボディー外面に塗布する方法としては、ディップ法、又はスクリーン印刷などの各種印刷法、ディスペンサーなどを用いた塗布法、又はスプレーを用いた噴霧法などを使用することができる。焼結金属層用ペーストは少なくともキャパシタボディーの第3面及び第4面に塗布され、選択的に第1外部電極及び第2外部電極のバンド部が形成される第1面、第2面、第5面、又は第6面の一部にも塗布できる。
【0155】
その後、焼結金属層形成用ペーストが塗布されたキャパシタボディーを乾燥させ、700℃~1000℃の温度で0.1時間~3時間焼結させて、焼結金属層を形成する。
【0156】
選択的に、得られたキャパシタボディーの外面に、伝導性樹脂層形成用ペーストを塗布した後に硬化させて、伝導性樹脂層を形成することができる。
【0157】
伝導性樹脂層形成用ペーストは、樹脂、及び選択的に導電性金属又は非伝導性フィラーを含むことができる。導電性金属と樹脂に関する説明は前述のものと同一なので、繰り返される説明は省略する。また、伝導性樹脂層形成用ペーストは選択的にバインダー、溶剤、分散剤、可塑剤、又は酸化物粉末などの副成分を含むことができる。例えば、バインダーはエチルセルロース、アクリル、又はブチラール(butyral)などを使用することができ、溶剤はテルピネオール、ブチルカルビトール、アルコール、メチルエチルケトン、アセトン、又はトルエンなどの有機溶剤や、水系溶剤を使用することができる。
【0158】
一例として、伝導性樹脂層の形成方法は、伝導性樹脂層形成用ペーストにキャパシタボディー110をディッピングして形成した後に硬化させるか、又は伝導性樹脂層形成用ペーストをキャパシタボディー110の表面にスクリーン印刷法又はグラビア印刷法などで印刷するか、又は伝導性樹脂層形成用ペーストをキャパシタボディー110の表面に塗布した後に硬化させて形成することができる。
【0159】
その次に、伝導性樹脂層外側にメッキ層を形成する。
【0160】
一例として、メッキ層はメッキ法によって形成することができ、スパッタ又は電解メッキ(Electric Deposition)によって形成することもできる。
【0161】
以下では発明の具体的な実施例を提示する。但し、下記に記載された実施例は発明を具体的に例示するか又は説明するためのものに過ぎず、これによって発明の範囲が制限されてはならない。
【0162】
(実施例)
実施例1
積層型キャパシタ内In含量がTi100モルに対して0.21モルで含まれるようにInを秤量し酸素分圧条件を調節して、実施例1による積層型キャパシタを製造する。
【0163】
積層型キャパシタ内のIn含量は次のような方法で求めることができる。
【0164】
まず、実施例1による積層型キャパシタをサンプルとして準備して加圧ボトル(bottle)にサンプル0.1gを秤量して入れ、ここに塩酸6ml及び硝酸2mlを投入した混合物を準備する。その後、混合物を約180℃で約1時間熱処理し、追加的な超音波処理(sonication)を通じて溶解されたサンプルを準備する。溶解されたサンプルを0.45μmフィルターで濾した後、誘導結合プラズマ分光分析器(ICP-OES)を用いて、サンプルに含まれるTi及びInの含量(モル)を分析する。5つ以上の積層型キャパシタに対して前記の分析を行い測定した値の算術平均値を計算して、Tiに対するInの平均含量を求めることができる。
【0165】
また、実施例1による積層型キャパシタで、誘電体層の界面部でのInの平均含量(A)と誘電体層の中心部でのInの平均含量(B)を測定して、下記表1に示す。また、実施例1による積層型キャパシタで、内部電極の界面部でのInの平均含量(C)と誘電体層の中心部でのInの平均含量(D)を測定して、下記表2に示す。
【0166】
具体的に、実施例1による積層型キャパシタをエポキシ混合液に入れて硬化させた後、キャパシタボディーのL軸方向及びT軸方向側面をW軸方向に1/2地点まで研磨(Polishing)し、固定後真空雰囲気チャンバー内維持して、キャパシタボディー110のW軸方向の中央からL軸方向及びT軸方向に切断した断面サンプルを準備する。
【0167】
その後、断面サンプルのTEMイメージを準備した後、イメージで任意の誘電体層及び任意の内部電極をそれぞれ5つ以上選択する。その後、誘電体層の中心部及び界面部に該当する等間隔の5つのポイントをそれぞれ選択し、内部電極の中心部及び界面部に該当する等間隔の5つのポイントをそれぞれ選択する。
【0168】
選択されたポイントでTEM(Transmission Electron Microscope)-EDS(Energy Disperse X-Ray Spectrometer)定量分析を通じてTiとInの含量を測定し、測定した値の算術平均値を計算してA、B、C、及びD値を求めることができる。
【0169】
【0170】
【0171】
実施例2~7、及び比較例1~5
積層型キャパシタ内In含量が下記表3に記載されたモルに含まれるようにInを秤量し酸素分圧条件を調節して、実施例2~7、及び比較例1~5による積層型キャパシタを製造する。
【0172】
(評価例)
評価例1:MTTF(平均故障時間、Mean Time To Failure)測定
実施例1~7、及び比較例1~5で製造した積層型キャパシタを、125℃、8Vの条件で高温負荷試験を実施してMTTF(平均故障時間、Mean Time To Failure)値を測定する。
【0173】
この時、絶縁抵抗が10kΩ以下になる時間を固定時間とし、比較例1のMTTF値を基準値1にして他の実施例及び比較例の相対値を測定して、下記表3に示す。
【0174】
評価例2:静電容量
実施例1~7、及び比較例1~5で製造した積層型キャパシタをLCR meterを用いて1kHZ、AC 0.5V条件で静電容量を測定する。
【0175】
比較例1の静電容量を基準値1にして他の実施例及び比較例の相対値を測定して、下記表3に示す。
【0176】
【0177】
表3を参照すれば、実施例1~7による積層型キャパシタの場合、積層型キャパシタ内にInを含まない比較例1と比較する時、キャパシタのMTTF及び静電容量が全て優れるのを確認することができる。
【0178】
また積層型キャパシタ内In含量が少ない比較例2~4の場合にはキャパシタの静電容量値が比較例1より低下するか又は類似の水準であるのを確認することができる。
【0179】
また積層型キャパシタ内In含量が過度に多い比較例5の場合にはキャパシタのMTTF及び静電容量が全て比較例1より低下するのを確認することができる。
【0180】
以上を通じて本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0181】
100:積層型キャパシタ
110:キャパシタボディー
111:誘電体層
112、113:カバー領域
121:第1内部電極
122:第2内部電極
131:第1外部電極
132:第2外部電極