(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025036154
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】電動釘打ち機及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
B25C 1/06 20060101AFI20250306BHJP
【FI】
B25C1/06
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024128239
(22)【出願日】2024-08-02
(31)【優先権主張番号】112132485
(32)【優先日】2023-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】524292835
【氏名又は名称】門庭股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】T-SET CO., LTD
【住所又は居所原語表記】3F., No. 31, Ln. 341, Zhuangjing Rd., Xinyi Dist., Taipei City 110 , Taiwan
(71)【出願人】
【識別番号】524292846
【氏名又は名称】匯寛実業有限公司
【氏名又は名称原語表記】WEAITH ENTERPRISE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 82, Fuxing St., Taiping Dist., Taichung City 411 , Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】林旺寛
【テーマコード(参考)】
3C068
【Fターム(参考)】
3C068AA09
3C068BB01
3C068CC07
3C068HH09
(57)【要約】
【課題】間接的に釘打ち機構を、釘打ち動作を行う位置まで移動させることができる、電動釘打ち機及びその操作方法を提供する。
【解決手段】電動釘打ち機1は、本体100、制限機構、受動機構、磁気吸引機構、能動機構、釘打ち機構、安全機構及びリチウムバッテリケース104を備える。本体は、ハウジング部110、ハンドル部120、銃床部130及び釘マガジン部140を有する。ハンドル部は、ハウジング部及び銃床部に接続する。ハンドル部は、互いに隣り合う手持エリア121及びトリガエリア122を含む。手持エリアは、モータスイッチ101を有する。トリガエリアは、トリガスイッチ102を有する。ハウジング部内には、互いに間隔をあけて配置したフレームプレートを設ける。ハウジング部の一端には、ヘッドアセンブリ150を取り付ける。釘マガジン部は、ヘッドアセンブリ及び銃床部と接続する。銃床部は、電源スイッチ103を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、制限機構、受動機構、磁気吸引機構、能動機構、釘打ち機構、安全機構及びリチウムバッテリケースを備えた、電動釘打ち機であって、
前記本体は、ハウジング部、ハンドル部、銃床部及び釘マガジン部を有し、前記ハンドル部は、前記ハウジング部及び前記銃床部に接続し、前記ハンドル部は、互いに隣り合う手持エリア及びトリガエリアを含み、前記手持エリアは、モータスイッチを有し、前記トリガエリアは、トリガスイッチを有し、前記ハウジング部内には、互いに間隔をあけて配置したフレームプレートを設け、前記ハウジング部の一端には、ヘッドアセンブリを取り付け、前記釘マガジン部は、前記ヘッドアセンブリ及び前記銃床部と接続し、前記銃床部は、電源スイッチを有し、
前記制限機構は、前記フレームプレート間に互いに間隔をあけて設置した初期ロッド及びターミナルロッドを含み、前記ターミナルロッドは、前記初期ロッドよりも前記ヘッドアセンブリに近く、
前記受動機構は、前記フレームプレート間に位置するとともに、プーリー、方向転換ホイール及びベルトを含み、前記ベルトは、前記方向転換ホイール及び前記プーリーに巻き掛け、前記ベルトは、前記プーリーと噛合接触し、
前記磁気吸引機構は、電磁石及びカムを含み、前記電磁石は、前記フレームプレートの外側に取り付けるとともに、前記フレームプレートのプレートホールに位置し、前記カムは、前記プーリーの槽部に搖動可能に配設し、前記槽部の槽底には、前記フレームプレートの前記プレートホール及び前記カムの磁気吸引端に対応したホイールホールを形成し、前記電磁石を作動させて磁力を生成し、前記カムの前記磁気吸引端を吸引して前記プレートホールに向かって揺動させ、前記カムの突出端の一部を、前記槽部外に突出させ、
前記能動機構は、前記本体の前記ハウジング部内に位置するとともに、モータと、前記モータが回転させるホイールとを含み、前記ホイールは、前記プーリーの方向を向く駆動ブロックを有し、前記駆動ブロックの駆動面が、前記槽部外に突出した前記突出端に接触し、前記ホイールにより前記プーリーを駆動させ、初期状態から回転を開始し、
前記釘打ち機構は、固定座及びストライカーを含み、前記固定座は、前記ベルト上に固定されるとともに、前記初期ロッドと前記ターミナルロッドとの間に位置し、前記ストライカーは、一端を前記固定座に固定し、他端を前記ヘッドアセンブリの方向に向け、前記釘打ち機構の前記固定座が、前記初期ロッドの初期位置から前記ターミナルロッドの釘打ち位置まで移動し、
前記安全機構は、前記ヘッドアセンブリに配設するとともに、安全スイッチ及び安全スライダーを含み、
前記リチウムバッテリケースは、前記銃床部に着脱可能に連結するとともに、前記モータ、前記電磁石、前記電源スイッチ、前記モータスイッチ、前記安全スイッチ及び前記トリガスイッチと電気的に接続することを特徴とする、電動釘打ち機。
【請求項2】
前記フレームプレートは、内表面から外表面にかけて貫通形成したスライドレールを有し、前記スライドレールの両端の延伸方向は、前記初期ロッド及び前記ターミナルロッドの方向を向き、
前記固定座は、スライドロッドが取り付けられるとともに、前記スライドレールで摺動することを特徴とする請求項1に記載の電動釘打ち機。
【請求項3】
前記フレームプレートの外表面には、ばねの一端を取り付け、
前記ばねの他端は、前記スライドロッドに取り付けることを特徴とする請求項2に記載の電動釘打ち機。
【請求項4】
前記ハウジング部内には、押圧板を配設し、
前記押圧板の一端は、前記フレームプレート間に延ばし入れ、前記ホイールは、前記駆動面を介して前記槽部外に延びた前記突出端に接触し、前記ホイール間により前記プーリーを間接的に駆動させて前記押圧板の位置に達すると、前記カムの前記突出端が前記押圧板により制限され、前記突出端が後退し、前記槽部内に変位して露出せず、前記ホイールが前記プーリーを駆動しない離脱状態となることを特徴とする請求項1に記載の電動釘打ち機。
【請求項5】
前記フレームプレートは、内表面から外表面にかけて貫通形成した張力トラックを有し、一部の前記方向転換ホイールは、前記張力トラックに変位可能に配設され、前記張力トラックの両端の延伸方向は、前記ヘッドアセンブリに向かう方向と、前記ヘッドアセンブリから離れる方向とであることを特徴とする請求項1に記載の電動釘打ち機。
【請求項6】
前記固定座及び固定片は、前記ベルトの両端を重ねない状態で固定し、
前記固定座及び前記固定片は、前記ベルトの上表面及び下表面にそれぞれ位置し、ボルトでねじ止めされることを特徴とする請求項1に記載の電動釘打ち機。
【請求項7】
前記プーリーは、前記電磁石の方向を向く一側に遮蔽板を取り付け、
前記遮蔽板は、前記ホイールホールに対応した遮蔽孔を有するとともに、低透磁率材料(アルミニウム材料)からなることを特徴とする請求項1に記載の電動釘打ち機。
【請求項8】
前記駆動面は、前記ホイールの方向(内向端として定義する)から、前記ホイールから離れる方向(外向端として定義する)に向かうに従い広がり、
前記内向端と前記外向端とのなす角度は7度であることを特徴とする請求項1に記載の電動釘打ち機。
【請求項9】
前記カムは、後退表面及び立上げ表面を有するとともに、
前記後退表面と前記立上げ表面とは、同一表面に形成されず、
前記カム、前記磁気吸引端及び前記突出端が前記槽部内に位置するとき、前記カムは、前記後退表面を介して前記槽部の槽底面に接触し、前記カムの前記突出端の一部が槽部外に突出するとき、前記カムは、前記立上げ表面を介して前記槽部の前記槽底面に接触することを特徴とする請求項1に記載の電動釘打ち機。
【請求項10】
まず、本体の銃床部に位置する電源スイッチをオンする、電源スイッチをオンするステップと、
前記本体の手持エリアを把持すると同時に、前記手持エリアに位置するモータスイッチをオンすると、モータがホイールを回転させ続ける、モータスイッチをオンするステップと、
電動釘打ち機をターゲットに移動させた後、安全スライダーを前記ターゲットに当接させると、ヘッドアセンブリで摺動して安全スイッチをトリガする、安全スイッチをオンするステップと、
ハンドル部のトリガエリアのトリガスイッチをオンすると、電磁石に磁力が発生してカムを吸引して揺動させ、前記カムの突出端の一部をプーリーの槽部外に突出させ、前記突出端が前記ホイールの駆動ブロックにより押動作用を受けると、前記ホイールが前記プーリーを初期状態から回転し始め、前記プーリーがベルトに同期で噛合し、釘打ち機構を初期位置から釘打ち位置まで移動させる、トリガスイッチをオンするステップとを含むことを特徴とする、電動釘打ち機の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釘打ち機に関し、特に、電動釘打ち機及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動釘打ち機は、ACコード方式及び充電式リチウム電池方式を採用していた。従来の電動釘打ち機の駆動方式は、フライホイール駆動、圧縮ばね、内蔵した高圧ガスなどを含む。従来のフライホイール駆動の機構は、フライホイールとスライドシートが接触する瞬間に、フライホイールの回転運動エネルギーをスライドシートに伝え、ストライカーが釘を押し出し、ターゲットに釘を打ち込んでいた。しかし上述した過程では、運動エネルギーを伝える際、エネルギーがロスする上、フライホイールが動作回転数に達するまで待つ必要があり、瞬間的に接触して発生する摩擦により、耐久性に悪影響を与えることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、ユーザが使用する際、本体を把持してモータスイッチをオンすると、モータによりホイールを所定の回転数で回転させることができ、トリガスイッチをオンすると、電磁石に磁力が発生してカムを吸引して揺動させ、ホイールの駆動ブロックにより押動され、プーリーとホイールとが同期で回転するとともに、プーリーがベルトと同期で噛合し、間接的に釘打ち機構を、釘打ち動作を行う位置まで移動させることができる、電動釘打ち機及びその操作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、本体、制限機構、受動機構、磁気吸引機構、能動機構、釘打ち機構、安全機構及びリチウムバッテリケースを備えた、電動釘打ち機であって、前記本体は、ハウジング部、ハンドル部、銃床部及び釘マガジン部を有し、前記ハンドル部は、前記ハウジング部及び前記銃床部に接続し、前記ハンドル部は、互いに隣り合う手持エリア及びトリガエリアを含み、前記手持エリアは、モータスイッチを有し、前記トリガエリアは、トリガスイッチを有し、前記ハウジング部内には、互いに間隔をあけて配置したフレームプレートを設け、前記ハウジング部の一端には、ヘッドアセンブリを取り付け、前記釘マガジン部は、前記ヘッドアセンブリ及び前記銃床部と接続し、前記銃床部は、電源スイッチを有し、前記制限機構は、前記フレームプレート間に互いに間隔をあけて設置した初期ロッド及びターミナルロッドを含み、前記ターミナルロッドは、前記初期ロッドよりも前記ヘッドアセンブリに近く、前記受動機構は、前記フレームプレート間に位置するとともに、プーリー、方向転換ホイール及びベルトを含み、前記ベルトは、前記方向転換ホイール及び前記プーリーに巻き掛け、前記ベルトは、前記プーリーと噛合接触し、前記磁気吸引機構は、電磁石及びカムを含み、前記電磁石は、前記フレームプレートの外側に取り付けるとともに、前記フレームプレートのプレートホールに位置し、前記カムは、前記プーリーの槽部に搖動可能に配設し、前記槽部の槽底には、前記フレームプレートの前記プレートホール及び前記カムの磁気吸引端に対応したホイールホールを形成し、前記電磁石を作動させて磁力を生成し、前記カムの前記磁気吸引端を吸引して前記プレートホールに向かって揺動させ、前記カムの突出端の一部を、前記槽部外に突出させ、前記能動機構は、前記本体の前記ハウジング部内に位置するとともに、モータと、前記モータが回転させるホイールとを含み、前記ホイールは、前記プーリーの方向を向く駆動ブロックを有し、前記駆動ブロックの駆動面が、前記槽部外に突出した前記突出端に接触し、前記ホイールにより前記プーリーを駆動させ、初期状態から回転を開始し、前記釘打ち機構は、固定座及びストライカーを含み、前記固定座は、前記ベルト上に固定されるとともに、前記初期ロッドと前記ターミナルロッドとの間に位置し、前記ストライカーは、一端を前記固定座に固定し、他端を前記ヘッドアセンブリの方向に向け、前記釘打ち機構の前記固定座が、前記初期ロッドの初期位置から前記ターミナルロッドの釘打ち位置まで移動し、前記安全機構は、前記ヘッドアセンブリに配設するとともに、安全スイッチ及び安全スライダーを含み、前記リチウムバッテリケースは、前記銃床部に着脱可能に連結するとともに、前記モータ、前記電磁石、前記電源スイッチ、前記モータスイッチ、前記安全スイッチ及び前記トリガスイッチと電気的に接続することを特徴とする、電動釘打ち機を提供する。
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態によれば、まず、本体の銃床部に位置する電源スイッチをオンする、電源スイッチをオンするステップと、前記本体の手持エリアを把持すると同時に、前記手持エリアに位置するモータスイッチをオンすると、モータがホイールを回転させ続ける、モータスイッチをオンするステップと、電動釘打ち機をターゲットに移動させた後、安全スライダーを前記ターゲットに当接させると、ヘッドアセンブリで摺動して安全スイッチをトリガする、安全スイッチをオンするステップと、ハンドル部のトリガエリアのトリガスイッチをオンすると、電磁石に磁力が発生してカムを吸引して揺動させ、前記カムの突出端の一部をプーリーの槽部外に突出させ、前記突出端が前記ホイールの駆動ブロックにより押動作用を受けると、前記ホイールが前記プーリーを初期状態から回転し始め、前記プーリーがベルトに同期で噛合し、釘打ち機構を初期位置から釘打ち位置まで移動させる、トリガスイッチをオンするステップとを含むことを特徴とする、電動釘打ち機の操作方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る電動釘打ち機及びその操作方法は、ユーザが使用する際、本体を把持してモータスイッチをオンすると、モータによりホイールを所定の回転数で回転させることができ、トリガスイッチをオンすると、電磁石に磁力が発生してカムを吸引して揺動させ、ホイールの駆動ブロックにより押動され、プーリーとホイールとが同期で回転するとともに、プーリーがベルトと同期で噛合し、間接的に釘打ち機構を、釘打ち動作を行う位置まで移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機を示す組立斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の本体の一部を示す部分拡大図である。
【
図3】
図2の一部のフレームプレートを省略した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の一部を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の電源スイッチ、モータスイッチをオンし、ホイールが回転する状態を示す説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の受動機構、磁気吸引機構の配置を示す斜視図である。
【
図7】
図6の線VII-VIIに沿った断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の安全スライダーの変位と、トリガスイッチをオンしたときの状態を示す説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機のカムの突出端が溝部外に突出した状態の説明図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の釘打ち機構がベルトによりヘッドアセンブリに向かって変位する状態を示す説明図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の釘打ち機構がターミナルロッドの位置に変位する状態を示す説明図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機を示す回路図である。
【
図14】本発明の他の実施形態に係る電動釘打ち機の一部を示す分解斜視図である。
【
図15】本発明の他の実施形態に係る電動釘打ち機の一部を示す組立斜視図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機の操作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一または同様の構成を有する。
【0009】
図1~
図12を参照する。
図1~
図12に示すように、本発明の一実施形態に係る電動釘打ち機1は、本体100、制限機構、受動機構、磁気吸引機構、能動機構、釘打ち機構、安全機構及びリチウムバッテリケース104を備える。
【0010】
本体100は、ハウジング部110、ハンドル部120、銃床部130及び釘マガジン部140を有する。ハンドル部120は、ハウジング部110及び銃床部に接続する。ハンドル部120は、互いに段違いに隣り合う手持エリア121及びトリガエリア122を含む。手持エリア121は、モータスイッチ101を有する。トリガエリア122は、トリガスイッチ102を有する。ハウジング部110内には、互いに間隔をあけて配置したフレームプレート111を設ける。ハウジング部110の一端には、ヘッドアセンブリ150を取り付ける。釘マガジン部140は、ヘッドアセンブリ150及び銃床部130と接続する。銃床部130は、電源スイッチ103を有する。前述した本体100は、2つのハウジングからなり、両側方向で互いに組み合わせるが、釘マガジン部140は含まない。
【0011】
制限機構は、フレームプレート111間に互いに間隔をあけて設置した初期ロッド210及びターミナルロッド220を含む。ターミナルロッド220は、初期ロッド210よりもヘッドアセンブリ150に近い。前述した初期ロッド210及びターミナルロッド220の外周を弾性体(例えば、ゴム又はフォーム)で覆い、針打ち機構が変位して衝突したときに弾性体が変形して前述した衝突作用力を吸収するため、構造が直接損壊してしまうことを防ぐことができる。
【0012】
受動機構は、フレームプレート111間に位置するとともに、プーリー310、方向転換ホイール320及びベルト330を含む。ベルト330は、方向転換ホイール320及びプーリー310に巻き掛ける。ベルト330は、プーリー310と噛合接触する。前述したベルト330は、タイミングベルトを例とし、プーリー310の外周側に噛合する。前述した方向転換ホイール320は、2個を例とする。
【0013】
磁気吸引機構は、電磁石410及びカム420を含む。電磁石410は、フレームプレート111の外側に取り付けるとともに、フレームプレート111のプレートホール112に位置する。カム420は、プーリー310の槽部311に搖動可能に配設する。槽部311の槽底には、フレームプレート111のプレートホール112及びカム420の磁気吸引端421に対応したホイールホール312を形成する。前述したカム420は、高透磁率材料からなる。カム420は、軸部材を槽部311に挿設する。カム420は、軸部材に対して揺動可能である。
【0014】
能動機構は、本体100のハウジング部110内に位置する。能動機構は、モータ510と、モータ510が回転させるホイール520とを含む。ホイール520は、プーリー310の方向を向く駆動ブロック530を有する。前述したモータ510が8000rpm以上に達することを例にする。
【0015】
釘打ち機構は、固定座610及びストライカー620を含む。固定座610は、ベルト330上に固定されるとともに、初期ロッド210とターミナルロッド220との間に位置する。ストライカー620は、一端を固定座610に固定し、他端をヘッドアセンブリ150の方向に向ける。
【0016】
安全機構は、ヘッドアセンブリ150に配設する。安全機構は、安全スイッチ710及び安全スライダー720を含む。
【0017】
リチウムバッテリケース104は、銃床部130に着脱可能に連結する。リチウムバッテリケース104は、モータ510、電磁石410、電源スイッチ103、モータスイッチ101、安全スイッチ710及びトリガスイッチ102と電気的に接続する。
図13を参照する。電源スイッチ103、モータスイッチ101、安全スイッチ710及びトリガスイッチ102は、リチウムバッテリケース104の負極と接続する。
【0018】
実際に使用する際、電源スイッチ103及びモータスイッチ101を順次オンすると、モータ510が起動してホイール520を回転させる。モータスイッチ101が手持エリア121に設置されているため、ユーザが電動釘打ち機1を手に取る際、習慣的に手持エリア121を握るが、この動作によりモータスイッチ101が押圧されるため、電源スイッチ103をオンした状態でモータ510を素早く起動し、ホイール520を作動させることができる。電動釘打ち機1を移動させ、安全スライダー720でターゲットを押圧してヘッドアセンブリ150で摺動すると、安全スイッチ710がトリガされる。トリガスイッチ102を押圧すると、電磁石410に磁力が発生してカム420の磁気吸引端421を吸引してプレートホール112に向かって揺動させ、カム420の突出端422の一部を、回転するホイール520に達するまで槽部311外に突出させ、駆動ブロック530の駆動面531が接触して押動するため、ホイール520によりプーリー310を駆動させ、初期状態から回転を開始し、プーリー310がベルト330と同期で噛合し、釘打ち機構の固定座610が、初期ロッド210の初期位置からターミナルロッド220の釘打ち位置まで移動する。
【0019】
以下、本発明に係る電動釘打ち機1の細部の特徴と、動作を組み合わせて達成する効果とについて説明する。フレームプレート111は、内表面から外表面にかけて貫通形成したスライドレール113を有する。スライドレール113の両端の延伸方向は、初期ロッド210及びターミナルロッド220の方向を向く。固定座610は、スライドロッド611が取り付けられるとともに、スライドレール113で摺動する。固定座610は、スライドロッド611を介してスライドレール113に沿って変位軌跡を形成する。
【0020】
本実施形態において、ハウジング部110内には、押圧板114を配設する。押圧板114の一端は、フレームプレート111間に延ばし入れる。ホイール520は、駆動面531を介して槽部311外に延びた突出端422に接触し、ホイール520間によりプーリー310を間接的に駆動させて押圧板114の位置に達すると、カム420の突出端422が押圧板114により制限され、突出端422が後退し、槽部311内に変位して露出せず、ホイール520がプーリー310を駆動しない離脱状態となり、プーリー310が初期状態から離脱状態に至る過程で、プーリー310の回転は1回転を超えることがない。
【0021】
本実施形態において、フレームプレート111の外表面には、ばね105の一端を取り付ける。ばね105の他端は、スライドロッド611に取り付ける。釘打ちを行うときにばね105が引っ張られて付勢力が発生し、釘打ちが終わった後にばね105の回復力により釘打ち機構を復位させるとともに、同期でベルト330によりプーリー310を復位させる。
【0022】
本実施形態のフレームプレート111は、内表面から外表面にかけて貫通形成した張力トラック115を有する。一部の方向転換ホイール320は、張力トラック115に変位可能に配設される。張力トラック115の両端の延伸方向は、ヘッドアセンブリ150に向かう方向と、ヘッドアセンブリ150から離れる方向とである。上述した配置構成によりベルト330の張力を調整し、プーリー310を初期状態の位置に正確に位置させ、カム420を適宜な位置に設置し、予め電磁石410の磁性吸引により、正確な揺動位置を得る。
【0023】
本実施形態の固定座610及び固定片630は、ベルト330の両端を重ねない状態で固定する。固定座610及び固定片630は、ベルト330の上表面及び下表面にそれぞれ位置し、ボルトでねじ止めされる。上述した配置構成では、釘打ち機構とベルト330とを連結固定する他、ベルト330両端の連結をリング状に形成し、方向転換ホイール320とプーリー310との間にスムーズに巻き掛ける。
【0024】
本実施形態のプーリー310は、電磁石410の方向を向く一側に遮蔽板340を取り付ける。遮蔽板340は、ホイールホール312に対応した遮蔽孔341を有する。遮蔽板340は、低透磁率材料(例えばアルミニウム材料)からなる。前述した配置構成により、電磁石410が作動するときに遮蔽板340により磁力方向を制限したり遮ったりし、電磁石410が作動するときにプーリー310に対して直接与える影響を減らすとともに、遮蔽孔341の位置を通過して吸引するカム420が槽部311内で揺動し、突出端422の一部が槽部311の外側位置でスムーズに動く。
【0025】
本実施形態において、駆動面531は、ホイール520の方向(内向端として定義する)から、ホイール520から離れる方向(外向端として定義する)に向かうに従い広がる。内向端と外向端とのなす角度は7度である。上述した配置構成により、駆動ブロック530がカム420と接触してそれに伴って回転すると、駆動ブロック530は、斜面形式の駆動面531を介して瞬間的に、槽部311の外側に位置する突出端422の表面と接触し、両者は直接的でなく平面接触形式で、駆動ブロック530が瞬間的にカム420に接触して発生する反作用力に耐える力が大きい。そのため、前述した技術で採用した配置構成は、ホイール520の駆動ブロック530の製品の耐久性を高めることができる。
【0026】
本実施形態において、カム420は、後退表面423及び立上げ表面424を有するとともに、槽部311の槽底面方向を略向く。後退表面423と立上げ表面424とは、同一表面に形成されない。カム420、磁気吸引端421及び突出端422が槽部311内に位置するとき、カム420は、後退表面423を介して槽部311の槽底面に接触する。カム420の突出端422の一部が槽部311外に突出するとき、カム420は、立上げ表面424を介して槽部311の槽底面に接触する。前述した配置構成により、特に、立上げ表面424が槽部311の槽底面に接触するとき、カム420が受ける駆動ブロック530の作用力の一部を槽部311の槽底面に伝え、カム420及び軸部材が受ける力が集中することを防ぎ、製品は高い耐久性が得られる。
【0027】
本発明に係る電動釘打ち機1は、前述した実施形態のようにベルト330とプーリー310とを噛合させて伝動させる方式を、チェーン350及びギア360で代用してもよく、ギア360及びチェーン350の両者を噛合させて伝動させる方式が、元々のプーリー310でベルト330を駆動させる方式を代替する状態を
図14及び
図15に示す。
【0028】
図16を参照する。
図16に示すように、本発明に係る電動釘打ち機の操作方法は、以下のステップ(S10)~(S40)を含む。
【0029】
電源スイッチをオンするステップ(S10):まず、本体100の銃床部130に位置する電源スイッチ103をオンする。
【0030】
モータスイッチをオンするステップ(S20):本体100の手持エリア121を把持すると同時に、手持エリア121に位置するモータスイッチ101をオンすると、モータ510がホイール520を回転させ続ける。
【0031】
安全スイッチをオンするステップ(S30):電動釘打ち機1をターゲットに移動させた後、安全スライダー720をターゲットに当接させると、ヘッドアセンブリ150で摺動して安全スイッチ710をトリガする。
【0032】
トリガスイッチをオンするステップ(S40):ハンドル部120のトリガエリア122のトリガスイッチ102をオンすると、電磁石に磁力が発生してカム420を吸引して揺動させ、カム420の突出端422の一部をプーリー310の槽部311外に突出させ、突出端422がホイール520の駆動ブロック530により押動作用を受けると、ホイール520がプーリー310を初期状態から回転し始め、プーリー310がベルト330に同期で噛合し、釘打ち機構を初期位置から釘打ち位置まで移動させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 電動釘打ち機
100 本体
101 モータスイッチ
102 トリガスイッチ
103 電源スイッチ
104 リチウムバッテリケース
105 ばね
110 ハウジング部
111 フレームプレート
112 プレートホール
113 スライドレール
114 押圧板
115 張力トラック
120 ハンドル部
121 手持エリア
122 トリガエリア
130 銃床部
140 釘マガジン部
150 ヘッドアセンブリ
210 初期ロッド
220 ターミナルロッド
310 プーリー
311 槽部
312 ホイールホール
320 方向転換ホイール
330 ベルト
340 遮蔽板
341 遮蔽孔
350 チェーン
360 ギア
410 電磁石
420 カム
421 磁気吸引端
422 突出端
423 後退表面
424 立上げ表面
510 モータ
520 ホイール
530 駆動ブロック
531 駆動面
610 固定座
611 スライドロッド
620 ストライカー
630 固定片
710 安全スイッチ
720 安全スライダー