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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025036247
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】数値制御工作機械の操作方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/18 20060101AFI20250307BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20250307BHJP
【FI】
G05B19/18 S
B23Q15/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024144123
(22)【出願日】2024-08-26
(31)【優先権主張番号】10 2023 123 715.2
(32)【優先日】2023-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】524319419
【氏名又は名称】ギルドマイスター ドレフマシーネン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Gildemeister Drehmaschinen GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン フライ
(72)【発明者】
【氏名】カイ リトヴィンスキ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト コールマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック フォークト
(72)【発明者】
【氏名】エドモンド バセット
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー ミンネカー
【テーマコード(参考)】
3C269
【Fターム(参考)】
3C269AB01
3C269AB02
3C269BB08
3C269EF39
3C269EF53
3C269QC01
3C269QD02
3C269QE08
3C269QE10
3C269QE13
3C269QE14
3C269QE18
3C269QE24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワークを加工するためのシーケンスプログラムを設計、作成、変更、及び/又は実行するための数値制御工作機械の操作方法を提供する。
【解決手段】グラフィカルユーザインターフェース上に、複数のプロジェクトテンプレートを有するプロジェクトライブラリを表示するステップであって、各プロジェクトテンプレートは、シーケンスプログラムに従ってワークを加工するための予め構成された操作のシーケンスを含むステップ、ユーザによるプロジェクトテンプレートを選択するステップ、ユーザインターフェース上にシーケンスプログラムに対して複数のプロセスパラメータを設定するためのパラメータ表示を表示するステップ、ユーザによる複数のプロセスパラメータを設定しプロセスパラメータを保存するステップ、等を含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工するためのシーケンスプログラムを設計、作成、変更、及び/又は実行するための数値制御工作機械の操作方法であって、前記方法は、
ユーザによる入力情報を入力し、前記ユーザへ出力情報を出力するためのヒューマンマシンインターフェースとしてグラフィカルユーザインターフェースを提供するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、複数のプロジェクトテンプレートを有するプロジェクトライブラリを表示するステップであって、各プロジェクトテンプレートは、前記シーケンスプログラムに従って前記ワークを加工するための予め構成された操作のシーケンスを含む、ステップ、
ユーザによるプロジェクトテンプレートを選択するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、前記シーケンスプログラムに対して複数のプロセスパラメータを設定するためのパラメータ表示を表示するステップ、
前記ユーザによる前記複数のプロセスパラメータを設定し、前記プロセスパラメータを保存するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、複数の操作と前記複数の操作の順序を含むスケジュールを表示するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、複数の操作テンプレートを有する操作ライブラリを表示するステップ、
前記ユーザによる操作テンプレートを選択し、前記スケジュール内の操作の所望の位置に前記操作テンプレートを配置するステップ、及び/又は
前記スケジュール内の操作テンプレートを再配置するステップ、
前記スケジュールが完成するまで、操作テンプレートの前記選択及び配置及び/又は再配置を繰り返すステップ、及び
前記スケジュール及び前記プロセスパラメータに従って、対応する機械及び/又は制御機能を有するシーケンスプログラムを生成し、制御インターフェースを介して前記工作機械の制御装置に前記シーケンスプログラムを出力するステップ、
を含む、
数値制御工作機械の操作方法。
【請求項2】
前記プロジェクトテンプレートは、パラメータ化された方法で採用され、及び/又は
各操作テンプレートは、予め構成された加工テンプレートを含むサブプログラムである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操作テンプレート及び操作の前記選択及び配置又は再配置は、ジェスチャコントロールによって実行される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ジェスチャコントロールは、ドラッグアンドドロップを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記操作テンプレート及び操作はそれぞれ、前記選択及び配置及び/又は再配置中に前記スケジュール内の前記所望の位置に動的に調整される、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記スケジュール内の利用可能な位置は、操作テンプレート又は操作の前記選択及び配置及び/又は再配置中に動的に調整される、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記シーケンスプログラムは、前記スケジュールに従って自動的に生成される、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
制御構造は、前記スケジュール内の操作テンプレートの前記選択及び配置中に、動的に生成及び/又は調整される、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記設定可能なプロセスパラメータは、前記工作機械に依存し、及び/又は
前記設定可能なプロセスパラメータは、グラフィカルに表示される、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセスパラメータは、
ワークスピンドルのチャッキング手段の寸法と、
前記ワークスピンドルのクランプ力と、
ワークのゼロ点と、
ワークの寸法と、
のうちの少なくとも1つを含む、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記スケジュールは、各操作のための行と、各工具キャリア及び各ワークキャリアのための列とを有するグラフィカルで対話的な表示である、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記スケジュールは、各工具キャリア及び各ワークキャリアのための列を有する、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記工作機械の制御装置上のアプリケーションであって、前記制御装置は、ユーザによる入力情報を入力するための入力媒体を有する、アプリケーション、又は
コンピュータ上のアプリケーション、又は
クラウド内、又は地理的に遠隔のサーバ上のアプリケーション、
によって実行される、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の操作は、
前記スケジュールに関連するシーケンスプログラムを受け入れること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上のチャッキング手段を前記工作機械に装備又は準備すること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上の工具を前記工作機械に設定すること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上の工具を前記工作機械に装着及び/又は準備すること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上のNCコード、NCプログラム及び/又はNCプログラム部分をロード及び/又はプログラミングすること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上のNCコード、NCプログラム及び/又はNCプログラム部分を実行すること、
プロセス監視アプリケーションを実行すること、
前記シーケンスプログラムに関連する1つ以上の加工プロセスを記録すること、
1つ以上の加工されたワークの自動品質チェックを実行すること、及び/又は
前記シーケンスプログラムを出力すること、
のうちの少なくとも1つを含む、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の操作は、
ワークパレットを自動的に組み立てること、
ワークパレットを自動的に装填すること、
ワークをワークパレットに自動的に再配置すること、
ワークのクランプ位置を設定すること、
あるクランプ位置から別のクランプ位置に変更すること、
ワークを自動的に測定すること、
前記工作機械の工具マガジンを自動的に装填すること、
工具を前記工作機械に自動的に設定すること、
工具を前記工具マガジンに自動的に再配置すること、及び/又は
前記工作機械上で1つ以上の洗浄、保守、サービス及び/又はサービスアプリケーションを実行すること、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記入力情報は、
1つ以上のワーク、1つ以上のワーク部品及び/又は1つ以上の工具のCADモデルを示すモデルデータ、
1つ以上のNCコード、1つ以上のNCプログラム及び/又は1つ以上のNCプログラム部分を示すNCデータ、
ワーク処理に関連するジョブデータを示すジョブデータ、
1つ以上の関連する工具に関する情報を示す工具データ、
それぞれワーク処理に関連するシーケンスプログラム又は工具のリストを示す工具リストデータ、
1つ以上の関連するチャッキング手段に関する情報を示すチャッキング手段データ、及び/又は
それぞれワーク処理に関連するシーケンスプログラム又はチャッキング手段のリストを示すチャッキング手段リストデータ、
のうちの1つ以上を含む、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
各プロジェクトテンプレートは、前記プロジェクトテンプレートに含まれるシーケンスのアニメーション及び/又は説明及び/又はグラフィカルな図を含む、
先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
数値制御工作機械の操作装置であって、
制御及び操作アプリケーションを実行するための処理装置、
前記処理装置を前記工作機械の制御装置に接続するための制御インターフェース、及び
ユーザによる入力情報を入力し、前記ユーザへ出力情報を出力するためのヒューマンマシンインターフェースとしてグラフィカルユーザインターフェースを表示するためのユーザインターフェース、
を備え、
前記処理装置は、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、
数値制御工作機械の操作装置。
【請求項19】
前記処理装置をサーバに接続するためのネットワークインターフェースをさらに備える、
請求項18に記載の操作装置。
【請求項20】
前記工作機械の機械機能を制御するための制御装置と、前記制御装置に接続された、又は接続可能な請求項18又は19のいずれか一項に記載の操作装置とを有する、
数値制御工作機械の制御装置。
【請求項21】
請求項20に記載の制御装置を有する工作機械。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御工作機械の操作方法、数値制御工作機械の操作装置、数値制御工作機械の制御装置及び工作機械に関する。特に、工作機械の制御装置においてワークを加工するためのプログラムシーケンスを直接作成することを可能にし、PC上のソフトウェアアプリケーションを省くことができる。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、工作機械上に通常組み込まれるNC制御装置を用いて数値制御工作機械上のワーク加工を制御することが知られている。特に、NC制御装置は、例えば、CAD/CAMシステムによって生成されるか又は機械オペレータによってプログラムされるNCプログラムに基づいて、制御可能なアクチュエータ、例えば、工作機械の軸のスピンドルドライブ、軸ドライブ、及び工作機械のさらなる機械機能を制御する。
【0003】
EP2891020A1において、数値制御工作機械の拡張制御装置が提案されており、この拡張制御装置では、NC制御装置の機能と比較して工作機械のオペレータの操作又は制御を拡張する更なる制御装置又は操作装置が、NC制御装置よりも上位に設けられている。
【0004】
欧州特許出願第EP3767405A1号は、数値制御工作機械上で使用するための操作装置と、生産システム内の1つ以上の数値制御工作機械を操作及び制御するためのシステム、装置、及び方法とを開示している。工作機械上の1つ以上のワークを加工するための加工ジョブは、ユーザインターフェースを介してオペレータによって選択可能な加工シーケンスに基づいて制御され、対応する機械又は制御機能は、制御インターフェースを介して制御装置上で呼び出される。
【0005】
独国特許出願第DE102019215497A1号は、工作機械の制御装置上に提供され、制御データに示される複数のプログラムセクションへのNCプログラムの細分を識別するための制御装置上で解析されるNCプログラムを有する制御データに基づいて数値制御工作機械を制御する方法を記載している。グラフィカルユーザインターフェースは、NCプログラムの細分に従ってプログラムセクションに基づいて制御装置上で生成される。
【0006】
もともとは、数値制御工作機械でワークを加工するためのプログラムをGコードでプログラムする必要がある部分があった。そのようなプログラムの高い複雑さのために、当業者でさえ、概観を迅速に失う可能性がある。したがって、制御装置上の加工操作又はシーケンス全体のプログラミングをより単純にする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術から開始して、工作機械のプログラミングは簡略化されるべきである。特に、プログラミングは、より効率的かつ直感的にされるべきである。さらに、プログラミングにおけるエラーは、例えば、論理テスト又は妥当性テストがプログラムシーケンスの構成中に既に実行されているという点で回避されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載の数値制御工作機械の操作方法が提供される。本発明の第2の態様は、請求項18に記載の数値制御工作機械の操作装置に関する。本発明の第3の態様は、請求項20に記載の制御装置に関し、第4の態様は、請求項21に記載の工作機械に関する。本発明のさらなる態様は、従属請求項、図面、及び例示的な実施形態の以下の説明に記載されている。
【0009】
本発明による方法は、ユーザが、特に直感的な方法で、機械制御装置上の対応する入力装置によって直接ワークを加工するための数値制御工作機械のためのシーケンスプログラムを生成することを可能にする。この目的のために、ユーザは、ユーザによる入力情報を入力し、ユーザへ出力情報を出力するためのヒューマンマシンインターフェースとしてグラフィカルユーザインターフェースが提供される。
【0010】
グラフィカルユーザインターフェースは、特に、好ましくはジェスチャコントロールを可能にする機械制御装置のタッチスクリーン上に表示することができる。プログラムシーケンスは、グラフィカルユーザインターフェースを介してユーザに視覚的に表示することができるため、シーケンスは、作成が簡単かつ直感的であり、理解可能であり、加工が容易である。さらに、パラメータを、加工のこの態様を特に直感的にするために、画像又はアニメーションによって視覚的に示すことができる。さらに好ましくは、グラフィカルユーザインターフェースの操作は、特に簡単かつ直感的に実行されるべきである。さらに好ましくは、プロジェクトテンプレートの特定のシーケンスを詳細ビューに表示することができる。
【0011】
プロジェクトテンプレートは、例えば、部品固有又はワーク固有のプログラム内容なしで、部品の製造又はワークの加工のための予め構成されたシーケンスを有するNCプログラムであり、その後、ユーザ自身によって補足することができる。
【0012】
さらに好ましくは、グラフィカルユーザインターフェースは、アプリの一部として、特に、CELOSアプリとして、又はPCソフトウェアとして実行することができ、1つ又は複数の工作機械のためのプログラムを作成するために、デスクトップコンピュータを介して、又はクラウドベースのアプリケーションとして使用することができる。特に好ましくは、アプリは、スマートフォン又はタブレットコンピュータ上で実行することもできる。
【0013】
方法ステップにおいて、複数のプロジェクトテンプレートを有するプロジェクトライブラリがユーザインターフェースに表示される。各プロジェクトテンプレートは、シーケンスプログラムに従ってワークを加工するための予め構成された操作のシーケンスを含む。プロジェクトテンプレートは、好ましくは、ユーザによって作成され、変更され、保存されることもできる。
【0014】
ユーザがプロジェクトテンプレートを選択した場合、例えば、シーケンスプログラムに対して複数のプロセスパラメータを設定するためのパラメータ表示をユーザインターフェースに表示することができる。この複数のプロセスパラメータは、グラフィカルユーザインターフェース上でユーザによって編集することができる。その後、プロセスパラメータを保存することができる。パラメータ表示は、特に説明図と共に視覚的に表示することができる。
【0015】
ユーザインターフェースのエディタウィンドウには、複数の操作と複数の操作の順序を含むスケジュールが、例えば、複数の列と行を有する表として表示される。表の個々のセルは、それぞれ個々の操作(作業ステップ又は加工ステップ)を表すことができる。行は、例えば、上から下へ表示された順序に連続して実行される。同じ行にあるが異なる列にあるセルは、例えば、同時に実行されるステップを表すことができる。
【0016】
個々の操作又は操作は、特に、例えばベゼルがどのように動かされるべきかを記述する個々の作業ステップであり得る。言い換えれば、個々の操作は、特に工作機械のアクチュエータの個々の動きを定義することができる。スケジュール全体は、ワークの加工、例えば切削加工を記述することができる。
【0017】
さらに、複数の操作テンプレートを有する操作ライブラリがユーザインターフェースに表示される。操作テンプレートは、パラメータを調整することによってワークの所望の加工に調整することができる個々の操作又は作業ステップに対応する。操作のパラメータとしては、例えば、移動経路、複数の座標、スピンドルの回転速度、使用される工具等を設定することができる。
【0018】
ユーザは、操作テンプレートを選択し、スケジュール内の所望の位置(セル)にそれらを配置することによって、シーケンスプログラムを生成することができる。さらに、ユーザは、スケジュール内に既に配置された操作テンプレートを再配置することができる。この選択及び配置又は再配置は、例えば、「ドラッグアンドドロップ」操作によって実行することができる。その後、操作テンプレートのパラメータを調整することができる。パラメータは、好ましくは、パラメータが別のステップで既に設定されている場合、自動的に調整することもできる。
【0019】
スケジュールは、操作テンプレートの選択及び配置及び/又は再配置を繰り返すことによって完成させることができる。その後、スケジュール及びプロセスパラメータに従って、対応する機械及び/又は制御機能を有するシーケンスプログラムが生成され、例えば制御インターフェースを介して工作機械の制御装置に出力される。特に、プログラムは、作成されたスケジュールに基づいてGコードにコンパイルすることができる。特に好ましくは、対応するGコード又はNCコードは、さらなるウィンドウに表示及び加工することができる。コードの加工は、好ましくは視覚スケジュールに戻すこともできる。言い換えれば、シーケンスプログラム又は操作の内容は、好ましくは、視覚的表示とNC制御装置との間で双方向に同期させることができる。この場合、行われた全ての変更を好ましくは強調表示することができ、生じた競合を表示することができる。
【0020】
操作装置は、制御及び操作アプリケーションを実行するための処理装置、処理装置を工作機械の制御装置に接続するための制御インターフェース、及びユーザによる入力情報を入力し、ユーザへ出力情報を出力するためのヒューマンマシンインターフェースとしてグラフィカルユーザインターフェースを表示するためのユーザインターフェースを備える。本発明によれば、処理装置は、本発明による方法を実行するように構成されている。
【0021】
工作機械の機械機能を制御するための制御装置を有する数値制御工作機械のための本発明による制御装置は、制御装置に接続された、又は接続可能な本発明による操作装置を備える。
【0022】
個々に又は互いに組み合わせて使用することができる好ましい実施形態及び変更は、従属請求項に記載されている。
【0023】
視覚的スケジュールは、好ましくは、Gコード又はNCコードに変換され、エディタに表示されることができる。スケジュールを編集するためのエディタとして、特に、構文エラー及びセマンティクスエラーを検出及び強調表示することができるスマートエディタを使用することができる。NCコマンドは、好ましくは、入力中に自動的に補足又は完了することができる。特に好ましくは、ユーザが例えばチャット入力を介してプロンプトを書き込んだ後、例えばエディタにおいてNCコードを生成することによってユーザがシーケンスプログラムを生成するのを支援するAIを統合することができる。
【0024】
NCコードのためのエディタ及び/又はマルチチャネルCNC工作機械の視覚的スケジュールを編集するためのエディタは、特に、ユーザの制御装置、PC、サーバ、又はモバイル端末上で実行できるブラウザベースのアプリケーションとして具現化することができる。エディタは、好ましくは、工作機械の制御装置とは独立して、NCプログラムのグラフィカルにサポートされる設計、作成、及び変更に役立つ。ここで、特にマルチタッチジェスチャを使用することができる。
【0025】
予め構成され、ユーザフレンドリに視覚化されたプロジェクト及びプログラムテンプレートは、スケジュールの高速、直感的、かつ単純な構築を可能にすることができる。そこから生成されるNCプログラムは、特にパラメータ化されかつ構造化された方法で構築され、工作機械の周辺装置(例えばロッドローダ及びロボット)、未加工及び完成部品の取り扱い(例えばロッドの前進、部品の移送、ベゼルの位置決め、完成部品の荷おろしなど)の予め構成された操作コマンドを含むことができる。
【0026】
特に好ましくは、NC制御装置のために最適化されたシーケンスプログラムが、結果として関連するプログラム構造とともに生成される。これは、工作機械の制御装置のNCメモリに送られ、スケジュールの内容と双方向に常に同期された状態を維持することができる。
【0027】
好ましくは、プロジェクトテンプレートは、パラメータ化された方法で採用される。パラメータは、好ましくは、グラフィカルユーザインターフェースの別個のウィンドウで調整又は設定され、保存されることができる。この場合、例えばスケッチ又はアニメーション(例えばGIFファイル)等に基づいて個々のパラメータの意味を表す説明図を、好ましくは、表示することができる。
【0028】
各操作テンプレートは、特に、ユーザが、例えば、部品固有又はワーク固有の加工部品を設計することを可能にする予め構成された加工テンプレートを含むサブプログラムであり得る。操作テンプレートは、例えば、加工面(例えば、端面、表面の平面など)の基本定義を含む。各サブプログラムは、例えば、予めプログラムされたNCコードの一部を含むことができる。操作テンプレートは、好ましくは、ユーザによって作成又は編集され、保存されることができる。プロジェクトテンプレートの場合と同様に、各操作テンプレートに対して、例えばアニメーション又は描画などの説明図を表示することができ、前記説明図は、ユーザが数秒以内に機能を把握できるように、操作テンプレートの操作をグラフィカルに説明する。好ましくは、操作テンプレートの特定の内容又は対応するNCコードなどは、さらなるビューに表示することができる。
【0029】
操作テンプレート及び操作の選択及び配置又は再配置は、特に好ましくは、例えばドラッグアンドドロップ(「ドラッグアンドドロップ」)を含むことができるジェスチャコントロールによって実行することができる。その結果、ユーザによる特に簡単で直感的な編集を可能にすることができる。
【0030】
好ましくは、操作テンプレート及び操作はそれぞれ、選択及び配置及び/又は再配置中にスケジュール内の所望の位置に動的に調整することができる。この動的な調整は、特に、スケジュール内の既存の操作テンプレート及び操作の機能として実行することができる。したがって、個々の操作テンプレート及び操作が互いに互換性があることを保証することができる。チェックは、例えば、妥当性チェック又は論理テストによって実行することができる。ここでは、例えば、第1のチャネルの操作が、同時にさらなるチャネルの操作と互換性があるかどうか、又はそれぞれの操作をどの順序で好都合に実行できるかがチェックされる。これを可能にするために、それぞれの操作テンプレートは、スケジュール内の他の操作テンプレートの対応するNCコードセクション又はチェックシーケンスと比較することができるNCコードセクション又はチェックシーケンスを有することができる。
【0031】
特に好ましくは、例えば、以前にチェックされた移動経路が使用されるという点で、操作テンプレートの追加及び/又はシフト中に既に個々の操作をチェック及び評価することによって、衝突を回避することができる。さらに、シーケンスを特に効率的かつ低リスク又は衝突のないものにするために、操作テンプレートを事前に最適化することができる。
【0032】
スケジュール内の利用可能な位置は、操作テンプレート又は操作の選択及び配置及び/又は再配置中に動的に調整することができる。例えば、表形式のスケジュール内の空きセルは、操作テンプレートの選択中に互換性を既にチェックすることができる。対応して、技術的に好都合なセルのみが、配置の利用可能な目的地として表示され得る。ユーザが利用可能でない、又は互換性のないセルに操作テンプレートを配置しようと試みる場合、これを防止することができ、又は対応する指示を出力することができる。
【0033】
シーケンスプログラムは、好ましくは、スケジュールに従って自動的に生成することができる。この目的のために、例えば、グラフィカルスケジュールを対応する機械コード又はNCコードに変換する適切なコンパイラを使用することができる。
【0034】
制御構造は、スケジュール内の操作テンプレートの選択及び配置中に、自動的かつ動的に生成及び/又は調整することができる。制御構造は、例えば、ジャンプマークを含むことができる。
【0035】
設定可能なプロセスパラメータは、特に使用される工作機械に依存し得る。特に好ましくは、設定可能なプロセスパラメータは、グラフィカルに表示される。特に簡単で直感的な操作は、グラフィカルな表示によって容易にすることができる。
【0036】
好ましくは、プロセスパラメータは、
ワークスピンドルのチャッキング手段の寸法と、
ワークスピンドルのクランプ力と、
ワークのゼロ点と、
ワークの寸法と、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
寸法及び位置は、好ましくは、ミリメートル又はインチで示すことができる。好ましくは、これらの寸法及び位置を説明的に表す3次元又は2次元の図を表示することができる。
【0038】
スケジュールは、各操作のための行と、各工具キャリア(チャネル)及び各ワークキャリア(回転スピンドル)のための列とを有するグラフィカルで対話的な表示を含む。フライス盤では、チャネルは工具キャリア(フライススピンドル)に対応することができる。
【0039】
スケジュールはそれぞれ、各工具キャリア及び各ワークキャリアのための列を有することができる。ワークはそれぞれ、主スピンドル及び/又はカウンタスピンドルにクランプすることができる。
【0040】
好ましくは、方法は、工作機械の制御装置に統合することができる。特に好ましくは、方法は、工作機械の制御装置上のアプリケーションによって実行される。代替実施形態では、アプリケーション又はアプリケーションの一部は、コンピュータ上、クラウド内、又は地理的に遠隔のサーバ上で実行することもできる。
【0041】
複数の操作は、好ましくは、
スケジュールに関連するシーケンスプログラムを受け入れること、
シーケンスプログラムに必要な1つ以上のチャッキング手段を工作機械に装備又は準備すること、
シーケンスプログラムに必要な1つ以上の工具を工作機械に設定すること、
シーケンスプログラムに必要な1つ以上の工具を工作機械に装着及び/又は準備すること、
シーケンスプログラムに必要な1つ以上のNCコード、NCプログラム及び/又はNCプログラム部分をロード及び/又はプログラミングすること、
シーケンスプログラムに必要な1つ以上のNCコード、NCプログラム及び/又はNCプログラム部分を実行すること、
プロセス監視アプリケーションを実行すること、
シーケンスプログラムに関連する1つ以上の加工プロセスを記録すること、
1つ以上の加工されたワークの自動品質チェックを実行すること、
シーケンスプログラムを出力すること、
ワークパレットを自動的に組み立てること、
ワークパレットを自動的に装填すること、
ワークをワークパレットに自動的に再配置すること、
ワークのクランプ位置を設定すること、
あるクランプ位置から別のクランプ位置に変更すること、
ワークを自動的に測定すること、
工作機械の工具マガジンを自動的に装填すること、
工具を工作機械に自動的に設定すること、
工具を工具マガジンに自動的に再配置すること、及び/又は
工作機械上で1つ以上の洗浄、保守、サービス及び/又はサービスアプリケーションを実行すること、
のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0042】
入力情報は、
1つ以上のワーク、1つ以上のワーク部品及び/又は1つ以上の工具のCADモデルを示すモデルデータ、
1つ以上のNCコード、1つ以上のNCプログラム及び/又は1つ以上のNCプログラム部分を示すNCデータ、
ワーク処理に関連するジョブデータを示すジョブデータ、
1つ以上の関連する工具に関する情報を示す工具データ、
それぞれワーク処理に関連するシーケンスプログラム又は工具のリストを示す工具リストデータ、
1つ以上の関連するチャッキング手段に関する情報を示すチャッキング手段データ、及び/又は
それぞれワーク処理に関連するシーケンスプログラム又はチャッキング手段のリストを示すチャッキング手段リストデータ、
から1つ以上の要素を含むことができる。
【0043】
各プロジェクトテンプレートは、好ましくは、プロジェクトテンプレートに含まれるシーケンスのアニメーション及び/又はテキスト形式の説明及び/又はグラフィカルな図を含むことができる。さらに、音声出力は、プロジェクトテンプレートの操作を説明することができる。操作のグラフィカルな表示によって、ユーザは、機械によってどの操作が実行されるかを特に迅速かつ容易に理解することができる。アニメーション又は説明は、特に好ましくは、プロジェクトテンプレートの変更されたパラメータに動的に調整することもできる。
【0044】
好ましい操作装置は、処理装置をサーバに接続するためのネットワークインターフェースを備える。
【図面の簡単な説明】
【0045】
さらなる有利な実施形態は、図面に示されているが本発明が限定されない例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明される。図面は概略的に示す。
【0046】
図1】プロジェクトテンプレートを選択するためのグラフィカルユーザインターフェースを示す。
図2】包括的なプロジェクトパラメータのための設定マスクを示す。
図3】操作テンプレートを有するライブラリの例示的なビューを示す。
図4】スケジュールを作成するためのグラフィカルユーザインターフェースの例示的なビューを示す。
図5】インテリジェント機能を有するスマートエディタを示す。
図6】スケジュール及びGコードを有する例示的なビューを示す。
図7】例示的なスケジュールを示す。
図8】統合ハンドリングのパラメータ設定を示す。
図9】平面G18で回転するための操作テンプレートを示す。
図10】穿孔のための操作テンプレートを示す。
図11】外径を測定するための操作テンプレートを示す。
図12】本発明による方法の例示的な実施形態を示すフローチャートを示す。
図13】NC制御を有する工作機械の例示的な実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明では、同一の参照符号は、同一又は同等の構成要素を示す。
【0048】
図1は、プロジェクトテンプレートを選択するためのグラフィカルユーザインターフェースを示す。このビューは、例えば、スケジュールを作成するための迅速なエントリとしてホーム画面として表示することができる。左側には、複数のプロジェクトテンプレートを有するライブラリのセクションを表すプロジェクトテンプレートの概要が示されている。各プロジェクトテンプレートには、説明画像が視覚的な簡単な説明として表示される。ユーザが、例えば、そのような概要画像に触れるか、又はその上にマウスポインタを置くと、例えば、対応するシーケンスの短いアニメーションを表示することができる。
【0049】
図1の画面の右側には、現在選択されているプロジェクトテンプレートの詳細が表示されている。例えば、作成者、バージョン、作成日、説明文などを表示することができる。画面の上部の領域には、ユーザがプロジェクトテンプレートの選択画面と操作テンプレートの選択画面、設定のための選択画面などを選択できるメニュー選択が表示される。リンク「プロジェクト作成」をクリックすることによって、選択されたプロジェクトテンプレートに基づいて新しいスケジュールを作成することができる。
【0050】
図2は、包括的なプロジェクト又はプロセスパラメータのための設定マスクを示す。これは、例えば、プロジェクトテンプレートを選択した後に表示することができる。この例では、例えばクランプ力又はクランプ力の範囲などの、例えば、主スピンドル及び/又はカウンタスピンドルのクランプパラメータを設定することができる。さらに、この場合、例えば、チャッキング手段の寸法、部品のゼロ点、ワークの寸法などを設定及び/又は変更することができる。
【0051】
図3は、操作テンプレートを有するライブラリの例示的なビューを示す。表示される操作テンプレートは、例えば、旋削、フライス加工、穿孔、測定、クランプなどのような機能グループに分けることができる。各操作テンプレートには、ユーザが特に素早く対応する操作を認識し、理解することができる説明画像が表示される。操作は、操作テンプレートをスケジュールにドラッグすることによって定義することができる。例えば、ユーザは、所望の操作テンプレートをスケジュール内の主スピンドル若しくはカウンタスピンドル、又はチャネル1若しくはチャネル2の位置にドラッグすることができる。これに必要な全ての同期マーク(待ち)又は充填操作は、ここで自動的に生成することができる。これらの同期マーク(又はジャンプマーク)は、安全なブレークオフ及び製造のNCプログラムへの再エントリを可能にする。
【0052】
各操作テンプレートについて、操作テンプレートを詳細に説明し、追加情報を表示することができる詳細ビューを呼び出すことができる。
【0053】
図4は、主スピンドルSP4及びカウンタスピンドルSP3を有する工作機械のためのスケジュールを作成するためのグラフィカルユーザインターフェースの例示的なビューを示す。2チャネル機械の場合、各スピンドルは、各場合において2つのチャネルCH1及びCH2がさらに示される。スケジュール(図4では「操作スケジュール」)は、ここでは、上から下へ順に連続して実行される複数の行を有する。
【0054】
図5は、インテリジェント機能を有するスマートエディタを示す。エディタは、シーケンスプログラムを生成するためのアプリケーションの一部であり、NCコード又はGコードの加工を可能にする。エディタは、構造化された方法でGコードを表すことができ、個々の操作間の簡単なナビゲーションを可能にする。NCコマンドは、競合を回避するためにエディタによって検証することができる。表されるコードは、スケジュール内の操作に対応し、残りの操作に応じて自動的に調整することができる。好ましい実施形態では、ユーザは、自動的にGコードを生成又は完成するために、AIによって支援されることができる。
【0055】
図6は、スケジュール及びGコードを有する例示的なビューを示す。左側には、生成されたシーケンスプログラムを実行する際にスケジュールが表示される領域が示されている。右側には、制御装置の現在の値が示されている。
【0056】
図7は、例示的なスケジュールを示す。ここで、スケジュールは、使用される全ての工具のためのワーク固有の配置計画である。スケジュールは、部品上のどの特徴に対して、どの加工操作がどの工具で使用されるかを示す。簡素化された表示の結果として、ユーザは、それぞれの操作の順序(位置)及び内容の変更及び適応を容易に行うことができる。ユーザは、操作を容易にタップし、そこから、使用される工具を呼び出したり補正したり、パラメータを変更したりすることができる。
【0057】
本実施例では、スケジュール内の各操作は、簡単な説明とともにタイル又は長方形として表示される。さらに、使用される工具又は操作に関するさらなる情報を表示することができるアイコンが示されている。タイルをタップ又はクリックすることによって、さらなる情報を表示することができ、又は変更を行うことができる。「ドラッグアンドドロップ」によって、スケジュール内の個々のタイルを移動し、並べ替えることができる。
【0058】
図8は、統合ハンドリングのパラメータ設定を示す。この場合、ピックアップ装置としての統合ハンドリングの使用は、異なる設定パラメータの入力を必要とする。これらのパラメータはRG変数として定義される。図に見られる変数へのパラメータの明確な割り当ては、ユーザにピックアップ装置の安全な操作及び直感的な取り扱いを可能にする。図8は、例として、荷おろし装置によるカウンタスピンドル(SP3)からの完成したワークの荷おろしを示す。
【0059】
図9は、平面G18で回転するための操作テンプレートを示す。この表示は、ワーク上の座標系のX-Z平面上のマークされた面によって回転平面G18を視覚化する。操作テンプレートは、基本的な技術データを含むプログラムエンベロープをユーザに提供する。これらは、加工平面の選択、ワーク上での接近及び離脱動作、並びにそれぞれの操作テンプレートの「プロパティマスク」に入力することによって、切削値、クーラントコマンド及び工具をNCコードに組み込む可能性を含む。ユーザは、その後、ワーク固有のプログラムコードを補足することができる。
【0060】
図10は、穿孔のための操作テンプレートを示す。図示された図は、操作テンプレートにおける放射状穿孔のための特定の戦略を示す。長いチップ材料の場合に制御されたチップ破損(chip breakage)を生じさせることができるように、テンプレートは、個々の供給シーケンスにおける穿孔のプログラミングを可能にする。作業及び引き出しフィードと、フィードの終了時の滞留時間は、ユーザによって自由に定義することができる。テンプレートは、半径方向外側及び内側の穿孔に適用することができる。
【0061】
図11は、外径を測定するための操作テンプレートを示す。操作テンプレートは、測定値で工具を補正する可能性を含む、外径の完全な測定戦略を含む。測定は、Y軸の負及び正方向の差動測定によって行われる。これに使用されるサイクルは、操作テンプレートの入力マスクからのパラメータを介してコンテンツで満たされる。さらに、テンプレートは、制御装置上のファイルとしての測定ログの生成を含む。
【0062】
図12は、構造化NCプログラム(シーケンスプログラム)を生成するための本発明による方法の例示的な実施形態を示すフローチャートを示す。従来の方法と比較してもはや必要とされないステップは破線で示されている。シーケンスプログラムを生成するための本発明による方法は、従来必要であった多くのステップを排除し、従って、本方法は、著しく単純であり、時間を節約する。
【0063】
本発明によれば、シーケンスプログラムは、ユーザが簡単なジェスチャコントロールによってグラフィカルユーザインターフェース上で準備することができるスケジュールに基づいて、そのシーケンスロジックとともに自動的に生成される。例えば、部品の取り扱い又は自動化のための保存されたテンプレートは、パラメータ的に準備され、従って、ユーザは、それらを引き継ぎ、必要に応じてそれらを容易に調整することができるだけである。したがって、シーケンスプログラムの生成を大幅に簡略化することができ、その結果、多大な時間を節約することができ、潜在的なエラーを回避することができる。
【0064】
図13は、対応するNC制御装置1100を有する工作機械1000の例示的な実施形態を概略的に示す。NC制御装置1100(制御装置とも呼ばれる)は、工作機械1000のNC制御装置1100に関する制御データを提供するように構成されている記憶装置1130を有する。制御データは、例えば、外部のコンピュータから、又はNC制御装置1100が接続されているネットワーク(例えば、複数の接続されたコンピュータを有する)を介して、記憶装置1130に送信され得る(ここでは図示せず)。しかしながら、これは単なる例示であることが意図されている。本発明による方法に従って生成されるフローチャートは、工作機械1000を制御するための制御データを含む。
【0065】
当然ながら、例えば、可搬型データメモリが記憶装置1130(又は概してNC制御装置1100)に接続され、その結果、データが記憶装置1130に送信されることによって、制御データを記憶装置1130に送信するさらなる可能性もある。
【0066】
NC制御装置1100は、制御データに示される複数のプログラムセクション210へのNCプログラム200の細分を識別するために、NC制御装置1100上の制御データを解析するように構成されることができるデータ処理装置1140を有する。NCプログラム200は、データ処理装置1140によって、例えば、工作機械1000が製造される部品/ワークWSに対して実行するであろうその中に配置された操作に従って細分化することができる。この目的のために、例えば、対応するコマンドを新しい操作の指標として識別することができ、従って、NCプログラム200の細分化を対応して実行することができる。
【0067】
さらに、NC制御装置1100は、制御データに示されるNCプログラム200の細分の識別に従って、複数のプログラムセクション210に基づいて、工作機械1000のオペレータによってNC制御装置1100上で操作され得るグラフィカルユーザインターフェース100を生成及び/又は提供するように構成されている、ヒューマンマシンインターフェース1150を有する。
【0068】
この場合、ヒューマンマシンインターフェース1150は、グラフィカルユーザインターフェース100の画像/情報再生(例えば、画面による)が、NC制御装置1100上の制御/コマンド入力(例えば、マウス等を伴うキーボードによる)とは別に実行される、又は、制御/コマンド入力が、グラフィカルユーザインターフェース100の画像/情報再生に統合されて(例えば、オペレータによるタッチによってグラフィカルユーザインターフェース100内で制御可能に生成されるように設計された仮想マウス及びマウスとして)実行されるように設計されることができる。
【0069】
特に、グラフィカルユーザインターフェース100は、複数の制御要素110を備えることができ、各制御要素110は、NCプログラム200のプログラムセクション210のうちの1つに関連付けられる。制御要素110は、グラフィカルユーザインターフェース100の画像/情報再生上にのみ表示されることも、又はオペレータによるタッチによってグラフィカルユーザインターフェース100に制御可能に統合されることもできる。特に、グラフィカルユーザインターフェース100は、上述のスケジュールを表すことができる。
【0070】
その結果、オペレータは、例えば、グラフィカルユーザインターフェース100の制御要素110のうちの少なくとも1つが、対応する関連するプログラムセクション210がオペレータによって、例えば、スケジュール内で追加される、シフトされる、又は除去される個々の操作によって、アクティブ化又は非アクティブ化され得るように構成されることによって、NCプログラム200を調整することができる。
【0071】
NC制御装置1100に加えて、ここでは例として図13にスタンドデザイン(stand design)で示されている工作機械1000は、機械ベッド1400と、ワークWSをチャックするためのワークチャック1210を有する機械テーブル1200と、ワークWSを加工するための工具WZを駆動するためのワークスピンドル1300と、スタンド構造体1500とを有する。
【0072】
加えて、工作機械1000は、工具チェンジャ及び/又はワークチェンジャ、並びに対応して工具マガジン及び/又はワークマガジン(それぞれの場合において図13には示されていない)を有することができ、その結果、対応するコマンド及び/又はパラメータを、これらの追加の装置を順番に制御するために、例えば、加工が自動化された方法で実行されることを可能にするために、NCプログラム200において加工のために提供することができる。これらの要素の各々は、スケジュール内に専用のチャネル又は列を有することができる。
【0073】
これはさらに、プログラムセクション210に対応する加工操作に必要な工具WZが工作機械1000の工具マガジンに備えられていることが確立された場合にのみ、対応する関連するプログラムセクション210がオペレータによってアクティブ化され得るという結果を有することができる。そうでない場合(工具WZが備えられていない場合)、NC制御装置1100は、グラフィカルユーザインターフェース100内の対応するプログラムセクション210を非アクティブ化する。言い換えれば、スケジュールは、対応する列を有しないか、又はスケジュールの表のセルは、対応してアクティブ化又は非アクティブ化され得る。
【0074】
既に述べたように、本発明による方法及び本発明による制御装置(NC制御装置200)は、他の機械タイプ(ガントリー機械、多軸フライス加工センタなど)及び/又は機械タイプ(例えば旋盤、マルチスピンドル旋盤、浸食機、レーザ堆積溶接機など)にも適している。言及された例のリストは、網羅的なものとして理解されるべきではなく、むしろ、例えば、機械タイプ/機械モデルの様々な組み合わせによって拡張することができ、また、工作機械の追加の機械タイプ/機械モデルを含むべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工するためのシーケンスプログラムを設計、作成、変更、及び/又は実行するための数値制御工作機械の操作方法であって、前記方法は、
ユーザによる入力情報を入力し、前記ユーザへ出力情報を出力するためのヒューマンマシンインターフェースとしてグラフィカルユーザインターフェースを提供するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、複数のプロジェクトテンプレートを有するプロジェクトライブラリを表示するステップであって、各プロジェクトテンプレートは、前記シーケンスプログラムに従って前記ワークを加工するための予め構成された操作のシーケンスを含む、ステップ、
ユーザによるプロジェクトテンプレートを選択するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、前記シーケンスプログラムに対して複数のプロセスパラメータを設定するためのパラメータ表示を表示するステップ、
前記ユーザによる前記複数のプロセスパラメータを設定し、前記プロセスパラメータを保存するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、複数の操作と前記複数の操作の順序を含むスケジュールを表示するステップ、
前記ユーザインターフェース上に、複数の操作テンプレートを有する操作ライブラリを表示するステップ、
前記ユーザによる操作テンプレートを選択し、前記スケジュール内の操作の所望の位置に前記操作テンプレートを配置するステップ、及び/又は
前記スケジュール内の操作テンプレートを再配置するステップ、
前記スケジュールが完成するまで、操作テンプレートの前記選択及び配置及び/又は再配置を繰り返すステップ、及び
前記スケジュール及び前記プロセスパラメータに従って、対応する機械及び/又は制御機能を有するシーケンスプログラムを生成し、制御インターフェースを介して前記工作機械の制御装置に前記シーケンスプログラムを出力するステップ、
を含む、
数値制御工作機械の操作方法。
【請求項2】
前記プロジェクトテンプレートは、パラメータ化された方法で採用され、及び/又は
各操作テンプレートは、予め構成された加工テンプレートを含むサブプログラムである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操作テンプレート及び操作の前記選択及び配置又は再配置は、ジェスチャコントロールによって実行される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ジェスチャコントロールは、ドラッグアンドドロップを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記操作テンプレート及び操作はそれぞれ、前記選択及び配置及び/又は再配置中に前記スケジュール内の前記所望の位置に動的に調整される、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記スケジュール内の利用可能な位置は、操作テンプレート又は操作の前記選択及び配置及び/又は再配置中に動的に調整される、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記シーケンスプログラムは、前記スケジュールに従って自動的に生成される、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
制御構造は、前記スケジュール内の操作テンプレートの前記選択及び配置中に、動的に生成及び/又は調整される、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記設定可能なプロセスパラメータは、前記工作機械に依存し、及び/又は
前記設定可能なプロセスパラメータは、グラフィカルに表示される、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセスパラメータは、
ワークスピンドルのチャッキング手段の寸法と、
前記ワークスピンドルのクランプ力と、
ワークのゼロ点と、
ワークの寸法と、
のうちの少なくとも1つを含む、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記スケジュールは、各操作のための行と、各工具キャリア及び各ワークキャリアのための列とを有するグラフィカルで対話的な表示である、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記スケジュールは、各工具キャリア及び各ワークキャリアのための列を有する、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記工作機械の制御装置上のアプリケーションであって、前記制御装置は、ユーザによる入力情報を入力するための入力媒体を有する、アプリケーション、又は
コンピュータ上のアプリケーション、又は
クラウド内、又は地理的に遠隔のサーバ上のアプリケーション、
によって実行される、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の操作は、
前記スケジュールに関連するシーケンスプログラムを受け入れること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上のチャッキング手段を前記工作機械に装備又は準備すること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上の工具を前記工作機械に設定すること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上の工具を前記工作機械に装着及び/又は準備すること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上のNCコード、NCプログラム及び/又はNCプログラム部分をロード及び/又はプログラミングすること、
前記シーケンスプログラムに必要な1つ以上のNCコード、NCプログラム及び/又はNCプログラム部分を実行すること、
プロセス監視アプリケーションを実行すること、
前記シーケンスプログラムに関連する1つ以上の加工プロセスを記録すること、
1つ以上の加工されたワークの自動品質チェックを実行すること、及び/又は
前記シーケンスプログラムを出力すること、
のうちの少なくとも1つを含む、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の操作は、
ワークパレットを自動的に組み立てること、
ワークパレットを自動的に装填すること、
ワークをワークパレットに自動的に再配置すること、
ワークのクランプ位置を設定すること、
あるクランプ位置から別のクランプ位置に変更すること、
ワークを自動的に測定すること、
前記工作機械の工具マガジンを自動的に装填すること、
工具を前記工作機械に自動的に設定すること、
工具を前記工具マガジンに自動的に再配置すること、及び/又は
前記工作機械上で1つ以上の洗浄、保守、サービス及び/又はサービスアプリケーションを実行すること、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記入力情報は、
1つ以上のワーク、1つ以上のワーク部品及び/又は1つ以上の工具のCADモデルを示すモデルデータ、
1つ以上のNCコード、1つ以上のNCプログラム及び/又は1つ以上のNCプログラム部分を示すNCデータ、
ワーク処理に関連するジョブデータを示すジョブデータ、
1つ以上の関連する工具に関する情報を示す工具データ、
それぞれワーク処理に関連するシーケンスプログラム又は工具のリストを示す工具リストデータ、
1つ以上の関連するチャッキング手段に関する情報を示すチャッキング手段データ、及び/又は
それぞれワーク処理に関連するシーケンスプログラム又はチャッキング手段のリストを示すチャッキング手段リストデータ、
のうちの1つ以上を含む、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
各プロジェクトテンプレートは、前記プロジェクトテンプレートに含まれるシーケンスのアニメーション及び/又は説明及び/又はグラフィカルな図を含む、
求項1又は2に記載の方法。
【請求項18】
数値制御工作機械の操作装置であって、
制御及び操作アプリケーションを実行するための処理装置、
前記処理装置を前記工作機械の制御装置に接続するための制御インターフェース、及び
ユーザによる入力情報を入力し、前記ユーザへ出力情報を出力するためのヒューマンマシンインターフェースとしてグラフィカルユーザインターフェースを表示するためのユーザインターフェース、
を備え、
前記処理装置は、請求項1に記載の方法を実行するように構成されている、
数値制御工作機械の操作装置。
【請求項19】
前記処理装置をサーバに接続するためのネットワークインターフェースをさらに備える、
請求項18に記載の操作装置。
【請求項20】
前記工作機械の機械機能を制御するための制御装置と、前記制御装置に接続された、又は接続可能な請求項18又は19に記載の操作装置とを有する、
数値制御工作機械の制御装置。
【請求項21】
請求項20に記載の制御装置を有する工作機械。
【外国語明細書】