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特開2025-36277半導体装置及び半導体装置を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025036277
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/66 20250101AFI20250306BHJP
   H10D 30/01 20250101ALI20250306BHJP
【FI】
H01L29/78 652D
H01L29/78 652T
H01L29/78 652M
H01L29/78 658B
H01L29/78 652J
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024146148
(22)【出願日】2024-08-28
(31)【優先権主張番号】112133190
(32)【優先日】2023-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】524115969
【氏名又は名称】漢磊科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EPISIL TECHNOLOGIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】劉 原良
(72)【発明者】
【氏名】陳 彦彰
(72)【発明者】
【氏名】張 元洲
(72)【発明者】
【氏名】李 宜蓁
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造コストを低減できる半導体装置(パワーMOSFET)及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、炭化ケイ素エピタキシ層101を有し、炭化ケイ素エピタキシ層には、p型埋込層PBと接合電界効果領域JFがあり、接合電界効果領域は、ゲート極領CTGの中においてp型埋込層に接触する。半導体装置は更に、炭化ケイ素エピタキシ層の上にあるゲート極酸化物層102と、ゲート極酸化物層の上にあるポリシリコン層103と、ポリシリコン層の上にある層間誘電体層104と、ソース極領域において層間誘電体層とポリシリコン層とゲート極酸化物層を貫通し、炭化ケイ素エピタキシ層の中に形成される第一の凹み109と、ゲート極領域の中のポリシリコン層の中に形成され、底面がゲート極酸化物層の上面より高い第二の凹み111と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型埋込層と、
ゲート極領域において前記p型埋込層に接触する接合電界効果領域と、を有する炭化ケイ素エピタキシ層と、
前記炭化ケイ素エピタキシ層の上にあるゲート極酸化物層と、
前記ゲート極酸化物層の上にあるポリシリコン層と、
前記ポリシリコン層の上にある層間誘電体層と、
ソース極領域において前記層間誘電体層と前記ポリシリコン層と前記ゲート極酸化物層を貫通し、前記炭化ケイ素エピタキシ層の中に形成される第一の凹みと、
ゲート極領域の中の前記ポリシリコン層の中に形成され、底面が前記ゲート極酸化物層の上面より高い第二の凹みと、を有する半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載される半導体装置において、前記炭化ケイ素エピタキシ層が更に、
前記p型埋込層の上にあるp型ウェル領域と、
前記p型ウェル領域の表面の上にある重度ドープn型領域と、
前記重度ドープn型領域の下且つ前記p型ウェル領域内にある第一の重度ドープp型領域と、を有し、
前記第一の凹みの深さは前記重度ドープn型領域の深さより大きい半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載される半導体装置において、更に、
前記ゲート極酸化物層の上にあり、前記層間誘電体層と前記ポリシリコン層に接触する接点スペーサーと、
前記接合電界効果領域の上にある島状酸化物層とを有し、前記島状酸化物層の厚さは前記ゲート極酸化物層の厚さより大きい半導体装置。
【請求項4】
請求項2に記載される半導体装置において、更に、
前記第一の凹みの中にあり、シリサイドを介して前記第一の重度ドープp型領域と前記重度ドープn型領域に接触する第一の金属層を有する半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載される半導体装置において、前記第一の金属層は更に前記層間誘電体層と接点スペーサーの上に設けられ、且つ前記層間誘電体層と前記接点スペーサーに接触する半導体装置。
【請求項6】
請求項4に記載される半導体装置において、前記層間誘電体層は前記第二の凹みの中に設けられ、且つ第二の凹みの中において、第一の金属層は前記ポリシリコン層に接触しない半導体装置。
【請求項7】
請求項1に記載される半導体装置において、更に、
前記炭化ケイ素エピタキシ層の下方にある炭化ケイ素基板と、
前記炭化ケイ素基板の下方にある第二の金属層と、を有する半導体装置。
【請求項8】
半導体装置を製造する方法であって、
炭化ケイ素エピタキシ層に上に、第一の酸化物膜と第一のポリシリコン膜と第二の酸化物膜をこの順に堆積し、
p型埋込層のパターンが定義された後に、前記第二の酸化物膜と前記第一のポリシリコン膜とをエッチングし、前記第一の酸化物膜にてエッチングを停止して、前記炭化ケイ素エピタキシ層の中にp型埋層を注入し、
第二のポリシリコン膜を堆積し、前記第二のポリシリコン膜をエッチバックし、前記p型埋込層の上方にp型ウェル領域を注入して、
第三の酸化物膜と第三のポリシリコン膜とをこの順に堆積し、前記第三のポリシリコン膜をエッチバックし、前記p型ウェル領域の表面に重度ドープn型領域を注入して、
第四の酸化物膜と第四のポリシリコン膜とをこの順に堆積し、前記第四のポリシリコン膜をエッチバックし、前記重度ドープn型領域の下方且つ前記p型ウェル領域の中に第一の重度ドープp型領域を注入して、
前記第一の酸化物膜と、前記第一のポリシリコン膜と、前記第二の酸化物膜と、前記第二のポリシリコン膜と、前記第三の酸化物膜と、前記第三のポリシリコン膜と、前記第四の酸化物膜と、前記第四のポリシリコン膜と、を除去する半導体装置を製造する方法。
【請求項9】
請求項8に記載される半導体装置を製造する方法において、更に、
接合電界効果領域を形成し、
ユニットセル領域の外に第二の重度ドープp型領域を形成し、
前記第二の重度ドープp型領域の一部の上に電界酸化物層を形成し、
前記接合電界効果領域の上に島状酸化物層を形成し、
ゲート極酸化物層とポリシリコン層とを堆積し、
ゲート極領域の中に前記ポリシリコン層をエッチングすることにより前記島状酸化物層を露出させ、
層間誘電体層を堆積する半導体装置を製造する方法。
【請求項10】
請求項9に記載される半導体装置を製造する方法において、更に、
前記層間誘電体層と前記ポリシリコン層をエッチングし、且つ前記ゲート極酸化物層にてエッチングを停止させ、
前記層間誘電体層と前記ゲート極酸化物層の上に接点スペーサーを堆積し、
前記接点スペーサーと前記ゲート極酸化物層をエッチバックすることにより、前記層間誘電体層と前記重度ドープn型領域を露出させ、
全面エッチングプロセスによりソース極領域の中に第一の凹みを形成し、第二の重度ドープp型領域を露出させ、そして前記第一の凹みの深さは重度ドープn型領域の深さより大きい半導体装置を製造する方法。
【請求項11】
請求項10に記載される半導体装置を製造する方法において、更に、
前記ゲート極領域と前記ソース極領域の中に第一の金属層を堆積する半導体装置を製造する方法。
【請求項12】
請求項10に記載される半導体装置を製造する方法において、全面エッチングプロセスの期間には、前記電界酸化物層と前記層間誘電体層と前記接点スペーサーに対して、前記炭化ケイ素エピタキシ層には高いエッチング選択性を有する半導体装置を製造する方法。
【請求項13】
請求項8に記載される半導体装置を製造する方法において、更に、
前記炭化ケイ素エピタキシ層の下方の炭化ケイ素基板の下方に第二の金属層を形成する半導体装置を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特にパワーMOSFET(モス電界効果トランジスタ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のパワーMOSFETでは、p型埋込層を形成するにはフォトマスクを形成する必要があるため、コストの増加に繋がる。なお、従来のパワーMOSFETでは寄生容量Cgdが大きいため、トランジスタのスイッチング速度が理想ではない。これらの課題を克服するために、新しい半導体装置及び半導体装置を製造する方法が求められている。
【発明の概要】
【0003】
上記のことに鑑みて、本発明の半導体装置は、炭化ケイ素エピタキシ層を有し、前記炭化ケイ素エピタキシ層には、p型埋込層と接合電界効果領域があり、前記接合電界効果領域はゲート極領域の中において前記p型埋込層に接触する。前記半導体装置は更に、前記炭化ケイ素エピタキシ層の上にあるゲート極酸化物層と、前記ゲート極酸化物層の上にあるポリシリコン層と、前記ポリシリコン層の上にある層間誘電体層と、ソース極領域において前記層間誘電体層と前記ポリシリコン層と前記ゲート極酸化物層を貫通し、前記炭化ケイ素エピタキシ層の中に形成される第一の凹みと、ゲート極領域の中の前記ポリシリコン層の中に形成され、底面が前記ゲート極酸化物層の上面より高い第二の凹みと、を有する。
【0004】
本発明の半導体装置を製造する方法は、炭化ケイ素エピタキシ層に上に、第一の酸化物膜と第一のポリシリコン膜と第二の酸化物膜をこの順に堆積し、p型埋込層のパターンが定義された後に、前記第二の酸化物膜と前記第一のポリシリコン膜とをエッチングし、前記第一の酸化物膜にてエッチングを停止して、前記炭化ケイ素エピタキシ層の中にp型埋層を注入し、第二のポリシリコン膜を堆積し、前記第二のポリシリコン膜をエッチバックし、前記p型埋込層の上方にp型ウェル領域を注入して、第三の酸化物膜と第三のポリシリコン膜とをこの順に堆積し、前記第三のポリシリコン膜をエッチバックし、前記p型ウェル領域の表面に重度ドープn型領域を注入して、第四の酸化物膜と第四のポリシリコン膜とをこの順に堆積し、前記第四のポリシリコン膜をエッチバックし、前記重度ドープn型領域の下方且つ前記p型ウェル領域の中に第一の重度ドープp型領域を注入して、前記第一の酸化物膜と、前記第一のポリシリコン膜と、前記第二の酸化物膜と、前記第二のポリシリコン膜と、前記第三の酸化物膜と、前記第三のポリシリコン膜と、前記第四の酸化物膜と、前記第四のポリシリコン膜と、を除去する。
【0005】
上記のように、前記半導体装置では、ゲート極領域における第二の凹みの底面が前記ゲート極酸化物層の上面より高いので、ゲート極とドレイン極の間の誘電体層が厚くなる。また、ゲート極とドレイン極が重なる部分がないので、ゲート極とドレイン極の間の寄生容量Cgdが小さくなり、スイッチング速度を改善できる。なお、前記半導体装置を製造する際に、一つだけのフォトマスクが用いられ、複数のスペーサーにより自己アライメントを行い、外から内へp型埋込層と、p型ウェル領域と、重度ドープn型領域と、ソース極領域における重度ドープp型領域PP1とが定義される上に、フォトマスクの数を増やさないので、コストも上がらない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明における半導体装置100の横断面図である。
図2】本発明における半導体装置を製造する方法200のフローチャートである。
図3】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図4】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図5】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図6】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図7】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図8】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図9】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図10】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図11】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図12】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図13】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図14】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図15】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図16】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図17】半導体装置100のもう一つの横断面図である。
図18】本発明における半導体装置を製造する方法200のもう一つのフローチャートである。
図19】本発明における半導体装置を製造する方法200のもう一つのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は本発明における半導体装置100の横断面図である。図1に示すように、半導体装置100はユニットセル領域UCと、ユニットセル領域UCの外のゲート極リード領域GLと、保護リング領域と、を有する。半導体装置100は、炭化ケイ素エピタキシ層101と、ゲート極酸化物層102と、ポリシリコン(poly silicon)層103と、層間誘電体層104と、接点スペーサー105と、島状酸化物層108と、ユニットセル領域UCの外の電界酸化物層FOXと、パッシベーション層114と、ポリイミド層115と、を有する。また、炭化ケイ素エピタキシ層101はp型ウェル領域106と、重度ドープn型領域107と、シリサイドSCと、p型埋込層PBと、接合電界効果領域JFと、重度ドープp型領域PP1と、ユニットセル領域UCの外の重度ドープp型領域PP2と、を有する。
【0008】
詳しく言うと、炭化ケイ素エピタキシ層101において、p型ウェル領域106はp型埋込層PBの上方にあり、重度ドープp型領域PP1は重度ドープn型領域107の下方にあって且つp型ウェル領域106内にあり、重度ドープn型領域107はp型ウェル領域106の表面にあって且つ一部が重度ドープp型領域PP1に重ねて、重度ドープp型領域PP1の深さは重度ドープn型領域107の深さより大きい。接合電界効果領域JFはゲート極領域においてp型埋込層に接触する。ゲート極酸化物層102は炭化ケイ素エピタキシ層101の上にあり、ゲート極酸化物層102は重度ドープn型領域107の一部とp型ウェル領域106の一部と、に重ねる。ポリシリコン層103はゲート極酸化物層102の上にあり、ポリシリコン層103はトランジスタのゲート極として形成される。層間誘電体層104はポリシリコン層103の上にあり、接点スペーサー105はゲート極酸化物層102の上にあってポリシリコン層103と層間誘電体層104とに接触する。島状酸化物層108は接合電界効果領域JFの上にあり、島状酸化物層108の厚さはゲート極酸化物層102の厚さより大きい。
【0009】
半導体装置100は更に第一の凹み109と第一の凹み111とを有する。第一の凹み109はソース極領域CTSにおいて層間誘電体層102とポリシリコン層103とゲート極酸化物層104を貫通し、炭化ケイ素エピタキシ層101の中に形成される。第二の凹み111はゲート極領域CTGの中のポリシリコン層103の中に形成され、第二の凹み111の底面は島状酸化物層108の上面であり、第二の凹み111の底面がゲート極酸化物層102の上面より高い。ゲート極領域CTGの中の島状酸化物層108によって、ゲート極とドレイン極の間の誘電体層を厚くさせる。また、ゲート極とドレイン極が重なる部分がないので、寄生容量Cgdが小さくなり、スイッチング速度を改善できる。一方、島状酸化物層108はポリシリコン層103がゲート極領域CTGにおける先端電界を低減できる。金属層110はソース極接点とゲート極接点の形成に用いられる。金属層110は第一の凹み109の中にあり、シリサイド(silicide)SCを介して第一の重度ドープp型領域PP1と重度ドープn型領域107に接触する。また、金属層110はゲート極領域CTGにおいてポリシリコン層103に接触する。金属層110は層間誘電体層104と接点スペーサー105の上に設けられ、且つ層間誘電体層104と接点スペーサー105とに接触する。ゲート極領域CTGにおいて、層間誘電体層104は第二の凹み111の中に設けられ、これにより第二の凹み111の中において、金属層110をポリシリコン層103に接触しない。重度ドープp型領域PP2はユニットセル領域UCの外にあり、且つp型ウェル領域106に接触する。
【0010】
なお、炭化ケイ素エピタキシ層101の裏面において、半導体装置100は炭化ケイ素エピタキシ層101の下方にある炭化ケイ素基板(図示しない)と炭化ケイ素基板の下方にある金属層(図示しない)とを有する。炭化ケイ素基板の下方にある金属層はドレイン極接点の形成に用いられ、金属層110と炭化ケイ素基板の下方にある金属層の組成にはNi、Ti、TiN、AlCu等が含まれるが、これらに限らない。電界酸化物層FOXはユニットセル領域UCの外にある重度ドープp型領域PP2の上に設けられる。いくつの実施形態においては、金属層110と電界酸化物層FOXの上にさらにパッシベーション層114を設けることができ、パッシベーション層114の上にさらにポリイミド層115を設けることができる。
【0011】
図2は本発明における半導体装置を製造する方法200のフローチャートであり、図3乃至図8は半導体装置100の横断面図であって、方法200のステップS1乃至S6の説明に用いられる。まず、ステップS1において、図3の示すように、炭化ケイ素エピタキシ層101に上に、酸化物膜OF1とポリシリコン膜PF1と酸化物膜OF2をこの順に堆積する。ステップS2において、図4の示すように、p型埋込層のパターンが定義された後に、酸化物膜OF2とポリシリコン膜PF1とをエッチングし、酸化物膜OF1にてエッチングを停止して、炭化ケイ素エピタキシ層101の中にp型埋層PBを注入する。ステップS3において、図5の示すように、ポリシリコン膜PF2を堆積し、ポリシリコン膜PF2をエッチバックし(酸化物膜OF1をエッチング停止層にする)、p型埋込層PBの上方にp型ウェル領域106を注入する。ステップS4において、図7の示すように、酸化物膜OF3とポリシリコン膜PF3とをこの順に堆積し(図6の示すように)、ポリシリコン膜PF3をエッチバックし(酸化物膜OF3をエッチング停止層にする)、p型ウェル領域106の表面に重度ドープn型領域107を注入する。ステップS5において、図8の示すように、酸化物膜OF4とポリシリコン膜PF4とをこの順に堆積し、ポリシリコン膜PF4をエッチバックし(酸化物膜OF4をエッチング停止層にする)、重度ドープn型領域107の下方且つp型ウェル領域106の中に重度ドープp型領域PP1を注入する。ステップS6において、酸化物膜OF1と、ポリシリコン膜PF1と、酸化物膜OF2と、ポリシリコン膜PF2と、酸化物膜OF3と、ポリシリコン膜PF3と、酸化物膜OF4と、ポリシリコン膜PF4と、を除去する。
【0012】
なお、方法200は図18図19の示すように、さらにステップS7ないしS19を有する。図9を参考すれば、ステップS7において、接合電界効果領域JFを形成する。ステップS8において、ユニットセル領域UCの外に重度ドープp型領域PP2を形成する。図10の示すように、ステップS9において、重度ドープp型領域PP2の一部の上に電界酸化物層FOXを形成する。図11の示すように、ステップS10において、接合電界効果領域JFの上に島状酸化物層108を形成する。図12の示すように、ステップS11において、ゲート極酸化物層102とポリシリコン層103とを堆積する。ステップS12において、ゲート極領域CTGの中にポリシリコン層103をエッチングすることにより第二の凹み111を形成し、島状酸化物層108を露出させる。図13の示すように、ステップS13において、層間誘電体層104を堆積する。図14の示すように、ステップS14において、ソース極領域CTSにおいて層間誘電体層104とポリシリコン層103をエッチングし、且つゲート極酸化物層102にてエッチングを停止させる。
【0013】
図15の示すように、ステップS15において、層間誘電体層104とゲート極酸化物層102の上に接点スペーサー105を堆積する。図16の示すように、ステップS16において、接点スペーサー105とゲート極酸化物層102をエッチバックすることにより、層間誘電体層104と重度ドープn型領域107を露出させる。図17の示すように、ステップS17において、全面エッチングプロセスによりソース極領域CTSの中に第一の凹み109を形成し、重度ドープp型領域PP1を露出させる。そして第一の凹み109の深さは重度ドープn型領域107の深さより大きい。前記全面エッチングプロセスの期間には、電界酸化物層FOXと層間誘電体層104と接点スペーサー105に対して、炭化ケイ素エピタキシ層101には高いエッチング選択性を有する。方法200はさらにステップS18を有し、図1の示すように、ゲート極領域CTGとソース極領域CTSにおいて金属層110を堆積するが、金属層110を堆積する前に、重度ドープp型領域PP1と重度ドープn型領域107の上にシリサイドSCを形成できる。方法200はさらにステップS19を有し、炭化ケイ素エピタキシ層101の下方の炭化ケイ素基板の下方にもう一つの金属層を形成する。
【0014】
方法200において、一つのフォトマスクが用いられ、複数のスペーサー(例えばポリシリコン膜PF1ないしPF4)により自己アライメントを行い、外から内へp型埋込層PBと、p型ウェル領域106と、重度ドープn型領域107と、重度ドープp型領域PP1とが定義される。図1の領域MSの示すように、領域MSは複数のスペーサーを製造するための領域であり、重度ドープp型領域PP1の条件は自由に選択できるので、保護リング領域GRにおける重度ドープp型領域PP2の条件を考慮する必要がない。重度ドープp型領域PP1を注入する際に、本発明の方法によれば、低エネルギーに対応する濃度を省略でき、且つ重度ドープn型領域107の濃度に影響しない。低エネルギーに対応する濃度を省略して重度ドープp型領域PP1を注入することにより、重度ドープn型領域107の濃度が高くなり、シリサイドSCと重度ドープn型領域107の接触面積を増やして、接触抵抗を低減させる。
【0015】
以上のとおり、当業者が本明細書をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説してきた。当業者であれば理解できるが、本発明が掲示した内容に基づき、他のプロセスおよび構造を設計または変更することにより、上記の実施例と同じ目的および/または上記の実施例と同じ利点を達成できる。また、当業者であれば理解できるが、本発明の精神および範囲から逸脱しない同等の構造であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変を加えることができる。
【符号の説明】
【0016】
100: 半導体装置
200: 方法
101: 炭化ケイ素エピタキシ層
102: ゲート極酸化物層
103: ポリシリコン層
104: 層間誘電体層
105: 接点スペーサー
106: p型ウェル領域
107: 重度ドープn型領域
108: 島状酸化物層
109: 第一の凹み
110: 金属層
111: 第二の凹み
114: パッシベーション層
115: ポリイミド層
FOX: 電界酸化物層
SC: シリサイド
PB: p型埋込層
JF: 接合電界効果領域
CTS: ソース極領域
CTG: ゲート極領域
PP1: 重度ドープp型領域
PP2: 重度ドープp型領域
UC: ユニットセル領域
GL: ゲート極リード領域
GR: 保護リング領域
MS: 領域
OF1: 酸化物膜
OF2: 酸化物膜
OF3: 酸化物膜
OF4: 酸化物膜
PF1: ポリシリコン膜
PF2: ポリシリコン膜
PF3: ポリシリコン膜
PF4: ポリシリコン膜
S1: ステップ
S2: ステップ
S3: ステップ
S4: ステップ
S5: ステップ
S6: ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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