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特開2025-3630アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003630
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A24B3/14
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024187372
(22)【出願日】2024-10-24
(62)【分割の表示】P 2021534806の分割
【原出願日】2019-12-18
(31)【優先権主張番号】18213653.1
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】デル ボレロ ミケーレ
(57)【要約】
【課題】本発明は、アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造する方法に関する。
【解決手段】この方法は、・(100)アルカロイドを含有する材料および水を含むスラリーをタンクの中に提供する工程と、・(101)タンクに複数の出口を提供する工程と、・(102)アルカロイドを含有する材料の複数の平行なシートを形成するために、スラリーを出口から、移動可能な支持体上に供給する工程と、・移動可能な支持体を移動する一方で、アルカロイドを含有する材料の平行なシートを移動可能な支持体上で分離された状態に保つ工程と、を含む。本発明はまた、アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造するための装置(1)に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造する方法であって、
〇アルカロイドを含有する材料および水を含むスラリーをタンクの中に提供する工程と、
〇前記タンクに複数の出口を提供する工程と、
〇アルカロイドを含有する材料の複数の平行なシートを形成するために、スラリーを前記出口から、移動可能な支持体上に供給する工程と、
〇前記移動可能な支持体を移動する一方で、アルカロイドを含有する材料の前記平行なシートを前記移動可能な支持体上で分離された状態に保つ工程と、を含む、方法。
【請求項2】
〇アルカロイドを含有する材料の前記平行なシートを同時に乾燥する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出口から、移動可能な支持体上にスラリーを供給する前記工程が、
〇前記スラリーを前記移動可能な支持体上にスプレーするまたは排出することを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
〇前記複数の各出口から別々に供給された前記スラリーの圧力または流量を調節する工程を含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
〇同一の出口から供給された前記スラリーの前記流量に基づいて、前記複数の各出口から供給された前記スラリーの前記圧力を変更する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
〇前記タンク中で前記スラリーを攪拌する工程を含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
〇前記複数の出口の一つ以上にて、または前記タンク内部で前記スラリーを加熱する工程を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
〇前記移動可能な支持体に対して、前記複数の前記出口のうちの一つ以上から供給されたスラリーの流れを配向する工程を含む、請求項1~7のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項9】
アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造するための装置であって、
〇複数の出口を有するスラリーを包含するように適合されたタンクと、
〇搬送方向に沿って動くように適合された移動可能な支持体と、
〇前記搬送方向に対して平行に、かつ前記移動可能な支持体の表面に接触して位置付けられた複数のセパレータであって、前記移動可能な支持体の前記表面を数多くのセクションに分割する、複数のセパレータと、を備え、
〇前記複数の前記出口の各々が、セクションの上方に位置する、装置。
【請求項10】
前記複数の各出口にてスプレーガンまたは排出ガンを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の各出口にて圧力調節器を含む、請求項9または請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の各出口にて流量計を含む、請求項9~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記搬送方向に垂直な方向での前記セクションの幅が、好ましくは約10ミリメートル~約300ミリメートルから成る、請求項9~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記搬送方向に垂直な方向での前記セパレータの高さが、好ましくは約10ミリメートル~約100ミリメートルから成る、請求項9~13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記複数の各出口の寸法または形状が変更可能である、請求項9~14のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造するための方法および装置に関する。特に本発明は、例えば紙巻たばこ、または「加熱非燃焼」タイプのアルカロイド含有製品などのエアロゾル発生物品で使用する材料の複数のシートを製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、たばこ製品の製造において、たばこ葉以外に、均質化したたばこ材料も使用されている。この均質化したたばこ材料は典型的に、カットフィラーの製造にあまり適していないたばこ植物の部分(例えば、たばこ茎またはたばこダスト)から製造される。典型的に、たばこダストは製造中のたばこ葉の取り扱い中に副産物として作り出される。
【0003】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこダストと結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。次にスラリーは、例えばいわゆるキャストリーフを製造するために、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルト上にキャストすることによって、たばこウェブを作り出すために使用される。別の方法として、粘度が低くかつ含水量が高いスラリーを使用して、製紙と似たプロセスで再構成たばこを作り出すことができる。均質化したたばこウェブは調製されると、紙巻たばこおよび他の喫煙物品のために適切なたばこカットフィラーを製造するために、カットされていないそのままの葉たばこと類似した様式で切断されてもよい。こうした均質化したたばこを作製するプロセスは、例えば欧州特許第EP0565360号に開示されている。
【0004】
前述のプロセスにおいて、スラリーは、移動ベルトなどの基材上でキャストされ、その後、エアロゾル発生物品の構成要素を得るためにさらに加工することができる材料のシートを得るために加熱される。キャストシートを上に載せた移動ベルトは、シートを徐々に加熱し、かつ乾燥するように温度が制御されている長い「乾燥機」内部を移動する。
【0005】
比較的に幅の広いシートの乾燥後、このシートはより小さいセクションに分割され、次いで「小さい」ボビン状に巻かれる。別の方法として、大きい「マスターボビン」が作り出され、シート全体が「大きい」ボビン状に巻かれ、その後貯蔵される。シートをさらに加工する必要がある時、マスターボビンは、取り扱いがより簡単なより小さいボビンに切断される。
【0006】
これらのプロセス工程が実行されるたびに、シートの固有の脆弱性およびその「粘着性」に起因して、シートまたはそのより小さいセクションを破損するリスクが常にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
製造中のアルカロイドを含む材料のシートの損傷を最少化するために、その特異的な特性に対処する、上述のプロセスを単純化する方法および装置に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造するための方法に関し、方法は、アルカロイドを含有する材料および水を含むスラリーをタンクの中に提供する工程と、タンクに複数の出口を提供する工程と、アルカロイドを含有する材料の複数の平行なシートを形成するために、出口からスラリーを移動可能な支持体上に供給する工程と、移動可能な支持体を移動する間、アルカロイドを含有する材料の平行なシートを移動可能な支持体上で分離された状態に保つ工程とを含む。
【0009】
本発明によると、複数のシートがスラリーから同時に形成される。シートは、同一の移動可能な支持体上で互いに平行に配置される。このようにして、製造を長くすることなく、既に「より小さい」シートが製造されているので、また幾つかのシートが並列的に製造されるので、その製造後にシートを接合する必要はない。さらに、シートのより小さい寸法はまた、より速く、かつより均一な乾燥を可能にする場合がある。
【0010】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。平行なシートの組み合わされた幅は、約10ミリメートルよりも大きいことが好ましく、約20ミリメートルまたは約30ミリメートルよりも大きいことがより好ましい。アルカロイドを含有する材料のシートの幅は、約60ミリメートル~約2500ミリメートルから成ることが、なおより好ましい。アルカロイドを含有する材料のシートの厚さは、約50マイクロメートル~約300マイクロメートルから成ることが好ましく、シートの厚さは、約100マイクロメートル~約250マイクロメートルから成ることがより好ましく、約130マイクロメートル~220マイクロメートルから成ることがさらにより好ましい。
【0011】
連続的な「シート」は本明細書において、「ウェブ」と呼ばれる。
【0012】
本明細書で使用される「移動可能な支持体」という用語は、少なくとも一つの長軸方向に移動することができる表面を備える任意の手段を意味する。移動可能な支持体は、一つの方向に途切れることのない搬送を提供するように、閉ループを形成してもよい。移動可能な支持体はコンベヤーベルトを含んでもよい。移動可能な支持体は本質的に平坦であってもよく、また構造化された表面または構造化されていない表面を示してもよい。移動可能な支持体は、その表面に開口を有しなくてもよく、または好ましくはその上に堆積されるスラリーが貫通することができないようなサイズのオリフィスを含んでもよい。移動可能な支持体は、シート様の移動可能でかつ曲げることができる帯を備えてもよい。帯は、鋼、銅、鉄合金、銅合金を含むがこれらに限定されない金属材料で作製されてもよい。帯はゴムで作製されてもよい。帯は、加熱されてスラリーの乾燥プロセスを加速することができるように、耐熱性材料で作製されてもよい。
【0013】
本明細書で使用される「スラリー」という用語は、異なる液体様の、粘性のある、またはペースト状の材料の乳濁液を含みうる、およびある特定の量の固体状態の粒子を含有しうる(ただし、スラリーは依然として液体様の、粘性のある、またはペースト状の挙動を示す)、液体様の、粘性のある、またはペースト状の材料を意味する。
【0014】
「アルカロイドを含有する材料」は、一つ以上のアルカロイドを含有する材料である。アルカロイドはニコチンを含んでもよい。ニコチンは、例えばたばこの中に見いだされる場合がある。
【0015】
アルカロイドは、塩基性の窒素原子を主に含有する天然の化合物の群である。この群はまた、中性特性を有する一部の関連する化合物、および弱酸性特性を有する一部の関連する化合物さえも含む。類似の構造の一部の合成化合物もアルカロイドと呼ばれる。炭素、水素、窒素に加えて、アルカロイドはまた、酸素、硫黄、より稀には塩素、臭素、リンなどのその他の元素も含有する場合がある。
【0016】
アルカロイドは細菌、真菌、植物、動物を含む多種多様な生物体によって生成されている。アルカロイドは酸塩基抽出によって、これらの生物体の粗抽出物から精製することができる。カフェイン、ニコチン、テオブロミン、アトロピン、ツボクラリンはアルカロイドの例である。
【0017】
アルカロイドを含有する材料は、均質化したたばこ材料を含むことが好ましい。従って、この場合、アルカロイドはニコチンである。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、アルカロイドニコチンを含有する、粒子状のたばこを凝集することによって形成された材料を意味する。
【0018】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこダストと結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。その後、たばこウェブを作り出すためにスラリーが使用される。例えば、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルト上にキャストすることによって、いわゆるキャストリーフを製造する。別の方法として、粘度が低くかつ含水量が高いスラリーを使用して、製紙と似たプロセスで再構成たばこを作り出すことができる。
【0019】
たばこのシート材料は、再構成シート材料と呼ばれることができ、たばこ組成物を形成するために、粒子状のたばこ(例えば、再構成たばこ)またはたばこ微粒子のブレンド、湿潤剤、水性溶剤を使用して形成されることができる。このたばこ組成物はその後、たばこ組成物からシート材料を形成するために、キャストされ、押出成形され、圧延され、またはプレスされてもよい。紙様の材料を作製するためにたばこの微粉が使用される湿式プロセス、またはたばこの微粉が結合剤材料と一緒に混合されて、移動するベルト上にキャストされてシートを形成するキャストリーフプロセスを利用して、たばこのシートを形成することができる。
【0020】
均質化したたばこシートは概して、たばこに加えて、結合剤を含む。さらに、均質化したたばこシートは、グアーおよびグリセリンなどのエアロゾル形成体を含んでもよい。
【0021】
「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成する場合がある揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。典型的に、エアロゾル形成基体は、加熱に伴い揮発性化合物を放出する。エアロゾル形成基体は、揮発性アルカロイド風味化合物を含有するアルカロイドを含有する材料を含んでもよく、これは加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される。エアロゾル形成基体は均質化した材料を含んでもよい。
【0022】
アルカロイドを含有する材料のシートを形成するために、スラリーが形成される。
【0023】
このスラリーは、数多くの異なる構成要素または成分を含んでもよい。これらの構成要素は、アルカロイドを含有する材料のキャストシートの特性に影響を及ぼす場合がある。第一の成分は、例えば粉末形態のアルカロイドを含有する材料である。この材料は、例えばたばこ粉末ブレンドとすることができ、これはスラリー中に存在するたばこの大半を含有することが好ましい。たばこ粉末ブレンドは均質化したたばこ材料中のたばこの大部分の供与源であり、それ故に、例えば均質化したたばこ材料を加熱することによって生成されるエアロゾルなどの最終生成物に風味を与えるものである。
【0024】
アルカロイドを含有する材料の粉末は、約0.03ミリメートル~約0.12ミリメートルのサイズを有することが好ましい。アルカロイドを含有する材料の粒子または粉末のサイズは、Dv95サイズを意味する。上記に列挙された値の各々は、粒子サイズのDv95を示す。Dv95の「v」は、体積分布が考慮されることを意味する。体積分布の使用は、等価球の概念を導入する。等価球は、我々が測定している特性における実際の粒子と等しい球である。それ故にそれは光散乱法では、実際の粒子と同一の散乱強度を生成することになる球である。これは実質的に、同一の体積の粒子を有する球である。さらに、Dv95の「95」は、分布の95%がより小さい粒子サイズを有し、5%がより大きい粒子サイズを有する直径を意味する。それ故に粒子サイズは、粒子の95パーセントが、述べられた値よりも小さい直径(粒子の実質的に同一の体積を有する対応する球の直径)を有する、体積分布によるそのサイズである。60マイクロメートルの粒子サイズとは、粒子の95パーセントが60マイクロメートルよりも小さい直径を有し、直径が粒子よりも対応する体積を有する球の直径であることを意味する。
【0025】
粒子のDv95サイズは、Horiba LA950またはLA960粒子サイズ分布分析器を使用して測定される。HORIBA LA-960粒子サイズ分析器は、レーザー回折法を使用してサイズ分布を測定する。この技法は、第一の原理を使用して、粒子から散乱した光(エッジ回折)と、粒子を通した光(二次散乱屈折)とを使用してサイズを計算する。LA-960はミー散乱理論を組み込んでいる。
【0026】
均質化したシートの引張特性を強化するために、結合剤がスラリーに添加されてもよい。エアロゾルの形成を促進するために、エアロゾル形成体をスラリーに添加してもよい。さらに、アルカロイドを含有する材料のウェブをキャストするために最適なある特定の粘度および水分に達するために、スラリーに水が添加されてもよい。
【0027】
スラリーに添加される結合剤の量は、スラリーの乾燥重量で約1パーセント~約5パーセントから成ってもよい。結合剤の量は、約2パーセント~約4パーセントから成ることがより好ましい。スラリーで使用される結合剤は、本明細書に記載のガムまたはペクチンのうちのいずれかであってもよい。結合剤は、たばこなどのアルカロイドを含有する材料の粉末が、均質化したたばこウェブ全体を通して実質的に分散したままであることを確実にする場合がある。任意の結合剤を採用してもよいが、好ましい結合剤は、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアー、ヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルローカストビーンガム、ヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものである。本発明で使用するために特に好ましい結合剤はグアーである。
【0028】
アルカロイドを含有する材料のためのスラリーの中に含むための適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、一価アルコール(メントールなど)、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
好ましいエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0030】
スラリーは、乾燥重量基準で約5パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有してもよい。スラリーは、乾燥重量基準で約5~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成体は、スラリーの乾燥重量の約10パーセント~約25パーセントから成ることがより好ましい。エアロゾル形成体は、スラリーの乾燥重量の約15パーセント~約25パーセントから成ることがより好ましい。
【0031】
アルカロイド材料ウェブの引張強さを増大するために、強化剤として作用する、セルロース繊維を含有するセルロースパルプがスラリーに添加されることが好ましい。
【0032】
スラリー内へのセルロース繊維の導入は典型的に、アルカロイドを含有する材料のシートの引張強さを増大し、強化剤として作用する。従って、セルロース繊維を添加することは、アルカロイドを含有する材料のシートの弾力性を増大する場合がある。アルカロイドを含有する材料のシートのためのスラリーの中に含むためのセルロース繊維は当業界で周知であり、これには針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維は、パルプ化に加えて、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切なプロセスに供されてもよい。セルロース繊維は、たばこ茎材料、葉柄、または他のたばこ植物材料を含んでもよい。木材繊維などのセルロース繊維は低いリグニン含有量を含むことが好ましい。別の方法として、植物繊維などの繊維を上記の繊維とともに、またはその代替として使用してもよく、これには麻および竹が含まれる。セルロース繊維の長さは有利なことに、約0.2ミリメートル~約4ミリメートルである。セルロース繊維の重量当たりの平均長さは、約1ミリメートル~約3ミリメートルであることが好ましい。さらに、セルロース繊維の量は、スラリー(または均質化したたばこシート)の総重量の乾燥重量基準で約1パーセント~約7パーセントから成ることが好ましい。
【0033】
繊維の平均長さは、Techpap SASによって商品化されたMORFI COMPACTによって測定される通りのそれらの実際の長さ(それらがカールしているか、またはよれているかにかかわらず)を指す。平均長さは、N本の繊維(N>5である)の測定値に対して、MORFI COMPACTによって測定された繊維の長さの数学的平均である。MORFI COMPACTは、繊維の構造に従って繊維の長さを測定する繊維分析器であり、それ故に繊維の実際の発生された長さを測定する。測定された物体は、その長さが200マイクロメートル~10000マイクロメートルから成り、かつその幅が5マイクロメートル~75マイクロメートルから成る場合に、繊維と見なされる。繊維の長さは、脱イオン水が繊維に添加され、かつMorfiソフトウェアが使用されている時に測定される。
【0034】
結合剤およびセルロース繊維は、約1:7~約5:1から成る重量比で含まれることが好ましい。結合剤およびセルロース繊維は、約1:1~約3:1から成る重量比で含まれることがより好ましい。
【0035】
結合剤およびエアロゾル形成体は、約1:30~約1:1から成る重量比で含まれることが好ましい。結合剤およびエアロゾル形成体は、約1:20~約1:4から成る重量比で含まれることがより好ましい。
【0036】
アルカロイドを含有する材料は、たばこであることが好ましい。結合剤およびたばこ粒子は、約1:100~約1:10から成る重量比で含まれることが好ましい。結合剤およびたばこ粒子は、約1:50~約1:15から成る重量比で含まれることがより好ましく、約1:30~1:20から成ることがなおより好ましい。
【0037】
エアロゾル形成体およびたばこ粒子は、約1:20~約1:1から成る重量比で含まれることが好ましい。エアロゾル形成体およびたばこ粒子は、約1:6~約1:2から成る重量比で含まれることがより好ましい。
【0038】
エアロゾル形成体およびセルロース繊維は、約1:1~約30:1から成る重量比で含まれることが好ましい。エアロゾル形成体およびセルロース繊維は、約5:1~約15:1から成る重量比で含まれることがより好ましい。
【0039】
セルロース繊維およびたばこ粒子は、約1:100~約1:10から成る重量比で含まれることが好ましい。より好ましくは、セルロース繊維およびたばこ粒子は、約1:50~約1:20から成る重量比で含まれることが好ましい。
【0040】
アルカロイドを含有する材料、水、および好ましくは上述の一部の成分またはすべての成分を含有する材料で形成されたスラリーは、例えばタンクの中に包含されてもよい。スラリーは、異なる場所からタンクに到達してもよい。従ってタンクは、スラリーが形成される場所ではなくてもよい。例えば、スラリーはサイロの中で作り出され、そこから適切な配管を介してタンクに移送されてもよい。
【0041】
タンク内部のスラリーは、およそ周囲温度、すなわち摂氏約15度~摂氏約30度に保たれることが好ましい。
【0042】
タンクから、スラリーは移動可能な支持体に移送されて、複数のシートを形成する。シートは、移動可能な支持体、例えばコンベヤーベルトの表面上に形成されることが好ましい。移動可能な支持体が沿って移動する方向は、搬送方向を画定する。
【0043】
タンクは、移動可能な支持体の上方に位置することが好ましく、またシートが形成される移動可能な支持体の表面は、実質的に水平な表面を形成することが好ましい。
【0044】
スラリーはタンクに連続的に供給され、一方でスラリーは、アルカロイドを含有する材料の複数の連続シートを形成するために移動可能な支持体上に供給されることが好ましい。それ故に、サイロおよびタンクは、スラリーが一方からもう一方に流れることを可能にするために流体接続されることが好ましい。
【0045】
スラリーのレベルは、例えば適切なセンサーによって、タンク内部でチェックされることが好ましい。スラリーは、ポンプによってタンクの中に導入されることが好ましい。フィードバック制御ループがあり、スラリーのレベルに関するセンサーからの信号が、ポンプ出力を変更しうることがより好ましい。
【0046】
このようにして、事前定義された量のスラリーがタンク中に維持されることが好ましい。
【0047】
タンクはボックス形状であることが好ましい。好ましくは、タンクは壁を含む。次に壁は側壁を備えることがより好ましい。側壁は、第一の側壁、第二の側壁、第三の側壁、および第四の側壁と呼ばれる、対向する壁の第一の対および第二の対を含んでもよい。側壁は有利なことに、実質的に垂直であるか、または垂直平面に対して傾斜している。第一の側壁および第二の側壁、ならびに第三の側壁および第四の側壁は、一方がもう一方に面している。タンクの壁はまた、底部壁を含むことが好ましい。
【0048】
タンクは複数の出口を含む。出口は、例えば底部壁など、タンクの壁上に形成される。タンクの中に形成された出口は、任意の構成で配設されることができる。出口は線に沿って分布していることが好ましい。出口は、タンクから延びるパイプの端に位置することができる。この場合、タンクは(例えば底部壁に)一つの開口部を有してもよく、この開口部から主パイプが延びる。次に、主パイプは複数のパイプに分岐し、各々は出口で終わる。別の方法として、複数の開口部がタンクの中に(例えば底部壁に)形成され、この開口部から複数のパイプが延び、各々が開口部から始まり、出口で終わる。従って、この場合、出口は、スラリーを移動可能な支持体に供給するパイプの端に位置してもよい。
【0049】
スラリーは出口から、移動可能な支持体に配分される。
【0050】
スラリーは、移動可能な支持体上に直接塗布されてもよく、またはスラリーが基材シートに塗布されるように、一つ以上の基材シートが移動可能な支持体とタンクの間に置かれてもよい。基材シートは、移動可能な支持体上に位置付けられてもよい。
【0051】
二つの最も近い隣接する出口の間の距離は、すべての出口の間で一定のままであることが好ましい。
【0052】
タンクの底部壁が(X,Y)平面(Xは搬送方向に平行である)を画定するものであると見なし、かつ側壁が(少なくとも構成要素にわたって)(X,Y)平面に平行なZ軸に沿って延びるものと見なすと、出口はY軸に対して平行な線を形成することが好ましい。しかしながら、出口は複数の平行な線で配設されてもよい。
【0053】
移動する支持体は、出口から出るスラリーを取り除くために、長軸方向(搬送方向)に沿って移動することが好ましい。搬送方向と直角を成す移動可能な支持体の寸法は、移動可能な支持体の幅と呼ばれる。この支持体は、例えばステンレス鋼製の移動可能なベルトを含んでもよい。この支持体は、移動可能な支持体を前進させるように適合されているドラムによって移動されることが好ましい。このドラムは、アルカロイドを含有する材料のシートのための移動可能な支持体と熱的に接触するようにさらに適合される。
【0054】
複数の出口は異なる場所において、スラリーを移動可能な支持体の上に、または移動可能な支持体上に定置された基材シート上で配分する。移動可能な支持体が搬送方向に沿って移動するという事実に起因して、配分されたスラリーは、各異なる出口に対して一つずつの、搬送方向に沿って延びる、異なるスラリーシートを形成する。搬送方向と直角を成す方向の、移動可能な支持体上で形成されたシートの寸法は、シートの幅と呼ばれる。
【0055】
シートの各々の幅は、約10ミリメートル~約300ミリメートルから成ることが好ましい。出口から同時に形成されるすべてのシートは、実質的に同一の幅を有することが好ましい。
【0056】
出口から形成されたシートは重複していなく、すなわち各シートは、移動可能な支持体または基材シートと接触する一つの表面を有することが好ましい。シートは別のシートの上には置かれない。異なる出口から形成された異なるシート同士には接触がないことが好ましい。
【0057】
シートは、移動可能な支持体の移動中に、互いに分離された状態に維持される。シートを分離された状態に保たないと、スラリーの実質的に液体またはペースト状の状態に起因して、シートは互いに結合して単一のシートを形成する傾向があることになる。それ故に、異なる位置に位置する出口によって形成されている平行なシートは、移動可能な支持体がそれらシートを搬送方向に沿って搬送する間、分離された状態に保たれる。
【0058】
このようにして、複数のシートが同時に形成され、各シートは、例えばエアロゾル発生物品の形成のためのさらなる加工工程に適した比較的に「小さい」幅を有する。搬送方向に沿って複数のより小さいシートにシートを分割するような工程は回避される。
【0059】
少なくとも、移動可能な支持体のセクション上に、基材シートが提供されることが好ましい。出口の数と等しい数の基材シートが提供されることが好ましい。それ故にスラリーは基材シートの上方に堆積され、これによってスラリーと基材シートは一緒に、アルカロイドを含有する材料の複数のシートを形成する。
【0060】
基材シートは、繊維を含む基材シートであることが好ましい。基材シートは、比較的に高い引張強さを有するアルカロイドを含む材料のシートを形成するために使用されてもよい。これは、アルカロイドを含有する材料の結果として得られるシートを強化するために、低い繊維含有量を有するスラリーとともに使用されてもよい。
【0061】
繊維を含む基材シートは典型的に、比較的に「強い」シートであり、その引張強さは、シートが上で接触する必要のあるいかなる追加的な基材も必要とせずに、ローラーの間で搬送されることができるような引張強さである。基材シートの引張強さは、約0.1ニュートン/(ミリメートル)2~約1ニュートン/(ミリメートル)2から成ることが好ましい。
【0062】
基材シートは、セルロース、麻、ケナフ、竹パルプ、綿、絹、木材、またはこれらの組み合わせを含む、天然または合成の異なる材料で作製されてもよい。材料の選択は、アルカロイドを含有する材料を含む最終的なシートに期待される機械的特性に従って行われる。
【0063】
基材シート中の繊維は、織られていてもよく、または織られていなくてもよい。織られていない場合、繊維は主として一方向に配向されていてもよい。また、繊維は、例えば無作為に配向されていてもよい。織られている場合、様々なパターンを使用することが可能である。基材シートは繊維のマットを含んでもよい。繊維は無作為に配設されてもよく、シートへと扁平にされてもよく、または織物へと織られてもよい。基材シートは、繊維を一緒に保持するための結合剤を含んでもよい。結合剤はメチルセルロースを含んでもよい。
【0064】
基材シートは編組シートであることが好ましい。編組シートは、繊維が絡み合ったシートである。すべての繊維が絡み合う必要はないが、その一部が絡み合う。編組シートは、均質で、かつ比較的に高い機械的強度を得ることを可能にする。
【0065】
基材シート中の繊維の含有量は、50グラム/(メートル)2よりも低いことが好ましい。
【0066】
基材シートはセルロース繊維を含むことが好ましい。シートを形成するセルロース繊維は当業界で周知であり、これには針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維は、パルプ化に加えて、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切なプロセスに供されてもよい。セルロース繊維は、たばこ茎材料、葉柄、または他のたばこ植物材料を含んでもよい。木材繊維などのセルロース繊維は低いリグニン含有量を含むことが好ましい。別の方法として、植物繊維などの繊維を上記の繊維とともに、またはその代替として使用してもよく、これには麻および竹が含まれる。
【0067】
繊維を含む基材シートは、約0.7ミリメートル~約50ミリメートルから成る平均繊維長さを有する繊維を含む。繊維を含む基材シートの繊維は、約1ミリメートル~約25ミリメートルから成る平均繊維長さを有する繊維を含むことがより好ましい。繊維を含む基材シートの繊維は、約1ミリメートル~約10ミリメートルから成る平均繊維長さを有する繊維を含むことがより好ましい。繊維を含む基材シートの繊維は、約1ミリメートル~約5ミリメートルから成る平均繊維長さを有する繊維を含むことがより好ましい。繊維を含む基材シートの繊維は、約1.2ミリメートル~約1.8ミリメートルから成る平均繊維長さを有する繊維を含むことがなおより好ましい。
【0068】
繊維の平均長さは、Techpap SASによって商品化されたMORFI COMPACTによって測定される通りのそれらの実際の長さ(それらがカールしているか、またはよれているかにかかわらず)を指す。平均長さは、N本の繊維(N>5である)の測定値に対して、MORFI COMPACTによって測定された繊維の長さの数学的平均である。MORFI COMPACTは、繊維の構造に従って繊維の長さを測定する繊維分析器であり、それ故に繊維の実際の発生された長さを測定する。測定された物体は、その長さが200マイクロメートル~10000マイクロメートルから成り、かつその幅が5マイクロメートル~75マイクロメートルから成る場合に、繊維と見なされる。繊維の長さは、脱イオン水が繊維に添加され、かつMorfiソフトウェアが使用されている時に測定される。
【0069】
基材シートは第一の表面と第二の表面を画定し、一方の表面がもう一方の表面の反対向きである。第一の表面または第二の表面は、実質的に平面の表面であってもよい。第一の表面または第二の表面は水平であってもよく、すなわち水平面に対して平行であってもよく、または傾斜していてもよい。
【0070】
第二の表面は移動可能な支持体と接触することが好ましく、一方で第一の表面上にはスラリーが堆積することが好ましい。
【0071】
基材シートと接触するスラリーは、基材シートによって完全に吸収または吸着されてもよい。スラリーは、基材シートの第一の表面上に第二の層と呼ばれる層を形成してもよい。スラリーは、基材シートによって部分的に吸収または吸着されてもよく、基材シートの第一の表面を部分的に被覆してもよい。
【0072】
好ましくは、スラリーの塗布は、基材シート上に第二の層を形成してもよい。実質的に、スラリーの被覆層は、基材シートの第一の表面上に形成される。
【0073】
スラリーの塗布は、基材シートをスラリーで含浸してもよい。
【0074】
基材シートの組成物、またはスラリーの組成物、または基材シートとスラリーの両方の組成物に依存して、例えばスラリー中に含有された水の量または結合剤の量に依存して、スラリーは、基材シートによって、最小限に、部分的に、または大部分が吸収または吸着されてもよい。スラリーが基材シートによって最小限、または部分的にのみ吸収される場合、第二の層は、スラリーが塗布される基材シートの表面上に形成され、そして多層シートが形成される。
【0075】
スラリーが基材シートによって吸収または吸着される吸着プロセスが行われる場合、基材シートはスラリーによって含浸されるようになる。スラリーは、基材シートによって完全に吸収される可能性がある。スラリーはまた、被覆層を形成し、かつ基材シートを含浸してもよい。
【0076】
収着は物理的かつ化学的プロセスであり、このプロセスによって一つの物質が別の物質に結合する。収着の特異的な事例は、吸収(ある状態の物質が異なる状態の別の物質に組み込まれ、こうした液体スラリーが固体基材シートによって吸収されている)、または吸着(イオンおよび分子が別の相の表面上に物理的に付着または結合される)である。
【0077】
基材シートおよび第一の表面に塗布されたスラリーによって形成された、結果として得られるシートは、基材シートの第一の表面に垂直に取られた断面中に異なる組成物を有してもよい。第二の表面にて、スラリーの最も低い濃度が存在してもよい。第一の表面にて、スラリーの最も高い濃度が存在してもよい。第一の表面と第二の表面の間に、基材シートの材料とスラリーの組み合わせが、異なる濃度で存在してもよい。
【0078】
方法は、アルカロイドを含有する材料の平行なシートを同時に乾燥する工程を含むことが好ましい。キャスト後、シートは、その水分含有量を減少させるために乾燥され、次いで「硬化」されることが好ましい。シートを乾燥するために、乾燥ステーション(略して「乾燥機」)を使用することができる。すべてのシートを一緒に乾燥し、プロセスを加速する。加えて、より幅の広いシートに対して「より小さい」シートを乾燥させることは、結果としてもたらされる欠陥を最少化するシート自体のより均一な乾燥をもたらすことができる。
【0079】
乾燥ステーションにおいて、シート内部の水分を減少することができるように、シートの温度は上昇されることが好ましい。キャストする工程での当該シートの水分、すなわちスラリーの水分は、約60パーセント~約80パーセントであることが好ましい。乾燥の終了時での当該シートの水分は、アルカロイドを含有する材料のシートの総重量の約7パーセント~約15パーセントであることが好ましい。乾燥の終了時でのアルカロイドを含有する材料の当該シートの水分は、アルカロイドを含有する材料のシートの総重量の約8パーセント~約12パーセントであることが好ましい。キャスト時および乾燥プロセスの終了時でのスラリーの水分は、その後の製造工程における、シートの均質性およびアルカロイドを含有する材料のシートの製造性に影響を及ぼすので、制御するべき重要なパラメータである。
【0080】
スラリーの水分の理想的なレベルは、約60パーセント~約80パーセントであることが分かっている。この好ましい範囲未満では、キャスト時のスラリーの密度は、形成されたシート中に欠陥の出現を頻繁に引き起こすような密度である。また、この範囲外の水分レベルは、その後の処理工程におけるアルカロイドを含有する材料のシートの効率的な取り扱いを複雑にする場合があるシートの引張強さの低減をもたらす場合がある。従って、乾燥工程中にシートから除去される必要がある過剰な水分は、かなり多い。
【0081】
水分の除去は、加熱された流体の流れに曝露することによって実行されることが好ましい。例えば、加熱された流体は乾燥用空気とすることができ、乾燥用空気はキャストシートの温度よりも高い温度を有する。蒸気を使用することも可能である。
【0082】
スラリーを出口から、移動可能な支持体上に供給する工程は、スラリーを移動可能な支持体上にスプレーするまたは排出する工程を含むことが好ましい。スラリーをタンクから、移動可能な支持体に供給するために、スラリーは、例えば適切なノズルまたはガンによって、移動可能な支持体上にスプレーするまたは排出することができる。従って、単純かつ効果的なシートの形成が達成される。
【0083】
方法は、複数の各出口から別々に供給されたスラリーの圧力または流量を調節する工程を含むことが好ましい。出口の少なくとも一つの流量は、その他の流量とは別々に調節されることが好ましい。方法は、同一の出口から供給されたスラリーの流量に基づいて、複数の各出口から供給されたスラリーの圧力を変更する工程を含むことがより好ましい。各出口から出るスラリーの量および圧力は、モニターされることが好ましい。このモニターする工程は、フィードバックループの一部であってもよく、これによって、スラリーが移動可能な支持体上に排出またはスプレーされる圧力は、移動可能な支持体上に強制される、単位時間当たりのスラリーの量に応じて変化してもよい。従って、移動可能な支持体上へのスラリーの最適な分布が得られる。加えて、複数のシートの各々を形成するために使用されるスラリーの量は、同一であることが好ましい。
【0084】
方法は、タンク中のスラリーを攪拌する工程を含むことが好ましい。スラリーは概して、既に混合状態にあるタンクに達する。タンク中のすべての出口(これらは異なる場所に位置付けられている)にて実質的に同一の特性を有するスラリーを得るために、攪拌はまた、例えばスクリューコンベヤーなどの混合デバイスによって、タンク内部で行われることが好ましい。加えて、一定の攪拌または混合は、スラリーのいずれかの部分が乾燥することを回避する。
【0085】
方法は、複数の出口の一つ以上にて、またはタンク内部でスラリーを加熱する工程を含むことが好ましい。「高温」のスラリーは、粘性がより低いスラリーであるため、特にスプレーするまたは排出することによって、移動可能な支持体上に、より簡単に配分される。出口でのスラリーの温度は摂氏約20度~摂氏約50度から成ることが好ましい。
【0086】
方法は、複数の出口のうちの一つ以上から供給されたスラリーの流れを、移動可能な支持体に対して配向することを含むことが好ましい。タンクからのスラリーが移動可能な支持体に到達する方向を調整することが可能であることが好ましい。スラリーの流れの形状も変更することができることが好ましい。このようにして、スラリーの流れを、所望のシートが得られるように調整することができ、シート形成においてより良好な精度を達成する。
【0087】
本発明はまた、アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造するための装置に関し、装置は、スラリーを包含するように適合され、複数の出口を有するタンクと、搬送方向に沿って移動するように適合された移動可能な支持体と、搬送方向に平行に、かつ移動可能な支持体の表面に接触して位置付けられた複数のセパレータであって、移動可能な支持体の表面を数多くのセクションに分割するセパレータとを備え、複数の出口の各々はセクションの上方に位置する。
【0088】
こうした装置の利点は、本方法に関して既に説明されていて、ここでは繰り返さない。タンクからのスラリーは、出口を経由して移動可能な支持体に移送される。スラリーシートを互いに分離された状態に保つために、その表面のうちの一つ(好ましくはタンクに面する表面)上の移動可能な支持体は、複数のセパレータを含み、これによって、様々なシートを形成するスラリーは、セパレータによって画定されたその空間の中に「閉じ込められ」、すなわち、移動可能な支持体の表面の限定された部分に閉じ込められる。
【0089】
各出口は、セパレータによって形成された移動可能な支持体のセクションに通る。複数の各出口は、異なるセクションに通ることが好ましいが、二つ以上の出口が同一のセクションに通る構成も可能である。
【0090】
装置は、複数の出口の各々にてスプレーガンまたは排出ガンを含むことが好ましい。ガンは、例えば各出口から延びるパイプの端に位置付けられ、移動可能なベルトのそのセクション上にスラリーをスプレーするまたは排出するために使用される。
【0091】
装置は、複数の出口の各々にて圧力調節器を含むことが好ましい。装置は、複数の出口の各々にて流量計を含むことが好ましい。タンクから移動可能な支持体へのスラリーの流れのパラメータの制御があることが好ましい。
【0092】
搬送方向に垂直な方向でのセクションの幅は、好ましくは約10ミリメートル~約300ミリメートルから成ることが好ましい。好ましくは、複数の各シートの幅は、「マスター」シートを分割して得られた小さいボビンの「標準」の幅と等しいか、または類似の幅であるような幅であり、そのため、小さいシートは、例えばエアロゾル発生物品を得るために、さらなるプロセス工程を直ちに経ることができる。
【0093】
搬送方向に垂直な方向でのセクションの高さは、好ましくは約10ミリメートル~約100ミリメートルから成ることが好ましい。複数の各シートの厚さは、約5ミリメートル~約20ミリメートルから成ることが好ましい。複数のすべてのシートの厚さは、実質的に同一であることが好ましい。セクションの高さ(ここで高さは、スラリーが堆積される移動可能な支持体の表面に対して実質的に垂直な寸法が意図される)は、こうしたシートの厚さを得るために必要なスラリーの量を包含するのに十分な幅広さである。
【0094】
複数の各出口の寸法または形状は、変更可能であることが好ましい。出口の寸法および/または形状は、スラリーの流れをより良好に制御するために変更することができる。
【0095】
ここで、添付の図面を参照しながら、本発明をより良好に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1図1は、本発明によるアルカロイドを含有する材料の複数のシートの製造のための装置の概略図である。
図2図2は、図1の装置のより詳細な正面図である。
図3図3は、図1の装置の一部分のより詳細な概略側面図である。
図4図4は、図1の装置の細部の側面図である。
図5図5は、図3の細部の断面の正面図である。
図6図6は、本発明による、アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0097】
最初に図1を参照すると、本発明による、アルカロイドを含有する材料の複数のシート(すべてが10で示されている)を製造するための装置が提示されていて、参照番号1で示されている。この実施形態において、複数のシート10は均質化したたばこ材料シートである。
【0098】
均質化したたばこ材料の複数のシートを製造するための装置1は、シート形成装置2を備え、またさらに好ましくは、アルカロイドを含有する材料の複数のシート10の動きの方向11(図1で矢印で示されている)で、シート形成装置2の下流に位置付けられた乾燥装置3も備える。
【0099】
ここで図2を参照すると、シート形成装置2は、均質化したたばこ材料のウェブを形成するためのスラリーが導入されるタンク4と、スラリーをタンクの中に導入するためのポンプ5と、すべてが6で示されている複数の出口と、移動可能な支持体7(この支持体上にスラリーが出口6から送達される)とを備える。タンク4は、任意の幾何学的形状を有してもよく、図示の実施形態において、実質的に角柱である。バッファタンクまたはサイロ(図面に図示せず)からのスラリーは、ポンプ5によってタンクの中に移送される。ポンプ5は、タンク4の中に導入されるスラリーの量を制御する流量の制御(図面では見えない)を備えることが好ましい。ポンプ5は有利なことに、スラリーの移送時間が必要最小限に保たれることを確実にするように設計されている。さらに、スラリーのレベルを測定するために、センサー40がタンク4中に存在する。センサー40とポンプ5の間にフィードバックが存在することが好ましく、これによってスラリーの最適レベルがタンク4中で常に実質的に保たれる。
【0100】
タンク4は側壁15を含み、また底部壁16をさらに含む。スラリーを攪拌および/または混合するために、タンク内部にミキサー17が存在することができる。ミキサーは、例えばモーター18によって動作へと駆動されるスクリューコンベヤーとすることができる。
【0101】
シート形成装置2はまた、移動可能な支持体7を備え、均質化したたばこ材料のウェブ10を形成するために、この支持体上にスラリーが供給される。この移動可能な支持体7は、例えばドラム組立品を備える連続したステンレスベルト7を備える。ドラム組立品は、タンク4の下方に位置する、移動可能な支持体7を動かす主ドラム8(図3~5で見える)を含む。タンク4は、主ドラム8の上に据え付けられることが好ましい。移動可能な支持体7の搬送方向は、動きの方向11に対応する。
【0102】
タンク4の幅(幅によって、搬送方向11に垂直な方向が示されている)は、好ましくは移動可能な支持体7の幅と実質的に同一であることが好ましい。
【0103】
タンクの底部壁16において、開口部16aが形成されていて、主パイプ20に接続されている。主弁21は、主パイプ20を通るスラリーの流れを調節する。スラリーの流れの方向での、主弁21の下流で、主パイプ20は複数の分岐パイプ(すべてが22で示されている)に分岐する。分岐パイプ22の数は出口6の数と等しく、実際に各分岐パイプ22はその自由端にて出口6で終了する。
【0104】
異なる一実施形態において(図示せず)、複数の開口部が底部壁16に対して直接的に形成されていて、複数のパイプは、各パイプが異なる開口部に接続されている。
【0105】
各分岐パイプは弁23を備え、これに続いて体積ポンプ24(例えば、ローブポンプまたはギアポンプ)、圧力調節器25、流量計26がある。要素23~26は、最も上流の要素(主弁21の下流に位置する弁23)から、最も下流の要素(流量計26)まで、スラリーの流れの方向に列挙されている。流量計26および体積ポンプ24は、フィードバックシステムの一部であることが好ましく、これによって、流量計26によって出力される値は、ポンプ24によってパイプ22を通して送達されるスラリーの体積を調節する。
【0106】
一連の要素を図3に示し、ここでシート形成装置2の側面図が取られている。
【0107】
各分岐パイプ22は、出口6が存在するガン27で終結する。各ガン27は、出口を表すノズル(見えない)を含み、ノズルは、例えば注入されたスラリーのためのスリットであってもよく、またはスプレーされたスラリーのための円であってもよい。
【0108】
ガン27は排出器ガンであってもよく、またはスプレーガンであってもよい。両方のシステム(すなわち、排出ガンまたはスプレーガンを有する)において、ガンの位置および/または傾斜を調整することが可能であってもよい。さらに、スラリーを押し出すために、空気圧力調節器で圧縮空気を使用してもよい。排出ガンの場合、出口は調整可能な形状および寸法を有することが好ましい。排出ガンの場合、調整可能なスプレー形状(円錐、スパイラルなど)が排出ガンに提供されていることが好ましい。
【0109】
ガン27は線を形成することが好ましく、すなわちガンは軸に沿って整列されていて、この線は搬送方向11に対して垂直であることが好ましい。
【0110】
さらに、各分岐パイプ22は、電気発熱体および温度センサー(図面に図示せず)を含んでもよい。移送中のスラリーの冷却を防止するために、加熱が使用される。
【0111】
図4および図5において、より良好に見える通り、移動可能な支持体7は表面7aを画定する。表面7aは平面状であることが好ましい。移動可能な支持体7は、スラリーと接触する移動可能な支持体7の表面7a上に位置付けられた複数のセパレータ30を含む。セパレータ30は、移動可能な支持体の表面7aをセクション31に分割する。セパレータ30は、互いに平行である垂直壁などの壁を含むことが好ましい。壁は搬送方向11に平行であり、かつベルトにねじで接続されていて、そのためベルトと一緒に移動/ループする。各セクションの幅32は、シート10のさらなる加工のために使用される、標準的な「小さいボビン」の幅(例えば、約10ミリメートル~約300ミリメートルであることが好ましい)であることが好ましい。すべてのセクションの幅32は、同一であることが好ましい。
【0112】
ガン27は各セクション31に関連付けられていることが好ましい。各ガン27は、スラリーで覆うためにこのセクションを有する。
【0113】
さらに、追加的なセンサー(図示せず)が、移動可能な支持体7上の均質化したたばこ層の平方センチメートル当たりの重量と、このたばこ層の厚さを測定するために、好ましくは移動可能な支持体7の上方に配設されていることが好ましい。センサーは、例えば核子測定ヘッドであってもよい。均質化したたばこのキャストウェブにおける欠陥の位置を特定し、判定するためのセンサー、スラリーおよび平行なシート10の水分を判定するためのセンサー、およびタンク4中のスラリーの温度を判定するための温度センサーなどの追加的なセンサー(依然として図面に図示せず)も同様に存在することが好ましい。
【0114】
すべてのセンサーは、測定されるそれぞれのパラメータ(温度、水分スラリーレベル、欠陥など)に関連する信号を中央制御ユニット50に送信することが好ましい(図1を参照のこと)。中央制御ユニット50は、ポンプ5、24、アクチュエータ、モーター18、センサー40、ガン27、流量計26のうちの一つに、または一部に、またはすべてに電気的に接続されていること、または装置2中もしくはスラリー調製装置(見えない)中のさらなる回路およびアクチュエータに電気的に接続されていることが好ましい。シート10が、欠陥もしくは不均質性を明らかにする場合、またはシート10の特性が予め設定された範囲外にある場合、中央制御ユニット50は、プロセスパラメータの変更を指示し、それ故にスラリーの特性またはシート形成のパラメータに影響を及ぼすことができる。これらのプロセスパラメータは、例えばガン27中のノズルの寸法、スラリーの流量、スラリーの温度、スプレーの形状、またはタンク4中のスラリーの量、またはこれらの組み合わせのいずれかであってもよい。
【0115】
乾燥装置3は、複数の個別の乾燥ゾーンを含む。各乾燥ゾーンは、支持体の下側の蒸気加熱と、移動可能な支持体7の上方の加熱された空気と、好ましくはまた調整可能な排気制御とを含むことが好ましい。乾燥装置3内で、均質化したたばこウェブは、支持体7上で所望の最終的な水分まで乾燥される。
【0116】
ここで図6を参照すると、シート形成装置2を含む装置1の機能は、以下の通りである。好ましくは、たばこ粉末、水、および他の成分を混合し、かつ組み合わせて形成されたスラリーは工程100において、保持タンク(図示せず)から、例えばインラインミキサー(これも図示せず)を使用して、タンク4内部のシート形成装置2に移送される。工程101、主弁21が開放され、スラリーは分岐パイプ22に到達する。それ故にガン27は工程102において、スラリーが移動可能な支持体7、例えばステンレス鋼ベルト7上に供給されるように操作される。各ガン27は、移動可能な支持体7の中で実現された異なるセクション31上にスラリーを堆積させる。さらに、工程100~102のうちのいずれかは、タンク4中のスラリーのレベルと、タンク4内部のスラリーの水分と、スラリーの密度とを、適切なセンサーによってモニターすることを含むことが好ましい。
【0117】
キャストする工程の直後に核子ゲージによって制御された、シート10の厚さおよび坪量は、スラリー測定デバイスを使用して連続的にモニターされる、かつフィードバック制御される。シートの形成は、移動可能な支持体7の中に提供された異なるセクター31中にスラリーをスプレーまたは注入するガン27によって実行される。壁30に起因して、シートは搬送される間、分離されたままである。
【0118】
さらに、シート10は乾燥装置3によって乾燥する工程103を経る。シート10は、一緒に乾燥機に入るように移動可能な支持体上で連続的に移動し、それ故にそれらの乾燥は同時であることが好ましい。乾燥工程は、個別に制御可能なゾーンを有するエンドレスのステンレス鋼ベルト乾燥機中のシートの均一かつ穏やかな乾燥を含むことが好ましい。乾燥中に、各乾燥ゾーンでの穏やかな乾燥プロファイルを確実にするために、各乾燥ゾーンでのシートの温度をモニターする工程(図示せず)が実行されることが好ましい。ウェブは、底部からのスチームパン加熱および上部の空気乾燥を用いて、鋼製ベルト7上で所望の最終的な水分まで乾燥される。すべての乾燥ゾーンは蒸気流量および圧力の制御を装備し、空気温度と空気流量は、所望の乾燥プロファイルを提供するように完全に調整可能であり、製品滞留時間を確実にすることが尊重される。
【0119】
乾燥工程103の終了時に、均質化したたばこ材料のシートは、支持体7から、例えばドクタリングブレードによって取り外されることが好ましい。乾燥ステーションの後で適正な水分含有量にてシートのドクタリング104を実行することが好ましい。
【0120】
乾燥工程103の後、シート10は、巻き取り工程105において幾つかの「小さい」ボビンに巻き取られることが好ましい。次に、エアロゾル発生物品(図示せず)の製造のためにボビンが使用されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカロイドを含有する材料の複数のシートを製造する方法であって、
〇アルカロイドを含有する材料および水を含むスラリーをタンクの中に提供する工程と、
〇前記タンクに複数の出口を提供する工程と、
〇アルカロイドを含有する材料の複数の平行なシートを形成するために、スラリーを前記出口から、移動可能な支持体上に供給する工程と、
〇前記移動可能な支持体を移動する一方で、アルカロイドを含有する材料の前記複数の平行なシートを前記移動可能な支持体上で分離された状態に保つ工程と、を含む、方法。
【請求項2】
〇アルカロイドを含有する材料の前記平行なシートを同時に乾燥する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出口から、移動可能な支持体上にスラリーを供給する前記工程が、
〇前記スラリーを前記移動可能な支持体上に排出することを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
〇前記複数の各出口から別々に供給された前記スラリーの流量を調節する工程を含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
〇同一の出口から供給された前記スラリーの前記流量に基づいて、前記複数の各出口から供給された前記スラリーの前記圧力を変更する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
〇前記タンク中で前記スラリーを攪拌する工程を含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
〇前記複数の出口の一つ以上にて、または前記タンク内部で前記スラリーを加熱する工程を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
〇前記移動可能な支持体に対して、前記複数の前記出口のうちの一つ以上から供給されたスラリーの流れを配向する工程を含む、請求項1~7のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項9】
アルカロイドを含有する材料の複数の平行なシートを前記移動可能な支持体上に形成するために、前記スラリーを前記出口から、単一の連続な移動可能な支持体上に供給する、請求項1~8のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項10】
前記アルカロイドを含有する材料の複数のシートが、前記移動可能な支持体上の複数のセパレータによって、前記移動可能な支持体が移動する間分離される、請求項1~9のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項11】
前記出口から、移動可能な支持体上にスラリーを供給する前記工程が、
前記スラリーを前記移動可能な支持体上にスプレーすることを含む、請求項1~9のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の各出口から別々に供給された前記スラリーの圧力を調節する工程を含む、請求項1~11のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項13】
前記スラリーが、前記移動可能な支持体と前記タンクとの間に置かれた基材シート上に塗布される、請求項1~12のうちの一項以上に記載の方法。